説明

皮膚外用剤、美白用皮膚外用剤、美白剤およびチロシナーゼ活性抑制剤

【課題】非常に美白効果の高い新規成分を含む皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で示される化合物または医薬上許容され得る塩付加体を含有する皮膚外用剤とする。


(式中、Aは−(CR)n−を示し、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜12のアリール基、炭素数3〜12のアリールアルキル基、炭素数1〜12のアシル基を示し、R、Rは互いに独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、ハロゲン、OR、NRを示し、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数2〜4のアルケニル基を示し、nは1〜3である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は皮膚外用剤に関し、さらに詳しくは美白に有効な新規成分であるピペロナルドオキシムまたはその誘導体を含有する皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚のしみ、そばかすなどの色素沈着は、ホルモンの異常や紫外線の刺激がきっかけとなって、表皮色素細胞内でのメラニン産生が亢進し、メラニンが表皮に過剰に沈着するために生ずる。
このようなメラニン色素の異常沈着の防止、改善を目的として、美白剤を皮膚外用剤に配合することが行われている。美白剤としては、古くはビタミンCやハイドロキノン、コウジ酸などが知られており、これらはメラニン生成に不可欠なチロシナーゼの活性を阻害することなどにより、メラニン生成を抑制する。
また、美白を目的とした化合物も合成されており、例えば特許文献1には、チロシナーゼ活性阻害作用を有する4−アルキルレソルシノール誘導体が、また特許文献2には、同じくチロシナーゼ活性阻害作用を有するベンズアルドキシム誘導体が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平2−49715号公報
【特許文献2】特開2001−39828号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、その効果や安全性等において十分満足できるものはなく、さらなる改善が望まれるところであった。
本発明は前記背景技術に鑑みなされたものであり、その目的は、非常に効果の高い美白効果を有する化合物を見出し、その化合物を配合した皮膚外用剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を達成するために本発明者らが鋭意検討を行った結果、ピペロナルドオキシムとその類似体に優れたメラニン生成抑制作用があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、下記一般式(1)で示される化合物または医薬上許容され得る塩付加体の少なくとも1種類を含有してなることを特徴とする皮膚外用剤および美白用皮膚外用剤である。
【0007】
【化1】

【0008】
(式中、Aは−(CR)n−を示し、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜12のアリール基、炭素数3〜12のアリールアルキル基、炭素数1〜12のアシル基を示し、R、Rは互いに独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、ハロゲン、OR、NRを示し、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数2〜4のアルケニル基を示し、nは1〜3である。)
【0009】
ここで、前記一般式(1)において、Rが水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数3〜8のアリールアルキル基、炭素数4〜8の置換されていてもよいシクロアルキルアシル基、炭素数4〜8の置換されていてもよいアリールアシル基であることが好ましく、さらに前記一般式(1)において、Rが水素原子、メトキシフェニルアセチル基、シクロヘキシルカルボニル基、フロイル基、チオフェン−2−カルボニル基であり、R、Rがそれぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル基またはプロピル基であることが好ましい。
【0010】
さらに、前記一般式(1)の化合物は、下記式(1-1)〜(1-7)で表されるうちのいずれかの構造であることが好ましい。
【化2】

【0011】
また本発明によれば、上記化合物を含有する美白剤およびチロシナーゼ活性抑制剤が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、非常に美白効果の高い皮膚外用剤および美白用皮膚外用剤を提供することができる。また、本発明の美白剤およびチロシナーゼ活性抑制剤は、メラニン色素の異常沈着を防止、改善し、優れた美白作用を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明の最良の実施の形態について説明する。
本発明で使用するピペロナルドオキシム及びその類縁体は前記一般式(1)で表される化合物またはその医薬上許容され得る塩付加体である。
【0014】
式中、Rにおいて炭素数1〜8のアルキル基とは鎖状及び分岐したアルキル基のことを表し、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
【0015】
において炭素数2〜8のアルケニル基とは鎖状及び分岐した不飽和結合(二重結合または三重結合)を1〜4有するアルケニル基のことを表し、具体的にはビニル基、アリル基、メタリル基、ブテニル基、プレニル基、エチニル基、プロパルギル基等が挙げられる。
【0016】
において炭素数3〜8のシクロアルキル基とは環状アルキル基を表し、具体的にはシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。
【0017】
において炭素数2〜12のアリール基とは環内に窒素原子、酸素原子、硫黄原子をそれぞれ1〜3個含んでいても良い5〜7員環の単環性、またはそれぞれの環が5〜7員環で形成される双環性のアリール基を表し、具体的にはフェニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピロール基、2−フリル基、2−チエニル基、2−イミダゾリル基、ナフタレニル基、インドリル基、キノリル基等が挙げられる。
【0018】
において炭素数3〜12のアリールアルキル基とは環内に窒素原子、酸素原子、硫黄原子をそれぞれ1〜3個含んでいても良い5〜7員環の単環性、またはそれぞれの環が5〜7員環で形成される双環性のアリールアルキル基を表し、具体的にはベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、2−ピリジルメチル基、2−ピロールメチル基、フルフリル基、2−チエニルメチル基、ナフタレニルメチル基、インドリルメチル基等が挙げられる。
【0019】
において炭素数1〜12のアシル基とは鎖状及び分岐したアルキル基、鎖状及び分岐したアルケニル基、アリール基を有するアシル基を表し、具体的にはホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ベンゾイル基、フロイル基、チオフェン−2−カルボニル基、ピロール−2−カルボニル基、フェニルアセチル基、シクロヘキシルカルボニル基、ピペリジン−2−カルボニル、ピペリジン−3−カルボニル基、ピペリジン-4-カルボニル基、ピリジン−2−カルボニル基、ピリジン−3−カルボニル基、ピリジン−4−カルボニル基、ナフタレンカルボニル基、インドールカルボニル基等が挙げられる。また、アシル基中の該アルキル基、アルケニル基、アリール基はそれぞれアルキル基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基等の置換基を有していても良い。
【0020】
においてアルキル基としては炭素数1〜6のものが好適であり、アルケニル基としては炭素数2〜6のものが好適であり、シクロアルキル基としては炭素数3〜6のものが好適であり、アリール基、アリールアルキル基としては炭素数3〜7のものが好適であり、アシル基としては炭素数2〜7のものが好適である。
【0021】
において更に好適なのは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ピリジル基、ベンジル基、フェニルエチル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ベンゾイル基、フロイル基、チオフェン−2−カルボニル基、ピロール−2−カルボニル基、フェニルアセチル基、シクロヘキシルカルボニル基であり、もっとも好適なのは水素原子、メチル基、エチル基、アセチル基、ベンゾイル基、チオフェン−2−カルボニル基、ピロール−2−カルボニル基、メトキシフェニルアセチル基、シクロヘキシルカルボニル基である。
【0022】
前記式中、Aは−(CR)n−を表し、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、ハロゲン原子、OR、NRを表し、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基を表し、nは1〜3である。
【0023】
、Rにおいて炭素数1〜4のアルキル基とは鎖状及び分岐したアルキル基のことを表し、具体的にはメチル基、エチル基、イソプロピル基、プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。炭素数2〜4のアルケニル基とは鎖状及び分岐したアルケニル基のことを表し、具体的にはビニル基、アリル基、メタリル基、ブテニル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子、フッ素原子等が挙げられる。また、R、R、Rにおいて炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基とは前述のものと同義である。
【0024】
前記一般式(1)中のAにおいて、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル基が好適であり、更に好適なのは水素原子である。またnは、1または2が好適である。
【0025】
本発明で使用される前記一般式(1)で表される化合物の例としては、ピペロナルドオキシム、ピペロナール=O−メチルオキシム、ピペロナール=O−エチルオキシム、ピペロナール=O−プロピルオキシム、ピペロナール=O−ブチルオキシム、ピペロナール=O−フェニルオキシム、ピペロナール=O−ベンジルオキシム、3,4−エチレンジオキシベンズアルドキシム、3,4−エチレンジオキシベンズアルデヒド=O−メチルオキシム、3,4−エチレンジオキシベンズアルデヒド=O−エチルオキシム、3,4−エチレンジオキシベンズアルデヒド=O−プロピルオキシム、3,4−エチレンジオキシベンズアルデヒド=O−ブチルオキシム、3,4−エチレンジオキシベンズアルデヒド=O−フェニルオキシム、3,4−エチレンジオキシベンズアルデヒド=O−ベンジルオキシム、ピペロナール=O−アセチルオキシム、ピペロナール=O−プロパノイルオキシム、ピペロナール=O−ブタノイルオキシム、ピペロナール=O−ベンゾイルオキシム、ピペロナール=O−(フェニルアセチル)オキシム、ピペロナール=O−((2−メトキシフェニル)アセチル)オキシム、ピペロナール=O−(フロイル)オキシム、ピペロナール=O−(チオフェン−2−カルボニル)オキシム、ピペロナール=O−(シクロヘキシルカルボニル)オキシム、3,4−エチレンジオキシベンズアルデヒド=O−アセチルオキシム、3,4−エチレンジオキシベンズアルデヒド=O−プロパノイルオキシム、3,4−エチレンジオキシベンズアルデヒド=O−ブタノイルオキシム、3,4−エチレンジオキシベンズアルデヒド=O−ベンゾイルオキシム、3,4−エチレンジオキシベンズアルデヒド=O−(フェニルアセチル)オキシム、3,4−エチレンジオキシベンズアルデヒド=O−(フロイル)オキシム、3,4−エチレンジオキシベンズアルデヒド=O−(チオフェン−2−カルボニル)オキシム、3,4−エチレンジオキシベンズアルデヒド=O−(シクロヘキシルカルボニル)オキシム、3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−7−アルドオキシム等が挙げられ、なかでも好適なのはピペロナルドオキシム、3,4−エチレンジオキシベンズアルドキシム、3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−7−アルドオキシム、ピペロナール=O−((2−メトキシフェニル)アセチル)オキシム、ピペロナール=O−(シクロヘキシルカルボニル)オキシム、ピペロナール=O−(フロイル)オキシム、ピペロナール=O−(チオフェン−2−カルボニル)オキシムである。
【0026】
本発明で使用する前記一般式(1)で表される化合物は、医薬上許容され得る塩基と塩付加体を形成することができるが、前記一般式(1)及びその塩付加体間において効果に関して相違が生じるものではなく、むしろ使用する製剤の性質によって使い分けるべきものである。前記一般式(1)で表される化合物と塩付加体を形成する医薬上許容され得る塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等の無機塩、あるいはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン類の有機塩とすることができる。特に好ましいのは、ナトリウム塩、カリウム塩である。
【0027】
本発明で使用される一般式(1)で表される化合物は公知物質であり、対応するアルデヒドとヒドロキシルアミンの縮合反応等の通常反応により容易に合成することができる。例えばピペロナールとヒドロキシルアミン塩酸塩をトリエチルアミン水溶液中で反応させることによりピペロナルドオキシムが合成でき、ピペロナールとO−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩をトリエチルアミン水溶液中で反応させることによりピペロナールO−メチルオキシムが合成できる。配座異性体または幾何異性体が存在する場合には、原料、反応条件の適切な選択、及び分離操作を行うことで、純粋な配座異性体または幾何異性体として得ることができる。また、官能基が分子内に存在し、この官能基が反応の妨害となる、あるいはその恐れのある場合には、適切な保護基を用いて効率的に反応を進行させることが好ましい。保護基の利用は、例えば、Theodora W. Greene、Peter G. M. WutsによるProtective Groups in Organic Synthesis等に従って実施できる。
【0028】
本発明にかかるピペロナルドオキシムとその類似体はメラニン生成を抑制する。よって、本発明のピペロナルドオキシムとその類似体は美白剤として有用であり、皮膚外用剤に好適に配合される。そして、本発明のピペロナルドキシムとその類似体は細胞毒性が非常に低いため、配合量を高く設定することができる。
【0029】
本発明の皮膚外用剤は、上記ピペロナルドオキシム類を通常の皮膚外用剤に配合し、常法により製造することができる。
【0030】
本発明のピペロナルドオキシムとその類似体を皮膚外用剤に配合して用いる場合、外用剤全量中に通常0.001〜20質量%、好ましくは0.01〜10質量%配合する。配合量が少なすぎると効果が十分に発揮されず、一方、過剰に配合しても増量に見合った効果の大きな向上は認められない。
【0031】
本発明の皮膚外用剤には上記した必須構成成分の他に、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の成分、例えば、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル類、シリコーン、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子化合物、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖類、アミノ酸類、有機アミン類、合成樹脂エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン類、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応じて適宜配合することができる。さらに、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸等の他の美白剤も適宜配合することができる。これらの成分はそれぞれ一種を用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
【0032】
粉末成分としては、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等の無機粉末、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等の有機粉末、二酸化チタン、酸化亜鉛等の無機白色顔料、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料黒酸化鉄、カーボンブラック、低次酸化チタン等の無機黒色系顔料、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色系顔料、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料、群青、紺青等の無機青色系顔料、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等のパール顔料、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等の金属粉末顔料、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号などのジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料、クロロフィル、β−カロチン等の天然色素等が挙げられる。但し、一般の化粧品に適用できる粉末であれば良く、上記の成分に限定されるものではない。
【0033】
液体油脂としては、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等が挙げられる。
【0034】
固体油脂としては、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0035】
ロウ類としては、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0036】
炭化水素油としては、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0037】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン(ベヘニン)酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0038】
高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等が挙げられる。
【0039】
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタンエリスリトール、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0040】
シリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサンなどの環状ポリシロキサン、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム等が挙げられる。
【0041】
アニオン界面活性剤としては、例えば、セッケン用素地、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸セッケン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸K 等の高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、POEオレイルエーテルリン酸ナトリウム、POEステアリルエーテルリン酸等のリン酸エステル塩、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸化油、POEアルキルエーテルカルボン酸、POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン、カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0042】
カチオン界面活性剤としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム),塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POEアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0043】
両性界面活性剤としては、例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤等が挙げられる。
【0044】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0045】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POEソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレート、POE−ソルビタンテトラオレエート等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等のPOEソルビット脂肪酸エステル類、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEモノオレエート、POEジステアレート、POEモノジオレエート、システアリン酸エチレングリコール等のPOE脂肪酸エステル類、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POE2−オクチルドデシルエーテル、POEコレスタノールエーテル等のPOEアルキルエーテル類、POEオクチルフェニルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEジノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、ブルロニック等のプルアロニック型類、POE・POPセチルエーテル、POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POPモノブチルエーテル、POE・POP水添ラノリン、POE・POPグリセリンエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル類、テトロニック等のテトラPOE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物類、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、 POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POEソルビットミツロウ等のPOEミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等のアルカノールアミド、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POEアルキルアミン、POE脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、POEノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0046】
保湿剤としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0047】
天然の水溶性高分子としては、例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子が挙げられる。
【0048】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子が挙げられる。
【0049】
合成の水溶性高分子としては例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー( カーボポール) 等のビニル系高分子、ポリエチレングリコール20,000、4,000,000、600,000等のポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体共重合系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等が挙げられる。
【0050】
無機の水溶性高分子としては例えば、ベントナイト、ケイ酸A1Mg(ビーガム)、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等が挙げられる。増粘剤としては、例えばアラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト等が挙げられる。
【0051】
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸(以下PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAチルエステル等の安息香酸系紫外線吸収剤、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート等の桂皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、3−(4’−メチルベンジリデン)-d,1−カンファー、3−ベンジリデン−d,1−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤や紫外線吸収作用を有する各種植物抽出物等の種々の紫外線吸収物質を添加することにより、日焼けの予防効果と美白効果を兼ね備えた皮膚外用剤とすることもできる。
【0052】
金属イオン封鎖剤としては、例えば1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸等が挙げられる。
【0053】
低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール等が挙げられる。
【0054】
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングルコール、1,3−ブチレングルコール、テトラメチレングルコール、2,3−ブチレングルコール、ペンタメチレングルコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等の2価のアルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール等の3価のアルコール、ペンタエリスリトール等の4価アルコール、キシリトール等の5価アルコール、ソルビトール、マンニトール等の6価アルコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングルコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール重合体、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングルコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等の2価のアルコールアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等の2価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアステート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の2価アルコールエーテルエステル、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等のグリセリンモノアルキルエーテル、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等の糖アルコール、グリソリッド、テトラハイドロフルフリルアルコール、POEテトラハイドロフルフリルアルコール、POPブチルエーテル、POP・POEブチルエーテル、トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル、POPグリセリンエーテル、POPグリセリンエーテルリン酸、POP・POEペンタンエリスリトールエーテル等が挙げられる。
【0055】
単糖としては、例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等の三炭糖、D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール等の四炭糖、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース等の五炭糖、D−グルコース、D−タロース、D−ブシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース等の六炭糖、アルドヘプトース、ヘプッロース等の七炭糖、オクツロース等の八炭糖、2−デオキシ−D−リボース、6−デオキシ−L−ガラクトース、6−デオキシ−L−マンノース等のデオキシ糖、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等のアミノ糖、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等のウロン酸等が挙げられる。
【0056】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α−トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
【0057】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。アミノ酸として、例えばグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン等の中性アミノ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン等の酸性アミノ酸、およびアルギニン、ヒスチジン、リジン、ヒドロキシリジン等の塩基性アミノ酸が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えばアシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ−アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0058】
有機アミンとしては、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
【0059】
合成樹脂エマルジョンとしては、例えばアクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン等が挙げられる。
【0060】
pH調整剤としては、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
ビタミン類としては、ビタミンA,B1 ,B2 ,B6 ,Eおよびその誘導体、パントテン酸およびその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
酸化防止助剤としては、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0061】
本発明の皮膚外用剤は、化粧料、医薬品、医薬部外品の分野において広く適用可能である。その剤型は、皮膚に適用可能であれば特に限定されず、例えば、溶液状、乳化状、固形状、半固形状、粉末状、粉末分散状、水−油二層分離状、水−油−粉末三層分離状、軟膏状、ゲル状、エアゾール状、ムース状、スティック状等、任意の剤型が適用される。また、その使用形態も任意であり、例えば化粧水、乳液、クリーム、パック、エッセンス、ジェル等のフェーシャル化粧料や、ファンデーション、化粧下地、コンシーラー等のメーキャップ化粧料などが挙げられる。
【実施例】
【0062】
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限り質量%で示す。
【0063】
製造実施例1(ピペロナルドオキシムの合成)
100mLナス型フラスコにヒドロキシルアミン塩酸塩2.77g、トリエチルアミン4.05g、ピペロナール4.50g、蒸留水10mL、エタノール10mLを加え、室温で3時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去した後に酢酸エチルで3回抽出し、有機相を合せて飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮により溶媒を留去した。残渣を再結晶(酢酸エチル:ヘキサン混合溶媒)により精製し、ピペロナルドオキシム3.82gを得た。
【0064】
1H-NMR (δ, DMSO-D6):6.04 (2H, s), 6.92 (1H, d, J=8.2Hz), 7.04 (1H, dd, J=1.5, 8.2Hz), 7.14 (1H, d, J=1.5Hz), 8.04 (1H, s), 10.95 (1H, s).
【0065】
製造実施例2(3,4−エチレンジオキシベンズアルドキシムの合成)
製造実施例1におけるピペロナールの代わりに3,4−エチレンジオキシベンズアルデヒドを用いた他は製造実施例1と同様にして3,4−エチレンジオキシベンズアルドキシムを合成した。
【0066】
1H-NMR (δ, DMSO-D6):4.25 (4H, t, J=4.6Hz), 6.86 (1H, d, J=7.7Hz), 7.04-7.07 (2H, m), 8.00 (1H, s), 10.93 (1H, s).
【0067】
製造実施例3(ピペロナール=O−メチルオキシムの合成)
製造実施例1におけるヒドロキシルアミン塩酸塩の代わりにO−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を用いた他は製造実施例1と同様にしてピペロナール=O−メチルオキシムを合成した。
【0068】
1H-NMR (δ, DMSO-D6):3.85 (3H, s), 6.05 (2H, s), 6.94 (1H, d, J=8.2Hz), 7.07 (1H, dd, J=1.5, 8.2Hz), 7.14 (1H, d, J=1.5Hz), 8.11 (1H, s).
【0069】
製造実施例4(3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−7−アルドオキシムの合成)
製造実施例1におけるピペロナールの代わりに3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−7−アルデヒドを用いた他は製造実施例1と同様にして3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−7−アルドオキシムを合成した。
【0070】
1H-NMR (δ, DMSO-D6):2.11 (2H, m), 4.15 (4H, m), 9.96 (1H, d, J=8.7Hz), 7.14-7.17 (2H, m), 8.03 (1H, s), 11.02 (1H, s).
【0071】
製造実施例5〜14
以下の表1に示す化合物はMaybridge社(英国)より、それぞれ購入した。
【0072】
【表1】

【0073】
以下、製造実施例1〜14の化合物のチロシナーゼ活性阻害作用、メラニン生成抑制効果、細胞毒性の有効性に関し、データを挙げて説明する。
【0074】
(1)チロシナーゼ活性阻害作用
次のような試験方法により、チロシナーゼ活性阻害作用を調べた。
(チロシナーゼ活性阻害試験)
B16メラノーマ細胞をショ糖溶液中でホモジナイズし、メラノソーム画分を遠心分離したのち、バッファー(1%TritonX-100を含むTris緩衝液)で可溶化し、粗酵素液とした。10mM L−ドーパ溶液20μlと、試験物質溶液を添加し(試験物質終濃度:1.25×10-4質量%)、最後に粗酵素液を適量添加し、全体を100μlとした。37℃で反応させ、30分後に475nmの吸光度を測定した。試験物質無添加群の値をチロシナーゼ活性阻害率0%として、試験物質添加群のチロシナーゼ活性阻害率を計算した。チロシナーゼ活性阻害率が大きいほどチロシナーゼ活性阻害作用が高いことを意味する。計算式を以下に記す。
【0075】
(計算式)
チロシナーゼ活性阻害率(%)=(1−A/B)×100
(A:試験検体の吸光度、B:試験物質無添加群の吸光度)
【0076】
表2に、製造実施例1〜14及び特開2001−39828号公報記載の3,4−ジヒドロキシベンズアルドキシム(比較化合物1)のチロシナーゼ活性阻害率を示す。
【0077】
【表2】

【0078】
表2からわかるように、製造実施例1〜14は、これまでにチロシナーゼ活性阻害効果を有するとされてきた3,4−ジヒドロキシベンズアルドキシム(比較化合物1)と同等以上の効果を有し、特に製造実施例1〜5,7,9,13については、いずれも50%を超えるチロシナーゼ活性阻害率を有している。
【0079】
(2)メラニン生成抑制効果、細胞毒性
メラニン生成抑制効果、ならびに細胞毒性を次のようにして調べた。
(メラニン生成抑制試験)
マウスB16メラノーマ細胞を96ウェルプレートに2,000〜3,500細胞/ウェルで播種した。翌日、試験物質溶液を添加した(試験物質終濃度:3×10-4wt%)。試験物質添加から3日後に、細胞の黒さを顕微鏡下で観察し、黒さの度合いを試験物質無添加群と比較して、以下の基準に従って判定した。
2:非常に黒い、
1:黒い、
0:同等、
−1:白い、
−2:非常に白い
視感判定値が小さいほど、メラニン生成が抑制されていることを意味する。
【0080】
(細胞毒性)
マウスB16メラノーマ細胞を96ウェルプレートに2,000〜3,500細胞/ウェルで播種した。翌日、試験物質溶液を添加した(試験物質終濃度:3×10-4wt%)。試験物質添加から3日後に、培地を吸引除去してバッファー(リン酸緩衝液50mM、pH6.8)で2回洗浄後、蛍光試薬(ヘキスト33342)を0.001%含むE−MEM培地を100μl添加して、37℃で反応させた。30分後に励起波長355nm、測定波長460nmで蛍光を測定し、その値を細胞数の相対値として試料無添加群に対する試料添加群の細胞数比率(%細胞数)を算出した。%細胞数が高いほど細胞毒性が低いことを意味する。
【0081】
表3に、製造実施例1、2、4及び3,4−ジヒドロキシベンズアルドキシム(比較化合物1)のメラニン生成抑制効果、細胞数を示す。
【0082】
【表3】

【0083】
表3からわかるように、実施例1、2、4は3,4−ジヒドロキシベンズアルドキシム(比較化合物1)よりも非常にメラニン生成抑制効果が高いことがわかった。
【0084】
以下、具体例を挙げてさらに本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
処方例1 クリーム
(処方)
ステアリン酸 5.0 質量%
ステアリルアルコール 4.0
イソプロピルミリステート 18.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 3.0
プロピレングリコール 10.0
製造実施例1の化合物 0.1
苛性カリ 0.2
亜硫酸水素ナトリウム 0.05
防腐剤 適量
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水にプロピレングリコールと苛性カリを加え溶解し、加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を徐々に加え、全部加え終わってからしばらくその温度に保ち反応を起こさせる。その後、ホモミキサーで均一に乳化し、よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0085】
処方例2 クリーム
(処方)
ステアリン酸 5.0 質量%
ソルビタンモノステアリン酸エステル 2.5
ポリオキシエチレン(20モル)
ソルビタンモノステアリン酸エステル 1.5
アルブチン 7.0
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
プロピレングリコール 10.0
製造実施例2の化合物 0.05
グリセリントリオクタノエート 10.0
スクワレン 5.0
パラジメチルアミノ安息香酸オクチル 3.0
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.01
エチルパラベン 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水をプロピレングリコールおよびエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩を加えて溶解し、70℃に保った(水相)。その他の成分を混合して過熱溶解して70℃に保ち(油相)、水相に油相を除々に加えて70℃で予備乳化を行い、ホモミキサーにて均一に乳化した後、よくかき混ぜながら30℃まで冷却した。
【0086】
処方例3 クリーム
(処方)
固形パラフィン 5.0 質量%
ミツロウ 10.0
ワセリン 15.0
流動パラフィン 41.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0
POE(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル 2.0
石けん粉末 0.1
硼砂 0.2
製造実施例3の化合物 0.05
製造実施例4の化合物 0.05
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
エチルパラベン 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水に石けん粉末と硼砂を加え、加熱溶解して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相をかきまぜながら徐々に加え反応を行う。反応終了後、ホモミキサーで均一に乳化し、乳化後よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0087】
処方例4 乳液
(処方)
ステアリン酸 2.5 質量%
セチルアルコール 1.5
ワセリン 5.0
流動パラフィン 10.0
POE(10)モノオレイン酸エステル 2.0
ポリエチレングリコール1500 3.0
トリエタノールアミン 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.05
製造実施例5の化合物 0.01
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
エチルパラベン 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
少量のイオン交換水にカルボキシビニルポリマーを溶解する(A相)。残りのイオン交換水にポリエチレングリコール1500とトリエタノールアミンを加え、加熱溶解して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を加え予備乳化を行い、A相を加えホモミキサーで均一乳化し、乳化後よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0088】
処方例5 乳液
(処方)
マイクロクリスタリンワックス 1.0 質量%
密ロウ 2.0
ラノリン 20.0
流動パラフィン 10.0
スクワラン 5.0
ソルビタンセスキオレイン酸エステル 4.0
POE(20)ソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0
プロピレングリコール 7.0
製造実施例6の化合物 1.0
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
エチルパラベン 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水にプロピレングリコールを加え、加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70℃に保つ(油相)。油相をかきまぜながらこれに水相を徐々に加え、ホモミキサーで均一に乳化する。乳化後よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0089】
処方例6 ゼリー
(処方)
95%エチルアルコール 10.0 質量%
ジプロピレングリコール 15.0
POE(50)オレイルエーテル 2.0
カルボキシビニルポリマー 1.0
苛性ソーダ 0.15
L−アルギニン 0.1
製造実施例7の化合物 5.0
2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム 0.05
エチレンジアミンテトラアセテート・
3ナトリウム・2水 0.05
メチルパラベン 0.2
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水にカルボキシビニルポリマーを均一に溶解し、一方、95%エタノールに製造実施例7の化合物、POE(50)オレイルエーテルを溶解し、水相に添加する。次いで、その他の成分を加えたのち苛性ソーダ、L−アルギニンで中和させ増粘する。
【0090】
処方例7 美容液
(処方)
(A相)
エチルアルコール(95%) 10.0 質量%
POE(20)オクチルドデカノール 1.0
パントテニールエチルエーテル 0.1
製造実施例8の化合物 2.0
メチルパラベン 0.15
(B相)
水酸化カリウム 0.1
(C相)
グリセリン 5.0
ジプロピレングリコール 10.0
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
カルボキシビニルポリマー 0.2
精製水 残余
(製法)
A相、C相をそれぞれ均一に溶解し、C相にA相を加えて可溶化する。次いでB相を加えたのち充填を行う。
【0091】
処方例8 パック
(処方)
(A相)
ジプロピレングリコール 5.0 質量%
POE(60)硬化ヒマシ油 5.0
(B相)
製造実施例9の化合物 0.05
オリーブ油 5.0
酢酸トコフェロール 0.2
エチルパラベン 0.2
香料 0.2
(C相)
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
ポリビニルアルコール 13.0
(ケン化度90、重合度2,000)
エタノール 7.0
精製水 残余
(製法)
A相、B相、C相をそれぞれ均一に溶解し、A相にB相を加えて可溶化する。次いでこれをC相に加えたのち充填を行う。
【0092】
処方例9 固形ファンデーション
(処方)
タルク 43.1 質量%
カオリン 15.0
セリサイト 10.0
亜鉛華 7.0
二酸化チタン 3.8
黄色酸化鉄 2.9
黒色酸化鉄 0.2
スクワラン 8.0
イソステアリン酸 4.0
モノオレイン酸POEソルビタン 3.0
オクタン酸イソセチル 2.0
製造実施例10の化合物 0.5
防腐剤 適量
香料 適量
(製法)
タルク〜黒色酸化鉄の粉末成分をブレンダーで十分混合し、これにスクワラン〜オクタン酸イソセチルの油性成分、製造実施例10の化合物、防腐剤、香料を加え良く混練した後、容器に充填、成型する。
【0093】
処方例10 乳化型ファンデーション(クリームタイプ)
(処方)
(粉体部)
二酸化チタン 10.3 質量%
セリサイト 5.4
カオリン 3.0
黄色酸化鉄 0.8
ベンガラ 0.3
黒色酸化鉄 0.2
(油相)
デカメチルシクロペンタシロキサン 11.5
流動パラフィン 4.5
ポリオキシエチレン変性
ジメチルポリシロキサン 4.0
製造実施例11の化合物 0.5
(水相)
精製水 50.0
1,3−ブチレングルコール 4.5
ソルビタンセスキオレイン酸エステル 3.0
防腐剤 適量
香料 適量
(製法)
水相を加熱撹拌後、十分に混合粉砕した粉体部を添加してホモミキサー処理する。更に加熱混合した油相を加えてホモミキサー処理した後、撹拌しながら香料を添加して室温まで冷却する。
【0094】
処方例11 化粧水
(1)製造実施例12の化合物 0.05 質量%
(2)アスパラギン酸 1.0
(3)酢酸トコフェロール 0.01
(4)グリセリン 4.0
(5)1,3−ブチレングリコール 4.0
(6)エタノール 8.0
(7)POE(60)硬化ヒマシ油 0.5
(8)メチルパラベン 0.2
(9)クエン酸 0.05
(10)クエン酸ナトリウム 0.1
(11)香料 0.05
(12)精製水 残余
(製法)
(12)に(2)、(4)、(5)、(9)及び(10)を溶解して精製水溶液とした。別に、(6)に(1)、(3)、(7)、(8)、及び(11)を溶解し、これを前述の精製水溶液に加えて可溶化し、濾過して化粧水を得た。
【0095】
処方例12 化粧水
A:アルコール相
エタノール 5.0 質量%
POEオレイルエーテル 2.0
2−エチルヘキシル−p−ジメチルアミノベンゾエート 0.18
製造実施例13の化合物 0.1
香料 0.05
B:水相
1,3ブチレングリコール 9.5
ピロリドンカルボン酸ナトリウム 0.5
乳清抽出液 5.0
ニコチン酸アミド 0.3
グリセリン 5.0
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 1.0
エチレンジアミンヒドロキシエチル3酢酸3Na 1.0
リジン 0.05
トラネキサム酸 1.0
精製水 残余
(製法)
Aのアルコール相をBの水相に添加し、可溶化して化粧水を得た。
上記処方例の皮膚外用剤はいずれも美白効果を発揮するものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で示される化合物または医薬上許容され得る塩付加体の少なくとも1種類を含有してなることを特徴とする皮膚外用剤。
【化1】


(式中、Aは−(CR)n−を示し、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜12のアリール基、炭素数3〜12のアリールアルキル基、炭素数1〜12のアシル基を示し、R、Rは互いに独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、ハロゲン、OR、NRを示し、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数2〜4のアルケニル基を示し、nは1〜3である。)
【請求項2】
前記一般式(1)において、Rが水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数3〜8のアリールアルキル基、炭素数4〜8の置換されていてもよいシクロアルキルアシル基、炭素数4〜8の置換されていてもよいアリールアシル基であることを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
前記一般式(1)において、Rが水素原子、メトキシフェニルアセチル基、シクロヘキシルカルボニル基、フロイル基、チオフェン−2−カルボニル基であり、R、Rがそれぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル基またはプロピル基であることを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項4】
前記一般式(1)の化合物が下記式(1-1)〜(1-7)で表されるうちのいずれかの構造であることを特徴とする請求項3に記載の皮膚外用剤。
【化2】

【請求項5】
下記一般式(1)で示される化合物または医薬上許容され得る塩付加体の少なくとも1種類を含有してなることを特徴とする美白用皮膚外用剤。
【化3】


(式中、Aは−(CR)n−を示し、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜12のアリール基、炭素数3〜12のアリールアルキル基、炭素数1〜12のアシル基を示し、R、Rは互いに独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、ハロゲン、OR、NRを示し、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数2〜4のアルケニル基を示し、nは1〜3である。)
【請求項6】
下記一般式(1)で示される化合物または医薬上許容され得る塩付加体の少なくとも1種類を含有してなることを特徴とする美白剤。
【化4】


(式中、Aは−(CR)n−を示し、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜12のアリール基、炭素数3〜12のアリールアルキル基、炭素数1〜12のアシル基を示し、R、Rは互いに独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、ハロゲン、OR、NRを示し、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数2〜4のアルケニル基を示し、nは1〜3である。)
【請求項7】
下記一般式(1)で示される化合物または医薬上許容され得る塩付加体の少なくとも1種類を含有してなることを特徴とするチロシナーゼ活性抑制剤。
【化5】


(式中、Aは−(CR)n−を示し、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜12のアリール基、炭素数3〜12のアリールアルキル基、炭素数1〜12のアシル基を示し、R、Rは互いに独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、ハロゲン、OR、NRを示し、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数2〜4のアルケニル基を示し、nは1〜3である。)

【公開番号】特開2006−290879(P2006−290879A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−66094(P2006−66094)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】