説明

発光膜、発光装置、発光膜の製造方法および発光装置の製造方法

蛍光体が経年により黒化するのを防止し、長寿命で信頼性の高い蛍光体等を提供する。発光装置は、発光素子と蛍光体層を備え、蛍光体層は発光素子からの光で励起される蛍光体と、蛍光体を担持するバインダとを備える。バインダはAl、Y、Gd、Lu、Sc、Ga、In、Bのいずれかの金属元素を含むゾルを混合した酸化水酸化物のゾルを硬化させた酸化水酸化物ゲルである。酸化水酸化物のゲル状態における透過率は、ゾル−ゲル反応を進行させた多結晶状態における透過率よりも高い。また、酸化水酸化物中の水酸基又は結晶水の含有量は10重量%以下である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも発光材料を含むフィラー部材とバインダ部材で構成される発光膜であって、前記バインダ部材は少なくとも金属元素の酸化水酸化物を含有することを特徴とする発光膜。
【請求項2】
前記発光材料が無機蛍光体であり、前記フィラー部材が無機フィラーであり、前記バインダ部材が一定価数の金属元素の酸化水酸化物を主体とする無機バインダであることを特徴とする請求項1記載の発光膜。
【請求項3】
前記発光材料が無機蛍光体であり、前記フィラー部材が無機フィラーであり、前記バインダ部材が金属元素の酸化水酸化物を主体とする無機バインダであり、前記金属元素の酸化水酸化物が、少なくともIIIA族又はIIIB族元素の酸化水酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の発光膜。
【請求項4】
前記IIIA族又はIIIB族元素は、Sc、Y、Gd、Lu、又はB、Al、Ga、Inの少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項3に記載の発光膜。
【請求項5】
前記バインダ部材に含有される金属元素の酸化水酸化物は、少なくともベーマイト構造、もしくは擬ベーマイト構造を有するAlの酸化水酸化物であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の発光膜。
【請求項6】
前記バインダ部材は、アルミニウムの酸化水酸化物と、バインダ部材に対して、0.5重量%〜50重量%である、前記アルミニウムと異なるIIIA族元素又はIIIB族元素の酸化水酸化物と、を含むことを特徴とする請求項5に記載の発光膜。
【請求項7】
前記バインダ部材は、バインダ部材に対して、0.5重量%〜50重量%の酸化ホウ素、もしくはホウ酸を含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の発光膜。
【請求項8】
前記バインダ部材に含有される金属元素の酸化水酸化物は、イットリウムの酸化水酸化物であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の発光膜。
【請求項9】
前記バインダ部材は、イットリウムの酸化水酸化物と、バインダ部材に対して、0.5重量%〜50重量%である、前記イットリウムと異なるIIIA族元素又はIIIB族元素の酸化水酸化物と、を含むことを特徴とする請求項8に記載の発光膜。
【請求項10】
前記バインダ部材は、バインダ部材に対して、0.5重量%〜50重量%の酸化ホウ素、もしくはホウ酸を含むことを特徴とする請求項8又は9に記載の発光膜。
【請求項11】
前記バインダ部材は、前記酸化水酸化物を含有する粒子の集合体により、架橋構造、網目体構造、又はポリマー構造を形成した多孔質体であることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の発光膜。
【請求項12】
前記バインダ部材が、前記酸化水酸化物を含有する無機粒子が充填されたゲル状であることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の発光膜。
【請求項13】
前記発光膜の光透過率が、ゾル−ゲル反応後に焼結させた場合の多結晶体もしくは非晶質体における透過率よりも高いことを特徴とする請求項12に記載の発光膜。
【請求項14】
前記バインダ部材は、水酸基もしくは結晶水を、バインダ部材に対して10重量%以下含有することを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の発光膜。
【請求項15】
前記発光膜を構成するフィラー部材とバインダ部材との重量比が、フィラー/バインダについて0.05〜30であることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の発光膜。
【請求項16】
発光素子と、前記発光素子からの光の少なくとも一部を吸収し発光する発光層とを備える発光装置であって、
前記発光層が請求項1から15のいずれかに記載の発光膜であることを特徴とする発光装置。
【請求項17】
前記発光層は、前記発光素子を直接被覆することを特徴とする請求項16記載の発光装置。
【請求項18】
発光素子と、
前記発光素子からの光の少なくとも一部を吸収し異なる波長の光を発光する発光層とを備える発光装置であって、
前記発光層は、前記発光素子の光で励起される蛍光体粒子と、前記蛍光体粒子を該層内で分散して担持するバインダ部材とを有することを特徴とする発光装置。
【請求項19】
前記発光装置は、550nm以下の発光波長を有する半導体発光素子と、前記波長で励起発光する蛍光体とを備えることを特徴とする請求項16から18のいずれかに記載の発光装置。
【請求項20】
前記発光装置は、410nm以下の発光波長を有する半導体発光素子と、前記波長で励起発光する蛍光体とを備えることを特徴とする請求項16から19のいずれかに記載の発光装置。
【請求項21】
前記発光装置の発光層は、発光層の温度が50℃以上で発光することを特徴とする請求項16から20のいずれかに記載の発光装置。
【請求項22】
前記発光装置の発光層は、前記半導体発光素子に密着形成されてなり、前記半導体発光素子の駆動時の投入電力が、0.1W/cm以上であることを特徴とする請求項19から21のいずれかに記載の発光装置。
【請求項23】
前記発光装置の前記半導体発光素子は、発光波長が410nm以下であり、前記半導体発光素子を1W/cm以上の投入電力で駆動させた際の1000時間後の前記発光層の輝度維持率が80%以上であることを特徴とする請求項16から22のいずれかに記載の発光装置。
【請求項24】
前記発光装置の発光層のフィラーに含有される蛍光体は、青色発光蛍光体、青緑色発光蛍光体、緑色発光蛍光体、黄緑色発光蛍光体、黄色発光蛍光体、黄赤色発光蛍光体、橙色発光蛍光体、赤色発光蛍光体の少なくとも一種を含む白色系、又は中間色系の発光を有することを特徴とする請求項16から23のいずれかに記載の発光装置。
【請求項25】
前記発光装置の発光層のフィラーに含有される蛍光体は、510nm〜600nmにピーク波長を有する緑色から黄赤色発光を有し、少なくともCeが付括された希土類アルミン酸蛍光体であることを特徴とする請求項16から24のいずれかに記載の発光装置。
【請求項26】
前記発光装置の発光層のフィラーに含有される蛍光体は、580nm〜650nmにピーク波長を有する黄赤色から赤色発光を有し、少なくともEuが付括されたアルカリ土類窒化珪素蛍光体であることを特徴とする請求項16から24のいずれかに記載の発光装置。
【請求項27】
前記発光装置の発光層のフィラーに含有される蛍光体は、500nm〜600nmにピーク波長を有する青緑色から黄赤色発光を有し、少なくともEuが付括されたアルカリ土類酸化窒化珪素蛍光体であることを特徴とする請求項16から24のいずれかに記載の発光装置。
【請求項28】
前記発光装置の発光素子は、発光波長が410nm以下で発光する半導体発光素子であり、前記発光層のフィラーに含有される蛍光体が青色発光を有し、少なくともEuで付括されたアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、少なくともEuで付括されたアルカリ土類ハロゲン硼酸蛍光体、少なくともEuで付括されたアルカリ土類アルミン酸蛍光体よりなる群から選ばれる一つを含み、さらに緑色から黄赤色発光を有する少なくともCeで付括された希土類アルミン酸蛍光体と混合されて白色系の発光を示すことを特徴とする請求項16から27のいずれかに記載の発光装置。
【請求項29】
前記発光装置の発光素子は、発光波長が410nm以下で発光する半導体発光素子であり、前記発光層のフィラーに含有される蛍光体が青色発光を有し、少なくともEuで付括されたアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、少なくともEuで付括されたアルカリ土類ハロゲン硼酸蛍光体、少なくともEuで付括されたアルカリ土類アルミン酸蛍光体よりなる群から選ばれる一つを含み、さらに緑色から黄赤色発光を有する少なくともCeで付括された希土類アルミン酸蛍光体と、黄赤から赤色発光を有する少なくともEuで付括されたアルカリ土類窒化珪素蛍光体が混合されて白色系の発光を示すことを特徴とする請求項16から27のいずれかに記載の発光装置。
【請求項30】
前記発光装置の発光素子は、発光波長が440nm〜480nmの青色領域で発光する半導体発光素子であり、前記発光層のフィラーに含有される蛍光体が、少なくともCeで付括された希土類アルミン酸蛍光体と混合されて白色系の発光を示すことを特徴とする請求項16から27のいずれかに記載の発光装置。
【請求項31】
前記発光装置の発光素子は、発光波長が440nm〜480nmの青色領域で発光する半導体発光素子であり、前記発光層のフィラーに含有される蛍光体が、緑色から黄赤色発光を有する少なくともCeで付括された希土類アルミン酸蛍光体と、黄赤から赤色発光を有する少なくともEuで付括されたアルカリ土類窒化珪素蛍光体が混合されて白色系の発光を示すことを特徴とする請求項16から27のいずれかに記載の発光装置。
【請求項32】
少なくとも発光材料を含むフィラー部材とバインダ部材で構成される発光膜の製造方法であって、
バインダ部材として金属元素を含有するメタロキサンゾルと、フィラー部材とを混合しスラリーを調製するステップと、
前記スラリーを膜状に形成するステップと、
前記形成された膜のスラリーを熱硬化させることにより、前記金属元素の酸化水酸化物を含有する粒子を集合させて、該集合粒子の構造体からなるバインダ部材でフィラー部材を担持するステップと、
を備えることを特徴とする発光膜の製造方法。
【請求項33】
前記メタロキサンゾルは、少なくともアルミノキサンゾル又はイットリノキサンゾルであることを特徴とする請求項32に記載の発光膜の製造方法。
【請求項34】
発光素子と、請求項32または33記載の製造方法により発光素子の少なくとも一部を被覆した発光膜とを有する発光装置の製造方法であって、
前記膜状に形成するステップにおいて、前記スラリーで、前記発光素子、および/又は発光素子に離間した領域を、熱処理下で被覆して、膜状に形成することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項35】
発光素子と、前記発光素子が載置された基体とを有する発光装置において、
前記発光素子は、無機バインダにより被覆されており、
前記無機バインダは、樹脂により被覆されており、前記無機バインダは前記樹脂により含浸されており、前記無機バインダは、前記発光素子及び前記基体の少なくとも一部を被覆する無機バインダ層が形成されていることを特徴とする発光装置。
【請求項36】
前記無機バインダは、前記無機バインダ層が持つ空隙を、前記樹脂により埋められていることを特徴とする請求項35に記載の発光装置。
【請求項37】
前記無機バインダは、前記無機バインダ層が持つ空隙を約95%以上、前記樹脂により埋められていることを特徴とする請求項35に記載の発光装置。
【請求項38】
前記樹脂による前記無機バインダへの被覆は、ポッティング手段若しくはスプレー噴霧手段を用いて、前記無機バインダに前記樹脂を含浸させていることを特徴とする請求項35に記載の発光装置。
【請求項39】
前記無機バインダは、蛍光体が含有されていることを特徴とする請求項35乃至38のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項40】
前記樹脂は、前記無機バインダの少なくとも一部を被覆する、樹脂層が形成されていることを特徴とする請求項35に記載の発光装置。
【請求項41】
前記樹脂層の表面は、平滑であることを特徴とする請求項40に記載の発光装置。
【請求項42】
前記樹脂は、オイル、ゲル及びラバーの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項35に記載の発光装置。
【請求項43】
前記樹脂は、成型前及び成型後のいずれかがジアルキルシロキサン骨格を有するシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項35に記載の発光装置。
【請求項44】
前記樹脂は、成型前がジメチルシロキサンを主鎖に有することを特徴とする請求項35に記載の発光装置。
【請求項45】
前記樹脂は、赤外分光スペクトルの結合吸収強度において、樹脂組成中のSi−O−Si結合に対するC−Si−O結合の強度比が1.2/1以上であることを特徴とする請求項35に記載の発光装置。
【請求項46】
基体に、発光素子を載置する第一の工程と、
該発光素子を、無機バインダにより被覆する第二の工程と、
該無機バインダを、樹脂により被覆する第三の工程と、
を有する発光装置の製造方法であって、
前記第三の工程は、前記樹脂をポッティング手段若しくはスプレー噴霧手段を用いて、前記無機バインダを被覆していることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項47】
前記第三の工程は、真空中で含浸させていることを特徴とする請求項46に記載の発光装置の製造方法。

【国際公開番号】WO2004/081140
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【発行日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−503615(P2005−503615)
【国際出願番号】PCT/JP2004/003363
【国際出願日】平成16年3月12日(2004.3.12)
【出願人】(000226057)日亜化学工業株式会社 (993)
【Fターム(参考)】