説明

液晶装置、液晶装置の製造方法および電子機器

【課題】長時間の成膜や研磨を行なわなくても、凹部の上層側を平坦化することのできる液晶装置、該液晶装置の製造方法、および当該液晶装置を備えた電子機器を提供すること。
【解決手段】液晶装置100の素子基板10において、シリコン酸化膜からなる絶縁膜160によって絶縁膜160の下層側に形成された凹部5aを埋めて平坦化するにあたって、まず、成膜工程では、絶縁膜160をCVD法により成膜中に凹部5aと重なる領域に発生する空洞160vが絶縁膜160によって密閉されるまで絶縁膜160を成膜する。次に、研磨工程では、空洞160vが絶縁膜160の表面で露出しない範囲で絶縁膜160の表面を研磨する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶装置、該液晶装置の製造方法、および当該液晶装置を備えた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶装置は、画素電極が形成された素子基板と、素子基板との間に液晶層を保持する対向基板とを有しており、素子基板上には、例えば、画素トランジスター、画素電極、絶縁膜、配向膜がこの順に積層されている。ここで、素子基板の最表層は、平坦であることが好ましい。このため、コンタクトホールや画素電極が原因で下層側に発生している凹部については、金属膜や絶縁膜で埋めて平坦化することが考えられる。例えば、下層側の導電層と画素電極とを層間絶縁膜のコンタクトホールを介して電気的に接続する構造を採用した場合、配向膜の下層側にはコンタクトホールに起因する凹部が発生することから、コンタクトホール(凹部)の内部にモリブデンやタングステン等の金属膜をプラグとして充填することにより、コンタクトホールに起因する凹部を平坦化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−39332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の構成のように、凹部内をプラグで埋めるには、凹部を完全に埋める厚さ以上にまで金属膜を成膜した後、金属膜の表面を研磨する必要があるため、特許文献1に記載の構成では、成膜および研磨に長い時間を必要とする等、生産性が低いという問題点がある。また、段差被覆性の良い金属成膜装置と金属研磨装置が必要であり、高価な装置を導入しなければならない。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、長時間の成膜や研磨を行なわなくても、凹部の上層側を平坦化することのできる液晶装置、該液晶装置の製造方法、および当該液晶装置を備えた電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る液晶装置は、素子基板と、前記素子基板上に配置された画素トランジスターと、前記画素トランジスターに対応して設けられた画素電極と、前記画素電極により形成された凹部と、前記凹部を含む前記画素電極の上層側に設けられた絶縁膜と、前記絶縁膜の前記凹部と重なる領域に形成され、当該絶縁膜により密閉された空洞と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、素子基板上に、画素トランジスターと、該画素トランジスターに対応して設けられた画素電極と、前記画素電極の上層側に設けられた絶縁膜と、を有する液晶装置の製造方法であって、前記画素電極を形成するとともに、当該画素電極によって凹部を形成する画素電極形成工程と、前記凹部を含む前記画素電極の上層に前記絶縁膜を成膜するとともに、当該絶縁膜の成膜中に前記凹部と重なる領域に発生する空洞が当該絶縁膜によって密閉されるまで前記絶縁膜を成膜する成膜工程と、該成膜工程の後、前記空洞が当該絶縁膜の表面で露出しない範囲で当該絶縁膜の表面を研磨する研磨工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明では、絶縁膜の下層側に凹部があっても、かかる凹部は絶縁膜により埋められて平坦化されているため、素子基板の最表面を平坦な面とすることができる。また、本発明では、凹部を絶縁膜で埋めるという構成を採用している。絶縁膜の段差被覆性を低くしておけば、凹部と重なる領域に大きな凹みが発生し、さらに成膜を続けると、凹部の内壁に堆積した絶縁膜が内側に張り出して凹部の上方が絶縁膜で塞がれ、絶縁膜で密閉された空洞が発生する。しかるに本発明では、成膜工程の後、絶縁膜の表面で空洞が露出しない範囲で絶縁膜の表面を研磨するため、絶縁膜の内部に空洞が存在しても、絶縁膜の表面を平坦面とすることができる。また、凹部を絶縁膜で埋めるという構成によれば、凹部の内壁に堆積した絶縁膜が内側に張り出して凹部の上方が絶縁膜で塞がれればよいので、凹部の内部を絶縁膜で完全に埋めた構成に比して、絶縁膜の成膜厚さが薄くて済む。従って、成膜時間が短くて済むという利点がある。このことは、絶縁膜を形成する材料の使用量を削減することに繋がり、環境にも配慮した構成となっている。また、絶縁膜の厚さが薄い分、絶縁膜を研磨する厚さが薄くてよいので、研磨時間が短くて済むという利点がある。それ故、本発明によれば、長時間の成膜や研磨を行なわなくても、凹部の上層側を平坦化することができる。また、平坦化の為に成膜すべき絶縁膜厚が薄く、絶縁膜の研磨量も少ないので、研磨後の絶縁膜厚ばらつきを小さくすることができる。よって、液晶セルギャップや液晶への実効的な印加電圧の均一性が向上し、液晶装置の表示特性が良好になる。さらに、絶縁膜であれば、層間絶縁膜などでも用いられているため、新たな成膜装置と研磨装置を準備する必要がないという利点もある。
【0009】
本発明に係る液晶装置において、前記絶縁膜をCVD(Chemical Vapor Deposition)法により成膜することが好ましい。本発明では、絶縁膜の段差被覆性が低いことを利用していることから、絶縁膜をCVD法により段差被覆性の低い条件で成膜することが好ましい。
【0010】
本発明において、前記空洞の少なくとも一部は前記凹部内に位置していることが好ましい。絶縁膜を成膜する際、段差被覆性が低いと、凹部の開口縁付近で塞がれるので、空洞の少なくとも一部が凹部の内部に位置することになる。このような構成によれば、空洞が比較的短時間のうちに塞がれるので、成膜時間が短く済む。その結果、研磨時間も短くて済む。それ故、本発明によれば、成膜や研磨が短い時間で済むので、生産性が向上する。さらに、絶縁膜の厚さばらつきを小さくすることができる。
【0011】
本発明において、前記画素電極の下層側に、コンタクトホールが形成された層間絶縁膜と、該層間絶縁膜の下層側で前記コンタクトホールの底部で前記画素電極と接続された導電層と、を有し、前記コンタクトホールによって前記凹部が形成されている構成を採用することができる。コンタクトホールにより発生する凹部は、深さ寸法が大で、かつ、アスペクト比が大きいので、本発明を適用した場合の効果が大きい。
【0012】
本発明において、隣り合う前記画素電極の間には、当該画素電極の厚さ寸法に相当する深さ寸法をもった前記凹部が形成されている構成を採用してもよい。
【0013】
本発明において、前記絶縁膜の上層には配向膜が積層されている構成を採用することができる。このように構成すると、表面が平坦な配向膜を形成されるので、液晶の配向制御をより好適に行なうことができる。
【0014】
本発明において、前記画素電極は、反射性画素電極である構成を採用することができる。
【0015】
本発明を適用した液晶装置は、携帯電話機やモバイルコンピューター等の電子機器として用いることができる。また、本発明を適用した液晶装置は、電子機器としての投射型表示装置にも用いることができ、かかる投射型表示装置は、前記液晶装置に光を供給する光源部と、前記液晶装置によって光変調された光を投射する投射光学系と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1に係る液晶装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る液晶装置の具体的構成を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る反射型の液晶装置の画素構成を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る液晶装置の製造方法を示す説明図である。
【図5】本発明を適用した液晶装置の製造方法において、絶縁膜によって凹部を平坦化した場合の利点を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る液晶装置の説明図である。
【図7】本発明を適用した反射型の液晶装置を用いた電子機器の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、画素トランジスターを流れる電流の方向が反転する場合、ソースとドレインとが入れ替わるが、以下の説明では、便宜上、画素電極が接続されている側をドレインとし、データ線が接続されている側をソースとして説明する。
【0018】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る液晶装置の電気的構成を示すブロック図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る液晶装置の具体的構成を示す説明図であり、図2(a)、(b)は各々、液晶装置の液晶パネルを各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのH−H′断面図である。
【0019】
図1に示すように、液晶装置100は、反射型の液晶パネル100pを有しており、液晶パネル100pは、その中央領域に複数の画素100aがマトリクス状に配列された画素領域10bを備えている。かかる液晶パネル100pにおいて、後述する素子基板10には、画素領域10bの内側で複数本のデータ線6aおよび複数本の走査線3aが縦横に延びており、それらの交点に対応する位置に画素100aが構成されている。複数の画素100aの各々には、電界効果型トランジスターからなる画素トランジスター30、および後述する画素電極9aが形成されている。画素トランジスター30のソースにはデータ線6aが電気的に接続され、画素トランジスター30のゲートには走査線3aが電気的に接続され、画素トランジスター30のドレインには、画素電極9aが電気的に接続されている。
【0020】
素子基板10において、画素領域10bの外側領域には走査線駆動回路104およびデータ線駆動回路101が構成されている。データ線駆動回路101は各データ線6aの一端に電気的に接続しており、画像処理回路から供給される画像信号を各データ線6aに順次供給する。走査線駆動回路104は、各走査線3aに電気的に接続しており、走査信号を各走査線3aに順次供給する。
【0021】
各画素100aにおいて、画素電極9aは、後述する対向基板に形成された共通電極と液晶層を介して対向し、液晶容量50aを構成している。また、各画素100aには、液晶容量50aで保持される画像信号の変動を防ぐために、液晶容量50aと並列に保持容量60が付加されている。本形態では、保持容量60を構成するために、複数の画素100aに跨って走査線3aと並行して延びた容量線3bが形成されている。
【0022】
図2(a)、(b)に示すように、液晶装置100の液晶パネル100pでは、素子基板10と対向基板20とが所定の隙間を介してシール材107によって貼り合わされており、シール材107は対向基板20の縁に沿うように配置されている。シール材107は、光硬化樹脂や熱硬化性樹脂等からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー、あるいはガラスビーズ等のギャップ材が配合されている。本形態において、素子基板10の基板本体10dは透光性基板であり、対向基板20の基板本体20dも透光性基板である。なお、素子基板10の基板本体10dとしては、単結晶シリコン基板等、不透明な基板を用いてもよい。
【0023】
素子基板10において、シール材107の外側領域では、素子基板10の一辺に沿ってデータ線駆動回路101および複数の端子102が形成されており、この一辺に隣接する他の辺に沿って走査線駆動回路104が形成されている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、素子基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための上下導通材109が形成されている。
【0024】
詳しくは後述するが、素子基板10には、アルミニウムやアルミニウム合金等といったアルミニウム系材料や、銀や銀合金等といった銀系材料からなる反射性の画素電極9a(反射層)がマトリクス状に形成されている。本形態では、画素電極9aには、上記の金属材料のうち、アルミニウムやアルミニウム合金等といったアルミニウム系材料が用いられている。
【0025】
これに対して、対向基板20には、シール材107の内側領域に遮光性材料からなる額縁108が形成され、その内側が画像表示領域10aとされている。対向基板20には、ITO(Indium Tin Oxide)膜からなる共通電極21(透光性電極)が形成されている。なお、対向基板20には画素電極9a間と対向する位置にブラックマトリクスあるいはブラックストライプと称せられる遮光膜(図示せず)が形成されることがある。なお、画素領域10bには、額縁108等と重なる領域にダミーの画素が構成される場合があり、この場合、画素領域10bのうち、ダミー画素を除いた領域が画像表示領域10aとして利用されることになる。
【0026】
かかる反射型の液晶装置100においては、対向基板20の側から入射した光が画素電極9aで反射して再び、対向基板20の側から出射される間に液晶層50によって画素毎に光変調される結果、画像が表示される。対向基板20の光入射側の面には、使用する液晶層50の種類、すなわち、TN(ツイステッドネマティック)モード、STN(スーパーTN)モード等々の動作モードや、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板等が所定の向きに配置される。ここで、液晶装置100は、図7を参照して後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)のライトバルブとして用いられる場合、各色の光が入射することになるので、カラーフィルターは形成されない。これに対して、液晶装置100を、図7を参照して後述するモバイルコンピューターや携帯電話機等といった電子機器において直視型のカラー表示装置として用いる場合、対向基板20には、カラーフィルター(図示せず)や保護膜が形成される。
【0027】
(各画素の構成)
図3は、本発明の実施の形態1に係る反射型の液晶装置100の画素構成を示す説明図であり、図3(a)、(b)は各々、反射型の液晶装置100に用いた素子基板10において相隣接する画素の平面図、およびそのA−A′線に相当する位置で液晶装置100を切断したときの断面図である。なお、図3(a)において、データ線6aは一点鎖線で示し、走査線3aおよび容量線3bは実線で示し、半導体層1aは細い点線で示し、画素電極9aについては二点鎖線で示してある。
【0028】
図3(a)、(b)に示すように、素子基板10には、石英基板やガラス基板等からなる基板本体10dの第1面10xおよび第2面10yのうち、対向基板20と対向する第1面10xにシリコン酸化膜等からなる透光性の下地絶縁層150が形成されているとともに、その上層側において、画素電極9aと重なる位置にNチャネル型の画素トランジスター30が形成されている。画素トランジスター30は、島状のポリシリコン膜、あるいは島状の単結晶半導体層からなる半導体層1aに対して、チャネル領域1g、低濃度ソース領域1b、高濃度ソース領域1d、低濃度ドレイン領域1c、および高濃度ドレイン領域1eが形成されたLDD構造を備えている。半導体層1aの表面側には、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜からなるゲート絶縁層2が形成されており、ゲート絶縁層2の表面には、金属膜やドープトシリコン膜からなるゲート電極(走査線3a)が形成されている。また、半導体層1aにおける高濃度ドレイン領域1eからの延設部分には、ゲート絶縁層2を介して容量線3bが対向し、保持容量60が形成されている。
【0029】
本形態において、画素トランジスター30はLDD(Lightly Doped Drain)構造を備えているが、高濃度ソース領域および高濃度ドレイン領域が走査線3aに自己整合的に形成されている構造を採用してもよい。また、本形態では、ゲート絶縁層2は、熱酸化により形成されたシリコン酸化膜からなるが、CVD法等により形成されたシリコン酸化膜やシリコン窒化膜を用いることもできる。さらに、ゲート絶縁層2には、熱酸化により形成されたシリコン酸化膜と、CVD法等により形成されたシリコン酸化膜やシリコン窒化膜との多層膜を用いることもできる。
【0030】
画素トランジスター30の上層側には、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等の透光性絶縁膜からなる層間絶縁膜71、72が形成されている。層間絶縁膜71の表面には金属膜やドープトシリコン膜からなるデータ線6aおよびドレイン電極6bが形成され、データ線6aは、層間絶縁膜71に形成されたコンタクトホール71aを介して高濃度ソース領域1dに電気的に接続し、ドレイン電極6bは、層間絶縁膜71に形成されたコンタクトホール71bを介して高濃度ドレイン領域1eに電気的に接続している。
【0031】
本形態において、層間絶縁膜72は、CVD法により形成されたシリコン酸化膜である。層間絶縁膜72の表面は平坦化されており、かかる層間絶縁膜72の表面には、複数の画素100aの各々に反射性の画素電極9a(反射層)が島状に形成されている。画素電極9aは、層間絶縁膜72に形成されたコンタクトホール72bの底部でドレイン電極6b(下層側の導電膜)に電気的に接続されている。
【0032】
ここで、コンタクトホール72bは、その内部に画素電極9aが形成されているが、画素電極9aは、コンタクトホール72bの底部および内壁に沿って薄く形成されているだけであるため、層間絶縁膜72の表面側(画素電極9aの表面側)にはコンタクトホール72bに起因する凹部5aが形成されている。かかる凹部5aは、層間絶縁膜72の厚さ寸法に相当する深さ寸法を有している。
【0033】
また、層間絶縁膜72の表面側には、隣り合う画素電極9aで挟まれた境界領域9sに凹部5bが形成されており、かかる凹部5bは、画素電極9aの厚さ寸法に相当する深さ寸法を有している。
【0034】
画素電極9aの表面側には、絶縁膜160および配向膜16がこの順に積層されている。ここで、配向膜16は斜方蒸着膜からなる無機配向膜であり、絶縁膜160は、配向膜16に対する下地膜として機能している。また、絶縁膜160は、表面が平坦面であるとともに、絶縁膜160の下層側で、層間絶縁膜72のコンタクトホール72bに起因して発生した凹部5a、および隣り合う画素電極9aの間に発生した凹部5bを埋める平坦化膜として機能している。従って、斜方蒸着によって配向膜16を適正に形成することができるので、液晶層50の配向制御を好適に行なうことができる。
【0035】
対向基板20では、基板本体20dにおいて素子基板10と対向する面全体にITO膜からなる共通電極21がベタ状に形成され、共通電極21の表面側には、シリコン酸化膜からなる下地膜260、および斜方蒸着膜からなる配向膜26がこの順に形成されている。ここで、共通電極21は、対向基板20の略全面に形成されていることから、共通電極21の表面は平坦面である。従って、下地膜260の表面も平坦面である。従って、斜方蒸着によって配向膜26を適正に形成することができるので、液晶層50の配向制御を好適に行なうことができる。
【0036】
このように構成した素子基板10と対向基板20は、画素電極9aと共通電極21とが対面するように対向配置され、かつ、これらの基板間には、シール材107により囲まれた空間内に電気光学物質としての液晶層50が封入されている。液晶層50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で、素子基板10および対向基板20に形成された素子基板側配向膜16および対向基板側配向膜26により所定の配向状態をとる。液晶層50は、例えば一種または数種のネマティック液晶を混合したもの等からなる。
【0037】
(凹部5aに対する平坦化構造)
このように構成した液晶装置100の素子基板10において、絶縁膜160は、層間絶縁膜72のコンタクトホール72bに起因して発生した凹部5a、および隣り合う画素電極9aで挟まれた境界領域9sに発生した凹部5bを埋める平坦化膜として機能している。ここで、凹部5bは、アスペクト比が比較的小さいため、凹部5b全体が絶縁膜160で埋められている。本形態において、凹部5bのアスペクト比は0.7未満である。
【0038】
これに対して、層間絶縁膜72のコンタクトホール72bに起因して発生した凹部5aは、アスペクト比が大きい。より具体的には、凹部5bのアスペクト比は0.7以上である。例えば、コンタクトホール72bの深さが0.6μmで直径が0.75μmの場合、アスペクト比は0.8である。アスペクト比が大きいため、絶縁膜160は、凹部5aと重なる位置に絶縁膜160で密閉された空洞160vを備えており、かかる空洞160vの略全体が凹部5a内部(コンタクトホール72bの内部)に位置している。但し、空洞160vは、絶縁膜160の表面には露出しておらず、絶縁膜160の表面は平坦面になっている。かかる空洞160vは、図4を参照して説明する製造工程において、絶縁膜160の成膜中に発生したものであり、本形態では、かかる空洞160vを積極的に利用している。
【0039】
(液晶装置100の製造方法)
以下、図4を参照して、本発明を適用した液晶装置100の製造方法を説明しながら、液晶装置100の構成を詳述する。図4は、本発明の実施の形態1に係る液晶装置100の製造方法を示す説明図であり、コンタクトホール72bを備えた層間絶縁膜72を形成した後、絶縁膜160を平坦化するまでの工程を示してある。
【0040】
まず、本発明を適用した液晶装置100の製造工程のうち、素子基板10の製造工程では、図4(a)に示すように、コンタクトホール72bを備えた層間絶縁膜72を形成する。より具体的には、CVD法等によって、シリコン酸化膜等からなる層間絶縁膜72を形成した後、層間絶縁膜72の表面を研磨して平坦化し、その後、フォトリソグラフィ技術を利用して、層間絶縁膜72にコンタクトホール72bを形成する。
【0041】
次に、図4(b)に示す画素電極形成工程において、画素電極9aを島状に形成する。より具体的には、スパッタ法により、アルミニウムやアルミニウム合金等といった反射性金属層を200nm程度の厚さに形成した後、フォトリソグラフィ技術を利用して、反射性金属層をパターニングし、画素電極9aを島状に形成する。その結果、画素電極9aは、層間絶縁膜72に形成されたコンタクトホール72bの底部でドレイン電極6b(下層側の導電膜)に電気的に接続される。ここで、コンタクトホール72bは、その内部に画素電極9aが形成されているが、画素電極9aは、コンタクトホール72bの底部および内壁に沿って薄く形成されているだけであるため、層間絶縁膜72の表面側(画素電極9aの表面側)にはコンタクトホール72bに起因する凹部5aが形成される。また、層間絶縁膜72の表面側には、隣り合う画素電極9aの間(境界領域9s)に凹部5bが形成される。
【0042】
次に、図4(c)に示す絶縁膜形成工程において、画素電極9aの上層側にプラズマCVD法により絶縁膜160をシリコン酸化膜によって形成した後、図4(d)に示す研磨工程において、絶縁膜160の表面を研磨し、画素電極9a上の絶縁膜160の厚さが500nm以下、例えば、200nm〜400nmになるまで絶縁膜160の表面を平坦化する。かかる研磨工程では、化学機械研磨を利用でき、化学機械研磨では、研磨液に含まれる化学成分の作用と、研磨剤と素子基板10との相対移動によって、高速で平滑な研磨面を得ることができる。より具体的には、研磨装置において、不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等からなる研磨布(パッド)を貼り付けた定盤と、素子基板10を保持するホルダーとを相対回転させながら、研磨を行なう。その際、例えば、平均粒径が0.01〜20μmの酸化セリウム粒子、分散剤としてのアクリル酸エステル誘導体、および水を含む研磨剤を研磨布と素子基板10との間に供給する。絶縁膜160を化学機械研磨して平坦化した後、絶縁膜160をエッチングして、絶縁膜160を更に薄膜化しても良い。但し、この場合も、空洞160vは絶縁膜160の表面には露出しない。
【0043】
しかる後には、図3(b)に示すように、絶縁膜160の表面に対して斜方蒸着により、配向膜16を形成する。
【0044】
(絶縁膜160の成膜工程および研磨工程の詳細説明)
図5は、本発明を適用した液晶装置100の製造方法において、絶縁膜160によって凹部5aを平坦化した場合の利点を示す説明図である。なお、図5において、図5(a1)〜(a3)には、本発明を適用した平坦化方法を示してあり、図5(b1)〜(b3)には、本発明に対する比較例に係る平坦化方法を示してある。
【0045】
図4を参照して説明したように、素子基板10を製造するにあたって、本形態では、図4(c)に示す絶縁膜形成工程と、図4(d)に示す研磨工程とを行ない、凹部5aを平坦化する。ここで、絶縁膜160の形成には、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等のPVD(Physical Vapor Deposition)法や、CVD法等を利用できるが、本形態では、プラズマCVD法によりシリコン酸化膜を利用する。すなわち、プラズマCVD法により形成したシリコン酸化膜の段差被覆性が低いという性質を積極的に利用する。
【0046】
より具体的には、図5(a1)に示すように、プラズマCVD法によりシリコン酸化膜(絶縁膜160)を形成すると、凹部5aと重なる領域に大きな凹みが発生し、さらに成膜を続けると、凹部5aの内壁に堆積した絶縁膜160が内側に張り出して凹部5aの上方が絶縁膜160で塞がれ、図5(a2)に示すように、絶縁膜160中には、絶縁膜160で密閉された空洞160vが発生する。しかるに本形態では、成膜工程の後、図5(a3)に示すように、絶縁膜160の表面で空洞160vが露出しない範囲で絶縁膜160の表面を研磨するため、絶縁膜160の内部に空洞160vが存在しても、絶縁膜160の表面を平坦面とすることができる。また、プラズマCVD法により形成したシリコン酸化膜(絶縁膜160)で凹部5aを平坦化するという構成によれば、凹部5aの内壁に堆積した絶縁膜160が内側に張り出して凹部5aの上方が絶縁膜160で塞がれればよいので、図5(b1)〜図5(b3)に示す比較例と違って、絶縁膜160の成膜厚さt0については、凹部5aの深さ以下でもよく、絶縁膜160の成膜厚さt0が薄くて済む。従って、成膜時間が短くて済むという利点がある。また、絶縁膜160の成膜厚さが薄い分、絶縁膜160を研磨する厚さt1が薄くてよいので、研磨時間が短くて済むという利点がある。さらに、堆積すべきシリコン酸化膜(絶縁膜160)の厚さが薄くてよい分、絶縁膜の研磨量を少なくすることができるので、研磨後の絶縁膜160の膜厚ばらつきを小さくすることができる。
【0047】
これに対して、図5(b1)〜(b3)に示す比較例の場合、図5(b1)および図5(b2)に示す成膜工程において、凹部5aの内部を絶縁膜161で完全に埋めた構成とする場合、絶縁膜161については、厚さt10に絶縁膜161を形成する必要があり、本形態に比較して、成膜時間が長くかかる。また、凹部5aの外側には、厚さt10の絶縁膜161が形成されてしまうので、図5(b3)に示す研磨工程では、絶縁膜161を研磨する厚さt11が厚い分、本形態に比較して、研磨時間が長くかかる。また、研磨量が多いので、研磨後の絶縁膜160の膜厚ばらつきが大きくなる。
【0048】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の液晶装置100では、絶縁膜160の下層側に、アスペクト比が大きな凹部5aがあっても、かかる凹部5aは、CVD法により成膜された絶縁膜160により埋められて平坦化されているため、配向膜16の下地面(絶縁膜160の表面)および素子基板10の最表面(配向膜16の表面)を平坦な面とすることができる。従って、配向膜16を好適に形成することができるとともに、液晶層50の層厚が一定である。それ故、本形態によれば、液晶層50を好適に配向制御することができる。
【0049】
また、本形態では、凹部5aを段差被覆性の低いプラズマCVD法により成膜されたシリコン酸化膜(絶縁膜160)で埋めるという構成を採用している。このため、絶縁膜160中には、絶縁膜160で密閉された空洞160vが減圧状態で残る。しかるに本形態では、成膜工程の後、絶縁膜160の表面で空洞160vが露出しない範囲で絶縁膜160の表面を研磨するため、絶縁膜160の内部に空洞160vが存在しても、絶縁膜160の表面を平坦面とすることができる。かかる構成によれば、凹部5aの内壁に堆積した絶縁膜160が内側に張り出して凹部5aの上方が絶縁膜160で塞がれればよいので、凹部5aの内部を絶縁膜で完全に埋めた構成に比して、絶縁膜160の成膜厚さが薄くて済む。しかも、本形態では、空洞160vの少なくとも一部は凹部5a内に位置している。絶縁膜160を成膜する際、段差被覆性が低いと、凹部5aの開口縁付近で塞がれるので、空洞160vの少なくとも一部が凹部5aの内部に位置することになる。すなわち、成膜工程の比較的、初期の段階で空洞160vが塞がれる。従って、成膜時間が短くて済むという利点がある。また、絶縁膜160の厚さが薄い分、絶縁膜160を研磨する厚さが薄くてよい分、研磨時間が短くて済むという利点がある。それ故、本形態によれば、長時間の成膜や研磨を行なわなくても、凹部5aの上層側を平坦化することができる。また、絶縁膜160の膜厚ばらつきが小さいので、液晶セルギャップや液晶層50への実効的な印加電圧の均一性が向上する。よって、液晶装置100の表示特性を良好にすることができる。
【0050】
さらに、シリコン酸化膜(絶縁膜160)であれば、層間絶縁膜などでも用いられているため、新たな成膜装置を準備する必要がないという利点もある。
【0051】
[実施の形態2]
図6は、本発明の実施の形態2に係る液晶装置100の説明図であり、図6(a)、(b)、(c)は、素子基板10において相隣接する画素の平面図、そのA−A′線に相当する位置で液晶装置100を切断したときの断面図、および凹部5a、5b付近を拡大して示す断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0052】
図6(a)、(b)、(c)に示すように、本形態の液晶装置100に用いた素子基板10でも、実施の形態1と同様、層間絶縁膜72は、CVD法により形成されたシリコン酸化膜である。層間絶縁膜72の表面は平坦化されており、かかる層間絶縁膜72の表面には、複数の画素100aの各々に反射性の画素電極9a(反射層)が島状に形成されている。画素電極9aは、層間絶縁膜72に形成されたコンタクトホール72bの底部でドレイン電極6b(下層側の導電膜)に電気的に接続されている。ここで、コンタクトホール72bは、その内部に画素電極9aが形成されているが、画素電極9aは、コンタクトホール72bの底部および内壁に沿って薄く形成されているだけであるため、層間絶縁膜72の表面側(画素電極9aの表面側)にはコンタクトホール72bに起因する凹部5aが形成されている。かかる凹部5aは、層間絶縁膜72の厚さ寸法に相当する深さ寸法を有している。また、層間絶縁膜72の表面側には、隣り合う画素電極9aの間(境界領域9s)に凹部5bが形成されており、かかる凹部5bは、画素電極9aの厚さ寸法に相当する深さ寸法を有している。本形態では、層間絶縁膜72のコンタクトホール72bに起因して発生した凹部5aは、アスペクト比が大きい。より具体的には、凹部5aのアスペクト比は0.7以上である。このため、絶縁膜160は、実施の形態1と同様、凹部5aと重なる位置に絶縁膜160で密閉された空洞160vを備えており、かかる空洞160vの略全体が凹部5a内部(コンタクトホール72bの内部)に位置している。但し、空洞160vは、絶縁膜160の表面には露出しておらず、絶縁膜160の表面は平坦面になっている。かかる空洞160vは、図4および図5を参照して説明した製造工程において、絶縁膜160の成膜中に発生したものである。
【0053】
また、本形態では、表示特性を高めることを目的に、隣り合う画素電極9aの隙間9sが狭い等の構造を備えており、凹部5bのアスペクト比は0.7以上である。このため、絶縁膜160は、凹部5aと重なる部分と同様、凹部5bと重なる位置にも絶縁膜160で密閉された空洞160wを備えており、かかる空洞160wの略全体が凹部5b内部に位置している。但し、空洞160wは、絶縁膜160の表面には露出しておらず、絶縁膜160の表面は平坦面になっている。かかる空洞160wは、空洞160vと同様、図4および図5を参照して説明した製造工程において、絶縁膜160の成膜中に発生したものであり、図6(a)に模式的に示すように、隣り合う画素電極9aの間(境界領域9s)に沿って延在している。
【0054】
このように構成した場合も、実施の形態1と同様、絶縁膜160の下層側に、アスペクト比が大きな凹部5a、5bがあっても、かかる凹部5a、5bは、CVD法により成膜された絶縁膜160により埋められて平坦化されている。このため、配向膜16の下地面(絶縁膜160の表面)および素子基板10の最表面(配向膜16の表面)を平坦な面とすることができる。従って、配向膜16を好適に形成することができるとともに、液晶層50の層厚が一定である。それ故、本形態によれば、液晶層50を好適に配向制御することができる。
【0055】
また、本形態でも、実施の形態1と同様、凹部5a、5bをCVD法により成膜された絶縁膜160で埋めるという構成を採用しているため、絶縁膜160の成膜厚さが薄くてよい分、絶縁膜160の成膜時間が短く済むという利点がある。また、絶縁膜160の成膜厚さが薄いので、絶縁膜160を研磨する厚さが薄くてよい分、研磨時間が短くて済むという利点がある。また、絶縁膜160の膜厚ばらつきが小さいので、液晶セルギャップや液晶層50への実効的な印加電圧の均一性が向上する。よって、液晶装置100の表示特性を良好にすることができる。
【0056】
[他の実施の形態]
上記実施の形態1、2では、反射型の液晶装置100に本発明を適用した例を示したが、透過型の液晶装置に本発明を適用してもよい。
【0057】
[電子機器への搭載例]
本発明に係る反射型の液晶装置100は、図7(a)に示す投射型表示装置(液晶プロジェクター/電子機器)や、図7(b)、(c)に示す携帯用の電子機器に用いることができる。
【0058】
図7(a)に示す投射型表示装置1000は、システム光軸Lに沿って光源部810、インテグレーターレンズ820および偏光変換素子830が配置された偏光照明装置800を有している。また、投射型表示装置1000は、システム光軸Lに沿って、偏光照明装置800から出射されたS偏光光束をS偏光光束反射面841により反射させる偏光ビームスプリッター840と、偏光ビームスプリッター840のS偏光光束反射面841から反射された光のうち、青色光(B)の成分を分離するダイクロイックミラー842と、青色光が分離された後の光束のうち、赤色光(R)の成分を反射させて分離するダイクロイックミラー843とを有している。また、投射型表示装置1000は、各色光が入射する3枚の液晶装置100(液晶装置100R、100G、100B)を備えている。かかる投射型表示装置1000は、3つの液晶装置100R、100G、100Bにて変調された光をダイクロイックミラー842、843、および偏光ビームスプリッター840にて合成した後、この合成光を投射光学系850によってスクリーン860に投射する。
【0059】
次に、図7(b)に示す携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001、スクロールボタン3002、並びに表示ユニットとしての液晶装置100を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、液晶装置100に表示される画面がスクロールされる。図7(c)に示す情報携帯端末4000(PDA:Personal Digital Assistants)は、複数の操作ボタン4001、電源スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての液晶装置100を備えており、電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が液晶装置100に表示される。
【0060】
さらに、対向基板20等にカラーフィルターを形成すれば、カラー表示可能な液晶装置100を形成することができる。また、カラーフィルターを形成した液晶装置100を用いれば、単板式の投射型表示装置を構成することもできる。
【0061】
また、本発明を適用した液晶装置100が搭載される電子機器としては、図7(a)、(b)、(c)に示すものの他、ヘッドマウンティトディスプレイ、デジタルスチールカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー、レコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、銀行端末等の電子機器等が挙げられる。
【符号の説明】
【0062】
5a、5b・・凹部、9a・・画素電極、10・・素子基板、16、26・・配向膜、20・・対向基板、21・・共通電極、30・・画素トランジスター、50・・液晶層、72・・層間絶縁膜、100・・液晶装置、100a・・画素、160・・絶縁膜、160v、160w・・空洞

【特許請求の範囲】
【請求項1】
素子基板と、
前記素子基板上に配置された画素トランジスターと、
前記画素トランジスターに対応して設けられた画素電極と、
前記画素電極により形成された凹部と、
前記凹部を含む前記画素電極の上層側に設けられた絶縁膜と、
前記絶縁膜の前記凹部と重なる領域に形成され、当該絶縁膜により密閉された空洞と、を有することを特徴とする液晶装置。
【請求項2】
前記空洞の少なくとも一部は前記凹部内に位置していることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
【請求項3】
前記画素電極の下層側に、コンタクトホールが形成された層間絶縁膜と、該層間絶縁膜の下層側で前記コンタクトホールの底部で前記画素電極と接続された導電層と、を有し、
前記コンタクトホールによって前記凹部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶装置。
【請求項4】
隣り合う前記画素電極の間には、当該画素電極の厚さ寸法に相当する深さ寸法をもった前記凹部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の液晶装置。
【請求項5】
前記絶縁膜の上層には配向膜が積層されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の液晶装置。
【請求項6】
前記画素電極は、反射性画素電極であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の液晶装置。
【請求項7】
素子基板上に、画素トランジスターと、該画素トランジスターに対応して設けられた画素電極と、前記画素電極の上層側に設けられた絶縁膜と、を有する液晶装置の製造方法であって、
前記画素電極を形成するとともに、当該画素電極によって凹部を形成する画素電極形成工程と、
前記凹部を含む前記画素電極の上層に前記絶縁膜を成膜するとともに、当該絶縁膜の成膜中に前記凹部と重なる領域に発生する空洞が当該絶縁膜によって密閉されるまで前記絶縁膜を成膜する成膜工程と、
該成膜工程の後、前記空洞が当該絶縁膜の表面で露出しない範囲で当該絶縁膜の表面を研磨する研磨工程と、
を有することを特徴とする液晶装置の製造方法。
【請求項8】
前記絶縁膜をCVD法により成膜することを特徴とする請求項7に記載の液晶装置の製造方法。
【請求項9】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の液晶装置を備えていることを特徴とする電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−164249(P2011−164249A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−25178(P2010−25178)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】