説明

現像装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置

【課題】 トナー濃度センサの検知面に現像剤が滞留することによる誤検知を防止しつつ、攪拌動作時の検知面での剤密度の差を低減することができる現像装置、並びにこれを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】 搬送スクリュ62Yの検知面と対向する位置に固定され、搬送スクリュ62Yが回転することにより検知面上の現像剤を攪拌する検知面攪拌部材を備えた検知面クリーニング部材70を有し、検知面攪拌部材は、弾性変形しながら検知面上の現像剤を攪拌する弾性体シート71であり、弾性体シート71は軸部62aに対して、軸部62aに対する羽部62bの傾きと同方向の傾きを有するように配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等に用いられる現像装置、並びにこれを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、現像装置として、トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤を用いるものが広く使用されている。この現像装置では、現像剤収容部内で攪拌混合して摩擦帯電させた二成分現像剤(以下、現像剤という)を現像剤担持体に担持させ、この現像剤より像担持体上の静電潜像に選択的にトナーを付着させてトナー像を得ている。現像によりトナーは消費され、現像剤中のトナー濃度が低下すると高濃度な画像が得られない。一方、現像剤中のトナー濃度が高すぎると地汚れ等が発生する。このように、高画質な画像を得るためには、現像剤担持体に担持される現像剤収容部内の現像剤のトナー濃度を一定範囲内に制御することが必要である。そこで、現像剤収容部内にトナーを補給するトナー補給装置を備えるものがある。このような現像装置では、現像剤収容部内のトナー濃度を検知する検知手段としてのトナー濃度検知装置(以下、トナー濃度センサという)と、現像剤収容部へのトナー補給量を制御するトナー補給量制御装置を設け、現像剤収容部内へのトナー補給を制御している。
【0003】
トナー濃度センサとしては、現像剤収容部の内壁面の一部を検知面とし、この検知面周辺の現像剤中の透磁率変化を検知する磁気検知型が知られている。このトナー濃度センサでは検知面に現像剤が滞留すると正確なトナー濃度を検知することができなくなり、トナー補給量制御装置の誤作動の原因となる。
【0004】
そこで、特許文献1では、現像剤収容部内の現像剤を攪拌しながら搬送する搬送スクリュの軸部の検知面と対向する位置に平板部材を軸部に対して平行になるように固定し、この平板部材に弾性体シートが平行になるように固定されたものが提案されている。そして、平板部材及び弾性体シートが搬送スクリュとともに回転し、弾性体シートが検知面を摺擦することで検知面の現像剤を攪拌する。このように、検知面の現像剤を攪拌することによりトナー濃度センサの検知面に現像剤が滞留することによる誤検知を防止することができる。なお、平板部材の曲げ剛性は弾性体シートに比べて十分大きく、現像剤を除去し、攪拌する動作による平板部材の変形は無視できるものである。
【0005】
【特許文献1】特開平05−150650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されているように弾性体シートよって検知面の現像剤を攪拌する構成の場合、攪拌動作時の弾性体シートが検知面を摺擦する周期に合わせてトナー濃度センサの検出値が周期的に変化した。これは、弾性体シートが検知面を摺擦する前後で、検知面での現像剤の剤密度が変化するためである。詳しくは、弾性体シートが検知面を摺擦する前は、弾性体シートが検知面に対して現像剤を押し付ける状態となって検知面での剤密度が上昇する。また、弾性体シートが検知面を摺擦するときに弾性体シートが検知面近傍の現像剤を跳ね上げるため、弾性体シートが検知面を摺擦した後は、検知面近傍に空隙が生じるような状態となり検知面での剤密度が低下する。
このような攪拌動作時の検知面での剤密度の差が大きいと、トナー濃度センサの検知精度が低下するため、検知面での剤密度の差を低減することが望まれる。また、攪拌動作時の検知面での剤密度の差は、搬送スクリュの回転数、設置環境、現像剤の経時劣化など使用条件の外乱によってばらつきが生じ、攪拌動作時の検知面での剤密度の差が大きいとユーザーの使用条件ごとのトナー濃度検知制度もばらつきも大きくなるため、検知面での剤密度の差を低減することが望まれる。
【0007】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、トナー濃度センサの検知面に現像剤が滞留することによる誤検知を防止しつつ、攪拌動作時の検知面での剤密度の差を低減することができる現像装置、並びにこれを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、トナーとキャリアとを含む現像剤を担持し、現像に用いる現像剤担持体と、該現像剤担持体に供給する現像剤を収容する現像剤収容部を形成するケーシングと、軸部に螺旋状の羽部を固定し、該軸部を中心に回転することによって該ケーシング内の該現像剤を攪拌しながら軸部の軸線方向に搬送する搬送スクリュと、該搬送スクリュの軸部と平行な該ケーシングの内壁面の一部が検知面となり、該現像剤中のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段と、該搬送スクリュの該検知面と対向する位置に固定され、該搬送スクリュが回転することにより該検知面上の該現像剤を攪拌する検知面攪拌部材とを有する現像装置において、該検知面攪拌部材は、弾性変形しながら該検知面上の該現像剤を攪拌する弾性体シートであり、該弾性体シートは該軸部に対して、該軸部に対する該羽部の傾きと同方向の傾きを有するように配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、トナーとキャリアとを含む現像剤を担持し、現像に用いる現像剤担持体と、該現像剤担持体に供給する現像剤を収容する現像剤収容部を形成するケーシングと、軸部に螺旋状の羽部を固定し、該軸部を中心に回転することによって該ケーシング内の該現像剤を攪拌しながら軸部の軸線方向に搬送する搬送スクリュと、該搬送スクリュの軸部と平行な該ケーシングの内壁面の一部が検知面となり、該現像剤中のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段と、該搬送スクリュの該検知面と対向する位置に固定され、該搬送スクリュが回転することにより該検知面上の該現像剤を攪拌する検知面攪拌部材とを有する現像装置において、該検知面攪拌部材として、弾性変形しながら該検知面上の該現像剤を攪拌し、該検知面上の該軸線方向について該現像剤を攪拌する領域が互いに異なる複数の弾性体シートを備え、複数の該弾性体シートのうち、該軸線方向について隣り合う該弾性体シートの該搬送スクリュの回転方向についての位置が互いに異なるように配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の現像装置において、複数の上記弾性体シートの少なくとも一つが現像剤を攪拌する領域内に、上記検知面が含まれることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2または3の現像装置において、複数の上記弾性体シートは、上記軸線方向についての位置が上記搬送スクリュの搬送方向下流側の該弾性体シートほど、該搬送スクリュの回転方向の位置が回転方向上流側となるように配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項2、3または4の現像装置において、複数の上記弾性体シートのうち、少なくとも一つの弾性体シートは該軸部に対して、上記軸部に対する上記羽部の傾きと同方向の傾きを有するように配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5の現像装置において、上記搬送スクリュの上記検知面と対向する位置の上記軸部に固定され、該搬送スクリュの回転によって上記内壁面に接触することなく回転し、上記現像剤を攪拌する動作では変形し難い剛性を有する平板部材を有し、該平板部材は該軸部に対して、該軸部に対する上記羽部の傾きと同方向の傾きを有するように配置され、該平板部材に上記弾性体シートが固定されていることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1の現像装置において、上記搬送スクリュの上記検知面と対向する位置の上記羽部に上記弾性体シートが固定されていることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6または7の現像装置において、上記内壁面に囲まれ、上記搬送スクリュによって上記現像剤に搬送力が付与される現像剤搬送路について、該現像剤搬送路の上記軸部に直行する平面における断面積が、上記搬送スクリュの搬送方向の上記検知面近傍に対して上流側に比べて、該検知面近傍の方が小さいことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の現像装置において、上記羽部の螺旋ピッチ幅が、上記搬送スクリュの搬送方向の上記検知面近傍に対して上流側に比べて、該検知面近傍の方が狭いことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、少なくとも、像担持体と該像担持体上の潜像を現像する現像手段とが一体的に支持され、画像形成装置本体に対して着脱自在に構成されたプロセスカートリッジにおいて、該現像手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9に記載の現像装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、該像担持体上に静電潜像を形成するための潜像形成手段と、該静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段とを有する画像形成装置において、該現像手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10に記載の現像装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の画像形成装置において、少なくとも、上記像担持体と上記現像装置とが一体的に支持され、画像形成装置本体に対して着脱自在に構成されたプロセスカートリッジを有することを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、トナーとキャリアとを含む現像剤を担持し、現像に用いる現像剤担持体と、該現像剤担持体に供給する現像剤を収容する現像剤収容部を形成するケーシングと、軸部に螺旋状の羽部を固定し、該軸部を中心に回転することによって該ケーシング内の該現像剤を攪拌しながら軸部の軸線方向に搬送する搬送スクリュと、該搬送スクリュの軸部と平行な該ケーシングの内壁面の一部が検知面となり、該現像剤中のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段と、該搬送スクリュの該検知面と対向する位置に固定され、該搬送スクリュが回転することにより該検知面上の該現像剤を攪拌する検知面攪拌部材とを有する現像装置において、該検知面攪拌部材は、該搬送スクリュの該検知面と対向する位置の該軸部に固定され、該搬送スクリュの回転によって該内壁面に接触することなく回転し、該現像剤を攪拌する動作では変形し難い剛性を有する平板部材であることを特徴とするものである。
【0009】
特許文献1に記載の弾性シートを搬送スクリュの軸部に対して平行に配置した現像装置では、検知面の現像剤は軸線方向における位置に関係なく、弾性体シートによって一気に検知面に押し付けられるため、検知面での剤密度の最大値が大きくなってしまう。また、弾性体シートが検知面の現像剤を跳ね上げるときにも検知面の現像剤は軸線方向における位置に関係なく、弾性体シートによって一気に跳ね上げられるため、弾性体シートが通過した後の検知面は空隙が生じやすく、検知面での剤密度の最小値が小さくなってしまう。
上記請求項1の構成を備える発明においては、弾性体シートが軸部に対して羽部と同方向の傾きを有しているので、弾性体シートが現像剤を押す力は搬送スクリュの回転方向だけでなく、搬送スクリュの搬送方向にも働く。搬送方向と弾性体シートが現像剤を押す方向とが同方向であることにより、弾性体シートを設けた位置に対して搬送方向の下流側では、搬送スクリュの搬送力によって現像剤がさらに下流側に搬送されるため、弾性体シートによって押された現像剤を受け入れることができる。よって、弾性体シートと検知面との間の現像剤は、搬送方向にずれながら検知面に押されるため、一気に検知面に押し付けられるものに比べて弾性体シートによって検知面に一度に押し付けられる現像剤の量が減少し、検知面での剤密度の最大値の低減を図ることができる。また、弾性体シートの検知面における攪拌位置は、搬送方向上流側から下流側へと移動する。そして、弾性体シートは搬送方向上流側から検知面にある現像剤を順次跳ね上げて行くが、弾性体シートが現像剤を跳ね上げによって生じる空隙に、弾性体シートを設けた位置に対して搬送方向の上流側から順次現像剤が搬送されてくる。このため、一気に検知面の現像剤を跳ね上げるものに比べて弾性体シートが通過した後の検知面は空隙が生じにくく、検知面での剤密度の最小値の底上げを図ることができる。
また、上記請求項2の構成を備える発明においては、検知面上の軸線方向について現像剤を攪拌する領域が互いに異なる複数の弾性体シートを備え、軸線方向について隣り合う弾性体シートの該搬送スクリュの回転方向についての位置が互いに異なるように配置されていることにより、隣り合う弾性体シートでは検知面を攪拌するタイミングが異なる。これにより、検知面全体が一度に攪拌されず、複数回に分かれて段階的に攪拌されることになる。このため、一枚の弾性体シートによって検知面上の現像剤を一気に跳ね上げるものに、比べて、弾性体シートが通過した後の検知面に空隙が生じにくく、検知面での剤密度の最小値の底上げを図ることができる。
また、上記請求項13の発明においては、平板部材が搬送スクリュの軸部に対して羽部と同方向の傾きを有しているので、平板部材が現像剤を押す力は搬送スクリュの回転方向だけでなく、搬送スクリュの搬送方向にも働く。このため、上述の検知面攪拌部材として弾性体シートを備える構成と同様に、検知面攪拌部材として平板部材を軸部に対して平行に設けたものに比べて、検知面での剤密度の最大値の低減、及び、最小値の底上げを図ることができる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1乃至13の発明によれば、検知面攪拌部材を搬送スクリュの軸部に対して平行に備えるものに比べて、検知面での剤密度の最大値の低減、及び、最小値の底上げを図ることができるため、トナー濃度センサの検知面に現像剤が滞留することによる誤検知を防止しつつ、攪拌動作時の検知面での剤密度の差を低減することができるという優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を適用した画像形成装置の実施形態の一例として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタ100という)について説明する。なお、作像部に関してはプロセスカートリッジとして説明する。
まず、画像形成装置であるプリンタ100の基本的な構成について説明する。図1は、プリンタ100の概略構成図である。図において、このプリンタ100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、M、C、Kと記す)のトナー像を生成するための4つのプロセスカートリッジ6Y、M、C、Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY、M、C、Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。
Yトナー像を生成するためのプロセスカートリッジ6Yを例にすると、図2に示すようにドラム状の感光体1Y、ドラムクリーニング装置2Y、除電装置(不図示)、帯電装置4Y、現像装置5Y等を備えている。このプロセスカートリッジ6Yは、プリンタ100本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
【0012】
帯電装置4Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる感光体1Yの表面を一様に帯電せしめる。一様に帯電せしめられた感光体1Yの表面は、レーザ光Lによって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。このY用の静電潜像は、Yトナーを用いる現像装置5YによってYトナー像に現像される。感光体1Y上に形成されたYトナー像は、一次転写ニップにおいて中間転写ベルト8上に中間転写される。ドラムクリーニング装置2Yは、一次転写工程を経た後の感光体1Y表面に残留したトナーを除去する。また除電装置は、クリーニング後の感光体1Yの残留電荷を除電する。この除電により、感光体1Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他のプロセスカートリッジ6M、C、Kにおいても、同様にして感光体1M、C、K上にM、C、Kトナー像が形成され、中間転写ベルト8上に中間転写される。
【0013】
先に示した図1においてプロセスカートリッジ6Y、M、C、Kの図中下方には露光装置7が配設されている。
潜像形成手段たる露光装置7は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、プロセスカートリッジ6Y、M、C、Kにおけるそれぞれの感光体1Y、M、C、Kに照射して露光する。この露光により、感光体1Y、M、C、K上にそれぞれY、M、C、K用の静電潜像が形成される。なお露光装置7は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動したポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。
【0014】
露光装置7の図中下側には、紙収容カセット26、これらに組み込まれた給紙ローラ27、レジストローラ対28などを有する給紙手段が配設されている。紙収容カセット26は、記録体たる転写紙Pが複数枚重ねて収納しており、それぞれの一番上の転写紙Pには給紙ローラ27が当接している。給紙ローラ27が図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転せしめられると、一番上の転写紙Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給紙される。
レジストローラ対28は、転写紙Pを挟み込むべく両ローラを回転駆動するが、転写紙Pを挟み込んですぐに回転を一旦停止させる。そして、転写紙Pを適切なタイミングで後述の二次転写ニップに向けて送り出す。
かかる構成の給紙手段においては、給紙ローラ27と、タイミングローラ対たるレジストローラ対28との組合せによって搬送手段が構成されている。この搬送手段は、転写紙Pを収容手段たる紙収容カセット26から後述の二次転写ニップまで搬送するものである。
【0015】
プロセスカートリッジ6Y、M、C、Kの図中上方には、中間転写体たる中間転写ベルト8を張架しながら無端移動せしめる中間転写ユニット15が配設されている。この中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8の他、4つの一次転写バイアスローラ9Y、M、C、K、クリーニング装置10などを備えている。また二次転写バックアップローラ12、クリーニングバックアップローラ13、テンションローラ14なども備えている。
中間転写ベルト8は、これら3つのローラに張架されながら、少なくとも何れか1つのローラの回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。
【0016】
一次転写バイアスローラ9Y、M、C、Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト8を感光体1Y、M、C、Kとの間に挟み込んでそれぞれ一次転写ニップを形成している。これらは中間転写ベルト8の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する方式のものである。中間転写ベルト8の裏面(ループ内周面)に配置された、一次転写バイアスローラ9Y、M、C、Kを除くローラは、全て電気的に接地されている。
中間転写ベルト8は、その無端移動に伴ってY、M、C、K用の一次転写ニップを順次通過していく過程で、感光体1Y、M、C、K上のY、M、C、Kトナー像が重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト8上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
【0017】
二次転写バックアップローラ12は、二次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで二次転写ニップを形成している。中間転写ベルト8上に形成された4色トナー像は、この二次転写ニップで転写紙Pに転写される。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト8には、転写紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、クリーニング装置10によってクリーニングされる。
【0018】
二次転写ニップにおいては、転写紙Pが互いに順方向に表面移動する中間転写ベルト8と二次転写ローラ19との間に挟まれて、レジストローラ対28側とは反対方向に搬送される。
二次転写ニップから送り出された転写紙Pは、定着装置20のローラ間を通過する際に熱と圧力とにより、表面に転写された4色トナー像が定着される。その後、転写紙Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て機外へと排出される。
プリンタ100本体の上面には、スタック部30が形成されており、排紙ローラ対29によって機外に排出された転写紙Pは、このスタック部30に順次スタックされる。
【0019】
中間転写ユニット15と、これよりも上方にあるスタック部30との間には、ボトル収容器31が配設されている。このボトル収容器31は、Y、M、C、Kトナーを収容する補給用トナー収容部としてのトナーボトル32Y、M、C、Kを収容している。トナーボトル32Y、M、C、Kは、ボトル収容器31上にトナー各色毎に上から置くようにして設置する。トナーボトル32Y、M、C、K内のY、M、C、Kトナーは、後述するトナー搬送手段としてのトナー補給装置により、プロセスカートリッジ6Y、M、C、Kの現像装置にそれぞれ適宜補給される。これらのトナーボトル32Y、M、C、Kは、プロセスカートリッジ6Y、M、C、Kとは独立してプリンタ100本体に脱着可能である。
【0020】
次に、プロセスカートリッジ6Yが備える現像装置5Yの構成について説明する。図2は、プロセスカートリッジ6Yを感光体の回転軸の軸線方向から見た概略断面図であり、後述する、制御部57Y及び駆動モータ41Yは模式的に示している。また、図3は現像装置5Yの上部カバー67Yを取り外した状態の上面図である。
現像装置5Yは、内部に磁界発生手段を備え、磁性粒子とトナーを含む二成分系現像剤を表面担持して搬送する現像剤担持体としての現像スリーブ51Yと、現像スリーブ51Y上に担持されて搬送される現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材としての現像ドクタ52Yとを備えている。
現像スリーブ51Yの下方には、ケーシング55Yに囲まれた現像剤収容部があり、仕切り壁59Yによって、現像スリーブ51に現像剤を供給する第一現像剤収容部53Yと、トナー補給部58Yからトナーの補給を受ける第二現像剤収容部54Yとに仕切られている。第一現像剤収容部53Y内にはトナーを撹拌搬送するための第一搬送スクリュ61Yを備えており、第二現像剤収容部54Y内には第二搬送スクリュ62Yを備えている。第二搬送スクリュ62Yは、螺旋状の羽部62bYを軸部62aYに固定した構造になっており、第一搬送スクリュ61Yも同様の構成となっている。また、第一現像剤収容部53Y内の現像剤は第一搬送スクリュ61Yの回転により、図3中の右から左(図2中の手前側から奥側)へ搬送され、第二現像剤収容部54Y内の現像剤は第二搬送スクリュ62Yの回転により、図3中の左から右(図2中の奥側から手前側)へ搬送される。そして、搬送スクリュの軸線方向(図3中の左右方向)についての仕切り壁59Yの両端部は開口部となっており、現像剤は第一現像剤収容部53Yと第二現像剤収容部54Yとの間を循環するようになっている。
【0021】
また、第二現像剤収容部54Yのケーシング55Yの下方外壁面には第二現像剤収容部54Y内の現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサ56Yがある。外壁面にトナー濃度センサ56Yを設けた箇所のケーシング55Yの内壁面はトナー濃度センサ56Yの検知領域としての検知面80となる。第二搬送スクリュ62の回転軸である軸部62aYの検知面80に対向する位置には、詳細は後述する検知面クリーニング部材70Yが固定されている。
なお、トナー濃度センサ56Yはセンサの一部を現像剤と接触する位置に設けなくても、トナー濃度を検知することができる非接触型のトナー濃度センサである。このようなトナー濃度センサとしては、特開2004−139038に記載されているもの等を用いることができる。
また、検知面80Yとは非接触のトナー濃度センサ56Yが検知する領域の現像剤収容部を形成するケーシング55Yの内壁面であり、検知面として特別な部材を設けているわけではない。
なお、トナー濃度センサとしては非接触のセンサに限るものではなく、例えば、ケーシング55Yの外側からセンサ面が内側に突き出す形で取り付けられるセンサを用いてもよい。また、ケーシング55Yの内壁面に配置するものであっても良い。
【0022】
次に、この現像装置の動作について説明する。現像装置5Yにおいては、現像剤収容部内の現像剤にはキャリアとトナーが含まれており、トナーは現像剤が所定のトナー濃度範囲内になるように取り込まれる。トナーはトナーボトル32Yから不図示のトナー搬送装置のトナー搬送パイプ43Yを通過し、トナー補給部58Yより第二現像剤収容部54Yに補給される。その後第二搬送スクリュ62Y及び第一搬送スクリュ61Yにより攪拌され現像剤中に取り込まれ、キャリアとの摩擦帯電により帯電される。第一現像剤収容部53Y内の帯電したトナーを含む現像剤は、内部に磁極を有する現像スリーブ51Yの表面に供給され、磁力により現像剤層を形成して担持される。現像スリーブ51Yに担持された現像剤層は、現像スリーブ51Yの回転に伴い矢印方向に搬送される。途中、現像ドクタ52Yで現像剤層の層厚を規制されたのち、感光体1Yと対向する現像領域まで搬送される。
現像領域では、感光体1Y上に形成された潜像にトナーが供給されて現像が行われる。現像スリーブ51Y上に残った現像剤層は現像スリーブ51Yの回転に伴い第一現像剤収容部53Yの現像剤搬送方向上流部分に搬送される。
【0023】
現像によりトナーが消費され、現像装置5Y内のトナー濃度が低下すると、検知面80周辺の現像剤のトナー濃度も低下し、第二現像剤収容部54Yの下方のトナー濃度センサ56Y及び制御部57Yによりトナー濃度の低下を検知する。その検知結果に基づいて、制御部57Yは不図示のトナー補給装置の駆動モータ41Yを駆動し、トナー搬送パイプ43Yからトナーの補給がなされる。
【0024】
次に、本実施形態の特徴部である検知面クリーニング部材70Yについて説明する。検知面クリーニング部材70Yは、第二搬送スクリュ62Yが図中矢印方向に回転することにより共に回転し、検知面80Y上の現像剤を除去し、攪拌するものである。
そして、本実施形態の検知面クリーニング部材70Yは第二搬送スクリュ62Yの軸部62aYに対して、この軸部62aYに対する羽部62bY羽部の傾きと同方向の傾きを有するように配置されている。このように、検知面クリーニング部材70Yを軸部62aYに対して羽部62bY羽部と同方向に斜めに配置することで、検知面クリーニング部材70Yの攪拌動作が現像剤の搬送を妨げることを抑制することができる。
【0025】
〔実施例1〕
次に、本実施形態の特徴部を備えた現像装置5Yの一つ目の実施例(以下、「実施例1」と呼ぶ)について説明する。
図4は、実施例1の現像装置5Yが備える第二搬送スクリュ62Yの検知面クリーニング部材70Yが固定された部分の近傍の拡大説明図である。図5は、トナー濃度センサ56Yを設けた位置での第二現像剤収容部54Yの拡大断面図である。図5中の破線で示す61cY及び62cYは、それぞれ第一搬送スクリュ61Yの羽部61bY及び第二搬送スクリュ62Yの羽部62bYの径方向外側端部(図5中の61eY及び62eY)が描く軌道を示している。
【0026】
図4及び図5に示すように、実施例1の検知面クリーニング部材70Yは、第二搬送スクリュ62Yの軸部62aYに固定された平板部材としてのフィン72Yとフィン72Yに貼り付けられた弾性体シート71Yとからなる。そして、第二搬送スクリュ62Yが図中矢印α方向に回転すると、弾性体シート71Yによって検知面80Y上の現像剤が攪拌されるようになっている。本実施例1の弾性体シート71Yとしてはウレタンシートを用いるが、弾性体シート71Yを構成する弾性体としてはこれに限るものではない。
図5中の破線で示す弾性体シート71Yは、弾性変形していない状態での弾性体シート71Yを仮想的に描いたものであり、実際に弾性体シート71Yを備える第二搬送スクリュ62Yを現像装置5Yに取り付けると、図5中の実線で示すように弾性体シート71Yは弾性変形した状態で、検知面80Yを摺擦する。これにより、検知面上の現像剤を除去し、検知面上の現像剤を攪拌することができる。
【0027】
また、図3中の符号70wで示す検知面クリーニング部材70Yの軸線方向の幅(本実施例1では弾性体シート71Yの軸線方向の幅)は、検知面80Yよりも広く構成されており、第二搬送スクリュ62Yが回転することにより、検知面80Y全体の現像剤を攪拌することができるようになっている。
【0028】
トナー濃度センサの検知面の現像剤を除去するクリーニング部材として、弾性体シートを用いる従来の現像装置としては、上記特許文献1や特開2006−154001号公報などに記載されているものがある。これらの現像装置でも、本実施形態の現像装置5Yと同様に、搬送スクリュの軸部に弾性体シートを設け、この弾性体シートをトナー検出部の検出面に接触させて付着した現像剤を拭きとるようにしている。
しかし、これらの現像装置では、弾性体シートで検知面の現像剤を撹拌する際、弾性体シートの先端が検知面を通過する、前/後で生じる現像剤密度差が大きくなった。これは、検知面攪拌部材である弾性体シートが軸部に対して平行に固定されていることに起因する。また、現像剤密度差は、線速モード,環境,現像剤の流動性,などの外乱でばらつくため、ユーザーの使用条件ごとにトナー濃度検知精度もばらついてしまう。
【0029】
一方、本実施例1の現像装置5Yでは、図3及び図4に示すように、検知面攪拌部材である弾性体シート71Yが第二搬送スクリュ62Yの軸部62aYに対して、この軸部62aYに対する羽部62bY羽部の傾きと同方向の傾きを有するように配置されている。これにより、剤密度が最大となる弾性体シート71Yの先端が検知面80Yを通過する直前の検知面80Yの現像剤密度の上昇、及び、剤密度が最小となる弾性体シート71Yの先端が検知面80Yを通過した直後の検知面80Yの現像剤密度の低下を抑制することができる。剤密度の最大値の上昇、及び、最小値の低下を抑制することができるので、弾性体シート71Yの先端が検知面80Yを通過する、前/後で生じる現像剤密度差を抑制することができる。また、現像剤密度差を抑制することができることにより、本実施例1の現像装置5Yでは、線速モード,環境,現像剤の流動性,などの外乱による現像剤密度差のばらつきを抑制することができる。
【0030】
本実施例1の第一搬送スクリュ61Y及び第二搬送スクリュ62Yは樹脂からなり、軸部に羽部を取り付けた形状を一体成形により作成される。
また、第二搬送スクリュ62Yはフィン72Yも一体成形により作成され、軸部62aYにフィン72Yが固定された形状となっている。弾性体シート71Yは接着剤等によってフィン72Yの回転方向下流側の面に貼り付けられて固定される。
【0031】
上述した従来の現像装置のうち、上記特許文献1に記載の現像装置では、弾性体シートとして曲げ剛性が一様な弾性部材を用いて、検知面を摺擦する構成である。弾性体シートとして曲げ剛性が一様な弾性部材を用いた場合、その曲げ剛性が高い場合は弾性体シートが弾性変形しにくく、検知面やケーシングの内壁面に対する押圧力と摩擦とにより凝集トナーが発生するおそれがあった。また、曲げ剛性が低い場合は弾性体シートが検知面に滞留した現像剤に屈してしまい、現像剤の攪拌が十分になされず攪拌不良となるおそれがあった。
一方、特開2006−154001号公報に記載の現像装置では、弾性体シートとして、弾性変形する部分の先端側よりも根元側の方の曲げ剛性が大きくなる様な弾性部材を用いて、検知面を摺擦する構成である。先端側の曲げ剛性を小さくすることにより、押圧力と摩擦とを抑制し、凝集トナーの発生を抑制することができる。また、根元側の曲げ剛性を大きくすることにより、検知面に滞留した現像剤に屈することを防止し、攪拌不良を防止することができる。
【0032】
そして、本実施例1の現像装置5Yも特開2006−154001号公報に記載の現像装置と同様に、弾性体シート71Yとして弾性変形する部分の先端側よりも根元側の方の曲げ剛性が大きくなる様な弾性部材を用いている。
本実施例1の現像装置5Yは、図5に示すように、弾性体シート71Yが第一シート71aYと第二シート71bYとの二枚の弾性シートを貼り付けて構成されている。第二シート71bYは、その先端がフィン72Yの先端よりも径方向外側に突き出て、且つ、その先端がケーシング55Yの内壁面に届かない程度の長さである。第一シート71aYは、その先端が第二シート71bYの先端よりもさらに径方向外側に突き出ており、さらに、その先端がケーシング55Yの内壁面に接触して弾性変形した状態で摺擦できる長さである。このような形状により、弾性体シート71Yは、弾性変形するフィン72Yよりも径方向外側の部分のうち根元側が第一シート71aYと第二シート71bYとが重なっているため、第一シート71aYだけの先端側に比べて曲げ剛性が大きくなる。これにより、上記特開2006−154001号公報に記載の現像装置と同様に、凝集トナーの発生や攪拌不良を防止することができる。
【0033】
また、現像装置では、トナー濃度センサ検知領域近傍の現像剤の嵩密度が変動すると、同じトナー濃度であっても現像剤の磁束密度が変化し、検知誤差の原因になる問題があった。
このような問題を改善する現像装置として、特開2003−307918号公報には、トナー濃度センサの設置位置およびその近傍領域における現像搬送路の断面積を、現像装置の天板を下げることにより、それ以外の現像剤搬送路の断面積に比べ小さくすることで、現像剤の嵩密度変動を低減するものが提案されている。
そして、本実施例1の現像装置5Yも特開2003−307918号公報に記載の現像装置と同様に、検知面80Yおよびその近傍領域における第二現像剤収容部54Yの断面積を、現像装置5Yの上部カバー67Yの下面を下げることにより、それ以外の第二現像剤収容部54Yの断面積に比べ小さくしている。
【0034】
図6は、検知面80Y近傍の上部カバー67Yの下面を下げる構成の説明図である。図6(a)は、現像装置5Yの第二現像剤収容部54Yを図3中の矢印A方向から見た、第二現像剤収容部54Yの側方説明図であり、図6(b)は、上部カバー67Yの下面の説明図である。
図6に示すように、第二現像剤収容部54Yの検知面クリーニング部材70Yと対向する位置の天井が他の部分の天井よりも低くなるように、上部カバー67Yに天井凸部67aYを設けている。この天井凸部67aYの断面形状は、図5に示すように、羽部62bYの径方向外側端部62eYが描く軌道に沿った形状となっている。このような天井凸部67aYを設けた位置では第二現像剤収容部54Yの他の位置よりも断面積が狭くなり、他の位置よりも現像剤が詰まった状態となり、現像剤の嵩密度の変動が生じにくくなる。これにより、検知面80Yは検知面クリーニング部材70Yと対向する位置にあるため、上述のような天井凸部67aYを設けることにより、検知面80Y近傍の現像剤の嵩密度が変動することを抑制している。
このように、嵩密度の変動を抑制する構成であっても、検知面攪拌部材によって、検知面上の現像剤を押し付け、及び、跳ね上げにより、嵩密度の変動が生じ、嵩密度の変動を防止しきれない。本実施例1では、検知面攪拌部材である弾性体シート71Yによって検知面80Y上の現像剤を攪拌する構成であって、弾性体シート71Yを軸部62aYに対して羽部62bYと同方向に傾斜させているため、検知面攪拌部材を軸部に対して平行に設ける構成に比べて、検知面攪拌部材の攪拌動作に起因する嵩密度の変動を防止することができる。
なお、以上の本実施形態及び実施例1については、イエロー(Y)トナーを用いるイエロー用の現像装置5Y及びプロセスカートリッジ6Yについて説明したが、他色のトナーを用いるトナーについても同様の構成を用いることができる。
【0035】
〔実施例2〕
次に、本実施形態の特徴部を備えた現像装置5Yの二つ目の実施例(以下、「実施例2」と呼ぶ)について説明する。
図7は、実施例2の現像装置5Yが備える第二搬送スクリュ62Yの検知面クリーニング部材70Yが固定された部分の近傍の拡大説明図である。実施例2は、検知面クリーニング部材70Yの構成のみが実施例1と異なり、他の構成は実施例1と共通するので、以下、相違する構成について説明し、共通する構成についての説明は省略する。
図7に示すように、実施例2の検知面クリーニング部材70Yは、第二搬送スクリュ62Yの一部に弾性体シート71Yを貼り付けた構成である。そして、第二搬送スクリュ62Yが図中矢印α方向に回転すると、弾性体シート71Yによって検知面80Y上の現像剤が攪拌されるようになっている。
トナー濃度センサは、実施例1と同様に、外壁面にトナー濃度センサ56Yを設けた箇所のケーシング55Yの内壁面はトナー濃度センサ56Yの検知領域としての検知面80となる。また、検知面80Y上の現像剤を攪拌する弾性体シート71Yは、実施例1と同様に複数枚の弾性シートを貼り付けて構成されている。
【0036】
実施例2の現像装置5Yでは、壁面の現像剤滞留を防止し、かつ、撹拌前後の剤密度差を低減するため、羽部62bYがトナー濃度センサ56Yの検知領域である検知面80Yで現像剤移流を妨げない方向で連続して繋がっており、弾性体シート71Yは羽根52bYに貼り付けられている。弾性体シート71Yの形状は、検知面80Yの検知範囲をカバーし、しかもケーシング55Yの内壁面への食い込み量が一定になるような扇形形状としている。
【0037】
このような実施例2の検知面クリーニング部材70Yは、実施例1と同様に、弾性体シート71Yの先端が検知面80Yを通過する、前/後で生じる現像剤密度差を抑制することができる。また、現像剤密度差を抑制することができることにより、実施例1と同様に、線速モード,環境,現像剤の流動性,などの外乱による現像剤密度差のばらつきを抑制することができる。
また、実施例2の現像装置5Yでは、実施例1と異なり、スクリュの羽部62bY以外に軸部62aYに形成されたフィンではなく、スクリュの羽部62bYに弾性体シート71Yを貼り付けている。このため、フィンがないスクリュを成形する型を用いて製造されるスクリュに対しても、検知面80Yと対向する位置に弾性体シート71Yを貼り付けることにより、上述した効果を奏することができる。
なお、実施例1は、弾性体シート71Yを、実施例2のように曲面状の羽部62bYに貼り付けるのではなく、平面状のフィン72Yに貼り付けるため、実施例2に比べて弾性体シート71Yを備える第二搬送スクリュ62Yの製造が容易である。
【0038】
〔実施例3〕
次に、本実施形態の特徴部を備えた現像装置5Yの三つ目の実施例(以下、「実施例3」と呼ぶ)について説明する。
図8は、実施例3の現像装置5Yが備える第二搬送スクリュ62Yの検知面クリーニング部材70Yが固定された部分の近傍の拡大説明図である。実施例3は、検知面クリーニング部材70Yの構成のみが実施例1と異なり、他の構成は実施例1と共通するので、以下、相違する構成について説明し、共通する構成についての説明は省略する。
図8に示すように、実施例2の検知面クリーニング部材70Yは、第二搬送スクリュ62Yの軸部62aYに固定された平板部材としてのフィン72Yによって構成される。そして、第二搬送スクリュ62Yが図中矢印α方向に回転すると、フィン72Yが第二現像剤収容部54Y内の現像剤を攪拌し、その攪拌する力が現像剤を介して伝播し、検知面80Y上の現像剤が攪拌されるようになっている。なお、フィン72Yを検知面80Yを含めたケーシング55Yの内壁面に接触しないように構成されている。
実施例1のように、弾性体シート71Yが検知面80Yを摺擦する構成に比べて、検知面80Y上の現像剤を攪拌する能力は劣るが、弾性体シート71Yをフィン72Yに貼り付けていないため、部品コスト、及び、製造コストの削減を図ることができる。
【0039】
このような実施例3の検知面クリーニング部材70Yは、フィン72Yを軸部62aYに平行となるように設けたものに比べて、フィン72Yが検知面80Yと対向する位置を通過する、前/後で生じる現像剤密度差を抑制することができる。また、現像剤密度差を抑制することができることにより、実施例1と同様に現像装置5Yでは、線速モード,環境,現像剤の流動性,などの外乱による現像剤密度差のばらつきを抑制することができる。
【0040】
〔変形例1〕
実施例1では、検知面80Yでの現像剤の嵩密度の変動を抑制する構成として、天井凸部67aYを形成し、検知面80Y近傍を第二現像剤収容部54Yの他の位置よりも断面積が狭くしている。ここで、検知面80Yでの現像剤の嵩密度の変動を抑制する構成として実施例1とは異なる構成を備えた変形例1について説明する。
図9は、変形例1の現像装置5Yの上部カバー67Yを取り外した状態の上面図である。図9に示すように、変形例1の現像装置5Yの第二搬送スクリュ62Yは、検知面80Y近傍の領域Wにおける羽部62bYのピッチ幅を他の位置よりも狭める構成となっている。このように羽部62bYのピッチ幅を狭めることにより、領域Wにおいて現像剤を滞留させることができ、他の位置よりも現像剤が詰まった状態となり、現像剤の嵩密度の変動が生じにくくなる。これにより、検知面80Yは検知面クリーニング部材70Yと対向する位置にあるため、上述のような天井凸部67aYを設けることにより、検知面80Y近傍の現像剤の嵩密度が変動することを抑制している。
なお、変形例1における検知面クリーニング部材70Yとしては、実施例1〜実施例3の何れの構成でも適用可能である。
【0041】
〔実験1〕
次に、攪拌構成水準ごとにセンサ検知特性を比較した実験1について説明する。実験1で用いる現像装置の単体試験機として、本実施形態の現像装置5と同様の構成のものを用意し、現像装置5の第二搬送スクリュ62として、軸部62aに対する検知面クリーニング部材70の角度が異なる(攪拌構成が異なる)3つのスクリュを用いて、第二搬送スクリュ62による線速及びトナー濃度の値を振ったときのトナー濃度センサの検知出力を比較した実験1について説明する。
【0042】
攪拌構成としては以下に示す、従来例、実施例、及び比較例の3つを用いた。
・従来例:第二搬送スクリュ62の軸部62aに対して、検知面クリーニング部材70を平行に固定する。
・実施例:第二搬送スクリュ62の軸部62aに対して、実施例1と同様に軸部62aに対する羽部62bの傾きと同方向の傾きを有するように検知面クリーニング部材70を傾けて固定する。
・比較例:第二搬送スクリュ62の軸部に対して、軸部62aに対する羽部62bの傾きと逆方向の傾きを有するように検知面クリーニング部材70を傾けて固定する。
図10〜図12に、従来例、実施例、及び比較例の第二搬送スクリュ62の説明図を示す。
【0043】
図10は、従来例の第二搬送スクリュ62の検知面クリーニング部材70が固定された部分の近傍の拡大説明図である。従来例では、図10に示すように、検知面クリーニング部材70のフィン72が軸部62aの軸線方向と平行になるように形成され、このフィン72の回転方向(図10中の矢印α方向)下流側の面に弾性体シート71が貼り付けられている。そして、フィン72を設けた位置から図10中の矢印βで示す現像剤搬送方向に引いた直線と弾性体シート71の面とがなす角をθ1とすると、θ1=0[°]となっている。
【0044】
図11は、実施例の第二搬送スクリュ62の検知面クリーニング部材70が固定された部分の近傍の拡大説明図である。実施例では、図11に示すように、検知面クリーニング部材70のフィン72が軸部62aに対して、軸部62aに対する羽部62bの傾きと同方向の傾きを有するよう形成され、このフィン72の回転方向(図11中の矢印α方向)下流側の面に弾性体シート71が貼り付けられている。フィン72を設けた位置から図11中の矢印βで示す現像剤搬送方向に引いた直線とと弾性体シート71の面とがなす角をθ1とすると、0[°]<θ1<90[°]の範囲を見たすものであり、本実施例ではθ1=30[°]である。
θ1を30[°]とした以下の理由による。
本実施例のスクリュの軸部62aの軸径は5.0[mm]であり、現像装置5の検知面80におけるスクリュの軸線方向の長さは、8.5[mm]であった。このような構成において、検知面80全域を摺擦でき、且つ、ある一方からスクリュを見たときに検知面クリーニング部材70の全体を視認することができる構成として、θ1=30[°]としている。詳しくは、スクリュを一方から見たときに視認できる範囲は、スクリュ断面の半円部分の表面である。このため、軸線方向に対して直交する方向のフィン72の根元(軸部62aに固定されている部分)の長さは、軸径の5.0[mm]以下となる。また、検知面80全域を摺擦するために軸線方向のフィン72の根元の長さは8.5[mm]である。そして、本実施例では上述した条件を満たすθ1の最大値として、
θ1=tan−1(5.0/8.5)≒30[°]
とした。
【0045】
図12は、比較例の第二搬送スクリュ62の検知面クリーニング部材70が固定された部分の近傍の拡大説明図である。比較例では、図12に示すように、検知面クリーニング部材70のフィン72が軸部62aに対して、軸部62aに対する羽部62bの傾きとは逆方向の傾きを有するよう形成され、このフィン72の回転方向(図12中の矢印α方向)下流側の面に弾性体シート71が貼り付けられている。フィン72を設けた位置から図12中の矢印βで示す現像剤搬送方向に引いた直線とと弾性体シート71の面とがなす角をθ1とすると、90[°]<θ1<180[°]の範囲を見たすものであり、本比較例ではθ1=150[°]である。
【0046】
各攪拌構成のスクリュをそれぞれ現像ユニットにセットした後の実験条件を以下に示す。
1.トナー濃度が7[wt%]の現像剤が入った現像ユニットを、単体試験機にセットする。
2.センサ入出力の配線を行う。
3.線速v=230[mm/s]相当の回転数で単体試験機を駆動させ、センサ出力Vt(スクリュ2周分の平均値)=2.70±0.02[V]になるようコントロール電圧Vcnt(トナー濃度センサに入力する電圧)を調節する。
但し、線速の値を振ったときにおける比較するときの各線速条件におけるセンサ出力の測定は、スクリュ回転時間に対して充分長い時間の平均値をセンサ出力Vtave値として記録した。
4.線速v=230[mm/s],154[mm/s],115[mm/s],77[mm/s]について、センサ出力Vtave値を記録する。
5.トナー濃度(TC)=4[wt%],10[wt%],12[wt%]についても、4.を行う。
6.上記データからセンサ検知特性として、
トナー濃度とセンサ出力値との関係を示すTC−Vt特性、及び、各トナー濃度における線速の違いによるセンサ出力値の差である線速シフト量ΔVt特性をグラフにまとめる。
なお、本実験1での線速シフト量ΔVtの最大値の目標値は0.8[V]以下である。線速シフト量ΔVtの最大値の目標値を0.8[V]としたのは次の理由による。
すなわち、本実験1で使用したトナー濃度センサ56が検知できる電圧の領域は、下限値が0[V]で上限値が5[V]となっており、範囲外の場合はトナー濃度の検知ができなくなる。
センサ出力が増加する側、つまり、トナー濃度が低下、温湿度が上昇、センサ感度が高い側にばらつく、等の条件で、線速シフトが発生してもトナー濃度センサ56が検知できる電圧の上限値である5[V]に対して、余裕度を保てるよう、線速シフト量の目標値を0.8[V]以下に設定した。
【0047】
図13は、実験1の従来例の実験結果を示す図であり、図13(a)はTC−Vt特性のグラフであり、図13(b)は、線速シフト量ΔVt特性のグラフである。ここで、図13(a)の各トナー濃度における線速v=230[mm/s]のときのVtave値から、他の線速vのときのVtave値を引いた値の絶対値である。具体的には、図13(b)の棒グラフのうち、斜線で示すグラフは線速v=230[mm/s]のときのVtave値から線速v=154[mm/s]のときのVtave値を引いた値の絶対値である。また、格子で示すグラフは線速v=230[mm/s]のときのVtave値から線速v=115[mm/s]のときのVtave値を引いた値の絶対値である。また、白抜きで示すグラフは線速v=230[mm/s]のときのVtave値から線速v=77[mm/s]のときのVtave値を引いた値の絶対値である。
【0048】
図13(a)より、従来例の装置ではTC−Vt特性が、線速v=230[mm/s]では約0.30[V/mt%]だったものが、線速v=77[mm/s]では約0.24[V/mt%]となり、低線速ではTC−Vt特性が低下してしまうことが確認できる。また、流動性が悪化する高TCでも感度の直線が保たれている(検知面80に現像剤滞留は起こっていない)ことがわかる。
図13(b)より、TCが7[wt%]以上で、線速シフト量ΔVtの値が、目標値である0.8[V]を超えてしまうことがわかる。
【0049】
図14は、実験1の実施例の実験結果を示す図であり、図14(a)はTC−Vt特性のグラフであり、図14(b)は、線速シフト量ΔVt特性のグラフである。図14(b)の線速シフト量ΔVtは、図13(b)と同様の方法で算出する。
図14(a)より、実施例の装置では、TC−Vt特性は線速によらず0.34[V/wt%]前後と安定していることが確認できる。また、流動性が悪化する高TCでも感度の直線性が保たれている(現像剤滞留は起こっていない)ことが分かる。
また、図14(b)より、実験を行った範囲では、線速シフト量ΔVtが、目標0.8[V]以下を達成していることが分かる。
【0050】
図15は、実験1の比較例の実験結果を示す図であり、図15(a)はTC−Vt特性のグラフであり、図15(b)は、線速シフト量ΔVt特性のグラフである。図15(b)の線速シフト量ΔVtは、図13(b)と同様の方法で算出する。
図15(a)より、従来例の装置ではTC−Vt特性が、線速v=230[mm/s]では約0.35[V/mt%]だったものが、線速v=77[mm/s]では約0.23[V/mt%]となり、低線速ではTC−Vt特性が低下してしまい、線速ごとに、TC−Vt特性がばらついてしまうことが確認できる。また、流動性が悪化する高TCでも感度の直線が保たれている(検知面80に現像剤滞留は起こっていない)ことがわかる。
図15(b)より、実験を行ったすべての範囲で、線速シフト量ΔVtの値が、目標値である0.8[V]を超え、TCが7[wt%]以上では、0.8[V]を大幅に越えてしまうことがわかる。
また、高TC(TC=9[%]以上)の条件では、天井凸部67aYに対して現像剤の搬送方向上流側で現像剤が溢れる不具合が生じた。
【0051】
〔実験2〕
次に、攪拌構成水準ごとに、センサ出力Vtの波形を比較する実験2について説明する。実験2では、実験1で用いた各攪拌構成のスクリュを用いる。
実験条件を以下に示す。
1.従来例のスクリュを備え、トナー濃度が7[wt%]の現像剤が入った現像ユニットを、単体試験機にセットする。
2.センサ入出力の配線を行う。
3.線速v=230[mm/s]相当の回転数で単体試験機を駆動させ、センサ出力Vt(スクリュ2周分の平均値)=2.70±0.02[V]になるようコントロール電圧Vcnt(トナー濃度センサに入力する電圧)を調節する。
4.線速v=230[mm/s]でのセンサ出力Vt値の波形をオシロスコープで測定する。
5.線速v=77[mm/s]でのセンサ出力Vt値の波形をオシロスコープで測定する。
6.スクリュを実施例のスクリュに変更した装置、及び比較例のスクリュに変更した装置(TC=7[wt%])について、上記4及び5と同様に、線速v=230[mm/s]、線速v=77[mm/s]でのセンサ出力Vt値の波形を測定する。なお、スクリュを変更した装置のコントロール電圧(トナー濃度センサに入力する電圧)は、上記1〜3の手順で求めたVcnt値を用いる。
7.上記4及び5で求めた測定結果と6で求めた測定結果とのグラフを比較する。
なお、上記1〜3の手順で求めたVcnt値は、4.05[V]であった。
【0052】
各攪拌構成のスクリュについて上記4及び6で求めた線速v=230[mm/s]でのセンサ出力Vt値の波形を、図16(a)〜図18(a)に示す。加圧中(弾性体シート71が検知面80を通過する直前までの動作)のセンサ出力の最大値をVtmax1値とし、従来例のVtmax1値を各グラフ中に破線で示す。また、撹拌直後のセンサ出力の最小値をVtmin1値とし、従来例のVtmin1値を各グラフ中に破線で示す。
各攪拌構成のスクリュについて上記5及び6で求めた線速v=77[mm/s]でのセンサ出力Vt値の波形を、図16(b)〜図18(b)に示す。加圧中(弾性体シート71が検知面80を通過する直前までの動作)のセンサ出力の最大値をVtmax2値とし、従来例のVtmax2値を各グラフ中に破線で示す。また、撹拌直後のセンサ出力の最小値をVtmin2値とし、従来例のVtmin2値を各グラフ中に破線で示す。
【0053】
図16は、実験2の従来例の実験結果を示す図であり、図16(a)は線速v=230[mm/s]のときのセンサ出力Vt値の波形のグラフであり、図16(b)は、線速v=77[mm/s]のときのセンサ出力Vt値の波形のグラフである。
線速v=230[mm/s]では、図16(a)に示すように、最も剤密度が高いときのセンサ出力であるVtmax1値は、Vt≒3.0[V]であり、最も剤密度が低いときのセンサ出力であるVtmin1値は、Vt≒2.2[V]である。
一方、線速v=77[mm/s]では、図17(a)に示すように、最も剤密度が高いときのセンサ出力であるVtmax2値は、Vt≒4.2[V]であり、最も剤密度が低いときのセンサ出力であるVtmin2値は、Vt≒3.3[V]である。
【0054】
図17は、実験2の実施例の実験結果を示す図であり、図17(a)は線速v=230[mm/s]のときのセンサ出力Vt値の波形のグラフであり、図17(b)は、線速v=77[mm/s]のときのセンサ出力Vt値の波形のグラフである。
【0055】
線速v=230[mm/s]では、図17(a)に示すように、最も剤密度が高いときのセンサ出力であるVtmax1値は、従来例の場合と同等であった。一方、最も剤密度が低いときのセンサ出力であるVtmin1値は、図17中の矢印Bで示すように従来例の場合よりも上昇した。これは検知面クリーニング部材70を羽部62bと同方向に斜めに取り付けたことによって現像剤がスムーズに搬送され、空隙ができにくくなったためである。Vtmax1値が従来と同等で、Vtmin1値が従来よりも上昇しているので、線速v=230[mm/s]の条件では、実施例の装置は従来例の装置に比べて、センサ出力の平均値であるVtave値が上昇する。
【0056】
線速v=77[mm/s]では、図17(b)に示すように、最も剤密度が高いときのセンサ出力であるVtmax2値は、図17中の矢印Cで示すように従来例の場合よりも低下した。一方、最も剤密度が低いときのセンサ出力であるVtmin2値は、従来例と同等であった。Vtmax2値が低下したのは、検知面クリーニング部材70を斜めに取り付けたことによって加圧時の検知面80上の現像剤が第二搬送スクリュ62の搬送方向下流側に移動し、加圧される検知面80上の現像剤の剤密度が低下したためである。Vtmax2値が従来よりも低下し、Vtmin2値が従来と同等であるので、線速v=77[mm/s]の条件では、実施例の装置は従来例の装置に比べて、センサ出力の平均値であるVtave値が低下する。
【0057】
図17(a)及び(b)より、実施例の装置では、線速v=230[mm/s]、線速v=77[mm/s]の何れの場合についても、センサ出力Vt値の波形の振幅が従来例よりも狭くなっていることが確認できる。
また、低線速に比べてセンサ出力の平均値が低くなる高線速(v=230[mm/s])の場合にセンサ出力の平均値であるVtave値が上昇し、高線速に比べてセンサ出力の平均値が高くなる低線速(v=77[mm/s])の場合にセンサ出力の平均値であるVtave値が低下している。このため、実施例は従来例よりも線速シフト量ΔVtが小さくなることが確認できる。
【0058】
図18は、実験2の比較例の実験結果を示す図であり、図18(a)は線速v=230[mm/s]のときのセンサ出力Vt値の波形のグラフであり、図18(b)は、線速v=77[mm/s]のときのセンサ出力Vt値の波形のグラフである。
【0059】
線速v=230[mm/s]では、図18(a)に示すように、最も剤密度が高いときのセンサ出力であるVtmax1値は、従来例の場合と同等であった。一方、最も剤密度が低いときのセンサ出力であるVtmin1値は、図18中の矢印Dで示すように従来例の場合よりも低下した。これは次の理由による。すなわち、羽部62bの傾きと逆方向の傾きを有するように検知面クリーニング部材70を傾けて固定しているため、検知面クリーニング部材70が現像剤に付与する軸線方向の搬送方向は、羽部62bによる搬送方向とは逆方向となる。これにより、羽部62bによって搬送される現像剤に対して検知面80と対向する位置でブレーキがかかり、現像剤が滞留し、滞留した現像剤を攪拌するため攪拌した後に空隙ができやすくなり、Vtmin1値が低下する。Vtmax1値が従来と同等で、Vtmin1値が従来よりも低下しているので、線速v=230[mm/s]の条件では、比較例の装置は従来例の装置に比べて、センサ出力の平均値であるVtave値が低下する。
【0060】
線速v=77[mm/s]では、図18(b)に示すように、最も剤密度が高いときのセンサ出力であるVtmax2値は、図18中の矢印Eで示すように従来例の場合よりも上昇した。一方、最も剤密度が低いときのセンサ出力であるVtmin2値は、従来例と同等であった。Vtmax2値が上昇したのは、滞留した現像剤を加圧するため、加圧される検知面80上の現像剤の剤密度が上昇したためである。Vtmax2値が従来よりも上昇し、Vtmin2値が従来と同等であるので、線速v=77[mm/s]の条件では、比較例の装置は従来例の装置に比べて、センサ出力の平均値であるVtave値が上昇する。
【0061】
図18(a)及び(b)より、実施例の装置では、線速v=230[mm/s]、線速v=77[mm/s]の何れの場合についても、センサ出力Vt値の波形の振幅が従来例よりも広くなっていることが確認できる。
また、低線速に比べてセンサ出力の平均値が低くなる高線速の場合(v=230[mm/s])にセンサ出力の平均値であるVtave値が低下し、高線速に比べてセンサ出力の平均値が高くなる低線速の場合(v=77[mm/s])のセンサ出力の平均値であるVtave値が上昇している。このため、実施例は従来例よりも線速シフト量ΔVtが増加することが確認できる。
【0062】
〔実験3〕
次に、攪拌構成水準が異なる実験装置ごとに、実験環境を変化させたときのセンサ検知特性の変化を比較した実験3について説明する。実験3では、実験1で用いた攪拌構成のスクリュのうち、従来例と実施例との攪拌構成のスクリュを用いる。
実験条件を以下に示す。
1.攪拌構成のスクリュ
条件a:従来例のスクリュ
条件b:実施例のスクリュ
2.単体試験機:
実験1で用いる現像装置の単体試験機として、本実施形態の現像装置5と同様の構成のものを用意し、現像剤収容部(53、54)、天井凸部67a、トナー濃度センサ56、現像剤(TC=7[wt%])、その他、攪拌構成のスクリュの条件が異なる点以外は同一条件とした。
3.実験環境
環境1:23[℃]、38[%](冬場の実験室環境)
環境2:27[℃]、80[%](高温高湿環境)
4.トナー濃度センサのコントロール電圧調整値
条件a及び条件bのそれぞれについて、実験環境が環境1、現像剤のトナー濃度(TC)が7[wt%]、線速vが230[mm/s]の条件で、センサ出力Vt(スクリュ2周分の平均値)=2.5[V]となるように、コントロール電圧を調整した。
なお、実験環境を環境1から環境2に変更するときには、このコントロール電圧の調整を行わない。
実験結果を表1に示す。
【0063】
【表1】

【0064】
表1において、線速v=230[mm/s]における「Vtmax−Vtmin」及び「ΔVt」の特性値について、条件aに対して条件bの方が環境の変動による変化率が低減していることがわかる。また、線速v=77[mm/s]における「Vtmax−Vtmin」について、条件a及び条件bとも環境の変動による変化率はほぼ同等である。
実験3より、高線速ほど環境変化の影響を受けやすくなるが、従来例(条件a)に比べて実施例(条件b)のほうがその影響を低減することができることが確認された。
【0065】
上記実験1及び実験2より、線速の変化に起因する検知誤差を、従来例に比べて実施例のほうが低減することができることが確認された。また、実験3より、環境の変化に起因する検知誤差を、従来例に比べて実施例のほうが低減することができることが確認された。このように、実施例は従来例に比べて、線速の変化や環境の変化という外乱に起因する検知誤差を低減することができる。線速の変化は弾性体シートの攪拌力(モーメント、若しくはトルク)に影響する外乱であり、環境の変化は現像剤の嵩密度や流動性に影響する外乱である。このような外乱であれば実験で確認した線速の変化や環境の変化といった外乱に限らず、実施例の攪拌構成のスクリュを用いることにより、外乱に起因する検知誤差を低減できると考えられる。例えば、経時使用による剤表面劣化は、環境の変化と同様に嵩密度や流動性に影響する外乱であるため、実施例の攪拌構成のスクリュを用いることにより、経時使用による剤表面劣化に起因する検知誤差も低減することが可能であると考えられる。
【0066】
上記実験1〜実験3によって、実施例の装置であれば、検知面80の現像剤滞留を防止できるとともに、弾性体シート71の撹拌前/後で生じる現像剤密度差の低減できることが確認された。また、天井凸部67aYを備え、検知面80近傍での現像剤密度を一定に保とうとする構成でも、上記二項目を達成できることが確認された。
また、実験1〜実験3は、実施例の装置として、実施例1と同様に軸部62aYに対して羽部62bYとは別に設けられたフィン72Yに弾性体シート71Yを設ける構成であったが、実施例2のように、羽部62bYに弾性体シート71Yを設ける構成であっても同様の効果が期待できる。
【0067】
〔実施例4〕
次に、本実施形態の特徴部を備えた現像装置5Yの四つ目の実施例(以下、「実施例4」と呼ぶ)について説明する。
図19は、実施例4の現像装置5Yが備える第二搬送スクリュ62Yの検知面クリーニング部材が固定された部分の近傍の拡大説明図である。実施例4は、実施例1の検知面クリーニング部材70Yの代わりに、2つの検知面クリーニング部材を備える構成が実施例1と異なり、他の構成は実施例1と共通する。このため、以下、相異する構成について説明し、共通する構成についての説明は省略する。
実施例4の第二搬送スクリュ62は、2つの検知面クリーニング部材として、図19中矢印αで示す第二搬送スクリュ62の回転方向について、回転方向下流側に配置された回転下流側クリーニング部材73Yと、回転方向上流側に配置された回転上流側クリーニング部材76Yとを備える。
図19に示すように、実施例4の検知面攪拌部材である回転下流側クリーニング部材73Yは、実施例1のクリーニング部材70Yと同様の構成である。すなわち、第二搬送スクリュ62Yの軸部62aYに固定された平板部材としての回転下流側フィン75Yと、回転下流側フィン75Yに貼り付けられた弾性体シートである回転下流側シート74Yとからなる。また、回転上流側クリーニング部材76Yは回転下流側クリーニング部材73Yと同様の構成であり、回転上流側フィン78Yと、回転上流側シート77Yとからなる。
そして、第二搬送スクリュ62Yが図中矢印α方向に回転すると、回転下流側シート74Yと回転上流側シート77Yとによって、検知面80Y上の現像剤が攪拌されるようになっている。
トナー濃度センサは、実施例1と同様に、外壁面にトナー濃度センサ56Yを設けた箇所のケーシング55Yの内壁面はトナー濃度センサ56Yの検知領域としての検知面80となる。また、検知面80Y上の現像剤を攪拌する回転下流側シート74Yと回転上流側シート77Yとは、実施例1と同様に複数枚の弾性シートを貼り付けて構成されている。
【0068】
実施例4の現像装置5Yでは、2つの弾性体シートとして回転下流側シート74Yと回転上流側シート77Yと軸部62aYの軸線方向についてずらして配置されている。詳しくは、回転下流側シート74Yと回転上流側シート77Yの軸線方向のそれぞれの幅は、図10を用いて説明した従来例の検知面クリーニング部材70が備える弾性体シート71の軸線方向の幅の1/2の幅となっている。ここで、図19中の矢印βで示す現像剤搬送方向について回転上流側シート77Yの搬送方向上流側端部を回転上流側シート後端77bYとし、回転下流側シート74Yの搬送方向下流側端部を回転下流側シート前端74fYとする。そして、実施例4の第二搬送スクリュ62Yは、回転上流側シート後端77bYと回転下流側シート前端74fYとの軸線方向についての位置が同じか、または、回転下流側シート前端74fYの方が矢印βで示す搬送方向下流側となるように、回転上流側クリーニング部材76Y及び回転下流側クリーニング部材73Yを配置している。このように配置することにより、回転下流側シート74Yと回転上流側シート77Yとで軸線方向についての互いに異なる検知面80Y上の領域の現像剤をそれぞれ攪拌することができる。実施例4では、図19中の矢印βで示す現像剤の搬送方向について、検知面80Yの搬送方向下流側半分の領域は回転上流側シート77Yが摺擦し、搬送方向上流側半分の領域は回転下流側シート74Yが摺擦して、検知面80Y上の現像剤を除去し、検知面80Y上の現像剤を攪拌することができる。
【0069】
また、図19に示すように、回転上流側シート77Yと回転下流側シート74Yとは矢印αで示す第二搬送スクリュ62Yの回転方向についての位置が互いに異なるように配置されている。
このように、隣り合う弾性体シートでは検知面を攪拌するタイミングが異なることにより、検知面80全体が一度に攪拌されず、2回に分かれて段階的に攪拌されることになる。
すなわち、実施例4では、現像剤を攪拌すべき領域である検知面80Y上を段階的に攪拌するように、フィンならびに弾性体シートが複数ヵ所配置されており、具体的には、軸線方向の幅が従来の1/2の幅となる弾性体シートを図19に示すように段階的に2枚配置した構成である。
このような構成により、従来例のように、一枚の弾性体シート71Yによって検知面80Y上の現像剤を一気に跳ね上げるものに、比べて、弾性体シートである回転上流側シート77Yと回転下流側シート74Yとが通過した後の検知面80に空隙が生じにくく、検知面80での剤密度の最小値の底上げを図ることができる。
よって、このような実施例4の回転上流側クリーニング部材76Y及び回転下流側クリーニング部材73Yを備えた第二搬送スクリュ62Yは、実施例1と同様に、弾性体シートの先端が検知面80Yを通過する、前/後で生じる現像剤密度差を抑制することができる。また、現像剤密度差を抑制することができることにより、実施例1と同様に、線速モード、環境、現像剤の流動性、などの外乱による現像剤密度差のばらつきを抑制することができる。
【0070】
また、ここで、図19中の矢印βで示す現像剤搬送方向について回転上流側シート77Yの搬送方向下流側端部を回転上流側シート前端77fYとし、回転下流側シート74Yの搬送方向上流側端部を回転下流側シート後端74bYとする。そして、実施例4の現像装置5Yでは、検知面80Yの現像剤搬送方向上流側端部よりも回転下流側シート後端74bYが搬送方向上流側になるように、且つ、検知面80Yの現像剤搬送方向下流側端部よりも回転上流側シート前端77fYが搬送方向下流側となるように、各部材を配置している。このように配置することにより、回転下流側シート74Yによって攪拌される領域と、回転上流側シート77Yによって攪拌される領域とをあわせた領域内に、検知面80Yが含まれる。すなわち、弾性体シートの攪拌範囲が、少なくともトナー濃度センサ56Yの検知領域である検知面80Yの幅以上となる。これにより、検知面80Y上の現像剤を確実に攪拌することができ、検知面80Yに現像剤が滞留することを防止することができる。
【0071】
また、実施例4では、軸線方向の位置が第二搬送スクリュ62Yの搬送方向下流側となる回転上流側シート77Yが、回転下流側シート74Yに対して図19中αで示す回転方向の位置が回転方向上流側となるように配置されている。このように配置することにより、回転下流側シート74Yによって検知面80Yの搬送方向上流側が攪拌作用を受けた後、回転上流側シート77Yによって検知面80Yの搬送方向下流側が攪拌作用を受ける。すなわち、2つの弾性体シートの配置が軸部62aYに対する羽部62bYの傾きと同方向に並ぶように、断続的に配置された状態となる。
【0072】
ここで、図19の回転下流側クリーニング部材73Yと回転上流側クリーニング部材76Yとのように、2つの検知面クリーニング部材の配置が軸部62aYに対する羽部62bYの傾きと同方向に並ぶように配置した構成を構成Aとする。
一方、2つの検知面クリーニング部材を備えた構成で、軸線方向の位置が第二搬送スクリュ62Yの搬送方向下流側となる検知面クリーニング部材が、搬送方向上流側となる検知面クリーニング部材に対して、第二搬送スクリュ62Yの回転方向の位置が回転方向下流側となるように配置された構成を構成Bとする。構成Bについて図19を用いて説明すると、回転下流側クリーニング部材73と回転上流側クリーニング部材76との位置関係が、羽部62bYと逆方向に並ぶ方向、すなわち、回転下流側クリーニング部材73が搬送方向βの下流側に位置し、回転上流側クリーニング部材76が搬送方向βの上流側に位置するような配置となる。
【0073】
構成Aのように配置した場合、搬送方向βについて搬送方向上流側から搬送されてきた現像剤は、まず回転方向下流側クリーニング部材73Yにより攪拌された現像剤は、羽部62bYの搬送力によって搬送方向βの方向に搬送されるものがほとんどである。回転方向下流側クリーニング部材73Yの攪拌の結果、搬送方向βとは逆方向に移動する現像剤があったとしても、羽部62bYの搬送力によって搬送方向βの方向に搬送される(A1)。
上記(A1)の現像剤は、次に、回転上流側クリーニング部材76Yにより攪拌され、羽部62bYの搬送力によって搬送方向βの方向に搬送されるものがほとんどである。回転上流側クリーニング部材76Yの攪拌の結果、搬送方向βとは逆方向に移動する現像剤あったとしても、この現像剤は羽根部62bYの搬送力により、搬送方向β方向に搬送される(A2)。
【0074】
上記(A1)及び(A2)を説明したように、トナー濃度センサ検知領域である検知面80Yにおける現像剤は、検知面クリーニング部材によって攪拌されつつも、その挙動は常に搬送方向βに向いているため、搬送速度の低下が生じにくく、現像剤密度の変化を抑制することができる。
【0075】
構成Bのように配置した場合、搬送方向βについて搬送方向上流側から搬送されてきた現像剤は、搬送方向βの下流側に配置された回転下流側クリーニング部材73Yよりも先に、搬送方向上流側に配置された回転上流側クリーニング部材76Yに攪拌されるとは限らない。現像剤が搬送方向βに向かう搬送速度によっては、回転上流側クリーニング部材76Yよりも先に回転下流側クリーニング部材73Yに攪拌される。
この場合、回転下流側クリーニング部材73Yの攪拌の結果、搬送方向βとは逆方向に移動する現像剤があると、この現像剤は羽部62bYによって搬送力を付与される前に、回転上流側クリーニング部材76Yによって搬送方向βの上流側から搬送される現像剤と一緒に攪拌される。回転上流側クリーニング部材76Yによる搬送方向βの方向への搬送力は羽部62bYによる搬送力に比べて小さい。このため、回転上流側クリーニング部材76Yの攪拌によって搬送方向βの方向に移動した現像剤と、回転下流側クリーニング部材73Yの攪拌によって搬送方向βとは逆方向に移動した現像剤とが合流すると、合流する位置で現像剤の滞留、または搬送速度の低下が生じ易い。また、この合流する位置は検知面80Y上となる。このように、検知面80Y上で現像剤が滞留、または、その搬送速度が低下すると搬送速度が低下しないものに比べて、搬送弾性体シートである回転上流側シート77Yが検知面80Yを通過する前後での現像剤密度の変化が生じやすくなる。
【0076】
よって、回転下流側クリーニング部材と回転上流側クリーニング部材76Yとの位置関係が構成Aのようになる実施例4の現像装置5Yであれば、回転下流側クリーニング部材73Yと回転上流側クリーニング部材76Yの位置関係が、羽根部62bYと逆方向に並ぶ構成Bを備えた現像装置に比べて、現像剤密度の変化が生じにくく、現像剤密度差のばらつきを抑制することができる。
【0077】
〔変形例2〕
実施例4では、回転上流側シート後端77bY及び回転下流側シート74Yの根元の辺が軸線方向に対して平行になるように配置している。2つの弾性体シートの配置としては少なくとも一方を、軸線方向に対して傾けるように配置しても良い。以下、変形例2として、2つの弾性体シートのうちの一方が、第二搬送スクリュ62Yの軸部62aYに対して、この軸部62aYに対する羽部62bY羽部の傾きと同方向の傾きを有するように配置された構成について説明する。
図20は、変形例2の現像装置5Yが備える第二搬送スクリュ62Yの検知面クリーニング部材が固定された部分の近傍の拡大説明図である。変形例2は、実施例4の回転下流側クリーニング部材73Yを軸部62aYに対して傾きを有するように配置した点で実施例4と異なり、他の構成は実施例4と共通する。このため、以下、相異する構成について説明し、共通する構成についての説明は省略する。
すなわち、変形例2では、回転下流側クリーニング部材73Yを軸部62aYに対して傾きを有するように配置することによって、検知面攪拌部材である回転下流側シート74Yが第二搬送スクリュ62Yの軸部62aYに対して、この軸部62aYに対する羽部62bY羽部の傾きと同方向の傾きを有するように配置されている。図20では、回転下流側シート74Yが軸部62aYに対して角度θ1だけ傾いている。これにより、回転下流側シート74Yを軸部62aYに対して平行に配置する構成に比べて、検知面80Yの回転下流側シート74Yが現像剤を攪拌する領域について、実施例1と同様に、回転下流側シート74Yが通過する前/後で生じる現像剤密度差を抑制することができる。
【0078】
変形例2は、実施例4と同様に、2つの弾性体シートとして回転下流側シート74Yと回転上流側シート77Yと軸部62aYの軸線方向についてずらして配置し、第二搬送スクリュ62Yの回転方向についての位置も互いに異なるように配置されている。このように配置することによって、実施例4と同様に現像剤密度差を抑制することができる。さらに、回転下流側シート74Yを斜めに配置することにより、実施例4よりも、回転下流側シート74Yが通過する前/後で生じる現像剤密度差を抑制することができる。これにより、変形例2の構成であれば、実施例4よりも更に現像剤密度差を抑制することができ、線速モード、環境、現像剤の流動性、などの外乱による現像剤密度差のばらつきを抑制することができる。
【0079】
変形例2では、2つの弾性体シートのうちの一方が、第二搬送スクリュ62Yの軸部62aYに対して、この軸部62aYに対する羽部62bY羽部の傾きと同方向の傾きを有するように配置された構成について説明したが、2つの弾性体シートの両方ともが上記傾きを有するように配置しても良い。
また、実施例4及び変形例2では、2つの弾性体シートの軸線方向の位置と回転方向の位置とを異ならせる構成について説明したが、軸線方向の位置と回転方向の位置とが互いに異なる複数の弾性体シートとしては3つ以上であっても良い。 また、実施例4及び変形例2のように、複数の弾性体シートを備える構成であっても、図6を用いて説明した、検知面80Y近傍の上部カバー67Yの下面を下げる構成を適用することにより、実施例1と同様に検知面80Y近傍の現像剤の嵩密度が変動することを抑制することができる。
【0080】
以上、本実施形態によれば、実施例1または実施例2の構成を備えた現像装置5は、トナーとキャリアとを含む現像剤を担持し、現像に用いる現像剤担持体である現像スリーブ51を有する。また、現像スリーブ51に供給する現像剤を収容する現像剤収容部である第一現像剤収容部53及び第二現像剤収容部54を形成するケーシング55を有する。また、軸部62aに螺旋状の羽部62bを固定し、軸部62aを中心に回転することによってケーシング55内の第二現像剤収容部54の現像剤を攪拌しながら軸部62aの軸線方向に搬送する第二搬送スクリュ62を備える。また、第二搬送スクリュ62の軸部62aと平行なケーシング55の内壁面の一部が検知面80となり、現像剤中のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段であるトナー濃度センサ56を有する。また、第二搬送スクリュ62の検知面80と対向する位置に固定され、第二搬送スクリュ62が回転することにより検知面80上の現像剤を攪拌する検知面攪拌部材を備えた検知面クリーニング部材70を有する。そして、検知面攪拌部材は、弾性変形しながら検知面80上の現像剤を攪拌する弾性体シート71であり、弾性体シート71は軸部62aに対して、軸部62aに対する羽部62bの傾きと同方向の傾きを有するように配置されている。
このような現像装置5では、弾性体シート71が軸部62aに対して羽部62bと同方向の傾きを有しているので、弾性体シート71が現像剤を押す力は第二搬送スクリュ62の回転方向だけでなく、第二搬送スクリュ62の搬送方向にも働く。搬送方向と弾性体シート71が現像剤を押す方向とが同方向であることにより、弾性体シート71を設けた位置に対して搬送方向の下流側では、第二搬送スクリュ62の搬送力によって現像剤がさらに下流側に搬送されるため、弾性体シート71によって押された現像剤を受け入れることができる。よって、弾性体シート71と検知面80との間の現像剤は、搬送方向にずれながら検知面80に押されるため、一気に検知面70に押し付けられる従来例の装置に比べて弾性体シート71によって検知面80に一度に押し付けられる現像剤の量が減少し、検知面80での剤密度の最大値の低減を図ることができる。また、弾性体シート71の検知面80における攪拌位置は、搬送方向上流側から下流側へと移動する。そして、弾性体シート71は搬送方向上流側から検知面80にある現像剤を順次跳ね上げて行くが、弾性体シート71が現像剤を跳ね上げによって生じる空隙に、弾性体シート71を設けた位置に対して搬送方向の上流側から順次現像剤が搬送されてくる。このため、一気に検知面80の現像剤を跳ね上げる従来例の構成に比べて弾性体シート71が通過した後の検知面80は空隙が生じにくく、検知面での剤密度の最小値の底上げを図ることができる。
このため、従来例の装置のように検知面攪拌部材を搬送スクリュの軸部に対して平行に備えるものに比べて、検知面80での剤密度の最大値の低減、及び、最小値の底上げを図ることができるため、トナー濃度センサ56Yの検知面に現像剤が滞留することによる誤検知を防止しつつ、攪拌動作時の検知面80Yでの剤密度の差を低減することができる。
【0081】
また、実施例1の構成を備えた現像装置5は、第二搬送スクリュ62の検知面80と対向する位置の軸部62aに固定され、第二搬送スクリュ62の回転によってケーシング55の内壁面に接触することなく回転し、現像剤を攪拌する動作では変形し難い剛性を有する平板部材であるフィン72を有する。また、このフィン72は軸部62aに対して、軸部62aに対する羽部62bの傾きと同方向の傾きを有するように配置され、フィン72に弾性体シート71が固定されている。このような現像装置5であれば、弾性体シート71を、実施例2のように曲面状の羽部62bYに貼り付けるのではなく、平面状のフィン72Yに貼り付けるため、実施例2に比べて弾性体シート71Yを備える第二搬送スクリュ62Yの製造が容易になる。
【0082】
また、実施例2の構成を備えた現像装置5は、第二搬送スクリュ62の検知面80と対向する位置の羽部62bに弾性体シート71が固定されている。このような現像装置5であれば、フィンがないスクリュを成形する型を用いて製造されるスクリュに対しても、検知面80Yと対向する位置に弾性体シート71Yを貼り付けることにより、上述した効果を奏することができる。
【0083】
また、実施例1〜実施例3の現像装置5は、ケーシング55の内壁面に囲まれ、第二搬送スクリュ62によって現像剤に搬送力が付与される現像剤搬送路である第二現像剤収容部54の上部カバー67に天井凸部67aを設けている。これにより、第二現像剤収容部54の軸部62aに直行する平面における断面積が、第二搬送スクリュ62aの搬送方向の検知面80近傍に対して上流側に比べて、検知面近傍の方が小さくなっている。このような天井凸部67aを設けた位置では第二現像剤収容部54の他の位置よりも断面積が狭くなり、他の位置よりも現像剤が詰まった状態となり、現像剤の嵩密度の変動が生じにくくなる。これにより、検知面80は検知面クリーニング部材70と対向する位置にあるため、上述のような天井凸部67aを設けることにより、検知面80近傍の現像剤の嵩密度が変動することを抑制することができる。
【0084】
また、検知面80近傍の現像剤の嵩密度が変動することを抑制する構成としては、変形例1のように、羽部62bの螺旋ピッチ幅が、第二搬送スクリュ62の搬送方向の検知面80近傍に対して上流側に比べて、検知面80近傍の方が狭くする構成を用いてもよい。
【0085】
また、現像装置5は少なくとも感光体1とともにプロセスカートリッジ6として、プリンタ100本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。これにより、凝集トナーの発生に起因する異常画像の発生を防止しつつ、収容する現像剤中のトナー濃度を正確に検知することができるプロセスカートリッジを提供することができる。
また、プリンタ100は現像装置5を備えることにより、トナー濃度センサ56の検知面80に現像剤が滞留することによる誤検知を防止しつつ、攪拌動作時の検知面80での剤密度の差を低減するができる画像形成装置を提供することができる。
【0086】
また、実施例4の現像装置5は、は、トナーとキャリアとを含む現像剤を担持し、現像に用いる現像剤担持体である現像スリーブ51を有する。また、現像スリーブ51に供給する現像剤を収容する現像剤収容部である第一現像剤収容部53及び第二現像剤収容部54を形成するケーシング55を有する。また、軸部62aに螺旋状の羽部62bを固定し、軸部62aを中心に回転することによってケーシング55内の第二現像剤収容部54の現像剤を攪拌しながら軸部62aの軸線方向に搬送する第二搬送スクリュ62を備える。また、第二搬送スクリュ62の軸部62aと平行なケーシング55の内壁面の一部が検知面80となり、現像剤中のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段であるトナー濃度センサ56を有する。また、第二搬送スクリュ62Yの検知面80Yと対向する位置に固定され、第二搬送スクリュ62が回転することにより検知面80Y上の現像剤を攪拌する検知面攪拌部材を備えた検知面クリーニング部材である回転下流側クリーニング部材73Y及び回転上流側クリーニング部材76Yを有する。そして、検知面攪拌部材は、弾性変形しながら検知面80Y上の現像剤を攪拌し、検知面80Y上の軸線方向について現像剤を攪拌する領域が互いに異なる2つの弾性体シートである回転下流側シート74Y及び回転上流側シート77Yを備える。さらに、軸線方向について隣り合う回転下流側シート74Y及び回転上流側シート77Yの、第二搬送スクリュ62Yの回転方向の位置が互いに異なるように配置されている。このように、隣り合う弾性体シートでは検知面を攪拌するタイミングが異なることにより、検知面80全体が一度に攪拌されず、2回に分かれて段階的に攪拌されることになる。これにより、従来例のように、一枚の弾性体シート71Yによって検知面80Y上の現像剤を一気に跳ね上げるものに、比べて、弾性体シートである回転上流側シート77Yと回転下流側シート74Yとが通過した後の検知面80に空隙が生じにくく、検知面80での剤密度の最小値の底上げを図ることができる。
よって、このような実施例4の回転上流側クリーニング部材76Y及び回転下流側クリーニング部材73Yを備えた第二搬送スクリュ62Yは、実施例1と同様に、弾性体シートの先端が検知面80Yを通過する、前/後で生じる現像剤密度差を抑制することができる。また、現像剤密度差を抑制することができることにより、実施例1と同様に、線速モード、環境、現像剤の流動性、などの外乱による現像剤密度差のばらつきを抑制することができる。
【0087】
また、実施例1の現像装置5では、2つの弾性体シートである回転上流側シート77Yと回転下流側シート74Yとの少なくとも一つが現像剤を攪拌する領域内に、すなわち、回転下流側シート74Yによって攪拌される領域と、回転上流側シート77Yによって攪拌される領域とをあわせた領域内に、検知面80Yが含まれるように各部材を配置している。これにより、回転下流側シート74Yによって攪拌される領域と、回転上流側シート77Yによって攪拌される領域とをあわせた領域内に、検知面80Yが含まれる。これにより、検知面80Y上の現像剤を確実に攪拌することができ、検知面80Yに現像剤が滞留することを防止することができる。
【0088】
また、実施例4では、複数の弾性体シートは、上記軸線方向についての位置が第二搬送スクリュ62Yの搬送方向下流側となる弾性体シートほど、第二搬送スクリュ62Yの回転方向の位置が回転方向上流側となるように配置されている。すなわち、回転上流側シート後端77bYが、回転下流側シート74Yに対して図19中αで示す回転方向の位置が回転方向上流側となるように配置されている。このように配置することにより、回転下流側シート74Yによって検知面80Yの搬送方向上流側が攪拌作用を受けた後、回転上流側シート77Yによって検知面80Yの搬送方向下流側が攪拌作用を受ける。すなわち、2つの弾性体シートの配置が軸部62aYに対する羽部62bYの傾きと同方向に並ぶように、断続的に配置された状態となる。2つの弾性体シートの配置が軸部62aYに対する羽部62bYの傾きと同方向に並ぶように配置することにより、羽部62bYの傾きと逆方向に配置するものに比べて、回転下流側シート74Yが通過する前/後で生じる現像剤密度差を抑制することができる。
【0089】
また、変形例2の現像装置5では、2つのの弾性体シートのうち、回転下流側シート74Yは軸部62aYに対して、軸部62aYに対する羽部62bYの傾きと同方向の傾きを有するように配置されている。これにより、回転下流側シート74Yを軸部62aYに対して平行に配置する構成に比べて、検知面80Yの回転下流側シート74Yが現像剤を攪拌する領域について、実施例1と同様に、回転下流側シート74Yが通過する前/後で生じる現像剤密度差を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図2】同プリンタのY用のプロセスカートリッジと、その周囲とを示す拡大構成図。
【図3】同プリンタのY用の現像装置の上部カバーを取り外した状態の上面図。
【図4】実施例1の第二搬送スクリュの検知面クリーニング部材近傍の拡大説明図。
【図5】トナー濃度センサを設けた位置での第二現像剤収容部の拡大断面図。
【図6】現像装置の検知面近傍の上部カバーの下面を下げる構成の説明図、(a)は、第二現像剤収容部の側方説明図、(b)は、上部カバーの下面の説明図。
【図7】実施例2の第二搬送スクリュの検知面クリーニング部材近傍の拡大説明図。
【図8】実施例3の第二搬送スクリュの検知面クリーニング部材近傍の拡大説明図。
【図9】変形例1の現像装置の上部カバーを取り外した状態の上面図。
【図10】従来例の第二搬送スクリュの検知面クリーニング部材近傍の拡大説明図。
【図11】実施例の第二搬送スクリュの検知面クリーニング部材近傍の拡大説明図。
【図12】比較例の第二搬送スクリュの検知面クリーニング部材近傍の拡大説明図。
【図13】実験1の従来例の実験結果を示す図、(a)はTC−Vt特性のグラフであり、(b)は、線速シフト量ΔVt特性のグラフ。
【図14】実験1の実施例の実験結果を示す図、(a)はTC−Vt特性のグラフであり、(b)は、線速シフト量ΔVt特性のグラフ。
【図15】実験1の比較例の実験結果を示す図、(a)はTC−Vt特性のグラフであり、(b)は、線速シフト量ΔVt特性のグラフ。
【図16】実験2の従来例の実験結果であるセンサ出力Vtの波形を示す図、(a)は、線速v=230[mm/s]、(b)は、線速v=77[mm/s]。
【図17】実験2の実施例の実験結果であるセンサ出力Vtの波形を示す図、(a)は、線速v=230[mm/s]、(b)は、線速v=77[mm/s]。
【図18】実験2の比較例の実験結果であるセンサ出力Vtの波形を示す図、(a)は、線速v=230[mm/s]、(b)は、線速v=77[mm/s]。
【図19】実施例4の第二搬送スクリュの検知面クリーニング部材近傍の拡大説明図。
【図20】変形例2の第二搬送スクリュの検知面クリーニング部材近傍の拡大説明図。
【符号の説明】
【0091】
1 感光体
2 ドラムクリーニング装置
4 帯電装置
5 現像装置
6 プロセスカートリッジ
7 露光装置
8 中間転写ベルト
9 一次転写バイアスローラ
10 クリーニング装置
12 二次転写バックアップローラ
13 クリーニングバックアップローラ
14 テンションローラ
15 中間転写ユニット
19 二次転写ローラ
20 定着装置
26 紙収容カセット
27 給紙ローラ
28 レジストローラ対
29 排紙ローラ対
30 スタック部
31 ボトル収容器
32 トナーボトル
51Y 現像スリーブ
52Y 現像ドクタ
53Y 第一現像剤収容部
54Y 第二現像剤収容部
55Y ケーシング
56Y トナー濃度センサ
58Y トナー補給部
59Y 仕切り壁
61Y 第一搬送スクリュ
62Y 第二搬送スクリュ
62aY 軸部
62bY 羽部
67Y 上部カバー
67aY 天井凸部
70Y 検知面クリーニング部材
71Y 弾性体シート
71aY 第一シート
71bY 第二シート
72Y フィン
73Y 回転下流側クリーニング部材
74Y 回転下流側シート
75Y 回転下流側フィン
76Y 回転上流側クリーニング部材
77Y 回転上流側シート
78Y 回転上流側フィン
80Y 検知面
100 プリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持し、現像に用いる現像剤担持体と、
該現像剤担持体に供給する現像剤を収容する現像剤収容部を形成するケーシングと、
軸部に螺旋状の羽部を固定し、該軸部を中心に回転することによって該ケーシング内の該現像剤を攪拌しながら軸部の軸線方向に搬送する搬送スクリュと、
該搬送スクリュの軸部と平行な該ケーシングの内壁面の一部が検知面となり、該現像剤中のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段と、
該搬送スクリュの該検知面と対向する位置に固定され、該搬送スクリュが回転することにより該検知面上の該現像剤を攪拌する検知面攪拌部材とを有する現像装置において、
該検知面攪拌部材は、弾性変形しながら該検知面上の該現像剤を攪拌する弾性体シートであり、
該弾性体シートは該軸部に対して、該軸部に対する該羽部の傾きと同方向の傾きを有するように配置されていることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持し、現像に用いる現像剤担持体と、
該現像剤担持体に供給する現像剤を収容する現像剤収容部を形成するケーシングと、
軸部に螺旋状の羽部を固定し、該軸部を中心に回転することによって該ケーシング内の該現像剤を攪拌しながら軸部の軸線方向に搬送する搬送スクリュと、
該搬送スクリュの軸部と平行な該ケーシングの内壁面の一部が検知面となり、該現像剤中のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段と、
該搬送スクリュの該検知面と対向する位置に固定され、該搬送スクリュが回転することにより該検知面上の該現像剤を攪拌する検知面攪拌部材とを有する現像装置において、
該検知面攪拌部材として、弾性変形しながら該検知面上の該現像剤を攪拌し、該検知面上の該軸線方向について該現像剤を攪拌する領域が互いに異なる複数の弾性体シートを備え、
複数の該弾性体シートのうち、該軸線方向について隣り合う該弾性体シートの該搬送スクリュの回転方向についての位置が互いに異なるように配置されていることを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項2の現像装置において、
複数の上記弾性体シートの少なくとも一つが現像剤を攪拌する領域内に、上記検知面が含まれることを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項2または3の現像装置において、
複数の上記弾性体シートは、上記軸線方向についての位置が上記搬送スクリュの搬送方向下流側の該弾性体シートほど、該搬送スクリュの回転方向の位置が回転方向上流側となるように配置されていることを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項2、3または4の現像装置において、
複数の上記弾性体シートのうち、少なくとも一つの弾性体シートは該軸部に対して、上記軸部に対する上記羽部の傾きと同方向の傾きを有するように配置されていることを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5の現像装置において、
上記搬送スクリュの上記検知面と対向する位置の上記軸部に固定され、該搬送スクリュの回転によって上記内壁面に接触することなく回転し、上記現像剤を攪拌する動作では変形し難い剛性を有する平板部材を有し、
該平板部材は該軸部に対して、該軸部に対する上記羽部の傾きと同方向の傾きを有するように配置され、
該平板部材に上記弾性体シートが固定されていることを特徴とする現像装置。
【請求項7】
請求項1の現像装置において、
上記搬送スクリュの上記検知面と対向する位置の上記羽部に上記弾性体シートが固定されていることを特徴とする現像装置。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5、6または7の現像装置において、
上記内壁面に囲まれ、上記搬送スクリュによって上記現像剤に搬送力が付与される現像剤搬送路について、該現像剤搬送路の上記軸部に直行する平面における断面積が、上記搬送スクリュの搬送方向の上記検知面近傍に対して上流側に比べて、該検知面近傍の方が小さいことを特徴とする現像装置。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5、6、7または8の現像装置において、
上記羽部の螺旋ピッチ幅が、上記搬送スクリュの搬送方向の上記検知面近傍に対して上流側に比べて、該検知面近傍の方が狭いことを特徴とする現像装置。
【請求項10】
少なくとも、像担持体と該像担持体上の潜像を現像する現像手段とが一体的に支持され、画像形成装置本体に対して着脱自在に構成されたプロセスカートリッジにおいて、
該現像手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9に記載の現像装置を用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項11】
像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、
該像担持体上に静電潜像を形成するための潜像形成手段と、
該静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段とを有する画像形成装置において、
該現像手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10に記載の現像装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項11の画像形成装置において、
少なくとも、上記像担持体と上記現像装置とが一体的に支持され、画像形成装置本体に対して着脱自在に構成されたプロセスカートリッジを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
トナーとキャリアとを含む現像剤を担持し、現像に用いる現像剤担持体と、
該現像剤担持体に供給する現像剤を収容する現像剤収容部を形成するケーシングと、
軸部に螺旋状の羽部を固定し、該軸部を中心に回転することによって該ケーシング内の該現像剤を攪拌しながら軸部の軸線方向に搬送する搬送スクリュと、
該搬送スクリュの軸部と平行な該ケーシングの内壁面の一部が検知面となり、該現像剤中のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段と、
該搬送スクリュの該検知面と対向する位置に固定され、該搬送スクリュが回転することにより該検知面上の該現像剤を攪拌する検知面攪拌部材とを有する現像装置において、
該検知面攪拌部材は、該搬送スクリュの該検知面と対向する位置の該軸部に固定され、該搬送スクリュの回転によって該内壁面に接触することなく回転し、該現像剤を攪拌する動作では変形し難い剛性を有する平板部材であることを特徴とする現像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−205116(P2009−205116A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−68149(P2008−68149)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】