説明

画像形成装置

【課題】トナー補給直後の期間に生じ得る2色以上のトナーを用いて色を表現する混色画像の色味変化を抑制することを課題とする。
【解決手段】感光体ドラム1上に形成される各色の潜像を、互いに異なる色のトナーを用いる複数の現像装置5によってそれぞれ現像し、これにより得られる各色トナー像が重なり合ったカラー画像を記録紙上に転写する画像形成装置において、トナー補給手段32によるトナー収容容器31から現像室33へのトナー補給が少なくとも2以上の現像装置間で同じ時期に実施されるように、当該少なくとも2以上の現像装置のトナー補給タイミングを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに異なる色のトナーを用いる一成分現像方式の現像装置により得られる各色トナー像が重なり合った混色画像を形成する、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
潜像担持体上の潜像を現像してトナー像化する現像方式としては、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤を用いて現像処理を行う二成分現像方式と、キャリアを含まない一成分現像剤を用いて現像処理を行う一成分現像方式とが知られている。一成分現像剤は、現像処理で消費されないで現像装置内に残留するキャリアを含んでいないため、近年の寿命が長い現像装置に対しては、キャリアを含む二成分現像剤よりも次の点で有利である。すなわち、キャリアの寿命は、一般に、現像装置の寿命よりも短いので、二成分現像方式では、現像装置の寿命が到来するまでの間にキャリアの入れ替えを行う必要がある。これに対し、一成分現像方式は、このようなキャリアの入れ替えが必要でない点が有利である。
【0003】
一成分現像方式においては、適切な現像能力を維持するためにトナーの流動性を確保すべく、現像装置内のトナーを連続的又は断続的に攪拌する。現像装置内のトナーは、この攪拌を受けることで帯電量が上昇していくので、通常は現像装置内の滞在期間が長いほど、現像装置内のトナー帯電量は高いものとなる。特に、トナー担持体に担持されたトナーが規制ブレードによる規制を受けて現像領域へ搬送されたが、現像に用いられずに再び現像装置内に戻った場合、そのトナーの帯電量は高いものとなる。
【0004】
一方、現像処理により消費される現像装置内のトナーを補うために、所定の補給開始条件が満たされたときに、現像装置内に対して新しいトナーを補給する。新たに補給されるトナーは一般に帯電量が低い状態となっているので、トナー補給直後の現像装置内には、現像装置内の滞在期間が長い高帯電量のトナーと、新たに補給された低帯電量のトナーとが混在した状態となる。そのため、トナー補給直後の期間は、現像装置内におけるトナー全体の平均的な帯電量が落ち込み、これにより現像能力が変化して所望の画像濃度が得られないという画質劣化の不具合を引き起こす。特に、トナー補給時に補給するトナー量が多いほど、現像装置内において低帯電量トナーの比率が増大するので、この画質劣化の不具合が顕著となる。
【0005】
特許文献1には、現像装置内の現像室(トナー供給部)とは別に撹拌室(トナー収容部)を設け、新品トナーを収容するトナーカートリッジから撹拌室へ第1搬送路を介してトナー補給を行う画像形成装置が開示されている。この画像形成装置は、撹拌室から現像装置へとトナーを搬送する第2搬送路や、現像装置から撹拌室へとトナーを搬送する第3搬送路も、備えている。この画像形成装置においては、現像室内の劣化した旧トナーを第3搬送路を介して攪拌室へ回収し、攪拌室で劣化したトナーとトナーカートリッジから補給される新トナーとを攪拌して混合する。これにより、現像室内には、攪拌室内で予め旧トナーと新トナーとが攪拌混合された状態のトナーが補給される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1の画像形成装置において、新たに補給される新トナーは、攪拌室(トナー収容部)で事前に旧トナーと攪拌混合されるので、現像室(トナー供給部)に補給される時点で既に帯電量が上昇した状態となるものと推測される。よって、現像室内へのトナー補給によって現像室内のトナーの平均的な帯電量が落ち込む量は、トナーカートリッジから新トナーを直接的に現像室へ補給する場合よりも少なくなる。したがって、トナー補給前後において、現像能力の変化が少なく、画像濃度変動も抑制することが可能であり、トナー補給直後の期間に発生する画質劣化の不具合を抑制することが可能である。
【0007】
ところが、本発明者らの研究の結果、上記特許文献1の画像形成装置は、単色画像であれば、トナー補給直後の期間に生じる画質劣化を実用上の許容範囲内とすることは可能ではあるが、2色以上のトナーを用いて色を表現する混色画像では、許容範囲を超える画質劣化が生じるという問題を見出した。以下、この点について説明する。
【0008】
2色以上のトナーを用いて色を表現する混色画像を形成する場合、各色のトナーを用いた個別色のトナー像を互いに重複させることで、各色トナーの付着量配分に応じた色を実現する。表現される色は混色される各色トナー付着量の配分に敏感で、各色トナー付着量の配分が僅かに異なるだけで、表現される色合いが変わってユーザーに与える画像の印象が変わってくる。ここで、混色画像を形成する従来の画像形成装置は、各色に対応した現像装置に対するトナー補給タイミングが現像装置ごとに個別に決まるものであった。そのため、トナー補給した直後の現像装置で現像した色のトナー像と、トナー補給してから十分に時間が経過した現像装置で現像した別の色のトナー像とが重なって混色画像が形成されることがある。この場合、後者の色のトナー像は適正な現像能力で現像されて所望の画像濃度となるが、前者の色のトナー像は現像能力が不適正で所望の画像濃度が得られない。その結果、これらのトナー像が重なって得られる混色画像の色は、両色のトナー像がいずれも所望の画像濃度で作成されている場合の適正な色から外れたものとなる。
【0009】
このとき、各色現像装置を上記特許文献1に開示されている現像装置で構成すれば、トナー補給直後の期間において画像濃度が所望の画像濃度から外れる度合いを小さく抑えることができる。しかしながら、この構成であっても、トナー補給した直後の現像装置で作成したトナー像とトナー補給してから十分に時間が経過した現像装置で作成した別の色のトナー像とが重なって得られる色味を、本来の色味に対する許容範囲内に抑えることはできない場合があった。この場合、2色以上のトナーを用いて色を表現する混色画像において許容範囲を超える画質劣化が生じてしまう。
【0010】
なお、上記問題は、2色以上のトナーによって色を表現した混色画像を形成する画像形成装置において、各色現像装置のトナー供給部へのトナー補給タイミングが現像装置ごとに個別に決まる構成であれば発生する問題である。したがって、上記問題は、上記特許文献1に開示の現像装置のようにトナー供給部内のトナーの一部をトナー収容部内に戻す構成を有する場合に限らずに生じ得るものである。
【0011】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、トナー補給直後の期間に生じ得る2色以上のトナーを用いて色を表現する混色画像の色味変化を抑制することが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明は、現像領域で潜像担持体に近接または接触するように配置される回転可能なトナー担持体と、該トナー担持体の表面に供給されるトナーを収容するトナー供給部と、トナー担持体の表面に担持されたトナーを現像領域へ搬送される前に薄層化する薄層化部材と、該トナー供給部へ補給されるトナーを収容するトナー収容部と、該トナー収容部内のトナーを該トナー供給部へ補給するトナー補給手段とを備えた現像装置を複数備え、潜像担持体上に形成される各色の潜像を、互いに異なる色のトナーを用いる複数の現像装置によってそれぞれ現像し、これにより得られる各色トナー像が重なり合った混色画像を記録材上に転写することで、混色画像を形成する画像形成装置において、上記トナー補給手段によるトナー収容部からトナー供給部へのトナー補給が上記複数の現像装置に含まれる少なくとも2以上の現像装置間で同じ時期に実施されるように、該少なくとも2以上の現像装置のトナー補給タイミングを制御するトナー補給制御手段を有することを特徴とするものである。
【0013】
本発明においては、少なくとも2以上の現像装置間で同じ時期にトナー収容部からトナー供給部へのトナー補給が実施される。これにより、これらの現像装置間では、トナー補給によるトナー供給部内のトナー帯電量低下が同じ時期に発生する。その結果、当該トナー補給直後の期間において、これらの現像装置の現像能力は同じように変化し、例えば、これらの現像装置では潜像担持体上の潜像に対するトナー付着量が目標付着量よりも増加する。よって、この例でいえば、当該トナー補給直後の期間において、これらの現像装置により現像されるトナー像は、いずれも、目標画像濃度よりも画像濃度が高い状態になる。この場合、当該トナー補給直後の期間に形成される混色画像全体の画像濃度は一様に目標画像濃度よりも高いものとなるが、当該トナー補給直後の期間に潜像担持体上の潜像に付着する各色トナーの付着量比率は、トナー補給前のものとほぼ同じにすることが可能である。したがって、トナー補給直後の期間に形成される混色画像の色味変化を抑制することが可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、トナー補給直後の期間に生じ得る2色以上のトナーを用いて色を表現する混色画像の色味変化を抑制することが可能となるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態に係る画像形成装置の主要部を示す模式図である。
【図2】同画像形成装置の現像装置の概略構成を示す模式図である。
【図3】同画像形成装置の本体制御部により制御されるトナー補給動作の流れを示すフローチャートである。
【図4】同画像形成装置の本体制御部により制御される現像室内のトナー量調整処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を、タンデム型の画像形成装置に適用した場合の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の主要部を示す模式図である。
この画像形成装置は、ブラック(Bk)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の各色トナー像を個別の感光体ドラム(潜像担持体)の表面に形成し、これらを中間転写ベルト13上で互いに重なり合うように転写してカラー画像(混色画像)を得る中間転写方式のタンデム型画像形成装置である。なお、本発明は、このようなタンデム型画像形成装置に限らず、1つの感光体ドラム上に各色トナー像を順次形成する1ドラム型の画像形成装置や、感光体ドラム上で各色トナー像を重ねて形成する方式の画像形成装置でも適用可能である。また、このような中間転写方式の画像形成装置に限らず、感光体ドラム上のトナー像を記録材としての記録紙上に直接転写する直接転写方式の画像形成装置でも適用可能である。
【0017】
本実施形態の画像形成装置において、各色の感光体ドラム1の周囲には、それぞれ、感光体ドラム1の表面を一様に帯電するための帯電装置2と、帯電装置2により帯電処理された感光体ドラム1の表面に潜像を形成するためのレーザー光3を照射する図示しない露光装置と、感光体ドラム表面上の潜像に帯電トナーを付着させてトナー像を形成する現像装置5と、感光体ドラム表面上に形成されたトナー像を被転写体としての中間転写体である中間転写ベルト13の表面へ転写するための転写装置7と、転写後に感光体ドラム1の表面に残留した残留トナーを除去するためのクリーニング装置12とが、この順序で感光体ドラム1の回転方向に沿って配置されている。
【0018】
各色の現像装置5の上部には、それぞれの色に対応した補給用トナーを収容するトナー収容部としてのトナー収容容器31が連結している。本実施形態では、トナー収容容器31の底部から排出されるトナーが現像装置5内のトナー供給部へ直接落下して補給する構成であるが、現像装置5から離れた場所に設置されるトナー収容容器31の底部から排出されるトナーを、所定の補給経路を通じて現像装置5へ補給する構成でもよい。
【0019】
本実施形態では、ネガポジ方式(感光体ドラム1上の露光部電位を落としてトナーを付着させる方式)で行われるが、他の方式でもかまわない。ネガポジ方式の本実施形態では、帯電装置2によって感光体ドラム1の表面を一様にマイナス極性に帯電し、画像情報に基づくレーザー光3の照射により、その照射部分(露光部)の帯電電位を落としてゼロに近付ける。これにより、感光体ドラム1の表面上の露光部により静電潜像が形成される。現像装置5は、マイナス極性に帯電したトナーを感光体ドラム表面の露光部に静電的に付着させる現像処理を行う。このようにして各感光体ドラム1の表面に形成された各色トナー像は、転写装置7の中間転写ベルト13の外周面上に、互いに重なり合うように転写される。中間転写ベルト13に転写されずに感光体ドラム1の表面に残留した残留トナーは、クリーニング装置12のクリーニングブレード11によって感光体ドラム1の表面から除去される。
【0020】
中間転写ベルト13の表面に重なり合うように転写された各色トナー像は、二次転写部において、二次転写ローラ8により印加される転写バイアスの作用により、図示しない給紙トレイから搬送されてくる記録紙へ、一括して二次転写される。この二次転写後に中間転写ベルト13上に残留する残留トナーやトナーから剥離したトナー外添材などの付着物は、クリーニングユニット16によって中間転写ベルト13上から除去される。クリーニングユニット16は、中間転写ベルト13の表面移動方向に対してカウンター方向に当接するクリーニングブレード14と金属製のクリーニング対向ローラ17との間に中間転写ベルト13を挟持し、クリーニングブレード14によって中間転写ベルト13上の残留トナーを機械的に掻き取る。クリーニングブレード14により除去された残留トナーは、コイル18などによって図示しない廃トナー収納部に送られる。記録紙に転写されたトナー画像は、定着装置9によって熱と圧力によって記録紙上に定着し、トナー画像が定着した記録紙は図示しない排紙口より画像形成装置外部へ排出される。
【0021】
本実施形態の画像形成装置では、中間転写ベルト13の外周面上に形成した各色のトナーパターンのトナー付着量や位置をセンサ15で検出して、画像濃度調整や各色トナー像間の位置合わせ調整などのプロセスコントロール処理を実施する。このセンサ15は、中間転写ベルト13の外周面に対して照射した光の正反射光と拡散反射光の受光量に応じて検出する方式を採用しているが、これに限られない。
【0022】
次に、本実施形態の現像装置5の構成及び動作について説明する。
なお、本実施形態における各色の現像装置5は、使用するトナーが異なる以外は、いずれも同一構成である。
本実施形態の現像装置5は、キャリアを含まないトナーを主成分とした一成分現像剤(以下、単に「トナー」という。)を用いて現像処理を行う一成分現像方式の現像装置である。
【0023】
図2は、本実施形態の現像装置5の概略構成を示す模式図である。
この現像装置5は、現像領域で感光体ドラム1の表面に近接または接触するように配置される回転可能なトナー担持体としての現像ローラ35と、現像ローラ35の表面に供給されるトナーを収容するトナー供給部としての現像室33と、現像ローラ35の表面に担持されたトナーを現像領域へ搬送される前に薄層化する薄層化部材としての規制ブレード41と、現像室33へ補給されるトナーを収容するトナー収容部としてのトナー収容容器31と、トナー収容容器31内のトナーを現像室33へ補給するトナー補給手段32とを備えている。
【0024】
トナー収容容器31内には、トナーの流動性を保つための攪拌パドル30等の攪拌部材が設けられているが、必ずしも必要であるわけではない。トナー収容容器31の底部には、現像ローラ回転軸方向(図中紙面垂直方向)の一部に、現像室33へトナーを排出するためのトナー補給口が形成されている。トナー収容容器31には、このトナー補給口に向けてトナーを移動させるスクリューあるいはコイルなどで構成されるトナー補給手段32が設けられている。このトナー補給手段32を駆動させることでトナー補給口へトナーが送り込まれ、トナー補給手段32の駆動量に応じた量のトナーがトナー補給口を介して現像室33へ補給される。
【0025】
トナー補給手段32は、図示しない本体駆動部と連結可能に構成され、トナー補給手段32と本体駆動部との駆動伝達経路は、クラッチなどの公知の方法で、連結状態と非連結状態の制御が可能となっている。したがって、本実施形態では、本体駆動部の駆動時間あるいはクラッチの連結時間を制御することで、トナー補給量を制御することが可能である。この場合、例えば、温湿度環境でトナーの流動性が変化することに対応させて駆動時間を変化させるなどの制御も可能である。
【0026】
現像室33には、その上方に連結されたトナー収容容器31のトナー補給口からトナーが落下してトナー補給される。したがって、現像室33内に収容されているトナーの上にトナー補給口からのトナーが落下して堆積する。現像室33内には、このトナー補給口から落下して堆積したトナーが現像ローラ回転軸方向に偏って堆積しないように、現像室33内の上部に、トナーを現像ローラ回転軸方向へ分散するスクリューなどのトナー分散部材37が設けられている。また、現像室33内には、トナーを攪拌するための部材としてアジテータ34が設けられている。
【0027】
現像室33内の下部では、外周面の一部が露出するように現像ローラ35が回転可能に設けられている。現像ローラ35の外周面には、現像室33内の底部に設けられたトナー供給部材としての供給ローラ36の外周面が当接している。この供給ローラ36は、スポンジ材質で構成され、現像ローラ35の外周面にトナーを擦りつけるようにして担持させる。供給ローラ36によって現像ローラ35上に担持されたトナーは、規制ブレード41により薄層化され、薄層化したトナーが現像ローラ35の回転に伴って現像領域へと搬送される。現像室33内のトナーは、トナー分散部材37やアジテータ34などの攪拌作用によって摩擦帯電するが、規制ブレード41の規制により強い摩擦を受けることで、帯電量が大幅に上昇する。
【0028】
現像ローラ35には、所定の現像電圧が印加されており、これにより現像領域ではマイナス極性に帯電したトナーを感光体ドラム1の表面上の露光部に静電的に移動させる現像電界が形成される。この現像電界の作用により、現像領域において、現像ローラ35上のトナーは露光部に付着し、感光体ドラム1上に静電潜像に応じたトナー像が形成される。
【0029】
また、本実施形態の現像装置には、現像室33からトナー収容容器31へとトナーを搬送するトナー搬送路43が設けられている。このトナー搬送路43の入口は、現像室33の上部側面に開口しており、その出口は、トナー収容容器31の上部に開口している。トナー搬送路43には、図示しないスクリューやコイル等で構成されるトナー戻し手段40が設けられている。このトナー戻し手段40は、図示しない本体駆動部と連結可能に構成され、トナー戻し手段40と本体駆動部との駆動伝達経路は、クラッチなどの公知の方法で、連結状態と非連結状態の制御が可能となっている。したがって、本実施形態では、本体駆動部の駆動時間あるいはクラッチの連結時間を制御することで、現像室33からトナー搬送路43を介してトナー収容容器31へと戻すトナーの量を制御することができる。
【0030】
図3は、本実施形態における画像形成装置の図示しない本体制御部により制御されるトナー補給動作の流れを示すフローチャートである。
本実施形態においては、現像室33の内部のトナー量を所定のタイミングで監視し、現像室33内のトナー量が所定の閾値以下であるという補給開始条件を満たしたか否かを判断する(S1)。現像室33内のトナー量を検出する方法としては、光透過型又は光反射型の光学センサや圧電素子を用いて現像室33内のトナー量を直接的に測定する方法や、過去に形成した画像情報などの画像形成履歴等に基づいて現像に使用されたトナー量の予測値を算出し、その算出結果から現像室33内のトナー量を導出する方法や、印刷デューティや感光体ドラム1の回転距離などから現像に使用されたトナー量の概算値を算出し、その算出結果から現像室33内のトナー量を導出する方法など、公知の方法を広く利用することができる。
【0031】
現像室33内のトナー量が閾値以下であると判断されると(S1のYES)、まず、トナー収容容器31から現像室33へのトナー補給量の目標値を算出する(S2)。この目標値は、現像室33内に収容可能なトナー収容許容量や、トナー収容容器31内のトナー残量などの情報から適宜決定される。このようにしてトナー補給量の目標値を算出したら、次に、その目標トナー補給量をトナー補給するためのトナー補給手段32の動作量を算出する(S3)。そして、算出した動作量だけトナー補給手段32を駆動させる(S4)。これにより、目標トナー補給量分のトナーがトナー収容容器31から現像室33へと補給される。トナー補給手段32の駆動が完了したら、現像室33内のトナー量が閾値以上になったか否かを判断する(S5)。この判断において、閾値以上であればトナー補給を終了し、閾値未満であれば、引き続きステップS2からの処理を繰り返す。
【0032】
図4は、画像形成装置の図示しない本体制御部により制御される現像室33内のトナー量調整処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態では、上述したトナー補給動作(S2〜S5)が、すべての現像装置5で同じ時期に実施されるように、各色の現像装置5に対して現像室33内のトナー量調整処理を実施する。本実施形態のトナー量調整処理では、まず、予め決められた規定期間が経過するたびに(例えば、1枚印刷ごと、50枚印刷ごと、1印刷ジョブごと、感光体ドラム1の走行距離が100mごと)、直前の規定期間内に消費したトナー消費量Cperiodを、現像装置5ごとに算出される(S11)。トナー消費量Cperiodの算出方法としては、例えば、ドットカウンタを用いて当該規定期間内に印刷された各色画像情報から各色の累積画像ドット数をカウントし、その各色の累積画像ドット数から当該規定期間内に消費された各色のトナー消費量の予測値を算出する方法が挙げられる。また、印刷デューティや感光体ドラム1の走行距離から当該規定期間内に消費された各色のトナー消費量Cperiodの概算値を算出する方法も採用可能である。そのほか、他の公知の方法を採用してもよい。
【0033】
このようにして、規定期間内における各色のトナー消費量Cperiodを算出したら、次に、各色のトナー消費量Cperiodについて、それぞれ所定の吐き出し閾値を超えているか否かを判断する(S12)。この判断において、トナー消費量Cperiodが吐き出し閾値以下であると判断された色の現像装置については、トナー吐き出し処理を実施する(S13)。このトナー吐き出し処理は、感光体ドラム1の表面上の非画像領域に付着させることで現像室33内からトナーを強制的に排出させる処理である。このようにして感光体ドラム1上に強制的に吐き出されたトナーは、クリーニング装置12によって回収されたり、中間転写ベルト13上に一旦移された後にクリーニングユニット16によって回収されたりして、感光体ドラム1上から除去される。
【0034】
本実施形態のように現像ローラ35と規制ブレード41との間でトナーを規制して帯電させる構成においては、トナー消費量が少ないと、規制を受けたトナーが現像領域をそのまま通過して再び現像室33に回収されるトナー量が多くなる。そのようなトナーは、再び現像ローラに担持されて繰り返し規制を受けることにより、劣化が進行する。特に、現像領域を通過した現像ローラ35上のトナーの中にはそのまま現像ローラ35に担持され続けるものもあり、このようなトナーの劣化の進行は早い。劣化が進行したトナーは、荷電能力あるいは帯電能力が低下し、転写不良やかぶりといった画像不良の原因となる。そこで、本実施形態では、トナー消費が少ない状況が続いた場合、現像ローラ35に担持され続けている劣化トナーや、繰り返し規制を受けた現像室33内の劣化トナーを、排除すべく、上述したトナー吐き出し処理を行っている。
【0035】
このようなトナー吐き出し処理を実行した後、その吐き出したトナー量も当該規定期間内に消費されたトナー消費量に加算されるように、トナー吐き出し処理を実施した現像装置のトナー消費量Cperiodを更新する(S14)。その後、各色の現像装置について、それぞれ、目標トナー戻し量を算出する(S15)。ここで算出される各色の目標トナー戻し量は、次のようにして算出する。すなわち、当該規定期間内の各色のトナー消費量Cperiodを相互に比較し、その中の最大値を特定する。最大値を示したトナー消費量Cperiodに対応する色の現像装置については、目標トナー戻し量としてゼロを算出する。一方、残りの現像装置については、それぞれのトナー消費量Cperiodとこの最大値との差分値を目標トナー戻し量として算出する。
【0036】
このようにして、それぞれの現像装置5の目標トナー戻し量を算出したら、それぞれの目標トナー戻し量分のトナーが現像室33からトナー搬送路43を介してトナー収容容器31へ搬送されるような各現像装置5のトナー戻し手段40の動作量を算出する(S16)。そして、算出した動作量だけ各現像装置5のトナー戻し手段40を駆動させる(S17)。これにより、それぞれの現像装置5において、目標トナー戻し量分のトナーが現像室33からトナー搬送路43を介してトナー収容容器31へと戻される。その後、各色の現像装置に対応したトナー消費量Cperiodを初期化し(S18)、次の規定期間のトナー消費量の算出に備える。
【0037】
以上のようなトナー量調整処理を行うことで、各現像装置の現像室33内におけるトナー量は最もトナー消費量が少ない現像装置に合わせて統一される。そして、本実施形態における各現像装置のトナー補給動作は、上述したとおり、それぞれの現像室33内におけるトナー量が所定の閾値以下になったときに実行される。よって、本実施形態では、すべての現像装置5で、同じ時期にトナー補給動作が実施されることになる。トナー補給動作が実行された直後の現像装置では、新たなトナー(低帯電量のトナー)が補給されたために現像室33内の平均的なトナー帯電量が落ち込んで現像能力が一時的に変化する。その結果、トナー補給動作直後の期間は、例えば、感光体ドラム1上の露光部に対するトナー付着量が目標付着量よりも増加して、その色の画像濃度が目標画像濃度よりも高い状態になる。本実施形態では、すべての現像装置5で同じ時期にトナー補給動作が実施される結果、そのトナー補給直後の期間においては、感光体ドラム上の露光部に付着する各色トナー付着量はいずれもトナー補給直前のものよりも一律に増加するものの、各色間におけるトナー付着量比率はトナー補給前のものとほぼ同じに維持することができる。よって、当該トナー補給動作直後の期間に形成されるカラー画像は、全体的に画像濃度が一様に目標画像濃度よりも高いものとなるが、カラー画像の色味変化は少なく抑えることができる。
【0038】
また、本実施形態においては、すべての現像装置5で同じ時期に行われるトナー補給動作の直後に、上述したプロセスコントロール処理を実行して画像濃度調整を行うようにすれば、カラー画像の色味変化が抑制されるだけでなく、カラー画像の全体的な画像濃度も目標画像濃度とすることができる。
【0039】
なお、各色の現像装置5で互いに異なる時期にトナー補給動作が実施される場合でも、各現像装置5でトナー補給動作が実施されるたびにプロセスコントロール処理を行って画像濃度調整を実施すれば、それぞれのトナー補給動作直後の期間におけるカラー画像の色味変化を少なく抑えることは可能である。しかしながら、この場合には、プロセスコントロール処理の実施回数が本実施形態の4倍にもなるので、ダウンタイムが頻繁に発生し、ユーザーの利便性を損ねる点で、本実施形態の方が優れている。
【0040】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
現像領域で感光体ドラム1等の潜像担持体に近接または接触するように配置される回転可能な現像ローラ35等のトナー担持体と、該トナー担持体の表面に供給されるトナーを収容する現像室33等のトナー供給部と、トナー担持体の表面に担持されたトナーを現像領域へ搬送される前に薄層化する規制ブレード41等の薄層化部材と、該トナー供給部へ補給されるトナーを収容するトナー収容容器31等のトナー収容部と、該トナー収容部内のトナーを該トナー供給部へ補給するトナー補給手段32とを備えた現像装置5を複数備え、潜像担持体上に形成される各色の潜像を、互いに異なる色のトナーを用いる複数の現像装置によってそれぞれ現像し、これにより得られる各色トナー像が重なり合ったカラー画像等の混色画像を記録紙等の記録材上に転写することで、混色画像を形成する画像形成装置において、上記トナー補給手段32によるトナー収容部からトナー供給部へのトナー補給が上記複数の現像装置5に含まれる少なくとも2以上の現像装置間で同じ時期に実施されるように、該少なくとも2以上の現像装置のトナー補給タイミングを制御する本体制御部等のトナー補給制御手段を有する。
これによれば、上述したように、そのトナー補給直後の期間における各色トナー間のトナー付着量比率がトナー補給前のものとほぼ同じに維持することが可能となるので、当該トナー補給直後の期間に形成されるカラー画像の色味変化を少なく抑えることができる。
また、トナー補給直後にプロセスコントロール処理を実行して画像濃度調整を行う場合、トナー補給直後の期間に形成されるカラー画像の色味変化を抑制できるだけでなく、そのカラー画像の全体的な画像濃度も目標画像濃度とすることができる。この場合、少なくとも2以上の現像装置間で同じ時期にトナー補給が実施されるので、すべての現像装置で互いに異なる時期にトナー補給が実施される場合と比較して、プロセスコントロール処理の実施頻度を少なくでき、ダウンタイムの発生頻度が少ないという利点がある。
【0041】
(態様B)
上記態様Aにおいて、上記トナー補給手段32によるトナー補給前にトナー供給部内に収容されている旧トナーの量と該トナー補給手段32によるトナー補給により該トナー供給部内へ補給される新トナーの量との比率(新旧トナー比率)が上記少なくとも2以上の現像装置間で略一致するように、該トナー補給手段32によるトナー補給量又は上記トナー供給部内のトナー量を調整する補給比率調整処理を実行する本体制御部等の補給比率調整手段を有する。
これによれば、トナー補給直後の期間における現像室33内のトナーの新旧トナー混合比率が当該少なくとも2つの現像装置間で略一致する。したがって、トナー補給直後の期間における現像室33内のトナーの平均的な帯電量の落ち込み量も、当該少なくとも2つの現像装置間で略一致するので、これらの現像装置間では当該トナー補給直後の期間における現像能力はほぼ一致した状態になる。したがって、当該トナー補給直後の期間に形成されるカラー画像の色味変化を安定して抑制することができる。なお、上述した実施形態の説明では、トナー供給部内のトナー量を調整することで新旧トナー比率を略一致するようにしたが、トナー補給手段32によるトナー補給量を調整することでも新旧トナー比率を略一致させることは可能である。ただし、この場合には、トナー消費量の少ない現像装置については、より多くのトナーを補給することが必要となるので、現像装置のトナー供給部内におけるトナー量が許容量を超えてしまう事態も起こり得る。上述した実施形態のように、トナー供給部内のトナー量を調整することで新旧トナー比率を略一致させる場合には、このような事態が起こらない点で有利である。
【0042】
(態様C)
上記態様Bにおいて、上記少なくとも2以上の現像装置は、上記トナー供給部内のトナーの一部を上記トナー収容部へ戻すトナー戻し手段40を備えており、上記補給比率調整処理では、上記トナー戻し手段40を制御して、上記トナー補給手段32によるトナー補給の実施前までに上記トナー供給部内のトナー量を調整する。
これによれば、補給比率調整処理においてトナー供給部内のトナー量を調整するためにトナー供給部から排出されるトナーがトナー戻し手段40によりトナー収容部へ戻される。よって、トナー収容部へ戻されたトナーは再びトナー供給部に補給されて現像処理にされ得るので、トナーの無駄な消費が抑制される。
なお、本態様Cにおいて、トナー収容部内では、一度はトナー供給部に補給されたトナーと、未だトナー供給部に補給されたことのないトナーとが混在することになる。トナー供給部から戻されたトナーは、トナー供給部内でアジテータ34等により攪拌されて帯電量が上昇しているので、未だトナー供給部に補給されたことのないトナーと比較すると、その帯電量は高いものとなっている。しかしながら、トナー供給部から戻されたトナーは、トナー収容部内において再びトナー供給部へ補給されるまでの間に電荷が抜けて、未だトナー供給部に補給されたことのないトナーと同程度の低帯電量となる。したがって、トナー収容部からトナー供給部へ補給されるトナーは、いずれも、トナー供給部内に滞在しているトナーと比較して低帯電量のトナーであることに変わりはない。したがって、本態様Cにおいても、新旧トナー比率を略一致させることで、当該トナー補給直後の期間に形成されるカラー画像の色味変化を安定して抑制するという効果を享受できる。
特に、上述した実施形態のように、トナー戻し手段40が、トナー供給部内のトナーのうち補給直後のトナーが多く存在しているトナー補給箇所近傍のトナーをトナー収容部へ戻す構成となっているので、一度はトナー供給部に補給されたトナーと未だトナー供給部に補給されたことのないトナーとの帯電量の違いが少ない。よって、当該トナー補給直後の期間に形成されるカラー画像の色味変化を安定して抑制するという効果をより安定して得ることができる。
更には、上述した実施形態のように、トナー戻し手段40が、トナー供給部からのトナーをトナー収容部内のトナー補給口から離れた箇所に戻しているので、トナー供給部から戻されたトナーがトナー補給口から再びトナー供給部へ補給されるまでにトナー収容部内に滞在する期間を長くとることができる。よって、一度はトナー供給部に補給されたトナーは、帯電量が十分に落ち込んでから再びトナー供給部へ補給されることになり、未だトナー供給部に補給されたことのないトナーとの帯電量の違いがより安定して少ないものとなる。よって、当該トナー補給直後の期間に形成されるカラー画像の色味変化を安定して抑制するという効果をより安定して得ることができる。
【0043】
(態様D)
上記態様Cの態様において、上記トナー補給制御手段は、上記少なくとも2以上の現像装置のトナー補給タイミングを、該少なくとも2以上の現像装置のトナー供給部内におけるトナー量と、該少なくとも2以上の現像装置のトナー収容部内におけるトナー量とに基づいて決定する。
これによれば、適切なトナー補給タイミングを決定することができる。
【0044】
(態様E)
上記態様B〜Dのいずれかの態様において、上記少なくとも2以上の現像装置のトナー供給部内のトナーの一部を上記潜像担持体上の非画像領域に付着させることで該トナー供給部内から排出するトナー排出手段を有し、上記補給比率調整処理では、上記トナー排出手段を制御して、上記トナー補給手段によるトナー補給の実施前までに上記トナー供給部内のトナー量を調整する。
これによれば、トナー供給部内で長期間の攪拌や摩擦を受けて劣化したトナーが現像に使用される機会が減るので、より高品質な画像形成を実現することができる。
【0045】
(態様F)
上記態様C又は上記態様Dにおいて、上記少なくとも2以上の現像装置のトナー供給部内のトナーの一部を上記潜像担持体上の非画像領域に付着させることで該トナー供給部内から排出するトナー排出手段を有し、上記補給比率調整処理では、予め決められた規定期間内におけるトナー供給部から潜像担持体上へ供給されたトナー量が、規定値以上である現像装置については上記トナー戻し手段のみを制御して上記トナー供給部内のトナー量を調整し、規定値未満である現像装置については上記トナー排出手段のみを制御して又は該トナー排出手段と該トナー戻し手段の両方を制御して上記トナー供給部内のトナー量を調整する。
上述したように、予め決められた規定期間内におけるトナー供給部から潜像担持体上へ供給されたトナー量(トナー消費量)が少ない現像装置は、そのトナー供給部内に劣化トナーが多く存在している。このような現像装置については、トナー戻し手段によってトナー供給部内のトナーをトナー収容部へ戻すと、劣化トナーが現像処理に使用されてしまい、画質劣化の原因となる。本態様Fによれば、このような現像装置については、トナー排出手段によりトナー供給部内の劣化トナーを潜像担持体に付着させて排出することで、現像処理に使用されないようにすることができる。一方、予め決められた規定期間内におけるトナー消費量が多い現像装置は、そのトナー供給部内に存在する劣化トナーが少ない。このような現像装置においては、トナー戻し手段によってトナー供給部内のトナーをトナー収容部へ戻しても画質劣化の原因となることが少ない。よって、本態様Fでは、このような現像装置については、トナー戻し手段によってトナー供給部内のトナーをトナー収容部へ戻すこととし、これによりトナーの無駄な消費の抑制を実現している。
【0046】
(態様G)
上記態様Fにおいて、上記トナー排出手段と上記トナー戻し手段の両方を制御して上記トナー供給部内のトナー量を調整する場合、上記トナー排出手段を制御して上記トナー供給部内のトナーを減らしてから、上記トナー戻し手段を制御して該トナー供給部内のトナーを調整する。
これによれば、先に上記トナー戻し手段を制御して上記トナー供給部内のトナーをトナー収容部に戻す場合と比較して、トナー収容部に戻されるトナーに含まれる劣化トナーの比率を少なくすることができる。
【0047】
(態様H)
上記態様B〜Gのいずれかの態様において、上記補給比率調整処理では、上記少なくとも2以上の現像装置の中で最もトナー供給部内のトナー量が少ない現像装置の上記比率に合わせて、少なくとも2以上の現像装置の残りの現像装置におけるトナー供給部内のトナー量を調整する。
これによれば、上記補給比率調整処理を容易に実現することができる。
【0048】
(態様I)
上記態様A〜Hのいずれかの態様において、上記複数の現像装置は、黒色トナーを用いる黒色用現像装置と、黒色以外の色のトナーを用いる2以上のカラー用現像装置とを含んでおり、上記少なくとも2以上の現像装置は、上記黒色用現像装置を含まない。
黒色トナーと他の色のトナーとを混色して色を表現することはあまり無く、また黒色トナーは他の色のトナーよりもトナー消費量が多い場合が一般的である。よって、このような黒色用現像装置については、他の色の現像装置とはトナー補給時期と同期させないことで、トナー補給時期を同期させる現像装置の適切なトナー補給時期を決定しやすくなる場合がある。
【0049】
(態様J)
上記態様A〜Iのいずれかの態様において、上記複数の現像装置は、黒色トナーを用いる黒色用現像装置と、黒色以外の色のトナーを用いる2以上のカラー用現像装置とを含んでおり、上記少なくとも2以上の現像装置は、上記複数の現像装置のすべてである。
これによれば、トナー補給時期に同期して行われるプロセスコントロール処理などの実施頻度が少なくできる。
【符号の説明】
【0050】
1 感光体ドラム
2 帯電装置
5 現像装置
8 二次転写ローラ
9 定着装置
12 クリーニング装置
13 中間転写ベルト
16 クリーニングユニット
30 攪拌パドル
31 トナー収容容器
32 トナー補給手段
33 現像室
34 アジテータ
35 現像ローラ
36 供給ローラ
37 トナー分散部材
40 トナー戻し手段
41 規制ブレード
43 トナー搬送路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0051】
【特許文献1】特開2009−244440号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像領域で潜像担持体に近接または接触するように配置される回転可能なトナー担持体と、該トナー担持体の表面に供給されるトナーを収容するトナー供給部と、トナー担持体の表面に担持されたトナーを現像領域へ搬送される前に薄層化する薄層化部材と、該トナー供給部へ補給されるトナーを収容するトナー収容部と、該トナー収容部内のトナーを該トナー供給部へ補給するトナー補給手段とを備えた現像装置を複数備え、
潜像担持体上に形成される各色の潜像を、互いに異なる色のトナーを用いる複数の現像装置によってそれぞれ現像し、これにより得られる各色トナー像が重なり合った混色画像を記録材上に転写することで、混色画像を形成する画像形成装置において、
上記トナー補給手段によるトナー収容部からトナー供給部へのトナー補給が上記複数の現像装置に含まれる少なくとも2以上の現像装置間で同じ時期に実施されるように、該少なくとも2以上の現像装置のトナー補給タイミングを制御するトナー補給制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記トナー補給手段によるトナー補給前にトナー供給部内に収容されているトナーの量と該トナー補給手段によるトナー補給により該トナー供給部内へ補給されるトナーの量との比率が上記少なくとも2以上の現像装置間で略一致するように、該トナー補給手段によるトナー補給量又は上記トナー供給部内のトナー量を調整する補給比率調整処理を実行する補給比率調整手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置において、
上記少なくとも2以上の現像装置は、上記トナー供給部内のトナーの一部を上記トナー収容部へ戻すトナー戻し手段を備えており、
上記補給比率調整処理では、上記トナー戻し手段を制御して、上記トナー補給手段によるトナー補給の実施前までに上記トナー供給部内のトナー量を調整することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3の画像形成装置において、
上記トナー補給制御手段は、上記少なくとも2以上の現像装置のトナー補給タイミングを、該少なくとも2以上の現像装置のトナー供給部内におけるトナー量と、該少なくとも2以上の現像装置のトナー収容部内におけるトナー量とに基づいて決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記少なくとも2以上の現像装置のトナー供給部内のトナーの一部を上記潜像担持体上の非画像領域に付着させることで該トナー供給部内から排出するトナー排出手段を有し、
上記補給比率調整処理では、上記トナー排出手段を制御して、上記トナー補給手段によるトナー補給の実施前までに上記トナー供給部内のトナー量を調整することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項3又は4の画像形成装置において、
上記少なくとも2以上の現像装置のトナー供給部内のトナーの一部を上記潜像担持体上の非画像領域に付着させることで該トナー供給部内から排出するトナー排出手段を有し、
上記補給比率調整処理では、予め決められた規定期間内におけるトナー供給部から潜像担持体上へ供給されたトナー量が、規定値以上である現像装置については上記トナー戻し手段のみを制御して上記トナー供給部内のトナー量を調整し、規定値未満である現像装置については上記トナー排出手段のみを制御して又は該トナー排出手段と該トナー戻し手段の両方を制御して上記トナー供給部内のトナー量を調整することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6の画像形成装置において、
上記トナー排出手段と上記トナー戻し手段の両方を制御して上記トナー供給部内のトナー量を調整する場合、上記トナー排出手段を制御して上記トナー供給部内のトナーを減らしてから、上記トナー戻し手段を制御して該トナー供給部内のトナーを調整することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項2乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記補給比率調整処理では、上記少なくとも2以上の現像装置の中で最もトナー供給部内のトナー量が少ない現像装置の上記比率に合わせて、少なくとも2以上の現像装置の残りの現像装置におけるトナー供給部内のトナー量を調整することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記複数の現像装置は、黒色トナーを用いる黒色用現像装置と、黒色以外の色のトナーを用いる2以上のカラー用現像装置とを含んでおり、
上記少なくとも2以上の現像装置は、上記黒色用現像装置を含まないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記複数の現像装置は、黒色トナーを用いる黒色用現像装置と、黒色以外の色のトナーを用いる2以上のカラー用現像装置とを含んでおり、
上記少なくとも2以上の現像装置は、上記複数の現像装置のすべてであることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−47706(P2013−47706A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185473(P2011−185473)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】