説明

現像ユニットの接離機構、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】感光ドラムを逆回転させて、感光ドラムとクリーニングブレードとの間に挟み込まれた僅かな被清掃物を除去するにあたり、現像剤漏れや感光体または現像ローラの傷の発生の恐れを払拭した現像ユニットの接離機構を提供すること。
【解決手段】現像ローラ40を備え、クリーニングブレードが摺接されると共に回転駆動力が付与される感光ドラム20に向かって付勢させて、感光ドラム20に現像ローラ40を当接可能に且つ付勢方向と反対方向へ離間可能に左右の側板18、19に支承された現像ユニット26と、感光ドラム20の逆回転でのみ供回り可能に且つ現像ローラ40と係合可能に感光ドラム20に設けられ、感光ドラム20の所要の回転角度の逆回転により、現像ローラ40を介して現像ユニット26を付勢方向と反対方向へ押し上げて、感光ドラムギア101と現像ローラギア111との噛合を解除させる板カム102、103とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式画像形成装置の現像装置に用いられる現像ユニットの接離機構、その接離機構が組み込まれたプロセスカートリッジ、その接離機構が組み込まれた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
感光ドラムや感光ベルト等の感光体上の転写残トナーや紙粉等の被清掃物を清掃する手段として、クリーニングブレードを感光体に摺接可能に設けて、そのクリーニングブレードで被清掃物を掻き落とすものがある。
このクリーニングブレードによる感光体の清掃手段は、経時よっては感光体とクリーニングブレードとの間に被清掃物が挟み込まれて「黒帯」や「黒スジ」等の画像不良が生じる恐れがある。
そこで、従来から、所定の枚数の印刷を行った後に、感光体を正回転(作像動作時の回転方向)とは逆に回転させ、感光体とクリーニングブレードとの間に挟み込まれた僅かな被清掃物を除去する制御を行っている(例えば特許文献1、2参照)。
また、この種の画像形成装置は、感光体に回転駆動力を付与し、その感光体と係合する回転体、例えば、現像ローラや帯電ローラは、感光体の回転に従動回転、または、同期回転するように構成されているのが一般的である(例えば特許文献3参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来の画像形成装置は、以下の問題点があった。
すなわち、上述したように、感光体を逆回転させると、現像ローラも同時に逆回転する。この現像ローラの逆回転により、現像ローラと現像剤容器とのシールが不十分となり、かかる部分から現像剤が漏れて周囲を汚染したり、漏れた現像剤により画像欠陥が発生したりする恐れがあった。
そこで、感光体の逆回転時に現像ローラを停止させる手段を講じれば良いことになるが、それでは、感光体と現像ローラとが摺接していることになり、感光体か現像ローラに傷が発生してしまう。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決できる現像ユニットの接離機構、プロセスカートリッジ、画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明は下記の技術的手段を講じた。
請求項1にかかる発明は、現像剤容器とその現像剤容器に支承された現像ローラとを備え、クリーニングブレードが摺接されると共に回転駆動力が付与される回動可能な感光体に向かって付勢させて、該感光体に前記現像ローラを当接可能に、且つ、付勢方向と反対方向へ離間可能に機枠に支承された現像ユニットと、前記感光体に設けられた第1の歯車と、該第1の歯車と噛合可能に前記現像ローラに設けられた第2の歯車と、前記感光体の逆回転でのみ該感光体と供回り可能に、且つ、前記現像ローラと係合可能に前記感光体に設けられ、前記感光体の所要の回転角度の逆回転により、前記現像ローラを介して前記現像ユニットを前記付勢方向と反対方向へ押し上げて、前記第1の歯車と前記第2の歯車との噛合を解除させる板カムと、を備えた現像ユニットの接離機構を特徴とする。
【0005】
請求項2にかかる発明は、請求項1において、記第1の歯車は、所要の回動方向の第1の遊びを持たせて前記感光体に取り付けられ、その第1の遊びは、前記感光体が正回転から逆回転へ切り替わって、前記板カムによる前記現像ユニットの押し上げで前記第1の歯車と前記第2の歯車との噛合が少なくとも解除されるまで前記第1の歯車が前記感光体に対して空転する第1の遊びであることを特徴とする。
請求項3にかかる発明は、請求項1または2において、前記第2の歯車は、前記感光体の逆回転にアンロックするワンウェイクラッチを介して前記現像ローラに取り付けられていることを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項1または2において、前記第2の歯車は、所要の回動方向の第2の遊びを持たせて前記現像ローラに取り付けられ、その第2の遊びは、前記感光体が正回転から逆回転へ切り替わって、前記板カムによる前記現像ユニットの押し上げで前記第1の歯車と前記第2の歯車との噛合が少なくとも解除されるまで前記第2の歯車が前記現像ローラに対して空転する遊びであることを特徴とする。
【0006】
請求項5にかかる発明は、請求項1乃至4の何れか1項において、前記付勢方向と反対方向へ押し上げられた前記現像ユニットを押し上げ前の元の位置に引き戻し可能に前記板カムを付勢させる付勢部材を備えていることを特徴とする。
請求項6にかかる発明は、請求項1乃至5の何れか1項において、前記板カムは、ワンウェイクラッチを介して前記感光体の逆回転でのみ該感光体と供回り可能に構成されていることを特徴とする。
請求項7にかかる発明は、請求項6において、前記感光体は、回動可能に設けられた軸に回動可能に支持され、前記板カムと係合された前記ワンウェイクラッチは、その内輪が前記軸に固着されると共に外輪が前記板カムと固着され、前記感光体を挟んで前記板カムと軸方向所要の間隔をおいて前記板カムと勝手違いの板カムが前記軸に固着されて、その一対の板カムで前記現像ユニットを両持ち支持で押し上げ可能に構成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項8にかかる発明は、請求項1乃至7の何れかにおいて、前記機枠に一端が係合され前記現像ローラに他端が係合された圧縮スプリングを備え、該圧縮スプリングにより前記現像ローラが前記感光体に向かって付勢されることを特徴とする。
請求項9にかかる発明は、請求項1乃至8の何れか1項に記載の現像ユニットの接離機構と、前記クリーニングブレードと、前記感光体と、前記機枠と、を備えたことを特徴とする。
請求項10にかかる発明は、請求項9に記載のプロセスカートリッジを備えた画像形成装置を特徴とする。
請求項11にかかる発明は、請求項1乃至8の何れか1項に記載の現像ユニットの接離機構と、前記クリーニングブレードと、前記感光体と、前記機枠と、を備えたことを特徴とする。
請求項12にかかる発明は、請求項10または11において、所定の枚数の印刷を行った後に前記感光体を所要の回転角度だけ逆回転させて、前記感光体と前記クリーニングブレードとの間に挟まった被清掃物を取り出すクリーニング制御手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、感光体に設けた第1の歯車と現像ローラに設けた第2の歯車との噛合を、感光体から現像ローラを離間することで噛合状態を断ち切って現像ローラの逆回転を防止したから、現像ローラと現像剤容器とのシール状態が維持されて、現像剤が漏れて周囲を汚染したり、漏れた現像剤により画像欠陥が発生したりする恐れを回避できる。しかも、感光体から現像ローラが離間して感光体と現像ローラとの摺接を回避するから、感光体か現像ローラに傷が発生してしまう恐れを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施の形態にかかる画像形成装置の概略を示した縦断側面図である。
【図2】プロセスカートリッジの概略を示した縦断側面図である。
【図3】プロセスカートリッジをユニット毎に分解した斜視図である。
【図4】右側板の斜視図であり、(a)は外側から見た斜視図、(b)は内側から見た斜視図である。
【図5】左側板の斜視図であり、(a)は外側から見た斜視図、(b)は内側から見た斜視図である。
【図6】左方から見た現像ユニットの正面側斜視図である。
【図7】右方から見た現像ユニットの正面側斜視図である。
【図8】左側板の縦断斜視図である。
【図9】感光体ユニットの斜視図である。
【図10】感光ドラムと現像ローラとの係合関係を示した斜視図である。
【図11】図10の側面図である。
【図12】駆動側支持部と感光ドラムギアとの関係を示した分解斜視図である。
【図13】感光ドラムと現像ローラとの係合関係を示した縦断面図である。
【図14】図11の状態に続く、現像ユニットを押し上げた状態の側面図である。
【図15】カム曲線と感光ドラムの逆回転のタイミングを示した線図である。
【図16】現像ローラの回転遅延構造を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態を説明する。
先ず、本実施の形態にかかる画像形成装置1の概略を説明する。本実施の形態にかかる画像形成装置1は、図1に示すように、プロセスカートリッジ2と、露光装置3と、中間転写ベルト4と、一次転写ローラ5と、二次転写ローラ6と、クリーニング装置7と、給紙カセット8と、給紙ローラ9と、定着装置10と、排紙ローラ11と、クリーニング制御手段(図示せず)とを備える。
プロセスカートリッジ2は、図3に示すように、感光体としての感光ドラム20を備えた感光体ユニット17と、感光ドラム20上の静電潜像をトナー像に現像する現像ユニット26と、その現像ユニット26と感光体ユニット17とを一体化する左右の側板(機枠)18、19と、現像ユニットの接離機構とを備えて構成されている。このプロセスカートリッジ2は、図1に示すように、イエローのトナー像用のプロセスカートリッジ2Y、マゼンタのトナー像用のプロセスカートリッジ2M、シアンのトナー像用のプロセスカートリッジ2C、黒のトナー像用のプロセスカートリッジ2Kの計4つあり、画像形成装置1の筐体内のほぼ中央に横一列に並設される。なお、プロセスカートリッジ2の詳細は後述する。
【0011】
露光装置3は、画像形成装置1の筐体内の上方に設けられており、コンピュータ等から送られてきた画像データに基づいて、帯電済みの各感光ドラム20の周面に走査光L(図2)を照射して、各色用の静電潜像を形成するようになっている。
中間転写ベルト4は、各感光ドラム20の周面の最低部に上側のベルトの表面が沿うように、複数本の支持ローラに掛架された無端状のベルトであり、図示しない駆動手段により反時計回りに回転して各感光ドラム20に形成されたトナー像を担持して所定の位置へ搬送するようになっている。
一次転写ローラ5は、中間転写ベルト4の上側のベルトを挟んで、感光ドラム20と対向するように設けられており、感光ドラム20の表面に形成したトナー像を中間転写ベルト4に一次転写させるようになっている。
二次転写ローラ6は、中間転写ベルト4を挟んで、その中間転写ベルト4を掛架する図1中右端の支持ローラに対向するように設けられており、この二次転写ローラ6と中間転写ベルト4との間に、紙や樹脂シートなどのシート状の記録媒体Pを通しながら、中間転写ベルト4上のトナー像をその記録媒体Pへ二次転写させるようになっている。
【0012】
クリーニング装置7は、上述した二次転写の位置近傍の中間転写ベルト4の回転下流側の所要位置に、中間転写ベルト4の表面に摺接可能に設けたクリーニングブレード7aと、中間転写ベルト4から記録媒体Pへ転写されずに中間転写ベルト4上に残った転写残トナーや紙粉等の被清掃物をクリーニングブレード7aで掻き取り、その掻き取った被清掃物を回収するトナー回収室とを備えて構成される。
給紙カセット8は、紙や樹脂シートなどのシート状の記録媒体Pを蓄えておくもので、画像形成装置1の筐体内の下部に着脱可能に設けられている。
給紙ローラ9は、給紙カセット8に蓄えられた記録媒体Pを一枚ずつ取り出して送り出すようになっている。
定着装置10は、二次転写の位置の上方に設けられたローラ対を備えてなり、このローラ対にトナー像が転写された記録媒体Pを通すことにより、記録媒体Pに熱と圧力を加えられて、記録媒体P上の未定着のトナー像が溶融し固化して、記録媒体P上にトナー像が定着されるようになっている。
排紙ローラ11は、定着装置10でトナー像が定着した記録媒体Pを画像形成装置1の上面に形成したトレイ部に送り出すようになっている。
クリーニング制御手段(図示せず)は、後述する。
【0013】
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかる画像形成装置の作像時の動作を説明する。
感光ドラム20が図示しない駆動手段によって図1中時計方向に回転し、その感光ドラム20の表面が後述する帯電ローラ22によって所定の極性に一様に帯電する。帯電した感光ドラム20の表面に向かって露光装置3から走査光Lが照射し、これによって感光ドラム20の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光ドラム20に露光される画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及び黒の色情報に分解した単色の画像情報である。この静電潜像を現像ユニット26がトナー像として可視化する。
また、中間転写ベルト4が図1中反時計回りに回転し、各プロセスカートリッジ2Y、2M、2C、2Kにおいて一次転写ローラ5の作用により感光ドラム20から中間転写ベルト4に各色トナー像が順次重ね転写する。このようにして中間転写ベルト4の表面にフルカラーのトナー像が形成される。なお、プロセスカートリッジ2Y、2M、2C、2Kのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、複数のプロセスカートリッジ2Y、2M、2C、2Kのいずれか2つまたは3つを用いて2色又は3色の画像を形成したりすることもできる。モノクロプリントの場合は、図の一番右側の黒用プロセスカートリッジ2Kのみを用いて画像形成を行う。
【0014】
上記の動作と前後して、給紙ローラ9が給紙カセット8から記録媒体Pを取り出し記録媒体Pの搬送を開始させる。搬送を開始した記録媒体Pは、中間転写ベルト4上に担持されたトナー像の移動に合わせて二次転写の位置に向けて送り出され、二次転写ローラ6によって中間転写ベルト4表面のトナー像が転写される。トナー像を担持した記録媒体Pは定着装置10へ送られ、熱と圧力によってトナー像が記録媒体Pに熔融定着され、排紙ローラ11によって画像形成装置1の上面に形成したトレイ部に排出される。
一方、中間転写ベルト4から記録媒体Pへ転写されずに中間転写ベルト4上に残った被清掃物は、中間転写体クリーニング装置7のクリーニングブレード7aによって掻き取られ、トナー回収室に回収される。クリーニングされた中間転写ベルト4は、次のトナー像の転写に備える。
【0015】
次に、現像ユニットの接離機構を備えたプロセスカートリッジ2を詳述する。
本実施の形態にかかるプロセスカートリッジ2は、上述したように、現像ユニット26と、感光体ユニット17と、右側板18と、左側板19とを備えて構成される。
現像ユニット26は、図6及び図7に示すように、現像剤容器としての現像ユニットハウジング26aと、現像ローラ40と、第2の搬送スクリュ66とを備えて構成される。
現像ユニットハウジング26aは、内部に空間が形成された中空状の容器体であり、図2に示すように、上部空間と下部空間とが隔壁を介して画成されている。この上部空間は、中間転写ベルト4に転写されずに感光ドラム20上に残った転写残トナーや紙粉等の被清掃物を貯留しておくためのトナー回収部42になっており、下部空間は、現像するためのトナーを貯留しておくためのトナー収容部41になっている。
トナー回収部42を画成する現像ユニットハウジング26aの左側面には、図6に示すように、内部空間に貫通する長穴状の被係合部43が形成され、その被係合部43の右横には、トナー回収部42に貯留された被清掃物を吸引して回収するための吸引穴26dが形成されている。なお、この吸引穴26dは、通常時、シールされている。
【0016】
トナー収容部41を画成する現像ユニットハウジング26aの左側面には、図6に示すように、キャップ14で通常時塞がれているトナー充填口が形成され、その右横に円柱状のボス12が突設されている。
トナー回収部42を画成する現像ユニットハウジング26aの右側面には、図7に示すように、丸穴状の被係合部44が形成されており、トナー収容部41を画成する現像ユニットハウジング26aの右側面には、円柱状のボス13が突設されている。
現像ローラ40は、図2及び図3に示すように、トナー収容部41の下部に形成した開口部に現像ローラ40の本体外周面の一部が埋入されるように、現像ユニットハウジング26aの底部両側から垂設された一対の軸受け部26b、26cに、本体側面から突出した軸110が挿通されて支承されている。また、この現像ローラ40の最低部とトナー収容部41の下部に形成した開口部との間隙を埋めるように開口部の下縁に帯板状のシール材114が止着されており、トナー収容部41に貯留された現像剤が漏出しないようになっている。
【0017】
さらにこの現像ローラ40には、図10、図13に示すように、一方の軸受け部26cより外方に突出した軸110に、現像ローラ40を回動させる現像ローラギア111(第2の歯車)がワンウェイクラッチ112を介して取り付けられ、その現像ローラギア111の外側にカムフォロア109が回動可能に設けられている。
上述したワンウェイクラッチ112は、内輪と外輪とを備えた周知構造のもので、感光ドラム20の正回転時に内輪と外輪とがロックして回転駆動力が伝達され、感光ドラム20の逆回転時に内輪と外輪とがアンロックとなって回転駆動力の伝達を遮断するように軸110に取り付けられている。
また、他方の軸受け部26bより外方に突出した軸110には、カムフォロア113のみが回動可能に設けられている。
第2の搬送スクリュ66は、被清掃物をトナー回収部42内に搬送するもので、図6に示すように、外部との連結部である一端側が長穴状の被係合部43から露出するようにトナー回収部42内に回転可能に架設されている。
【0018】
感光体ユニット17は、図2、図3、図9に示すように、感光体ユニットハウジング17aと、感光ドラム20と、感光ドラムギア101(第1の歯車)と、板カム部と、帯電ローラ22と、クリーニングブレード21と、第1の搬送スクリュ23とを備える。
感光体ユニットハウジング17aは、左右の側板が、その側板上側と側板前側の2本の連結杆で連結されてなる。側板前側の連結杆は、図9に示すように、断面凹状に形成されている。
感光ドラム20は、図13に示すように、軸20aと、ドラム本体20bとを備える。
軸20aは、感光体ユニットハウジング17aの左右の側板に設けられた一対の軸受け17bに挿通され、感光体ユニットハウジング17aに対して回動可能に支持されている。
ドラム本体20bは、図13に示すように、静電潜像やトナー像を形成させる円筒部20cと、円筒部20cの一方側(軸受け部26c側)の端に挿嵌されると共に、軸20aを挿通させる穴の外側周囲が円柱状に突設され、その円柱状部分の一部に扇状の爪部20dが突設された駆動側支持部20e(図12)と、他方側(軸受け部26b側)の端に挿嵌されると共に、軸20aを挿通させる穴の外側周囲が円柱状に突設された従動側支持部20fとを備える。
このドラム本体20bは、駆動側支持部20eと従動側支持部20fの双方の内側の中心部それぞれに内嵌された軸受け20gに軸20aが挿嵌されて、ドラム本体20bが回動可能に軸20aに支持されている。
【0019】
感光ドラムギア101(第1の歯車)は、図13に示すように、現像ローラギア111と噛合可能に構成されると共に、その側面中心部に、図12に示すように、駆動側支持部20eの円柱状部分が摺動可能な径で座繰られた連通穴が形成され、その座繰り部分の内周面に爪部20dよりも所要長さ幅広な扇状の爪穴部117が形成されている。
このように形成された感光ドラムギア101は、爪穴部117に爪部20dが遊挿されるように駆動側支持部20eに挿入され、感光ドラム20に対し、駆動側支持部20eを介して回動方向への所要の第1の遊び(空転)が形成されるように取り付けられている。そして、この感光ドラムギア101は、画像形成装置本体側に設けられた感光ドラム駆動歯車1aと噛合され、その感光ドラム駆動歯車1aによる回転駆動力が伝達されて感光ドラム20を回動させるようになっている。
第1の遊び量は、感光ドラム駆動歯車1aが正回転から逆回転に切り替わって、感光ドラム20から現像ローラ40が離間するまで、現像ローラ40への回転駆動力の伝達を断ち切れるような量になっている。このように現像ローラ40への回転駆動力の伝達を所定量断ち切ることで、感光ドラム20と現像ローラ40とが同時に逆回転することで生じやすい傷の発生を防止している。
【0020】
板カム部は、駆動側板カム102と、従動側板カム103と、付勢部材104とを備える。
駆動側板カム102は、図11に示すように、中心部に取付穴が形成された略円板状に形成され、その外周面の略1/4の領域に、所要長さの水平部105と、その水平部105の一端側と連続され駆動側板カム102の中心を中心にした円弧からなる円弧部106とで構成されたカム面が形成され、水平部105の他端側に山状の係止部107が形成されている。
このように形成された駆動側板カム102は、図10、図13に示すように、周知構造のワンウェイクラッチ108の外輪に挿嵌され、感光ドラムギア101と螺合され、ワンウェイクラッチ108の内輪が軸20aに挿嵌されて、感光ドラム20が正回転する際に空転するように、且つ、感光ドラム20が逆回転する際に感光ドラム20と供回りしてカム面とカムフォロア109とが係合するように感光ドラム20に取り付けられている。なお、この駆動側板カム102は、感光ドラムギア101と別体構成ではなく、一体構成としても良い。
【0021】
従動側板カム103は、その外観形状が駆動側板カム102と勝手違いの形状であり、軸受け部26bより外方に突出した軸110に設けられたカムフォロア113と係合可能に軸20aに挿嵌されている
上述した駆動側板カム102は、現像ローラ40の軸心と感光ドラム20の軸心とを結んだ仮想線に対して上述した水平部105が直交方向に位置したとき、その水平部105とカムフォロア109との間に隙間dが形成され、感光ドラム20に現像ローラ40が当接され、カムフォロア109に係止部107が当接されるようになっている(図10)。従動側板カム103も同じ構成になっている。この隙間dを形成することで、駆動側板カム102が現像ローラ40の軸110の作像動作を妨げることを防ぐことができる。なお、この駆動側板カム102のカムリフト量は後述する。
付勢部材104は、図11に示すように、カムフォロア109に係止部107を当接させて、感光ドラム20の正回転時に駆動側板カム102を待機位置に位置させるように、一端が駆動側板カム102に掛止され他端が感光体ユニットハウジング17aに掛止された引っ張りスプリングからなる。この付勢部材104は、従動側板カム103側にも設けられている。
上述した、現像ローラギア111(第2の歯車)と、カムフォロア109と、感光ドラムギア101(第1の歯車)と、板カム部とを備えて現像ユニット26の接離機構が構成される。
【0022】
帯電ローラ22は、図2に示すように、感光ドラム20の周面の上部に当接して回転するように駆動側支持部20eより従動回転可能に感光体ユニットハウジング17aに設けられている。この帯電ローラ22は、高電圧が印加されるようになっており、感光ドラム20の感光層を一様に帯電させるようになっている。
クリーニングブレード21は、図2に示すように、帯電ローラ22より反時計回り方向となる感光ドラム20の周面の左部に当接されており、中間転写ベルト4に転写されずに感光ドラム20上に残った転写残トナーや紙粉などの被清掃物を掻き取り、その被清掃物を側板前側の断面凹状の連結杆に落下させるようになっている。
第1の搬送スクリュ23は、その断面凹状の連結杆内に回転可能に架設されて、落下してきた被清掃物を搬送させるようになっており、第2の搬送スクリュ66と同じく、一端側が外部との連結部になっている。
右側板18は、図3に示すように、現像ユニット26と感光体ユニット17の夫々の右側面部と係合して両者を合体させるもので、図4(b)に示すように、右側板18の内側には、軸受け18aと、軸受け18dと、スライド係合部18cと、係合部18fと、弾性部材29とを備える。
【0023】
軸受け18aは、右側板18に、現像ローラ40の径中心と感光ドラム20の径中心とを結ぶ方向に形成された長溝に圧縮スプリング18bと共に内装され、その圧縮スプリング18bにより感光ドラム20方向へ弾発付勢されている。この軸受け18aには、現像ユニットハウジング26aの底部両側から垂設された一対の軸受け部26b、26cに支承された現像ローラ40の一方の軸110端が挿嵌される。
軸受け18dは、感光ドラム20の軸20a端の一方が挿嵌され、感光ドラム20を支承させるようになっている。
スライド係合部18cは、現像ローラ40の径中心と感光ドラム20の径中心とを結ぶ方向に伸びた長穴状に形成され、現像ユニットハウジング26aの右側面に突設された円柱状のボス13が遊挿される。
左側板19は、図3に示すように、現像ユニット26と感光体ユニット17の夫々の左側面部と係合して両者を合体させるもので、外板とその外板と螺合される内板とを備えて構成される。
【0024】
外板は、図2及び図8に示すように、その内側に、第1の搬送スクリュ23と第2の搬送スクリュ66との夫々の連結部と連結されると共に、第1の搬送スクリュ23から送り込まれた被清掃物を第2の搬送スクリュ66に受け渡す搬送ベルト24が、上下に延設された溝内に埋設されるように掛架されている。なお、この搬送ベルト24の外周面に所定の間隔をおいて板状のリブが突設されており、そのリブとベルト外周面と溝側壁とで形成された領域で被清掃物が搬送される。
また、外板の内側には、図8に示すように、現像ローラ40の径中心と感光ドラム20の径中心とを結ぶ方向に伸びた長溝が形成され、その長溝内に軸受け19aと圧縮スプリング19bが内装され、軸受け19aが圧縮スプリング19bにより感光ドラム20方向に弾発付勢されている。この軸受け19aには、現像ユニットハウジング26aの底部両側から垂設された一対の軸受け部26b、26cに支承された現像ローラ40の他方の軸110端が左側板19の内板の長穴19hを介して挿嵌される。
内板は、図5に示すように、長穴19hと、軸受け19dと、被清掃物受け入れ口19gと、スライド係合部19fと、係合部19cと、シール材28とを備える。
長穴19hは、上述したように、軸受け19aに対応した位置に設けられており、現像ローラ40の他方の軸110端が遊挿される。
軸受け19dは、感光ドラム20の軸20a端の他方が挿嵌され、感光ドラム20を支承させるようになっている。
【0025】
被清掃物受け入れ口19gは、軸受け19dの近傍に設けられており、この被清掃物受け入れ口19gを介して第1の搬送スクリュ23が搬送ベルト24を掛架した下側の支軸に連結されるようになっている。
スライド係合部19fは、現像ローラ40の径中心と感光ドラム20の径中心とを結ぶ方向に伸びた長穴状に形成され、現像ユニットハウジング26aの左側面に突設された円柱状のボス12が遊挿される。
係合部19cは、左側板19の内板の内側より突き出した長円形状(凸状)に形成されると共にその内側に長穴が形成され、後述のシール材28を介して長穴状の被係合部43に挿通されると共に、その長穴を介して第2の搬送スクリュ66が搬送ベルト24を掛架した上側の支軸に連結されるようになっている。
シール材28は、その係合部19cの外周面に止着された長円筒状のスポンジからなる。
このように本実施の形態にかかるプロセスカートリッジ2は、現像ユニット26と感光体ユニット17とが、右側板18と左側板19とを介して一体化されると共に、現像ユニット26が、圧縮スプリング18b、19bにより、感光体ユニット17に向かって弾発付勢されており、感光ドラム20の逆回転の際に、現像ユニット26の接離機構によって、現像ユニット26が感光体ユニット17から離間するように押し上げられるようになっている。
【0026】
以下、以上のように構成されたプロセスカートリッジ2における感光ドラム20のクリーニングに関する一連の動作を説明する。
先ず、画像形成装置の作像時における感光ドラム20のクリーニングについて説明する。
画像形成装置本体側に設けた感光ドラム駆動歯車1aが回転(反時計方向の回転)することにより、この感光ドラム駆動歯車1aと噛合した感光ドラムギア101が回転する。
この回転により、感光ドラムギア101の爪穴部117の一方の側面と駆動側支持部20eの爪部20dの一方の側面とが当接して、感光ドラム20は正回転する。
これと略同時に感光ドラムギア101と噛合した現像ローラギア111が回転する。現像ローラギア111の回転により、軸110と嵌着したワンウェイクラッチ112がロックして、軸110が回転し、これに伴って現像ローラ40が回転する。
【0027】
一方、感光ドラムギア101と螺合した駆動側板カム102は、ワンウェイクラッチ108がアンロック状態であり、山状の係止部107とカムフォロア109とが付勢部材104により当接されて待機位置に位置した状態を保ち、現像ローラ40と感光ドラム20との当接状態を維持する。また、ワンウェイクラッチ108がアンロック状態であることから、軸20aには回転駆動力が伝達されず、従動側板カム103も駆動側板カム102と同じ状態を維持する。
中間転写ベルト4に転写されずに感光ドラム20上に残った転写残トナーや紙粉などの被清掃物は、クリーニングブレード21で掻き取られて、側板前側の断面凹状の連結杆に落下する。
落下した被清掃物は、その断面凹状の連結杆内に回転可能に架設した第1の搬送スクリュ23により、左側板19内の搬送ベルト24へ向かって移動し、その搬送ベルト24により、トナー回収部42内に回転可能に架設した第2の搬送スクリュ66に向かって移動し、第2の搬送スクリュ66により、トナー回収部42内に落下、回収される。
【0028】
次に、クリーニング制御手段による、感光ドラム20とクリーニングブレード21との間に挟み込まれた被清掃物の除去時の一連の動作を、図13等を参照しながら説明する。
クリーニング制御手段は、あらかじめ設定された所定の枚数の印刷を行うと、感光ドラム20とクリーニングブレードとの間に被清掃物が挟み込まれている可能性があるとして、感光ドラム駆動歯車1aを作像時とは逆方向に所定の回転角度だけ回転を開始する。この回転により、感光ドラム駆動歯車1aと噛合した感光ドラムギア101が逆回転を開始する。
感光ドラムギア101の逆回転により、爪穴部117の一方の側面と駆動側支持部20eの爪部20dの一方の側面との当接が解除し、爪穴部117の他方の側面が爪部20dの他方の側面に向かって移動を開始する。これにより、感光ドラム20に挿嵌された駆動側支持部20eへの回転駆動力の伝達が一時絶たれ、感光ドラム20の回転が停止する。
これと同時に、感光ドラムギア101と螺合した駆動側板カム102は、感光ドラムギア101に伴って即座に逆回転を開始する。この駆動側板カム102の逆回転によりワンウェイクラッチ108がロックし、回転駆動力が軸20aに伝達して、軸20aが回転を開始する。この軸20aの回転により、軸20aに嵌着した従動側板カム103は、即座に逆回転を開始する。つまり、従動側板カム103は駆動側板カム102と同期して逆回転する。
【0029】
逆回転を開始した駆動側板カム102は、図11に示すように、カムフォロア109との間に隙間dが形成していた水平部105は右肩上がりに傾いていき、iの位置でカムフォロア109と当接する。この間、現像ローラ40は感光ドラム20から離間しておらず、現像ローラ40と感光ドラム20との軸間距離は、作像時(正回転時)のままなっている。このときの軸間距離を、図15中、軸間距離eで示す。なお、従動側板カム103も駆動側板カム102と同じカム曲線であるため、カム曲線にかかる説明は、駆動側板カム102のみの説明とする。
カムフォロア109と当接した駆動側板カム102は、さらに逆回転をすることで、水平部105により、現像ローラ40を介して現像ユニット26を押し上げていく。水平部105のiiの位置とカムフォロア109とが係合したら、感光ドラムギア101(第1の歯車)と現像ローラギア111(第2の歯車)との噛合が解除する。このときの軸間距離を、図15中、軸間距離fで示す。
さらに駆動側板カム102が逆回転して水平部105と円弧部106との境界とカムフォロア109とが係合すると、最大のカムリフト量となり、円弧部106に沿ってカムフォロア109が転動することで、その最大のカムリフト量が一定に維持され、その一定のカムリフト量でもって現像ユニット26を押し上げる。この現像ユニット26の押し上げは、円弧部106のivの位置とカムフォロア109とが係合するまで続く。このときの軸間距離を、図15中、軸間距離gで示す。
【0030】
一方、爪部20dの他方の側面に向かって移動していた爪穴部117の他方の側面は、円弧部106のiiiの位置とカムフォロア109とが係合するタイミングでもって爪部20dの他方の側面に当接して、感光ドラム20が逆回転を開始する。
この感光ドラム20の逆回転は、円弧部106のivの位置とカムフォロア109とが係合するまで続き、感光ドラム20とクリーニングブレードとの間に挟まった被清掃物の引き出し処理を行う。
クリーニング制御手段は、円弧部106のivの位置とカムフォロア109とが係合するタイミングでもって、感光ドラム駆動歯車1aの回転を停止する(図14)。
次いで、感光ドラム駆動歯車1aを作像時の方向へ所要の回転角度だけ回転し、これに伴って感光ドラムギア101が正回転し、駆動側板カム102は、感光ドラムギア101の正回転に合わせながら付勢部材104の引っ張り力により待機位置へ復帰するように回転する。従動側板カム103は、ワンウェイクラッチ108がアンロックとなるため、従動側板カム103側の付勢部材により軸20aを回転させながら待機位置へ復帰するように回転する。このようにして、元の状態に復帰する。
そして、感光ドラム20上に引き出された被清掃物は、上述した作像時における感光ドラム20のクリーニングにより、トナー回収部42内に回収されて、一連の動作が終了する。
【0031】
このように、本実施の形態によれば、クリーニング制御手段は、あらかじめ設定された所定の枚数の印刷が終了したら、感光ドラム駆動歯車1aを所定の回転角度だけ逆回転を開始し、感光ドラム20と現像ローラ40との回転が停止するその一方で、駆動側板カム102と従動側板カム103とで現像ユニット26を押し上げ、感光ドラムギア101と現像ローラギア111との噛合が解除し、感光ドラム20と現像ユニットとが離間した時点で、感光ドラム20が逆回転して、感光ドラム20とクリーニングブレード21との間に挟み込まれた被清掃物を引き出すから、現像ローラ40とトナー収容部41(現像剤容器)とのシール状態が維持され、現像剤が漏れて周囲を汚染したり、漏れた現像剤により画像欠陥が発生したりする恐れを回避できる。しかも、感光ドラム20から現像ローラ40が離間して感光ドラム20と現像ローラ40との摺接を回避するから、感光ドラム20や現像ローラ40に傷が発生してしまう恐れを回避できる。
【0032】
以上、本実施の形態にかかるプロセスカートリッジを備えた画像形成装置を説明したが、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
例えば、本実施の形態では、駆動側板カム102の中心を中心にした円弧からなる円弧部106により、一定のカムリフト量でもって現像ユニット26を押し上げるものを例示したが、図15中、(イ)で示す一点鎖線のように、現像ローラ40と感光ドラム20の離間後も、駆動側板カム102面を徐々に増加させるような斜面状にすることにより、付勢部材104を用いなくても、現像ユニット26の自重や現像ユニット26を感光ドラム20方向へ弾発付勢させている圧縮スプリング18b、圧縮スプリング19bの力により、逆回転動作後の駆動側板カム102の復帰を可能とすることができる。
【0033】
また、本実施の形態では、感光ドラムギア101(第1の歯車)を、感光ドラム20に対して回動方向への所要の空転(第1の遊び)を形成するように取り付けたものを例示したが、図16に示したように、現像ローラギア111(第2の歯車)を、現像ローラ40対して回動方向への所要の空転(第2の遊び)を形成するように取り付けても良い。すなわち、現像ローラギア111の一方の側面に略C字状に切欠させた筒部115を設け、現像ローラ40の軸110端にその筒部115の切欠部分に係合する係合ピン116を突設させ、その係合ピン116と筒部115の切欠部分とが係合するように現像ローラギア111を現像ローラ40の軸110端に回動可能に挿通させる。このように構成することで、正回転から逆回転に切り替わる際、現像ローラ40への回転駆動力の伝達を遮断して、第1の遊びと実質的に同じ作用となる。この場合、ワンウェイクラッチ112を不要とすることが可能となり、ワンウェイクラッチ112で構成したものと比較して低コストとなる。また、上述した第1の遊びと第2の遊びとの双方が形成されるように構成しても良い。
【0034】
また、図15中、二点鎖線で示したタイミングで感光ドラム20を逆回転させても良い。すなわち、水平部105のiiの位置とカムフォロア109とが係合して、感光ドラムギア101(第1の歯車)と現像ローラギア111(第2の歯車)との噛合が解除し、そのタイミングでもって、爪穴部117の他方の側面が爪部20dの他方の側面に当接し、軸20aに挿嵌した駆動側支持部20eを介して、感光ドラム20が逆回転を開始させても良い。
また、本実施の形態では、感光ドラム側に爪部20dと爪穴部117とを備えた感光ドラムの回転切り替え時の遅延構造を持たせ、現像ローラ40側にワンウェイクラッチまたは図16に示した回転遅延構造を持たせたものを例示したが、何れか一方の構成または、双方の構成を省いて、感光ドラムの逆回転時に現像ユニットを接離させるだけの構成だけにしても良い。すなわち、感光ドラムの逆回転でのみ感光ドラムと供回り可能に、且つ、現像ローラと係合可能に感光ドラムに設けられ、感光ドラムの所要の回転角度の逆回転により、現像ローラを介して現像ユニットを付勢方向と反対方向へ押し上げて、感光ドラムと現像ローラの噛合関係を解除する板カムがあれば良い。
【符号の説明】
【0035】
1‥画像形成装置 2‥プロセスカートリッジ 3‥露光装置 4‥中間転写ベルト 5‥一次転写ローラ 6‥二次転写ローラ 7‥クリーニング装置 7a‥クリーニングブレード 8‥給紙カセット 9‥給紙ローラ 10‥定着装置 11‥排紙ローラ 12‥ボス 13‥ボス 14‥キャップ 17‥感光体ユニット 17a‥感光体ユニットハウジング 17b‥軸受け 18‥右側板 18a‥軸受け 18b圧縮スプリング 18d‥軸受け 18c‥スライド係合部 18f‥係合部 19‥左側板 19a‥軸受け 19b‥圧縮スプリング 19c‥係合部 19h‥長穴 19d‥軸受け 19f‥スライド係合部 19g‥被清掃物受け入れ口 20‥感光ドラム(感光体) 20a‥軸 20b‥ドラム本体 20c‥円筒部 20d‥爪部 20e‥駆動側支持部 20f‥従動側支持部 20g‥軸受け 21‥クリーニングブレード 22‥帯電ローラ 23‥第1の搬送スクリュ 24‥搬送ベルト 26‥現像ユニット 26a‥現像ユニットハウジング(容器体) 26d‥吸引穴 26b、26c‥軸受け 28‥弾性部材 29‥弾性部材 40‥現像ローラ 41‥トナー収容部 42‥トナー回収部 43‥被係合部 44‥被係合部 66‥第2の搬送スクリュ 101‥感光ドラムギア 102‥駆動側板カム 103‥従動側板カム 104‥付勢部材 105‥水平部 106‥円弧部 107‥係止部 108‥ワンウェイクラッチ 109‥カムフォロア 110‥現像ローラの軸 111‥現像ローラギア 112‥ワンウェイクラッチ 113‥カムフォロア 114‥シール材 115‥筒部 116‥係合ピン 117‥爪穴部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0036】
【特許文献1】特開平10−10939号公報
【特許文献2】特開2007−171395公報
【特許文献3】特開2008−045686公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤容器と該現像剤容器に支承された現像ローラとを備え、クリーニングブレードが摺接されると共に回転駆動力が付与される回動可能な感光体に向かって付勢させて、前記感光体に前記現像ローラを当接可能に、且つ、付勢方向と反対方向へ離間可能に機枠に支承された現像ユニットと、
前記感光体に設けられた第1の歯車と、
該第1の歯車と噛合可能に前記現像ローラに設けられた第2の歯車と、
前記感光体の逆回転でのみ前記感光体と供回り可能に、且つ、前記現像ローラと係合可能に前記感光体に設けられ、前記感光体の所要の回転角度の逆回転により、前記現像ローラを介して前記現像ユニットを前記付勢方向と反対方向へ押し上げて、前記第1の歯車と前記第2の歯車との噛合を解除させる板カムと、
を備えたことを特徴とする現像ユニットの接離機構。
【請求項2】
前記第1の歯車は、所要の回動方向の第1の遊びを持たせて前記感光体に取り付けられ、該第1の遊びは、前記感光体が正回転から逆回転へ切り替わって、前記板カムによる前記現像ユニットの押し上げで前記第1の歯車と前記第2の歯車との噛合が少なくとも解除されるまで前記第1の歯車が前記感光体に対して空転する遊びであることを特徴とする請求項1に記載の現像ユニットの接離機構。
【請求項3】
前記第2の歯車は、前記感光体の逆回転にアンロックするワンウェイクラッチを介して前記現像ローラに取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の現像ユニットの接離機構。
【請求項4】
前記第2の歯車は、所要の回動方向の第2の遊びを持たせて前記現像ローラに取り付けられ、該第2の遊びは、前記感光体が正回転から逆回転へ切り替わって、前記板カムによる前記現像ユニットの押し上げで前記第1の歯車と前記第2の歯車との噛合が少なくとも解除されるまで前記第2の歯車が前記現像ローラに対して空転する遊びであることを特徴とする請求項1または2に記載の現像ユニットの接離機構。
【請求項5】
前記付勢方向と反対方向へ押し上げられた前記現像ユニットを押し上げ前の元の位置に引き戻し可能に前記板カムを付勢させる付勢部材を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の現像ユニットの接離機構。
【請求項6】
前記板カムは、ワンウェイクラッチを介して前記感光体の逆回転でのみ該感光体と供回り可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の現像ユニットの接離機構。
【請求項7】
前記感光体は、回動可能に設けられた軸に回動可能に支持され、前記板カムと係合された前記ワンウェイクラッチは、その内輪が前記軸に固着されると共に外輪が前記板カムと固着され、前記感光体を挟んで前記板カムと軸方向所要の間隔をおいて前記板カムと勝手違いの板カムが前記軸に固着されて、その一対の板カムで前記現像ユニットを両持ち支持で押し上げ可能に構成されていることを特徴とする請求項6に記載の現像ユニットの接離機構。
【請求項8】
前記機枠に一端が係合され前記現像ローラに他端が係合された圧縮スプリングを備え、該圧縮スプリングにより前記現像ローラが前記感光体に向かって付勢されることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の現像ユニットの接離機構。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の現像ユニットの接離機構と、前記クリーニングブレードと、前記感光体と、前記機枠と、を備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項10】
請求項9に記載のプロセスカートリッジを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の現像ユニットの接離機構と、前記クリーニングブレードと、前記感光体と、前記機枠と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
所定の枚数の印刷を行った後に前記感光体を所要の回転角度だけ逆回転させて、前記感光体と前記クリーニングブレードとの間に挟まった被清掃物を取り出すクリーニング制御手段を備えたことを特徴とする請求項10または11に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−266683(P2010−266683A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−117841(P2009−117841)
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】