無電解銅メッキによってパターン化銅線を形成するためのシステムおよび方法
【解決手段】基板の上に銅を形成するための方法であって、銅源溶液を混合器に供給する工程と、還元溶液を混合器に供給する工程と、銅源溶液と還元溶液とを混合して、約6.5より大きいpHを有するメッキ溶液を形成する工程と、メッキ溶液を基板に供給する工程と、を備え、基板は、触媒層を備え、メッキ溶液を基板に供給する工程は、触媒層を形成する工程と、制御された環境に触媒層を維持する工程と、触媒層の上に銅を形成する工程とを備える、方法が開示されている。また、銅構造を形成するためのシステムも開示されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、半導体製造処理に関し、特に、無電解銅メッキによってパターン化銅線を形成するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
相互接続処理で用いる銅線の形成は、通例、デュアルダマシン処理で実行される。デュアルダマシン処理では、誘電材料にトレンチが形成され、トレンチに充填されるようにバリア金属および銅が析出され、余剰メッキが形成される。トレンチに隣接する領域の余剰メッキは、通例、化学機械平坦化処理によって除去される。当業者に周知のように、異なるレベルのトレンチが、銅で充填されたビアホールによって接続される。
【0003】
金属間誘電体は、ますます低い誘電率になり、より壊れやすく多孔質になり、材料をエッチング、洗浄、および、平坦化するために用いられる標準的な処理技術に適合しなくなっているため、デュアルダマシン技術を統合することが、より困難になっている。さらに、低誘電材料の多孔性の増大は、この統合の問題によって制限される。誘電材料を完全に排除し、銅線間の誘電体として空隙を用いることが望ましいが、現在のところ、空隙誘電体を実現できる実行可能な統合方法は存在しない。
【0004】
通例、無電解銅メッキは、還元剤を含むアルカリ溶液に銅イオンを混合した溶液を利用する。このアルカリ溶液内に、半導体ウエハなどの基板が配置される。基板上の触媒表面の存在下で、銅イオンは、還元剤によって還元され、基板の表面上に銅の層または膜を形成する。
【0005】
無電解メッキ溶液で用いられる一般的な還元剤は、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド)溶液である。ホルムアルデヒドは、実質的に銅イオンを元素銅に還元する。残念ながら、この還元処理は、銅のマトリクス内に組み込まれる場合がある水素を生成し、その水素は、ボイドの原因となって、析出した銅層の質を低下させる。
【0006】
典型的なアルカリ溶液の無電解銅メッキ処理の別の制限は、結果として形成される酸化銅層の成長速度が比較的遅いことである。例えば、典型的なアルカリ溶液の無電解銅メッキは、毎分約100ないし500オングストロームの最大成長速度を有する。この制限された成長速度では、厚い膜(例えば、約100ミクロンを超える厚さ)を成長させるには、時間が掛かりすぎる。成長速度があまりに制限されているため、典型的なアルカリ溶液の無電解銅メッキ処理は、大きいウエハ処理量を実現するためには、バッチウエハ処理を必要とする。しかしながら、バッチウエハ処理は、各バッチのウエハを通して所望の処理結果を正確かつ反復可能に実現することが困難な場合がある。
【0007】
典型的なアルカリ溶液の無電解銅メッキ処理のさらに別の制限は、アルカリ溶液のアルカリ性である。特定の銅構造(例えば、パターン化銅線)を形成しつつ、銅の一様な被覆を形成しないことが望ましい(例えば、空隙誘電体または他の処理を考慮した場合)。フォトレジスト層にリソグラフィ処理を施すと、事前にパターン化された形状を形成できる。典型的なアルカリ溶液の無電解銅メッキ処理では、典型的なフォトレジストパターニング処理で構造が形成される必要がある。残念ながら、フォトレジストは、アルカリ溶液との反応性が高く、そのアルカリ性によって実質的に損傷したり、場合によっては、完全に破壊されたりする。その結果、まず、アルカリ溶液と反応しない保護層をフォトレジストパターンの上に形成する必要がある。保護層は、無電解銅メッキ処理中の典型的なアルカリ溶液による損傷からフォトレジストパターンを保護する。
【0008】
また、フォトレジストは、アルカリ無電解化学剤と適合する材料の下層にパターンを移すために用いられてもよい。次いで、フォトレジストは除去され、所望の銅構造のポジ像に銅線が形成される。この例では、パターニング層は、相互接続層の一体部分になる低誘電材料、または、犠牲材料として除去されうる低誘電率材料である。いずれの場合でも、この材料の除去は、事前に形成されたフォトレジストパターンの除去よりも困難である。
【0009】
以上の点から、毎分500オングストロームを超える成長を実現しつつ銅線の間を空隙誘電体で分離することを可能にする無電解銅メッキによって、パターン化銅線を形成するための簡単なシステムおよび方法が求められている。
【発明の開示】
【0010】
概して、本発明は、上述の要求を満たすために、無電解銅メッキによってパターン化銅線を形成するためのシステムおよび方法を提供する。本発明は、処理、装置、システム、コンピュータ読み取り可能な媒体、または、デバイスを含む種々の形態で実施できることを理解されたい。以下では、本発明の実施形態をいくつか説明する。
【0011】
一実施形態は、基板の上に銅を形成するための方法であって、銅源溶液を混合器に供給する工程と、還元溶液を混合器に供給する工程と、銅源溶液と還元溶液とを混合して、約6.5より大きいpHを有するメッキ溶液を形成する工程と、メッキ溶液を基板に供給する工程と、を備え、基板は、触媒層を備え、メッキ溶液を基板に供給する工程は、触媒層の上に銅を形成する工程を備える、方法を提供する。
【0012】
メッキ溶液は、メッキ溶液を基板に供給するのと実質的に同時に形成されることが可能である。メッキ溶液は、約7.2から約7.8の間のpHを有してよい。メッキ溶液は、触媒層の上に銅を形成した後に廃棄されることが可能である。
【0013】
基板は、パターン化フォトレジスト層を備えてよく、パターン化フォトレジスト層は、触媒層の第1の部分を露出させ、メッキ溶液を基板に供給する工程は、触媒層の第1の部分の上に銅を形成する工程を備えてよい。その方法は、さらに、メッキ溶液を基板から除去する工程と、基板をリンスする工程と、基板を乾燥する工程とを備えてよい。
【0014】
その方法は、さらに、パターン化フォトレジストを除去する工程を備えてよい。パターン化フォトレジストを除去する工程は、触媒層の第2の部分を露出させる。触媒層の第2の部分も、除去されることが可能である。
【0015】
メッキ溶液は、保護されていないフォトレジストと適合する。触媒層の上に形成された銅は、実質的に元素銅であってよい。触媒層の上に形成された銅は、実質的に水素含有物を含まない。
【0016】
触媒層の上に形成された銅は、毎分約500オングストロームよりも大きい速さで形成される。メッキ溶液は、動的液体メニスカスを通して基板に供給されてよく、動的液体メニスカスは、近接ヘッドと基板の表面との間に形成される。銅源溶液は、酸化銅源と、錯化剤と、pH調整剤と、ハロゲン化物イオンとを含んでよい。還元溶液は、還元イオンを含んでよい。
【0017】
触媒層は、2以上の層を含んでよい。触媒層は、下部反射防止膜(BARC)層を含んでよい。
【0018】
別の実施形態は、基板の上にパターン化銅構造を形成するための方法を提供する。その方法は、基板を受け入れる工程を備え、基板は、基板の上に形成された触媒層と触媒層の上に形成されたパターン化フォトレジスト層とを備える。パターン化フォトレジスト層は、触媒層の第1の部分を露出させて、触媒層の第2の部分を覆う。銅源溶液が混合器に供給され、還元溶液が混合器に供給される。銅源溶液と還元溶液とが混合され、約7.2から約7.8の間のpHを有するメッキ溶液が形成される。メッキ溶液は、基板に供給され、触媒層の第1の部分の上に銅が形成される。
【0019】
さらに別の実施形態は、低圧処理チャンバと、大気圧処理チャンバと、低圧処理チャンバおよび大気圧処理チャンバの各々に接続された移送チャンバと、を備え、移送チャンバは、制御された環境を備える。移送チャンバは、低圧処理チャンバから大気圧処理チャンバに基板を移送する際に、制御された環境を提供する。低圧処理チャンバ、大気圧処理チャンバ、および、移送チャンバには、さらに、制御部が接続されている。制御部は、低圧処理チャンバ、大気圧処理チャンバ、および、移送チャンバの各々を制御するためのロジックを備える。
【0020】
低圧処理チャンバは、プラズマエッチング/除去チャンバを含みうる2以上の低圧処理チャンバを含んでよく、大気圧処理チャンバは、銅メッキチャンバを含んでよい。銅メッキチャンバは、混合器を備えてよい。プラズマチャンバは、ダウンストリームプラズマチャンバであってよい。エッチング/除去チャンバの内の少なくとも一つは、湿式処理チャンバであってよい。
【0021】
移送チャンバは、入力/出力モジュールを備えてよい。制御部は、レシピを備えてよく、そのレシピは、パターン化基板を銅メッキチャンバ内にロードするためのロジックと、銅源溶液を混合器に供給するためのロジックと、還元溶液を混合器に供給するためのロジックと、銅源溶液と還元溶液とを混合して、約6.5よりも大きいpHを有するメッキ溶液を形成するためのロジックと、メッキ溶液をパターン化基板に供給するためのロジックと、を含み、パターン化基板は、触媒層を備え、メッキ溶液を基板に供給することは、触媒層の上に銅を形成することを含む。
【0022】
パターン化基板は、触媒層の上に形成されたパターン化フォトレジスト層を備えてよく、パターン化フォトレジスト層は、触媒層の第1の部分を露出させ、触媒層の第2の部分を覆う。プラズマチャンバは、ダウンストリームプラズマチャンバであってよい。
【0023】
本発明のその他の態様および利点については、本発明の原理を例示した添付図面を参照しつつ行う以下の詳細な説明から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
無電解銅メッキによってパターン化銅線を形成するためのシステムおよび方法のいくつかの例示的な実施形態について説明する。当業者にとって明らかなように、本発明は、本明細書で説明する具体的な詳細事項の一部または全てがなくとも実施可能である。
【0025】
本発明は、フォトレジストと実質的に反応せず、毎分約500オングストロームを超える高い成長速度を可能にする改良銅メッキ処理のためのシステムおよび方法を提供する。かかる高成長速度により、典型的なバッチウエハ処理ではなく枚葉式ウエハ処理に対して有効なスループットを可能にする。ただし、本発明をバッチ(例えば、複数ウエハ)処理に利用できることを理解されたい。
【0026】
高速の無電解メッキ処理は、実質的に中性の溶液(または、酸性であってもよい)にけん濁された銅イオンを含んでよい。中性または酸性の溶液は、フォトレジストと反応しない。したがって、フォトレジストに保護層を追加する処理工程および/または従来技術のアルカリ性の無電解メッキ溶液と反応しない材料でパターンを形成する処理工程を追加する必要なく、フォトレジストパターニングを用いて、所望の銅構造を直接規定することができる。
【0027】
高速無電解メッキ処理は、毎分約2500オングストロームまでの銅層を形成できる。したがって、高速無電解メッキ処理は、典型的なアルカリ溶液の無電解銅メッキ処理よりも大幅に速く、より厚い銅層を形成できる。その結果、高速無電解メッキ処理を用いると、典型的なアルカリ溶液の無電解銅メッキ処理では形成できないような、より厚い銅構造を形成することができる。
【0028】
高速無電解メッキ処理は、還元剤として、アルデヒドの代わりに、コバルトイオン(例えば、Co+、Co+2、および、Co+3)を用いることを含んでよい。コバルトイオンは、わずかな水素しか発生させずに、実質的に酸化銅を元素銅に還元する。
【0029】
高速無電解メッキ処理は、フォトレジストパターニングを用いて、所望の銅構造を直接形成できるため、上述のデュアルダマシン法を用いて従来の埋め込み銅線(in-laid copper lines)を形成するために必要ないくつかの処理工程が必要なくなる。具体的には、フォトレジストを保護するための保護層が必要なくなる。さらに、パターニング材料を除去するためのエッチング処理も排除される。また、これにより、変更された統合パスまたは処理では、処理動作を減少させることにより、製造時間を低減しつつスループットを増大させることが可能になる。
【0030】
高速無電解メッキ処理によって形成された銅構造は、集積回路のパッケージングにおいて、または、三次元パッケージング相互接続において、集積回路への電気接続を形成するために利用可能なワイヤボンドパッドおよびボールグリッドアレイを含んでよい。また、自立銅構造(free-standing copper structures)は、金属線の間の空隙の形成および利用を可能にすることで、金属間の空間の誘電率を低減することができる。例えば、空隙誘電体を形成する場合に、基板は、空隙または低誘電体のための「プレースホルダ」である形状を備えるよう、事前にパターニングされることが可能である。プレースホルダは、容易に除去可能である。事前にパターニングされる形状は、リソグラフィ処理によってフォトレジストに形成されてよく、それにより、エッチングパターニング工程を排除できる。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態に従って、非アルカリの無電解銅メッキで銅構造を形成する際に実行される方法の動作100を示すフローチャートである。図2Aないし2Fは、本発明の一実施形態に従って、基板(例えば、ウエハ)200上に形成された銅構造208を示す図である。動作105において、基板200が受け入れられる。基板200は、銅相互接続構造を形成できるように、事前に準備される。この事前準備は、任意の適切な方法で実行可能である。
【0032】
図1および2Aを参照すると、動作110において、触媒層202が、基板200上に形成される。触媒層202は、任意の適切な材料、または、複数の材料の組み合わせ、および、複数材料の複数の層であってよい。例えば、触媒層202は、タンタル、ルテニウム、ニッケル、ニッケルモリブデン、チタン、窒化チタン、または、その他の適切な触媒材料で形成されてよい。触媒層202は、できる限り薄くても(例えば、原子または分子の単分子層)よいし、単分子層から約500オングストロームまでの厚さであってもよい。複数層の組み合わせも用いられてよい。例えば、基板200の上にタンタル層が形成されて、タンタル層の上にルテニウム層が形成されてよい。タンタル層は、約360オングストローム厚であってもよいし、それより薄くてもよい。ルテニウム層は、例えば、酸化タンタルの形成から、タンタル層を保護するために利用されてよい。ルテニウム層は、約150オングストロームの厚さであってもよいし、それより薄くてもよい。
【0033】
触媒層202の形成は、光反射防止膜(例えば、BARC)層204の形成を含んでもよい。BARC層204は、例えば、約600オングストローム厚であってよい。BARC層204は、当技術分野で周知のものであり、露光工程の間の建設的および相殺的干渉を低減することによりリソグラフィ性能を改善させる。
【0034】
動作115において、フォトレジスト層206が、触媒層202の上に形成される。フォトレジスト層206は、約6000オングストローム厚であってもよいし、それより厚くても薄くてもよい。フォトレジスト層204は、当分野で周知のように任意の適切なフォトレジスト材料であってよい。動作120において、フォトレジスト層206はパターニングされる。フォトレジスト層206のパターニングは、BARC層が備えられている場合には、光BARC層204のパターニングも含む。
【0035】
ここで、図1および2Bを参照すると、動作125において、フォトレジスト層206の不必要な部分が除去されて、フォトレジスト層の必要な部分206Aだけが残される。光BARC層204の露出部分204Aは、プラズマエッチング処理によって除去される。例えば、BARCは、Lam Research社の2300 Exelan(登録商標)プラズマエッチャを用いて、約20ないし約90秒の間、約20℃、40−100mTorr、200−700W@27MHz、500−100W@2MHz、100−500sccmのアルゴン、0−100sccmのCF4、0−30sccmの酸素、0−150sccmの窒素、0−150sccmの水素、および、0−10sccmのC4F8の設定で除去されてよい。材料の要件に応じて、上記のガスおよび設定を様々な組み合わせおよび順列で用いてよい。当業者であれば、誘電結合プラズマ源(例えば、Lam Research社のVersys(商標)プラズマ処理チャンバ)を用いてBARCを除去することもできることを理解されたい。
【0036】
ここで、図1および2Cを参照すると、動作130において、必要であれば、触媒層202の露出部分202A上の任意の酸化物または他の残留物が除去される。触媒層の露出部分202A上の任意の酸化物または他の残留物を除去する方法の一つは、プラズマによるラジカルを触媒層の露出部分202Aに当てることを含む。例えば、露出部分202A上の酸化物および他の残留物は、以下のレシピでLam 2300Microwave Stripチャンバまたは同様のチャンバ内で生成されたラジカルを当てることによって除去されてよい。レシピは、1Torrで700sccmのヘリウム搬送ガスにおける3.9%濃度の水素、1kW、約5分間、である。3.9%の水素に代えて、または、追加して、アンモニア(NH3)または一酸化炭素(CO)を用いてもよい。あるいは、温度を上げて、100%の水素を用いてもよい。例えば、約50ないし約300℃の温度を用いてよいが、温度の上限は、フォトレジストおよびBARCの材料が、上昇した温度条件に耐えられる能力によって決まる。さらなる例では、短く制御されたプラズマ酸化処理を用いて任意の有機汚染物質を除去した後に、上述の還元動作によって元素金属状態の状態になるように酸化物を変化させる(すなわち、還元する)ことを含んでよい。動作132において、基板は、制御環境下で(すなわち、低酸素および低湿度に維持するためにインサイチュで)、無電解メッキ処理チャンバに移される。これにより、動作130で形成された還元表面は、触媒層として保持される。
【0037】
ここで、図1および2Dによると、動作135において、非アルカリ無電解銅メッキ処理が基板200に施されて、銅構造208が形成される。非アルカリ無電解銅メッキ処理については、図3を参照して詳述する。非アルカリ無電解銅メッキ処理は、毎分500ないし2000オングストロームの元素銅を生成できる。非アルカリ無電解銅メッキ処理は、垂直または水平の浸漬方法で基板に施されてよい。あるいは、非アルカリ無電解銅メッキ処理は、後に詳述する動的液体メニスカスによって基板200に施されてもよい。
【0038】
ここで、図1および2Eによると、動作140において、フォトレジスト層の残り部分206Aが除去されて、触媒層202Bの一部が露出される。光BARC層204が含まれていた場合には、フォトレジスト層の残り部分206Aが除去される時、または、その後に、光BARC層の残り部分204Bも除去される。フォトレジストおよびBARC層は、プラズマ処理で除去されてよい。随意的に、水系、準水系、または、非水系溶媒を用いて、湿式化学フォトレジスト除去工程を実行してもよい。残りのフォトレジスト206Aと光BARC層の残り部分204Bとを除去するためのレシピの一例は、約30℃未満の温度、約5mTorrの圧力、アルゴンの約50sccmと酸素の350sccmとの流量で、約27MHzで約1000−1400Wの電源電力を約3分印加することを含む。次に、約30℃より高い温度、約5mTorrの圧力、アルゴンの50sccmと酸素の350sccmとの流量で、約27MHzの1200Wの電源電力と、約500Wのバイアス電力とが、約30秒間印加される。このさらなるバイアス電力により、エッチング処理は、銅構造208の間の空間210への方向性が高くなる。例えば、BARCは、Lam Research社の2300 Exelan(登録商標)プラズマエッチャを用いて、約20ないし約90秒の間、約20℃、40−100mTorr、200−700W@27MHz、500−100W@2MHz、100−500sccmのアルゴン、0−100sccmのCF4、0−30sccmの酸素、0−150sccmの窒素、0−150sccmの水素、および、0−10sccmのC4F8の設定で除去されてよい。材料の要件に応じて、上記のガスおよび設定を様々な組み合わせおよび順列で用いてよい。当業者であれば、誘電結合プラズマ源(例えば、Lam社のVersys(商標)プラズマ処理チャンバ)を用いてBARCを除去することもできることを理解されたい。
【0039】
ここで、図1および2Fによると、動作145において、触媒層202の露出部分202Bが除去される。触媒層202の露出部分202Bを除去することにより、触媒層の露出部分が、残りの自立した銅構造208に電気的に接続することが、実質的に防止される。Lam 2300 Versysプラズマエッチャを用いて、触媒層202の露出部分202Bを除去するためのレシピの一例は、約20ないし約50℃の温度、約500Wの電源電力および約20−100Wのバイアス電力、約50mTorrの圧力、約30sccmのCF4および75sccmのアルゴンの流速、約1分の持続時間、を含む。C4F8などの他のハロゲン含有ガス、または、CF4+HBrなどのハロゲン含有ガスの混合ガスを、CF4に追加して、または、代わりに用いてもよい。自立銅構造208は、触媒層の残り部分202Cを含む。自立銅構造208の間には、空隙210が形成されている。空隙210は、自立銅構造208上に続いて形成される構造において、空気誘電体が利用されることを可能にする。空隙210は、約10nm未満とそれよりも大きい値との間の幅を有してよい。自立銅構造208は、任意の所望の幅を有してよい。例えば、自立銅構造208は、約10nm未満と約100nmよりも大きい値との間であってよい。自立銅構造208は、約300nm以上の幅であってよい。自立銅構造208の最大幅は、基板の幅によってのみ制限される。
【0040】
上述の動作140のフォトレジスト206Aの除去は、必要に応じて(例えば、銅構造208への損傷を最小限に抑えるため、または、銅構造208の間のフォトレジストの完全除去を促進するために)、バイアス電力を用いて実行されてもよいし、用いないで実行されてもよい。その結果、銅構造208の間のフォトレジスト206Aおよびその残留物をさらに除去するために、500Wのバイアスを印加することを含む短いフォトレジスト除去動作を追加してもよい。500Wのバイアスを印加することにより、触媒層を保護するためにルテニウム層も施されている場合には、そのルテニウムも除去される。
【0041】
各動作105−145は、高温で起こりうる銅の移動を実質的に制限するために、約300℃未満の低温で実行される。BARCの除去および前処理の動作も、高温でのフォトレジストの網状化(reticulation)を制限するために低温で実行される。
【0042】
図3は、本発明の一実施形態に従って、高速非アルカリ無電解銅メッキ処理で実行される方法動作135を示すフローチャートである。図4Aは、本発明の一実施形態に従って、メッキ処理ツール400を示す簡略な説明図である。メッキ処理ツール400は、第1のソース410と第2のソース412とを備える。第1のソース410は、或る量の第1の原料410Aを含む。第2のソース412は、或る量の第2の原料412Aを含む。第1のソース410および第2のソース412は、混合器416に接続されている。混合器416は、メッキチャンバ402に接続されている。メッキ処理ツール400は、メッキチャンバ402に接続されたリンス溶液ソース440をさらに備えてもよい。リンス溶液ソース440は、或る量のリンス溶液440Aを供給できる。
【0043】
メッキ処理ツール400は、制御部430をさらに備えてよい。制御部430は、メッキチャンバと混合器416とに接続されている。制御部430は、制御部に備えられたレシピ432に従って、メッキ処理ツールにおける動作(例えば、混合、充填、リンスなど)を制御する。
【0044】
ここで、図3および4Aによると、動作305において、基板200は、メッキ動作に向けて、メッキチャンバ402内に配置される。
【0045】
動作310および315において、混合器416は、第1の原料410Aと第2の原料412Aとを混合して、メッキ溶液416Aを形成する。第1の原料410Aは、銅イオンに対する還元イオン(例えば、Co2+)である。第2の原料412Aは、酸化銅源(例えば、Cu2+)と、錯化剤(例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン)と、pH調整剤(例えば、HNO3、H2SO4、HClなど)と、ハロゲン化物イオン(例えば、Br−、Cl−など)と、を含む。銅メッキ溶液に関するさらなる詳細事項および例については、2006年5月11日に出願されたVaskelisらによる共同所有の米国特許出願11/382,906、「Plating Solution for Electroless Deposition of Copper」と、2006年6月28日に出願されたDordiらによる共同所有の米国特許出願11/427,266、「Plating Solutions for Electroless Deposition of Copper」と、に詳述されており、これらの出願は、参照することにより、本明細書に組み込まれる。本願は、さらに、2006年4月4日に出願されたJeffrey Marksによる共同所有の米国特許出願11/398,254、「Methods and Apparatus for Fabricating Conductive Features on Glass Substrates used in Liquid Crystal Displays」に関連しており、その出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0046】
動作320において、メッキ溶液416Aは、混合器416からメッキチャンバ402に出力され、そこで、メッキ溶液は、基板200に供給される。混合器416は、メッキチャンバ402における必要に応じて、第1の原料410Aと第2の原料412Aとを混合する。メッキ溶液416Aは、約6.5より大きいpHを有し、少なくとも一実施形態においては、約7.2ないし約7.8の範囲のpHを有する。メッキ溶液416Aは、実質的に、水素含有物によるボイドを引き起こすことなく、元素銅の層を形成する。
【0047】
動作325において、基板200は、メッキ溶液416Aから取り出される。メッキ溶液416Aからからの基板200の取り出しは、メッキチャンバ402からの基板200の取り出し、および/または、メッキチャンバ402からのメッキ溶液416Aの取り出し、を含んでよい。
【0048】
動作330において、基板200は、リンス溶液内でリンスされる。例えば、動作325において、メッキ溶液426Aが、メッキチャンバ402から除去されてよく、リンス溶液440Aが、基板200から任意の残りのメッキ溶液416Aを実質的に除去するために、メッキチャンバに導入されてよい。
【0049】
動作335において、基板200は乾燥されてよい。例えば、基板200は、メッキチャンバ402から取り出されて、リンスおよび乾燥のために、第2のチャンバ(例えば、スピン・リンス・ドライチャンバ)に配置されてよい。あるいは、メッキチャンバ402が、基板200をリンスおよび乾燥するために必要な機構を備えてもよい。
【0050】
例えば、メッキチャンバ402は、基板200のリンスおよび乾燥が可能な近接ヘッド450を備えてよい。近接ヘッド450は、さらに、メッキ溶液を基板に供給することができる。
【0051】
図4Bは、本発明の一実施形態に従って、近接ヘッド450によって実行可能な基板処理の一例の一実施形態を示す図である。図4Bは、基板200の上面458aが処理されている様子を示すが、基板処理は、ウエハ200の下面458bに対しても実質的に同じように実現できることを理解されたい。図4Bは、基板乾燥処理を図示しているが、同様に、多くの他の加工処理が、基板表面に施されてもよい。ソース流入口462を用いて、基板200の上面458aにイソプロピルアルコール(IPA)蒸気を供給してよく、ソース流入口466を用いて、基板200の上面458aに脱イオン水(DIW)またはその他の処理薬剤を供給してよい。さらに、ソース流出口464を用いて、ウエハ表面に近接する領域に真空を作用させ、上面458aの上または近傍に存在しうる流体または蒸気を除去してよい。ソース流入口462の少なくとも1つが、ソース流出口464の少なくとも1つに隣接し、そのソース流出口464が、ソース流入口466の少なくとも1つに隣接する組み合わせが少なくとも1つ存在する限りは、任意の適切な組み合わせのソース流入口およびソース流出口を用いてよいことを理解されたい。IPAは、例えば、N2搬送ガスによって蒸気の形態でIPAが入力されるIPA蒸気など、任意の適切な形態でよい。さらに、本明細書ではDIWが用いられているが、例えば、他の方法で精製された水、洗浄流体、その他の処理流体および薬剤など、ウエハ処理を可能とするか、強化できるものであれば、任意の適切な流体を用いてよい。一実施形態では、IPA蒸気の流入460がソース流入口462を通して供給され、真空472がソース流出口464を通して作用されてよく、DIWの流入474がソース流入口466を通して供給されてよい。したがって、流体の膜が基板200上に存在する場合に、IPAの流入460によって第1の流体圧力を基板表面に作用させると共に、DIWの流入474によって第2の流体圧力を基板表面に作用させつつ、基板表面上のDIW、IPA、および、流体の膜を除去するために、真空472によって第3の流体圧力を作用させてよい。
【0052】
したがって、一実施形態では、DIWの流入474およびIPA蒸気の流入460がウエハ表面に供給されると、ウエハ表面上のすべての流体が、DIWの流入474と混合される。この際、ウエハ表面に供給されるDIWの流入474は、IPA蒸気の流入460と衝突する。IPAは、DIWの流入474と共に界面478(IPA/DIW界面478とも呼ぶ)を形成し、真空472と共に、基板200の表面からDIWの流入474とその他すべての流体とを除去する助けとなる。IPA/DIW界面478は、DIWの張力面を減少させる。動作中、DIWは、基板表面に供給されると、ほとんど即座に、ソース流出口464が提供する真空によって、基板表面上の流体と共に除去される。基板表面に供給されて、一瞬の間、基板表面上の任意の流体と共に近接ヘッドと基板表面との間の領域に存在するDIWは、IPA/DIW界面478を境界とするメニスカス476を形成する。したがって、メニスカス476は、表面に供給された後に基板表面上の任意の流体とほぼ同時に除去される流体の一定の流れである。基板表面からDIWをほとんど即座に除去することで、処理されている基板表面の領域に流体の液滴が形成することを防止し、それにより、基板200上で汚染物質が乾燥する可能性を低減できる。IPA蒸気を下向きに射出する際の圧力(IPA蒸気の流量によって引き起こされる)も、メニスカス476を封じ込める助けとなる。
【0053】
IPA蒸気のためのN2搬送ガスの流量は、近接ヘッドと基板表面との間の領域から、流体を近接ヘッドから排出するためのソース流出口304へと、水の流れを移送すなわち押しやる助けとなる。したがって、IPA蒸気およびDIWがソース流出口464に引き込まれると、流体と共に気体(例えば、空気)がソース流出口464に引き込まれるため、IPA/DIW界面478を形成する境界は、連続的な境界ではなくなる。一実施形態では、ソース流出口464による真空が、基板表面上のDIW、IPA蒸気、および、流体を引き込む際に、ソース流出口464への流れが不連続になる。この流れの不連続性は、流体と気体とを組み合わせたものに真空を作用させた時に、流体および気体がストローを通して引き上げられる様子に類似している。したがって、近接ヘッド450が移動すると、近接ヘッドと共にメニスカス476も移動し、メニスカスによって以前に占められていた領域は、IPA蒸気/DIW界面478の移動の結果として処理および乾燥される。装置の構成と、メニスカスの所望のサイズおよび形状とに応じて、任意の適切な数のソース流入口462、ソース流出口464、および、ソース流入口466を用いてよいことを理解されたい。別の実施形態では、液体の流量および真空の流量は、真空流出口への液体の流れ全体が連続的になるよう設定されるため、気体が真空流出口に流れ込まない。
【0054】
メニスカス476を維持できる限りは、任意の適切な流量をIPA蒸気、DIW、および真空に対して用いてよいことを理解されたい。一実施形態では、1組のソース流入口466を通るDIWの流量は、毎分約25mlから約3,000mlの間である。1組のソース流入口466を通るDIWの流量は、毎分約400mlである。流体の流量は、近接ヘッドのサイズに応じて変化してよいことを理解されたい。一実施形態では、大きいヘッドは、小さい近接ヘッドよりも流体の流量が大きくてよい。これは、一実施形態において、より大きな近接ヘッドは、より多くのソース流入口462および466とソース流出口464とを有するため、ヘッドが大きくなるほど流量が大きくなるからである。
【0055】
1組のソース流入口462を通るIPA蒸気の流量は、約1標準立方フィート毎時(SCFH)から約100SCFHの間であってよい。IPAの流量は、約5から50SCFHの間である。1組のソース流出口464を通る真空の流量は、約10標準立方フィート毎時(SCFH)から約1250SCFHの間である。好ましい実施形態では、1組のソース流出口464を通る真空の流量は、約350SCFHである。代表的な一実施形態では、IPA蒸気、DIW、および真空の流量を測定するために、流量計を用いてよい。
【0056】
図5は、本発明の一実施形態に従って、モジュール式処理ツール500を示す簡略な説明図である。モジュール式処理ステーション500は、複数の処理モジュール512ないし520と、共通移送チャンバ510と、入力/出力モジュールとを備える。複数の処理モジュール512ないし520は、1または複数の低圧処理チャンバおよび大気圧処理チャンバを備えてよい。1または複数の低圧処理チャンバは、大気圧未満から約10mTorr未満の真空までの圧力範囲の動作圧力を有する。低圧処理チャンバは、プラズマチャンバ、混合器を備えた銅メッキチャンバ、蒸着チャンバなど、2以上の低圧処理チャンバを含んでよい。大気圧処理チャンバは、1または複数のエッチング/除去チャンバを含んでよい。モジュール式処理ステーション500は、さらに、複数の処理モジュール512ないし520と、共通移送チャンバ510と、入力/出力モジュール502との各々における動作を制御することのできる制御部530を備える。制御部530は、複数の処理モジュール512ないし520と、共通移送チャンバ510と、入力/出力モジュール502との各々における動作のための様々なパラメータを含む1または複数のレシピ532を備えてよい。
【0057】
複数の処理モジュール512ないし520の内の1または複数が、エッチング動作、洗浄/リンス/乾燥動作、プラズマ動作、および、非アルカリ無電解銅メッキ動作に対応してよい。例えば、チャンバ518は、プラズマチャンバであってよく、チャンバ520は、銅メッキチャンバ(例えば、メッキ処理ツール400)であってよく、チャンバ512は、エッチング/除去チャンバであってよく、チャンバ514は、上述のようにバリア層またはBARC層または触媒層を蒸着するのに適した蒸着チャンバであってよい。
【0058】
共通移送チャンバ510は、移送チャンバ510制御された環境下(例えば、低酸素および低水蒸気)で、処理モジュール512ないし520の各々に対して1または複数の基板200を移送して出し入れすることを可能にする。例えば、移送チャンバ510は、所望の圧力(例えば、大気圧よりも高いまたは低い圧力、真空)、所望の温度、選択されたガス(例えば、約2ppm未満の酸素濃度に維持したアルゴン、窒素、ヘリウムなど)、に維持されてよい。
【0059】
プラズマチャンバ520は、従来のプラズマチャンバまたはダウンストリームプラズマチャンバであってよい。図6は、本発明の一実施形態に従って、ダウンストリームプラズマチャンバ600の一例を示す簡略な説明図である。ダウンストリームプラズマチャンバ600は、処理チャンバ602を備える。処理チャンバ602は、処理チャンバ602内で処理される基板200を支持するための支持部630を備える。処理チャンバ602は、さらに、内部でプラズマ604Aが生成されるプラズマチャンバ604を備える。ガス源606が、プラズマチャンバ604に接続されており、プラズマ604Aの生成に用いるガスを供給する。プラズマ604Aは、プラズマチャンバから導管612を通じて処理チャンバ602内に移送されるラジカル620を生成する。処理チャンバ602は、さらに、基板200にわたってラジカル620を実質的に均一に分配する分配装置(例えば、シャワーヘッド)614を備えてよい。ダウンストリームプラズマチャンバ600は、プラズマ604Aの比較的高い電位および温度に基板200を曝すことなく、ラジカル620を生成する。
【0060】
上述の実施形態を念頭に置いて、本発明は、コンピュータシステムに格納されたデータを含め、コンピュータによって実行される様々な動作を用いてもよいことを理解されたい。これらの動作は、物理量の物理操作を必要とするものである。通常、必ずしも当てはまるわけではないが、これらの物理量は、格納、転送、合成、比較、および、その他の操作を施すことが可能な電気または磁気の信号の形態を取る。さらに、実行される操作は、生成、特定、決定、または、比較などの用語で呼ばれることが多い。
【0061】
本発明の一部を形成する本明細書で説明した動作はいずれも、有用な機械動作である。本発明は、さらに、これらの動作を実行するためのデバイスまたは装置に関する。装置は、必要な目的に対して特別に構成されてもよいし、コンピュータ内に格納されたコンピュータプログラムによって選択的に起動または構成される汎用コンピュータであってもよい。特に、本明細書の教示に従って記述されたコンピュータプログラムと共に、様々な汎用マシンを用いてもよいし、必要な動作を実行することに特化された装置を構成して利便性を向上させてもよい。
【0062】
本発明は、コンピュータ読み取り可能な媒体に格納されたコンピュータ読み取り可能なコードとして実施されてもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータシステムによって読み出し可能なデータを格納できる任意のデータ格納装置である。コンピュータ読み取り可能な媒体の例としては、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、および、その他の光学および非光学式のデータ格納装置が挙げられる。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ読み取り可能なコードが、分散的に格納および実行されるように、ネットワーク接続された複数のコンピュータシステムに分布されてもよい。
【0063】
上述の図面における動作によって表される命令は、図示した順序で実行される必要はなく、それらの動作によって表される処理すべてが、必ずしも本発明の実施に必要なわけではない。さらに、上述の図面のいずれかに記載された処理は、RAM、ROM、または、ハードディスクドライブのいずれか、もしくは、それらを組み合わせたものに格納されたソフトウェアとして実施されてもよい。
【0064】
理解を深めるために、上述の発明について、ある程度詳しく説明したが、添付の特許請求の範囲内で、ある程度の変更や変形を行ってもよいことは明らかである。したがって、本実施形態は、例示的なものであって、限定的なものではないとみなされ、本発明は、本明細書に示した詳細に限定されず、添付の特許請求の範囲および等価物の範囲内で変形されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態に従って、非アルカリ無電解銅メッキで銅構造を形成する際に実行される方法の動作を示すフローチャートである。
【図2A】本発明の一実施形態に従って、基板上に形成された銅構造を示す図である。
【図2B】本発明の一実施形態に従って、基板上に形成された銅構造を示す図である。
【図2C】本発明の一実施形態に従って、基板上に形成された銅構造を示す図である。
【図2D】本発明の一実施形態に従って、基板上に形成された銅構造を示す図である。
【図2E】本発明の一実施形態に従って、基板上に形成された銅構造を示す図である。
【図2F】本発明の一実施形態に従って、基板上に形成された銅構造を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に従って、高速非アルカリ無電解銅メッキプロセスで実行される方法動作を示すフローチャートである。
【図4A】本発明の一実施形態に従って、メッキ処理ツールを示す簡略な説明図である。
【図4B】本発明の一実施形態に従って、近接ヘッドによって実行可能な基板処理の一例の好ましい実施形態を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に従って、モジュール式処理ツールを示す簡略な説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に従って、ダウンストリームプラズマチャンバの一例を示す簡略な説明図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、半導体製造処理に関し、特に、無電解銅メッキによってパターン化銅線を形成するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
相互接続処理で用いる銅線の形成は、通例、デュアルダマシン処理で実行される。デュアルダマシン処理では、誘電材料にトレンチが形成され、トレンチに充填されるようにバリア金属および銅が析出され、余剰メッキが形成される。トレンチに隣接する領域の余剰メッキは、通例、化学機械平坦化処理によって除去される。当業者に周知のように、異なるレベルのトレンチが、銅で充填されたビアホールによって接続される。
【0003】
金属間誘電体は、ますます低い誘電率になり、より壊れやすく多孔質になり、材料をエッチング、洗浄、および、平坦化するために用いられる標準的な処理技術に適合しなくなっているため、デュアルダマシン技術を統合することが、より困難になっている。さらに、低誘電材料の多孔性の増大は、この統合の問題によって制限される。誘電材料を完全に排除し、銅線間の誘電体として空隙を用いることが望ましいが、現在のところ、空隙誘電体を実現できる実行可能な統合方法は存在しない。
【0004】
通例、無電解銅メッキは、還元剤を含むアルカリ溶液に銅イオンを混合した溶液を利用する。このアルカリ溶液内に、半導体ウエハなどの基板が配置される。基板上の触媒表面の存在下で、銅イオンは、還元剤によって還元され、基板の表面上に銅の層または膜を形成する。
【0005】
無電解メッキ溶液で用いられる一般的な還元剤は、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド)溶液である。ホルムアルデヒドは、実質的に銅イオンを元素銅に還元する。残念ながら、この還元処理は、銅のマトリクス内に組み込まれる場合がある水素を生成し、その水素は、ボイドの原因となって、析出した銅層の質を低下させる。
【0006】
典型的なアルカリ溶液の無電解銅メッキ処理の別の制限は、結果として形成される酸化銅層の成長速度が比較的遅いことである。例えば、典型的なアルカリ溶液の無電解銅メッキは、毎分約100ないし500オングストロームの最大成長速度を有する。この制限された成長速度では、厚い膜(例えば、約100ミクロンを超える厚さ)を成長させるには、時間が掛かりすぎる。成長速度があまりに制限されているため、典型的なアルカリ溶液の無電解銅メッキ処理は、大きいウエハ処理量を実現するためには、バッチウエハ処理を必要とする。しかしながら、バッチウエハ処理は、各バッチのウエハを通して所望の処理結果を正確かつ反復可能に実現することが困難な場合がある。
【0007】
典型的なアルカリ溶液の無電解銅メッキ処理のさらに別の制限は、アルカリ溶液のアルカリ性である。特定の銅構造(例えば、パターン化銅線)を形成しつつ、銅の一様な被覆を形成しないことが望ましい(例えば、空隙誘電体または他の処理を考慮した場合)。フォトレジスト層にリソグラフィ処理を施すと、事前にパターン化された形状を形成できる。典型的なアルカリ溶液の無電解銅メッキ処理では、典型的なフォトレジストパターニング処理で構造が形成される必要がある。残念ながら、フォトレジストは、アルカリ溶液との反応性が高く、そのアルカリ性によって実質的に損傷したり、場合によっては、完全に破壊されたりする。その結果、まず、アルカリ溶液と反応しない保護層をフォトレジストパターンの上に形成する必要がある。保護層は、無電解銅メッキ処理中の典型的なアルカリ溶液による損傷からフォトレジストパターンを保護する。
【0008】
また、フォトレジストは、アルカリ無電解化学剤と適合する材料の下層にパターンを移すために用いられてもよい。次いで、フォトレジストは除去され、所望の銅構造のポジ像に銅線が形成される。この例では、パターニング層は、相互接続層の一体部分になる低誘電材料、または、犠牲材料として除去されうる低誘電率材料である。いずれの場合でも、この材料の除去は、事前に形成されたフォトレジストパターンの除去よりも困難である。
【0009】
以上の点から、毎分500オングストロームを超える成長を実現しつつ銅線の間を空隙誘電体で分離することを可能にする無電解銅メッキによって、パターン化銅線を形成するための簡単なシステムおよび方法が求められている。
【発明の開示】
【0010】
概して、本発明は、上述の要求を満たすために、無電解銅メッキによってパターン化銅線を形成するためのシステムおよび方法を提供する。本発明は、処理、装置、システム、コンピュータ読み取り可能な媒体、または、デバイスを含む種々の形態で実施できることを理解されたい。以下では、本発明の実施形態をいくつか説明する。
【0011】
一実施形態は、基板の上に銅を形成するための方法であって、銅源溶液を混合器に供給する工程と、還元溶液を混合器に供給する工程と、銅源溶液と還元溶液とを混合して、約6.5より大きいpHを有するメッキ溶液を形成する工程と、メッキ溶液を基板に供給する工程と、を備え、基板は、触媒層を備え、メッキ溶液を基板に供給する工程は、触媒層の上に銅を形成する工程を備える、方法を提供する。
【0012】
メッキ溶液は、メッキ溶液を基板に供給するのと実質的に同時に形成されることが可能である。メッキ溶液は、約7.2から約7.8の間のpHを有してよい。メッキ溶液は、触媒層の上に銅を形成した後に廃棄されることが可能である。
【0013】
基板は、パターン化フォトレジスト層を備えてよく、パターン化フォトレジスト層は、触媒層の第1の部分を露出させ、メッキ溶液を基板に供給する工程は、触媒層の第1の部分の上に銅を形成する工程を備えてよい。その方法は、さらに、メッキ溶液を基板から除去する工程と、基板をリンスする工程と、基板を乾燥する工程とを備えてよい。
【0014】
その方法は、さらに、パターン化フォトレジストを除去する工程を備えてよい。パターン化フォトレジストを除去する工程は、触媒層の第2の部分を露出させる。触媒層の第2の部分も、除去されることが可能である。
【0015】
メッキ溶液は、保護されていないフォトレジストと適合する。触媒層の上に形成された銅は、実質的に元素銅であってよい。触媒層の上に形成された銅は、実質的に水素含有物を含まない。
【0016】
触媒層の上に形成された銅は、毎分約500オングストロームよりも大きい速さで形成される。メッキ溶液は、動的液体メニスカスを通して基板に供給されてよく、動的液体メニスカスは、近接ヘッドと基板の表面との間に形成される。銅源溶液は、酸化銅源と、錯化剤と、pH調整剤と、ハロゲン化物イオンとを含んでよい。還元溶液は、還元イオンを含んでよい。
【0017】
触媒層は、2以上の層を含んでよい。触媒層は、下部反射防止膜(BARC)層を含んでよい。
【0018】
別の実施形態は、基板の上にパターン化銅構造を形成するための方法を提供する。その方法は、基板を受け入れる工程を備え、基板は、基板の上に形成された触媒層と触媒層の上に形成されたパターン化フォトレジスト層とを備える。パターン化フォトレジスト層は、触媒層の第1の部分を露出させて、触媒層の第2の部分を覆う。銅源溶液が混合器に供給され、還元溶液が混合器に供給される。銅源溶液と還元溶液とが混合され、約7.2から約7.8の間のpHを有するメッキ溶液が形成される。メッキ溶液は、基板に供給され、触媒層の第1の部分の上に銅が形成される。
【0019】
さらに別の実施形態は、低圧処理チャンバと、大気圧処理チャンバと、低圧処理チャンバおよび大気圧処理チャンバの各々に接続された移送チャンバと、を備え、移送チャンバは、制御された環境を備える。移送チャンバは、低圧処理チャンバから大気圧処理チャンバに基板を移送する際に、制御された環境を提供する。低圧処理チャンバ、大気圧処理チャンバ、および、移送チャンバには、さらに、制御部が接続されている。制御部は、低圧処理チャンバ、大気圧処理チャンバ、および、移送チャンバの各々を制御するためのロジックを備える。
【0020】
低圧処理チャンバは、プラズマエッチング/除去チャンバを含みうる2以上の低圧処理チャンバを含んでよく、大気圧処理チャンバは、銅メッキチャンバを含んでよい。銅メッキチャンバは、混合器を備えてよい。プラズマチャンバは、ダウンストリームプラズマチャンバであってよい。エッチング/除去チャンバの内の少なくとも一つは、湿式処理チャンバであってよい。
【0021】
移送チャンバは、入力/出力モジュールを備えてよい。制御部は、レシピを備えてよく、そのレシピは、パターン化基板を銅メッキチャンバ内にロードするためのロジックと、銅源溶液を混合器に供給するためのロジックと、還元溶液を混合器に供給するためのロジックと、銅源溶液と還元溶液とを混合して、約6.5よりも大きいpHを有するメッキ溶液を形成するためのロジックと、メッキ溶液をパターン化基板に供給するためのロジックと、を含み、パターン化基板は、触媒層を備え、メッキ溶液を基板に供給することは、触媒層の上に銅を形成することを含む。
【0022】
パターン化基板は、触媒層の上に形成されたパターン化フォトレジスト層を備えてよく、パターン化フォトレジスト層は、触媒層の第1の部分を露出させ、触媒層の第2の部分を覆う。プラズマチャンバは、ダウンストリームプラズマチャンバであってよい。
【0023】
本発明のその他の態様および利点については、本発明の原理を例示した添付図面を参照しつつ行う以下の詳細な説明から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
無電解銅メッキによってパターン化銅線を形成するためのシステムおよび方法のいくつかの例示的な実施形態について説明する。当業者にとって明らかなように、本発明は、本明細書で説明する具体的な詳細事項の一部または全てがなくとも実施可能である。
【0025】
本発明は、フォトレジストと実質的に反応せず、毎分約500オングストロームを超える高い成長速度を可能にする改良銅メッキ処理のためのシステムおよび方法を提供する。かかる高成長速度により、典型的なバッチウエハ処理ではなく枚葉式ウエハ処理に対して有効なスループットを可能にする。ただし、本発明をバッチ(例えば、複数ウエハ)処理に利用できることを理解されたい。
【0026】
高速の無電解メッキ処理は、実質的に中性の溶液(または、酸性であってもよい)にけん濁された銅イオンを含んでよい。中性または酸性の溶液は、フォトレジストと反応しない。したがって、フォトレジストに保護層を追加する処理工程および/または従来技術のアルカリ性の無電解メッキ溶液と反応しない材料でパターンを形成する処理工程を追加する必要なく、フォトレジストパターニングを用いて、所望の銅構造を直接規定することができる。
【0027】
高速無電解メッキ処理は、毎分約2500オングストロームまでの銅層を形成できる。したがって、高速無電解メッキ処理は、典型的なアルカリ溶液の無電解銅メッキ処理よりも大幅に速く、より厚い銅層を形成できる。その結果、高速無電解メッキ処理を用いると、典型的なアルカリ溶液の無電解銅メッキ処理では形成できないような、より厚い銅構造を形成することができる。
【0028】
高速無電解メッキ処理は、還元剤として、アルデヒドの代わりに、コバルトイオン(例えば、Co+、Co+2、および、Co+3)を用いることを含んでよい。コバルトイオンは、わずかな水素しか発生させずに、実質的に酸化銅を元素銅に還元する。
【0029】
高速無電解メッキ処理は、フォトレジストパターニングを用いて、所望の銅構造を直接形成できるため、上述のデュアルダマシン法を用いて従来の埋め込み銅線(in-laid copper lines)を形成するために必要ないくつかの処理工程が必要なくなる。具体的には、フォトレジストを保護するための保護層が必要なくなる。さらに、パターニング材料を除去するためのエッチング処理も排除される。また、これにより、変更された統合パスまたは処理では、処理動作を減少させることにより、製造時間を低減しつつスループットを増大させることが可能になる。
【0030】
高速無電解メッキ処理によって形成された銅構造は、集積回路のパッケージングにおいて、または、三次元パッケージング相互接続において、集積回路への電気接続を形成するために利用可能なワイヤボンドパッドおよびボールグリッドアレイを含んでよい。また、自立銅構造(free-standing copper structures)は、金属線の間の空隙の形成および利用を可能にすることで、金属間の空間の誘電率を低減することができる。例えば、空隙誘電体を形成する場合に、基板は、空隙または低誘電体のための「プレースホルダ」である形状を備えるよう、事前にパターニングされることが可能である。プレースホルダは、容易に除去可能である。事前にパターニングされる形状は、リソグラフィ処理によってフォトレジストに形成されてよく、それにより、エッチングパターニング工程を排除できる。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態に従って、非アルカリの無電解銅メッキで銅構造を形成する際に実行される方法の動作100を示すフローチャートである。図2Aないし2Fは、本発明の一実施形態に従って、基板(例えば、ウエハ)200上に形成された銅構造208を示す図である。動作105において、基板200が受け入れられる。基板200は、銅相互接続構造を形成できるように、事前に準備される。この事前準備は、任意の適切な方法で実行可能である。
【0032】
図1および2Aを参照すると、動作110において、触媒層202が、基板200上に形成される。触媒層202は、任意の適切な材料、または、複数の材料の組み合わせ、および、複数材料の複数の層であってよい。例えば、触媒層202は、タンタル、ルテニウム、ニッケル、ニッケルモリブデン、チタン、窒化チタン、または、その他の適切な触媒材料で形成されてよい。触媒層202は、できる限り薄くても(例えば、原子または分子の単分子層)よいし、単分子層から約500オングストロームまでの厚さであってもよい。複数層の組み合わせも用いられてよい。例えば、基板200の上にタンタル層が形成されて、タンタル層の上にルテニウム層が形成されてよい。タンタル層は、約360オングストローム厚であってもよいし、それより薄くてもよい。ルテニウム層は、例えば、酸化タンタルの形成から、タンタル層を保護するために利用されてよい。ルテニウム層は、約150オングストロームの厚さであってもよいし、それより薄くてもよい。
【0033】
触媒層202の形成は、光反射防止膜(例えば、BARC)層204の形成を含んでもよい。BARC層204は、例えば、約600オングストローム厚であってよい。BARC層204は、当技術分野で周知のものであり、露光工程の間の建設的および相殺的干渉を低減することによりリソグラフィ性能を改善させる。
【0034】
動作115において、フォトレジスト層206が、触媒層202の上に形成される。フォトレジスト層206は、約6000オングストローム厚であってもよいし、それより厚くても薄くてもよい。フォトレジスト層204は、当分野で周知のように任意の適切なフォトレジスト材料であってよい。動作120において、フォトレジスト層206はパターニングされる。フォトレジスト層206のパターニングは、BARC層が備えられている場合には、光BARC層204のパターニングも含む。
【0035】
ここで、図1および2Bを参照すると、動作125において、フォトレジスト層206の不必要な部分が除去されて、フォトレジスト層の必要な部分206Aだけが残される。光BARC層204の露出部分204Aは、プラズマエッチング処理によって除去される。例えば、BARCは、Lam Research社の2300 Exelan(登録商標)プラズマエッチャを用いて、約20ないし約90秒の間、約20℃、40−100mTorr、200−700W@27MHz、500−100W@2MHz、100−500sccmのアルゴン、0−100sccmのCF4、0−30sccmの酸素、0−150sccmの窒素、0−150sccmの水素、および、0−10sccmのC4F8の設定で除去されてよい。材料の要件に応じて、上記のガスおよび設定を様々な組み合わせおよび順列で用いてよい。当業者であれば、誘電結合プラズマ源(例えば、Lam Research社のVersys(商標)プラズマ処理チャンバ)を用いてBARCを除去することもできることを理解されたい。
【0036】
ここで、図1および2Cを参照すると、動作130において、必要であれば、触媒層202の露出部分202A上の任意の酸化物または他の残留物が除去される。触媒層の露出部分202A上の任意の酸化物または他の残留物を除去する方法の一つは、プラズマによるラジカルを触媒層の露出部分202Aに当てることを含む。例えば、露出部分202A上の酸化物および他の残留物は、以下のレシピでLam 2300Microwave Stripチャンバまたは同様のチャンバ内で生成されたラジカルを当てることによって除去されてよい。レシピは、1Torrで700sccmのヘリウム搬送ガスにおける3.9%濃度の水素、1kW、約5分間、である。3.9%の水素に代えて、または、追加して、アンモニア(NH3)または一酸化炭素(CO)を用いてもよい。あるいは、温度を上げて、100%の水素を用いてもよい。例えば、約50ないし約300℃の温度を用いてよいが、温度の上限は、フォトレジストおよびBARCの材料が、上昇した温度条件に耐えられる能力によって決まる。さらなる例では、短く制御されたプラズマ酸化処理を用いて任意の有機汚染物質を除去した後に、上述の還元動作によって元素金属状態の状態になるように酸化物を変化させる(すなわち、還元する)ことを含んでよい。動作132において、基板は、制御環境下で(すなわち、低酸素および低湿度に維持するためにインサイチュで)、無電解メッキ処理チャンバに移される。これにより、動作130で形成された還元表面は、触媒層として保持される。
【0037】
ここで、図1および2Dによると、動作135において、非アルカリ無電解銅メッキ処理が基板200に施されて、銅構造208が形成される。非アルカリ無電解銅メッキ処理については、図3を参照して詳述する。非アルカリ無電解銅メッキ処理は、毎分500ないし2000オングストロームの元素銅を生成できる。非アルカリ無電解銅メッキ処理は、垂直または水平の浸漬方法で基板に施されてよい。あるいは、非アルカリ無電解銅メッキ処理は、後に詳述する動的液体メニスカスによって基板200に施されてもよい。
【0038】
ここで、図1および2Eによると、動作140において、フォトレジスト層の残り部分206Aが除去されて、触媒層202Bの一部が露出される。光BARC層204が含まれていた場合には、フォトレジスト層の残り部分206Aが除去される時、または、その後に、光BARC層の残り部分204Bも除去される。フォトレジストおよびBARC層は、プラズマ処理で除去されてよい。随意的に、水系、準水系、または、非水系溶媒を用いて、湿式化学フォトレジスト除去工程を実行してもよい。残りのフォトレジスト206Aと光BARC層の残り部分204Bとを除去するためのレシピの一例は、約30℃未満の温度、約5mTorrの圧力、アルゴンの約50sccmと酸素の350sccmとの流量で、約27MHzで約1000−1400Wの電源電力を約3分印加することを含む。次に、約30℃より高い温度、約5mTorrの圧力、アルゴンの50sccmと酸素の350sccmとの流量で、約27MHzの1200Wの電源電力と、約500Wのバイアス電力とが、約30秒間印加される。このさらなるバイアス電力により、エッチング処理は、銅構造208の間の空間210への方向性が高くなる。例えば、BARCは、Lam Research社の2300 Exelan(登録商標)プラズマエッチャを用いて、約20ないし約90秒の間、約20℃、40−100mTorr、200−700W@27MHz、500−100W@2MHz、100−500sccmのアルゴン、0−100sccmのCF4、0−30sccmの酸素、0−150sccmの窒素、0−150sccmの水素、および、0−10sccmのC4F8の設定で除去されてよい。材料の要件に応じて、上記のガスおよび設定を様々な組み合わせおよび順列で用いてよい。当業者であれば、誘電結合プラズマ源(例えば、Lam社のVersys(商標)プラズマ処理チャンバ)を用いてBARCを除去することもできることを理解されたい。
【0039】
ここで、図1および2Fによると、動作145において、触媒層202の露出部分202Bが除去される。触媒層202の露出部分202Bを除去することにより、触媒層の露出部分が、残りの自立した銅構造208に電気的に接続することが、実質的に防止される。Lam 2300 Versysプラズマエッチャを用いて、触媒層202の露出部分202Bを除去するためのレシピの一例は、約20ないし約50℃の温度、約500Wの電源電力および約20−100Wのバイアス電力、約50mTorrの圧力、約30sccmのCF4および75sccmのアルゴンの流速、約1分の持続時間、を含む。C4F8などの他のハロゲン含有ガス、または、CF4+HBrなどのハロゲン含有ガスの混合ガスを、CF4に追加して、または、代わりに用いてもよい。自立銅構造208は、触媒層の残り部分202Cを含む。自立銅構造208の間には、空隙210が形成されている。空隙210は、自立銅構造208上に続いて形成される構造において、空気誘電体が利用されることを可能にする。空隙210は、約10nm未満とそれよりも大きい値との間の幅を有してよい。自立銅構造208は、任意の所望の幅を有してよい。例えば、自立銅構造208は、約10nm未満と約100nmよりも大きい値との間であってよい。自立銅構造208は、約300nm以上の幅であってよい。自立銅構造208の最大幅は、基板の幅によってのみ制限される。
【0040】
上述の動作140のフォトレジスト206Aの除去は、必要に応じて(例えば、銅構造208への損傷を最小限に抑えるため、または、銅構造208の間のフォトレジストの完全除去を促進するために)、バイアス電力を用いて実行されてもよいし、用いないで実行されてもよい。その結果、銅構造208の間のフォトレジスト206Aおよびその残留物をさらに除去するために、500Wのバイアスを印加することを含む短いフォトレジスト除去動作を追加してもよい。500Wのバイアスを印加することにより、触媒層を保護するためにルテニウム層も施されている場合には、そのルテニウムも除去される。
【0041】
各動作105−145は、高温で起こりうる銅の移動を実質的に制限するために、約300℃未満の低温で実行される。BARCの除去および前処理の動作も、高温でのフォトレジストの網状化(reticulation)を制限するために低温で実行される。
【0042】
図3は、本発明の一実施形態に従って、高速非アルカリ無電解銅メッキ処理で実行される方法動作135を示すフローチャートである。図4Aは、本発明の一実施形態に従って、メッキ処理ツール400を示す簡略な説明図である。メッキ処理ツール400は、第1のソース410と第2のソース412とを備える。第1のソース410は、或る量の第1の原料410Aを含む。第2のソース412は、或る量の第2の原料412Aを含む。第1のソース410および第2のソース412は、混合器416に接続されている。混合器416は、メッキチャンバ402に接続されている。メッキ処理ツール400は、メッキチャンバ402に接続されたリンス溶液ソース440をさらに備えてもよい。リンス溶液ソース440は、或る量のリンス溶液440Aを供給できる。
【0043】
メッキ処理ツール400は、制御部430をさらに備えてよい。制御部430は、メッキチャンバと混合器416とに接続されている。制御部430は、制御部に備えられたレシピ432に従って、メッキ処理ツールにおける動作(例えば、混合、充填、リンスなど)を制御する。
【0044】
ここで、図3および4Aによると、動作305において、基板200は、メッキ動作に向けて、メッキチャンバ402内に配置される。
【0045】
動作310および315において、混合器416は、第1の原料410Aと第2の原料412Aとを混合して、メッキ溶液416Aを形成する。第1の原料410Aは、銅イオンに対する還元イオン(例えば、Co2+)である。第2の原料412Aは、酸化銅源(例えば、Cu2+)と、錯化剤(例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン)と、pH調整剤(例えば、HNO3、H2SO4、HClなど)と、ハロゲン化物イオン(例えば、Br−、Cl−など)と、を含む。銅メッキ溶液に関するさらなる詳細事項および例については、2006年5月11日に出願されたVaskelisらによる共同所有の米国特許出願11/382,906、「Plating Solution for Electroless Deposition of Copper」と、2006年6月28日に出願されたDordiらによる共同所有の米国特許出願11/427,266、「Plating Solutions for Electroless Deposition of Copper」と、に詳述されており、これらの出願は、参照することにより、本明細書に組み込まれる。本願は、さらに、2006年4月4日に出願されたJeffrey Marksによる共同所有の米国特許出願11/398,254、「Methods and Apparatus for Fabricating Conductive Features on Glass Substrates used in Liquid Crystal Displays」に関連しており、その出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0046】
動作320において、メッキ溶液416Aは、混合器416からメッキチャンバ402に出力され、そこで、メッキ溶液は、基板200に供給される。混合器416は、メッキチャンバ402における必要に応じて、第1の原料410Aと第2の原料412Aとを混合する。メッキ溶液416Aは、約6.5より大きいpHを有し、少なくとも一実施形態においては、約7.2ないし約7.8の範囲のpHを有する。メッキ溶液416Aは、実質的に、水素含有物によるボイドを引き起こすことなく、元素銅の層を形成する。
【0047】
動作325において、基板200は、メッキ溶液416Aから取り出される。メッキ溶液416Aからからの基板200の取り出しは、メッキチャンバ402からの基板200の取り出し、および/または、メッキチャンバ402からのメッキ溶液416Aの取り出し、を含んでよい。
【0048】
動作330において、基板200は、リンス溶液内でリンスされる。例えば、動作325において、メッキ溶液426Aが、メッキチャンバ402から除去されてよく、リンス溶液440Aが、基板200から任意の残りのメッキ溶液416Aを実質的に除去するために、メッキチャンバに導入されてよい。
【0049】
動作335において、基板200は乾燥されてよい。例えば、基板200は、メッキチャンバ402から取り出されて、リンスおよび乾燥のために、第2のチャンバ(例えば、スピン・リンス・ドライチャンバ)に配置されてよい。あるいは、メッキチャンバ402が、基板200をリンスおよび乾燥するために必要な機構を備えてもよい。
【0050】
例えば、メッキチャンバ402は、基板200のリンスおよび乾燥が可能な近接ヘッド450を備えてよい。近接ヘッド450は、さらに、メッキ溶液を基板に供給することができる。
【0051】
図4Bは、本発明の一実施形態に従って、近接ヘッド450によって実行可能な基板処理の一例の一実施形態を示す図である。図4Bは、基板200の上面458aが処理されている様子を示すが、基板処理は、ウエハ200の下面458bに対しても実質的に同じように実現できることを理解されたい。図4Bは、基板乾燥処理を図示しているが、同様に、多くの他の加工処理が、基板表面に施されてもよい。ソース流入口462を用いて、基板200の上面458aにイソプロピルアルコール(IPA)蒸気を供給してよく、ソース流入口466を用いて、基板200の上面458aに脱イオン水(DIW)またはその他の処理薬剤を供給してよい。さらに、ソース流出口464を用いて、ウエハ表面に近接する領域に真空を作用させ、上面458aの上または近傍に存在しうる流体または蒸気を除去してよい。ソース流入口462の少なくとも1つが、ソース流出口464の少なくとも1つに隣接し、そのソース流出口464が、ソース流入口466の少なくとも1つに隣接する組み合わせが少なくとも1つ存在する限りは、任意の適切な組み合わせのソース流入口およびソース流出口を用いてよいことを理解されたい。IPAは、例えば、N2搬送ガスによって蒸気の形態でIPAが入力されるIPA蒸気など、任意の適切な形態でよい。さらに、本明細書ではDIWが用いられているが、例えば、他の方法で精製された水、洗浄流体、その他の処理流体および薬剤など、ウエハ処理を可能とするか、強化できるものであれば、任意の適切な流体を用いてよい。一実施形態では、IPA蒸気の流入460がソース流入口462を通して供給され、真空472がソース流出口464を通して作用されてよく、DIWの流入474がソース流入口466を通して供給されてよい。したがって、流体の膜が基板200上に存在する場合に、IPAの流入460によって第1の流体圧力を基板表面に作用させると共に、DIWの流入474によって第2の流体圧力を基板表面に作用させつつ、基板表面上のDIW、IPA、および、流体の膜を除去するために、真空472によって第3の流体圧力を作用させてよい。
【0052】
したがって、一実施形態では、DIWの流入474およびIPA蒸気の流入460がウエハ表面に供給されると、ウエハ表面上のすべての流体が、DIWの流入474と混合される。この際、ウエハ表面に供給されるDIWの流入474は、IPA蒸気の流入460と衝突する。IPAは、DIWの流入474と共に界面478(IPA/DIW界面478とも呼ぶ)を形成し、真空472と共に、基板200の表面からDIWの流入474とその他すべての流体とを除去する助けとなる。IPA/DIW界面478は、DIWの張力面を減少させる。動作中、DIWは、基板表面に供給されると、ほとんど即座に、ソース流出口464が提供する真空によって、基板表面上の流体と共に除去される。基板表面に供給されて、一瞬の間、基板表面上の任意の流体と共に近接ヘッドと基板表面との間の領域に存在するDIWは、IPA/DIW界面478を境界とするメニスカス476を形成する。したがって、メニスカス476は、表面に供給された後に基板表面上の任意の流体とほぼ同時に除去される流体の一定の流れである。基板表面からDIWをほとんど即座に除去することで、処理されている基板表面の領域に流体の液滴が形成することを防止し、それにより、基板200上で汚染物質が乾燥する可能性を低減できる。IPA蒸気を下向きに射出する際の圧力(IPA蒸気の流量によって引き起こされる)も、メニスカス476を封じ込める助けとなる。
【0053】
IPA蒸気のためのN2搬送ガスの流量は、近接ヘッドと基板表面との間の領域から、流体を近接ヘッドから排出するためのソース流出口304へと、水の流れを移送すなわち押しやる助けとなる。したがって、IPA蒸気およびDIWがソース流出口464に引き込まれると、流体と共に気体(例えば、空気)がソース流出口464に引き込まれるため、IPA/DIW界面478を形成する境界は、連続的な境界ではなくなる。一実施形態では、ソース流出口464による真空が、基板表面上のDIW、IPA蒸気、および、流体を引き込む際に、ソース流出口464への流れが不連続になる。この流れの不連続性は、流体と気体とを組み合わせたものに真空を作用させた時に、流体および気体がストローを通して引き上げられる様子に類似している。したがって、近接ヘッド450が移動すると、近接ヘッドと共にメニスカス476も移動し、メニスカスによって以前に占められていた領域は、IPA蒸気/DIW界面478の移動の結果として処理および乾燥される。装置の構成と、メニスカスの所望のサイズおよび形状とに応じて、任意の適切な数のソース流入口462、ソース流出口464、および、ソース流入口466を用いてよいことを理解されたい。別の実施形態では、液体の流量および真空の流量は、真空流出口への液体の流れ全体が連続的になるよう設定されるため、気体が真空流出口に流れ込まない。
【0054】
メニスカス476を維持できる限りは、任意の適切な流量をIPA蒸気、DIW、および真空に対して用いてよいことを理解されたい。一実施形態では、1組のソース流入口466を通るDIWの流量は、毎分約25mlから約3,000mlの間である。1組のソース流入口466を通るDIWの流量は、毎分約400mlである。流体の流量は、近接ヘッドのサイズに応じて変化してよいことを理解されたい。一実施形態では、大きいヘッドは、小さい近接ヘッドよりも流体の流量が大きくてよい。これは、一実施形態において、より大きな近接ヘッドは、より多くのソース流入口462および466とソース流出口464とを有するため、ヘッドが大きくなるほど流量が大きくなるからである。
【0055】
1組のソース流入口462を通るIPA蒸気の流量は、約1標準立方フィート毎時(SCFH)から約100SCFHの間であってよい。IPAの流量は、約5から50SCFHの間である。1組のソース流出口464を通る真空の流量は、約10標準立方フィート毎時(SCFH)から約1250SCFHの間である。好ましい実施形態では、1組のソース流出口464を通る真空の流量は、約350SCFHである。代表的な一実施形態では、IPA蒸気、DIW、および真空の流量を測定するために、流量計を用いてよい。
【0056】
図5は、本発明の一実施形態に従って、モジュール式処理ツール500を示す簡略な説明図である。モジュール式処理ステーション500は、複数の処理モジュール512ないし520と、共通移送チャンバ510と、入力/出力モジュールとを備える。複数の処理モジュール512ないし520は、1または複数の低圧処理チャンバおよび大気圧処理チャンバを備えてよい。1または複数の低圧処理チャンバは、大気圧未満から約10mTorr未満の真空までの圧力範囲の動作圧力を有する。低圧処理チャンバは、プラズマチャンバ、混合器を備えた銅メッキチャンバ、蒸着チャンバなど、2以上の低圧処理チャンバを含んでよい。大気圧処理チャンバは、1または複数のエッチング/除去チャンバを含んでよい。モジュール式処理ステーション500は、さらに、複数の処理モジュール512ないし520と、共通移送チャンバ510と、入力/出力モジュール502との各々における動作を制御することのできる制御部530を備える。制御部530は、複数の処理モジュール512ないし520と、共通移送チャンバ510と、入力/出力モジュール502との各々における動作のための様々なパラメータを含む1または複数のレシピ532を備えてよい。
【0057】
複数の処理モジュール512ないし520の内の1または複数が、エッチング動作、洗浄/リンス/乾燥動作、プラズマ動作、および、非アルカリ無電解銅メッキ動作に対応してよい。例えば、チャンバ518は、プラズマチャンバであってよく、チャンバ520は、銅メッキチャンバ(例えば、メッキ処理ツール400)であってよく、チャンバ512は、エッチング/除去チャンバであってよく、チャンバ514は、上述のようにバリア層またはBARC層または触媒層を蒸着するのに適した蒸着チャンバであってよい。
【0058】
共通移送チャンバ510は、移送チャンバ510制御された環境下(例えば、低酸素および低水蒸気)で、処理モジュール512ないし520の各々に対して1または複数の基板200を移送して出し入れすることを可能にする。例えば、移送チャンバ510は、所望の圧力(例えば、大気圧よりも高いまたは低い圧力、真空)、所望の温度、選択されたガス(例えば、約2ppm未満の酸素濃度に維持したアルゴン、窒素、ヘリウムなど)、に維持されてよい。
【0059】
プラズマチャンバ520は、従来のプラズマチャンバまたはダウンストリームプラズマチャンバであってよい。図6は、本発明の一実施形態に従って、ダウンストリームプラズマチャンバ600の一例を示す簡略な説明図である。ダウンストリームプラズマチャンバ600は、処理チャンバ602を備える。処理チャンバ602は、処理チャンバ602内で処理される基板200を支持するための支持部630を備える。処理チャンバ602は、さらに、内部でプラズマ604Aが生成されるプラズマチャンバ604を備える。ガス源606が、プラズマチャンバ604に接続されており、プラズマ604Aの生成に用いるガスを供給する。プラズマ604Aは、プラズマチャンバから導管612を通じて処理チャンバ602内に移送されるラジカル620を生成する。処理チャンバ602は、さらに、基板200にわたってラジカル620を実質的に均一に分配する分配装置(例えば、シャワーヘッド)614を備えてよい。ダウンストリームプラズマチャンバ600は、プラズマ604Aの比較的高い電位および温度に基板200を曝すことなく、ラジカル620を生成する。
【0060】
上述の実施形態を念頭に置いて、本発明は、コンピュータシステムに格納されたデータを含め、コンピュータによって実行される様々な動作を用いてもよいことを理解されたい。これらの動作は、物理量の物理操作を必要とするものである。通常、必ずしも当てはまるわけではないが、これらの物理量は、格納、転送、合成、比較、および、その他の操作を施すことが可能な電気または磁気の信号の形態を取る。さらに、実行される操作は、生成、特定、決定、または、比較などの用語で呼ばれることが多い。
【0061】
本発明の一部を形成する本明細書で説明した動作はいずれも、有用な機械動作である。本発明は、さらに、これらの動作を実行するためのデバイスまたは装置に関する。装置は、必要な目的に対して特別に構成されてもよいし、コンピュータ内に格納されたコンピュータプログラムによって選択的に起動または構成される汎用コンピュータであってもよい。特に、本明細書の教示に従って記述されたコンピュータプログラムと共に、様々な汎用マシンを用いてもよいし、必要な動作を実行することに特化された装置を構成して利便性を向上させてもよい。
【0062】
本発明は、コンピュータ読み取り可能な媒体に格納されたコンピュータ読み取り可能なコードとして実施されてもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータシステムによって読み出し可能なデータを格納できる任意のデータ格納装置である。コンピュータ読み取り可能な媒体の例としては、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、および、その他の光学および非光学式のデータ格納装置が挙げられる。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ読み取り可能なコードが、分散的に格納および実行されるように、ネットワーク接続された複数のコンピュータシステムに分布されてもよい。
【0063】
上述の図面における動作によって表される命令は、図示した順序で実行される必要はなく、それらの動作によって表される処理すべてが、必ずしも本発明の実施に必要なわけではない。さらに、上述の図面のいずれかに記載された処理は、RAM、ROM、または、ハードディスクドライブのいずれか、もしくは、それらを組み合わせたものに格納されたソフトウェアとして実施されてもよい。
【0064】
理解を深めるために、上述の発明について、ある程度詳しく説明したが、添付の特許請求の範囲内で、ある程度の変更や変形を行ってもよいことは明らかである。したがって、本実施形態は、例示的なものであって、限定的なものではないとみなされ、本発明は、本明細書に示した詳細に限定されず、添付の特許請求の範囲および等価物の範囲内で変形されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態に従って、非アルカリ無電解銅メッキで銅構造を形成する際に実行される方法の動作を示すフローチャートである。
【図2A】本発明の一実施形態に従って、基板上に形成された銅構造を示す図である。
【図2B】本発明の一実施形態に従って、基板上に形成された銅構造を示す図である。
【図2C】本発明の一実施形態に従って、基板上に形成された銅構造を示す図である。
【図2D】本発明の一実施形態に従って、基板上に形成された銅構造を示す図である。
【図2E】本発明の一実施形態に従って、基板上に形成された銅構造を示す図である。
【図2F】本発明の一実施形態に従って、基板上に形成された銅構造を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に従って、高速非アルカリ無電解銅メッキプロセスで実行される方法動作を示すフローチャートである。
【図4A】本発明の一実施形態に従って、メッキ処理ツールを示す簡略な説明図である。
【図4B】本発明の一実施形態に従って、近接ヘッドによって実行可能な基板処理の一例の好ましい実施形態を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に従って、モジュール式処理ツールを示す簡略な説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に従って、ダウンストリームプラズマチャンバの一例を示す簡略な説明図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上に銅を形成するための方法であって、
銅源溶液を混合器に供給する工程と、
還元溶液を前記混合器に供給する工程と、
前記銅源溶液と前記還元溶液とを混合して、約6.5より大きいpHを有するメッキ溶液を形成する工程と、
前記メッキ溶液を前記基板に供給する工程と、
を備え、
前記基板は触媒層を備え、
前記メッキ溶液を前記基板に供給する工程は、前記触媒層の上に銅を形成する工程を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記メッキ溶液は、前記メッキ溶液を前記基板に供給するのと実質的に同時に形成される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記メッキ溶液は、約7.2から約7.8の間のpHを有する、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、さらに、前記触媒の上に銅を形成した後に、前記メッキ溶液を廃棄する工程を備える、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記基板は、パターン化フォトレジスト層を備え、前記パターン化フォトレジスト層は、前記触媒層の第1の部分を露出させ、前記メッキ溶液を前記基板に供給する工程は、前記触媒層の前記第1の部分の上に銅を形成する工程を備える、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、さらに、
前記メッキ溶液を前記基板から除去する工程と、
前記基板をリンスする工程と、
前記基板を乾燥する工程と、
を備える、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、さらに、
前記パターン化フォトレジストを除去する工程であって、前記触媒層の第2の部分を露出させる、工程と、
前記触媒層の前記第2の部分を除去する工程と、
を備える、方法。
【請求項8】
請求項5に記載の方法であって、前記メッキ溶液は、保護されていないフォトレジストに適合する、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記触媒層の上に形成された前記銅は、実質的に元素銅であり、前記触媒層の上に形成された前記銅は、実質的に水素含有物を含まない、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、前記触媒層の上に形成された前記銅は、毎分約500オングストロームよりも大きい速さで形成される、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、前記銅源溶液は、
酸化銅源と、
錯化剤と、
pH調整剤と、
ハロゲン化イオンと、
を備える、方法。
【請求項12】
基板の上にパターン化銅構造を形成するための方法であって、
基板を受け入れる工程であって、前記基板は、
前記基板の上に形成された触媒層と、
前記触媒層の上に形成され、前記触媒層の第1の部分を露出させ、前記触媒層の第2の部分を覆うパターン化フォトレジスト層と、を備える、工程と、
銅源溶液を混合器に供給する工程と、
還元溶液を前記混合器に供給する工程と、
前記銅源溶液と前記還元溶液とを混合して、約7.2から約7.8の間のpHを有するメッキ溶液を形成する工程と、
前記メッキ溶液を前記基板に供給する工程と、
を備え、
前記メッキ溶液を前記基板に供給する工程は、前記触媒層の前記第1の部分の上に銅を形成する工程を備える、方法。
【請求項13】
処理ツールであって、
低圧処理チャンバと、
大気圧処理チャンバと、
前記低圧処理チャンバと前記大気圧処理チャンバとの各々に接続された移送チャンバであって、制御された環境を備え、前記低圧処理チャンバから前記大気圧処理チャンバへ基板を移送する際に制御された環境を提供する、移送チャンバと、
前記低圧処理チャンバと、前記大気圧処理チャンバと、前記移送チャンバとに接続された制御部であって、前記低圧処理チャンバと、前記大気圧処理チャンバと、前記移送チャンバとの各々を制御するためのロジックを備える、制御部と、
を備える、処理ツール。
【請求項14】
請求項13に記載の処理ツールであって、前記低圧処理チャンバは、1または複数のプラズマエッチング/除去チャンバを含む2以上の低圧処理チャンバを含み、前記大気圧処理チャンバは、銅メッキチャンバを含む、処理ツール。
【請求項15】
請求項14に記載の処理ツールであって、前記銅メッキチャンバは、混合器を備える、処理ツール。
【請求項16】
請求項14に記載の処理ツールであって、前記プラズマチャンバは、ダウンストリームプラズマチャンバである、処理ツール。
【請求項17】
請求項14に記載の処理ツールであって、前記エッチング/除去チャンバは、湿式処理チャンバである、処理ツール。
【請求項18】
請求項13に記載の処理ツールであって、前記移送チャンバは、入力/出力モジュールを備える、処理ツール。
【請求項19】
請求項13に記載の処理ツールであって、前記制御部は、レシピを備え、
前記レシピは、
パターン化基板を前記銅メッキチャンバ内にロードするためのロジックと、
銅源溶液を前記混合器に供給するためのロジックと、
還元溶液を前記混合器に供給するためのロジックと、
前記銅源溶液と前記還元溶液とを混合して、約6.5より大きいpHを有するメッキ溶液を形成するためのロジックと、
前記メッキ溶液を前記パターン化基板に供給するためのロジックと、
を備え、
前記パターン化基板は触媒層を備え、前記メッキ溶液を前記基板に供給することは、前記触媒層の上に銅を形成することを含む、処理ツール。
【請求項20】
請求項19に記載の処理ツールであって、前記パターン化基板は、前記触媒層の上に形成されたパターン化フォトレジスト層を備え、前記パターン化フォトレジスト層は、前記触媒層の第1の部分を露出させ、前記触媒層の第2の部分を覆う、処理ツール。
【請求項1】
基板の上に銅を形成するための方法であって、
銅源溶液を混合器に供給する工程と、
還元溶液を前記混合器に供給する工程と、
前記銅源溶液と前記還元溶液とを混合して、約6.5より大きいpHを有するメッキ溶液を形成する工程と、
前記メッキ溶液を前記基板に供給する工程と、
を備え、
前記基板は触媒層を備え、
前記メッキ溶液を前記基板に供給する工程は、前記触媒層の上に銅を形成する工程を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記メッキ溶液は、前記メッキ溶液を前記基板に供給するのと実質的に同時に形成される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記メッキ溶液は、約7.2から約7.8の間のpHを有する、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、さらに、前記触媒の上に銅を形成した後に、前記メッキ溶液を廃棄する工程を備える、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記基板は、パターン化フォトレジスト層を備え、前記パターン化フォトレジスト層は、前記触媒層の第1の部分を露出させ、前記メッキ溶液を前記基板に供給する工程は、前記触媒層の前記第1の部分の上に銅を形成する工程を備える、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、さらに、
前記メッキ溶液を前記基板から除去する工程と、
前記基板をリンスする工程と、
前記基板を乾燥する工程と、
を備える、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、さらに、
前記パターン化フォトレジストを除去する工程であって、前記触媒層の第2の部分を露出させる、工程と、
前記触媒層の前記第2の部分を除去する工程と、
を備える、方法。
【請求項8】
請求項5に記載の方法であって、前記メッキ溶液は、保護されていないフォトレジストに適合する、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記触媒層の上に形成された前記銅は、実質的に元素銅であり、前記触媒層の上に形成された前記銅は、実質的に水素含有物を含まない、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、前記触媒層の上に形成された前記銅は、毎分約500オングストロームよりも大きい速さで形成される、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、前記銅源溶液は、
酸化銅源と、
錯化剤と、
pH調整剤と、
ハロゲン化イオンと、
を備える、方法。
【請求項12】
基板の上にパターン化銅構造を形成するための方法であって、
基板を受け入れる工程であって、前記基板は、
前記基板の上に形成された触媒層と、
前記触媒層の上に形成され、前記触媒層の第1の部分を露出させ、前記触媒層の第2の部分を覆うパターン化フォトレジスト層と、を備える、工程と、
銅源溶液を混合器に供給する工程と、
還元溶液を前記混合器に供給する工程と、
前記銅源溶液と前記還元溶液とを混合して、約7.2から約7.8の間のpHを有するメッキ溶液を形成する工程と、
前記メッキ溶液を前記基板に供給する工程と、
を備え、
前記メッキ溶液を前記基板に供給する工程は、前記触媒層の前記第1の部分の上に銅を形成する工程を備える、方法。
【請求項13】
処理ツールであって、
低圧処理チャンバと、
大気圧処理チャンバと、
前記低圧処理チャンバと前記大気圧処理チャンバとの各々に接続された移送チャンバであって、制御された環境を備え、前記低圧処理チャンバから前記大気圧処理チャンバへ基板を移送する際に制御された環境を提供する、移送チャンバと、
前記低圧処理チャンバと、前記大気圧処理チャンバと、前記移送チャンバとに接続された制御部であって、前記低圧処理チャンバと、前記大気圧処理チャンバと、前記移送チャンバとの各々を制御するためのロジックを備える、制御部と、
を備える、処理ツール。
【請求項14】
請求項13に記載の処理ツールであって、前記低圧処理チャンバは、1または複数のプラズマエッチング/除去チャンバを含む2以上の低圧処理チャンバを含み、前記大気圧処理チャンバは、銅メッキチャンバを含む、処理ツール。
【請求項15】
請求項14に記載の処理ツールであって、前記銅メッキチャンバは、混合器を備える、処理ツール。
【請求項16】
請求項14に記載の処理ツールであって、前記プラズマチャンバは、ダウンストリームプラズマチャンバである、処理ツール。
【請求項17】
請求項14に記載の処理ツールであって、前記エッチング/除去チャンバは、湿式処理チャンバである、処理ツール。
【請求項18】
請求項13に記載の処理ツールであって、前記移送チャンバは、入力/出力モジュールを備える、処理ツール。
【請求項19】
請求項13に記載の処理ツールであって、前記制御部は、レシピを備え、
前記レシピは、
パターン化基板を前記銅メッキチャンバ内にロードするためのロジックと、
銅源溶液を前記混合器に供給するためのロジックと、
還元溶液を前記混合器に供給するためのロジックと、
前記銅源溶液と前記還元溶液とを混合して、約6.5より大きいpHを有するメッキ溶液を形成するためのロジックと、
前記メッキ溶液を前記パターン化基板に供給するためのロジックと、
を備え、
前記パターン化基板は触媒層を備え、前記メッキ溶液を前記基板に供給することは、前記触媒層の上に銅を形成することを含む、処理ツール。
【請求項20】
請求項19に記載の処理ツールであって、前記パターン化基板は、前記触媒層の上に形成されたパターン化フォトレジスト層を備え、前記パターン化フォトレジスト層は、前記触媒層の第1の部分を露出させ、前記触媒層の第2の部分を覆う、処理ツール。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【公表番号】特表2009−507135(P2009−507135A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529370(P2008−529370)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2006/034555
【国際公開番号】WO2007/028156
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2006/034555
【国際公開番号】WO2007/028156
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】
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