説明

楽音発生装置及び楽音発生方法

【課題】移動体が移動する際に、移動体の位置や移動状態と統一感や完結感のある楽曲を提供する。
【解決手段】楽曲データ記憶手段に記憶された楽曲データから、出発地から目的地までの移動ルートを複数の移動区間に分けた各移動区間毎に再生するべき楽曲データが定義された再生シーケンスデータであって、少なくとも目的地到達直前に再生するべき楽曲であるエンディング曲が定義された再生シーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、楽曲を再生する楽曲再生手段と、移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、取得した位置情報に基づいて、移動区間が切り換わったことを検知した場合に、再生シーケンスデータに定義されている再生するべき楽曲データを楽曲データ記憶手段から読み出して楽曲再生手段に該楽曲データを再生させるとともに、エンディング曲の再生終了と移動体の目的地到達が一致するように再生させる制御手段とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽音発生装置及び楽音発生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車などの車両が乗員に対して発生する音には、エンジンなどの車両の機構部が発生する機械音、車両がある一定以上のスピードを超えた場合の警報音、右左折を行う場合のウインカー音、衝突する恐れのある物が接近してきた場合の警報音等がある。また、乗員が車両内で音楽CDやラジオ放送を聞くためのオーディオ装置が一般的に利用されている。
【0003】
しかしながら、既存のオーディオ装置による音楽CDの再生等では、車両の走行ルートや走行状態とは無関係に楽曲が流れるため、家庭で鑑賞する場合と何ら変わりなく、車両ならではの楽曲を楽しむものではなかった。
すなわち、車両状態全般を音で表現する総合的なシステムはこれまでに無く、運転者は視覚と車両の機構部が発生する機械音と警報音とに基づいて車両を運転している。
【0004】
このような状況の中、車両の現在位置に応じて音楽を再生するために、どの地点で、どの音楽を再生するかを登録しておき、走行中にこの登録情報に基づいて音楽を再生するナビゲーションシステムが開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−030526号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のナビゲーションシステムにあっては、音楽切り換える地点に到達したときに、再生音楽を切り換えるためにユーザが行うべき操作内容を、出発前に全て行ってその操作情報を登録し、この登録情報に基づいて、登録地点に到達した際に再生する音楽の切り換えを自動に行うものであり、ユーザが車両の位置や走行状態と統一感や完結感のある楽曲を提供することはできないという問題がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、車両や人間が携帯する端末などの移動体が移動する際に、移動体の位置や移動状態と統一感や完結感のある楽曲を提供することができる楽音発生装置及び楽音発生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、移動体に備えられる楽音発生装置であって、楽曲データを記憶する楽曲データ記憶手段と、ナビゲーションシステムから目的地までの設定ルート情報を取得するルート情報取得手段と、前記楽曲データ記憶手段に記憶された前記楽曲データから、前記設定ルート情報に基づいて、出発地から目的地までの移動ルートを複数の移動区間に分けた各移動区間毎に再生するべき楽曲データが定義された再生シーケンスデータであって、少なくとも目的地到達直前に再生するべき楽曲であるエンディング曲が定義された再生シーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、前記楽曲データ記憶手段に記憶された前記楽曲データに基づいて楽曲を再生する楽曲再生手段と、前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段によって取得した位置情報に基づいて、前記移動区間が切り換わったことを検知した場合に、前記再生シーケンスデータに定義されている再生するべき楽曲データを前記楽曲データ記憶手段から読み出して前記楽曲再生手段に該楽曲データを再生させるとともに、前記エンディング曲の再生終了と前記移動体の目的地到達が一致するように、前記エンディング曲を再生させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明は、前記シーケンスデータは、出発直後に再生するべき楽曲であるイントロ曲が定義されていることを請求項1に記載の楽音発生装置。
【0009】
前記楽曲データ記憶手段に記憶された前記楽曲データから選択し、前記移動区間に該楽曲データを定義することで前記再生シーケンスデータを生成するシーケンスデータ生成手段をさらに備えることを特徴とする。
【0010】
本発明は、前記楽曲データの所定の音楽要素パラメータを分析して、該音楽要素パラメータを前記楽曲データに関係付けて、前記楽曲データ記憶手段に記憶する分析手段と、車両の移動状態と再生するべき楽曲の音楽要素パラメータが関係付けられて記憶された再生ルールデータ記憶手段とをさらに備え、前記シーケンスデータ生成手段は、前記再生ルールデータ記憶手段を参照して、前記各移動区間毎に再生するべき楽曲の音楽要素パラメータを取得し、該再生するべき楽曲の音楽要素パラメータの条件を満たす前記楽曲データを前記楽曲データ記憶手段に記憶されている楽曲データの中から選択することを特徴とする。
【0011】
本発明は、前記音楽要素パラメータは、ピッチ、音量、テンポ及び音色のいずれかであることを特徴とする。
【0012】
本発明は、楽曲データを記憶する楽曲データ記憶手段と、ナビゲーションシステムから目的地までの設定ルート情報を取得するルート情報取得手段と、前記楽曲データ記憶手段に記憶された前記楽曲データから、前記設定ルート情報に基づいて、出発地から目的地までの移動ルートを複数の移動区間に分けた各移動区間毎に再生するべき楽曲データが定義された再生シーケンスデータであって、少なくとも目的地到達直前に再生するべき楽曲であるエンディング曲が定義された再生シーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、前記楽曲データ記憶手段に記憶された前記楽曲データに基づいて楽曲を再生する楽曲再生手段と、前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段とを備えた移動体における楽音発生方法であって、前記位置情報取得手段によって取得した位置情報に基づいて、前記移動区間が切り換わったことを検知した場合に、前記再生シーケンスデータに定義されている再生するべき楽曲データを前記楽曲データ記憶手段から読み出して前記楽曲再生手段に該楽曲データを再生させるとともに、前記エンディング曲の再生終了と前記移動体の目的地到達が一致するように、前記エンディング曲を再生させる制御ステップを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、設定ルート情報に基づいて、出発地から目的地までの移動ルートを複数の移動区間を分け、各移動区間を移動中に再生するべき楽曲データが定義された再生シーケンスデータを記憶しておき、位置情報取得手段によって取得した位置情報に基づいて移動体の移動区間が切り換わったことを検知した場合に、再生シーケンスデータに定義されている再生するべき楽曲データを楽曲データ記憶手段から読み出して楽曲再生手段にこの楽曲データを再生させるとともに、エンディングの曲の再生終了と移動体の目的地到達が一致するようにしたため、移動体の移動状態に応じて適切な楽曲データが選択されて再生されるため、移動体の位置や移動状態の変化に応じて再生する楽曲を変化させる自律再生を行うことができ、ユーザは、移動体の位置や移動状態との統一感や完結感のある楽曲を鑑賞することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態による楽音発生装置を図面を参照して説明する。図1は同実施形態の構成を示すブロック図である。以下の説明においては、楽音発生装置が車両(移動体)に備えられているものとして説明する。この図において、符号1は、楽音発生装置の処理動作を統括して制御する制御部である。符号2は、使用者が楽音発生装置の設定操作や新たな楽曲データの入手操作等を行う操作部であり、必要に応じて、画面の表示内容を見ながら操作行うために表示装置を備えている。符号3は、楽曲データに基づいて楽曲を再生する楽曲再生部であり、再生した楽曲を音としてスピーカ4から発音させる。楽曲再生部3及びスピーカ4は、車両に備えているカーオーディオ装置を利用するようにしてもよい。符号5は、楽曲データを取得するために、移動通信を用いて楽曲配信サーバ等に接続して情報通信を行う通信部である。符号6は、音楽CDに記録されている楽曲データを読み取るCD読取装置である。CD読取装置6は、車両に備えているカーオーディオ装置を利用するようにしてもよい。符号7は、通信部5、CD読取装置6及び車両に備えられたカーナビゲーションシステム(以下、ナビゲーションシステムと称する)13を制御部1に接続するためのインタフェース(以下、I/Fと称する)である。
【0015】
符号8は、楽曲再生部3において再生するべき楽曲データが記憶される楽曲データベースである。符号9は、楽曲データベース8に記憶されている楽曲データを複数のフレーズに分割するためのマーキングを付与する処理に用いるルール情報が予め記憶されたマーキングルールベースである。符号10は、車両の運転状態や周囲の環境状況に応じて、再生するべきフレーズを選択する再生ルール情報が予め記憶されている再生ルールベースである。ここでいうフレーズとは、1つの楽曲データを短い区間に分割することにより得られる旋律の自然な一区切りの楽音データである。符号11は、車両の運転状態(車速、エンジン回転数、アクセル開度、ブレーキ操作状態、シフト状態、方向指示器状態など)を検知する車両状態検知部であり、例えばセンサなどから成る。車両状態検知部11は、新たにセンサを設けるのではなく、車両を制御するために、車両に予め備えられている各センサの出力を入力するようにしてもよい。符号12は、車両の環境状態(車両位置、時間、天気など)を検知する環境状態検知部であり、例えば、GPS(Global Positioning System)、タイマ、センサなどから成る。符号14は、再生切り換えポイントを通過する度に、楽曲再生部3において再生するべき楽曲データを切り換えるために、各再生切り換えポイント間において再生する楽曲データの識別名が記憶される再生シーケンスデータファイルである。
【0016】
ここで、以下の説明において用いる用語について定義する。「ピッチ」とは、音高のことであり、例えばピッチが高い・低いと表現する。「音量」とは、音の大きさ(強さ)のことであり、例えば、音量が大きい・小さいと表現する。「テンポ」とは、演奏速度のことであり、例えば、テンポが速い・遅いと表現する。「音色」とは、音の特色のことであり、音のスペクトル分析の結果、所定の周波数帯域に音声信号がどの程度存在するかによって示されるものである。
【0017】
これら「ピッチ」、「音量」、「テンポ」及び「音色」は、音楽要素パラメータと呼び、各パラメータは、レベル1〜3で表現する。レベル1は、パラメータの値が大きいことを意味し、レベル3はパラメータの値が小さいことを意味する。レベル2は、レベル1とレベル3の中間値を意味する。例えば、ピッチであれば、第1のしきい値を超える音高をレベル1、第1のしきい値より小さい第2のしきい値より小さい音高をレベル3、第1のしきい値と第2のしきい値との間の音高をレベル2とする。
【0018】
次に、図3を参照して、図1に示す楽曲データベース8のテーブル構造を説明する。楽曲データベース8は、楽曲データを記憶する楽曲データテーブル81と、各楽曲データ毎に、複数のフレーズの特徴(ピッチ、音量、テンポ、音色)が定義されたフレーズ特徴テーブル82と、各楽曲データ毎に、複数のフレーズの開始・終了位置が定義されたフレーズ位置テーブル83とからなる。楽曲データテーブル81は、楽曲再生部3において再生することが可能なフォーマットの楽曲データが記憶されており、その楽曲データに対して楽曲識別名が関係付けられるとともに、楽曲データ全体の特徴を4つの音楽要素パラメータで定義されている。例えば、「M01」という楽曲データは、楽曲の先頭から終わりまでの平均ピッチがレベル1、平均音量がレベル3、平均テンポがレベル2、平均音色がレベル3であることを示している。すなわち、「M01」という楽曲は、全体的に低い音高で、標準的なテンポであるが、音量が大きいという特徴を有する楽曲であることを示している。
【0019】
フレーズ特徴テーブル82は、「M01」という楽曲が、イントロとエンディングを除き、A〜Dの5つのフレーズに分割され、それぞれのフレーズの音楽要素パラメータが定義されている。例えば、フレーズAは、フレーズA内の平均ピッチがレベル2、平均音量がレベル3、平均テンポがレベル3、平均音色がレベル3であることを示している。このフレーズ特徴テーブル82は、図3に図示していないが、楽曲「M02」、「M03」についても同様に定義されるテーブルが関係付けられている。
【0020】
フレーズ位置テーブル83は、フレーズA〜Dと、イントロ(イントロダクション)部、エンディング部のそれぞれについて、楽曲「M01」上の位置が、開始位置と終了位置で定義されている。例えば、フレーズAは、マーク1からマーク2まであり、フレーズDは、マーク4からマーク5までであることを示している。また、イントロ部、エンディング部を含む各フレーズは、通常の速度で再生した場合の再生時間(単位は、秒または分)が定義されている。なお、各楽曲データ上にマークを付与するマーキング動作については後述する。
【0021】
次に、図7を参照して、各再生切り換えポイント間において再生する楽曲データの識別名が記憶される再生シーケンスデータファイルのテーブル構造を説明する。図7においては、7つの再生切り換えポイント(P1〜P7)が定義された場合の例を示している。再生シーケンスデータファイル14は、各再生切り換えポイント間に再生するべきフレーズ情報が定義されており、走行ルートを設定する度に生成されるファイルであり、走行開始直後はイントロ曲が定義され、目的地到達直前はエンディング曲が定義されている。再生切り換えポイントの設定と各再生切り換えポイント間に再生するべき楽曲データの割り当てを行い、再生シーケンスデータファイルを生成する動作は後述する。
【0022】
次に、図2を参照して、図1に示す楽音発生装置が再生するべきフレーズの切り換えを行いながら楽曲の再生を行う動作を説明する。まず、車両をスタートさせると、制御部1は、フレーズ位置テーブル83からエンディング部分の再生時間を読み出して、内部に保持する。そして、制御部1は、既に選択されている楽曲データのイントロ部分のフレーズデータを楽曲データテーブル81から読み出し、楽曲再生部3へ出力する。これによりスピーカ4からイントロ部分のフレーズが再生されてイントロ曲が発音することになる(ステップS1)。制御部1は、イントロ曲の再生が終了するまで待機し(ステップS2)、イントロ曲の再生が終了した時点で、再生シーケンスデータファイル14を参照して、次に再生するべきフレーズを選択する(ステップS3)。制御部1は、選択したフレーズデータを楽曲データテーブル81から読み出し、楽曲再生部3へ出力する。これによりスピーカ4から選択されたフレーズが再生されて発音することになる(ステップS4)。このとき、次の再生切り換えポイントに到達する前に、現在再生しているフレーズの再生が終了してしまった場合、楽曲再生部3は、現在再生しているフレーズデータを用いて繰り返し再生を続行する。
【0023】
次に、制御部1は、内部に保持している再生切り換えポイント(例えば、ルートガイダンス位置)の位置情報と、環境状態検知部12から得られる車両位置情報とを比較して、車両が再生切り換えポイントに到達したか否かを判定する(ステップS5)。この判定の結果、車両が再生切り換えポイントに到達していると見なせる位置の場合(ステップS5;Yes)、制御部1は、ステップS3に戻り、再生シーケンスデータファイル14を参照して、次に再生するべきフレーズを選択して(ステップS3)、次のフレーズを再生する。この処理を繰り返すことにより、再生切り換えポイントに到達する度に、再生されるフレーズが切り換わることになる。
【0024】
一方、再生切り換えポイントに到達していない場合(ステップS5;No)、制御部1は、目的地までの予想所要時間が、内部に保持しているエンディング再生時間と一致する位置に到達したか否かを判定する(ステップS6)。この判定の結果、目的地までの予想所要時間がエンディング再生時間より長い場合(ステップS6;No)、制御部1は、ステップS4に戻り、現在再生しているフレーズの再生を続行する。
【0025】
次に、制御部1は、目的地までの予想所要時間が、内部に保持しているエンディング再生時間と一致する位置に到達したと見なせる位置に到達した場合(ステップS6;Yes)に、楽曲データのエンディング部分のフレーズデータを楽曲データテーブル81から読み出し、楽曲再生部3へ出力する。これによりスピーカ4からエンディング部分のフレーズが再生されてエンディング曲が発音することになる(ステップS7)。そして、楽曲再生部3は、目的地に到達するまでエンディング部分のフレーズデータを再生することにより(ステップS8)、車両が目的地に到達するタイミングとエンディング曲の再生が終了するタイミングとを一致させる。
【0026】
このとき、エンディング曲の再生が終了しないうちに車両が目的地に到達してしまうことが明らかになった場合、制御部1は、楽曲再生部3に対して、現在再生しているエンディング曲の再生をフェードアウトするように指示を出す。これを受けて、楽曲再生部3は、再生中のエンディング曲をフェードアウトすることにより、車両の目的地到達とエンディング曲の再生終了を一致させる。また、車両が目的地に到達しないうちに、エンディング曲の再生が終了してしまうことが明らかになった場合、制御部1は、楽曲再生部3に対して、再生中のエンディング曲の再生速度を乗員が気がつかない程度に遅くするように指示を出す。これを受けて、楽曲再生部3は、再生中のエンディング曲の再生速度を遅くすることにより、車両の目的地到達とエンディング曲の再生終了を一致させる。また、再生速度を遅くしても車両が目的地に到達しないことが明らかになった場合、制御部1は、楽曲再生部3に対して、再生中のエンディング曲を繰り返し再生するように指示を出す。これを受けて、楽曲再生部3は、エンディング部のフレーズの先頭から再度再生を行う。このように、車両が目的地に到達するタイミングとエンディング曲の再生終了タイミングとを一致させることができるため、乗員は、目的地に到達したことを、再生されている楽曲によって認識することができる。
【0027】
このように、走行開始直後はイントロ曲が再生され、再生切り換えポイントを通過する度に、再生される楽曲が切り換わり、目的地到達直前にエンディング曲が再生させるようにしたため、車両によって出発地から目的地まで移動する際において、車両の位置や走行と統一感や完結感のある楽曲を提供することが可能となる。
【0028】
なお、再生シーケンスデータは、イントロ部分の再生フレーズとエンディング部分の再生フレーズ以外は、一定の法則に沿って再生フレーズと切り換えポイントを対応させればよい。例えば、切り換えポイントに到達する前にフレーズA’を再生するようにし、切り換えポイントに到達した時点でフレーズB’を再生するようにし、次の切り換えポイントに到達した時点で再びフレーズA’を再生するようにしてもよい。このようにすれば切り換えポイント数の再生フレーズを記憶しておく必要はないので、楽曲データベースの容量を抑えることができる。
【0029】
また、ステップS4において、次の再生するべきフレーズに切り換える場合、切り換える前のフレーズをフェードアウトし、切り換えた後の新たなフレーズの再生をフェードインによって開始するようにしてもよい。このようにすることにより、音楽要素パラメータが全く異なるフレーズに急に切り換わり、乗員が違和感を感じることを防止することができる。
【0030】
また、次の再生切り換えポイントに到達する前に、現在再生しているフレーズの再生が終了してしまった場合、現在再生しているフレーズデータを用いて繰り返し再生を続行させるが、さらに、繰り返し再生の時間が所定時間を超えた場合は、他のフレーズデータを改めて選択するようにして、同じフレーズデータが長時間繰り返し再生されることを防止するようにしてもよい。また、別の楽曲データを選択し直して、新たなフレーズデータを選択するようにしてもよい。
【0031】
また、出発地から目的地までの走行時間が長時間となる場合や各走行区間(再生切り換えポイント間)の距離が長距離となる場合においては、各走行区間において再生するべき楽曲をフレーズの選択によって決定するのではなく、楽曲データテーブル81に記憶されている楽曲全体の音楽要素パラメータに基づいて、楽曲データを選択するようにしてもよい。このようにすることにより、再生切り換えポイントに到達する度に、新たな楽曲が選択されることになり、より一層楽曲の再生を楽しむことができる。
【0032】
また、再生切り換えポイントは、ルートガイダンス位置に限らず、交差点、踏み切り、高架、高速道路の入口、出口などのあらゆる位置情報を基に決めてもよいし、ルート走行中の車両の環境状態の変化によって決めるようにしてもよい。
また、楽曲データは音楽用CD等の市販されている楽曲データ、または、様々なフレーズを1つの楽曲データとしてまとめた本楽音発生装置専用の楽曲データであってもよい。また、楽曲データのフォーマット形式は、例えばMIDI(Musical Instrument Digital Interface)規格のシーケンスデータ、またはオーディオデータである。
【0033】
次に、図4〜図6及び図8を参照して、楽曲再生装置が図7に示す再生シーケンスデータの生成を行う場合、その動作について説明する。初めに、図4を参照して、図1に示すマーキングルールベース9のテーブル構造を説明する。マーキングルールベース9は、楽曲ジャンル別に、マーキングを行うのに必要なマーキングルールデータが記憶される。例えば、楽曲ジャンルが「J−POP」であれば、イントロ、フレーズA〜フレーズD及びエンディングの6つのフレーズに分けることができるため楽曲の先頭から終わりまでの間に5つのマーク(マーク1〜5)を付与するべきであることが予め定義されている。
【0034】
次に、図5を参照して、図1に示す再生ルールベース10のテーブル構造を説明する。再生ルールベース10は、走行場所を特定する情報毎(高速道路、山間部、市街地等)に、再生するべき楽曲の特徴を示す音楽要素パラメータが予め定義されている。例えば、走行場所が高速道路である場合、ピッチがレベル1、音量がレベル2、テンポがレベル1、音色がレベル2である特徴を有する楽曲を選択して再生するべきであることが定義されている。
【0035】
次に、新たな楽曲データを入手する動作を説明する。使用者は、操作部2を使用して、新たな楽曲データの取り込みを行う指示の操作を行う。そして、使用者は、CD読取装置6に音楽用CDを挿入して、楽曲データの取り込みを指示する操作を行う。CD読取装置6は、挿入されたCDに記録されている楽曲データを読み込み、I/F7を介して制御部1へ出力する。これを受けて、制御部1は、CD読取装置6から出力される楽曲データを楽曲データテーブル81に書き込むと共に、その楽曲データを分析して、楽曲全体の音楽要素パラメータ(ピッチ、音量、テンポ、音色)を求め、この楽曲データに対して一意となる楽曲識別名を付与して、楽曲データベース8の楽曲データテーブル81に書き込む。楽曲識別名を挿入されたCDから読み取ることができる場合は、この読み取った楽曲識別名を使用するようにしてもよい。
【0036】
また、楽曲データを通信を用いて楽曲配信サーバから入手する場合、使用者は、操作部2を使用して、新たな楽曲データを配信サーバから取り込む指示の操作を行う。これを受けて、通信部5は、所定の楽曲配信サーバに接続し、所望の楽曲データをダウンロードする。通信部5は、このダウンロードした楽曲データをI/F7を介して制御部1へ出力する。これを受けて、制御部1は、通信部5から出力される楽曲データを楽曲データテーブル81に書き込むと共に、その楽曲データを分析して、楽曲全体の音楽要素パラメータ(ピッチ、音量、テンポ、音色)を求め、この楽曲データに付与されている楽曲識別名を使用して、楽曲データベース8の楽曲データテーブル81に書き込む。これらの動作によって、楽曲データベース8には新たな楽曲データが記憶されたことになる。楽曲データテーブル81の楽曲データフィールドに記憶される楽曲データのヘッダ部分には、楽曲データフォーマット、楽曲ジャンルを識別可能な情報が含まれる。
【0037】
次に、楽曲データベース8の楽曲データテーブル81に記憶されている楽曲データに対してマークを付与する動作を説明する。まず、楽音発生装置の電源がONになると、制御部1は、楽曲データベース8を参照して、新たな楽曲データが入手されたか(マークが付与されていない楽曲データが存在するか)を判定し、新たな楽曲データが入手されていれば、マーキング処理を行う。マーキング処理を行う場合、制御部1は、楽曲データテーブル81から楽曲データを読み出し、この楽曲データに含まれる楽曲ジャンル情報を抽出する。そして、制御部1は、抽出した楽曲ジャンル情報に基づいてマーキングルールベース9に記憶されている楽曲ジャンル別のマーキングルール情報を読み出す。
【0038】
次に、制御部1は、新たに入手された楽曲データを楽曲データベース8から読み出し、内部に保持する。そして、制御部1は、読み出した楽曲データの4つの音楽要素パラメータに基づいて、マーキングルールに定義されているマークの数と同数のマーク位置を求める。図8は、楽曲データベース8から読み出した楽曲データの一例を示す図である。制御部1は、ピッチ、音量、テンポ及び音色の4つの音楽要素パラメータを分析して、予め決められたしきい値によって、マーク1〜5の位置を求める。例えば、図8に示すように、マークするべき数が5である場合、ピッチの変化率や音量の変化率等を予め決められたしきい値と比較しながら、マーク1〜5の位置を求める。このように、ルールベースに予め想定されるマークの数が定義されているため、1つの楽曲データを複数のフレーズ(ここでは6つのフレーズ)に分割する処理を簡単にすることができる。また、マーキングを行う際に、4つの音楽要素のパラメータそれぞれに重み付けをしておき、この重み付けに基づいて、マーキング位置の決定を行うようにしてもよい。例えば、図4に示すマーキングルールに定義されている各マーク(図4に示す例では、マーク1〜5)について、マーク1は、音量に重みを付けてしきい値との比較を行ったり、マーク5はテンポに重みを付けてしきい値との比較を行なうことにより、予め楽曲ジャンル別に想定されているマーク位置の精度を向上させることができる。
【0039】
次に、制御部1は、求めたマークの位置をフレーズ位置テーブル83に記憶するとともに、各フレーズの再生時間を記憶する。マーク情報は、例えば、先頭からの再生時間で特定される位置情報である。これにより、図3に示すフレーズ位置テーブル83内に各フレーズの境界を示すマーク位置が記憶されたことになる。続いて、制御部1は、複数のフレーズに分割した後、それぞれのフレーズについて、4つの音楽要素パラメータを分析し、得られた各レベル値をフレーズ特徴テーブル82に記憶する。これにより、図3に示すフレーズ特徴テーブル82内に各フレーズの特徴を示す音楽要素パラメータが記憶されたことになる。マーキングを行う処理は、以下に説明する楽音再生処理と必ずしも同時に行う必要はなく、楽曲再生部3において楽曲の再生が行われていないタイミングで実行すればよい。
【0040】
次に、図6、図7を参照して、ナビゲーションシステム13を使用して設定した走行ルート情報に基づいて、走行ルート上を走行中に再生するべき楽曲データを自律的に選択して再生シーケンスデータファイル14を生成する動作を説明する。まず、乗員は、ナビゲーションシステム13の操作部(図示せず)を操作して、出発地(現在位置)から目的地までの走行ルートを設定する。そして、乗員は操作部2から再生シーケンスデータの生成を指示する操作を行う。これを受けて、制御部1は、I/F7を介して、ナビゲーションシステム13から設定済みの走行ルート情報を取得する。この走行ルート情報は、出発地から目的地までの間において、ルートガイダンス(右左折の方向転換等を音声案内する)のタイミングの位置情報と、このルートガイダンス位置の走行場所情報、及び各ルートガイダンス位置に到達するまでの予測所要時間情報である。ここでいう走行場所情報とは、高速道路、幹線道路、山間部道路、市街地道路等の道路種類を示す情報である。
【0041】
次に、制御部1は、環境状態検知部12が検知した車両の環境状態(車両位置、時間、天気など)を読み込み、出発時点の検知された車両の環境状態に応じて楽曲データベース8から再生するべき楽曲データを選択する。このとき、制御部1は、楽曲データテーブル81を参照して、現時点の天気や時刻毎に予め決められている音楽要素パラメータに適合する楽曲データを選択する。続いて、制御部1は、ナビゲーションシステム13から取得した走行ルート情報に基づいて、2つのルートガイダンス位置で特定される各走行区間で再生するべきフレーズを選択して、各走行区間に割り当てる。再生するべきフレーズの選択は、まず図5に示す再生ルールベース10を参照して、各走行区間の走行場所情報に合致するフィールドからフレーズの特徴を示す4つの音楽要素パラメータを読み出す。そして、フレーズ特徴テーブル82を参照して、再生ルールベース10から読み出した音楽要素パラメータと同一の音楽要素パラメータが記憶されている、または最も近い値の音楽要素パラメータが記憶されているフレーズを選択する。これにより、各走行区間に応じた最適なフレーズを選択することができる。
【0042】
図6は、出発地から目的地までの走行ルートを示す図である。この例は、出発地をスタートして、市街地を走行し、高速道路に入った後に山間部を走行して、最後に市街地を走行して目的地に到達する例を示している。この図において、符号P2〜P6がルートガイダンス位置である。このルートガイダンス位置P2〜P6は、再生するべき楽曲の切り換えポイントでもあり、この楽曲の切り換えポイントを通過する度に、再生されるフレーズが切り換わることになる。再生するべきフレーズの選択は、まず、出発地から初めの再生切り換えポイントP1までは、走行場所に関係なく、選択された楽曲のイントロ部分が選択される。走行区間P1〜P2、P2〜P3、・・・、P5〜P6、P6〜P7は、再生ルールベース10に記憶されているルールに基づいて走行場所に応じたフレーズが選択されることになる。そして、走行区間P7〜目的地は、走行場所に関係なく選択された楽曲のエンディング部分が選択される。ただし、出発地からスタートして、イントロ部分のフレーズ再生が終了した時点を再生切り換えポイントP1とする。また、フレーズ位置テーブル83に記憶されているエンディング部分の再生時間と、予想目的地到達所要時間とが一致する位置を再生切り換えポイントP7とする。したがって、図6に示す再生切り換えポイントP1とP7は、選択された楽曲データのイントロ部分及びエンディング部分の再生時間によって決まるポイントである。この動作によって、図7に示す再生シーケンスデータファイル14が生成されることになる。
【0043】
なお、上述した処理を制御部1に実行させるためのプログラムは、制御部1が有する図示しない記憶領域に格納されている。
【0044】
また、図6に示す再生ルールベース10に記憶されている走行場所に加え、前照灯の点灯、方向指示器の操作、ワイパーの操作等のイベントが発生した場合に再生するべきフレーズの特徴を示す音楽要素パラメータが記憶されていてもよい。
【0045】
また、図1に示すナビゲーションシステム13を除く構成の全てがナビゲーションシステム13内に備えていてもよい。
【0046】
このように、楽曲データの音楽要素パラメータを分析して、各楽曲データの特徴を示す情報として記憶しておくとともに、楽曲データを複数のフレーズに分割し、分割したフレーズの音楽要素パラメータを分析して、各フレーズデータの特徴を示す情報として記憶しておき、車両の走行状態に応じて適切な楽曲データまたはフレーズデータを選択して再生するようにしたため、車両の位置や走行状態の変化に応じて再生する楽曲を変化させる自律再生を行うことができる。また、予め再生データを作成したり用意する必要がなく、既に所有している楽曲データを使用して、車両位置や走行状態に応じた楽音を自律的に再生することが可能となる。また、出発地からスタートした時点でイントロ曲が再生され、目的地に到達したタイミングとエンディング曲の再生終了のタイミングが一致するため、走行を開始し目的地に近づいたことを実感することができるとともに、目的地に到達したことを直感的に把握することができるようになる。
【0047】
このため、乗員が飽きることなく、車両を走行させて楽曲を発生させることを楽しめる世界観を作ることができる。また、走行状態が常に変化のある楽曲で表現されるため、車両がどの様な運転状態にあるか常時把握できる。また、楽音発生装置の発生する楽曲が楽しめるものであるため、車両の運転がより充実したものになり、様々な付加情報が楽曲と共に乗員に伝達され、快適に運転できる。さらに、車両状態が変化しない場合であっても自律的に楽曲が変化するので、乗員は飽きずに楽曲を鑑賞する事ができる。
【0048】
また、前述した説明においては、本発明による楽音発生装置を車両に備えた例を説明したが、車両とは、自動車に限らず、自動二輪車等でも適用可能である。さらには、ルート案内機能付きの携帯端末においても適用可能である。すなわち、自己の位置検出とルート案内機能が備えられた移動体において適用することが可能である。
【0049】
なお、図1における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより楽音再生処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0050】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】図1に示す楽曲データベース8のテーブル構造を示す説明図である。
【図4】図1に示すマーキングルールベース9のテーブル構造を示す説明図である。
【図5】図1に示す再生ルールベース10のテーブル構造を示す説明図である。
【図6】設定走行ルートの一例を示す説明図である。
【図7】図1に示す再生シーケンスデータファイル14のテーブル構造を示す説明図である。
【図8】楽曲データに対してマーキングした一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0052】
1・・・制御部、2・・・操作部、3・・・楽曲再生部、4・・・スピーカ、5・・・通信部、6・・・CD読取装置、7・・・I/F(インタフェース)、8・・・楽曲データベース、9・・・マーキングルールベース、10・・・再生ルールベース、11・・・車両状態検知部、12・・・環境状態検知部、13・・・ナビゲーションシステム、14・・・再生シーケンスデータファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に備えられる楽音発生装置であって、
楽曲データを記憶する楽曲データ記憶手段と、
ナビゲーションシステムから目的地までの設定ルート情報を取得するルート情報取得手段と、
前記楽曲データ記憶手段に記憶された前記楽曲データから、前記設定ルート情報に基づいて、出発地から目的地までの移動ルートを複数の移動区間に分けた各移動区間毎に再生するべき楽曲データが定義された再生シーケンスデータであって、少なくとも目的地到達直前に再生するべき楽曲であるエンディング曲が定義された再生シーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、
前記楽曲データ記憶手段に記憶された前記楽曲データに基づいて楽曲を再生する楽曲再生手段と、
前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段によって取得した位置情報に基づいて、前記移動区間が切り換わったことを検知した場合に、前記再生シーケンスデータに定義されている再生するべき楽曲データを前記楽曲データ記憶手段から読み出して前記楽曲再生手段に該楽曲データを再生させるとともに、前記エンディング曲の再生終了と前記移動体の目的地到達が一致するように、前記エンディング曲を再生させる制御手段と
を備えたことを特徴とする楽音発生装置。
【請求項2】
前記シーケンスデータは、出発直後に再生するべき楽曲であるイントロ曲が定義されていることを請求項1に記載の楽音発生装置。
【請求項3】
前記楽曲データ記憶手段に記憶された前記楽曲データから選択し、前記移動区間に該楽曲データを定義することで前記再生シーケンスデータを生成するシーケンスデータ生成手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の楽音発生装置。
【請求項4】
前記楽曲データの所定の音楽要素パラメータを分析して、該音楽要素パラメータを前記楽曲データに関係付けて、前記楽曲データ記憶手段に記憶する分析手段と、
車両の移動状態と再生するべき楽曲の音楽要素パラメータが関係付けられて記憶された再生ルールデータ記憶手段とをさらに備え、
前記シーケンスデータ生成手段は、前記再生ルールデータ記憶手段を参照して、前記各移動区間毎に再生するべき楽曲の音楽要素パラメータを取得し、該再生するべき楽曲の音楽要素パラメータの条件を満たす前記楽曲データを前記楽曲データ記憶手段に記憶されている楽曲データの中から選択することを特徴とする請求項3に記載の楽音発生装置。
【請求項5】
前記音楽要素パラメータは、ピッチ、音量、テンポ及び音色のいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の楽音発生装置。
【請求項6】
楽曲データを記憶する楽曲データ記憶手段と、ナビゲーションシステムから目的地までの設定ルート情報を取得するルート情報取得手段と、前記楽曲データ記憶手段に記憶された前記楽曲データから、前記設定ルート情報に基づいて、出発地から目的地までの移動ルートを複数の移動区間に分けた各移動区間毎に再生するべき楽曲データが定義された再生シーケンスデータであって、少なくとも目的地到達直前に再生するべき楽曲であるエンディング曲が定義された再生シーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、前記楽曲データ記憶手段に記憶された前記楽曲データに基づいて楽曲を再生する楽曲再生手段と、前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段とを備えた移動体における楽音発生方法であって、
前記位置情報取得手段によって取得した位置情報に基づいて、前記移動区間が切り換わったことを検知した場合に、前記再生シーケンスデータに定義されている再生するべき楽曲データを前記楽曲データ記憶手段から読み出して前記楽曲再生手段に該楽曲データを再生させるとともに、前記エンディング曲の再生終了と前記移動体の目的地到達が一致するように、前記エンディング曲を再生させる制御ステップを
有することを特徴とする楽音発生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−203338(P2008−203338A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−36674(P2007−36674)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】