説明

研磨中に基板縁部の厚さを測定する方法および装置

基板研磨の終点を決定するシステム、方法、および装置が提供される。本発明は、基板の縁部へ光を伝えるように構成された光源と、基板縁部から反射した光の構成を検出するように構成された1つまたは複数の検出器と、反射光の構成に基づいて基板縁部に対する研磨の終点を決定するように構成された制御装置とを含む。多数の他の態様も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2008年4月21日出願の「METHODS AND APPARATUS FOR MEASURING SUBSTRATE EDGE THICKNESS DURING POLISHING」という名称の米国仮特許出願第61/046,801号(代理人整理番号11811/L)の優先権を主張する。同願全体を、あらゆる目的で参照により本明細書に組み込む。
【0002】
関連出願の相互参照
本願はまた、以下の本発明の譲受人に譲渡された係属の米国特許出願に関係する。これらの出願それぞれの全体を、あらゆる目的で参照により本明細書に組み込む。
【0003】
2005年12月9日出願の「METHODS AND APPARATUS FOR PROCESSING A SUBSTRATE」という名称の米国特許出願第11/299,295号(代理人整理番号10121)、
【0004】
2005年12月9日出願の「METHODS AND APPARATUS FOR PROCESSING A SUBSTRATE」という名称の米国特許出願第11/298,555号(代理人整理番号10414)、
【0005】
2007年3月29日出願の「METHODS AND APPARATUS FOR POLISHING AN EDGE OF A SUBSTRAET」という名称の米国特許出願第11/693,695号(代理人整理番号10560)、
【0006】
2007年5月21日出願の「METHODS AND APPARATUS FOR POLISHING A NOTCH OF A SUBSTRATE USING AN INFLATABLE POLISHING WHEEL」という名称の米国特許出願第60/939,351号(代理人整理番号10674/L)、
【0007】
2007年5月21日出願の「METHODS AND APPARATUS FOR FINDING A SUBSTRATE NOTCH CENTER」という名称の米国特許出願第60/939,353号(代理人整理番号11244/L)、
【0008】
2007年5月21日出願の「METHODS AND APPARATUS TO CONTROL SUBSTRATE BEVEL AND EDGE POLISHING PROFILES OF EPITAXIAL FILMS」という名称の米国特許出願第60/939,343号(代理人整理番号11417/L)、
【0009】
2007年5月21日出願の「METHODS AND APPARATUS FOR POLISHING A NOTCH OF A SUBSTRATE USING A SHAPED BACKING PAD」という名称の米国特許出願第60/939,219号(代理人整理番号11483/L)、
【0010】
2007年5月21日出願の「METHODS AND APPARATUS FOR REMOVAL OF FILMS AND FLAKES FROM THE EDGE OF BOTH SIDES OF A SUBSTRATE USING BACKING PADS」という名称の米国特許出願第60/939,342号(代理人整理番号11564/L)、
【0011】
2007年5月21日出願の「METHODS AND APPARATUS FOR USING A BEVEL POLISHING HEAD WITH AN EFFICIENT TAPE ROUTING ARRANGEMENT」という名称の米国特許出願第60/939,350号(代理人整理番号11565/L)、
【0012】
2007年5月21日出願の「METHODS AND APPARATUS FOR USING A ROLLING BACKING PAD FOR SUBSTRATE POLISHING」という名称の米国特許出願第60/939,344号(代理人整理番号11566/L)、
【0013】
2007年5月21日出願の「METHODS AND APPARATUS FOR SUBSTRATE EDGE POLISHING USING A POLISHING ARM」という名称の米国特許出願第60/939,333号(代理人整理番号11567/L)、
【0014】
2007年5月21日出願の「METHODS AND APPARATUS FOR HIGH PERFORMANCE SUBSTRATE BEVEL AND EDGE POLISHING IN SEMICONDUCTOR MANUFACTURE」という名称の米国特許出願第60/939,337号(代理人整理番号11809/L)、
【0015】
2007年5月21日出願の「METHODS AND APPARATUS FOR IDENTIFYING A SUBSTRATE EDGE PROFILE AND ADJUSTING THE PROCESSING OF THE SUBSTRATE ACCORDING TO THE IDENTIFIED EDGE PROFILE」という名称の米国特許出願第60/939,212号(代理人整理番号11695/L)、
【0016】
2007年5月21日出願の「METHODS AND APPARATUS FOR POLISHING A NOTCH OF A SUBSTRATE BY SUBSTRATE VIBRATION」という名称の米国特許出願第60/99,228号(代理人整理番号11952/L)、
【0017】
2007年5月21日出願の「METHODS AND APPARATUS FOR CONTROLLING THE SIZE OF AN EDGE EXCLUSION ZONE OF A SUBSTRATE」という名称の米国特許出願第60/939,209号(代理人整理番号11987/L)、および
【0018】
2007年5月15日出願の「SUBSTRATE THICKNESS MEASURING DURING POLSIHING」という名称の米国特許出願第11/748,825号(代理人整理番号009942P02)。
【0019】
本発明は、一般に、電子デバイスの処理に関し、より詳細には、研磨中に基板縁部の厚さを測定する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0020】
電子デバイスの製造中、基板の縁部上に望ましくない材料が蓄積することがある。これらの材料は、ICの製造で使用される誘電体、フォトレジスト、および金属を含むことがある。したがって、基板の傾斜部および縁部を清浄化または研磨してこれらの材料を除去することが望ましいであろう。また、特定のまたは所望の量の研磨をいつ行ったかを決定することも望ましいであろう。研磨中に基板の縁部上のフィルムの厚さを測定するシステム、方法、および装置が必要とされる。
【発明の概要】
【0021】
本発明の態様では、基板研磨の終点を決定するシステムが提供される。このシステムは、基板の縁部へ光を伝えるように構成された光源と、基板縁部から反射した光の構成を検出するように構成された1つまたは複数の検出器と、反射光の構成に基づいて基板縁部に対する研磨の終点を決定するように構成された制御装置とを含む。
【0022】
本発明の別の態様では、装置が提供される。この装置は、光源および光検出器を備える測定デバイスと、基板の縁部と測定デバイスとの間に均一の流動媒体を提供するように構成された被覆アセンブリとを含む。
【0023】
本発明のさらに別の態様では、方法が提供される。この方法は、反射光測定値を得ることと、反射光測定値と基準測定値を比較することと、その比較に基づいて、所望の研磨の終点に到達したかどうかを決定することとを含む。
【0024】
本発明の他の特徴および態様は、以下の詳細な説明、添付の特許請求の範囲、および付属の図面から、より完全に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】基板の一部分の横断面の概略図である。
【図2】本発明による縁部清浄システムの例示的な実施形態を描く概略図である。
【図3】本発明による端部指示システムの例示的な実施形態を描く概略図である。
【図4】本発明によるケーブルの横断面の概略図である。
【図5】基板の一部分の横断面の概略図である。
【図6】本発明による端部指示システムの例示的な実施形態を描く概略図である。
【図7】本発明のいくつかの実施形態による例示的な方法を描くフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、基板の傾斜部に対する研磨の終点を決定するシステム、装置、および方法を提供する。この終点は、基板の傾斜部からの所望の厚さもしくはフィルムの除去に到達した点とすることができ、または様々な区間内で所望のフィルムの厚さが得られ、それによって特定のフィルムプロファイルを実現するときとすることができる。終点の決定は、たとえば、研磨プロセスに任意の調整を加えて処理量を増大させるために、基板が研磨されている間にその場で行うことができる。いくつかの実施形態では、この装置は、測定デバイスまたはファイバケーブルを含むことができ、測定デバイスまたはファイバケーブルは、「検出器」とも呼ばれる1つまたは複数の収集ファイバによって囲まれた光源ファイバを含むことができる。ファイバケーブルが基板の外周から基板の中心の方へ走査または移動するとき、光源ファイバは、基板の傾斜した縁部に光を伝えることができる。伝えられた光は、傾斜部から反射することができ、反射光の少なくとも一部は、収集ファイバによって受け取ることができる。次いで、測定した反射光をスペクトログラフへ伝えることができ、スペクトログラフではこの光を、異なる色または波長に分光することができる。異なる波長を分析して、存在する各波長(スペクトル)の量を決定することができる。所与の波長の光の量(たとえば、光の強度)は、露出した材料層を表すことによってフィルムの厚さを指し示す。言い換えれば、全体的なフィルムの厚さは、基板上のいくつかのフィルム層の公知の組合せから形成することができ、またどの材料が露出しているかを識別することによって、フィルムの残りの厚さを決定することができる。したがって、特定の層を検出したときに、研磨の終点を決定することができる。たとえば、酸化物フィルム層は特定の色を反射することができる一方、シリコンフィルム層は、酸化物層の色とは異なる色を反射することができる。スペクトル情報と公知のまたは目標のスペクトルとを比較して、終点に到達したかどうかを決定することができる。
【0027】
信号に干渉する可能性を低減させるために、均質な環境を通って光を伝えて反射させることが望ましいであろう。たとえば、研磨プロセス中に基板に水を誘導して、研磨を容易にし、かつ研磨に起因する粉塵の一部を除去することができる。しかし、水の噴霧は、光の透過率および反射率に干渉する可能性がある。均質な環境を作り出すために、本発明は、測定デバイスまたはファイバケーブルを囲む被覆を提供し、その結果、流動体(すなわち、たとえば窒素または水)がファイバケーブルと被覆との間を通過して基板に接触できるようにする。たとえば、窒素の場合、窒素を基板上に噴射して水または他の粒子を吹き飛ばし、光を伝えて反射させるための均質な乾燥した環境を作り出すことができる。たとえば、水の場合、本発明はまた、基板の縁部に位置決めされた基部を提供することができる。この基部は、水がファイバケーブルに沿って基板上へ流れるときに水が基板から流出するとその水を受け取ることができ、その結果、基板とファイバケーブルとの間に均一の水媒体を作り出す。したがって、この流動体により、均質な環境内で光を伝えて反射させることができる。
【0028】
図1に移ると、基板100は、2つの主表面102、102’および縁部104を含むことができる。基板100の各主表面102、102’は、デバイス領域106、106’および排他領域108、108’を含むことができる(しかし通常、2つの主表面102、102’の一方だけがデバイス領域および排他領域を含む)。排他領域108、108’は、デバイス領域106、106’と縁部104との間の緩衝域として働くことができる。基板100の縁部104は、外縁部110および傾斜部112、114を含むことができる。傾斜部112、114は、外縁部110と2つの主表面102、102’の排他領域108、108’との間に位置することができる。本発明は、デバイス領域106、106’に影響を及ぼすことなく、基板100の外縁部110および少なくとも1つの傾斜部112、114を清浄化および/または研磨するように構成される。いくつかの実施形態では、排他領域108、108’のすべてまたは一部も、同様に清浄化または研磨することができる。
【0029】
図2に移ると、基板100の縁部(またはノッチ)を研磨する研磨装置200の一実施形態の概略斜視図が提供される。研磨装置200は、基板駆動部202(たとえば、サーボモータ、ギア、ベルト、チェーンなど)を含むことができ、これらを台座204上に取り付けることができる。支持部206(たとえば、真空チャック)を、基板駆動部202のシャフト(図示せず)に結合(たとえば、固定)することができる。たとえば、支持部206は、基板100を支持することができる。基板駆動部202は、支持部206を介して、基板100の中心208または別の適切な軸の周りで基板100を回転させることができる。基板駆動部202は、基板駆動部の制御ユニット(図示せず)に接続することができ、制御ユニットは、基板100の角変位、角速度、および角加速度を制御することができる。
【0030】
研磨装置200は、基板100の縁部に対してほぼ接線方向にある水平面に整合されてフレーム212によって支持された研磨アーム210をさらに含むことができる。他の実施形態では、研磨アーム210は、異なる形で、たとえば、垂直に、または水平面に対してある角度で整合させることができる。研磨アーム210は、研磨ヘッド部214(「ヘッド」)を含むことができる。研磨ヘッド214は裏当てパッド216を含むことができ、裏当てパッド216は、アクチュエータ(たとえば、油圧式アクチュエータ、空気式アクチュエータ、サーボモータなど)(図示せず)によって、基板100の方へ移動させたり、基板100から離したりすることができる。研磨ヘッド214には、裏当てパッド216を覆うように研磨テープ218が巻き付けられて、たとえば、供給スプール220と巻取りスプール222との間で引っ張られる。スプール220、222は、それぞれスプール駆動部224、226(たとえば、サーボモータ)によって駆動させることができる。スプール駆動部224、226に索引を付けて、研磨テープ218のうち、基板100の縁部(またはノッチ)を研磨するためにたとえばスプール220、222から研磨ヘッド214上へ進められる量を精密に制御することができる。
【0031】
1つまたは複数の実施形態では、研磨テープ218は、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、炭化ケイ素などの多くの異なる材料から作ることができる。他の材料を使用することもできる。いくつかの実施形態では、使用される研削粒子は、たとえば、寸法約0.5ミクロンから最高約3ミクロン、または約0.1から10ミクロンの範囲とすることができるが、他の寸法を使用することもできる。いくつかの実施形態では、研磨テープ218は柔らかいものとすることができ、また0.2インチ/分の歪み速度で圧縮率が約0.3から50psiの範囲内である硬い研削材料により、たとえば約25%の偏向をかけることができる。約1インチから約1.5インチの範囲内である様々な幅の研磨テープ218を使用することができるが、他の研磨テープ幅を使用することもできる。1つまたは複数の実施形態では、研磨テープ218は、厚さ約0.002から約0.02インチとすることができ、また張力約1から5ポンドに耐えることができる。異なる厚さおよび引張り強度を有する他のテープを使用することもできる。基板縁部104まで0から50mmの除去プロファイルを有することが望ましいであろう。他のプロファイルを使用することもできる。
【0032】
図3に移ると、端部指示システム300の例示的な実施形態の概略図が描かれている。システム300は、光源(図6)を含むことができる。光源は、たとえばキセノン閃光ランプまたはキセノン水銀ランプなど、白色光を放出するように動作可能とすることができる。一実施形態では、放出される白色光は、200〜800ナノメートルの波長を有する光を含むことができる。他の実施形態では、光源は、レーザ、連続光源、または任意の他の適切な光源とすることができる。いくつかの実施形態では、光源からの光は、たとえばソースファイバ304(図4)を介して、光ファイバケーブル302中を伝えることができる。いくつかの実施形態では、図4に示すように、光ファイバケーブル302内で、ソースファイバ304を、1つまたは複数の収集ファイバまたは検出器306によって囲むことができる。別法として、たとえばレーザの場合、レーザから伝えられる光は、光ファイバケーブルを介して伝えることができ、一方代替実施形態では、レーザは、基板100へ直接光を伝えることができ、また検出器306をレーザの近傍に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、光源と検出器を合わせて測定デバイスと呼ぶことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、光ファイバケーブルがソースファイバ304と検出器306の両方を包含するので、光ファイバケーブルを測定デバイスと呼ぶことができる。光は、光源からソースファイバ304を通って進むことができ、ソースファイバ304で、基板100の傾斜縁部104に当たって反射することができる。反射光は、収集ファイバ306によって受け取ることができる。いくつかの実施形態では、基板の傾斜縁部104へ伝えられた光は、ソースファイバ304から放射されて、光の円錐形領域を形成することができる。これらの実施形態では、反射光の一部は、収集ファイバ306によって受け取ることができない。
【0033】
光ファイバケーブル302は、外縁部110(図1)から基板の中心208の方へ基板100を走査(すなわち、光を伝えて反射光を受け取る)して、基板100の傾斜縁部104上のフィルム308(図5)の厚さを測定することができる。光ファイバケーブル302は、基板の外縁部110から基板の中心208の方へ1から2mmにわたって走査することができるが、最高10mmなどの他の長さを使用することもできる。図5に示すように、フィルム308のプロファイルは、光ファイバケーブル302が基板の外縁部110から基板の中心208の方へ基板100を走査するにつれて変動することがある。以下にさらに説明するように、特定のフィルム308のプロファイルが実現されたかどうかを決定するために、基板上の異なる径方向の位置は、測定および分析すべき異なる「区間」(z1、z2、z3、z4、z5、z6)を描くことができる。
【0034】
光ファイバケーブル302は、ソースファイバ304の動作を制御し、かつ収集ファイバ306からの反射光信号を受け取るように構成された制御装置310に結合させることができる。制御装置310(たとえば、プログラム化したコンピュータ、プログラム化した処理装置、ゲートアレイ、論理回路、オペレータ指示型バルブシステム、埋込み式実時間処理装置など)はまた、基板100を回転させるために使用される駆動部およびパッド216を基板縁部104に押し当てるために使用されるアクチュエータを制御することができる。制御装置310は、システム300の異なる部分に結合(たとえば、電気的、機械的、空気式、油圧式など)できることに留意されたい。たとえば、制御装置310は、光源の起動と基板100の回転を同期させることができる。以下にさらに説明するように、制御装置310により、光源(したがって、ソースファイバ304)は一連の閃光を放出することができ、または光を連続して放出することができる。
【0035】
制御装置310はまた、スペクトログラフ構成要素を含むことができ、それによって、スペクトログラフは、収集ファイバ306によって受け取った反射光信号の特性(すなわち、強度)を測定することができる。スペクトログラフは、光を異なる波長または色に分離することができ、次いで反射光内に存在する各波長または色(スペクトル)の量を決定することができる。反射光のスペクトルの特性は、フィルム308の厚さが変化するにつれて変化することがあるため、存在する各波長の量はフィルム308の厚さを指し示すことができ、またフィルム308の特定の厚さによって、特定のスペクトルを提示することができる。制御装置310は、スペクトルに基づいて、研磨の終点にいつ到達したかを決定する論理を実行することができる。
【0036】
制御装置310は、決定したスペクトル情報とスペクトルの「ライブラリ」または特定のスペクトルを比較することができる。たとえば、単一の基板を研磨することができ、また反射したスペクトルを、時間に応じて測定することができる。このスペクトルを分析することができ、次いで、所望の研磨の終点が発生した時間を決定することができる。所望の研磨の終点で発生するスペクトルを、目標スペクトルと呼ぶことができる。次いで、すべての後に研磨される基板100に対して、測定したスペクトルと目標スペクトルを比較することができ、またこの研磨は、測定したスペクトルが目標スペクトルに一致または実質上一致すると終わることができる。スペクトルを使用して終点を決定する方法に関するさらなる説明は、以下に部分的に見ることができ、また米国特許出願第11/748,825号、「Substrate Thickness Measuring During Polishing」に見ることができる。同出願を、あらゆる目的で参照により本明細書に組み込む。
【0037】
いくつかの実施形態では、基準スペクトルと目標フィルムの厚さを関連付けることができる。特定の終点決定論理に対して、基準スペクトルを経験的に選択することができ、その結果、制御装置310が特定のスペクトルに基づく終点論理を適用することによって終点を決定すると、目標の厚さが実現される。基準スペクトルは、反復して選択することができる。基準スペクトルは、目標スペクトルではないことがある。むしろ、基準スペクトルは、当該フィルム308が目標の厚さより大きな厚さを有するときに基板の傾斜縁部104から反射する光のスペクトルとすることができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、研磨している基板の傾斜縁部104から反射する光の1つまたは複数のスペクトルを測定して、現在の基板100の回転に対する1つまたは複数の現在のスペクトルを得ることができる。任意選択で、現在の基板100の回転に対して測定した1つまたは複数のスペクトルは、確度および/または精度を高めるように処理することができる。1つのスペクトルだけを測定した場合、その1つのスペクトルが現在のスペクトルとして使用される。1回の基板100の回転に対して2つ以上の現在のスペクトルを測定した場合、これらのスペクトルをグループ化して各グループ内で平均することができ、またこれらの平均を現在のスペクトルとなるように指定することができる。これらのスペクトルは、基板100の中心208からの径方向の距離によってグループ化することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、次いで、1つまたは複数の現在のスペクトルと基準スペクトルの差を計算することができる。一実装形態では、この差は、波長の範囲全体にわたる強度の差の合計である。それぞれの計算した差を差のトレースに付加することができ、この差のトレースは通常、計算した差のプロットとすることができる。差のトレースは、基板100の1回転当たり少なくとも1回更新することができる(それぞれの基板の回転に対して複数の現在のスペクトルが得られたとき、基板100の1回転当たり2回以上、差のトレースを更新することができる)。いくつかの実施形態では、差のトレースを処理して、たとえば、先行する1つまたは複数の計算した差から、閾値を超えて逸脱させる計算差を除去することによって、差のトレースを平滑にすることができる。次いで、差のトレースが最小値の閾値の範囲内であるかどうかを決定することができる。最小値を検出した後、終点は、差のトレースがいつ最小値の特定の閾値を超えて上昇し始めたかを決定する。別法として、終点は、差のトレースの勾配に基づいて決定することができる。特に、差のトレースの勾配はゼロに接近し、差のトレースの最小値でゼロになる。終点は、差のトレースの勾配がゼロ付近の勾配の閾値範囲内にあるときに決定することができる。差のトレースが最小値の閾値範囲に到達していると決定されない場合、差のトレースが最小値の閾値範囲に到達したと決定されるまで、研磨を継続させることができる。そうでない場合、終点が決定され、研磨が停止される。
【0040】
上記の実施形態では、基準スペクトルの使用に対する代替手段として、目標スペクトルを使用することができる。差の計算は、現在のスペクトルと目標スペクトルとの間で行われることになり、また終点は、差のトレースが最小値に到達したときに決定されることになる。
【0041】
スペクトルに基づく終点決定論理を使用して研磨ステップの終点を決定する別の実施形態を提供することができる。目標および基準スペクトルを得た後、目標差を計算することができる。目標差は、基準スペクトルと目標スペクトルの差とすることができる。この実施形態では、研磨している基板の傾斜縁部104から反射する光の1つまたは複数のスペクトルを測定して、現在の基板100の回転に対する1つまたは複数の現在のスペクトルを得ることができる。次いで、1つまたは複数の現在のスペクトルと基準スペクトルの差を計算することができる。次いで、計算した1つまたは複数(2つ以上の現在のスペクトルがある場合)の差を、差のトレースに付加することができる。次いで、差のトレースが目標差の閾値範囲内であるかどうかを決定することができる。差のトレースが目標差の閾値範囲に到達したと決定されない場合、差のトレースが目標差の閾値範囲に到達したと決定されるまで、研磨を継続させることができる。そうでない場合、終点が決定され、研磨を停止させることができる。
【0042】
別の実施形態では、研磨ステップの終点を決定する方法が提供される。上述のように、基準スペクトルを得ることができる。上述のスペクトルの「ライブラリ」は、基準スペクトルを得るプロセスから収集したスペクトル、および/または収集しなかったが理論的には生成されたスペクトルを含むことができる。基準スペクトルを含むスペクトルには索引を付けることができ、したがって各スペクトルは、独自の索引値を有する。上述のように、ライブラリは、制御装置310内に含むことができる。この実施形態では、1つまたは複数のスペクトルを測定して、現在の基板100の回転に対する現在のスペクトルを得ることができる。次いで、現在のスペクトルに最もよく適合するライブラリ内に記憶されたスペクトルを決定することができる。現在のスペクトルに最もよく適合すると決定されたライブラリスペクトルの索引は、終点索引トレースに付加することができ、また終点トレースが基準スペクトルの索引に到達したときに、終点を決定することができる。
【0043】
別の実施形態では、スペクトルを使用して所望のフィルムプロファイルを実現する方法を提供することができる。基板100の傾斜縁部104の研磨に対する予想される終点時間を決定することができる。いくつかの実装形態では、予想される終点時間は、所定のプロセスパラメータを用いて目標スペクトルが決定されるときに決定することができ、サンプル基板の傾斜縁部上のフィルムが所望の厚さに到達したときに決定することができ(たとえば、従来のオフライン計量測定による)、またサンプル基板の傾斜縁部上のフィルムが所望の厚さに到達する研磨時間を予想される終点時間として使用する。


この実施形態では、基板の傾斜縁部104の2つ以上の径方向の位置で、スペクトルを得ることができる。各スペクトル測定について、基板の傾斜縁部104上の径方向の位置を決定することができ、またスペクトル測定は、上述のように(図5)、径方向の位置に基づいて区間内に描くことができる。上述のように、各区間に対するスペクトル(または、各区間に対する区間内からのスペクトルの平均)とスペクトルライブラリ内のスペクトルを比較することができ、またスペクトルライブラリとの比較から、各区間に対して対応する索引番号を決定することができる。次いで、これらの区間に対する索引が1つまたは複数の終点基準を満たしたとき、研磨を終えることができる。たとえば、研磨は、事前に選択した区間に対する所望の索引に到達したとき、または区間のいずれかがまず所望の索引に到達したとき、またはすべての区間に対して所望の索引を実現したときに停止させることができる。各区間に対する所望される索引は、基板の傾斜縁部104に対する最終的な所望プロファイルによって決定することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、各区間内の最終索引番号が所望される最終索引番号に等しくなるように、フィードバックループを使用してこれらの区間内の研磨速度を調整することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、本発明を使用して、基板100の回転と同期して光源(すなわち、閃光ランプ)をストロービングすることによって、基板の傾斜縁部104上の1つまたは複数の同じ位置を繰返し測定することもできる。基板の傾斜縁部104上の同じ位置を繰返し測定できると、ノイズに比べて、伝えられる光信号を大いに強調することができ、また信号(したがって、フィルムの厚さ)のごくわずかな変化の精密な測定を可能にすることができる。たとえば、基板100が単一の回転を行ったとき、ハードウェアフラグ(図示せず)をトリガすることができ、次いでたとえば制御装置310へ信号を送ることができる。ハードウェアフラグがトリガされると、閃光ランプをトリガして、たとえば5回閃光させる(したがって、基板の傾斜縁部104に光を当て、収集ファイバ306を介して、フィルムの厚さを示す反射した信号を受け取る)ことができる。したがって、ハードウェアフラグがトリガされるたびに閃光ランプが5回閃光する場合、基板の傾斜縁部104上でこれらの同じ5つの位置または点上のフィルム308の厚さを測定することができる。各回転からの結果を互いに比較して、反射した信号、したがってフィルム308の厚さのわずかな変化を検出することができる。
【0046】
上述のように、基板100のプロービングまたはフィルムの厚さの測定は、基板100が研磨されているときに(その場で)行うことができ、したがって目標の厚さまたは終点をいつ満たしたかに関して、リアルタイムの決定を行うことができる。しかし、基板100から除去されている材料、または材料除去を容易にするために使用されるイオン交換水(DI water)は、光透過率および反射率信号に干渉することがある。したがって、光路には常に水がない(たとえば、空気しかない)点、または常に流動体(たとえば、水)の均一の分配を受けるという点で、プロービングのための実質上均質な環境を可能にする被覆アセンブリ312を作り出すことが望ましいであろう。研磨プロセスで使用されるイオン交換水は、光ファイバケーブル302に到達するまでに本質的に均一に分配することができないため、単独で光信号の無作為の歪みをもたらす可能性があるような形で分配されることがある。いくつかの実施形態では、被覆アセンブリ312は、光ファイバケーブル302を囲むように構成された中空の被覆314と、流動体の流れを誘導するように構成された基部316とを含むことができる。被覆314および基部316は、単一の部分として、または2つの別々の部分として形成することができる。図3で方向の矢印によって指し示す通り、中空の被覆312により、流動体(たとえば、窒素またはイオン交換水)を基板100に噴射することができる。たとえば、いくつかの例では、乾燥した環境内でフィルム308の厚さを測定することが望ましいであろう。そのような例では、イオン交換水および材料を吹き飛ばすように、被覆312を通って窒素を噴射することができ、また光ファイバケーブル302は、実質上均質な乾燥した環境内で基板100を調査することができる。たとえば、他の例では、乾燥した基板は濡れた基板より欠陥の問題を受けやすいことがあるため、均一に濡れた環境内でフィルム308の厚さを測定することが望ましいであろう。そのような例では、方向の矢印によって指し示すように、水は被覆314を通って流れ、次いで基部316内に入る。基部316を使用して、基板の傾斜縁部104の周りに、安定的で、かつ実質上均質な水環境を作り出すことができる。基部316がない場合、基板の傾斜縁部104に接触したときに水が噴霧され、それによって望ましくない非均質な環境を提供することがある。言い換えれば、水(または、空気)は、被覆314から出て基板100および基部316上へ流れ、基板100と光ファイバケーブル302との間に実質上均一の媒体を作り出すことができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、基部316の内部は、反射性になるように構成することができ、したがって傾斜した縁部の下面のフィルムの厚さを測定することができる。そのような実施形態では、ソースファイバ304から伝えられた光が反射性の基部316に当たり、次いで反射して底部の傾斜部に当たり、再び反射性の基部316へ伝えられ、次いで光ファイバケーブル302内の収集ファイバ306へ後方反射するように、光ファイバケーブル302を位置決めすることができる。上述のように、次いで制御装置310は、収集ファイバ306によって受け取った信号を分析することができる。
【0048】
図6に移ると、別の実施形態では、端部指示システム600の例示的な実施形態の概略図が描かれている。システム600は、光源602を含むことができる。光源602は、図3に関連して上述したものと類似のものとすることができる。いくつかの実施形態では、光源602は、焦点レンズ604を通って光を伝え、その光を、基板の傾斜縁部104上の直径約0.5から2mmのスポット上へ集束させることができる。他の適切な光スポット寸法を使用することもできる。別法として、または追加で、光源602は、集光レンズ(図示せず)を通って光を伝え、光ビームの視準をほぼ合わせることができる。システム600はまた、1つまたは複数の検出器606を含むことができる。上記の検出器606は、たとえば、光ファイバ収集ファイバとすることができる。他の適切な検出器を使用することもできる。光ビームが基板の傾斜縁部104に当たると、基板縁部104から基板の中心208の方へ反射光608の構成(たとえば、円弧、線など)を形成することができる。各検出器606は、円弧上の1つのスポットに位置決めすることができ、また円弧上のスポットは、基板の傾斜縁部104上の点に対応することができる。たとえば、第1の検出器606を基板縁部104に位置決めすることができ、また第2の検出器を、第1の検出器から45°の場所に位置決めすることができる。上述のように、制御装置310は、反射率信号を受け取り、したがってフィルム308の厚さを決定することができる。しかし、図3に関連して上述したシステム300とは異なり、複数の検出器606が位置づけられているため、伝えられる光/検出器を基板100全体にわたって走査する必要はない可能性がある。言い換えれば、1つまたは複数の検出器606を使用すると、基板100の傾斜縁部104を走査または調査する必要性をなくすことができる。追加で、システム600は、マルチプレクサ、または様々な検出器606の間で切り換えるための何らかの他の切換えデバイスを含むことができる。
【0049】
図7に移ると、いくつかの実施形態によって研磨の終点に到達したかどうかを決定する例示的な方法700が提供される。以下の特有の方法700は、例示的な一例として提供され、多数の他の代替および追加のステップ、サブステップ、および/またはマクロステップが可能になることがある。ステップ702では、所望の終点または終点目標が決定される。上述のように、所望の終点は、基板縁部を研磨することによって目標フィルムの厚さが実現されるときである。704では、反射光測定が得られる。上述のように、光源は、基板縁部へ光を伝えることができ、この伝えられた光は、基板縁部から反射して、1つまたは複数の検出器によって検出することができる。たとえば、制御装置は、706で、測定した反射光と基準ライブラリ内の反射光を比較することができる。この比較に基づいて、制御装置は、708で、終点を実現したかどうかを決定することができる。たとえば、測定した反射光が所望の終点に対する基準反射光に対応する場合、または所定の閾値内である場合、終点が実現されている。
【0050】
さらに、円形の基板を清浄する例のみを開示したが、本発明は、他の形状を有する基板(たとえば、フラットパネルディスプレイ向けのガラスまたはポリマー板)を清浄にするように変形できることを理解されたい。さらに、装置による単一の基板の処理を上記で示したが、いくつかの実施形態では、装置は、複数の基板を同時に処理することができる。
【0051】
以上の説明は、本発明の例示的な実施形態のみを開示する。本発明の範囲内に入る上記に開示した装置および方法の変形形態は、当業者には容易に明らかになるであろう。したがって、本発明について、本発明の例示的な実施形態に関連して開示したが、以下の特許請求の範囲によって定義するように、他の実施形態も本発明の精神および範囲内に入りうることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板研磨の終点を決定するシステムであって、
基板の縁部へ光を伝えるように構成された光源と、
前記基板縁部から反射した光の構成を検出するように構成された1つまたは複数の検出器と、
反射光の前記構成に基づいて前記基板縁部に対する研磨の終点を決定するように構成された制御装置と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記研磨の終点が、前記基板縁部上のフィルムの厚さに基づく、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記制御装置が、反射光の前記構成を形成する波長を測定するように構成されたスペクトログラフ構成要素をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記制御装置が、反射光の前記構成内に存在する前記波長の量に基づいて前記基板縁部上のフィルムの厚さを決定するように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
光の前記構成が、前記基板縁部から前記基板の中心に及ぶ、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
光源および光検出器を備える測定デバイスと、
基板の縁部と前記測定デバイスとの間に均一の流動媒体を提供するように構成された被覆アセンブリと、
を備える装置。
【請求項7】
前記被覆アセンブリが、
前記光源および前記光検出器を囲むように構成された中空の被覆をさらに備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記中空の被覆が、流動体の流れのための経路を提供するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記被覆アセンブリが、
前記流動体の前記流れを誘導するように構成された基部をさらに備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記基部が、前記基板の前記縁部の周りに実質上均質な流動環境を提供するように構成される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記基部の内部が反射性である、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
反射光測定値を得ることと、
前記反射光測定値と基準測定値とを比較することと、
前記比較に基づいて、所望の研磨の終点に到達したかどうかを決定することと、
を含む方法。
【請求項13】
反射光測定値を得る前に、基板の縁部へ光を伝えることをさらに含み、前記伝えられた光が、前記基板縁部から反射する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記基板縁部から前記基板の中心の方へ前記光を走査させることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記基板縁部と前記光を伝える前記光源および前記1つまたは複数の検出器との間に均一の流動媒体を提供することをさらに含む、請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−519735(P2011−519735A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506363(P2011−506363)
【出願日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際出願番号】PCT/US2009/040833
【国際公開番号】WO2009/131892
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】