説明

現像剤回収帯電部材、画像形成装置、およびクリーニング方法

【課題】転写残トナーを転写体から像担持体に確実に逆転写させて回収する。
【解決手段】転写体16上の転写残トナーの一時回収と帯電とを行うトナー回収帯電装置50であって、一次転写されたトナー像と接触しない程度に転写体16に近接して設けられ、転写残トナーを一時的に回収する回収機能と所定極性に帯電させる帯電機能とを有するトナー回収帯電ローラ52と、該ローラ52に対して直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加するように接続された電源54,56,60と、トナー回収帯電ローラ52がトナー回収モードとトナー放出モードとの間で切り替わるように前記交流電圧の波形を変化させる切替スイッチ58とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプリンタ、複写機、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置に用いられる現像剤回収帯電装置、これを用いた画像形成装置、および、クリーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、いわゆる4サイクル式のフルカラー対応の画像形成装置が知られている。このような画像形成装置では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の4色のトナーに対応する4つの現像器を保持した現像ユニットが設けられており、この現像ユニットを回転させて像担持体と対向する現像位置に移動してきた現像器から供給される1色目のトナーによって像担持体上の静電潜像が現像され、これにより像担持体上にトナー像が形成される。そして、像担持体上に形成された1色目のトナー像は、転写体としての例えば転写ベルト上に一次転写される。
【0003】
1色目のトナーによる像担持体上でのトナー像形成が終了すると、前記現像ユニットが回転して2色目の現像器が現像位置に移動し、この現像器から供給されるトナーによって2色目のトナー像が像担持体上に形成される。そして、この2色目のトナー像は、転写ベルト上の1色面のトナー像に重ね合わせて一次転写される。
【0004】
このような作像プロセスが3色目および4色目の各トナーについても順次に行われて、転写ベルト上の1色目および2色目のトナー像に重ね合わせて順次に一次転写される。
【0005】
このようにして形成された4色のトナーからなるトナー像は、記録媒体である用紙上に二次転写される。トナー像が二次転写された用紙は、定着器を通過することにより前記トナー像が加熱定着された後に装置外部に排出され、これによりフルカラー画像の出力が完了する。
【0006】
前記のような4サイクル式の画像形成装置が転写ベルトに対して接離移動可能に設けられたクリーニング装置を備えている場合、作像中は転写ベルトから離れた位置に退避していたクリーニング装置が二次転写後に転写ベルトと接触する位置に移動することによって、二次転写後に転写ベルト上に残留するトナーがクリーニング装置で回収されてクリーニングされることになる。
【0007】
しかしながら、上記のような転写ベルト用のクリーニング装置を設けると、そのための接離駆動機構も併せて必要になることから、4サイクル式の画像形成装置の小型化や低コスト化を図るうえで障害になる。
【0008】
特許文献1および2には、二次転写後に転写ベルト上に残留する転写残トナーを像担持体に逆転写させて回収するようにした4サイクル式の画像形成装置が開示されており、前記転写残トナーが転写ベルトから像担持体に逆転写され易くするために、帯電ローラによってDC電圧にAC電圧を重畳された電圧を転写ベルト上の転写残トナーに印加することで、前記転写残トナーを正規極性とは逆極性に均一帯電させることが記載されている。
【0009】
【特許文献1】特開平10−49023号公報
【特許文献2】特許第3733249号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1および2に記載される帯電ローラは、転写ベルトに対して接触する極めて近接状態で配設されているため、カラー画像の作像中においては転写ベルトが4回転することで順次に一次転写されていく4色トナー像と接触して乱してしまうことになる。これを回避するには、やはり、作像中は帯電ローラを転写ベルトから退避させた位置に離しておく必要があり、帯電ローラ用の接離駆動機構を設けなければならない。
【0011】
また、転写残トナーが多い場合には、帯電ローラによってDC電圧にAC電圧を重畳された電圧が印加されても転写残トナーの一部が正規極性とは逆極性に帯電されないことがあり、正規極性のままの転写残トナーは像担持体に逆転写されることなく未回収となって次の作像に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0012】
そこで、本発明は、転写体用クリーニング装置を設けることなく、かつ、転写残現像剤を帯電させるための帯電装置に接離駆動機構を必要とせずに、転写残現像剤を転写体から像担持体に確実に逆転写させて回収できるようにした、現像剤回収帯電装置、画像形成装置、および、クリーニング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様は、像担持体から転写体上に一次転写された現像剤像を記録媒体に二次転写した後に前記転写体上に残留する転写残現像剤を前記像担持体に逆転写させてクリーニング装置で回収するために、前記転写体上の転写残現像剤の一時回収と帯電とを行う現像剤回収帯電装置であって、
前記一次転写された現像剤像と接触しない程度に前記転写体に近接して設けられ、前記転写残現像剤を一時的に回収する回収機能と所定極性に帯電させる帯電機能とを有する回収帯電部材と、
前記回収帯電部材に対して直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加するように接続された電源と、
前記現像剤回収帯電部材が現像剤回収モードと現像剤放出モードとの間で切り替わるように前記交流電圧の波形を変化させる切替部とを備えることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の第2の態様である画像形成装置は、表面に現像剤像が形成される像担持体と、
前記像担持体から前記現像剤像が一次転写される転写体と、
一次転写された前記現像剤画像を前記転写体から記録媒体に二次転写する転写部と、
二次転写後に前記転写体上に残留する転写残現像剤の一時回収および帯電を行う現像剤回収帯電装置と、
前記転写体から前記像担持体に逆転写した前記転写残現像剤を回収するクリーニング装置とを備えた画像形成装置であって、
前記現像剤回収帯電装置は、前記一次転写された現像剤像と接触しない程度に前記転写体に近接して設けられ、前記転写残現像剤を一時的に回収する回収機能と所定極性に帯電させる帯電機能とを有する回収帯電部材と、前記回収帯電部材に対して直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加するように接続された電源と、前記現像剤回収帯電部材が現像剤回収モードと現像剤放出モードとの間で切り替わるように前記交流電圧の波形を変化させる切替部とを含むことを特徴とするものである。
【0015】
さらに、本発明の第3の態様の方法は、像担持体から転写体上に一次転写された現像剤像を記録媒体に二次転写した後に前記転写体上に残留する転写残現像剤に、前記一次転写された現像剤像と接触しない程度に前記転写体に近接した現像剤回収帯電部材を介して前記転写残トナーに所定電圧を印加して、前記現像剤回収帯電部材で前記転写残現像剤を一時的に回収するとともに所定極性に帯電した後、前記転写残現像剤を前記像担持体に逆転写させてから回収するクリーニング方法であって、前記所定の電圧が直流電圧に交流電圧を重畳した電圧であり、前記現像剤回収帯電部材が現像剤回収モードと現像剤放出モードとの間で切り替わるように前記交流電圧の波形を変化させることを特徴とするものである。
【0016】
さらにまた、本発明の第4の態様である画像形成装置は、
回転駆動される像担持体と、
前記像担持体上に現像剤像を形成する像形成手段と、
前記像担持体に接触して回転される転写体と、
前記転写体を介し前記像担持体に対向して配置され、前記像担持体から前記転写体へ現像剤像を転写する一次転写手段と、
一次転写後に前記像担持体上に残留する現像剤を回収するクリーニング手段と、
前記転写体の回転方向において前記一次転写手段の下流側に配置され、前記転写体から記録媒体上へ現像剤像を二次転写する二次転写手段と、
前記転写体の回転方向において前記二次転写手段の下流側に配置され、前記転写体上に転写された現像剤像と接触しない程度に隙間をあけて対向して配置されたローラと、
前記像担持体上で像を形成している現像剤と同極性の直流電圧を前記ローラに印加する第1電源と、
或る波形の交流電圧を前記ローラに印加する第2電源と、
前記第2電源によって印加される交流電圧の波形と異なる波形の交流電圧を前記ローラに印加する第3電源と、
前記ローラに対し前記第1電源と前記第2電源とから電圧を所定時間印加した後、前記ローラに対し前記第1電源と前記第3電源とから電圧を所定時間印加するように、前記第1、第2および第3電源を切り替える制御手段と、
を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る現像剤回収帯電装置、画像形成装置およびクリーニング方法によれば、現像剤回収帯電部材またはローラが一次転写された現像剤像と接触しない程度に前記転写体に近接して又は隙間をあけて設けられているので、作像中に転写体上に一次転写された現像剤像に接触して乱してしまうことがない。これにより、現像剤回収帯電部材またはローラについて転写体に対しての接離駆動機構を設ける必要がなく、画像形成装置の小型化と低コスト化に寄与することができる。
【0018】
また、転写残現像剤が多い場合であっても、現像剤回収モードにある現像剤回収帯電部材又は第1電源と第2電源とから電圧が印加されるローラによってその一部が一時的に回収されるので、残りの少なくなった転写残現像剤を確実に正規極性とは逆極性に帯電させられる。
【0019】
その結果として、転写体用クリーニング装置を設けることなく、かつ、転写残現像剤を帯電させるための帯電装置に接離駆動機構を必要とせずに、転写残現像剤を転写体から像担持体に確実に逆転写させて回収することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。なお、下記の実施形態では、現像剤としてのトナーの正規帯電極性が負極性であるものと仮定して説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置10の概略構成図であり、図2は図1におけるトナー回収帯電装置50を拡大して示す。画像形成装置10は、現像ユニット(像形成手段)12、感光体(像担持体)14、および、中間転写ベルト(転写体)16を備えている。なお、前記転写体は、ベルトに限定されるものではなく、他の形態のもの(例えば、ドラム)であってもよい。
【0022】
現像ユニット12は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のトナー(現像剤)に対応する4つの現像器18Y,18M,18C,18Kを円周方向に配列した状態で備えている。現像ユニット12は、矢印20で示す方向(およびこの反対方向にも)回転駆動可能になっている。現像ユニット12が回転して感光体14に対向する現像位置にきた現像器からトナーが供給されて、感光体14の表面に形成された静電潜像に静電力によって付着することで、トナー像が形成されるようになっている。また、本実施形態で用いられるトナーの正規極性は負極性であると仮定するが、本発明は正規極性が正極性のトナーについても適用可能である。
【0023】
感光体14は、ドラム状の基体の表面に感光層を有する公知のもので、メインモータ23によって矢印22で示す方向に回転駆動されるようになっている。感光体14の周囲には、その回転方向に沿って順に、感光体14の表面を例えば−600Vに均一帯電させる帯電装置24、均一帯電した感光体14の表面にレーザ露光して電位減衰部(例えば−50V)からなる静電潜像を形成する露光装置26、中間転写ベルト16を挟んで感光体14に隣接して設けられ一次転写バイアスが印加される一次転写ローラ(一次転写手段)28、および、一次転写ローラの静電作用によってトナー像が中間転写ベルト16上に一次転写された後に感光体14上に残留するトナーを掻き取って回収するクリーニング装置(クリーニング手段)30が配置されている。
【0024】
中間転写ベルト16は、例えば樹脂フィルム製のエンドレスベルトであり、その内部に配置された前記一次転写ローラ28を含む5つのローラ28,32,34,36,38の各外周部に支持された状態で、例えばローラ32がメインモータ23で駆動されることによって矢印40で示す方向に回転駆動されるようになっている。
【0025】
中間転写ベルト16の回転方向に関して感光体14の下流側であってローラ32で支持されている中間転写ベルト16の表面には、図示しない電源によって二次転写バイアスが印加される二次転写ローラ(二次転写手段)42が回転可能に圧接されている。この二次転写ローラ42と中間転写ベルト16との接触部が二次転写部になっており、この二次転写部に所定のタイミングで導入される記録媒体としての用紙P上に、中間転写ベルト16に一次転写されたトナー像が二次転写ローラ44の静電作用によって二次転写されるようになっている。
【0026】
トナー像が二次転写された用紙Pは、図示しない定着装置を通過することにより前記トナー像が加熱定着された後、画像形成装置10の外部に排出されることになる。
【0027】
前記ローラ36で支持されている中間転写ベルト16の部分の表面に隣接して、トナー回収帯電装置(現像剤回収帯電装置)50が設けられている。トナー回収帯電装置50は、一次転写されたトナー像と接触しない程度に中間転写ベルト16に近接して設けられ、二次転写後に中間転写ベルト16上に残留する転写残トナーを一時的に回収する回収機能と所定極性に帯電させる帯電機能とを有する回転可能なトナー回収帯電ローラ(現像剤回収帯電部材)52と、このトナー回収帯電ローラ52に電気的に接続された第1の交流電源54(第2電源)および第2の交流電源(第3交流電源)56と、これら第1および第2の交流電源54,56にそれぞれ接続された第1および第2の端子部54a,56a間で切り替えられる切替スイッチ58と、この切替スイッチ58に接続された直流電源(第1電源)60とを含んで構成されている。また、切替スイッチ58は、CPU62から入力される信号に基づいて切り替えられるようになっている。また、切替スイッチ58は、図2において点線で示すように、いずれの端子部54a,56aにも接触しない中立位置を採ることもできる。なお、本実施形態において、切替スイッチ58およびCPU62が本発明における制御手段を構成している。
【0028】
このように構成されるトナー回収帯電装置50において、トナー回収帯電ローラ52には、切替スイッチ58が第1の端子部54aに接触するとき、直流電源60よる直流電圧に第1の交流電源54による第1交流電圧が重畳された第1電圧が印加され、切替スイッチ58が第2の端子部56aに接触するとき、直流電源60よる直流電圧に第2の交流電源56による第2交流電圧が重畳された第2電圧が印加されるようになっている。ここで、第1交流電源の波形と第2交流電圧の波形とは、異なる形状にしてあり、その詳細については後述する。以下において、トナー回収帯電ローラ52に第1電圧が印加されている状態を「トナー回収モード」、トナー回収帯電ローラ52に第2電圧が印加されている状態を「トナー放出モード」と呼称する。
【0029】
なお、本実施形態では、波形が異なる交流電圧を発生する2つの交流電源54,56を用いて第1電圧および第2電圧を印加しているが、これに代えて、電圧値、波形、周波数、デューティ比等についてソフトウエア制御が可能な1つの高圧トランスを用いて、制御部のメモリに記憶されている電圧値や波形に基づいて前記第1電圧および前記第2電圧を発生させるようにしてもよい。
【0030】
図3に示すように、トナー回収帯電ローラ52は、例えば10〜10Ω程度の半導電性材料からなる円筒状ローラであり、具体的には、金属製円筒芯金の外周面を半導電性ゴム(例えばEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム))で被覆したものを用いることができる。トナー回収帯電ローラ52の両端部近傍にはそれぞれ、例えば厚み150μmの例えばPET製フィルムリング53(一方のみ図示)が貼着されている。これらのフィルムリング53が中間転写ベルト16の非画像形成領域に相当する両側部にそれぞれ当接することにより、トナー回収帯電ローラ52は、中間転写ベルト16との間にフィルムリング53の厚みに相当する150μmの隙間dを隔てて近接して設けられていることになる。
【0031】
前記隙間dは、上記においては150μmと例示したが、作像時に中間転写ベルト16上に重ね合わせて一次転写される複数色のトナー像と接触しないようにするには20μm以上であることが好ましく、一方、後述するクリーニング動作で説明するように低温低湿から高温高湿までのいかなる環境条件下においてもトナー回収帯電ローラ52と中間転写ベルト16との間に比較的均一な放電が発生する距離である200μm以下とするのが好ましい。
【0032】
また、後述するように二次転写後に中間転写ベルト16上に残留する転写残トナーを或る程度均一な電位に帯電させるためには、トナー回収帯電ローラ52と中間転写ベルト16との最近接部(すなわち隙間dの空間)で放電を発生させるためにトナー回収帯電ローラ52に印加される電圧に含まれる交流電圧のVP−Pは、VP−P>2×(6.2d+312)を満たす値であることが好ましいが、実際には中間転写ベルト16が抵抗体であるために電位をもつので、前記の条件式を満足する値よりも低くても用いることができる。
【0033】
次に、前記構成からなる画像形成装置10におけるカラー画像の作像動作について説明する。
例えばパソコン等の外部装置からプリント指令と共にカラー画像データがCPU62に入力されると、CPU62では、前記カラー画像データをY,M,C,Kに対応する各色データに展開処理して、これらの各色データに基づいて感光体14へのレーザ露光を行うよう露光装置26に対して信号を出力する。
【0034】
まず、矢印22の方向に回転駆動される感光体14の表面が帯電装置24によって例えば−600Vに均一帯電され、その均一帯電した感光体表面に対して露光装置26によってシアン用データに基づくレーザ露光が行われて、例えば−50Vの電位減衰部からなる静電潜像が形成される。
【0035】
そのとき、現像ユニット12が回転駆動されて現像器18Cが現像位置にきており、これにより感光体表面の静電潜像にシアントナーが供給されてシアントナー像が形成される。このシアントナー像は感光体14から中間転写ベルト16に一次転写される。なお、一次転写後に感光体14上に残留するトナーは、クリーニング装置30によって回収される。
【0036】
その後、マゼンタ、イエロー、ブラックについても同様のプロセスで順次にトナー像がそれぞれ形成されて、感光体14から中間転写ベルト16上に重ね合わせて順次に一次転写される。
【0037】
この作像中において、トナー回収帯電ローラ52は中間転写ベルト16との間に所定の隙間を設けて近接配置されているので、作像中にトナー回収帯電ローラ52が中間転写ベルト16上のトナー像と接触して乱してしまうことがない。
【0038】
上記のようにして中間転写ベルト16上に一次転写された4色トナー像は、二次転写部に所定のタイミングで下方から導入されてきた用紙Pに一括に二次転写される。その後、用紙Pは、定着装置を通過する際にトナー像が溶融定着された後、画像形成装置の外部(例えば、上面または側面に設けられた排紙トレイ)に排出される。
【0039】
続いて、画像形成装置10におけるトナー回収帯電装置50を用いて、二次転写後に転写ベルト16上に残留する転写残トナーのクリーニング動作について説明する。
【0040】
上述したようなカラー画像形成動作中、切替スイッチ58はいずれの端子部54a,56aにも接触していない中立位置にあり、トナー回収帯電ローラ52に電圧は印加されていない。そして、切替スイッチ58は、CPU62からの指令に応じて、4色トナー画像が中間転写ベルト16から用紙Pへ二次転写された後に各端子部54a,56aに接触するように切り替えられて、トナー回収モードおよびトナー放出モードを実行する。
【0041】
トナー回収モードは、二次転写後から次に印刷すべき画像が中間転写ベルト16へ一次転写されるまでの間、および、次の画像が無い場合は前記二次転写から所定時間後まで実行される。一方、トナー放出モードは、スタート時(画像形成装置の電源をオンして立ち上げたとき)、および、エンドシーケンス時(一連の作像動作が終了して次に印刷すべき画像が存在しないとき)に実行される。ここで、エンドシーケンス時の場合には、前記次に印刷すべき画像が無いときにトナー回収モードが前記二次転写から前記所定時間後まで実行された後に実行されることになる。
【0042】
上述したように、トナー回収モードは、中間転写ベルト16上の4色トナー像が用紙Pに二次転写された後に実行され、中間転写ベルト16上の転写残トナーの一部を回収する。前記トナー回収モードでは、切替スイッチ58は第1の端子部54aに接触した状態に切り替えられ、これによりトナー回収帯電ローラ52には第1電圧が印加される。図4に、前記第1電圧の波形を具体例として示す。この第1電圧は、直流電源60による直流電圧+300Vに、第1の交流電源54によるVP−P2800V、周波数1250Hzの鋸波状の第1交流電圧を重畳した電圧である。なお、前記周波数1250Hzは、画像形成装置10のプロセス速度(本実施形態では125mm/秒)から決定されるもので、プロセス速度[mm/秒]/周波数[Hz]≦1[mm]となる周波数とすることが好ましい。
【0043】
前記第1電圧の波形は、立ち上がり時間と立ち下がり時間とが異なっている鋸波状であり、具体的には、立ち上がり時間が比較的短くて立ち下がり時間が比較的長くしてあり、より具体的には、立ち上がり部では電圧値が−1100Vから+1700Vまで一瞬で上昇し、立ち下がり部では+1700Vから−1100Vまで比較的ゆっくりと変化する。別の表現をすれば、第1電圧の波形は、画像を形成しているトナーと同極性の−1100Vの電圧から同極性の+1700Vの電圧へ移行する際の変化が急激であり、画像を形成しているトナーと逆極性の+1700Vの電圧から同極性の−1100Vの電圧へ移行する際の変化が緩やかになっている。
【0044】
この波形の立ち上がり部の(1)で示す電位領域ではトナー回収帯電ローラ52と中間転写ベルト16との間でプラス側の放電が起こり、これにより転写残トナーは正規帯電極性とは逆極性のプラス電位に帯電させられる。続いての立ち下がり部の(2)で示す電位領域では、トナー回収帯電ローラ52と中間転写ベルト16との間で放電が発生せずに、中間転写ベルト16上のプラス帯電した転写残トナーをトナー回収帯電ローラ52へ移動させる方向の電界が形成され、これにより転写残トナーの一部が回転するトナー回収帯電ローラ52の外周面に移動および付着して一時回収される。さらに続いての立ち下がり部の(3)で示す電位領域では、トナー回収帯電ローラ52と中間転写ベルト16との間でマイナス側の放電が起こり、これにより転写残トナーはマイナス電位に帯電させられる。続いて、前記(3)の電位領域から前記(1)の電位領域へと変化する過程で、トナー回収帯電ローラ52と中間転写ベルト16との間にマイナス帯電した転写残トナーをトナー回収帯電ローラ52へと移動させる方向の電界が作用する瞬間があるが、この瞬間は時間的にはゼロに近いためにトナーが移動する前に前記(1)の電位領域でのプラス側放電が始まってプラス帯電させられるので、この間での転写残トナーのトナー回収帯電ローラ52への移動は起こらない。
【0045】
上述したような作用によって転写残トナーは、トナー回収帯電ローラ52で一部が回収されることによってその量が少なくなることで、トナー回収帯電ローラ52との対向領域を通過する転写残トナーをより確実に正規極性とは逆極性のプラス帯電した状態にすることができる。
【0046】
ここで、第1電圧が印加されたトナー回収帯電ローラ52の対向領域を通過する際に転写残トナーがプラス帯電する現象について詳細に説明すると、トナー回収帯電ローラ52と中間転写ベルト16との間の最接近部では上述したようにプラス放電とマイナス放電とが交互に発生するが、トナー回収帯電ローラ52の外周面が曲率を有しているので、中間転写ベルト16の移動方向に関して前記最接近部から下流側に進むに連れてトナー回収帯電ローラ52と中間転写ベルト16との間の距離が徐々に大きくなっていくことになる。このようにトナー回収帯電ローラ52と中間転写ベルト16との間の距離が大きくなるにつれて両者間に形成される電界の強度も次第に弱くなってゆき、やがて前記のような放電が発生しなくなる。しかし、このように放電が発生しなくなる位置はなおトナー回収帯電ローラ52に非常に近接した位置であるため、第1電圧に含まれる+300Vの直流電圧の作用によって転写残トナーが抵抗体である中間転写ベルト16の表面と共にプラス電位に帯電することになる。
【0047】
上記のようにしてトナー回収帯電ローラ52によってプラス帯電した転写残トナーは、中間転写ベルト16の回転に伴って感光体14との接触位置まで移動し、そこで静電潜像以外の部分において表面電位が−600Vである感光体14に電気的に吸着して逆転写された後、クリーニング装置30によって回収される。なお、後述するように、プラス帯電した転写残トナーがより確実に中間転写ベルト16から感光体14へ逆転写されるように、一次転写ローラ28に正極性の転写バイアスを印加した状態にして転写残トナーを感光体14に向けて押しやる方向の力を静電的に作用させるのが好ましい。
【0048】
一方、スタート時やエンドシーケンス時に、CPU62は、切替スイッチ58を第2の端子部56aに接触させるように切り替える。これにより、これによりトナー回収帯電ローラ52には第2電圧が印加されてトナー放出モードが実行される。
【0049】
図5に、前記第2電圧の波形を具体例として示す。この第2電圧は、直流電源60による直流電圧+300Vに、第2の交流電源56によるVP−P2800V、周波数1250Hzの鋸波状の第2交流電圧を重畳した電圧である。この第2交流電圧の波形も立ち上がり時間と立ち下がり時間とが異なっている鋸波状であるが、前記第1交流電圧とは異なった波形を有している。
【0050】
具体的には、第2電圧の波形は、第1電圧の波形とは逆に、立ち上がり時間が比較的長くて立ち下がり時間が比較的短くしてあり、立ち上がり部では電圧値が−1100Vから+1700Vまで比較的ゆっくりと上昇し、立ち下がり部では+1700Vから−1100Vまで一瞬に変化する。別の表現をすれば、第2電圧の波形は、画像を形成しているトナーと同極性の−1100Vの電圧から同極性の+1700Vの電圧へ移行する際の変化が緩やかで、画像を形成しているトナーと逆極性の+1700Vの電圧から同極性の−1100Vの電圧へ移行する際の変化が急激になっている。
【0051】
このような第2電圧がトナー回収帯電ローラ52に印加されると、前記作像時とは逆の作用によって、作像中に一時回収された転写残トナーがトナー回収帯電ローラ52から中間転写ベルト16上に放出され、第1電圧の場合と同様の作用よってプラス帯電した状態で中間転写ベルト16の回転に伴って感光体14との接触位置まで移動し、そこで静電潜像以外の部分において表面電位が−600Vである感光体14に電気的に吸着して逆転写された後、クリーニング装置30によって回収される。
【0052】
続いて、トナー回収モードおよびトナー放出モードの各実行タイミングを図6のタイミングチャートを参照して説明する。このタイミングチャートでは、2枚のカラー画像を連続してプリントする場合の例を示している。
【0053】
画像形成装置10にプリント信号が入力されると、メインモータ23がオンされて感光体14および中間転写ベルト16等の回転駆動が開始されるとともに、一次転写ローラ電圧がオンされて感光体14に形成されたトナー画像が中間転写ベルト14上に一次転写可能な状態になる。また、これに同期して、第2電圧が所定時間t1だけ印加される。ここで、トナー放出モードの第2電圧を印加するのは、前ジョブのプリント時にトナー回収帯電ローラ52に転写残トナーが一時回収されたままの状態になっている場合に、それらの転写残トナーを中間転写ベルト16上に放出して感光体14を介してクリーニング装置30に回収させるためである。
【0054】
中間転写ベルト16上への4色トナー像の転写が完了し、その4色トナー像が中間転写ベルト16の回転にしたがって二次転写部に差し掛かるタイミングで、二次転写ローラ42に二次転写ローラ電圧が印加され、これにより4色トナー像が用紙Pへ二次転写される。
【0055】
なお、中間転写ベルト16への4色トナー像の一次転写が終了して、次の画像のための一次転写が行われるまでの間、図6中の点線64で示すように一次転写電圧をオフしても構わないのであるが、上述したのと同様に前プリントのエンドシーケンスで中間転写ベルト16に放出されたトナーを感光体14に確実に逆転写させて回収するために、像間に相当する時間帯でも一次転写電圧をオン状態のままに維持するのが好ましい。
【0056】
二次転写後、中間転写ベルト16の回転に従って転写残トナーがある領域がトナー回収帯電ローラ52との対向位置に差し掛かるタイミングで第1電圧が所定時間t2だけオンされて、トナー回収モードが実行される。前記所定時間t2は、中間転写ベルト16が少なくとも一周するのに要する時間よりも長いことが好ましい。これは、転写残トナーの感光体14を介しての回収を中間転写ベルト16の全周にわったて確実に行うためである。
【0057】
2枚目の4色トナー像が中間転写ベルト16から用紙Pへ二次転写された後であってトナー回収モードが所定時間t2だけ実行された後、トナー回収帯電ローラ52への印加電圧が第2電圧に切り替えられて所定時間t1だけ印加され、トナー放出モードが実行される。このように、一連のプリント動作を終了して画像形成装置を停止させる(スタンバイ状態にする)前にトナー放出モードを実行して、トナー回収帯電ローラ52に一次回収されていた転写残トナーを中間転写ベルト16および感光体14を介して回収しておくことで、次のジョブのプリント指令が来たときに1枚目の画像が出力されるまでのファーストプリントタイムを短縮することが可能になる。
【0058】
前記トナー放出モードの終了に同期して、メインモータ23をオフして画像形成装置10を停止させる。なお、一次転写ローラ電圧は、中間転写ベルト16上の転写残トナーを感光体14へ回収するためになるべくオンしておくのが好ましいが、一次転写バイアスによる感光体14への転写メモリが生じないようにモータ停止(正確には、帯電装置24のオフ)よりも早くにオフするようにしている。
【0059】
なお、前記の例では、二次転写終了後にトナー回収帯電ローラ52による転写残トナーの回収と放出の両方を行った後に画像形成装置を停止させているが、これに限ることはなく、二次転写終了後に転写残トナーの回収だけを行って装置を停止させ、次のプリント信号が入った時点で転写残トナーの放出を行うようにしてもよし、また、二次転写終了後にそのまま画像形成装置を停止し、次のプリント指令が入った時点で転写残トナーの回収と放出を行うようにしてもよい。
【0060】
上述したように、本実施形態の画像形成装置10によれば、トナー回収帯電ローラ52が一次転写されたトナー像と接触しない程度に中間転写ベルト16に近接して設けられているので、作像中に一次転写されたトナー像に接触して乱してしまうことがない。これにより、トナー回収帯電ローラ52について接離駆動機構を設ける必要がなく、画像形成装置10の小型化と低コスト化に寄与することができる。
【0061】
また、転写残トナーが多い場合であっても、第1電圧が印加されてトナー回収モードにあるトナー回収帯電ローラ52によってその一部が一時的に回収されるので、残りの少なくなった転写残トナーを確実に正規極性とは逆極性にプラス帯電させられる。
【0062】
その結果として、中間転写ベルト用クリーニング装置を設けることなく、かつ、転写残トナーを帯電させるためのトナー回収帯電ローラ52に接離駆動機構を必要とせずに、転写残トナーを中間転写ベルト16から感光体14に確実に逆転写させて回収することができる。
【0063】
本発明は、前記実施形態で説明された内容に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内において種々の改良や変更が可能である。
【0064】
例えば、トナー回収モードで使用される図4に示す第1電圧の波形では、立ち上がり部および立ち下がり部のいずれも1本の直線になっているが、立ち上がり部と立ち下がり部とで形状が異なる波形としてもよい。この場合、トナー回収帯電ローラにトナーを移動させる時間を長くとるために、図4で(2)で示す領域においてなるべくマイナス側の時間を長くする波形が好ましい。例えば、第1電圧については、立ち上がり部が1本の直線であるのに対し、図7(a)に示すように立ち下がり部の前記(2)の領域を+300Vよりマイナス側で一定にしてもよいし、同(b)に示すように前記(2)の領域のほぼゼロボルト辺りで立ち下がり部が変曲点を有するように湾曲させてもよいし、同(c)に示すように前記(2)の領域のほぼ下限まで湾曲するようにしてもよい。なお、図6(a)−(c)にそれぞれ示す波形を+300Vを中心に上下逆にした波形の電圧がトナー放出モード時の第2電圧の波形となる。
【0065】
また、画像形成装置は、通常、温度センサおよび湿度センサを備えているため、これらのセンサで検出された温湿度に基づいて、第1および第2の交流電圧のVP−Pの値を変更する制御を行ってもよい。例えば、放電が発生しやすい高温高湿時にはVP−P値を通常時よりも小さく設定し、逆に、放電が発生しにくい低温低湿時にはVP−P値を通常時よりも大きく設定してもよい。
【0066】
さらに、トナー回収帯電部材は、ローラ形状のものに限定されず、他の形状のものであってもよい。例えば、図8に示すように、湾曲した板状のトナー回収帯電部材70を使用してもよい。トナー回収帯電部材70は、中間転写ベルト16に対向する抵抗層72と、その裏面に設けられた導電層74との2層構造を有している。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】画像形成装置の概略全体構成図。
【図2】トナー回収帯電装置の拡大図。
【図3】トナー回収帯電ローラの一端部拡大斜視図。
【図4】トナー回収モード用の第1電圧の波形を示す図。
【図5】トナー放出モード用の第2電圧の波形を示す図。
【図6】トナー回収・放出モードを示すタイミングチャート。
【図7】第1電圧の3種類の変形例の波形を示す図。
【図8】トナー回収帯電部材の変形例を示す図。
【符号の説明】
【0068】
10…画像形成装置
12…現像ユニット
14…感光体(像担持体)
16…中間転写ベルト(転写体)
18Y,18M,18C,18K…現像器
23…メインモータ
24…帯電装置
26…露光装置
28…一次転写ローラ(一次転写手段)
30…クリーニング装置(クリーニング手段)
42…二次転写ローラ(一次転写手段)
50…トナー回収帯電装置(現像剤回収帯電装置)
52…トナー回収帯電ローラ(現像剤回収帯電部材またはローラ)
53…フィルムリング
54…第1の交流電源(第2電源)
56…第2の交流電源(第3電源)
58…切替スイッチ(制御手段)
60…直流電源(第1電源)
62…CPU(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体から転写体上に一次転写された現像剤像を記録媒体に二次転写した後に前記転写体上に残留する転写残現像剤を前記像担持体に逆転写させてクリーニング手段で回収するために、前記転写体上の転写残現像剤の一時回収と帯電とを行う現像剤回収帯電装置であって、
前記一次転写された現像剤像と接触しない程度に前記転写体に近接して設けられ、前記転写残現像剤を一時的に回収する回収機能と所定極性に帯電させる帯電機能とを有する回収帯電部材と、
前記回収帯電部材に対して直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加するように接続された電源と、
前記現像剤回収帯電部材が現像剤回収モードと現像剤放出モードとの間で切り替わるように前記交流電圧の波形を変化させる制御手段と、を備えることを特徴とする現像剤回収帯電装置。
【請求項2】
前記直流電圧の極性は、前記現像剤の正規帯電極性とは逆極性であることを特徴とする請求項1に記載の現像剤回収帯電装置。
【請求項3】
前記交流電圧の波形は、立ち上がり時間および立ち下がり時間が異なるように切り替えられることを特徴とする請求項1に記載の現像剤回収帯電装置。
【請求項4】
前記交流電圧の波形は、立ち上がり部と立ち下がり部とで形状が異なることを特徴とする請求項1に記載の現像剤回収帯電装置。
【請求項5】
前記交流電圧の波形の切り替えは、作像条件に応じて実行されることを特徴とする請求項1に記載の現像剤回収帯電装置。
【請求項6】
表面に現像剤像が形成される像担持体と、
前記像担持体から前記現像剤像が一次転写される転写体と、
一次転写された前記現像剤画像を前記転写体から記録媒体へ二次転写する二次転写手段と、
二次転写後に前記転写体上に残留する転写残現像剤の一時回収および帯電を行う現像剤回収帯電装置と、
前記転写体から前記像担持体に逆転写した前記転写残現像剤を回収するクリーニング手段とを備えた画像形成装置であって、
前記現像剤回収帯電装置は、前記一次転写された現像剤像と接触しない程度に前記転写体に近接して設けられ、前記転写残現像剤を一時的に回収する回収機能と所定極性に帯電させる帯電機能とを有する現像剤回収帯電部材と、前記現像剤回収帯電部材に対して直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加するように接続された電源と、前記現像剤回収帯電部材が現像剤回収モードと現像剤放出モードとの間で切り替わるように前記交流電圧の波形を変化させる制御手段と、を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
複数色の現像剤に対応する複数の現像器を有する回転可能な現像ユニットをさらに備え、前記現像ユニットの回転によって前記像担持体に対向する現像位置にきた現像器によって前記像担持体上に現像剤像が形成されることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
像担持体から転写体上に一次転写された現像剤像を記録媒体に二次転写した後に前記転写体上に残留する転写残現像剤に、前記一次転写された現像剤像と接触しない程度に前記転写体に近接した現像剤回収帯電部材を介して前記転写残トナーに所定電圧を印加して、前記現像剤回収帯電部材で前記転写残現像剤を一時的に回収するとともに所定極性に帯電した後、前記転写残現像剤を前記像担持体に逆転写させてから回収するクリーニング方法であって、前記所定電圧が直流電圧に交流電圧を重畳した電圧であり、前記現像剤回収帯電部材が現像剤回収モードと現像剤放出モードとの間で切り替わるように前記交流電圧の波形を変化させることを特徴とする方法。
【請求項9】
回転駆動される像担持体と、
前記像担持体上に現像剤像を形成する像形成手段と、
前記像担持体に接触して回転される転写体と、
前記転写体を介し前記像担持体に対向して配置され、前記像担持体から前記転写体へ現像剤像を転写する一次転写手段と、
一次転写後に前記像担持体上に残留する現像剤を回収するクリーニング手段と、
前記転写体の回転方向において前記一次転写手段の下流側に配置され、前記転写体から記録媒体上へ現像剤像を二次転写する二次転写手段と、
前記転写体の回転方向において前記二次転写手段の下流側に配置され、前記転写体上に転写された現像剤像と接触しない程度に隙間をあけて対向して配置されたローラと、
前記像担持体上で像を形成している現像剤と同極性の直流電圧を前記ローラに印加する第1電源と、
或る波形の交流電圧を前記ローラに印加する第2電源と、
前記第2電源によって印加される交流電圧の波形と異なる波形の交流電圧を前記ローラに印加する第3電源と、
前記ローラに対し前記第1電源と前記第2電源とから電圧を所定時間印加した後、前記ローラに対し前記第1電源と前記第3電源とから電圧を所定時間印加するように、前記第1、第2および第3電源を切り替える制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
前記ローラに対し前記第1電源と前記第2電源とから電圧を印加する所定時間は、少なくとも前記転写体が一周する時間よりも長いことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記二次転写手段によって現像剤像が記録媒体へ転写された後に、ローラに対し前記第1電源と前記第2電源とから電圧を所定時間印加し、その後、前記ローラに対し前記第1電源と前記第3電源とから電圧を所定時間印加することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記第2電源によって印加される交流電圧の波形は、前記像を形成している現像剤と同極性の電圧から逆極性の電圧へ移行する際の変化は急激であり、前記像を形成している現像剤と逆極性の電圧から同極性の電圧へ移行する際の変化は緩やかであることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記第3電源によって印加される交流電圧の波形は、前記像を形成している現像剤と逆極性の電圧から同極性の電圧へ移行する際の変化は急激であり、前記像を形成している現像剤と同極性の電圧から逆極性の電圧へ移行する際の変化は緩やかであることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−299251(P2008−299251A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−147952(P2007−147952)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】