説明

物体識別のための量子ドットを備えた性能測定システム

【課題】携帯でき、使用しやすく、正確であり、屋外使用に適した、ゴルフクラブ及びボールの運動データを捕捉できるモニタシステムを提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも1つの蛍光マーカ(60a)を用いて所定の視野内を運動する少なくとも1つの物体(60)の飛行特性を測定するモニタシステム(10)に関する。一実施形態では、蛍光マーカの放出スペクトルは、好ましくは幅が狭く且つ実質的に対称である。蛍光マーカが広い励起スペクトルに対応できることが望ましい。好ましくは、蛍光マーカは、量子ドットを有する。量子ドットは、任意所望の方式で製造でき、かかる量子ドットは、半導体、金原子等から成るのがよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光波長弁別及び量子ドット(quantum dots)とから成る蛍光マーカを備えたモニタシステムに関する。特に、本発明は、ゴルフ用具の運動力学をモニタするシステム及びその使用方法に関する。
【0002】
(関連出願の参照)
本願は、現在継続中の2001年12月5日に出願された米国特許出願第10/002,174号明細書の一部継続出願であり、この米国特許出願明細書の記載内容全体を参照によりここに引用する。
【背景技術】
【0003】
ゴルフボールの飛行特性及びゴルフクラブヘッドのスイング特性を測定する装置が知られている。例えば、ゴルフボール又はゴルフクラブヘッドに、性能特性を判定するために使用できる光画像を発生させるよう用いられる少なくとも1つの対比領域をマーキングする場合がある。これら装置の中には、再帰反射性テープ又は塗料マーカを用いるものがある。しかしながら、再帰反射性マーカの結果として、ゴルフボール上に配置されると隆起した表面が生じ、ゴルフボールの飛行性能に悪影響が生じる。したがって、ゴルフボールの飛行特性に実質的に影響を及ぼさないマーカを用いるゴルフボールの打上げ又は飛行特性を測定するシステムを提供することが望ましい。加うるに、非蛍光塗料又はインキを基剤とするマーカ及び装置は、明るい太陽光の下では役に立たず、マーカの十分な光学的弁別をもたらさない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1回のスイングの際に2つのスポーツ用物体を測定する装置が知られているが、これらシステムは、屋外機能性、携帯性、精度及び使いやすさについて欠点がある。かくして、ゴルフクラブ運動データ及びゴルフボール運動データを捕捉できるモニタシステムであって、携帯でき、使いやすく、正確でありしかも屋外使用に適したモニタシステムが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一特徴によれば、本発明は、蛍光光マーカを用いて物体の飛行特性を測定する方法及び装置に関する。特に、一実施形態は、蛍光マーカを用いて物体、例えばゴルフボール及び(又は)ゴルフクラブの飛行特性を測定するモニタシステムに関する。飛行特性は、物体が所定の視野内に位置しているときに取られるデータから引き出される。システムは好ましくは、少なくとも、光フィルタを有する照明ユニット及びカメラフィルタを備えた少なくとも1つのカメラユニットを有する。照明ユニットは、光を物体の方向に差し向ける。この光は、光フィルタで濾波され又は幅の狭い波長の光源、例えば発光ダイオードから得られて光の選択された波長だけが物体に当たるようにすることができる。濾波光は、物体を照明し、それにより物体に施されている蛍光マーカが蛍光を発し、かくして光源から放出された光よりも長い波長で反射光を生じさせる。カメラユニットは、物体の方に向けられている。カメラフィルタは、選択された範囲の波長を除く全ての波長の通過を阻止し、したがって反射光の一部だけがカメラフィルタを通過してカメラに伝送されるようになっている。
【0006】
一実施形態では、カメラは、約90,000画素以上のCCDカメラである。別の実施形態では、カメラは、約300,000個以上の画素を有する。更に別の好ましい実施形態では、カメラは、約1,000,000個以上の画素を有する。
【0007】
モニタシステムは、物体の方に向けられた第2のカメラユニットを更に有するのがよい。第2のカメラユニットも又、カメラユニットを有するのがよい。
一実施形態では、カメラフィルタは、帯域フィルタである。帯域フィルタの帯域幅は、約60nm以下であるのがよく、好ましくは約30nm以下、より好ましくは約15nm以下である。
【0008】
本発明に用いられる光フィルタは、低域フィルタであるのがよい。一実施形態では、低域カットオフ波長は、カメラのバンドパス波長の中心波長よりも少なくとも約10nm短い。別の実施形態では、低域カットオフ波長は、カメラバンドパス波長の中心波長よりも少なくとも20nm短い。一実施形態では、光フィルタは、580nm以下の光の波長を通過させる。フィルタは、約50パーセント以上、好ましくは約70パーセント以上の透過率を有する。一実施形態では、フィルタの透過率は、約85パーセント以上である。
【0009】
本発明の一実施形態では、蛍光マーカは、ピーク透過率が約600nmあたりにあるオレンジ色蛍光顔料である。さらに別の実施形態では、モニタシステムは、カメラユニットにより生じた画像からデータを生成するコンピュータを更に有する。これら画像は、各カメラフィルタを通って対応の各カメラに到達する反射光から結果的に得られる。
本発明は又、少なくとも1つの蛍光マーカを有する物体とモニタシステムの組合せに関する。モニタシステムは、互いに別々の波長照明ユニットと少なくとも1つのカメラユニットとを有する。一実施形態では、第1の光は、照明ユニットから出て光フィルタを通って物体に向かって進み、第1の光の一部だけが光フィルタを通って物体に進むようになっている。
【0010】
変形例として、飛び飛びの波長又は光の幅の狭いスペクトルを発生させる光源、例えば発光ダイオードを用いてもよい。第1の濾波光は、蛍光マーカを照明してカメラユニットの方向に長い波長で第2の光の放出を生じさせる。
【0011】
一実施形態では、カメラユニットは、第2の光を通過させる関連のカメラフィルタを有する。第2の光の一部だけが関連のカメラフィルタを通過し、それによりカメラに伝送される第2に濾波光を生じさせる。
【0012】
本発明は又、物体をモニタする方法に関する。この方法は、少なくとも1つの蛍光マーカを備えた物体を用意する段階を有する。この方法は、第1の光を物体の方向に差し向ける段階及び次に光を濾波する段階を更に有する。濾波光を少なくとも1つの蛍光マーカで反射させて少なくとも1つのカメラユニットの方向に第2の光を生じさせる。一実施形態は、第2の光を濾波して第2の濾波光を生じさせる段階及び第2の濾波光をカメラユニットに伝送する段階を更に有する。
【0013】
本発明の別の実施形態によれば、本発明は、少なくとも2つの物体と所定の視野内のこれらの物体についてのデータを測定するモニタシステムの組合せである。第1の物体は、第1の反射スペクトルを備えた少なくとも1つの第1のマーカを有する。一実施形態では、第2の物体は、第1の反射スペクトルとは著しく異なる第2の反射スペクトルを備えた少なくとも1つの第2のマーカを有する。モニタシステムは、所定の視野の方に向けられた少なくとも1つのカメラを有する。各カメラは、1回目に、第1の中心波長を有し、2回目に第2の中心波長を有する切り換え可能なフィルタを更に有するのがよい。
【0014】
本発明は又、モニタシステムを用いてクラブ運動データ及びボール運動データを計算する方法に関する。この方法は、第1の反射スペクトルを有する少なくとも1つの第1のマーカを備えたクラブを用意する段階と、少なくとも1つの蛍光マーカを備えたボールを用意する段階と、光を所定の視野に差し向ける段階とを有する。一実施形態では、この方法は、光を少なくとも1つの第1のマーカで反射させて第1の反射光を生じさせる段階と、第1の反射光を第1の波長に設定された切り換え可能なフィルタにより濾波して第1の濾波光を生じさせる段階と、第1の濾波光をカメラに1回目に、そして2回目に伝送する段階と、切り換え可能なフィルタを第2の波長に切り換える段階と、光を少なくとも1つの第2のマーカで反射させて第2の反射光を生じさせる段階と、第2の反射光を第2の波長に設定された切り換え可能なフィルタで濾波して第2の濾波光を生じさせる段階と、第2の濾波光をカメラに3回目に、そして4回目に伝送する段階とを有する。
【0015】
本発明は又、所定の視野内を運動しているクラブ及びボールについてのデータを測定するモニタシステムに関する。このシステムは、所定の視野の方に向けられたフィルタ付きの少なくとも1つのカメラを有する。各カメラは、所定の視野内の少なくとも2つのクラブ像を得ると共に所定の視野内の少なくとも2つのボール像を得る。このシステムは、クラブ像からクラブ運動データを求めると共にボール像からボール運動データを求めるコンピュータを更に有するのがよい。
【0016】
本発明は又、少なくとも1つの物体の運動力学的特性を測定する携帯用モニタシステムに関する。このシステムは、少なくとも1つの高速物体の像を収集できる画像化システムと、少なくとも1つの物体の表面上に選択的に位置決めされた少なくとも1つの蛍光マーカとを有する。好ましくは、少なくとも1つの蛍光マーカは、実質的に幅の狭い放出スペクトルを放出できる。蛍光マーカは、実質的に対称の放出スペクトルを放出できることが望ましい場合がある。一実施形態では、少なくとも1つの蛍光マーカは、量子ドットを含む。
【0017】
画像化システムは、好ましくは約50μs以下で開閉できる高速シャッタシステムを有するのがよい。より好ましくは、高速シャッタシステムは、約100μs以内に開閉できる。高速シャッタシステムは、例えば、運動中の高速物体の像を得るために望ましい場合がある。好ましくは、シャッタシステムは、約50mph〜約250mphで運動している高速物体の像を得ることができる。より好ましくは、少なくとも1つの高速物体は、約100mph〜約200mphで運動する。別の実施形態では、少なくとも1つの高速物体は、約500mph以上で運動する。
【0018】
一実施形態では、システムは、光源を更に有するのがよい。好ましくは、光源と少なくとも1つの物体との間の距離は、約100インチ(2.54m)以下である。より好ましくは、光源と少なくとも1つの物体との間の距離は、約80インチ(2.032m)以下である。別の実施形態では、光源と少なくとも1つの物体との間の距離は、好ましくは約20インチ(50.8cm)〜約50インチ(127cm)である。光の1回のバーストにおけるエネルギは、約0.25ジュール〜約1.5ジュールであることが望ましい場合がある。
【0019】
本発明の一特徴によれば、画像化システムは、フィルタを有する。このフィルタは、例えば、帯域フィルタを含む。このフィルタは、実質的に幅の狭い放出スペクトルが画像化システムを通過できるようにするために用いることができる。好ましくは、実質的に幅の狭い放出スペクトルは、約50nm以下の全幅半値を有する。より好ましくは、実質的に幅の狭い放出スペクトルは、約30nm以下の全幅半値を有する。
【0020】
量子ドットから成る蛍光マーカを用いた場合の一利点は、蛍光時間が長くなるということにある。一実施形態では、量子ドットの蛍光時間は、好ましくは約200ns以下である。より好ましくは、量子ドットの蛍光時間は、約150ns以下である。幾つかの実施形態では、量子ドットは、半導体から成る。他の実施形態では、量子ドットは、ポリアミドアミンデンドリマー(poly-amid amine dendrimer)中に封入された金原子を含む。量子ドットの放出スペクトルを量子ドットの直径に基づいて変化させることが望ましい。
【0021】
本発明は又、少なくとも1つの物体の運動力学的特性を測定する携帯用モニタシステムに関する。このシステムは、カメラと、少なくとも1つの物体の表面上に選択的に位置決めされた少なくとも1つの蛍光マーカとを有する。好ましくは、蛍光マーカは、実質的に対称の放出スペクトルを放出できる。一実施形態では、蛍光マーカは、量子ドットを含む。第1の励起波長は、互いに異なる放出スペクトルを放出するよう複数の量子ドットを励起できることが望ましい場合がある。量子ドットの放出スペクトルは、量子ドットの直径に基づくのがよく、かかる直径は、好ましくは約0nm〜約10nmである。別の実施形態では、量子ドットの直径は、約15nm以下である。量子ドットの直径は、赤外スペクトル内の放出スペクトルを放出するために交換可能であるのがよい。一実施形態では、量子ドットは、半導体から成るのがよい。用いることができる半導体としては、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、セレン化亜鉛、硫化亜鉛及びセレン化鉛が挙げられるが、これらには限定されない。
【0022】
本発明は又、少なくとも1つの物体の運動力学を測定する方法に関する。この方法は、少なくとも1つの蛍光マーカが設けられた少なくとも1つの物体を用意する段階と、少なくとも1つの蛍光マーカに基づいて運動中の少なくとも1つの物体の1以上の像を収集する段階とを有する。好ましくは、収集は、少なくとも1つの蛍光マーカにより放出された実質的に幅の狭い放出スペクトルに基づく。実質的に幅の狭い放出スペクトルは、例えば帯域濾波により他の波長から隔離されたものであるのがよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明は、ゴルフ性能を測定する携帯でき且つ正確な方法及び装置に関する。特に、物体、例えばゴルフボールやゴルフクラブの運動力学的特性を、少なくとも1つの蛍光マーカ、カメラ、フィルタ及び中央処理装置を用いて測定する。カメラ、照明システム及び物体に付けられたマーキングにより、所定の視野内の物体の位置及び向きの測定を飛び飛びの時間間隔で行うことができる。
【0024】
この装置は、光を物体の方向に差し向け、少なくとも1つの光フィルタで濾波し又は違ったやり方で制御して光のうち選択された波長だけが物体に当たることができるようにするために用いられる少なくとも1つの照明ユニットと、少なくとも1つのカメラフィルタを備えていて、物体の方へ向けられるよう構成された少なくとも1つのカメラユニットとを有する。光は、物体を照明して蛍光マーカが光をカメラに向かって反射するようにする。カメラフィルタは、反射光の一部だけがカメラフィルタを通過してこれを選択された時点でカメラに伝送できるようにする。照明ユニットに設けられるフィルタを不要にするために幅の狭いスペクトル光源を用いるのがよいが、このようにするかどうかは任意である。幅の狭いスペクトル光源は好ましくは、発光ダイオードを含む。
【0025】
このシステムの作動は、物体の位置又は音に応動できるトリガを用いることにより開始される。トリガ信号に応答して、所定の視野内のゴルフボール及び(又は)ゴルフクラブの第1の像を撮像する。物体の写真を数回撮るために用いられるシャッタ切りエレクトロニクス及びストロボにより制御される。例えば、カメラ検出素子が1ms(1,000マイクロ秒(μs))の間働く場合、ストロボは、2回、好ましくはt=0のときに1回、約t=800μsのときに再び光ることができ、カメラのCCD上にマーカの2つの像を生じさせ又は「焼く」。カメラシステムは、画像データを処理するコンピュータ及びモニタを更に有するのがよく、このカメラシステムは、物体の打ち上げ状態を求める。変形例として、電子シャッタを迅速に開閉するのがよく、一定のままであるストロボ光を用いて、2つの飛び飛びの時間間隔でマーカの像を得るのがよい。
【0026】
一実施形態では、トリガは、非同期プロトコルを介してカメラと通信して作動を制御する。別の実施形態では、カメラ及びストロボは、IEEE1394バスを用いて制御されると共に互いに通信する。IEEE1394バス等を用いた制御及び通信は、複雑なケーブルを無くし、コンパクトで軽量のモニタシステムが得られるようにするので有利である。このシステムの一実施形態で用いられるトリガは、音響トリガである。
【0027】
音響トリガは本発明のシステムを説明する主要な例として用いられるが、位置検出トリガ、例えば光学式トリガ、例えばレーザ又は他の装置も又システムの開始のために使用できる。例えば、光ビーム及びセンサシステムを用いると、ゴルフボール又はゴルフクラブが光ビームを通って動くときにセンサが信号をシステムに送るようにすることができる。レーザを用いる場合、ボールが動くや否やトリガを開始させるようレーザを配置するのがよい。例えば、レーザをティーに載せられたゴルフボールに差し向け又は指向させるのがよく、第1の画像をゴルフボールがティーを離れるやすぐに又はその直後に撮像するのがよい。適当な市販のレーザを利用した光学式トリガの一例は、ニュージャージー州のキーエンス・コーポレイションから入手できるModel LV-H32である。
【0028】
カメラ
用いられるカメラは好ましくは、受光アパーチュア、シャッタ及び光電性シリコンパネルを備えた電気光学式カメラである。かかるカメラの一例は、米国特許第5,575,719号明細書に記載されている。適当な市販のカメラとしては、ソニーXCD−X700(ニュージャージー州パークリッジ所在のソニー・エレクトロニクス・インコーポレイテッドから入手できる)及びDragonFly(カナダ国ブリティッシュコロンビア州バンクーバー所在のポイント・グレー・リサーチ社から入手できる)が挙げられるが、これらには限定されない。電荷結合デバイス(CCD)カメラが好ましいが、TV型ビデオカメラも又有用である。一実施形態では、CMOS技術を利用したカメラが用いられる。説明するように、カメラは、IEEE1394バス等を介して通信できると共にこれによって制御できる。一実施形態では、カメラは、約90,000画素以上のディジタル解像度を有する。別の実施形態では、カメラのディジタル解像度は、約300,000画素以上、好ましくは約1,000,000画素以上である。
【0029】
本発明では2個以上のカメラを用いるのがよい。例えば、デュアルカメラシステムを用いる実施形態では、外部トリガ能力と非同期であり、各カメラは、約100,000画素以上、好ましくは約500,000以上のディジタル解像度を有する。加うるに、先の段落に記載したディジタル解像度の値を持つカメラも又使用できる。カメラは、ゴルフボールが動いて画像化される所定の視野に差し向けられてこれに焦点合わせされる。カメラは、たった1つのゴルフボールを画像化するのに必要な視野よりも大きな視野を有する。かくして、2個以上のカメラを用いる場合、所定の視野は、カメラの視線が交わる場所のカメラの視野である。カメラの視線のなす角度は、約0゜〜約40゜、好ましくは約10゜〜30゜であることが必要である。
【0030】
本発明で用いられる光学シャッタシステムは、カメラに対する光の影響を連続的に制御し、即ち、活性化したり不活性化するための電子デバイスを有するのがよい。かかるシャッタの非限定的な例は、強誘電性液晶シャッタである。一実施形態では、光学式シャッタシステムは、ハイスピードシャッタシステムから成ることが望ましい場合がある。ハイスピードシャッタシステムの一利点は、高速で運動している物体の像を飛び飛びの時間間隔で収集できるということにある。これは特に、ゴルフ関連用途で、例えば運動中のゴルフクラブ又はゴルフボールの像を収集する際に特に重要な場合がある。好ましくは、シャッタシステムを開閉するのに必要な時間は、約100μs以下である。より好ましくは、シャッタシステムを開閉するのに必要な時間は、約50μs以下であるのがよい。最も好ましくは、シャッタシステムを開閉するのに必要な時間は、約25μs以下であるのがよい。
【0031】
カメラをマイクロプロセッサ及びモニタ付きコンピュータに電気的に接続するのがよい。
本発明の一特徴によれば、カメラは高速で運動する物体の画像を収集するために使用できる。物体としては、例えば、ゴルフクラブ、ゴルフボール等が挙げられる。一実施形態では、カメラは好ましくは、約50mph〜約250mphで運動する物体の画像を収集することができる。より好ましくは、カメラは、約100mph〜約200mphで運動する物体の画像を収集することができる。別の実施形態では、カメラは好ましくは、約150mph以上で運動する物体の画像を収集することができる。最も好ましくは、カメラは、約250mph以上で運動する物体の画像を収集することができる。
【0032】
カメラフィルタ
カメラは、視野内の照明されたマーカと他の物体とのコントラストを大きくするフィルタを装備するのがよい。本発明で用いられるフィルタは好ましくは、選択された範囲の光の波長を遮るために用いられる帯域フィルタである。一実施形態では、本発明で用いられるフィルタは、中心周波数又は中心波長が約600nmの付近である。用いられるフィルタの帯域幅(これは、フィルタ精度とも呼ばれる)、例えば2nm、10nm、20nm、40nmに応じて、560nm〜約640nmの光の波長がフィルタを通過することができる。
【0033】
幾つかの実施形態では、以下に詳細に説明するように、蛍光マーカは、量子ドットを含むのがよい。これら実施形態では、帯域フィルタは、約350nm〜約750nmの中心周波数を有することが望ましい場合がある。量子ドットの狭い放出(発光)スペクトルに鑑みて、用いられるフィルタの帯域幅は、実質的に幅が狭いのがよい。実質的に狭い帯域幅を持つ帯域フィルタを用いた場合の一利点は、望ましくない波長を濾波して除去でき、それによりかかる望ましくない波長が画像化されるのが阻止されることにある。このように、特定のFストップでのマーカの輝度レベル又はグレーレベル(階調)とピークバックグラウンド(背景)グレーレベルとの差によって測定される画像コントラストを増強させることができる。
【0034】
例えば、図1は、BPと表示された帯域フィルタの透過率曲線を示している。グラフの横軸は、光についてナノメートル(nm)で表された放出波長であり、グラフの縦軸は、全光の割合で表された透過率の値(例えば、光が失われず、フィルタによる吸収がないことを意味する100パーセントの透過率)である。約65パーセントのピーク透過率は、点CWで表された約605nmの放出波長又は中心波長で生じる。フィルタの帯域幅は、ピーク透過率の50%減少率で定められる。曲線BPに関し、ピーク透過率の50%減少率は、点BW1として示された約32%透過率又は約588nm及び点BW2として示された約622nmで生じる。点BW1から点BW2までのピークの幅は、BWで示される約34nmである。したがって、約588nm以下であって622nm以上の光の波長は全て、帯域フィルタにより著しく低減される。明るい光の用途、例えば屋外使用については狭い帯域幅が好ましい。
【0035】
一実施形態では、本発明のシステムに用いられるカメラフィルタは、好ましくはカメラの前に取り付けられるオレンジ色干渉フィルタである。適当なフィルタとしては、ニューハンプシャー州サーレム所在のアンドオーバー・コーポレイション及びニューヨーク州トナワンダ所在のエドモンド・サイエンティフィック・コーポレイションから入手できるフィルタが挙げられる。
【0036】
別の実施形態では、切り換え可能なフィルタが用いられる。推奨される切り換え可能なフィルタは、電子式のものであり、一つの色のフィルタから別の色のフィルタに短期間で変更可能である。一実施形態では、切り換え可能なフィルタは、可動部品が無く又は振動が無い状態で、約500μs以下の応答又は同調時間、より好ましくは約50μs以下の応答時間で電子的に同調できる色付きの光学フィルタである。別の実施形態では、切り換え可能なフィルタは、約60パーセント以上、より好ましくは約80パーセント以上の透過率を有する。
【0037】
一実施形態では、切り換え可能なフィルタは、3原色相互間で交番変化することができ、これは例えば、赤色と緑色と青色との間で切り換え可能なRGBフィルタである。Varispec VS-RGB-GP液晶チューナブルフィルタを用いると、赤色フィルタと緑色フィルタを約250μsで切り換えることができる。Varispecフィルタ及び白黒カメラを用いる場合、フィルタをカメラレンズとカメラとの間に配置するのに適した任意の仕方でフィルタを設けるのがよい。
【0038】
照明ユニット
本発明のシステムに用いられる照明ユニットは、デュアルストロボ照明ユニットであるのがよい。ストロボ照明ユニットは、少なくとも1つのフラッシュバルブ(閃光球)組立体、関連回路及び円筒形電子閃光管を有する。好ましくは、ストロボ照明ユニットに用いられる回路は、米国特許第6,011,359号明細書に開示されたものとほぼ同じであり、かかる米国特許明細書の開示内容全体を参照によりここに引用する。一実施形態では、デュアルストロボ照明ユニットは、2つのVivitar Automatic Electronic Flash Model 283ストロボ光源を有する。別の実施形態では、このシステムは、デュアルストロボフラッシュユニット、例えばニュージャージー州サドル・ブルック所在のユニラックス・インコーポレイテッドから入手できるものを用いている。更に別の実施形態では、フラッシュユニットは、LEDストロボ、例えばニューヨーク州イースト・シラキュース所在のイルミネーション・テクノロジーズ・インコーポレイテッドから入手できる市販のModel 5380である。当業者であれば理解されるように、本明細書において説明する照明ユニットは、本発明に用いられる光源の例示であり、他の光源の使用を制限し又は限定するものではない。
【0039】
本発明の一実施形態では、ストロボ光源は、光、好ましくは濾波光を順次所定の視野に差し向けるよう設けられる。照明ユニットから物体までの距離は好ましくは、約60インチ(152.4cm)以下、より好ましくは約30インチ(76.2cm)以下である。光学マーカの伸長を阻止するためには短い光のバーストが望ましい。一実施形態では、1回のバーストに関する光の持続時間は、約100μs以下、好ましくは約30μs以下であるのがよい。変形例として、単一のバルブ及び2つの別々の放電回路を有するフラッシュユニットを用いてもよい。トリガがいったんマイクロプロセッサに信号を出すと、ストロボ照明ユニットは、連続フラッシュを開始させ、約2,000μs以下だけ離れた少なくとも2回の光のバーストをもたらす。別の実施形態では、少なくとも2回の光のバースト相互間の時間は、約1,000μs以下である。
【0040】
蛍光マーカが量子ドットから成る実施形態では、ストロボ光源又はフラッシュユニットと運動中の物体との間の距離を増大させるのがよい。距離の増大は、量子ドットの量子収率又は収量の増大により可能である。量子収率の増加の結果として、量子ドットは、反応性が一層高くなる場合がある。反応性の増大により、量子ドットは、たとえ光源と物体との間の距離を増大させても高強度の光を放出することができる。好ましくは、光源と物体との間の距離は、約100インチ(254cm)以下である。より好ましくは、光源と物体との間の距離は、約80インチ(約203.2cm)以下であるのがよい。別の実施形態では、光源と物体との間の距離は好ましくは、約15インチ(約38.1cm)〜約200インチ(508cm)である。より好ましくは、光源と物体との間の距離は、約20インチ(50.8cm)〜約50インチ(127cm)であるのがよい。
【0041】
しかしながら、他の実施形態では、量子ドットにより放出される光の強度を増大させるために光源と1以上の物体との間の距離を実質的に最小限に抑えることが望ましい場合がある。当業者であれば分かるように、放出光の強度の増大の一利点は、収集された画像のコントラストを向上させることができるということにある。
【0042】
一実施形態では、光の1回のバーストにおけるエネルギは、約1.5ジュール以上であるのがよく、より好ましくは約3.0ジュール以上であるのがよく、最も好ましくは、6ジュール以上である。別の実施形態では、光の1回のバーストにおけるエネルギは、好ましくは約0.25ジュール〜約1.5ジュールである。より好ましくは、光の1回のバーストにおけるエネルギは、好ましくは約0.5ジュール〜約1.25ジュールである。最も好ましくは、光の1回のバーストにおけるエネルギは、好ましくは約0.75ジュール〜約1ジュールである。
【0043】
好ましくは、ストロボ光による通信及び制御は、IEEE1394バス等により行われる。外部非同期トリガ信号と第1の光バーストの活性化との間の遅延時間並びに連続した光バースト相互間の遅延時間は、制御コンピュータ上のソフトウェアによって定められ、活性化前に1394バスを介してストロボユニットに伝えられる。
【0044】
照明フィルタ
一実施形態では、照明システムに用いられるフィルタは、第1の濾波光を生じさせるよう照明ユニットの前に任意適当な仕方で取り付けられる。別の実施形態では、フィルタは、照明ユニットに装備され又はこれに作動的に連結されてもよい。励起波長は、マーカの放出波長とは異なることが好ましい。当業者であれば容易に理解されるようにこれを達成する仕方は数種類あるが、一例は、カメラフィルタの中心波長よりも低いカットオフ波長を有するよう選択された照明フィルタを用いることである。これにより、放出波長と励起波長との間の決定的なコントラストが可能になり、したがって、放出光だけ、即ちマーカだけがカメラにより画像化されることになる。励起光、即ちストロボ光は、カメラフィルタを通過することができないことになる。というのは、この波長は、フィルタの通過基準を満たさないからである。
【0045】
一実施形態では、照明フィルタは、マーカの放出波長の下限よりも少なくとも約10nm低いカットオフ波長を備えた低域フィルタである。例えば、低域フィルタは、図1に関連して上述したように、約10nmのカットオフ波長又は点BW1未満のカットオフ波長を有する。特に、カメラに用いられる帯域フィルタの中心放出波長が約605nmであり、その帯域幅が約34nmの場合、照明システムに用いられる低域フィルタのカットオフ波長は、約580nm以下(図1)であることが必要である。励起波長曲線と放出波長曲線がそれぞれの曲線の中心波長の近くで交差しないことを条件として、任意のカットオフ波長が許容可能である。
【0046】
励起波長は好ましくは、約450nmの付近の中央周波数又は中央波長にピーク透過率を有する。本発明の照明フィルタは好ましくは、約50パーセント以上、より好ましくは約70パーセント以上の透過率を有する。一実施形態では、フィルタの透過率は、約85パーセント以上である。
【0047】
図2は、LFで示された本発明の照明フィルタについての例示の透過率曲線を示している。グラフの横軸は、光についてのナノメートル(nm)で表した励起波長であり、グラフの縦軸は、透過率の値又は全光の割合で表された励起放出光である。照明フィルタの曲線LFは、励起波長が約460nmである場合に、点C1で生じる約79パーセントの高い透過率を示している。比較の目的のためにのみ、GFで示された比較緑色フィルタの透過率曲線が記載されている。この曲線は、放出波長範囲(約500nm)での高い透過率(点C2で生じる)が放出波長曲線との高いオーバーラップ度の故に画像のコントラストにいかに悪影響を及ぼしているかを示している。
【0048】
マーカ
蛍光マーカとしては、別の形態のエネルギを吸収している間、電磁放射線を放出するが、入力エネルギの停止時に電磁放射線を即座に放出するのを終了する顔料又は染料が挙げられる。例えば、本発明で有用な蛍光マーカは、照明ユニットから励起エネルギを獲得することができるが、照明ユニットはもはや機能を実行しないとすぐに蛍光を発するのを停止する。この特徴は、本発明において有用な場合がある。例えば、この現象により、デュアルストロボ方式が、蛍光の遅い減衰に起因して生じるぶれを最小限に抑えた状態で単一の画像フレーム上に2つの別々のマーカの群を捕捉できる。
蛍光マーカは、スペクトル発光試験により識別できる。例えばスペクトル排除及びUV導入モードでMacBeth Color-Eye 7000Aを用いてスペクトル発光試験を実施することができる。蛍光マーカは代表的には、可視スペクトル内で100を超える反射率の値を有する。
【0049】
本発明の一特徴によれば、蛍光マーカを本発明で用いる場合、マーカは、オレンジ色の蛍光顔料で作られたものであるのがよい。ただし、他の顔料を使用することができる。オレンジ色蛍光顔料は、種々の源、例えば、オハイオ州クリーブランド所在のデーグロ・コーポレイション、ペンシルベニア州バイニ・アンド・スミス・オブ・イーストン社及び日本国のクレタケ・カンパニーによって製造された源からのものであってよい。
【0050】
図3は、2種類のオレンジ色蛍光顔料についての反射率曲線を示している。図3は、Dayglo顔料についてのDで表示された反射率曲線及びKuretake顔料についてのKで表示された反射率曲線を記載している。グラフの横軸は、ナノメートル(nm)で表された波長であり、グラフの縦軸は、所与の波長についての光反射の割合を示す反射率である。反射率は、所与のマーカで反射する光の量である。Kuretake顔料(曲線K)に関し、約200パーセントの最も高い又は主要の反射率は、波長が約600nmの点C3で生じる。Dayglo顔料(曲線D)の場合、約160パーセントの最も高い又は主要な反射率は、波長が約600nmの点C4で生じる。かくして、クレテーク顔料は、デーグロ顔料よりも反射率が良好であるが、いずれも本発明のシステムで使用できる。曲線K及び曲線Dは、約560nm〜約640nmの範囲にわたり最も高い反射率を有し、その中心は約600nmの主波長のところに位置している。
【0051】
本発明の別の特徴によれば、蛍光マーカは、強固な単一の波長放出及び顔料又は染料を含む蛍光マーカよりも高い量子収率をもたらすことができる場合がある。代表的には、顔料又は染料を含む蛍光マーカは、幅の狭い励起波長で励起される。これに対応して、これら蛍光マーカは、図15に示すように広い放出スペクトルを有する。これは、多くのゴルフ用途において有利な場合がある。
【0052】
しかしながら、他の用途では、実質的に対称である実質的に幅の狭い励起スペクトルを放出できる蛍光マーカを用いることが望ましい場合がある。好ましくは、これらマーカは、広い励起スペクトルによって励起可能である。実質的に幅の狭い放出スペクトルをもたらす蛍光マーカを用いた場合の一利点は、狭い帯域幅を持つフィルタを画像化システムと組み合わせて用いることができるということにある。狭帯域フィルタを用いることにより、光の望ましくない波長が画像化システムによって収集されるのを阻止できる。狭帯域フィルタは、より多くのバックグラウンドノイズ及び自己蛍光汚染を排除する。このように、バックグラウンドに対するマーカのコントラストを増強させることができる。これは、運動中の物体を研究する高速画像化分析を用いる用途において特に重要な場合がある。
【0053】
一実施形態では、幅の狭い放出スペクトルを放出することにより広い励起スペクトルに応答できる蛍光マーカは、量子ドットを含む。量子ドット(これらの光学的及び物理的特性を含む)及び製造方法は、当業者には周知である。量子ドットは、任意所望の方法で製造できる。例えば、本発明の一特徴によれば、量子ドットは、半導体から成る。半導体から成る量子ドットの一例は、EviDots(登録商標)と呼ばれている半導体ナノ結晶であり、エビデント・テクノロジーズ・インコーポレイテッドによって製造されている。好ましくは、半導体ナノ結晶は、実質的に幅が狭く実質的に対称な光のスペクトルを上述したように放出することにより幅の広い励起スペクトルに応答することができる。
【0054】
別の実施形態では、量子ドットは、金原子の小さなクラスタから成る。これら量子ドットは好ましくは、ポリアミドアミン(poly-amid amine :PAMAM)デンドリマー(dendrimers)内に挿入されている金原子のクラスタから成る。これら量子ドットは好ましくは、水溶性であって蛍光性が強く、飛び飛びの励起及び放出スペクトルを示す。しかしながら、他の実施形態では、量子ドットは、任意の元素、例えば、金、白金、チタン等の原子の小さなクラスタから成っていてもよい。好ましくは、量子ドットは、約100個以下の原子のクラスタから成る。より好ましくは、量子ドットは、約50個以下の原子のクラスタから成る。別の実施形態では、量子ドットは、約1個〜約1000個の原子のクラスタから成る。より好ましくは、量子ドットは、約1個〜約100個の原子のクラスタから成る。
【0055】
量子ドットを含む蛍光マーカの一利点は、これら蛍光マーカが、塗料又はインキを基剤とするマーカよりも蛍光時間が長いということにある。蛍光時間が長いことにより、画像化ユニットはより多くの光を受け取ることができ、それにより収集した画像のコントラストが増強される。好ましくは、量子ドットの蛍光時間は、約200ns以下である。より好ましくは、量子ドットの蛍光時間は、約150ns以下であるのがよい。最も好ましくは、量子ドットの蛍光時間は、約100ns以下であるのがよい。
【0056】
有機顔料及び(又は)染料を含む蛍光マーカは白くなるのが通例である。換言すると、励起光により有機顔料又は染料からの放出を励起光の強度に基づいて経時的に減少させることができる。しかしながら、一実施形態では、量子ドットは、有機染料及び(又は)顔料から成る蛍光マーカよりもかなり安定性がよい。したがって、量子ドットから成る蛍光マーカは、経時的に実質的に最小限の減少した強度を示す。これは、量子ドットが比較的安定性があり、しかも有機染料及び顔料と同様には白くならないということに起因している。
【0057】
本発明の一特徴によれば、量子ドットは、或る範囲の波長の端から端まで連続的に色同調可能である。これら波長としては例えば、紫外線から可視スペクトル、そして近赤外スペクトル(350nm〜2300nm)が挙げられる。代表的には、量子ドットにより生じる放出スペクトルは、図16に示すように急峻なガウススペクトル及び狭いFWHM(全幅半値)を含む。好ましくは、FWHMは、約50nm以下である。より好ましくは、FWHMは、約30nm以下であるのがよい。最も好ましくは、FWHMは、約20nm以下であるのがよい。
【0058】
一実施形態では、量子ドットの光学的性質、例えばこれらの放出スペクトルをこれらの直径に基づいて変化させることができる。図17に示すように、一実施形態では、直径の小さな量子ドットの結果として、短い波長に励起ピークが生じることになる。これとは逆に、直径が長い量子ドットの結果として、長い波長のところに励起ピークが生じることになる。一実施形態では、量子ドットは、半導体励起を僅かな量に「封じ込める」のに追加のエネルギが必要なので、これらのサイズが変化すると変色する。これは、量子封じ込め効果に起因するこれらのサイズの同調可能な光学的性質に起因している。
【0059】
一実施形態では、半導体ナノ結晶は、半導体材料、例えばセレン化カドミウム、硫化カドミウム、セレン化亜鉛、硫化亜鉛等を含む。半導体ナノ結晶が小さければ小さいほどそれだけ一層放出される蛍光波長が短くなる。例えば、直径が約2.8nmのセレン化カドミウムナノ結晶は、中心が約530nmのところにある放出波長を有する。しかしながら、セレン化カドミウムナノ結晶の直径を約5.6nmに変更すると、放出波長の中心は約640nmのところに位置する。種々の直径のセレン化鉛から成るナノ結晶は、近赤外範囲で蛍光を放出することができる。この範囲は、例えばCCD画像化用途では理想的な場合がある。
【0060】
上述したように、半導体ナノ結晶の直径は、所望の放出波長を達成するために様々であってよい。好ましくは、半導体ナノ結晶の直径は、約0nm〜約15nmである。より好ましくは、半導体ナノ結晶の直径は、約1〜約10nmであるのがよい。別の実施形態では、半導体ナノ結晶の直径は好ましくは、約15nm以下である。より好ましくは、半導体ナノ結晶の直径は、約10nm以下である。
【0061】
量子ドットを任意所望の方法で蛍光マーカ中に含ませることができる。例えば、一実施形態では、量子ドットをポリマー、例えばUV又は熱硬化エポキシ、シリコーン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、PMMA、インキ結合剤、塗料結合剤、Silica及びTitania Sol-gel等中へ分散配置するのがよい。変形例として、量子ドットを他の有機蛍光体、金属リガンド錯体、非酸化物等と組み合わせてもよい。同一マトリックス内の蛍光体粒子を金属同調性能の追加のために用いるのがよいが、このようにするかどうかは任意である。
【0062】
以下に説明するように、量子ドットから成る蛍光マーカを物体、例えばゴルフボール又はゴルフクラブに任意所望の仕方で付着させることができる。したがって、本発明の一特徴によれば、量子ドットは好ましくは、種々の形態に注型できると共に(或いは)硬化可能なコロイドとして始まる。量子ドット複合材をフィルム又は被膜として被着させることが望ましい場合がある。これは、例えば、吹き付け法及びスクリーン印刷法、スピンコーティング法、浸漬コーティング法、インキジェット方式による選択的被着等に基づいて達成できる。幾つかの実施形態では、遠心ファイバ、ビード及び注型バルク形状物は、全て可能である。
【0063】
図18に示すように、量子ドットから成る蛍光マーカを光の広いスペクトルによって励起させることができ、かかる蛍光マーカは、幅の狭い放出スペクトルを生じさせる。これは、量子ドットの吸収スペクトルが放出波長よりも短い波長についてほぼ一体的に増加するからである。換言すると、単一の光源を用いて量子ドットの多数の色を同時に励起させることができる。かくして、互いに異なる色を放出する量子ドットの組合せは全て、同一の短波長源、例えば青色又はUV光源によって励起できる。短波長源としては、LED、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、プラズマディスプレイで用いられるUV放出源が挙げられるが、これらには限定されない。
【0064】
量子ドットを用いた場合の一利点は、有機インキ又は染料を含む蛍光マーカと比較することによって説明できる。例えば、緑色蛍光マーカ(有機インキ又は染料を基剤とする)は、オレンジ色の光だけを通過させることができるカメラシステムによって画像化される。これは、有機染料が緑色蛍光を発生させることができる非対称放出スペクトルを有するからである。非対称放出スペクトルは、図19に示すように種々の強度の2以上のピーク及びテールを有する場合がある。しかしながら、図18に示すように、量子ドットを利用した蛍光マーカは、強固で単一波長の又は単分散の幅の狭い放出スペクトルをもたらす。かくして、量子ドットを含む蛍光マーカを用いた場合の一利点は、より精度の高いフィルタを用いることができ、それにより望ましくない放出スペクトルを排除できるということにある。
【0065】
当業者に知られている任意適当な方法、例えば、タコ印刷(pad printing)、箔転写、マーキングペン及び吹き付け塗装法によりマーカをゴルフボール又はゴルフクラブに付着させることができる。
【0066】
ゴルフクラブとゴルフボールを同時にモニタする場合、ゴルフクラブ及びゴルフボールのためのマーカは、互いに識別できることが好ましい。これは、種々のサイズ、形状、向き、ピーク光反射波長又はこれらの任意の組合せのマーカを用いることにより達成できる。加うるに、ゴルフクラブ及びゴルフボール用の種々の形式のマーカを用いることができる。例えば、ゴルフクラブに蛍光マーカにマーキングし、ゴルフボールに再帰反射性マーカでマーキングするのがよい。別の例は、拡散反射性円形マーカをゴルフボールに用い、三角形の蛍光マーカにゴルフクラブに用いることである。
【0067】
一実施形態では、ゴルフクラブマーカは、第1の反射スペクトルを有し、ゴルフクラブマーカは、第2の反射スペクトルを有する。別の実施形態では、第1の反射スペクトルは、第1の主要応答波長を有し、第2の反射スペクトルは、第2の主要応答波長を有する。別の実施形態では、第1の主要応答波長と第2の主要応答波長は、約50nm以上離れている。更に別の実施形態では、第1の主要応答波長と第2の主要応答波長は、約100nm以上離れている。一実施形態では、第1の主要応答波長は、500nm以上であり、第2の主要応答波長は、約600nm以上である。
【0068】
少なくとも1つのマーカをゴルフ用品に付着使用すべきである。ただし、少なくとも2つのマーカを用いることが好ましい。一般に、マーカは、これらが所定の視野内のゴルフボール又はゴルフクラブからの光を反射して画像を捕捉するために用いられるカメラに戻すよう位置決めされることが必要である。一実施形態では、6個以上のマーカが、ゴルフボールに付着使用され、3個以上のマーカが、ゴルフクラブに付着使用される。
【0069】
ゴルフボール又はゴルフクラブ上のマーカの配置場所は、当業者に知られている方法で変更することができる。図4に示す非限定的な例としては、ゴルフボール60上に6個の反射性マーカ60a〜60fが設けられている。マーカ60fは、ゴルフボールの中心上に配置され、マーカ60a〜60eはその周囲に配置されている。非中心マーカ60a〜60eのなす角度は、βとして示されている。角度β、約10°〜約40°であることが推奨される。最も好ましくは、角度βは、約30°である。6個のマーカが示されているが、変形例として、単一の線又は2個という少ない数のマーカ、或いは11個という多くのマーカをゴルフボールに付着使用してもよい。図5に示す別の非限定的な例としては、クラブヘッド74、ホーゼル76及びシャフト78を備えたゴルフクラブ72が挙げられる。3つの反射性マーカ72a〜72cは、クラブ上の指定された場所に配置され、マーカ72aは、クラブヘッド74のトウ上に配置され、マーカ72bは、ホーゼル76の自由端部上に配置され、マーカ72cは、シャフト78上に配置されている。変形例として、2つのマーカをトウ上に配置すると共に1つをホーゼル上に配置し、或いは1つのマーカをトウ上に配置すると共に2つのマーカをホーゼル上に配置してもよい。ゴルフボール又はゴルフクラブ上のマーカが光をカメラシステムに反射して戻すことができることを条件として、ゴルフボール又はゴルフクラブ上のマーカの任意の配置が許容できる。
【0070】
図5に示すように、マーカ60a〜60f及びマーカ72a〜72cは、形状が丸くなっていてもよく又は円形であっていてよい。円形マーカを用いる場合、マーカの直径は、約0.05インチ(1.27mm)〜約0.25インチ(6.35mm)、より好ましくは約0.1インチ(2.54mm)〜約0.2インチ(5.08mm)、最もよく好ましくは0.18インチ(45.72mm)であることが好ましい。しかしながら、本発明のマーカは、この例に示した円形の形状、特定のサイズ又は直径には限定されない。
【0071】
モニタ
本システムで用いられるモニタは、屋外で視認できる電子式文字又は図形ディスプレイであるのがよい。一実施形態では、モニタディスプレイは、1平方メートル当たり少なくとも500カンデラ(nit)の光強度を有する。また、ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)又は発光ダイオード(LED)ディスプレイであってもよい。LCDを用いる実施形態では、LCDは好ましくは、スーパーツイステッドネマティック(STN)又は薄膜トランジスタ(TFT)技術を利用する。
【0072】
一実施形態では、タッチスクリーンが明るいLCDパネルを覆うよう用いられる。タッチスクリーンシステムの動作は、容量方式、抵抗方式、又は光学方式に基づいている。この実施形態では、オペレータは、タッチスクリーンを用いて収集した運動学的データを表示し、格納し又は送ることができ、又は運動学的データの収集前及び収集後にシステムパラメータを調節することができる。
【0073】
システム
好ましくは、本発明のシステムの重量は、約50ポンド(22.68kg)以下であり、より好ましくは約25ポンド(11.34kg)以下である。加うるに、好ましくは、このシステムの物理的体積は、約2立方フィート(0.056立法メートル)以下である。システム10全体(即ち、カメラ、フィルタ、照明ユニット、中央処理装置及びディスプレイ)を取っ手10a(図6に示されている)を備えることができる単一のハウジング内に収納するのがよい。
【0074】
システム、即ち携帯できるデュアルカメラモニタシステムの適当な一構成例が、図7に示されている。本明細書においては概要説明するが、同時係属米国特許出願第09/782,278号明細書には十分詳細に説明されているこのシステムの他の構成としては、デュアルカメラシステム、シングルカメラシステム及びゴルフボールとゴルフクラブの両方を同時にモニタするシステムが挙げられる。他のシステム構成の例は、米国特許第6,241,622号明細書に記載されており、この米国特許明細書の開示内容全体を参照によりここに引用する。
【0075】
モニタシステム10は、照明ボックス40及びカメラユニット36,38を有している。この実施形態では、照明ボックス40は、中央に配置されたトリガ41及びデュアルストロボ照明ユニット42を収容している。このシステムの他の構成では、トリガは、照明ユニットとは分離されたものであってもよい。フィルタ44は、デュアル照明ユニット42の前に配置されている。カメラ36,38は、所定の視野、例えばゴルフボール60の方へ差し向けられている。カメラフィルタ50a,50bが、カメラ36,38の前に配置されている。
【0076】
シングルカメラシステムは、システム10と類似しているが、このシステムは、単一カメラユニット、単一フィルタ、照明ボックス内に収納された隣接のトリガ及び光源を有している。
【0077】
ボールカメラ及びクラブカメラシステムは、ゴルフクラブ及びゴルフボールの同時モニタが可能である。
このシステムは、システム10に類似しているが、このシステムもクラブモニタ、ボールモニタ、マイクロプロセッサ及びモニタ付きコンピュータを更に有するのがよい。クラブモニタは、第1のクラブカメラ、これとは間隔を置いて設けられた第2のクラブカメラ及び照明ボックスを有する。クラブフィルタが、各クラブカメラの前に配置されている。クラブモニタは、照明ボックス内に設けられたストロボ照明ユニット及びトリガを更に有している。ボールモニタは、クラブモニタと類似しており、このボールモニタは、第1のボールカメラ、これとは間隔を置いて設けられた第2のボールカメラ及び照明ボックスを有する。ボールモニタは、照明ボックス内に設けられたストロボ照明ユニットを更に有し、ボールモニタが、各ボールカメラの前に配置されている。
【0078】
この構成例では、クラブフィルタは好ましくは、ボールフィルタとは色が異なる。例えば、クラブフィルタは、赤色であり、ボールフィルタは、緑色であるのがよい。かかるクラブフィルタにより、クラブカメラは、マーカから反射された赤色波長でストロボフラッシュを視認することができ、かかるボールフィルタにより、ボールカメラは、マーカから反射された緑色波長でストロボフラッシュを視認することができる。
【0079】
詳細が米国特許出願第09/782,278号に記載されたこのシステムの別の構成は、4つのキャパシタを備えたストロボ照明ユニット及び少なくとも1つのカメラユニットを有し、このカメラユニットは、好ましくは、上述したようにカメラの前に切り換え可能なフィルタが設けられた白黒CCDカメラである。この構成例は、少なくとも1つのクラブセンサを有し、センサの数は、カメラの数に一致する。センサは好ましくは、トリトニックス社により製造され、好ましくは米国特許出願第09/782,278号明細書に記載されている反射マウントに用いられる光電性センサである。
【0080】
較正及び動作原理
本システムの一般的な較正及び動作原理が、ステップS101〜S116で図8に示されている。第1のステップ(S101)では、システムが開始し、このシステムは、これがこのシステムを用いた初回であるかどうかを判定する。デフォルト(規定値)によりシステムは、最初に作動されると、最後の較正を用いる。したがって、システムは、これを動かすと共に(或いは)オンにするたびごとに較正されるべきである。
【0081】
システムを始動させた後、較正は、システムにより用いられるべき座標系を定めることを開始する(ステップS102)。較正ステップの詳細は、米国特許第6,241,622号に開示されている。例えば、シングルカメラシステムをドット相互間の距離の計算により較正できる。
【0082】
また、図7に示すようにシステム10に伸縮式又は入れ子式の距離較正器64,66を用いるのがよいが、このようにするかどうかは任意である。入れ子式部材は、モニタされるべき物体から適当な距離を置いたところに位置するモニタシステム10を較正する際に用いられる。距離較正器64,66は、延長可能な部材、例えば従来型ラジオアンテナである。
【0083】
システムを較正した後、試験対象のゴルファーに応じて、動作パラメータ、即ち、左回り又は右回りの向きを定める(ステップS103)。左回りの向きの選択では、左利きのゴルファーについて用いられる1組の座標が必要であり、左回りのシステムでは、別の1組の座標を用いることが必要である。ステップS103は又、システムを試験モード又は実演モードに設定するステップを含む。試験モードを選択した場合、システムは、試験データを保存する。実演モードでは、システムは、試験データを保存しない。試験場所及びゴルファーに特有の追加のデータをステップ103中に入力する。オペレータは、周囲条件、例えば温度、湿度、風速、風向き、高度、ゴルフボールの飛行(飛んだ)距離、転がり距離及びトータルの距離について計算を行なうのに用いられるべきターフ(芝)の種類についてのデータを入力するのがよいが、このようにするかどうかは任意である。オペレータはゴルファーの個人的データ、例えば、氏名、年齢、ハンディ、性別、ゴルフボールの種類及び用いられるゴルフクラブ(タイプ、クラブヘッド、シャフト)も又入力するのがよいが、このようにするかどうかは任意である。
【0084】
このデータを入力した後、システムは、いつでもデータ収集又は表示可能な状態にある(ステップS104)。ステップS105〜S107では、システムコンピュータに格納されている数種類のアルゴリズムを用いてモニタに対するゴルフボール及び(又は)ゴルフクラブの存在場所を求める。コンピュータが画像からゴルフボール又はゴルフクラブの存在場所を求めた後、システム(及びコンピュータアルゴリズム)は、打ち上げ条件を定める。ステップS105、S106及びS107に対応したこれら決定では、それぞれ、画像中の明るい領域(明領域)の位置を突き止め、これら明領域のうちどれがゴルフボール上のマーカに対応しているかを判定し、次に、この情報を用いて画像からゴルフボールの存在場所を突き止めて打ち上げ条件を計算する。
【0085】
システムの使用法を図7のデュアルカメラシステムを用いて説明できるが、一般的な概念は、このシステムの他のバリエーション、例えばシングルカメラシステム、ゴルフボール及びクラブモニタシステム又は幅の狭いスペクトル光源を用いたシステムを用いた場合、同じままである。トリガ41は、デュアルストロボ照明ユニット42及びカメラ36,38の作動を制御して画像を捕捉するよう情報のやりとりをする。デュアルストロボ照明ユニット42は、連続フラッシュをオフに設定し、光Lをフィルタ44に差し向け、それにより波長の中心が約450nm付近にある第1の濾波光FLを生じさせる。濾波光FLをゴルフボール60に差し向けて図4で説明したように、マーカ60a〜60fから反射させて反射光RL1及びRL2として戻すのがよい。RL1及びRL2は、カメラフィルタ50a,50bをそれぞれ通過し、したがってRL1及びRL2の一部だけがそれぞれカメラ濾波光FL1及びFL2として透過される。FL1及びFL2は好ましくは、約560nm〜約640nmの光の中心波長を有している。FL1及びFL2により、光はそれぞれカメラ36,38に至り、それにより図9に示すように位置I及びIIのところでボールの2つの画像を単一画像フレームで生じさせる。
【0086】
マーキングされたゴルフボール60が、図4に従って説明されたように、2つの別々の時点において2つの位置(I及びII)で打撃された後に画像化されたものとして図9の3次元の所定の直線状視野(想像線で示されている)中に示されている。カメラ濾波光FL1,FL2は各々、位置Iでボール60の画像を生じさせる。ストロボ光42をパルス化して上述の濾波シーケンスが短い時間間隔後、好ましくは約800μs後に繰返されて位置IIで第2のボール画像60を生じさせるようにする。
【0087】
ステップS105では、システムは、画像中の明領域の場所を突き止めることによりカメラ中のシリコンパネルにより記録された画像を分析する。図10及び図11は、両方のカメラ36,38についての画素マップのグラフ表示である。画像中の明領域、例えば、60a′〜60f′は、マーカでRL1,RL2として反射し、カメラフィルタ50a,50bを通過し、そしてFL1,FL2として出てきたストロボ照明ユニットからの第1の濾波光(FL)に対応している。
【0088】
ボールカメラ及びクラブカメラ構造に特有のステップS104として、第1のスイングセンサが信号をマイクロプロセッサに送ってコンピュータにクラブのバックスイング中、ボールカメラを作動状態にするよう知らせてボールカメラがシグナルを送られるといつでも発火できるようにする。ボールカメラを作動状態にしてCCDカメラ内のパネルをクリアしていつでも活性化されるよう準備する。像を撮像する前にボールカメラを作動状態にすることは、用いられる特定のカメラに起因している。パネルをより迅速にクリアして準備状態にする他のカメラを用いる場合、このステップ及び追加のセンサは必要ではない場合がある。また、信号をマイクロプロセッサに送ってマイクロプロセッサが第2のスイングセンサからの信号を受信準備状態にする。
【0089】
ボールカメラを「作動状態」にした後、第2のセンサにより、クラブモニタは、クラブのダウンスイングの際に2回ストロボをたいてクラブの方向に光を生じさせる。光は、図14に示すように点A,Bのところでクラブマーカ72a〜72cで反射する。反射光は、クラブフィルタを通り、次に露出されているカメラの感覚グリッドパネルに送られる。クラブモニタは、感覚グリップパネルの同一露出中にストロボをたいて濾波光がシングルフレーム内の点A,Bところでのクラブヘッド及びティー上のボールの2つのボールの画像を生じさせるようにする。
【0090】
クラブカメラ用の画素マップのグラフ表示が、図12及び図13に示されている。このシステムは、クラブマーカ72a′〜72c′を表す6つの明領域を見つけることが必要である。
【0091】
ボールマーカ及びクラブマーカは好ましくは、上述したように且つ図4及び図5に示すように配置される。用いられるボール及びクラブマーカは、ボール及びクラブフィルタに対応することが必要である(例えば、緑色ボールフィルタ及び赤色クラブフィルタが用いられる場合、緑色ボールマーカ及び赤色クラブマーカをそれぞれ用いるのがよい)。ボールマーカ及びクラブマーカは、上述したように、互いに異なっていてもよく、例えば、ボールマーカは、蛍光性であるのがよく、クラブマーカは、再帰反射性であるのがよい。
概要を上述すると共にここで2つのカメラ36,38を用いて説明した切り換え可能なフィルタを用いるシステムを参照すると、ステップS104は、クラブ72がプレーヤのバックスイングに入っているときに第1のクラブ運動センサを動作させることで開始する。センサは、信号をプロセッサに送ってコンピュータ70にカメラ36,38のシャッタを開けることを伝え、これらのカメラは、場面(シーン)を立体視認する。また、信号はマイクロプロセッサに送られてこれが第2のクラブ運動センサからの信号をいつでも受けることができるようにする。
【0092】
ダウンスイングの際、第2のクラブ運動センサからのビームを遮断し、ストロボライトが2回光る。ストロボ照明ユニット42からの光のフラッシュのたびに、キャパシタからの電気エネルギが放出され、特に、ダウンスイングは、4つのキャパシタのうちの2つから電気エネルギを放出する。クラブマーカ72a〜72cで反射した光は、切り換え可能なフィルタにより対応のフィルタモード(例えば、赤色再帰反射性クラブマーカ及び赤色フィルタ)で濾波される。トリガ41、即ちマイクロホンが、ゴルフクラブ72とゴルフボール60の衝突の音を検出し、信号をマイクロプロセッサに送ってフィルタを第1のフィルタから第2のフィルタに切り換えるようにし、即ち、赤色から緑色に又は「オン」から「オフ」に切り換える。
【0093】
フィルタを切り換えた後、次に、残りの2つのキャパシタに蓄えられている電気エネルギからのストロボ光によって一連の2回の光のフラッシュを発火する。最後の2回のストロボフラッシュの光は、ゴルフボール60上の反射性マーカ60a〜60fで反射し、かかる光が第2のフィルタで濾波され、次にカメラ36,38に送られる。第2のフィルタを用いることにより、これまた視野に含まれているクラブマーカ72a〜72cを画像から濾波して除去することができる。システム10に関して上述したように、システムのこの構成は、クラブ72とボール60の両方の2つの像を捕捉する。
【0094】
このシステムは、ステップS106において、明領域のうちのどれがマーカに対応しているかを判定することができる。幾つかの方法で実施できるこの分析については米国特許第6,241,622号に詳細に記載されている。
【0095】
正しい数のドットが画像中に見受けられた場合、システムは、ステップS107に進み、画像中のドットから、第1及び第2の画像中におけるゴルフボール及び(又は)クラブの位置及び向きを求める。しかしながら、画像中に見受けられる予測ドット又は明領域の数が多い又は少ない場合、ステップS108により、オペレータは画像を手動で濾波することができる。位置が突き止められた明領域の数が少な過ぎる場合、オペレータは、画像の明るさを調節するのがよく、存在する明領域の数が多過ぎる場合、オペレータは、これらを削除するのがよい。幾つかの場合においては、画像中の明領域は、ゴルフボールの他の部分又はゴルフクラブヘッドからの反射光である場合がある。明るさを適度に調節し又はこれら不要な明領域を無くすことができない場合、システムは、オペレータをステップS104に戻してゴルファーがもう一度ゴルフボールを打つようにさせる。しかしながら、明領域の手動編集が首尾よくいった場合、システムはステップS107に進む。
【0096】
ステップS107では、システムは、ステップS106でのマーカの識別結果を用いて画像中のマーカの各々の中心の場所を求める。マーカの各々の中心の場所が分かると、システムは、ゴルフクラブの速度、ロフトアングル、アタックアングル、軌道アングル、フェースアングル、ドループアングル、ロフトスピン、フェーススピン、ドループスピン及び打撃場所を計算することができる。加うるに、このシステムは、ボールの速度、打ち上げ角度、バックスピン、サイドアングル、サイドスピン、ライフリングスピン、キャリー距離、キャリー方向、キャリー及び転がり距離を計算することができる。画像の分析に関する詳細な情報については、米国特許出願第09/782,278号明細書を参照されたい。
【0097】
スピンレート、速度及び方向を計算した後、システムは、この情報並びにステップS103で入力された周囲条件及びゴルフボールの情報を用いてショット中のゴルフボールの軌道を計算する(ステップS109)。システムは、ゴルフボールが着地し又は飛んだ場所、これがどこまで遠く転がるかを予測し、ショットについての全距離を与える。システムは3次元で較正されるので、システムは又、米国特許第6,241,622号明細書に記載されているように、ゴルフボールをスライスしたか又はフックさせたかどうか、及びゴルフボールがどれぐらい遠くにラインを外れたかを計算することができる。
【0098】
次に、この情報(即ち、ゴルファーの打ち上げ条件)をステップS110において、数値の形態及び(又は)図形の形態でゴルファーに提供する。ステップS111では、打ち上げ条件を修正して同一であるが、別のゴルフボール(スリーピースゴルフボールと比較してツーピースゴルフボール)を用いたと仮定した場合のその使い方についての情報を計算することができる。また、打ち上げ条件(例えば、ゴルフボール速度、スピンデート及び打ち上げ角度)のうち任意のもののばらつきが結果に及ぼす影響を判定することが可能である。
【0099】
ステップS112は、ゴルファーにシステムをステップS104に戻すことによりより多くのショットを行なうかどうかの選択肢を提供する。例えば、システムが試験モードにあり、ゴルファーが種々のショットを行う場合、ステップS113は、セッション中に蓄積された全てのショットデータの平均を計算することができる。ステップS114は、ゴルファーの特定の能力について理想的な打ち上げ条件をもたらし、それによりゴルファーが変更を行なって距離を最大にすることができるようにする。セッションを完了した後、ステップS115により、ゴルファーが新たなゴルフクラブを用いて新たな試験を開始することができ又はステップS116でセッションを終了させることができる。
【0100】
かくして、本発明のシステムは、2つの互いに衝突する物体の運動力学を測定するために用いることができ、この場合、測定した運動力学的データをデータベースにコンパイルするのがよく、そしてデータベースをインターネット又は従来方式でリンクされたコンピュータのインターネットネットワークを介して大きなユーザのグループにとって接近できるようにするのがよい。本発明は又、本発明のシステムにより収集されたコースに出ているときの運動力学データをもたらすコンピュータに関する。このデータをコンピュータに知らせ、インターネット又はインターネットコンピュータネットワークを介して伝達するのがよい。このデータは、例えば、コンピュータの処理に要する料金と引き換えに提供できる。このデータは又、特定のゴルファーについての用具購入又は推奨のためにゴルフプロショップからクラブ又はボール製造業者に送ることができる。
【0101】
上記発明を或る特定の好ましい実施形態に関して説明したが、本発明の範囲はこれら実施形態そのものには限定されないことは留意されるべきである。当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく本発明において説明した実施形態の多くの変形例を想到できよう。例えば、システムは、ベンチ式であってもよく、或いは3個以上のカメラを有していてもよい。加うるに、オペレーティングシステムは、埋め込み型コンピュータであってもよく、或いはプログラマブル論理制御回路(PLC)で制御されるものであってもよい。互いに異なるマーカ又は塗料並びにフィルタの使用を避けるために幅の狭い光範囲を備えたレーザダイオードを用いることが可能である。本発明は又、無線周波数又は赤外周波数を利用した遠隔能力を備えていてもよい。加うるに一実施形態の特徴を別の実施形態の特徴と組み合わせることができる。当業者であれば、好ましい実施形態の他の変形例を想到でき、それにもかかわらず、これら変形例は、本発明の精神に属し、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】600nmの中心波長及び34nmの帯域幅を有する帯域カメラフィルタの透過率曲線を示すグラフ図である。
【図2】約560nm及び約580nmのカットオフ波長を有する低域フィルタの透過率曲線を示すグラフ図である。
【図3】2つの択一的な蛍光マーカについての反射率曲線を示すグラフ図である。
【図4】本発明の一実施形態に従って用いられるティーに載せられたゴルフボールの拡大斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に従って用いられるクラブヘッドの拡大斜視図である。
【図6】本発明の携帯できるシステムの斜視図である。
【図7】本発明のシステムの一構成例の平面図である。
【図8】本発明のシステムの全体的な動作及び較正を説明する流れ図である。
【図9】本発明に従って2つの別々の位置I,IIでゴルフボールを示す3次元直線状視野の斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態のシステムのカメラによって得られた画素マップのグラフ図である。
【図11】本発明の一実施形態のシステムのカメラによって得られた画素マップのグラフ図である。
【図12】本発明の一実施形態のシステムのカメラによって得られた画素マップのグラフ図である。
【図13】本発明の一実施形態のシステムのカメラによって得られた画素マップのグラフ図である。
【図14】一部が運動していると共に本発明の一実施形態に従って測定可能な位置A、測定可能な位置B及び予想インパクト位置Cを示すクラブヘッドの3次元視野の斜視図である。
【図15】例示の一実施形態に従って有機顔料及び(又は)染料を有する蛍光マーカの励起スペクトル及び放出スペクトルを示すグラフ図である。
【図16】量子ドットから成る種々の蛍光マーカの放出波長の例示のグラフ図である。
【図17】例示の一実施形態に従って量子ドットの放出波長と量子ドットのサイズとの関係を示すグラフ図である。
【図18】本発明の一特徴としての量子ドットから成る蛍光マーカの励起スペクトル及び放出スペクトルを示すグラフ図である。
【図19】非対称放出スペクトルの一実施形態を示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0103】
10 モニタシステム
36,38 カメラ
40 照明ボックス
41 トリガ
42 デュアルストロボ照明ボックス
50a,50b カメラフィルタ
64,66 距離較正器
60 ゴルフボール
60a〜60f 反射性マーカ
70 コンピュータ
72 ゴルフクラブ
72a〜72c 反射性マーカ
74 クラブヘッド
76 ホーゼル
78 シャフト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの物体の運動力学的特性を測定する携帯用モニタシステムであって、
少なくとも1つの高速物体の像を収集できる画像化システムと、
前記少なくとも1つの物体の表面上に選択的に位置決めされた少なくとも1つの蛍光マーカとを有し、前記少なくとも1つの蛍光マーカは、実質的に幅の狭い放出スペクトルを放出できる、モニタシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの蛍光マーカは、量子ドットを含む、請求項1記載のモニタシステム。
【請求項3】
前記蛍光マーカは、実質的に対称の放出スペクトルを放出できる、請求項1記載のモニタシステム。
【請求項4】
前記画像化システムは、高速シャッタシステムを有する、請求項1記載のモニタシステム。
【請求項5】
前記高速シャッタシステムは、約50μs以下で開閉できる、請求項4記載のモニタシステム。
【請求項6】
前記高速シャッタシステムは、約100μs以下で開閉できる、請求項4記載のモニタシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの高速物体は、約50mph〜約250mphで運動している、請求項1記載のモニタシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの高速物体は、約100mph〜約200mphで運動している、請求項1記載のモニタシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの高速物体は、約50mph以上で運動している、請求項1記載のモニタシステム。
【請求項10】
光源を更に有する、請求項1記載のモニタシステム。
【請求項11】
前記光源と前記少なくとも1つの物体との間の距離は、約100インチ(2.54m)以下である、請求項11記載のモニタシステム。
【請求項12】
前記光源と前記少なくとも1つの物体との間の距離は、約80インチ(2.032m)以下である、請求項11記載のモニタシステム。
【請求項13】
前記光源と前記少なくとも1つの物体との間の距離は、約20インチ(50.8cm)〜約50インチ(127cm)である、請求項11記載のモニタシステム。
【請求項14】
光の1回のバーストにおけるエネルギは、約0.25ジュール〜約1.5ジュールである、請求項10記載のモニタシステム。
【請求項15】
前記画像化システムは、フィルタを有する、請求項1記載のモニタシステム。
【請求項16】
前記フィルタは、帯域フィルタを含む、請求項15記載のモニタシステム。
【請求項17】
前記実質的に幅の狭い放出スペクトルは、約50nm以下の全幅半値を有する、請求項1記載のモニタシステム。
【請求項18】
前記実質的に幅の狭い放出スペクトルは、約30nm以下の全幅半値を有する、請求項1記載のモニタシステム。
【請求項19】
量子ドットの蛍光時間は、約200ns以下である、請求項2記載のモニタシステム。
【請求項20】
量子ドットの蛍光時間は、約150ns以下である、請求項2記載のモニタシステム。
【請求項21】
前記量子ドットの前記放出スペクトルは、前記量子ドットの直径に基づいて様々である、請求項2記載のモニタシステム。
【請求項22】
前記量子ドットは、半導体から成る、請求項2記載のモニタシステム。
【請求項23】
前記量子ドットは、ポリアミドアミンデンドリマー(poly-amid amine dendrimer)中に封入された金原子から成る、請求項2記載のモニタシステム。
【請求項24】
少なくとも1つの物体の運動力学的特性を測定する携帯用モニタシステムであって、
カメラと、
前記少なくとも1つの物体の表面上に選択的に位置決めされた少なくとも1つの蛍光マーカとを有し、前記蛍光マーカは、実質的に対称の放出スペクトルを放出できる、モニタシステム。
【請求項25】
前記カメラは、運動中の高速物体の像を収集できるカメラを含む、請求項24記載のモニタシステム。
【請求項26】
前記高速物体は、約50mph〜約250mphで運動している、請求項25記載のモニタシステム。
【請求項27】
前記カメラは、高速シャッタシステムを有する、請求項24記載のモニタシステム。
【請求項28】
前記少なくとも1つの蛍光マーカは、量子ドットを含む、請求項24記載のモニタシステム。
【請求項29】
前記量子ドットは、半導体から成る、請求項28記載のモニタシステム。
【請求項30】
前記量子ドットは、ポリアミドアミンデンドリマー(poly-amid amine dendrimer)中に封入された金原子から成る、請求項28記載のモニタシステム。
【請求項31】
前記蛍光マーカは、実質的に幅の狭い放出スペクトルを放出する、請求項24記載のモニタシステム。
【請求項32】
第1の励起波長は、互いに異なる放出スペクトルを放出するよう複数の量子ドットを励起できる、請求項28記載のモニタシステム。
【請求項33】
前記量子ドットの前記放出スペクトルは、前記量子ドットの直径に基づく、請求項28記載のモニタシステム。
【請求項34】
前記量子ドットの前記直径は、約0nm〜約10nmである、請求項33記載のモニタシステム。
【請求項35】
前記量子ドットの前記直径は、約15nm以下である、請求項33記載のモニタシステム。
【請求項36】
前記量子ドットの前記放出スペクトルは、赤外スペクトルの範囲内である、請求項28記載のモニタシステム。
【請求項37】
前記半導体は、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、セレン化亜鉛、硫化亜鉛及びセレン化鉛のうち1つから成る、請求項29記載のモニタシステム。
【請求項38】
実質的に幅の狭い放出スペクトルは、約50nm以下の全幅半値を有する、請求項31記載のモニタシステム。
【請求項39】
実質的に幅の狭い放出スペクトルは、約30nm以下の全幅半値を有する、請求項31記載のモニタシステム。
【請求項40】
少なくとも1つの物体の運動力学的特性を測定する方法であって、
少なくとも1つの蛍光マーカが設けられた少なくとも1つの物体を用意する段階と、
前記少なくとも1つの蛍光マーカに基づいて運動中の前記少なくとも1つの物体の1以上の像を収集する段階とを有し、
前記収集は、前記少なくとも1つの蛍光マーカにより放出された実質的に幅の狭い放出スペクトルに基づく、方法。
【請求項41】
前記収集は、前記少なくとも1つの蛍光マーカにより放出された実質的に対称の放出スペクトルに基づく、請求項40記載の方法。
【請求項42】
前記収集は、前記実質的に幅の狭い放出スペクトルのみを通過させることができるよう受け取った波長を濾波する段階を含む、請求項40記載の方法。
【請求項43】
前記濾波は、帯域濾波を含む、請求項42記載の方法。
【請求項44】
前記少なくとも1つの蛍光マーカは、量子ドットを含む、請求項42記載の方法。
【請求項45】
少なくとも1つの前記量子ドットは、半導体から成る、請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記少なくとも1つの量子ドットは、金原子から成る、請求項44記載の方法。
【請求項47】
金原子は、ポリアミドアミンデンドリマー(poly-amid amine dendrimer)中に封入されている、請求項46記載方法。
【請求項48】
運動中の前記物体は、約50mph〜約250mphで運動している、請求項40記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−167449(P2006−167449A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−348080(P2005−348080)
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(390023593)アクシュネット カンパニー (155)
【氏名又は名称原語表記】ACUSHNET COMPANY
【Fターム(参考)】