説明

炎症性疾患の治療のための方法及び組成物

抗炎症及び/又は抗ヒスタミン活性成分、極性脂質リポソーム及び薬学的に許容可能な水性担体を含有する炎症性疾患の治療のための均一な医薬組成物が提供される。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
(発明の分野)
この発明は、炎症性疾患の治療方法において使用するための組成物と、その調製方法に関する。
【0002】
(背景及び従来技術)
その性質が炎症性である多くの疾患/障害がある。人々に影響を与える炎症疾患には、喘息、炎症性大腸炎、関節リウマチ、変形性関節症、鼻炎、結膜炎及び皮膚炎が含まれる。
炎症はまた疼痛の一般的な原因でもある。炎症性疼痛は多くの理由、例えば感染、外科処置又は他の外傷によっても生じるおそれがある。更に、悪性腫瘍及び循環器疾患を含む幾つかの疾患は、患者の総合的症状に加えて、炎症性要素も有することが知られている。
【0003】
喘息は炎症と気管支収縮の双方の要素を含む気道の疾患である。喘息の治療法は症状の重症度に基づいている。軽い症例では、治療しないか、又は気管支収縮の要素に影響するβ-アゴニストの吸入で治療されるだけであり、より重症の喘息は典型的には大方は性質が抗炎症性であるコルチコステロイドを定期的に吸入させることで治療される。喘息の新しい予防療法は、5-リポキシゲナーゼ酵素を阻害することにより炎症誘発性ロイコトリエン及びサイトカインの産生を阻止することにより作用する。
【0004】
アレルギー性及び非アレルギー性鼻炎は、人口の約30%が発症している一般的な疾患である。鼻炎は、生活の質にかなりの影響を持つ。実際、鼻炎は、例えば喘息よりも、生活の質に影響を及ぼすと考えられる。
花粉症や通年性アレルギー性鼻炎は、くしゃみ、鼻漏、鼻詰まり、掻痒、結膜炎及び咽頭炎により特徴付けられる。通年性鼻炎の場合、慢性鼻詰まりがしばしば顕著で、耳管閉塞にまで広がるおそれがある。
鼻炎に対して、経口又は局所の抗ヒスタミン剤が一次治療であり、鼻用ステロイド剤が二次治療である。殆どの患者に対して、局所用コルチコステロイド類及び長時間作用する抗ヒスタミン剤は症状を有意に軽減する。また、抗ヒスタミン剤は、非免疫(非IgE)媒介性の超過敏反応、例えば非アレルギー性鼻炎、運動誘発性喘息、寒冷蕁麻疹、及び非特異的気管支過敏性にも作用する可能性がある。
【0005】
抗ヒスタミン剤の主たる臨床的影響には、くしゃみ及び鼻漏の低減が含まれる。しかしながら、鼻詰まりの低減には反応性が少ないと思われる。抗ヒスタミン剤(例えばアゼラスチン及びレボカバスチン)の局所投与には、薬の作用の発現が早く、副作用が少ないことを含む利点がある。
炎症性疼痛は、シクロオキシゲナーゼ(COX)酵素の阻害によって低減することができる。COX酵素は2つの形態で存在しており、一つは、多くの細胞及び組織で構成的に発現するもの(COX-1)で、もう一つは、炎症反応中、サイトカイン等の炎症誘発刺激物により誘導されるもの(COX-2)である。
【0006】
COXはアラキドン酸を不安定な中間プロスタグランジンH(PGH)に代謝する。PGHは、PGE、PGF2α、PGD、プロスタサイクリン及びトロンボキサンAを含む他のプロスタグランジン類に更に代謝される。これらのアラキドン酸代謝産物は、炎症誘発作用を含む明白な生理学的及び病態生理学的活性を有することが知られている。
特に、PGEは強力な炎症誘発媒介物であること、また発熱や疼痛を誘発することが知られている。従って、「NSAIDs」(非ステロイド系抗炎症剤)及び「コキシブ(coxibs)」(選択的COX-2阻害剤)を含む多くの薬剤が、PGEの形成を阻害する観点から開発されている。これらの薬剤は、COX-1及び/又はCOX-2を阻害することによってPGEの形成を低減させることにより、主として作用する。
【0007】
ロイコトリエン類(LTs)はCOX/PGES経路におけるものとは異なる酵素群によってアラキドン酸から形成される。ロイコトリエン生合成におけるキーとなる酵素は5-リポキシゲナーゼ(5-LO)であり、二工程反応でアラキドン酸からのLTAの形成を触媒する。ロイコトリエンAは更にロイコトリエンロイコトリエンBに代謝され得、これはLTAヒドロラーゼによって触媒される反応である。細胞性ロイコトリエン生合成は、アラキドン酸に結合し5-リポキシゲナーゼの反応を容易にする膜結合タンパク質である5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)に依存する。ロイコトリエンBは強い前炎症性メディエータであることが知られている一方、システイニル含有ロイコトリエン類C、D及びE(CysLTs)は、喘息及び炎症の病理生物学に関与している非常に強い気管支収縮剤及び前炎症性メディエータである。従って、市販の5-LO阻害剤及びシステイニル含有ロイコトリエンレセプター1及び2のアンタゴニストが抗炎症治療剤の二つの新しいクラスとなる一方、市販のFLAP阻害剤、ロイコトリエンAヒドロラーゼ阻害剤、ロイコトリエンBレセプターアンタゴニストが抗炎症治療剤の更に新しいクラスを提供しうる。
ホスホジエステラーゼ4型(PDE4)は慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び喘息に生じる炎症過程に関与する細胞の活動を調節するのに重要な役割を担っている。PDE4阻害剤は、気管支収縮を阻害しまた(ロイコトリエン類の産生の阻害を含む)炎症性細胞活動を阻害する可能性を有している新しいクラスの薬剤を表している。
【0008】
リポソーム(脂質小胞としても知られている)は、天然源又は化学合成の何れかに由来する極性脂質分子から調製されるコロイド状粒子である。湾曲した脂質二重層からなるこのような球形の密閉構造体は、典型的には、毒性を低減させ、及び/又は効果を増大させるために、しばしば細胞傷害性である薬剤を捕捉するために使用される。リポソーム捕捉薬剤調製物は、しばしば乾燥(例えば凍結乾燥)形態で提供され、これはついで投与直前に水溶液で再構成される。これは、水溶液中に例えば細胞傷害剤が漏洩し、それによってリポソーム捕捉効果が低減させられるおそれを最小にするためになされる。
【0009】
リポソームは、生物学的利用能を改善するために又はアジュバントとして、経鼻デリバリー用に様々な薬剤化合物を封入するためにもまた使用されている。挙げることのできる薬剤には、破傷風トキソイドワクチン、インスリン、デスモプレッシン及び塩酸ジフェンヒドラミン(Tuerker等, Review Article:Nasal Route and Drug Delivery Systems, Pharm. World Sci., 2004;26, 137-142及びそこに引用されている文献)、並びにシプロフロキサシン、CM3、及びサルブタモール(Desai等, A Facile Method of Delivery of Liposomes by Nebulization, J. Contol. Release, 2002;84, 69-78)が含まれる。
リポソーム捕捉セチリジンは、ウサギモデルにおける末梢抗ヒスタミン活性及び体内吸収性を評価するために局所投与されている(Elzainy等, Cetirizine from Topical Phosphatidylcholine-Hydrogenated Liposomes, The AAPS Journal, 2004;6, 1-7。またDrug Development and Industrial Pharmacy, 2005;31, 281-291も参照)。
【0010】
セチリジンと極性脂質リポソームを含む均質な医薬組成物が国際特許出願の国際公開第2005/107711号に開示されている。
緩衝された水性ホスファチジルコリンリポソーム系中でのセチリジンの親油性の挙動もまた研究されている(Plemper van Balen G等, Lipophilicity behaviour of the zwitterionic antihistamine cetirizine in phosphatidylcholine liposomes/water systems, Pharm. Res. 2001;18, 694-701)。
とりわけリポソーム封入活性成分を含有する他の製剤の例は、米国特許第4427649号、同第5569464号、欧州特許出願公開第0249561号、国際公開第00/38681号、米国特許第4839175号及び国際公開第98/00111号において検討されている。
【0011】
驚くべきことに、我々は、ある種の抗炎症及び/又は抗ヒスタミン活性成分の(例えば経鼻)投与に通常伴う刺激が、そのような活性成分、極性脂質リポソーム及び薬学的に許容可能な担体を含有する均質な医薬組成物を使用することによって低減することができることを見出した。
本発明によれば、抗炎症及び/又は抗ヒスタミン活性成分と、極性脂質リポソームと、薬学的に許容可能な水性担体を含有し、但し活性成分がセチリジンではない炎症疾患の治療に適した均質な医薬組成物が提供され、その組成物を以下「本発明の組成物」と称する。
当業者であれば、抗炎症及び/又は抗ヒスタミン活性成分は、薬理学的に有効な量で本発明の組成物に用いられることを理解するであろう(下記参照)。「薬理学的に有効な量」なる用語は、単独で投与されようと又は他の活性成分と組合せて投与されようと、治療される患者に所望の治療効果を与えることができる抗炎症及び/又は抗ヒスタミン活性成分の量を意味する。このような効果は、客観的なもの(すなわち、所定の試験又はマーカーにより測定可能)又は主観的なもの(すなわち、被験者が、効果があることを示すか又は感じる)でありうる。
【0012】
「医薬組成物」には、哺乳動物、特にヒトに直接投与して使用するのに適した組成物が含まれる。この点に関し、本用語は、哺乳動物、特にヒトの患者への投与に適していると当該分野で考えられている成分のみを含む製剤を包含することを意図している。本発明の文脈では、前記用語は、本発明の組成物が、リポソームから水性担体への薬剤の漏洩を避けるため、投与の少し前に再構成を必要とするリポソーム内部に薬剤が封入されている製剤ではなく、棚から直接の、使用準備が整った液体の形態であることも意味している。
「均質」とは、本発明の組成物が、水性担体に均一に分散したリポソームを含有しているばかりでなく、更に活性成分が全組成物にわたって分散されていることを含む。これは、水性媒体中にリポソームと薬剤を含有する混合物の形成後には、リポソーム内に封入されていない薬剤がリポソーム形成後に除去されないことを意味する。このため、本発明のある種の組成物の場合には、その媒体がリポソーム構造の内部にあろうと外部にあろうと、当該水性媒体中において活性成分が実質的に同様の濃度になっている。「実質的に同様の」とは、室温、大気圧で、濃度が、約±50%、例えば約±40%、好ましくは約±30%、より好ましくは約±20%、特に約±10%(リポソーム構造の内部及び外部の濃度と比較した場合)で変わり得ることを含む。薬剤の濃度特性は、当業者に知られている標準的技術、例えば31P-NMRによって測定することができる。例えば、標準的なインサイツプローブ技術、又はフリーの水性媒体からのリポソームフラクションの分離、及び各フラクションに伴う薬剤の量/濃度の測定を含む技術を使用することができる。分離は、遠心分離、透析、限外濾過、又はゲル濾過により達成することができる。
【0013】
本発明の組成物は、約pH4(例えば4.0)〜約pH8(例えば8.0)、好ましくは約pH5(例えば5.0)〜約pH7(例えば7.0)のpHを提供可能な薬剤的に許容可能なバッファーを含有することが好ましい。適切なバッファーには、リポソームの形成を妨害しないであろうもの、例えばホスフェート(例えば、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム又はリン酸+塩基)、シトレート(例えば、クエン酸ナトリウム、又はクエン酸+塩基)、又はアセテートバッファー(例えば、酢酸ナトリウム、又は酢酸+塩基)で、上で特定した範囲のpHを維持可能なものが含まれる。バッファーは、上述した効果をもたらすのに適し、本発明での記載に頼ることなく当業者に理解されるであろう量で、使用されうる。適切な量は、例えば約1mg/mL〜約30mg/mLの範囲である。
【0014】
「炎症疾患」という用語は、上で述べたもののような身体外傷、感染、慢性疾患によって誘発されうる局所的又は全身性保護反応、及び/又は外部刺激に対する化学的及び/又は生理学的反応(例えばアレルギー反応の一部として)によって特徴付けられる任意の症状を含むと当業者に理解される。有害な薬剤と傷ついた組織の双方を破壊、希釈又は隔離する作用をするあらゆるそのような応答は、例えば発熱、腫れ、痛み、発赤、血管拡張及び/又は血流増加、白血球の罹患領域への侵入、機能喪失及び/又は炎症症状に伴うことが知られている任意の他の徴候に顕れうる。
よって、該用語は、任意の炎症疾患、障害又は症状自体、それを伴う炎症要素を持つ任意の症状、及び/又はとりわけ急性、慢性、潰瘍、特異性、アレルギー性及び壊死性炎症、及び当業者に知られている炎症の他の形態を含む、徴候として炎症を特徴とする任意の症状を含むものとまた理解される。よって、その用語はまたこの発明の目的に対して、炎症疼痛、疼痛一般及び/又は発熱を含む。
【0015】
従って、本発明の組成物は、喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺線維症、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、炎症性疼痛、発熱、偏頭痛、頭痛、腰痛、線維筋痛、筋膜障害、ウイルス感染症(例えばインフルエンザ、一般的な風邪、帯状疱疹、C型肝炎及びAIDS)、細菌感染症、真菌感染症、月経困難症、火傷、外科又は歯科処置、悪性腫瘍(例えば乳癌、大腸癌、及び前立腺癌)、高プロスタグランジンE症候群、古典的バーター症候群、アテローム性動脈硬化症、痛風、関節炎、骨関節炎、若年性関節炎、関節リウマチ、発熱、強直性脊椎炎、ホジキン病、全身性エリテマトーデス、脈管炎、膵炎、腎炎、滑液包炎、結膜炎、虹彩炎、強膜炎、ブドウ膜炎、創傷治癒、皮膚炎、湿疹、乾癬、発作、真性糖尿病、神経変性疾患、例えばアルツハイマー病及び多発性硬化症、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、鼻炎、潰瘍、冠状動脈性心臓病、サルコイドーシス、炎症要素を伴う任意の他の疾患の治療に有用であり得る。
【0016】
本発明の組成物は、鼻炎、片頭痛、急性疼痛、慢性疼痛及び喘息の治療に特に有用性が見出される。「鼻炎」なる用語は、季節性鼻炎(例えば、花粉等の戸外の要因により引き起こされるもの;花粉症)、及び/又は通年性鼻炎(例えば、イエダニ、室内のカビ等により引き起こされるもの)、並びにその症状を含み、アレルギー性であるか非アレルギー性であるかにかかわらず、鼻のあらゆる刺激及び/又は炎症を含むものと理解される。
「抗炎症及び/又は抗ヒスタミン活性成分」なる用語は、天然に生じるものであろうと合成のものであろうと、抗炎症性及び/又は抗ヒスタミン性を適切に有する任意の物質を含むと当業者には理解されよう。抗炎症クラスの化合物はステロイド系抗炎症薬(コルチコステロイド類)及び非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)を含み、後者の用語には、COX阻害剤、PDE4阻害剤及びロイコトリエン修飾薬(例えば5-リポキシゲナーゼ阻害剤、FLAP阻害剤、LTAヒドロラーゼ阻害剤、LTBレセプターアンタゴニスト及びCysLT(つまり、CysLT1及びCysLT2)レセプターアンタゴニスト)が含まれる一方、抗ヒスタミンクラスにはHレセプターアンタゴニストが含まれる。本発明の文脈において、「抗炎症及び/又は抗ヒスタミン活性成分」なる用語には抗片頭痛化合物、オピオイド類及びその類似体もまた含まれる。
【0017】
本発明の組成物中の好ましい活性成分には、抗ヒスタミン活性成分、コルチコステロイド類及びロイコトリエン修飾薬が含まれる。
挙げることができる抗片頭痛化合物には、アルモトリプタン、アルピロプリド、ジヒドロエルゴタミン、エレトリプタン、エルゴタミン、ナツシロギク、フロバトリプタン、イプラゾクロム、メチセルギド、ナラトリプタン、ピゾチフェン、リザトリプタン、スマトリプタン、ゾルミトリプタン及びそれらの一般的に用いられる塩が含まれる。
挙げることができるオピオイド類及びその類似体には、アルフェンタニル、アニレリジン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、カルフェンタニル、コデイン、デキストロモラミド、デキストロプロポキシフェン、デゾシン、ジアモルフィン、ジヒドロコデイン、ジピパノン、エンブトラミド、エトヘプタジン、エチルモルフィン、エトルフィン、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ケトベミドン、レバセチルメタドール、レボメタドン、レボファノール、ロフェキシジン、メプタジノール、メタドン、モルフィン、ナルブフィン、ナルトレキソン、ニコモルフィン(nicomorphine)、オピウム、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレツム、ペンタゾシン、ペチジン、フェナゾシン、フェノペリジン、フォルコジン、ピリトラミド、レミフェンタニル、スフェンタニル、チリジン、トラマドール及びそれらの一般的に用いられる塩が含まれる。
【0018】
挙げることができるステロイド系抗炎症化合物には、アルクロメタゾン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロベタゾール、クロベタゾン、デフラザコート、デキサメタゾン、吉草酸ジフルコルトロン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルトロン、フルプレドニデン、フルオメソロン、フルチカゾン、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾロン、リメキソロン及びトリアムシノロン及びそれらの一般的に用いられる塩(例えばプロピオン酸塩のような塩の形態の後者)が含まれる。
【0019】
挙げることができるNSAID(COX阻害剤を含む)には、アセクロフェナク、アセメタシン、アセトアニリド、アルクロフェナク、アルミノプロフェン、アロキシプリン、アミノフェナゾン、アミノプロピロン、アンピロキシカム、アムトルメチングアシル、サリチル酸アミル、アスピリン、アザプロパゾン、ベンダザック、ベノキサプロフェン、ベンジダミン、β-アミノプロピオニトリル、サリチル酸ボルニル、ブロモフェナク、ブフェキサマク、ブマジゾン、ブチブフェン、カルバサラート、カルプロフェン、セレコキシブ、クロフェキサミド、クロフェゾン、クロニキシン、デキスケトプロフェン、ジクロフェナク、ジフルニサル、ジピロン、ドロキシカム、エルテナク、エピリゾール、エトドラク、エテンザミド、サリチル酸エチル、エトフェナメート、エトリコキシブ、フェルビナク、フェンブフェン、フェノプロフェン、フェンチアザク、フェプラジノール、フェプラゾン、フロクタフェニン、フルフェナム酸、フルニキシン、フルノキサプロフェン、フルルビプロフェン、ホスホサール、フルプロフェン、グラフェニン、グルカメタシン、サリチル酸グリコール、イブプロフェン、イブプロキサム、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラック、リジンアスピリン、メフェナム酸、メロキシカム、メチルブテンイサリシレート(methyl buteneisalicylate)、サリチル酸メチル、ナブメトン、ナプロキセン、ネドクロミル、ニフェナゾン、ニフルム酸、ニメスリド、オキサプロジン、オキシフェンブタゾン、パラセタモール、パレコキシブ、フェナセチン、フェナゾン、フェニルブタゾン、サリチル酸ピコラミン、ピケトプロフェン、ピロキシカム、プラノプロフェン、プログルメタシン、プロパセタモール、プロピフェナゾン、プロカゾン、ラミフェナゾン、ロフェコキシブ、サラミド酢酸(salamidacetic acid)、サリチルアミド、サリックス(salix)、ザロール、サルサレート、クロモグリク酸ナトリウム、サリチレート、チオサリチレート、スリンダク、スプロフェン、スキシブゾン、テニダプ、テノキシカム、テトリダミン、サリチル酸サーフィル(thurfyl salicylate)、チアプロフェン酸、チアラミド、チノリジン、トルフェナム酸、トルメチン、トリサリチレート、サリチル酸トロラミン、ウフェナマート、バルデコキシブ、ベダプロフェン及びザルトプロフェン及びそれらの一般的に用いられている塩が含まれる。
【0020】
挙げることができるPDE4の特定の阻害剤には、シロミラスト、ロフルミラスト、テトミラスト、ピクラミラスト、並びに
(aa)CP-671305、(+)-2-[4-({[ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルオキシ)-ピリジン-3-カルボニル]-アミノ}-メチル)-3-フルオロ-フェノキシ]-プロピオン酸、
(bb)SCH351591、N-(3,5-ジクロロ-1-オキシド-4-ピリジニル)-8-メトキシ-2-(トリフルオロメチル)-5-キノリンカルボキサミド、
(cc)KF19514、5-フェニル-3-(3-ピリジル)メチル-3H-イミダゾ(4,5-c)(1,8)-ナフチリジン-4(5H)-オン、
(dd)AWD12−281、 N-(3,5-ジクロロピリド-4-イル)-(1-(4-フルオロベンジル)-5-ヒドロキシ-インドール-3-イル)グリオキシル酸アミド、
(ee)D22888、 1-エチル-8-メトキシ-3-メチル-5-プロピルイミダゾ(1,5-a)ピリド(3,2-e)ピラジノン、
(ff)YM976、4-(3-クロロフェニル)-1,7-ジエチルピリド[2,3-d]ピリニジン-2(1H)-オン、
(gg)NVP-ABE171、 4-(8-ベンゾ[1,2,5]オキサジアゾール-5-イル[1,7]ナフチリジン-6-イル)-安息香酸、
(hh)CI-1044、N-(9-アミノ-4-オキソ-1-フェニル-3,4,6,7-テトラヒドロ(1,4)ジアゼピノ-(6,7,1-ヒ)インドール-3-イル)ニコチンアミド)、
(ii)SB207499、 c-4-シアノ-4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-1-シクロヘキサンカルボン酸、
(jj)CC-100004、YM-64227、BAY19-8004及びGRC3886、
及びそれらの一般的に用いられる塩が含まれる。
【0021】
挙げることができるCysLT1及びCysLT2レセプターアンタゴニストには、アブルカスト、シナルカスト、イラルカスト、モンテルカスト、ポビルカスト、プランルカスト、スルカスト、トメルカスト、ベルルカスト、ザフィルルカスト、
(I)BAY-u9773

(II)MK571

及びそれらの一般的に用いられる塩が含まれる。挙げることができる好ましいCysLTレセプターアンタゴニストにはモンテルカストが含まれる。
【0022】
挙げることのできる5-リポキシゲナーゼ阻害剤には、次のものが含まれる。
(1)例えば、欧州特許第0279263号、米国特許第4873259号、 Int. J. Immunopharmacol. 14, 505 (1992), Br. J. Cancer 74, 683 (1996)及びAm. J. Resp. Critical Care Med. 157, Part 2, 1187 (1998)に記載されているジレウトン(同義語: A-64077、ABT077、ジフロ(Zyflo)(登録商標))。

(2)例えば、Anticancer Res. 14, 1951 (1994)に記載されているA-63162。

(3)A-72694。

(4)例えば、Curr. Opin. Invest. Drugs 2, 69 (1993)に記載されているA-78773。

(5)例えば、Carcinogenesis 19, 1393 (1998)及びJ. Med. Chem. 40, 1955 (1997)に記載されているA-79175(A78773のR-エナンチオマー)。

(6)A-80263。

(7)A-81834。

(8)A-93178。

(9)例えば、211th Am. Chem. Soc. Meeting. 211: abstr. 246, 3月24日(1996)に記載されているA-121798。
(10)例えば、Exp. Opin. Therap. Patents 5 127 (1995)に記載されているアトレロイトン(Atreleuton)(同義語:ABT-761及びA-85761)。

(11)例えば、Curr. Opin. Anti-Inflamm. & Immunomod. Invest. Drugs 1, 468 (1999)に記載されているMLN-977(同義語:LPD-977及びCMI-977)。この化合物並びに類似化合物は米国特許第5703093号に記載されている。

(12)例えば、215th Am. Chem. Soc. Meeting. 215: abstr. MEDI 004, 3月29日(1998)に記載されているCMI-947。この化合物並びに類似化合物は米国特許第5792776号に記載されている。

(13)例えば、211th Am. Chem. Soc. Meeting. 211: abstr. 205, 3月24日(1996)に記載されているCMI-568。

(14)例えば、Pharmacol. Res. 44, 213 (2001)に記載されているLDP392(同義語:CMI392)。

(15)例えば、Int. J. Immunopharmacol. 22, 123 (2000)に記載されているリネタスチン(Linetastine)(同義語:リナゾラスト(linazolast)、TMK688、YM257)。

(16)例えば、Pharm. Res. 9, 1145 (1992)に記載されているロナパレン(Lonapalene)(同義語:RS43179)。

(17)例えば、Ann. N.Y. Acad. Sci. (Immunosuppressive and Antiinflammatory Drugs) 696, 415 (1993)に記載されているLY-221068。

(18)例えば、Agents and Actions 42, 67 (1994)に記載されているLY269415。

(19)例えば、Bioorg. Med. Chem. Lett. 14, 2265 (2004)に記載されている、ヒスタミンH1レセプターアンタゴニスト活性を有する5-LOインヒビター、例えば次の化合物。

(20)BF-389。

(21)例えば、J. Pharmacol. Exp. Therap. 265, 483 (1993)に記載されている、BIL226及びBIL357。

(22)例えば、J. Antibiotics 46, 705 (1993)に記載されている、BU4601A、BU4601B及びBU4601C。

(23)例えば、J. Pharm. Exp. Therap. 277, 17 (1996)に記載されているBW755C。

(24)例えば、Eur. J. Biochem. 267, 3633 (2000)に記載されているBW-A4C。

(25)例えば、Br. J. Pharmacol. 108 (Suppl), 186P (1993)に記載されているBWB70C。

(26)CBS1108。

(27)例えば、Inflamm. Res. 44 (Suppl. 2) 147 (1995)に記載されているCGS26529。

(28)例えば、J. Med. Chem. 38, 68 (1995)に記載されている、CGS25667、CGS25997及びCGS25998。

(29)例えば、J. Med. Chem. 36, 3580 (1993)に記載されているCGS-23885。

(30)CI-986。

(31)例えば、J. Med. Chem. 35, 3153 (1992)に記載されているCT3(同義語:アジュメル酸(ajumelic acid)、DMH-11C、HU239)。

(32)例えば、Ann. Oncol. 11, 1165 (2000)に記載されているCV6504。

(33)例えば、Arthritis and Rheumatism 42 (Suppl.) 404 (1999)、同書 42 (Suppl.) 81 (及びポスター) (1999)及びJ. Med. Chem. 37, 322 (1994)に記載されているダルブフェロン(Darbufelone)(同義語:CI-1004、PD136095-0073)及びその類似体。

(34)例えば、Int. Arch. Allergy and Immunol. 100, 178 (1993)及びBiochim. Biophys. Acta 713, 470 (1982)に記載されている、ドセベノン(Docebenone)(同義語:AA861)及びその類似体。

(35)例えば、J. Med. Chem. 33, 360 (1990)に記載されているDuP654。

(36)例えば、BTG International Inc. Company Communication 15 10月(1999)、及びBioorg. Med. Chem. 3, 1255 (1995)に記載されているXA547。
(37)E-3040。

(38)例えば、Res. Commun. Mol. Pathol. Pharmacol. 86, 75 (1994)に記載されているE6080。

(39)E6700。

(40)例えば、J. Antibiotics 46, 25 (1993)に記載されており、ストレプトミセス・アヌラタスT688-8から単離された化合物であるエポカルバゾリン(Epocarbazolin)A。

(41)例えば、Inflamm. Res. 47, 375 (1998)に記載されているER34122。

(42)例えば、Exp. Dermatol. 2, 165 (1993)に記載されているETH615。

(43)例えば、XV International Congress of Allergology and Clinical Immunology (Suppl 2) 325 (1994)に記載されているF1322。

(44)例えば、Allergy (Suppl.) 47, 47 (1992)に記載されている、フレザラスチン(Flezalastine)(同義語:D18024、IDB18024)。

(45)例えば、Int. Arch. Allergy and Applied Immunol. 90, 285 (1989)に記載されているアゼラスチン。

(46)例えば、Agents and Actions 30, 432 (1990)に記載されているFPL62064。

(47)例えば、Am. Rev. Resp. Dis. 145, A614 (1992)に記載されているFR110302。

(48)例えば、J. Med. Chem. 39, 246 (1996)に記載されている、HP977及びP10294。

(49)P-8977。

(50)例えば、Rinsho Iyaku. 11, 1577 & 1587 (1995)に記載されているHX-0835。

(51)例えば、J. Med. Chem. 36 3904 (1993)に記載されているHX-0836。

(52)Bioorg. Med. Chem. Lett. 6, 93 (1996)に記載されている次の化合物。

(53)例えば、Arzneimittel-Forschung (Drug Research) 39, 1242 & 1246 (1989)に記載されているイコデュリニウム(Icodulinium)(同義語:CBS113A、イコデュリン(icoduline))。

(54)例えば、Eur. Resp. J. 7 (Suppl. 18), 48 (1994)に記載されているKC-11404。

(55)KC-11425。

(56)KME4。

(57)例えば、Adv. Prostaglandin, Thromboxane and Leukotriene Res. 17, 554 (1987)に記載されているL651392。

(58)L651896。

(59)L652343。

(60)L653150。

(61)例えば、J. Gastroenterol. Hepatol. 11, 922 (1996)に記載されているL-656224。

(62)例えば、J. Med. Chem. 37, 512 (1994)に記載されているL-702539。

(63)L-670630。

(64)例えば、Curr. Opin. Invest. Drugs 2, 683 (1993)に記載されているL-691816。

(65)例えば、J. Med. Chem. 38, 4538 (1995)に記載されているL699333。

(66)L739010。

(67)例えば、J. Antibiotics 46, 900 (1993)に記載されているラグナマイシン(Lagunamycin)

(68)例えば、Eur. J. Pharm. 453, 131 (2002)及びJ. Med. Chem. 37, 1894 (1994)に記載されているリコフェロン(Licofelone)(同義語:ML3000)。

(69)PD145246。

(70)R840(同義語:S26431)。

(71)例えば、Arch. Dermatol. 128, 993 (1992)に記載されているR68151。

(72)例えば、Skin Pharmacol. 9, 307 (1996)に記載されているR85355。

(73)例えば、J. Allergy Clin. Immunol. 91, 214 (1993)に記載されているREV5901(同義語:PF5901、レブロン(Revlon)5901、RG5901)。

(74)例えば、214th Am. Chem. Soc. Nat. Meeting. abstr. MEDI 091 (1997)に記載されているRWJ63556。

(75)例えば、Mediators of Inflammation 8 (Suppl. 1), 134 & 135 (1999)に記載されているS19812。

(76)例えば、J. Allergy and Clin. Immunol. 89, 208 (1992)に記載されているSC45662。

(77)SC-41661A。

(78)SCH40120。

(79)SKF-86002。

(80)SKF104351及びSKF105809。

(81)例えば、J. Med. Chem. 39, 5035 (1996)に記載されているSKF-107649。

(82)例えば、Jap. J. Pharmacol. 66, 363 (1994)に記載されているT0757及びT0799。

(83)例えば、Naunyn-Schmiedeberg's Arch. Pharmacol. 358 (Suppl. 2) 737 (1998)に記載されているTA270。

(84)例えば、Jap. J. Pharmacol. 65, 19 (1994)及び同書, 64 (Suppl. 1), 312 (1994)に記載されているタゴリジン(Tagorizine)(同義語:AL3264)。

(85)例えば、J. Pharmacol. Exp. Therap. 271, 1399 (1994)に記載されているテポキサリン(Tepoxalin)(同義語:ORF20485、RWJ20485)。

(86)例えば、Inflamm. Res. 44 (Suppl. 3), 273 (1995)に記載されているUPA780。

(87)VUFB19363。

(88)例えば、Arzneimittel-Forschung (Drug Research) 25, 155 (1995)に記載されているVZ564。

(89)J. Med. Chem. 40, 819 (1997)に記載されている次の化合物。

(90)WAY120739。

(91)例えば、Agents and Actions 39 (Spec. issue C1) C30 (1993)及びExp. Opin. Invest. Drugs 6, 279 (1997)に記載されているWAY121520。

(92)例えば、Inflamm. Res. 44 (Suppl. 2), 170 (1995)に記載されているWAY-126299A。

(93)例えば国際公開第04/004773号に記載されているWAY-125007。

(94)例えば、216th Am. Chem. Soc. Nat. Meeting. abstr. MEDI 363 (1998)に記載されているWHIP97。

(95)例えば、J. Med. Chem. 38, 1473 (1995)に記載されているWY28342。

(96)例えば、Eur. J. Pharmacol. 236, 217 (1993)に記載されているWY50295(WY49232のS-エナンチオマー)。

(97)例えば、Asthma 95: Theory to Treatment 15 (1995)及びTrends in Pharm. Sci. 13, 323 (1992)に記載されているZD2138(同義語:ICI D2138)。

(98)例えば、Inpharma 660, 9 (1994)に記載されているZM230487(同義語:ICI230487)。

(99)例えば、欧州特許第0623614号に記載されている、ZD4007及びZD4407。

(100)例えば、欧州特許第0462813号に記載されているZD7717。

(101)ZM-216800。

(102)例えば、Bioorg. Med. Chem. 11, 3879 (2003)に記載されている、CJ-12918及びその類似体。

(103)Bioorg. Med. Chem. Lett. 12, 779 (2002)において、混合5-LO/COX-2インヒビターとして記載されている化合物、例えば次の化合物。

(104)例えば、Br. J. Pharmacol. 117, 615 (1996)及びEur. J. Biochem. 256, 364 (1998)に記載されている、AKBA(アセチル-11-ケト-β-ボスウェル酸)。

(105)Eur. J. Med. Chem. 22, 147 (1997)及びArzneimittel-Forschung (Drug Research) 35, 1260 (1985)において、5-LO及びCOX二重阻害剤として記載されている化合物、例えば2-アセチルチオフェン-2-チアゾリルヒドラゾン(CBS-1108)及びN-フェニルベンズアミドラゾン。

(106)例えば、Fifth Chemical Congress of North America, Abstract 01/1351 (1997)、及び同書. Abstract 01/1350 (1997)に記載されているボスエリン(Boswellin)(ボスウェリア・セラータ(Boswellia serrata)抽出物)。
(107)例えば、米国特許第5985937号において5-LO阻害剤として記載されている2,4,6-トリヨードフェノール。
(108)例えば、Curr. Opin. Invest. Drugs 4, 83 (2003)に記載されているニカラベン(Nicaraven)。

(109)例えば、欧州特許第0156603号、米国特許第4556672号、Arthritis Rheum. 31, Suppl. S52 (1988)及びP. Katzら, 同書. S52に記載されているテニダップ(Tenidap)。

(110)J. Med. Chem. 39, 3938 (1996)において、5-LO阻害剤として記載されている環状ヒドラジド類、例えばフェニドン(phenidone)、1-フェニル-2H-テトラヒドロピリダジン-3-オン、及び1-フェニルペルヒドロ-1,2,4-テトラヒドロピリダジン-3-オン。

(111)例えば、J. Med. Chem. 34, 1028 (1991)に記載されているICI207968。

(112)例えば、J. Med. Chem. 34, 2176 (1991)に記載されているICI211965、及び他の(メトキシアルキル)チアゾール類。

(113)J. Med. Chem. 32, 1006 (1989)に記載されている、2,3-ジヒドロ-5-ベンゾフラノール類、例えば次の化合物。

(114)Bioorg. Med. Chem. 11, 4207 (2003)に記載されている、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール誘導体、例えばテブフェロン(tebufelone)、R-830及びS2474。

(115)J. Med. Chem. 41, 1112 (1998)において、5-LO/COX-2阻害剤として記載されている7-tert-ブチル-2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチルベンゾフラン類、例えばPGV-20229。

(116)Eur. J. Med. Chem. 35, 1897 (2003)において、5-LO/COX二重阻害剤として記載されている化合物、例えば次の化合物。

(117)例えば、Biochem. Pharm. 62, 903 (2001)に記載されている、キク科のいくつかの植物種から単離できるセスキテルペンラクトンであるヘレナリン(Helenalin)。
(118)例えば、Int. J. Immunopharmacol. 22, 483 (2000)に記載されている、AS-35、つまり(9-[(4-アセチル-3-ヒドロキシ-2-n-プロピルフェノキシ)メチル]-3-(1H-テトラゾール-5-イル)-4H-ピリド[1,2-α]ピリミジン-4-オン)。

(119)例えば、Planta Medica 65, 222 (1999)に記載されているマグノロール。

(120)例えば、Arch. Allergy and Immunol. 110, 278 (1996)に記載され、漢方薬から抽出されるホノキオール(Honokiol)。

(121)クリサロビン。

(122)E-3040。

(123)例えば、Chirality 16, 1 (2004)に記載されているフロブフェン(Flobufen)。

(124)例えば、Eur. J. Pharmacol. 404, 375 (2000)に記載されているYPE-01。

(125)BW-A137C

(126)LY-233569

(127)PD-138387

(128)SB-210661

(129)DuP-983

(130)BTS-71321

(131)例えば、Toxicon. 24, 614 (1986)に記載されているピリポスト(Piripost)。
(132)例えば、Eur J Pharmacol 205, 259 (1991)に記載されているMK-866。
(133)例えば、Chest 123, 371S (2003)に記載されているUCB62045。
(134)例えば、J. Immunol. 140, 2361 (1988)に記載されているONO-LP-049。
(135)3323W、L-697198、L-7080780、FR-122788、CMI-206、FPL-64170及びPD-089244
及びそれらの一般的に用いられる塩。好ましい5-リポキシゲナーゼ阻害剤にはジロートン(zileuton)又はより詳細にはアゼラスチンが含まれる。
【0023】
挙げることのできる他の特異的5-LO阻害剤には、概説論文Prog. Med. Chem., G. P. Ellis及びD. K. Luscombe, Elsevier 29, 1 (1992)、及びJ. Med. Chem. 14, 2501 (1992)に記載されているものが含まれる。
挙げることのできるFLAPの特異的阻害剤には、次のものが含まれる。
(a)例えば、Mol. Pharmacol. 40, 22 (1991)に記載されている、L-674573及び関連FLAPインヒビター(例えばL-655238)。

(b)例えば、J. Med. Chem. 38, 4538 (1995)に記載されているL-674636。

(c)例えば、Mol. Pharmacol. 41, 267 (1992)に記載されている、L-689037、及び光親和性類似体[125I]-669083及び[125I]-691678。

(d)例えば、J. Med. Chem. 38, 4538 (1995)に記載されているL-705302。

(e)例えば、米国特許第5081138号、Am. Rev. Resp. Dis. 147, 839 (1993)、Eur. J. Pharmacol. 267, 275 (1994)、The Search for Anti-Inflammatory Drug. 233 (1995) V. J. Merluzzi及びJ. Adams編, Boston, Birkhauserに記載されているMK-886(同義語:L663536、MK0886)。

(f)例えば、国際公開第93/16069号、米国特許第5308850号及び国際公開第94/13293号に記載されている、MK-886に構造的に関連した化合物。
(g)例えば、J. Physiol. Pharmacol. 70, 799 (1992)及びJ. Lipid Mediators 6, 239(1993)に記載されているキフラポン(Quiflapon)(同義語:MK-591、L686708)。

(h)例えば、Thorax 52, 342 (1997)に記載されているBAYX1005。

(i)例えば、Arthritis and Rheumatism 39, 515 (1996)及びDrug & Market Devel. 7, 177 (1996)に記載されているBAYY105。

(j)例えば、Pharmacologist 39, 33 (1997)に記載されているVML530(同義語:ABT080)

及びそれらの一般的に用いられる塩。
【0024】
挙げることのできるLTAヒドロラーゼの阻害剤には次のものが含まれる。
(A)米国特許第5455271号及び国際公開第94/00420号においてLTAヒドロラーゼの阻害剤として記載されている化合物、例えば次のもの。

(B)J. Med. Chem. 36, 211 (1993)及びJ. Am. Chem. Soc. 114, 6552 (1992)において、LTAヒドロラーゼ阻害剤として記載されている化合物、例えば次の化合物。

(C)国際公開第00/50577号の請求項24の方法により同定可能な化合物。
(D)米国特許第6506876号においてLTAヒドロラーゼ阻害剤として記載されている化合物、例えばSC-56938。

(E)例えば、Bioorg. Med. Chem. Lett. 12, 3383 (2002)に記載されているSC-56938の類似体。
(F)米国特許第5719306号においてLTAヒドロラーゼ阻害剤として記載されている化合物、例えば次のもの。

(G)国際公開第96/11192号においてLTAヒドロラーゼ阻害剤として記載されている化合物、例えば次のもの。

(H)米国特許第6265433号及び国際公開第98/40364号においてLTAヒドロラーゼ阻害剤として記載されている化合物、例えば次のもの。

(I)米国特許第6506876号及び国際公開第96/10999号においてLTAヒドロラーゼ阻害剤として記載されている化合物、例えば次のもの。

(J)国際公開第98/40370号においてLTAヒドロラーゼ阻害剤として記載されている化合物、例えば次のもの。

(K)国際公開第98/40354号においてLTAヒドロラーゼ阻害剤として記載されている化合物。
(L)欧州特許第0360246号においてLTAヒドロラーゼ阻害剤として記載されている化合物(3-オキシラニル安息香酸)、例えば次のもの。

(M)例えば特開平01−211549号に記載されている20,20,20-トリフルオロロイコトリエンB4誘導体、例えば次の化合物。

(N)欧州特許第1165491号及び国際公開第00/059864号において、LTAヒドロラーゼ阻害剤として記載されている化合物、例えば2-アミノ-6-(4-ベンジルフェノキシ)ヘキサン酸。

(O)米国特許第6436973号及び国際公開第00/017133号において、LTAヒドロラーゼ阻害剤として記載されている化合物、例えば(2S,3R)-2-アミノ-3-(ベンジルオキシ)ブタン-1-チオール。

(P)Bioorg. Med. Chem. 3, 969 (1995)において、LTAヒドロラーゼ阻害剤として記載されている化合物、例えば次のもの。

(Q)独国特許出願公開第4121849A1号において、LTAヒドロラーゼ阻害剤として記載されている[4-(ω-アリールアルキル)フェニル]アルカン酸、例えば次のもの。

(R)独国特許出願公開第4118173A1号において、LTAヒドロラーゼ阻害剤として記載されているアラルキルチエニルアルカノアート類、例えば次のもの。

(S)独国特許出願公開第4118014A1号において、LTAヒドロラーゼ阻害剤として記載されているω-[(4-アリールアルキル)チエン-2-イル]アルカノアート類、例えば次のもの。

(T)J. Med. Chem. 35, 3156 (1992)において、LTAヒドロラーゼ阻害剤として記載されている化合物、例えばRP64966。

(U)J. Med. Chem. 35, 3170 (1992)に記載されており、RP66153に構造的に関連した化合物。
(V)独国特許出願公開第4314966A1号において、LTAヒドロラーゼ阻害剤として記載されている2-ヒドロキシフェニル置換イソオキサゾール類、例えば次のもの。

(W)例えば、J. Nat. Cancer Institute 95,1053 (2003)に記載されているベスタチン。

(X)例えば、J. Med. Chem. 43, 721 (2000)に記載されているSC-22716(1-[2-(4-フェニルフェノキシ)エチル]ピロリジン)。

(Y)例えば、J. Med. Chem. 45, 3482 (2002)及びCurr. Pharm. Design 7, 163 (2001)に記載されているSC57461A。

(Z)Med. Chem. Lett. 13, 1137 (2003)において、LTAヒドロラーゼ阻害剤として記載されているイミダゾピリジン類及びプリン類。
(AA)例えば、FASEB Journal 16, 1648 (2002)に記載されているカプトプリル。

(AB)国際公開第99/40910号において、LTAヒドロラーゼ阻害剤として記載されているヒドロキサム酸誘導体、例えば次のもの。

(AC)例えば、特開平11−049675号に記載されているAB5366。
(AD)例えば、国際公開第96/27585号、Life Sci. 64, PL51-PL56 (1998)、及びEur. J. Pharmacol. 346, 81 (1998)に記載されているSA6541。

(AE)特開平10−265456号において、LTAヒドロラーゼ阻害剤として記載されている、N-メルカプトアシルプロリン類を含む化合物、例えば次のもの。

(AF)例えば、Prostaglandins, Leukotrienes and Essential Fatty Acids 58, 105 (1998)に記載されている、アムホテリシンB、

(AG)例えば、Biochem. J. 328, 225 (1997)に記載されている14,15-デヒドロロイコトリエンA4。
(AH)例えば、J. Natural Products 59, 962 (1996)に記載されており、ストレプトミセス・ジアスタティクス(Streptomyces diastaticus)により産生される8(S)-アミノ-2(R)-メチル-7-オキソノナン酸。

(AI)例えば、Bioorg. Med. Chem. Lett. 5, 2517 (1995)に記載されている、ヒドロキサム酸含有ペプチドケラトルファン(kelatorphan)。
(AJ)Bioorg. Med. Chem. 3, 1405 (1995)において、LTAヒドロラーゼ阻害剤として記載されているアミノヒドロキサム酸、例えば次のもの。

(AK)J. Pharmacol. Exp. Therap. 275, 31 (1995)において、LTAヒドロラーゼ阻害剤として記載されている、α-ケト-β-アミノエステル及びチオアミン類。
(AL)特開平05−310668号において、LTAヒドロラーゼ阻害剤として記載されているN-(フェニルブタノイル)ロイシン類

及びそれらの一般的に用いられる塩。
挙げることのできる他の特異的LTAヒドロラーゼ阻害剤には、概説論文Curr. Pharm. Design 7, 163 (2001)及びCurr. Med. Chem. 4, 67 (1997)に記載されているものが含まれる。
【0025】
挙げることのできる(BLT1等の)LTBレセプターのアンタゴニストには、次のものが含まれる。
(i)米国特許第6291530号において、LTBレセプターアンタゴニストとして記載されている化合物、例えば(E)-[5-(2-ジエチルカルバモイル-1-メチルビニル)-2-(2,6-ジフルオロベンジルオキシ)フェノキシ]酢酸:

(ii)米国特許出願公開第2002/0128315号において、LTBレセプターアンタゴニストとして記載されている化合物、例えば4-(4-フェニルピペリジニルメチル)安息香酸4-アミジノフェニルエステル及び4-(2-フェニルイミダゾリルメチル)安息香酸4-アミジノフェニルエステル:

(iii)米国特許出願公開第2004/0053962号において、LTBレセプターアンタゴニストとして記載されている化合物、例えば2-(2-プロピル-3-(3-(2-エチル-4-(4-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシフェノキシ)プロポキシ)フェノキシ)安息香酸:

(iv)例えば、J. Pharmacol. Exp. Therap. 297, 458 (2001)及び国際公開第02/055065号に記載されているBIIL。

(v)例えば、J. Pharmacol. Exp. Therap. 285, 946 (1998)に記載されている、CP105696及びCP195543。

(vi)LY210073

(vii)LY223982(同義語:CGS23131、SKF107324)。

(viii)例えば、Eur. J. Pharmacol. 223, 57 (1992)に記載されている、LY255283(同義語:CGS23356、LY177455)。

(ix)LY292728。

(x)例えば、Drugs of the Future 21, 610 (1996)、Clin. Cancer Res. 8, 3232 (2002)及び国際公開第01/085166号に記載されている、LY293111(同義語:VML295)。

(xi)LTB019。
(xii)例えば、Exp. Opin. Therap. Patents 5, 127 (1995)に記載されている、モキシルバント(Moxilubant)(同義語:CGS25019C)。

(xiii)例えば、Drugs of the Future 18, 794 (1993)に記載されているオロパチジン(Olopatidine)(同義語:アレロック(allelock)、ALO4943A、KW4679、パタノール(Patanol)(登録商標))。

(xiv)例えば、Gastroenterology 110 (Suppl.), 110 (1996)に記載されている、ONO4057(同義語:LB457)。

(xv)例えば、J. Pharm. Exp. Therap. 271, 1418 (1994)に記載されているオンタゾラスト(Ontazolast)(同義語:BIRM270)。

(xvi)例えば、Eur. J. Pharmacol. - Enviromental Toxicology and Pharmacology Section 293, 369 (1995)に記載されているPF10042。

(xvii)例えば、Pharmacologist 34, 205 (1992)に記載されているRG14893。

(xviii)例えば、ISSX Proceedings 6, 232 (1994)に記載されているRO254094。

(xix)RP66153。

(xx)RP66364。

(xxi)RP69698。

(xxii)例えば、Thorax 53, 137 (1998)に記載されているSB201146。

(xxiii)例えば、J. Med. Chem. 36, 2703 (1993)に記載されているSB201993。

(xxiv)例えば、J. Pharmacol. Exp. Therap. 269, 917 (1994)に記載されているSC41930。

(xxv)SC50605。

(xxvi)SC51146。

(xxvii)例えば、Inflammation Res. 44 (Suppl. 2), 143 (1995)に記載されているSC53228。

(xxviii)例えば、Adv. Prostaglandin Thromboxane and Leukotriene Res. 23, 275 (1995)に記載されている、チコルバント(Ticolubant)(同義語:SB209247)。

(xxix)例えば、Adv. Prostaglandin Thromboxane and Leukotriene Res. 23, 275 (1995)に記載されているU75302(同義語:U75485、U77692、U78489)。

(xxx)例えば、Inflammation Res. 44, (Suppl. 3) 268 (1995)に記載されているVM301(同義語:OAS1000、シュードプテロシン(pseudopterosin)Aメチルエーテル)。
(xxxi)例えば、Inpharma 1094, 9 (1997)に記載されているZD158252。
(xxxii)例えば、Inpharma 1094, 9 (1997)に記載されているZK158252。

(xxxiii)例えば、Am. J. Physiol. Heart Circ. Physiol. 2004, Mar 11[印刷より早い電子版]に記載されているU-75509。
(xxxiv)例えば、Br. J. Pharmacol. 139, 388 (2003)に記載されているCP-105696。
(xxxv)例えば、Clin. Cancer Res. 8, 3232 (2002)に記載されているLY293111。
【0026】
挙げることができるHヒスタミンレセプターアンタゴニストには、アクリバスチン、アリメマジン、アナタゾリン(anatazoline)、アステミゾール、アザタジン、アゼラスチン、バミピン、ベポタスチン、ブロマジン、ブロムフェニラミン、ブクリジン、カルビノキサミン、クロルシクリジン、クロルピラミン、クロルフェナミン、シンナリジン、クレマスチン、クレミゾール、クロシニジン、シクリジン、シプロヘプタジン、デプトロピン(deptropine)、デスロラタジン、デクスクロルフェニラミン、ジメンヒドリネート、ジメチンデン、ジメトチアジン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、ドキシラミン、エバスチン、エンブラミン、エメダスチン、エピナスチン、フェキソフェナジン、フルナリジン、ホモクロルシクリジン、ヒドロキシジン、イソチペンジル、レボカバスチン(levocarbastine)、ロラチジン、メブヒドロリン、メクロジン、メピラミン、メキタジン、メトジラジン、ミゾラスチン、ニアプラジン、オロパタジン、オキサトミド、オキソメマジン、フェニンダミン、フェニラミン、フェニルトロキサミン、ピメチキセン、ピピンハイドリネート(pipinhydrinate)、プロメタジン、プロピオマジン、キフェナジン、ルパタジン(ruputadine)、セタスチン、テルフェナジン、テニルジアミン、チエチルペラジン、トンジルアミン、トルプロパミン、トリメトベンザミン、トリペレンアミン、トリプロリジン及びトリトクアリン及びそれらの一般的に用いられる塩が含まれる。
活性成分は組み合わせて用いることができる。
【0027】
抗炎症及び/又は抗ヒスタミン活性成分の任意の薬学的に許容可能な塩、並びにその遊離の塩基形態を本発明の組成物の製造において使用することができる。好ましい塩には、酢酸塩、アセトネート(acetonate)塩、アルミニウム塩、アンモニウム塩、アルギニン塩、臭化物塩、酪酸塩、カルシウム塩、塩化物塩、コリン塩、クエン酸塩、ジエタノールアミン塩、ジエチルアミン塩、ギ酸塩、フマル酸塩、フロ酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、イミダゾール塩、乳酸塩、リジン塩、マグネシウム塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メグルミン塩、メシル酸塩、モルホリン塩、硝酸塩、リン酸塩、ピペラジン塩、カリウム塩、プロピオン酸塩、ナトリウム塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、パラ-トルエン硫酸塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩、吉草酸塩等々、及び/又は「Handbook of Pharmaceutical Salts」Stahl及びWermuth編, Wiley, 2002, 12章に記載されているものが含まれる。
【0028】
本発明の組成物の調製に使用することができる抗炎症及び/又は抗ヒスタミン活性成分又はその塩の量は、個々の患者にとって最も適切なものが何であるかによって、医者又は当業者により決定されうる。この量は、用いられる活性成分の性質、治療される病状の重症度、並びに治療される特定の患者の種、年齢、体重、性別、腎機能、肝機能及び反応によって変わる可能性がある。しかしながら、本発明の組成物は、遊離塩基形態で算出して、約0.1mg/mL〜約200mg/mLの量で抗炎症及び/又は抗ヒスタミン薬又はその塩を含有することが好ましい。
存在し得る活性成分の全量は、用いられる活性成分に対して適した単位用量当たりの薬剤の一日量を付与するのに十分な量とされうる。例えば、これは約20μg〜約200mgの範囲にありうる。当業者であれば、上述の一日量を提供するために、本発明の組成物は、一又は複数回の投与で、毎日一回又は複数回投与されうることを理解するであろう。好ましい範囲には、約0.1mg/mL〜約100(例えば約70)mg/mL、より詳細には約0.2mg/mL〜約50mg/mLが含まれる。
【0029】
上述の用量は平均な症例の例である;もちろん、より多い又は低い用量範囲が好ましいとされる個々の症例もあり得、この場合も本発明の範囲内である。
「リポソーム」なる用語は、水、又は水性のバッファー分画により分離された極性脂質二重層の一又は複数の同心球からなる構造体を含むと当業者には理解される。
リポソームは、例えばLiposome Drug Delivery Systems, Betageri G V等, Technomic Publishing AG, Basel, Switzerland, 1993に記載されている溶媒、減圧、2相系、凍結乾燥、超音波処理等を使用する様々な方法により調製することができ、その文献の関連開示を、出典明示によりここに援用する。
【0030】
「極性脂質」なる用語は、リポソームを形成可能な、極性の頭部基と2つの脂肪酸残基を持つ任意の脂質を含むことは、当業者にはよく理解されるであろう。
極性脂質、例えば以下に記載されるものは、天然及び/又は合成及び/又は半合成由来のものであってもよい。天然及び合成/半合成の極性脂質の混合物もまた本発明の組成物に使用され得る。
よって、本発明の組成物に使用され得る極性脂質は、例えばリン脂質、特にホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルグリセロール(PG)、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルセリン(PS)、又はそれらの混合物をベースにしたものでありうる。
【0031】
本発明の組成物に用いることができるリン脂質は、グリセロール等のヒドロキシル基を担持する骨格部分に極性及び非極性基が結合してなる。
リン脂質は、また一般式I

[上式中、R及びRは独立して、飽和又は不飽和(例えばアルケニル)で、分枝状又は直鎖状鎖の、7〜23の炭素原子、好ましくは11〜19の炭素原子を有するアルキル基を表し;Rはアミド又はエステル結合基、例えば
-CH-CH(OH)-CHOH(ホスファチジルグリセロール)、
-CH-CH-N(CH)(ホスファチジルコリン)、
-CH-CH-NH(ホスファチジルエタノールアミン)、
-H(ホスファチジン酸)、又は
-CH-CH(NH)-COOH(ホスファチジルセリン)
を表す]によって表すことができる。
【0032】
リン脂質は天然由来であってもよい。天然のリン脂質は、好ましくは、植物(例えば、菜種、ヒマワリ等、好ましくは大豆)及び動物由来(例えば、卵黄、牛乳)の双方の様々な供給源から得られる膜脂質である。植物リン脂質の主たる供給源である大豆由来のリン脂質は、脱ゴム(degumming)プロセスによる粗大豆油の精製中の副産物(つまりレシチン類)から通常は得られる。レシチン類はさらに加工され、他の物理的単位操作、例えば分別及び/又はクロマトグラフィーを使用して精製される。他のリン脂質は、例えば、様々な適切な種子及び粒子を圧し、続いて溶媒抽出し、ついで上述したようなさらなる加工により得ることができる。挙げることのできる天然由来のリン脂質には、全てが大豆に見出される幾つかの異なるリン脂質の混合物であるリポイド(Lipoid)S75、リポイドS100、及びリポイドS75-3N(リポイドGmbH、独)の商品名で入手可能なものが含まれる。
【0033】
あるいは、リン脂質は、合成又は半合成由来の(すなわち、化学合成により調製される)ものであってもよい。例えば、多段工程の化学合成アプローチ法を、リン脂質の特徴であるグリセロール骨格を提供する(S)-1,2-イソプロピリデングリセロールから、鍵となるリン脂質中間体1,2-ジアシルグリセロールを得るために使用することができる。ついで、対応する極性頭部基が、1,2-ジアシルグリセロール中間体に化学合成を介して結合する場合に、1,2-ジアセチル化リン脂質が得られうる。しかしながら、一般的には、様々な工程で使用されるグリセロール及び脂肪酸の由来は、天然及び合成由来の双方であってよい。挙げることのできる合成及び/又は半合成のリン脂質には、ジラウリルホスファチジルコリン(DLPC)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジラウリルホスファチジルグリセロール(DLPG)、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)及びジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)が含まれる。
【0034】
あるいは、極性脂質は、糖脂質を含むか又はより好ましくは糖脂質からなるものでありうる。本発明の文脈において、「糖脂質」なる用語は、アシルグリセロール、スフィンゴイド又はセラミド(N-アシルスフィンゴイド)等の、疎水性部分にグリコシド結合により結合した一又は複数の単糖類残基を含む化合物を指す。
糖脂質はグリセロ糖脂質であってもよい。本発明の文脈において、「グリセロ糖脂質」なる用語は、一又は複数のグリセロール残基を含む糖脂質を指す。本発明の好ましい態様では、グリセロ糖脂質は、ガラクトグリセロ脂質、より好ましくは次の一般式II

[上式中、R及びRは上述した通りである]
のジガラクトシルジアシルグリセロールを含むか又はそれらからなる。
【0035】
あるいは、糖脂質はスフィンゴ糖脂質であってもよい。本発明の文脈において、「スフィンゴ糖脂質」なる用語は、少なくとも一の単糖類残基と、スフィンゴイド又はセラミドの何れかを含む脂質を指す。よって、該用語には、中性のスフィンゴ糖脂質、例えばモノ-及びオリゴグリコシルスフィンゴイド類、並びにオリゴ-、より好ましくはモノグリコシルセラミド類が含まれ得る。前記用語にはまた酸性のスフィンゴ糖脂質、例えばシアロスフィンゴ糖脂質、ウロノスフィンゴ糖脂質(uronoglycosphingolipids)、スルホスフィンゴ糖脂質、ホスホスフィンゴ糖脂質、及びホスホノスフィンゴ糖脂質が含まれる。スフィンゴ糖脂質は、セラミド、モノヘキソシルセラミド、ジヘキソシルセラミド、スフィンゴミエリン、リソスフィンゴミエリン、スフィンゴシン、又はそれらの混合物であってもよい。好ましくは、スフィンゴ糖脂質はスフィンゴミエリン又はそこから誘導される産物である。スフィンゴミエリンの含有量は、好ましくはクロマトグラフィー法により定められる。スフィンゴミエリンは、ミルク、好ましくは牛乳、脳、卵黄、又はヒツジ等の動物の血液の赤血球から抽出されうる。誤解を避けるために、合成及び半合成のスフィンゴ脂質が本発明に含まれる。
【0036】
あるいは、糖脂質はグリコホスファチジルイノシトールであってもよい。本発明の文脈において、「グリコホスファチジルイノシトール」なる用語は、ホスファチジルイノシトール類のイノシトール部分にグリコシド結合した糖類を含む糖脂質を指す。
好ましい糖脂質には、ジガラクトシルジアシルグリセロール(DGDG)が含まれる。
極性脂質はリン脂質に基づくものであることが好ましく、より詳細には大豆由来のリン脂質(例えばリポイドS100、リポイドS75又はリポイドS75-3N)が好ましい。
好ましい極性脂質(例えばリン脂質)は、水中で測定可能な程度に膨潤するもの、及び/又は自然にリポソーム形成可能なものである。
極性(例えばリン-)脂質が水中で自然に膨張しない場合には、当業者ならば、より極性があり、膨潤可能な(例えばリン-)脂質、例えばアニオン性(例えばリン-)脂質(例えば、ホスファチジルグリセロール)を添加することで、リポソームをそれでも得ることができることは理解できるであろう。
アシル鎖の相転移温度(鎖融解;ゲルから液晶)が水の氷点よりも低い場合、リポソームの形成は約0℃以上(例えば室温)で実施され得る。
【0037】
何れの極性脂質物質(又はその組合せ)が使用されても、本発明の組成物の調製に使用され得る脂質の適切な全量/濃度は、約10mg/mL〜約120mg/mLの範囲である。挙げることのできる本発明の組成物には、極性脂質がリン脂質(他の脂質又はそうではないものとの組合せであろうがなかろうが)を含む場合、組成物中のリン脂質の量が、約10(例えば約17、例えば約20)mg/mL〜約120mg/mL、より好ましくは約25(例えば約35)mg/mL〜約100(例えば約70、例えば約50、例えば約40)mg/mLであるものが含まれる。挙げることができる典型的な範囲には、約25(例えば27)mg/mL〜約50mg/mL(例えば45又はより詳細には35mg/mL)が含まれる。更に、リン脂質の全量は(極性脂質がリン脂質を含む場合)好ましくは約10mg〜約80mg(例えば約17(例えば20)mg〜約70(例えば40)mg)の範囲にある。
【0038】
本発明の組成物は、酸化防止剤、例えばα-トコフェロール、アスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、モノチオグリセロール、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、酒石酸又はビタミンEをまた含有しうる。好ましい酸化防止剤にはブチル化ヒドロキシトルエン、α-トコフェロール、アスコルビン酸及びブチル化ヒドロキシアニソールが含まれる。
本発明によれば、リン脂質及び/又は活性成分の金属イオンに触媒される酸化を低減させるために、キレート剤を使用してもよい。有用なキレート剤の例は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその塩(例えばEDTAナトリウム又はカリウム)、エチレンジアミン三酢酸及びジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)である。本発明の組成物、特にそこに存在しうる任意の不飽和脂肪酸残基を酸化から保護する他の薬剤を使用することもまたできる。好ましいキレート剤にはEDTAとその塩が含まれる。
【0039】
本発明の組成物は一又は複数の保存料を含有しうる。液状の医薬組成物のための一般的な保存料の例は、塩化ベンザルコニウム、安息香酸、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチルパラベン、クロルブタノール、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノール、又はフェニルエチルアルコールである。好ましい保存料には塩化ベンザルコニウムが含まれる。挙げることができる他の保存料にはソルビン酸が含まれる。
本発明の組成物をその適用部位に保持するために、増粘剤、例えば親水性ポリマー、特にポリエチレングリコール、又は架橋ポリビニルピロリドン、及び/又はセルロース誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースをまた含有してもよい。増粘剤は、投与前に本発明の組成物を物理的に安定化させるための保護コロイドとしてもまた機能しうる。好ましい保護コロイドにはヒドロキシプロピルメチルセルロース、より詳細にはポリエチレングリコールが含まれる。
本発明の組成物は、香料(例えば、レモン、メントール又はペパーミントパウダー)、及び/又は甘味料(例えば、ネオヘスペリジン)をまた含有しうる。
本発明の組成物は、浸透圧調節剤(tonicity-modifying agents)、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、グリセロール、グルコース、デキストロース、スクロース、マンニトール等をまた含有しうる。
【0040】
緩衝剤、保存料、増粘剤、酸化防止剤、浸透圧調節剤及びキレート剤を含む任意成分の添加剤は、リポソームの安定性に対するそれらの悪影響を最小にすべきであるということを考慮して、それらの種類及び使用される量について、選択されるべきである。与えられた薬剤に対して、これは、当業者の十分な理解の範囲内にある簡単な実験により確定することができる。しかしながら、そのような成分の適切な量は約0.01mg/mL〜約10mg/mLの範囲である。本発明の組成物は少なくとも一種の保存料、酸化防止剤、キレート剤、緩衝剤及び/又は増粘剤を含んでいることが好ましい。これらの任意成分添加剤の適した量には、約0.02〜約5(例えば約3)mg/mL(例えば約0.1〜約2mg/mL)が含まれる。
【0041】
また、本発明の組成物の調製方法が提供される。我々は、驚くべきことに、通常は必要とされる荷電脂質及び/又は界面活性剤等の他の任意の賦形剤を添加することなく、水性媒体中で極性脂質を直接膨潤させることにより、リポソームを調製することができることを見出した。
本発明の更なる態様によれば、本発明の組成物を調製するための方法が提供され、該方法は:
(a)(i)水性媒体中で膨潤性である極性脂質又は極性脂質混合物と、(ii)水性相と、(iii)抗炎症及び/又は抗ヒスタミン活性成分を一緒に混合し;
(b)その調製物をホモジナイズする
ことを含む。
【0042】
上の工程(a)で用いられる水性相には、水、又は何か他のものが溶解されている水(すなわち、水溶液)が含まれる。水溶液は例えば緩衝剤(以下参照)を含みうる。水溶液はまた抗炎症及び/又は抗ヒスタミン活性成分(つまり上の成分(iii))を含有し得、その場合、極性脂質、又は極性脂質の混合物が上の工程(a)において抗炎症及び/又は抗ヒスタミン活性成分の水溶液に加えられる。
上述の方法の工程(a)は好ましくは適切な撹拌(agitation)(例えば撹拌(stirring))下で実施される。
好ましくは、調製物のpHは、例えば上のホモジナイズ工程(b)前に、酸又は塩基(例えば、適切な濃度(例えば1M)の塩酸及び/又は水酸化ナトリウム)の添加により、約pH4(例えば4.0)〜約pH8(例えば8.0)、好ましくは約pH5(例えば5.0)〜約pH7(例えば7.0)の範囲内の所望値に調節する。
好ましくは、水、食塩水又はバッファー溶液を、例えば上のホモジナイズ工程(b)の前及び/又は上述のpH調節工程の後に調製物に添加して、所望の最終バッチ容量を得る。
【0043】
適切であるならば、上述の方法において適切な工程で、窒素又はアルゴンを溶液/液体にパージすることができる。
本発明の文脈において、脂質は、水性媒体中で、そのような媒体に接触して配された場合に、測定可能な程度まで膨潤するならば、膨潤性であると言うことができる。
バッファーは、好ましくは、脂質の添加前に薬剤の水溶液に添加されてもよい(及び/又は薬剤をバッファーの水溶液に添加してもよい)。
【0044】
本発明のリポソームの形成は、極性脂質を水中で自然に膨張させ、極性脂質の性質に応じて、約35重量%又はそれ以上の最大水分含有量を有するラメラ状の液晶相を形成させることにより、容易にすることができる。使用される脂質又は脂質混合物及び他の条件に依存して、過剰水がこのラメラ相に添加された場合に、リポソームの自然な形成が達成され得る。自然な形成が達成されない場合は、過剰水中におけるラメラ状液晶相の機械的分散工程(すなわち、上の方法のホモジナイズ工程(b))によって、リポソームの形成を達成することができる。
ホモジナイズ/分散方法には、例えばウルトラテュラックス(Ultra Turrax(登録商標))(Jankel & Kuhnke, 独)による、激しい機械的混合又は高速ホモジナイズが含まれる。振盪、ボルテックス及びローリング処理もまた上述の方法のホモジナイズ工程の一部として実施することができる。
【0045】
本発明のリポソームの均質なサイズ分布が望ましく、約100nmの孔径を有し、ポリカーボネート製のもののようなメンブランフィルターを通しての押出しにより得られる。メンブランフィルターはAvestin Inc.(カナダ)から調達することができる。
減少した平均リポソームサイズ及び狭いリポソームサイズの分布は、好ましくは、リポソーム分散液を適切なホモジナイザー(Rannie APV, 7.30型VH, Rannie AS, デンマーク)を用いて、高圧で、例えば約300bar〜約1000bar、例えば約400bar〜約900bar、例えば約500〜800barで、約4〜約8(例えば7、特に6)回のサイクル、ホモジナイズすると得られる。
我々は、ある種の活性成分が存在すると、リポソームサイズが減少する結果になりうることを見出した。より微細なリポソームは、表面積/容量の比が高く、物理的に安定しており、粘膜により容易に再吸収されるため、一般的に有利である。
本発明の組成物におけるリポソームの直径は、例えば以下に記載するようなレーザー回析又は動的光散乱により測定した場合、約200nm未満(例えば約40〜約100nm)であることが好ましい。
【0046】
更に、本発明の組成物の調製のための上述の方法は、通常は、有機溶媒、例えばクロロホルム又はジクロロメタンでの一般的な処理を必要としない。しかしながら、2又はそれ以上の膜脂質が使用される場合、水性溶媒の添加の前に、有機溶媒でそれらを処理することが適切であり及び/又は必要である場合がある。例えば、脂質は、揮発性溶媒又は溶媒混合物、例えばクロロホルム又はクロロホルム/メタノールに溶解させることができる。次に、溶媒が減圧下でロータリーエバポレータにより除去された際に、溶液は丸底フラスコの表面に付着しうる。ついで、薬剤を含む過剰容量の水性バッファーが脂質の乾燥した薄層フィルムに添加され、該フィルムが膨張してリポソームが形成され得る。他の場合、活性成分が水及び/又はリン脂質に著しく不溶性である場合には、水性相の添加前に、それとリン脂質を有機溶媒に溶解させることが必要であることがある。また、有機溶媒は水性相の添加前に除去(例えば真空で)することができる。
【0047】
本発明の組成物は、例えばMartindale「The Complete Drug Reference」, 34版, Royal Pharmaceutical Society (2005)において活性成分に対して特に列挙されているもののような、関連の活性成分が効果的であることが知られている任意の徴候の治療において有用である。
本発明の更なる態様によれば、炎症疾患(及び/又は適切な場合、片頭痛又は疼痛(例えば急性疼痛))の治療方法であって、該疾患を患っているか、又は該疾患に罹患しやすいヒトへの、本発明の組成物の薬理学的に有効な量の投与を含む方法が提供される。
誤解を避けるために、「治療」には、病状の治療的処置、並びに対症療法、予防、又は診断が含まれる。
【0048】
本発明の組成物は、非経口的、局所的及び/又は経口的を含む任意の既知の経路によって投与することができるが、それらは通常は経粘膜的、より詳細には経鼻的、経眼的、経肺的に投与されうる。例えば、本発明の組成物は鼻用スプレー、点鼻薬及び/又は点眼薬により投与することができる。また、噴霧療法(ネブライザー)により、微細ミストとして本発明の組成物を肺に投与することもできる。経鼻投与には、水性リポソーム分散液のスプレーをつくるのに適した任意の従来の装置を使用することができる。
そのような製剤は標準的な及び/又は受け入れられた薬学的実務に従って調製されうる。
「約」なる用語が、範囲(例えば、pH値、サイズ、温度、圧力等)及び量(例えば、組成物中の個々の構成物質又は組成物の成分の量、重量及び/又は濃度、リポソーム構造の内部/外部の薬剤の割合、活性成分の絶対用量等々)について使用される場合、それは、このような変数が近似値であり、例えば、ここで特定した数値から±10%、例えば±5%、好ましくは±2%(例えば±1%)で変化し得ることが理解されるであろう。
【0049】
本発明の組成物、及びその調製に使用され得る上述した方法は、これまでに述べたような利点を有する。特に、本発明の組成物は、例えば経鼻投与製剤で通常観察される不都合な副作用(特に刺激)の発生を低減することができる。
本発明の組成物は、製造が容易で、投与前の再構成の必要性を回避した、使用準備が整った形態であるリポソームベースの製剤の製造を可能とする。
また本発明の組成物は、確立された製薬加工方法を使用して調製することができ、食物、又は製薬、又は同様の規制状況で使用が承認されている物質を用いるという利点を有する。
また本発明の組成物には、それらが鼻炎の治療に使用されようと又は他の目的に使用されようと、従来技術で既知の医薬組成物よりも、より効果的であり、毒性が低く、長時間作用し、強力で、副作用が少なく、より容易に吸収され、及び/又はより良好な薬物動態特性を有し、及び/又は他の有用な薬理学的、物理的又は化学的特性を有するという利点がある。
【0050】
本発明を次の実施例によって例証する。
一般的手順。 重量と体積については以下の表を参照のこと。200mLの容量フラスコにおいて、無水クエン酸と水酸化ナトリウムを160mLの水(全バッチ容量の80%)に溶解させることによって、バッファー溶液を調製する。計量した量の活性成分を添加し、磁気撹拌器を用いて撹拌して溶解させる。リン脂質を別個に計量し、溶液に添加する。十分に分散した懸濁液が形成されるまで撹拌を継続し、そのpHを、1.0MのNaOH及び/又は1.0MのHClでpH5.0±0.1に調整する。ついで、調製物の容量を200mLの最終バッチ容量までにする。調製物を高圧ホモジナイザー(Rannie APV, 7.30型VH, Rannie AS, デンマーク)に移し、500−800barで5サイクル、ホモジナイズする。このようにして得られる組成物の一定分量を収集容器から除去しガラスバイアルに移す。
以下の実施例1から8に概略した最終組成物を調製するために上記の手順を用いた。適切な場合には、成分の量を適切にスケールアップさせた(例えば実施例1から8の場合、200倍)。実施例9の手順は以下に別個に記載する。
【0051】
実施例1

【0052】
実施例2

【0053】
実施例3

【0054】
実施例4

【0055】
実施例5

【0056】
実施例6

【0057】
実施例7

【0058】
実施例8

【0059】
実施例9
市販されている経鼻抗ヒスタミンアゼラスチン(Azelvin(登録商標)、Azosin(登録商標)、Astelin(登録商標)、Lastin(登録商標)及びRhinolast(登録商標)のような商品名で登録)を、以下に概略を示した量と工程を使用して、処方した。
1. 0.9mg/mLのアゼラスチンを含む経鼻投与のための160mLのアゼラスチン液(Lastin(登録商標))を200mLの容量フラスコに移した。
2. 7gの大豆リン脂質(リポイドS100;Lipoid GmbH、独)を加え、混合物を一晩膨潤させた。
3. 更にアゼラスチン液(上の工程1を参照)を添加して容量を200mLにした。
4. pHを調べた。
5. 上の一般的手順に記載のようにして、溶液を800barで7サイクル、ホモジナイズした。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗炎症及び/又は抗ヒスタミン活性成分、極性脂質リポソーム及び薬学的に許容可能な水性担体を含有し、活性成分がセチリジンではない、炎症性疾患治療のための均質な医薬組成物。
【請求項2】
約pH4から約pH8のpHを付与できる薬学的に許容可能なバッファーを更に含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
pH範囲が約pH5から約pH7である請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
バッファーがホスフェート、シトレート又はアセテートバッファーである請求項2又は3に記載の組成物。
【請求項5】
バッファーが、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸プラス塩基、クエン酸ナトリウム、クエン酸プラス塩基、酢酸ナトリウム又は酢酸プラス塩基である請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
バッファーの量が約1mg/mLから約30mg/mLの範囲にある請求項2から5の何れか一項に記載の組成物。
【請求項7】
活性成分が抗ヒスタミンである請求項1から6の何れか一項に記載の組成物。
【請求項8】
抗ヒスタミンが、アクリバスチン、アリメマジン、アナタゾリン、アステミゾール、アザタジン、アゼラスチン、バミピン、ベポタスチン、ブロマジン、ブロムフェニラミン、ブクリジン、カルビノキサミン、クロルシクリジン、クロルピラミン、クロルフェナミン、シンナリジン、クレマスチン、クレミゾール、クロシニジン、シクリジン、シプロヘプタジン、デプトロピン、デスロラタジン、デクスクロルフェニラミン、ジメンヒドリネート、ジメチンデン、ジメトチアジン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、ドキシラミン、エバスチン、エンブラミン、エメダスチン、エピナスチン、フェキソフェナジン、フルナリジン、ホモクロルシクリジン、ヒドロキシジン、イソチペンジル、レボカバスチン、ロラチジン、メブヒドロリン、メクロジン、メピラミン、メキタジン、メトジラジン、ミゾラスチン、ニアプラジン、オロパタジン、オキサトミド、オキソメマジン、フェニンダミン、フェニラミン、フェニルトロキサミン、ピメチキセン、ピピンヒドリネート、プロメタジン、プロピオマジン、キフェナジン、ルパタジン、セタスチン、テルフェナジン、テニルジアミン、チエチルペラジン、トンジルアミン、トルプロパミン、トリメトベンザミン、トリペレンアミン、トリプロリジン、トリトクアリン及びこれら化合物の何れかの薬学的に許容可能な塩から選択される請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
活性成分が抗炎症剤である請求項1から6の何れか一項に記載の組成物。
【請求項10】
抗炎症剤がステロイドである請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
ステロイドが、アルクロメタゾン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロベタゾール、クロベタゾン、デフラザコート、デキサメタゾン、吉草酸ジフルコルトロン、フルオシノロン、アセトニド、フルオシノニド、フルオコルトロン、フルプレドニデン、フルオメソロン、フルチカゾン、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニゾロン、リメキソロン、トリアムシノロン及びこれら化合物の何れかの薬学的に許容可能な塩から選択される請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
抗炎症剤が非ステロイド抗炎症薬である請求項9に記載の組成物。
【請求項13】
非ステロイド抗炎症薬がPDE4阻害剤である請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
非ステロイド抗炎症薬がロイコトリエン修飾薬である請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
ロイコトリエン修飾薬が5-リポキシゲナーゼ阻害剤である請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
ロイコトリエン修飾薬がFLAP阻害剤である請求項14に記載の組成物。
【請求項17】
ロイコトリエン修飾薬がCysLTアンタゴニストである請求項14に記載の組成物。
【請求項18】
極性脂質が天然由来、合成/半合成由来、又は該二種の混合物を含む請求項1から17の何れか一項に記載の組成物。
【請求項19】
極性脂質がリン脂質又はリン脂質混合物を含むか又はそれからなる請求項1から18の何れか一項に記載の組成物。
【請求項20】
リン脂質が、ホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン又はその混合物に基づくものを含む請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
リン脂質は式I

(R及びRは独立して7〜23の炭素原子を有する飽和又は不飽和の分枝又は直鎖アルキル基を表し、Rはアミド又はエステル結合基を表す)によって表されるものを含む請求項19又は20に記載の組成物。
【請求項22】
アミド又はエステル結合基が、-CH-CH(OH)-CHOH、-CH-CH-N(CH)、-CH-CH-NH、-H又は-CH-CH(NH)-COOHである請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
リン脂質が大豆由来の膜脂質を含んでなる請求項19から22の何れか一項に記載の組成物。
【請求項24】
リン脂質がリポイドS75、リポイドS100及び/又はリポイドS75-3Nを含んでなる請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
リン脂質が、ジラウリルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジラウリルホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジオレオイルホスファチジルコリン又はジオレオイルホスファチジルグリセロールを含んでなる請求項19から24の何れか一項に記載の組成物。
【請求項26】
極性脂質が糖脂質又は糖脂質混合物を含むか又はそれからなる請求項1から18の何れか一項に記載の組成物。
【請求項27】
糖脂質がグリセロ糖脂質を含んでなる請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
グリセロ糖脂質がガラクトグリセロ脂質を含んでなる請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
グリセロ糖脂質が、一般式II

(上式中、R及びRは請求項21に定義した通りである)のジガラクトシルジアシルグリセロールを含んでなる請求項27に記載の組成物。
【請求項30】
糖脂質がジガラクトシルジアシルグリセロールを含んでなる請求項26から29の何れか一項に記載の組成物。
【請求項31】
糖脂質がスフィンゴ糖脂質を含んでなる請求項26に記載の組成物。
【請求項32】
スフィンゴ糖脂質が、モノグリコシルスフィンゴイド、オリゴグリコシルスフィンゴイド、オリゴグリコシルセラミド、モノグリコシルセラミド、シアロスフィンゴ糖脂質、ウロノスフィンゴ糖脂質、スルホスフィンゴ糖脂質、ホスホスフィンゴ糖脂質、ホスホノスフィンゴ糖脂質、セラミド、モノヘキソシルセラミド、ジヘキソシルセラミド、スフィンゴミエリン、リソスフィンゴミエリン、スフィンゴシン又はそれらの混合物を含んでなる請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
スフィンゴ糖脂質が、スフィンゴミエリン又はそれから誘導された生成物を含んでなる請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
糖脂質がグリコホスファチジルイノシトールを含んでなる請求項26に記載の組成物。
【請求項35】
使用される極性脂質物質の量が、約10mg/mL〜約120mg/mLの範囲にある請求項1から34の何れか一項に記載の組成物。
【請求項36】
組成物中のリン脂質の量が、約17mg/mL〜約70mg/mLである請求項1から25又は35の何れか一項に記載の組成物。
【請求項37】
前記量が約20mg/mL〜約40mg/mLである請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
酸化防止剤を更に含有する請求項1から37の何れか一項に記載の組成物。
【請求項39】
酸化防止剤が、α-トコフェロール、アスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、モノチオグリセロール、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、酒石酸及び/又はビタミンEである請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
キレート剤を更に含有する請求項1から39の何れか一項に記載の組成物。
【請求項41】
キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸(及び/又はその塩)、エチレンジアミン三酢酸及び/又はジエチレントリアミン五酢酸である請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
保存料を更に含有する請求項1から41の何れか一項に記載の組成物。
【請求項43】
保存料が、塩化ベンザルコニウム、安息香酸、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチルパラベン、クロルブタノール、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノール及び/又はフェニルエチルアルコールである請求項42に記載の組成物。
【請求項44】
増粘剤を更に含有する請求項1から43の何れか一項に記載の組成物。
【請求項45】
増粘剤が、ポリエチレングリコール、架橋ポリビニルピロリドン及び/又はヒドロキシプロピルメチルセルロースである請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
リポソームの直径が約200nm未満である請求項1から45の何れか一項に記載の組成物。
【請求項47】
前記直径が約40nm〜約100nmである請求項46に記載の組成物。
【請求項48】
請求項1から47の何れか一項に記載の組成物の調製方法であって、
(a)(i)水性媒体中で膨潤性である極性脂質又は極性脂質混合物と、(ii)水性相と、(iii)抗炎症及び/又は抗ヒスタミン活性成分とを混合し;
(b)その調製物をホモジナイズする;
ことを含んでなる方法。
【請求項49】
工程(a)において、極性脂質又は極性脂質混合物を、抗炎症及び/又は抗ヒスタミン活性成分の水溶液に添加する請求項48に記載の方法。
【請求項50】
ホモジナイズ工程の前に、酸又は塩基の添加によりpHを所望値に調節する請求項48又は49に記載の方法。
【請求項51】
ホモジナイズ工程の前に、水、食塩水又はバッファー溶液を調製物に添加して、所望の最終バッチ容量を得る請求項48から50の何れか一項に記載の方法。
【請求項52】
水、食塩水又はバッファーの添加が、pH調節工程の後になされる(請求項50に従属する)請求項51に記載の方法。
【請求項53】
溶液/液体の少なくとも一に、窒素及び/又はアルゴンがパージされる請求項48から52の何れか一項に記載の方法。
【請求項54】
活性成分の水溶液を、脂質の添加前に、活性成分の水溶液にバッファーを添加するか、又はバッファー水溶液に活性成分を添加することにより、形成する請求項49から53の何れか一項に記載の方法。
【請求項55】
極性脂質混合物を使用する場合、それを有機溶媒で前処理する請求項48から54の何れか一項に記載の方法。
【請求項56】
活性成分が著しく水不溶性である場合、それを(脂質と組み合わせて)有機溶媒で前処理する請求項48から54の何れか一項に記載の方法。
【請求項57】
ホモジナイズ工程(b)が、激しい機械的攪拌、高速ホモジナイズ処理、振盪、ボルテックス処理及び/又はローリング処理を含む請求項48から56の何れか一項に記載の方法。
【請求項58】
付加的なリポソーム微細化工程を含む請求項48から57の何れか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記微細化工程が、メンブランフィルターを通す押出しを含む請求項58に記載の方法。
【請求項60】
ホモジナイズ工程及び/又は微細化工程が、高圧ホモジナイズ処理を含む請求項48から56、58又は59の何れか一項に記載の方法。
【請求項61】
(a)(i)水性媒体中で膨潤性である極性脂質又は極性脂質混合物と、(ii)水性相と、(iii)抗炎症及び/又は抗ヒスタミン活性成分とを混合し;
(b)その調製物をホモジナイズする;
ことを含むか、又はそれから本質的になる方法により得られうる医薬組成物。
【請求項62】
前記方法において、工程(a)において、極性脂質又は極性脂質混合物が、抗炎症及び/又は抗ヒスタミン活性成分の水溶液に添加される請求項61に記載の組成物。
【請求項63】
前記方法において、ホモジナイズ工程の前に、酸又は塩基の添加により、pHが所望値に調節される請求項61又は62に記載の組成物。
【請求項64】
前記方法において、ホモジナイズ工程の前に、水、食塩水又はバッファー溶液が調製物に添加されて、所望の最終バッチ容量が得られる請求項61から63の何れか一項に記載の組成物。
【請求項65】
水、食塩水又はバッファーの添加が、pH調節工程の後になされる(請求項63に従属する)請求項64に記載の組成物。
【請求項66】
前記方法において、溶液/液体の少なくとも一に窒素及び/又はアルゴンがパージされる請求項61から65の何れか一項に記載の組成物。
【請求項67】
前記方法において、活性成分の水溶液が、脂質の添加前に、活性成分の水溶液にバッファーを添加するか、又はバッファー水溶液に活性成分を添加することにより、形成される請求項62から66の何れか一項に記載の組成物。
【請求項68】
前記方法において、極性脂質混合物が使用される場合、それが有機溶媒で前処理される請求項61から67の何れか一項に記載の組成物。
【請求項69】
前記方法において、活性成分が著しく水不溶性である場合、それが(脂質と組み合わせて)有機溶媒で前処理される請求項61から67の何れか一項に記載の組成物。
【請求項70】
前記方法において、ホモジナイズ工程(b)が、激しい機械的攪拌、高速ホモジナイズ処理、振盪、ボルテックス処理及び/又はローリング処理を含む請求項61から69の何れか一項に記載の組成物。
【請求項71】
前記方法において、付加的なリポソーム微細化工程を含む請求項61から70の何れか一項に記載の組成物。
【請求項72】
前記微細化工程が、メンブランフィルターを通す押出しを含む請求項71に記載の組成物。
【請求項73】
前記方法において、ホモジナイズ工程及び/又は微細化工程が、高圧ホモジナイズ処理を含む請求項61から69、71又は72の何れか一項に記載の組成物。
【請求項74】
医薬における使用のための請求項1から47又は61から73のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項75】
炎症性疾患の治療方法において、該疾患を患っているか又は該疾患に罹患しやすいヒトに、請求項1から47又は61から73の何れか一項に記載の組成物を投与することを含む方法。
【請求項76】
炎症性疾患の治療のための医薬の製造における請求項1から47又は61から73の何れか一項に記載の組成物の使用であって、該治療が、該疾患を患っているか又は該疾患に罹患しやすいヒトへの該組成物の投与を含む使用。
【請求項77】
炎症性疾患が鼻炎である請求項75に記載の方法、又は請求項76に記載の使用。
【請求項78】
炎症性疾患が喘息である請求項75に記載の方法、又は請求項76に記載の使用。
【請求項79】
炎症性疾患が炎症性疼痛である請求項75に記載の方法、又は請求項76に記載の使用。
【請求項80】
組成物が経鼻投与される請求項75又は77から79の何れか一項に記載の方法、又は請求項76又は77から79の何れか一項に記載の使用。

【公表番号】特表2008−542438(P2008−542438A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515287(P2008−515287)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際出願番号】PCT/GB2006/002090
【国際公開番号】WO2006/131737
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(505347558)バイオリポックス エービー (26)
【Fターム(参考)】