説明

画像形成装置

【課題】エッジ強調及びエッジ欠けの除去して高画質の画像を形成する。
【解決手段】トナー像のプロファイルを検知し、検知結果に基づいて、スクリーンを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関し、特に、画像エッジ部の画質を向上する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置は、カラー画像への用途や軽印刷への用途など、利用分野が拡大している。このような利用部分野の拡大に伴って高画質へのニーズが高まり、エッジ部の濃度が高くなるエッジ強調やエッジ部の濃度が低下するエッジ欠けが問題となり、これらの現象に対する対策が検討されている。
【0003】
特許文献1では、エッジの濃度を検知し、エッジ強調又はエッジ欠けが検知されたときに、空間デジタルフィルタを補正することが提案されている。
【0004】
特許文献2では、複数のフィルタ条件を備えた空間デジタルフィルタのフィルタ条件を選択することにより、エッジ強調効果を緩和することが提案されている。
【特許文献1】特許第3373556号公報
【特許文献2】特開2005−238528号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エッジ強調及びエッジ欠けは、環境の変化によるトナーの帯電量の変動や適正現像条件の変動が原因で発生することが多い。また、二成分現像におけるキャリアのカウンタチャージと呼ばれる現象が原因でエッジ強調やエッジ欠けが発生する場合がある。さらには、現像ブラシ(磁気ブラシ)の影響によってもエッジ強調やエッジ欠けが発生する。
【0006】
キャリアのカウンタチャージや現像ブラシの影響で発生するエッジ強調、エッジ欠けは現像工程の中で、像担持体と現像剤担持体とが相対運動する過程で発生するために、方向性を持ったものとなる。
【0007】
空間フィルタによる画像処理では、このような方向性を持った濃度ムラに対して十分な補正効果を発揮せず、エッジ強調やエッジ欠けの補正が十分でない。また、空間周波数フィルタの用いた補正は画像の空間周波数特性を補正するものであるが、エッジ強調、エッッジ欠けは、空間周波数の補正によっては除去しきれない。
【0008】
本発明は、従来のエッジ強調、エッジ欠けに対する対策が不十分であったという問題を解決し、エッジ強調、エッジ欠けが十分に補正され、高画質の画像を形成することが出来る画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的は下記の発明により達成される。
1.
像担持体、画像データに対してスクリーン処理するスクリーン処理部及びスクリーン処理された画像データに基づいて前記像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成部を有する画像形成装置において、
所定パターンのパッチトナー像のプロファイルを検知する検知手段及びスクリーン制御手段を有し、
前記像担持体上に前記パッチトナー像を形成し、前記スクリーン制御手段は、前記パッチトナー像を検知した前記検知手段の検知結果に基づいて、前記スクリーン処理部における前記スクリーン処理を制御することを特徴とする画像形成装置。
2.
前記スクリーン制御手段は、前記スクリーン処理部に内蔵されている複数のスクリーンからスクリーンを選択することを特徴とする前記1に記載の画像形成装置。
3.
前記検知手段は、トナー像高検知手段を有することを特徴とする前記1または前記2に記載の画像形成装置。
4.
前記トナー検知手段は、濃度検知手段を有することを特徴とする前記1又は前記2に記載の画像形成装置。
5.
前記スクリーン制御手段は、エッジ強調又はエッジ欠けが前記検知手段により検知されたときは、スクリーン線数の少ないスクリーンを選択することを特徴とする前記2に記載の画像形成装置。
6.
前記スクリーン制御手段は、エッジ強調又はエッジ欠けが前記検知手段により検知されたときは、スクリーン角度の小さいスクリーンを選択することを特徴とする前記2に記載の画像形成装置。
7.
異なるスクリーン処理を行った複数の前記パッチトナー像を形成し、前記スクリーン制御手段は、複数の前記パッチトナー像の中からエッジ強調又はエッジ欠けが検知されないスクリーンを選択することを特徴とする前記2〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
8.
前記文字モード/非文字モードの設定が可能であって、前記文字モードが設定された場合は、前記スクリーン処理を行わないことを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
9.
前記複数のスクリーンは、スクリーン線数の異なるものを含むことを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
10.
前記複数のスクリーンはスクリーン角度の異なるものを含むことを特徴とする前記2、5〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、スクリーンを変更することによりエッジ強調及びエッジ欠けを補正しているので、これらの画質不良が十分に除去され、高画質の画像を安定して形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施の形態により説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。
<画像形成装置>
図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を示す図である。
【0012】
この画像形成装置は、縦型タンデム構成のフルカラーの画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y,10M,10C,10Kと、中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着装置24を有する。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
【0013】
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、ドラム状の感光体1Y、該感光体1Yの周囲に配置された帯電装置2Y、露光装置3Y、現像装置4Y、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、クリーニング装置6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、ドラム状の感光体1M、該感光体1Mの周囲に配置された帯電装置2M、露光装置3M、現像装置4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング装置6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、ドラム状の感光体1C、該感光体1Cの周囲に配置された帯電装置2C、露光装置3C、現像装置4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング装置6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Kは、ドラム状の感光体1K、該感光体1Kの周囲に配置された帯電装置2K、露光装置3K、現像装置4K、一次転写手段としての一次転写ローラ5K、クリーニング装置6Kを有する。
【0014】
中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の像担持体としての中間転写体70を有する。
【0015】
画像形成部10Y,10M,10C,10Kより形成された各色の画像は、一次転写ローラ5Y,5M,5C,5Kにより、回動する中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された記録媒体として用紙等の転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A,22B,22C,22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5Aに搬送され、転写材P上にカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着装置24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
【0016】
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5Aにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した中間転写体70は、クリーニング装置6Aにより残留トナーが除去される。
【0017】
画像形成処理中、一次転写ローラ5Kは常時、感光体1Kに圧接している。他の一次転写ローラ5Y,5M,5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y,1M,1Cに圧接する。
【0018】
二次転写ローラ5Aは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、中間転写体70に圧接する。
【0019】
画像形成部10Y,10M,10C,10Kは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y,1M,1C,1Kの図示左側方には中間転写体ユニット7が配置されている。中間転写体ユニット7は、ローラ71,72,73,74,76,77を巻回して回動可能な中間転写体70、一次転写ローラ5Y,5M,5C,5K及びクリーニング装置6Aとから成る。
【0020】
感光体1Y,1M,1C,1K上に帯電装置(2Y、2M、2C、2K)、露光装置(3Y、3M、3C、3K)、現像装置(4Y、4M、4C、4K)及び一次転写ローラ(5Y、5M、5C、5K)は像担持体としての中間転写体70上にトナー像を形成するトナー像形成手段を構成する。中間転写体70上に各色のトナー像を一次転写して重ね合わせ、それを一括して転写材Pに二次転写し、定着装置24で加圧及び加熱により固定して定着する。トナー像を中間転写体70に転移させた後の感光体1Y,1M,1C,1Kは、クリーニング装置6Y,6M,6C,6Kで転写時に各感光体上に残された残留トナーを清掃した後、上記の帯電、露光、現像のサイクルに入り、次の像形成が行われる。
【0021】
図2は本発明の実施の形態に係る画像形成装置の回路図である。
【0022】
画像形成装置は画像メモリ101、画像メモリ101から読み出した画像データに対して、変倍、画像編集等の画像処理を行う画像処理部102、ガンマ補正部103、階調補正補正部104、MTF処理部104、スクリーン処理部105を有し、これらの処理部で処理を行った画像データが画像形成部106に供給されて画像が形成される。
【0023】
CPU100はこのような画像形成の制御をROM110に記憶されているプログラムに従って実行する。CPU100は、また、以下に説明する画質調整工程をROM110に記憶されているプログラムに従って実行する。
【0024】
111はCPU100が制御を実行する際にデータを展開するRAMである。
【0025】
なお、図1,2に示した画像形成装置は中間転写体を用いたカラー画像形成装置であるが、本発明は、像担持体として感光体を用い、感光体上にスクリーン処理によりトナー像を形成する画像形成装置にも使用出来ることは勿論である。
<スクリーン処理>
以下にスクリーンの設定を含む画像形成条件の設定について説明するが、該スクリーンの設定は画像形成部10Y、10M、10C、10Kのそれぞれにおいて独立して行われる。以下の説明においては、例えば、画像形成部10Y、10M、10C、10Kを画像形成部10とするように、Y、M、C、Kの符号を省略して説明する。
【0026】
デジタル画像は、図3に示すように、画素px1〜pxnで構成される。画素px1〜pxnはレーザやLEDによるドット露光により形成される。
【0027】
デジタル画像形成においては、複数の画素を単位(以下単位マトリクスと言う)とし、単位マトリクスM内の黒化面積率を制御することにより濃度を表現することが行われる。即ち、面積階調法により画像の階調が表現される。
【0028】
本発明におけるスクリーン処理とは、複数画素からなる単位マトリクスを構成し、単位マトリクス内の黒化面積率を変えることにより濃度表現を行う処理を言う。ディザ法、誤差拡散法などもスクリーン処理の例である。
【0029】
単位マトリクス内の黒化面積は、黒画素の数を変えることと、黒化画素の面積を変えることにより変えられる。
【0030】
図4は種々のスクリーンを示す。
【0031】
図4(a)(b)は線数が異なる網点スクリーンを、図4(c)(d)は線数が異なるラインスクリーンを、図4(e)(f)はスクリーン角度θが異なるスクリーンをそれぞれ示す。
【0032】
これらのスクリーンは、形成する画像の種類に応じて適宜選択される。
【0033】
スクリーン処理部105は、画像データを処理して、単位マトリクス内の濃度に対応した黒化面積率の単位マトリクスを作成するスクリーン処理を行うが、例えば、図4に示すような各種のスクリーンを内蔵しており、CPU100の命令に基づいて、スクリーンを選択し、命令どおりのスクリーン処理を行う。
【0034】
スクリーン処理により、濃度の制御を安定して行うことが可能となり、濃度制御が高い精度で行われる結果、階調制御が安定し、高画質の階調画像を形成することが可能となる。
<検知手段>
図5はトナー像のプロファイルを検知する検知手段の例を示す。
【0035】
検知手段はトナー像高検知手段としてのレーザ変位センサ200からなり、レーザ変位センサ200は図1に示すように、転写位置を通過した中間転写体70上に形成されているトナー像を測定するように配置されており、光源としての半導体レーザ201、受光素子としてのPSD(Psition Sensing Device)202、演算制御回路205等からなる。図5、6を参照して検知手段を説明する。
【0036】
201は光源としての半導体レーザ、202はPSDであり、PSD202は図示のように、入射光軸に対して傾いた出射光軸上に配置される。半導体レーザ201は光ビームを発生し、該光ビームはコリメータレンズ203により平行光に整形され、被測定物であるトナー像210に達する。
【0037】
トナー像210からの反射光は結像レンズ204によってPSD202上に結像する。PSD202が入射光軸に対して傾いた出射光軸上に配置されている構成であるので、トナー像210の表面の高さがh1の場合には、PSD202上の位置p1に像が投影され、トナー像210の表面の高さがh2の場合には、位置p2に像が投影され、トナー像の表面の高さがh3である場合には、位置p3に像が投影される。このように、PSD202上の投影位置はトナー像210の高さにより異なる。PSD202は光の入射位置によって異なるレベルの信号を出力するので、PSD202の出力を読み取ることにより、トナー像210の高さが測定される。
【0038】
なお、受光素子としては、PSDに代えてCCD等の撮像素子を用いることもできる。
【0039】
205は半導体レーザ201の出力を制御するとともに、PSD202の出力から、後に説明するトナー像のプロファイルを作成し、トナー像の高さやトナー像により形成される線の線幅を算出し、トナー像の測定データを出力する演算制御回路、206は、半導体レーザを駆動する駆動回路、207は、PSDの出力を増幅する増幅回路である。
【0040】
図6は測定されたトナー像の断面形状、即ち、プロファイルを示す図であり、このプロファイルからトナー像の高さ及び線幅が求められる。
【0041】
例えば、トナー像の高さHとしては、トナー像の最高点(頂点)hp1を中心として、最高点hp1±100μmの区間におけるトナー像高さの平均値が用いられる。
【0042】
また、トナー像の線幅Wとしては、最高点hp1における高さの2分の1の高さを有する最も外側の点hp2とhp3との間の距離が用いられる。
【0043】
更に、トナ−像の体積など、高トナーの断面形状から得られる高さ又は幅以外のパラメータを画像形成条件の制御に用いることもできる。
【0044】
図7はトナー像の濃度を検知する検知手段としての濃度センサ220の例を示す。
【0045】
LEDを光源とする発光素子221から出射した平行光がトナー像223を照射し、反射光をホトダイードからなる受光素子222が受光してトナー像223の濃度を検知する。
【0046】
図7の濃度センサ220を用いても、図6に示す断面形状に相当する濃度分布、言い換えると濃度のプロファイルを検知することができ、エッジ強調及びエッジ欠けが検知される。
【0047】
このように、検知手段としては、トナー像の高さを検知するトナー像高検知手段としてのレーザ変位センサ又はトナー像の画像濃度を検知する濃度センサを用いることができるが、画像濃度を検知する濃度センサは、高濃度部において、その検知感度が低くなる傾向があるのに対して、トナー像高検知手段は、エッジ強調、エッジ欠けに対して十分な感度を有し、より優れている。
【0048】
レーザ変位センサ200又は濃度センサ220は図1に示すように、二次転写手段とクリーニング装置6Aの間に配置され、中間転写体70上に形成されたトナー像を検知する。
【0049】
後に説明するようにトナー像の検知は、エッジ強調及びエッジ欠けに対する補正制御において行われ、該補正制御においては、二次転写手段は作動せず、中間転写体70上のトナー像は二次転写されることなく、中間転写体70上に担持され、クリーニング装置6Aによりクリーニングされて中間転写体70から除去される。
<エッジ強調及びエッジ欠けに対する補正制御>
エッジ強調やエッジ欠けは、環境、即ち、温度又は湿度が変化したり、感光体等の画像形成装置の画像形成部を構成する部品の特性が変化した時に発生する。
【0050】
従って、画像形成装置の長い休止の後の画像形成に先だって、環境が変動したとき等において、スクリーンを選択する画質調整工程が実施される。
【0051】
図8は画質調整工程のフローチャートである。
【0052】
STEP1において、最高濃度、Dmaxが調整される。
【0053】
この最高濃度調整は最高濃度の画素値を持つ画像データで露光装置3を駆動し、現像して形成したトナー像の濃度を濃度センサ220で検知し、濃度センサ220の検知濃度が所定値に達するように、現像条件等の画像形成条件を制御することにより行われる。
【0054】
STEP2において、文字モードか非文字モードかが判定され、文字モードの場合は(STEP2のNo)終了する。従って、文字モードの場合、スクリーン処理な無しで画像形成が行われる。
【0055】
非文字モード、即ち、ハーフトーンモードのときは(STEP2のYes)、STEP3において、プロファイル検知用のパターンの作成が行われる。
【0056】
プロファイル検知用のパターンは、図9(a)に示すようにエッジ判定において形成される所定パターンのパッチトナー像PTで構成される。
【0057】
所定パターンのパッチトナー像は、四辺形、円形等の所定形状で一様な濃度のパッチトナー像であり、一例では、図9(a)に示すパッチトナー像PTが複数形成され、各パッチが異なるスクリーン処理で形成される。
【0058】
一例では、1200dpi(25.4mmあたりのドット数)で書き込まれる画像において、600lpi、300dli、200lpi(25.4mm当たりの線数)のスクリーン線数のスクリーン処理を行ってパッチトナー像を形成する。
【0059】
なお、パッチトナー像は前記のように一様な濃度の画像であり、例えば、256を最高画素値として、画素値180の一様な濃度で形成される。
【0060】
STEP4において、パッチトナー像のプロファイルがレーザ変位センサ200により検知される。
【0061】
エッジ強調の例を図9(b)にED1で示し、エッジ欠けの例を図9(c)にED2で示す。矢印Yは像担持体の移動方向である。
【0062】
STEP5において、スクリーン制御手段としてのCPU100は、レーザ変位センサ200の検知結果に基づいて、適正なスクリーンを選択する補正を行う。この選択は、STEP3において形成して複数のパッチトナー像の中から、エッジ強調又はエッジ欠けのない、スクリーンを選択することである。
【0063】
具体的には、エッジ強調又はエッジ欠けが起きているときは、スクリーン線数を少なくするか、又はスクリーン角度を小さくする。これにらの補正によりエッジ強調及びエッジ欠けが除去される。
【0064】
エッジ強調又はエッジ欠けを定量検知し、その程度に応じたスクリーン選択をすることにより、これらの現象をより良好に抑制することができる。
【0065】
STEP6において、γ補正部103がγを適正値に補正し、画質調整工程を終了する。
【実施例】
【0066】
(1)実施例1
以下に説明する下記の共通条件の下にパッチトナー像のプロファイル検知及び検知に基づいてスクリーン選択を行い画像形成試験を行った。
・画像形成装置:図1に示すカラー画像形成装置、A4、縦(記録材の搬送方向を短辺とする)で50枚/分(デジタルカラー機)
・記録密度:600dpi(25.4mm当たり600ドット)
・プロセススピード:220mm/sec
・画像領域対非画像領域比:62.5対37.5
(感光体の移動方向における画像領域長さと非画像領域長さとの比)
・感光体ドラム径:60mm(Y、M、C、Kともに)
・感光体帯電電圧の基準値:−700V
・露光部における感光体電位(ベタ画像部電位):−50V
・現像剤担持体電位の基準値:−500V
・現像バイアスのAC成分:1.0kVpp(矩形波、5kHz)
・像露光光源:半導体レーザ(波長780nm)
・現像剤担持体:直径30mmの円筒体(磁石を内蔵)
・現像剤担持体の有磁界部の軸方向長さ:330mm
・感光体/現像剤担持体間距離:0.3mm
・現像剤担持体上の現像剤搬送量:約300±40g/m2
・現像剤担持体表面の移動速度/感光体表面の移動速度比:2.0
現像剤担持体の回転方向:逆転(感光体と現像剤とが対向する現像領域において、感光体と現像剤担持体とが反対方向に移動)
・現像剤層厚規制手段:磁気ブレード
・現像剤担持体と現像剤層厚規制手段間の間隙:0.6mm
・トナー:Y、M、C、Kともに体積平均粒径6.5μmの重合トナー
・キャリア:
体積平均粒径:38μm
磁化の強さ:60emu/g
・現像剤のトナー濃度:6.5質量%
・現像剤質量:Y、M、C、Kともに800g
図1に示すように中間転写体70に対してそれぞれレーザ変位センサ200を対向配置して、感光体上のトナー像のプロファイルを測定した。
【0067】
レーザのスポット径:10μm、受光素子であるCCDの距離分解能は0.1μmであった。
【0068】
スクリーンとしては、
300lpi、200lpi、150lpiを用意し、エッジ強調又はエッジ欠けが検知されたときに、これらの画像不良を発生しないスクリーンを用いるように設定した。
(2)実施例2
現像剤担持体の回転方向を正転(感光体と現像剤とが対向する現像領域において、感光体と現像剤担持体とが同方向に移動)とするとともに、図1に示すように、レーザ変位センサ200を中間転写体70に対向して配置し、中間転写体上のパッチトナー像のプロファイルを測定した。
(3)比較例
比較例1、2として、実施例1、2と同じ装置条件で、エッジ強調又はエッジ欠けが検知された場合に、図2におけるMTFフィルタ(デジタルフィルタ)のフィルタ条件を調整した。
【0069】
テスト結果を表1に示す。
【0070】
【表1】

【0071】
表1において、○はエッジ強調又はエッジ欠けが発生していないことを示し、△はエッジ強調又はエッジ欠けが発生したが、許容できるレベルであることを示し、×は、許容できないレベルのエッジ強調又はエッジ欠けが発生したことを示す。
【0072】
また、表1において、イ→ロ→ハ→ニで示すように、NN環境の次にLL環境、その次にHH環境、最後にNN環境の順序で画像形成試験を実行した。
【0073】
表1に示すように実施例1、2ではエッジ強調、エッジ欠けともに発生していないが、比較例1では、ハ(HH環境)、及びニ(NN環境)において、画像先端のエッジ強調が発生し、ロ(LL環境)において、画像後端部のエッジ欠けが発生し、ハ(HH環境)において画像後端部のエッジ強調が発生した。
【0074】
また、比較例2では、ロ(LL環境)において、画像先端部のエッジ欠けが発生し、ハ(HH環境)において、画像後端部におけるエッジ強調が発生した。
【0075】
また、比較例2では、ニ(NN環境)において、エッジ欠けが発生したが、(Δ)で示すように、エッジ強調の過剰補正により生じたものと推測される。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の回路図である。
【図3】スクリーン処理を説明するための図である。
【図4】種々のスクリーンを示す図である。
【図5】図5はトナー像のプロファイルを検知する検知手段の例を示す図である。
【図6】トナー像のプロファイルを示す図である。
【図7】濃度センサを示す図である。
【図8】画質調整工程のフローチャートである。
【図9】エッジ強調及びエッジ欠けを示す図である。
【符号の説明】
【0077】
1、1Y、1M、1C、1K 感光体
2Y、2M、2C、2K 帯電装置
3、3Y、3M、3C、3K 露光装置
4Y、4M、4C、4K 現像装置
5Y、5M、5C、5K 一次転写装置
70 中間転写体
100 CPU
105 スクリーン処理部
200 レーザ変位センサ
220 濃度センサ0 レーザ変位センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体、画像データに対してスクリーン処理するスクリーン処理部及びスクリーン処理された画像データに基づいて前記像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成部を有する画像形成装置において、
所定パターンのパッチトナー像のプロファイルを検知する検知手段及びスクリーン制御手段を有し、
前記像担持体上に前記パッチトナー像を形成し、前記スクリーン制御手段は、前記パッチトナー像を検知した前記検知手段の検知結果に基づいて、前記スクリーン処理部における前記スクリーン処理を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記スクリーン制御手段は、前記スクリーン処理部に内蔵されている複数のスクリーンからスクリーンを選択することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記検知手段は、トナー像高検知手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記トナー検知手段は、濃度検知手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記スクリーン制御手段は、エッジ強調又はエッジ欠けが前記検知手段により検知されたときは、スクリーン線数の少ないスクリーンを選択することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記スクリーン制御手段は、エッジ強調又はエッジ欠けが前記検知手段により検知されたときは、スクリーン角度の小さいスクリーンを選択することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
異なるスクリーン処理を行った複数の前記パッチトナー像を形成し、前記スクリーン制御手段は、複数の前記パッチトナー像の中からエッジ強調又はエッジ欠けが検知されないスクリーンを選択することを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記文字モード/非文字モードの設定が可能であって、前記文字モードが設定された場合は、前記スクリーン処理を行わないことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記複数のスクリーンは、スクリーン線数の異なるものを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記複数のスクリーンはスクリーン角度の異なるものを含むことを特徴とする請求項2、5〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−167104(P2008−167104A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−353748(P2006−353748)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】