説明

炎症の治療に有用なピラゾール化合物

、R、R、X及びYが明細書に定義した意味を有する式(I)の化合物とその薬学的に許容可能な塩が提供され、該化合物は、リポキシゲナーゼ(例えば15-リポキシゲナーゼ)活性の阻害が望まれ、及び/又は必要とされる疾患の治療、特に炎症の治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
(発明の分野)
本発明は新規な薬学的に有用な化合物に関する。本発明は更に15-リポキシゲナーゼ活性の阻害に、従って炎症疾患及び炎症一般の治療に有用である化合物に更に関する。本発明はまたそのような化合物の医薬としての使用、それらを含む薬学的組成物、及びその製造のための合成経路にも関する。
【0002】
(背景)
その性質が炎症性である多くの疾患/障害がある。炎症症状の現在の治療に伴う主要な問題の一つは効能の欠落及び/又は副作用(実際の又はそのように思われているもの)の発生である。
喘息は工業化した世界の成人人口の6%から8%が罹っている慢性炎症性疾患である。子供では、罹患率は更に高くなり、殆どの国で10%に近い。喘息は15歳以下の子供の入院の最も一般的な原因である。
喘息の治療法は症状の重症度に基づいている。軽い症例では、治療しないか、又はβ-アゴニストの吸入で治療されるだけである。より重症の喘息の患者は典型的には定期的に抗炎症化合物で治療される。
【0003】
喘息のかなりの過少治療があり、これは少なくとも部分的には現在の維持療法(主にコルチコステロイドの吸引)での認められるリスクのためである。これらは子供での発育遅延のリスク及び骨ミネラル濃度の喪失を含み、不必要な罹患率と死亡率となっている。ステロイド剤の代替として、ロイコトリエンレセプターアンタゴニスト(LTRas)が開発された。これらの薬剤は経口的に与えることができるが、ステロイド剤吸引よりもかなり効果が少なく、通常は気道炎症を満足には調節しない。
この因子の組み合わせが不十分な治療の全喘息患者の少なくとも50%に至っている。
【0004】
過少治療の類似のパターンが、薬剤が多くの一般的な症状を治療するのに利用できるものの、明らかな副作用に鑑みてあまり使用されないアレルギー疾患に関して存在している。鼻炎、結膜炎及び皮膚炎はアレルギー要素を持ち得るが、原因のアレルギーがない場合にもまた生じうる。確かに、この部類の非アレルギー症状は多くの場合治療がより困難である。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は世界の人口の6%から8%が罹患しているありふれた疾患である。その疾患は潜在的に致命的であり、症状の罹患率及び死亡率はかなりである。現在のところ、COPDの進行を変えることができる既知の薬理学的治療法はない。
【0005】
挙げることができる他の炎症疾患には次のものが含まれる:
(a)肺線維症(これはCOPDほど一般的ではないが、非常に悪い予後の深刻な疾患である。治癒的治療法は存在しない);
(b)炎症性腸疾患(非常に高い死亡率の疾患群。現在、該疾患の対症療法のみが利用できる);及び
(c)関節リウマチ及び骨関節炎(身体に障害を引き起こす関節の一般的な炎症疾患。現在、治癒的治療法はなく、該症状の管理に利用できる中程度に効果的な対症療法があるだけである)。
【0006】
炎症はまた痛覚の一般的な原因でもある。炎症性痛覚は、乾癬、手術又は他の外傷のような多くの理由から生じうる。更に、幾つかの悪性腫瘍は患者の症状に加わって炎症性要素を持っていることが知られている。
よって、新規な、及び/又は代替の抗炎症治療法は上述の患者群の全てに恩恵をもたらすであろう。特に、実際の又は知覚される副作用を生じないで、喘息のような炎症疾患を治療することができる効果的な抗炎症薬に対する真の満たされていない相当な臨床的必要性が存在する。
【0007】
哺乳動物のリポキシゲナーゼはアラキドン酸の酸素化を触媒する構造的に関連した酵素のファミリーである。3種のヒトリポキシゲナーゼが知られており、アラキドン酸の炭素位置5、12及び15への分子酸素の挿入を触媒する。よって、その酵素はそれぞれ5-、12-及び15-リポキシゲナーゼと命名されている。
リポキシゲナーゼの作用を受けて形成されるアラキドン酸代謝物は、炎症誘発作用を含む顕著な病態生理学的活性を有していることが知られている。
例えば、アラキドン酸に対する5-リポキシゲナーゼの作用の一次生成物は多くの酵素によって様々な生理学的にかつ病態生理学的に重要な代謝物に更に転化される。これらの中の最も重要なものであるロイコトリエンは強力な気管支収縮剤である。これらの代謝物の作用並びにそれらを形成する生物学的プロセスを抑制する薬剤の開発に向けて多大な努力が注がれている。この目的で開発された薬剤には、5-リポキシゲナーゼ阻害剤、FLAP(5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(Five Lipoxygenase Activating Protein))阻害剤、及び既に述べたようにロイコトリエンレセプターアンタゴニスト(LTRas)が含まれる。
【0008】
アラキドン酸を代謝する酵素の他の部類はシクロオキシゲナーゼである。このプロセスによって産生されるアラキドン酸代謝物には、プロスタグランジン、トロンボキサン及びプロスタサイクリンが含まれ、その全てが生理学的又は病態生理学的活性を有している。特に、プロスタグランジンPGEは強い炎症誘発メディエーターであり、これがまた発熱と痛覚を誘導する。従って、「NSAIDs」(非ステロイド性抗炎症薬)及び「コキシブ」(選択的シクロオキシゲナーゼ-2阻害剤)を含む多くの薬剤がPGE生成を阻害するために開発されている。これらの部類の化合物は主として一又は数種のシクロオキシゲナーゼの阻害によって作用する。
よって、一般に、アラキドン酸代謝物の形成を阻害可能な薬剤が炎症の治療に有益であると思われる。
【0009】
先行技術
ここに記載されたものと構造的に関連するある種のピラゾール化合物は商業的に入手可能である。しかしながら、出願人の知る限りでは、これらの化合物は如何なる印刷された刊行物にも開示されておらず、そのような化合物はそれらに帰する認識できる有用性を持っていない。
ここに記載された化合物に構造的に関連していないある種のピラゾールカルボン酸ヒドラジドは、Tihanyi等, Eur. J. Med. Chem. - Chim. Ther., 1984, 19, 433及びGoel等, J. Chem. Inf. Comput. Sci. 1995, 35, 510に抗炎症剤として開示されている。
抗痙攣活性を有する複素環化合物は米国特許第5258397号に開示されている。抗血栓活性を持つ他の複素環化合物は国際公開第02/00651号に開示されている。これらの何れの文献もそこに開示された化合物を炎症の治療に使用することは開示も示唆もしてない。
【0010】
(発明の開示)
本発明によれば、式I

[上式中、
は、アリール基又はヘテロアリール基であって、両基ともG及びBから選択される一又は複数の置換基によって置換されていてもよい基を表し、該B基自体はG、Z(但し、Zはアリール又はヘテロアリール基に直接には結合していない)及びB(但し、B基はG、B及びZから選択される一又は複数の置換基によって更に置換されていてもよく、但しZはアリール又はヘテロアリール基に直接には結合していない)から選択される一又は複数の置換基によって更に置換されていてもよく、
は、H又はC1−6アルキルを表し、後者の基は一又は複数のハロ基によって置換されていてもよいか;
あるいは、
がハロによって置換されていてもよいC1−6アルキルを表す場合、R及びRは互いに結合し、1〜3のヘテロ原子及び/又は1〜3の二重結合を含んでいてもよい更なる5〜7員環を形成してもよく、該環自体はG、Z(但し、環は芳香族性ではない)及びB(但し、B基は上記の通りに置換されていてもよい)から選択される一又は複数の置換基によって置換されていてもよいかの何れかであり;
は、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−8シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであって、その全基はG1a、Z(但し、Zはアリール又はヘテロアリール基に直接には結合していない)及びB(該B基は上記の通りに置換されていてもよい)から選択される一又は複数の置換基によって置換されていてもよい基を表し;
Xは、直接結合、-O-又は-N(R)-を表し;
Yは、-C(O)-、-C(S)-又は-S(O)-を表し;
、B及びBは、上で用いられるそれぞれの場合には、独立して、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−8シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールを表し;
、G1a、G及びGは、上で用いられるそれぞれの場合には、独立して、ハロ、シアノ、-N、-NO、-ONO又は-A-Rを表し;
ここで、Aは、-C(Z)A-、-N(R)A-、-OA-、-S-又は-S(O)-から選択されるスペーサー基を表し、ここで、
は単結合、-O-、-S-又は-N(R)-を表し;
は、A、-C(Z)N(R)C(Z)N(R)-、-C(Z)N(R)C(Z)O-、-C(Z)N(R)S(O)N(R)-、-C(Z)S-、-S(O)-、-S(O)N(R)C(Z)N(R)-、-S(O)N(R)C(Z)O-、-S(O)N(R)S(O)N(R)-、-C(Z)O-、-S(O)N(R)-又は-S(O)O-を表し;
は、A、-S(O)-、-C(Z)O-、-S(O)N(R)-又は-S(O)O-を表し;
は単結合、-N(R)-又は-O-を表し;
は単結合、-C(Z)-又は-C(Z)N(R)-を表し;
Zは、上で用いられるそれぞれの場合には、=O、=S、=NR、=NN(R)(R)、=NOR、=NS(O)N(R)(R)、=NCN、=CHNO及び=C(R)(R)から選択される二重結合によって連結された置換基を表し;
及びRは、上で用いられるそれぞれの場合には、独立して、H又はBを表し、該B基自体はG、Q(但し、Qはアリール又はヘテロアリール基に直接には結合していない)及びB(該B基自体はG、Q(但し、Qはアリール又はヘテロアリール基に直接には結合していない)及びBから選択される一又は複数の置換基によって置換されていてもよい)から選択される一又は複数の置換基によって置換されていてもよく;あるいは
及びRが共に置換されていてもよいB基を表すとき、その任意の対は、例えば同一原子又は隣接原子上に存在する場合は、互いに結合していて、それら又は他の関連原子と共に、1〜3のヘテロ原子及び/又は1〜3の二重結合を含んでいてもよい5〜7員環を形成してもよく、該環自体はG、Q(但し、該環は芳香族性ではない)及びB(該B基は上記の通りに置換されていてもよい)から選択される一又は複数の置換基によって置換されていてもよく;
、B及びBは、上で用いられるそれぞれの場合には、独立して、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−8シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールを表し、
、G及びGは、上で用いられるそれぞれの場合には、独立して、ハロ、シアノ、-N、-NO、-ONO又は-A-Rを表し;
ここで、Aは、-C(Q)A-、-N(R)A-、-N(R7a)A9a-、-OA10-、-S-又は-S(O)11-から選択されるスペーサー基を表し、ここで、
は単結合、-O-、-S-又は-N(R)-を表し;
は、A12、-C(Q)S-、-S(O)-、-C(Q)O-、-S(O)N(R)-又は-S(O)O-を表し;
9aは、-C(Q)N(R)C(Q)N(R)-、-C(Q)N(R)C(Q)O-、-C(Q)N(R)S(O)N(R)-、-S(O)N(R)C(Q)N(R)-、-S(O)N(R)C(Q)O-、-S(O)N(R)S(O)N(R)-を表し;
10は、A12、-S(O)-、-C(Q)O-、-S(O)N(R)-又は-S(O)O-を表し;
11は単結合、-N(R)-又は-O-を表し;
12は単結合、-C(Q)-又は-C(Q)N(R)-を表し;
Qは、上で用いられるそれぞれの場合には、=O、=S、=NR、=NN(R)(R)、=NOR、=NS(O)N(R)(R)、=NCN、=CHNO及び=C(R)(R)から選択される二重結合によって連結された置換基を表し;
、R及びR7aは、上で用いられるそれぞれの場合には、独立して、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−8シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールを表し、後の7種の基はハロ、C1−6アルキル(一又は複数のハロ基で置換されていてもよい)、-N(R)R、-OR、-ONO及び-SRから選択される一又は複数の基で置換されていてもよく;あるいは
それらがHを表さないならば、RとRの任意の対は、例えば同一原子又は隣接原子上に存在する場合は、互いに結合していて、それら又は他の関連原子と共に、1〜3のヘテロ原子及び/又は1〜3の二重結合を含んでいてもよい5〜7員環を形成してもよく、該環自体はハロ、C1−6アルキル(一又は複数のハロ基で置換されていてもよい)、-N(R)R、-OR、-ONO及び-SRから選択される一又は複数の基で置換されていてもよく;
及びRは、上で用いられるそれぞれの場合には、独立して、H又はC1−6アルキルを表し、該後者の基は一又は複数のハロ基によって置換されていてもよく;
nは、上で用いられるそれぞれの場合には、1又は2を表す]の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であって、
但し、RがHを表し、Yが-C(O)-を表し、かつ:
(A)Xが直接結合を表し、かつ:
i)Rがフェニルを表す場合、Rはフェニル、2-メトキシフェニル、2-チアゾリル又は6-メチル-2-ピリジニルを表さず;
ii)Rが4-フルオロフェニルを表す場合、Rは2-カルボメトキシフェニル、3-カルボメトキシフェニル又は2,4-ジメチルフェニルを表さず;
iii)Rが2-クロロフェニルを表す場合、Rはフェニル、3-ブロモフェニル又は4-ブロモフェニルを表さず;
iv)Rが3-クロロフェニルを表す場合、Rはフェニル、2-フルオロフェニル、2-クロロフェニル、2,3-ジクロロフェニル又は2,5-ジクロロフェニルを表さず;
v)Rが4-クロロフェニルを表す場合、Rは3-ブロモフェニル又は4-メトキシフェニルを表さず;
vi)Rが3-ヨードフェニルを表す場合、Rは2-メトキシフェニル又は2,4-ジメチルフェニルを表さず;
vii)Rが2,4-ジクロロフェニルを表す場合、Rは4-クロロフェニル又は2,3-ジクロロフェニルを表さず;
viii)Rが3,5-ジニトロフェニルを表す場合、Rは2,3-ジクロロフェニルを表さず;
ix)Rが2,4-ジメチル-6-オキソ-6H-ピラン-3-イルを表す場合、Rは3-カルボメトキシフェニルを表さず;
x)Rがメチルを表す場合、Rは3,4-ジクロロフェニル、2-メトキシフェニル、2-チアゾリル、4-メチル-2-ピリジニル、6-メチル-2-ピリジニル又は4-アセチルフェニルを表さず;
xi)Rがエチルを表す場合、Rは2,3-ジクロロフェニル、4-メトキシフェニル、2-カルボメトキシフェニル、2-チアゾリル又は4-メチル-2-ピリジニルを表さず;
(B)Xが-N(H)-を表し、かつ:
i)Rがフェニルを表す場合、Rは4-メトキシフェニル、2,4-ジメチルフェニル又は2-チアゾリルを表さず;
ii)Rが3-クロロフェニルを表す場合、Rは4-メチルフェニルを表さず;
iii)Rが4-クロロフェニルを表す場合、Rは3-ブロモフェニルを表さず;
iv)Rが3,4-ジクロロフェニルを表す場合、Rは4-メチル-2-ピリジニル又は6-メチル-2-ピリジニルを表さず;
v)Rが2'-スルファモイルビフェニル-4-イルを表す場合、Rは5-ブロモ-2-ピリジニルを表さず;
vi)Rが1-プロピルを表す場合、Rはフェニルを表さず;
vii)Rが1-ブチルを表す場合、Rは4-ブロモフェニル又は2,4-ジメチルフェニルを表さず;
viii)Rがシクロヘキシルを表す場合、Rは4-メトキシフェニルを表さず;
(C)Xが-O-を表し、かつ:
i)Rがフェニルを表す場合、Rはフェニル又は6-メチル-2-ピリジニルを表さず;
ii)Rがメチルを表す場合、Rはフェニル、2-フルオロフェニル、2,4-ジメチルフェニル、4-アセチルフェニル又は2-チアゾリルを表さず;
iii)Rがエチルを表す場合、Rはフェニル、2-フルオロフェニル、4-アセチルフェニル又は4-メチル-2-ピリジニルを表さず;
iv)Rが1-ブチルを表す場合、Rは2-フルオロフェニル、2-メトキシフェニル、4-メチル-2-ピリジニル又は6-メチル-2-ピリジニルを表さず;
v)Rが2-ブチルを表す場合、Rは2-チアゾリル又は4-アセチルフェニルを表さず;
vi)Rが2-メチル-1-プロピルを表す場合、Rはフェニル又は3-ニトロフェニルを表さない化合物が提供され、この化合物及び塩は以下で「本発明の化合物」と称する。
【0011】
薬学的に許容可能な塩には、酸付加塩及び塩基付加塩が含まれる。そのような塩は常套的な手段、場合によっては溶媒、又は塩が不溶性である媒質中における、例えば本発明の化合物の遊離酸又は遊離塩基形態の一又は複数の等価物との反応と、標準的な技術(例えば真空中、凍結乾燥又は濾過)を使用するその後の上記溶媒又は上記媒質の除去によって、形成することができる。また塩は、塩の形態の本発明化合物の対イオンを、例えば適切なイオン交換樹脂を使用して、他の対イオンと交換することによって調製することもできる。
式Iの化合物は二重結合を含んでいてもよく、よって各個々の二重結合についてE(entgegen 反対側)及びZ(zusammen 同じ側)幾何異性体として存在しうる。全てのそのような異性体とその混合物が本発明の範囲に含まれる。
式Iの化合物はまた互変異性を示しうる。全ての互変異性形態とその混合物が本発明の範囲に含まれる。
【0012】
式Iの化合物はまた一又は複数の不斉炭素原子を含んでいてもよく、従って光学的及び/又はジアステレオ異性を示しうる。ジアステレオ異性体は、常套的な技術、例えばクロマトグラフィー又は分別晶出を使用して分離することができる。様々な立体異性体は、例えば分別晶出又はHPLCのような常套的な技術を使用して化合物のラセミ又は他の混合物の分離によって単離することができる。あるいは、所望の光学異性体は、ラセミ化又はエピマー化を引き起こさない条件での適切な光学的に活性な出発材料の反応によって、あるいは例えばホモキラル酸での誘導体化の後に常套的な手段(例えばHPLC、シリカでのクロマトグラフィー)によりジアステレオ異性体誘導体を分離することによって、製造することができる。全ての立体異性体とその混合物が本発明の範囲に含まれる。
【0013】
他の定義がない限り、ここで定義されるC1−qアルキル基(ここで、qは範囲の上限である)は直鎖状であり得、あるいは炭素原子の数が十分な場合(つまり、最小3個)は分枝鎖でありうる。挙げることができるC1−6アルキル基には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、n-ヘキシル、及びイソヘキシルが含まれる。
ここで定義されるC2−qアルケニル基(ここで、qは範囲の上限である)は直鎖状であり得、あるいは炭素原子の数が十分な場合(つまり、最小3個)は分枝鎖でありうる。そのようなアルケニル基は一又は複数の二重結合を含んでいてもよい。挙げることができるC2−6アルケニル基には、ビニル、1-プロペニル、2-プロペニル、プロパジエニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1,3-ブタジエニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、4-ペンテニル及び5-ヘキセニルが含まれる。
ここで定義されるC2−qアルキニル基(ここで、qは範囲の上限である)は直鎖状であり得、あるいは炭素原子の数が十分な場合(つまり、最小4個)は分枝鎖でありうる。そのようなアルキニル基は一又は複数の三重結合を含んでいてもよい。挙げることができるC2−6アルキニル基には、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、4-ペンチニル、1-ヘキシニル、3-ヘキシニル、及び5-ヘキシニルが含まれる。
【0014】
挙げることができるC3−qシクロアルキル基(ここで、qは範囲の上限である)には、単環又は二環アルキル基が含まれる。そのようなシクロアルキル基は飽和であっても又は一又は複数の二重又は三重結合を含む(例えばC3−qシクロアルケニル又はC3−qシクロアルキニル基を形成)不飽和であってもよい。挙げることができるC3−8シクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロへプテニル、シクロオクテニル、シクロオクチニル、ビシクロヘプチル、ビシクロオクチル、及びビシクロオクテニルが含まれる。置換基はシクロアルキル基の任意の点に結合しうる。更に、置換基が他の環状化合物である場合は、環状置換基は単一の原子を介してシクロアルキル基に結合し、いわゆる「スピロ」化合物を形成していてもよい。
【0015】
挙げることができるC3−qヘテロシクロアルキル基(ここで、qは範囲の上限である)には、環系の原子の少なくとも一つ(例えば1から4)が炭素以外(つまりヘテロ原子)である単環又は二環アルキル基が含まれる。更に、そのようなヘテロシクロアルキル基は飽和であっても又は一又は複数の二重及び/又は三重結合を含み、例えばC3−qヘテロシクロアルケニル又はC3−qヘテロシクロアルキニル基を形成する不飽和であってもよい。挙げることができるC3−qヘテロシクロアルキル基には、アジリジニル、アゼチジニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピロリル(2,5-ジヒドロピロリルを含む)、ジオキソラニル(1,3-ジオキソラニルを含む)、ジオキサニル(1,3-ジオキサニル及び1,4-ジオキサニルを含む)、ジチアニル(1,4-ジチアニルを含む)、ジチオラニル(1,3-ジチオラニルを含む)、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、モルホリニル、オキセタニル、オキシラニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリジニル、ピロリジノニル、ピロリジニル、ピロリニル、キヌクリジニル、スルホラニル、3-スルホレニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピリジニル、チエタニル、チイラニル、チオラニル、チオモルホリニル、トリチアニル(1,3,5-トリチアニルを含む)、トロパニル等々が含まれる。ヘテロシクロアルキル基上の置換基は、適切ならば、ヘテロ原子を含む環系の任意の原子上に位置しうる。更に、置換基が他の環状化合物である場合は、環状置換基は単一の原子を介してヘテロシクロアルキル基に結合し、いわゆる「スピロ」化合物を形成していてもよい。ヘテロシクロアルキル基の結合点は、(必要ならば)ヘテロ原子を含む環系の任意の原子、又は環系の一部として存在しうる任意の縮合炭素環上の原子を介するものでありうる。ヘテロシクロアルキル基はまたN-又はS-酸化形態であってもよい。
「ハロ」という用語は、ここで使用される場合は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを含む。
挙げることができるアリール基はC6−10アリール基を含む。そのような基は単環又は二環であってよく、6から10の環炭素原子を有し、その少なくとも一つの環が芳香族性である。C6−10アリール基には、フェニル、ナフチル等々、例えば1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、インダニル、及びインデニルが含まれる。アリール基の結合点は環系の任意の原子を介しうる。
【0016】
挙げることができるヘテロアリール基には、5から10員のものが含まれる。そのような基は単環、二環又は三環であり得、環の少なくとも一つが芳香族性であり、環系の原子の少なくとも一つ(例えば1から4)が炭素以外(つまりヘテロ原子)である。挙げることができる複素環基には、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキセピニル、ベンゾジオキソリル(1,3-ベンゾジオキソリルを含む)、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチアゾリル(2,1,3-ベンゾチアゾリル)、ベンゾオキサジアゾリル(2,1,3-ベンゾオキサジアゾリルを含む)、ベンゾオキサジニル(3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジニルを含む)、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾモルホリニル、ベンゾセレナジアゾリル(2,1,3-ベンゾセレナジアゾリルを含む)、ベンゾチオフェニル、カルバゾリル、クロマニル、シノリニル、フラニル、イミダゾリル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、インダゾリル、インドリニル、インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアジオリル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル(1,5-ナフチリジニル及び1,8-ナフチリジニルを含む)、オキサジアゾリル(1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル及び1,3,4-オキサジアゾリルを含む)、オキサゾリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノリジニル、キノキサリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、チアジアゾリル(1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル及び1,3,4-チアジアゾリルを含む)、チアゾリル、チオクロマニル、チオフェニル、トリアゾリル(1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル及び1,3,4-トリアゾリルを含む)等々が含まれる。ヘテロアリール基上の置換基は、適切ならば、ヘテロ原子を含む環系の任意の原子上に位置しうる。ヘテロアリール基の結合点は、(適切ならば)ヘテロ原子(例えば窒素原子)を含む環系の任意の原子、又は環系の一部として存在しうる任意の縮合炭素環上の原子を介するものでありうる。ヘテロアリール基はまたN-又はS-酸化形態であってもよい。
【0017】
挙げることができるヘテロ原子には酸素、窒素、硫黄及びセレンが含まれる。
誤解を避けるために、式Iの化合物における2又はそれ以上の置換基が同一でありうる場合には、各置換基の実際の同一性は決して互いに依存しない。例えば、RとRが共に一又は複数のC1−6アルキル基によって置換されたアリール基である状況では、問題のアルキル基は同一か又は異なっていてもよい。同様に、基がここで定義された一を越える置換基によって置換されている場合は、個々の置換基の同一性は相互に依存していると見なされることはない。
挙げることができる本発明の化合物には、上記の但し書きによって除外されている特定の化合物の何れか一つ又はそれ以上(全てを含む)がそのように除外されてはいない式Iのものとその薬学的に許容可能な塩が含まれる。
挙げることができる化合物には、B、R及び/又はRがヘテロアリール基を表さないものが含まれる。
【0018】
本発明の好ましい化合物には次のものが含まれる:
がアリール又はヘテロアリール基を表し、その両基が上に定義した通りに置換されていてもよいもの;
がハロ、シアノ又は-A-Rを表すもの;
1aがハロ、シアノ、-NO又は-A-Rを表すもの;
がハロ、シアノ、-ONO又は-A-Rを表すもの;
がC1−6アルキル、C2−6アルケニル又はC2−6アルキニルを表し、その全てが一又は複数のG及び/又はB基で置換されていてもよいもの;
がハロ、-ONO、-N(R)(R)又は-ORを表すもの;
がC1−6アルキル、C2−6アルケニル又はC2−6アルキニルを表すもの;
が-N(R)A-を表す場合、AがA、-C(Z)S-、-S(O)-、-C(Z)O-又は-S(O)N(R)-を表すもの;
が-OA-を表す場合、AがAを表すもの;
が-S(O)-を表す場合、Aが単結合又は-N(R)-を表すもの;
Zが=O又は=NRを表すもの;
とRの任意の対が互いに結合して環を形成する場合、それらはG及び/又はBで置換されていてもよいもの;
がハロ、シアノ、-ONO又は-A-Rを表すもの;
がC1−6アルキル、C2−6アルケニル又はC2−6アルキニルを表し、その全てがG及び/又はB基で置換されていてもよいもの;
がハロ、-ONO、-N(R)(R)又は-ORを表すもの;
がC1−6アルキル、C2−6アルケニル又はC2−6アルキニルを表すもの;
がハロ、シアノ又は-A-Rを表すもの;
が-C(Q)A-、-N(R)A-、-OA10-、-S-又は-S(O)11-を表すもの;
が-N(R)A-を表す場合、AがA12、-C(Q)S-、-S(O)-、-C(Q)O-又は-S(O)N(R)-を表すもの;
が-OA10-を表す場合、A10がA12を表すもの;
が-S(O)11-を表す場合、A11が単結合又は-N(R)-を表すもの;
Qが=O又は=NRを表すもの;
、R及びR7aが独立して、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル又はC2−6アルキニルを表し、その基の全てがハロ、C1−6アルキル、-N(R)R、-OR及び-ONOから選択される一又は複数の基で置換されていてもよいもの;及び/又はRとRの任意の対が、互いに結合して環を形成し、該環が、ハロ、C1−6アルキル(一又は複数のハロ基で置換されていてもよい)、-N(R)R、-OR及び-ONOから選択される一又は複数の基で置換されていてもよいもの。
【0019】
より好ましい化合物には次のものが含まれる:
がC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C4−7ヘテロシクロアルキル、又はフェニル基を表し、その全てが上に定義した通りに置換されていてもよいの;
がハロ(例えばフルオロ又はクロロ)を表すもの;
がC1−6アルキル、C2−6アルケニル又はC2−6アルキニルを表し、その全てが一又は複数のハロ基で置換されていてもよいもの;
が-C(Z)A-を表し、A-が単結合、-O-又は-N(R)-を表すもの;
が-N(R)A-を表し、AがAを表すもの;
が-S(O)-を表し、A-が単結合を表すもの;
-が単結合を表すもの;
Zが=Oを表すもの;
がC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C4−7ヘテロシクロアルキル、又はフェニル基を表し、その全てが上に定義の通りに置換されていてもよいもの;
がハロを表すもの;
がC1−6アルキル、C2−6アルケニル又はC2−6アルキニルを表し、その全てが一又は複数のハロ基で置換されていてもよいもの;
が-C(Q)A-を表す場合、Aが単結合、-O-又は-N(R)-を表すもの;
が-N(R)A-を表し、AがA12を表すもの;
が-S(O)11-を表す場合、A11が単結合を表すもの;
12が単結合を表すもの;
Qが=Oを表すもの。
【0020】
更に好ましい化合物には次のものが含まれる:
がC2−6アルケニル、C2−6アルキニル、又は好ましくはC1−6アルキルを表すもの;
がハロを表すもの;
、R及びR7aがH、一又は複数のハロ基で置換されていてもよいC1−6アルキルを表すもの。
更に好ましい化合物には次のものが含まれる:
及び/又はRが独立してH又はC1−6アルキルを表し、後者の基は一又は複数のフルオロ基で置換されていてもよいもの。
更に好ましい化合物には次のものが含まれる:
がC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C3−6シクロアルキル、C5−6ヘテロシクロアルキル、又はフェニル基を表し、その全てが上に定義した通りに置換されていてもよいもの;
1aがハロ、-NO又は-A-Rを表すもの;
が-C(Z)A-、-N(R)A-及び-OA-を表すもの;
が-C(Z)A-を表し、A-が単結合又は-O-を表すもの。
【0021】
本発明の好ましい化合物には、Rが置換されていてもよいフェニル、ナフチル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル(例えば2-ピリジニル、3-ピリジニル又は4-ピリジニル)、インダゾリル、インドリル、インドリニル、イソインドリニル、オキシインドリル、キノリニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル、キノリジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、クロマニル、ベンゾチオフェニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、1,3-ベンゾジオキソリル、ベンゾチアゾリル、及び/又はベンゾジオキサニル基を表すものが含まれる。上記のリストにおいて、Rがナフチル、ピロリジニル、ピペリジニル、インダゾリル、オキシインドリル又はベンゾチアゾリルを表さないのが好ましい。Rの特に好ましい基には、置換されていてもよいフェニル、ピリジニル(特に2-及び3-ピリジニル)、チオフェニル(特に2-チオフェニル)、ピラゾリル(特に4-ピラゾリル)、イソオキサゾリル(特に5-イソオキサゾリル)、ベンゾジオキソリル(特に1,3-ベンゾジオキソリル)、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、及びキノリニル基が含まれる。
【0022】
そのようなR基は次から選択される一又は複数の置換基によって置換されていてもよい:
ハロ(例えばフルオロ、クロロ又はブロモ);
シアノ;
1−6アルキルで、該アルキルは直鎖状又は分枝状で(例えばC1−4アルキル(メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、s-ブチル、i-ブチル又はt-ブチルを含む)、n-ペンチル、i-ペンチル、n-ヘキシル又はi-ヘキシル)、一又は複数のフルオロ基(例えば-CHF、-CHF又は-CF)で置換され、及び/又はC3−6シクロアルキル(例えばシクロプロピル)基で置換され、例えばシクロプロピルメチル基を形成していてもよい;
2−6アルケニル(例えば、1-プロペニル、2-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、4-ペンテニル又は5-ヘキセニル);
3−6シクロアルキル(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル);
フェニル;
ピロリジニル(1-ピロリジニル、2-ピロリジニル及び3-ピロリジニルを含む)、ピペリジニル(1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-ピペリジニル及び1-メチル-4-ピペリジニルを含む)、ピペラジニル(1-ピペラジニル及び4-メチル-1-ピペラジニルを含む)、テトラヒドロフラニル(2-テトラヒドロフラニル及び3-テトラヒドロフラニルを含む)、テトラヒドロピラニル(1-テトラヒドロピラニル、2-テトラヒドロピラニル及び3-テトラヒドロピラニルを含む)、又は4-モルホリニル基から選択される複素環基;
チオメチル、メチルスルフィニル、メチルスルホニル;
-OR10
-N(R10)R11
-C(O)OR10
-C(O)R10
-C(O)N(R10)R11
-S(O)N(R10)R11;及び/又は
-N(R10)S(O)12
ここで、R10及びR11は、上で使用されるそれぞれの場合、独立してH、フェニル、C1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル又はt-ブチル)で一又は複数のフルオロ原子で置換されていてもよいアルキル、C2−6アルケニル又はC3−6シクロアルキルを表すか;あるいは
10及びR11は互いに結合されて、それらが結合する窒素原子と共に、一つの更なるヘテロ原子を含んでいてもよく、一又は複数のC1−6アルキル基で置換されていてもよい5〜7員環を形成してもよく、該アルキル基自体は一又は複数のハロ(例えばフルオロ)基で置換されていてもよく(例えばモルホリン、ピペラジン、又は4-メチルピペラジン基);及び
12はフェニル、C1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル又はt-ブチル)で一又は複数のフルオロ原子で置換されていてもよいアルキル基、C2−6アルケニル又はC3−6シクロアルキルで置換されていてもよい。
【0023】
上の上記任意置換基の一又は複数が、
-OR10を表す場合、R10は好ましくはH、メチル(1から3のフッ素原子によって置換されていてもよい、例えばCF)、エチル、n-プロピル又はi-プロピルであり;
-N(R10)R11を表す場合、R10は好ましくはH、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル又はt-ブチルであり、及び/又はR11は好ましくはH、メチル又はエチルであり;
-C(O)OR10を表す場合、R10は好ましくはメチル、エチル又はi-プロピルであり;
-C(O)R10を表す場合、R10は好ましくはメチル、エチル又はt-ブチルであり;
-C(O)N(R10)R11又は-S(O)N(R10)R11を表す場合、R10及びR11は好ましくはH又はメチルであり;
-N(R10)S(O)12を表す場合、R10は好ましくはH又はメチルであり、R12は好ましくはメチルである。
上の特に好ましい任意置換基には、カルボメトキシ、メチル、ジメチルアミノ、シアノ、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチル、ブロモ、メトキシ及びトリフルオロメトキシが含まれる。
【0024】
本発明の好ましい化合物には、Rが置換されていてもよいC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、フェニル、ナフチル、ピロリジニル、ピペリジニル(特に4-ピペリジニル)、ピペラジニル(特に4-ピペラジニル)、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル(例えば2-ピリジニル、3-ピリジニル又は4-ピリジニル)、インダゾリル、インドリル、インドリニル、イソインドリニル、オキシインドリル、キノリニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル、キノリジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、クロマニル、ベンゾチオフェニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、1,3-ベンゾジオキソリル、ベンゾチアゾリル、及び/又はベンゾジオキサニル基を表すものが含まれる。特に好ましい基には、置換されていてもよいC1−6アルキル(例えばメチル、ペンチル又はヘキシル)、シクロヘキシル、フェニル、チオフェニル(特に2-チオフェニル)、フラニル(特に2-フラニル及び3-フラニル)、ピロリル(特に2-ピロリル)、ナフチル(特に1-ナフチル)、ベンゾフラニル、ピペラジニル(特に4-ピペラジニル)、ピペリジニル(特に4-ピペリジニル)、又はベンゾジオキソリル(特に1,3-ベンゾジオキソリル)基を表すものが含まれる。
【0025】
そのようなR基は次から選択される一又は複数の置換基によって置換されていてもよい:
ハロ;
-NO
シアノ;
1−6アルキルで、該アルキルは直鎖状又は分枝状で(例えばC1−4アルキル(メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、s-ブチル、i-ブチル又はt-ブチルを含む)、n-ペンチル、i-ペンチル、n-ヘキシル又はi-ヘキシル)、一又は複数のハロ(例えばフルオロ)基(例えば-CHF、-CHF又は-CF)、C1−6アルキル基(例えばメチル又はエチル)、C2−6アルケニル基又はC3−6シクロアルキル基(例えばシクロプロピルメチル基で置換され、例えばシクロプロピルメチル基を形成する)によって置換されていてもよいもので、後者の3種の基自体が一又は複数のハロ(例えばフルオロ)及び/又はC1−6アルキル基で置換されていてもよいもの;
2−6アルケニル(例えば、1-プロペニル、2-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、4-ペンテニル又は5-ヘキセニル)で、一又は複数のC1−6アルキル基で置換されていてもよいもの;
3−6シクロアルキル(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル)で、一又は複数のハロ(例えばフルオロ)基で置換されていてもよいもの;
一又は複数のハロ(例えばフルオロ、又は特にクロロ)基で置換されていてもよいフェニル;
ピロリジニル(1-ピロリジニル、2-ピロリジニル及び3-ピロリジニルを含む)、ピペリジニル(1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-ピペリジニル及び1-メチル-4-ピペリジニルを含む)、ピペラジニル(1-ピペラジニル及び4-メチル-1-ピペラジニルを含む)、テトラヒドロフラニル(2-テトラヒドロフラニル及び3-テトラヒドロフラニルを含む)、テトラヒドロピラニル(1-テトラヒドロピラニル、2-テトラヒドロピラニル及び3-テトラヒドロピラニルを含む)、又は4-モルホリニル基から選択される複素環基;
=O;
-OR13
-N(R13)R14
-C(O)OR13
-C(O)R13
-C(O)N(R13)R14
-S(O)N(R13)R14;及び/又は
-N(R13)S(O)15
ここで、R13及びR14は上で使用されるそれぞれの場合、独立してH、フェニル、C1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル又はt-ブチル)で一又は複数のフルオロ原子で置換されていてもよいアルキル、C2−6アルケニル又はC3−6シクロアルキルを表すか;あるいは
13及びR14は互いに結合されて、それらが結合する窒素原子と共に、一つの更なるヘテロ原子を含んでいてもよく、一又は複数のC1−6アルキル基で置換されていてもよい5〜7員環を形成してもよく、該アルキル基自体は一又は複数のハロ基(例えばフルオロ)基で置換されていてもよく(例えばモルホリン、ピペラジン、又は4-メチルピペラジン基);及び
15はフェニル、C1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル又はt-ブチル)で一又は複数のフルオロ原子で置換されていてもよいアルキル基、C2−6アルケニル又はC3−6シクロアルキル。
【0026】
上の上記任意置換基の一又は複数が、
-OR13を表す場合、R13は好ましくはH、メチル(1から3のフッ素原子によって置換されていてもよい、例えば-CF)、エチル、n-プロピル又はi-プロピルであり;
-N(R13)R14を表す場合、R13は好ましくはH、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル又はt-ブチルであり、及び/又はR14は好ましくはH、メチル又はエチルであり;
-C(O)OR13を表す場合、R13は好ましくはメチル、エチル又はi-プロピルであり;
-C(O)R13を表す場合、R13は好ましくはメチル、-CF、エチル又はt-ブチルであり;
-C(O)N(R13)R14又は-S(O)N(R13)R14を表す場合、R13及びR14は好ましくはH又はメチルであり;
-N(R13)S(O)15を表す場合、R13は好ましくはH又はメチルであり、R15は好ましくはメチルである。
【0027】
が他のアルキル又はアルケニル基(これは、上に示したように、アルキル/アルケニルによって更に置換されていてもよい)によって置換されたC1−6アルキル又はC2−6アルケニルを表す場合、挙げることができる基には1-オクチル、1-トリデカニル、1-ペンタデカニル、1-ヘプタデカニル、1-ヘプタデカ-8-エニル、1-ヘプタデカ-8,11-ジエニル、1-ヘプタデカ-8,11,14-トリエニル及び1-ノナデカ-4,7,10,13-テトラエニル基が含まれる。
上の特に好ましい任意置換基には、メチル、エチル、エトキシ、トリフルオロメチル、フルオロ、クロロ、ヨード、フェニル、クロロフェニル(例えば2-クロロフェニル及び4-クロロフェニル)、n-ペンチル、i-プロピル、ニトロ、t-ブチル、-CHCH=CHC17、トリフルオロアセチル、カルボメトキシ、カルボエトキシ及びトリフルオロメトキシが含まれる。
本発明の更に好ましい化合物には、
がH又はC1−3アルキルを表すもの;
Xが直接結合、-O-、-N(H)-又は-N(Me)-を表すもの
が含まれる。
のより好ましい基には、H、メチル及びエチル、特にH又はメチルが含まれる。
【0028】
また挙げることができる本発明の化合物には、
がフェニル、2-クロロフェニル、2-クロロ-4-フルオロフェニル、3-クロロ-4-フルオロフェニル、2,6-ジクロロフェニル、5-クロロ-2-シアノフェニル、2-フルオロ-5-トリフルオロメチルフェニル、2-ブロモ-4-トリフルオロメトキシフェニル、2-メトキシ-6-メチルフェニル、3-シアノフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、4-ジメチルアミノフェニル、4-カルボメトキシフェニル、1,3,5-トリメチル-1H-ピラゾール-4-イル、3-メチルイソオキサゾール-5-イル、3-ピリジニル、2-クロロ-3-ピリジニル、3-メチル-2-ピリジニル、3-カルボメトキシチオフェン-2-イル又は1,3-ベンゾジオキソリルであり;
は水素又はメチルであり;
はメチル、n-ブチル、n-ペンチル、1-オクチル、オレオイル、(1R,2S,5R)-(-)-メンチル、2-クロロベンジル、ベンジル、フェニル、3-フルオロフェニル、3-クロロフェニル、4-クロロフェニル、2-フルオロ-5-ヨードフェニル、5-フルオロ-2-メチルフェニル、4-tert-ブチルフェニル、4-ペンチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメトキシフェニル、4-ニトロフェニル、2-エトキシフェニル、1-ナフチル、2-フラニル、2,5-ジメチル-3-フラニル、2-カルボメトキシ-5-フラニル、1-メチル-1H-ピロル-2-イル、3-メチル-2-ベンゾフラニル、3-メチル-2-チオフェニル、1(N)-メチル-4-ピペラジニル、1(N)-(2,2,2-トリフルオロアセチル)ピペリジン-4-イル、エチルヘキサノアート又は1,3-ベンゾジオキソリルであり;
Yは-C(O)-、-C(S)-又は-S(O)-であり;
Xは結合、-N(H)-、-N(Me)-、又は-O-であるものが含まれる。
【0029】
また挙げることができる更なる本発明の化合物には、
が2-クロロフェニル、5-クロロ-2-シアノフェニル、4-ジメチルアミノフェニル、4-カルボメトキシフェニル、1,3,5-トリメチル-1H-ピラゾール-4-イル、3-メチルイソオキサゾール-5-イル、3-ピリジニル、又は3-カルボメトキシチエン-2-イルであり;
は水素又はメチルであり;
はメチル、1-オクチル、オレオイル、(1R,2S,5R)-(-)-メンチル、2-クロロベンジル、フェニル、3-フルオロフェニル、3-クロロフェニル、4-クロロフェニル、2-フルオロ-5-ヨードフェニル、5-フルオロ-2-メチルフェニル、4-tert-ブチルフェニル、4-ペンチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-ニトロフェニル、2-エトキシフェニル、1-ナフチル、2-フラニル、2,5-ジメチル-3-フラニル、2-カルボメトキシ-5-フラニル、1-メチル-1H-ピロル-2-イル、3-メチル-2-ベンゾフラニル、又は3-メチル-2-チオフェニルであり;
Yは-C(O)-、-C(S)-又は-S(O)-であり;
Xは結合、-N(H)-、-N(Me)-、又は-O-であるものが含まれる。
本発明の特に好ましい化合物には、以下に記載される実施例のものが含まれる。
式Iの化合物は当業者によく知られた技術に従って、例えば以下に記載されるようにして、製造することができる。
【0030】
本発明の更なる側面では、式Iの化合物の製造方法が提供され、その方法は次のものを含む:
(i)Yが-S(O)-である場合、Xは直接結合又は-N(R)-を表し、ここでRはBを表す式Iの化合物に対しては、式II

(上式中、R及びRは上に定義された通りである)の化合物の、適切な塩基(例えば、水素化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、ピロリジノピリジン、ピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルアミノピリジン、ジ-イソ-プロピルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、水酸化ナトリウム、N-エチル-ジ-イソ-プロピルアミン、N-(メチルポリスチレン)-4-(メチルアミノ)ピリジン又はそれらの混合物)及び適切な溶媒(例えばテトラヒドロフラン、ピリジン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、トリフルオロメチルベンゼン又はトリエチルアミン)の存在下での、式III
-X-Y-L III
(上式中、Yが-S(O)-を表すとき、又はYの全ての他の基に対して、上に定義された通りのXを表すとき、Xは直接結合又は-N(B)-を表し、R及びYは上に定義された通りであり、Lは適切な離脱基、例えばおよそ室温又はそれ以上(例えば40−180℃まで)で、例えばハロ(例えばクロロ又はブロモ)、あるいはXが直接結合である場合、カルボキシレート(例えば-O-C(O)-R)基又はスルホニレート(例えば-O-S(O)-R)基、又はXが-N(B)-である場合、N-イミダゾリル基を表す)の化合物との反応。Yが-C(O)-でありXが直接結合である式IIIの化合物に対して好適な塩基/溶媒系はテトラヒドロフラン、DMF又はそれらの混合物中の水素化ナトリウムを含む。Yが-C(O)-でありXが-O-又は-NR-であるか又はYが-S(O)-でXが直接結合である式IIIの化合物に対して好適な塩基/溶媒系はジメチルアミノピリジン/ジクロロメタン、又はジクロロメタン中のトリエチルアミンとジメチルアミノピリジンの混合物を含む;
(ii)Xが単結合を表しYが-C(O)-を表す式Iの化合物に対しては、上記の式IIの化合物の、式IV
C(O)OH IV
(上式中、Rは上に定義した通り)の化合物との、例えば適切なカップリング剤(例えば、1,1'-カルボニルジイミダゾール、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド(又はその塩酸塩)、炭酸N,N'-ジスクシンイミジル、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム、ヘキサフルオロリン酸2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス-ピロリジノホスホニウム、ヘキサフルオロリン酸ブロモ-トリス-ピロリジノホスポニウム、テトラフルオロ炭酸2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム)又は1-シクロヘキシルカルボジイミド-3-プロピルオキシメチルポリスチレン、好適な塩基(例えば上の方法工程(i)に述べたもの)及び適切な溶媒(例えば上の方法工程(i)に述べたもの)の存在下で、例えば上の方法工程(i)で記載されたものと類似の条件下での反応。あるいは、アゾジカルボキシレートを当業者に知られたミツノボ(Mitsunobo)条件下で用いることができる;
(iii)Xが直接結合を表しYが-C(O)-又は-C(S)-基を表す式Iの化合物に対しては、上記の式IIの化合物の、式V
=Y
(上式中、Yは-C(O)-(よってケテンを形成)か-C(S)-(よってチオケテンを形成)を表し、Rは上に定義した通り)の化合物との、当業者に知られた条件下での反応;
(iv)Xが-NH-を表しYが-C(O)-又は-C(S)-を表す式Iの化合物に対しては、上記の式IIの化合物の、式VI
N=Y VI
(上式中、R及びYは上に定義した通りである(よって、必要に応じてイソシアネート又はイソチオシアネートを形成する))の化合物との、当業者に知られた条件下での反応。例えば、Yが-C(O)-である式VIの化合物に対しては、高い温度(例えば100℃)にて適切な溶媒(例えばトルエン)中で反応を実施することができる。例えば、Yが-C(S)-である式VIの化合物に対しては、室温で異な塩基(例えば炭酸カリウム)の存在下、適切な溶媒(例えばアセトン)中で反応を実施することができる;
(v)Yが-C(O)-又は-C(S)-を表す式Iの化合物に対しては、上記の式IIの化合物の、
(a)式VII
Cl-Y-Cl VII
の化合物、
(b)式VIII

(上記両式中、Yは上記の通りである)の化合物;又は
(c)Yが-C(O)-を表す場合、トリホスゲン
との反応の後に:
(1)Xが直接結合を表す式Iの化合物に対しては、式IX
M IX
(上式中、MはMn、Fe、Ni、Cu、Zn、Pd又はCeのような金属、又はその塩又は錯体を表し、Rが上の定義の通り)の有機金属試薬との反応;
(2)XがOを表す式Iの化合物に対しては、式X
OH X
(上式中、Rは上の定義の通り)のアルコールとの反応;
(3)Xが-N(R)-を表す式Iの化合物に対しては、式XI
N(H)R XI
(上式中、R及びRは上の定義の通り)のアミンとの反応であって、全ての場合、当業者に知られた反応条件下での反応;
(vi)Xが-N(R)-を表しRが水素以外である式Iの化合物に対しては、式XII
-L XII
(上式中、R及びLは上記の通り)の化合物との、Xが-N(H)-を表す式Iの対応化合物の、標準的条件下での反応;
(vii)Yが-C(S)-を表す式Iの化合物に対しては、Yが-C(O)-を表す式Iの対応する化合物の、カルボニル基のチオカルボニル基への転換のための適切な試薬、例えばP又はLawesson試薬との、当業者に知られた条件下での反応;
(viii)式XIII

(上式中、R、Y及びXは上の定義の通り)の化合物の、
式XIV
HN(R)(R) XIV
(上式中、R及びRは上の定義の通り)の化合物との、例えば上の方法工程(ii)に記載されたようなカップリング条件下での反応。あるいは、式XIIIの化合物を適切な溶媒(例えばジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、THF又はベンゼン)中での適切な試薬(例えば塩化オキサリル、塩化チオニル等々)での処理によって先ず活性化されて、各塩化アシルが生成される。ついで、この活性化中間体を、上の方法工程(i)において上記したもののような標準的な式XIVの化合物と反応させることができる;あるいは
(ix)式XV

(上式中、R、R、Y及びXは上の定義の通りである)の化合物の、
式XVI
-L XVI
(上式中、Lは適切な離脱基、例えばハロ(例えばクロロ、ブロモ及びヨード)、-OSOCF、-B(OH)、-Sn(R)(ここでRは好ましくはメチル又はブチルである)又は-Bi(R)(ここでRは上に定義の通り)との、例えば好ましくはPd又はCuを含む触媒、及び塩基の存在下での反応。
【0031】
式IIの化合物及びその保護された誘導体は、上で定義された式XIVの化合物の、
(I)例えば方法工程(i)に前述されたような標準的な条件下での、ジピラゾロ[1,5-a;1',5'-d]ピラジン-4,9-ジオンか;又は
(II)例えば方法工程(viii)に前述されたもののような条件下での、1H-ピラゾール-3-カルボン酸、そのN-保護、及び/又はO-活性化誘導体との、
反応により調製することができる。
式XIIIの化合物は、上の方法工程(i)から(vii)の何れかに関して記載されたものに類似する条件下での、適切な試薬との1H-ピラゾール-3-カルボン酸、又はそのO-保護誘導体との反応により調製することができる。
【0032】
式XVの化合物は、式XVII
NR XVII
(上式中、Rは上の定義の通り)の化合物の、上で定義した通りの式XIIIの化合物との、例えば上の方法工程(viii)に関して記載されたもののような条件下での反応により調製することができる。
ジピラゾロ[1,5-a;1',5'-d]ピラジン-4,9-ジオンは、二量体化条件で、例えば還流下で塩化チオニルの存在下(場合によってはDMFの存在下)、1H-ピラゾール-3-カルボン酸から調製することができる。他の二量体化試薬にはカルボジイミド、例えば1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミドが含まれる。
1H-ピラゾール-3-カルボン酸及びその保護された誘導体は、例えば以下に記載されたようにして、3-メチル-1(2)H-ピラゾールから調製することができる。
【0033】
式III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XII、XIV、XVI及びXVIIの化合物は商業的に入手可能であり、文献において知られているか、又は適切な試薬及び反応条件を使用して入手可能な出発材料から、ここに記載された方法と類似したものか、又は標準的な技術に従って、常套的な合成法によって、得ることができる。
上に定義した置換基R、R及びRは、当業者によく知られている方法によって式Iの化合物の製造について上述した工程の後又は間に、一又は複数回修飾してもよい。そのような方法の例には、置換、還元、酸化、アルキル化、加水分解、エステル化、及びエーテル化が含まれる。前駆体基は、異なったかかる基に、又は式Iに定義した基に、反応列の間の任意の時間に変化させることができる。
式Iの化合物は常套的な技術を使用してその反応混合物から単離することができる。
【0034】
上述及び以下のプロセスにおいて、中間化合物の官能基は保護基によって保護することが必要でありうることは当業者によって理解されるであろう。
官能基の保護及び脱保護は上述のスキームの反応の前又は後に起こりうる。
保護基は当業者によく知られ以下に記載するような技術に従って取り除くことができる。例えば、ここで記載された保護化合物/中間体は標準的な脱保護技術を使用して非保護化合物に化学的に転化されうる。
関連する化学のタイプが保護基の必要性及びタイプ並びに合成を達成するための反応系列に影響する。
保護基の使用は、「Protective Groups in Organic Chemistry」, J W F McOmie編, Plenum Press (1973)、及び「Protective Groups in Organic Synthesis」, 3版, T.W. Greene及びP.G.M. Wutz, Wiley-Interscience (1999)に十分に記載されている。
【0035】
医療及び医薬用途
式Iの化合物とその塩は、それらが薬理活性を有しているので有用である。従って、このような化合物は医薬と表示される。
本出願人の知る限りでは、式Iの化合物は医薬としての使用についてはこれまでに開示はされていない。本発明の更なる側面では、医薬としての使用のための、但し書きを除外した上に定義した通りの本発明の化合物が提供される。
式Iの化合物とその塩は薬理学的活性を有しているが、そのような活性を有していない可能性があるが、非経口的に又は経口的に投与された後、体内で代謝されて式Iの化合物を形成しうる式Iの化合物のある種の薬学的に許容可能な(例えば「保護された」)誘導体が存在し得、又は調製され得る。(そのような活性が代謝されて生じる「活性」化合物の活性よりもかなり低いという条件で、ある薬理活性を持ちうる)そのような化合物は、従って式Iの化合物の「プロドラッグ」として記述されうる。式Iの化合物の全てのプロドラッグが本発明の範囲内に含まれる。
【0036】
「式Iの化合物のプロドラッグ」に、我々は、経口又は非経口投与後に、予め定めた時間(例えば、約1時間)内に実験的に検出可能な量で式Iの化合物を生じる化合物を含める。
式Iの化合物とその塩は、特にそれらがリポキシゲナーゼ(特に15-リポキシゲナーゼ)の活性を阻害し得、すなわち、それらが15-リポキシゲナーゼ又は15-リポキシゲナーゼ酵素が一部を形成し、及び/又は例えば以下に記載した試験において実証されうるような15-リポキシゲナーゼ調節効果を導きうる複合体の作用を防止するので、有用である。よって、式Iの化合物は、リポキシゲナーゼ、特に15-リポキシゲナーゼの阻害が必要とされる症状の治療に有用でありうる。
【0037】
式Iの化合物とその薬学的に許容可能な塩はよって炎症の治療に有用であることが期待される。
「炎症」という用語は、上で述べたもののような身体外傷、感染、慢性疾患によって誘発されうる局所的又は全身性保護反応、及び/又は外部刺激に対する化学的及び/又は生理学的反応(例えばアレルギー反応の一部として)によって特徴付けられる任意の症状を含むと当業者に理解される。有害な薬剤と傷ついた組織の双方を破壊、希釈又は隔離する作用をするあらゆるそのような応答は、例えば発熱、腫れ、痛み、発赤、血管拡張及び/又は血流増加、白血球の罹患領域への侵入、機能喪失及び/又は炎症症状に伴うことが知られている任意の他の徴候に顕れうる。
【0038】
よって、「炎症」という用語は、任意の炎症疾患、障害又は症状自体、それを伴う炎症要素を持つ任意の症状、及び/又はとりわけ急性、慢性、潰瘍、特異性、アレルギー性及び壊死性炎症、及び当業者に知られている炎症の他の形態を含む、徴候として炎症を特徴とする任意の症状を含むものとまた理解される。よって、その用語はまた本発明の目的に対して炎症痛及び/又は発熱を含む。
従って、式Iの化合物は、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺線維症、アレルギー性疾患、鼻炎、炎症性腸疾患、潰瘍、炎症性痛覚、発熱、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、脈管炎、膵炎、関節炎、変形性関節炎、関節リウマチ、結膜炎、虹彩炎、強膜炎、ブドウ膜炎、創傷、皮膚炎、湿疹、乾癬、発作、糖尿病、自己免疫疾患、アルツハイマー病、多発性硬化症、サルコイドーシス、ホジキン病及び他の悪性腫瘍、並びに炎症要素を伴う任意の他の疾患の治療に有用でありうる。
【0039】
式Iの化合物及びその薬学的に許容可能な塩はまた患者における骨損失の低減におけるような炎症機構に関連していない効果を有しうる。この点で挙げることができる症状には、骨粗鬆症、骨関節炎、パジェット病及び/又は歯周病が含まれる。よって、式Iの化合物とその薬学的に許容可能な塩はまた患者における骨ミネラル濃度の増加、並びに骨折の発生の減少及び/又は治癒に有用でありうる。
式Iの化合物は上述の症状の治癒的及び/又は予防的治療の双方に効能がある。
本発明の更なる側面では、リポキシゲナーゼ(例えば15-リポキシゲナーゼ)に関連し、及び/又はその阻害によって調節され得る疾患の治療方法、及び/又はリポキシゲナーゼ、特に15-リポキシゲナーゼの活性の阻害が望まれる、及び/又は必要とされる疾患(例えば炎症)の治療方法であって、但し書きを除外した上述の本発明の化合物の治療的有効量を、そのような症状を患っている、又はそのような症状に罹りやすい患者に投与することを含む方法が提供される。
【0040】
「患者」は哺乳動物(ヒトを含む)の患者を含む。
「有効量」という用語は、治療された患者に治療効果を付与する化合物の量を意味する。効果は客観的(ある試験又はマーカーで測定可能)でありうるか、又は主観的(すなわち、主体が効果の顕れを示すか又は効果を感じる)でありうる。
式Iの化合物は通常は経口的、静脈内、皮下的、口腔的、経直腸的、経皮的、経鼻的、経気管的、経気管支的、任意の他の非経口経路によって又は吸入によって、薬学的に許容可能な投薬形態で投与される。
【0041】
式Iの化合物は単独で投与することができるが、好ましくは、経口投与のための錠剤、カプセル剤又はエリキシル剤、直腸投与のための坐薬、非経口又は筋肉内投与のための滅菌液又は懸濁液等々を含む既知の医薬製剤によって投与される。
そのような製剤は標準的な、及び/又は認められている薬学的実務に従って調製することができる。
本発明の更なる側面では、よって、但し書きを除外した上述の本発明の化合物を、薬学的に許容可能なアジュバント、希釈剤又は担体と混合して含む薬学的製剤が提供される。
式Iの化合物はまたここに記載した炎症の治療に有用な他の治療剤(例えば、NSAIDs、コキシブ、コルチコステロイド、鎮痛薬、5-リポキシゲナーゼ阻害剤、FLAP(5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質)の阻害剤、及びロイコトリエンレセプターアンタゴニスト(LTRas)、及び/又は炎症の治療に有用な他の治療剤)と組み合わせることができる。
【0042】
本発明の更なる側面では、
(A)但し書きを除外した上述の本発明の化合物;及び
(B)炎症の治療に有用な他の治療剤
を含む組み合わせ品であって、成分(A)及び(B)の各々が薬学的に許容可能なアジュバント、希釈剤又は担体と混合されて製剤化されている組み合わせ品が提供される。
そのような組み合わせ品は他の治療剤との併用での式Iの化合物又はその塩の投与をもたらし、よって、その製剤の少なくとも一つが式Iの化合物/塩を含み、少なくとも一つが他の治療剤を含む別個の製剤として提供でき、あるいは組み合わせ(すなわち、式Iの化合物/塩と他の治療剤を含む単一製剤として提供される)調製品として提供(製剤化)されうる。
【0043】
よって、更に次のものが提供される:
(1) 但し書きを除外した上述の本発明の式Iの化合物、炎症の治療に有用な他の治療剤、及び薬学的に許容可能なアジュバント、希釈剤又は担体を含む薬学的製剤;及び
(2)(a)但し書きを除外した上述の本発明の化合物を、薬学的に許容可能なアジュバント、希釈剤又は担体と混合して含む薬学的製剤;及び
(b)炎症の治療に有用な他の治療剤を、薬学的に許容可能なアジュバント、希釈剤又は担体と混合して含む薬学的製剤
の成分を含むパーツのキットであって、成分(a)及び(b)がそれぞれ他方と併用して投与するのに適した形態で提供されるキット。
【0044】
式Iの化合物とその塩は様々な用量で投与できる。経口投与は、約0.01mg/kg体重/日(mg/kg/日)から約100mg/kg/日、好ましくは約0.01から約10mg/kg/日、より好ましくは約0.1から約5.0mg/kg/日の範囲であり得る。経口投与では、組成物は典型的には約0.01mgから約500mg、好ましくは約1mgから約100mgの活性成分を含む。経静脈的には、最も好ましい用量は一定速度の注入の間、約0.1から約10mg/kg/分の範囲である。有利には、化合物は単一の毎日の用量で投与することができ、又は毎日の全用量を、毎日2回、3回又は4回の分割量で投与することができる。
とにかく、医師又は当業者であれば、個々の患者に最も適し、投与経路、治療されるべき症状のタイプと重症度、並びに治療される特定の患者の種、年齢、体重、性別、腎機能、肝機能及び応答によって変わり得る実際の用量を決定することができるであろう。上記の用量は平均的な場合の例である;より高い又は低い用量範囲が有利となる個々の場合ももちろん有り得、それも本発明の範囲内である。
【0045】
式Iの化合物とその塩は、それらがリポキシゲナーゼ、特に15-リポキシゲナーゼの有効な、及び/又は選択的阻害剤であるという利点を持っている。
式Iの化合物とその塩は、それらが、述べた効能に用いられるかどうかにかかわらず、従来から知られている化合物に対して、より効能があり、毒性が少なく、より長く作用し、より強力で、副作用が少なく、より吸収されやすく、及び/又はより良好な薬物動態学的特性を有し(例えばより高い経口バイオアベイラビリティ及び/又はより低いクリアランス)を持ち、及び/又は他の有用な薬理学的、物理的、又は化学的性質を有しうるという利点を持っている。
【0046】
生物学的試験
用いたアッセイは、非蛍光ジフェニル-1-ピレニルホスフィン(DPPP)をその対応する蛍光酸化ホスフィンに酸化する脂質ヒドロペルオキシドの能力を利用している。蛍光は、モレキュラー・デバイシーズのデュアルスキャン式マイクロプレート分光蛍光光度計であるスペクトラマックス・ジェミニを使用して測定する。DPPPはモレキュラー・プローブスから購入した。リノール酸はバイオモルから、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)はギブコ・ライフ・テクノロジーズから購入した。アッセイを室温(20−22℃)で96ウェルプレートで実施する。次のものを(次の順序で)各ウェルに添加した:
a)35μlのダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水(PBS);
b)阻害剤(つまり、化合物)又はビヒクル(0.5μlのDMSO);
c)PBS中10μLの5x濃縮15-リポキシゲナーゼ溶液。プレートは室温で5分間インキュベートする;
d)PBS中5μlの2mMリノール酸。ついで、プレートは室温で20分間インキュベートする;
e)酵素反応は50μlのメタノールの添加により終了させる;
f)メタノール中50μlの200μMのDPPPを各ウェルに加える。
室温で30分後、358nmの励起波長と379nmの発光波長を使用して蛍光を読み取ることができる。
【実施例】
【0047】
本発明を次の実施例によって例証するが、そこでは次の省略を用いることができる:
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
MS 質量スペクトル
NMR 核磁気共鳴
THF テトラヒドロフラン
以下に記載した出発材料と化学試薬は例えばシグマ-アルドリッチファインケミカルズ社から商業的に入手可能である。
【0048】
実施例1
1-ベンゾイル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸ピリジン-3-イルアミド
(a)1H-ピラゾール-3-カルボン酸
KMnO(40.9g,0.26mol)の水溶液を0.5Lの水中の3-メチル-1(2)H-ピラゾール(9.8ml,0.12mol)の撹拌溶液に加えた。その混合物を5時間還流して加熱した。黒色懸濁液を冷却し、濾過し、濾液を少容量になるまで濃縮した。その溶液を3NのHClで酸性化し、形成された白色固形物を集めて、EtOで洗浄して副題化合物を100%の収率で得た。
H NMR(DMSO-d,200MHz)δ7.75(d,J=1.5Hz,1H)及び6.75(d,J=1.5Hz,1H)。
【0049】
(b)1H-ピラゾール-3-カルボニルクロリド。
チオニルクロリド(20mL)を、室温にてTHF(40mL)中1H-ピラゾール-3-カルボン酸の溶液(5.0g,44.6mmol;上の工程(a)参照)に加えた。その混合物を1時間還流して加熱し、濃縮乾固して副題化合物を得た。その固形物を更に精製しないで使用した。
【0050】
(c)1H-ピラゾール-3-カルボン酸ピリジン-2-イルアミド。
THF(150mL)中ピリジン-2-イルアミンの溶液(3.0g,31.9mmol)に、NaH(鉱油中60%分散体,1.34g,33.5mmol)を添加した。その混合物を1時間撹拌し、新たに調製したピラゾール-3-カルボニルクロリド(4.66g,35.7mmol;上の工程(b)参照)を添加した。その混合物を1時間撹拌し、10mLの水を加えた。その混合物を少容量になるまで濃縮し、EtOAcを用いて2回抽出した。混合した抽出物をHOで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮乾固して副題化合物を得た。
H NMR(CDCl,200MHz)δ10.07(s,1H),8.49(d,J=8Hz,1H),8.38(d,J=6Hz,1H),7.83(dd,J=6Hz,J=8Hz,1H),7.68(d,J=2.5Hz,1H),7.14(dd,J=6Hz,J=8Hz,1H),7.02(d,J=2.5Hz,1H)
【0051】
(d)1-ベンゾイル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸ピリジン-3-イルアミド。
無水THF(2mL)中1H-ピラゾール-3-カルボン酸ピリジン-2-イルアミド(100mg,0.53mmol;上の工程(c)参照)をNaH(鉱油中60%分散体,22mg,0.56mmol)に室温で撹拌しながら加えた。1時間後、ベンゾイルクロリド(65μL,0.56mmol)を添加し、混合物を更に1時間撹拌した。水(1mL)を加え、混合物を濃縮乾固した。EtOAc(2mL)及びNaCO(0.2M,1mL)を加え、相を分離させた。有機層をNaCl(飽和水溶液)で洗浄し、短いシリカゲルカラムに通して、濃縮乾固した。残留物をEtOで倍散して表題化合物(40mg)を白色固形物として得た。
MS(M+H)m/z 293。
【0052】
実施例2
1-(2,5-ジメチル-3-フロイル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸ピリジン-3-イルアミド
表題化合物を実施例1(d)に記載されているようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸ピリジン-2-イルアミド(実施例l(c)参照)及び2,5-ジメチル-3-フロイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 311。
【0053】
実施例3
1-(1-メチル-1H-ピロール-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸ピリジン-3-イルアミド
表題化合物を実施例1(d)に記載されているようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸ピリジン-2-イルアミド(実施例l(c)参照)及び1-メチル-2-ピロイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 296。
【0054】
実施例4
1-(3-メチル-2-チエノイル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸ピリジン-3-イルアミド
表題化合物を実施例1(d)に記載されているようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸ピリジン2-イルアミド(実施例l(c)参照)及び3メチル-2-チエノイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 313。
【0055】
実施例5
1-(4-ペンチルベンゾイル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸ピリジン3-イルアミド
表題化合物を実施例1(d)に記載されているようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸ピリジン2-イルアミド(実施例l(c)参照)及び4ペンチルベンゾイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 363。
【0056】
実施例6
2-{[1-(2-エトキシベンゾイル)-1H-ピラゾール-3-カルボニル]アミノ}チオフェン-3カルボン酸メチルエステル
(a)ジピラゾロ[1,5-a;1',5'-d]ピラジン-4,9-ジオン
ピラゾール-3-カルボン酸(44.0g,0.39mol;上の実施例l(a)を参照)、DMF(0.5mL)、及びチオニルクロリド(150mL)の混合物を3日間還流して加熱した。溶媒を蒸発させ、残留物を高真空下で乾燥させて副題化合物を得、これを更に精製することなく使用した。
【0057】
(b)2-[(1H-ピラゾール-3-カルボニル)アミノ]チオフェン-3-カルボン酸メチルエステル
NaH(鉱油中60%分散体,0.61g,15.4mmol) を、THF(100mL)中ジピラゾロ[1,5-a;1',5'-d]ピラジン-4,9-ジオン(2.4g,12.7mmol;上の工程(a)参照)及び2-アミノチオフェン-3-カルボン酸メチルエステル(2.0g,12.7mmol)の溶液に室温にて添加した。その混合物を1時間撹拌し、10mLの水を添加した。その混合物を少容量になるまで濃縮し、EtOAcで2回抽出した。混合した抽出物をHOで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮乾固して、副題化合物を得た。
H NMR(DMSO-d,200MHz)δ8.0(d,J=2Hz,1H),7.21(d,J=5.8Hz,1H),7.06(d,J=5.8Hz,1H),6.87(d,J=2Hz,1H)及び3.86(s,3H)。
【0058】
(c)2-[1-(2-エトキシベンゾイル)-1H-ピラゾール-3-カルボニル]アミノ}チオフェン-3カルボン酸メチルエステル
表題化合物を実施例1(d)に記載のようにして2-[1H-ピラゾール-3-カルボニル) アミノ]チオフェン-3-カルボン酸メチルエステル(上の工程(b)参照)及び2-エトキシベンゾイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 400。
【0059】
実施例7
2-{[1-(3-トリフルオロメチルベンゾイル)-1H-ピラゾール-3-カルボニル]アミノ}-チオフェン-3-カルボン酸メチルエステル
表題化合物を実施例1(d)に記載のようにして2-[(1H-ピラゾール-3-カルボニル)アミノ]チオフェン-3-カルボン酸メチルエステル(実施例6(b)参照)及び3-トリフルオロベンゾイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 424。
【0060】
実施例8
2-{[1-(5-フルオロ-2-メチルベンゾイル)-1H-ピラゾール-3-カルボニル]アミノ}-チオフェン-3-カルボン酸メチルエステル
表題化合物を実施例1(d)に記載のようにして2-[(1H-ピラゾール-3-カルボニル)アミノ]チオフェン-3-カルボン酸メチルエステル(実施例6(b)参照)及び5-フルオロ-2-メチルベンゾイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 388。
【0061】
実施例9
2-{[1-(3-メチル-2-チエノイル)-1H-ピラゾール-3-カルボニル]アミノ}チオフェン-3-カルボン酸メチルエステル
表題化合物を実施例1(d)に記載のようにして2-[(1H-ピラゾール-3-カルボニル)アミノ]チオフェン-3-カルボン酸メチルエステル(実施例6(b)参照)及び3-メチル-2-チエノイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 376。
【0062】
実施例10
1-(2,5-ジメチル-3-フロイル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(1,3,5-トリメチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミド
(a)1H-ピラゾール-3-カルボン酸(1,3,5-トリメチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミド
表題化合物を実施例6(b)に記載のようにしてジピラゾロ[1,5-a;1',5'-d]ピラジン-4,9-ジオン(実施例6(a)参照)及び1,3,5-トリメチル-1H-ピラゾール-4-イルアミンから調製した。
H NMR(DMSO-d,200MHz)δ11.7(m,1H),9.27(m,1H),7.86(m,1H),3.64(s,3H),2.04(s,3H)及び1.95(s,3H)。
【0063】
(b)1-(2,5-ジメチル-3-フロイル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(1,3,5-トリメチル-1H-ピラゾール4-イル)アミド
表題化合物を実施例1(d)に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(1,3,5-トリメチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミド(上の工程(a)参照)及び2,5-ジメチル-3-フロイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 342。
【0064】
実施例11
1-(1-メチル-1H-ピロール-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(1,3,5-トリメチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミド
表題化合物を実施例1(d)に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(1,3,5-トリメチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミド(実施例10(a)参照)及び1-メチル-2-ピロイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 327。
【0065】
実施例12
1-(3-メチル-2-ベンゾフロイル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(1,3,5-トリメチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミド
表題化合物を実施例1(d)に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(1,3,5-トリメチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミド(実施例10(a)参照)及び3-メチル-2-ベンゾフロイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 378。
【0066】
実施例13
1-(2-フルオロ-5-ヨードベンゾイル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(1,3,5-トリメチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミド
表題化合物を実施例1(d)に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(1,3,5-トリメチル-1H-ピラゾール-4-イル)アミド(実施例10(a)参照)及び2-フルオロ-5-ヨードベンゾイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 468。
【0067】
実施例14
1-(2-エトキシベンゾイル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(3-メチルイソオキサゾール-5-イル)アミド
(a)1H-ピラゾール-3-カルボン酸(3-メチルイソオキサゾール-5-イル)アミド
表題化合物を実施例6(b)に記載のようにしてジピラゾロ[1,5-a;1',5'-d]ピラジン-4,9-ジオン(実施例6(a)参照)及び3-メチルイソオキサゾール-5-イルアミンから調製した。
H NMR(DMSO-d,200MHz)δ7.85(d,J=2Hz,1H),6.86(d,J=2Hz,1H),6.24(s,1H),2.2(s,3H)。
【0068】
(b)1-(2-エトキシベンゾイル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(3-メチルイソオキサゾール-5-イル)アミド
表題化合物を実施例l(d)に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(3-メチルイソオキサゾール-5-イル)アミド(上の工程(a)参照)及び2-エトキシベンゾイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 341。
【0069】
実施例15
1-(3-メチル-2-ベンゾフロイル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(3-メチル-イソオキサゾール-5-イル)アミド
表題化合物を実施例l(d)に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(3-メチルイソオキサゾール-5-イル)アミド(実施例14(a)参照)及び3-メチル-2-ベンゾフロイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 351。
【0070】
実施例16
1-(2-フロイル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(3-メチルイソオキサゾール-5-イル)アミド
表題化合物を実施例l(d)に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(3-メチルイソオキサゾール-5-イル)アミド(実施例14(a)参照)及び2-フロイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 287。
【0071】
実施例17
1-(1-ナフトイル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(3-メチルイソオキサゾール-5-イル)アミド
表題化合物を実施例l(d)に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(3-メチルイソオキサゾール-5-イル)アミド(実施例14(a)参照)及び1-ナフトイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 347。
【0072】
実施例18
4-{[1-(2,5-ジメチル-3-フロイル)-1H-ピラゾール-3-カルボニル]アミノ}安息香酸メチルエステル
(a)4-(1H-ピラゾール-3-カルボニル)アミノ]安息香酸メチルエステル。
新たに調製したピラゾール-3-カルボニルクロリド(5.80g,44.6mmol;実施例1(b)参照)をピリジン(50mL)中4-アミノ安息香酸メチルエステル(2.7g,17.9mmol)の溶液に添加した。その溶液を85℃で3時間撹拌し、濃縮した。残留物をEtOAcで2回抽出し、混合した抽出物をHOで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮乾固した。固形物をEtOで洗浄して、副題化合物を得た。
H NMR(CDCl,200MHz)δ9.0(s,1H),8.1(d,J=6Hz,2 H),7.8(d,J=6Hz,2 H),7.7(s,J=2Hz,1H),7.05(s,J=2Hz,1H),3.93(s,3H)。
【0073】
(b)4-{[1-(2,5-ジメチル-3-フロイル)-1H-ピラゾール-3-カルボニル]アミノ} 安息香酸メチルエステル
表題化合物を実施例1(d)に記載のようにして4-[(1H-ピラゾール-3-カルボニル)アミノ]安息香酸メチルエステル(上の工程(a)を参照)及び2,5-ジメチル-3-フロイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 368。
【0074】
実施例19
4-{[1-(5-フルオロ-2-メチルベンゾイル)-1H-ピラゾール-3-カルボニル]アミノ}安息香酸メチルエステル
表題化合物を実施例1(d)に記載のようにして4-[(1H-ピラゾール-3-カルボニル)アミノ]安息香酸メチルエステル(実施例18(a)参照)及び5-フルオロ-2-メチルベンゾイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 382。
【0075】
実施例20
4-{[1-(4-ペンチルベンゾイル)-1H-ピラゾール-3-カルボニル]アミノ}安息香酸メチルエステル
表題化合物を実施例1(d)に記載のようにして4-[(1H-ピラゾール-3-カルボニル)アミノ]安息香酸メチルエステル(実施例18(a)参照)及び4-ペンチルベンゾイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 420。
【0076】
実施例21
4-{[1-(2-フロイル)-1H-ピラゾール-3-カルボニル]アミノ}安息香酸メチルエステル
表題化合物を実施例1(d)に記載のようにして4-[(1H-ピラゾール-3-カルボニル)アミノ]安息香酸メチルエステル(実施例18(a)参照)及び2-フロイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 340。
【0077】
実施例22
1-(1-メチル-1H-ピロール-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-ジメチル-アミノフェニル)アミド
(a)1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-ジメチルアミノフェニル)アミド
ジピラゾロ[1,5-a;1',5'-d]ピラジン-4,9-ジオン(1.0g,5.3mmol;実施例6(a)参照)を、DMF(20mL)中ジメチルアミノフェニルアミンジヒドロクロリド(2.0g;11.6mmol)及びEtN(3.2mL,23.2mmol)の溶液に添加した。その混合物を85℃で1時間撹拌した後、濃縮した。残留物をEtOAcで2回抽出し、混合した抽出物をHOで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮乾固した。残留物をクロマトグラフィーで精製し、副題化合物を得た。
H NMR(CDCl,200MHz)δ8.55(s,1H),7.6(d,J=2.5Hz,1 H),7.52(d,J=9Hz,2 H),6.91(d,J=2.5Hz,1H),6.74(s,J=9Hz,2H),2.92(s,6 H)
【0078】
(b)1-(1-メチル-1H-ピロール-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-ジメチルアミノフェニル)アミド
表題化合物を実施例1(d)に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-ジメチルアミノフェニル)アミド(上の工程(a)を参照)及び1-メチル-2-ピロイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 338。
【0079】
実施例23
1-(4-ペンチルベンゾイル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-ジメチルアミノ-フェニル)アミド
表題化合物を実施例1(d)に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-ジメチルアミノフェニル)アミド(実施例22(a)参照)及び4-ペンチルベンゾイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 405。
【0080】
実施例24
1-(3-メチル-2-チエノイル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-ジメチルアミノ-フェニル)アミド
表題化合物を実施例1(d)に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-ジメチルアミノフェニル)アミド(実施例22(a)参照)及び3-メチル-2-チエノイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 355。
【0081】
実施例25
1-(1-ナフトイル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-ジメチルアミノフェニル)アミド
表題化合物を実施例1(d)に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(4-ジメチルアミノフェニル)アミド(実施例22(a)参照)及び1-ナフトイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 385。
【0082】
実施例26
1-(2-エトキシベンゾイル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(5-クロロ-2-シアノフェニル)アミド
(a)1H-ピラゾール-3-カルボン酸(5-クロロ-2-シアノフェニル)アミド。
表題化合物を実施例6(b)に記載のようにしてジピラゾロ[1,5-a;1',5'-d]ピラジン-4,9-ジオン(実施例6(a)参照)及び5クロロ-2-シアノアニリンから調製した。
H NMR(CDCl,200MHz)δ10.3(s,1H),8.03(m,1H),7.98(m,1H),7.93(d,J=8Hz,1H),7.48(2,J=8Hz,1H),6.86(m,1H)。
【0083】
(b)1-(2-エトキシベンゾイル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(5-クロロ-2-シアノ-フェニル)アミド
表題化合物を実施例1(d)に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(5-クロロ-2-シアノフェニル)アミド(上の工程(a)を参照)及び2-エトキシベンゾイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 395。
【0084】
実施例27
1-(5-フルオロ-2-メチルベンゾイル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(5-クロロ-2-シアノフェニル)アミド
表題化合物を実施例1(d)に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(5-クロロ-2-シアノフェニル)アミド(実施例26(a)参照)及び5-フルオロ-2-メチルベンゾイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 383。
【0085】
実施例28
1-(2-フロイル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(5-クロロ-2-シアノフェニル)-アミド
表題化合物を実施例1(d)に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(5-クロロ-2-シアノフェニル)アミド(実施例26(a)参照)及び2-フロイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 341。
【0086】
実施例29
1-(1-ナフトイル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(5-クロロ-2-シアノフェニル)アミド
表題化合物を実施例1(d)に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(5-クロロ-2-シアノフェニル)アミド(実施例26(a)参照)及び1-ナフトイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 401。
【0087】
実施例30
1-オレオイル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)アミド
(a)1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)アミド
ジピラゾロ[1,5-a;1',5'-d]ピラジン-4,9-ジオン(1.88g,10mmol;実施例6(a)参照)、2-クロロアニリン(6.38g,50mmol)及び4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(1.22g,10mmol)の混合物を30分間120℃で撹拌した。室温まで冷却した後、EtOH(20mL)、続いて水(100mL)及びイソヘキサン(100mL)を添加した。その混合物を10分間振盪した。固形物を濾過し、50%の水性EtOH(20mL)、水(50mL)及びイソヘキサン(50mL)で洗浄し、減圧乾燥して、副題化合物を得た(収率:2.45g,55%)。
【0088】
(b)1-オレオイル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)アミド
CHCl(5mL)中1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)アミド(55mg,0.25mmol;上の工程(a)参照)、オレオイルクロリド(146mg,0.30mmol)及び4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(36mg,0.30mmol)の混合物を40℃で2日間撹拌した。その混合物をCHCl(10mL)で希釈し、水(2x10mL)で希釈し、濃縮した。クロマトグラフィーによる精製で表題化合物を得た(収率:83mg,68%)。
MS(M+H)m/z 486。
H NMR(CDCl,400MHz)δ9.41(s,1H),8.56(dd,J=8Hz,1Hz,1H),8.30(d,J=3Hz,1H),7.42(dd,J=8Hz,1Hz,1H),7.33(td,J=8Hz,1Hz,1H),7.08(td,J=8Hz,1Hz,1H),7.03(d,J=3Hz,1H),5.36(ddd,J=11Hz,6Hz,3Hz,1H),5.32 ddd,J=41Hz,6Hz,3Hz,1H),3.17(t,J=8Hz,2H),1.96-2.08(m,4H),1.78-1.88(m,2H),1.18-1.50(m,20H),0.86(t,J=7Hz,3H)。
13C NMR(CDCl,100.5MHz)δ172.03,158.7,150.2,134.4,130.3,130.2,129.8,129.2,128.0,124.9,123.0,121.3,109.5,33.92,32.0,29.85,29.77,29.6,29.4(2C),29.31,29.25,29.18,27.3,27.2,24.6,22.8,14.2。
【0089】
実施例31
3-(2-クロロフェニルカルバモイル)-1H-ピラゾール-1-カルボン酸(1R,2S,5R)-(-)-メントールエステル
ジクロロメタン(5mL)中1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)アミド(56mg,0.25mmol;実施例30(a)参照)、クロロギ酸(-)-メンチル(82mg,0.38mmol)、及び4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(45mg,375mol)の混合物を40℃で16時間撹拌した。その混合物を濃縮し、EtOAcに溶解し、水で洗浄し、MgSOで乾燥させた。クロマトグラフィーによる精製により表題生成物を得た(収率:69mg,69%)。
MS(M+H)m/z=404。
H NMR(CDCl,400MHz)δ9.42(s,1H),8.49(dd,J=9,2Hz,1H),8.18(d,J=3Hz,1H),7.41(dd,J=9,2Hz,1H),7.31(dt,J=9,2Hz,1H),7.07(dt,J=9,2Hz,1H),7.01(d,J=3Hz,1H),4.92(dt,J=12,4Hz,1H),2.25(m,1H),2.01(dsept,J=8,3Hz,1H),1.80-1.70(m,2H),1.70-1.50(m,2H),1.29-1.08(m,2H),0.95(dd,J=7,2Hz,7H),0.84(d,J=7Hz,3H)。
13C NMR(100.5MHz)δ158.7,150.5,148.3,134.3,132.6,129.2,127.7,124.8,123.4,121.5,109.1,80.5,47.0,40.4,33.9,31.4,26.7,23.8,21.9,20.5,16.7。
【0090】
実施例32
3-(2-クロロフェニルカルバモイル)-1H-ピラゾール-1-カルボン酸2-クロロベンジルエステル
表題化合物を実施例31に記載されたようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)アミド(実施例30(a)参照)及びクロロギ酸2-クロロベンジルから調製した。
MS(M+H)m/z 390。
H NMR(CDCl,400MHz)δ9.44(s,1H),8.49(dd,J=8Hz,1Hz,1H),8.21(d,J=3Hz,1H),7.59(dd,J=7Hz,1H),7.39-7.47(m,2H),7.28-7.38(m,3H),7.07(td,J=8Hz,1Hz,1H),7.02(d,J=3Hz,1H),5.62(s,2H)。
13C NMR(100.5MHz)δ151.0,148.5,134.3,134.0,133.1,131.9,130.5,130.4,130.0,-129.3,127.8,127.2,125.0,123.5,121.6,109.5。
【0091】
実施例33
3-(2-クロロフェニルカルバモイル)-1H-ピラゾール-1-カルボン酸4-クロロフェニルエステル
表題化合物を実施例31に記載されたようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)アミド(実施例30(a)参照)及びクロロギ酸4-クロロフェニルから調製した。
MS(M+H)m/z 376。
【0092】
実施例34
1H-ピラゾール-1,3-ジカルボン酸3-[(2-クロロフェニル)アミド]1-ジメチル-アミド
表題化合物を実施例30(b)に記載されたようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)アミド(実施例30(a)参照)及びN,N-ジメチルカルバモイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 293。
【0093】
実施例35
1H-ピラゾール-1,3-ジカルボン酸1-[(3-クロロフェニル)アミド]3-[(2-クロロフェニル)アミド]
1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)アミド(55mg,0.25mmol;実施例30(a)参照)、3-クロロフェニルイソシアネート(46mg,0.30mmol)及びトルエン(5mL)の混合物を100℃で18時間撹拌した。その溶液を濃縮し、イソヘキサン(10mL)を添加した。表題化合物を濾過し、イソヘキサン(10mL)で洗浄した(収率:65mg,69%)。
MS(M+H)m/z 375。
H NMR(C,400MHz)δ9.05(s,1H),8.91(d,J=8Hz,1H),8.31(s,1H),7.72(d,J=3Hz,1H),7.61(s,1H),7.07(d,J=8Hz,1H),6.94(t,J=8Hz,1H),6.85(d,J=8Hz,1H),6.72(t,J=8Hz,1H),6.69(d,J=3Hz,1H),6.58(t,J=8Hz,1H)。
13C NMR(100.5MHz)δ158.1,149.1,145.3,137.5,135.0,134.7,130.6,130.1,129.0,128.4,124.9,124.7,122.5,121.3,119.6,117.5,109.4。
【0094】
実施例36
1H-ピラゾール-1,3-ジカルボン酸3-[(2-クロロフェニル)アミド]1-[(3-フルオロフェニル)アミド]
表題化合物を実施例35に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)アミド(実施例30(a)参照)及び3-フルオロフェニルイソシアネートから調製した。
MS(M+H)m/z 359。
【0095】
実施例37
1H-ピラゾール-1,3-ジカルボン酸3-[(2-クロロフェニル)アミド]1-[(3-トリフルオロメチルフェニル)アミド]
表題化合物を実施例35に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)アミド(実施例30(a)参照)及び3-トリフルオロメチルフェニルイソシアネートから調製した。
MS(M+H)m/z 409。
【0096】
実施例38
1H-ピラゾール-1,3-ジカルボン酸3-[(2-クロロフェニル)アミド]1-[(4-ニトロフェニル)アミド]
表題化合物を実施例35に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)アミド(実施例30(a)参照)及び4-ニトロフェニルイソシアネートから調製した。
MS(M+H)m/z 386。
【0097】
実施例39
1-(オクタン-1-スルホニル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)アミド
表題化合物を実施例30(b)に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)アミド(実施例30(a)参照)及び1-オクタンスルホニルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 398。
【0098】
実施例40
1-(3-クロロベンゼンスルホニル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロ-フェニル)アミド
表題化合物を実施例30(b)に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)アミド(実施例30(a)参照)及び3-クロロベンゼンスルホニルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 396。
H NMR(CDCl,400MHz)δ9.25(s,1H),8.45(dd,J=8Hz,1Hz,1H),8.17(d,J=3Hz,1H),8.09(t,J=2Hz,1H),7.97(dt,J=8Hz,1Hz,1H),7.68(ddd,J=8Hz,2Hz,1Hz,1H),7.54(t,J=8Hz,1H) 7.41(dd,J=8Hz,1Hz,1H),7.29(td,J=8Hz,1Hz,1H),7.07(td,J=8Hz,1Hz,1H),7.00(d,J=3Hz,1H)。
13C NMR(100.5MHz)δ152.0,137.8,136.0,135.5,134.1,133.1,131.0,129.3,128.7,127.9,126.6,125.1,123.3,121.4,121.3,109.2。
【0099】
実施例41
1-(4-tert-ブチルベンゼンスルホニル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロ-フェニル)アミド
表題化合物を実施例30(b)に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)アミド(実施例30(a)参照)及び4-tert-ブチルベンゼンスルホニルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 418。
H NMR(CDCl,400MHz)δ9.27(s,1H),8.45(dd,J=8Hz,1Hz,1H),8.16(d,J=3Hz,1H),7.98-8.02(m,2H),7.56-7.61(m,2H),7.40(dd,J=8Hz,1Hz,1H),7.29(td,J=8Hz,1Hz,1H),7.07(td,J=8Hz,1Hz,1H),6.96(d,J=3Hz,1H),1.33(s,9H)。
13C NMR(100.5MHz)δ159.6,158.3,151.3,134.3,133.1,132.9,129.3,128.6(2C),127.9,126.8(2C),125.0,123.2,121.4,108.8,35.6,31.0(3C)。
【0100】
実施例42
5-[3-(2-クロロフェニルカルバモイル)-1H-ピラゾール-1-スルホニル]フラン-2-カルボン酸メチルエステル
表題化合物を実施例30(b)に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)アミド(実施例30(a)参照)及び5-カルボメエトキシ-2-フランスルホニルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 410。
【0101】
実施例43
1-(3-クロロベンゾイル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)メチルアミド
(a)1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)メチルアミド。
表題化合物を実施例30(a)に記載のようにしてジピラゾロ[1,5-a;1',5'-d]ピラジン-4,9-ジオン(実施例6(a)参照)及び2-クロロ-N-メチルアニリンから調製した。
MS(M+H)m/z 236。
【0102】
(b)1-(3-クロロベンゾイル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)メチルアミド
表題化合物を実施例30(b)に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)メチルアミド(上の工程(a)参照)及び3-クロロベンゾイルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 374。
【0103】
実施例44
1H-ピラゾール-1,3-ジカルボン酸1-[(3-クロロフェニル)アミド]3-[(2-クロロフェニル)メチルアミド]
表題化合物を実施例35に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)メチルアミド(実施例43(a)参照)及び3-クロロフェニルイソシアネートから調製した。
MS(M+H)m/z 389。
【0104】
実施例45
3-[(2-クロロフェニル)メチルカルバモイル]-1H-ピラゾール-1-カルボン酸2-クロロベンジルエステル
表題化合物を実施例31に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)メチルアミド(実施例43(a)参照)及びクロロギ酸2-クロロベンジルから調製した。
MS(M+H)m/z 404。
【0105】
実施例46
1-(3-クロロベンゼンスルホニル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロ-フェニル)メチルアミド
表題化合物を実施例30(b)に記載のようにして1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)メチルアミド(実施例43(a)参照)及び3-クロロベンゼンスルホニルクロリドから調製した。
MS(M+H)m/z 410。
【0106】
実施例47
1-フェニルチオカルバモイル-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)アミド
ドライアセトン(2mL)中1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)アミド(10mg,44.5μmol;実施例43(a)参照)、フェニルイソチオシアネート(30mg,0.22mmol)及び無水KCO(69mg,0.5mmol)の混合物を室温で5時間撹拌した。その反応混合物を次に濾過し、濃縮した。クロマトグラフィーによる精製により表題化合物を白色固形物として得た(収率:12mg,76%)。
MS(M+H)m/z 357。
H NMR(400MHz)δ10.52(s,1H),9.22(s,1H),8.84(d,J=3Hz,1H),8.55(dd,J=9,2Hz,1H),7.80(m[app d,J=8Hz],2H),7.50(m[app t,J=8Hz],2H),7.43(dd,J=9,2Hz,1H),7.35(m[app dq,J=7,1Hz],2H),7.11(dt,J=8,1Hz,1H),7.06(d,J=3Hz,1H)。
13C NMR(100.5MHz)δ172.0,158.3,148.7,136.7,134.1,133.2,129.23,129.16,128.0,127.4,125.0,123.6,122.9,121.4,110.0。
【0107】
実施例48
N-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1-(1-メチルピペラジン-4-カルボニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド
(a)N-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド
副題化合物を実施例30(a)において上述した手順に従って、ジピラゾロ[1,5-a;1',5'-d]ピラジン-4,9-ジオン(実施例6(a)参照)及び2-クロロ-4-フルオロアニリンを使用して調製した。
MS(M)m/z=239。
H NMR(DMSO-D,300MHz)δ13.48(broad s,1H),9.67(s,1H),7.99(m,1H),7.91(d,1H),7.56(dd,1H),7.28(ddd,1H),6.81(d,1H)。
【0108】
(b)N(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1-(1-メチルピペラジン-4-カルボニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド
N-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(50mg,209μmol,1当量;上の工程(a)参照)を90℃でトルエン(5mL)中の4-メチル-ピペラジン-1-カルボニルクロリドの塩酸塩(83mg,410μmol,2当量)及びDMAP(50mg,410μmol,2当量)と混合した。その反応混合物を16時間撹拌したままにした後、冷却した。反応混合物からの沈殿物を集め、EtOH/EtOAcから再結晶させて、表題化合物の塩酸塩(白色粉末)を得た。0.5MのNaOH(水性)及び酢酸エチルをその塩に加えた。有機相を乾燥させ、濃縮して、オフホワイトの固形物として表題化合物の遊離塩基を得た。
MS:m/z=366(M+1)。
H NMR(CDCl):δ9.21(br s,1H),8.56(m,1H),8.17(d,J=3Hz,1H),7.18(m,1H),7.07(m,1H),6.98(d,J=3Hz,1H),3.99(m,4H),2.68(m,4H),2.44(s,3H)。
【0109】
実施例49
-(2-クロロフェニル)-N-(1-(2,2,2-トリフルオロアセチル)ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1,3-ジカルボキサミド
1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)アミド(50mg,226μmol,1当量;実施例30(a)参照)、2,2,2-トリフルオロ-1-(4-イソシアナトピペリジン-1-イル)エタノン(76mg,338μmol,1.5当量)及びDMAP(33mg,270mol,1.2当量)を室温でトルエンに加えた。反応物を24時間撹拌した後、過剰な溶媒を取り除いた。クロマトグラフィーによる精製により表題化合物を得た。
MS:m/z=444(M+1)。
H NMR(dmso-d):δ9.86(s,1H),8.52(d,J=8Hz,1H),8.45(d,J=3Hz,1H),7.76(dd,J=8,1Hz,1H),7.60(dd,J=8,1Hz,1H),7.42(dt,J=8,1Hz,1H),7.31(dt,J=8Hz,1H),6.99(d,J=3Hz,1H),4.31(m,1H),4.12-4.02(m,1H),3.91(m,1H),3.43(t,J=12Hz,1H),3.08(t,J=12Hz,1H),2.09-1.99(m,2H),1.71-1.56(m,2H)。
【0110】
実施例50
ピラゾール-1,3-ジカルボン酸-1-[(3-クロロフェニル)アミド]-3-(メチルフェニルアミド)
(a)1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルフェニルアミド
ジピラゾロ[1,5-a;1',5'-d]ピラジン-4,9-ジオン(1.00g,5.30mmol;実施例6(a)参照)、N-メチルアニリン(5.00g,0.38mmol)、及び4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(0.650g,5.30mmol)の混合物を120℃で4時間撹拌した。室温まで冷却した後、EtOH(15ml)、水(50ml)及びイソ-ヘキサン(50ml)を添加した。得られた混合物を振盪した後、水性相を分離した。有機相を濃縮して粗生成物を得た(1.27g)。EtOHから再結晶する精製によって副題化合物を得た(収率:0.990g,47%)。
MS(M+H)m/z=202。
H NMR(DMSO-D,400MHz)δ7.60(s,1H),7.55-7.10(m,5H),6.15(s,1H),3.35(s,3H)。
【0111】
(b)ピラゾール-1,3-ジカルボン酸-1-[(3-クロロフェニル)アミド]-3-(メチル-フェニルアミド)
1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルフェニルアミド(0.200g,0.994mmol;上の工程(a)参照)、1-クロロ-3-イソシアナトベンゼン(0.183g,1.19mmol)及びトルエン(5ml)の混合物を100℃で18時間撹拌した。ついで、反応混合物を室温まで冷却し、溶媒を蒸発させた。ついで、イソ-ヘキサン(10ml)を添加し、生じた沈殿物を濾過した。ついで、沈殿物をイソ-ヘキサン(20ml)で洗浄した後、減圧下で乾燥させて、表題化合物を得た(収率:0.212g,60%)。
MS(M+H)m/z=356。
H NMR(CDCl,400MHz)δ8.45(s,1H),8.05(s,1H),7.60-7.00(m,9H),6.35(s,1H),3.50(s,3H)。
【0112】
実施例51
1-(4-tert-ブチルベンゼンスルホニル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルフェニルアミド
1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルフェニルアミド(0.200g,0.994mmol;実施例50(a)参照)、4-tert-ブチルベンゼンスルホニルクロリド(0.278g,1.19mmol)、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(0.146g,1.19mmol)及びジクロロメタン(5ml)の混合物を40℃で48時間撹拌した。ついで、その反応混合物を室温まで冷却し、ジクロロメタン(10ml)を添加し、混合物を水(10ml)で2回洗浄した。有機相を短いシリカプラグ(アセトンで溶出)で濾過し、濃縮した。粗生成物をヘキサンからの再結晶によって精製し、表題化合物を得た(収率:0.257g,65%)。
MS(M+H)m/z=399。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.87(s,1H),7.73-7.58(m,2H),7.53-7.41(m,2H),7.25-6.95(m,5),6.38(s,1H),3.40(s,3H),1.29(s,9H)。
13C NMR(CDCl,100.5MHz)δ162.4,158.7,151.8,144.0,133.5,131.0,129.1,128.2,127.3,126.5,110.0,38.4,35.5,31.0。
【0113】
実施例52
1-(3-クロロベンゼンスルホニル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルフェニルアミド
1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルフェニルアミド(0.100g,0.497mmol;実施例50(a)参照)、3-クロロベンゼンスルホニルクロリド(0.126g,0.596mmol)、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(0.073g,0.596mmol)及びジクロロメタン(5ml)の混合物を40℃で48時間撹拌した。ついで、反応混合物を室温まで冷却し、ジクロロメタン(20ml)を添加し、混合物を水(10ml)で2回洗浄した。有機相を短いシリカプラグ(アセトンで溶出)で濾過し、濃縮した。粗生成物をイソ-ヘキサンからの再結晶によって精製し、白色結晶として表題化合物を得た(収率:0.140g,75%)。
MS(M+H)m/z=376。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.92(s,1H),7.74(s,1H),7.67-7.50(m,2H),7.48-7.34(m,1H),7.33-6.92(m,5H),6.50(s,1H),3.50(s,3H)。
13C NMR(CDCl,100.5MHz)δ162.0,152.4,143.9,138.1,135.5,134.9,131.2,130.7,129.1,128.3,127.5,127.2,126.5,110.5,38.4。
【0114】
実施例53
1-(3-クロロベンゾイル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルフェニルアミド
1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルフェニルアミド(0.100g,0.497mmol;実施例50(a)参照)、3-クロロベンゾイルクロリド(0.104g,0.596mmol)、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(0.073g,0.596mmol)及びジクロロメタン(5ml)の混合物を40℃で48時間撹拌した。ついで、反応混合物を室温まで冷却し、ジクロロメタン(10ml)を添加し、混合物を水(10ml)で2回洗浄した。有機相を短いシリカプラグ(アセトンで溶出)で濾過し、濃縮した。粗生成物をイソ-ヘキサン、ベンゼン及びジエチルエーテルからの再結晶によって精製し、白色結晶として表題化合物を得た(収率:0.025g,15%)。
MS(M+H)m/z=340。
H NMR(CDCl,400MHz)δ8.26(s,1H),7.84(s,1H),7.58-7.10(m,8H),6.65(s,1H),3.50(s,3H)。
【0115】
実施例54
3-(メチルフェニルカルバモイル)ピラゾール-1-カルボン酸2-クロロベンジルエステル
1H-ピラゾール-3-カルボン酸メチルフェニルアミド(0.100g,0.497mmol;実施例50(a)参照)、クロロギ酸2-クロロベンジル(0.122g,0.596mmol)、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(0.073g,0.596mmol)及びジクロロメタン(5ml)の混合物を40℃で48時間撹拌した。ついで、反応混合物を室温まで冷却し、ジクロロメタン(10ml)を添加し、混合物を水(10ml)で2回洗浄した。有機相を分離し濃縮した。ついで、粗生成物をイソ-ヘキサンから、次にMeOH、最後にベンゼンからの再結晶化によって精製して、白色結晶として表題化合物を得た(収率:0.050g,27%)。
MS(M+H)m/z=370。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.90(s,1H),7.55-7.05(m,9H),6.20(s,1H),5.48(s,2H),3.50(s,3H)。
分析 Cl19l6ClNに対する計算値: C,61.71;H,4.36; 実測値: C,61.29:H,4.66。
【0116】
実施例55
ピラゾール-1,3-ジカルボン酸1-ブチルアミド3-[(2-クロロフェニル)メチルアミド
1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)メチルアミド(0.052g,0.220mmol;実施例43(a)参照)、1-イソシアナトブタン(0.026g,0.265mmol)、及びトルエン(5ml)の混合物を100℃で20時間撹拌した。次に、その反応混合物を室温まで冷却した。ついで、溶媒を蒸発させ、ジエチルエーテル(30ml)を添加し、得られた沈殿物を濾過した。母液を蒸発させて、濃厚な油として表題化合物を得た(収率:0.054g,73%)。
MS(M+H)m/z=335。
【0117】
実施例56
ピラゾール-1,3-ジカルボン酸1-ベンジルアミド3-[(2-クロロフェニル)メチルアミド]
1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロフェニル)メチルアミド(0.052g,0.220mmol;実施例43(a)参照)、イソシアナトメチルベンゼン(0.036g,0.270mmol)、及びトルエン(5ml)の混合物を100℃で24時間撹拌した。その反応混合物を次に室温まで冷却し、濾過し、濃縮した後、高真空下で3日間乾燥させて、純粋な表題化合物を得た(収率:0.048g,58%)。
MS(M+H)m/z=369。
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.98(m,1H),7.48-7.10(m,7H),7.08-7.0(m,1H),6.91-6.83(m,1H),6.61-6.55(m,1H),6.45(br s,1H),4.50-4.30(m,2H),3.35(s,3H);
13C NMR(CDCl,100.5MHz)δ161.9,149.0,148.4,142.0,136.9,133.2,130.1,130.0,129.2,128.9,128.6,128.5,128.2,127.5,110.4,44.5,37.1。
【0118】
実施例57
ピラゾール-1,3-ジカルボン酸1-(ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルアミド)3-(2-クロロピリジン-3-イル)アミド
(a)1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロピリジン-3-イル)アミド
ジピラゾロ[1,5-a;1',5'-d]ピラジン-4,9-ジオン(2.66mmol,500mg,実施例6(a)参照)、3-アミノ-2-クロロピリジン(6.64mmol,854mg)、及びDMAP(1.33mmol,162mg)の混合物を、パーソナルケミストリーのスミス合成装置を備えた電子レンジを使用して5分間190℃にて加熱した。その反応混合物を放置して冷却し、水(10mL)及びEtOAc(10mL)と混合した。有機層を分離し、水性層を酢酸エチル(3x5mL)で抽出した。混合した有機相を濃縮し、分取HPLCによって精製して、139mgの副題化合物を白色固形物として得た。
MS(M)m/z=222。
H NMR(DMSO-D,300MHz)δ13.63(broad s,1H),9.60(broad s,1H),8.48(d,1H),8.22(dd,1H),7.95(d,1H),7.50(dd,1H),6.83(d,1H)。
【0119】
(b)ピラゾール-l,3-ジカルボン酸1-(ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルアミド)3-(2-クロロ-ピリジン-3-イル)アミド
1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロピリジン-3-イル)アミド(0.25mmol,55mg;上の工程(a)参照)、3,4-メチレンジオキシフェニルイソシアネート(0.30mmol,49mg)及びトルエン(0.5mL)の混合物を、パーソナルケミストリーのスミス合成装置を備えた電子レンジを使用して10分間180℃にて加熱した。イソヘキサン(4mL)を添加して表題化合物を沈殿させ、濾過によって集めた(収量34mg)。
MS(M+H)m/z=385。
H NMR(CDCl,300MHz)δ9.22(s,1H),8.92(dd,1H),8.79(s,1H),8.43(d,1H),8.20(dd,1H),7.37(dd,1H),7.31(d,1H),7.10(d,1H),6.95(dd,1H),6.86(d,1H),6.04(s,2H)。
【0120】
実施例58
6-{[3-(2-クロロピリジン-3-イルカルバモイル)ピラゾール-1-カルボニル]-アミノ}ヘキサン酸エチルエステル
表題化合物を実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロピリジン-3-イル)アミド(実施例57(a)参照)及び6-イソシアナトヘキサン酸エチルから調製した。
MS(M)m/z=407。
H NMR(CDCl,300MHz)δ9.19(s,1H),8.88(dd,1H),8.33(d,1H),8.18(dd,1H),7.35(ddd,1H),7.10(t,1H),7.02(d,1H),4.12(q,2H),3.52(q,2H),2.35(t,2H),1.80-1.66(m,4H),1.54-1.42(m,2H),1.25(t,3H)。
【0121】
実施例59
ピラゾール-1,3-ジカルボン酸3-(2-クロロピリジン-3-イル)アミド)1-ペンチル-アミド
表題化合物を実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸(2-クロロピリジン-3-イル)アミド(実施例57(a)参照)及びイソシアン酸ペンチルから調製した。
MS(M)m/z=335。
H NMR(CDCl,300MHz)δ9.17(s,1H),8.89(dd,1H),8.32(d,1H),8.17(dd,1H),7.33(dd,1H),7.05(t,1H),7.01(d,1H),3.50(q,2H),1.76-1.64(m,2H),1.46-1.37(m,4H),0.99-0.90(m,3H)。
【0122】
実施例60
ピラゾール-1,3-ジカルボン酸1-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルアミド3-(2-フルオロ-5-トリフルオロメチルフェニルアミド)
(a)1H-ピラゾール-3-カルボン酸2-フルオロ-5-トリフルオロメチルフェニルアミド
副題化合物を実施例57(a)において上述した手順に従って、ジピラゾロ[1,5-a;1',5'-d]ピラジン-4,9-ジオン(実施例6(a)参照)及び2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)アニリンを使用して調製した。
MS(M)m/z=273。
H NMR(DMSO-D,300MHz)δ12.94(broad s,1H),9.45(broad s,1H),8.26(dd,1H),7.91(d,1H),7.62(dd,1H),7.55(dd,1H),6.83(d,1H)。
【0123】
(b)ピラゾール-1,3-ジカルボン酸1-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルアミド3-(2-フルオロ-5-トリフルオロメチルフェニルアミド)
表題化合物を実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸2-フルオロ-5-トリフルオロメチルフェニルアミド(上の工程(a)参照)及び3,4-(メチレンジオキシ)フェニルイソシアネートから調製した。
MS(M)m/z=436。
H NMR(DMSO-D,300MHz)δ10.43(broad s,1H),10.17(broad s,1H),8.55(d,1H),8.29(dd,1H),7.70(ddd,1H),7.60(dd,1H),7.31(d,1H),7.12(dd,1H),7.06(d,1H),6.98(d,1H),6.06(s,2H)。
【0124】
実施例61
ピラゾール-1,3-ジカルボン酸3-(2-フルオロ-5-トリフルオロメチルフェニルアミド)1-(3-トリフルオロメチルフェニルアミド)
表題化合物を実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸2-フルオロ-5-トリフルオロメチルフェニルアミド(実施例60(a)参照)及び3-トリフルオロメチルフェニルイソシアネートから調製した。
MS(M)m/z=460。
H NMR(CDCl,400MHz)δ9.00(s,1H),8.90-8.86(m,2H),8.44(d,1H),7.96(dd,1H),7.88(dd,1H),7.59(dd,1H),7.51(ddd,1H),7.43(dddd,1H),7.30(ddd,1H),7.13(d,1H)。
【0125】
実施例62
ピラゾール-1,3-ジカルボン酸3-(3-シアノフェニルアミド)1-(4-トリフルオロメトキシフェニルアミド)
(a)1H-ピラゾール-3-カルボン酸3-シアノフェニルアミド
副題化合物を実施例57(b)において上述した手順に従って、ジピラゾロ[1,5-a;1',5'-d]ピラジン-4,9-ジオン(実施例6(a)参照)及び3-シアノアニリンを使用して調製した。
MS(M)m/z=212。
H NMR(DMSO-D,300MHz)δ13.53(s,1H),10.45(s,1H),8.28(s,1H),8.10(dd,1H),7.90(s,1H),7.50-7.60(m,2H),6.80(s,1H)。
【0126】
(b)ピラゾール-1,3-ジカルボン酸3-(3-シアノフェニルアミド)1-(4-トリフルオロ-メトキシフェニルアミド)
表題化合物を実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸3-シアノフェニルアミド(上の工程(a)参照)及び4-(トリフルオロメトキシ)フェニルイソシアネートから調製した。
MS(M)m/z=415。
H NMR(CDCl,300MHz)δ9.00(s,1H),8.75(s,1H),8.43(s,1H),8.10-8.03(m,2H),7.77-7.70(m,2H),7.53(dd,1H),7.46(ddd,1H),7.35-7.29(m,2H),7.12(d,1H)。
【0127】
実施例63
ピラゾール-1,3-ジカルボン酸3-(2-クロロ-4-フルオロフェニルアミド)1-(4-トリフルオロメトキシフェニルアミド)
表題化合物を実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸2-クロロ-4-フルオロフェニルアミド(実施例48(a)参照)及び4-(トリフルオロメトキシ)フェニルイソシアネートから調製した。
MS(M)m/z=442。
H NMR(CDCl,300MHz)δ9.07(s,1H),8.95(s,1H),8.60-8.34(m,2H),7.70-7.60(m,2H),7.40-7.18(m,3H),7.17-7.00(m,2H)。
【0128】
実施例64
ピラゾール-1,3-ジカルボン酸1-(ベンゾ[l,3]ジオキソール-5-イルアミド)3-(2-クロロ-4-フルオロフェニルアミド
表題化合物を実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸2-クロロ-4-フルオロフェニルアミド(実施例48(a)参照)及び3,4-(メチレンジオキシ)フェニルイソシアネートから調製した。
MS(M)m/z=402。
H NMR(CDCl,300MHz)δ9.09(s,1H),8.79(s,1H),8.52(dd,1H),8.41(d,1H),7.30(d,1H),7.23(dd,1H),7.09(ddd,1H),7.08(d,1H),6.95(dd,1H),6.86(d,1H),6.04(s,2H)。
【0129】
実施例65
6-{[3-(2-クロロ-4-フルオロフェニルカルバモイル)ピラゾール-1-カルボニル]-アミノ}-ヘキサン酸エチルエステル
表題化合物を実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸2-クロロ-4-フルオロフェニルアミド(実施例48(a)参照)及び6-イソシアナトヘキサン酸エチルから調製した。
MS(M)m/z=424。
H NMR(CDCl,300MHz)δ9.06(s,1H),8.48(dd,1H),8.32(d,1H),7.21(dd,1H),7.10(t,1H),7.08(ddd,1H),7.02(d,1H),4.12(q,2H),3.51(q,2H),2.35(t,2H),1.79-1.65(m,4H),1.53-1.41(m,2H),1.25(t,3H)。
【0130】
実施例66
ピラゾール-1,3-ジカルボン酸3-(2-クロロ-4-フルオロフェニルアミド)1-ペンチルアミド
表題化合物を実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸2-クロロ-4-フルオロフェニルアミド(実施例48(a)参照)及びイソシアン酸ペンチルから調製した。
MS(M)m/z=352。
H NMR(CDCl,300MHz)δ9.08(s,1H),8.51(dd,1H),8.32(d,1H),7.21(dd,1H),7.13-7.00(m,1H),3.50(q,2H),1.78-1.65(m,2H),1.47-1.38(m,4H),1.00-0.92(m,3H)。
【0131】
実施例67
ピラゾール-1,3-ジカルボン酸3-(2,6-ジクロロフェニルアミド)1-(4-トリフルオロメトキシフェニルアミド)
(a)1H-ピラゾール-3-カルボン酸2,6-ジクロロフェニルアミド
副題化合物を実施例57(a)において上述した手順に従って、ジピラゾロ[1,5-a;1',5'-d]ピラジン-4,9-ジオン(実施例6(a)参照)及び2,6-ジクロロアニリンを使用して調製した。
MS(M)m/z=255。
H NMR(DMSO-D,300MHz)δ13.45(broad s,1H),10.03(broad s,1H),7.87(s,1H),7.56(d,2H),7.37(t,1H),6.77(s,1H)。
【0132】
(b)ピラゾール-1,3-ジカルボン酸3-(2,6-ジクロロフェニルアミド)1-(4-トリフルオロ-メトキシフェニルアミド)
表題化合物を実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸2,6-ジクロロフェニルアミド(上の工程(a)を参照)及び4-(トリフルオロメトキシ)フェニルイソシアネートから調製した。
MS(M)m/z=458。
H NMR(CDCl,300MHz)δ9.01(s,1H),8.41(d,1H),8.36(s,1H),7.74-7.68(m,2H),7.47-7.42(m,2H),7.33-7.26(m,3H),7.12(d,1H)。
【0133】
実施例68
ピラゾール-1,3-ジカルボン酸3-(2-ブロモ-4-トリフルオロメトキシフェニルアミド)1-(3-トリフルオロメチルフェニルアミド)
(a)1H-ピラゾール-3-カルボン酸2-ブロモ-4-トリフルオロメトキシフェニルアミド
副題化合物を実施例57(a)において上述した手順に従って、ジピラゾロ[1,5-a;1',5'-d]ピラジン-4,9-ジオン(実施例6(a)参照)及び2-ブロモ-4-トリフルオロメトキシアニリンを使用して調製した。
MS(M)m/z=349。
H NMR(DMSO-D,300MHz)δ13.63(broad s,1H),9.70(broad s,1H),8.21(d,1H),7.93(d,1H),7.82(dd,1H),7.49(ddd,1H),6.83(d,1H)。
【0134】
(b)ピラゾール-1,3-ジカルボン酸3-(2-ブロモ-4-トリフルオロメトキシフェニルアミド)1-(3-トリフルオロメチルフェニルアミド)
表題化合物を実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸2-ブロモ-4-トリフルオロメトキシフェニルアミド(上の工程(a)を参照)及び3-トリフルオロメチルフェニルイソシアネートから調製した。
MS(M)m/z=536。
H NMR(DMSO-D,300MHz)δ13.57(s,1H),9.70(s,1H),8.21(d,1H),7.95(d,1H),7.83(dd,1H),7.54-7.47(m,1H),7.20(t,1H),6.86-6.73(m,3H)。
【0135】
実施例69
ピラゾール-1,3-ジカルボン酸1-(ベンゾ[l,3]ジオキソール-5-イルアミド)3-(2-ブロモ-4-トリフルオロメトキシフェニルアミド)
表題化合物を実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸2-ブロモ-4-トリフルオロメトキシフェニルアミド(実施例68(a)参照)及び3,4-(メチレンジオキシ)フェニルイソシアネートから調製した。
MS(M)m/z=512。
H NMR(CDCl,300MHz)δ9.24(s,1H),8.81(s,1H),8.62(d,1H),8.42(d,1H),7.54(dq,1H),7.34-7.29(m,2H),7.09(d,1H),6.94(dd,1H),6.86(d,1H),6.04(s,2H)。
【0136】
実施例70
ピラゾール-1,3-ジカルボン酸3-(2-ブロモ-4-トリフルオロメトキシフェニルアミド)1-ペンチルアミド
表題化合物を実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸2-ブロモ-4-トリフルオロメトキシフェニルアミド(実施例68(a)参照)及びイソシアン酸ペンチルから調製した。
MS(M)m/z=462。
H NMR(CDCl,300MHz)δ9.22(s,1H),8.61(d,1H),8.33(d,1H),7.52(d,1H),7.29(dd,1H),7.05(t,1H),7.03(t,1H),3.51(q,2H),1.78-1.65(m,2H),1.47-1.37(m,4H),1.00-0.93(m,3H)。
【0137】
実施例71
6-{[3-(2-ブロモ-4-トリフルオロメトキシフェニルカルバモイル)ピラゾール-1-カルボニル]アミノ}ヘキサン酸エチルエステル
表題化合物を実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸2-ブロモ-4-トリフルオロメトキシフェニルアミド(実施例68(a)参照)及び6-イソシアナトヘキサン酸エチルから調製した。
MS(M)m/z=534。
H NMR(CDCl,300MHz)δ9.20(s,1H),8.58(d,1H),8.33(d,1H),7.52(dq,1H),7.29(dd,1H),7.09(t,1H),7.03(d,1H),4.12(q,2H),3.52(q,2H),2.36(t,2H),1.79-1.66(m,4H),1.54-1.42(m,2H),1.26(t,3H)。
【0138】
実施例72
6-{[3-(3-メチルピリジン-2-イルカルバモイル)ピラゾール-1-カルボニル]アミノ}ヘキサン酸エチルエステル
(a)1H-ピラゾール-3-カルボン酸(3-メチルピリジン-2-イル)アミド
副題化合物を実施例57(a)において上述した手順に従って、ジピラゾロ[l,5-a;1',5'-d]ピラジン-4,9-ジオン(実施例6(a)参照)及び2-アミノ-3-メチルピリジンを使用して調製した。
MS(M)m/z=202。
H NMR(DMSO-D,300MHz)δ13.44(s,1H),10.09(s,1H),8.29(dd,1H),7.84(s,1H),7.71(dd,1H),7.24(dd,1H),6.84(s,1H),2.21(s,3H)。
【0139】
(b)6-{[3-(3-メチルピリジン-2-イルカルバモイル)ピラゾール-1-カルボニル]アミノ}ヘキサン酸エチルエステル
表題化合物を、実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸(3-メチルピリジン-2-イル)アミド(上の工程(a)参照)及び6-イソシアナトヘキサン酸エチルから調製した。
MS(M)m/z=387。
H NMR(DMSO-D,300MHz)δ10.30(s,1H),8.69(t,1H),8.39(d,1H),8.33(dd,1H) 7.77(dd,1H) 7.30(dd,1H)6.97(d,1H)4.02(q,2H),3.30(dt,2H),2.29(t,2H),2.23(s,3H),1.64-1.50(m,4H),1.40-1.27(m,2H),1.15(t,3H)。
【0140】
実施例73
ピラゾール-1,3-ジカルボン酸3-(3-メチルピリジン-2-イル)アミド)1-ペンチルアミド
表題化合物を、実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸(3-メチルピリジン-2-イル)アミド(実施例72(a)参照)及びイソシアン酸ペンチルから調製した。
MS(M)m/z=315。
H NMR(CDCl,300MHz)δ9.07(s,1H),8.30(d,1H),8.28(d,1H),7.65(d,1H),7.18(dd,1H),7.12(t,1H),6.98(d,1H),3.44(q,2H),2.38(s,3H),1.71-1.59(m,2H),1.43-1.33(m,4H),0.97-0.89(m,3H)。
【0141】
実施例74
6-{[3-(2-メトキシ-6-メチルフェニルカルバモイル)ピラゾール-1-カルボニル]アミノ}-ヘキサン酸エチルエステル
(a)1H-ピラゾール-3-カルボン酸2-メトキシ-6-メチルフェニルアミド
副題化合物を、実施例57(a)において上述した手順に従って、ジピラゾロ[1,5-a;1',5'-d]ピラジン-4,9-ジオン(実施例6(a)参照)及び2-メトキシ-6-メチルアニリンから調製した。
MS(M)m/z=231。
H NMR(DMSO-D,300MHz)δ13.35(s,1H),9.15(s,1H),7.83(s,1H),7.17(dd,1H),6.89(d,1H),6.85(d,1H),6.75(s,1H),3.73(s,3H),2.15(s,3H)。
【0142】
(b)6-{[3-(2-メトキシ-6-メチルフェニルカルバモイル)ピラゾール-1-カルボニル]-アミノ}ヘキサン酸エチルエステル
表題化合物を、実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸2-メトキシ-6-メチルフェニルアミド(上の工程(a)参照)及び6-イソシアナトヘキサン酸エチルから調製した。
MS(M)m/z=416。
H NMR(CDCl,300MHz)δ8.29(d,1H),8.26(s,1H),7.28(s,1H),7.26-7.16(m,1H),7.00(d,1H),6.91(d,1H),6.81(d,1H),4.08(q,2H),3.84(s,3H),3.50(q,2H),2.35(t,2H),2.32(s,3H),1.78-1.64(m,4H),1.54-1.41(m,2H),1.22(t,3H)。
【0143】
実施例75
ピラゾール-1,3-ジカルボン酸1-(ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルアミド)3-(4-トリフルオロメチルフェニルアミド)
(a)1H-ピラゾール-3-カルボン酸4-トリフルオロメチルフェニルアミド
副題化合物を、実施例57(a)において上述した手順に従って、ジピラゾロ[1,5-a;1',5'-d]ピラジン-4,9-ジオン(実施例6(a)参照)及び4-トリフルオロメチルアニリンを用いて調製した。
MS(M)m/z=255。
H NMR(DMSO-D,300MHz)δ13.58(s,1H),10.46(s,1H),8.04(d,2H),7.89(d,1H),7.69(d,2H),6.84(d,1H)。
【0144】
(b)ピラゾール-1,3-ジカルボン酸1-(ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルアミド)3-(4-トリ-フルオロメチルフェニルアミド)
表題化合物を、実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸4-トリフルオロメチル-フェニルアミド(上の工程(a)参照)及び3,4-(メチレンジオキシ)フェニルイソシアネートから調製した。
MS(M)m/z=418。
H NMR(CDCN,300MHz)δ9.52(s,1H),9.47(s,1H),8.36(d,1H),8.00(d,2H),7.70(d,2H),7.34(d,1H),7.11(dd,1H),6.99(d,1H),6.88(d,1H),6.01(s,2H)。
【0145】
実施例76
ピラゾール-1,3-ジカルボン酸1-ペンチルアミド3-(4-トリフルオロメチルフェニル-アミド)
表題化合物を、実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸4-トリフルオロメチルフェニルアミド(実施例75(a)参照)及びイソシアン酸ペンチルから調製した。
MS(M)m/z=368。
H NMR(CDCl,300MHz)δ8.67(s,1H),8.31(d,1H),7.83(d,2H),7.64(d,2H),7.06(t,1H),7.02(d,1H),3.48(q,2H),1.76-1.65(m,2H),1.45-1.36(m,4H),0.98-0.90(m,3H)。
【0146】
実施例77
6-{3-(4-トリフルオロメチルフェニルカルバモイル)ピラゾール-1-カルボニル]アミノ}ヘキサン酸エチルエステル
表題化合物を、実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸4-トリフルオロメチル-フェニルアミド(実施例75(a)参照)及び6-イソシアナトヘキサン酸エチルから調製した。
MS(M)m/z=440。
H NMR(CDCl,300MHz)δ8.86(s,1H),8.31(d,1H),7.87(d,2H),7.65(d,2H),7.19(t,1H),7.03(d,1H),4.10(q,2H),3.52(q,2H),2.38(t,2H),1.80-1.68(m,4H),1.55-1.43(m,2H),1.23(t,3H)。
【0147】
実施例78
ピラゾール-1,3-ジカルボン酸ビス(ベンゾ[1,3]ジオキソ]-5-イルアミド)
(a)1H-ピラゾール-3-カルボン酸ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルアミド
副題化合物を、実施例57(a)において上述した手順に従って、ジピラゾロ[1,5-a;1',5'-d]ピラジン-4,9-ジオン(実施例6(a)参照)及び3,4-(メチレンジオキシ)アニリンを使用して調製した。
MS(M)m/z=231。
H NMR(DMSO-D,300MHz)δ13.39(s,1H),9.97(s,1H),7.88(s,1H),7.47(s,1H),7.27(d,1H),6.87(d,1H),6.74(s,1H),5.99(s,2H)。
【0148】
(b)ピラゾール-1,3-ジカルボン酸ビス(ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルアミド)
表題化合物を、実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルアミド(上の工程(a)参照)及び3,4-(メチレンジオキシ)フェニルイソシアネートから調製した。
MS(M)m/z=394。
H NMR(CDCN,300MHz)δ9.42(s,1H),9.18(s,1H),8.37(d,1H),7.47(dd,1H),7.34(dd,1H),7.17-7.07(m,2H),6.97(d,1H),6.93-6.85(m,2H),6.02(s,2H),6.00(s,2H)。
【0149】
実施例79
ピラゾール-1,3-ジカルボン酸3-(ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルアミド)1-ペンチルアミド
表題化合物を、実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸ベンゾ[l,3]ジオキソール-5-イルアミド(実施例78(a)を参照)及びイソシアン酸ペンチルから調製した。
MS(M)m/z=344。
H NMR(CDCl,300MHz)δ8.46(s,1H),8.27(d,1H),7.39(d,1H),7.08(t,1H),6.98(d,1H),6.95(d,1H),6.78(d,1H),5.98(s,2H),3.46(q,2H),1.74-1.63(m,2H),1.43-1.35(m,4H),0.97-0.89(m,3H)。
【0150】
実施例80
6-{[3-(ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルカルバモイル)ピラゾール-1-カルボニル]-アミノ}-ヘキサン酸エチルエステル
表題化合物を、実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルアミド(実施例78(a)参照)及び6-イソシアナトヘキサン酸エチルから調製した。
MS(M)m/z=416。
H NMR(CDCl,300MHz)δ8.63(s,1H),8.27(d,1H),7.40(d,1H),7.22(t,1H),6.99(dd,1H),6.98(d,1H),6.78(d,1H),5.98(s,2H),4.10(q,2H),3.48(q,2H),2.35(t,2H),1.77-1.64(m,4H),1.52-1.39(m,2H),1.23(t,3H)。
【0151】
実施例81
ピラゾール-1,3-ジカルボン酸1-(ベンゾ[l,3]ジオキソール-5-イルアミド)3-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミド)
(a)1H-ピラゾール-3-カルボン酸3-クロロ-4-フルオロフェニルアミド
副題化合物を、実施例57(a)において上述した手順に従って、ジピラゾロ[l,5-a;1',5'-d]ピラジン-4,9-ジオン(実施例6(a)参照)及び3-クロロ-4-フルオロアニリンを用いて調製した。
MS(M)m/z=239。
H NMR(DMSO-D,300MHz)δ13.60(broad s,1H),10.30(broad s,1H),8.09(dd,1H),7.87(s,1H),7.77(ddd,1H),7.48(t,1H),6.80(s,1H)。
【0152】
(b)ピラゾール-1,3-ジカルボン酸1-(ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルアミド) 3-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミド)
表題化合物を、実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸3-クロロ-4-フルオロフェニル-アミド(上の工程(a)参照)及び3,4-(メチレンジオキシ)フェニルイソシアネートから調製した。
MS(M)m/z=402。
H NMR(CDCl,300MHz)δ8.76(s,1H),8.56(s,1H),8.40(d,1H),7.88(dd,1H),7.58(ddd,1H),7.29(d,1H),7.18(dd,1H),7.07(d,1H),6.98(dd,1H),6.85(d,1H),6.04(s,2H)。
【0153】
実施例82
6-{-(3-クロロ-4-フルオロフェニルカルバモイル)ピラゾール-1-カルボニル]アミノ}ヘキサン酸エチルエステル
表題化合物を、実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸3-クロロ-4-フルオロフェニル-アミド(実施例81(a)参照)及び6-イソシアナトヘキサン酸エチルから調製した。
MS(M)m/z=424。
H NMR(CDCl,300MHz)δ8.74(s,1H),8.29(d,1H),7.86(dd,1H),7.58(ddd,1H),7.19(t,1H),7.14(dd,1H),7.00(d,1H),4.09(q,2H),3.50(q,2H),2.37(t,2H),1.79-1.66(m,4H),1.53-1.41(m,2H),1.23(t,3H)。
【0154】
実施例83
ピラゾール-1,3-ジカルボン酸3-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミド)1-ペンチル-アミド
表題化合物を、実施例57(b)において上述した手順に従って、1H-ピラゾール-3-カルボン酸3-クロロ-4-フルオロフェニル-アミド(実施例81(a)参照)及びイソシアン酸ペンチルから調製した。
MS(M)m/z=352。
H NMR(CDCl,300MHz)δ8.53(s,1H),8.30(d,1H),7.83(dd,1H),7.54(ddd,1H),7.14(dd,1H),7.07(t,1H),6.99(d,1H),3.47(q,2H),1.75-1.62(m,2H),1.45-1.34(m,4H),0.98-0.89(m,3H)。
【0155】
実施例84
上述した生物学的試験法を使用して得た15-リポキシゲナーゼの阻害を、次の表にまとめたように、上記実施例の化合物によって実証した:
実施例1: 45%
実施例8: 50%
実施例14: 39%
実施例23: 44%
実施例26: 45%

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I

[上式中、
は、アリール基又はヘテロアリール基であって、両基ともG及びBから選択される一又は複数の置換基によって置換されていてもよい基を表し、該B基自体はG、Z(但し、Zはアリール又はヘテロアリール基に直接には結合していない)及びB(但し、B基はG、B及びZから選択される一又は複数の置換基によって更に置換されていてもよく、但しZはアリール又はヘテロアリール基に直接には結合していない)から選択される一又は複数の置換基によって更に置換されていてもよく、
は、H又はC1−6アルキルを表し、後者の基は一又は複数のハロ基によって置換されていてもよいか;
あるいは、
がハロによって置換されていてもよいC1−6アルキルを表す場合、R及びRは互いに結合し、1〜3のヘテロ原子及び/又は1〜3の二重結合を含んでいてもよい更なる5〜7員環を形成してもよく、該環自体はG、Z(但し、環は芳香族性ではない)及びB(但し、B基は上記の通りに置換されていてもよい)から選択される一又は複数の置換基によって置換されていてもよいかの何れかであり;
は、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−8シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであって、その全基はG1a、Z(但し、Zはアリール又はヘテロアリール基に直接には結合していない)及びB(該B基はアリール又はヘテロアリール基に直接には結合していない)から選択される一又は複数の置換基によって置換されていてもよい基を表し;
Xは、直接結合、-O-又は-N(R)-を表し;
Yは、-C(O)-、-C(S)-又は-S(O)-を表し;
、B及びBは、上で用いられるそれぞれの場合には、独立して、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−8シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールを表し、
、G1a、G及びGは、上で用いられるそれぞれの場合には、独立して、ハロ、シアノ、-N、-NO、-ONO又は-A-Rを表し;
ここで、Aは、-C(Z)A-、-N(R)A-、-OA-、-S-又は-S(O)-から選択されるスペーサー基を表し、ここで、
は単結合、-O-、-S-又は-N(R)-を表し;
は、A、-C(Z)N(R)C(Z)N(R)-、-C(Z)N(R)C(Z)O-、-C(Z)N(R)S(O)N(R)-、-C(Z)S-、-S(O)-、-S(O)N(R)C(Z)N(R)-、-S(O)N(R)C(Z)O-、-S(O)N(R)S(O)N(R)-、-C(Z)O-、-S(O)N(R)-又は-S(O)O-を表し;
は、A、-S(O)-、-C(Z)O-、-S(O)N(R)-又は-S(O)O-を表し;
は単結合、-N(R)-又は-O-を表し;
は単結合、-C(Z)-又は-C(Z)N(R)-を表し;
Zは、上で用いられるそれぞれの場合には、=O、=S、=NR、=NN(R)(R)、=NOR、=NS(O)N(R)(R)、=NCN、=CHNO及び=C(R)(R)から選択される二重結合によって連結された置換基を表し;
及びRは、上で用いられるそれぞれの場合には、独立して、H又はBを表し、該B基自体はG、Q(但し、Qはアリール又はヘテロアリール基に直接には結合していない)及びB(該B基自体はG、Q(但し、Qはアリール又はヘテロアリール基に直接には結合していない)及びBから選択される一又は複数の置換基によって置換されていてもよい)から選択される一又は複数の置換基によって置換されていてもよく;あるいは
及びRが共に置換されていてもよいB基を表すとき、その任意の対は、例えば同一原子又は隣接原子上に存在する場合は、互いに結合していて、それら又は他の関連原子と共に、1〜3のヘテロ原子及び/又は1〜3の二重結合を含んでいてもよい5〜7員環を形成してもよく、該環自体はG、Q(但し、該環は芳香族性ではない)及びB(該B基は上記の通りに置換されていてもよい)から選択される一又は複数の置換基によって置換されていてもよく;
、B及びBは、上で用いられるそれぞれの場合には、独立して、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−8シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールを表し、
、G及びGは、上で用いられるそれぞれの場合には、独立して、ハロ、シアノ、-N、-NO、-ONO又は-A-Rを表し;
ここで、Aは、-C(Q)A-、-N(R)A-、-N(R7a)A9a-、-OA10-、-S-又は-S(O)11-から選択されるスペーサー基を表し、ここで、
は単結合、-O-、-S-又は-N(R)-を表し;
は、A12、-C(Q)S-、-S(O)-、-C(Q)O-、-S(O)N(R)-又は-S(O)O-を表し;
9aは、-C(Q)N(R)C(Q)N(R)-、-C(Q)N(R)C(Q)O-、-C(Q)N(R)S(O)N(R)-、-S(O)N(R)C(Q)N(R)-、-S(O)N(R)C(Q)O-、-S(O)N(R)S(O)N(R)-を表し;
10は、A12、-S(O)-、-C(Q)O-、-S(O)N(R)-又は-S(O)O-を表し;
11は単結合、-N(R)-又は-O-を表し;
12は単結合、-C(Q)-又は-C(Q)N(R)-を表し;
Qは、上で用いられるそれぞれの場合には、=O、=S、=NR、=NN(R)(R)、=NOR、=NS(O)N(R)(R)、=NCN、=CHNO及び=C(R)(R)から選択される二重結合によって連結された置換基を表し;
、R及びR7aは、上で用いられるそれぞれの場合には、独立して、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−8シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールを表し、後の7種の基はハロ、C1−6アルキル(一又は複数のハロ基で置換されていてもよい)、-N(R)R、-OR、-ONO及び-SRから選択される一又は複数の基で置換されていてもよく;あるいは
それらがHを表さないならば、RとRの任意の対は、例えば同一原子又は隣接原子上に存在する場合は、互いに結合していて、それら又は他の関連原子と共に、1〜3のヘテロ原子及び/又は1〜3の二重結合を含んでいてもよい5〜7員環を形成してもよく、該環自体はハロ、C1−6アルキル(一又は複数のハロ基で置換されていてもよい)、-N(R)R、-OR、-ONO及び-SRから選択される一又は複数の基で置換されていてもよく;
及びRは、上で用いられるそれぞれの場合には、独立して、H又はC1−6アルキルを表し、該後者の基は一又は複数のハロ基によって置換されていてもよく;
nは、上で用いられるそれぞれの場合には、1又は2を表す]の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であって、
但し、RがHを表し、Yが-C(O)-を表し、かつ:
(A)Xが直接結合を表し、かつ:
i)Rがフェニルを表す場合、Rはフェニル、2-メトキシフェニル、2-チアゾリル又は6-メチル-2-ピリジニルを表さず;
ii)Rが4-フルオロフェニルを表す場合、Rは2-カルボメトキシフェニル、3-カルボメトキシフェニル又は2,4-ジメチルフェニルを表さず;
iii)Rが2-クロロフェニルを表す場合、Rはフェニル、3-ブロモフェニル又は4-ブロモフェニルを表さず;
iv)Rが3-クロロフェニルを表す場合、Rはフェニル、2-フルオロフェニル、2-クロロフェニル、2,3-ジクロロフェニル又は2,5-ジクロロフェニルを表さず;
v)Rが4-クロロフェニルを表す場合、Rは3-ブロモフェニル又は4-メトキシフェニルを表さず;
vi)Rが3-ヨードフェニルを表す場合、Rは2-メトキシフェニル又は2,4-ジメチルフェニルを表さず;
vii)Rが2,4-ジクロロフェニルを表す場合、Rは4-クロロフェニル又は2,3-ジクロロフェニルを表さず;
viii)Rが3,5-ジニトロフェニルを表す場合、Rは2,3-ジクロロフェニルを表さず;
ix)Rが2,4-ジメチル-6-オキソ-6H-ピラン-3-イルを表す場合、Rは3-カルボメトキシフェニルを表さず;
x)Rがメチルを表す場合、Rは3,4-ジクロロフェニル、2-メトキシフェニル、2-チアゾリル、4-メチル-2-ピリジニル、6-メチル-2-ピリジニル又は4-アセチルフェニルを表さず;
xi)Rがエチルを表す場合、Rは2,3-ジクロロフェニル、4-メトキシフェニル、2-カルボメトキシフェニル、2-チアゾリル又は4-メチル-2-ピリジニルを表さず;
(B)Xが-N(H)-を表し、かつ:
i)Rがフェニルを表す場合、Rは4-メトキシフェニル、2,4-ジメチルフェニル又は2-チアゾリルを表さず;
ii)Rが3-クロロフェニルを表す場合、Rは4-メチルフェニルを表さず;
iii)Rが4-クロロフェニルを表す場合、Rは3-ブロモフェニルを表さず;
iv)Rが3,4-ジクロロフェニルを表す場合、Rは4-メチル-2-ピリジニル又は6-メチル-2-ピリジニルを表さず;
v)Rが2'-スルファモイルビフェニル-4-イルを表す場合、Rは5-ブロモ-2-ピリジニルを表さず;
vi)Rが1-プロピルを表す場合、Rはフェニルを表さず;
vii)Rが1-ブチルを表す場合、Rは4-ブロモフェニル又は2,4-ジメチルフェニルを表さず;
viii)Rがシクロヘキシルを表す場合、Rは4-メトキシフェニルを表さず;
(C)Xが-O-を表し、かつ:
i)Rがフェニルを表す場合、Rはフェニル又は6-メチル-2-ピリジニルを表さず;
ii)Rがメチルを表す場合、Rはフェニル、2-フルオロフェニル、2,4-ジメチルフェニル、4-アセチルフェニル又は2-チアゾリルを表さず;
iii)Rがエチルを表す場合、Rはフェニル、2-フルオロフェニル、4-アセチルフェニル又は4-メチル-2-ピリジニルを表さず;
iv)Rが1-ブチルを表す場合、Rは2-フルオロフェニル、2-メトキシフェニル、4-メチル-2-ピリジニル又は6-メチル-2-ピリジニルを表さず;
v)Rが2-ブチルを表す場合、Rは2-チアゾリル又は4-アセチルフェニルを表さず;
vi)Rが2-メチル-1-プロピルを表す場合、Rはフェニル又は3-ニトロフェニルを表さない化合物。
【請求項2】
がアリール又はヘテロアリール基を表し、その両基が請求項1に定義した通りに置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がハロ、シアノ又は-A-Rを表す、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
が置換されていてもよいC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、C4−7ヘテロシクロアルキル、又はフェニル基を表す、請求項1ないし3の何れか一項に記載の化合物。
【請求項5】
1aがハロ、シアノ、-NO又は-A-Rを表す、請求項1ないし4の何れか一項に記載の化合物。
【請求項6】
がハロ、シアノ、-ONO又は-A-Rを表す、請求項1ないし5の何れか一項に記載の化合物。
【請求項7】
がC1−6アルキル、C2−6アルケニル又はC2−6アルキニルを表し、その全てが一又は複数のG及び/又はB基で置換されていてもよい、請求項1ないし6の何れか一項に記載の化合物。
【請求項8】
がハロ、-ONO、-N(R)(R)又は-ORを表す、請求項1ないし7の何れか一項に記載の化合物。
【請求項9】
がC1−6アルキル、C2−6アルケニル又はC2−6アルキニルを表す、請求項1ないし8の何れか一項に記載の化合物。
【請求項10】
が-N(R)A-を表し、AがA、-C(Z)S-、-S(O)-、-C(Z)O-又は-S(O)N(R)-を表す、請求項1ないし9の何れか一項に記載の化合物。
【請求項11】
が-OA-を表し、AがAを表す、請求項1ないし9の何れか一項に記載の化合物。
【請求項12】
が-S(O)-を表し、A-が単結合又は-N(R)-を表す、請求項1ないし9の何れか一項に記載の化合物。
【請求項13】
が-C(Z)A-を表し、A-が単結合、-O-又は-N(R)-を表す、請求項1ないし9の何れか一項に記載の化合物。
【請求項14】
が-C(Z)A-、-N(R)A-又は-OA-を表す、請求項1ないし11又は13の何れか一項に記載の化合物。
【請求項15】
Zが=O又は=NRを表す、請求項1ないし14の何れか一項に記載の化合物。
【請求項16】
とRの任意の対が互いに結合して環を形成する場合、それらはG及び/又はBで置換されていてもよい、請求項1ないし15の何れか一項に記載の化合物。
【請求項17】
がハロ、シアノ、-ONO又は-A-Rを表す、請求項1ないし16の何れか一項に記載の化合物。
【請求項18】
がC1−6アルキル、C2−6アルケニル又はC2−6アルキニルを表し、その全てがG及び/又はB基で置換されていてもよい、請求項1ないし17の何れか一項に記載の化合物。
【請求項19】
がハロ、-ONO、-N(R)(R)又は-ORを表す、請求項1ないし18の何れか一項に記載の化合物。
【請求項20】
がC1−6アルキル、C2−6アルケニル又はC2−6アルキニルを表す、請求項1ないし19の何れか一項に記載の化合物。
【請求項21】
がハロ、シアノ又は-A-Rを表す、請求項1ないし20の何れか一項に記載の化合物。
【請求項22】
が-C(Q)A-、-N(R)A-、-OA10-、-S-又は-S(O)11-を表す、請求項1ないし21の何れか一項に記載の化合物。
【請求項23】
が-N(R)A-を表す場合、AがA12、-C(Q)S-、-S(O)-、-C(Q)O-又は-S(O)N(R)-を表す、請求項1ないし22の何れか一項に記載の化合物。
【請求項24】
が-OA10-を表す場合、A10がA12を表す、請求項1ないし22の何れか一項に記載の化合物。
【請求項25】
が-S(O)11-を表す場合、A11が単結合又は-N(R)-を表す、請求項1ないし22の何れか一項に記載の化合物。
【請求項26】
が-C(Q)A-を表す場合、Aが単結合、-O-又は-N(R)-を表す、請求項1ないし22の何れか一項に記載の化合物。
【請求項27】
Qが=O又は=NRを表す、請求項1ないし26の何れか一項に記載の化合物。
【請求項28】
、R及びR7aが独立して、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル又はC2−6アルキニルを表し、その基の全てがハロ、C1−6アルキル、-N(R)R、-OR及び-ONOから選択される一又は複数の基で置換されていてもよい、請求項1ないし27の何れか一項に記載の化合物。
【請求項29】
とRの任意の対が、互いに結合して環を形成し、該環が、ハロ、C1−6アルキル(一又は複数のハロ基で置換されていてもよい)、-N(R)R、-OR及び-ONOから選択される一又は複数の基で置換されていてもよい、請求項1ないし27の何れか一項に記載の化合物。
【請求項30】
が置換されていてもよいC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−8シクロアルキル、C4−7ヘテロシクロアルキル、又はフェニル基を表す、請求項1ないし29の何れか一項に記載の化合物。
【請求項31】
及び/又はRが独立してH又はC1−6アルキルを表し、後者の基は一又は複数のフルオロ基で置換されていてもよい、請求項1ないし30の何れか一項に記載の化合物。
【請求項32】
Xが直接結合、-O-、-N(H)-又は-N(Me)-を表す、請求項1ないし31の何れか一項に記載の化合物。
【請求項33】
がH、メチル又はエチルを表す、請求項1ないし32の何れか一項に記載の化合物。
【請求項34】
が置換されていてもよいフェニル、ナフチル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル、インダゾリル、インドリル、インドリニル、イソインドリニル、オキシインドリル、キノリニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル、キノリジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、クロマニル、ベンゾチオフェニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、1,3-ベンゾジオキソリル、ベンゾチアゾリル、又はベンゾジオキサニル基を表す、請求項1、32又は33の何れか一項に記載の化合物。
【請求項35】
が置換されていてもよいフェニル、2-ピリジニル、3-ピリジニル、2-チオフェニル、4-ピラゾリル、5-イソオキサゾリル、1,3-ベンゾジオキソリル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、又はキノリニル基を表す、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
任意置換基が、ハロ、シアノ、C1−6アルキル(該アルキルは直鎖状又は分枝状で、及び/又は一又は複数のフルオロ及び/又はC3−6シクロアルキル基で置換されていてもよい)、C2−6アルケニル、C3−6シクロアルキル、フェニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオメチル、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、-OR10、-N(R10)R11、-C(O)OR10、-C(O)R10、-C(O)N(R10)R11、-S(O)N(R10)R11及び-N(R10)S(O)12{ここで、R10及びR11は独立してH、フェニル、C1−6アルキル(該アルキルは一又は複数のフルオロ原子で置換されていてもよい)、C2−6アルケニル又はC3−6シクロアルキルを表すか;あるいはR10及びR11は互いに結合されて、それらが結合する窒素原子と共に、一つの更なるヘテロ原子を含んでいてもよく、一又は複数のC1−6アルキル基で置換されていてもよい5〜7員環を形成してもよく、該アルキル基自体は一又は複数のハロ基で置換されていてもよく;R12はフェニル、C1−6アルキル(該アルキルは一又は複数のフルオロ原子で置換されていてもよい)、C2−6アルケニル又はC3−6シクロアルキルで置換されていてもよい}から選択される、請求項34又は35に記載の化合物。
【請求項37】
任意置換基がカルボメトキシ、メチル、ジメチルアミノ、シアノ、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチル、ブロモ、メトキシ及びトリフルオロメトキシから選択される、請求項36に記載の化合物。
【請求項38】
が置換されていてもよいC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、フェニル、ナフチル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル、インダゾリル、インドリル、インドリニル、イソインドリニル、オキシインドリル、キノリニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル、キノリジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、クロマニル、ベンゾチオフェニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、1,3-ベンゾジオキソリル、ベンゾチアゾリル、又はベンゾジオキサニル基を表す、請求項1又は32ないし37の何れか一項に記載の化合物。
【請求項39】
が置換されていてもよいC1−6アルキル、シクロヘキシル、フェニル、2-チオフェニル、2-フラニル、3-フラニル、2-ピロリル、1-ナフチル、4-ピペラジニル、4-ピペリジニル、ベンゾフラニル、又は1,3-ベンゾジオキソリル基を表す、請求項38に記載の化合物。
【請求項40】
任意置換基が、ハロ、-NO、シアノ、C1−6アルキル(該アルキルは直鎖状又は分枝状で、及び/又は一又は複数のハロ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル及び/又はC3−6シクロアルキル基で置換されていてもよく、その後の3種の基自体は一又は複数のハロ及び/又はC1−6アルキル基で置換されていてもよい)、C2−6アルケニル(一又は複数のC1−6アルキル基で置換されていてもよい)、C3−6シクロアルキル(一又は複数のハロ基で置換されていてもよい)、フェニル(一又は複数のハロ基で置換されていてもよい)、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオメチル、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、=O、-OR13、-N(R13)R14、-C(O)OR13、-C(O)R13、-C(O)N(R13)R14、-S(O)N(R13)R14及び-N(R13)S(O)15{ここで、R13及びR14は独立してH、フェニル、C1−6アルキル(該アルキルは一又は複数のフルオロ原子で置換されていてもよい)、C2−6アルケニル又はC3−6シクロアルキルを表すか;あるいはR13及びR14は互いに結合されて、それらが結合する窒素原子と共に、一つの更なるヘテロ原子を含んでいてもよく、一又は複数のC1−6アルキル基で置換されていてもよい5〜7員環を形成してもよく、該アルキル基自体は一又は複数のハロ基で置換されていてもよく;R15はフェニル、C1−6アルキル(該アルキルは一又は複数のフルオロ原子で置換されていてもよい)、C2−6アルケニル又はC3−6シクロアルキルで置換されていてもよい}から選択される、請求項38又は39に記載の化合物。
【請求項41】
任意置換基が、メチル、エチル、エトキシ、トリフルオロメチル、フルオロ、クロロ、ヨード、フェニル、2-クロロフェニル、4-クロロフェニル、n-ペンチル、i-プロピル、ニトロ、t-ブチル、-CHCH=CHC17、トリフルオロアセチル、カルボメトキシ、カルボエトキシ及びトリフルオロメトキシから選択される、請求項40に記載の化合物。
【請求項42】
がフェニル、2-クロロフェニル、2-クロロ-4-フルオロフェニル、3-クロロ-4-フルオロフェニル、2,6-ジクロロフェニル、5-クロロ-2-シアノフェニル、2-フルオロ-5-トリフルオロメチルフェニル、2-ブロモ-4-トリフルオロメトキシフェニル、2-メトキシ-6-メチルフェニル、3-シアノフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、4-ジメチルアミノフェニル、4-カルボメトキシフェニル、1,3,5-トリメチル-1H-ピラゾール-4-イル、3-メチルイソオキサゾール-5-イル、3-ピリジニル、2-クロロ-3-ピリジニル、3-メチル-2-ピリジニル、3-カルボメトキシチオフェン-2-イル又は1,3-ベンゾジオキソリルであり;
は水素又はメチルであり;
はメチル、n-ブチル、n-ペンチル、1-オクチル、オレオイル、(1R,2S,5R)-(-)-メンチル、2-クロロベンジル、ベンジル、フェニル、3-フルオロフェニル、3-クロロフェニル、4-クロロフェニル、2-フルオロ-5-ヨードフェニル、5-フルオロ-2-メチルフェニル、4-tert-ブチルフェニル、4-ペンチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメトキシフェニル、4-ニトロフェニル、2-エトキシフェニル、1-ナフチル、2-フラニル、2,5-ジメチル-3-フラニル、2-カルボメトキシ-5-フラニル、1-メチル-1H-ピロル-2-イル、3-メチル-2-ベンゾフラニル、3-メチル-2-チオフェニル、1(N)-メチル-4-ピペラジニル、1(N)-(2,2,2-トリフルオロアセチル)ピペリジン-4-イル、エチルヘキサノアート又は1,3-ベンゾジオキソリルであり;
Yは-C(O)-、-C(S)-又は-S(O)-であり;
Xは結合、-N(H)-、-N(Me)-、又は-O-である、請求項1又は32ないし41の何れか一項に記載の化合物。
【請求項43】
医薬として使用するための、但し書きを除外した請求項1ないし42の何れか一項に記載の式Iの化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項44】
医薬として使用するための、但し書きを除外した請求項1ないし42の何れか一項に記載の式Iの化合物又はその薬学的に許容可能な塩を、薬学的に許容可能なアジュバント、希釈剤又は担体と混合して含む薬学的製剤。
【請求項45】
リポキシゲナーゼ活性の阻害が望まれる、及び/又は必要とされる疾患の治療のための医薬の製造のための、但し書きを除外した請求項1ないし42の何れか一項に記載の式Iの化合物又はその薬学的に許容可能な塩の使用。
【請求項46】
リポキシゲナーゼが15-リポキシゲナーゼである、請求項45に記載の使用。
【請求項47】
疾患が炎症であり、及び/又は炎症要素を持つ、請求項45又は46に記載の使用。
【請求項48】
炎症疾患が、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺線維症、アレルギー性疾患、鼻炎、炎症性腸疾患、潰瘍、炎症性痛覚、発熱、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、脈管炎、膵炎、関節炎、変形性関節炎、関節リウマチ、結膜炎、虹彩炎、強膜炎、ブドウ膜炎、創傷、皮膚炎、湿疹、乾癬、発作、糖尿病、自己免疫疾患、アルツハイマー病、多発性硬化症、サルコイドーシス、ホジキン病又は他の悪性腫瘍である、請求項47に記載の使用。
【請求項49】
リポキシゲナーゼ活性の阻害が望まれる、及び/又は必要とされる疾患の治療方法において、但し書きを除外した請求項1ないし42の何れか一項に記載の式Iの化合物又はその薬学的に許容可能な塩の治療的有効量を、そのような症状を患っている、又は罹りやすい患者に投与することを含む方法。
【請求項50】
(A)但し書きを除外した請求項1ないし42の何れか一項に記載の式Iの化合物;及び
(B)炎症の治療に有用な他の治療剤
を含む組み合わせ品であって、成分(A)及び(B)の各々が薬学的に許容可能なアジュバント、希釈剤又は担体と混合されて製剤化されている組み合わせ品。
【請求項51】
但し書きを除外した請求項1ないし42の何れか一項に記載の式Iの化合物、炎症の治療に有用な他の治療剤、及び薬学的に許容可能なアジュバント、希釈剤又は担体を含む薬学的製剤を含む、請求項50に記載の組み合わせ品。
【請求項52】
(a)但し書きを除外した請求項1ないし42の何れか一項に記載の式Iの化合物を、薬学的に許容可能なアジュバント、希釈剤又は担体と混合して含む薬学的製剤;及び
(b)炎症の治療に有用な他の治療剤を、薬学的に許容可能なアジュバント、希釈剤又は担体と混合して含む薬学的製剤
の成分を含むパーツのキットを含み、成分(a)及び(b)がそれぞれ他方と併用して投与するのに適した形態で提供される、請求項50に記載の組み合わせ品。
【請求項53】
請求項1に記載の化合物の製造方法であって、
(i)Yが-S(O)-である場合、Xは直接結合又は-N(R)-を表し、ここでRはBを表す式Iの化合物に対しては、式II

(上式中、R及びRは請求項1に記載の通り)の化合物の、式III
-X-Y-L III
(上式中、Yが-S(O)-を表すとき、又はYの全ての他の基に対して、請求項1に記載のXを表すとき、Xは直接結合又は-N(B)-を表し、R及びYは請求項1に記載の通りであり、Lは適切な離脱基を表す)の化合物との反応;
(ii)Xが単結合を表しYが-C(O)-を表す式Iの化合物に対しては、上記の式IIの化合物の、式IV
C(O)OH IV
(上式中、Rは請求項1に記載の通り)の化合物との反応;
(iii)Xが直接結合を表しYが-C(O)-又は-C(S)-基を表す式Iの化合物に対しては、上記の式IIの化合物の、式V
=Y
(上式中、Yは-C(O)-又は-C(S)-を表し、Rは請求項1に記載の通り)の化合物との反応;
(iv)Xが-NH-を表しYが-C(O)-又は-C(S)-を表す式Iの化合物に対しては、上記の式IIの化合物の、式VI
N=Y VI
(上式中、Rは請求項1に記載の通りであり、Yは上記の通りである)の化合物との反応;
(v)Yが-C(O)-又は-C(S)-を表す式Iの化合物に対しては、上記の式IIの化合物の、
(a)式VII
Cl-Y-Cl VII
の化合物、
(b)式VIII

(上記両式中、Yは上記の通りである)の化合物;又は
(c)Yが-C(O)-を表す場合、トリホスゲン
との反応の後に:
(1)Xが直接結合を表す式Iの化合物に対しては、式IX
M IX
(上式中、MはMn、Fe、Ni、Cu、Zn、Pd又はCeのような金属、又はその塩又は錯体を表し、Rが請求項1に記載の通り)の化合物との反応;
(2)XがOを表す式Iの化合物に対しては、式X
OH X
(上式中、Rは請求項1に記載の通り)の化合物との反応;
(3)Xが-N(R)-を表す式Iの化合物に対しては、式XI
N(H)R XI
(上式中、R及びRは請求項1に記載の通り)の化合物との反応;
(vi)Xが-N(R)-を表しRが水素以外である式Iの化合物に対しては、式XII
-L XII
(上式中、Rは請求項1に記載の通り、Lは上記の通り)の化合物との、Xが-N(H)-を表す式Iの対応する化合物の反応;
(vii)Yが-C(S)-を表す式Iの化合物に対しては、Yが-C(O)-を表す式Iの対応する化合物の、カルボニル基のチオカルボニル基への転換のための適切な試薬との反応;
(viii)式XIII

(上式中、R、Y及びXは請求項1に記載の通り)の化合物の、
式XIV
HN(R)(R) XIV
(上式中、R及びRは請求項1に記載の通り)の化合物との反応;
(ix)式XV

(上式中、R、R、Y及びXは請求項1に記載の通り)の化合物の、
式XVI
-L XVI
(上式中、Lは適切な離脱基で、Rは請求項1に記載の通り)との反応
を含む方法。

【公表番号】特表2006−520373(P2006−520373A)
【公表日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505952(P2006−505952)
【出願日】平成16年3月12日(2004.3.12)
【国際出願番号】PCT/GB2004/001054
【国際公開番号】WO2004/080999
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(505347558)バイオリポックス エービー (26)
【Fターム(参考)】