説明

無線ICタグおよびシステム、同タグを用いた情報提供および享受システムならびにその方法

【課題】 外部メモリを接続した場合にも内部メモリのデータにアクセスを許可してメモリ容量の拡張をはかった無線ICタグを提供する。
【解決手段】 接続装置800を介して接続される1以上の外部メモリ702・703のメモリサイズ情報114、115をチェックし、外部メモリ702・703を内部メモリ701と同じメモリ空間上に割当てるメモリコントローラ600を備えた無線ICタグ。
メモリコントローラは、タグリーダからユーザ識別情報を含む質問波を受信し、いずれかのメモリに格納されたアクセス権限情報を参照してアクセス権の制限を行うことを特徴とする無線ICタグ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ICタグおよびシステム、同タグを用いた情報提供および享受システムならびにその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、読取装置からある程度離れてもタグ情報が読み取れる、複数のタグ情報を高速に読み取れる、汚れに強い等といった観点から、無線ICタグが注目されている。
しかしながら、従来の無線ICタグは、無線ICタグが存在することを読取装置に通知することはできるが、無線ICタグおよび無線ICタグが貼付された商品がどのような状態にあるのかを通知することはできなかった(つまりメモリの容量不足である)。このような問題を解決するために、無線ICタグの機能を拡張(メモリの容量を拡張)することが考えられる。
【0003】
無線ICタグの機能拡張の一例として、着脱可能な外部メモリを持ち、内部メモリと外部メモリとを切替えて使用することが可能な無線ICタグ技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平2−8772号公報(請求項1および図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した特許文献1に開示された技術は、内部メモリと外部メモリをメモリ切替え回路によって排他的に使用する方式であり、従って、外部メモリを接続したときに、内部メモリ内のデータにアクセスすることはできない。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、外部メモリを接続した場合にも内部メモリのデータにアクセスを許可して機能拡張をはかった、無線ICタグおよびシステム、同タグを用いた情報提供および享受システムならびにその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記した課題を解決するために本発明は、無線回路と内部メモリとを備えて成る無線ICタグにおいて、接続装置を介して接続される1以上の外部メモリのメモリサイズ情報をチェックし、外部メモリを内部メモリと同じメモリ空間上に割当てるメモリコントローラを備えたものである。メモリコントローラにより、内部メモリと外部メモリは、(連続した)単一のメモリ空間に割当てられるため、タグリーダは、無線ICタグの内部メモリと外部メモリの両方にアクセスすることができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、無線ICタグに複数の外部メモリを増設することが可能であり、このため、内部メモリと外部メモリの両方を使って無線ICタグのメモリ容量を拡張することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、本発明の実施形態を示すブロック図である。図1において、符号100は読取装置(以下、タグリーダという)、符号200は本発明の実施形態の無線ICタグであり、無線ICタグ200は、アンテナ300と、RF回路400と、無線ICタグコントローラ500と、メモリコントローラ600と、接続装置800と、内部メモリ(メモリ)701から構成される。
【0008】
接続装置800には、外部メモリ(メモリ)702または外部メモリ(メモリ)703が着脱自在になっており、無線ICタグコントローラ500は、メモリコントローラ600を介して、内部メモリ701と外部メモリ702・703のいずれにもアクセスすることができる。なお、外部メモリ702および外部メモリ703は、接続装置800に有線あるいは無線により接続され、または接触結合される。
一方、内部メモリ701には、タグ識別情報111とメモリ識別情報X(119)とメモリサイズが格納される。また、外部メモリ702には、メモリ識別情報A(112)とメモリサイズ情報114が格納され、外部メモリ703にはメモリ識別情報B(113)とメモリサイズ情報115が格納されている。
【0009】
メモリコントローラ600は、接続装置800を介して接続される1以上の外部メモリ、ここでは、外部メモリ702・703のメモリサイズ情報をチェックし、これら外部メモリ702・703を内部メモリ701と同じメモリ空間上に割当てる。また、タグリーダ100からユーザ識別情報(UID)を含む質問波を受信し、内部メモリ701に格納されているユーザのアクセス権限情報(図示せず)を参照してアクセス権の制限を行うこともできる。詳細は後記する。
また、無線ICタグコントローラ500は、タグリーダ100とのインタフェースを司り、タグリーダ100が発する質問波に対し、外部メモリ702・703のいずれかが接続装置800に接続されている場合と接続されていない場合とで、内部メモリ701に記録されたデータと外部メモリ702・703に記録されたデータの応答を制御する。詳細は後記する。
なお、外部メモリ702・703のサイズ(メモリの容量)のチェックは、メモリ拡張のために外部メモリ702・703のサイズを調べるものであり、このチェック結果に基づいて、アドレスを、内部メモリ701と同じメモリ空間上に割当てる(割当ては連続でも不連続でもよい)。メモリの割当ては、周知の方法で行うことができるので、詳細は省略する。
【0010】
図2は、外部メモリが接続されたときのメモリコントローラが管理するメモリ空間を示している。
内部メモリ701と外部メモリ702は、同一メモリ空間900に割り付けられ、無線ICタグコントローラ500からは、内部メモリ701に格納されているタグ識別情報(111)とメモリ識別情報X(119)と、内部メモリ701に格納されているメモリ識別情報A(112)にアクセス可能である。
【0011】
以上説明のように、前記した本発明の実施形態によれば、内部メモリ701と外部メモリ702・703は、メモリコントローラ600によって単一のメモリ空間900に割り付けられるため、タグリーダ100は、内部メモリ701と外部メモリ702・703の両 方にアクセスすることができ、実質的に無線ICタグ200のメモリ容量の拡張がはかれる。
【0012】
一方、外部メモリ702が接続されている無線ICタグ200に対して、タグリーダ100が識別情報を要求する質問波を発すると、質問波は、アンテナ300で受信され、RF回路400で質問データに変換された後、無線ICタグコントローラ500に入力される。
無線ICタグコントローラ500は、質問データを解釈すると、応答データであるアクセス識別情報120(タグ識別情報+外部メモリ識別情報)を生成するために、メモリコントローラ600が管理するメモリ空間900を介して、タグ識別情報111とメモリ識別情報A(112)を読み込む。
【0013】
無線ICタグコントローラ500は、図3に示されるように、タグ識別情報111とメモリ識別情報A(112)からアクセス識別情報120を生成する。アクセス識別情報120は、RF回路400で応答波に変換され、アンテナ300を介して発信される。
タグリーダ100は、アクセス識別情報120を受信すると、当該アクセス識別情報120が、タグ識別情報111とメモリ識別情報A(112)から構成されていることから、無線ICタグ200に外部メモリ702が接続されていることを判別することができる。
【0014】
無線ICタグ200に、外部メモリ702ではなく、外部メモリ703が接続されている場合は、前記と同様に、アクセス識別情報120がタグ識別情報111とメモリ識別情報B(113)から構成されるため、タグリーダ100は、無線ICタグ200に外部メモリ703が接続されていることを判別することができる。
【0015】
一方、無線ICタグコントローラ500は、外部メモリ702・703のいずれも接続されていないことを検知したときに動作を停止させる。この場合、無線ICタグ200は応答波を発しない。
タグリーダ100は、無線ICタグ200からの応答がないことから、無線ICタグ200にどんな外部メモリも接続されていないことを検知することができる。
【0016】
また、無線ICタグコントローラ500は、アクセス識別情報を生成する際に、内部メモリ701に格納されているタグ識別情報111とメモリ識別情報X(119)を使用する。
タグリーダ100は、アクセス識別情報がタグ識別情報111とメモリ識別情報X(119)から構成されていることから、無線ICタグ200に外部メモリ702・703のいずれも接続されていないことを検知することができる。
【0017】
図4は、コンピュータシステムの拡張スロットと拡張ボードに本発明を適用した場合の実施形態を示す図である。
図4において、符号130はコンピュータシステム、符号131と133は拡張スロット、符号200Aは拡張スロット131に備え付けられた本発明の実施形態の無線ICタグA、符号200Bは拡張スロット133に備え付けられた本発明の実施形態の無線ICタグBである。また、符号135は拡張カードA、符号137は拡張カードBであり、符号702は拡張カードA(135)に備え付けられた外部メモリA、符号137は拡張カードBに備え付けられた外部メモリBである。
【0018】
さらに、無線ICタグA(200A)には、タグ識別情報A(111A)とメモリ識別情報X(119)が格納され、無線ICタグB(200B)にはタグ識別情報B(111B)とメモリ識別情報X(119)が格納され、外部メモリA(702)にはメモリ識別情報A(112)が格納され、外部メモリB(703)にはメモリ識別情報B(113)が格納されている。
【0019】
図4に示す構成において、拡張カードA(135)が拡張スロット131に挿入されると、無線ICタグA(200A)と外部メモリA(702)が接続される。同様に、拡張カードB(137)が拡張スロット133に挿入されると、無線ICタグB(200B)と外部メモリB(703)が接続される。
ここでタグリーダ100が質問波を発すると、無線ICタグA(200A)は、外部メモリA(702)と接続されているため、図5に示す無線アクセス識別情報A(150)をタグリーダ100に返す。アクセス識別情報A(150)は、タグ識別情報A(111A)とメモリ識別情報A(113)から構成されているため、タグリーダ100は、拡張スロット131に拡張カードA(135)が挿入されていることがわかる。
【0020】
一方、無線ICタグB(200B)は、外部メモリB(703)と接続されているため、タグリーダ100から発せられる質問波に対し、図5に示すアクセス識別情報B(151)を返す。アクセス識別情報B(151)は、タグ識別情報B(111B)とメモリ識別情報B(113)から構成されているため、タグリーダ100は、拡張スロット133に拡張カードB(137)が挿入されていることがわかる。
【0021】
また、図4の構成において、拡張スロット131に拡張カードB(137)が挿入され、拡張スロット133に拡張カードA(135)が挿入されている場合、タグリーダ100が発する質問波に対して、無線ICタグA(200A)は図5に示すアクセス識別情報C(152)を返す。アクセス識別情報C(152)は、タグ識別情報A(111/A142)とメモリ識別情報B(113)から構成されているため、タグリーダ100は、拡張スロット131に挿入されているのが拡張カードB(137)であることがわかる。
一方、無線ICタグB(200B)は図5に示すアクセス識別情報D(153)を返す。アクセス識別情報D(153)は、タグ識別情報B(111B)とメモリ識別情報A(112)から構成されているため、タグリーダ100は、拡張スロット133に拡張カードA(135)が挿入されていることがわかる。
【0022】
また、図4の構成において、拡張スロット131に一切挿入されておらず、拡張スロット133にも一切挿入されていない場合において、タグリーダ100からの質問波を受信したとき、無線ICタグA(200A)は、図5に示すアクセス識別情報E(154)を返す。アクセス識別情報E(154)は、タグ識別情報A(111A)とメモリ識別情報X(119)から構成されているため、タグリーダ100は、拡張スロット131に一切挿入されていないことがわかる。
一方、無線ICタグB(200B)は、タグリーダ100からの質問波に対して、図5に示すアクセス識別情報F(155)を返す。アクセス識別情報F(155)は、タグ識別情報B(111B)とメモリ識別情報X(119)から構成されているため、タグリーダ100は、拡張スロット133に一切挿入されていないことがわかる。
【0023】
次に、図4の構成において、拡張スロット131に拡張カードが一切挿入されておらず、拡張スロット133にも挿入されていない場合において、タグリーダ100から質問波を受信した場合、無線ICタグA(200A)も無線ICタグB(200B)も何等応答を返さない。タグリーダ100は、どの無線ICタグからも応答がないことによって、拡張スロット131および拡張スロット133に拡張カードが挿入されていないことがわかる。
なお、応用例として、タグリーダ100からユーザ識別情報(UID)を含む質問波を受信することにより、ユーザのアクセス権限によるアクセス権の制御も可能である。この場合、内部メモリ701に限らず、外部メモリ702・703のいずれかにユーザのアクセス権限を示すアクセス権限情報(図示せず)を格納しておく必要がある。
【0024】
以上説明のように、前記した本発明の実施形態によれば、タグリーダ100は、無線ICタグにどのような外部メモリが接続されているかを検知することができ、これを応用することによって、外部メモリが実装される部品やユニット同士の組合せの状態を知ることができる。
【0025】
図6は、前記した無線ICタグを用いて情報提供システムを構築する場合のシステム構成の一例を示す図である。また、図7は、図6に示す情報提供システムにおいて、部品メーカ、ユニットメーカ、システムメーカ間の情報の流れを説明するために引用した図である。
以下、図6、図7を参照しながら本発明の無線ICタグを用いた情報提供システムよる情報発信の流れについて説明する。
【0026】
ここでは、部品メーカ、ユニットメーカ、システムメーカのいずれにも端末装置が備え付けられており、これら端末装置は、IP(Internet Protocol)ネットワーク等の通信網17を介しシステムメーカの管理装置18(管理サーバ)に接続されている。
また、部品メーカで製造される、例えば、PWB(印刷基板)には製造情報等適当なデータが記録された外部メモリ702が実装されてユニットメーカに供給され、また、ユニットメーカでは製品を組み立てる際に製品情報が記録された外部メモリ703を実装してシステムメーカに供給するものとする(S71、S72)。その他、外部メモリ702、703に記録されるデータは、それぞれ、ユニットメーカ、システムメーカに連絡、あるいは通知すべき情報であってもよい。このため、部品メーカ、ユニットメーカともにこれら情報の初期設定用にタグリーダライタ19、20を備えるものとする。
【0027】
一方、システムメーカの端末装置には、タグリーダライタ15(R/W)、およびLANコントローラ16が備え付けられている。また、無線ICタグ200A、200Bを実装し、図4に示す実施形態同様、当該無線ICタグ200A、200Bのそれぞれに部品メーカ、ユニットメーカのそれぞれによって実装され供給される外部メモリ702、703が接続され、タグリーダ15によって記録された情報が取り込まれる構成となっている。
ここで取り込まれた情報は、LANコントローラ16、通信網17経由でシステムメーカが管理運営する管理サーバ18へ送信される。管理サーバ18は、他に通信網17経由で図示せぬユーザ端末等にも接続され、このため、管理サーバ18は、ユーザ等から寄せられる、システム使用状況あるいはユーザクレームを受付けられる環境にある(S73)。管理サーバ18は、これら情報を加工し、例えば、保守情報等を生成して通信網17を介し、部品メーカおよびユニットメーカの端末装置へ情報発信することができる(S74、S75)。
【0028】
このことにより、部品メーカはユニットメーカに供給する製品に外部メモリ702を実装するだけで、ユニットメーカはシステムメーカに供給する製品に外部メモリ703を実装するだけで、それぞれシステムメーカから保守情報を取得することができ、若干の通信コストを負担するだけで専用の通信システムを構築することなく必要な情報を入手(享受)することができる。
また、システムメーカは、必要な情報を部品メーカやユニットメーカに提供することで3社間の連携を実現し、このことにより、保守情報が反映された、優れたシステム製品を開発製造することができる。更に、部品メーカやユニットメーカは、外部メモリ702、703に記録する情報の一部を暗号化することでシステムメーカを含む第三者に知られたくない情報を秘匿することができ、管理サーバ18から発信される情報を復号化することで、社内で有効活用できる。
【0029】
なお、外部メモリ702が記録する保守情報は、外部メモリ702が付された部品の保守作業をするためのものであり、例えば、部品の動作確認のためのプログラム、部品の型番、部品の製造年月日等である。しかし、保守を担当しないユーザ等が、保守情報にアクセスしてしまうと、円滑な保守の実現が困難になってしまう。そこで、外部メモリ702は、これらの保守情報に対して、保守を担当する部品メーカ(の操作端末)のみが読み書きできるようにする制御手段(データの暗号化、ユーザアカウントによるアクセス制御等)を有していることが望ましい。
【0030】
さらに、外部メモリ702は、外部メモリ702が付された部品のリサイクル作業をするために、廃棄支援情報を記録してもよい。廃棄支援情報は、例えば、外部メモリ702が付された部品の原材料およびその割合を示す情報である。しかし、リサイクルを担当しないユーザ等が、廃棄支援情報にアクセスしてしまうと、円滑なリサイクル作業の実現が困難になってしまう。そこで、外部メモリ702は、この廃棄支援情報に対して、部品のリサイクル作業を主に担当するシステムメーカ(の操作端末)が読み取ることができるようにする制御手段(データの暗号化、ユーザアカウントによるアクセス制御等)を有していることが望ましい。
【0031】
以上説明のように本発明の無線ICタグ200は、接続装置800を介して接続される1以上の外部メモリ702・703のメモリサイズ情報114、115をチェックし、外部メモリ702・703を内部メモリ701と同じメモリ空間上に割当てるメモリコントローラ600を備えたものである。
メモリコントローラ600により、内部メモリ701と外部メモリ702・703は、連続した単一のメモリ空間900に割当てられるため、タグリーダ100は、無線ICタグ200の内部メモリ701と外部メモリ702・703の両方にアクセスすることができる。
【0032】
また、本発明の無線ICタグ200は、外部メモリ702・703が接続装置800を介して接続されていた場合、無線ICタグコントローラ500が、内部メモリ701内のデータと、外部メモリ702・703内のデータからアクセス識別情報(応答データ)を生成し、タグリーダ100に返答するようにしたものである。更に、メモリコントローラ600から外部メモリ702・703が接続されていないという通知を受けたときに、無線ICタグコントローラ500が処理を中断し、タグリーダ100に応答しないようにしたものである(無応答とする)。また、メモリコントローラ600から外部メモリ702・703が接続されていないという通知を受けたとき、無線ICタグコントローラ500が、内部メモリ701内のデータのみで応答データを生成し、タグリーダ100に応答するようにしたものである。つまり、無線ICタグコントローラ500は、外部メモリ702・703の接続の有無により応答を異なるようにして、無応答としたり、内部メモリ701内のデータのみで応答したりするように構成される。
【0033】
無線ICタグ200のメモリに格納するデータとして、内部メモリ701に当該無線ICタグ固有の情報を格納し、外部メモリ702・703にも外部メモリ固有の情報を格納し、タグリーダ100から発せられる質問波に対して両方の情報を応答することで、タグリーダ100は、どのような外部メモリがどの無線ICタグに接続されているのかを知ることができる。
本発明によれば、無線ICタグ200が本来持つ利点に加え、タグリーダ100に外部メモリ702・703の接続状態を知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の無線ICタグの実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係わるメモリ空間の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係わるアクセス識別情報の一例を示す図である。
【図4】本発明の応用例を説明するために引用した図である。
【図5】図4に示す応用例の動作を概念的に示した図である。
【図6】本発明の情報提供システムのシステム構成例を示す図である。
【図7】図6に示すメーカ間の情報の流れを説明するために引用した図である。
【符号の説明】
【0035】
100 読取装置(タグリーダ)
200 無線ICタグ
500 無線ICタグコントローラ
600 メモリコントローラ
701 内部メモリ
702・703 外部メモリ
800 接続装置
900 メモリ空間
120 アクセス識別情報


【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線回路と、内部メモリを備えて成る無線ICタグであって、
接続装置を介して接続される1以上の外部メモリのメモリサイズ情報をチェックし、前記外部メモリを前記内部メモリと同じメモリ空間上に割当てるメモリコントローラを具備することを特徴とする無線ICタグ。
【請求項2】
前記メモリコントローラは、
タグリーダからユーザ識別情報を含む質問波を受信し、前記いずれかのメモリに格納されたアクセス権限情報を参照してアクセス権の制限を行うことを特徴とする請求項1に記載の無線ICタグ。
【請求項3】
前記外部メモリが前記接続装置に接続されている場合、タグリーダが発する質問波に対し、前記内部メモリに記録されたデータと前記外部メモリに記録されたデータの双方を応答する無線ICタグコントローラを具備することを特徴とする請求項1または2に記載の無線ICタグ。
【請求項4】
前記無線ICタグコントローラは、
前記外部メモリが前記接続装置に接続されていない場合、タグリーダが発する質問波に対して無応答とすることを特徴とする請求項3に記載の無線ICタグ。
【請求項5】
前記無線ICタグコントローラは、
前記外部メモリが前記接続装置に接続されていない場合、タグリーダが発する質問波に対して前記内部メモリに記録されたデータで応答することを特徴とする請求項3に記載の無線ICタグ。
【請求項6】
無線ICタグとタグリーダとから成る無線ICタグシステムであって、
前記無線ICタグは、内部メモリと、接続装置を介して接続される1以上の外部メモリのメモリサイズ情報をチェックし、前記外部メモリを前記内部メモリと同じメモリ空間上に割当てるメモリコントローラを備え、
前記タグリーダは、質問波を生成して前記無線ICタグへ供給し、前記無線ICタグの内部メモリと外部メモリのそれぞれに付された一意な識別情報に関する応答を受信し、前記同一メモリ空間に割当てられるメモリの組合せを認識することを特徴とする無線ICタグシステム。
【請求項7】
内部メモリと同一メモリ空間に割当てられる外部メモリが接続される無線ICタグを用いて情報提供を行う情報提供システムであって、
部品メーカが供給する部品とユニットメーカが供給するユニットのそれぞれに実装される前記外部メモリが情報提供システムに実装されたことを検知し、タグリーダによって発せられる質問波に対し、自身に付与された一意な識別情報と、前記同一メモリ空間に割当てられたそれぞれのメモリに記録された情報を応答送信する前記無線ICタグと、
前記タグリーダを介し、前記無線ICタグの識別情報に関連する前記それぞれのメモリに記録された情報を取り込み、通信網経由で管理装置に送信する端末装置と、
前記端末装置から送信される前記無線ICタグの識別情報に関連した情報を受信し、当該受信した情報に基づき加工した情報を、前記通信網経由で接続されるコンピュータへ送信する前記管理装置と、
を具備することを特徴とする無線ICタグを用いた情報提供システム。
【請求項8】
内部メモリと同一メモリ空間に割当てられる外部メモリが接続される無線ICタグを用いて情報入手を行う情報享受システムであって、
部品メーカが供給する部品とユニットメーカが供給するユニットのそれぞれに実装される前記外部メモリがシステムに実装されたことを検知し、タグリーダによって発せられる質問波に対し、自身に付与された一意な識別情報と、前記同一メモリ空間に割当てられたそれぞれのメモリに記録された情報を応答送信する前記無線ICタグと、
前記タグリーダを介し、前記無線ICタグの識別情報に関連する前記それぞれのメモリに記録された情報を取り込み、通信網経由で管理装置に送信する端末装置と、
前記それぞれのメモリに記録された情報に基づき前記管理装置によって加工された情報を前記通信網経由で受信するコンピュータと、
を具備することを特徴とする無線ICタグを用いた情報享受システム。
【請求項9】
内部メモリと同一メモリ空間に割当てられる外部メモリが接続される無線ICタグを用いて情報提供を行う情報提供方法であって、
前記無線ICタグが、部品メーカが供給する部品とユニットメーカが供給するユニットのそれぞれに実装される前記外部メモリがシステムに実装されたことを検知し、タグリーダによって発せられる質問波に対し、自身に付与された一意な識別情報と、前記同一メモリ空間に割当てられたそれぞれのメモリに記録された情報を応答送信するステップと、
端末装置が、前記タグリーダを介し、前記無線ICタグの識別情報に関連する前記それぞれのメモリに記録された情報を取り込み、通信網経由で管理装置に送信するステップと、
前記端末装置から送信される前記無線ICタグの識別情報に関連した情報を受信し、当該受信した情報に基づき加工した情報を、前記通信網経由で接続されるコンピュータへ送信するステップと、
を有することを特徴とする無線ICタグを用いた情報提供方法。
【請求項10】
内部メモリと同一メモリ空間に割当てられる外部メモリが接続される無線ICタグを用いて情報入手を行う情報享受方法であって、
前記無線ICタグが、部品メーカが供給する部品とユニットメーカが供給するユニットのそれぞれに実装される前記外部メモリがシステムに実装されたことを検知し、タグリーダによって発せられる質問波に対し、自身に付与された一意な識別情報と、前記同一メモリ空間に割当てられたそれぞれのメモリに記録された情報を応答送信するステップと、
端末装置が、前記タグリーダを介し、前記無線ICタグの識別情報に関連する前記それぞれのメモリに記録された情報を取り込み、通信網経由で管理装置に送信するステップと、
所定のコンピュータが、前記それぞれのメモリに記録された情報に基づき前記管理装置によって加工された情報を前記通信網経由で受信するステップと、
を有することを特徴とする無線ICタグを用いた情報享受方法。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−172018(P2006−172018A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−362051(P2004−362051)
【出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000153443)株式会社日立情報制御ソリューションズ (359)
【Fターム(参考)】