説明

液晶装置、イメージセンサ、及び電子機器

【課題】表示品位が劣化するのを防止しつつ、タッチ検出をより確実に行う。
【解決手段】液晶装置は、第1基板(10)上の表示領域(10a)に画素部(72)に対応して夫々形成された複数の受光層(150a´)と、受光層に重なる第2液晶部分(5b)を夫々有するように表示領域に形成されており、指示手段によって指示される表示面(302s)から、第2液晶部分を透過して受光層に入射する光の光量を、複数の受光層の各々で互いに独立して調節可能な複数の光量調節部(82)と、第2液晶部分の光の透過率を、対応する画素部における第1液晶部分の光の透過率に応じて変化させて、受光層に入射する光の光量の調節を行うように、複数の光量調節部を制御する制御手段(216)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、指等の指示手段が表示面を指示することによって当該表示面を介して各種情報を入力可能なタッチパネル機能を有する液晶装置、及びそのような液晶装置を具備してなる電子機器、並びにイメージセンサの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の液晶装置では、典型的には、複数の画素部毎に光センサを配置し、画素部において液晶を透過する光による画像表示、及び指等の指示手段を介した当該液晶装置への情報の入力を可能にする、所謂タッチパネル機能を有する液晶装置が提案されている。このような液晶装置では、指或いは指示部材等の指示手段が液晶装置の表示面に触れたこと、或いは表示面上で動いたことが光センサによって検出され(以下、このような検出を「タッチ検出」と称して説明することもある)、当該液晶装置への情報の入力が可能になっている。
【0003】
ここに特許文献1又は2に開示されているように、光センサは、例えばフォトダイオード及び容量が相互に電気的に接続された回路構造を含んで構成されている。容量に蓄積された電荷は、入射光を受光したフォトダイオードに発生した光電流に応じて放電され、当該放電によって変化した電位に基づいて画像の階調レベルが特定される。
【0004】
特許文献1又は2によれば、タッチ検出は、例えば画像が表示される表示領域に入射される外光等の光が指示手段によって遮られることによる光量の変化に基づいて行う方法と、表示領域から出射される光が指示手段によって反射されることによる光量の変化に基づいて行う方法のいずれか一方により、或いは両方を並行させて、行われる。
【0005】
より具体的には、例えば、表示領域のうち指示手段に重なる領域に配置された光センサ、言い換えれば指示手段の影に重なる領域に配置された光センサは、指示手段の影に対応した入射光の光量を検出し、指示手段に重ならない領域に配置された光センサは、指示手段によって遮られない外光を入射光としてその光量を検出し、光量の差に応じた各画像部分の階調レベルに差が設けられた画像が取得される。
【0006】
或いは、表示領域のうち指示手段の影に重なる領域に配置された光センサは、指示手段によって反射された後、入射される入射光の光量を検出し、指示手段に重ならない領域に配置された光センサは、指示手段によって遮られない外光等を入射光としてその光量を検出し、光量の差に応じた各画像部分の階調レベルに差が設けられた画像が取得される。なお、この方法によれば、多くの場合、表示領域に入射される光の光量は、指示手段によって反射される光の光量より少なくなることを前提とする。即ち、表示領域に入射される光の光量が多い場合は(例えば、昼間の太陽光や室内の照明により、より明るい環境下では)、前者によりタッチ検出を行い、表示領域に入射される光の光量が少ない場合は(例えば、夜間の屋外等、より暗い環境下では)は、後者によりタッチ検出が好ましくは行われる。
【0007】
したがって、この種の液晶装置では、画像を表示する表示面から入射する入射光の光量を検出し、各光センサによって検出された入射光の光量の夫々に応じて階調レベルが特定された画像部分からなる画像に基づいて指示手段の位置が特定可能になる。
【0008】
ここに、特許文献1では、表示領域から出射される光が指示手段によって反射されることによる光量の変化に基づいてタッチ検出を行う場合、かかる反射光以外の外光等のノイズ光の影響によりタッチ検出が困難となるのを防止するために、画像表示を行う期間とは別途、バックライトを消灯させて表示領域に対する表示光を供給しないか、或いは黒色のベタ状の画面を表示させる黒表示を行って、タッチ検出を行う期間を設ける。
【0009】
また、特許文献2では、表示領域に入射される外光等の光が指示手段によって遮られることによる光量の変化に基づいてタッチ検出を行う方法において、かかる外光等の光以外の、表示領域に供給される表示光の影響によりタッチ検出が困難となるのを防止するために、画像表示を行う期間にバックライトを点灯させると共に、タッチ検出を行う期間にはバックライトを消灯させて表示光の影響を取り除く技術が開示されている。
【0010】
【特許文献1】特開2004−318819号公報
【特許文献2】特開2006−317682号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ここに、表示領域から出射される光が指示手段によって反射されることによる光量の変化に基づいてタッチ検出を行う場合、各画素部で表示される階調レベルが異なると、指示手段に対して表示領域から出射される光の光量も異なるため、光センサに入射される光の光量も異なってくる。従って、各画素部における階調レベルによってタッチ検出が困難となる事態も生じ得る。より具体的には、互いに隣接する画素部の各々における階調レベルが異なると、各々で光センサに入射される光の光量も異なってくるため、光センサに対する入射光の光量が多い画素部については容易にタッチ検出を行うことができるが、光センサに対する入射光の光量が少ない画素部についてはタッチ検出が困難となり、各画素部でタッチ検出の精度が異なってくることにより、タッチ検出が正確に行えなくなるような事態が生じるおそれがある。
【0012】
かかる事態を回避するために、特許文献1又は2に倣って、画像表示させる期間とは別途に、タッチ検出のための検出期間を設けて、検出期間において表示領域から出射される光の光量が各画素部で均一となるように、液晶の透過率を調整する方法も考えられる。しかし、このような方法によれば、画像表示の期間が、検出期間を設けない場合と比較して時間的に短くならざるを得ず、表示の輝度の低下等の表示不良を招き、また均一な表示を行うことによるコントラストの低下がおこり、表示品位が劣化するおそれがある。
【0013】
よって、本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、例えば、表示品位が劣化するのを防止しつつ、タッチ検出をより確実に行うことが可能なタッチパネル機能を有する液晶装置、及びそのような液晶装置を具備してなる電子機器、並びに、表示品位が劣化するのを防止しつつ、検出対象の画像部分を他の画像部分と識別してより確実に検出することが可能なイメージセンサを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る液晶装置は上記課題を解決するために、第1基板と、該第1基板に対向するように配置された第2基板と、前記第1及び第2基板間に挟持された液晶層と、前記第1基板上に配列され、前記液晶層のうち表示用光を透過させる第1液晶部分を夫々有する複数の画素部と、前記第1基板上における前記複数の画素部が配列された表示領域に前記画素部に対応して夫々形成された複数の受光層と、前記液晶層のうち前記受光層に重なる第2液晶部分を夫々有するように前記表示領域に形成されており、前記第2基板の両面のうち前記液晶層に臨まない面であり且つ指示手段によって指示される表示面から、前記第2液晶部分を透過して前記受光層に入射する光の光量を、前記複数の受光層の各々で互いに独立して調節可能な複数の光量調節部と、前記第2液晶部分の光の透過率を、前記対応する画素部における、前記第1液晶部分の光の透過率に応じて変化させて、前記受光層に入射する光の光量の調節を行うように、前記複数の光量調節部を制御する制御手段とを備える。
【0015】
本発明に係る液晶装置によれば、第1基板は、例えば、低温ポリシリコン層等の半導体層を含むTFT等の半導体素子が形成されたTFTアレイ基板であり、第2基板は、液晶層を介してTFTアレイ基板に対向するように配置された対向基板である。第1及び第2基板間には、TN(ツイステッドネマティック)モードやSTN(スーパーツイステッドネマティック)モード等の動作モードで、液晶が所定の状態で配向された液晶層が挟持される。
【0016】
複数の画素部は第1基板上の表示領域に配列され、液晶装置の動作時には、各画素部には例えば第1基板の側に配置されたバックライトから表示用光が供給される。各画素部において、第1液晶部分の配向状態に基づく透過率で、表示用光は第1液晶部分を透過すると共に変調される。これにより、各画素部では、第1液晶部分の光の透過率に基づく階調レベルで、表示を行うことが可能となる。従って、表示領域において階調表示を行うことができる。
【0017】
第1基板上には、各画素部に対応して受光層が表示領域に形成される。例えば、受光層の両側にP型領域及びN型領域を備えたPINダイオードが、典型的には画素部毎に対応させて、対応する画素部と互いに隣り合うように設けられる。即ち、本発明によれば、複数の画素部について、画素部毎に或いは所定数の画素部毎に典型的には一の受光層が対応するように形成される。
【0018】
複数の光量調節部は、液晶層のうち受光層に重なる第2液晶部分を各々有するように表示領域に形成されており、第2基板の両面のうち液晶層に臨まない面であり、且つ指示手段によって指示される表示面から複数の受光層の夫々に入射する入射光の光量を互いに独立して調節可能である。従って、各光量調節部は、受光層に対応して形成される。
【0019】
より具体的には、第2液晶部分の配向状態に基づく透過率で、表示面から入射される光が透過し変調されることにより、受光層に入射する入射光の光量が調節される。つまり、複数の光量調節部の各々は、各受光層に入射する入射光の光量を互いに独立して調節可能な絞り機構として機能する。ここで、「光量」とは、入射光の光強度、及び入射光が照射される照射時間の各々によって規定される入射光の光エネルギーの合計をいい、例えば、カメラ等の撮像装置における露光量に相当する物理量を意味する。
【0020】
本発明では、複数の光量調節部は夫々、その動作が制御手段によって制御される。制御手段は、各光量調節部を、受光層の入射光の光量を調節するため、この受光層に対応する画素部における第1液晶部分の光の透過率に応じて、第2液晶部分の光の透過率を変化させるように制御する。
【0021】
ここに、第1液晶部分を透過して表示面から出射される表示用光は、表示面を指示手段が指示している状態で、指示手段によって反射され、この反射光が第2液晶部分を透過して、受光層に入射される。これにより、本発明においては指示手段を識別可能となり、表示面における指示手段の位置を特定してタッチ検出を行うことが可能となる。
【0022】
一方、各画素部において、第1液晶部分の透過率が相対的に大きい値となる場合には、表示面から出射される光の強度は相対的に大きくなる。この場合には、制御手段は、光量調節部を制御することで、第2液晶部分の透過率を相対的に小さい値に調節する。これにより、受光層の入射光の光量は、指示手段における反射光の光量が何らの調整を受けずに入射される場合と比較して、相対的に小さくすることが可能となる。
【0023】
他方、各画素部において、第1液晶部分の透過率が相対的に小さい値となる場合には、表示面から出射される光の強度は相対的に小さくなる。この場合には、制御手段は、光量調節部を制御することで、第2液晶部分の透過率を相対的に大きい値に調節する。これにより、受光層の入射光の光量は、指示手段における反射光の光量が何らの調整を受けずに入射される場合と比較して、相対的に大きくすることが可能となる。
【0024】
よって、各画素部における第1液晶部分の透過率に基づく階調レベルについて、異なる値の各々に対し、受光層の入射光の光量の差を小さくすることが可能となる。従って、表示領域において例えば画像の表示を行いながら、これに並行してタッチ検出を行う場合も、階調レベルによって各画素部について検出精度が大きく変化するのを防止して、タッチ検出をより正確に行うことが可能となる。即ち、表示領域における表示期間とは時間的に分離させてタッチ検出を行うようにしなくても、タッチ検出をより確実に行うことができる。その結果、表示期間が時間的に短くなることによる輝度の低下、均一な表示を行うことによるコントラストの低下等の不具合を回避して、表示品位の劣化を防止することが可能となる。
【0025】
本発明に係る液晶装置の一の態様では、前記制御手段は、前記複数の光量調節部を夫々、前記第2液晶部分の光の透過率を、前記対応する画素部における前記第1液晶部分の光の透過率との積が予め定められた所定の値となるように、変化させることが可能なように制御する。
【0026】
この態様によれば、制御手段は、第2液晶部分の光の透過率が第1液晶部分の光の透過率に対して反比例するように、光量調節部を制御する。即ち、光量調節部は、制御手段によって制御されることで、第1液晶部分の光の透過率の減少に伴って、第2液晶部分の光の透過率が増加するように変化させると共に、第1液晶部分の光の透過率の増加に伴って、第2液晶部分の光の透過率が減少するように変化させる。
【0027】
よって、各画素部における第1液晶部分の光の透過率の増減による影響を小さくして、受光層の入射光の光量を理想的には一定の値に維持することが可能となる。
【0028】
本発明に係る液晶装置の他の態様では、前記複数の画素部は夫々、前記第1液晶部分の光の透過率を画像信号に基づく所定の階調レベルに応じて調節すると共に、前記制御手段は、前記階調レベルに応じて前記第2液晶部分の光の透過率を変化させるように調節信号を前記複数の光量調節部の各々に供給する。
【0029】
この態様によれば、各画素部では画像信号に基づく階調レベルの表示を行うように、第1液晶部分の配向状態を変化させて光の透過率が調節される。
【0030】
一方、制御手段は画像信号に基づいて調節信号を生成して供給することで、各光量調節部の動作を制御する。各光量調節部では、調節信号に基づいて、第2液晶部分の光の透過率を変化させる。よって、各光量調節部では、第2液晶部分の光の透過率を、対応する画素部における画像信号に基づく階調レベルに応じて変化させることが可能となる。その結果、各光量調節部では、第2液晶部分の光の透過率を、対応する第1液晶部分の光の透過率に応じて変化させることができる。
【0031】
本発明に係る液晶装置の他の態様では、前記光量調節部は、前記第2液晶部分並びに前記第2液晶部分を挟んで相互に向かい合う第1電極及び第2電極から構成された液晶素子と、前記受光層及び前記液晶層間において前記受光層に重なる第1偏光層と、前記液晶層から見て前記第2基板側に形成された第2偏光層とを有する。
【0032】
この態様によれば、光量調節部において、第2液晶部分の配向状態は、第1電極及び第2電極の夫々の電位差に応じた電圧によって制御され、第2液晶部分で変調された光の光量が調節される。加えて、液晶層における第2液晶部分及び受光層間に形成された第1偏光層、及びこれに対して第2偏光層が入射光の光路に沿って液晶素子の前後の各々に配置されているため、各光量調節部において第2液晶部分の配向状態を制御することによって、画素部において第1液晶部分の配向状態を制御する場合と同様に、受光層に入射する入射光の光量を調節できる。
【0033】
尚、各画素部においては、画素電極を含む一対の電極間の電位差に応じた電圧によって、第1液晶部分の配向状態が制御される。
【0034】
この光量調節部が液晶素子を備える態様では、前記複数の画素部は、画素電極を夫々備え、前記第1電極は、前記第1基板上において前記画素電極と同層に形成されているように構成してもよい。
【0035】
この場合には、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電材料によって構成される画素電極を形成する工程と共通の工程によって第1電極を形成でき、液晶装置の製造プロセスを簡便にできる。
【0036】
上述した、光量調節部が液晶素子とともに第1偏光層を備える態様では、前記第1偏光層は、前記第1基板上において、前記第2液晶部分と前記受光素子の間に形成されたワイヤーグリッドであるように構成してもよい。
【0037】
この場合には、第1偏光層をワイヤーグリッドとして無機材料により形成することが可能となる。
【0038】
この、第1偏光層がワイヤーグリッドである態様では、前記ワイヤーグリッドは、前記第1基板上において、前記表示領域のうち前記受光層が形成された一の領域を除く他の領域に設けられた導電膜と同層に形成されているように構成してもよい。
【0039】
このように構成すれば、他の領域に設けられた導電膜と共通の工程によってワイヤーグリッドを形成可能である。よって、染料を基板に塗布することによって第1偏光層を形成する場合に比べて、液晶装置の製造プロセスを簡便にすることが可能であり、煩雑な工程を経ることなく、光量調節部を形成可能である。
【0040】
尚、他の領域は、第1基板上において表示領域内の一の領域を除く領域であれば、表示領域内に限定されるものではなく、第1基板上の表示領域の周辺に延びる領域であってもよい。導電膜は、液晶装置に設計上組み込まれるべき回路部、或いは配線部のように液晶装置の構成要素として他の領域に形成されたものである。
【0041】
つまり、この態様によれば、第1偏光層は、第1基板上において、表示領域のうち受光層が形成された一の領域を除く他の領域に設けられた導電膜と同層に形成されたワイヤーグリッドであるため、液晶装置の製造プロセスを煩雑化させることなく、光量調節部を液晶装置に作り込むことが可能である。
【0042】
上述した、光量調節部が液晶素子とともに第1偏光層を備える態様では、前記1電極は、前記第1基板上に形成されており、前記第1偏光層は、前記第1電極における前記受光層に重なる部分により形成されているように構成してもよい。
【0043】
この場合には、第1偏光層が、第2液晶部分から見た第1基板側において第2電極に対向する第1電極として兼用されているため、液晶層から見て第2基板側に形成された偏光層に対向する他の偏光層を塗布法等で第1電極とは別途に形成する場合に比べて、液晶装置の製造プロセスを簡略化できる。
【0044】
本発明に係るイメージセンサは上記課題を解決するために、第1基板と、該第1基板に対向するように配置された第2基板と、前記第1及び第2基板間に挟持された液晶層と、前記第1基板上に配列され、前記液晶層のうち表示用光を透過させる第1液晶部分を夫々有する複数の画素部と、前記第1基板上における前記複数の画素部が配列された表示領域に前記画素部に対応して夫々形成された複数の受光層と、前記液晶層のうち前記受光層に重なる第2液晶部分を夫々有するように前記表示領域に形成されており、前記第2基板の両面のうち前記液晶層に臨まない面であり且つ指示手段によって指示される表示面から、前記第2液晶部分を透過して前記受光層に入射する光の光量を、前記複数の受光層の各々で互いに独立して調節可能な複数の光量調節部と、前記第2液晶部分の光の透過率を、前記対応する画素部における、前記第1液晶部分の光の透過率に応じて変化させて、前記受光層に入射する光の光量の調節を行うように、前記複数の光量調節部を制御する制御手段とを備える。
【0045】
本発明に係るイメージセンサによれば、上述した液晶装置と同様に、検出対象物の画像部分を他の画像部分と識別できる画像を取得でき、検出対象物を検出する検出性能を高めることが可能である。
【0046】
本発明に係る電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の液晶装置(但し、その各種態様も含む)を具備してなる。
【0047】
本発明に係る電子機器によれば、上述した本発明に係る液晶装置を具備してなるので、タッチパネル機能を有し、且つ高品位の表示が可能な、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末などの各種電子機器を実現できる。また、本発明に係る電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置等も実現することが可能である。
【0048】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る液晶装置について、図1から図11を参照して説明する。
【0050】
(液晶装置の全体構成)
先ず、本実施形態に係る液晶装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た液晶装置の平面図であり、図2は、図1のII−II´断面図である。尚、本実施形態に係る液晶装置は、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式で駆動される。
【0051】
図1及び図2において、本実施形態に係る液晶装置1では、本発明に係る「第1基板」の一例であるTFTアレイ基板10と、本発明に係る「第2基板」の一例である対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、複数の画素部が設けられた画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。尚、画像表示領域10aは、本発明に係る「表示領域」の一例である。
【0052】
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。
【0053】
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。尚、画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域が存在する。言い換えれば、TFTアレイ基板10の中心から見て、この額縁遮光膜53より以遠が周辺領域として規定されている。
【0054】
液晶装置1は、データ線駆動回路部101、走査線駆動回路部104及びセンサ用走査回路部204を備えている。周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域において、データ線駆動回路部101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。走査線駆動回路部104は、この一辺に隣接する2辺の一方に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。センサ用走査回路部204は、画像表示領域10aを介して走査線駆動回路部104に向かい合うように設けられている。走査線駆動回路部104及びセンサ用走査回路部204は、額縁遮光膜53に覆われるように形成された複数の配線105によって相互に電気的に接続されている。
【0055】
TFTアレイ基板10上の周辺領域には、後述する光量調整部による光量の絞り量を制御する回路部を含む制御回路部201が形成されている。制御回路部201又は後述するその機能の一部である受光信号処理回路部215は画像表示領域10aとの接続を簡単にするためにデータ線駆動回路部101と一体に形成することが好ましい。
【0056】
外部回路接続端子102は、外部回路及び液晶装置1を電気的に接続する接続手段の一例であるフレキシブル(FPC)基板200に設けられた接続端子に接続されている。液晶装置1が有するバックライトは、FPC200に搭載されたIC回路等から構成されるバックライト制御回路202によって制御される。
【0057】
対向基板20の4つのコーナー部には、TFTアレイ基板10及び対向基板20間の上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらのコーナー部に対向する領域において上下導通端子が設けられている。これらにより、TFTアレイ基板10及び対向基板20間で電気的な導通をとることができる。
【0058】
図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜(図示せず)が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、例えば格子状又はストライプ状の遮光膜153、更には最上層部分に配向膜(図示せず)が形成されている。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
【0059】
液晶装置1は、本発明の「第2偏光層」の一例である第2偏光板302、第3偏光板303及びバックライト206を備えている。第2偏光板302は、対向基板20上に配置されている。第3偏光板303は、TFTアレイ基板10の図2中下側においてバックライト206及びTFTアレイ基板10間に配置されている。液晶装置1は、その動作時に、第2偏光板302の両面のうち対向基板20に臨まない側に位置する表示面302sに画像を表示する。
【0060】
尚、図1及び図2に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路部101、走査線駆動回路部104等の回路部に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等が形成されていてもよい。
【0061】
(液晶装置の回路構成)
次に、本実施形態に係る液晶装置の回路構成について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る液晶装置の主要な回路構成を示したブロック図である。
【0062】
図3において、液晶装置1は、データ線駆動回路部101、走査線駆動回路部104、センサ感度調整回路部205、センサ用走査回路部204、受光信号処理回路215、画像処理回路部216及び表示部110を備えている。図1に示した制御回路部201は、センサ感度調整回路部205、受光信号処理回路部215及び画像処理回路部216を含んで構成されている。
【0063】
表示部110は、後述するように画像表示領域10a(図1参照)にマトリクス状に配列された複数の画素部から構成されている。データ線駆動回路部101及び走査線駆動回路部104は、走査信号及び画像信号を所定のタイミングで表示部110に供給し、各画素部を駆動する(後述の図4参照)。
【0064】
センサ用走査回路部204は、液晶装置1の動作時に、後述する光センサ部を動作させるための信号を各光センサ部に供給する。受光信号処理回路部215は、TFTアレイ基板10上の画像表示領域10aに設けられた光センサ部から出力された受光信号を処理する。
【0065】
本発明に係る「制御手段」の一例である画像処理回路部216は、受光信号処理回路部215から供給された処理済信号に基づいて構成される画像データを処理する。画像処理回路部216は、表示部110が有する複数の光センサ部の各々の受光信号に基づいて特定された画像から、表示面302s(図2参照)を指示する指等の指示手段を識別できた場合には、画像表示領域10aにおいて表示面302sを指示する指示手段の位置を特定し、特定された指示手段の位置をタッチ位置情報として外部回路部に出力する。また、画像処理回路部216はデータ線駆動回路部101から供給される画像信号に基づいて調節信号を生成し出力する。出力された調節信号は再びデータ線駆動回路部101に供給され、データ線駆動回路部101から表示部110に供給される。後述するように、調節信号に基づいて、後述する光量調節部が入射光の光量を絞る絞り量が光量調節部毎に調節される。
【0066】
(画素部の構成)
次に、本実施形態に係る液晶装置の画素部の構成について、図4から図11を参照して詳細に説明する。
【0067】
先ず、図4を参照しながら、表示部110(図3参照)を構成する画素部72の回路構成を説明する。図4は、本実施形態に係る液晶装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。尚、図4では、TFTアレイ基板10上にマトリクス状に配置された複数の画素部のうち実質的に画像の表示に寄与する部分の回路構成と共に光検出回路部を示している。
【0068】
図4において、液晶装置1の表示部110において、画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素部72の各々は、赤色を表示するサブ画素部72R、緑色を表示するサブ画素部72G、及び青色を表示するサブ画素部72Bを含んで構成されており、画像表示領域10aに形成された複数の光検出回路部250の各々に電気的に接続されている。従って、液晶装置1は、カラー画像を表示可能な表示装置である。
【0069】
サブ画素部72R、72G及び72Bの各々は、画素電極9a、TFT30及び液晶素子50aを備えている。
【0070】
TFT30は、画素電極9aに電気的に接続されており、液晶装置1の動作時に画素電極9aをスイッチング制御する。画像信号が供給されるデータ線6aは、TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、・・・、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
【0071】
TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、液晶装置1は、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、・・・、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、・・・、Snが所定のタイミングで書き込まれる。画素電極9aを介して液晶(より具体的には後述の第1液晶部分)に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、・・・、Snは、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。
【0072】
液晶層50に含まれる液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各サブ画素部の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各サブ画素部の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として液晶装置1からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射される。蓄積容量70は、画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶素子50aと並列に付加されている。容量電極線300は、蓄積容量70が有する一対の電極のうち固定電位側の電極である。
【0073】
次に、図5を参照しながら、図4に示す光検出回路部250の詳細な回路構成を説明する。図5は、図4に示した光検出回路部の電気的な構成を詳細に示した回路図である。
【0074】
図5において、光検出回路部250は、光量調節部82及び光センサ部150を備えている。
【0075】
光量調節部82は、本発明に係る「液晶素子」の一例である液晶素子50b、調節制御TFT130及び蓄積容量170を備えている。光量調節部82は、複数の光検出回路部250の各々に含まれており、制御回路部201の制御下において、画像表示領域10aにおいて互いに独立してその動作が制御される。
【0076】
液晶素子50bは、調節制御TFT130及び蓄積容量170の各々に電気的に接続されており、液晶素子50bが有する第2液晶部分の配向状態が調節制御TFT130によって制御され、後に詳細に説明するように光センサ部150に入射する入射光の光量を調節する。蓄積容量170が有する一対の容量電極の一方は、固定電位線300に電気的に接続されている。
【0077】
調節制御TFT130のゲート及びソースの各々は、走査線3a及び信号線6a1の各々に電気的に接続されている。調節制御TFT130は、走査線3aを介して供給された選択信号が供給されることによってそのオンオフが切り換え可能に構成されている。調節制御TFT130は、そのオンオフに応じて信号線6a1を介して供給された調節信号(図3参照)を液晶素子50bに供給する。液晶素子50bは、調節信号に応じて第2液晶部分の配向状態が制御されることによって光センサ部150に入射する入射光の光量を調節する。
【0078】
光センサ部150は、フォトダイオード等の受光素子151、蓄積容量152、リセットTFT163、信号増幅用TFT154及び出力制御用TFT155を備えている。
【0079】
受光素子151は、画像表示領域10aにおいて液晶装置1の表示面302sから入射する入射光L2のうち光調節部82によって光量が調節された入射光L2´(後述の図7から図9参照)を受光する。リセット用TFT163のソース、ゲート及びドレインの各々は、受光素子151、リセット用信号線350及び信号増幅用TFT154の各々に電気的に接続されている。信号増幅用TFT154のソース、ゲート及びドレインの各々は、電源線351、受光素子151及び出力制御用TFT155の各々に電気的に接続されている。出力制御用TFT155のソース、ゲート及びドレインの各々は、信号増幅用TFT154、選択信号線353、及び読み出し信号線6a2の各々に電気的に接続されている。
【0080】
受光素子151が入射光を受光した際には、受光素子151に光電流が生じ、リセット用TFT163、電圧増幅用TFT154及び出力制御用TFT155の各々の動作に応じて、受光素子151に電気的に接続された電源線352及びノードa間の電圧Vに対応した信号が読み出し信号線6a2に読み出される。
【0081】
次に、図6から図10を参照しながら、画素部の具体的な構成を説明する。図6は、画素部の図式的平面図である。図7は、図6のVII−VII´断面図である。図8は、図6のVIII−VIII´断面図である。図9は、図6のIX−IX´断面図である。図10は、図9に示した断面を詳細に示した断面図である。尚、図7から図10では、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。尚、図6から図9においては、画素部を構成する各構成要素の互いの配置関係に着目してその構成を概略的に示し、構成要素自体の詳細な構成については図示を省略してある。
【0082】
図6において、画素部72は、X方向に沿って配列された3つのサブ画素部72R、72G及び72B、並びに、光検出回路部250を有している。
【0083】
サブ画素部72R、72G及び72Bの各々は、開口部(或いは開口部の配置領域である開口領域)73R、73G及び73Bの各々を有している。液晶装置1の動作時において、開口部73R、73G及び73Bの各々から赤色光、緑色光、及び青色光の各々が出射されることによって液晶装置1によるカラー画像の表示が可能になる。加えて、サブ画素部72R、72G及び72Bの各々は、図4を参照して説明したように、各サブ画素部をスイッチングするTFT30を有している。
【0084】
図6において、光検出回路部250は、調節制御TFT130、開口部(或いは開口部の配置領域である開口領域)83及びTFT回路部80を有している。図5を参照して説明したように、受光素子151を含む光センサ部150は、表示面302sに入射する入射光を検出する。TFT回路部80は、リセット用TFT163、電圧増幅用TFT154及び出力制御用TFT155を含んで構成されており、開口部83に臨む受光素子151の動作を制御すると共に、受光素子151が生成する光電流に応じた電圧の変化を読み出し線6a2に供給する。
【0085】
図7から図9において、液晶装置1は、遮光膜11及び153、平坦化膜20aに埋め込まれた3種類のカラーフィルタ154R、154G及び154B、液晶素子50b、受光素子151、バックライト206、本発明に係る「第1偏光層」の一例であるワイヤーグリッド230、第2偏光板302、並びに第3偏光板303を備えている。
【0086】
バックライト206は、導光板206a及び表示用光源206bを備えており、図中TFTアレイ基板10の下側に配置されている。
【0087】
表示用光源206bは、画像表示領域10aに画像を表示するための表示用光L1を生成する。表示用光L1は、可視光であり、各サブ画素部の駆動に応じて液晶層50によって変調される。より具体的には、図7に示すように、サブ画素部72R、72G及び72Bの各々は、液晶層50のうち画素電極9a及び対向電極21間に挟持された第1液晶部分5aを有する。図4を参照して説明したように、サブ画素部72R、72G及び72Bの各々では、書き込まれた画像信号S1、・・・、Snに基づいて、画素電極9a及び対向電極21間で生じる電位差に基づく電圧に応じて、第1液晶部分5aの配向状態が変化し、第1液晶部分5aに入射された表示用光L1が透過すると共に変調される。
【0088】
図7から図9において、導光板206aは、例えば、表示用光L1を透過可能なアクリル樹脂で構成されており、表示用光L1を画像表示領域10aに導く。液晶装置1は、画像を表示するために表示用光L1を利用すると共に、表示面302sに接する、或いは指示する指等の指示手段を検知するために典型的には表示用光L1を利用する。
【0089】
図7から図9において、ワイヤーグリッド230及び第2偏光層302の各々は、光量調節部82の一部を構成しており、図中上下方向に沿って液晶素子50bの両側の各々の側に配置されている。ワイヤーグリッド230は、その主要部は金属材料よりなる金属膜により形成される、無機材料膜である。第2偏光層302の光軸と、ワイヤーグリッド230のグリッド(格子)が延びる向きは、互いに交差するようにクロスニコル配置されている。液晶素子50bは、液晶層50のうち受光素子151に重なる第2液晶部分5bと、当該第2液晶部分5bを挟持する第1電極159a及び第2電極21aとを有している。
【0090】
光量調節部82は、表示面302sから開口部83に入射する入射光L2の光量を調節する絞り機構として機能する。本実施形態では、図5を参照しながら説明したように、液晶素子50bが有する第2液晶部分5bの配向状態を制御可能である。即ち、TFTアレイ基板10側に形成された第1電極159aに、信号線6aより調節信号が供給され書き込まれると、第1及び第2電極159a及び21a間の電位差が生じ、この電位差に応じた電圧が第2液晶部分5bに印加され、第2液晶部分5bの配向状態が変化する。これにより、各光量調節部82では、入射光L2の光量を互いに独立して調節でき、各画素において第1液晶部分5aの配向状態を制御することによって表示用光の光強度を制御する場合と同様に、各光センサ部150の受光素子151に入射する入射光L2´の光量を独立して調節できる。
【0091】
第1電極159aは、特に図7又は図8によく示されるように、TFTアレイ基板10上において画像表示領域10aを構成する複数の画素部72の各々に設けられた複数の画素電極9aと同層に形成されている。従って、ITO等の透明導電材料によって構成される画素電極9aを形成する工程と共通の工程によって第1電極159aを形成でき、液晶装置1の製造プロセスを簡便にできる。一方、第2電極21aは、一例として対向電極21が受光素子151に重なる部分である。
【0092】
図7から図9において、液晶装置1は、光センサ部82から見てTFTアレイ基板10側において画素電極9aに重なるように延びる第3偏光層303を備えている。第3偏光層303は、ワイヤーグリッド230の格子が延びる方向に沿って延びる光軸を有している。従って、第3偏光層303によれば、各画素に入射する表示用光L1を直線偏光させることが可能である。
【0093】
尚、第2偏光層302及び第3偏光層303は、例えば、延伸されたPVA(ポリビニルアルコール)膜をTAC(トリアセチルセルロース)で構成された保護フィルムによって挟み込んで構成されている。
【0094】
図7から図9において、サブ画素部72Rは、表示用光L1が液晶層50によって変調された変調光のうち赤色光を透過可能なカラーフィルタ154Rを介して赤色光L1Rを表示する。サブ画素部72G及び72Bの各々は、サブ画素部23Rと同様に、カラーフィルタ154G及び154Bの各々を介して緑色光L1G及び青色光L1Bの各々を表示する。
【0095】
図7から図9において、受光素子151は、平面的に見て開口部(開口領域)83に臨むようにTFTアレイ基板10上に形成されている。受光素子151は、TFTアレイ基板10上に形成された絶縁膜41上に形成され、これよりも上層側の絶縁膜42に覆われている。
【0096】
受光素子151は、例えば、TFT回路部80が有する各種のTFT等の半導体素子を形成する工程と共通の工程によって形成された結晶性シリコン、或いはGaAs等の半導体を用いたPINダイオード、又はPbSを用いた光電動素子等の受光素子である。受光素子151は、光量調節部82によって入射光L2の光量が調節された入射光L2´を検出する。
【0097】
図7から図9において、対向基板20側の遮光膜153は、開口領域の縁の少なくとも一部を規定する、所謂ブラックマトリクスである。従って、遮光膜153によれば、非開口領域に形成された画素スイッチング用TFT30等の半導体素子、及びTFT回路部80に表示面302s側から可視光L2が照射されることを低減でき、TFT30及びTFT回路部80に含まれる半導体素子に発生する光リーク電流を低減できる。
【0098】
図6から図9に示すように、光センサ部82は、TFTアレイ基板10上において、サブ画素部72R、72G及び72Bの開口領域に隣接する領域に平面レイアウト上で配置される。また、液晶装置1では、開口部73R、73G及び73Bから表示用光L1R、L1G及びL1Bの各々が出射される。従って、液晶装置1によれば、光センサ部82によって表示用光L1R、L1G及びL1Bが遮られることがない。
【0099】
図7から図9に示すように、液晶装置1は、TFTアレイ基板10上において受光素子151の下層側に形成された遮光膜11を備えている。遮光膜11は、金属膜等の遮光性を有する材料から構成されており、バックライト206から出射された表示用光L1が受光素子151に照射されないように、これら光を遮光する。従って、遮光膜11によれば、表示用光L1が照射されることに起因して生じる受光素子151の誤動作を低減できる。このような遮光膜11は、TFTアレイ基板10上に形成された他の素子の一部、或いは配線を構成する導電膜等の遮光性を有する膜と同層に共通の工程を用いて形成可能である。
【0100】
加えて、遮光膜11は、好ましくは、TFT回路部80及び画素スイッチング用TFT30に重なるようにTFTアレイ基板10上に延びるように形成するのがよい。このように構成すれば、遮光膜11によれば、画素スイッチング用TFT30及びTFT回路部80を遮光することもでき、TFT30及びTFT回路部80の誤動作を低減することも可能である。
【0101】
次に、図10を参照しながら、光検出回路部250の詳細な構成を説明する。図10では、図9について、本発明において特徴的な構成を明示的に説明するために、各構成要素の詳細な構成を図示してある。
【0102】
図10において、TFTアレイ基板10の第1電極159a上、及び対向基板20の対向電極21上(同図中、対向電極21より下側)において、配向膜22及び16が形成され、これらの配向膜22及び16間で液晶は所定の配向状態をとる。
【0103】
図10において、調節制御用TFT130は、半導体層1aと、半導体層1aのソース側にコンタクトホール181を介して電気的に接続されるソース電極91と、半導体層1aのドレイン側にコンタクトホール182を介して電気的に接続されるドレイン電極92と、ゲート電極3a1とを有している。
【0104】
半導体層1aは、例えば低温ポリシリコン層であり、ゲート電極3a1に重なるチャネル領域1a´、ソース領域1b´、及びドレイン領域1c´を含んでいる。チャネル領域1a´には、調節制御用TFT130の動作時に、走査線3aに電気的に接続されたゲート電極3a1からの電界によりチャネルが形成される。絶縁膜42は2層により形成されており、その一層目の絶縁膜42aのうちゲート電極3a1及び半導体層1a間に延びる部分は、調節制御用TFT130のゲート絶縁膜を構成している。ソース領域1b´及びドレイン領域1c´の各々は、チャネル領域1a´の両側の各々にミラー対称に形成されている。
【0105】
ゲート電極3a1は、ポリシリコン膜等の導電膜や、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo、Pd、Al等の金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等によって形成されており、ソース領域1b´及びドレイン領域1c´に重ならないように絶縁膜42aを介してチャネル領域1a´上に設けられている。
【0106】
尚、調節制御用TFT130は、ソース領域1b´及びドレイン領域1c´の各々に低濃度ソース領域及び低濃度ドレイン領域の各々が形成されたLDD(Lightly Doped Drain)構造を有していてもよい。
【0107】
コンタクトホール181及び182の各々は、絶縁膜42を構成する絶縁膜42a及び42bを半導体層1aまで貫通するように形成されている。ソース電極91及びドレイン電極92の各々は、絶縁膜42上に形成され、且つ好ましくはコンタクトホール181及び182内にまで延設されている。ソース電極91及びドレイン電極92の各々は、絶縁膜43に覆われており、ドレイン電極92は、絶縁膜43を貫通して開孔されたコンタクトホールを介して、絶縁膜43上の第1電極159aに電気的に接続されている。
【0108】
受光素子151は、半導体層150a、コンタクトホール183及び184の各々を介して半導体層150aに夫々電気的に接続される電極93及び94を有している。半導体層150aは、絶縁膜41上に形成されたN型半導体層150b´及びP型半導体層150c´、これら半導体層間に形成され、且つこれら半導体層より相対的に電気抵抗が大きい中間層150a´を有している。中間層150a´が、本発明に係る「受光層」の一例であり、電極91を含んで当該電極91から図中絶縁膜42の表面に沿って延びる線が、本発明に係る「導電膜」の一例であるデータ線用配線膜である。コンタクトホール183及び184は、絶縁膜42を半導体層150aまで貫通するように形成される。電極93及び94の各々は、絶縁膜42上に形成され、コンタクトホール183及び184の各々を介してN型半導体層150b´及びP型半導体層150c´の対応する一方に、電気的に夫々接続される。
【0109】
表示用光L1R、L1G及びL1B(図7参照)が指示手段によって反射された反射光L2が半導体層150a´に照射された際には、照射された光の光強度に応じて受光素子151に電流が流れる。図3に示した受光信号処理回路部215によって処理される受光信号は、受光素子151に流れる光電流に応じて発生する電圧変化に対応した信号である。受光信号処理回路部215、及び画像処理回路部216によって受光信号が順次処理されることによって、表示面302sを指示する指示手段の位置等が特定でき、指示手段を介して液晶装置1に対する各種情報を入力が可能になる。
【0110】
TFT回路部80(図9参照)に含まれるリセット用TFT163は、チャネル領域160a´、ソース領域160b´及びドレイン領域160c´を含む半導体層160a、ゲート電極163a、更にはコンタクトホール161及び162を介してソース領域160b´及びドレイン領域160c´の各々に電気的に接続されるソース電極164及びドレイン電極165を備えている。リセット用TFT163は、不図示の配線を介して受光素子151に電気的に接続されている。
【0111】
ここで、ワイヤーグリッド230は、TFTアレイ基板10上において、画像表示領域10aのうち中間層150a´が形成された領域を除く他の領域に設けられた電極93及び94と同層に形成されている。
【0112】
従って、液晶装置1では、電極93及び94を形成する工程と共通の工程によってワイヤーグリッド230を形成可能であり、染料を基板に塗布することにいって偏光層を形成する場合に比べて、液晶装置の製造プロセスを簡便にすることが可能であり、煩雑な工程を経ることなく、光量調節部を形成可能である。
【0113】
尚、ワイヤーグリッド230は、入射光L1の波長と同程度の間隔で格子が並ぶように形成されている。このようなワイヤーグリッド230は、絶縁膜42上に形成される電極93及び94と並行して、或いは相前後して絶縁膜42上の導電膜をパターニングすることによって形成可能である。
【0114】
また、ワイヤーグリッド230は、TFTアレイ基板10上において画像表示領域10a内のワイヤーグリッド230が形成された領域を除く領域に設けられた導電膜と同層に形成されていればよく、電極93及び94と同層に形成されている場合に限定されない。このような導電膜は、液晶装置1に設計上組み込まれるべき回路部、或いは配線部のように液晶装置の構成要素として形成されていればよい。
【0115】
続いて、図11を参照して、本実施形態に係る液晶装置におけるタッチ検出についてより詳細に説明する。図11は、第1及び第2液晶部分の各々の透過率、並びに入射光L2´の光量の各々の関係を示すグラフを表す図である。
【0116】
図2において、例えば液晶装置1の表示面302sに表示される画像を観察する観察者(図示せず)が、表示面302sを指示手段の一例として指で触れることで、所定の情報を行うとする。このような場合、表示面302sに指が触れている状態で、指に照射される表示用光L1R、L1G又はL1B(図7参照)が指によって反射され、反射された光が表示面302sへの入射光L2として入射される。本実施形態では、このような入射光L2に基づいて、指の位置を特定することでタッチ検出が行われる。
【0117】
ここに、図4又は図7において、表示用光L1R、L1G又はL1Bを出射させるサブ画素部72R、72G又は72Bにおいて、第1液晶部分5aの光の透過率は、画像信号S1、・・・、Snに基づいて規定される。即ち、サブ画素部72R、72G又は72Bにおいては、第1液晶部分5aの透過率は、画像信号Si(i=1、・・・、n)に基づく階調レベルの表示を行うように調節される。より具体的には、図11に示すように、第1液晶部分5aの透過率は、画像信号Siに基づいて調節され、階調レベルが大きくなるに伴って減少する。
【0118】
図10において、光量調節部82の液晶素子50bにおいて、第2液晶部分5bは受光素子151の中間層150a´に重なるように配置される。図3に示す画像処理回路部216から供給される調節信号に基づいて、第2液晶部分5bの配向状態が制御されることで、中間層150a´に入射される入射光L2´の光量が調節される。
【0119】
図3において、画像処理回路部216は、調節信号を画像信号に基づいて生成する。ここに、図4に示す画素の構成によれば、画像処理回路部216では、各画素部について、サブ画素部72R、72G及び72Bの各々に供給される画像信号に基づく階調レベルを平均化し、調節信号を生成するのが好ましい。これにより、サブ画素部72R、72G及び72Bについて、光量調節部82では、画像信号に基づく階調レベルに応じて、調節信号に基づいて第2液晶部分5bの配向状態が制御され、第2液晶部分5bの光の透過率が調節される。その結果、光量調節部82は、調節信号に基づいて、第1液晶部分5aの透過率に応じて第2液晶部分5bの光の透過率を変化させるように制御される。
【0120】
図11に示すように、サブ画素部72R、72G及び72Bにおける階調レベルが相対的に小さい場合には、第1液晶部分5aの透過率は大きくなるため、表示用光L1R、L1G、及びL1Bの光の強度は総合的に大きくなる。この場合には、調節信号に基づいて、光量調節部82では第2液晶部分5bの光の透過率が相対的に小さい値となるように調節する。その結果、表示面302sに入射される入射光L2の光量が調節されることで、受光素子151への入射光L2´の光量を相対的に小さくすることが可能となる。
【0121】
これに対して、図11において、サブ画素部72R、72G及び72Bにおける階調レベルが相対的に大きい場合には、第1液晶部分5aの透過率は小さくなるため、表示用光L1R、L1G又はL1Bの光の強度も総合的に小さくなる。この場合には、調節信号に基づいて、光量調節部82では第2液晶部分5bの光の透過率が相対的に大きい値となるように調節する。その結果、表示面302sに入射される入射光L2の光量が調節されることで、受光素子151への入射光L2´の光量を相対的に大きくすることが可能となる。
【0122】
光量調節部82は、調節信号に基づいて、第2液晶部分5bの光の透過率を、第1液晶部分5aの光の透過率との積が予め定められた所定の値となるように、変化させることが可能なように制御されるようにするとよい。この場合、図11に示すように、光量調節部82において、第2液晶部分5bの光の透過率は、第1液晶部分5aの光の透過率に対して反比例するように調節される。即ち、光量調節部82は、第1液晶部分5aの光の透過率の減少に伴って、第2液晶部分5bの光の透過率が増加するように変化させると共に、第1液晶部分5aの光の透過率の増加に伴って、第2液晶部分5bの光の透過率が減少するように変化させる。
【0123】
よって、図11に示すように、サブ画素部72R、72G及び72Bにおける第1液晶部分5aの光の透過率の増減による影響を小さくして、異なる階調レベルに対して、受光素子151への入射光L2´の光量の差を小さくし、理想的には一定の値に維持することが可能となる。
【0124】
従って、画像表示領域10aにおいて例えば画像の表示を行いながら、これに並行してタッチ検出を行う場合も、階調レベルによって各画素部について検出精度が大きく変化するのを防止して、タッチ検出をより正確に行うことが可能となる。即ち、画像表示領域10aにおける画像の表示期間とは時間的に分離させてタッチ検出を行うようにしなくても、タッチ検出をより確実に行うことができる。その結果、表示期間が時間的に短くなることによる輝度の低下、均一な表示を行うことによるコントラストの低下等の不具合を回避して、表示品位の劣化を防止することが可能となる。
【0125】
以上説明したような液晶装置1は、イメージセンサとして用いることが可能である。例えば、液晶装置1では、図2における表示面302s上に接触させて配置された検出対象物たる紙について、上述したタッチ検出と同様に、この紙に記載された記載内容(検出対象の画像部分)を転写して、表示面302sに表示させる。従って、検出対象物の画像部分を他の画像部分と識別できる画像を取得でき、検出対象物を検出する検出性能を高めることが可能である。
<変形例>
次に、本実施形態の変形例について、図12及び13を参照して説明する。図12は、本変形例に係る液晶装置の画素部における断面図である。図13は、ワイヤーグリッド230bの平面図である。尚、図13におけるA−A´断面が図12の断面図に対応している。
【0126】
図12において、光量調節部82aは、液晶層50のうち、受光素子151の中間層150a´に重なる第2液晶部分5bと、第2液晶部分5bから見て対向基板20側に設けられた第2電極21aと、第2液晶部分5bから見たTFTアレイ基板10側において第2電極21aに対向する第1電極として兼用され、且つ中間層150a´に重なるワイヤーグリッド230bと、液晶層50から見て対向基板20側に形成された偏光層302とを有する。
【0127】
即ち、図10に示す構成と比較して、同図中の第1電極159aの一部に本発明に係る「第1偏光層」であるワイヤーグリッドを形成し、電極93及び94と同層には形成しない構成となっている。より詳細には、図12又は図13に示すように、ワイヤーグリッド230bは、コンタクトホール199を介して調節制御用TFT130に電気的に接続されている。従って、調節制御用TFT130に電気的に接続された第1電極として兼用されるワイヤーグリッド230bと、第2電極21aとによって、第2液晶部分5bの配向状態が制御可能になる。
【0128】
加えて、ワイヤーグリッド230bは、絶縁膜43上に形成された画素電極9a(図12で不図示)と同層に形成されている。従って、本変形例に係る液晶装置によれば、画素電極9aを形成する工程と共通の工程でITO等の導電膜からなるワイヤーグリッド230bを形成可能であり、液晶装置の製造プロセスを煩雑化させることなく、光量調節機能を備える液晶装置を製造可能である。
<電子機器>
次に、上述した液晶装置を具備してなる電子機器の実施形態について、図14及び図15を参照して説明する。
【0129】
先ず、上述した液晶装置をモバイル型のパーソナルコンピュータに適用した例について図14を参照して説明する。図14は、本発明の電子機器の一例であるモバイル型のパーソナルコンピュータの斜視図である。図14において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、上述した液晶装置を含んでなる液晶表示ユニット1206とから構成されている。液晶表示ユニット1206は、液晶パネル1005の背面にバックライトを付加することにより構成されており、正確に各種情報を入力できるタッチパネル機能を有している。
【0130】
次に、上述した液晶装置を携帯電話に適用した例について、図15を参照して説明する。図15は、本発明の電子機器の一例である携帯電話の斜視図である。図15において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、反射半透過型の表示形式を採用し、且つ上述した液晶装置と同様の構成を有する液晶装置1005を備えている。携帯電話1300によれば、高品位の画像表示が可能であると共に、指等の指示手段によって表示面を介して正確に情報を入力可能である。
【0131】
尚、図14又は図15を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
【0132】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う液晶装置及び該液晶装置を備えた電子機器、並びにイメージセンサもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本実施形態に係る液晶装置の平面図である。
【図2】図1のII−II´断面図である。
【図3】本実施形態に係る液晶装置の主要な回路構成を示したブロック図である。
【図4】本実施形態に係る液晶装置の画像表示領域における等価回路である。
【図5】光検出回路部の電気的な構成を詳細に示した回路図である。
【図6】本実施形態に係る液晶装置が有する画素部の図式的平面図である。
【図7】図6のVII−VII´断面図である。
【図8】図6のVIII−VIII´断面図である。
【図9】図6のIX−IX´断面図である。
【図10】図9に示した断面を詳細に示した断面図である。
【図11】第1及び第2液晶部分の各々の透過率、並びに入射光L2´の光量の各々の関係を示すグラフを表す図である。
【図12】本変形例に係る液晶装置の画素部における断面図である。
【図13】本変形例に係るワイヤーグリッドの平面図である。
【図14】本実施形態に係る電子機器の一例を示した斜視図である。
【図15】本実施形態に係る電子機器の他の例を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0134】
1…液晶装置、5a…第1液晶部分、5b…第2液晶部分、10…TFTアレイ基板、10a…画像表示領域、20…対向基板、21a…第2電極、50…液晶層、72…画素部、82…光量調節部、150a´…中間層、151…受光素子、159a…第1電極、216…画像処理回路部、302s…表示面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
該第1基板に対向するように配置された第2基板と、
前記第1及び第2基板間に挟持された液晶層と、
前記第1基板上に配列され、前記液晶層のうち表示用光を透過させる第1液晶部分を夫々有する複数の画素部と、
前記第1基板上における前記複数の画素部が配列された表示領域に前記画素部に対応して夫々形成された複数の受光層と、
前記液晶層のうち前記受光層に重なる第2液晶部分を夫々有するように前記表示領域に形成されており、前記第2基板の両面のうち前記液晶層に臨まない面であり且つ指示手段によって指示される表示面から、前記第2液晶部分を透過して前記受光層に入射する光の光量を、前記複数の受光層の各々で互いに独立して調節可能な複数の光量調節部と、
前記第2液晶部分の光の透過率を、前記対応する画素部における、前記第1液晶部分の光の透過率に応じて変化させて、前記受光層に入射する光の光量の調節を行うように、前記複数の光量調節部を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする液晶装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記複数の光量調節部を夫々、前記第2液晶部分の光の透過率を、前記対応する画素部における前記第1液晶部分の光の透過率との積が予め定められた所定の値となるように、変化させることが可能なように制御することを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
【請求項3】
前記複数の画素部は夫々、前記第1液晶部分の光の透過率を画像信号に基づく所定の階調レベルに応じて調節すると共に、
前記制御手段は、前記階調レベルに応じて前記第2液晶部分の光の透過率を変化させるように調節信号を前記複数の光量調節部の各々に供給することを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶装置。
【請求項4】
前記光量調節部は、前記第2液晶部分並びに前記第2液晶部分を挟んで相互に向かい合う第1電極及び第2電極から構成された液晶素子と、前記受光層及び前記液晶層間において前記受光層に重なる第1偏光層と、前記液晶層から見て前記第2基板側に形成された第2偏光層とを有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の液晶装置。
【請求項5】
前記複数の画素部は、画素電極を夫々備え、
前記第1電極は、前記第1基板上において前記画素電極と同層に形成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の液晶装置。
【請求項6】
前記第1偏光層は、前記第1基板上において、前記第2液晶部分と前記受光素子の間に形成されたワイヤーグリッドであることを特徴とする請求項4又は5に記載の液晶装置。
【請求項7】
前記ワイヤーグリッドは、前記第1基板上において、前記表示領域のうち前記受光層が形成された一の領域を除く他の領域に設けられた導電膜と同層に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の液晶装置。
【請求項8】
前記1電極は、前記第1基板上に形成されており、
前記第1偏光層は、前記第1電極における前記受光層に重なる部分により形成されている
ことを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の液晶装置。
【請求項9】
第1基板と、
該第1基板に対向するように配置された第2基板と、
前記第1及び第2基板間に挟持された液晶層と、
前記第1基板上に配列され、前記液晶層のうち表示用光を透過させる第1液晶部分を夫々有する複数の画素部と、
前記第1基板上における前記複数の画素部が配列された表示領域に前記画素部に対応して夫々形成された複数の受光層と、
前記液晶層のうち前記受光層に重なる第2液晶部分を夫々有するように前記表示領域に形成されており、前記第2基板の両面のうち前記液晶層に臨まない面であり且つ指示手段によって指示される表示面から、前記第2液晶部分を透過して前記受光層に入射する光の光量を、前記複数の受光層の各々で互いに独立して調節可能な複数の光量調節部と、
前記第2液晶部分の光の透過率を、前記対応する画素部における、前記第1液晶部分の光の透過率に応じて変化させて、前記受光層に入射する光の光量の調節を行うように、前記複数の光量調節部を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とするイメージセンサ。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載の液晶装置を具備してなることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−109800(P2009−109800A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−282895(P2007−282895)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】