説明

水性超臨界酸化による汚染された物品のクリーニング

【課題】回路機構間の微細寸法で汚染された物品と水および酸化材料を含む反応性クリーニング流体を接触させて汚染材料を除去する方法を提供する。
【解決手段】反応性クリーニング流体の臨界温度または臨界温度超の温度で、且つ反応性クリーニング流体の臨界圧力または臨界圧力超の圧力で、汚染された物品と水19および酸化材料51を含む反応性クリーニング流体とを接触させる工程を含む汚染された物品からの汚染材料の除去、汚染材料の少なくとも一部分を酸化して、クリーニングされた物品並びに未反応の反応性クリーニング流体および除去された汚染材料を含む生成混合物を生成する酸化、およびクリーニングされた物品と生成混合物との分離を含む汚染された物品から汚染材料を除去するための方法。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
マイクロエレクトロニクス回路の製造は、極度にクリーンな状態で行われなければならない多くの処理ステップ必要とする。超小型回路中で致命的な欠陥を生み出すのに必要な汚染量が極度に小さいため、マイクロエレクトロニクス回路に使用されるウェハーの周期的なクリーニングが経済的な利益を維持するために必要である。また、厳しい純度管理および処理材料の清潔なラインが必要である。
【0002】
少量の汚染は、マイクロチップの製造工程に弊害をもたらす。粒子、フィルム、分子の形での汚染、およびイオン汚染は短絡、開回路、シリコン結晶の積層欠陥、および他の欠陥を起こす。これらの欠陥は完成したマイクロエレクトロニクス回路を不合格とし、そしてそうした不合格は、マイクロエレクトロニクス産業で重大な歩留まり減少の原因である。マイクロ汚染によって生じた歩留まりの減少は、実質的に処理コストを増加させる。
【0003】
ある広く使用されている集積回路(IC)の製造工程では、薄いフォトレジスト層がフォトリソグラフ工程の一部として高感度の半導体表面に適用される。これらの薄い層は焼成、露光、および洗浄に供され半導体表面上に微細なパターンを生成する。該ポリマーのフォトレジストは架橋し、そしてこれらの工程の間に表面に強固に付着し、そしてこれらの硬化した犠牲となる層は、後に続くエッチングまたは注入工程で除去されなければならない。公知のフォトレジストの除去方法は、湿式化学的浸漬およびプラズマアッシングによる酸化を含む。しかし、これらの湿式化学的バスフォトレジスト剥離およびドライ(プラズマ)フォトレジストアッシング工程は、多くの制約に苦しんでいる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
回路寸法が減少しそして環境の制約が増大するため、湿式化学的処理法は不利益を増す。湿式化学的処理の制約の中には、高コストおよびクリーニング試薬の純度条件、再循環する液体の進行汚染、汚染された薬品からの再沈着、特別な処理条件、環境へのダメージ、ハンドリング中の特別な安全のための手順、表面張力効果および画像劣化(トポグラフィー感度)による深くパターン化された表面での有効性の減少、汚染物質の再付着を防止するための表面湿潤能力へのクリーニング有効度の依存性、および残粒子の付着を起こす液体残留の可能性がある。表面の汚染物質との化学的反応に依存する湿式クリーニング試薬は、また新しく薄いフィルム材料またはさらに腐食しがちな銅等の金属との適合性の問題も示す。より高精度の表面エリアを有するウェハー直径の増加へ向かう継続した傾向により、より大きい体積の液体薬品が製造工程を完成させるために必要である。また、湿式化学的バスは伝統的なウェハーバッチ工程であり、該工程は本質的に新規で単一のウェハー処理ツールに適合しない。
【0005】
プラズマアッシングは、上記の化学的浸漬の制約の大部分を克服するものの、そうしたプラズマは真空の処理、関連する高度にメンテナンスされた真空装置、および危険且つ環境有害物質の放出の減少が必要とされる。プラズマは基材表面上に(“ベール:veils”または“フェンス:fences”)残留汚染を残す傾向があり、反応器中に大濃度の懸濁粒子状物質を生成する傾向があり、そして高エネルギーのプラズマ場によって回路に放射ダメージを引き起こす可能性がある。そうしたダメージはウェハーから隔たった場所での反応性プラズマの発生を必要とし、それによって該工程の効率を下げる。プラズマアッシングはまた金属性イオンの除去においては効果的でなく、したがって金属性イオンの除去のために、続いて液体浸漬処理を必要とする可能性がある。
【0006】
ドライ(無水の)および/又は半導体基材の化学的でない表面のクリーニングを行なうために多くの試みがなされてきた。これらの方法は従来の液体、気体、およびプラズマ相処理の代替物を与え、そして(1)レーザーアブレーションおよびレーザー誘起粒子浮遊等の光学的方法、(2)ガス噴射、(3)UV/オゾン、(4)エアロゾル噴射、および(5)さらに超音波エネルギーを使用した超臨界流体(SCF)または液体CO中の浸漬を含む。超臨界流体は前アッシングを伴わないフォトレジストの剥離および/又はプラズマアッシング等の従来のアッシング工程後の表面からのフォトレジスト灰残留物の除去に使用可能である。いずれにしても、化学的に反応性の添加物および共溶媒材料が、不要な表面層またはアッシュ後の残留物の除去を増進するための手段としてCOに加えられてもよい。そうした方法は、エッチ後およびアッシュ後超臨界CO(SCCO)ウェハークリーニングと広く呼ばれている。COは典型的にはその低コスト、毒性が無いこと、環境への適合性および低臨界温度(31.3℃)により使用される。
【0007】
将来のマイクロ電子回路は、さらに小さい形状で且つさらに複雑であり、そしてこれらの回路の製造は、さらなる処理ステップを必要とするであろう。回路機構間の小さくなった寸法で汚染によるダメージにさらに敏感になるだろう。したがって、経済的利益を維持するために、改善されたウェハークリーニング手段および汚染コントロール技術が製造工程で必要とされ、これらのさらに厳しくなる条件を満たすだろう。こうした必要性は下記の様におよび請求項中で定義された本発明の態様に記載される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様は、反応性クリーニング流体の臨界温度または臨界温度超の温度で、且つ反応性クリーニング流体の臨界圧力または臨界圧力超の圧力で、汚染された物品と水および酸化材料を含む反応性クリーニング流体とを接触させる工程、汚染材料の少なくとも一部分を酸化して、クリーニングされた物品並びに未反応の反応性クリーニング流体および除去された汚染材料を含む生成混合物を生成する工程、並びにクリーニングされた物品と生成混合物とを分離する工程を含んでなる汚染された物品から汚染材料を除去するための方法を含む。
【0009】
本発明の別の態様は、以下を含む汚染された物品からの汚染材料除去のための酸化方法に関する:(a)少なくとも物品の一部分に付着した汚染材料を伴う該物品を含む汚染された物品を用意する工程;(b)酸化容器に汚染された物品を入れる工程;(c)反応性クリーニング流体の臨界温度または臨界温度超の温度で、且つ反応性クリーニング流体の臨界圧力または臨界圧力超の圧力で、汚染された物品と水および酸化材料を含む反応性クリーニング流体とを接触させる工程;(d)クリーニングされた物品並びに未反応の反応性クリーニング流体および除去された汚染材料を含む生成混合物を生成させるために汚染材料の少なくとも一部分を酸化する工程;(e)クリーニングされた物品と生成混合物とを分離する工程;そして(f)酸化容器から該クリーニングされた物品を除去する工程。
【0010】
本発明の関連した態様は、以下を含む汚染された物品から汚染材料を除去するためのシステムを含む:
(a)汚染された物品を容器内に導入し、そして該容器からクリーニングされた物品を取り除くための密閉可能な密閉容器(sealable closure)を含む酸化容器;
(b)水貯蔵容器;
(c)酸化剤貯蔵容器;
(d)反応性クリーニング流体を用意するために、水と酸化剤とを混合するための混合デバイス;
(e)反応性クリーニング流体の臨界圧力または臨界圧力超の圧力で酸化反応器中に反応性クリーニング流体を用意するために、反応性クリーニング流体を加圧するための加圧デバイス、反応性クリーニング流体の臨界温度または臨界温度超の温度に少なくとも反応性クリーニング流体の一部分を加熱するためのヒーター、および酸化反応器中で反応性クリーニング流体と汚染された物品とを接触させるための支持体;並びに
(f)酸化容器内に流体を導入するため、そして未反応の反応性クリーニング流体並びに除去された汚染材料を含む生成混合物をそこから回収するためのライン。
【0011】
本発明の別の関連した態様は、以下を含む汚染された物品からの汚染材料の除去のためのシステムを含む:
(a)汚染された物品を容器内に導入し、そして該容器からクリーニングされた物品を取り除くための密閉可能な密閉容器を含む酸化容器;
(b)反応性クリーニング流体貯蔵容器;
(c)酸化剤貯蔵容器;
(d)酸化剤貯蔵容器から反応性クリーニング流体貯蔵容器へ酸化剤を移送するためのライン、および反応性クリーニング流体貯蔵容器へ給水するためのライン、ここで、該酸化剤および水は、反応性クリーニング流体貯蔵容器中で混合して反応性クリーニング流体を提供することが出来る;
(e)反応性クリーニング流体の臨界圧力または臨界圧力超の圧力で酸化反応器中に反応性クリーニング流体を用意するために、反応性クリーニング流体を加圧するための加圧デバイス、反応性クリーニング流体の臨界温度または臨界温度超の温度に少なくとも反応性クリーニング流体の一部分を加熱するためのヒーター、および酸化反応器中で反応性クリーニング流体と汚染された物品とを接触させるための支持体;並びに
(f)酸化容器内へ流体を導入するための入り口および未反応の反応性クリーニング流体および除去された汚染材料を含む生成混合物をそこから回収するための出口。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の態様は反応性クリーニング流体の臨界温度または臨界温度超の温度で且つ反応性クリーニング流体の臨界圧力または臨界圧力超の圧力で、汚染された物品と水および酸化材料を含む反応性クリーニング流体との接触を含む汚染された物品からの汚染材料の除去のための方法を提供する。汚染材料の少なくとも一部分が酸化されて、クリーニングされた物品並びに未反応の反応性クリーニング流体および除去された汚染材料を含む生成混合物を与え、そして生成混合物がクリーニングされた物品から分離される。
【0013】
下記の方法が電子産業中の半導体構成部分および他の物品のクリーニングのために有利に使用されてもよい。これらの構成部分および物品、例えば、シリコンまたはガリウムヒ素ウェハー、レチクル、フォトマスク、フラットパネルディスプレイ、処理チャンバーの内部表面、プリント基板、表面に取り付けられた組立品、電子組立品、ウェハー処理システム構成部分、電気光学、レーザーおよび宇宙船用ハードウェアー、および表面マイクロマシーンシステム。酸化可能な汚染物質を有するいかなる他の物品もこれらの方法によってクリーニングされても良い。該汚染材料は露光されたフォトレジスト材料、フォトレジスト残留物、UVまたはX線硬化フォトレジスト、C−F含有ポリマー、有機エッチ残留物、無機エッチ残留物、イオン金属含有化合物、中性の金属含有化合物、および平坦化後粒子からなる群から選択された1または2以上の構成部分を含んでもよい。
【0014】
酸化材料は、物品の表面から汚染材料を除去するのに充分な程度に、汚染された物品上の汚染材料を酸化できる水性反応性クリーニング流体中のあらゆるエレメントまたは化合物として、本願中では定義される。該酸化材料は酸素、オゾン、過酸化水素、塩素、一酸化窒素、亜酸化窒素、二酸化窒素、三フッ化窒素、フッ素、および三フッ化塩素からなる群から選択される1または2以上の成分を含んでもよい。
【0015】
“汚染材料”の語は、付着した材料が望ましくなく、そしてその意図された目的のための物品の使用を妨げる汚染された物品の表面に付着したあらゆる材料として定義される。“除去された汚染材料”の語は、汚染された物品との接触の前には反応性クリーニング流体中に存在しなかった、クリーニングされた物品から分離した生成混合物中に存在するあらゆる形態のあらゆる材料として定義される。いくつかまたは全ての汚染材料は酸化されて、除去された汚染材料を生成する可能性がある。“クリーニングされた物品”の語は、汚染された物品から所望の量の汚染材料の除去後に、結果として生じる物品を意味する。
【0016】
反応性クリーニング流体は、水および1または2以上の酸化材料の多成分の混合物として定義される。所与の組成物の反応性クリーニング流体の臨界温度および臨界圧力は、反応性クリーニング流体が、単一の相としてのみ存在可能であるよりも上の温度および圧力のあらゆる組み合わせによって定義される。反応性クリーニング流体の臨界圧力は、温度が変化してもなんら相変化が起きない圧力超の圧力であり、そして反応性クリーニング流体の臨界温度は、圧力が変化してもなんら相変化が起きない温度超の温度である。反応性クリーニング流体の臨界温度および臨界圧力は、流体の組成に依存する。酸化材料の濃度が減少するにつれて、反応性クリーニング流体の臨界温度および圧力は、水すなわち374℃および22.12MPa(3,208ポンド平方インチ)の臨界温度および臨界圧力に近づく。本願中に記載されたクリーニング流体に適用される“水性”の語はあらゆる形で水を含むクリーニング流体を意味する。
【0017】
本願中で使用される不定冠詞“a”および“an”は、明細書および請求項中に記載された本発明の態様中のあらゆる特徴に適用されるときは、1または2以上を意味する。そうした制限が具体的に記載されていない限り“a”および“an”の使用は単一の特徴に制限されない。単数のまたは複数形名詞または名詞句の前にある定冠詞“the”は特別な特定の特徴(複数)または特別な特定の特徴(複数)を意味し、そして使用される文脈によっては単数のまたは複数の意味を持つ可能性がある。形容詞“any”は、1つの、いくつかの、またはいかなる量にも無関係のすべてを意味する。第1の実体および第2の実体間に置かれた“および/又は”の語は、(1)第1の実体、(2)第2の実体、並びに(3)第1の実体および第2の実体の1つを意味する。
【0018】
クリーニングの間、汚染された物品と反応性クリーニング流体との接触は、超音波エネルギーによって増強されてもよい。該酸化材料はオンサイト例えば、酸素発生器によって並びに空気または高純度酸素からオゾンを生成するオゾン発生器によって与えられてもよい。典型的には、反応性クリーニング流体中の酸化剤は汚染材料を酸化するために必要な化学量論量の1〜100倍である量が与えられ、除去された汚染材料中の酸化された汚染物質を形成する。
【0019】
最初の酸化クリーニングの後、クリーニングされた物品は物品の表面からあらゆる残留する材料を除去するために、さらに第2のクリーニングステップ中の第2のクリーニング流体でクリーニングされてもよい。第2のクリーニングステップは、第2のクリーニング流体の臨界温度または臨界温度超の温度で且つ第2のクリーニング流体の臨界圧力または臨界圧力超の圧力で行われても良い、
【0020】
第2のクリーニング流体は、二酸化炭素、アンモニア、フッ化水素、塩化水素、亜酸化窒素、三フッ化窒素、窒素、酸素、オゾン、アルゴン、ヘリウム、水素、フルオロフォルム、メタン、2〜6炭素原子を有する炭化水素、六フッ化硫黄、三酸化硫黄、モノフルオロメタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン、トリフルオロエタン、テトラフルオロエタン、ヘキサフルオロエタン、ペンタフルオロエタン、パーフルオロプロパン、ペンタフルオロプロパン、およびテトラフルオロクロロエタン、またはそれらの混合物からなる群から選択される1または2以上の成分を含んでもよい。第2のクリーニング流体は、アセチレンアルコール、アセチレンジオール、非イオンのアルコキシレート化アセチレンジオール界面活性剤、自己乳化性アセチレンジオール界面活性剤、シロキサンポリマー、シリコーンベース界面活性剤、シリコーンベース消泡剤、アルコール、第三級アルキルアミン、第四級アルキルアミン、第三級アルキルジアミン、第四級アルキルジアミン、アミド類、アルキルアルカノールアミン、キレート剤、トリフルオロ無水酢酸(TFAA)、ハロゲン化カルボン酸、ハロゲン化グリコール、ハロゲン化アルカン、およびハロゲン化ケトンからなる群から選択される1または2以上のクリーニング試薬を含んでもよい。
【0021】
最初のクリーニングステップおよび第2のクリーニングステップは、下記の様に同一のクリーニングシステムで行われてもよく、それによってクリーニングされる物品の必要なハンドリングを最小化する。反応性クリーニング流体および/又は第2のクリーニング流体は、クリーニングチャンバーへの導入前または後で、それぞれのクリーニング流体の臨界温度および圧力超の温度および圧力に、加熱され且つ加圧されてもよい。超臨界圧力がポンプまたはコンプレッサー使用する機械的なデバイスによって達成されて、貯蔵室からクリーニングチャンバーへ液体を移送しても良い。あるいは、超臨界圧力はクリーニングチャンバーの外の容器中で一定体積および密度で超臨界温度まで流体を加熱し、そして加熱され且つ加圧された流体を流体の臨界温度および圧力超である最終の状態でクリーニングチャンバーに移送することによって達成されてもよい。別の方法では、クリーニング流体は準臨界状態でクリーニングチャンバーに導入され、そして次にクリーニングチャンバーで一定の体積且つ密度で超臨界温度および圧力まで加熱されても良い。
【0022】
一実施態様は、非常に効果的なクリーニングでは、酸化剤として酸素を水と使用して、反応性クリーニング流体を実現しても良い。該酸化反応は超臨界状態下で自発的に開始して発熱し、それによって汚染物質がほとんど完全に酸化されるまで、工程を維持するのに充分な熱を発生する自立反応を実現する。この水性超臨界反応性クリーニング流体の低粘度および高拡散性により、汚染物質の流体への大きい物質移動速度が可能となる。99.99%までの高い汚染物質の破壊効率が可能である。水性反応性クリーニング流体の誘電率は超臨界状態で約2未満の値まで減少し、そしてこれが塩素フッ素および臭素等のハロゲンを含む有機材料を含む流体中の有機汚染材料の溶解度を増加させる。これらの汚染材料が水性反応性クリーニング流体と密接に接触し、そして酸化によってCO、水および他の生成物に急速に変換される。極性汚染物質はまた直ちに酸化され、溶解し、そして水性反応性クリーニング流体によって取り除かれる。窒素、塩素、および硫黄含有化合物は、窒素ガスへおよび/又は鉱酸に変換され、そして反応性クリーニング流体中で完全に溶解する無機塩中で中和される。
【0023】
工程中で発生する典型的な無害の廃棄物は、クリーンな水、CO、いくらかのアルカリ塩、いくらかの金属酸化物および不溶性塩、無機酸、およびわずかな量のNおよびOを含む。酸化反応は、温度灰化に必要な温度よりはるかに低い温度で起こるため、該反応は、有害な窒素酸化物または硫黄酸化物を生成しない。
【0024】
本発明の態様は、単一の図である図式の工程フロー図によって具体的に説明されるクリーニングシステムを含み且つ利用する。酸化反応器1は、汚染された物品3を容器中に入れ、そしてクリーニングが完了した後に、物品を取り除くのための密閉可能な密閉蓋4を有する圧力容器2を含む。酸化容器は反応性クリーニング流体を容器中に導入するのための少なくとも1つの入り口および使用済みのクリーニング流体、例えば除去された汚染材料並びに未反応の反応性クリーニング流体を含む生成混合物の回収のための少なくとも1つの出口を有する。容器は、必要に応じてここでは容器の壁上に配置されるとして示されるヒーター5によって加熱されてもよい。あるいは、内部ヒーター(示されていない)は容器内に配置されて、内部流体を直接加熱しても良い。酸化容器は70.9MPa(700気圧)までの圧力および500℃までの温度で運転できるように設計されている。
【0025】
汚染された物品3が支持基材7上に配置され、追加の電気抵抗加熱によってまたはヒーターコントローラー9によってコントロールされる誘導加熱によって、加熱されてもよい。加熱支持基材は直接伝導によって物品3を加熱するために使用されてもよく、そして基材および物品の表面に隣接した反応性クリーニング流体にいくらかの熱を与えても良い。あるいはまた追加した物品3および反応性物品の表面に隣接したクリーニング流体は、全ての酸化容器1中に設置された窓13を介して、物品3へ熱輻射を伝える赤外線輻射ヒーター11によって加熱されてもよい。
【0026】
攪拌機15は、クリーニング工程の間容器内の流体を循環するために使用されても良い。あるいはまた追加で超音波発生器17がクリーニング工程を増進する超音波エネルギーを発生するために使用されてもよい。
【0027】
クリーニングシステムは、反応性クリーニング流体に使用される高超純水のための貯蔵容器19を含む。貯蔵容器は70.9MPa(700気圧)までの運転が可能な圧力容器であってもよく、そして500℃までの温度に容器を加熱することが可能なヒーター21が装着されていてもよい。補給水がライン23を介して加えられ、工程水がライン25を介して存在し、そして追加ポンプ27が予め加圧され且つ加熱された水を酸化容器へ移送するために使用される。あるいは、追加のポンプまたは計量ポンプ27が、水貯蔵容器19中の低圧で貯蔵されている水を加圧するために使用されてもよい。水が下記の様に一定の密度および体積で等積加熱によって水貯蔵容器19中で加圧されると、ポンプ27は必要ないかもしれない。
【0028】
ポンプ吐出ライン29が、下記の様に第2のクリーニング流体を含む追加のライン31によって接続される。ライン33が熱交換器35に至り、酸化反応器1からのライン37中の使用済みの反応性クリーニング流体との間接的な熱交換によってライン33中の流体を加熱する。熱交換器35からのライン39は、反応性クリーニング流体の追加加熱のための追加のヒーター41に至り、そして熱交換器からライン43は、コンプレッサー47からのライン45によって接続されている。反応性クリーニング流体のための酸化ガスがライン51を介した酸化シリンダー49およびコンプレッサー47へのマニホールド53によって与えられる。追加の第2クリーニングガスシリンダー55が、マニホールド53へのライン57を介して接続される。ライン59が反応性クリーニング流体および酸化反応器1への追加の第2のクリーニング流体を提供する。
【0029】
クリーニングシステムは、第2のクリーニング流体成分の貯蔵のための第2のクリーニング流体貯蔵容器61を含んでも良い。この貯蔵容器は70.9MPa(700気圧)までの運転が可能な圧力容器であってもよく、そして500℃まで容器を加熱可能なヒーター63が装着されていてもよい。第2のクリーニング流体の補給は、ライン65を介して加えられ、そして第2流体はライン67を介して存在する。追加のポンプまたは計量ポンプ69が、予め加圧され且つ加熱された第2のクリーニング流体をライン31を介して酸化容器に移送するために使用されてもよい。あるいは、追加のポンプ69が、低圧で貯蔵容器61中に貯蔵された第2のクリーニング流体を加圧し、そしてポンプで注入するために使用されてもよい。第2のクリーニング流体が、下記の様に一定密度且つ体積での等積加熱によって貯蔵容器61中で加圧されるときに、ポンプ69が使用されてもよい。
【0030】
ライン71が熱交換器35の出口と冷却器73とを接続し、そしてライン75が冷却器73の出口と固体セパレーター76とを接続する。この固体セパレーターは沈殿、ろ過、慣性分離、またはあらゆる他の公知の固形液体分離工程を利用してもよい。固形汚染物質が、ライン77介してセパレーター76から回収されてもよい。ライン78はセパレーター76の出口と圧力還元バルブ79とを接続し、そしてライン81は気体液体セパレーター容器83の入り口へのバルブを接続する。このセパレーター容器は、気体出口85および液体出口89に取り付けられている。
【0031】
クリーニング工程は圧力容器2を開けて、支持基材7上に汚染された物品3を設置し、そして圧力容器を閉じて密閉することによって開始される。クリーニングは、反応性クリーニング流体が、酸化容器を通って連続的に通過する流れ状態下で行われてもよく、それによって連続的な洗い流し工程を与えクリーニングが完了するまで除去された汚染材料を清掃する。あるいは、クリーニングは反応性クリーニング流体が、圧力容器2に充填されている非流れ状態下で行われてもよい、容器はクリーニングが完了またはほとんど完了するまで隔離され、そして容器は工程を完了するために洗浄される。他の代わりの操作では、流れおよび非流れ周期のあらゆる組み合わせが使用されてもよい。
【0032】
少なくとも一部分の汚染材料が酸化されて、物品から分離され且つクリーニング流体中に溶解または懸濁された酸化生成物を形成するように、汚染された物品上の汚染物質は、反応性クリーニング流体中の酸化材料と反応する。いくらかの汚染材料は一部分の汚染材料の酸化によって物品の表面から分離されてもよい。従っていくらかの除去された汚染材料は酸化生成物の形であり、そしていくらかは完全に酸化されなかった懸濁除去汚染材料の形である可能性がある。
【0033】
クリーニング工程の間、物品と接触している反応性クリーニング流体は、反応性クリーニング流体の臨界温度または臨界温度超の温度で、且つ反応性クリーニング流体の臨界圧力または臨界圧力超の圧力で維持される。圧力容器2中の反応性クリーニング流体の超臨界状態がポンプ27および/又はコンプレッサー47によって、水貯蔵容器19中および/又は圧力容器2中の一定体積(isochoric)および一定密度(isopycnic)加熱によって、またはそれらの組み合わせによって、機械的な加圧を使用する幾つかの操作方法のいずれかによって達成されてもよい。汚染された物品と反応性クリーニング流体との接触時間は、約1〜約600秒の間であってもよい。
【0034】
一実施態様では、超純水が水貯蔵容器19中に隔離され、そして水貯蔵容器中で選択された超臨界温度且つ超臨界圧力へ一定容積且つ一定密度で加熱される。酸化反応器1中の水が移送後で水の臨界温度且つ臨界圧力超であるように、超臨界水はライン25,29,33,39,43、および59を介する酸化反応器1中へポンプ27を使用せずに移送される。酸化シリンダー49からの酸化ガスは加圧され、そしてコンプレッサー47によって酸化反応器1中へ移送され、臨界温度且つ臨界圧力超の酸化反応器中での温度および圧力で反応性クリーニング流体を生成する。本態様では移送ポンプ27の必要性がなく、それによって装置資本および操作コスト並びに欠陥のあるポンプ密閉による水汚染への可能性を減少させる。
【0035】
別の態様では、水貯蔵容器19から準臨界水および酸化シリンダー49から準臨界の酸化ガスが圧力容器2中へ移送され、準臨界状態の反応性クリーニング流体を生成する。圧力容器2は隔離され、そして一定容積且つ一定密度でヒーター5によって反応性クリーニング流体の臨界温度且つ臨界圧力超の反応容器内での温度および圧力まで加熱される。
【0036】
さらにほかの態様では、水貯蔵容器19から準臨界水がポンプ27によって超臨界圧力まで加圧され、熱交換器35および/又はヒーター41によって超臨界温度まで加熱される、そして圧力容器2の中へ導入される。酸化シリンダー49からの酸化ガスはコンプレッサー47によって圧縮熱を除かずに酸化反応器1中の圧力超の圧力まで圧縮され、そして熱い圧縮された酸化ガスは酸化反応器1内へ導入されて反応性クリーニング流体を生成する。圧力容器2中の最終的な反応性クリーニング流体が、反応性クリーニング流体の温度および臨界圧力を超えるように、水の圧力および温度並びに酸化ガス移送ステップが選択される。
【0037】
さらに別の態様では、反応性クリーニング流体が、水のポンプ送入および圧力容器2への酸化ガスの加圧によって酸化反応器1へ与えられ、その臨界圧力超の圧力およびその臨界温度未満の温度で反応性クリーニング流体を生成する。汚染された物品3は、物品の表面に隣接し且つ接触した反応性クリーニング流体が、クリーニング流体の臨界温度超の温度へ加熱されるような選択された温度へ加熱される。酸化反応器中の残部のクリーニング流体は、反応性クリーニング流体の臨界温度未満にとどまる。本態様はクリーニング工程を加速し、そして工程のエネルギー消費を減少させる。
【0038】
また別の態様では、酸化ガス貯蔵タンク49は、パイピング(示されていない)によって水貯蔵容器19に接続されており、そして適当量の酸化ガスが適当量の超純水と伴に容器中へ導入される。そして水貯蔵容器19が隔離され、そして一定容積且つ一定密度で加熱され、容器内で生成された反応性クリーニング流体の温度および圧力を選択された超臨界温度および超臨界圧力へ上昇させる。移送後の酸化反応器1中の反応性クリーニング流体が、反応性クリーニング流体の臨界温度および臨界圧力を超えるように、超臨界反応性クリーニング流体は、ライン25,29,33,39,43、および59を介してポンプ27を使用せずに酸化反応器1中へ移送される。本態様は移送ポンプ27およびコンプレッサー47の必要性を除き、それによって装置資本および操作コスト並びに欠陥のあるポンプおよびコンプレッサー密閉による水およびガス汚染の可能性を減少させる。
【0039】
汚染された物品と接触するために、超臨界状態で必要な反応性クリーニング流体を提供ための超純水のポンプ送入、酸化ガスの圧縮、水貯蔵容器19中の加熱、熱交換器35およびヒーター41による加熱、並びに酸化反応器1中の加熱の他の組み合わせは想定可能である。例えば、酸化ガスの選択された量が、準臨界状態の圧力容器2の中に導入可能であり、超純水は水貯蔵容器19中で隔離され、そして水貯蔵容器中で選択された超臨界温度および超臨界圧力まで一定容積および一定密度で加熱され、そして超臨界水は圧力容器2の中へ移送可能であり、それによって超臨界状態の反応性クリーニング流体を生成する。本実施例ではコンプレッサー47は必要ないであろう。
【0040】
特定のほかの例では、過酸化水素は、容器19中の超純水と混合されて容器19中に貯蔵された準臨界反応性クリーニング流体を生成可能であり、そしてこの準臨界反応性クリーニング流体は、その臨界温度および圧力超の状態まで上記の方法の何れかによって加熱されおよび/又は加圧されることが可能である。
【0041】
代表的なクリーニング工程の典型的な例では、残留フォトレジスト材料を含む汚染されたシリコンウェハー3が圧力容器2中の支持基材7上に配置され、そして圧力容器が閉じられ密閉される。超純水がクリーニング工程期間に、物品を清掃するのに充分な量でライン23を介して水貯蔵容器19の中へ導入される。水は任意選択的に水貯蔵容器内で前加熱され、ポンプ27によって選択された22.1MPa(218.3気圧)超の圧力へ加圧され、ライン33および39を介して移送され、ヒーター41で374℃超の温度へ加熱される、そしてライン43および59を介して圧力容器2の中へ移送され、それによって水の臨界温度および圧力超の、温度および圧力へ容器を最初に加熱および加圧する。シリンダー49からの高純度酸素はコンプレッサー47によって圧縮され、そしてライン45および59を介して必要な圧力の圧力容器2の中へ導入され、それによって反応性クリーニング流体のための酸化剤を提供する。所望の流速での流れがポンプ27によって継続され、そして必要な速度の酸素の流れがコンプレッサー47によって継続される。
【0042】
反応性クリーニング流体は圧力容器2内で生成され、そして容器を通って流れるにつれて、その臨界の温度および圧力超に維持される。流体は容器内で攪拌機15によって混合され、フォトレジスト材料との酸化反応によって容器内で物品を清掃し、そして使用済みのクリーニング流体は、ライン37を介して回収される。使用済みのクリーニング流体はライン33から入ってくる水との間接的な熱交換によって熱交換器35中で冷却される、それによって水を加熱し、そしてライン71を介して周囲温度近くまで冷却される冷却器73へ流れる。冷却された使用済みのクリーニング流体、今や、水および1または2以上の可溶性アルカリ塩、金属酸化物、非溶解性塩、無機酸、二酸化炭素、および少量の溶解NおよびOを含む複相混合物液体は、懸濁された固形物を除くために固体セパレーター77を通って通過する。使用済みのクリーニング流体は、気体液体セパレーター容器83中へと続き、残りのガス状成分が気体出口85を介して回収され、そして可溶性成分を含む水が液体出口89を介して回収される。この水の流れはさらに脱イオン化、逆浸透、および限外ろ過等の公知の方法によって再使用のために処理されてもよい。
【0043】
水および酸素の流れは、ウェハーを清掃するのに充分な時間の間、所望の状態で圧力容器2を通って反応性クリーニング流体の一定の流れを与え続ける。反応性クリーニング流体でのクリーニング工程が完了すると、クリーニングされたウェハーは、第2のクリーニング流体により、第2のクリーニング工程でさらにクリーニングされ、物品からあらゆる残留する材料を除去してもよい。第2のクリーニングステップが、第2のクリーニング流体の臨界温度または臨界温度超の温度で且つ第2のクリーニング流体の臨界圧力または臨界圧力超の圧力で行われてもよい。第2のクリーニング流体が、最初のクリーニングステップの反応性クリーニング流体と同様に、または類似の工程で与えられてもよい。第2のクリーニングステップの操作およびコントロールも同様に、最初のクリーニングステップに類似の方法の類似の状態で行われてもよい。第2のクリーニング流体のための成分は、ポンプ69によって第2のクリーニング流体貯蔵容器61から、およびコンプレッサー47による第2クリーニングガスシリンダー55から提供される。
【実施例】
【0044】
露光し且つ架橋したポリマーのフォトレジストを含む1cm正方形シリコンウェハーサンプルを、500cm耐圧反応容器中に配置した。ステンレススチール容器を次に380℃の温度且つ0.10MPa(14.7ポンド平方インチ)の初期圧力で1体積%Hと混合した高純度ろ過水で満たした。この状態では水は気相であった。水およびHを含む反応性クリーニング流体の加熱を、反応容器および供給ラインの外側に位置する抵抗ヒーターによって行った。ヒーター上の熱電対温度センサーが、電気温度コントローラーへフィードバックを与えた。背圧レギュレーターを反応容器の下側に配置し、そして22.75MPa(3,300ポンド平方インチ)にセットした。高圧ピストンタイプのポンプを、反応容器の中に水およびHを含む反応性クリーニング流体を送るために使用した。水/H混合物が連続的に反応容器に入るにつれて、反応容器の圧力が22.75MPa(3,300ポンド平方インチ)まで増加した。加熱された反応性クリーニング流体の圧力が22.12MPa(3,208ポンド平方インチ)超に増加するにつれて、反応容器の中で超臨界流体になった。超臨界状態を達成した後で、加熱された水/H混合物の流れを実際10cm/分の流速で容器および圧力レギュレーターを通してポンプによって与えた。水およびHが容器を通って連続的に流れる5分の間システムを380℃および22.75Mpa(3,300ポンド平方インチ)で維持した。残留する使用済みのクリーニング流体を次に容器から排出した。容器を開けて、そしてシリコンウェハーサンプルを取り除き、そしてろ過高純水中で洗浄した。洗浄したウェハーサンプルは、ろ過されたNでパージされたオーブン中200℃で1時間ウェハーを加熱することによって乾燥した。ウェハーを次にSEMで調べ、そしてフォトレジストおよび他の汚染材料がウェハー表面から完全に除去されているのがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】単一の図は本発明の態様を図式化したフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応性クリーニング流体の臨界温度または臨界温度超の温度で、且つ反応性クリーニング流体の臨界圧力または臨界圧力超の圧力で、汚染された物品と水および酸化材料を含む反応性クリーニング流体とを接触させる工程、汚染材料の少なくとも一部分を酸化してクリーニングされた物品並びに未反応の反応性クリーニング流体および除去された汚染材料を含む生成混合物を生成する工程、およびクリーニングされた物品と生成混合物とを分離する工程を含んでなる、汚染された物品から汚染材料を除去するための方法。
【請求項2】
該酸化材料が、酸素、オゾン、過酸化水素、塩素、一酸化窒素、亜酸化窒素、二酸化窒素、三フッ化窒素、フッ素、および三フッ化塩素からなる群から選択された1または2以上の成分を含む請求項1の方法。
【請求項3】
クリーニングされた物品から残留生成混合物を除去して、さらにクリーニングされた物品を生成するために第2のクリーニング流体とクリーニングされた物品とを接触する工程を含む請求項1の方法。
【請求項4】
第2のクリーニング流体が、二酸化炭素、アンモニア、フッ化水素、塩化水素、亜酸化窒素、三フッ化窒素、窒素、酸素、オゾン、アルゴン、ヘリウム、水素、フルオロフォルム、メタン、2〜6炭素原子有する炭化水素、六フッ化硫黄、三酸化硫黄、モノフルオロメタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン、トリフルオロエタン、テトラフルオロエタン、ヘキサフルオロエタン、ペンタフルオロエタン、パーフルオロプロパン、ペンタフルオロプロパン、およびテトラフルオロクロロエタン、またはそれらの混合物からなる群から選択された1種または2種以上の成分を含む請求項3の方法。
【請求項5】
第2のクリーニング流体とクリーニングされた物品の接触が、第2のクリーニング流体の臨界温度または臨界温度超の温度で且つ第2のクリーニング流体の臨界圧力または臨界圧力超の圧力で行われる請求項3の方法。
【請求項6】
汚染された物品と、反応性クリーニング流体および/又は第2のクリーニング流体との接触が超音波エネルギーで促進される請求項1の方法。
【請求項7】
以下を含む汚染された物品からの汚染材料除去のための酸化方法:
(a)少なくとも物品の一部分に付着した汚染材料を伴う物品を含む汚染された物品を用意する工程;
(b)酸化容器に該汚染された物品を入れる工程;
(c)反応性クリーニング流体の臨界温度または臨界温度超の温度で、且つ反応性クリーニング流体の臨界圧力または臨界圧力超の圧力で、汚染された物品と水および酸化材料を含む反応性クリーニング流体とを接触させる工程;
(d)クリーニングされた物品並びに未反応の反応性クリーニング流体および除去された汚染材料を含む生成混合物を生成させるために汚染材料の少なくとも一部分を酸化する工程;
(e)クリーニングされた物品と生成混合物とを分離する工程;および
(f)酸化容器から該クリーニングされた物品を除去する工程。
【請求項8】
反応性クリーニング流体の臨界温度未満の温度で、且つ反応性クリーニング流体の臨界圧力未満の圧力で、クリーニング流体調製容器中に反応性クリーニング流体を用意する工程、容器を密閉する工程、超臨界クリーニング流体を生成するために、反応性クリーニング流体の臨界温度超の温度、且つ反応性クリーニング流体の臨界圧力超の圧力に、容器内の温度及び圧力を上げるために一定体積で容器を加熱する工程、クリーニング流体調製容器を酸化容器と流体連通させて配置する工程、および反応性クリーニング流体の臨界温度または臨界温度超の温度で、且つ反応性クリーニング流体の臨界圧力または臨界圧力超の圧力で、反応性クリーニング流体と汚染された物品とを接触させるために、酸化容器に超臨界クリーニング流体を移送する工程を含む請求項7の方法。
【請求項9】
反応性クリーニング流体の臨界温度未満の温度で、且つ反応性クリーニング流体の臨界圧力未満の圧力で、酸化容器の中へ反応性クリーニング流体を導入する工程、酸化容器を密閉する工程、反応性クリーニング流体の臨界温度または臨界温度超の温度まで、且つ反応性クリーニング流体の臨界圧力または臨界圧力超の圧力まで、一定体積で容器内の温度および圧力を上げるために酸化容器を加熱し、それによって反応性クリーニング流体の臨界温度または臨界温度超の温度で、且つ反応性クリーニング流体の臨界圧力または臨界圧力超の圧力で、水および酸化材料を含む反応性クリーニング流体と汚染された物品とを接触させる工程を含む請求項7の方法。
【請求項10】
反応性クリーニング流体の臨界温度未満の温度で、且つ反応性クリーニング流体の臨界圧力未満の圧力で、反応性クリーニング流体を生成するために、酸化容器中へ水および酸化材料を導入する工程、酸化容器を密閉する工程、反応性クリーニング流体の臨界温度または臨界温度超の温度まで、且つ反応性クリーニング流体の臨界圧力または臨界圧力超の圧力まで一定体積で温度および圧力を上昇するために酸化容器を加熱し、それによって反応性クリーニング流体の臨界温度または臨界温度超の温度で、且つ反応性クリーニング流体の臨界圧力または臨界圧力超の圧力で、反応性クリーニング流体と汚染された物品とを接触する工程を含む請求項7の方法。
【請求項11】
加圧され且つ加熱された水を生成するために、第1の温度および圧力まで水を加圧且つ加熱する工程、第1の圧力まで酸化材料を加圧し、そして反応性クリーニング流体を生成するために加圧され且つ加熱された水と酸化材料を混合する工程、および反応性クリーニング流体が、反応性クリーニング流体の臨界温度または臨界温度超、且つ反応性クリーニング流体の臨界圧力または臨界圧力超になるように、汚染された物品を含む酸化容器中へ反応性クリーニング流体を導入する工程を含む請求項7の方法。
【請求項12】
反応性クリーニング流体が、汚染された物品に隣接し且つ汚染された物品と接触する第1の部分および酸化容器の残部を満たす第2の部分を含み、そして反応性クリーニング流体と汚染された物品との接触が、反応性クリーニング流体の第1部分の温度が反応性クリーニング流体の臨界温度または臨界温度超の温度となり、且つ反応性クリーニング流体の第2部分の温度が反応性クリーニング流体の第1の部分の温度未満であるような温度まで汚染された物品を加熱する工程を含む請求項7の方法。
【請求項13】
支持基材上に汚染された物品を配置し、支持基材を加熱し、そして汚染された物品に熱を移送することによって、汚染された物品が加熱され、そして支持基材が、電気抵抗加熱、電気誘導加熱、および赤外線放射からなる群から選択された方法によって加熱される請求項7の方法。
【請求項14】
反応性クリーニング流体と汚染された物品との接触の少なくとも一部間に、酸化容器中へ超音波エネルギーが導入される請求項7の方法。
【請求項15】
ステップ(e)の後且つステップ(f)の前に酸化容器中のクリーニングされた物品が第2のクリーニング流体と接触して、クリーニングされた物品から残留生成混合物を除去し、そしてさらにクリーニングされた物品を生成する請求項7の方法。
【請求項16】
以下を含む汚染された物品から汚染材料を除去するためのシステムであって:
(a)酸化容器の中へ汚染された物品を導入し、そして該容器からクリーニングされた物品を取り除くのための密閉可能な密閉容器を含む酸化容器;
(b)水貯蔵容器;
(c)酸化剤貯蔵容器;
(d)反応性クリーニング流体を用意するために、水と酸化剤とを混合するための混合デバイス;
(e)反応性クリーニング流体の臨界圧力または臨界圧力超の圧力で酸化反応器中に反応性クリーニング流体を用意するために、反応性クリーニング流体を加圧するための加圧デバイス、反応性クリーニング流体の臨界温度または臨界温度超の温度に少なくとも反応性クリーニング流体の一部分を加熱するためのヒーター、および酸化反応器中で反応性クリーニング流体と汚染された物品とを接触させるための支持体;並びに
(f)酸化容器内に流体を導入するため、そして未反応の反応性クリーニング流体および除去された汚染材料を含む生成混合物をそこから回収するためのライン。
【請求項17】
反応性クリーニング流体の臨界温度または臨界温度超の温度まで、酸化容器中の全部または一部分の反応性クリーニング流体を加熱するためのヒーターを含む請求項16のシステム。
【請求項18】
酸化容器内の汚染された物品を加熱するためのヒーターが、以下からなる群から選択される請求項16のシステム
(1)電気抵抗加熱によって加熱され且つ基材上の汚染された物品の配置に適合した支持基材;
(2)電気誘導加熱によって加熱され且つ基材上の汚染された物品の配置に適合した支持基材;および
(3)該放射ヒーターによって発生する赤外線放射に対して透過性である酸化容器中の耐圧窓の外側に配置した赤外線放射ヒーター、該放射ヒーターは汚染された物品との視線上に配置されている。
【請求項19】
当該酸化容器へ超音波エネルギーを導入するために、適合した超音波発生器を含む請求項16のシステム。
【請求項20】
以下を含む汚染された物品から汚染材料を除去するためのシステム:
(a)酸化容器の中へ汚染された物品を導入し、そして該容器からクリーニングされた物品を取り除くのための密閉可能な密閉容器を含む酸化容器;
(b)反応性クリーニング流体貯蔵容器;
(c)酸化剤貯蔵容器;
(d)酸化剤貯蔵容器から反応性クリーニング流体貯蔵容器へ酸化剤を移送するためのライン、および反応性クリーニング流体貯蔵容器へ給水するためのライン、ここで、該酸化剤および水は、反応性クリーニング流体貯蔵容器中で混合して反応性クリーニング流体を提供することが出来る;
(e)反応性クリーニング流体の臨界圧力または臨界圧力超の圧力で酸化反応器中に反応性クリーニング流体を用意するために、反応性クリーニング流体を加圧するための加圧デバイス、反応性クリーニング流体の臨界温度または臨界温度超の温度に少なくとも反応性クリーニング流体の一部分を加熱するためのヒーター、および酸化反応器中で反応性クリーニング流体と汚染された物品とを接触させるための支持体;並びに
(f)酸化容器内へ流体を導入するための入り口および未反応の反応性クリーニング流体および除去された汚染材料を含む生成混合物をそこから回収するための出口。

【図1】
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【公開番号】特開2007−318095(P2007−318095A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−105208(P2007−105208)
【出願日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】