説明

神経変性障害の治療のためのスルフォンアミド化合物

本発明は、R1、R2、R3、m、及びnが定義されるとおりである式Iの化合物に関する。式Iの化合物はAβ−ペプチドの生成を阻害する活性を有する。本発明はまた式Iの化合物を含む、哺乳類における障害及び疾患、例えば、神経変性及び/又は神経学的障害、例えば、アルツハイマー病を治療するための医薬組成物及び方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願へのクロスリファレンス
本発明はそれを全体として本明細書中に援用する、2004年4月1日出願のU.S.S.N.60/558,660号の利益を請求する。
発明の分野
本発明はヒトを含む哺乳類における、アルツハイマー病の如き神経変性及び/又は神経学的障害の治療に関する。本発明はまた、アミロイドタンパク質の神経学的堆積物の形成に寄与しうるAβ−ペプチド生成の、ヒトを含む哺乳類における阻害にも関する。より詳細には、本発明はスルフォンアミド化合物、上記化合物を含む医薬組成物及び上記化合物の、すなわち、Aβ−ペプチド生成に関連する、アルツハイマー病の如き神経変性及び/又は神経学的障害の治療のための使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
痴呆は広くさまざまな特有の病理学的プロセスから生ずる。痴呆を引き起こす最もよくある病理学的プロセスはアルツハイマー病(AD)、脳のアミロイド血管症(CAA)及びプリオン仲介疾患である。ADは、米国人口の最も速く増大している部分である85歳を過ぎた全ての人の半分近くに影響する。そのように、米国におけるAD患者の数は来世紀の半ばまでに約400万から約1400万人まで増大すると予想される。
【0003】
ADの治療は典型的に付き添いの家族の一員により提供される支援である。規則的な基礎での刺激された記憶練習は記憶損失を遅らせることが示されているが、止めることは示されていない。数種類の薬物、例えば、Aricept(商標)はADの治療を提供する。
【0004】
ADの証明はアミロイドプラークと呼ばれる細胞外の不溶性堆積物の脳内における蓄積及び神経細線維もつれと呼ばれる神経細胞内の異常な病変である。増大したプラーク形成はADの増大した危険性に関連する。実際に、アミロイドプラークの存在は、神経細線維もつれと共に、ADの決定的な病理学的診断の基礎である。
【0005】
アミロイドプラークの主な成分はAβ−ペプチドとも呼ばれるアミロイドAβ−ペプチドであり、それは、それぞれ、Aβ1-38、Aβ1-40、Aβ1-42及びAβ1-43と呼ばれる、38、40、42又は43アミノ酸を有するものを含むいくつかのタンパク質から成る。Aβ−ペプチドは、部分的にはそれらがin vitro及びin vivoでニューロンに毒性であるので、神経細胞破壊を引き起こすと考えられる。
【0006】
Aβペプチドは、それぞれ、APP695、APP714、APP751及びAPP771と呼ばれる、695、714、751又は771アミノ酸を含む4のタンパク質から成る、より大きなアミロイド前駆タンパク質(APPタンパク質)に由来する。プロテアーゼはさまざまなAPPタンパク質内の特異的アミノ酸配列を切断することによりAβペプチドを生成すると考えられる。上記プロテアーゼが生成するAβ−ペプチドは細胞により細胞外環境へ分泌されるので、上記プロテアーゼは「セクレターゼ」と呼ばれる。これらのセクレターゼはそれらがAβ−ペプチドを生成するために作出する切断にしたがってそれぞれ名付けられる。Aβ−ペプチドのアミノ末端を形成するセクレターゼはベータ−セクレターゼと呼ばれる。Aβ−ペプチドのカルボキシル末端を形成するセクレターゼはガンマセクレターゼと呼ばれる。
【0007】
本発明はAβ−ペプチド生成を阻害する新規化合物に、上記化合物を含む医薬組成物に、及び神経変性及び/又は神経学的障害を治療するための上記化合物の使用方法に関する。
【発明の開示】
【0008】
発明の要約
本発明は式Iの化合物:
【化1】

又は上記化合物の医薬として許容される塩に関し、
ここで、R1及びR2は−H、−C1−C8アルキル、−C2−C8アルケニル、−C1−C8アルコキシ、−C2−C8アルケンオキシ、−C1−C8ヒドロキシアルキル、−C2−C8ヒドロキシアルケニル、−ハロ、−CN、−NO2、−(CH2qNC(=O)R6、−(CH2qC(=O)OR5、−(CH2qC(=O)NR67、−(CH2qNR67、−C3−C8シクロアルキル及び−C5−C8シクロアルケニルからそれぞれ独立に選ばれ、ここで、R1及びR2は−C1−C8アルコキシ、−C1−C6アルキル、−ハロ及び−OHから独立に選ばれる1〜3の置換基でそれぞれ場合により独立に置換される;
3は、それぞれ以下に示される、式II又は式IIIの基:
【化2】

【化3】

であり、
ここで、Bは不在である又は−C1−C8アルキレン及び−C2−C4アルケニレンから選ばれる;
【0009】
Dは−C1−C8アルキル、−C3−C10シクロアルキル、−(3〜10員)ヘテロシクロアルキル及び−(5〜7員)ヘテロアリールから選ばれる;
X、Y及びZは−H、−C1−C8アルキル、−C2−C8アルケニル、−C1−C8アルコキシ、−C2−C8アルケンオキシ、−C1−C8ヒドロキシアルキル、−C2−C8ヒドロキシアルケニル、−ハロ、−OH、−CN、−NO2、−(CH2q−NR78、−(CH2q−NHC(=O)R9、−(CH2q−C(=O)R9、−(CH2q−C(=O)NR78、−(CH2q−C(=O)OR9、−(CH2q−SO29、−S(C1−C8アルキル)、−C3−C8シクロアルキル、−(CH2q−((3〜10員)ヘテロシクロアルキル)、−(CH2q−(C6−C14アリール)、−(CH2q−((4〜10員)ヘテロアリール)及び−(CH2q−(C6−C14アリールオキシ)からそれぞれ独立に選ばれる;
ここで、前記X、Y及びZは−C1−C8アルキル、−C2−C8アルケニル、−C1−C8アルコキシ、−C2−C8アルケンオキシ、−C1−C8ヒドロキシアルキル、−C2−C8ヒドロキシアルケニル、ハロ、−OH及び−CNから独立に選ばれる1〜3の置換基でそれぞれ場合により独立に置換される;
及びここで、X、Y及びZの前記アルコキシ置換基はハロ、好ましくは−Fから独立に選ばれる1〜3の置換基で場合により独立に置換される;
5、R6、R7、R8及びR9は−H、−C1−C12アルキル、−C2−C12アルケニル、−C3−C10シクロアルキル、−C5−C10シクロアルケニル、−C5−C13バイシクロアルキル、−C7−C13バイシクロアルケニル、−(3〜10員)ヘテロシクロアルキル、−C6−C14アリール及び−(5〜8員)ヘテロアリールからそれぞれ独立に選ばれる;
ここで、NR67又はNR78はそれぞれの場合独立に場合により−(3〜8員)ヘテロシクロアルキルを形成しうる;
mは0、1、2又は3である;
nは0、1、2又は3である;
qは0、1又は2である。
【0010】
式Iの化合物は光学中心を有しうる、及びそれゆえ異なるエナンチオマー及びヂアステレオマー配置で起こりうる。本発明は上記式Iの化合物の全てのエナンチオマー、ヂアステレオマー、及び他の立体異性体、並びにラセミ化合物及びその立体異性体のラセミ混合物及び他の混合物を含む。
【0011】
式Iの化合物の医薬として許容される塩はその酸添加及び塩基塩を含む。
好適な酸添加塩は非毒性塩を形成する酸から形成される。例は、非限定的に、酢酸塩、アヂピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カムシル酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、エヂシル酸塩、エシル酸塩、蟻酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨー化水素酸塩/ヨー化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素酸塩、リン酸二水素酸塩、ピログルタミン酸塩、サリチル酸塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、琥珀酸塩、スルフォン酸塩、スズ酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩及びキシノフォ酸塩を含む。
【0012】
好適な塩基塩は非毒性塩を形成する塩基から形成される。例は、非限定的に、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ヂエチルアミン、ヂオールアミン、グリシン、リジン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン及び亜鉛塩を含む。
【0013】
酸及び塩基のヘミ塩、例えば、ヘミ硫酸及びヘミカルシウム塩もまた形成されうる。
好適な塩についての概略のために、Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use by Stahl and Wermuth (Wiley−VCH,2002)を参照のこと。
【0014】
式Iの化合物の医薬として許容される塩は1以上の3の方法により:
(i)式Iの化合物を所望の酸又は塩基と反応させることにより;
(ii)式Iの化合物の好適な前駆体から酸−又は塩基−不安定保護基を除去することにより又は所望の酸又は塩基を用いて好適な環状前駆体、例えば、ラクトン又はラクタムを環開放することにより;又は
(iii)適切な酸又は塩基との反応により又は好適なイオン交換カラムの方法により式Iの化合物の1の塩を他に変換することにより
調製されうる。
【0015】
全ての3の反応は典型的に溶液中で行われる。生ずる塩は析出し、及びろ過により回収されうる又は溶媒の蒸発により回復されうる。生ずる塩中のイオン化の程度は完全にイオン化からほとんど脱イオン化まで変化しうる。
【0016】
本発明に係る化合物は完全に非晶質から完全に結晶に及ぶ固体状態の連続体で存在しうる。上記用語「非晶質」は、物質が分子レベルで長い範囲の秩序を欠き、及び温度により、固体又は液体の物理的特性を示しうる状態をいう。典型的に、上記物質は明確なX線回折パターンを与えない、及び固体の特性を示すが、より正式には液体として示される。加熱に際して、固体から液体特性への変化が起こり、それは典型的に2次の状態変化(「ガラス遷移」)により特徴付けられる。上記用語「結晶」は、物質が分子レベルで規則的な秩序化された内部構造を有し、及び定義されたピークを有する明確なX線回折パターンを与える固体状態をいう。上記物質は十分に加熱されたとき、また液体の特性をも示すであろう、しかし、固体から液体への変化は典型的に1次の相変化(「融点」)により特徴付けられる。
【0017】
本発明に係る化合物はまた非溶媒和化及び溶媒和化形で存在しうる。上記用語「溶媒和物」は本発明に係る化合物及び1以上の医薬として許容される溶媒分子、例えば、エタノールを含む分子複合体を示すために本明細書中で使用される。用語「水和物」は、前記溶媒が水であるとき使用される。
【0018】
有機水和物についての現在許容されている分類システムは分離部位、チャネル又は金属−イオン配位結合水和物を定義するものである−Polymorphism in Pharmaceutical Solids by K. R. Morris(Ed. H. G. Brittain, Marcel Dekker, 1995)を参照のこと。分離部位水和物は、水分子が有機分子の間にはさまることにより互いに直接的な接触から分離されたものである。チャネル水和物において、水分子は格子チャネルに位置し、そこで水分子は他の水分子の隣にある。金属−イオン配位結合水和物において、水分子は金属イオンに結合される。
【0019】
溶媒又は水が強く結合されるとき、上記複合体は湿度に独立した十分に定義された化学量論性を有するであろう。しかしながら、チャネル溶媒和物及び吸湿性化合物におけるように、溶媒又は水が弱く結合されるとき、水/溶媒内容量は湿度及び乾燥状態に因るであろう。上記の場合、非化学量論性が普通であろう。
【0020】
薬物及び少なくとも1の他の成分が化学量論又は非化学量論量で存在する、(塩及び溶媒和物以外の)多成分複合体もまた本発明の範囲内に含まれる。この型の複合体は、非限定的に、包接化合物(薬物−ホスト封入複合体)及び共−結晶を含む。後者は典型的に非共有結合相互作用をとおして共に結合される中性分子構成成分の結晶複合体として定義されるが、中性分子と塩の複合体でもありうる。共−結晶は融解結晶化により、溶媒からの再結晶化により又は成分を共に物理的に挽くことにより調製されうる−Chem Commun, 17, 1889−1896, by O. Almarsson and M. J. Zaworotko(2004)を参照のこと。多成分複合体の一般的な概略について、J Pharm Sci, 64(8), 1269−1288,by Haleblian (August 1975)を参照のこと。
【0021】
本発明に係る化合物はまた好適な状態にかけられたとき中間相状態(中間相又は液体結晶)でも存在しうる。中間相状態は真の結晶状態及び真の液体状態(融解又は溶液)の間の中間体である。温度における変化の結果として起こる中間相状態は「温度屈性」として示され、及び水又は他の溶媒の如き第二の成分の添加から生ずる中間相状態は「親液性」として示される。親液性中間相を形成する可能性を有する化合物は「両親媒性」として示され、及び(−COO-Na+、−COO-+又は−SO3-Na+の如き)イオン性又は(−N-+(CH33の如き)非イオン性極性ヘッド基を有する分子から成る。さらなる情報のために、Crystals and the Polarizing Microscope by N. H. Hartshorne and A. Stuart, 4th Edition (Edward Arnold, 1970)を参照のこと。
【0022】
本明細書中後に、式Iの化合物についての全ての引用はその塩、溶媒和物、多成分複合体及び液体結晶についての並びにその塩の溶媒和物、多成分複合体及び液体結晶についての引用を含む。
【0023】
本発明に係る化合物は、その全ての同質異像及び晶癖、本明細書中後に定義されるそのプロドラッグ及び(光学、幾何及び互変異性体を含む)異性体並びに式Iの同位体標識化合物を含む、本明細書中前記に定義される式Iの化合物を含む。
【0024】
別段の定めなき限り、本明細書中で使用されるとき、用語「Bは不在である」は窒素及び他の基の間の直接結合(例えば、−N−D)を意味する。
別段の定めなき限り、本明細書中で使用されるとき、用語「ハロ」及び「ハロゲン」はF、Cl、Br及びIを含む。
【0025】
別段の定めなき限り、本明細書中で使用されるとき、用語「アルキル」は直鎖の又は有枝鎖の基を有する飽和一価炭化水素ラヂカルを含む。アルキル基の例は、非限定的に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル及びt−ブチルを含む。
【0026】
別段の定めなき限り、本明細書中で使用されるとき、用語「アルケニル」は少なくとも1の炭素−炭素二重結合を有するアルキル基を含み、ここで、アルキルは上記に定義されるとおりである。アルケニルの例は、非限定的に、エテニル及びプロペニルを含む。
【0027】
別段の定めなき限り、本明細書中で使用されるとき、用語「アルキレン」は直鎖の又は有枝鎖の基を有する飽和二価炭化水素ラヂカルを含む、すなわち、一般的に2の他の基の間の架橋基として存在する。アルキレン基の例は−CH2−(メチレン);−CH2CH2−(エチレン);−CH2CH2CH2−(プロピレン)、−CH(CH3)CH2−(イソプロピレン)等を含む。
【0028】
別段の定めなき限り、本明細書中で使用されるとき、用語「アルケニレン」は少なくとも1の炭素−炭素二重結合を有する二価炭化水素ラヂカルを含み、及びエチエニレンの如き直鎖の又は有枝鎖のアルケニレン基を含みうる。アルケニレン基は一般的に2の他の基の間の架橋基として存在する。
【0029】
別段の定めなき限り、本明細書中で使用されるとき、用語「シクロアルキル」は非芳香族飽和環状アルキル基を含み、ここで、アルキルは上記に定義されるとおりである。シクロアルキルの例は、非限定的に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを含む。「バイシクロアルキル」及び「トリシクロアルキル」基はそれぞれ、2又は3環から成る非芳香族飽和炭素環状基であり、ここで、前記環は少なくとも1の炭素原子を共有する。別段の定めなき限り、本発明の目的のために、バイシクロアルキル基はスピロ基及び融合環基を含む。バイシクロアルキル基の例は、非限定的に、バイシクロ−[3.1.0]−ヘキシル、バイシクロ−[2.2.1]−ヘプト−1−イル、ノルボルニル、スピロ[4.5]デシル、スピロ[4.4]ノニル、スピロ[4.3]オクチル、及びスピロ[4.2]ヘプチルを含む。トリシクロアルキル基の例はアダマンタニルである。他のシクロアルキル、バイシクロアルキル及びトリシクロアルキル基は本分野において知られ、及び上記基は本明細書中で定義「シクロアルキル」、「バイシクロアルキル」及び「トリシクロアルキル」により含まれる。「シクロアルケニル」、「バイシクロアルケニル」及び「トリシクロアルケニル」は、シクロアルケニル、バイシクロアルケニル及びトリシクロアルケニルが炭素環員をつなぐ1以上の炭素−炭素二重結合(「内環」二重結合)及び/又は炭素環員及び近隣の非環炭素をつなぐ1以上の炭素−炭素二重結合(「外環」二重結合)を含む点を除いては、上記に定義される非芳香族炭素環状シクロアルキル、バイシクロアルキル及びトリシクロアルキル基をいう。シクロアルケニル基の例は、非限定的に、シクロペンテニル、シクロブテニル及びシクロヘキセニルを含み、及びバイシクロアルケニル基の非限定的な例はノルボルネニルである。シクロアルキル、シクロアルケニル、バイシクロアルキル及びバイシクロアルケニル基はまた1以上のオキソ基で置換される基を含む。オキソ基を有する上記基の例はオキソシクロペンチル、オキソシクロブチル、オキソシクロペンテニル及びノルカムフォリルである。他のシクロアルケニル、バイシクロアルケニル及びトリシクロアルケニル基は本分野において知られ、及び上記基は本明細書中で定義「シクロアルケニル」、「バイシクロアルケニル」及び「トリシクロアルケニル」に含まれる。
【0030】
別段の定めなき限り、本明細書中で使用されるとき、用語「アリール」は1の水素の除去により芳香族炭化水素に由来する有機ラヂカルを含み、及びフェニル、ナフチル、インデニル、インダニル、テトラリニル及びフルオレニルの如き基を含む。「アリール」は少なくとも1の環が芳香族である融合環基を含む。
【0031】
別段の定めなき限り、本明細書中で使用されるとき、用語「ヘテロ環状」、「ヘテロシクロアルキル」及びそのような用語はそれぞれ、O、S及びNから選ばれる1以上のヘテロ原子、好ましくは1〜4のヘテロ原子を含む非芳香族環状基をいう。「ヘテロバイシクロアルキル」基は非芳香族2環の環状基であり、ここで、前記環は1又は2の原子を共有し、及びここで、上記環のうちの少なくとも1はヘテロ原子(O、S又はN)を含む。ヘテロバイシクロアルキル基は、本発明の目的のために及び別段の定めなき限り、スピロ基及び融合環基を含む。本発明に係る化合物のヘテロ環状(すなわち、ヘテロシクロアルキル、ヘテロバイシクロアルキル)基はヘテロ原子としてO、S(O)ゼロ-2、及び/又はNを含みうる、ここで、S(O)ゼロ-2の下付き文字「ゼロ−2」はゼロ、1及び2から成る整数の群を示す。したがって、S(O)ゼロ-2はS、S(=O)、及びS(O)2から成る群を示す。1の態様において、ヘテロバイシクロアルキルにおけるそれぞれの環は4までのヘテロ原子(すなわち、ゼロ〜4のヘテロ原子、ここで、少なくとも1の環は少なくとも1のヘテロ原子を含む)を含む。本発明に係る、ヘテロ二環状基を含むヘテロ環状基はまた1以上のオキソ基で置換される環系をも含みうる。ヘテロ二環状基を含むヘテロ環状基は二重結合を含みうる、例えば、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロバイシクロアルケニル。非芳香族ヘテロ環状基の例はアジリヂニル、アゼチヂニル、ピローリヂニル、ピペリヂニル、アゼピニル、ピペラジニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリヂニル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルフォリノ、チオモルフォリノ、チオキサニル、ピローリニル、インドリニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ヂオキサニル、1,3−ヂオキソラニル、ピラゾリニル、ヂヒドロピラニル、ヂヒドロチエニル、ヂヒドロフラニル、ピラゾリヂニル、イミダゾリニル、イミダゾリヂニル、3−アザバイシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザバイシクロ[4.1.0]ヘプタニル、キノリジニル、キヌクリヂニル、1,4−ヂオキサスピロ[4.5]デシル、1,4−ヂオキサスピロ[4.4]ノニル、1,4−ヂオキサスピロ[4.3]オクチル及び1,4−ヂオキサスピロ[4.2]ヘプチルである。
【0032】
別段の定めなき限り、本明細書中で使用されるとき、「ヘテロアリール」は1以上のヘテロ原子(O、S又はN)、好ましくは1〜4のヘテロ原子を含む芳香基をいう。基のうちの少なくとも1の環が芳香族である1以上のヘテロ原子を含む多環状基は「ヘテロアリール」基である。本発明に係るヘテロアリール基はまた1以上のオキソ基で置換される環系をも含みうる。ヘテロアリール基の例はピリヂニル、ピリダジニル、イミダゾリル、ピリミヂニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、キノリル、イソキノリル、1,2,3,4−テトラヒドログルノリル、テトラゾリル、フリール、チエニル、イソキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピローリル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、トリアジニル、1,2,4−トリアジニル、1,3,5−トリアジニル、イソインドリル、1−オキソイソインドリル、プリニル、オキサヂアゾリル、チアヂアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリヂニル、ヂヒドロキノリル、テトラヒドロキノリル、ヂヒドロイソキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ベンゾフリール、フロピリヂニル、ピロロピリミヂニル及びアザインドリルである。
【0033】
当業者により理解されるように、式Iの使用は便宜であり、及び本発明は本明細書中で個々に同定される及び示されるかのように、この取決めにしたがうそれぞれの及びあらゆる種を構想する及び含むことが理解される。したがって、本発明はそれぞれの種を別々に企図し、及び種のいかなる及び全ての組み合わせ及び順列は式Iに入る。
上記に列挙される化合物に由来する上記基はそれが可能である場合C−結合又はN−結合でありうる。例えば、ピロールに由来する基はピロール−1−イル(N−結合)又はピロール−3−イル(C−結合)でありうる。上記基を言及する用語はまた全ての可能な互変異性体を含む。
【0034】
本発明はまた式Iの化合物の全てのプロドラッグをも含む。プロドラッグはそれ自体所望の薬理学的活性を有しないが、哺乳類に、例えば、非経口で又は経口で投与され、その後哺乳類の体内で代謝され、所望の薬理学的活性を有する化合物を形成しうる化合物である。例えば、式Iの化合物のプロドラッグは哺乳類への投与後、式Iの化合物に代謝される。さらに、最終脱保護段階前に作出されうる式Iの化合物のある保護された誘導体は、いくつかの場合、哺乳類に投与され、及びその後哺乳類の体内で代謝され、薬理学的に活性な本発明に係る化合物を形成しうることが当業者により理解されるであろう。上記誘導体はそれゆえまた式Iの化合物の「プロドラッグ」であり、及び本発明の部分である。
【0035】
他の局面において、本発明はR1がハロ、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシである、及びここで、前記アルキル及びアルコキシは1〜3のハロ原子で場合により置換される式Iの化合物に関する。
【0036】
1の局面において、本発明はR1がハロ、好ましくは−Clである、及びmが1である、式Iの化合物に関する。
他の局面において、本発明はR2が−Hである式Iの化合物に関する。
他の局面において、本発明はR3が以下に示されるような式IIIの基:
【化4】

{式中、Dは−C1−C8アルキルである;及びX、Y、Z及びBは上記に定義されるとおりである、及びここで、前記X、Y及びZは上記に定義されるようにそれぞれ場合により独立に置換される}
である、式Iの化合物に関する。
【0037】
他の局面において、R3は以下に示されるような式IIの基:
【化5】

{式中、X、Y、Z及びBは上記に定義されるとおりである、及びここで、前記X、Y及びZは上記に定義されるようにそれぞれ場合により独立に置換される}
である。
【0038】
他の局面において、R3は以下に示されるような式IIの基:
【化6】

{式中、BはC1−C4アルキレンである;
X、Y及びZは−H、−C1−C8アルキル、−C2−C8アルケニル、−C1−C8アルコキシ、−C2−C8アルケンオキシ、−ハロ、−OH、−CN、−NO2、−(CH2q−NR78、−(CH2q−C(=O)NR78、−(CH2q−C(=O)R9、−(CH2q−C(=O)OR9、−S(C1−C8アルキル)、−(CH2q−SO29、−(CH2q−((3〜10員)ヘテロシクロアルキル)、−(CH2q−(C6−C14アリール)、−(CH2q−((4〜10員)ヘテロアリール)及び−(CH2q−(C6−C14アリールオキシ)からそれぞれ独立に選ばれる;
ここで、前記X、Y及びZはハロ、−OH及び−CNから独立に選ばれる1〜3の置換基でそれぞれ場合により独立に置換される;及び
qは0、1又は2である}
である。
【0039】
他の局面において、R3は以下に示されるような式IIの基:
【化7】

{式中、Bはメチレンである;qは1である;及びX、Y及びZは上記に定義されるとおりである、ここで、前記X、Y及びZは上記に定義されるようにそれぞれ場合により独立に置換される}
である。
【0040】
他の局面において、R3は以下に示されるような式IIの基:
【化8】

{式中、BはC1−C8アルキレンである;
X、Y及びZは−H、−C1−C8アルキル、−C2−C8アルケニル、−C1−C8アルコキシ、−C2−C8アルケンオキシ、−ハロ、−OH、−CN、−NO2、−(CH2q−NR78、−(CH2q−C(=O)NR78、−(CH2q−C(=O)R9、−(CH2q−C(=O)OR9、−S(C1−C8アルキル)、−(CH2q−SO29、−(CH2q−((3〜10員)ヘテロシクロアルキル)、−(CH2q−(C6−C14アリール)、−(CH2q−((4〜10員)ヘテロアリール)及び−(CH2q−(C6−C14アリールオキシ)からそれぞれ独立に選ばれる;
ここで、X、Y及びZの前記アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルケンオキシ、−S(C1−C8アルキル)、アリール及びアリールオキシはハロ、−OH及び−CNから独立に選ばれる1〜3の置換基でそれぞれ場合により独立に置換される;及び
qは0、1又は2である}
である。
【0041】
他の局面において、R3は以下に示されるような式IIの基:
【化9】

{式中、BはC1−C8アルキレンである;qは0、1又は2である;及びX、Y及びZの前記−(CH2q−(C6−C14アリール)のアリールはフェニルである、X、Y及びZの前記−(CH2q−C(=O)R9の及び前記−(CH2q−SO29のR9はフェニルである、及びX、Y及びZの前記−(CH2q−(C6−C14アリールオキシ)のアリールオキシはフェノキシである、ここで、前記X、Y及びZは上記に定義されるようにそれぞれ場合により独立に置換される}
である。
【0042】
他の局面において、R3は以下に示されるような式IIの基:
【化10】

{式中、BはC1−C8アルキレンである;qは0、1又は2である;及びX、Y及びZの前記−(CH2q−(3〜10員)ヘテロシクロアルキルのヘテロシクロアルキルはピローリヂニル及びモルフォリニルから選ばれる、ここで、前記X、Y及びZは上記に定義されるようにそれぞれ場合により独立に置換される}
である。
【0043】
他の局面において、R3は以下に示されるような式IIの基:
【化11】

{式中、Bは−C1−C8アルキレンである;qは0、1又は2である;及びX、Y及びZの前記−(CH2q−(4〜10員)ヘテロアリールのヘテロアリールはイミダゾリル、チアヂアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル及びテトラゾリルから選ばれる、ここで、前記X、Y及びZは上記に定義されるようにそれぞれ場合により独立に置換される}
である。
【0044】
他の局面において、R3はアリール又はベンジルである。
本発明の特定の態様は以下の式Iの化合物、その全ての医薬として許容される塩、その複合体、及び投与に際して医薬として活性な化合物に変換するその誘導体を含む:
4−{[(1−カルバモイル−2−フェニル−エチル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−ヂメチルアミノメチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−モルフォリン−4−イルメチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[ベンジル−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−シアノ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
【0045】
(R)−2−[(4−第三−ブチル−ベンジル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3−シアノ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−[1,2,3]チアヂアゾール−4−イル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−オキサゾール−2−イル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−{(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−[4−(3−メチル−[1,2,4]オキサヂアゾール−5−イル)−ベンジル]−アミノ}−2−フェニル−アセトアミド;
【0046】
(R)−2−{(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−[4−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−ベンジル]−アミノ}−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−{(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−ベンジル]−アミノ}−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−(2,2−ヂメチル−プロピルアミノ)−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2,2−ヂメチル−プロピル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2−メチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3−メチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3−クロロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2−シアノ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3−フルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−フルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
【0047】
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2,4−ヂフルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3,4−ヂフルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3−トリフルオロメチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2−トリフルオロメチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2−クロロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2,6−ヂクロロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
【0048】
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2−フルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2,6−ヂフルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3−ヂフルオロメトキシ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(5−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
【0049】
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−3−メトキシ−安息香酸メチルエステル;
(R)−2−[ビフェニル−2−イルメチル−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(2−ベンゼンスルフォニルメチル−ベンジル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2,3−ヂフルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3,5−ヂフルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2,3,6−トリフルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
【0050】
(R)−3−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3,4−ヂクロロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2−フルオロ−3−メチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2,4,5−トリフルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2,4,6−トリフルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2−クロロ−4−フルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
【0051】
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンジル]−アミノ}−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2’−シアノ−ビフェニル−4−イルメチル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−メチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3−ニトロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2−メトキシ−5−ニトロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2−ヒドロキシ−5−ニトロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−ニトロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
【0052】
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2,5−ヂフルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−ブロモ−2−フルオロ−ベンジル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4,5−ヂメトキシ−2−ニトロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
【0053】
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3−メトキシ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3,5−ヂメトキシ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−トリフルオロメチルスルファニル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−ベンゾイル−ベンジル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−ブトキシ−2−トリフルオロメチル−キノリン−6−イルメチル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルメチル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
【0054】
(R)−2−[(3−ベンジルオキシ−ベンジル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−ピラゾール−1−イル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−エチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−N−ブチル−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−ベンザミド;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−N−メチル−ベンザミド;
(R)−(4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−フェニル)−酢酸2−オキソ−2−フェニル−エチルエステル;
(R)−2−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−ベンゾイル−ベンジル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−{(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−[3−(2−フルオロ−フェノキシ)−ベンジル]−アミノ}−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−クロロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3,5−ヂメチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;及び
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド。
【0055】
本発明の特定の態様はまた以下の式Iの化合物、その全ての医薬として許容される塩、その複合体、及び投与に際して医薬として活性な化合物に変換するその誘導体を含む:
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−モルフォリン−4−イルメチル−ベンジル)−アミノ]−N−メチル−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−モルフォリン−4−イルメチル−ベンジル)−アミノ]−N−エチル−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−4−{[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(メチルカルバモイル−フェニル−メチル)−アミノ]−メチル}−N−メチル−ベンザミド;
(R)−4−{[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(エチルカルバモイル−フェニル−メチル)−アミノ]−メチル}−N−メチル−ベンザミド;
(R)−2−[(4−ブロモ−2−フルオロ−ベンジル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−N−メチル−2−フェニル−アセトアミド;
【0056】
(R)−2−[(4−ブロモ−2−フルオロ−ベンジル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−N−エチル−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−オキサゾール−2−イル−ベンジル)−アミノ]−N−メチル−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−オキサゾール−2−イル−ベンジル)−アミノ]−N−エチル−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−クロロ−2−フルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−クロロ−2−フルオロ−ベンジル)−アミノ]−N−メチル−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−クロロ−2−フルオロ−ベンジル)−アミノ]−N−エチル−2−フェニル−アセトアミド;
【0057】
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−シアノ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(3−クロロ−4−メチル−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(3−フルオロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(2,3,4−トリフルオロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(3,4−ヂフルオロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(3−ブロモ−ベンゼンスルフォニル)−(カルバモイル−フェニル−メチル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
【0058】
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(トルエン−4−スルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[ベンゼンスルフォニル−(カルバモイル−フェニル−メチル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(4−ブロモ−ベンゼンスルフォニル)−(カルバモイル−フェニル−メチル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(3−トリフルオロメチル−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
【0059】
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−フルオロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−メトキシ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(トルエン−3−スルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(2−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(3−クロロ−4−フルオロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(2,4−ヂフルオロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(3,5−ヂフルオロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−クロロ−3−ニトロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(5−フルオロ−2−メチル−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
【0060】
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(2,3−ヂクロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(4−ブロモ−2−メチル−ベンゼンスルフォニル)−(カルバモイル−フェニル−メチル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(2−トリフルオロメトキシ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(3,4−ヂメトキシ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
【0061】
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−クロロ−2,5−ヂメチル−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−イソプロピル−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−プロピル−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;及び
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(3−ニトロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル。
【0062】
示されるように、式Iの化合物のいわゆる「プロドラッグ」はまた本発明の範囲内である。したがって、それ自体ほとんど又は全く薬理学的活性を有しない式Iの化合物のある誘導体は、体内に又は体上に投与されるとき、例えば、加水分解切断により、所望の活性を有する式Iの化合物に変換されうる。上記誘導体は「プロドラッグ」と呼ばれる。プロドラッグの使用についてのさらなる情報はPro−drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14, ACS Symposium Series(T. Higuchi and W. Stella)及びBioreversible Carriers in Drug Design, Pergamon Press, 1987(Ed. E. B. Roche, American Pharmaceutical Association)中に見られうる。
【0063】
本発明にしたがうプロドラッグは、例えば、式Iの化合物中に存在する適切な官能基を、例えば、Design of Prodrugs by H. Bundgaard(Elsevier, 1985)中に示されるような「プロ−基」として当業者に知られるある基で置換することにより作出されうる。
【0064】
本発明にしたがうプロドラッグのいくつかの例は、非限定的に、
(i)式Iの化合物がカルボン酸官能基(−COOH)、そのエステルを含む場合、例えば、式Iの化合物のカルボン酸官能基の水素が(C1−C8)アルキルにより置換される化合物;
(ii)式Iの化合物がアルコール官能基(−OH)、そのエーテルを含む場合、例えば、式Iの化合物のアルコール官能基の水素が(C1−C6)アルカノイルオキシメチルにより置換される化合物;及び
(iii)式Iの化合物が第一又は第二アミノ官能基(−NH2又は−NHR、ここで、R≠H)、そのアミド含む場合、例えば、場合により式Iの化合物のアミノ官能基の1又は両方の水素が(C1−C10)アルカノイルにより置換される化合物
を含む。
【0065】
上記例及び他のプロドラッグ型の例にしたがう置換基のさらなる例は上記に挙げられる引用文献中に見られうる。
さらに、ある式Iの化合物はそれ自体他の式Iの化合物のプロドラッグとしてはたらきうる。
式Iの化合物の代謝産物、すなわち、上記薬物の投与に際してin vivoで形成される化合物もまた本発明の範囲内に含まれる。本発明にしたがう代謝産物のいくつかの例は、非限定的に、
(i)式Iの化合物がメチル基を含む場合、そのヒドロキシメチル誘導体(−CH3→−CH2OH);
(ii)式Iの化合物がアルコキシ基を含む場合、そのヒドロキシ誘導体(−OR→−OH);
(iii)式Iの化合物が第三アミノ基を含む場合、その第二アミノ誘導体(−NR12→−NHR1又は−NHR2);
(iv)式Iの化合物が第二アミノ基を含む場合、その第一誘導体(−NHR1→−NH2);
(v)式Iの化合物がフェニル基を含む場合、そのフェノール誘導体(−Ph→−PhOH);及び
(vi)式Iの化合物がアミド基を含む場合、そのカルボン酸誘導体(−CONH2→COOH)
を含む。
【0066】
1以上の不斉炭素原子を含む式Iの化合物は2以上の立体異性体として存在しうる。式Iの化合物がアルケニル又はアルケニレン基を含む場合、幾何シス/トランス(又はZ/E)異性体は可能である。構造異性体が低エネルギーバリアを介して相互転換可能である場合、互変異性体異性(「互変異性」)が起こりうる。これは、例えば、イミノ、ケト又はオキシム基を含む式Iの化合物においてプロトン互変異性又は芳香基を含む化合物においていわゆる原子価互変異性の形態を取りうる。単一の化合物は1超の型の異性を示しうるということになる。
【0067】
1超の型の異性を示す化合物を含む、式Iの化合物の全ての立体異性体、幾何異性体及び互変異性形、及びそれらの1以上の混合物は本発明の範囲内に含まれる。対イオンが光学活性である酸添加又は塩基塩、例えば、d−乳酸塩又はl−リジン又はラセミ体、例えば、dl−酒石酸塩又はdl−アルギニンもまた含まれる。
【0068】
シス/トランス異性体は当業者に周知の慣用の技術、例えば、クロマトグラフィー及び画分結晶化により分離されうる。
個々のエナンチオマーの調製/単離のための慣用の技術は好適な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成又は例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いたラセミ体(又は塩又は誘導体のラセミ体)の分離を含む。
【0069】
あるいは、ラセミ体(又はラセミ前駆体)は好適な光学活性化合物、例えば、アルコール又は式Iの化合物が酸性又は塩基性基を含む場合、1−フェニルエチルアミン又は酒石酸の如き塩基又は酸と反応されうる。生ずるヂアステレオマー混合物はクロマトグラフィー及び/又は画分結晶化により分離され、及び1又は両方のヂアステレオアイソマーは当業者に周知の方法により対応する純粋なエナンチオマーに変換されうる。
【0070】
本発明に係るキラル化合物(及びそのキラル前駆体)は体積で0〜50%のイソプロパノール、典型的には2%〜20%、及び体積で0〜5%のアルキルアミン、典型的には0.1%ヂエチルアミンを含む炭化水素、典型的にはヘプタン又はヘキサンから成る移動相を有する不斉樹脂上でのクロマトグラフィー、典型的にはHPLCを用いてエナンチオマーが豊富な形態で得られうる。溶離物の濃縮は濃縮された混合物を与える。
【0071】
ラセミ体が結晶化するとき、2の異なる型の結晶が可能である。第一の型は等モル量で両方のエナンチオマーを含む1の同質の形の結晶が生成される上記に言及されるラセミ混合物(真のラセミ体)である。第二の型はそれぞれ単一のエナンチオマーを含む2の形の結晶が等モル量で生成されるラセミ混合物又は集合である。
【0072】
ラセミ混合物中に存在する結晶形の両方は同一の物理的特性を有するが、それらは真のラセミ体に比較して異なる物理的特性を有しうる。ラセミ混合物は当業者に知られる慣用の技術により分離されうる−例えば、Stereochemistry of Organic Compounds by E. L. Eliel and S. H. Wilen (Wiley, 1994)を参照のこと。
【0073】
本発明は1以上の原子が同じ原子番号を有するが、天然で優位を占める原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子により置換される、式Iの全ての医薬として許容される同位体標識化合物を含む。
【0074】
本発明に係る化合物中の包含に好適な同位体の例は、非限定的に、2H及び3Hの如き水素、11C、13C及び14Cの如き炭素、38Clの如き塩素、18Fの如きフッ素、123I及び125Iの如きヨー素、13N及び15Nの如き窒素、15O、17O及び18Oの如き酸素、32Pの如きリン、及び35Sの如き硫黄の同位体を含む。
【0075】
式Iのある同位体標識化合物、例えば、放射活性同位体を組み込むものは薬物及び/又は基質組織分布研究において有用である。放射活性同位体トリチウム、すなわち、3H、及び炭素−14、すなわち、14Cはそれらの組み込みの容易さ及び容易な検出方法の観点からこの目的のために特に有用である。
【0076】
重水素、すなわち、2Hの如きより重い同位体での置換はより大きな代謝安定性、例えば、増大したin vivo半減期又は減少した投与量必要性から生ずるある治療的利点を提供しうる、及びそれゆえ、いくつかの状況において好まれうる。
11C、18F、15O及び13Nの如き陽電子放出同位体での置換は基質受容体占有を調べるためのPositron Emission Topography(PET)研究において有用でありうる。
【0077】
式Iの同位体標識化合物は一般的に、以前に使用される非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を用いて、当業者に知られる慣用の技術により又は付属の実施例及び調製において示されるものに類似のプロセスにより調製されうる。
本発明にしたがう医薬として許容される溶媒は、結晶化の溶媒が同位体置換されうるもの、例えば、D2O、d6−アセトン、d6−DMSOを含む。
【0078】
本明細書中前記に定義される式IIの中間体化合物、式Iの化合物について本明細書中前記に定義されるその全ての塩、溶媒和物及び複合体、並びにその塩の全ての溶媒和物及び複合体もまた本発明の範囲内である。本発明は上記に挙げられる種の全ての同質異像及びその晶癖を含む。
【0079】
本発明にしたがう式Iの化合物を調製するとき、この目的のために特徴の最もよい組み合わせを提供する式IIの化合物の形態を慣例のように選択することは当業者に明らかである。上記特徴は、非限定的に、融点、溶解性、プロセス可能性及び中間体形の収率並びに生成物が単離に際して精製されうる結果としての容易さを含む。
【0080】
本発明に係る式Iの化合物、及びそれらの医薬として許容される塩は有用な製薬及び医薬特性を有する。式Iの化合物、及びそれらの医薬として許容される塩はヒトを含む哺乳類においてAβ−ペプチドの生成(したがって、ガンマ−セクレターゼ活性)を阻害する。式Iの化合物、及びそれらの医薬として許容される塩はそれゆえ、ヒトを含む、患う哺乳類において、以下に代表として列挙される神経変性及び/又は神経学的障害及び疾患、例えば、アルツハイマー病の治療において治療用剤として機能することができる。
【0081】
本発明はまた、Aβ−ペプチド生成を阻害することにおいて有効な量の式Iの化合物又はその医薬として許容される塩、及び医薬として許容される担体を含む、ヒトを含む哺乳類におけるアルツハイマー病、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳のアミロイド血管症、プリオン仲介疾患、封入体筋炎、卒中、多発性硬化症、頭部外傷、軽い認識障害及びダウン症候群から成る群から選ばれる疾患又は状態を治療するための医薬組成物にも関する。
【0082】
本発明はまた、Aβ−ペプチド生成を阻害することにおいて有効な量の式Iの化合物又はその医薬として許容される塩、及び医薬として許容される担体を含む、ヒトを含む哺乳類におけるアルツハイマー病及びダウン症候群から成る群から選ばれる疾患又は状態を治療するための医薬組成物にも関する。
【0083】
本発明はまた、上記疾患又は状態を治療することにおいて有効な量の式Iの化合物又はその医薬として許容される塩、及び医薬として許容される担体を含む、ヒトを含む哺乳類におけるアルツハイマー病、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳のアミロイド血管症、プリオン仲介疾患、封入体筋炎、卒中、多発性硬化症、頭部外傷、軽い認識障害及びダウン症候群から成る群から選ばれる疾患又は状態を治療するための医薬組成物にも関する。
【0084】
本発明はまた、上記疾患又は状態を治療することにおいて有効な量の式Iの化合物又はその医薬として許容される塩、及び医薬として許容される担体を含む、ヒトを含む哺乳類におけるアルツハイマー病及びダウン症候群から成る群から選ばれる疾患又は状態を治療するための医薬組成物にも関する。
【0085】
本発明はまた、Aβ−生成を阻害することにおいて有効な量の式Iの化合物又はその医薬として許容される塩を前記哺乳類に投与することを含む、ヒトを含む哺乳類におけるアルツハイマー病、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳のアミロイド血管症、プリオン仲介疾患、封入体筋炎、卒中、多発性硬化症、頭部外傷、軽い認識障害及びダウン症候群から選ばれる疾患又は状態の治療方法にも関する。
【0086】
本発明はまた、Aβ−生成を阻害することにおいて有効な量の式Iの化合物又はその医薬として許容される塩を前記哺乳類に投与することを含む、ヒトを含む哺乳類におけるアルツハイマー病及びダウン症候群から選ばれる疾患又は状態の治療方法にも関する。
【0087】
本発明はまた、上記状態を治療することにおいて有効な量の式Iの化合物又はその医薬として許容される塩を前記哺乳類に投与することを含む、ヒトを含む哺乳類におけるアルツハイマー病、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳のアミロイド血管症、プリオン仲介疾患、封入体筋炎、卒中、多発性硬化症、頭部外傷、軽い認識障害及びダウン症候群から選ばれる疾患又は状態の治療方法にも関する。
【0088】
本発明はまた、上記状態を治療することにおいて有効な量の式Iの化合物又はその医薬として許容される塩を前記哺乳類に投与することを含む、ヒトを含む哺乳類におけるアルツハイマー病及びダウン症候群から選ばれる疾患又は状態の治療方法にも関する。
【0089】
式Iの化合物は単独で使用され又は非限定的に、記憶を高める剤、例えば、Aricept(商標)及び/又はNamenda(商標)、抗うつ剤、例えば、Zoloft(商標)、抗不安薬、抗精神病剤、例えば、Geodon(商標)、睡眠障害剤、抗炎症剤、例えば、Celebrex(商標)、Bextra(商標)等、抗オキシダント剤、コレステロール調節剤(例えば、LDLを低下させる又はHDLを増大させる剤)、例えば、Lipitor(商標)、Caduet(商標)等、ヒスタミン(H2)アンタゴニスト、例えば、Cimetadine(商標)、及び抗高血圧剤、例えば、Norvasc(商標)、Caduet(商標)等を含む他の薬物と共に使用されうる。したがって、本発明はまた上記に示される型のものの如き他の薬物を伴う式Iの化合物を含む以下の医薬組成物及び治療方法にも関する。
【0090】
本発明はまた、(a)式Iの化合物又はその医薬として許容される塩;(b)記憶を高める剤、例えば、Aricept(商標)及び/又はNamenda(商標)、抗うつ剤、例えば、Zoloft(商標)、抗不安薬、抗精神病剤、例えば、Geodon(商標)、睡眠障害剤、抗炎症剤、例えば、Celebrex(商標)、Bextra(商標)等、抗オキシダント剤、コレステロール調節剤(例えば、LDLを低下させる又はHDLを増大させる剤)、例えば、Lipitor(商標)、Caduet(商標)等、ヒスタミン(H2)アンタゴニスト、例えば、Cimetadine(商標)、及び抗高血圧剤、例えば、Norvasc(商標)、Caduet(商標)等;及び(c)医薬として許容される担体を含む、ヒトを含む哺乳類におけるAβ−ペプチド生成に関連する疾患又は状態を治療するための医薬組成物にも関する;ここで、上記活性剤「a」及び「b」は上記組成物を上記疾患又は状態を治療することにおいて有効にさせる量で存在する。
【0091】
本発明はまた、(a)式Iの化合物又はその医薬として許容される塩;(b)記憶を高める剤、例えば、Aricept(商標)及び/又はNamenda(商標)、抗うつ剤、例えば、Zoloft(商標)、抗不安薬、抗精神病剤、例えば、Geodon(商標)、睡眠障害剤、抗炎症剤、例えば、Celebrex(商標)、Bextra(商標)等、抗オキシダント剤、コレステロール調節剤(例えば、LDLを低下させる又はHDLを増大させる剤)、例えば、Lipitor(商標)、Caduet(商標)等、ヒスタミン(H2)アンタゴニスト、例えば、Cimetadine(商標)、及び抗高血圧剤、例えば、Norvasc(商標)、Caduet(商標)等;及び(c)医薬として許容される担体を含む、ヒトを含む哺乳類におけるアルツハイマー病、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳のアミロイド血管症、プリオン仲介疾患、封入体筋炎、卒中、多発性硬化症、頭部外傷、軽い認識障害及びダウン症候群から成る群から選ばれる疾患又は状態を治療するための医薬組成物にも関する;ここで、上記活性剤「a」及び「b」は上記組成物を上記疾患又は状態を治療することにおいて有効にさせる量で存在する。
【0092】
本発明はまた、(a)式Iの化合物又はその医薬として許容される塩;(b)記憶を高める剤、例えば、Aricept(商標)及び/又はNamenda(商標)、抗うつ剤、例えば、Zoloft(商標)、抗不安薬、抗精神病剤、例えば、Geodon(商標)、睡眠障害剤、抗炎症剤、例えば、Celebrex(商標)、Bextra(商標)等、抗オキシダント剤、コレステロール調節剤(例えば、LDLを低下させる又はHDLを増大させる剤)、例えば、Lipitor(商標)、Caduet(商標)等、ヒスタミン(H2)アンタゴニスト、例えば、Cimetadine(商標)、及び抗高血圧剤、例えば、Norvasc(商標)、Caduet(商標)等;及び(c)医薬として許容される担体を含む、ヒトを含む哺乳類におけるアルツハイマー病及びダウン症候群から成る群から選ばれる疾患又は状態を治療するための医薬組成物にも関する;ここで、上記活性剤「a」及び「b」は上記組成物を上記疾患又は状態を治療することにおいて有効にさせる量で存在する。
【0093】
本発明はまた、(a)式Iの化合物又はその医薬として許容される塩;及び(b)記憶を高める剤、例えば、Aricept(商標)及び/又はNamenda(商標)、抗うつ剤、例えば、Zoloft(商標)、抗不安薬、抗精神病剤、例えば、Geodon(商標)、睡眠障害剤、抗炎症剤、例えば、Celebrex(商標)、Bextra(商標)等、抗オキシダント剤、コレステロール調節剤(例えば、LDLを低下させる又はHDLを増大させる剤)、例えば、Lipitor(商標)、Caduet(商標)等、ヒスタミン(H2)アンタゴニスト、例えば、Cimetadine(商標)、及び抗高血圧剤、例えば、Norvasc(商標)、Caduet(商標)等を前記哺乳類に投与することを含む、ヒトを含む哺乳類におけるAβ−ペプチド生成に関連する疾患又は状態の治療方法にも関する;ここで、上記活性剤「a」及び「b」は上記組成物を上記疾患又は状態を治療することにおいて有効にさせる量で存在する。
【0094】
本発明はまた、(a)式Iの化合物又はその医薬として許容される塩;及び(b)記憶を高める剤、例えば、Aricept(商標)及び/又はNamenda(商標)、抗うつ剤、例えば、Zoloft(商標)、抗不安薬、抗精神病剤、例えば、Geodon(商標)、睡眠障害剤、抗炎症剤、例えば、Celebrex(商標)、Bextra(商標)等、抗オキシダント剤、コレステロール調節剤(例えば、LDLを低下させる又はHDLを増大させる剤)、例えば、Lipitor(商標)、Caduet(商標)等、ヒスタミン(H2)アンタゴニスト、例えば、Cimetadine(商標)、及び抗高血圧剤、例えば、Norvasc(商標)、Caduet(商標)等を前記哺乳類に投与することを含む、ヒトを含む哺乳類におけるアルツハイマー病、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳のアミロイド血管症、プリオン仲介疾患、封入体筋炎、卒中、多発性硬化症、頭部外傷、軽い認識障害及びダウン症候群から成る群から選ばれる疾患又は状態の治療方法にも関する;ここで、上記活性剤「a」及び「b」は上記組成物を上記疾患又は状態を治療することにおいて有効にさせる量で存在する。
【0095】
本発明はまた、(a)式Iの化合物又はその医薬として許容される塩;及び(b)記憶を高める剤、例えば、Aricept(商標)及び/又はNamenda(商標)、抗うつ剤、例えば、Zoloft(商標)、抗不安薬、抗精神病剤、例えば、Geodon(商標)、睡眠障害剤、抗炎症剤、例えば、Celebrex(商標)、Bextra(商標)等、抗オキシダント剤、コレステロール調節剤(例えば、LDLを低下させる又はHDLを増大させる剤)、例えば、Lipitor(商標)、Caduet(商標)等、ヒスタミン(H2)アンタゴニスト、例えば、Cimetadine(商標)、及び抗高血圧剤、例えば、Norvasc(商標)、Caduet(商標)等を前記哺乳類に投与することを含む、ヒトを含む哺乳類におけるアルツハイマー病及びダウン症候群から成る群から選ばれる疾患又は状態の治療方法にも関する;ここで、上記活性剤「a」及び「b」は上記組成物を上記疾患又は状態を治療することにおいて有効にさせる量で存在する。
【0096】
式Iの化合物又は前記節中に示される組み合わせのいずれかは場合によりヴェラパミルの如き既知のP−糖タンパク阻害剤と共に使用されうる。
「Aβ−ペプチド生成に関連する」疾患及び状態についての本明細書中の引用は少なくとも部分的に、Aβ−ペプチド及び/又はその生成により引き起こされる疾患又は状態に関する。したがって、Aβ−ペプチドは「Aβ−ペプチド生成に関連する疾患又は状態」に寄与する因子であるが、必ずしも唯一のそれに寄与する因子ではない。
【0097】
式Iの化合物、及びそれらの医薬として許容される塩はまたヒトを含む生物におけるNotch伝達経路を調節する又は阻害するために使用されうる。Notch伝達経路はさまざまな細胞系統の運命決定を制御するための、いも虫からヒトに及ぶ生物により利用される進化的に保存された機構である。Notchは細胞外ドメインに変動する数の表皮成長因子様リピートを有する膜貫通型タンパク質をコードする、表皮成長因子様ホメオティック遺伝子のファミリーに属する。ヒトの疾患におけるNotch経路の役割について増大する証拠がある。上記経路の全ての成分はまだ同定されていないが、今日までに同定されたもののうち、それらの互いの相互作用に影響する突然変異はさまざまな症候群及び病理学的状態を引き起こしうる。
【0098】
例えば、Notch伝達は典型的に細胞運命決定に関連する。Notch活性化は毛細管生長を刺激するという発見は、Notch受容体はこのプロセスが起こることを許容するために活性化されなければならないということを示唆する。それゆえ、Notch調節は新脈管形成を制御する方法を提供する。特に、Notch伝達の調節は(例えば、新脈管形成をブロックするためにNotch伝達をブロックすることにより)新脈管形成を調節するために使用されうる。in vivoにおけるこの新脈管形成の阻害は、非限定的に、癌、糖尿病性網膜症、慢性関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患及び動脈硬化症を含むさまざまな疾患を治療する治療方法として使用されうる。
【0099】
Notch経路はまたRadtke, F. et al., Immunity 10:547−558,1999中に示されるように、T細胞の発達及び成熟においても関係している。式Iの化合物、及びそれらの医薬として許容される塩はそれゆえ炎症、喘息、移植片拒絶、移植片対ホスト疾患、自己免疫疾患及び移植拒絶の治療を含む、免疫系を調節するための有用な候補者である。
【0100】
さらに、2002〜2004年に公開されたいくつかの研究は、Notch伝達は(非限定的に、胸、前立腺、膵臓及びT−細胞急性リンパ芽球性白血病を含む)さまざまなヒト腫瘍において頻繁に上昇されるという説得力のある証拠を提供している。1の鍵となる研究は重要な腫瘍型におけるNotchの役割への強い遺伝的つながりを提供する。特に、Weljzen et al.は、Notch伝達はヒトRas形質転換細胞において腫瘍性表現型を維持することを示した。Weljzen et al.(2002)Nature Med 8:979。ヒト悪性疾患の30%はRasの3のイソ形の少なくとも1において活性化突然変異を有しうるので、この発見はNotch阻害剤が抗癌治療への有力な追加であろうという可能性を上げる。他の研究の発見はヒトT細胞急性リンパ芽球性白血病/リンパ腫の病因における異常型Notch伝達の中心的な役割を支持する。Pear et al., Current Opinion in Hematology (2004),11(6),426−433。
【0101】
したがって、式Iの化合物、及びそれらの医薬として許容される塩は癌、動脈硬化症、糖尿病性網膜症、慢性関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患、炎症、喘息、移植片拒絶、移植片対ホスト疾患、自己免疫疾患及び移植拒絶から成る群から選ばれる疾患又は状態を治療するために使用されうる。
【0102】
本明細書中で使用されるとき、用語「治療する」は上記用語が適用する疾患、障害若しくは状態又は上記疾患、障害若しくは状態の1以上の症状を後退させる、緩和する又はその進行を阻害することをいう。本明細書中で使用されるとき、「治療する」はまた、処置されていないコントロール集団と比較して又は処置前の同じ哺乳類と比較して、哺乳類における疾患、障害又は状態の発病の可能性又は発生を減少させることをいいうる。例えば、本明細書中で使用されるとき、「治療する」は疾患、障害又は状態を予防することをいいうる、及び疾患、障害又は状態の開始を遅らせること又は予防すること又は疾患、障害又は状態に関連する症状を遅らせること又は予防することを含みうる。本明細書中で使用されるとき、「治療する」はまた、哺乳類の疾患、障害又は状態での苦痛の前に、疾患、障害若しくは状態又は上記疾患、障害若しくは状態に関連する症状の重篤さを減少させることをいいうる。上記苦痛前の疾患、障害又は状態の重篤さの予防又は減少は、本明細書中に示されるように、疾患、障害又は状態を患った投与時間でない患者への本発明に係る組成物の投与に関する。本明細書中で使用されるとき、「治療する」はまた疾患、障害若しくは状態の又は上記疾患、障害若しくは状態に関連する1以上の症状の再発を予防することをいいうる。用語「治療」及び「治療的に」は、本明細書中で使用されるとき、「治療する」が上記に定義される治療する行為をいう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0103】
発明の詳細な説明
式Iの化合物、及びそれらの医薬として許容される塩は以下の反応スキーム及び議論中に示されるように調製されうる。別段の定めなき限り、以下の反応スキーム及び議論中で言及されるように、R1、R2、R3、R5、R6、R7、R8、R9、A、m、n及びqは上記に定義されるとおりである。
【0104】
式Iの化合物は不斉炭素原子を有しうる、及びそれゆえラセミ混合物、ヂアステレオアイソマーとして又は個々の光学異性体として存在しうる。
式Iの化合物の異性体の混合物の単一の異性体への分離は本分野において知られる慣用の方法にしたがって達成されうる。
【0105】
式Iの化合物は有機化学の分野において知られる合成方法又は当業者によく知られる修飾及び誘導と共に、以下に示される方法により調製されうる。好ましい方法は、非限定的に、以下に示されるものを含む。
【0106】
以下に示される反応は使用される試薬及び材料に適切な及び示される反応における使用のために好適な溶媒中で行われる。以下に示される合成方法の記述において、事実上であるか提案されたものであるかに関わらず、溶媒、反応温度、反応時間、反応圧、及び(無水条件、アルゴン下、窒素下等の如き)他の反応条件を含む全ての反応条件、及びワークアップ手順は、当業者により容易に認識されるであろうように、その反応について標準の条件であることもまた理解されるべきである。代替の方法もまた使用されうる。
【0107】
【化12】

スキーム1は式Iのスルフォンアミド化合物を調製するために好適な方法を例示する。アミド誘導体IIはラセミ混合物又は単一のエナンチオマーとして商業的に入手可能である又は
【化13】

の如き化学文献中に知られる方法により調製される。アミド誘導体IIは−50℃〜50℃、好ましくは−10℃〜23℃の温度で塩化メチレン、ヂクロロエタン、トルエン、ベンゼン又はエーテル、好ましくは塩化メチレンの如き溶媒中で塩化スルフォニルIIIと反応され、スルフォンアミドIVを与える。スルフォンアミドIVは塩化メチレン、ヂメチルスルフォキシド、ヂメチルフォルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル又はトルエン、好ましくはヂメチルフォルムアミドの如き溶媒中で23℃〜100℃、好ましくは40℃〜60℃の温度で炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、アルコキシド、アルキルリチウム酸塩、好ましくは炭酸カリウムの如き塩基及びXが臭化物、ヨー化物、フッ化物、塩化物、アルキルスルフォン酸塩又はアリールスルフォン酸塩として定義されるR3−Xで処理され、式Iの化合物を与える。あるいは、スルフォンアミドIVは0℃〜100℃、好ましくは23℃〜50℃の温度でテトラヒドロフラン、塩化メチレン又はトルエン、好ましくはテトラヒドロフランの如き溶媒中でトリフェニルフォスフィンの如きトリアリールフォスフィン、ヂアルキルアゾヂカロキシル酸塩、及びR3−OHで処理され、式Iの化合物を与える。
【0108】
【化14】

スキーム2は式Iのスルフォンアミド化合物を調製するための好適な方法を例示する。アミド誘導体Vはラセミ混合物又は単一のエナンチオマーとして商業的に入手可能である又は化学文献中に以前に報告される方法により調製される。段階1において、アミド誘導体Vは−50℃〜50℃、好ましくは−10℃〜23℃の温度で塩化メチレン、ヂクロロエタン、トルエン、ベンゼン又はエーテル、好ましくは塩化メチレンの如き溶媒中で塩化スルフォニルIIIと反応され、スルフォンアミドVIを与える。段階2において、上記エステルは水酸化ナトリウム又はリチウムを用いて加水分解され、酸VIIを与える。段階4において、上記酸は、約−30℃〜およそ室温の温度で例えば、塩化メチレン、クロロフォルム、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、ヂエチルエーテル、アセトニトリル、1,4−ヂオキサン、N,N−ヂメチルフォルムアミド、ヂメチルスルフォキシド(DMSO)、N−メチルピローリヂノン(NMP)又はキシレンの如き好適な溶媒中で、トリエチルアミン、N,N−ヂイソプロピルエチルアミン、ピリヂン又はヂメチルアミノピリヂンの如き塩基の存在下で、塩化オキサリル、塩化チオニルでの反応又はC1−C4アルキルクロロ蟻酸塩の如きアルキルクロロ蟻酸塩を用いた混合無水物法により上記酸を脱離基に変換し、続いて約0℃〜100℃、好ましくは20℃の温度でアミンを添加することによりアミドVIIIに変換される。段階3において、上記エステルVIは、50℃〜75℃での加熱を伴うメタノールの如きアルコール溶媒中でのアンモニアでの処理の如き化学文献中で周知の方法を用いてアミドVIIIに変換され、アミドVIIIを与えうる。あるいは、エステルVIはおよそ室温〜およそ還流の如き適切な温度で塩化メチレン、THF、ヂオキサン、トルエン等の如き適切な溶媒中で又は(密閉管又はねじで締めたバイアルの如き)密閉された反応器中でトリアルキルアルミニウム、好ましくはトリメチルアルミニウムで処理されたアミンの存在下でアミドVIIIに変換されうる。スルフォンアミドVIIIは塩化メチレン、ヂメチルスルフォキシド、ヂメチルフォルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、トルエン、好ましくはヂメチルフォルムアミドの如き溶媒中で23℃〜110℃、好ましくは40℃〜60℃の温度で炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、アルコキシド、アルキルリチウム酸塩、好ましくは炭酸カリウムの如き塩基及びXは臭化物、ヨー化物、フッ化物、塩化物、アルキルスルフォン酸塩又はアリールスルフォン酸塩として定義されるR3−Xで処理され、式Iの化合物を与える。あるいは、スルフォンアミドVIIIは0℃〜100℃、好ましくは23℃〜50℃の温度でテトラヒドロフラン、塩化メチレン、トルエン、好ましくはテトラヒドロフランの如き溶媒中でトリフェニルフォスフィンの如きトリアリールフォスフィン、ヂアルキルアゾヂカロキシル酸塩、及びR3−OHで処理され、式Iの化合物を与える。
【0109】
【化15】

スキーム3は式Iのスルフォンアミド化合物を調製するために好適な方法を例示する。アミド誘導体IXはラセミ混合物又は単一のエナンチオマーとして商業的に入手可能である又はアミンIIから化学文献中に以前に報告される方法により調製される。アミンIXは塩化メチレン、ヂメチルスルフォキシド、ヂメチルフォルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、トルエン、好ましくはヂメチルフォルムアミドの如き溶媒中で23℃〜100℃、好ましくは40℃〜60℃の温度で炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、アルコキシド、アルキルリチウム酸塩、好ましくは炭酸カリウムの如き塩基及びXが臭化物、ヨー化物、フッ化物、塩化物、アルキルスルフォン酸塩又はアリールスルフォン酸塩として定義されるR3−Xで処理され、式Xの化合物を与える。あるいは、アミンIXは0℃〜100℃、好ましくは23℃〜50℃の温度でテトラヒドロフラン、塩化メチレン、トルエン、好ましくはテトラヒドロフランの如き溶媒中でトリフェニルフォスフィンの如きトリアリールフォスフィン、ヂアルキルアゾヂカロキシル酸塩、及びR3−OHで処理され、式Xの化合物を与える。あるいはアミンIXは、およそ室温〜およそ還流、好ましくはおよそ室温〜約65℃の温度で、ヂクロロエタン、クロロフォルム、THF、MeOH、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール又はトルエンの如き適切な溶媒中で、アミンIXを酸触媒/酢酸アンモニウム/(無水Na2SO4又はMgSO4の如き)乾燥剤、及びトリアセトキシボロヒドリドナトリウム、シアノボロヒドリドナトリウム又はボロヒドリドナトリウム又は対応する重合体結合−NaBH4、重合体結合−NaBH3CN又は重合体結合−NaB(OAc)3H又はアミンに結合したイミンを還元するために文献中で知られるあらゆる還元剤(例えば、水素化)の如き還元剤を伴って又は伴わずにケトン又はアルデヒドと反応させることにより、よく確立された還元アミン化法を用いてXに変換される。誘導体Xは−50℃〜100℃、好ましくは20℃〜80℃の温度で塩化メチレン、ヂクロロエタン、トルエン、ベンゼン、エーテル、ヂメチルフォルムアミド、好ましくはヂクロロエタンの如き溶媒中で塩化スルフォニルIIIと反応され、式Iの化合物を与える。
【0110】
【化16】

スキーム4は上記に示される方法を用いて式Iのスルフォンアミド化合物を提供する中間体Xの調製のために好適な方法を例示する。酸誘導体XIはラセミ混合物又は単一のエナンチオマーとして商業的に入手可能である又は化学文献中で周知の方法により調製される。アミドXIIは文献(Cabre, J. Synthesis, 5;1984,413−417)中で周知の方法を用いて酸XIから形成される。XII(Xはハライド又はアリールスルフォン酸塩である)のストレート又は塩化メチレン、ヂメチルスルフォキシド、ヂメチルフォルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、トルエンの如き溶媒中、好ましくはストレートでの23℃〜100℃、好ましくは60℃〜80℃の温度での適切なアミン(R3NH2)での処理は式Xの化合物を与える。あるいは、XII(XはOHである)の0℃〜100℃、好ましくは23℃〜50℃の温度でのテトラヒドロフラン、塩化メチレン、トルエン、好ましくはテトラヒドロフランの如き溶媒中でのトリフェニルフォスフィンの如きトリアリールフォスフィン、ヂアルキルアゾヂカロキシル酸塩、及びR3−NH2での処理は式Xの化合物を与える。
【0111】
その合成が上記に示されない、上記に示されるスキームの手順において使用される出発物質は商業的に入手可能である、本分野において知られる又は当業者に明らかであろう方法を用いて既知の化合物から容易に得ることができる。
式Iの化合物、及び上記反応スキーム中に示される中間体は再結晶化又は酢酸エチル/ヘキサン溶離勾配、塩化メチレン/メタノール溶離勾配又はクロロフォルム/メタノール溶離勾配でのシリカゲル上での如きクロマトグラフィー分離の如き慣用の手順により単離され及び精製されうる。あるいは、逆相調製済みHPLC又はキラルHPLC分離技術は使用されうる。
【0112】
上記に議論される又は例示される反応のそれぞれにおいて、圧は別段の定めなき限り重要ではない。約0.5気圧〜約5気圧の圧は一般的に許容される、及び環境圧、すなわち、約1気圧は便利のために好ましい。
本発明に係る式Iの化合物又はその医薬として許容される塩は経口、(皮下、静脈内、筋内、胸骨内及び注入技術の如き)非経口、直腸、鼻内、局所又は経皮(例えば、パッチの使用をとおして)経路のいずれかを介して哺乳類に投与されうる。変動は処置される患者の種、体重、年齢及び状態並びに選択される特定の投与経路に因り必然的に起こるであろうが、一般的に、これらの化合物は、単一の又は別々の用量(すなわち、1日当たり1〜4用量)で、1日当たり約0.1mg〜約1000mgに及ぶ用量で最も望ましく投与される。しかしながら、1日当たり約0.1mg/kg〜約5mg/体重kg、好ましくは1日当たり約0.1mg/kg〜約100mg/体重kgの範囲内の投与値は最も望ましく使用される。それにもかかわらず、変動は処置される動物の種及び前記医薬へのその個々の応答に、並びに選択される医薬調剤の型及び上記投与が行われる時間及び間隔に因り起こりうる。いくつかの場合、前記範囲の低い限界未満の投与値は十分超でありうる、一方、他の場合、もっとより大きな用量は、上記のより大きな投与値は1日をとおした投与のためにいくつかの小さな用量にはじめに分けられるので、有害な副作用を引き起こさずに使用されうる。上記投与量範囲に基づく変動は医師によりなされうる。
【0113】
本発明に係る式Iの化合物は以前に示される経路のいずれかにより単独で又は医薬として許容される担体又は希釈剤と共に投与されうる、及び上記投与は単一の又は複数の用量で行われうる。好適な医薬担体は固体希釈剤又は充填剤、滅菌水性媒体及びさまざまな非毒性有機溶媒等を含む。式Iの化合物又はその医薬として許容される塩を医薬として許容される不活性担体と混合することにより形成される医薬組成物はその後錠剤、カプセル、ロゼンジ、トローチ、硬いキャンディ、粉末、スプレイ、クリーム、軟膏、坐剤、ゼリー、ジェル、ペースト、ローション、軟膏、水性懸濁物、注入可能溶液、エリキシル剤、シロップ等の如きさまざまな投与形態で容易に投与されうる。さらに、経口医薬組成物は好適に甘味付けられ及び/又は香味付けられうる。
【0114】
経口投与のために、微晶質セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸ヂカルシウム及びグリシンの如きさまざまな賦形剤を含む錠剤はデンプン(好ましくはトウモロコシ、ジャガイモ又はタピオカデンプン)、メチルセルロース、アルギン酸及びある珪酸塩複合体の如きさまざまな崩壊剤と共に、ポリヴィニルピローリドン、スクロース、ゼラチン及びアカシアの如き粒状化結合剤と共に使用されうる。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクの如き潤滑剤はしばしば錠剤化目的のために有用である。同様の型の固体組成物はまたゼラチンカプセル中の充填剤として使用されうる。この関係において好ましい物質はラクトース又は乳糖及び高分子量ポリエチレングリコールを含む。水性懸濁物及び/又はエリキシル剤が経口投与のために所望されるとき、上記活性成分は、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン及びそれらの組み合わせの如きさまざまなものの如き希釈剤と共に、さまざまな甘味又は香味剤、着色物質又は色素、及びそのように所望される場合、乳化及び/又は懸濁剤とも混合されうる。
【0115】
非経口投与のために、ゴマ又はピーナッツ油中、水性プロピレングリコール中又は滅菌水溶液中の本発明に係る式Iの化合物又はその医薬として許容される塩を含む溶液が使用されうる。上記水溶液は必要な場合好適に(好ましくは8超のpH)緩衝されるべきであり、及び上記液体希釈剤は十分な塩水又はグルコースではじめに等張にされるべきである。これらの水溶液は静脈内注入目的のために好適である。油性溶液は関節内、筋内及び皮下注入目的のために好適である。滅菌条件下での全てのこれらの溶液の調製は当業者に周知の標準の医薬技術により容易に達成される。
【0116】
本発明に係る式Iの化合物は哺乳類におけるAβ−ペプチド生成(したがって、ガンマ−セクレターゼ活性)を阻害することにおいて有用であり、及びそれゆえそれらは患う哺乳類における上記に挙げられる障害及び疾患の治療において治療用剤として機能することができる。
特定の式Iの化合物は当業者に知られる生物学的分析、例えば、以下に示される分析を用いてAβ−ペプチド生成を阻害することを決定されうる。
【0117】
ガンマ−セクレターゼ活性を阻害することにおける本発明に係る式Iの化合物の活性は一般的にMcLendon et al. Cell−free assays for γ−secretase activityThe FASEB Journal(Vol. 14, December 2000,pp.2383−2386)中に提供される記述にしたがう可溶化膜調製物において決定された。上記分析を用いて、本発明に係る化合物は約100マイクロモーラー未満のガンマ−セクレターゼ活性を阻害するIC50活性を有することが決定された。本発明に係る好ましい化合物は約5マイクロモーラー未満のガンマ−セクレターゼ活性を阻害するIC50活性を有することが決定された化合物である。
【0118】
以下の実施例は本発明を例示する。しかしながら、本明細書中に完全に説明される及び請求項中に再引用される本発明は以下の実施例の詳細により限定されるものとは意図されないことが理解されるべきである。
【実施例】
【0119】
実施例
調製1
2−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニルアミノ)−3−フェニル−プロピオン酸メチルエステル
2−アミノ−3−フェニル−プロピオン酸メチルエステルを25mLの塩化メチレン中に溶解し、及び上記反応を0℃でトリエチルアミン(0.97mL、7mmol)及び4−クロロベンゼンスルフォニル塩化物で満たす。上記反応を室温(rt)まで温め、及び一晩攪拌する。上記反応を重炭酸ナトリウムで停止させ、塩化メチレンで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、及びin vacuoで濃縮させる。生ずる固体を20%酢酸エチル/ヘキサンで粉砕し、表題の化合物を得る。
【化17】

【0120】
(R)−アミノ−(4−フルオロ−フェニル)−酢酸メチルエステル
(R)−アミノ−(4−フルオロ−フェニル)−酢酸をメタノール中に溶解したHCl気体(8g)で室温で24時間処理した。上記反応混合物を濃縮させ、及び水性重炭酸ナトリウムを、上記混合物のpHが塩基性に維持されるまで添加した。上記水層をヂクロロメタンで3回抽出した。混合した抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、及び濃縮させ、表題の化合物を油として得た。
【化18】

【0121】
調製2
2−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニルアミノ)−3−フェニル−プロピオンアミド
2−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニルアミノ)−3−フェニル−プロピオン酸メチルエステル(750mg)に10mLのメタノール中のアンモニアの1.0M溶液を添加する。上記反応を65℃で48時間熱し、室温まで冷却し、及び溶媒を除去する。生ずる固体をはじめに酢酸エチルで粉砕し、ろ過し、及びその後塩化メチレンで粉砕し、表題の化合物を得る。
【化19】

【0122】
(R)−2−アミノ−2−(4−フルオロ−フェニル)−アセトアミド
表題の化合物を所望の生成物を得るために(R)−アミノ−(4−フルオロ−フェニル)−酢酸メチルエステルを利用して調製2の方法で調製した。
【化20】

【0123】
実施例1
4−{[(1−カルバモイル−2−フェニル−エチル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル
0.7mLのテトラヒドロフラン中のトリフェニルフォスフィン(110mg、0.4mmol)の溶液にアゾヂカルボン酸ヂイソプロピル(0.08mL、0.4mmol)を添加し、及び上記反応を30分間攪拌する。上記反応に0.4mLのテトラヒドロフラン、(2−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニルアミノ)−3−フェニル−プロピオンアミド(75mg、0.2mmol)、及びメチル−4−ヒドロキシ安息香酸塩(73mg、0.4mmol)を添加する。上記反応を室温(rt)まで温め、及び一晩攪拌する。上記溶媒を除去し、及び生ずる残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、表題の化合物を得る。
【化21】

【0124】
調製3
(R)−2−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニルアミノ)−2−フェニル−アセトアミド
150mLの塩化メチレン中のD−(−)−2−アミノ−2−フェニル−アセトアミド(6.0g、40mmol)の溶液に0℃でトリエチルアミン(6.9mL、50mmol)及び4−クロロベンゼンスルフォニル塩化物(8.43g、40mmol)を添加する。上記反応を室温まで温め、及び一晩攪拌する。上記反応を重炭酸ナトリウムで停止させ、及び塩化メチレンを添加する。上記固体をろ過し、水及びエーテルで洗浄し、及びin vacuoで乾燥させ、12.3gの表題の化合物を得る。
【化22】

【0125】
(R)−2−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニルアミノ)−2−(4−フルオロ−フェニル)−アセトアミド
表題の化合物を所望の生成物を得るために(R)−2−アミノ−2−(4−フルオロ−フェニル)−アセトアミド及び4−クロロベンゼンスルフォニル塩化物を用いて調製3の手順にしたがって合成した。
【化23】

【0126】
実施例2
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル
0.7mLのテトラヒドロフラン中のトリフェニルフォスフィン(48mg、0.2mmol)の溶液にアゾヂカルボン酸ヂイソプロピル(0.04mL、0.2mmol)を添加し、及び上記反応を30分間攪拌する。上記反応に0.4mLのテトラヒドロフラン、(R)−2−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニルアミノ)−2−フェニル−アセトアミド(32mg、0.2mmol)、及びメチル−4−ヒドロキシメチル安息香酸塩(73mg、0.2mmol)を添加する。上記反応を室温まで温め、及び一晩攪拌する。上記溶媒を除去し、及び生ずる残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、表題の化合物を得る。
【化24】

【0127】
実施例2A
(R)−4−{[(カルバモイル−(4−フルオロ−フェニル)−メチル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル
表題の化合物を所望の生成物を得るために(R)−2−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニルアミノ)−2−(4−フルオロ−フェニル)−アセトアミド及びメチル−4−ヒドロキシメチル安息香酸塩を用いて実施例2中の手順を用いて調製した。
【化25】

【0128】
実施例3
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−ヂメチルアミノメチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド
表題の化合物を所望の生成物を得るために(4−ヂメチルアミノメチル−フェニル)−メタノールを用いて実施例2中に詳述される手順を用いて調製した(10mg、3%収率);
【化26】

【0129】
実施例4
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−モルフォリン−4−イルメチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド
表題の化合物を所望の生成物を得るために(4−モルフォリン−4−イルメチル−フェニル)−メタノールを用いて実施例2中に詳述される手順を用いて調製した(170mg、43%収率);
【化27】

【0130】
実施例5
(R)−2−[ベンジル−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド
4mLのヂメチルフォルムアミド中の(R)−2−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニルアミノ)−2−フェニル−アセトアミド(350mg、1.1mmol)の溶液にベンジル臭化物(0.18mL、1.1mmol)及び炭酸カリウム(179mg、1.3mmol)を添加する。上記反応を50℃で一晩熱し、水/塩化メチレンに注ぎ、及び塩化メチレンで抽出する。上記混合した有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、in vacuoで濃縮させ、及び生ずる残留物をシリカゲルクロマトグラフィー上で精製し、表題の化合物を得る。
【化28】

【0131】
実施例6
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−シアノ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド
表題の化合物を50%収率で所望の生成物を得るために4−シアノベンジル臭化物を利用して実施例5中の方法と類似の方法で調製した;
【化29】

【0132】
実施例7
(R)−2−[(4−第三−ブチル−ベンジル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド
表題の化合物を28%収率で所望の生成物を得るために1−ブロモメチル−4−第三−ブチル−ベンゼンを利用して実施例5中に詳述されるように調製した;
【化30】

【0133】
実施例8
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3−シアノ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド
表題の化合物を49%収率で所望の生成物を得るために3−ブロモメチル−ベンゾニトリルを利用して実施例5中に詳述されるように調製した;
【化31】

【0134】
実施例9
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド
表題の化合物を49%収率で所望の生成物を得るために1−ブロモメチル−4−トリフルオロメトキシ−ベンゼンを利用して実施例5中に詳述されるように調製した;
【化32】

【0135】
実施例10
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−[1,2,3]チアヂアゾール−4−イル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド
表題の化合物を8%収率で生成物を得るために4−(4−ブロモメチル−フェニル)−[1,2,3]チアヂアゾールを利用して実施例5中に詳述されるように調製した;
【化33】

【0136】
実施例11
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−オキサゾール−2−イル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド
表題の化合物を4%収率で表題の化合物を得るために2−(4−ブロモメチル−フェニル)−オキサゾールを利用して実施例5中に詳述されるように調製した;
【化34】

【0137】
実施例12
(R)−2−{(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−[4−(3−メチル−[1,2,4]オキサヂアゾール−5−イル)−ベンジル]−アミノ}−2−フェニル−アセトアミド
表題の化合物を14%収率で生成物を得るために5−(4−ブロモメチル−フェニル)−3−メチル−[1,2,4]オキサヂアゾールを利用して実施例5中に概略される方法で調製した;
【化35】

【0138】
実施例13
(R)−2−{(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−[4−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−ベンジル]−アミノ}−2−フェニル−アセトアミド
表題の化合物を5%収率で生成物を得るために5−(4−ブロモメチル−フェニル)−2−メチル−2H−テトラゾールを利用して実施例5中に概略される方法で調製した;
【化36】

【0139】
実施例14
(R)−2−{(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−ベンジル]−アミノ}−2−フェニル−アセトアミド
(R)−4−{[(1−カルバモイル−2−フェニル−エチル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル(300mg、0.63mmol)を1mLのTHF中に溶解し、及び上記溶液を氷浴中で冷却した。ヂエチルエーテル(0.63ml、1.9mmol)中の3.0M MeMgBrを添加し、及び上記反応混合物を45分間攪拌した。MeMgBr(0.63ml、1.9mmol)の追加部分を添加し、及び30分後、上記反応をゆっくりとした水の添加により停止させた。停止させた反応混合物を水性重炭酸ナトリウムで希釈し、及びヂクロロメタンで抽出した。乾燥(硫酸ナトリウム)後、混合した有機物を油になるまで濃縮させた。シリカゲルフラッシュカラム(ヘキサン中の40%EtOAc)上の精製は31mg(10%収率)の表題の化合物を与えた。
【0140】
調製4
(R)−2−(2,2−ヂメチル−プロピルアミノ)−2−フェニル−アセトアミド
D−(−)−2−アミノ−2−フェニル−アセトアミド(1.0g、6.7mmol)を20mlのヂクロロメタン中に部分的に溶解し、及びトリメチルアセトアルデヒド(723μL、6.7mmol)で処理した。室温で20分間攪拌後、トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(1.77g、8.4mmol)を添加し、及び生ずる混合物を室温(rt)で18時間攪拌した。水性重炭酸ナトリウムで希釈後、上記混合物をヂクロロメタンで抽出した。混合した有機物を乾燥させ(Na2SO4)、及び白色固体(1.43g、97%収率)になるまで濃縮させた。MS 221.2 m/z(M+1)。
【0141】
実施例15
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2,2−ヂメチル−プロピル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド
(R)−2−(2,2−ヂメチル−プロピルアミノ)−2−フェニル−アセトアミド(700mg、3.2mmol)をヂクロロメタン(15mL)中に溶解し、及び氷浴中で冷却した。上記溶液をトリエチルアミン(553μL、4.0mmol)、続いて4−クロロベンゼンスルフォニル塩化物(671mg、3.2mmol)で処理した。50℃で18時間加熱後、上記混合物を冷却し、水性重炭酸ナトリウムで希釈し、及びヂクロロメタンで抽出した。混合した有機抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、及び油になるまで濃縮させた。シリカゲルフラッシュカラム(ヘキサン中の40%EtOAc、溶離液)上の精製は3%収率で表題の化合物を与えた。
【化37】

【0142】
実施例16〜77
(R)−2−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニルアミノ)−3−フェニル−プロピオンアミド(24.3mg、0.075mmol)を0.41mlのDMF中に溶解した。生ずる溶液を0℃まで冷却し、及びTHF中の1Nカリウムt−ブトキシド(0.09ml、0.09mmol)を添加した。室温まで温めた後、上記溶液を、以下の表1中に再引用される実施例中のR3のそれぞれの定義中に示されるように置換されるベンジル臭化物(0.075mmol)に添加し、及び上記反応混合物を60℃で一晩熱した。冷却及び水での希釈後、上記有機物をヂクロロメタンで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、及び濃縮させた。サンプルをWaters Xterra PrepMS C18カラム(5μM、30×100mm)上で勾配系の水中の0.1%TFA及びアセトニトリルで溶離して精製した。
表1中の実施例16〜77を上記に示される方法と類似の方法により合成した。
【0143】
【表1】

【0144】
【表2】

【0145】
【表3】

【0146】
【表4】

【0147】
【表5】

【0148】
【表6】

【0149】
実施例78〜105
適切な塩化スルフォニル(0.15mmol)にヂイソプロピルエチルアミン(0.2mmol)を含む熱いヂクロロエタン中の4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル(0.1mmol)のスラリーを添加した。生ずる混合物を80℃で48時間熱した。冷却した反応混合物を1.5mlの1M NaOHに注ぎ、及びヂクロロメタンで3回抽出した。混合した抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、及び濃縮させた。サンプルをWaters Xterra PrepMS C18カラム(5μM、19×100mm)上で勾配系の水中の0.1%TFA及びアセトニトリルで溶離して精製した。
表2中の実施例78〜105を上記に示される方法と類似の方法により合成した。
【0150】
【表7】

【0151】
【表8】

【0152】
【表9】

【0153】
これらの態様は本発明のいくつかの局面の例示として意図されるので、本明細書中に示される及び請求される発明は本明細書中に開示される特定の態様により範囲を限定されるべきでない。あらゆる同等の態様は本発明の範囲内であることが意図される。実際に、本明細書中に示される及び記述されるものに加えて本発明のさまざまな修飾は上記記述から当業者に明らかになるであろう。上記修飾はまた付属の請求項の範囲内に入ることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:
【化1】

{式中、R1及びR2は−H、−C1−C8アルキル、−C2−C8アルケニル、−C1−C8アルコキシ、−C2−C8アルケンオキシ、−C1−C8ヒドロキシアルキル、−C2−C8ヒドロキシアルケニル、−ハロ、−CN、−NO2、−(CH2qNC(=O)R6、−(CH2qC(=O)OR5、−(CH2qC(=O)NR67、−(CH2qNR67、C3−C8シクロアルキル及び−C5−C8シクロアルケニルからそれぞれ独立に選ばれる、ここで、R1及びR2は−C1−C6アルコキシ、−C1−C6アルキル、−ハロ及び−OHから独立に選ばれる1〜3の置換基でそれぞれ場合により独立に置換される;
3はそれぞれ以下に示されるような式II又は式IIIの基:
【化2】

{式中、Bは不在である又はC1−C8アルキレン及びC2−C4アルケニレンから選ばれる;
Dは−C1−C8アルキル、−C3−C10シクロアルキル、−(3〜10員)ヘテロシクロアルキル及び−(5〜7員)ヘテロアリールから選ばれる;
X、Y及びZは−H、−C1−C8アルキル、−C2−C8アルケニル、−C1−C8アルコキシ、−C2−C8アルケンオキシ、−C1−C8ヒドロキシアルキル、−C2−C8ヒドロキシアルケニル、−ハロ、−OH、−CN、−NO2、−(CH2qNR78、−(CH2q−NHC(=O)R9、−(CH2q−C(=O)R9、−(CH2q−C(=O)NR78、−(CH2q−C(=O)OR9、−(CH2q−SO29、−S(C1−C8アルキル)、−C3−C8シクロアルキル、−(CH2q−((3〜10員)ヘテロシクロアルキル)、−(CH2q−(C6−C14アリール)、−(CH2q−((4〜10員)ヘテロアリール)及び−(CH2q−(C6−C14アリールオキシ)からそれぞれ独立に選ばれる;
ここで、前記X、Y及びZは−C1−C8アルキル、−C2−C8アルケニル、−C1−C8アルコキシ、−C2−C8アルケンオキシ、C1−C8ヒドロキシアルキル、−C2−C8ヒドロキシアルケニル、ハロ、−OH及び−CNから独立に選ばれる1〜3の置換基でそれぞれ場合により独立に置換される;
及びここで、X、Y及びZの前記アルコキシ置換基はハロから独立に選ばれる1〜3の置換基で場合により独立に置換される}
である;
5、R6、R7、R8及びR9は−H、−C1−C12アルキル、−C2−C12アルケニル、−C3−C10シクロアルキル、−C6−C10シクロアルケニル、−C5−C13バイシクロアルキル、−C7−C13バイシクロアルケニル、−(3〜10員)ヘテロシクロアルキル、−C6−C14アリール及び−(5〜8員)ヘテロアリールからそれぞれ独立に選ばれる;
ここで、NR67又はNR78はそれぞれの場合独立に場合により−(3〜8員)ヘテロシクロアルキルを形成しうる;
mは0、1、2又は3である;
nは0、1、2又は3である;及び
qは0、1又は2である};
又はその医薬として許容される塩。
【請求項2】
1はハロ、C1−C4アルキル又はC1−C4アルコキシである、及びここで、前記アルキル及びアルコキシは1〜3のハロ原子で場合により置換される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
2は−Hである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
3は以下に示す式IIIの基:
【化3】

{式中、Dは−C1−C8アルキルである、及びX、Y、Z及びBは上記請求項1中に定義されるとおりである、及びここで、前記X、Y及びZは上記請求項1にしたがってそれぞれ場合により独立に置換される}
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
3は以下に示す式IIの基:
【化4】

{式中、X、Y、Z及びBは上記請求項1中に定義されるとおりである、及びここで、X、Y及びZは上記請求項1にしたがってそれぞれ場合により独立に置換される}
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
3は以下に示す式IIの基:
【化5】

{式中、BはC1−C8アルキレンである;
X、Y及びZは−H、−C1−C8アルキル、−C2−C8アルケニル、−C1−C8アルコキシ、−C2−C8アルケンオキシ、−ハロ、−OH、−CN、−NO2、−(CH2q−NR78、−(CH2q−C(=O)NR78、−(CH2q−C(=O)R9、−(CH2q−C(=O)OR9、−S(C1−C8アルキル)、−(CH2q−SO29、−(CH2q−((3〜10員)ヘテロシクロアルキル)、−(CH2q−(C6−C14アリール)、−(CH2q−((4〜10員)ヘテロアリール)及び−(CH2q−(C6−C14アリールオキシ)からそれぞれ独立に選ばれる;
ここで、前記X、Y及びZはハロ、−OH及び−CNから独立に選ばれる1〜3の置換基でそれぞれ場合により独立に置換される;及び
qは0、1又は2である}
である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
3は以下に示す式IIの基:
【化6】

{式中、Bはメチレンである;qは1である;及びX、Y及びZは上記請求項6中に定義されるとおりである、ここで、前記X、Y及びZは上記請求項6にしたがってそれぞれ場合により独立に置換される}
である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
3は以下に示す式IIの基:
【化7】

{式中、BはC1−C8アルキレンである;
X、Y及びZは−H、−C1−C8アルキル、−C2−C8アルケニル、−C1−C8アルコキシ、−C2−C8アルケンオキシ、−ハロ、−OH、−CN、−NO2、−(CH2q−NR78、−(CH2q−C(=O)NR78、−(CH2q−C(=O)R9、−(CH2q−C(=O)OR9、−S(C1−C8アルキル)、−(CH2q−SO29、−(CH2q−((3〜10員)ヘテロシクロアルキル)、−(CH2q−(C6−C14アリール)、−(CH2q−((4〜10員)ヘテロアリール)及び−(CH2q−(C6−C14アリールオキシ)からそれぞれ独立に選ばれる;
ここで、X、Y及びZの前記アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルケンオキシ、−S(C1−C8アルキル)、アリール及びアリールオキシはハロ、−OH及び−CNから独立に選ばれる1〜3の置換基でそれぞれ場合により独立に置換される;及び
qは0、1又は2である}
である、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
3は以下に示す式IIの基:
【化8】

{式中、BはC1−C8アルキレンである;qは0、1又は2である;及びX、Y及びZの前記−(CH2q−(C6−C14アリール)のアリールはフェニルである、X、Y及びZの前記−(CH2q−C(=O)R9の及び前記−(CH2q−SO29の両方のR9はフェニルである、及びX、Y及びZの前記−(CH2q−(C6−C14アリールオキシ)のアリールオキシはフェノキシである、ここで、前記X、Y及びZは上記請求項8にしたがってそれぞれ場合により独立に置換される}
である、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
3は以下に示す式IIの基:
【化9】

{式中、BはC1−C8アルキレンである;qは0、1又は2である;及びX、Y及びZの前記−(CH2q−(3〜10員)ヘテロシクロアルキルのヘテロシクロアルキルはピローリヂニル及びモルフォリニルから選ばれる、ここで、前記X、Y及びZは上記請求項8にしたがってそれぞれ場合により独立に置換される}
である、請求項8に記載の化合物。
【請求項11】
3は以下に示す式IIの基:
【化10】

{式中、BはC1−C8アルキレンである;qは0、1又は2である;及びX、Y及びZの前記−(CH2q−(4〜10員)ヘテロアリールのヘテロアリールはイミダゾリル、チアヂアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル及びテトラゾリルから選ばれる、ここで、前記X、Y及びZは上記請求項8にしたがってそれぞれ場合により独立に置換される}
である、請求項8に記載の化合物。
【請求項12】
3はアリール又はベンジルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
前記ハロは塩素である、及びmは1である、請求項2に記載の化合物。
【請求項14】
4−{[(1−カルバモイル−2−フェニル−エチル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−ヂメチルアミノメチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−モルフォリン−4−イルメチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[ベンジル−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−シアノ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−第三−ブチル−ベンジル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3−シアノ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−[1,2,3]チアヂアゾール−4−イル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−オキサゾール−2−イル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−{(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−[4−(3−メチル−[1,2,4]オキサヂアゾール−5−イル)−ベンジル]−アミノ}−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−{(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−[4−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−ベンジル]−アミノ}−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−{(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−ベンジル]−アミノ}−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−(2,2−ヂメチル−プロピルアミノ)−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2,2−ヂメチル−プロピル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2−メチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3−メチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3−クロロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2−シアノ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3−フルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−フルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2,4−ヂフルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3,4−ヂフルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3−トリフルオロメチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2−トリフルオロメチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2−クロロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2,6−ヂクロロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2−フルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2,6−ヂフルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3−ヂフルオロメトキシ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(5−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−3−メトキシ−安息香酸メチルエステル;
(R)−2−[ビフェニル−2−イルメチル−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(2−ベンゼンスルフォニルメチル−ベンジル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2,3−ヂフルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3,5−ヂフルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2,3,6−トリフルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−3−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3,4−ヂクロロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2−フルオロ−3−メチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2,4,5−トリフルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2,4,6−トリフルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2−クロロ−4−フルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−{(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンジル]−アミノ}−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2’−シアノ−ビフェニル−4−イルメチル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−メチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3−ニトロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2−メトキシ−5−ニトロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2−ヒドロキシ−5−ニトロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−ニトロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(2,5−ヂフルオロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−ブロモ−2−フルオロ−ベンジル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4,5−ヂメトキシ−2−ニトロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3−メトキシ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3,5−ヂメトキシ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−トリフルオロメチルスルファニル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−ベンゾイル−ベンジル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−ブトキシ−2−トリフルオロメチル−キノリン−6−イルメチル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルメチル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(3−ベンジルオキシ−ベンジル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−ピラゾール−1−イル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−エチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−N−ブチル−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−ベンザミド;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−N−メチル−ベンザミド;
(R)−(4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−フェニル)−酢酸2−オキソ−2−フェニル−エチルエステル;
(R)−2−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−ベンゾイル−ベンジル)−(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−{(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−[3−(2−フルオロ−フェノキシ)−ベンジル]−アミノ}−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−クロロ−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(3,5−ヂメチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−2−[(4−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−ベンジル)−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−シアノ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(3−クロロ−4−メチル−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(3−フルオロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(2,3,4−トリフルオロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(3,4−ヂフルオロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(3−ブロモ−ベンゼンスルフォニル)−(カルバモイル−フェニル−メチル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(トルエン−4−スルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[ベンゼンスルフォニル−(カルバモイル−フェニル−メチル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(4−ブロモ−ベンゼンスルフォニル)−(カルバモイル−フェニル−メチル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(3−トリフルオロメチル−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−フルオロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−メトキシ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(トルエン−3−スルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(2−クロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(3−クロロ−4−フルオロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(2,4−ヂフルオロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(3,5−ヂフルオロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−クロロ−3−ニトロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(5−フルオロ−2−メチル−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(2,3−ヂクロロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(4−ブロモ−2−メチル−ベンゼンスルフォニル)−(カルバモイル−フェニル−メチル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(2−トリフルオロメトキシ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(3,4−ヂメトキシ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−クロロ−2,5−ヂメチル−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−イソプロピル−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(4−プロピル−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル;及び
(R)−4−{[(カルバモイル−フェニル−メチル)−(3−ニトロ−ベンゼンスルフォニル)−アミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル
から成る群から選ばれる請求項1に記載の化合物及びその医薬として許容される塩。
【請求項15】
哺乳類におけるアルツハイマー病、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳のアミロイド血管症、プリオン仲介疾患、封入体筋炎、卒中、多発性硬化症、頭部外傷、軽い認識障害及びダウン症候群から成る群から選ばれる疾患又は状態を治療するための医薬組成物であって、Aβ−ペプチド生成を阻害すること又は上記疾患及び状態を治療することにおいて有用な量の請求項1に記載の化合物、及び医薬として許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項16】
哺乳類におけるアルツハイマー病、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、脳のアミロイド血管症、プリオン仲介疾患、封入体筋炎、卒中、多発性硬化症、頭部外傷、軽い認識障害及びダウン症候群から成る群から選ばれる疾患又は状態の治療方法であって、Aβ−生成を阻害すること又は上記疾患又は状態を治療することにおいて有効な量の請求項1に記載の化合物を前記哺乳類に投与することを含む、治療方法。
【請求項17】
哺乳類におけるAβ−ペプチド生成に関連する疾患又は状態の治療方法であって、(a)請求項1に記載の化合物;及び(b)記憶を高める剤、抗うつ剤、抗不安薬、抗精神病剤、睡眠障害剤、抗炎症剤、抗オキシダント剤、コレステロール調節剤、ヒスタミン(H2)アンタゴニスト又は抗高血圧剤を前記哺乳類に投与することを含み、ここで、上記活性剤「a」及び「b」は上記組成物を上記疾患又は状態を治療することにおいて有効にさせる量で存在する、治療方法。
【請求項18】
請求項1に記載の式Iの化合物又はそれらの医薬として許容される塩を含む、Notch伝達経路の調節に関連する疾患又は状態の治療のための医薬組成物。
【請求項19】
上記疾患又は状態は癌、動脈硬化症、糖尿病性網膜症、慢性関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患、炎症、喘息、移植片拒絶、移植片対ホスト疾患、自己免疫疾患及び移植拒絶から成る群から選ばれる、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
上記疾患又は状態は癌から成る群から選ばれる、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
癌、動脈硬化症、糖尿病性網膜症、慢性関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患、炎症、喘息、移植片拒絶、移植片対ホスト疾患、自己免疫疾患及び移植拒絶から成る群から選ばれる疾患又は状態の治療方法であって、Notch伝達経路を調節すること又は上記疾患又は状態を治療することにおいて有効な量の請求項1に記載の化合物を前記哺乳類に投与することを含む、治療方法。

【公表番号】特表2007−530660(P2007−530660A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505656(P2007−505656)
【出願日】平成17年3月21日(2005.3.21)
【国際出願番号】PCT/IB2005/000796
【国際公開番号】WO2005/095334
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】