説明

検査装置、検査方法、撮像検査システム、カラーフィルタの製造方法、検査プログラム

【課題】被検査体であるカラーフィルタなどの表示部材の表面に発生するムラ(スジムラ)の周期性の有無の判断が可能な検査装置を実現する。
【解決手段】本発明の検査装置は、表示部材の光照射されている検査対称面を撮像して得られた撮像画像データに基づいて、該表示部材の検査を行う検査装置において、上記撮像画像データに含まれる光分布情報に対して、任意の方向を投影方向として一次元投影処理を行う一次元投影処理回路110と、上記一次元投影処理回路110によって一次元投影処理された光分布情報の周期解析を行う周期解析処理回路120とを備えていることで、周期解析結果から、撮像画像における投影方向の光分布の周期を判断することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーフィルタなどの表示部材の検査を行うための検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビやモニタ等の表示装置の薄型化・大型化が進み、その需要が増加している。それに伴って、今まで以上に高品質な表示性能が求められるようになってきている。
【0003】
表示装置を構成する部品の中でも、カラー表示をさせるためのカラーフィルタは、表示品質を左右する重要な部品の一つである。そのため、カラーフィルタに要求される品質も、より高度なものとなってきている。
【0004】
また、カラーフィルタは製造コストの比重が高いため、このカラーフィルタの歩留まりを向上させ、一枚当たりの製造コストを削減することも要求されている。
【0005】
最近では、インクジェット方式によるカラーフィルタの形成方法が注目されている。この形成方法では、インクジェットヘッドのノズルから、R(赤)・G(緑)・B(青)のインクを各絵素に吐出することにより形成する。インクジェット方式の特徴は、工程数が少なくてすむことや、インクの無駄が少ないことなどで、プロセスの短縮化や低コスト化が実現できる。
【0006】
しかしながら、インクジェット方式においてカラーフィルタを形成する場合には、特にスジムラが発生し易い。その結果として表示品質が下がったり、不良品が出たり、する場合がある。
【0007】
このスジムラを検査する技術として、例えば特許文献1に記載される技術は、所定の傾斜角度で光を照射し、光が照射された膜表面を撮像し、撮像画像情報を分析して、各起伏間における輝度差を算出し、膜表面の各起伏間の膜厚差を推定することで、スジムラを検出している。
【特許文献1】特開2006−184125号公報(平成18年(2006)7月13日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、カラーフィルタ上のスジムラのうち、人間の視覚特性の関係から、特に周期性をもって発生するスジムラが目につき易いため、周期性を有するスジムラは表示装置の品質面から好ましくない。
【0009】
このため、観察されたスジムラが周期性を持つか否かを判断することは、カラーフィルタの検査工程において、極めて重要である。また、スジムラに周期性があることが分かれば、そのスジムラの発生原因が特定しやすくなり、カラーフィルタを製造する際に、スジムラの発生原因をフィードバックすれば品質向上につながる。
【0010】
しかしながら、特許文献1に開示されたカラーフィルタ検査装置では、カラーフィルタ上のスジムラを検出することができるものの、検出しているスジムラの周期性を検出するものではなかった。このため、スジムラの発生原因を特定できず、カラーフィルタを製造する際に、スジムラの発生原因をフィードバックできないので品質を向上させることが難しいという問題が生じる。
【0011】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、被検査体であるカラーフィルタなどの表示部材の表面に発生するムラ(スジムラ)の周期性の有無の判断が可能な検査装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る検査装置は、上記課題を解決するために、表示部材の光照射されている検査対称面を撮像して得られた撮像画像データに基づいて、該表示部材の検査を行う検査装置において、上記撮像画像データに含まれる光分布情報に対して、任意の方向を投影方向として一次元投影処理を行う一次元投影処理手段と、上記一次元投影処理手段によって一次元投影処理された光分布情報の周期解析を行う周期解析処理手段とを備えていることを特徴としている。
【0013】
また、本発明に係る検査方法は、上記課題を解決するために、表示部材の光照射されている検査対称面を撮像して得られた撮像画像データに基づいて、該表示部材の検査を行う検査方法において、上記撮像画像データに含まれる光分布情報に対して、任意の方向を投影方向として一次元投影処理を行う第1のステップと、上記第1のステップによって得られた一次元投影処理後の光分布情報の周期解析を行う第2のステップとを含むことを特徴としている。
【0014】
上記構成によれば、一次元投影処理手段によって、撮像画像データにおける二次元の光分布情報に対して一次元投影処理を行うことで、撮像画像における投影方向の光分布情報を得ることができる。そして、周期解析処理手段によって、撮像画像における投影方向の光分布情報の周期解析を行うことで、周期解析結果から、撮像画像における投影方向の光分布の周期を判断することができる。
【0015】
これにより、表示部材の表面のスジムラの発生方向を上記の投影方向とすれば、スジムラの周期性の有無を判断することが可能となる。
【0016】
例えば、上記表示部材がカラーフィルタである場合、該カラーフィルタの表面に発生しているスジムラのうち、周期性を有するスジムラを特定することが可能となるので、発生した周期性を有するスジムラをなくすように製造工程を変更することで、高品質のカラーフィルタを得ることができる。
【0017】
また、上記周期解析処理手段は、上記光分布情報に対してフーリエ変換を行うようにしてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、周期解析処理手段が、一次元投影処理手段によって一次元投影処理された光分布情報に対してフーリエ変換を行うことで、該光分布情報の周期関数を求めることができる。
【0019】
この求めた周期関数を、例えばグラフ化すれば、オペレータは視覚により表示部材の表面のスジムラの周期性の有無の判断を容易に行うことができる。
【0020】
また、フーリエ変換を用いて周期関数を求めているので、この周期関数からスジムラの周期を求めることができる。
【0021】
これにより、表示部材を製造する際に、スジムラの周期をフィードバックさせることで、スジムラの発生原因を特定することが可能となり、その結果、品質の高い表示部材を提供することができる。
【0022】
上記構成の検査装置は、さらに、上記一次元投影処理手段によって一次元投影処理された光分布情報を、任意の大きさのフィルタによりフィルタリング処理を行うフィルタリング処理手段を備え、上記周期解析処理手段は、上記フィルタリング処理手段によってフィルタリング処理された光分布情報の周期解析を行うようにしてもよい。
【0023】
また、上記構成の検査方法は、さらに、上記第1のステップと上記第2のステップとの間に、上記第1のステップによって得られた一次元投影処理後の光分布情報を、任意の大きさのフィルタによりフィルタリング処理を行うフィルタリング処理ステップが設けられ、上記第2のステップは、上記フィルタリング処理ステップによって得られたフィルタリング処理後の光分布情報の周期解析を行うようにしてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、フィルタリング処理手段によって、一次元投影処理された光分布情報を、任意の大きさのフィルタによりフィルタリング処理を行うことで、後段の解析手段によって、フィルタサイズよりも大きな幅を持つスジムラの周期を抑制し、フィルタサイズよりも小さな幅をもつスジムラの周期を抽出することが可能となる。
【0025】
つまり、フィルタリング処理回路におけるフィルタサイズを変えることで、種々の幅のスジムラの周期を抽出することが可能となるので、必要な幅のスジムラの周期を強調させることができ、その結果、スジムラの周期性の有無の判断を容易にできる。
【0026】
上記フィルタリング処理回路におけるフィルタリング処理は、モフォロジ処理であることが好ましい。
【0027】
上記フィルタリング処理回路におけるフィルタリング処理は、平滑化処理であることが好ましい。
【0028】
また、上記フィルタリング処理回路は、上記一次元投影処理手段によって一次元投影処理された光分布情報に対して平滑化処理を行う平滑化処理回路と、上記平滑化処理回路によって平滑化処理された光分布情報に対してモフォロジ処理を行うモフォロジ処理回路とを備え、上記モフォロジ処理回路によってモフォロジ処理された光分布情報を上記周期解析処理手段に出力するようにしてもよい。
【0029】
さらに、上記フィルタリング処理回路は、上記一次元投影処理手段によって一次元投影処理された光分布情報に対してモフォロジ処理を行うモフォロジ処理回路と、上記モフォロジ処理回路によってモフォロジ処理された光分布情報に対して平滑化処理を行う平滑化処理回路とを備え、上記平滑化処理回路によって平滑化処理された光分布情報を上記周期解析処理手段に出力するようにしてもよい。
【0030】
上記の構成によれば、一次元投影処理手段によって一次元投影処理された光分布情報に対して、平滑化処理およびモフォロジ処理の異なる2種類のフィルタリング処理を行うことで、一方でフィルタリングできなかった、あるいは強調できなかった幅のスジムラの周期であっても他方で補うことができる。これにより、さらに、容易にスジムラの周期性の有無の判断及びスジムラの周期を特定することが可能となる。
【0031】
上記検査装置は、下記に示すように、撮像検査システムに適用できる。
【0032】
すなわち、本発明の撮像検査システムは、表示部材の表面または裏面に光を照射する照明装置と、上記照明装置によって光が照射された状態で上記表示部材の光照射されている検査対称面を撮像する撮像装置と、上記撮像装置によって撮像された撮像画像データに基づいて、上記表示部材の検査を行う上記構成の検査装置とを備えたことを特徴としている。
【0033】
また、本発明のカラーフィルタの製造方法は、上記の課題を解決するために、カラーフィルタ製造装置によってカラーフィルタを製造するカラーフィルタの製造方法であって、上記した検査方法による周期解析の結果、良品であると判定されたカラーフィルタのみを、上記カラーフィルタ製造装置における、上記検査工程以降の製造工程に供することを特徴としている。
【0034】
上記の構成によれば、カラーフィルタ製造工程に含まれる検査工程において、周期解析の結果、良品であると判定されたカラーフィルタ(スジムラに周期性が無いと判断されたカラーフィルタ)のみが検査工程以降のカラーフィルタの製造工程に供されるので、スジムラの周期性の有るカラーフィルタが検査工程以降の工程を経てしまうことがない。したがって、不良品のカラーフィルタを無駄に生産することがなくなるので、カラーフィルタの歩留まりの向上を図ると共に、カラーフィルタの製造コストを低減させることができる。
【0035】
本発明のカラーフィルタの製造方法は、上記の課題を解決するために、カラーフィルタ製造装置によってカラーフィルタを製造するカラーフィルタの製造方法であって、上記した検査方法による周期解析の結果、不良品であると判定されたカラーフィルタが発生した場合に、不良品が発生したという情報を、上記カラーフィルタの製造装置に伝達することを特徴としている。
【0036】
上記の構成によれば、カラーフィルタ製造工程に含まれる検査工程において、周期解析の結果、不良品であると判定されたカラーフィルタ(スジムラに周期性があると判断されたカラーフィルタ)が発生したという情報がカラーフィルタの製造装置に伝達されるので、カラーフィルタの製造装置側でカラーフィルタの製造ラインを停止させるなどの措置を講じることが可能となる。したがって、不良品のカラーフィルタを無駄に生産することがなくなるので、カラーフィルタの歩留まりの向上を図ると共に、カラーフィルタの製造コストを低減させることができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明に係る検査装置は、以上のように、表示部材の光照射されている検査対称面を撮像して得られた撮像画像データに基づいて、該表示部材の検査を行う検査装置において、上記撮像画像データに含まれる光分布情報に対して、任意の方向を投影方向として一次元投影処理を行う一次元投影処理手段と、上記一次元投影処理手段によって一次元投影処理された光分布情報の周期解析を行う周期解析処理手段とを備えていることで、周期解析結果から、撮像画像における投影方向の光分布の周期を判断することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本発明の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。
【0039】
なお、本願発明において表示部材とは、映像表示装置に用いられ、光を透過又は反射又はその両方をする部材のことを言う。
【0040】
また、本実施の形態では、表示部材として、インクジェット方式で形成されたカラーフィルタを例にとって説明する。
【0041】
なお、以下の説明において、カラーフィルタとは、特定の波長の光を通すことで表示装置にカラー表示をさせるフィルタのことを言う。また、カラーフィルタは、ブラックマトリクスが形成されたガラス基板上にインクジェット方式により液状材料を吐出することによって形成されるものとする。さらに、ブラックマトリクスおよびカラーフィルタが形成された状態のガラス基板をカラーフィルタ基板という。
【0042】
〔実施の形態1〕
図2は、本発明の検査装置である撮像検査システム300の概略を示したものである。
【0043】
撮像検査システム300は、図2に示すように、被検査体であるカラーフィルタ基板330を検査するものであって、カラーフィルタ基板330の表面(カラーフィルタ形成面)に光を照射する照明装置(照射手段)310、上記カラーフィルタ基板330による反射光を撮像するカメラ(検知手段)320、カラーフィルタ基板330を載せるためのステージ340、を備えている。
【0044】
なお、カメラ(検知手段)320は、撮像された画像を画像解析装置(検査装置)100に出力する出力手段を含んで構成されている。このカメラ320から出力される情報は、該カラーフィルタ基板330の表面の輝度分布情報を含んだ撮像画像情報である。輝度分布情報は、カラーフィルタ基板330の所定の領域単位、例えば画素単位の輝度値の分布状態を示す情報である。
【0045】
上記画像解析装置100によって解析された情報は、後述するムラ周期情報として、結果出力装置400に出力される。なお、画像解析装置100の詳細について後述する。
【0046】
上記結果出力装置400では、入力されたムラ周期情報に基づいてオペレータが確認できるようなデータ、例えばグラフ化したデータを結果データとして出力する。出力結果については後述する。
【0047】
上記カラーフィルタ基板330は、下記のように形成される。
【0048】
図3は、カラーフィルタ基板330の製造工程(製造方法)の一部の工程、インクジェット法によるカラーフィルタの液状材料の吐出工程を示した図である。ブラックマトリクス210が形成されたガラス基板220に対して、ヘッドユニット230が走査方向(図面では奥または手前方向)に動き、ブラックマトリクス210間のガラス基板220上にインクジェットのノズル240が液状材料を走査方向に順に吐出していく。そして、走査方向の吐出が完了すれば、ヘッドユニット230は、走査方向とは直交する方向(図面では、左右方向)に所定の距離移動した後、再び、走査方向(図面では手前または奥方向)に動き、インクジェットのノズル240が液状材料を走査方向に順に吐出していく。上記ヘッドユニット230による上記の動作が繰り返されることで、カラーフィルタ基板330上にカラーフィルタが形成される。
【0049】
このときに、なんらかの原因で液状材料の吐出量がヘッドユニット230のノズル240ごとにバラバラになってしまった場合等には、ノズル間隔でカラーフィルタにスジムラが発生する。
【0050】
また、なんらかの原因で一つのノズルが詰まっている場合等には、ヘッドユニット230間隔でカラーフィルタにスジムラが発生する。具体的には、ヘッドユニット230のノズル240の走査方向と直交する方向への配設数単位で、例えば図2では、3つのノズル240単位で走査方向にスジムラが発生する。
【0051】
このように、インクジェット法によってカラーフィルタ基板330を作成した場合には、その発生原因に応じて様々な周期を持ったスジムラが発生する。
【0052】
このようなスジムラは、図2に示す撮像手段であるカメラ320によって撮像することで明確となる。
【0053】
図4は、上記カメラ320によってカラーフィルタ基板330を平面状(2次元)に撮像して得られた画像の一例を示した図である。ここでは、上記のヘッドユニット230を用いた場合に生じるスジムラを示しており、撮像された画像において、スジムラ方向に平行な方向をY方向とし、このスジムラ方向に対して垂直方向をX方向としている。ここで、スジムラとは、カラーフィルタ基板330のカラーフィルタ形成面に、膜厚の違いにより複数のスジ状のムラとして認識されるムラをいう。したがって、スジムラ方向とは、形成されたスジの長手方向をいう。
【0054】
本願発明では、検査装置である画像解析装置100によって、被検査体であるカラーフィルタ基板330の平面状の撮像画像から抽出された二次元輝度分布情報(光分布情報)からカラーフィルタ基板330表面に形成されたカラーフィルタに発生しているスジムラの周期性を判断するための情報を提供するようになっている。
【0055】
図1は、本実施の形態に係る、検査装置である画像解析装置100の概略ブロック図を示したものである。
【0056】
画像解析装置100は、上述したように、撮像検査システム300による撮像画像情報を解析し、ムラ周期情報として結果出力装置400に出力する機能を備えている。
【0057】
上記画像解析装置100は、図1に示すように、入力された二次元輝度分布情報を一次元輝度分布情報に変換する一次元投影処理回路(一次元投影処理手段)110と、一次元投影処理回路110によって変換された一次元輝度分布情報の周期解析を行う周期解析処理回路(周期解析処理手段)120と、これら各処理回路に対して各種命令を含んだ制御信号を送るためのCPU150とを備えている。
【0058】
具体的には、上記画像解析装置100では、まず、CPU150の命令により、一次元投影処理回路110が、撮像検査システム300から撮像画像情報を取得する。
【0059】
一次元投影処理回路110は、取得した撮像画像情報に含まれる二次元輝度分布情報を一次元輝度分布情報に変換する。この一次元投影処理回路110による一次元投影処理についての詳細は後述する。さらに、CPU150の命令により、一次元投影処理回路110は、一次元投影処理結果を後段の周期解析処理回路120に出力する。
【0060】
周期解析処理回路120は、入力された一次元輝度分布情報をフーリエ変換して、該一次元輝度分布情報の周期性を解析する。この周期解析処理回路120による周期解析処理についての詳細は後述する。さらに、CPU150の命令により、周期解析処理回路120は、フーリエ解析処理結果をムラ周期情報として後段の結果出力装置400に出力する。
【0061】
上記結果出力装置400は、入力されたムラ周期情報を人間が認識しやすい形、例えば、グラフ化して出力する。オペレータは、この出力結果を見て、カラーフィルタ基板330表面に形成されたカラーフィルタに周期性を有するスジムラが存在しているか否かを判断するようになっている。したがって、結果出力装置400から出力される結果は、オペレータが判断できる形であれば、どのような形であってもよい。
【0062】
上記撮像検査システム300による反射光は、カラーフィルタ基板330の絵素の厚みが他の領域に比べて相対的に大きい部分は反射光量が多く、カラーフィルタ基板330の絵素の厚みが他の領域に比べて相対的に小さい部分は反射光量が少なくなる。この反射光量の差がムラとなって認識される。
【0063】
なお、前述した原因により、一般的にインクジェット法による膜厚差は、ヘッドユニット230の走査方向に一列に発生する場合が多く、膜厚差が一列に発生した場合は、カメラ(検知手段)320によって撮像された画像データにスジムラが観察される。
【0064】
なお、上述したように、人間の視覚特性の関係から、カラーフィルタ基板330に発生するスジムラのうち、周期的に発生するスジムラが目立つので、周期的に発生しているスジムラの有無を判定することは品質向上のために重要である。
【0065】
以下に、上記構成の画像解析装置100による、スジムラの周期性の有無を判断するための処理について説明する。
【0066】
まず、一次元投影処理回路110による一次元投影処理について説明する。
【0067】
図4は、撮像手段としてのカメラ320によって撮像された画像の一例を示した図である。なお、一次元投影処理回路110は、上記カメラ320によって撮像された画像データ(例えば図4)に含まれる光分布情報に対して、任意の方向を投影方向として一次元投影処理を行うようになっている。ここで、投影方向とは、上述したスジムラ方向に沿って輝度値を加算する方向(一次元投影処理を行う方向)とする。本実施の形態では、図4に示すように、撮像された画像においてスジムラ方向に平行なY方向としている。
【0068】
従って、本実施の形態における、一次元投影処理では、上記任意の方向をY方向として、図4に示す画像に対して、Y方向に輝度値の平均化を行い、二次元の輝度分布情報を一次元化する。
【0069】
ここで、撮像画像の輝度分布情報をpxyと表す。x、yは、それぞれX方向、Y方向の座標値である。これを用いて、一次元化される輝度分布情報は、式(1)を演算することで得られる。
【0070】
【数1】

【0071】
ここで、NはY方向のデータ数である。
【0072】
図5は、式(1)によって、求めた一次元輝度分布情報をグラフにしたものである。縦軸は輝度値であり、横軸はX座標の位置である。なお、横軸の単位はピクセル(pix)とする。
【0073】
このようにして求めた一次元輝度分布情報は、後段の周期解析処理回路120によってフーリエ変換される。
【0074】
なお、本実施の形態では、一次元投影処理の一例として、輝度値の平均値をとる方法を用いたが、一次元投影処理は二次元データを一次元化できるものであれば、特にこれに限られるものではない。例えばY方向に輝度値の積分をとる方法であってもよいし、Y方向に重みをつけて足し合わせる方法であってもよい。
【0075】
次に、周期解析処理回路120による周期解析処理について説明する。
【0076】
上記周期解析処理回路120で行われるフーリエ変換は、式(2)を用いて行われる。
【0077】
【数2】

【0078】
上記式(2)を用いて、フーリエ変換することで、周波数の分布を求めることができる。さらに、周波数の逆数をとれば、結果を周期の関数にすることができる。
【0079】
図6は、一次元投影処理回路110によって一次元投影されたデータ(図5に示すグラフ)をそのままフーリエ変換した結果を示すグラフである。縦軸はスペクトルの強度を示している。横軸は周波数の逆数をとり、周期に変換して対数表示している。なお、周期の単位はピクセル(pix)である。
【0080】
このグラフで、顕著なスペクトルが観察される部分A(T Pix周期のスジムラによるスペクトル)があることから、スジムラが周期性を持って発生していることがわかる。このように、フーリエ変換を行うことで、カラーフィルタ基板330で発生しているスジムラの周期性の有無を示すデータ(ムラ周期情報)を得ることができる。
【0081】
ここで、上記ムラ周期情報は、結果出力装置400においてオペレータが認識できるグラフなどの形式で出力することで、オペレータによって、スジムラの周期性の有無を判定させることを可能としている。
【0082】
なお、スジムラの周期性の有無の判定を、上述のように、オペレータによる目視判定ではなく、ムラ周期情報に含まれるスペクトルと周期との関係から自動的に行うようにしてもよい。
【0083】
例えば、スジムラの周期性の有無の判定、すなわち、顕著なスペクトルが観察されるか否かの判定を、あらかじめ保存された判定基準情報を読み出し、検出されたスペクトルと比較を行うことで、スジムラの周期性の有無の判定を自動的に行うことが可能となる。この判定基準情報は、判定基準データベースに登録しておく。この判定基準データベースは、例えば撮像検査システム300の結果出力装置400内に設けてもよく、別途設けてもよい。
【0084】
具体的には、上記判定基準情報として、例えば、図6の移動平均を取り、移動平均値の近傍(例えば、移動平均値を1.2倍した値を上限値、移動平均値を0.8倍した値を下限値とした範囲)を判定基準情報とし、この範囲から外れているスペクトル値があるか否かを判定することでスジムラの周期性の有無を自動的に判定する方法がある。また、その他各種の方法によって、スジムラの周期性の有無を判定するようにしてもよい。
【0085】
また、前述したように、発生原因に応じて様々な周期を持ったスジムラが発生するので、予め予測されるスジムラの幅や周期を含んだ情報を、スジムラの発生原因と関連付けて上記判定基準データベースに登録しておき、検出したムラ周期情報に含まれるスジムラの幅や周期と登録された情報とからスジムラの発生原因を特定するようにしてもよい。
【0086】
例えば、上記判定基準データベースに登録する情報としては、スジムラの発生原因と関連付けられたスジムラの周期とその近傍の範囲を含めた近傍値範囲を用いる。そして、ムラ周期情報に含まれる周期が、上記判定基準データベースに登録された周期の近傍値範囲内に含まれているか否かを、登録された周期に対して順に確認していき、登録された周期の近傍値範囲内に含まれているか否かによって判定する。このとき、検出したムラ周期情報に含まれるスジムラの周期が、登録されたある周期の近傍値範囲に含まれていると判断されれば、その周期のスジムラをもたらす発生原因を特定することができる。
【0087】
ここで、周期を、近傍値範囲まで広げて設定するのは、ヘッドユニットの位置ずれやその他の原因により誤差が発生する場合があるためであり、その誤差を考慮して範囲を設定する。例えば、近傍値範囲は、ヘッドやノズルや走査ステージなどの機構の寸法誤差値・動作誤差値等や経験値などから決定されている。さらに、スジムラの幅についての情報を判定基準データベースに追加して判定するようにしてもよい。
【0088】
上記のように、スジムラの周期性の有無を判定することで、この判定結果を生産工程にフィードバックすることが可能となる。
【0089】
また、Tピクセル付近に顕著なスペクトルが発生することから、スジムラの周期がTピクセル程度であることがわかる。このように、フーリエ変換によって、スジムラの周期を求めることも可能である。
【0090】
上述したように、一般にインクジェット方式においては、スジムラ発生の原因に応じて異なる周期のスジムラが観察される。
【0091】
したがって、スジムラの周期性の有無を知るのみでなく、さらに周期を求めることができれば、スジムラ発生の原因を知り、生産工程にフィードバックさせることもできる。
【0092】
この場合、判定結果としては、スジムラの周期性の有無を示す情報に加えて、上述したスジムラの発生原因を特定するための情報を含ませるようにすればよい。
【0093】
以下に、カラーフィルタ基板330上のカラーフィルタのムラ周期情報をカラーフィルタ基板330の生産工程(製造工程)にフィードバックした例について説明する。
【0094】
なお、以下の説明では、上述したカラーフィルタの検査方法を実行する工程(以下、カラーフィルタ検査工程と称する)は、一連のカラーフィルタ基板330の製造工程に含まれているものとする。例えば、図7に示すカラーフィルタ基板の3つの製造工程(ステップS1〜S3)において、カラーフィルタ検査工程を示すステップS2を基準に考えた場合、ステップS1は、前工程であり、ステップS3は、次工程である。
【0095】
上記の前工程であるステップS1は、図7に示すように、ブラックマトリクス製造工程と、カラーフィルタ製造工程とを含んでいる。
【0096】
上記ブラックマトリクス製造工程では、ガラス基板上に、スピンコートによりカーボンの微粒子を分散したネガ型のアクリル系感光性樹脂液を塗布した後、乾燥を行い、黒色感光性樹脂層を形成する。続いて、フォトマスクを介して黒色感光性樹脂層を露光した後、現像を行って、ブラックマトリクス(BM)を形成する。例えば、図3に示すように、ガラス基板220上にブラックマトリックス210を形成する。このとき、次の工程である、カラーフィルタ製造工程において使用するための開口部、すなわちヘッドユニット230の各ノズル240から吐出されるインクを受け入れるための開口部(各色のフィルタに相当)が形成されるように、ブラックマトリクス210を形成する。
【0097】
上記カラーフィルタ製造工程では、上述したように、ブラックマトリクス210が形成されたガラス基板220に対して、ヘッドユニット230が走査方向(図面では奥または手前方向)に動くことで、ブラックマトリクス210間のガラス基板220上にインクジェットのノズル240が液状材料を走査方向に順に吐出して、ガラス基板220上にカラーフィルタを形成する。なお、インクジェットやローラー転写などによりブラックマトリックス210を形成してもよい。また、必要に応じて表面加工処理を行ってもよい。
【0098】
上記のステップS1の前工程が完了した後、カラーフィルタ検査工程を実行する(ステップS2)。このカラーフィルタ検査工程では、カラーフィルタのムラ周期情報を検出し、検出結果から、カラーフィルタの良品判定を行う。
【0099】
ここで、上記ムラ周期情報には、スジムラの周期性の有無を示す情報、スジムラの発生原因を特定するための情報に加えて、スジムラの周期性を有している場合のその周期におけるスペクトル値が少なくとも含まれているものとする。
【0100】
例えばカラーフィルタを生産する装置(カラーフィルタ製造装置)では、上記の検査装置である画像解析装置100から送られたムラ周期情報にスジムラの周期性が存在している旨が含まれている場合、ムラ周期情報に含まれる情報を、予め作成保存された検査基準情報と比較することで、その比較結果に応じて、被検査ワークであるカラーフィルタの処理(検査工程以降の処理を含める)を変更する。なお、上記検査基準情報は、上述した判定基準データベースに登録してもよいし、他のデータベースに登録してもよく、必要に応じて、カラーフィルタ製造装置が読み込めるデータベースであれば何れに登録していてもよい。
【0101】
カラーフィルタの処理を変更するとは、例えば、ムラ周期情報に含まれるスペクトル値が、検査基準情報に含まれている第1所定値以上であると判定されたカラーフィルタが形成されたカラーフィルタ基板を、予め作成保存された被検査物処理変更情報に基づいて廃棄し、上記第1所定値未満で第2所定値以上であると判定されたカラーフィルタが形成されたカラーフィルタ基板を、リワーク工程へ搬送することである。なお、ムラ周期情報に含まれるスペクトル値が、上記第2所定値未満であると判定されたカラーフィルタが形成されたカラーフィルタ基板は、良品であると判定し、検査工程に実行される次の製造工程へ搬送するようになっている。
【0102】
上記のリワーク工程に搬送されるカラーフィルタは修復可能な状態であると判断されたカラーフィルタであり、カラーフィルタ検査工程で得られた異常箇所の位置情報などを含むリワーク情報とともにリワーク工程に搬送され、このリワーク工程で修復処理された後、再度、検査工程に搬送され、検査される。なお、上記リワーク工程は、カラーフィルタ基板の製造工程のステップS1におけるブラックマトリクス製造工程やカラーフィルタ製造工程に含まれている。リワーク工程は、異常箇所のみを修復する局所的な修復の場合と、カラーフィルタ基板の全面的な修復の場合があり、また、カラーフィルタのみを修復する場合と、ブラックマトリクスとカラーフィルタを修復する場合等がある。
【0103】
また、ステップS2のカラーフィルタ検査工程において、廃棄処分やリワーク工程行きとして判定されたときのスペクトル値等を、前工程S1にフィードバックする。カラーフィルタ製造工程にフィードバックされる場合、カラーフィルタ製造工程では、フィードバックされたスペクトル値と上述の判定基準データベースからカラーフィルタ製造工程における製造条件の変更(例えば、インクの吐出量の調整、ヘッドユニットの移動速度の変更など)を行い、カラーフィルタを製造する。さらに、ステップS2のカラーフィルタ検査工程において、ブラックマトリクスの幅が適切でないことに起因するムラが発生していると判定された場合には、ブラックマトリクス製造工程に対して、ブラックマトリクスの製造条件の変更(ブラックマトリクスを形成するためのフォトマスクの形成位置の調整など)を指示する。そして、ブラックマトリクス製造工程では、指示された内容で製造条件を変更し、ブラックマトリクスを製造する。なお、スペクトル値と判定基準データベース等による製造条件の変更の決定は、製造の前工程側で行ってもよいし、カラーフィルタ検査工程側で行い製造条件変更の指示を製造の前工程へ送信してもよい。
【0104】
以上のようにして検査が完了し、良品であると判定されたカラーフィルタが形成されたカラーフィルタ基板は、次工程(ステップS3)に搬送される。なお、良品であると判定された場合であっても、良品の限界値付近である場合は、カラーフィルタの検査結果を考慮した製造条件で次工程が実行されるように、製造条件の変更指示が行ってもよい。
【0105】
ステップS3では、ITOなどの透明電極からなる対向電極をスパッタリングにより形成し、その後、例えば液晶パネルのセルギャップを規定するための柱状スペーサ(図示せず)を、アクリル系感光性樹脂液を塗布しフォトマスクで露光、現像、硬化して形成する。
【0106】
以上により、カラーフィルタ基板330が形成される。
【0107】
このように、カラーフィルタの検査工程で得られた検査結果であるムラ周期情報に基づいて、検査後のカラーフィルタを、検査結果に応じて処理することができるので、最終的に得られるカラーフィルタの良品率を向上させることができる。
【0108】
しかも、スジムラの周期性が有る場合であっても、スジムラの発生程度(スペクトル値の大きさ)によって、修復可能か否かを判断するようになっているので、スジムラの周期性の発生したカラーフィルタをすべて不良品とはせずに、スジムラの周期性の発生しているカラーフィルタのうち、修復不可能なスジムラが発生しているカラーフィルタのみを不良品と判断し廃棄することになる。これにより、カラーフィルタの無駄な廃棄を無くすことができるので、カラーフィルタの歩留まりの向上及び製造コストの低減を図ることができる。
【0109】
これにより、カラーフィルタの製造にかかる時間をトータルで短縮することができる。
【0110】
被検査ワークであるカラーフィルタの処理変更は、単一のカラーフィルタに対して行ってもよいし、属するロットのカラーフィルタ全てに対して行ってもよいし、同型番のカラーフィルタ全てに行ってもよい。
【0111】
不良品であると判断されたカラーフィルタに対しては、そのカラーフィルタ基板の予め決められた所定箇所に、あるいはカラーフィルタの異常発生領域にマーキングなどを行ってもよい。
【0112】
この場合には、不良品であると判断されたカラーフィルタは、製造工程においては廃棄処理されずに、オペレータによって不良品の発生原因の特定する際に使用される。
【0113】
また、複数のカラーフィルタ(あるいは、カラーフィルタ内の複数の箇所)の検査工程で得られた検査値を検査値データベース(例えば検査装置に搭載)などに保存し、判定基準データベースに予め登録された検査基準情報に記載の条件に当てはまる状況に適合した場合に、記載の製造工程や製造工程条件の変更を行うようにしてもよい。
【0114】
例えば、ムラ周期情報に含まれるスペクトル値がある基準値(上述の第1所定値あるいは第2所定値)以上であるカラーフィルタが連続する個数や発生頻度をカウントし、所定個数や所定頻度を超えた際に、検査結果により製造工程を変更する製造工程変更情報に基づいて、その不良の発生原因となる工程よりも前の製造工程にフィードバックして、製造方法を変更する。
【0115】
製造方法の変更としては、例えば、製造装置の製造条件の変更を行ったり、該製造装置のメンテナンスの必要性についてチェック検査を開始したり、製造装置を停止したり、発生原因となる部品のクリーニングや交換を行うことが考えられる。
【0116】
また、検査工程よりも後の製造工程に検査値を伝達して、製造方法を変更してもよい。
【0117】
例えば、ある基準以上の検査値(スペクトル値)の、所定数以上のカラーフィルタの属するロットのカラーフィルタに対して、次製造工程の製造条件を、高い検査値が緩和される方向、例えば、最終的な輝度値が最終検査基準の範囲内に入るように、製造工程変更情報にしたがって、変更してもよい。
【0118】
なお、本実施の形態では周期解析処理の一例として、周期解析処理のためにフーリエ変換を用いたが、周期解析処理は周期性の有無を検査できるものであれば、特にこれに限られるものではない。
【0119】
また、本実施の形態では表示部材表面に光を照射して、反射光分布を元に解析を行ったが、透過光分布を元に解析を行ってもよい。
【0120】
透過光分布を利用した場合であっても、反射光分布を利用した画像処理手順と同じ手順の画像処理手順でよい。
【0121】
例えば、表示部材(カラーフィルタ)の裏面に光を照射して、カラーフィルタの形成面である正面に光を透過させて得られる透過光分布を元に上述した周期解析を行うことが考えられる。
【0122】
この場合、照明装置をカラーフィルタ非形成側(表示部材の裏面側)に配置し、カメラをカラーフィルタ形成側(表示部材の正面側)に配置する。カメラの配置角度としては、カラーフィルタ形成面上でムラが現れやすい角度に設定するのが望ましい。例えば、直進透過光よりも、反射の場合と同様、基板裏面に対する照射角度と透過光の基板に対する出射角度が異なっているのが、望ましい。具体的には、照明装置は基板の法線方向で、カメラは基板の法線よりも傾いた角度に配置したり、あるいは、照明装置は基板の法線よりも傾いた角度で、カメラは基板の法線方向や直進透過光の方向よりも傾いた角度に配置することが考えられる。
【0123】
本実施の形態1では、一次元投影処理させたデータに対して、そのまま周期解析処理を行ったが、周期解析処理を行う前にフィルタリング処理(モフォロジ処理)を行ってもよい。
【0124】
なお、本明細書においてフィルタリング処理とは、光分布情報(輝度分布情報)を一次元投影した情報に対して、一定の周期幅の凹凸を抽出又は抑制する処理をいう。
【0125】
以下の実施の形態2では、フィルタリング処理の一例としてモフォロジ処理を用いた場合について説明し、また、実施の形態3では、フィルタリング処理の一例として平滑化処理を用いた場合について説明し、さらに、実施の形態4では、モフォロジ処理と平滑化処理の両方を用いた場合について説明する。
【0126】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態では、前記実施の形態1で説明した処理回路と同じ処理回路については同一名及び同一部材番号を付記し、その説明は省略する。
【0127】
図8は、本実施の形態にかかる画像解析装置102の概略ブロック図を示す。ここで、前記実施の形態1の図1に示した画像解析装置100と相違する点は、一次元投影処理回路110の後段に、モフォロジ処理回路130が設けられている点である。
【0128】
すなわち、上記画像解析装置102では、一次元投影処理回路110によって一次元投影処理された一次元輝度分布情報をモフォロジ処理回路130によってフィルタリング処理された後、周期解析処理回路120によって周期解析処理が行われる。
【0129】
なお、上記モフォロジ処理回路130も、他の処理回路と同様に、CPU150からの制御信号によって制御されるものとする。
【0130】
ここで、上記モフォロジ処理回路130における、モフォロジ処理について説明する。
【0131】
図9(a)(b)は、本実施の形態で用いるモフォロジ処理について説明するための概略図である。
【0132】
本実施の形態におけるモフォロジ処理の種類は、黒モフォロジ処理と、白モフォロジ処理の二種類ある。
【0133】
黒モフォロジ処理は、一定幅(フィルタサイズ)より幅の大きい凹部(周辺の輝度に比べて、輝度値の低いスジムラ)を抑制する処理であり、白モフォロジ処理は、一定幅(フィルタサイズ)より幅の大きい凸部(周辺の輝度に比べて、輝度値の高いスジムラ)を抑制する処理である。
【0134】
黒モフォロジ処理は、一次元化されたデータ(図9(a)に実線で示す)に対して、x方向に走査しながらフィルタリング領域内の輝度値の最大値を求める最大値化処理をして、最大値分布(図9(a)に破線で示す)を求め、この最大値分布に対してx方向に走査しながら前記フィルタリング領域内の輝度値の最小値を求める最小値化処理をして最小値分布(図9(a)に太線で示す)を求め、一次元化されたデータと最小値分布との差を求めて、モフォロジ分布(図9(b)に実線で示す)を求める処理である。
【0135】
具体的には、下記式(3)を解くことで求めることができる。ここで、fはフィルタサイズを決めるために入力する定数であり、2f+1がフィルタサイズとなる。
【0136】
【数3】

【0137】
ただし、式(3)中のMin[]及びMax[]は下記式(4)、(5)で表される演算子である。Minf[]は、[]の中の数列の最小値を選出する演算子であり、Maxf[]は、[]の中の数列の最大値を選出する演算子である。
【0138】
【数4】

【0139】
【数5】

【0140】
黒モフォロジ処理の結果、フィルタサイズ(2f+1)より小さい幅の凹部分を抽出することが可能となる。
【0141】
白モフォロジ処理は、黒モフォロジ処理の逆で、下記式(6)で表される。この場合は、フィルタサイズ(2f+1)より小さい凸部分を抽出することが可能となる。
【0142】
【数6】

【0143】
図10は、本実施の形態における検査方法の処理の流れを示したフローチャートである。なお、本フローチャートでは、一次元投影処理回路110における処理を省略し、モフォロジ処理回路130と周期解析処理回路120における処理の流れを示している。また、以下の手順は、白モフォロジ処理と黒モフォロジ処理についてそれぞれ行う。
【0144】
まず、N=1とする(ステップS1)。ここで、Nは特定な整数とする。
【0145】
次に、f=2Nとして、2f+1がMAXより小さいかどうかを判断する(ステップS2)。ここで、MAXは、例えば、128、256、512、1024等の特定な整数とする。
【0146】
ステップS2において、2f+1がMAXより小さい場合は、フィルタサイズを2f+1として、一次元投影処理された輝度分布情報に対してモフォロジ処理を行う(ステップS3)。
【0147】
さらに、モフォロジ処理の結果に対してフーリエ変換を行う(ステップS4)。
【0148】
続いて、フーリエ変換されて得られた結果を結果出力装置400に出力する(ステップS5)。
【0149】
最後に、N=N+1とし、ステップS2に戻る(ステップS6)。
【0150】
フィルタサイズを示す2f+1がMAX以上であると判定されるまで、ステップS3〜ステップS6までが繰り返される。つまり、2f+1がMAX以上であると判定された場合、図10に示すフローチャートの処理が終了する。
【0151】
このようにして、得られた結果を比較することで、さらにスジムラの周期を検査しやすくなる。この点について以下に説明する。
【0152】
ここで、白モフォロジ処理におけるフィルタサイズをfピクセルとした場合の結果と、fよりも大きいfピクセルとした場合の結果について、以下説明する。
【0153】
図11は、フィルタサイズをf1ピクセルとして、モフォロジ処理を行った結果を示すグラフである。なお、縦軸はコントラストであり、横軸は一次元投影処理結果のグラフ同様X座標の位置であり、単位はピクセル(pix)である。
【0154】
図12は、図11に示すモフォロジ処理を行った結果からさらにフーリエ変換を行った場合の結果を示すグラフである。ここでは、前記実施の形態1で示したフーリエ変換結果同様、縦軸はスペクトルの強度を示している。横軸は周波数の逆数をとり、周期に変換して対数表示している。また、周期の単位はピクセル(pix)である。
【0155】
図12に示すグラフから、モフォロジ処理によってフィルタサイズf1より大きい幅のスジムラが抑制された結果、周期がT1ピクセルのスジムラ(比較的幅の小さいスジムラ)によるスペクトルBが特に強調されて出力されていることが分かる。
【0156】
なお、図12に示すグラフにおいて、周期がTピクセルよりも小さい周期のピクセルB1辺りにもスペクトルが観察されるが、これはフーリエ変換の結果、Tピクセルの幅に起因して、周期Tの高調波が現れており、基本周期のスペクトルの存在の判定の確実性に寄与していることを示している。
【0157】
このようにモフォロジ処理を行うことで、特定の周期をもって発生するムラの周期を検査し易くなる。
【0158】
図13は、フィルタサイズをfピクセルとして、モフォロジ処理を行った結果を図11と同様に示したものである。
【0159】
図14は、フーリエ変換を行った場合の結果を図12と同様に示したものである。
【0160】
図14に示すグラフから、周期がTピクセルAのものが特に強調されていることが分かる。
【0161】
なお、図14に示すグラフにおいて、周期がT/2ピクセルA1、T/3ピクセルA2辺りにもスペクトルが観察されるが、これはフーリエ変換の結果、Tピクセルの幅に起因して、周期Tの高調波が現れており、基本周期のスペクトルの存在の判定の確実性に寄与していることを示している。
【0162】
このように、処理結果を比較することで、周期がTピクセルのスジムラと周期がTピクセルのスジムラとが、混在していることがわかる。
【0163】
前記実施の形態1では、一次元投影処理したデータに対して、そのまま周期解析を行ったが、図6に示すように、周期の異なる多数のスジムラが混在している場合においては、一次元投影データをそのままフーリエ解析すると、周期の異なる複数のスジムラに起因して、複数のスペクトルが混在した状態で観察される。
【0164】
しかしながら、本実施の形態のように、フーリエ変換を行う前にモフォロジ処理を行うことによって、フーリエ変換において、複数の幅を持つスジムラがそれぞれ異なる周期で発生する場合に、特定の幅のスジムラに起因するスペクトルのみが強調されて観察できるため、スジムラの周期を検査し易くできる。
【0165】
さらに、前述したようにモフォロジ処理のフィルタサイズを変えて、モフォロジ処理及び前記フーリエ変換を繰り返すことで、モフォロジ処理の処理サイズに応じて、さまざまな周期を抽出でき、特定の周期を持ったスジムラのスペクトルが検査し易くなる。
【0166】
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態では、前記実施の形態1で説明した処理回路と同じ処理回路については同一名及び同一部材番号を付記し、その説明は省略する。
【0167】
図15は、本実施の形態にかかる画像解析装置103の概略ブロック図を示す。ここで、前記実施の形態1の図1に示した画像解析装置100と相違する点は、一次元投影処理回路110の後段に、平滑化処理回路140が設けられている点である。
【0168】
すなわち、上記画像解析装置103では、一次元投影処理回路110によって一次元投影処理された一次元輝度分布情報を平滑化処理回路140によってフィルタリング処理された後、周期解析処理回路120によって周期解析処理が行われる。
【0169】
なお、上記平滑化処理回路140も、他の処理回路と同様に、CPU150からの制御信号によって制御されるものとする。
【0170】
ここで、上記平滑化処理回路140における、平滑化処理について説明する。
【0171】
平滑化処理は、一次元化されたデータに対して、x方向に走査しながら予め定める領域内の平均値を求める平均値化処理をして平均値分布を求める処理である。
【0172】
具体的には、下記式(7)を解くことで求めることができる。
【0173】
【数7】

【0174】
ここで、AV[]は下記式(8)で表される。AV[]は、[]の中の数列の平均値を選出する演算子である。
【0175】
【数8】

【0176】
ただし、モフォロジ処理の際と同様、fはフィルタサイズを決めるために入力する定数であり、2f+1がフィルタサイズとなる。
【0177】
平滑化処理によって、フィルタサイズ(2f+1)以下の幅のスジムラが抑制されるので、スジムラの周期が求め易くなる。
【0178】
図16は、図5に示される一次元投影結果に対してフィルタサイズがfピクセルの平滑化処理を行った結果を示したものである。縦軸は輝度値であり、横軸は一次元投影処理結果のグラフ同様X座標の位置であり、単位はピクセル(pix)である。
【0179】
これによって、スジムラの幅がfピクセル未満のスジムラが抑制され、fピクセル以上の幅を持つスジムラの周期を検査し易くなる。
【0180】
さらに、平滑化処理結果に対して、周期解析処理回路120によってフーリエ変換を行ったものを図17に示す。縦軸はスペクトルの強度を示している。横軸は周波数の逆数をとり、周期に変換して対数表示している。なお、周期の単位はピクセル(pix)である。
【0181】
前記実施の形態1の図6と比較して、図6では観察されていた周期がT1ピクセルのスジムラによるスペクトルが、図17では抑制されていることがわかる。
【0182】
このように、フィルタサイズがfピクセルの平滑化処理を行った場合は、fピクセル(Pix)よりも小さい幅で発生するスジムラによるスペクトルを抑制することができ、ムラの周期を検査し易くなる。
【0183】
この場合も、前記実施の形態2と同様に、平滑化処理のフィルタサイズを変えて、平滑化処理及び前記フーリエ変換を繰り返すことで、平滑化処理のフィルタサイズに応じて、さまざまな周期を抽出でき、特定の周期を持ったスジムラのスペクトルが検査し易くなる。
【0184】
なお、本実施の形態では平滑化処理の一例として、単純に平均値を求める方法を用いたが、一定の幅よりも小さい幅のスジムラを抑制する処理であれば、特にこれに限られるものではない。例えば局所的な重みをつけて平滑化をおこなってもよいし、多項式を用いて近似曲線を引く方法であってもよい。
【0185】
〔実施の形態4〕
本発明の他の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態では、前記実施の形態1〜3で説明した処理回路と同じ処理回路については同一名及び同一部材番号を付記し、その説明は省略する。
【0186】
図18は、本実施の形態にかかる画像解析装置104の概略ブロック図を示す。ここで、前記実施の形態1の図1に示した画像解析装置100と相違する点は、一次元投影処理回路110の後段に、モフォロジ処理回路130と平滑化処理回路140とが設けられている点である。
【0187】
すなわち、上記画像解析装置104では、一次元投影処理回路110によって一次元投影処理された一次元輝度分布情報をモフォロジ処理回路130および平滑化処理回路140によってフィルタリング処理された後、周期解析処理回路120によって周期解析処理が行われる。
【0188】
なお、上記モフォロジ処理回路130および平滑化処理回路140も、他の処理回路と同様に、CPU150からの制御信号によって制御されるものとする。
【0189】
このように、本実施の形態では、実施の形態2、実施の形態3において、それぞれ行っていたフィルタリング処理(モフォロジ処理、平滑化処理)を両方行うことで、さらに精度よくスジムラの周期性およびその周期を求めることができる。
【0190】
本実施の形態では、平滑化処理回路140による平滑化処理の後、平滑処理結果に対してモフォロジ処理回路130によるモフォロジ処理を行う場合について説明する。
【0191】
図19は、前述した平滑化処理を行ったデータ(前記実施の形態3の図16のグラフに示されているデータ)に対して、前記実施の形態2で示したモフォロジ処理を行ったものである。なお、縦軸はコントラストであり、横軸は一次元投影処理結果のグラフ同様X座標の位置であり、単位はピクセル(pix)である。
【0192】
さらに、モフォロジ処理結果に対して、周期解析処理回路120によるフーリエ変換を行ったものを図20に示す。縦軸はスペクトルの強度を示している。横軸は周波数の逆数をとり、周期に変換して対数表示している。なお、周期の単位はピクセル(pix)である。
【0193】
図20に示すグラフと図15に示すグラフとを比較すると、図20に示すグラフのほうが、T2ピクセル付近のスジムラによるスペクトルが、強調されている。これは、平滑化処理によって、フィルタサイズより小さい幅で発生するスジムラによるスペクトルが抑制された結果、その他の部分が強調されたと考えられる。これは、平滑化処理とモフォロジ処理を組み合わせることによる特有の効果であり、これによってさらに精度よくスジムラの周期を求めることができる。
【0194】
また、図20に示すグラフと図15に示すグラフとを比較すると、図20に示すグラフほうが、T1ピクセル付近のスジムラによるスペクトルが抑制されている。これは、平滑化処理によって、フィルタリングサイズ(f3ピクセル(Pix))よりも、小さい幅で発生するスジムラによるスペクトルを抑制された効果と考えられる。これによってさらに精度よくスジムラ周期を求めることができる。
【0195】
このように、モフォロジ処理と平滑化処理を両方行うことによって、さらにムラの周期を検査しやすくなる。
【0196】
また、本実施の形態では、前記実施の形態2及び実施の形態3と同様に、平滑化処理とモフォロジ処理のフィルタサイズを変えて、平滑化処理及びモフォロジ処理及び前記フーリエ変換を繰り返すことで、フィルタサイズに応じて、さまざまな周期を抽出でき、特定の周期を持ったスジムラのスペクトルが検査し易くなる。
【0197】
以上のように、本実施の形態1から実施の形態4では、フィルタリング処理の一例として、モフォロジ処理及び平滑化処理を用いたが、光分布情報を一次元投影した情報に対して、一定の周期幅の凹凸を抽出又は抑制する処理であれば、特にこれに限られるものではない。
【0198】
また、本実施の形態1から実施の形態4においては、被検査体としてインクジェット法によって作成されたカラーフィルタを用いたが、これに限らずその他の製法によって作成されたカラーフィルタにおいても、本願発明を実施することができる。
【0199】
例えば、色ごとにフォトリソグラフィを行う顔料分散法であれば、不具合のあった色の絵素が、スジムラになる場合もあるし、何らかの原因でカラーフィルタ表面に傷がついてスジムラとなる場合もあり、本願発明を実施することができる。
【0200】
また、上記の各実施の形態においては、カラーフィルタにおけるスジムラに関して検査を行ったが、一次元投影データ上に現れるムラであれば、必ずしもスジ状になったムラでなくても本願発明を実施することができる。
【0201】
なお、上記の各実施の形態においては、被検査体としてカラーフィルタを用いたが、映像表示装置に用いられ、光を透過又は反射又はその両方をする表示部材であれば、特にこれに限られるものでなく、例えばディスプレイに用いられる表面ガラスや背面ガラスを被検査体としてもよいし、バックライトユニットにおける拡散板を被検査体としてもよい。また、反射板や映像を投影するスクリーンの検査に応用することもできる。
【0202】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。
【0203】
最後に、画像解析装置100〜103の各ブロック、特に一次元投影処理回路110、周期解析処理回路120、モフォロジ処理回路130および平滑化処理回路140は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0204】
すなわち、画像解析装置100は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである画像解析装置100の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記画像解析装置100に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0205】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0206】
また、画像解析装置100を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0207】
本発明は、光透過あるいは光反射が可能な面に発生するムラの周期性が問題視されている被検査体であれば、どのような部材であっても適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0208】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、画像解析装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す画像解析装置を用いた撮像検査装置の概略を示した図である。
【図3】被検査体としてのカラーフィルタの製造工程を示した図である。
【図4】図2に示す撮像検査装置の撮像装置によってカラーフィルタを撮像した画像を示した図である。
【図5】図4に示す画像から得られた二次元輝度分布情報から一次元投影処理を行った結果を示すグラフである。
【図6】図5に示すグラフのデータに対してフーリエ変換を行った結果を示したグラフである。
【図7】カラーフィルタ基板の製造工程の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の他の実施形態を示すものであり、画像解析装置の要部構成を示すブロック図である。
【図9】(a)(b)は、図8に示す画像解析装置のモフォロジ処理回路によるモフォロジ処理の様子を示したグラフである。
【図10】図8に示す画像解析装置を用いた検査方法の流れを示したフローチャートである。
【図11】図8に示す画像解析装置における、一次元投影処理の結果に対してフィルタサイズをf1ピクセルとしてモフォロジ処理を行った結果を示したグラフである。
【図12】図11のグラフのデータに対してフーリエ変換を行った結果を示したグラフである。
【図13】図8に示す画像解析装置における、一次元投影処理の結果に対してフィルタサイズをf2ピクセルとしてモフォロジ処理を行った結果を示したグラフである。
【図14】図13のグラフのデータに対してフーリエ変換を行った結果を示したグラフである。
【図15】本発明のさらに他の実施形態を示すものであり、画像解析装置の要部構成を示すブロック図である。
【図16】図15に示す画像解析装置における、一次元投影処理の結果に対してフィルタサイズをf3ピクセルとして平滑化処理を行った結果を示したグラフである。
【図17】図16のグラフのデータに対してフーリエ変換を行った結果を示したグラフである。
【図18】本発明のさらに他の実施形態を示すものであり、画像解析装置の要部構成を示すブロック図である。
【図19】図16のグラフのデータに対してフィルタサイズをf2ピクセルとしてモフォロジ処理を行った結果を示したグラフである。
【図20】図19のグラフのデータに対してフーリエ変換を行った結果を示したグラフである。
【符号の説明】
【0209】
100 画像解析装置(検査装置)
102 画像解析装置(検査装置)
103 画像解析装置(検査装置)
104 画像解析装置(検査装置)
110 一次元投影処理回路(一次元投影処理手段)
120 周期解析処理回路(周期解析処理手段)
130 モフォロジ処理回路
140 平滑化処理回路
150 CPU(中央演算回路)
210 ブラックマトリクス
220 カラーフィルタ基板
230 ヘッドユニット
240 ノズル
300 撮像検査システム
310 照明装置(照射手段)
320 カメラ(検知手段)
330 カラーフィルタ
340 ステージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部材の光照射されている検査対称面を撮像して得られた撮像画像データに基づいて、該表示部材の検査を行う検査装置において、
上記撮像画像データに含まれる光分布情報に対して、任意の方向を投影方向として一次元投影処理を行う一次元投影処理手段と、
上記一次元投影処理手段によって一次元投影処理された光分布情報の周期解析を行う周期解析処理手段とを備えていることを特徴とする検査装置。
【請求項2】
上記周期解析処理手段は、上記光分布情報に対してフーリエ変換を行うことを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
上記一次元投影処理手段によって一次元投影処理された光分布情報を、任意の大きさのフィルタによりフィルタリング処理を行うフィルタリング処理手段を備え、
上記周期解析処理手段は、上記フィルタリング処理手段によってフィルタリング処理された光分布情報の周期解析を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の検査装置。
【請求項4】
上記フィルタリング処理手段におけるフィルタリング処理は、モフォロジ処理であることを特徴とする請求項3に記載の検査装置。
【請求項5】
上記フィルタリング処理手段におけるフィルタリング処理は、平滑化処理であることを特徴とする請求項3に記載の検査装置。
【請求項6】
上記フィルタリング処理手段は、
上記一次元投影処理手段によって一次元投影処理された光分布情報に対して平滑化処理を行う平滑化処理回路と、
上記平滑化処理回路によって平滑化処理された光分布情報に対してモフォロジ処理を行うモフォロジ処理回路とを備え、
上記モフォロジ処理回路によってモフォロジ処理された光分布情報を上記周期解析処理手段に出力することを特徴とする請求項3に記載の検査装置。
【請求項7】
上記フィルタリング処理手段は、
上記一次元投影処理手段によって一次元投影処理された光分布情報に対してモフォロジ処理を行うモフォロジ処理回路と、
上記モフォロジ処理回路によってモフォロジ処理された光分布情報に対して平滑化処理を行う平滑化処理回路とを備え、
上記平滑化処理回路によって平滑化処理された光分布情報を上記周期解析処理手段に出力することを特徴とする請求項3に記載の検査装置。
【請求項8】
上記表示部材は、カラーフィルタであることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の検査装置。
【請求項9】
表示部材の検査対称面に光を照射する照明装置と、
上記照明装置によって光が照射された状態で上記表示部材の検査対象面を撮像する撮像装置と、
上記撮像装置によって撮像された撮像画像データに基づいて、上記表示部材の検査を行う請求項1〜8の何れか1項に記載の検査装置とを備えたことを特徴とする撮像検査システム。
【請求項10】
表示部材の光照射されている検査対称面を撮像して得られた撮像画像データに基づいて、該表示部材の検査を行う検査方法において、
上記撮像画像データに含まれる光分布情報に対して、任意の方向を投影方向として一次元投影処理を行う第1のステップと、
上記第1のステップによって得られた一次元投影処理後の光分布情報の周期解析を行う第2のステップとを含むことを特徴とする検査方法。
【請求項11】
上記第1のステップと上記第2のステップとの間に、
上記第1のステップによって得られた一次元投影処理後の光分布情報を、任意の大きさのフィルタによりフィルタリング処理を行うフィルタリング処理ステップが設けられ、
上記第2のステップは、
上記フィルタリング処理ステップによって得られたフィルタリング処理後の光分布情報の周期解析を行うことを特徴とする請求項10に記載の検査方法。
【請求項12】
カラーフィルタ製造装置によってカラーフィルタを製造するカラーフィルタの製造方法であって、
請求項10または請求項11の何れかに記載の検査方法を実行する検査工程を含み、
上記検査方工程による周期解析の結果、良品であると判定されたカラーフィルタのみを、上記カラーフィルタ製造装置における、上記検査工程以降の製造工程に供することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
【請求項13】
カラーフィルタ製造装置によってカラーフィルタを製造するカラーフィルタの製造方法であって、
請求項10または請求項11の何れかに記載の検査方法を実行する検査工程を含み、
上記検査工程による周期解析の結果、不良品であると判定されたカラーフィルタが発生した場合に、不良品が発生したという情報を、上記カラーフィルタの製造装置に伝達することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
【請求項14】
コンピュータを、請求項1〜8の何れか1項に記載の検査装置の各手段として機能させるための検査プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−139027(P2008−139027A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−322631(P2006−322631)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】