説明

画像形成装置、像形成構造体、及び現像剤回収容器

【課題】現像剤を回収する際の操作を簡単にすることができる画像形成装置、像形成構造体、及び現像剤回収容器を提供する。
【解決手段】画像形成装置10は、画像形成装置本体16と、画像形成装置本体16内に設けられ、現像剤像を形成する複数の現像剤像形成部42Y、42M、42C、42Kと、複数の現像剤像形成部42の少なくとも2つから排出された現像剤を回収する現像剤回収容器300とを有し、現像剤像形成部42Kは、現像剤像を保持する感光体ドラム210を備えた感光体ユニット200Kを有し、感光体ユニット200Kと現像剤回収容器300とは、前記画像形成装置本体16内に一体として着脱される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、像形成構造体、及び現像剤回収容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像形成装置から排出される廃トナーを回収する廃トナー回収装置であって、前記画像形成装置の本体内に収納可能な内蔵回収容器に代えて当該本体内に装着可能な一時回収容器と、前記画像形成装置の本体外に配置される外付け回収容器と、前記一時回収容器に回収された前記廃トナーを前記外付け回収容器に搬送する搬送機構とを有する廃トナー回収装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−198789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、現像剤を廃棄する際の操作を像形成構造体の着脱とともに行うことができる画像形成装置、像形成構造体、及び現像剤回収容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る本発明は、画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体内に設けられ、現像剤像を形成する複数の現像剤像形成部と、前記複数の現像剤像形成部の少なくとも2つから排出された現像剤を回収する排出現像剤回収容器と、を有し、前記複数の現像剤像形成部の少なくとも1つは、現像剤像を保持する像保持体を備えた像形成構造体を有し、前記少なくとも1つの現像剤像形成部の像形成構造体と前記排出現像剤回収容器とは、前記画像形成装置本体内に一体として着脱される画像形成装置である。
【0006】
請求項2に係る本発明は、前記画像形成装置本体内に前記排出現像剤回収容器と一体として着脱される像形成構造体が備える像保持体は、黒の現像剤像を保持する請求項1記載の画像形成装置である。
【0007】
請求項3に係る本発明は、前記複数の現像剤像形成部のそれぞれは、潜像を現像する現像装置をさらに備え、前記排出現像剤回収容器は、前記現像装置の少なくとも2つから排出された現像剤を回収する請求項1又は2記載の画像形成装置である。
【0008】
請求項4に係る本発明は、前記像形成構造体は、前記像保持体から除去された現像剤を回収する除去現像剤回収部をさらに有する請求項3記載の画像形成装置である。
【0009】
請求項5に係る本発明は、前記排出現像剤回収容器は、上端部側に現像剤の回収に用いられる開口部が形成されている請求項1乃至4いずれか記載の画像形成装置である。
【0010】
請求項6に係る本発明は、前記排出現像剤回収容器は、前記開口部を開閉する開閉部を有する請求項5記載の画像形成装置である。
【0011】
請求項7に係る本発明は、前記開閉部は、前記回収容器を前記画像形成装置本体内に装着する動作に連係して前記開口部を開いた状態として、前記回収容器を前記画像形成装置本体内から取り外す動作に連係して前記開口部を閉じた状態とする請求項6記載の画像形成装置である。
【0012】
請求項8に係る本発明は、前記排出現像剤回収容器は、該現像剤回収容器内で回収現像剤を搬送する搬送部材を有する請求項1乃至7いずれか記載の画像形成装置である。
【0013】
請求項9に係る本発明は、前記排出現像剤排出容器は、前記像形成構造体に着脱可能である請求項1乃至8いずれか記載の画像形成装置である。
【0014】
請求項10に係る本発明は、現像剤像を保持する像保持体を有し、現像剤像を形成する複数の現像剤像形成部から排出された現像剤を回収する排出現像剤回収容器と一体として画像形成装置本体内に着脱される像形成構造体である。
【0015】
請求項11に係る本発明は、現像剤像を保持する像保持体と、現像剤像を形成する複数の現像剤像形成部から排出された現像剤を回収する排出現像回収室と、を有し、画像形成装置本体内に着脱される像形成構造体である。
【0016】
請求項12に係る本発明は、現像剤像を形成する複数の現像剤像形成部から排出された現像剤を回収し、現像剤を保持する現像剤保持体を備えた像形成構造体と一体として画像形成装置本体内に着脱される現像剤回収容器である。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る本発明によれば、本構成を有していない場合と比較して現像剤を廃棄する際の操作を像形成構造体の着脱とともに行うことができる画像形成装置を提供することができる。
【0018】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明が奏する効果を奏することに加えて、排出現像剤回収容器を交換頻度の比較的高い黒の像形成構造体と一体として画像形成形成装置本体内に着脱することができる画像形成装置を提供することができる。
【0019】
請求項3に係る本発明によれば、請求項1又は2に係る本発明が奏する効果を奏することに加えて、少なくとも2つの現像装置から排出された劣化した又は余剰の現像剤を1つの排出現像剤回収容器に回収することができる画像形成装置を提供することができる。
【0020】
請求項4に係る本発明によれば、請求項3に係る本発明が奏する効果を奏することに加えて、現像装置から排出された現像剤とは区分された空間に、像保持体から除去された現像剤を回収することができる画像形成装置を提供することができる。
【0021】
請求項5に係る本発明によれば、請求項1乃至4に係る本発明が奏する効果を奏することに加えて、排出現像剤回収容器内に落下するように、重力の作用で現像剤を回収することができる画像形成装置を提供することができる。
【0022】
請求項6に係る本発明によれば、請求項5に係る本発明が奏する効果を奏することに加えて、例えば画像形成装置本体内への着脱時等に、現像をこぼれにくくすることができる排出現像剤回収容器を備えた画像形成装置を提供することができる。
【0023】
請求項7に係る本発明によれば、請求項6に係る本発明が奏する効果を奏することに加えて、現像剤回収容器の開口部を開閉する操作の手間を低減することができる画像形成装置を提供することができる。
【0024】
請求項8に係る本発明によれば、請求項1乃至7いずれかに係る画像形成装置が奏する効果を奏することに加えて、一定の体積の空間を形成する排出現像剤回収容器内に回収することができる現像剤の量を増やすことができる画像形成装置を提供することができる。
【0025】
請求項9に係る本発明によれば排出現像剤回収容器と一体となっている像形成構造体と、排出現像剤回収容器と一体となっていない現像剤回収容器との構造を同じにすることができる画像形成装置を提供することができる。
【0026】
請求項10に係る本発明によれは、本構成を有していない場合と比較して、回収した現像剤を廃棄する際の操作を像形成構造体の着脱とともに行うことができる像形成構造体を提供することができる。
【0027】
請求項11に係る本発明によれは、本構成を有していない場合と比較して、回収した現像剤を廃棄する際の操作を像形成構造体の着脱とともに行うことができる像形成構造体を提供することができる。
【0028】
請求項12に係る本発明によれは、回収した現像剤を廃棄する際の操作を像形成構造体の着脱とともに行うことができる現像剤回収容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示す画像形成装置を示す断面図である。
【図3】図1に示す画像形成装置に像形成構造体及び排出現像剤回収容器が着脱される様子を示す断面図である。
【図4】図1に示す画像形成装置に用いられる現像装置を左側面から示す断面図である。
【図5】図4に示す現像装置の図4におけるA−A線断面図である。
【図6】図1に示される画像形成装置に用いられる造形形成構造体を示す断面図である。
【図7】図1に示される画像形成装置に用いられる造形形成構造体及び排出現像回収容器を示す断面図である。
【図8】図7に示す排出現像剤回収容器を示す斜視図である。
【図9】図7に示す排出現像剤回収容器が有する開閉部を拡大して示す第1の斜視図である。
【図10】図7に示す排出現像剤回収容器が有する開閉部拡大して示す第2の斜視図である。
【図11】図1に示す画像形成装置が有する現像剤搬送路を示す一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。
図1及び図2には、本発明の形実施形態に係る画像形成装置10が示されている。図1及び図2に示されるように、画像形成装置10は画像形成装置本体16を有する。
【0031】
画像形成装置本体16には、前方側開閉部18がヒンジ20を用いて画像形成装置本体16に対して開閉することができるように取り付けられている。また、画像形成装置本体16には、主開閉部26がヒンジ28を用いて画像形成装置本体16に対して開閉することができるように装着されている。また、画像形成装置本体16の前側には、操作部32が取り付けられている。
【0032】
前方側開閉部18には、供給用開閉部22が開閉できるように取り付けられている。供給用開閉部22は、通常は図1及び図2に示すように前方側開閉部18に対して閉じられている。後述する記録シート供給装置510に収納された記録シートとは異なる記録シートを用いる際に、供給用開閉部22は前方側開閉部18に対して開かれる。ここで、記録シートとは、最終的に画像形成がされる例えば普通紙やOHPシート等の媒体をいう。
【0033】
主開閉部26は、通常は画像形成装置本体16に対して閉じられている。後述する感光体ユニット200Y、200M、200C、200B及び現像剤回収容器300のいずれかを画像形成装置本体16内に着脱する際に主開閉部26は開かれる。主開閉部26に装着され、後述する支持ロール70、中間転写ベルト62等が前方側開閉部18と干渉することを防止するため、主開閉部26を開くことに先立ち、前方側開閉部18が画像形成装置本体16に対して開かれる。
【0034】
前方側開閉部18を画像形成装置本体16に対して閉じる際には、前方側開閉部18を閉じることに先立って、主開閉部26が画像形成装置本体16に対して閉じられる。主開閉部26は、上側の面が、画像が形成された記録シートが排出される排出部として用いられる。
【0035】
主開閉部26には、副開閉部30が主開閉部26に対して開閉することができるように取り付けられている。副開閉部30は主開閉部26とは独立して開閉することができ、主開閉部26が画像形成装置本体16に対して閉じられた状態で、主開閉部26に対して開いた状態とすることができる。副開閉部30は、後述するクリーニング装置90の全部又は一部を画像形成装置本体16内に着脱する際に開かれる。
【0036】
操作部32は、例えば、画像形成する記録シートの枚数を入力するテンキーや、画像形成を開始する際に操作される開始ボタン等を有する。
【0037】
画像形成装置本体16内には、記録シートに画像を形成する画像形成部40が設けられている。画像形成部40は、例えば4個の現像剤像形成部42Y、42M、42C、42Kと、光書き込み装置44と、転写装置60とを有する。現像剤像形成部42Yはイエローの現像剤を用いて現像剤像を形成する。現像剤像形成部42Mはマゼンタの現像剤を用いて現像剤像を形成する。現像剤像形成部42Cはシアンの現像剤像を用いて現像剤像を形成する。現像剤像形成部42Kは黒の現像剤を用いて現像剤像を形成する。尚、以下の説明において、現像剤像形成部42Y、42M、42C、42Kを総称する場合、現像剤像形成部42とする。
【0038】
現像剤像形成部42Y、42M、42C、42Kは、それぞれが感光体ユニット200Y、200M、200C、200Kと、現像装置100Y、100M、100C、100Kとを有する。
【0039】
感光体ユニット200Y、200M、200C、200Kは、それぞれが像形成構造体として用いられていて、感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kをそれぞれが有する。感光体ユニット200Y、200M、200C、200Kは、画像形成装置本体16の後側(図2における左側)から順に、感光体ユニット200Y、200M、200C、200Kの順に並べられている。感光体ユニット200Y、200M、200C、200Kの詳細は後述する。
【0040】
感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kは、それぞれが像保持体として用いられている。
【0041】
また、現像剤像形成部42Y、42M、42C、42Kは、それぞれが現像装置100Y、100M、100C、100Kを有する。現像装置100Yは、収納するイエローのトナーを用いて感光体ドラム210Yに形成された潜像を現像する。現像装置100Mは、収納するマゼンタのトナーを用いて感光体ドラム210Mに形成された潜像を現像する。現像装置100Cは、収納するシアンのトナーを用いて感光体ドラム210Cに形成された潜像を現像する。現像装置100Yは、収納する黒のトナーを用いて感光体ドラム210Yに形成された潜像を現像する。現像装置100Y、100M、100C、100Kの詳細は後述する。
【0042】
光書き込み装置44は、潜像形成装置として用いられていて、感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kのそれぞれに対して光を照射して、感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kのぞれぞれの表面に潜像を形成する。
【0043】
転写装置60は、転写体として用いられる中間転写ベルト62を有する。中間転写ベルト62は、無端状であって、支持ロール64、66、68、70、72によって、図2に矢印で示す方向に回転することができるように支持されている。支持ロール64、66、68、70、72の中の少なくとも1つは、モータ(不図示)に連結されていて、モータからの駆動伝達を受けて回転することで、中間転写ベルト62に駆動を伝達する。
【0044】
また、転写装置60は、1次転写装置として用いられる1次転写ロール80Y、80M、80C、80Kを有する。1次転写ロール80Yは、現像装置46Yによって潜像が現像されることにより感光体ドラム210Yの表面に形成されたイエローのトナー像を中間転写ベルト62に転写する。1次転写ロール80Mは、現像装置46Mによって潜像が現像されることにより感光体ドラム210Mの表面に形成されたマゼンタのトナー像を中間転写ベルト62に転写する。1次転写ロール80Cは、現像装置46Cによって潜像が現像されることにより感光体ドラム210Cの表面に形成されたシアンのトナー像を中間転写ベルト62に転写する。1次転写ロール80Kは、現像装置46Kによって潜像が現像されることにより感光体ドラム210Kの表面に形成された黒のトナー像を中間転写ベルト62に転写する。
【0045】
また、転写装置60は、2次転写装置として用いられる2次転写ロール84を有する。2次転写ロール84は、中間転写ベルト62に転写されたイエローのトナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像、及び黒のトナー像を、記録シートに対してさらに転写する。
【0046】
また、転写装置60は、クリーニング装置90を有する。クリーニング装置90は、2次転写ロール84で記録シートに対して各色のトナー像が転写された後に、中間転写ベルト62の表面に残留する各色のトナーを掻き落とす掻き落とし部材92を有する。クリーニング装置90の本体内には、掻き落とし部材92によって掻き落とされたトナーが回収される。クリーニング装置90は、副開閉部30を開くことによって形成される開口部を介して画像形成装置本体16内に着脱することができるようになっている。
【0047】
転写装置60を構成する部材のうち、中間転写ベルト62、支持ロール64、66、68、70、72、1次転写ロール80Y、80M、80C、80K、及びクリーニング装置90は主開閉部26に装着されている。転写装置60のうち、2次転写ロール84は画像形成装置本体16に装着されている。
【0048】
また、画像形成装置本体16内には、2次転写ロール84によって記録シートに転写されたトナー像を記録シートに定着する定着装置50が設けられている。
【0049】
また、画像形成装置本体16内には、現像剤回収容器300が設けられている。現像剤回収容器300は、複数の現像剤像形成部42Y、42M、42C、42Kの少なくとも2つから排出された現像剤を回収する排出現像剤回収容器として用いられている。この実施形態では、現像剤回収容器300に、現像剤像形成部42Y、42M、42C、42Kの4つの現像剤像形成部から排出された現像剤が全て回収される。より具体的には、この実施形態においては、現像剤回収容器300には、現像剤像形成部42Y、42M、42C、42Kがそれぞれに有する現像装置100Y、100M、100C、100Kから排出された現像剤が回収される。
【0050】
現像装置100Y、100M、100C、100Kから排出された現像剤を現像剤回収容器300に搬送するためには、画像形成装置本体16内に設けられた現像剤回収路360(図11参照、図1及び図2には不図示)が用いられる。
【0051】
現像剤回収容器300には、現像剤像形成部42から排出された現像剤が回収されれば良い。したがって、この実施形態のように現像剤像形成部42の現像装置100から排出された現像剤を現像剤回収容器300に回収することに替え、又は現像装置100から排出された現像剤を現像剤回収容器300に回収することと併せて、例えば、感光体ドラム210の表面から除去された現像剤等の、現像剤像形成部42から排出された現像剤であって、現像装置100から排出された以外の現像剤を現像剤回収容器300に回収するようにしても良い。
【0052】
また、現像剤回収容器300には、現像剤像形成部42Y、42M、42C、42Kの少なくとも2つから回収された現像を回収すれば良い。したがって、この実施形態のように画像形成装置10が有する全ての現像剤像形成部である現像剤像形成部42Y、42M、42C、42Kから回収された現像剤を現像剤回収容器300に回収することに替えて、現像剤像形成部42Y、42M、42C、42Kから選択された2個以上の現像剤像形成部から排出された現像剤を現像剤回収容器300に回収するようにしても良い。
【0053】
また、現像剤回収容器300は、感光体ユニット200Kと一体となっていて、画像形成装置本体16内に感光体ユニット200Kと一体して着脱される。現像剤回収容器300を、感光体ユニット200Kと一体することに替えて、感光体ユニット200Y、200M、200Cのいずれか1つと現像剤回収容器300とを一体とし、感光体ユニット200Y、200M、200Cのいずれか1つ一体して現像剤回収容器300が画像形成装置本体16内に着脱されるようにしても良い。
【0054】
また、画像形成装置本体16内には、画像形成部40に記録シートを供給する記録シート供給装置510が装着されている。記録シート供給装置510は、画像形成装置本体16の前側(図2における右側)に引き出すことができるようになっていて、記録シート供給装置510を画像形成装置本体16から引き出した状態で記録シートが補充される。
【0055】
記録シート供給装置510は、例えば普通紙等の記録シートを積層した状態で収納する記録シート収納容器512を有する。また、記録シート供給装置510は、記録シート収納容器512に収納された最上位の記録シートを抽出し、抽出した記録シートを画像形成部40へ向けて搬送する搬送ロール514を有する。また、記録シート供給装置510は、記録シートを捌き、画像形成部40に複数枚の記録シートが重なった状態で搬送されることを防止するために用いられるリタードロール516を有する。
【0056】
また、画像形成装置本体16内には、記録シートの搬送に用いられる搬送路530が形成されている。搬送路530は、主搬送路532と、反転搬送路534と、副搬送路536とからなる。
【0057】
主搬送路532は、記録シート供給装置510から供給された記録シートを画像形成部40に搬送し、画像が形成された記録シートを画像形成装置本体16外に排出するために用いられる。主搬送路532に沿って、記録シートが搬送される方向における上流側から順に、先述の搬送ロール514及びリタードロール516と、レジストロール542と、先述の2次転写ロール84と、先述の定着装置50と、排出ロール544とが配置されている。
【0058】
レジストロール542は、記録シート供給装置510側から搬送されてきた記録シートの先端部を一時的に停止させ、中間転写ベルト62に各色のトナー像が転写されるタイミングと合致するように記録シートを2次転写ロールに向けて送り出す。
【0059】
排出ロール544は、定着装置50によって各色のトナーが定着された記録シートを画像形成装置本体16外に排出する。
【0060】
反転搬送路534は、一方の面にトナー像が形成された記録シートを反転させつつ再び画像形成部40に向けて供給するために用いられる搬送路である。反転搬送路534に沿って、例えば2つの反転搬送ロール548、548が配置されている。反転搬送路534には、記録シートの後端部を挟みこんだ状態で排出ロール544が逆回転することで記録シートが後端部側から供給され、供給された記録シートが反転搬送ロール548、548によって、レジストロール542の上流の位置へと搬送される。
【0061】
副搬送路536は、記録シート供給装置510に収納された記録シートとは異なる記録シートを画像形成部40に供給するための搬送路である。副搬送路536には、供給用開閉部22を開いた状態で画像形成装置本体16の前側から記録シートが供給される。副搬送路536に沿って、搬送ロール552とリタードロール554とが設けられている。搬送ロール552は、副搬送路536に供給され記録シートを画像形成部40に向けて搬送する。リタードロール554は、副搬送路536に供給された記録シートを捌き、複数枚の記録シートが重なった状態で記録シートが画像形成部40に搬送されることを防止するために用いられる。
【0062】
図3には、画像形成装置本体16内に感光体ユニット200及び現像剤回収容器300が着脱される様子が示されている。図3に示されるように、画像形成装置本体16に対して主開閉部26を開くと、転写装置60の中間転写ベルト62、支持ロール64、66、68、70、72、1次転写ロール80Y、80M、80C、80K、及びクリーニング装置90が主開閉部26と共に移動して、画像形成装置本体16に開口部36が形成される。そして、開口部36を介して画像形成装置本体16内に、感光体ユニット200Y、200M、200C、200Kがそれぞれ着脱される。現像剤回収容器300は、先述のように感光体ユニット200Yと一体とされている。このため、現像剤回収容器300は、感光体ユニット200と一体して画像形成装置本体16内に着脱される。
【0063】
図4及び図5には、現像装置100Yが示されている。現像装置100M、100C、100Kは用いる現像剤が異なるものの、構成は以下に説明をする現像装置100Yと同一であるので説明を省略する。
【0064】
現像装置100Yは、トナーとキャリアとからなる二成分の現像剤を用いて潜像を現像する二成分現像装置であり、現像装置本体102Yを有し、現像装置本体102Y内に現像剤が収納されている。
【0065】
現像装置本体102Y内には、現像剤保持体として用いられる現像ロール120Yが装着されている。現像ロール120Yは、図4に示す矢印方向に回転して、表面に保持する現像剤を感光体ドラム210Y(図1参照)に供給し、感光体ドラム210Yの表面に形成された潜像を現像する。
【0066】
現像装置本体102Y内は、例えば1つの仕切り部材104Yによって、例えば2つの空間に区切られ、区切られた空間がそれぞれ搬送路106Y、108Yとなっている。搬送路106Y、108Yは、現像装置本体102Y内で現像剤が搬送される通路として用いられる。搬送路106Y、108Y内には、現像剤を攪拌しながら搬送する搬送部材110Y、112Yがそれぞれ装着されている。
【0067】
また、現像装置本体102Yには、供給孔116Yと、排出孔118Yとが形成されている。供給孔116Yを介して、図示を省略する現像剤収納容器から現像装置本体102Y内に現像剤が供給される。また、排出孔118Yを介して、現像装置本体102Y外に現像剤が排出される。
【0068】
以上のように構成された現像装置100Yでは、供給孔116Yを介して現像装置本体102Y内に供給された現像剤が、搬送部材110Yによって搬送路106Y内で搬送されて、搬送部材110Yによって搬送路108Yで搬送される。そして、現像剤の例えば一部分が、最終的に排出孔118Yを介して現像装置本体102Y外に排出される。このように、現像装置本体102Y内に新しい現像剤を供給すると共に、余剰となった現像剤を排出することで、劣化したキャリアを含む現像剤を用い続けることなく、新たに供給された現像剤を用いて現像が行われるようになっている。
【0069】
図6には、感光体ユニット200Yが示されている。感光体ユニット200M、200Cは、用いる現像剤が異なるものの、構成は以下で説明をする感光体ユニット200Yと同一であるので説明を省略する。図6に示されるように、感光体ユニット200Yは、感光体ユニット本体202Yを有し、感光体ユニット本体202Yに先述の感光体ドラム210Yが装着されている。感光体ドラム210Mの一部分は、露出部分212Yとして感光体ユニット本体202Yの外部に露出することができるようになっている。
【0070】
感光体ユニット本体202Y内には、感光体ドラム210Yの表面を均一に帯電する帯電装置220Yが装着されている。帯電装置220Yは、感光体ドラム210Yに接触する帯電ロール222Yを有する。帯電装置220Yによって均一に帯電された感光体ドラム210Yの表面に、光書き込み装置44(図1参照)によって潜像が書き込まれる。
【0071】
また、感光体ユニット本体202Y内には、クリーニング装置として用いられる掻き落とし部材224Yが装着されている。掻き落とし部材224Yは、1次転写ロール80Y(図1参照)によってイエローのトナー像が中間転写ベルト62に転写された後に感光体ドラム210Yの表面に残留したイエロートナーを掻き落とす。また、感光体ユニット本体202Y内には、掻き落とし部材224Yによって感光体ドラム210Mの表面から掻き落とされたトナーを回収する回収室226Yが設けられている。
【0072】
また、感光体ユニット本体202Yには、支持部材232Yを介してシャッタ230Yが取り付けられている。支持部材232Y及びシャッタ230Yは、感光体ドラム210Yの露出部分212Yを覆う位置(以下、覆う位置とする)と、露出部分212Yを感光体ユニット本体202から露出させる位置(以下、露出させる位置とする)との間で移動するように開閉する開閉部として用いられている。図4には、シャッタ230Y及び支持部材232Yが覆う位置に移動した状態が示されている。
【0073】
シャッタ230Y及び支持部材232Yは、感光体ユニット200Yが画像形成装置本体16に装着されていない状態においては覆う位置にある。また、シャッタ230Y及び支持部材232Yは、感光体ユニット200Yが画像形成装置本体16に装着されて、画像形成装置本体16に対して主開閉部26が開かれている際には覆う位置にある。
【0074】
感光体ユニット200が画像形成装置本体16に装着された状態で、主開閉部26が画像形成装置本体16に対して閉じられると、主開閉部26が閉じられることに連係して、シャッタ230Y及び支持部材232Yが露出させる位置へと移動する。また、主開閉部26が画像形成装置本体16に対して開かれると、主開閉部26が開かれることに連係してシャッタ230Y及び支持部材232Yが覆う位置へと移動する。
【0075】
主開閉部26の開閉と、シャッタ230Y及び支持部材232Yの開閉との連係は、図示を省略するリンク機構等により実現される。
【0076】
図7には、感光体ユニット200Kと現像剤回収容器300とが示されている。感光体ユニット200Kは、先述の感光体ユニット200Yと構成が同一であるので、添字をKに替え、図7に図6と同一番号を付して詳細な説明は省略する。回収室226Kは、感光体ドラム210Kから除去された現像剤を回収する除去現像剤回収部として用いられている。回収室226Kは、現像剤回収容器300とは独立した空間である。現像剤回収容器300には、現像装置100Yから排出されたトナーとキャリアとの双方を含む現像剤が回収されるのに対して、回収室226Kには、感光体ドラム210Yの表面から除去されたトナーが回収される。
【0077】
現像剤回収容器300は、現像剤回収容器本体302を有し、現像剤回収容器本体302内に現像剤回収室304が形成されている。また、現像剤回収室304内には、現像剤回収室304内において現像剤を搬送する搬送部材310が装着されている。現像剤回収容器本体302の内側の面の一部分は斜面314を形成している。現像剤回収容器300内に回収された現像剤は、斜面314を滑るようにして、現像剤回収室304の底部に向けて落下する。
【0078】
現像剤回収容器300は、感光体ユニット本体202Yに着脱することができるようになっている。このため、製造の段階で、感光体ユニット202Y、202M、202Cと同じ材料、同じ工程で、感光体ユニット200Y、200M、200Cと同じ構成の感光体ユニット200Kを製造し、製造した感光体ユニット200Kに現像剤回収容器300を装着するとの製造方法を用いることができる。
【0079】
図8には、現像剤回収容器300が示されている。
図8に示されるように、現像剤回収容器300の上向きの面は開放部となっている。この開放部は、現像剤回収容器300を感光体ユニット200Kに装着することで封止される。搬送部材310の端部は、現像剤回収容器本体302の外側に突出していいて、突出した部分にギアG1が装着されている。図8に示すように、搬送部材310には、ギアG1、ギアG1、及びギアG3を介してモータM1からの駆動が伝達される。モータM1からの駆動伝達を受けて回転することで、搬送部材310は、回収された現像剤を図8に示す矢印方向に搬送する。
【0080】
現像剤回収容器本体302には、開閉部材320が装着されている。開閉部材320は、開口部316(図10参照)を開閉する開閉部として用いられている。開閉部材320には、例えばコイルスプリング等の弾性体からなる付勢部材322が装着されている。開閉部材320は、付勢部材322によって、図8に矢印で示すように下向きに付勢されている。
【0081】
図9及び図10には、現像剤回収容器300の開閉部材320が装着された位置近傍が拡大して示されている。図9には、画像形成装置本体16内に装着されていない状態の現像剤回収容器300が示され、図10は画像形成装置本体16に装着された状態の現像剤回収容器300が示されている。
【0082】
現像剤回収容器本体302には、上端部側に現像剤の回収の用いられる開口部316が形成されている。開口部316を通過するようにして、現像装置100Y、100M、100C、100Kから排出された現像剤が現像剤回収容器300内に回収される。
【0083】
開閉部材320は、現像剤回収容器本体302に形成された案内部326に案内されることで、図9に示す降下した位置と、図10に示す上昇した位置との間で移動することができるようになっている。先述のように付勢部材322によって下向きに付勢されるため、開閉部材320は、通常は降下した位置にある。開閉部材320が降下した位置にあると、開口部316は、開閉部材320によって閉じられた状態となる。
【0084】
開閉部材320が降下した位置にある状態で、現像剤回収容器300を画像形成装置本体16内に装着すると、画像形成装置本体16内に現像剤回収容器300を装着する動作と連動し、画像形成装置本体16側に設けられた押圧部(不図示)によって開閉部材320が上向きに押圧される。押圧されることにより開閉部材320は、上昇した位置へと移動して、開口部316が開放された状態となる。
【0085】
現像剤回収容器300を画像形成装置本体16から取り外すと、上述の押圧部による開閉部材320への押圧が解除されるため、付勢部材322に付勢されて開閉部材320は降下した位置へと移動し、開閉部材320が降下した位置へと移動することで開口部316は閉じられた状態となる。
【0086】
図11には、現像剤回収路360が示されている。
現像剤回収路360は、現像装置100Y、100M、100C、100Kにそれぞれ形成された排出孔118Y、118M、118C、118Kから排出された現像剤を現像剤回収容器300に回収するために用いられる。
【0087】
現像剤回収路360は、略垂直方向に伸びる鉛直部362、364、366、368と、鉛直部362、364、366、368に連結され、略水平に延びる水平部370とを有する。鉛直部362は、例えばパイプ等の中空の形状を有し、上端側が排出孔118Yに連結されていて、排出孔118Yから排出されたイエローの現像剤が鉛直部363内を落下するようにして水平部370に移動する。
【0088】
また、鉛直部364は、例えばパイプ等の中空の形状を有し、上端側が排出孔118Mに連結されていて、排出孔118Mから排出されたマゼンタの現像剤が鉛直部364内を落下するようにして水平部370に移動する。また、鉛直部366は、例えばパイプ等の中空の形状を有し、上端側が排出孔118Cに連結されていて、排出孔118Cから排出されたシアンの現像剤が鉛直部363内を落下するようにして水平部370に移動する。さらに、鉛直部368は、例えばパイプ等の中空の形状を有し、上端側が排出孔118Kに連結されていて、排出孔118Yから排出された黒の現像剤が鉛直部363内を落下するようにして水平部370に移動する。
【0089】
水平部370は、例えばパイプ等の中空の形状を有し、中空部内に現像剤を搬送する搬送部材374が挿入されている。搬送部材374には、ギアG5、ギアG6、及びギアG7を介してモータM2から駆動が伝達される。モータM2からの駆動伝達を受けて回転をすることで、搬送部材374は、鉛直部362、364、366、3687から落下するように搬送されてきた現像剤を現像剤回収容器300内へ向けて搬送する。
【産業上の利用可能性】
【0090】
以上で説明をしたように、本発明は、例えば複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置と、これらの画像形成装置に着脱される像形成構造体、及び現像剤回収容器とに適用することができる。
【符号の説明】
【0091】
10・・・画像形成装置
16・・・画像形成装置本体
42・・・現像剤像形成部
100・・・現像装置
200・・・感光体ユニット
210・・・感光体ドラム
226・・・回収室
300・・・現像剤回収容器
310・・・搬送部材
316・・・開口部
320・・・開閉部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体内に設けられ、現像剤像を形成する複数の現像剤像形成部と、
前記複数の現像剤像形成部の少なくとも2つから排出された現像剤を回収する排出現像剤回収容器と、
を有し、
前記複数の現像剤像形成部の少なくとも1つは、現像剤像を保持する像保持体を備えた像形成構造体を有し、
前記少なくとも1つの現像剤像形成部の像形成構造体と前記排出現像剤回収容器とは、前記画像形成装置本体内に一体として着脱される画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成装置本体内に前記排出現像剤回収容器と一体として着脱される像形成構造体が備える像保持体は、黒の現像剤像を保持する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記複数の現像剤像形成部のそれぞれは、潜像を現像する現像装置をさらに備え、
前記排出現像剤回収容器は、前記現像装置の少なくとも2つから排出された現像剤を回収する請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記像形成構造体は、前記像保持体から除去された現像剤を回収する除去現像剤回収部をさらに有する請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記排出現像剤回収容器は、上端部側に現像剤の回収に用いられる開口部が形成されている請求項1乃至4いずれか記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記排出現像剤回収容器は、前記開口部を開閉する開閉部を有する請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記開閉部は、前記回収容器を前記画像形成装置本体内に装着する動作に連係して前記開口部を開いた状態として、前記回収容器を前記画像形成装置本体内から取り外す動作に連係して前記開口部を閉じた状態とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記排出現像剤回収容器は、該現像剤回収容器内で回収現像剤を搬送する搬送部材を有する請求項1乃至7いずれか記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記排出現像剤排出容器は、前記像形成構造体に着脱可能である請求項1乃至8いずれか記載の画像形成装置。
【請求項10】
現像剤像を保持する像保持体を有し、
現像剤像を形成する複数の現像剤像形成部から排出された現像剤を回収する排出現像剤回収容器と一体として画像形成装置本体内に着脱される像形成構造体。
【請求項11】
現像剤像を保持する像保持体と、
現像剤像を形成する複数の現像剤像形成部から排出された現像剤を回収する排出現像回収室と、
を有し、
画像形成装置本体内に着脱される像形成構造体。
【請求項12】
現像剤像を形成する複数の現像剤像形成部から排出された現像剤を回収し、現像剤を保持する現像剤保持体を備えた像形成構造体と一体として画像形成装置本体内に着脱される現像剤回収容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−191327(P2010−191327A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−37514(P2009−37514)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】