説明

画像形成装置、及びその制御プログラム

【課題】 ユーザにより任意のスクリーンが設定された場合であっても、ユーザの所望する色合いを再現する。
【解決手段】 ユーザ任意スクリーンを設定可能な画像形成装置100であって、設定されたユーザ任意スクリーンを検出する検出手段33−1と、ユーザ任意スクリーンの検出に応じて、入出力特性補正機能部33−3の処理を用いてユーザ任意スクリーンの設定時の入出力特性を算出させる入出力特性算出制御手段33−2と、算出された入出力特性に基づいて、ユーザ任意スクリーンの設定時用のガンマ補正データを取得するガンマ補正データ取得手段33−3gと、既存のガンマ補正データに替えて、取得されたガンマ補正データを入出力特性のガンマ補正処理用の補正データとして設定するガンマ補正データ更新手段33−4と、更新されたガンマ補正データにより入出力特性を補正する補正手段33−3hとを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ,コピー機,スキャナ,ファクシミリ,複合機等に代表される画像形成装置、及びその制御プログラムに関し、より詳しくは、印字処理により再現された画像の色合いを調整する画像形成装置、及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ,コピー機,スキャナ,ファクシミリ,複合機(マルチファンクションペリフェラル)等に代表される画像形成装置においてカラー画像を印刷する場合、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色インクの着色剤を用いるのが通常である。理論的に、この4色インクの混合比(濃度比)を調節することであらゆる色彩が表現できる。従って、デジタルカラー画像データは、実質的にあらゆる色彩を表現するために、各原色の濃度を例えば8ビットワードを用いて多階調に(例えば256階調)に表現している。これに対し、画像形成装置は、着色剤の濃度それ自体を変化させることができないため、別の方法として、用紙上に形成する着色剤の微細な点(ドット)の大きさ(一定面積内での面積密度)を調節することで、擬似的に各着色剤の濃度を変化させている。
【0003】
そこで、画像形成の過程では、多階調画像データが示す各画素の濃度値を着色剤のドット情報に変換するためにハーフトーニング技術が用いられる。ハーフトーニング技術には種々のものがあるが、その一つに、種々の階調に対応した種々のドットパターン(スクリーン)を表わした画素値データを予めメモリに記憶させておき、元の画素値に応答して適切なスクリーンの画素値データを選択的に読み出して出力するという方法がある(以下、この方法を「スクリーン法」と呼ぶ。)。
なお、予めメモリに記憶されているスクリーン(以下、これを「レディメードスクリーン」と呼ぶ。)を使用する場合には、画像形成装置は、そのレディメードスクリーン使用条件下における画像形成装置固有の入出力特性(一般に、主に現像剤の帯電特性により決定される現像性と、像担持体の表層に形成した感光層の感度特性とにより表現される)を考慮した階調補正処理を、画像データに施すことにより、ユーザ所望の色合いを再現した印刷物の提供を可能としていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
ここで、従来の画像形成装置で用いられているスクリーン法の原理について簡単に説明する。
図6は、従来の画像形成装置における、5×5画素スクリーンを示したものである。
図6において、太線で囲んだ5×5画素スクリーン600にはハッチングで示した成長核としての5個の画素601が存在する。5×5画素スクリーン600に対応する画像領域の濃度が0%であるときは、成長核601を含めて全ての画素が空白であるが、濃度が20%程度になると、図示したように、まず5個の成長核601の箇所にのみドットが形成される。更に、濃度が40%、60%、80%、100%と上がって行くと、図6の左端部分に矢印で示すように、番号#1で付した成長核601の周りの画素へ、番号#2、#3、#4、#5の順序でドットが追加されて行く。なお、ここでは説明の簡略化のために、画素単位の大雑把な成長を例示しているが、実用のスクリーンでは1画素より小さい単位でより精細にドット成長を行うことができる。このようなドット成長において、図示したように5×5画素スクリーン600内に5個程度の成長核601が存在すれば、5×5画素スクリーン600に期待し得るハーフトーニング効果が十分に得られる(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
ところが、上述のように予めメモリに記憶されたレディメードスクリーンから選択したスクリーンを使用するのでは、ユーザが所望する解像度が得られない場合もあった。そこで、このような事態に対応すべく、予めメモリに記憶されているレディメードスクリーンとは別に、ユーザにより用意されたユーザ任意スクリーンを使用して、スクリーン法によるハーフトーン効果を得る画像形成装置も提案されている。
【特許文献1】特開平7−137346号公報(第2−4頁、第33図)
【特許文献2】特開2000−22953号公報(第4頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ユーザ任意スクリーンを使用する従来の画像形成装置は、そのユーザ任意スクリーン使用条件下における画像形成装置固有の入出力特性を把握、又は予測することができないため、画像データに何ら処理を施さずに印字処理を行ったり、レディメードスクリーンを使用する場合と同様の階調補正処理を施していた。
したがって、ユーザ任意スクリーンを使用した場合には、画像データに適切な階調補正処理が施されず、ユーザの所望する色合いを表現した印刷物が得られないといった問題があった。
また、たとえ階調補正を行うとしても、ユーザ自らが色調整する必要が生じ、容易には所望の色合いを再現できないといった問題があった。
【0007】
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであり、ユーザにより任意のスクリーンが設定された場合であっても、ユーザの所望する色合いを再現することのできる画像形成装置、及びその制御プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、ユーザ任意スクリーンを設定可能な画像形成装置であって、設定されたユーザ任意スクリーンを検出する検出手段と、ユーザ任意スクリーンの検出に応じて、入出力特性補正機能部の処理を用いてユーザ任意スクリーンの設定時の入出力特性を算出させる入出力特性算出制御手段と、算出された入出力特性に基づいて、ユーザ任意スクリーンの設定時用のガンマ補正データを取得するガンマ補正データ取得手段と、既存のガンマ補正データに替えて、ガンマ補正データ取得手段により取得されたガンマ補正データを、入出力特性のガンマ補正処理用の補正データとして設定するガンマ補正データ更新手段と、更新されたガンマ補正データにより入出力特性を補正する補正手段とを備えた構成としてある。
【0009】
画像形成装置をこのような構成にすれば、ユーザ任意スクリーンが検出されると、入出力特性補正機能部による処理を用いてユーザ任意スクリーンの設定時の入出力特性が算出され、さらに、この入出力特性に基づいてユーザ任意スクリーンの設定時用のガンマ補正データを取得することができる。また、ガンマ補正データ更新手段が、既存のガンマ補正データに替えて、取得したガンマ補正データを、入出力特性のガンマ補正処理用の補正データとして設定するため、補正手段は、ガンマ補正データ更新手段により更新された補正処理用データに基づいて入出力特性を補正することが可能となる。
このため、ユーザ任意スクリーンが設定された場合には、そのユーザ任意スクリーンに適応した入出力特性が得られ、印字処理を行えばユーザの所望する色合いを表現した印刷物が得られる。
【0010】
また、本発明の画像形成装置は、入出力特性補正機能部が、入出力特性算出制御手段による制御に応じて、所定の入出力素特性測定用のガンマ補正データを補正処理用データとして設定するガンマ補正データ設定手段と、ユーザ任意スクリーンを用いて、段階的に濃度を変化させた複数のカラーパッチ画像データを作成するパッチ作成手段と、ガンマ補正データ設定手段により設定された補正処理用データに基づいて、複数のカラーパッチ画像を現像させるパッチ現像指示手段と、複数のカラーパッチ画像データと、パッチ現像指示手段による指示により得られた複数のインク画像データとに基づいて、ユーザ任意スクリーンの設定時の入出力素特性を算出する入出力特性算出手段とを有し、ガンマ補正データ取得手段は、算出された入出力素特性と、予め設定されている目標入出力特性とに基づいて、ユーザ任意スクリーンの設定時用のガンマ補正データを算出する構成としてある。
【0011】
画像形成装置をこのような構成にすれば、ガンマ補正データ設定手段が、所定の入出力素特性測定用のガンマ補正データを補正処理用データとして設定し、現像手段が、この設定によりユーザ任意スクリーンを用いて段階的に濃度を変化させた複数のカラーパッチ画像を現像するので、入出力特性算出手段は、現像前のカラーパッチ画像データと、現像後のインク画像データとに基づいてユーザ任意スクリーンの設定時の入出力素特性を取得することができる。これにより、ガンマ補正データ取得手段は、この入出力素特性と予め設定されている目標入出力特性とを比較して、ユーザ任意スクリーンの設定時用のガンマ補正データを算出することができる。
したがって、上述のように、ガンマ補正データ取得手段が算出したガンマ補正データは、入出力特性補正機能部におけるガンマ補正処理の補正データとして設定することができる。
【0012】
また、本発明の画像形成装置は、ガンマ補正データ設定手段は、ガンマ補正データを設定する際に、既存のガンマ補正データを廃棄又は退避させる構成としてある。
【0013】
画像形成装置をこのような構成にすれば、ガンマ補正データ設定手段は、既存のガンマ補正データを廃棄又は退避させるので、新たなガンマ補正データを設定することができる。
このため、ガンマ補正データ設定手段は、新たなガンマ補正データによる補正処理を可能に、各種のガンマ補正データを設定することができる。
【0014】
また、本発明の画像形成装置は、ガンマ補正データ設定手段が、ユーザ任意スクリーンの設定解除に応じて、退避させていたガンマ補正データを復帰させる構成としてある。
【0015】
画像形成装置をこのような構成にすれば、ガンマ補正データ設定手段は、ユーザ任意スクリーン以外の、例えばレディメードスクリーンが設定されたことが検出された場合に、廃棄又は退避させていた既存のガンマ補正データを復帰させることができる。
このため、ユーザ任意スクリーンに適応した入出力特性を、既存のガンマ補正データに復帰させることにより、ユーザ任意スクリーン以外のスクリーンに対応した入出力特性を逸早く得ることができ、かかるスクリーン設定条件下においても、印字処理時にはユーザの所望する適切な色合いを表現した印刷物を提供することができる。
【0016】
また、本発明の画像形成装置は、ユーザ任意スクリーンの情報は、印刷コマンドに含まれ、検出手段が、印刷コマンドをトリガとして設定されたユーザ任意スクリーンを検出する構成としてある。
【0017】
画像形成装置をこのような構成にすれば、ユーザ任意スクリーンの情報が印刷コマンドに含まれているので、印刷実行処理時にユーザ任意スクリーンにスクリーンを切り替えるとともに、そのユーザ任意スクリーンに適応した入出力特性を設定することができる。
このため、印刷実行処理と別個にスクリーンの設定を行う必要はなく、一連の印刷コマンドの設定によって、ユーザ所望のスクリーンによる適切な印字結果を得ることができる。
【0018】
また、本発明の画像形成装置の制御プログラムは、ユーザ任意スクリーンを設定可能な画像形成装置の制御プログラムであって、設定されたユーザ任意スクリーンを検出する検出ステップと、ユーザ任意スクリーンの検出に応じて、入出力特性補正機能部の処理を用いてユーザ任意スクリーンの設定時の入出力特性を算出させる入出力特性算出制御ステップと、算出された入出力特性に基づいて、ユーザ任意スクリーンの設定時用のガンマ補正データを取得するガンマ補正データ取得ステップと、既存のガンマ補正データに替えて、ガンマ補正データ取得ステップで取得されたガンマ補正データを、入出力特性のガンマ補正処理用の補正データとして設定するガンマ補正データ更新ステップと、更新されたガンマ補正データにより入出力特性を補正する補正ステップとを画像形成装置に実行させる制御プログラムとしてある。
【0019】
画像形成装置の制御プログラムをこのようなプログラムにすれば、例えば、制御プログラムを記憶させた記録媒体をコンピュータを搭載した画像形成装置に直接装着して当該コンピュータに読み込ませることにより、ユーザ任意スクリーンが検出されると、入出力特性補正機能部による処理を用いてユーザ任意スクリーンの設定時の入出力特性が算出され、さらに、この入出力特性に基づいてユーザ任意スクリーンの設定時用のガンマ補正データを取得することができる。また、ガンマ補正データ更新ステップにおいて、既存のガンマ補正データに替えて、取得したガンマ補正データを、入出力特性のガンマ補正処理用の補正データとして設定するため、補正ステップでは、ガンマ補正データ更新ステップで更新された補正処理用データに基づいて入出力特性を補正することが可能となる。
このため、ユーザ任意スクリーンが設定された場合には、そのユーザ任意スクリーンに適応した入出力特性が得られ、印字処理を行えばユーザの所望する色合いを表現した印刷物が得られる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ユーザ任意スクリーンが検出されると、入出力特性補正機能部による処理を用いて、ユーザ任意スクリーンの設定時の入出力特性を算出し、この入出力特性に基づいてガンマ補正データを取得することができるので、このガンマ補正データにより入出力特性を補正することができる。これにより、ユーザ任意スクリーンが設定された場合には、そのユーザ任意スクリーンに適応した入出力特性が得られ、印字処理を行えばユーザの所望する色合いを表現した印刷物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本発明の実施形態に係る画像形成装置について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成図である。
ただし、図1に示す画像形成装置は具体例としてコピー機の構成を示しているものの、本実施形態の画像形成装置はコピー機に限るものではなく、例えば、プリンタ,ファクシミリ,スキャナ,デジタル複合装置(マルチファンクションペリフェラル(MFP))等を含む。
【0022】
なお、以下の実施形態における画像形成装置の各処理(例えば、入出力特性の補正処理など)は、プログラムに制御されたコンピュータにより実行することができる。制御プログラムは、例えば、記録媒体により提供される。記録媒体としては、たとえば、磁気ディスク,光ディスク,半導体メモリ,その他コンピュータで読み取り可能な任意の手段を使用することができる。
また、記録媒体に記録されたプログラムは、記録媒体を直接コンピュータに装着して当該コンピュータに読み込ませることができ、また、通信回線を介してコンピュータに読み込ませるようにしても良い。
【0023】
図1に示すように、画像形成装置100は、画像読取手段10と、操作パネル20と、制御手段30と、エンジン部40とを有している。
画像読取手段10は、例えば、スキャナ等で構成されており、原稿から画像情報を読み取ると、この画像情報に基づいて画像データを生成して出力する。この出力された画像データは、制御手段30内の画像処理部33へ送られる。
操作パネル20は、入力手段21と、表示手段22とを含み、入出力が可能な液晶タッチパネル等で構成されている。なお、これら入力手段21と表示手段22は、別個独立した構成とすることもできる。
【0024】
入力手段21は、画像形成装置100で行われる印刷処理の各種設定を行う。例えば、入力手段21は、スクリーン形状や解像度の指定を行う。
なお、本実施形態においては、スクリーン形状は、予め定まった一又は二以上の「レディメードスクリーン」からの選択が可能である他、ユーザが任意に指定する「ユーザ任意スクリーン」の設定入力を行うことができる。
また、これらスクリーンの設定情報は、印刷要求時に入力手段21から出力される印刷コマンドに含ませることができる。
【0025】
表示手段22は、例えば、液晶表示装置,又はブラウン管表示装置等で構成されており、表示制御部32から送られてきた情報データを画面表示している。
画面表示されるデータの例としては、例えば、印刷コマンドの指定を行う「印刷コマンド設定画面」などがある。
なお、スクリーン指定に関しては、予め設定されている複数のレディメードスクリーンのいずれかを選択指定、又はユーザが任意にスクリーン形状,角度等のスクリーン情報を設定するユーザ任意スクリーンを入力可能に画面表示される。
【0026】
制御手段30は、画像形成装置100の機能を統括制御する装置であり、CPU,メモリ等により構成され、入力制御部31と、表示制御部32と、画像処理部33と、記憶部34、エンジン制御部35とを備えている。
入力制御部31は、入力手段21で設定入されたデータを受け取る。これにより、制御手段30は、その設定内容に基づいて各種機能を制御する。
表示制御部32は、入力手段21からの入力データに応じて、制御手段30に内蔵されている所定のアプリケーションに基づき指定された表示データを表示手段22へ送り、表示させる。
【0027】
画像処理部33は、画像読取手段10により読み取られた画像データに基づく画像処理を行い、ここで得られた描画データをエンジン制御部35を介してエンジン部40へ出力する。また、本実施形態においては、この画像処理部33において、スクリーン形状に応じた適切な補正処理を実行することにより目標とする入出力特性が得られるように画像処理を行っている。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の画像処理部の内部構成を示したブロック図である。
図2に示すように、画像処理部33は、ユーザ任意スクリーン検出部33−1,入出力特性算出制御部33−2,入出力特性補正機能部33−3,ガンマ補正データ更新部33−4を有している。
【0028】
ユーザ任意スクリーン検出部(検出手段)33−1は、印刷コマンドをトリガとして設定されたユーザ任意スクリーンを検出する。すなわち、入力手段21から印刷コマンドが入力されると、その印刷コマンドに含まれるスクリーン情報を検出する。また、ユーザ任意スクリーン検出部33−1はユーザ任意スクリーンを検出すると、そのスクリーン情報を入出力特性算出制御部33−2へ出力する。
入出力特性算出制御部(入出力特性算出制御手段)33−2は、ユーザ任意スクリーン検出部33−1からのスクリーン情報を受けると、このスクリーン情報とともに入出力特性算出指令を入出力特性補正機能部33−3に出力する。
【0029】
入出力特性補正機能部33−3は、入出力特性算出制御部33−2から出力された入出力特性算出指令に応じて、ユーザにより任意に入力されたスクリーン(ユーザ任意スクリーン)の設定時の入出力特性を感光ドラム42上に形成されたトナー像のインク画像を測定することにより算出し、ガンマ補正データを取得する。これにより、入出力特性補正機能部33−3は、入出力特性をガンマ補正処理している。
なお、この入出力特性補正機能部33−3は、本来的には、画像読取手段10が読み取り、画像処理部33に入力されてきた画像データをデータ変換したときの入出力特性を、種々の設定条件に応じた補正データによりキャリブレーション処理を実行し、良好な出力画像を得ようとするものである。
【0030】
また、入出力特性補正機能部33−3は、スクリーン構造解析・判定部33−3a,スクリーン設定部33−3b,ガンマ補正データ設定部33−3c,パッチ作成部33−3d,パッチ現像指示部33−3e,入出力特性把握演算部33−3f,ガンマ補正データ取得部33−3g,補正処理部33−3hを有している。
スクリーン構造解析・判定部33−3aは、入出力特性算出制御部33−2から入力されたスクリーン情報を読み取って、スクリーン形状,角度等のユーザ任意スクリーンの素性を解析し、この解析したスクリーン素性情報をスクリーン設定部33−3b、及びガンマ補正データ設定部33−3cに出力する。
また、このスクリーン構造解析・判定部33−3aは、レディメードスクリーンであるか否かの判断、現行設定の素性把握、印刷コマンドとして入力された画像処理部33への要求がユーザスクリーンの更新要求であるのか、或いはキャリブレーション処理の実行要求であるのかを判定する機能を有している。
【0031】
スクリーン設定部33−3bは、入力されたスクリーン素性情報に基づいてユーザにより任意に設定されたユーザ任意スクリーンを設定する。
ガンマ補正データ設定部(ガンマ補正データ設定手段)33−3cは、スクリーン構造解析・判定部33−3aからのスクリーン素性情報の示すスクリーンがユーザ任意スクリーンである場合には、所定の素特性測定用のガンマ補正データを後述する記憶部34から読み出して、入出力特性補正機能部33−3における補正処理の補正処理用データとして設定する。また、このガンマ補正データ設定部33−3cは、ユーザ任意スクリーンに限らず、種々のレディメードスクリーンに対応したレディメードスクリーン用ガンマ補正データも設定することができる。
【0032】
また、ガンマ補正データ設定部33−3cは、ガンマ補正データを設定する際に、既存のガンマ補正データを廃棄又は記憶部34に退避させる。
さらに、ガンマ補正データ設定部33−3cは、記憶部34に既存のガンマ補正データを退避させていた場合には、ユーザ任意スクリーンの設定解除に応じて、退避させていた既存のガンマ補正データを復帰させる。
【0033】
パッチ作成部(パッチ作成手段)33−3dは、スクリーン設定部33−3bにより設定されたユーザ任意スクリーンを用いて、段階的に濃度を変化させた複数のカラーパッチ画像データを作成する。
パッチ現像指示部(パッチ現像指示手段)33−3eは、ガンマ補正データ設定部33−3cにより設定された補正処理用データに基づいて、パッチ作成部33−3dにより作成された複数のカラーパッチ画像データの現像処理を後述するエンジン部40内の現像部41に指示する。また、パッチ現像指示部33−3eは現像されたインク画像をトナーセンサ43により読み取らせ、複数のカラーパッチに対応した複数のインク画像データを取得する。
【0034】
入出力特性把握演算部(入出力特性算出手段)33−3fは、パッチ作成部33−3bにより作成された複数のカラーパッチ画像データと、その複数のカラーパッチ画像をパッチ現像指示部33−3eの指示により現像した複数のインク画像データとを読み取って、ユーザ任意スクリーン設定時の入出力素特性を取得する。
ここで、入出力素特性を得るために使用される素特性測定用ガンマ補正データは、入力値と出力値が線形の関係にあるテーブルからなる。すなわち、例えば、入力値が0,1,2,・・・,254,255であれば、対応する出力値も0,1,2,・・・,254,255となっている。ただし、これは数値的に線形であり、濃度的に線形になっている訳ではない。
【0035】
ガンマ補正データ取得部(ガンマ補正データ取得手段)33−3gは、入出力特性把握演算部33−3fにより取得された入出力素特性に基づいてガンマ補正データを算出する。すなわち、入出力特性把握演算部33−3は、素特性測定用ガンマ補正データを設定した状態で作成されたカラーパッチ画像データを現像し、これにより得られたインク画像データを測定すると、入力に対して濃度的に非線形な出力特性を得る。このため、ガンマ補正データ取得部33−3gは、この濃度的な非線形特性が濃度的に線形になるようにテーブル内の順序を入れ替えて作成することにより素特性を濃度的に所望の形状に補正するガンマ補正データを得る。
【0036】
補正処理部(補正手段)33−3hは、後述するガンマ補正データ更新部33−4により更新されたガンマ補正データにより入出力特性を補正する。
なお、この補正処理部33−3hは、キャリブレーション時には、現在設定されているスクリーン又はレディメードスクリーン用の「入出力特性の補正処理用データ」を更に補正処理する。
【0037】
ガンマ補正データ更新部(ガンマ補正データ更新手段)33−4は、既存のガンマ補正データに替えて、入出力特性算出制御部33−2の制御によりガンマ補正データ取得部33−3gにより算出されたガンマ補正データを、入出力特性補正機能部33−3によるガンマ補正処理の補正処理用データとして設定する。
【0038】
記憶部34は、メモリ等で構成され、入出力特性補正機能部33−3のガンマ補正データ設定部33−3cにより選択可能に、複数種別のスクリーンに対応したガンマ補正データが記憶されている。
記憶部34に記憶されているデータとしては、レディメードスクリーン(非ユーザ定義スクリーン)使用時に選択されるレディメードスクリーン用のガンマ補正データ、ユーザ任意スクリーン設定時の入出力素特性を測定するときに選択される素特性測定用ガンマ補正データ(非ユーザ定義又はユーザ定義のスクリーンに関係なく設定は可能である)、レディメードスクリーンにてパッチ測定した結果に基づき演算されたユーザ任意スクリーン用ガンマ補正データがある。
【0039】
エンジン制御部35は、画像処理部33により画像処理された描画データをエンジン部40へ出力し、印刷処理の実行指示を出力している。
エンジン部40は、エンジン制御部35から描画データが入力されると、そのデータに基づく画像の印刷を行う装置であり、現像部41,感光ドラム(担持体)42,トナーセンサ43を有している。
現像部41は、ガンマ補正データ設定部33−3cにより設定された補正処理用データに基づいて、パッチ作成部33−3dにより作成された複数のカラーパッチ画像データの現像処理を実行する。
感光ドラム(担持体)42は、エンジン制御部35による駆動制御によって回転駆動し、現像部41により可視化されたカラーパッチ画像のトナー像を担持する。
トナーセンサ43は、感光ドラム42付近に対面する形で備えられ、感光ドラム42上に形成されたトナー画像を読み取る。なお、感光ドラム42は、上述のようにエンジン制御部35により回転駆動されているため、トナーセンサ43は固定位置から感光ドラム43の全周に渡って形成されたトナー画像を読み取ることができる。
【0040】
ここで、エンジン部40において、画像処理部33から出力された描画データに基づいて印刷画像を得るプロセスについて簡単に説明する。エンジン部40では、まず図示しない帯電器で感光ドラムを帯電させ(帯電プロセス)、描画データに基づいて書き込み光により感光ドラム42上に静電潜像を形成する(露光プロセス)。これを図示しない現像部41でトナーを付着させて現像し、可視像であるトナー像を得ている(現像プロセス)。次に、電気力によりトナーを感光ドラムから用紙に転写し(転写プロセス)、さらに用紙に転写されたトナーを熱や圧力により用紙上に固定することで印刷画像を得ている(定着プロセス)。
すなわち、トナーセンサ43は、エンジン部40における現像プロセスにより得られたトナー像をセンシングして、そのトナー濃度を画像処理部33へ出力している。
【0041】
次に、本実施形態に係る画像形成装置の印字処理時の全体動作について、図3を参照して説明する。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の印字処理時の全体動作を示したフローチャートである。
はじめに、制御手段30は、入力手段21から印刷コマンドが入力されたか否かを判断する(ステップS301)。
ステップS301で、印刷コマンドが入力されたと判断した場合には、画像処理部33のユーザ任意スクリーン検出部33−1が、入力された印刷コマンドにユーザ任意のスクリーン情報が含まれているか否かを判断する(ステップS302)。
【0042】
ステップS302で、ユーザ任意スクリーンが印刷コマンドに含まれていると判断された場合には、入出力特性補正機能部33−3の処理を用いてユーザ任意スクリーン設定時の入出力特性を算出し、ユーザ任意スクリーン用のガンマ補正データを算出する(ステップS303)。
次いで、ガンマ補正データ更新部33−4は、ステップS303で算出されたガンマ補正データを入出力特性のガンマ補正用データとして設定する(ステップS304)。
一方、ステップS302で、ユーザ任意スクリーンが印刷コマンドに含まれていないと判断された場合、すなわち、レディメードスクリーンが印刷コマンドに含まれている場合には、そのレディメードスクリーンに対応する予め設定されたレディメードスクリーン用ガンマ補正データを記憶部34から抽出し、入出力特性のガンマ補正用データとして設定する(ステップS305)。
【0043】
ステップS304,ステップS305により入出力特性の補正用データが設定された後、制御手段30は、外乱が無視できるか否かを判断する(ステップS306)。
ステップS306での判断の結果、外乱が無視できないようであればキャリブレーション処理を実行(ステップS307)した後、再度、ステップS306の判断を行う。
ステップS306の判断の結果、外乱が無視できるようであれば、ガンマ補正データ、又は更にキャリブレーション処理により補正された入出力特性が得られるように、入力された画像データを出力可能な描画データに変換する(ステップS308)。
そして、ステップS308で得られた描画データに基づく印刷処理をエンジン部40に実行させる(ステップS309)。
【0044】
ここで、ステップS306における外乱と補正処理との関係について、詳しく説明する。
ガンマ補正処理では、標準の画像形成装置の素特性から算出したガンマ補正データにより、任意の画像形成装置の入出力特性を目標の入出力特性になるように補正するので、目標の入出力特性との間には誤差(外乱)が少なからず生じている。したがって、通常は入出力特性のガンマ補正だけでは良好な出力画像を得ることができないため、ガンマ補正処理後には、キャリブレーション処理が一度は必要となる。
ただし、ユーザ任意スクリーンを設定した時には、そもそも実使用の画像形成装置に特定され、そのユーザ任意スクリーンに対する入出力特性を測定するものであるから、外乱は無視できるものとしてガンマ補正処理のみで補正処理を終了しても十分に良好な出力画像を得ることができる。
【0045】
なお、レディメードスクリーンを設定した場合においても、画像形成装置に付属のトナーセンサの測定に基づいて得られた入出力特性をガンマ補正処理,キャリブレーション処理しても良いが、画像形成装置に付属のトナーセンサは概して精度が低いため、別途正確に測定することのできる分光測色計などの測定器を使ったガンマ補正処理を行うのが通常である。
【0046】
さらに、これら補正処理について図面を参照しながら以下に説明する。
図4は、本実施形態に係る画像形成装置の補正処理を概念的に示した模式図である。
図4(a)は、ガンマ補正処理に関する補正処理を概念的に示したものであり、図4(a)の上段は、入力値(任意の画像形成装置における入力画像データ)を、入出力特性補正データ(標準の画像形成装置に対して設定された補正データ)により補正して得られる出力値(描画データ)は、外乱を含んでしまうため、目標の入出力特性は得られず微妙に異なってしまうことが多いことを示している。そもそも入出力特性の補正データは複数サンプルの標準値からなるため、実機特性には多少なりとも必ず外乱が含まれてしまう。
【0047】
また、図4(a)の下段には、測定値である標準画像形成装置の入出力特性(素特性)と、設計値である入出力特性(目標特性)との比較演算により得られた補正データによる入出力特性を求めておき、これを介して入力画像データを画像処理することにより目標の入出力特性に補正することができる。
【0048】
次に、図4(b)は、キャリブレーション処理を概念的に示したものであり、図4(b)の上段は、測定値が、素特性を補正する補正データの標準的なもので、すでにガンマ補正処理はされているが、外乱を含んでしまい、目標の理想特性とは微妙に異なってしまうことを示している。
また、図4(b)の下段には、上段の測定値と理想特性を有する設計値との比較演算により得られた補正データを介して、任意画像形成装置における入力画像データ画像変換することにより、より目標に近似した入出力特性となる描画データが得られることを示している。
【0049】
次に、本実施形態に係る画像形成装置において、特徴となるガンマ補正処理の動作について、図面を参照しながら説明する。
図5は、本実施形態に係る画像形成装置のガンマ補正処理の動作を示したフローチャートである。
図5におけるフローチャートは、上述した画像形成装置の全体動作の説明で参照した図3のステップS303に該当する処理である。
【0050】
すなわち、ユーザ任意スクリーン検出部33−1は、そのスクリーン情報を入出力特性算出制御部33−2へ出力する(ステップS501)。
入出力特性算出制御部33−2は、ユーザ任意スクリーン検出部33−1からスクリーン情報が入力されると、これに応じてこのスクリーン情報とともに入出力特性算出指令を入出力特性補正機能部33−3に出力する(ステップS502)。
入出力特性補正機能部33−3は入出力特性算出指令が入力されると、スクリーン構造解析・判定部33−3aにて、入力されたスクリーン情報のスクリーン形状、角度等の素性を解析し、この解析したスクリーン素性情報をスクリーン設定部33−3bへ出力するとともに、ガンマ補正データ設定部33−3cにガンマ補正データ設定要求を通知する(ステップS503)。
【0051】
スクリーン設定部33−3bは、スクリーン構造解析・判定部33−3aからスクリーン素性情報が入力されると、このスクリーン素性情報に基づくユーザ任意スクリーンを設定する(ステップS504)。
そして、パッチ作成部33−3dは、スクリーン設定部33−3bにより設定されたユーザ任意スクリーンを用いて、段階的に濃度を変化させた複数のカラーパッチ画像データを作成する(ステップS505)。
また、ガンマ補正データ設定部33−3cは、ステップS503で、スクリーン構造解析・判定部33−3aからガンマ補正データ設定要求が入力されると、記憶部34に予め記憶されている所定の素特性測定用のガンマ補正データを読み出して、入出力特性補正機能部33−3における補正処理の補正処理用データとして設定する(ステップS506)。
【0052】
パッチ現像指示部33−3eは、ガンマ補正データ設定部33−3cにより素特性測定用のガンマ補正データが補正処理の補正データとして設定されると、この設定条件のもとにパッチ作成部33−3dで作成された複数のカラーパッチ画像の現像を現像部41に指示する(ステップS507)。
また、パッチ現像指示部33−3eは、現像されたインク画像をトナーセンサ43により読み取らせ、複数のカラーパッチに対応した複数のインク画像データを取得する(ステップS508)。
次いで、入出力特性把握演算部33−3fは、複数のカラーパッチ画像データと、これをパッチ現像指示部33−3eの指示により現像し、トナーセンサ43により読み取られた複数のインク画像データとを比較することにより、ユーザ任意スクリーン設定時の入出力素特性を算出する(ステップS509)。
【0053】
ステップS509で、ユーザ任意スクリーン設定時の入出力素特性が算出されると、ガンマ補正データ取得部33−3gは、この入出力素特性と、予め設定されている目標入出力特性との比較に基づいて、ユーザ任意スクリーンの設定時用のガンマ補正データを算出する(ステップS510)。
【0054】
以上の動作により、本実施形態に係る画像形成装置は、ユーザ任意スクリーンが入力された場合に、そのスクリーン設定条件下における入出力特性をガンマ補正処理するためのガンマ補正データを算出することができる。
【0055】
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置によれば、ユーザ任意スクリーンがユーザ任意スクリーン検出部33−1により検出されると、入出力特性補正機能部33−3による処理を利用してユーザ任意スクリーンの設定時の入出力特性を算出するので、ガンマ補正データ取得部33−3gは、この入出力特性と目標入出力特性との比較に基づいてユーザ任意スクリーンの設定時用のガンマ補正データを算出することができる。
また、ガンマ補正データ更新部33−4が、既存のガンマ補正データに替えて、入出力特性算出制御部33−2の制御により算出されたガンマ補正データを、入出力特性補正機能部33−3におけるガンマ補正処理の補正処理用データとして設定するため、補正処理部33−3hは、ガンマ補正データ更新部33−4により更新された補正処理用データに基づいて入出力特性を補正することが可能となる。
このため、ユーザ任意スクリーンが設定された場合には、そのユーザ任意スクリーンに適応した入出力特性が得られ、印字処理を行えばユーザの所望する色合いを表現した印刷物を得ることができる。
【0056】
以上、本発明の画像形成装置について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る画像形成装置は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施の形態に係る画像形成装置においては、補正処理部33−3hは、画像処理部33における入出力特性補正機能部33−3の内部構成の一つとして説明をしているが、これに限るものではなく、入出力特性機能部33−3から独立した構成としてもよく、この場合にあっても同様の効果を得ることができる。
【0057】
また、上記実施形態に係る画像形成装置は、制御プログラムに制御される画像形成装置により実行することができる。画像形成装置の制御プログラムは、例えば、記録媒体により提供される。記録媒体としては、例えば、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ、その他画像形成装置で読み取り可能な任意の手段を使用することができる。
また、記録媒体に記録された画像形成装置の制御プログラムは、記録媒体を直接画像形成装置に装着して当該画像形成装置に読み込ませることができ、また、通信回線を介して画像形成装置に読み込ませるようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0058】
入出力特性補正機能を有し、且つ、ユーザ任意のスクリーンを設定することのできる画像形成装置に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の画像処理部の内部構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置の印字処理時の全体動作を示したフローチャートである。
【図4】本発明の本実施形態に係る画像形成装置の補正処理を概念的に示した模式図である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置のガンマ補正処理の動作を示したフローチャートである。
【図6】従来の画像形成装置における、5×5画素スクリーンを示したものである。
【符号の説明】
【0060】
10 画像読取手段
20 操作パネル
21 入力手段
22 表示手段
30 制御手段
31 入力制御部
32 表示制御部
33 画像処理部
33−1 ユーザ任意スクリーン検出部(検出手段)
33−2 入出力特性算出制御部(入出力特性算出制御手段)
33−3 入出力特性補正機能部
33−3a スクリーン構造解析・判定部
33−3b スクリーン設定部
33−3c ガンマ補正データ設定部(ガンマ補正データ設定手段)
33−3d パッチ作成部(パッチ作成手段)
33−3e パッチ現像指示部(パッチ現像指示手段)
33−3f 入出力特性把握演算部(入出力特性算出手段)
33−3g ガンマ補正データ取得部(ガンマ補正データ取得手段)
33−3h 補正処理部(補正手段)
33−4 ガンマ補正データ更新部(ガンマ補正データ更新手段)
34 記憶部
35 エンジン制御部
40 エンジン部
100 画像形成装置
600 画素スクリーン
601 画素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ任意スクリーンを設定可能な画像形成装置であって、
設定された前記ユーザ任意スクリーンを検出する検出手段と、
前記ユーザ任意スクリーンの検出に応じて、入出力特性補正機能部の処理を用いて前記ユーザ任意スクリーンの設定時の入出力特性を算出させる入出力特性算出制御手段と、
算出された前記入出力特性に基づいて、前記ユーザ任意スクリーンの設定時用のガンマ補正データを取得するガンマ補正データ取得手段と、
既存のガンマ補正データに替えて、前記ガンマ補正データ取得手段により取得されたガンマ補正データを、前記入出力特性のガンマ補正処理用の補正データとして設定するガンマ補正データ更新手段と、
更新された前記ガンマ補正データにより前記入出力特性を補正する補正手段とを備えた
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記入出力特性補正機能部が、
前記入出力特性算出制御手段による制御に応じて、所定の入出力素特性測定用のガンマ補正データを前記補正処理用データとして設定するガンマ補正データ設定手段と、
前記ユーザ任意スクリーンを用いて、段階的に濃度を変化させた複数のカラーパッチ画像データを作成するパッチ作成手段と、
前記ガンマ補正データ設定手段により設定された補正処理用データに基づいて、前記複数のカラーパッチ画像を現像させるパッチ現像指示手段と、
前記複数のカラーパッチ画像データと、前記パッチ現像指示手段による指示により得られた複数のインク画像データとに基づいて、前記ユーザ任意スクリーンの設定時の入出力素特性を算出する入出力特性算出手段とを有し、
前記ガンマ補正データ取得手段は、算出された前記入出力素特性と、予め設定されている目標入出力特性とに基づいて、前記ユーザ任意スクリーンの設定時用のガンマ補正データを算出する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記ガンマ補正データ設定手段は、前記ガンマ補正データを設定する際に、前記既存のガンマ補正データを廃棄又は退避させる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記ガンマ補正データ設定手段が、前記ユーザ任意スクリーンの設定解除に応じて、退避させていた前記ガンマ補正データを復帰させる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記ユーザ任意スクリーンの情報は、印刷コマンドに含まれ、
前記検出手段が、前記印刷コマンドをトリガとして設定された前記ユーザ任意スクリーンを検出する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
ユーザ任意スクリーンを設定可能な画像形成装置の制御プログラムであって、
設定された前記ユーザ任意スクリーンを検出する検出ステップと、
前記ユーザ任意スクリーンの検出に応じて、入出力特性補正機能部の処理を用いて前記ユーザ任意スクリーンの設定時の入出力特性を算出させる入出力特性算出制御ステップと、
算出された前記入出力特性に基づいて、前記ユーザ任意スクリーンの設定時用のガンマ補正データを取得するガンマ補正データ取得ステップと、
既存のガンマ補正データに替えて、前記ガンマ補正データ取得ステップで取得されたガンマ補正データを、前記入出力特性のガンマ補正処理用の補正データとして設定するガンマ補正データ更新ステップと、
更新された前記ガンマ補正データにより前記入出力特性を補正する補正ステップと
を画像形成装置に実行させる画像形成装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−19876(P2006−19876A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−193627(P2004−193627)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】