説明

精確な測定を有する移動装置

ワークピースを支持する移動装置に関する精確な測定をもつ移動装置は、光学センサ52と、支持板アパーチャ56を規定する支持板54と、支持板54に平行に配置される平面モータ58であって、ワークピース40を支持することが可能な第1の側面60及び支持板54に対向する第2の側面62を有する平面モータ58と、平面モータ58上に配置される2D格子68であって、支持板アパーチャ56を通じて光学センサ52と光学的に通信する2D格子68と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、移動装置に関し、より具体的には、正確な測定を有する移動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製造されるコンポーネントの増大される精度は、測定の増大される精度を必要とする。精度は、例えば半導体集積回路のような精確なコンポーネントの製造、検査及び修理において要求される。例えば、移動装置は、半導体ウェハの表面をさまざまな目的のためにさまざまな波長のビームに露出するために、半導体ウェハを移動させる。光学又は紫外(紫外線)ビームが、フォトリソグラフィのために使用されることができ、光学又は電子ビームが、検査のために使用されることができ、イオンビームが、修理のために使用されることができる。半導体ウェハの移動は、ウェハ上に生成されている又はすでに生成された微細なフィーチャにビームを位置付けるために、精確でなければならない。精確な移動は、精確な測定を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図1は、従来技術により作られた移動装置の概略側面図である。移動装置21のショートストロークキャリア24は、ワークビーム22に露出されるウェハ20を支持する。ロングストロークキャリア26は、磁石板28に対してショートストロークキャリア24を支持する。インターフェロメトリシステム31は、ショートストロークキャリア24の位置を測定する。インターフェロメータ制御ユニット32は、ショートストロークキャリア24の垂直な側面の測定ポイント34上に光ビーム30を向ける。インターフェロメータ制御ユニット32は、インターフェロメータ制御ユニット32と測定ポイント34との間の距離を決定するために、反射ビーム33を基準ビームと比較する。この距離は、ワークビーム22がウェハ20に当たるべきワーキングポイント23の位置を決定するために使用される。
【0004】
残念なことに、現在の測定システムは、多くの制限をもつ。測定ポイント34とワーキングポイント23との間の距離Xは大きく、例えばフォトリソグラフィックアプリケーションの場合には400ミリメートルであり、これは、測定に任意の不確かさをもたらす。一般に、ウェハ20の平面内の1ナノメートル及びウェハ20の平面外の7ナノメートルの精度が要求される。ビーム露出、内部磁気コイル及び内部冷却によって引き起こされるショートストロークキャリア24の小さい温度変化は、距離Xの大きな変化及び精度の損失をもたらす。この効果を最小限にする1つのアプローチは、例えばZerodurガラスセラミック材料のような小さい熱膨張係数を有する材料からショートストロークキャリア24を作ることである。しかしながら、材料が高価であり重いので、これは、満足な解決策ではない。
【0005】
上述の不利益を克服する精確な測定を有する移動装置を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの見地は、ワークピースを支持する移動装置であって、光学センサと、支持板アパーチャを規定する支持板と、支持板に平行に配置される平面モータであって、ワークピースを支持することが可能な第1の側面及び支持板に対向する第2の側面を有する平面モータと、平面モータに配置される2D格子であって、支持板アパーチャを通じて光学センサと光学的に通信する2D格子と、を有する移動装置を提供する。
【0007】
本発明の別の見地は、ワークピースを支持する移動装置であって、複数の光学センサと、複数の支持板アパーチャを規定する支持板と、支持板に平行に配置される平面モータであって、ワークピースを支持することが可能な第1の側面及び支持板に対向する第2の側面を有する平面モータと、平面モータに配置される2D格子であって、複数の支持板アパーチャを通じて複数の光学センサと光学的に通信する2D格子と、を有する移動装置を提供することである。複数の光学センサの数は、少なくとも限定的な測定数である。
【0008】
本発明の別の態様は、ワークピースを支持する移動装置であって、ワークピースを移動させる移動手段と、移動手段を支持する手段であって、アパーチャを規定する手段と、移動手段上に配置される測定ポイントにおいて、アパーチャを通じて、移動手段の並進及び回転を検知する手段と、を有する移動装置を提供することである。
【0009】
本発明の前述の及び他の特徴及び利点は、添付の図面と関連して読まれる、現在好適である実施例の以下の詳細な説明から一層明らかになる。詳細な説明及び図面は、制限するものではなく、単に本発明を説明するものであり、本発明の範囲は、添付の請求項及びそれに等価なものによって規定される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】従来技術に従って作られる移動装置の概略図。
【図2】本発明により作られる移動装置の概略図。
【図3】本発明により作られる移動装置のための支持板及び平面モータの概略図。
【図4】本発明により作られる移動装置のための支持板及び平面モータの概略図。
【図5】本発明により作られる移動装置のための支持板及び平面モータの概略図。
【図6】本発明により作られる移動装置のための支持板及び平面モータの概略図。
【図7】本発明により作られる移動装置のための光学センサ及び2D格子の概略図。
【図8】本発明により作られる移動装置のための光学センサ及び2D格子の概略図。
【図9】本発明により作られる移動装置のための光学センサ及び2D格子の概略図。
【図10A】本発明により作られる移動装置の付加の実施例の概略図。
【図10B】本発明により作られる移動装置の付加の実施例の概略図。
【図11】本発明により作られる移動装置の別の実施例の概略図。
【図12A】本発明により作られる移動装置の更に別の実施例の概略図。
【図12B】本発明により作られる移動装置の更に別の実施例の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図2は、本発明により作られる移動装置の概略図である。移動装置50は、ワークピース40を支持することができるとともに、光学センサ52と、支持板アパーチャ56を規定する支持板54と、支持板54に平行に配置される平面モータ58であって、ワークピース40を支持することが可能な第1の側面60及び支持板54に対向する第2の側面62を有する平面モータ58と、平面モータ58上に配置される2D格子68であって、支持板アパーチャ56を通じて光学センサ52と光学的に通信する2D格子68と、を有する。支持板54は、ワークピース40を支持する平面モータ58を、電磁気的に支持し移動させる。光学センサ52は、プロセッサ53に位置情報信号51を供給することができる。複数の光学センサ52が使用される場合、プロセッサ53は、複数の光学センサ52から、複数の位置情報信号51を受け取ることができる。
【0012】
この例において、光学センサ52は、ワークピース40上のワーキングポイント70から、平面モータ58の向こう側に位置付けられる。平面モータ58は、磁石を有し、支持板54は、コイルを有する。ワーキングポイント70は、図示されるように鋭い点であり、又はワークピース40の表面上の幅広い面でありえる。光学センサ52からの検知ビーム74が2D格子68に当たる測定ポイント72は、ワーキングビーム76がワークピース40に当たるワーキングポイント70に近く、それにより、ワーキングポイント70の位置が、精確に決定されることができる。平面モータ58は、一般に、厚さ2乃至5ミリメートルのレンジである。この例において、光学センサ52は、6自由度の光学センサであり、すなわち並進の3自由度及び回転の3自由度を測定する光学センサであり、2D格子68は、平面モータ58の第2の側面62上に配置される。並進の0.1ナノメートル及び回転の1マイクロラジアンの測定の反復性が、6自由度の光学センサを使用して達成されることができる。当業者であれば、正確さが2D格子の品質にも依存することが分かるであろう。一実施例において、2D格子68は、例えばポリカーボネートで作られるボディのようなトランスペアレントなボディであり、格子パターンが、平面モータ58の第2の側面62に隣接する2D格子68の側面に印刷される。このような格子パターンは、ホログラフィ、インターフェロメトリ、リソグラフィその他を使用して、印刷されることができる。別の実施例において、2以上の光学センサが使用される場合、2D格子68は、光学センサ52から検知ビーム74を受け取るために、1つの大きな格子でありえ、又は平面モータ58に関して特定のポイントに配置される複数の別個の格子でありえる。
【0013】
ワークピース40は、移動され精確に位置付けられる必要がある任意のワークピースでありえる。ワーキングビーム76は、ワークピース40に対する所望の効果を達成するために、ワーキングポイント70においてワークピース40に適用される。ワーキングビームの例は、可視光ビーム、紫外線(UV)ビーム、超紫外線ビーム、電子ビーム(e−ビーム)、イオンビーム、その他を含む。可視光ビーム、紫外線(UV)ビーム、超紫外線ビーム、電子ビーム(eビーム)は、フォトリソグラフィ又は検査のために使用されることができ、イオンビームは、修理のために使用されることができる。一般に、ワークピース40は、例えばウェハのような、薄い平坦な対象物である。一例において、ワークピースは、半導体ウェハである。別の例において、ワークピースは、プリント回路基板である。当業者であれば、ワーキングビーム76が、図2に図示されるような鋭い点でワークピース40と接触する必要はないことが分かるであろう。ワーキングビーム76は、ワークピース40の全部又は一部にわたって広がっていてもよく、従って、ワーキングポイント70は、鋭い点でなく、ワークピース40の表面上の幅広い面でありうる。例えば、ワークピース40は、26×32ミリメートルの寸法を有するダイでありえ、ワーキングビーム76は、完全な26×32ミリメートルにわたって広がることができる。
【0014】
2D格子68は、一致しない2方向において周期的である構造をもつ格子でありえる。このような構造の一例は、チェッカーボードパターンである。2D格子68は、図の明確さのための実質的な厚みを有するように示されている。但し、厚みは、最小でありえる。2D格子68は、例えば平面モータ58に固定されるトランスペアレントなシートに印刷された格子パターンを有する該トランスペアレントなシートのような一体的な素子でありえ、又は平面モータ58自体の一部でありえる。別の実施例において、1又は複数のZ格子が、3D格子を形成するために、2D格子68に隣接して配置されることができる。
【0015】
同様の構成要素が図2と及び互いに同様の参照数字を共有する図3−図6は、本発明に従って作られる移動装置のための支持板及び平面モータの概略図である。支持板54を通る支持板アパーチャ及び平面モータ58上の2D格子は、図の明確さのために省略されている。国際公開第2006/075291A2号パンフレットに記述されるように、支持板54は、ワークピースを支持する平面モータ58を電磁気的にフロートさせるものであり、その内容は、参照によって完全にここに組み込まれる。
【0016】
図3を参照して、移動装置50は、磁石システム93によって形成される第1の部分91と、電気コイルシステム94によって形成される第2の部分92と、を有する。磁石は、平面モータ58に固定され、コイルシステムは、支持板54に固定される。第1及び第2の部分91、92は、互いに対して移動することができる。この例において、静止部分は、磁石を有する支持板54であり、可動部分は、コイルを有する平面モータ58である。
【0017】
磁石システム93の磁石は、X方向に平行に延在する行97及びY方向に平行に延在する列98のパターンに配置され、行の間及び列の間の間隔は同じある。各々の行97及び各々の列98に、第1のタイプN及び第2のタイプZの磁石が、交互に配置される。第1のタイプNの磁石は、平面モータ58に対し直角であって、電気コイルシステム94を有する第2の部分92に向かう方に延びる磁化の方向を有する。第2のタイプZの磁石は、平面モータ58に対し直角であって、電気コイルシステム94を有する第2の部分92から離れるほうに延びる磁化の方向を有する。各々の行97及び各々の列98において、第3のタイプHの磁石が、第1のタイプNの磁石と第2のタイプZの磁石の各ペアの間に配置される。列98の間に位置する第3のタイプHの磁石の磁化の方向は、Y方向に平行であり、第1のタイプNの隣接する磁石に向かう方に延びる。行97の間に位置する第3のタイプHの磁石の磁化の方向は、X方向に平行であり、同様に第1のタイプNの隣接する磁石に向かう方に及ぶ。矢印は、磁石N、Z及びHの異なるタイプの磁化の方向を示す。
【0018】
電気コイルシステム94は、第1のタイプCの少なくとも1つのコイルを備えており、磁石の効果的な磁界内に位置する前記コイルの電流導体99は、X方向に対して45°の角度を有する。電気コイルシステム94は更に、磁石の効果的な磁界内に同様に位置する電流導体100を有する第2のタイプCの少なくとも1つのコイルを備え、電流導体100は、X方向に対して45°の角度を有し、第1のタイプCのコイルの電流導体99に対し垂直に延在する。ここで使用されるとき、「効果的な磁界内の電流導体」は、コイルの一部、概して電流導体の束が、磁石の磁界内に位置し、効果的なローレンツ力が、コイルの一部に及ぼされ、それによりコイルの移動を引き起こすことを意味する。
【0019】
コイルが磁石システムにおいて移動する態様を説明するために図4を参照して、参照数字99、99及び100、100は、それぞれ磁石の磁界内に設けられるコイルC及びCの電流導体を表わす。電流導体99は、主に、文字Nによって示される磁石の磁界内に位置する。それらN磁石の磁化の方向は、上方を向く、すなわち磁石システムに対して直角であって、電流導体99の方を向く矢印によって示される。矢印B1は、磁界の方向を示す。電流が、矢印Iによって示される方向に電流導体99を通って流れるとき、力Fが、関連する矢印によって示される方向に、電流導体に及ぼされ、その結果として、電流導体は、矢印Fの方向に動き始めようとする。電流導体99は、Zで示される磁石の磁界内に主に位置する。Z磁石の磁化の方向は、下方を向く、すなわち磁石システムに対して直角であって電流導体99から離れるほうを向く矢印Bによって示される。電流が、矢印Iに従って、すなわち電流Iと逆に、電流導体99を通って流れるとき、関連する矢印によって示される方向の力Fが、電流導体99に及ぼされ、その結果として、電流導体は、矢印Fによって示される方向に、すなわち矢印Fと同じ方向に、動き始めようとする。同じようにして、電流導体99及び99に対し直角に配置される電流導体100及び100は、N及びZ磁石の磁界及び矢印I及びIに従う電流の影響下において、矢印F及びFによって示される方向に及ぶ力を受ける。電流導体の電流が、逆にされると、電流導体に及ぼされる力及びそれ故電流導体の移動もまた、逆にされる。力のこの相互作用は、図5にも示される。
【0020】
図3を参照して、電流導体99、100の一部101は、第3のタイプHの磁石の上方に及び/又は磁石がない部分、すなわち第1のタイプN及び第2のタイプZの磁石の間の部分の上方に存在する。電流導体のこれらの部分は、磁界B内に位置し、磁界Bの平均的な方向は、X−Y平面に実質的に平行に延びる。更に、図4の電流導体991cを参照されたい。図3を参照して、電流Iが、この電流導体を通って流れるとき、電流導体の一部101は、X−Y平面に対して垂直な方向、すなわちZ方向に力Fを受ける。磁石に対する電流の方向及び電流導体の位置に依存して、力は、磁石に向かう方又は磁石から離れる方を向く。力が、磁石から離れる方を向くとき、力は、浮上力Fと呼ばれ、すなわち、これは磁石から離れるほうに電流導体を移動させる力である。このような力は、支持板と磁石との間の支持する作用を提供するために使用されることができる。
【0021】
第1のタイプN及び第2のタイプZの磁石は、正方形の形状である。第3のタイプHの磁石は、矩形であり、H磁石の最も長い側面102は、N磁石及びZ磁石の側面103に接するような大きさに作られ、H磁石の最も短い側面104の寸法と最も長い側面102の寸法の間の比率は、最適化解析に従って磁石システムの単位面積当たりの磁界の最大強度を提供するために、0.25乃至0.50のレンジ内にありうる。
【0022】
図5は、3つのコイルの2つの組を示しており、すなわち、電流導体991a、991b、991c及びリターン電流導体992a、992b、992cを有する第1の組C11と、電流導体993a、993b、993c及びリターン電流導体994a、994b、994cを有する第2の組C21と、を示している。コイルの両方の組は、三相電流システムによって供給される。電流導体の長手方向に見て、3つの電流導体の第1の組C11は、3つの電流導体の第2の組C21に対し、磁石のおよそ半分の磁極ピッチ106である距離105にわたりシフトされている。本明細書で使用される磁石の磁極ピッチ106は、2本の隣接する対角線の間の距離であり、2本の対角線上には、同じN及びZのタイプの磁石の中心ポイント107及び108が位置する。これは、移動の間、電流キャリーコイルの両方の組に及ぼされる可変的なトルクを回避する。かかるトルクは、静止部分に対し、Z軸の周囲で移動部分(磁石を有する平面モータ又は支持板)の振動移動を引き起こす。コイルの組を互いに対してシフトさせることによって、この振動効果は、実質的に低減される。この理由は、トルクは、コイルの2つ組のうちの一方に生じ、これが他方の組のトルクを補償するからである。支持板54が移動部分である場合、振動効果は、支持板54に振動を引き起こしうる。
【0023】
電流導体の長さ109は、磁石の磁極ピッチ106のk倍にほぼ等しくなるように選択され、ここでkは、2の倍数である。その結果、磁界の合計は、長手方向における電流導体の移動時にはほぼ一定のままであり、これにより、電流導体に及ぼされる力の変動をより小さくする。これは、コイル及び位相の数に依存しない。
【0024】
図6A及び図6Bは、第1の部分すなわち平面モータ58及び第2の部分すなわち静止支持板54を有する移動装置の横断面及び上面図をそれぞれ示している。この例において、平面モータ58は、キャリア214を有し、キャリア214の上にミラーブロック212を有する。平面モータ58は、静止支持板54に対して移動することができる。コイル224が、冷却チャネル226を介して流体冷却されるコイルブロック222上に配置される。コイル224は、90度オフセットされる隣接グループの向きを有する3のグループに配置される。当業者であれば、3より多い又は少ないコイルのグループのような他のコイル機構が、特定の用途のために望ましいことがありうることが分かるであろう。当業者であれば、更に、一実施例においては、コイルが支持板54内にあり、磁石が平面モータ58内にあり、他の実施例においては、磁石が支持板54内にあり、コイルが平面モータ58内にあることが分かるであろう。
【0025】
同様の構成要素が同様の参照数字を共有する図7−図9は、本発明により作られる移動装置のための光学センサ及び2D格子の概略図である。光学センサ52と2D格子68との間に支持板アパーチャを有する支持板は、図の明確さのために省略されている。光学センサ52は、ワークピースを支持する平面モータに取り付けられる2D格子68の並進及び回転を検出する。光学センサ52は、国際公開第2006/054258A2号パンフレットに記述されており、その内容は、参照によって完全にここに盛り込まれるものとする。当業者であれば、後述される光学センサ52が、並進の3自由度及び回転の3自由度を測定するように動作する6自由度の光学センサであることが分かるであろう。6自由度の光学センサは、位置検知検出器を省略することによって、並進の3自由度を測定するように動作する3自由度の光学センサに変換されることができる。当業者であれば、2以上の3自由度光学センサが、ワークピースを支持する平面モータに取り付けられる2D格子68の位置を測定するために必要とされることが分かるであろう。
【0026】
図7A及び図7Bは、光学センサ52のための入射及び回折光ビームを示している。2つの入射光ビームIが、異なる方向から2D格子68に供給される。各々の回折ビームDの位相は、入射ビームI及び回折ビームDの間の干渉を測定することによって、個別に測定されることができる。従って、λ/4の位相シフトが、ピッチ/4(p/4)の面内並進に関して、入射及び回折ビームの各ペアごとに測定され、λ/2の位相シフトが、面外並進に関して各ペアごとに測定される。面内及び面外並進を決定するために、システムは、面内及び面外並進の位相シフト寄与を区別するように構成される。面内並進は、光学的に又は他のやり方で決定されることができる。
【0027】
図8、図9A及び図9Bは、平面モータ(図示せず)の並進T及び回転Rを検出するための例示的な光学センサ52を示しており、平面モータには2D格子68が適用されている。光学センサ52は、2D格子68に、異なる方向から第1、第2及び第3の入射光ビームI1、I2、I3を供給するために、光学ヘッド134を有する。第1、第2及び第3の回折光ビームD1、D2、D3は、それぞれ入射光ビームI1、I2、I3から生じる。回折次数−1、0及び+1が、回折光線D1、D2、D3に関して示されている。入射ビームI及び回折ビームDのペアは、黒、ダークグレイ及びライトグレイで示されている。説明を明確にするために、図8に示されるビームは、同じ測定ポイント72に生じず、それらの間に小さいオフセットをもつ3つの異なるスポットに示されている。3つのビームは、実際には、同じ測定ポイント72に生じる。
【0028】
光学ヘッド134は更に、第1の入射ビームI1及び第1の回折ビームD1、第2の入射ビームI2及び第2の回折ビームD2、及び第3の入射ビームI3及び第3の回折ビームD3を含むペアのうち少なくとも1つペアの間の位相差ΔΦを測定する手段を有する。回折次数の光学パワーが十分である限り、回折ビームD1、D2、D3のあらゆる回折次数が、位相差ΔΦを測定するために使用されることができる。ビームI1、I2、I3の波長及び入射角並びに2D格子68の周期pは、回折ビームD1、D2、D3の回折次数+1が、光学ヘッド134により2D格子68の並進Tを検出するために使用されるように、選択される。
【0029】
光学センサ52は更に、平面モータの回転Rを検出するために、他の次数の回折光ビームD1、D2、D3を受け取るように構成される位置検知検出器135、135'を有する。2D格子68の回転Rx、Ry、Rzは、位置検知検出器135、135'上へのこれらの次数光の移動をもたらし、それにより、平面モータの回転が検出されることができる。平面モータが回転すると、平面モータの並進を測定するための回折ビームD1、D2、D3の位相が、1又は複数の光ビームのパス長と同様、変化しうる。従って、平面モータが大きな回転動き成分Rx、Ry、Rzを有する場合、回転が、平面モータの並進を計算するために決定されるべきである。6自由度の光学センサは、位置検知検出器を省略することによって、並進の3自由度を測定するように動作する3自由度の光学センサに変換されることができる。
【0030】
より正確には、回折次数は、2D格子68に関する2つの座標によって示される。第一次数は、(0,0)によって示され、x方向の第一次数は、(1,0)によって示され、y方向の第一次数は、(0,1)によって示される等である。この例において、他の次数(0,0)及び(−1,0)は、平面モータの回転を測定するために使用される。以下で次数0によって再び示される次数(0,0)は、回転Rx及びRyに対してのみ感受性があり、より高い次数、ここでは(−1,0)は、Rx、Ry及びRzに対して感受性がある。しかしながら、例えば(−1、−1)のような他の次数も同様に使用されることができる。以下、2つの座標による次数の標示は、明確さのために省略される。+1次の回折ビームD1、D2、D3は、ゼロオフセットの再帰反射器136に向けられる。この再帰反射器を通過したのち、ビームD1、D2及びD3は、2回目として、2D格子68に向けられる。回折ビームのいくつかが、光学ヘッド134に入射し、これらの他の回折ビームの位相は、2D格子68の並進を検出するために測定される。
【0031】
0次及び−1次の回折ビームは、それぞれ2次元位置検知検出器135及び1次元位置検知装置135'に入る。回折次数0のスポットの位置は、2次元位置検知検出器135により、2方向において測定され、−1次のビームの位置は、1次元位置検知装置135'により一方向において測定される。3つの位相測定及び3つのスポット位置測定が、2D格子68の3つの並進及び3つの回転を決定するために使用される。例示的な位置検知検出器は、OPTRA, Inc.(Topsfield, Massachusetts, USA)から入手可能なNanoGrid Planar Encoder System及びDr. Johannes Heidenhain GmbH(Traunreut, Germany)から入手可能なPP 281 R Two-Coordinate Incremental Encoderである。当業者であれば、より高次元の位置検知検出器が並進のより少ない次元を測定するために使用されることができることが分かるであろう。例えば、3次元位置検知検出器は、2次元又は1次元を測定するために使用されることができ、又は2次元位置検知検出器が、1次元を測定するために使用されることができる。
【0032】
図9Aは、次数+1、0及び−1のその関連する回折ビームD1をもつ、単一入射ビームI1の1つを示している。単一の入射ビームが示されているが、他の入射ビームは、明確さのために省略されている。格子周期p、波長λ及び入射角は、入射面の+1次回折ビームが2D格子68の法線ηに沿って向くように選択される。仮想球面Hは、より明確に回折次数の向きを示すために図示されている。2D格子68の十字線は、2次元回折格子の向きを示している。
【0033】
図9Bは、3つの入射光ビームI1、I2、I3を示しており、3つの光学ヘッド134は、3つの入射光ビームI1、I2、I3が仮想ピラミッドPの3つのエッジに沿うように、位置付けられ方向付けられている。図8を参照して、3つの入射ビームの入射面における+1次回折ビームD1(+1)、D2(+l)及びD3(+l)は、互いに平行であり、ゼロオフセット再帰反射器136に向けられる。これは、入射ビームが仮想ピラミッドPのエッジに沿っているビームレイアウトに一般的である。以下でゼロオフセット再帰反射器とも呼ばれるゼロオフセット再帰反射器136の機能は、反射ビームが入射ビームに平行であり、更に入射ビームと一致するように、入射ビームをリダイレクトすることである。ゼロオフセット再帰反射器136は、キューブコーナー137、偏光ビームスプリッタ立方体138、半波長板139、及びフォルディングミラーとして作用するプリズム140を有する。通常、キューブコーナーが、再帰反射器として使用される。入射及び反射ビームは、互いに平行であるが、空間的に隔てられている。ゼロオフセット再帰反射器136は、入射ビームを、同じ光路に沿って2D格子68に戻るようにリダイレクトする。入射ビームの方向又は位置が公称でない場合、入射ビーム及び反射ビームの間のオフセットはゼロでなくなる。光学ヘッド134の構成は、回折ビームD1、D2、D3の位相が測定される方法に依存する。測定構成は、例えば、入射光ビームの偏光を変更する波長板、光学スプリッタ及びファラデー素子のような、当分野で知られているいくつかの光学素子を含むことができる。
【0034】
2D格子68は、一致しない2方向において周期的である構造をもつ格子でありえる。一実施例において、2D格子68は、チェッカーボードパターンである。別の実施例において、1又は複数のZ格子(図示せず)が、3D格子を形成するために、2D格子68に隣接して配置されることができる。例えば3D格子のようなマルチレイヤ格子は、平面モータ58の回転の増大されたレンジにおける測定、及び/又は相対及び絶対測定の組み合わせを可能にする。マルチレイヤ格子は、国際公開第2006/054255A1号パンフレットに記述されており、その内容は参照によってここに盛り込まれるものとする。
【0035】
同様の構成要素が図2と及び互いに同様の参照数字を共有する図10A−図10Bは、本発明に従って作られる移動装置の付加の実施例の概略図である。2D格子は、特定用途に関する所望に応じて、平面モータ上のさまざまな位置に配置されることができる。2D格子は、ワーキングポイントと測定ポイントとの間の距離を低減するために選択されることができ、これは、ワーキングポイントを決定する際のエラーを低減する。上述された図2は、平面モータ58の第2の側面62に配置される2D格子を示す。当業者であれば、図2、図10A及び図10Bに示されるような関連する平面モータアパーチャ及びトランスペアレントな部分をもつ2D格子のさまざまな位置が、単一の光学センサ又は複数の光学センサを用いる移動装置のために使用されることができることが分かるであろう。
【0036】
図10Aを参照して、平面モータ58は、モータアパーチャ150を規定しており、2D格子68は、平面モータ58の第1の側面60にモータアパーチャ150を覆って配置される。2D格子68は、特定用途に関する所望に応じて、第1の側面60に取り付けられることができ、又はモータアパーチャ150内に位置することができる。一実施例において、2D格子68は、格子パターンを有する、ポリカーボネートで作られるボディのようなトランスペアレントなボディであり、格子パターンは、平面モータ58の第1の側面60から離れた側の、ワークピース40に隣接する2D格子68の一方の側面に印刷される。
【0037】
図10Bを参照して、平面モータ58は、トランスペアレントな部分152を有し、2D格子68は、トランスペアレントな部分152上の平面モータ58の第1の側面60に配置されている。光学センサ52からの検知ビーム74は、測定ポイント72に向かいそこから戻る途中に、トランスペアレントな部分152を通る。一実施例において、2D格子68は、第1の側面60においてトランスペアレントな部分152に取り付けられる。別の実施例において、2D格子68は、第1の側面60に、トランスペアレントな部分152の一部として形成され、例えば、平面モータ58のトランスペアレントな部分152上に印刷することによって形成され、それにより、印刷は、ワークピース40の隣りにある。このような格子パターンは、ホログラフィ、インターフェロメトリ、リソグラフィ、その他を使用して印刷されることができる。一実施例において、トランスペアレントな部分152は、平面モータ58の全体の幅にわたって延在する;すなわち、平面モータ58は、トランスペアレントである。
【0038】
同様の構成要素が図2と同様の参照数字を共有する図11は、本発明により作られる移動装置の別の実施例の概略図である。この実施例において、2以上の光学センサが、付加の精度を提供するために使用される。平面モータの厚みがアッベ効果、すなわち平面モータのピッチ及びヨーから生じるエラーを打ち消すために大きい場合、付加の光学センサは、特に有用である。測定ポイント72が、ワークピース40上の点サイズのワーキングポイント70から、平面モータ58のちょうど向こう側にあるとき、アッベ効果から生じるアッベエラーは、主に、測定ポイント72とワーキングポイント70との間の距離、すなわち2D格子68、平面モータ58及びワークピース40の組み合わされた厚みに依存する。
【0039】
移動装置50は、平面モータ58上に配置された2D格子68の動きを検出することによって、平面モータ58の移動を決定する2つの光学センサ52を有する。この例において、1つの光学センサ52は、ワークピース40上のワーキングポイント70から平面モータ58の向こう側に位置し、他の光学センサ52は、ワーキングポイント70から距離をおいた所の、平面モータ58の向こう側に位置する。ここに規定されるように、ワーキングポイント70と交差する、平面モータ58の第1の側面60に対して垂直な線が、素子又はポイントと交差しない場合、素子又はポイントは、ワーキングポイント70から距離をおいた所の、平面モータ58の向こう側に位置する。別の実施例において、両方の光学センサ52は、ワーキングポイント70から距離をおいた所の、平面モータ58の向こう側に位置する。当業者であれば、光学センサ52の位置が、例えば必要とされる精度、移動装置素子のジオメトリ、支持板アパーチャの配置と干渉しうる支持板内部の素子、その他のようなファクタを考慮して、特定用途に関する所望に応じて選択されうることが分かるであろう。
【0040】
図11に示される実施例は、2つの光学センサ52を有する。光学センサ52の数は、決定的な測定数として最小限に選択され、測定数は、6自由度を有する平面の位置を決定するために必要な光学センサの数としてここに規定される。決定的な測定数は、用いられる特定の光学センサの自由度に依存して変わる。一実施例において、光学センサ52が、3の並進測定及び3の回転測定を行う6自由度の光学センサである場合、決定的な測定数は1である。別の実施例において、光学センサ52が、各々が2の独立した並進を測定する2自由度光学センサである場合、決定的な測定数は3である。例えば、1つの光学センサは、X及びY並進を測定することができ、別の光学センサは、Y及びZ並進を測定することができ、更に別の光学センサは、X及びZ並進を測定することができる。更に別の実施例において、自由度は、それぞれ異なる光学センサについて異なりうる。例えば、1つの光学センサは、X、Y及びZ並進を測定する3自由度の光学センサでありえ、別の光学センサは、X及びY並進を測定する2自由度光学センサでありえ、更に別の光学センサは、Z並進を測定する1自由度の光学センサでありえる。当業者であれば、並進光学センサの決定的な測定数は、6の独立した並進測定を提供する光学センサの任意の数であることが分かるであろう。
【0041】
光学センサ52の数は更に、決定的な測定数より大きいように選択されることができる。例えば、1つの6自由度光学センサが、冗長な位置測定を提供するために、例えば6自由度光学センサ、3自由度光学センサ又は1自由度光学センサのような別の光学センサとともに使用されることができる。測定が平面モータの自由度を越え、すなわち、位置情報が過剰決定されるので、測定は、計算される位置に変換される。一実施例において、例えばX並進のような特定の方向における過剰決定される測定が、平均される。別の実施例において、過剰決定される測定は、位置に関して重み付けされ、例えば測定ポイントとワーキングポイントとの間の距離によって各測定が重み付けされる。光学センサ52から位置情報信号51を受け取るプロセッサ53は、計算された位置への変換を実施することができる。
【0042】
同様の構成要素が図2と同様の参照数字を共有する図12A−図12Bは、本発明により作られる移動装置の更に別の実施例の概略図である。図12Aは、移動装置50の側面図であり、図12Bは、支持板アパーチャ56を示す支持板54の上面図である。この例において、ワーキングビーム76は、ワークピース40上に広がっており、それゆえ、ワーキングポイント70は、ワークピース40の表面上の幅広い面である。平面モータの厚み及び/又はワーキングポイント70の幅広い平面が、アッベ効果、すなわち平面モータのピッチ及びヨーから生じるエラーを打ち消すために大きい場合、付加の光学センサが、特に有用である。ワークピース40上のワーキングポイント70が、点ではなく面である場合、特定のポイントをワーキングポイント70の面に位置付ける際のアッベエラーは、特定のポイントと測定ポイント72との間の距離、すなわち2D格子68、平面モータ58及びワークピース40の組み合わされた厚みと、特定のポイントと測定ポイント72との間のワーキングポイント70の面内の距離と、の両方に依存する。
【0043】
光学センサ52は、特定用途に関して所望の数の自由度を有する任意の適切な光学センサでありえる。ここに規定されるように、光学センサの自由度は、光学センサが測定することができる並進及び/又は回転の独立した数である。一実施例において、光学センサは、6自由度、3自由度、2自由度、1自由度の光学センサ又はそれらの組み合わせである。例示的な6自由度が、図7−図9及び関連する文に記述されている。光学センサは、位置検知検出器でありえ、位置検知検出器は、並進の1又は複数の方向を測定することができる光学センサとしてここに規定される。例示的な位置検知検出器は、OPTRA, Inc.(Topsfield, Massachusetts, USA)から入手可能なNanoGrid Planar Encoder System及びDr. Johannes Heidenhain GmbH(Traunreut, Germany)から入手可能なPP 281 R Two-Coordinate Incremental Encoderである。
【0044】
図12A−図12Bの実施例において、3又はそれ以上の光学センサが、付加の精度を提供するために使用される。光学センサの数は、6自由度をもつ平面の位置を決定するために必要な光学センサの数としてここに規定される、少なくとも決定的な測定数である。3つの測定ポイントの間に10センチメートルの隔たりを有する三角形の非線形パターンに配置される3つの2自由度光学センサが、並進の0.1ナノメートル及び回転の1ナノラジアンの測定反復性を達成することができる。当業者であれば、精度が2D格子の品質にも依存することを分かるであろう。光学センサ52の数は更に、決定的な測定数より多くなるように選択されることができ、それにより、位置情報は過剰決定される。光学センサからの位置情報信号を受け取るプロセッサは、計算された位置への変換を実施することができる。
【0045】
移動装置50は、平面モータ58上に配置される2D格子68の動きを検出することによって、平面モータ58の移動を決定する3つの光学センサ52を有する。この例において、3つの光学センサ52は、ワークピース40上のワーキングポイント70から距離をおいた所の、平面モータ58の向こう側に位置する。ただし、所望の場合、光学センサ52のうちの1つは、ワーキングポイント70から平面モータ58を横切った向こう側に位置することができる。当業者であれば、光学センサ52の位置が、特定用途に関する所望に応じて、例えば必要とされる精度、移動装置素子のジオメトリ、支持板アパーチャの配置と干渉しうる支持板内部の素子、その他のようなファクタを考慮して、選択されうることが分かるであろう。
【0046】
光学センサ52は、三角形の非線形パターンに配置されるので、3自由度の光学センサが、並進及び回転を測定するために使用されることができる。多くのアプリケーションについて、システムの視野、すなわちワークピース40の表面上のワーキングポイント70の幅広い面、に匹敵する距離だけセンサを隔てることが十分である。例えば、リソグラフィにおいて、視野(ダイのサイズとも呼ばれる)は、多くの場合、26×32ミリメートルである。その場合、一般的な隔たりの距離は、30ミリメートルである。6自由度の光学センサ又はさまざまな自由度の光学センサの混合が、使用されることもできる。付加の光学センサが、特定用途に関する所望に応じて、付加されることができる。ワーキングポイント70が、幅広い面ではなく、鋭い点である場合、測定ポイント72は、所望に応じて、ワーキングポイント70の近くにあり、又はワークピース40のエッジにありうる。
【0047】
ここに開示される本発明の実施例が、好適なものと考えられるが、さまざまな変更及び変形が、本発明の範囲から逸脱することなく行われることができる。本発明の範囲は、添付の請求項に示されており、本発明の等価なものの意味及び範囲内にあるすべての変更は、本発明に含まれることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピースを支持する移動装置であって、
光学センサと、
支持板アパーチャを規定する支持板と、
前記支持板と平行に配される平面モータであって、前記ワークピースを支持することが可能な第1の側面及び前記支持板に対向する第2の側面を有する平面モータと、
前記平面モータに配される2D格子であって、前記支持板アパーチャを通じて前記光学センサと光学的に通信する2D格子と、
を有する移動装置。
【請求項2】
前記光学センサが、前記ワークピース上のワーキングポイントから、前記平面モータの向こう側に位置する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記光学センサが、6自由度の光学センサである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記2D格子が、前記平面モータの第2の側面に配される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記平面モータは、モータアパーチャを規定し、前記2D格子は、前記平面モータの前記第1の側面に、前記モータアパーチャを覆って配される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記2D格子は、トランスペアレントなボディであり、前記トランスペアレントなボディの側面に格子パターンが印刷されており、前記印刷された側面は、前記平面モータの前記第1の側面から離れた側にある、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記平面モータは、トランスペアレントな部分を有し、前記2D格子は、前記トランスペアレントな部分上の前記平面モータの前記第1の側面に配される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記2D格子が、前記トランスペアレントな部分上に印刷される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記2D格子がトランスペアレントなボディであり、前記トランスペアレントなボディに格子パターンが印刷されている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
3D格子を形成するために、前記2D格子に隣接して配される格子を更に有する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
ワークピースを支持する移動装置であって、
複数の光学センサと、
複数の支持板アパーチャを規定する支持板と、
前記支持板に平行に配される平面モータであって、前記ワークピースを支持することが可能な第1の側面及び前記支持板に対向する第2の側面を有する平面モータと、
前記平面モータに配される2D格子であって、前記複数の支持板アパーチャを通じて前記複数の光学センサと光学的に通信する2D格子と、
を有し、前記複数の光学センサの数は、少なくとも決定的な測定数である、移動装置。
【請求項12】
前記光学センサが、2自由度の光学センサである、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記光学センサが、位置検知検出器である、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記複数の光学センサの数は、前記決定的な測定数より多く、前記装置は更に、前記複数の光学センサから複数の位置情報信号を受け取り、前記複数の位置情報信号を、前記平面モータの計算される位置に変換するプロセッサを有する、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、平均化及び位置に関する重み付けを含むグループから選択される方法によって、前記複数の位置情報信号を前記計算される位置に変換する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記2D格子は、複数の2D格子である、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記2D格子は、前記平面モータの前記第2の側面に配される、請求項11に記載の装置。
【請求項18】
前記平面モータは、モータアパーチャを規定し、前記2D格子は、前記平面モータの前記第1の側面に、前記モータアパーチャを覆って配される、請求項11に記載の装置。
【請求項19】
前記2D格子がトランスペアレントなボディであり、前記トランスペアレントなボディの側面に格子パターンが印刷されており、前記印刷された側面は、前記平面モータの前記第1の側面から離れた側にある、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記平面モータは、トランスペアレントな部分を有し、前記2D格子は、前記トランスペアレントな部分上の前記平面モータの前記第1の側面に配されている、請求項11に記載の装置。
【請求項21】
前記2D格子が、前記トランスペアレントな部分に印刷されている、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記2D格子が、トランスペアレントなボディであり、前記トランスペアレントなボディに格子パターンが印刷されている、請求項11に記載の装置。
【請求項23】
3D格子を形成するために前記2D格子に隣接して配される格子を更に有する、請求項11に記載の装置。
【請求項24】
ワークピースを支持する移動装置であって、
前記ワークピースを動かす移動手段と、
前記移動手段を支持する支持手段であって、アパーチャを規定する支持手段と、
前記アパーチャを通じて、前記移動手段に配される測定ポイントにおいて前記移動手段の並進及び回転を検知する手段と、
を有する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【公表番号】特表2011−503529(P2011−503529A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529487(P2010−529487)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【国際出願番号】PCT/IB2008/054269
【国際公開番号】WO2009/050675
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】