画像形成装置
【課題】ユーザが、認証データが付加された印刷データの印刷を忘れてしまった場合においても、当該印刷データの漏洩を防止することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、印刷データ、並びに認証情報、及び重要度データが入力されるネットワークI/F2と、ネットワークI/F2に入力された印刷データ、認証データ、及び属性情報を記憶するHDD5と、印刷データを認証する為の認証情報が入力される操作パネル部2と、HDD5に記憶された認証データ、及びユーザによって入力された認証情報を比較する認証制御部10、及び比較結果に基づいてHDD5に記憶された印刷データの印刷処理を制御する印刷処理部11を有する制御部4と、HDD5が印刷データを記憶している時間を計時する時間管理部12とを備え、制御部4は、重要度データ、及びHDD5が印刷データを記憶していた時間に基づいて印刷データを消去する。
【解決手段】画像形成装置1は、印刷データ、並びに認証情報、及び重要度データが入力されるネットワークI/F2と、ネットワークI/F2に入力された印刷データ、認証データ、及び属性情報を記憶するHDD5と、印刷データを認証する為の認証情報が入力される操作パネル部2と、HDD5に記憶された認証データ、及びユーザによって入力された認証情報を比較する認証制御部10、及び比較結果に基づいてHDD5に記憶された印刷データの印刷処理を制御する印刷処理部11を有する制御部4と、HDD5が印刷データを記憶している時間を計時する時間管理部12とを備え、制御部4は、重要度データ、及びHDD5が印刷データを記憶していた時間に基づいて印刷データを消去する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷物に印刷された情報の漏洩リスクを低減させる方法として、印刷データに付加された認証情報と、ユーザが入力した認証情報との照合を行い、両者が対応する認証情報であることが認識されなければ印刷データの印刷を行わない認証機能を有するホスト、サーバ、及び画像形成装置がある。例えば、この様な認証機能を有する画像形成装置としては、特許文献1に記載された画像形成装置がある。
【0003】
【特許文献1】特開2005−62231公報
【0004】
具体的には、この特許文献1には、画像形成装置が備える機能や画像形成装置に保存されたデータの重要度に応じて異なる認証方法を使用することにより、画像形成装置の機能の使用や画像形成装置に格納された印刷データに対して保護を与えることが可能な画像形成装置が記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述の様な画像形成装置に因れば、ユーザが認証を行うまでの間は、印刷データは一旦、画像形成装置内部に記憶されることとなる為、例えばユーザが印刷データの出力を忘れてしまった場合、又は画像形成装置自体が盗難にあった場合等には、印刷データは画像形成装置に記憶されたままとなってしまい、このことに起因して、印刷データの漏洩が発生してしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明はこの様な実情に鑑みてなされたものであり、ユーザが、認証データが付加された印刷データの印刷を忘れてしまった場合においても、当該印刷データの漏洩を防止することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する為に、本発明にかかる画像形成装置は、認証印刷機能を有する画像形成装置において、印刷データ、並びに当該印刷データを認証する為の第一の認証情報、及び当該印刷データの属性情報が入力されるデータ入力部と、前記データ入力部に入力された前記印刷データ、前記第一の認証情報、及び前記属性情報を記憶する記憶部と、前記印刷データを認証する為の第二の認証情報が入力される認証情報入力部と、前記記憶部に記憶された前記第一の認証情報、及び前記認証情報入力部に入力された前記第二の認証情報を比較する認証情報比較部と、前記認証情報比較部による比較結果に基づいて前記記憶部に記憶された前記印刷データの印刷処理を制御する制御部と、前記記憶部が前記印刷データを記憶している時間を計時する計時部とを備え、前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記属性情報、及び前記計時部の計時結果に基づいて前記印刷データを前記記憶部から消去することを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、印刷データは、刷処理が実行されたか否かに関わらず、一定の基準を満たした場合には制御部によって記憶部から消去される。すなわち、例えばユーザが秘密文書の印刷データを画像形成装置に入力した後に、認証印刷を実行することを忘れてしまった場合においても、本発明にかかる画像形成装置は、制御部が入力された属性情報及び計時部が計時した時間に基づいて印刷データを記憶部から消去することができる。そしてこれにより画像形成装置は、秘密文書の印刷物、又は秘密文書の印刷データが外部に漏洩してしまうことを防止することができる。
【発明の効果】
【0009】
この様に、本発明にかかる画像形成装置によれば、ユーザが印刷データの印刷を忘れてしまった場合、又は画像形成装置自体が盗難にあってしまった場合においても、印刷データの漏洩を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
実施の形態にかかる画像形成装置は、印刷データに付加された認証データと、ユーザが例えば画像形成装置の操作パネルを用いて入力した認証データとの照合を行い、両認証データが対応、又は一致する場合にのみ印刷データの印刷を行う認証機能を有する。そして、画像形成装置は、認証機能を用いた認証印刷を行う場合、印刷データと共に入力された属性データに基づいて印刷データの処理方法を決定し、ユーザが認証機能を実行したか否かに関わらず、当該処理方法を実行する。これにより、例えばユーザが認証印刷の実行を忘れてしまった場合等においても、画像形成装置は、印刷データを処理することができる為、認証印刷によって印刷データが印刷された印刷物の漏洩を防止すると共に、認証印刷が実行されなかった場合においても印刷データの処理を行うことによって印刷データの漏洩を防止することができる。以下、具体的な実施の形態について詳細な説明をする。
【0012】
第1の実施の形態にかかる画像形成装置は、認証印刷機能を有する画像形成装置であり、印刷データ、並びに当該印刷データを認証する為の認証情報、及び当該印刷データの属性情報が入力されるデータ入力部と、データ入力部に入力された印刷データ、認証情報、及び属性情報を記憶する記憶部と、ユーザが印刷データを認証する為の認証情報が入力される認証情報入力部と、記憶部に記憶された認証情報、及びユーザが入力した認証情報を比較する認証情報比較部と、比較結果に基づいて記憶部に記憶された印刷データの印刷処理を制御する制御部と、記憶部が印刷データを記憶している時間を計時する計時部とを備え、制御部は、ユーザが認証印刷を行ったか否かに関わらず、記憶部に記憶された属性情報、及び計時部において計時された記憶部が印刷データを記憶していた時間に基づいて印刷データを記憶部から消去する。ここで画像形成装置に入力される属性情報は、ユーザが印刷データの重要度に応じて印刷データに付加する情報であり、具体的には、記憶部が前記印刷データを記憶している時間の上限値に関する情報を含む。そして画像形成装置は、ユーザが認証印刷を実行することを忘れてしまった場合でも、属性情報に応じて決定された消去時間を経過後に印刷データを消去することによって、印刷データが画像形成装置に残存してしまうことを防止し、印刷データの漏洩を防止することができる。
【0013】
図1に示す様に、画像形成装置1は、ユーザが各種情報を入力する操作パネル部2と、ネットワークを介して各種情報が入力されるネットワークインターフェイス(I/F)部3と、認証機能を実行する制御部4と、ハードディスクドライブ(HDD)5と、RAM(Random Access Memory)6と、時間を計測する時計部7と、印刷データに基づく画像を用紙等の記録媒体上に印刷する印刷部8とを備える。この様な画像形成装置1は、ネットワークI/F部3において受信した印刷データをHDD5内部に格納する。そして、画像形成装置1は、操作パネル部2を通じてユーザが認証データを入力した際に、制御部4において認証機能を実行し、認証機能を実行した結果に基づいてHDD5内部の印刷データを読み出し、印刷部8において印刷データを印刷する。
【0014】
操作パネル部2は、例えば画像形成装置1に設けられた操作パネルであり、図示せぬLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部と、テンキー等の入力部を備える。この様な操作パネル部2は、ユーザによって認証データが入力される。そして、ユーザが認証データを操作パネル部2に入力すると、認証データは制御部4に供給される。
【0015】
ネットワークI/F部3は、例えば画像形成装置1に設けられたインターフェイスであり、ネットワークを介して図示せぬ情報処理装置と接続される。そして、ネットワークI/F部3は、ネットワークを介して図示せぬ情報処理装置から送信された印刷データ、印刷データの重要度を示す属性情報としての重要度データ、及び印刷データを識別する為の認証データを受信する。尚、画像形成装置1では、データ入力部としてネットワークインターフェイスを用いて詳細な説明を行うが、データ入力部としてはパラレルインターフェイス、又はシリアルインターフェイスを用いることも可能である。
【0016】
重要度データは、図示せぬ情報処理装置においてユーザが決定した印刷データの重要度を示す情報であり、印刷データの画像形成装置1における取扱いを区別する為に使用される。尚、以下では重要度データは、「高」、「中」、「低」の三種類のレベルによって区別されているものとして詳細な説明を行うが、重要度データの区別の仕方や、種類数は、適宜変更可能である。
【0017】
また、印刷データに付加された認証データは、例えば4桁の数字によって表される情報であり、図2に示す様に、ユーザが情報処理装置において印刷データのヘッダ部分に付加した情報である。そして、この様な認証データは、印刷データを他の印刷データから識別すると共に認証データを利用した認証印刷を行う為に使用される。ユーザが印刷データを印刷する際に操作パネル部2に認証データが入力されると、画像形成装置1は、ユーザが操作パネル部2に入力した認証データと一致する認証データを検索し、当該検索した認証データが付加されている印刷データを印刷する。尚、以下では認証データを4桁の数字であるものとして詳細な説明を行うが、認証データは4桁の数字によって示されるものに限られず、例えば認証データの桁数等は適宜変更可能である。
【0018】
制御部4は、印刷データ、重要度データ、及び認証データの管理、認証機能の実行、並びに印刷データの変換処理を行う。この様な制御部4は、印刷データ、重要度データ、及び認証データの管理を行うデータ管理制御部9と、操作パネル部2に入力された認証データと印刷データに付加された認証データの照合を行う認証制御部10と、印刷データの変換処理を行う印刷処理部11と、時計部7によって計測される時間を読み込んで時間の管理を行う時間管理部12とを備える。
【0019】
データ管理制御部9は、印刷データ、重要度データ、及び認証データの管理を行う。具体的には、データ管理制御部9は、ネットワークI/F部3において受信した印刷データ、認証データ、及び重要度データを、図3に示す様なテーブルとしてHDD5に記憶させる。また、データ管理制御部9は、重要度データの内容に基づいて印刷データに、印刷データが消去されるべき時間に関する情報からなる時間管理レジスタを設定することで、印刷データの処理方法を決定する。データ管理制御部9は、図4に示す様なデータ消去基準に基づいて印刷データに時間管理レジスタを設定する。時間管理レジスタは、HDD5上に設定される記憶領域であり、例えば、重要度データの内容が「高」である場合は、データ管理制御部9は、データ消去基準を参照して当該重要度データに対応する印刷データの時間管理レジスタを「n=5分」に設定する。値nは、印刷データを受信した後、印刷データが消去されるべき時間を示す値であり、時間管理レジスタが設定された印刷データは、認証印刷が実行されたか否かに関わらず、印刷データを受信した後、時間管理レジスタによって示される時間が経過した後に消去される。また、例えば重要度データの内容が「中」である場合は、データ管理制御部9は、当該重要度データに対応する印刷データの時間管理レジスタを「n=60分」に設定する。また、例えば重要度データの内容が「低」である場合は、当該重要度データに対応する印刷データは受信後の経過時間には左右されない為、データ管理制御部9は、印刷データの時間管理レジスタをデフォルト値である「n=0分」の状態を維持させる。
【0020】
また、データ管理制御部9は、決定した印刷データの処理方法に基づいて印刷データの処理を行う。すなわち、画像形成装置1では、設定された時間管理レジスタに基づいて印刷データが消去されるが、データ管理制御部9は、時間管理レジスタによって示される時間を経過した後に、HDD5に記憶された印刷データを消去する。
【0021】
また、データ管理制御部9は、ユーザが操作パネル部2に認証データを入力し、これを検出した場合、ユーザが入力した認証データを、認証データの比較を行わせるべく認証制御部10に供給する。さらにデータ管理制御部9はこれと合わせてHDD5から認証データを順次読み出し、認証制御部10に供給する。そして、データ管理制御部9は、印刷時には、HDD5から印刷データを読み出し、印刷処理部11に供給する。これらデータ管理制御部9による一連の処理は、図示せぬROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムを図示せぬCPU(Central Processing Unit)によって実行することで行われる。
【0022】
認証制御部10は、データ管理制御部9から供給された、ユーザが操作パネル部2に入力した認証データと、HDD5に印刷データと関連付けられて格納されていた認証データとを比較する。両認証データが一致しない場合は、認証制御部10は、データ管理制御部9から順次供給される認証データが、ユーザが操作パネル部2に入力した認証データと一致するかを比較する。そして、両認証データが一致した場合は、認証制御部10は、その旨及び認証データの内容を印刷処理部11に通知する。
【0023】
印刷処理部11は、印刷データを印刷部8によって印刷可能な形式のデータに変換する処理を行うと共に、画像形成装置1が印刷動作を行う際に各部の制御を行う。具体的には、印刷処理部11は、認証制御部10からの通知を受けて、データ管理制御部9に対して、認証制御部10から通知された認証データと関連付けられた印刷データを要求する。これに対してデータ管理制御部9は、認証データを参照し、当該認証データと関連付けられてHDD5に格納された印刷データを読み出し、印刷処理部11に供給する。そして、印刷処理部11は、印刷データを、印刷部8によって印刷可能な形式のデータに変換する処理を行う。そして、印刷処理部11は、当該データに基づいて印刷部8の動作を制御する。
【0024】
時間管理部12は、時計部7によって計測される時間及び時間管理レジスタに基づいて、時間管理レジスタによって示される時間が経過したことをデータ管理制御部9に通知する。具体的には、時間管理部12は、印刷データがHDD5に記憶され時間管理レジスタの値が「0」でない場合には、印刷データがHDD5に記憶されている時間を計時するためにソフト・タイマをHDD5に設定する。そして時間管理部12は、計時部7で計時される経過時間に応じてソフト・タイマのカウント値をアップカウントする。そして時間管理部12は、ソフト・タイマのカウント値をアップカウントする度に、ソフト・タイマのカウント値と時間管理レジスタによって示される時間とを比較し、ソフト・タイマのカウント値が時間管理レジスタによって示される時間を超えた場合には、データ管理制御部9に対して割り込みフラグを立てる。そして、データ管理制御部9は、時間管理部12によって割り込みフラグが立てられると、HDD5に記憶された印刷データを消去する。
【0025】
時計部7は、例えば図示せぬ電源によりバックアップされ画像形成装置1の電源がオフ状態であっても駆動可能なリアルタイムクロックであり、時計部7によって管理される時間は、時間管理部12によって読み出される。この様に、時計部7としてリアルタイムクロックを採用することによって、画像形成装置1の電源がオフ状態のときに時間管理レジスタによって示される時間が到来した場合においても、画像形成装置1は、電源がオン状態とされた際に、データ消去基準及びリアルタイムクロックによって計測される時間に基づいて印刷データの消去を行うことができる。この場合、時間管理部12は、画像形成装置1の電源が投入された時点で、電源オフ状態で計時部7が計時した時間に応じた値がソフト・タイマのカウント値に加算される。また、時計部7の構成としては、SNTP(Simple Network Time Protocol)又はNTP(Network Time Protocol)によって修正される時計手段を採用することも可能である。時計部7としてSNTP又はNTPを採用した場合、時計部7画像形成装置1内部にバックアップされたリアルタイムクロックを設ける必要はなく、印刷データの消去のタイミングを、ネットワーク上の他の機器と同期させることができる。
【0026】
印刷部8は、印刷処理部11によってデータ形式が変換された印刷データに基づいて駆動し、当該印刷データに基づく現像剤画像を記録媒体としての用紙上に印刷する。この様な印刷部8は、印刷処理部11による制御のもと駆動し、印刷データに基づく画像を印刷した用紙を画像形成装置1外部に排出して、印刷データが印刷された用紙をユーザに提供する。
【0027】
以下、画像形成装置1の動作について、図5を参照しながら詳細な説明をする。
【0028】
ユーザが図示せぬ情報処理装置において印刷データを生成し、プリンタドライバを用いて印刷データに認証データを付加すると共に及び重要度データを設定し、印刷データ、認証データ、及び重要度データを画像形成装置1に送信して一連の処理が開始すると、画像形成装置1は、ステップS1においてネットワークI/F部3において印刷データ、認証データ、及び重要度データを受信する。その後、画像形成装置1は、印刷データ、認証データ、及び重要度データを処理すべく、ステップS2以降の処理を実行する。
【0029】
ステップS2において画像形成装置1は、ネットワークI/F部3において受信した印刷データ、認証データ、及び重要度データを、データ管理制御部9を介してHDD5に記憶させる。具体的には、かかる処理は、データ管理制御部9が印刷データ、認証データ、及び重要度データをネットワークI/F部3から取得し、HDD5に書き込むことで行われる。その後、画像形成装置1は、印刷データの処理方法を決定すべく、ステップS3以降の処理を実行する。
【0030】
次に画像形成装置1は、印刷データの処理方法を決定すべく、重要度データの具体的な内容を解析し、印刷データに時間管理レジスタを設定する。
【0031】
具体的には、ステップS3においてデータ管理制御部9は、受信した印刷データに対応する重要度データが「高」であるか否かを判断する。また、データ管理制御部9は、重要度データが「高」でないと判断した場合、ステップS4において重要度データが「中」であるか否かを判断する。仮に、重要度データが「高」である場合は、データ管理制御部9は、ステップS5においてデータ消去基準を参照して、印刷データの時間管理レジスタを「n=5分」に設定する。また仮に、重要度データが「中」である場合は、データ管理制御部9は、ステップS6においてデータ消去基準を参照して、印刷データの時間管理レジスタを「n=60分」に設定する。そして、ステップS5及びステップS6において時間管理レジスタが設定されると、時間管理部12は、上述したソフト・タイマを設定し、ソフト・タイマのカウント値のアップカウントを開始する。その後、画像形成装置1は、印刷データの印刷等を行うべく、ステップS7以降の処理を実行する。またこのとき、印刷データに設定された時間管理レジスタは、重要度データが「高」である場合は「n=5分」となり、重要度データが「中」である場合は「n=60分」となり、重要度データが「低」である場合は「n=0分」となっている。
【0032】
ステップS7においてデータ管理制御部9は、操作パネル部2がユーザによって操作されたか否かを判断する。そして、データ管理制御部9は、操作パネル部2が操作されていないと判断した場合は、ステップS8において、時間管理部12によって割り込みフラグが立てられたか否かを判断する。そして、データ管理制御部9は、割り込みフラグが立てられていないと判断した場合は、再度ステップS7の処理を実行し、ユーザによる操作パネル部2の操作、又は時間管理部12によって割り込みフラグが立てられるかの何れかの動作が行われるまでかかる処理を繰り返し行う。
【0033】
ユーザが操作パネル部2を操作して、画像形成装置1に所定の情報を入力した場合、データ管理制御部9は、ステップS7において操作パネル部2が操作されたとしてステップS9以降の処理を実行する。
【0034】
ステップS9においてデータ管理制御部9は、ユーザによる操作が認証機能の実行を指示する旨の操作であったか否かを判断する。そして、データ管理制御部9は、ユーザによる操作パネル部2の操作が認証機能の実行の指示でないと判断した場合は、ステップS10においてユーザによって指示された認証機能の実行以外の処理を実行し、再度ステップS7の処理を実行する。
【0035】
また、ステップS8においてデータ管理制御部9が、時間管理部12によって割り込みフラグが立てられたと判断した場合は、ステップS11においてデータ管理制御部9は、データ消去基準に従って印刷データ、並びに認証データ及び重要度データをHDD5から消去する。ステップS8の段階では、ユーザは画像形成装置1に対して何ら操作を行っていない状態であるが、画像形成装置1は、印刷データが印刷されたか否かに関わらず重要度データに基づいて印刷データを自発的に消去することによって、例えばユーザが印刷データの存在を忘れてしまった場合であっても、印刷データの漏洩を防止することができる。
【0036】
ステップS9においてデータ管理制御部9が、ユーザによる操作が認証機能の実行を指示する旨の操作であったと判断した場合、ステップS12においてデータ管理制御部9はその旨を認証制御部10に通知すると共に、ユーザに対して認証データの入力を要求する。かかる要求は、所定のメッセージを操作パネル部2の表示部に表示することで行われる。そしてここで操作パネル部2に入力された認証データは、データ管理制御部9によって認証制御部10に供給される。
【0037】
次に、ステップS13においてデータ管理制御部9は、操作パネル部2に入力された認証データと同一の認証データがHDD5に記憶されているか否かを判断する。ここで、ユーザが入力した認証データと同一の認証データがHDD5に記憶されていないと判断される場合としては、ステップS11において印刷データが既に消去されている場合、又はユーザが認証データの入力を誤った場合がある。これらの場合は、印刷すべき印刷データが特定できない為、画像形成装置1は認証モードを解除し、再度ステップS7の処理を実行する。
【0038】
一方、ステップS13において認証データが一致した場合は、認証制御部10は、認証データが一致した旨を印刷処理部11に通知する。そしてかかる通知を受けてステップS14において印刷処理部11は、印刷部8を制御して、一致した認証データに対応する印刷データに基づく画像の印刷を開始する。そして印刷データの印刷が終了すると印刷処理部11は、その旨をデータ管理制御部9に通知する。
【0039】
印刷が終了した旨の通知を受けデータ管理制御部9は、HDD5に記憶された印刷データ、並びに認証データ及び重要度データを消去し、画像形成装置1は一連の処理を終了する。
【0040】
この様に、画像形成装置1は、時計部7によって計測される時間の経過、及び重要度データの内容に基づいてHDD5に記憶された印刷データを消去する為、ユーザが印刷データの存在を忘れてしまった場合、何らかの原因で画像形成装置1の位置まで来ることができない場合、又は画像形成装置1自体が盗難にあった場合における印刷データの漏洩を防止することができる。
【0041】
以下、本発明を適用した第2の実施の形態について詳細な説明をする。第2の実施の形態にかかる画像形成装置は、画像形成装置1と同一の構成を有する箇所がある為、当該箇所については同一符号を付して詳細な説明を省略し、差異のある箇所についてのみ詳細な説明を行う。具体的には、第2の実施の形態にかかる画像形成装置は、画像形成装置1の様に印刷データに時間管理レジスタを設定する制御に加え、属性情報としての重要度データの内容、及び図6に示す様なデータ消去基準に応じて、印刷データの記憶先を変更する。例えば重要度データによって示される印刷データの重要度が高い場合には、画像形成装置は、画像形成装置の電源がオフ状態とされたときに印刷データが消去される様に印刷データを、画像形成装置の電源がオフ状態とされることによってデータが消去される揮発性デバイスに記憶させる。一方で、重要度データによって示される印刷データの重要度が低い場合には、画像形成装置は、印刷データを、画像形成装置の電源がオフ状態とされた場合にもデータが保存される不揮発性デバイスに記憶させる。例えば、本実施の形態では、揮発性デバイスとしてDRAM(Dynamic Random Access Memory)を使用し、不揮発性デバイスとしてHDDを使用する。
【0042】
図7に示す様に、第2の実施の形態にかかる画像形成装置20は、データ管理制御部21、及び印刷データを記憶するDRAM22を備える。
【0043】
データ管理制御部21は、重要度データの内容に基づいて印刷データの記憶先を揮発性のDRAM22、又は不揮発性のHDD5の何れかを選択することで、印刷データの処理方法を決定する。さらに、データ管理制御部21は、選択した印刷データの記憶先に基づいて印刷データをHDD5又はDRAM22に記憶させる。この様な処理により、画像形成装置20は、重要度の高いデータを画像形成装置20の電源がオフ状態とされたときに印刷データが自動的に消去されることが可能となる様に記憶し、重要度の低いデータを画像形成装置20の電源がオフ状態とされたとしても印刷データが保存される様に記憶する。
【0044】
以下、画像形成装置20の動作について、図8を参照しながら詳細な説明を行う。
【0045】
一連の処理が開始すると画像形成装置20は、ステップS20においてネットワークI/F部3において印刷データ、認証データ、及び重要度データを受信する。その後、画像形成装置1は、印刷データ、認証データ、及び重要度データを処理すべく、ステップS21以降の処理を実行する。
【0046】
ステップS21において画像形成装置20は、ネットワークI/F部3において受信した印刷データ、認証データ、及び重要度データを、データ管理制御部21を介してHDD5に記憶させる。
【0047】
次に、ステップS22においてデータ管理制御部21は、受信した印刷データに対応する重要度データが「高」であるか否かを判断する。また、データ管理制御部21は、重要度データが「高」でないと判断した場合、ステップS23において重要度データが「中」であるか否かを判断する。仮に、重要度データが「高」である場合は、データ管理制御部21は、ステップS24においてデータ消去基準を参照して、印刷データの時間管理レジスタを「n=5分」に設定する。その後、ステップS25においてデータ管理制御部21は、当該印刷データをHDD5からDRAM22に移動させる。このとき、当該印刷データはHDD5から消去される。画像形成装置20では、ステップS25の処理を行った後は、どのタイミングで画像形成装置20の電源がオフ状態とされても、重要度が「高」に設定された印刷データを自動的に消去することができる。
【0048】
また仮に、重要度データが「中」である場合は、データ管理制御部21は、ステップS26においてデータ消去基準を参照して、印刷データの時間管理レジスタを「n=60分」に設定する。その後、画像形成装置20は、印刷データの印刷等を行うべく、ステップS27以降の処理を実行する。そして、ステップS24及びステップS26において時間管理レジスタが設定されると、時間管理部12は、上述したソフト・タイマを設定し、ソフト・タイマのカウント値のアップカウントを開始する。
【0049】
ステップS27においてデータ管理制御部21は、操作パネル部2がユーザによって操作されたか否かを判断する。そして、データ管理制御部21は、操作パネル部2が操作されていないと判断した場合は、ステップS28において、時間管理部12によって割り込みフラグが立てられたか否かを判断する。そして、データ管理制御部21は、割り込みフラグが立てられていないと判断した場合は、再度ステップS27の処理を実行し、ユーザによる操作パネル部2の操作、又は時間管理部12によって割り込みフラグが立てられるかの何れかの動作が行われるまでかかる処理を繰り返し行う。
【0050】
ユーザが操作パネル部2を操作して、画像形成装置20に所定の情報を入力した場合、データ管理制御部21は、ステップS27において操作パネル部2が操作されたとしてステップS29以降の処理を実行する。
【0051】
ステップS29においてデータ管理制御部21は、ユーザによる操作が認証機能の実行を指示する旨の操作であったか否かを判断する。そして、データ管理制御部21は、ユーザによる操作パネル部2の操作が認証機能の実行の指示でないと判断した場合は、ステップS30においてユーザによって指示された認証機能の実行以外の処理を実行し、再度ステップS27の処理を実行する。
【0052】
また、ステップS28においてデータ管理制御部21が、時間管理部12によって割り込みフラグが立てられたと判断した場合は、ステップS31においてデータ管理制御部21は、データ消去基準に従って印刷データ、並びに認証データ及び重要度データをHDD5から消去する。ステップS28の段階では、ユーザは画像形成装置20に対して何ら操作を行っていない状態であるが、画像形成装置20は、印刷データが印刷されたか否かに関わらず重要度データに基づいて印刷データを自発的に消去することによって、例えばユーザが印刷データの存在を忘れてしまった場合であっても、印刷データの漏洩を防止することができる。
【0053】
ステップS29においてデータ管理制御部21が、ユーザによる操作が認証機能の実行を指示する旨の操作であったと判断した場合、ステップS32においてデータ管理制御部21はその旨を認証制御部10に通知すると共に、ユーザに対して認証データの入力を要求する。
【0054】
次に、ステップS33においてデータ管理制御部21は、操作パネル部2に入力された認証データと同一の認証データがHDD5に記憶されているか否かを判断する。そして、データ管理制御部21が、操作パネル部2に入力された認証データと同一の認証データがHDD5に記憶されていないと判断した場合は、画像形成装置20は再度ステップS27の処理を実行する。
【0055】
一方、ステップS33において認証データが一致した場合は、認証制御部10は、認証データが一致した旨を印刷処理部11に通知する。そしてかかる通知を受けてステップS34において印刷処理部11は、印刷部8を制御して、一致した認証データに対応する印刷データに基づく画像の印刷を開始する。そして印刷データの印刷が終了すると印刷処理部11は、その旨をデータ管理制御部21に通知する。
【0056】
印刷が終了した旨の通知を受けデータ管理制御部21は、HDD5に記憶された印刷データ、並びに認証データ及び重要度データを消去し、画像形成装置20は一連の処理を終了する。そして、DRAM22に記憶された印刷データは、画像形成装置20の電源がオフ状態とされると、印刷データに基づく画像が印刷されたか否か又は時間管理レジスタによって示される時間が到来したか否かに関わらず、消去される。すなわち、画像形成装置20は、装置廃棄時等に確実に重要度の高い印刷データを消去することができる。
【0057】
この様に、画像形成装置20によれば、重要度の高い印刷データを揮発性デバイスに記憶させることによって、画像形成装置20の電源がオフ状態とされたときに印刷データは消去される為、印刷データの漏洩を防止することができる。尚、画像形成装置20では、時間管理レジスタを用いた印刷データの処理と、重要度データの内容に応じて印刷データの記憶先を変更する処理を並行して行うこととしたが、重要度データの内容に応じて印刷データの記憶先を変更する処理のみを行うこととすることも可能である。
【0058】
以下、本発明を適用した第3の実施の形態について詳細な説明をする。
【0059】
以下、本発明を適用した第3の実施の形態について詳細な説明をする。第3の実施の形態にかかる画像形成装置は、画像形成装置1と同一の構成を有する箇所がある為、当該箇所については同一符号を付して詳細な説明を省略し、差異のある箇所についてのみ詳細な説明を行う。具体的には、第3の実施の形態にかかる画像形成装置は、重要度データの内容、及び図9に示す様なデータ消去基準に応じて、印刷データの印刷可能回数を変更する。例えば重要度データによって示される印刷データの重要度が高い場合には、画像形成装置は、印刷データに基づく画像の印刷を1回のみ行うことを可能となる様に印刷データの処理を行う。一方で、重要度データによって示される重要度が低い場合には、画像形成装置は、印刷データに基づく画像の印刷を複数回行うことが可能となる様に印刷データの処理を行う。
【0060】
図10に示す様に、第3の実施の形態にかかる画像形成装置30は、データ管理制御部31を備える。
【0061】
データ管理制御部31は、重要度データの内容に基づいて印刷データの印刷可能回数を設定することで印刷処理方法を決定する。また、データ管理制御部31は、印刷データに基づく画像が印刷された回数を計数する。そしてこの様なデータ管理制御部31によって設定された印刷可能回数は、図11に示す様なテーブルとしてHDD5に記憶される。そしてテーブルの印刷可能回数は、印刷データが印刷される度にデータ管理制御部31によってデクリメントされ、書き換えられる。すなわちデータ管理制御部31は、印刷回数を計数し、HDD5に記憶された印刷可能回数から印刷回数を減算し、得られた結果を印刷可能回数としてHDD5に再び書き込む。そして、テーブルの印刷可能回数が残り0回になったときに、データ管理制御部31は、印刷データをHDD5から消去する。この様に、画像形成装置30では、印刷データの重要度データに応じて印刷可能回数を制限することによって、例えば重要度の高い印刷データの印刷可能回数を低く設定し、重要度の低い印刷データの印刷可能回数を高く、又は制限をかけない様に設定し、印刷可能回数が残り0回になった時点で印刷データを消去することによって印刷データの漏洩を防止する。尚、上記印刷可能回数の一例として本実施の形態では、画像形成装置30は、印刷データの重要度が「高」である場合は、印刷可能回数を「1回」として設定し、印刷データの重要度が「中」である場合は、印刷可能回数を「5回」として設定するものとする。また、画像形成装置30は、印刷データの重要度が「低」である場合は、印刷可能回数に制限を設けず、印刷可能回数のデータ値として「0FFFFh」を書き込む。
【0062】
以下、画像形成装置30の動作について、図11及び図12を参照しながら詳細な説明を行う。
【0063】
一連の処理が開始すると画像形成装置30は、ステップS40においてネットワークI/F部3において印刷データ、認証データ、及び重要度データを受信する。その後、画像形成装置1は、印刷データ、認証データ、及び重要度データを処理すべく、ステップS41以降の処理を実行する。
【0064】
ステップS41において画像形成装置30は、ネットワークI/F部3において受信した印刷データ、認証データ、及び重要度データを、データ管理制御部31を介してHDD5に記憶させる。
【0065】
次に、ステップS42においてデータ管理制御部31は、受信した印刷データに対応する重要度データが「高」であるか否かを判断する。また、データ管理制御部31は、重要度データが「高」でないと判断した場合、ステップS43において重要度データが「中」であるか否かを判断する。仮に、重要度データが「高」である場合は、データ管理制御部31は、ステップS44においてデータ消去基準を参照して、印刷データの印刷可能回数を1回に設定する。また仮に、重要度データが「中」である場合は、データ管理制御部31は、ステップS45においてデータ消去基準を参照して、印刷データの印刷可能回数を5回に設定する。その後、画像形成装置30は、印刷データの印刷等を行うべく、ステップS46以降の処理を実行する。
【0066】
ステップS46においてデータ管理制御部31は、操作パネル部2がユーザによって操作されたか否かを判断する。データ管理制御部31は、操作パネル部2がユーザによって操作されるまでステップS46の処理を繰り返し、ユーザによる指示が入力されるまで待機する。
【0067】
ステップS47においてデータ管理制御部31は、ユーザによる操作が認証機能の実行を指示する旨の操作であったか否かを判断する。そして、データ管理制御部31は、ユーザによる操作パネル部2の操作が認証機能の実行の指示でないと判断した場合は、ステップS48においてユーザによって指示された認証機能の実行以外の処理を実行し、再度ステップS46の処理を実行する。
【0068】
ステップS47においてデータ管理制御部31が、ユーザによる操作が認証機能の実行を指示する旨の操作であったと判断した場合、ステップS49においてデータ管理制御部31はその旨を認証制御部10に通知すると共に、ユーザに対して認証データの入力を要求する。
【0069】
次に、ステップS50においてデータ管理制御部31は、操作パネル部2に入力された認証データと同一の認証データがHDD5に記憶されているか否かを判断する。そして、データ管理制御部31が、操作パネル部2に入力された認証データと同一の認証データがHDD5に記憶されていないと判断した場合は、画像形成装置30は再度ステップS46の処理を実行する。
【0070】
一方、ステップS50において認証データが一致した場合は、認証制御部10は、認証データが一致した旨を印刷処理部11に通知する。そしてかかる通知を受けてステップS51において印刷処理部11は、印刷部8を制御して、一致した認証データに対応する印刷データに基づく画像の印刷を開始する。そして印刷データの印刷が終了すると印刷処理部11は、その旨をデータ管理制御部31に通知する。
【0071】
印刷が終了した旨の通知を受けデータ管理制御部31は、ステップS52において当該印刷データに設定された印刷可能回数を参照して、印刷可能回数のデータ値から値1をデクリメントする。尚、この場合データ管理制御部31は、印刷可能回数のデータ値が「0FFFFh」として設定されている場合には、印刷可能回数のデータ値のデクリメントを行わない。
【0072】
次に、ステップS53においてデータ管理制御部31は、HDD5に記憶された印刷データの印刷可能回数が、値0であるか否かを判断する。そして、データ管理制御部31が印刷可能回数が0回であると判断した場合は、ステップS54においてデータ管理制御部31は、HDD5に記憶された印刷データ、並びに認証データ及び重要度データを消去し、画像形成装置30は一連の処理を終了する。
【0073】
一方で、印刷可能回数が0回でないと判断した場合は、データ管理制御部31は、操作パネル部2の表示部に再度印刷を行うか否かを判断させる旨のメッセージを表示する。そして、ステップS55においてデータ管理制御部31は、ユーザの応答が、再度印刷を行うものであるか否かを判断する。そして、ユーザの応答が、再度印刷を行わない旨の内容であった場合は、データ管理制御部31は、ステップS46の処理を実行し、ユーザによる指示が入力されるまで待機する。一連の処理を終了する。一方で、再度印刷を行う場合は、画像形成装置30は、再度ステップS51以降の処理を実行する。
【0074】
この様に、画像形成装置30によれば、重要度が高い印刷データの印刷可能回数を低く設定し、重要度が低い印刷データの印刷可能回数を高く設定し、印刷可能回数が0回になった時点で印刷データを消去することによって、必要以上に印刷が行われ、印刷データ及び印刷データに基づく画像が印刷された用紙が漏洩することを防止することができる。
【0075】
尚、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0076】
特に、上述の実施の形態では、認証データとして4桁の数字を用いて詳細な説明を行ったが、指紋や虹彩パターン等のバイオメトリクス情報による認証を行うものであっても良い。また、データ消去基準として、3段階の重要度に合わせて時間管理レジスタを「n=0分」、「n=5分」、又は「n=60分」に設定するものとして詳細な説明を行ったが、重要度の分割数、又は時間管理レジスタによって示される時間は変更可能である。また、画像形成装置1では、HDD5が印刷データを記憶している時間をカウントアップし、測定結果が属性情報によって示される時間を経過した際に印刷データを消去することとしたが、かかる構成としては、HDD5が印刷データを記憶している時間をカウントダウンすることも可能である。
【0077】
また、第3の実施の形態では、画像形成装置30は、重要度データの内容に応じて印刷データの印刷可能回数を設定しているが、印刷可能回数に関する情報は、情報処理装置側で付された情報であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】第1の実施の形態にかかる画像形成装置のブロック図であり、同画像形成装置の構成について説明する為の図である。
【図2】同画像形成装置に送信される印刷データのブロック図であり、同印刷データの構成について説明する為の図である。
【図3】同画像形成装置に送信される印刷データ、認証データ、及び重要度データが関連付けられて記憶される例を示す図である。
【図4】同画像形成装置が印刷データの処理方法を決定する為に使用するデータ消去基準の例を示す図である。
【図5】同画像形成装置の動作を示すフロー図である。
【図6】第2の実施の形態にかかる画像形成装置が印刷データの処理方法を決定する為に使用するデータ消去基準の例を示す図である。
【図7】同画像形成装置のブロック図であり、同画像形成装置の構成について説明する為の図である。
【図8】同画像形成装置の動作を示すフロー図である。
【図9】第3の実施の形態にかかる画像形成装置が印刷データの処理方法を決定する為に使用するデータ消去基準の例を示す図である。
【図10】同画像形成装置のブロック図であり、同画像形成装置の構成について説明する為の図である。
【図11】同画像形成装置に送信される印刷データ、認証データ、重要度データ、及び印刷可能回数が関連付けられて記憶される例を示す図である。
【図12】同画像形成装置の動作を示すフロー図である。
【図13】同画像形成装置の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0079】
1,20,30 画像形成装置
2 操作パネル部
3 ネットワークI/F部
4 制御部
5 HDD
6 RAM
7 時計部
8 印刷部
9,21,31 データ管理制御部
10 認証制御部
11 印刷処理部
12 時間管理部
20 画像形成装置
21 データ管理制御部
22 DRAM
30 画像形成装置
31 データ管理制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷物に印刷された情報の漏洩リスクを低減させる方法として、印刷データに付加された認証情報と、ユーザが入力した認証情報との照合を行い、両者が対応する認証情報であることが認識されなければ印刷データの印刷を行わない認証機能を有するホスト、サーバ、及び画像形成装置がある。例えば、この様な認証機能を有する画像形成装置としては、特許文献1に記載された画像形成装置がある。
【0003】
【特許文献1】特開2005−62231公報
【0004】
具体的には、この特許文献1には、画像形成装置が備える機能や画像形成装置に保存されたデータの重要度に応じて異なる認証方法を使用することにより、画像形成装置の機能の使用や画像形成装置に格納された印刷データに対して保護を与えることが可能な画像形成装置が記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述の様な画像形成装置に因れば、ユーザが認証を行うまでの間は、印刷データは一旦、画像形成装置内部に記憶されることとなる為、例えばユーザが印刷データの出力を忘れてしまった場合、又は画像形成装置自体が盗難にあった場合等には、印刷データは画像形成装置に記憶されたままとなってしまい、このことに起因して、印刷データの漏洩が発生してしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明はこの様な実情に鑑みてなされたものであり、ユーザが、認証データが付加された印刷データの印刷を忘れてしまった場合においても、当該印刷データの漏洩を防止することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する為に、本発明にかかる画像形成装置は、認証印刷機能を有する画像形成装置において、印刷データ、並びに当該印刷データを認証する為の第一の認証情報、及び当該印刷データの属性情報が入力されるデータ入力部と、前記データ入力部に入力された前記印刷データ、前記第一の認証情報、及び前記属性情報を記憶する記憶部と、前記印刷データを認証する為の第二の認証情報が入力される認証情報入力部と、前記記憶部に記憶された前記第一の認証情報、及び前記認証情報入力部に入力された前記第二の認証情報を比較する認証情報比較部と、前記認証情報比較部による比較結果に基づいて前記記憶部に記憶された前記印刷データの印刷処理を制御する制御部と、前記記憶部が前記印刷データを記憶している時間を計時する計時部とを備え、前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記属性情報、及び前記計時部の計時結果に基づいて前記印刷データを前記記憶部から消去することを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、印刷データは、刷処理が実行されたか否かに関わらず、一定の基準を満たした場合には制御部によって記憶部から消去される。すなわち、例えばユーザが秘密文書の印刷データを画像形成装置に入力した後に、認証印刷を実行することを忘れてしまった場合においても、本発明にかかる画像形成装置は、制御部が入力された属性情報及び計時部が計時した時間に基づいて印刷データを記憶部から消去することができる。そしてこれにより画像形成装置は、秘密文書の印刷物、又は秘密文書の印刷データが外部に漏洩してしまうことを防止することができる。
【発明の効果】
【0009】
この様に、本発明にかかる画像形成装置によれば、ユーザが印刷データの印刷を忘れてしまった場合、又は画像形成装置自体が盗難にあってしまった場合においても、印刷データの漏洩を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
実施の形態にかかる画像形成装置は、印刷データに付加された認証データと、ユーザが例えば画像形成装置の操作パネルを用いて入力した認証データとの照合を行い、両認証データが対応、又は一致する場合にのみ印刷データの印刷を行う認証機能を有する。そして、画像形成装置は、認証機能を用いた認証印刷を行う場合、印刷データと共に入力された属性データに基づいて印刷データの処理方法を決定し、ユーザが認証機能を実行したか否かに関わらず、当該処理方法を実行する。これにより、例えばユーザが認証印刷の実行を忘れてしまった場合等においても、画像形成装置は、印刷データを処理することができる為、認証印刷によって印刷データが印刷された印刷物の漏洩を防止すると共に、認証印刷が実行されなかった場合においても印刷データの処理を行うことによって印刷データの漏洩を防止することができる。以下、具体的な実施の形態について詳細な説明をする。
【0012】
第1の実施の形態にかかる画像形成装置は、認証印刷機能を有する画像形成装置であり、印刷データ、並びに当該印刷データを認証する為の認証情報、及び当該印刷データの属性情報が入力されるデータ入力部と、データ入力部に入力された印刷データ、認証情報、及び属性情報を記憶する記憶部と、ユーザが印刷データを認証する為の認証情報が入力される認証情報入力部と、記憶部に記憶された認証情報、及びユーザが入力した認証情報を比較する認証情報比較部と、比較結果に基づいて記憶部に記憶された印刷データの印刷処理を制御する制御部と、記憶部が印刷データを記憶している時間を計時する計時部とを備え、制御部は、ユーザが認証印刷を行ったか否かに関わらず、記憶部に記憶された属性情報、及び計時部において計時された記憶部が印刷データを記憶していた時間に基づいて印刷データを記憶部から消去する。ここで画像形成装置に入力される属性情報は、ユーザが印刷データの重要度に応じて印刷データに付加する情報であり、具体的には、記憶部が前記印刷データを記憶している時間の上限値に関する情報を含む。そして画像形成装置は、ユーザが認証印刷を実行することを忘れてしまった場合でも、属性情報に応じて決定された消去時間を経過後に印刷データを消去することによって、印刷データが画像形成装置に残存してしまうことを防止し、印刷データの漏洩を防止することができる。
【0013】
図1に示す様に、画像形成装置1は、ユーザが各種情報を入力する操作パネル部2と、ネットワークを介して各種情報が入力されるネットワークインターフェイス(I/F)部3と、認証機能を実行する制御部4と、ハードディスクドライブ(HDD)5と、RAM(Random Access Memory)6と、時間を計測する時計部7と、印刷データに基づく画像を用紙等の記録媒体上に印刷する印刷部8とを備える。この様な画像形成装置1は、ネットワークI/F部3において受信した印刷データをHDD5内部に格納する。そして、画像形成装置1は、操作パネル部2を通じてユーザが認証データを入力した際に、制御部4において認証機能を実行し、認証機能を実行した結果に基づいてHDD5内部の印刷データを読み出し、印刷部8において印刷データを印刷する。
【0014】
操作パネル部2は、例えば画像形成装置1に設けられた操作パネルであり、図示せぬLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部と、テンキー等の入力部を備える。この様な操作パネル部2は、ユーザによって認証データが入力される。そして、ユーザが認証データを操作パネル部2に入力すると、認証データは制御部4に供給される。
【0015】
ネットワークI/F部3は、例えば画像形成装置1に設けられたインターフェイスであり、ネットワークを介して図示せぬ情報処理装置と接続される。そして、ネットワークI/F部3は、ネットワークを介して図示せぬ情報処理装置から送信された印刷データ、印刷データの重要度を示す属性情報としての重要度データ、及び印刷データを識別する為の認証データを受信する。尚、画像形成装置1では、データ入力部としてネットワークインターフェイスを用いて詳細な説明を行うが、データ入力部としてはパラレルインターフェイス、又はシリアルインターフェイスを用いることも可能である。
【0016】
重要度データは、図示せぬ情報処理装置においてユーザが決定した印刷データの重要度を示す情報であり、印刷データの画像形成装置1における取扱いを区別する為に使用される。尚、以下では重要度データは、「高」、「中」、「低」の三種類のレベルによって区別されているものとして詳細な説明を行うが、重要度データの区別の仕方や、種類数は、適宜変更可能である。
【0017】
また、印刷データに付加された認証データは、例えば4桁の数字によって表される情報であり、図2に示す様に、ユーザが情報処理装置において印刷データのヘッダ部分に付加した情報である。そして、この様な認証データは、印刷データを他の印刷データから識別すると共に認証データを利用した認証印刷を行う為に使用される。ユーザが印刷データを印刷する際に操作パネル部2に認証データが入力されると、画像形成装置1は、ユーザが操作パネル部2に入力した認証データと一致する認証データを検索し、当該検索した認証データが付加されている印刷データを印刷する。尚、以下では認証データを4桁の数字であるものとして詳細な説明を行うが、認証データは4桁の数字によって示されるものに限られず、例えば認証データの桁数等は適宜変更可能である。
【0018】
制御部4は、印刷データ、重要度データ、及び認証データの管理、認証機能の実行、並びに印刷データの変換処理を行う。この様な制御部4は、印刷データ、重要度データ、及び認証データの管理を行うデータ管理制御部9と、操作パネル部2に入力された認証データと印刷データに付加された認証データの照合を行う認証制御部10と、印刷データの変換処理を行う印刷処理部11と、時計部7によって計測される時間を読み込んで時間の管理を行う時間管理部12とを備える。
【0019】
データ管理制御部9は、印刷データ、重要度データ、及び認証データの管理を行う。具体的には、データ管理制御部9は、ネットワークI/F部3において受信した印刷データ、認証データ、及び重要度データを、図3に示す様なテーブルとしてHDD5に記憶させる。また、データ管理制御部9は、重要度データの内容に基づいて印刷データに、印刷データが消去されるべき時間に関する情報からなる時間管理レジスタを設定することで、印刷データの処理方法を決定する。データ管理制御部9は、図4に示す様なデータ消去基準に基づいて印刷データに時間管理レジスタを設定する。時間管理レジスタは、HDD5上に設定される記憶領域であり、例えば、重要度データの内容が「高」である場合は、データ管理制御部9は、データ消去基準を参照して当該重要度データに対応する印刷データの時間管理レジスタを「n=5分」に設定する。値nは、印刷データを受信した後、印刷データが消去されるべき時間を示す値であり、時間管理レジスタが設定された印刷データは、認証印刷が実行されたか否かに関わらず、印刷データを受信した後、時間管理レジスタによって示される時間が経過した後に消去される。また、例えば重要度データの内容が「中」である場合は、データ管理制御部9は、当該重要度データに対応する印刷データの時間管理レジスタを「n=60分」に設定する。また、例えば重要度データの内容が「低」である場合は、当該重要度データに対応する印刷データは受信後の経過時間には左右されない為、データ管理制御部9は、印刷データの時間管理レジスタをデフォルト値である「n=0分」の状態を維持させる。
【0020】
また、データ管理制御部9は、決定した印刷データの処理方法に基づいて印刷データの処理を行う。すなわち、画像形成装置1では、設定された時間管理レジスタに基づいて印刷データが消去されるが、データ管理制御部9は、時間管理レジスタによって示される時間を経過した後に、HDD5に記憶された印刷データを消去する。
【0021】
また、データ管理制御部9は、ユーザが操作パネル部2に認証データを入力し、これを検出した場合、ユーザが入力した認証データを、認証データの比較を行わせるべく認証制御部10に供給する。さらにデータ管理制御部9はこれと合わせてHDD5から認証データを順次読み出し、認証制御部10に供給する。そして、データ管理制御部9は、印刷時には、HDD5から印刷データを読み出し、印刷処理部11に供給する。これらデータ管理制御部9による一連の処理は、図示せぬROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムを図示せぬCPU(Central Processing Unit)によって実行することで行われる。
【0022】
認証制御部10は、データ管理制御部9から供給された、ユーザが操作パネル部2に入力した認証データと、HDD5に印刷データと関連付けられて格納されていた認証データとを比較する。両認証データが一致しない場合は、認証制御部10は、データ管理制御部9から順次供給される認証データが、ユーザが操作パネル部2に入力した認証データと一致するかを比較する。そして、両認証データが一致した場合は、認証制御部10は、その旨及び認証データの内容を印刷処理部11に通知する。
【0023】
印刷処理部11は、印刷データを印刷部8によって印刷可能な形式のデータに変換する処理を行うと共に、画像形成装置1が印刷動作を行う際に各部の制御を行う。具体的には、印刷処理部11は、認証制御部10からの通知を受けて、データ管理制御部9に対して、認証制御部10から通知された認証データと関連付けられた印刷データを要求する。これに対してデータ管理制御部9は、認証データを参照し、当該認証データと関連付けられてHDD5に格納された印刷データを読み出し、印刷処理部11に供給する。そして、印刷処理部11は、印刷データを、印刷部8によって印刷可能な形式のデータに変換する処理を行う。そして、印刷処理部11は、当該データに基づいて印刷部8の動作を制御する。
【0024】
時間管理部12は、時計部7によって計測される時間及び時間管理レジスタに基づいて、時間管理レジスタによって示される時間が経過したことをデータ管理制御部9に通知する。具体的には、時間管理部12は、印刷データがHDD5に記憶され時間管理レジスタの値が「0」でない場合には、印刷データがHDD5に記憶されている時間を計時するためにソフト・タイマをHDD5に設定する。そして時間管理部12は、計時部7で計時される経過時間に応じてソフト・タイマのカウント値をアップカウントする。そして時間管理部12は、ソフト・タイマのカウント値をアップカウントする度に、ソフト・タイマのカウント値と時間管理レジスタによって示される時間とを比較し、ソフト・タイマのカウント値が時間管理レジスタによって示される時間を超えた場合には、データ管理制御部9に対して割り込みフラグを立てる。そして、データ管理制御部9は、時間管理部12によって割り込みフラグが立てられると、HDD5に記憶された印刷データを消去する。
【0025】
時計部7は、例えば図示せぬ電源によりバックアップされ画像形成装置1の電源がオフ状態であっても駆動可能なリアルタイムクロックであり、時計部7によって管理される時間は、時間管理部12によって読み出される。この様に、時計部7としてリアルタイムクロックを採用することによって、画像形成装置1の電源がオフ状態のときに時間管理レジスタによって示される時間が到来した場合においても、画像形成装置1は、電源がオン状態とされた際に、データ消去基準及びリアルタイムクロックによって計測される時間に基づいて印刷データの消去を行うことができる。この場合、時間管理部12は、画像形成装置1の電源が投入された時点で、電源オフ状態で計時部7が計時した時間に応じた値がソフト・タイマのカウント値に加算される。また、時計部7の構成としては、SNTP(Simple Network Time Protocol)又はNTP(Network Time Protocol)によって修正される時計手段を採用することも可能である。時計部7としてSNTP又はNTPを採用した場合、時計部7画像形成装置1内部にバックアップされたリアルタイムクロックを設ける必要はなく、印刷データの消去のタイミングを、ネットワーク上の他の機器と同期させることができる。
【0026】
印刷部8は、印刷処理部11によってデータ形式が変換された印刷データに基づいて駆動し、当該印刷データに基づく現像剤画像を記録媒体としての用紙上に印刷する。この様な印刷部8は、印刷処理部11による制御のもと駆動し、印刷データに基づく画像を印刷した用紙を画像形成装置1外部に排出して、印刷データが印刷された用紙をユーザに提供する。
【0027】
以下、画像形成装置1の動作について、図5を参照しながら詳細な説明をする。
【0028】
ユーザが図示せぬ情報処理装置において印刷データを生成し、プリンタドライバを用いて印刷データに認証データを付加すると共に及び重要度データを設定し、印刷データ、認証データ、及び重要度データを画像形成装置1に送信して一連の処理が開始すると、画像形成装置1は、ステップS1においてネットワークI/F部3において印刷データ、認証データ、及び重要度データを受信する。その後、画像形成装置1は、印刷データ、認証データ、及び重要度データを処理すべく、ステップS2以降の処理を実行する。
【0029】
ステップS2において画像形成装置1は、ネットワークI/F部3において受信した印刷データ、認証データ、及び重要度データを、データ管理制御部9を介してHDD5に記憶させる。具体的には、かかる処理は、データ管理制御部9が印刷データ、認証データ、及び重要度データをネットワークI/F部3から取得し、HDD5に書き込むことで行われる。その後、画像形成装置1は、印刷データの処理方法を決定すべく、ステップS3以降の処理を実行する。
【0030】
次に画像形成装置1は、印刷データの処理方法を決定すべく、重要度データの具体的な内容を解析し、印刷データに時間管理レジスタを設定する。
【0031】
具体的には、ステップS3においてデータ管理制御部9は、受信した印刷データに対応する重要度データが「高」であるか否かを判断する。また、データ管理制御部9は、重要度データが「高」でないと判断した場合、ステップS4において重要度データが「中」であるか否かを判断する。仮に、重要度データが「高」である場合は、データ管理制御部9は、ステップS5においてデータ消去基準を参照して、印刷データの時間管理レジスタを「n=5分」に設定する。また仮に、重要度データが「中」である場合は、データ管理制御部9は、ステップS6においてデータ消去基準を参照して、印刷データの時間管理レジスタを「n=60分」に設定する。そして、ステップS5及びステップS6において時間管理レジスタが設定されると、時間管理部12は、上述したソフト・タイマを設定し、ソフト・タイマのカウント値のアップカウントを開始する。その後、画像形成装置1は、印刷データの印刷等を行うべく、ステップS7以降の処理を実行する。またこのとき、印刷データに設定された時間管理レジスタは、重要度データが「高」である場合は「n=5分」となり、重要度データが「中」である場合は「n=60分」となり、重要度データが「低」である場合は「n=0分」となっている。
【0032】
ステップS7においてデータ管理制御部9は、操作パネル部2がユーザによって操作されたか否かを判断する。そして、データ管理制御部9は、操作パネル部2が操作されていないと判断した場合は、ステップS8において、時間管理部12によって割り込みフラグが立てられたか否かを判断する。そして、データ管理制御部9は、割り込みフラグが立てられていないと判断した場合は、再度ステップS7の処理を実行し、ユーザによる操作パネル部2の操作、又は時間管理部12によって割り込みフラグが立てられるかの何れかの動作が行われるまでかかる処理を繰り返し行う。
【0033】
ユーザが操作パネル部2を操作して、画像形成装置1に所定の情報を入力した場合、データ管理制御部9は、ステップS7において操作パネル部2が操作されたとしてステップS9以降の処理を実行する。
【0034】
ステップS9においてデータ管理制御部9は、ユーザによる操作が認証機能の実行を指示する旨の操作であったか否かを判断する。そして、データ管理制御部9は、ユーザによる操作パネル部2の操作が認証機能の実行の指示でないと判断した場合は、ステップS10においてユーザによって指示された認証機能の実行以外の処理を実行し、再度ステップS7の処理を実行する。
【0035】
また、ステップS8においてデータ管理制御部9が、時間管理部12によって割り込みフラグが立てられたと判断した場合は、ステップS11においてデータ管理制御部9は、データ消去基準に従って印刷データ、並びに認証データ及び重要度データをHDD5から消去する。ステップS8の段階では、ユーザは画像形成装置1に対して何ら操作を行っていない状態であるが、画像形成装置1は、印刷データが印刷されたか否かに関わらず重要度データに基づいて印刷データを自発的に消去することによって、例えばユーザが印刷データの存在を忘れてしまった場合であっても、印刷データの漏洩を防止することができる。
【0036】
ステップS9においてデータ管理制御部9が、ユーザによる操作が認証機能の実行を指示する旨の操作であったと判断した場合、ステップS12においてデータ管理制御部9はその旨を認証制御部10に通知すると共に、ユーザに対して認証データの入力を要求する。かかる要求は、所定のメッセージを操作パネル部2の表示部に表示することで行われる。そしてここで操作パネル部2に入力された認証データは、データ管理制御部9によって認証制御部10に供給される。
【0037】
次に、ステップS13においてデータ管理制御部9は、操作パネル部2に入力された認証データと同一の認証データがHDD5に記憶されているか否かを判断する。ここで、ユーザが入力した認証データと同一の認証データがHDD5に記憶されていないと判断される場合としては、ステップS11において印刷データが既に消去されている場合、又はユーザが認証データの入力を誤った場合がある。これらの場合は、印刷すべき印刷データが特定できない為、画像形成装置1は認証モードを解除し、再度ステップS7の処理を実行する。
【0038】
一方、ステップS13において認証データが一致した場合は、認証制御部10は、認証データが一致した旨を印刷処理部11に通知する。そしてかかる通知を受けてステップS14において印刷処理部11は、印刷部8を制御して、一致した認証データに対応する印刷データに基づく画像の印刷を開始する。そして印刷データの印刷が終了すると印刷処理部11は、その旨をデータ管理制御部9に通知する。
【0039】
印刷が終了した旨の通知を受けデータ管理制御部9は、HDD5に記憶された印刷データ、並びに認証データ及び重要度データを消去し、画像形成装置1は一連の処理を終了する。
【0040】
この様に、画像形成装置1は、時計部7によって計測される時間の経過、及び重要度データの内容に基づいてHDD5に記憶された印刷データを消去する為、ユーザが印刷データの存在を忘れてしまった場合、何らかの原因で画像形成装置1の位置まで来ることができない場合、又は画像形成装置1自体が盗難にあった場合における印刷データの漏洩を防止することができる。
【0041】
以下、本発明を適用した第2の実施の形態について詳細な説明をする。第2の実施の形態にかかる画像形成装置は、画像形成装置1と同一の構成を有する箇所がある為、当該箇所については同一符号を付して詳細な説明を省略し、差異のある箇所についてのみ詳細な説明を行う。具体的には、第2の実施の形態にかかる画像形成装置は、画像形成装置1の様に印刷データに時間管理レジスタを設定する制御に加え、属性情報としての重要度データの内容、及び図6に示す様なデータ消去基準に応じて、印刷データの記憶先を変更する。例えば重要度データによって示される印刷データの重要度が高い場合には、画像形成装置は、画像形成装置の電源がオフ状態とされたときに印刷データが消去される様に印刷データを、画像形成装置の電源がオフ状態とされることによってデータが消去される揮発性デバイスに記憶させる。一方で、重要度データによって示される印刷データの重要度が低い場合には、画像形成装置は、印刷データを、画像形成装置の電源がオフ状態とされた場合にもデータが保存される不揮発性デバイスに記憶させる。例えば、本実施の形態では、揮発性デバイスとしてDRAM(Dynamic Random Access Memory)を使用し、不揮発性デバイスとしてHDDを使用する。
【0042】
図7に示す様に、第2の実施の形態にかかる画像形成装置20は、データ管理制御部21、及び印刷データを記憶するDRAM22を備える。
【0043】
データ管理制御部21は、重要度データの内容に基づいて印刷データの記憶先を揮発性のDRAM22、又は不揮発性のHDD5の何れかを選択することで、印刷データの処理方法を決定する。さらに、データ管理制御部21は、選択した印刷データの記憶先に基づいて印刷データをHDD5又はDRAM22に記憶させる。この様な処理により、画像形成装置20は、重要度の高いデータを画像形成装置20の電源がオフ状態とされたときに印刷データが自動的に消去されることが可能となる様に記憶し、重要度の低いデータを画像形成装置20の電源がオフ状態とされたとしても印刷データが保存される様に記憶する。
【0044】
以下、画像形成装置20の動作について、図8を参照しながら詳細な説明を行う。
【0045】
一連の処理が開始すると画像形成装置20は、ステップS20においてネットワークI/F部3において印刷データ、認証データ、及び重要度データを受信する。その後、画像形成装置1は、印刷データ、認証データ、及び重要度データを処理すべく、ステップS21以降の処理を実行する。
【0046】
ステップS21において画像形成装置20は、ネットワークI/F部3において受信した印刷データ、認証データ、及び重要度データを、データ管理制御部21を介してHDD5に記憶させる。
【0047】
次に、ステップS22においてデータ管理制御部21は、受信した印刷データに対応する重要度データが「高」であるか否かを判断する。また、データ管理制御部21は、重要度データが「高」でないと判断した場合、ステップS23において重要度データが「中」であるか否かを判断する。仮に、重要度データが「高」である場合は、データ管理制御部21は、ステップS24においてデータ消去基準を参照して、印刷データの時間管理レジスタを「n=5分」に設定する。その後、ステップS25においてデータ管理制御部21は、当該印刷データをHDD5からDRAM22に移動させる。このとき、当該印刷データはHDD5から消去される。画像形成装置20では、ステップS25の処理を行った後は、どのタイミングで画像形成装置20の電源がオフ状態とされても、重要度が「高」に設定された印刷データを自動的に消去することができる。
【0048】
また仮に、重要度データが「中」である場合は、データ管理制御部21は、ステップS26においてデータ消去基準を参照して、印刷データの時間管理レジスタを「n=60分」に設定する。その後、画像形成装置20は、印刷データの印刷等を行うべく、ステップS27以降の処理を実行する。そして、ステップS24及びステップS26において時間管理レジスタが設定されると、時間管理部12は、上述したソフト・タイマを設定し、ソフト・タイマのカウント値のアップカウントを開始する。
【0049】
ステップS27においてデータ管理制御部21は、操作パネル部2がユーザによって操作されたか否かを判断する。そして、データ管理制御部21は、操作パネル部2が操作されていないと判断した場合は、ステップS28において、時間管理部12によって割り込みフラグが立てられたか否かを判断する。そして、データ管理制御部21は、割り込みフラグが立てられていないと判断した場合は、再度ステップS27の処理を実行し、ユーザによる操作パネル部2の操作、又は時間管理部12によって割り込みフラグが立てられるかの何れかの動作が行われるまでかかる処理を繰り返し行う。
【0050】
ユーザが操作パネル部2を操作して、画像形成装置20に所定の情報を入力した場合、データ管理制御部21は、ステップS27において操作パネル部2が操作されたとしてステップS29以降の処理を実行する。
【0051】
ステップS29においてデータ管理制御部21は、ユーザによる操作が認証機能の実行を指示する旨の操作であったか否かを判断する。そして、データ管理制御部21は、ユーザによる操作パネル部2の操作が認証機能の実行の指示でないと判断した場合は、ステップS30においてユーザによって指示された認証機能の実行以外の処理を実行し、再度ステップS27の処理を実行する。
【0052】
また、ステップS28においてデータ管理制御部21が、時間管理部12によって割り込みフラグが立てられたと判断した場合は、ステップS31においてデータ管理制御部21は、データ消去基準に従って印刷データ、並びに認証データ及び重要度データをHDD5から消去する。ステップS28の段階では、ユーザは画像形成装置20に対して何ら操作を行っていない状態であるが、画像形成装置20は、印刷データが印刷されたか否かに関わらず重要度データに基づいて印刷データを自発的に消去することによって、例えばユーザが印刷データの存在を忘れてしまった場合であっても、印刷データの漏洩を防止することができる。
【0053】
ステップS29においてデータ管理制御部21が、ユーザによる操作が認証機能の実行を指示する旨の操作であったと判断した場合、ステップS32においてデータ管理制御部21はその旨を認証制御部10に通知すると共に、ユーザに対して認証データの入力を要求する。
【0054】
次に、ステップS33においてデータ管理制御部21は、操作パネル部2に入力された認証データと同一の認証データがHDD5に記憶されているか否かを判断する。そして、データ管理制御部21が、操作パネル部2に入力された認証データと同一の認証データがHDD5に記憶されていないと判断した場合は、画像形成装置20は再度ステップS27の処理を実行する。
【0055】
一方、ステップS33において認証データが一致した場合は、認証制御部10は、認証データが一致した旨を印刷処理部11に通知する。そしてかかる通知を受けてステップS34において印刷処理部11は、印刷部8を制御して、一致した認証データに対応する印刷データに基づく画像の印刷を開始する。そして印刷データの印刷が終了すると印刷処理部11は、その旨をデータ管理制御部21に通知する。
【0056】
印刷が終了した旨の通知を受けデータ管理制御部21は、HDD5に記憶された印刷データ、並びに認証データ及び重要度データを消去し、画像形成装置20は一連の処理を終了する。そして、DRAM22に記憶された印刷データは、画像形成装置20の電源がオフ状態とされると、印刷データに基づく画像が印刷されたか否か又は時間管理レジスタによって示される時間が到来したか否かに関わらず、消去される。すなわち、画像形成装置20は、装置廃棄時等に確実に重要度の高い印刷データを消去することができる。
【0057】
この様に、画像形成装置20によれば、重要度の高い印刷データを揮発性デバイスに記憶させることによって、画像形成装置20の電源がオフ状態とされたときに印刷データは消去される為、印刷データの漏洩を防止することができる。尚、画像形成装置20では、時間管理レジスタを用いた印刷データの処理と、重要度データの内容に応じて印刷データの記憶先を変更する処理を並行して行うこととしたが、重要度データの内容に応じて印刷データの記憶先を変更する処理のみを行うこととすることも可能である。
【0058】
以下、本発明を適用した第3の実施の形態について詳細な説明をする。
【0059】
以下、本発明を適用した第3の実施の形態について詳細な説明をする。第3の実施の形態にかかる画像形成装置は、画像形成装置1と同一の構成を有する箇所がある為、当該箇所については同一符号を付して詳細な説明を省略し、差異のある箇所についてのみ詳細な説明を行う。具体的には、第3の実施の形態にかかる画像形成装置は、重要度データの内容、及び図9に示す様なデータ消去基準に応じて、印刷データの印刷可能回数を変更する。例えば重要度データによって示される印刷データの重要度が高い場合には、画像形成装置は、印刷データに基づく画像の印刷を1回のみ行うことを可能となる様に印刷データの処理を行う。一方で、重要度データによって示される重要度が低い場合には、画像形成装置は、印刷データに基づく画像の印刷を複数回行うことが可能となる様に印刷データの処理を行う。
【0060】
図10に示す様に、第3の実施の形態にかかる画像形成装置30は、データ管理制御部31を備える。
【0061】
データ管理制御部31は、重要度データの内容に基づいて印刷データの印刷可能回数を設定することで印刷処理方法を決定する。また、データ管理制御部31は、印刷データに基づく画像が印刷された回数を計数する。そしてこの様なデータ管理制御部31によって設定された印刷可能回数は、図11に示す様なテーブルとしてHDD5に記憶される。そしてテーブルの印刷可能回数は、印刷データが印刷される度にデータ管理制御部31によってデクリメントされ、書き換えられる。すなわちデータ管理制御部31は、印刷回数を計数し、HDD5に記憶された印刷可能回数から印刷回数を減算し、得られた結果を印刷可能回数としてHDD5に再び書き込む。そして、テーブルの印刷可能回数が残り0回になったときに、データ管理制御部31は、印刷データをHDD5から消去する。この様に、画像形成装置30では、印刷データの重要度データに応じて印刷可能回数を制限することによって、例えば重要度の高い印刷データの印刷可能回数を低く設定し、重要度の低い印刷データの印刷可能回数を高く、又は制限をかけない様に設定し、印刷可能回数が残り0回になった時点で印刷データを消去することによって印刷データの漏洩を防止する。尚、上記印刷可能回数の一例として本実施の形態では、画像形成装置30は、印刷データの重要度が「高」である場合は、印刷可能回数を「1回」として設定し、印刷データの重要度が「中」である場合は、印刷可能回数を「5回」として設定するものとする。また、画像形成装置30は、印刷データの重要度が「低」である場合は、印刷可能回数に制限を設けず、印刷可能回数のデータ値として「0FFFFh」を書き込む。
【0062】
以下、画像形成装置30の動作について、図11及び図12を参照しながら詳細な説明を行う。
【0063】
一連の処理が開始すると画像形成装置30は、ステップS40においてネットワークI/F部3において印刷データ、認証データ、及び重要度データを受信する。その後、画像形成装置1は、印刷データ、認証データ、及び重要度データを処理すべく、ステップS41以降の処理を実行する。
【0064】
ステップS41において画像形成装置30は、ネットワークI/F部3において受信した印刷データ、認証データ、及び重要度データを、データ管理制御部31を介してHDD5に記憶させる。
【0065】
次に、ステップS42においてデータ管理制御部31は、受信した印刷データに対応する重要度データが「高」であるか否かを判断する。また、データ管理制御部31は、重要度データが「高」でないと判断した場合、ステップS43において重要度データが「中」であるか否かを判断する。仮に、重要度データが「高」である場合は、データ管理制御部31は、ステップS44においてデータ消去基準を参照して、印刷データの印刷可能回数を1回に設定する。また仮に、重要度データが「中」である場合は、データ管理制御部31は、ステップS45においてデータ消去基準を参照して、印刷データの印刷可能回数を5回に設定する。その後、画像形成装置30は、印刷データの印刷等を行うべく、ステップS46以降の処理を実行する。
【0066】
ステップS46においてデータ管理制御部31は、操作パネル部2がユーザによって操作されたか否かを判断する。データ管理制御部31は、操作パネル部2がユーザによって操作されるまでステップS46の処理を繰り返し、ユーザによる指示が入力されるまで待機する。
【0067】
ステップS47においてデータ管理制御部31は、ユーザによる操作が認証機能の実行を指示する旨の操作であったか否かを判断する。そして、データ管理制御部31は、ユーザによる操作パネル部2の操作が認証機能の実行の指示でないと判断した場合は、ステップS48においてユーザによって指示された認証機能の実行以外の処理を実行し、再度ステップS46の処理を実行する。
【0068】
ステップS47においてデータ管理制御部31が、ユーザによる操作が認証機能の実行を指示する旨の操作であったと判断した場合、ステップS49においてデータ管理制御部31はその旨を認証制御部10に通知すると共に、ユーザに対して認証データの入力を要求する。
【0069】
次に、ステップS50においてデータ管理制御部31は、操作パネル部2に入力された認証データと同一の認証データがHDD5に記憶されているか否かを判断する。そして、データ管理制御部31が、操作パネル部2に入力された認証データと同一の認証データがHDD5に記憶されていないと判断した場合は、画像形成装置30は再度ステップS46の処理を実行する。
【0070】
一方、ステップS50において認証データが一致した場合は、認証制御部10は、認証データが一致した旨を印刷処理部11に通知する。そしてかかる通知を受けてステップS51において印刷処理部11は、印刷部8を制御して、一致した認証データに対応する印刷データに基づく画像の印刷を開始する。そして印刷データの印刷が終了すると印刷処理部11は、その旨をデータ管理制御部31に通知する。
【0071】
印刷が終了した旨の通知を受けデータ管理制御部31は、ステップS52において当該印刷データに設定された印刷可能回数を参照して、印刷可能回数のデータ値から値1をデクリメントする。尚、この場合データ管理制御部31は、印刷可能回数のデータ値が「0FFFFh」として設定されている場合には、印刷可能回数のデータ値のデクリメントを行わない。
【0072】
次に、ステップS53においてデータ管理制御部31は、HDD5に記憶された印刷データの印刷可能回数が、値0であるか否かを判断する。そして、データ管理制御部31が印刷可能回数が0回であると判断した場合は、ステップS54においてデータ管理制御部31は、HDD5に記憶された印刷データ、並びに認証データ及び重要度データを消去し、画像形成装置30は一連の処理を終了する。
【0073】
一方で、印刷可能回数が0回でないと判断した場合は、データ管理制御部31は、操作パネル部2の表示部に再度印刷を行うか否かを判断させる旨のメッセージを表示する。そして、ステップS55においてデータ管理制御部31は、ユーザの応答が、再度印刷を行うものであるか否かを判断する。そして、ユーザの応答が、再度印刷を行わない旨の内容であった場合は、データ管理制御部31は、ステップS46の処理を実行し、ユーザによる指示が入力されるまで待機する。一連の処理を終了する。一方で、再度印刷を行う場合は、画像形成装置30は、再度ステップS51以降の処理を実行する。
【0074】
この様に、画像形成装置30によれば、重要度が高い印刷データの印刷可能回数を低く設定し、重要度が低い印刷データの印刷可能回数を高く設定し、印刷可能回数が0回になった時点で印刷データを消去することによって、必要以上に印刷が行われ、印刷データ及び印刷データに基づく画像が印刷された用紙が漏洩することを防止することができる。
【0075】
尚、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0076】
特に、上述の実施の形態では、認証データとして4桁の数字を用いて詳細な説明を行ったが、指紋や虹彩パターン等のバイオメトリクス情報による認証を行うものであっても良い。また、データ消去基準として、3段階の重要度に合わせて時間管理レジスタを「n=0分」、「n=5分」、又は「n=60分」に設定するものとして詳細な説明を行ったが、重要度の分割数、又は時間管理レジスタによって示される時間は変更可能である。また、画像形成装置1では、HDD5が印刷データを記憶している時間をカウントアップし、測定結果が属性情報によって示される時間を経過した際に印刷データを消去することとしたが、かかる構成としては、HDD5が印刷データを記憶している時間をカウントダウンすることも可能である。
【0077】
また、第3の実施の形態では、画像形成装置30は、重要度データの内容に応じて印刷データの印刷可能回数を設定しているが、印刷可能回数に関する情報は、情報処理装置側で付された情報であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】第1の実施の形態にかかる画像形成装置のブロック図であり、同画像形成装置の構成について説明する為の図である。
【図2】同画像形成装置に送信される印刷データのブロック図であり、同印刷データの構成について説明する為の図である。
【図3】同画像形成装置に送信される印刷データ、認証データ、及び重要度データが関連付けられて記憶される例を示す図である。
【図4】同画像形成装置が印刷データの処理方法を決定する為に使用するデータ消去基準の例を示す図である。
【図5】同画像形成装置の動作を示すフロー図である。
【図6】第2の実施の形態にかかる画像形成装置が印刷データの処理方法を決定する為に使用するデータ消去基準の例を示す図である。
【図7】同画像形成装置のブロック図であり、同画像形成装置の構成について説明する為の図である。
【図8】同画像形成装置の動作を示すフロー図である。
【図9】第3の実施の形態にかかる画像形成装置が印刷データの処理方法を決定する為に使用するデータ消去基準の例を示す図である。
【図10】同画像形成装置のブロック図であり、同画像形成装置の構成について説明する為の図である。
【図11】同画像形成装置に送信される印刷データ、認証データ、重要度データ、及び印刷可能回数が関連付けられて記憶される例を示す図である。
【図12】同画像形成装置の動作を示すフロー図である。
【図13】同画像形成装置の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0079】
1,20,30 画像形成装置
2 操作パネル部
3 ネットワークI/F部
4 制御部
5 HDD
6 RAM
7 時計部
8 印刷部
9,21,31 データ管理制御部
10 認証制御部
11 印刷処理部
12 時間管理部
20 画像形成装置
21 データ管理制御部
22 DRAM
30 画像形成装置
31 データ管理制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証印刷機能を有する画像形成装置において、
印刷データ、並びに当該印刷データを認証する為の第一の認証情報、及び当該印刷データの属性情報が入力されるデータ入力部と、
前記データ入力部に入力された前記印刷データ、前記第一の認証情報、及び前記属性情報を記憶する記憶部と、
前記印刷データを認証する為の第二の認証情報が入力される認証情報入力部と、
前記記憶部に記憶された前記第一の認証情報、及び前記認証情報入力部に入力された前記第二の認証情報を比較する認証情報比較部と、
前記認証情報比較部による比較結果に基づいて前記記憶部に記憶された前記印刷データの印刷処理を制御する制御部と、
前記記憶部が前記印刷データを記憶している時間を計時する計時部とを備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記属性情報、及び前記計時部の計時結果に基づいて前記印刷データを前記記憶部から消去すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記属性情報は、前記記憶部が前記印刷データを記憶している時間の上限値に関する情報を含み、
前記制御部は、前記計時部において計時された時間が前記上限値を超えたと判断した場合に前記印刷データを前記記憶部から消去すること
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記計時部は、リアルタイムクロックによって構成され、
前記制御部は、前記リアルタイムクロックによって管理される計時時間に基づいて前記記憶部から前記印刷データを消去すること
を特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記憶部は、
装置電源の切断時に記憶した情報が消去される第一の領域と、
装置電源の切断時にも記憶した情報が保持される第二の領域とを備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記属性情報に基づいて前記印刷データを前記第一の領域又は前記第二の領域の何れかに記憶させること
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
認証印刷機能を有する画像形成装置において、
印刷データ、並びに当該印刷データを認証する為の第一の認証情報、及び当該印刷データの属性情報が入力されるデータ入力部と、
前記データ入力部に入力された前記印刷データ、前記第一の認証情報、及び前記属性情報を記憶する記憶部と、
前記印刷データを認証する為の第二の認証情報が入力される認証情報入力部と、
前記記憶部に記憶された前記第一の認証情報、及び前記認証情報入力部に入力された前記第二の認証情報を比較する認証情報比較部と、
前記認証情報比較部による比較結果に基づいて前記記憶部に記憶された前記印刷データの印刷処理を制御する制御部と、
前記制御部によって前記印刷データに基づく画像が印刷された回数を計数する計数部とを備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記属性情報、及び前記計数部の計数結果に基づいて前記印刷データを前記記憶部から消去すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記属性情報は、前記印刷データの印刷回数に関する情報を含み、
前記制御部は、前記計数部において計数された前記印刷データに基づく画像が印刷された回数が前記属性情報に含まれる前記印刷データの印刷回数を超えた場合に、前記印刷データを前記記憶部から消去すること
を特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項1】
認証印刷機能を有する画像形成装置において、
印刷データ、並びに当該印刷データを認証する為の第一の認証情報、及び当該印刷データの属性情報が入力されるデータ入力部と、
前記データ入力部に入力された前記印刷データ、前記第一の認証情報、及び前記属性情報を記憶する記憶部と、
前記印刷データを認証する為の第二の認証情報が入力される認証情報入力部と、
前記記憶部に記憶された前記第一の認証情報、及び前記認証情報入力部に入力された前記第二の認証情報を比較する認証情報比較部と、
前記認証情報比較部による比較結果に基づいて前記記憶部に記憶された前記印刷データの印刷処理を制御する制御部と、
前記記憶部が前記印刷データを記憶している時間を計時する計時部とを備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記属性情報、及び前記計時部の計時結果に基づいて前記印刷データを前記記憶部から消去すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記属性情報は、前記記憶部が前記印刷データを記憶している時間の上限値に関する情報を含み、
前記制御部は、前記計時部において計時された時間が前記上限値を超えたと判断した場合に前記印刷データを前記記憶部から消去すること
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記計時部は、リアルタイムクロックによって構成され、
前記制御部は、前記リアルタイムクロックによって管理される計時時間に基づいて前記記憶部から前記印刷データを消去すること
を特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記憶部は、
装置電源の切断時に記憶した情報が消去される第一の領域と、
装置電源の切断時にも記憶した情報が保持される第二の領域とを備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記属性情報に基づいて前記印刷データを前記第一の領域又は前記第二の領域の何れかに記憶させること
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
認証印刷機能を有する画像形成装置において、
印刷データ、並びに当該印刷データを認証する為の第一の認証情報、及び当該印刷データの属性情報が入力されるデータ入力部と、
前記データ入力部に入力された前記印刷データ、前記第一の認証情報、及び前記属性情報を記憶する記憶部と、
前記印刷データを認証する為の第二の認証情報が入力される認証情報入力部と、
前記記憶部に記憶された前記第一の認証情報、及び前記認証情報入力部に入力された前記第二の認証情報を比較する認証情報比較部と、
前記認証情報比較部による比較結果に基づいて前記記憶部に記憶された前記印刷データの印刷処理を制御する制御部と、
前記制御部によって前記印刷データに基づく画像が印刷された回数を計数する計数部とを備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記属性情報、及び前記計数部の計数結果に基づいて前記印刷データを前記記憶部から消去すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記属性情報は、前記印刷データの印刷回数に関する情報を含み、
前記制御部は、前記計数部において計数された前記印刷データに基づく画像が印刷された回数が前記属性情報に含まれる前記印刷データの印刷回数を超えた場合に、前記印刷データを前記記憶部から消去すること
を特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−213245(P2008−213245A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−52220(P2007−52220)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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