説明

自動写真作成システム、自動写真作成装置、サーバ装置、および端末装置

【課題】前景画像によって隠された撮影画像部分を見ることができるように合成画像の表示を行い、かつ当該表示に高い遊戯性を得る。
【解決手段】本自動写真作成装置は、撮影されまたは落書きされた画像である前景画像、背景画像、撮影画像または利用者画像を画像サーバ部に送信する。画像サーバ部のこれらの画像データは携帯電話端末にダウンロードされ、携帯電話端末は、内蔵する傾きセンサによって表示面の傾きを検出し(S400)、当該傾きに応じて移動すべき利用者画像の位置と、それよりさらに大きく移動すべき前景画像の位置が計算され(S410)、算出された位置に基づき合成表示される(S420)。その結果として立体的に見えることにより高い遊戯性が得られ、かつ前景画像によって隠された撮影画像部分や、利用者画像(および前景画像)によって隠された背景画像部分を見ることができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動写真作成システム、自動写真作成装置、サーバ装置、および写真表示用の端末装置に関し、特に、利用者をカメラで撮影し、その撮影画像に基づき生成される合成画像を写真等として出力する自動写真作成システム、自動写真作成装置、サーバ装置、および写真表示用の端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者をカメラで撮影し、その撮影画像を写真シールや写真カード等として出力する遊戯用自動写真作成装置が知られている。このような遊戯用自動写真作成装置は、遊戯性または娯楽性が高いことから、撮影画像と合成すべき画像を、利用者の嗜好に応じて、予め用意された多種多様な背景画像および前景画像から選択したり、タッチペンを用いて利用者が自由に描いたりできるように構成されているものが多い。利用者によるこのような操作は、撮影画像に対してなされるため、「落書き」と呼ばれる。
【0003】
またこのような遊戯用自動写真作成装置は、複数の利用者(典型的には2人の利用者)によって使用されることが多いため、各利用者がそれぞれ操作できるように複数の操作パネルが設けられている。
【0004】
さらに、近年では、撮影され落書きされた合成画像を携帯電話端末で利用することができるように、遊戯用自動写真作成装置から携帯電話端末へ当該合成画像を直接送信するものや、サーバへ当該合成画像を一旦転送し、後から携帯電話端末でダウンロードすることができるようになっているものなどがある(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−109580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、携帯電話端末でダウンロードされる合成画像は、遊戯用自動写真作成装置により生成される合成画像と同一の内容であるため、携帯電話端末で当該合成画像を単に表示するだけでは遊戯性が得られない。
【0007】
この点、遊戯性の高い表示を行うため、携帯電話端末を操作することにより、ダウンロードされた合成画像に対して特殊な表示効果を得ることができる(フレームやスタンプなどの)前景画像を付す構成などが考えられる。しかし、さらに合成画像に対して落書きを行うことは利用者にとって煩瑣である場合もあり、また撮影画像に対してさらに多くの前景画像を追加すれば、隠れて見えなくなる撮影画像部分が増加する。
【0008】
また上記のように前景画像を追加しない場合であっても、ダウンロードされる合成画像に対して当初から付された前景画像は、撮影画像に対して上書きされるように合成されているため、これを後から取り除いて当該前景画像によって隠された撮影画像部分を見ることはできない。
【0009】
この点、前景画像が付されていない撮影画像自体もダウンロードできるように構成すれば全てを見ることはできるが、そもそも携帯電話端末で撮影画像を単に表示するだけでは遊戯性が得られるとは言えない。
【0010】
そこで、本発明は、前景画像によって隠された撮影画像部分を見ることができるように合成画像の表示を行い、かつ当該表示に高い遊戯性が得られる自動写真作成システム、自動写真作成装置、サーバ装置、および写真表示用の端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の発明は、被写体である利用者を撮影することにより得られる撮影画像に基づき、前記利用者の編集操作を受け付け合成画像を生成し、当該合成画像を写真として印刷する自動写真作成装置と、複数の端末装置と、前記自動写真作成装置および前記複数の端末装置と所定の通信回線を介して通信を行うサーバ装置とを備える自動写真作成システムであって、
前記自動写真作成装置は、
所定の撮影領域における被写体である利用者を含む像を取得する撮影手段と、
前記撮影手段による撮影対象であって、所定の色を付された被撮影面を有する背景提示手段と、
前記撮影画像に含まれる前記被撮影面の像が占める領域の色に対応するクロマキーマスクを作成するマスク作成手段と、
前記利用者の編集操作に応じて、前記マスク作成手段により作成されたクロマキーマスクを使用することによって前記利用者の像のみを含む利用者画像と所定の背景画像とを合成するとともに、所定の前景画像をさらに合成することにより、前記合成画像を生成する編集手段と、
前記合成画像を写真として出力する出力手段と、
前記背景画像を示す情報と、前記前景画像を示す情報と、前記撮影画像または前記利用者画像を示す情報とを含む画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信手段とを備え、
前記サーバ装置は、
前記データ送信手段から前記画像データを受け取る画像データ受信手段と、
前記画像データ受信手段により受け取られた画像データを記憶する記憶手段と、
前記複数の端末装置からの画像データの要求に応答して、対応する画像データを前記記憶手段から読み出し、読み出された画像データまたは当該画像データに相当する異なる態様の画像データを前記要求を行った端末装置へ送信する応答送信手段と
を備え、
前記複数の端末装置のそれぞれは、
画像を表示するための表示面と、
前記応答送信手段から前記画像データを受け取る受信手段と、
前記受信手段により受け取られた画像データに基づき、前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の順で遠くから近くへ配置されているように、前記表示面上に立体的に合成表示することにより、前記自動写真作成装置において作成された合成画像において隠れて見えない画像部分のうちの少なくとも一部を表示可能とする立体表示手段と
を備えることを特徴とする。
【0012】
第2の発明は、画像を表示するための表示面を有する端末装置であって、
被写体である利用者を撮影することにより得られる撮影画像に基づき、前記利用者の編集操作を受け付け合成画像を生成し、当該合成画像を写真として印刷する自動写真作成装置において生成された合成画像を構成する前記背景画像を示す情報と、前記前景画像を示す情報と、前記撮影画像または前記利用者の像のみからなる利用者画像を示す情報とを含む画像データを、前記自動写真作成装置からまたは所定のサーバ装置を介して受け取る受信手段と、
前記受信手段により受け取られた画像データに基づき、前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の順で遠くから近くへ配置されているように、前記表示面上に立体的に合成表示することにより、前記自動写真作成装置において作成された合成画像において隠れて見えない画像部分のうちの少なくとも一部を表示可能とする立体表示手段と
を備えることを特徴とする。
【0013】
第3の発明は、画像を表示するための表示面を有する端末装置の制御方法であって、
被写体である利用者を撮影することにより得られる撮影画像に基づき、前記利用者の編集操作を受け付け合成画像を生成し、当該合成画像を写真として印刷する自動写真作成装置において生成された合成画像を構成する前記背景画像を示す情報と、前記前景画像を示す情報と、前記撮影画像または前記利用者の像のみからなる利用者画像を示す情報とを含む画像データを、前記自動写真作成装置からまたは所定のサーバ装置を介して受け取る受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受け取られた画像データに基づき、前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の順で遠くから近くへ配置されているように、前記表示面上に立体的に合成表示することにより、前記自動写真作成装置において作成された合成画像において隠れて見えない画像部分のうちの少なくとも一部を表示可能とする立体表示ステップと
を備えることを特徴とする。
【0014】
第4の発明は、画像を表示するための表示面を有する端末装置に、
被写体である利用者を撮影することにより得られる撮影画像に基づき、前記利用者の編集操作を受け付け合成画像を生成し、当該合成画像を写真として印刷する自動写真作成装置において生成された合成画像を構成する前記背景画像を示す情報と、前記前景画像を示す情報と、前記撮影画像または前記利用者の像のみからなる利用者画像を示す情報とを含む画像データを、前記自動写真作成装置からまたは所定のサーバ装置を介して受け取る受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受け取られた画像データに基づき、前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の順で遠くから近くへ配置されているように、前記表示面上に立体的に合成表示することにより、前記自動写真作成装置において作成された合成画像において隠れて見えない画像部分のうちの少なくとも一部を表示可能とする立体表示ステップと
を実行させることを特徴とする、プログラムである。
【0015】
第5の発明は、第4の発明において、
前記端末装置に内蔵される当該装置の方位または傾きを検出するセンサからの情報を受け付ける検出ステップをさらに備え、
前記立体表示ステップは、
前記検出ステップにおいて検出される前記方位または前記傾きの、所定の基準値からの変化量に応じて、前記表示面上の前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像のいずれか2つ以上の位置を所定方向へ異なる距離だけ移動させた後の前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の各位置を算出する移動位置算出ステップと、
前記移動位置算出ステップにおいて算出された各位置に、前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の順で重なるように前記表示面上に合成表示する合成表示ステップとを含むことを特徴とする。
【0016】
第6の発明は、第5の発明において、
前記検出ステップでは、前記端末装置に内蔵される当該装置の表示面の左右方向の傾きを検出する傾きセンサからの情報を受け付け、
前記移動位置算出ステップでは、前記検出ステップにおいて検出される水平状態からの傾き量に応じて、前記傾きの方向へ移動させた後の前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の位置をそれぞれ算出することを特徴とする。
【0017】
第7の発明は、第4から第6までのいずれか1つの発明において、
所定の立体構造を表す人体モデルに基づき、前記利用者画像を変形するとともに、当該人体モデルが立体的に見えるように予め定められまたは仮想的な光源位置に応じて算出された当該人体モデルに対応する画像の輝度分布に応じて、前記利用者画像の輝度分布を変更する人物立体化ステップをさらに備え、
前記立体表示ステップでは、前記人物立体化ステップにおいて変更された利用者画像を前記表示面上に合成表示することを特徴とする。
【0018】
第8の発明は、第4から第7までのいずれか1つの発明において、
前記受信ステップにおいて受け取られた画像データに基づく前記前景画像に対応し、立体的に見えるように予め定められまたは仮想的な光源位置に応じて算出された立体前景画像を新たな前景画像に変更する動作と、前記受信ステップにおいて受け取られた画像データに基づく前記背景画像に対応し、立体的に見えるように予め定められまたは仮想的な光源位置に応じて算出された立体背景画像を新たな背景画像に変更する動作との少なくとも一方の動作を行う立体画像変更ステップをさらに備え、
前記立体表示ステップでは、前記立体画像変更ステップにおいて変更された新たな前景画像および新たな背景画像の少なくとも一方を前記表示面上に合成表示することを特徴とする。
【0019】
第9の発明は、第4の発明において、
前記立体表示ステップは、
前記表示画面の左右方向に両眼視差を生じるように生成される左目用画像および右目用画像における前記背景画像の位置、前記利用者画像の位置、および前記前景画像の位置をそれぞれ算出する位置算出ステップと、
前記移動位置算出ステップにおいて算出された各位置に、前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の順で重なるようにそれぞれ合成することにより、前記左目用画像および前記右目用画像を生成し、前記左目用画像を前記表示面を見る者の左目に与えられるべき画像として出力するとともに、前記右目用画像を前記表示面を見る者の右目に与えられるべき画像として出力する表示ステップとを含み、
前記位置算出ステップでは、前記左目用画像における前記背景画像と前記右目用画像における前記背景画像との前記表示面における前記左右方向へのずれ量、前記左目用画像における前記利用者画像と前記右目用画像における前記利用者画像との前記表示面における前記左右方向へのずれ量、および前記左目用画像における前記前景画像と前記右目用画像における前記前景画像との前記表示面における前記左右方向へのずれ量のいずれか2つ以上が異なるように、前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の前記右目用画像および前記左目用画像における位置をそれぞれ算出することを特徴とする。
【0020】
第10の発明は、被写体である利用者を撮影することにより得られる撮影画像に基づき、前記利用者の編集操作を受け付け合成画像を生成し、当該合成画像を写真として印刷する自動写真作成装置と、複数の端末装置との間で、所定の通信回線を介して通信を行うサーバ装置であって、
前記合成画像を構成する前記背景画像を示す情報と、前記前景画像を示す情報と、前記撮影画像または前記利用者の像のみからなる利用者画像を示す情報とを含む画像データを、前記自動写真作成装置から受け取る受信手段と、
前記受信手段により受け取られた画像データを記憶する記憶手段と、
前記複数の端末装置からの画像データの要求に応答して、対応する画像データを記憶手段から読み出し、対応する画像データに含まれる前記背景画像、前記前景画像、および前記利用者画像の少なくとも1つが、前記複数の端末装置に備えられる表示面において立体的に見え、前記自動写真作成装置において作成された合成画像において隠れて見えない画像部分のうちの少なくとも一部を表示可能な画像を生成する立体画像生成手段と、
前記立体画像生成手段により生成される画像を含む画像データを、前記要求を行った端末装置へ送信する送信手段と
を備えることを特徴とする。
【0021】
第11の発明は、第10の発明において、
所定の立体構造を表す人体モデルに基づき、前記利用者画像を変形するとともに、当該人体モデルが立体的に見えるように予め定められまたは仮想的な光源位置に応じて算出された当該人体モデルに対応する画像の輝度分布に応じて、前記利用者画像の輝度分布を変更する人物立体化手段をさらに備え、
前記送信手段は、前記人物立体化手段において変更された利用者画像を含む画像データを、前記要求を行った端末装置へ送信することを特徴とする。
【0022】
第12の発明は、第10または第11の発明において、
前記受信手段において受け取られた画像データに基づく前記前景画像に対応し、立体的に見えるように予め定められまたは仮想的な光源位置に応じて算出された立体前景画像を新たな前景画像に変更する動作と、前記受信手段において受け取られた画像データに基づく前記背景画像に対応し、立体的に見えるように予め定められまたは仮想的な光源位置に応じて算出された立体背景画像を新たな背景画像に変更する動作との少なくとも一方の動作を行う立体画像変更手段をさらに備え、
前記送信手段は、前記立体画像変更手段によって変更された新たな前景画像および新たな背景画像の少なくとも一方を、前記要求を行った端末装置へ送信することを特徴とする。
【0023】
第13の発明は、第10の発明において、
前記立体画像生成手段は、
前記表示画面の左右方向に両眼視差を生じるように生成される左目用画像および右目用画像における前記背景画像の位置、前記利用者画像の位置、および前記前景画像の位置をそれぞれ算出する位置算出手段と、
前記移動位置算出手段において算出された各位置に、前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の順で重なるようにそれぞれ合成することにより、前記左目用画像および前記右目用画像を生成する左右画像生成手段とを含み、
前記位置算出手段は、前記左目用画像における前記背景画像と前記右目用画像における前記背景画像との前記表示面における前記左右方向へのずれ量、前記左目用画像における前記利用者画像と前記右目用画像における前記利用者画像との前記表示面における前記左右方向へのずれ量、および前記左目用画像における前記前景画像と前記右目用画像における前記前景画像との前記表示面における前記左右方向へのずれ量のいずれか2つ以上が異なるように、前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の前記右目用画像および前記左目用画像における位置をそれぞれ算出し、
前記送信手段は、前記左右画像生成手段によって生成される前記左目用画像および前記右目用画像を、前記要求を行った端末装置へ送信することを特徴とする。
【0024】
第14の発明は、被写体である利用者を撮影することにより得られる撮影画像に基づき、前記利用者の編集操作を受け付け合成画像を生成し、当該合成画像を写真として印刷する自動写真作成装置と、複数の端末装置との間で、所定の通信回線を介して通信を行うサーバ装置に、
前記合成画像を構成する前記背景画像を示す情報と、前記前景画像を示す情報と、前記撮影画像または前記利用者の像のみからなる利用者画像を示す情報とを含む画像データを、前記自動写真作成装置から受け取る受信ステップと、
前記受信ステップにより受け取られた画像データを記憶する記憶ステップと、
前記複数の端末装置からの画像データの要求に応答して、前記記憶ステップにおいて記憶された対応する画像データを読み出し、読み出された対応する画像データに含まれる前記背景画像、前記前景画像、および前記利用者画像の少なくとも1つが、前記複数の端末装置にそれぞれ備えられる表示面において立体的に見え、前記自動写真作成装置において作成された合成画像において隠れて見えない画像部分のうちの少なくとも一部を表示可能な画像を生成する立体画像生成ステップと、
前記立体画像生成ステップにおいて生成される画像を含む画像データを、前記要求を行った端末装置へ送信する送信ステップと
を実行させることを特徴とする、プログラムである。
【0025】
なお上記第4から第9までの発明は、画像を表示するための表示面を有する端末装置の発明として記載することも可能であるので、以下、上記第4から第9までの発明に対応する第1から第6までの装置構成を付記的に記載する。
すなわち、上記第4の発明に対応する第1の装置構成は、
被写体である利用者を撮影することにより得られる撮影画像に基づき、前記利用者の編集操作を受け付け合成画像を生成し、当該合成画像を写真として印刷する自動写真作成装置において生成された合成画像を構成する前記背景画像を示す情報と、前記前景画像を示す情報と、前記撮影画像または前記利用者の像のみからなる利用者画像を示す情報とを含む画像データを、前記自動写真作成装置からまたは所定のサーバ装置を介して受け取る受信手段と、
前記受信手段で受け取られた画像データに基づき、前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の順で遠くから近くへ配置されているように、前記表示面上に立体的に合成表示することにより、前記自動写真作成装置において作成された合成画像において隠れて見えない画像部分のうちの少なくとも一部を表示可能とする立体表示手段とを備える。
【0026】
また上記第5の発明に対応する第2の装置構成は、上記第1の装置構成において、
前記端末装置に内蔵される当該装置の方位または傾きを検出するセンサからの情報を受け付ける検出手段をさらに備え、
前記立体表示手段は、
前記検出手段において検出される前記方位または前記傾きの、所定の基準値からの変化量に応じて、前記表示面上の前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像のいずれか2つ以上の位置を所定方向へ異なる距離だけ移動させた後の前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の各位置を算出する移動位置算出手段と、
前記移動位置算出手段において算出された各位置に、前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の順で重なるように前記表示面上に合成表示する合成表示手段とを含むことを特徴とする。
【0027】
さらに上記第6の発明に対応する第3の装置構成は、上記第2の装置構成において、
前記検出手段は、前記端末装置に内蔵される当該装置の表示面の左右方向の傾きを検出する傾きセンサからの情報を受け付け、
前記移動位置算出手段は、前記検出手段において検出される水平状態からの傾き量に応じて、前記傾きの方向へ移動させた後の前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の位置をそれぞれ算出することを特徴とする。
【0028】
さらにまた上記第7の発明に対応する第4の装置構成は、上記第1から第3までの装置構成において、
所定の立体構造を表す人体モデルに基づき、前記利用者画像を変形するとともに、当該人体モデルが立体的に見えるように予め定められまたは仮想的な光源位置に応じて算出された当該人体モデルに対応する画像の輝度分布に応じて、前記利用者画像の輝度分布を変更する人物立体化手段をさらに備え、
前記立体表示手段では、前記人物立体化手段において変更された利用者画像を前記表示面上に合成表示することを特徴とする。
【0029】
また上記第8の発明に対応する第5の装置構成は、上記第1から第4までの装置構成において、
前記受信手段において受け取られた画像データに基づく前記前景画像に対応し、立体的に見えるように予め定められまたは仮想的な光源位置に応じて算出された立体前景画像を新たな前景画像に変更する動作と、前記受信手段において受け取られた画像データに基づく前記背景画像に対応し、立体的に見えるように予め定められまたは仮想的な光源位置に応じて算出された立体背景画像を新たな背景画像に変更する動作との少なくとも一方の動作を行う立体画像変更手段をさらに備え、
前記立体表示手段は、前記立体画像変更手段において変更された新たな前景画像および新たな背景画像の少なくとも一方を前記表示面上に合成表示することを特徴とする。
【0030】
さらに上記第9の発明に対応する第6の装置構成は、上記第1の装置構成において、
前記立体表示手段は、
前記表示画面の左右方向に両眼視差を生じるように生成される左目用画像および右目用画像における前記背景画像の位置、前記利用者画像の位置、および前記前景画像の位置をそれぞれ算出する位置算出手段と、
前記移動位置算出手段において算出された各位置に、前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の順で重なるようにそれぞれ合成することにより、前記左目用画像および前記右目用画像を生成し、前記左目用画像を前記表示面を見る者の左目に与えられるべき画像として出力するとともに、前記右目用画像を前記表示面を見る者の右目に与えられるべき画像として出力する表示手段とを含み、
前記位置算出手段は、前記左目用画像における前記背景画像と前記右目用画像における前記背景画像との前記表示面における前記左右方向へのずれ量、前記左目用画像における前記利用者画像と前記右目用画像における前記利用者画像との前記表示面における前記左右方向へのずれ量、および前記左目用画像における前記前景画像と前記右目用画像における前記前景画像との前記表示面における前記左右方向へのずれ量のいずれか2つ以上が異なるように、前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の前記右目用画像および前記左目用画像における位置をそれぞれ算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
上記第1の発明によれば、自動写真作成装置によって生成された背景画像を示す情報と、前景画像を示す情報と、撮影画像または利用者画像を示す情報とを含む画像データがサーバ装置に送信され、サーバ装置に記憶された画像データは(例えば携帯電話端末などの)端末装置の要求に応じて送信され、端末装置において背景画像、利用者画像、および前景画像の順で遠くから近くへ配置されているように、表示面上に立体的に合成表示される。このことにより、自動写真作成装置において作成された合成画像において隠れて見えない画像部分のうちの少なくとも一部が表示可能とされるので、立体的に見えることにより高い遊戯性が得られ、かつ前景画像によって隠された撮影画像部分や、利用者画像(および前景画像)によって隠された背景画像部分を見ることができるようにすることができる。
【0032】
上記第2の発明によれば、自動写真作成装置によって生成された背景画像を示す情報と、前景画像を示す情報と、撮影画像または利用者画像を示す情報とを含む画像データがサーバ装置を介して受け取られ、背景画像、利用者画像、および前景画像の順で遠くから近くへ配置されているように、表示面上に立体的に合成表示される。このことにより、自動写真作成装置において作成された合成画像において隠れて見えない画像部分のうちの少なくとも一部が表示可能とされるので、立体的に見えることにより高い遊戯性が得られ、かつ前景画像によって隠された撮影画像部分や、利用者画像(および前景画像)によって隠された背景画像部分を見ることができるようにすることができる。
【0033】
上記第3の発明によれば、上記第2の発明と同様の効果を当該方法発明において奏することができる。
【0034】
上記第4の発明によれば、上記第2の発明と同様に、自動写真作成装置によって生成された背景画像を示す情報と、前景画像を示す情報と、撮影画像または利用者画像を示す情報とを含む画像データがサーバ装置を介して受け取られ、背景画像、利用者画像、および前景画像の順で遠くから近くへ配置されているように、表示面上に立体的に合成表示される。このことにより、自動写真作成装置において作成された合成画像において隠れて見えない画像部分のうちの少なくとも一部が表示可能とされるので、立体的に見えることにより高い遊戯性が得られ、かつ前景画像によって隠された撮影画像部分や、利用者画像(および前景画像)によって隠された背景画像部分を見ることができるようにすることができる。
【0035】
上記第5の発明によれば、端末装置の方位または傾きを検出するセンサからの情報を受け付ける検出ステップにおいて検出される方位または傾きの、所定の基準値からの変化量に応じて、表示面上の背景画像、利用者画像、および前景画像のいずれか2つ以上の位置を所定方向へ異なる距離だけ移動させた後の背景画像、利用者画像、および前景画像の各位置を算出し、算出された各位置に、背景画像、利用者画像、および前景画像の順で重なるように表示面上に合成表示するので、上記方位または傾きの変化量に応じて画像が移動するため、立体的に見えることにより高い遊戯性が得られ、かつ前景画像によって隠された撮影画像部分や、利用者画像(および前景画像)によって隠された背景画像部分を移動後に見ることができる。
【0036】
上記第6の発明によれば、表示面の左右方向の傾きを検出する傾きセンサからの情報を受け付け、検出される水平状態からの傾き量に応じて移動位置が算出されるので、表示面を左右に傾けるほど画像が大きく移動するため、立体的に見えることにより高い遊戯性が得られ、かつ前景画像によって隠された撮影画像部分や、利用者画像(および前景画像)によって隠された背景画像部分を移動後に見ることができる。
【0037】
上記第7の発明によれば、人体モデルに基づき利用者画像を変形するとともに、人体モデルが立体的に見えるように予め定められまたは仮想的な光源位置に応じて算出された当該人体モデルに対応する画像の輝度分布に応じて、利用者画像の輝度分布を変更することにより利用者画像がさらに立体的に見えるので、さらに高い遊戯性が得られる。
【0038】
上記第8の発明によれば、前景画像および背景画像の少なくとも一方が変更されることにより、変更された前景画像および背景画像の少なくとも一方がさらに立体的に見えるので、さらに高い遊戯性が得られる。
【0039】
上記第9の発明によれば、表示画面の左右方向に両眼視差を生じるように生成される左目用画像および右目用画像における背景画像の位置、利用者画像の位置、および前景画像の位置が、(典型的には互いに左右方向へ)ずれるようにそれぞれ算出されるので、簡単な構成で、前景画像、利用者画像、および背景画像の順で遠くから近くへ配置されて立体視されるように表示することができる。このことによりさらに高い遊戯性が得られるとともに、左目用画像および右目用画像の少なくとも一方において隠されていない利用者画像部分および背景画像部分を対応する目で知覚することができる。
【0040】
上記第10の発明によれば、上記第2の発明と同様に、自動写真作成装置によって生成された背景画像を示す情報と、前景画像を示す情報と、撮影画像または利用者画像を示す情報とを含む画像データを受け取り、背景画像、利用者画像、および前景画像の順で遠くから近くへ配置されているように、端末装置の表示面上に立体的に合成表示されるような画像を生成する。このことにより、自動写真作成装置において作成された合成画像において隠れて見えない画像部分のうちの少なくとも一部が表示可能とされるので、端末装置において、立体的に見えることにより高い遊戯性が得られ、かつ前景画像によって隠された撮影画像部分や、利用者画像(および前景画像)によって隠された背景画像部分を見ることができるようにすることを、サーバ装置によって実現することができる。
【0041】
上記第11の発明によれば、上記第7の発明と同様に、端末装置において、利用者画像がさらに立体的に見え、さらに高い遊戯性が得られることを、サーバ装置によって実現することができる。
【0042】
上記第12の発明によれば、上記第8の発明と同様に、端末装置において、前景画像および背景画像の少なくとも一方が変更されることにより、変更された前景画像および背景画像の少なくとも一方がさらに立体的に見え、さらに高い遊戯性が得られることを、サーバ装置によって実現することができる。
【0043】
上記第13の発明によれば、上記第9の発明と同様に、端末装置において、簡単な構成で、前景画像、利用者画像、および背景画像の順で遠くから近くへ配置されて立体視されるように表示することができ、このことによりさらに高い遊戯性が得られるとともに、左目用画像および右目用画像の少なくとも一方において隠されていない利用者画像部分および背景画像部分を対応する目で知覚することができることを、サーバ装置によって実現することができる。
【0044】
上記第14の発明によれば、上記第10の発明と同様の効果を当該プログラムの発明において奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊戯用自動写真作成装置の外観を示す図である。
【図2】上記実施形態における撮影ユニットの正面図である。
【図3】上記実施形態における編集ユニットの正面図である。
【図4】上記実施形態における出力ユニットの正面図である。
【図5】上記実施形態において、撮影操作用タッチパネルの画面構成を示す模式図である。
【図6】上記実施形態に係る遊戯用写真作成装置の要部を機能面から見た構成を示すブロック図である。
【図7】上記実施形態における撮影処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】上記実施形態におけるクロマキーマスクを適用した合成処理を説明するための図である。
【図9】上記実施形態における編集処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】上記実施形態における編集操作によって作成された合成画像例を示す図である。
【図11】上記実施形態における画像サーバ部の構成を示すブロック図である。
【図12】上記実施形態において、ウェブサーバにおけるアプリケーションの処理手順を示すフローチャートである。
【図13】上記実施形態において、携帯電話端末の表示部に表示される操作画面の一例を示す図である。
【図14】上記実施形態において、携帯電話端末における3D表示動作の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】上記実施形態において、表示画面が左方向に傾けられる場合における前景画面および利用者画像の移動態様を説明するための図である。
【図16】上記実施形態において、表示画面が左方向に傾けられる場合に表示される合成画像の一例を示す図である。
【図17】上記実施形態において、表示画面が右方向に傾けられる場合における前景画面および利用者画像の移動態様を説明するための図である。
【図18】上記実施形態において、表示画面が右方向に傾けられる場合に表示される合成画像の一例を示す図である。
【図19】上記実施形態の主たる第1の変形例において、立体的に見えるように変形された利用者画像の例を示す図である。
【図20】上記実施形態の主たる第1の変形例において、立体的に見えるよう変更または変形された前景画像および利用者画像を背景画像に合成した例を示す図である。
【図21】上記実施形態の主たる第2の変形例において、立体視可能な携帯電話端末で立体的に表示させた例を簡略に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。
<1.全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る自動写真作成装置である遊戯用自動写真作成装置の外観を示す図である。より詳細には、図1(a)は、この遊戯用自動写真作成装置を横から見た外観側面図であり、図1(b)は、上から見た外観平面図である。この遊戯用自動写真作成装置は、利用者が入る撮影室2と、利用者を撮影し背景画像(および前景画像)の選択を受け付ける撮影ユニット3と、利用者による落書き(描画操作)を含む編集操作を受け付け撮影画像に合成した合成画像を生成する編集ユニット4と、合成画像を出力する出力ユニット5とを備えている。図2は、撮影ユニット3の正面図であり、図3は、編集ユニット4の正面図であり、図4は、出力ユニット5の正面図である。以下、図1から図4を参照しつつ、本実施形態における遊戯用自動写真作成装置の全体構成について説明する。
【0047】
撮影室2は、略直方体形状であって、撮影ユニット3は、内部に入る利用者から見て前の面である撮影室2の前面に沿って配置されている。なお、撮影室2の左右両側面の一部には、それぞれ利用者が出入りするための開口部と、当該開口部の一部または全部を覆う遮光カーテンとが設けられている。また、撮影室2の内部に入る利用者から見て後ろの面である背面にはクロマキー合成処理のための単一の色(ここでは青色または緑色)が付されている。なお、これらの色は撮影対象となる床面等にも付されている。
【0048】
撮影ユニット3は、利用者を撮影する撮像手段としてのカメラ10と、当該カメラ10の上下左右の位置に配置され閃光を発するストロボ11,12,13L,13R,14と、当該カメラ10の下方に配置され利用者からの操作の受け付けや撮影画像の表示等を行う撮影操作用タッチパネル20とを備えている。
【0049】
カメラ10は、典型的には、CCD(電荷結合素子)を利用してデジタル画像信号を生成するデジタルカメラであって、利用者を撮影し、その撮影画像を表す画像信号を出力する。ストロボ11〜14は、撮影のための充分な光を得るために利用者に向かって閃光を発する。撮影操作用タッチパネル20は、撮影の際に利用者による各種操作を受け付けるための操作画面を提供するとともに、上記画像信号に基づく画像をリアルタイムで表示するように構成されている。
【0050】
図5は、撮影操作用タッチパネル20の画面構成を示す模式図である。図5に示すように、撮影操作用タッチパネル20には、リアルタイムで撮影画像を表示するためのリアルタイムプレビュー領域201と、ポーズの見本を表示するためのポーズ見本表示領域202と、撮影によって得られる落書き対象画像を表示するための落書き対象画像表示領域203とが含まれている。
【0051】
また撮影ユニット3は、コンピュータを中心に構成され各部の制御等を行う制御装置、I/O制御装置、および編集ユニット4と通信を行うためのネットワークアダプタ等を内蔵している。また、撮影ユニット3は、前面下方にコイン投入口26を備えている。
【0052】
編集ユニット4は、撮影ユニット3と同様のコンピュータを中心に構成され各部の制御等を行う制御装置、および撮影ユニット3等と通信を行うためのネットワークアダプタ等を内蔵している。また、編集ユニット4は、図1(b)に示すように、2組の利用者がプレイ可能なように2つのユニット4a、4bに分かれている。そのうちの一方のユニット4aには、落書き領域や落書きのためのメニュー、ツール等を表示する領域を含む編集操作用タッチパネル400と、当該編集操作用タッチパネル400に対する操作に使用されるタッチペン49L、49Rとが設けられている。なお、他方のユニット4bについても同様の構成となっている。ここで図1(a)において手前に見えるユニット4aを「落書きブースA」と呼び、その反対側(図では裏側)のユニット4bを「落書きブースB」と呼ぶ。
【0053】
本実施形態における編集操作用タッチパネル400は、各ユニット4a、4bにおいてそれぞれ2人の利用者が同時に落書きを行えるような画面構成となっている。なお、本説明においては、左側の利用者が使用する構成要素には「L」を含む参照符号を付し、右側の利用者が使用する構成要素には「R」を含む参照符号を付している。
【0054】
また、本実施形態における編集操作用タッチパネル400に表示される表示画面は、典型的には2人の利用者の操作に適するよう、左右に2分割されて表示されている。さらに、編集操作用タッチパネル400は、4つのタッチペン49L1、49L2、49R1、49R2による操作位置を同時に検出可能に構成されており、かつ、検出される各操作位置が、49L1、49L2、49R1、49R2のうちのいずれの操作に対応するのかも検出可能となっている。例えば、編集操作用タッチパネル400として静電容量方式のタッチパネルを使用した場合には、このような複数の操作位置の同時検出と操作されたタッチペンの識別とが可能である。
【0055】
出力ユニット5は、図4に示すように、典型的には携帯電話端末に内蔵される赤外線通信ポートにより、例えばデコメール(登録商標)画像等の素材画像などを利用者の携帯電話端末に転送する際に利用者によって操作される出力操作用タッチパネル30と、出力操作用タッチパネル30の下方に配置され上記素材画像等を赤外線信号として携帯電話端末に向けて直接送信するための赤外線ポート(非接触通信ポート)31と、上記通信の際に必要な操作方法や効果音などを音声によって利用者に知らせるスピーカ32とを備えている。また、出力ユニット5は、前面下方に、編集ユニット4で編集操作が行われた合成画像を印刷した写真シールや写真カード等を取り出す取出口33を備えている。
【0056】
なお、出力操作用タッチパネル30は、印刷が完了するまでの間、デモ画像やミニゲーム画面などを表示するが、利用者が合成画像を印刷された写真シールを携帯電話端末でも見たい場合に、上記赤外線通信機能(またはその他の近接無線通信機能)を備えた携帯電話端末に送信するのに必要な各種操作を受け付けるための操作画面を提供するように構成されていてもよい。
【0057】
また出力ユニット5は、携帯電話端末装置55を内蔵しており、利用者によって使用される携帯電話端末によってサーバから当該合成画像をダウンロードできるよう、後述するように合成画像を構成する撮影画像を含むデータを画像データとして典型的には第3世代型携帯電話(3G)方式の無線通信方式で近傍の無線基地へ送信する。
【0058】
このような出力ユニット5も、撮影ユニット3と同様のコンピュータを中心に構成され各部の制御等を行う制御装置および編集ユニット4等と通信を行うためのネットワークアダプタ等を内蔵しているほか、合成画像を写真シール等として印刷するネットワークプリンタ35を備えている。
【0059】
以上のような構成において、利用者は、撮影室2において撮影を行った後、編集ユニット4の落書きブースAまたは落書きブースBの編集操作用タッチパネル400を使用することにより、撮影画像に基づいて生成された落書き対象画像に対して落書きを行う。そして、利用者は、落書きによって生成された合成画像をネットワークプリンタによって印刷したり、サーバに送信された合成画像を携帯電話端末でダウンロードし端末画面に表示させたりする。
【0060】
<2.機能的構成>
図6は、本実施形態に係る遊戯用自動写真作成装置の要部を機能面から見た構成を示すブロック図である。この遊戯用自動写真作成装置は、携帯電話端末基地局装置である無線基地部200へ詳しくは後述する背景画像、前景画像、および利用者画像を典型的にはデータパケットの形で無線送信する。無線基地部200は図示されない周知の通信装置を介してインターネットに接続されており、このインターネットを介して上記画像データを画像サーバ装置である画像サーバ部300に送信する。この画像サーバ部300は、受け取った画像データを蓄積するとともに利用者等の要求に応じて、当該画像データから立体表示可能な画像データを生成し、生成された画像データを利用者等により使用される端末装置に送信する。
【0061】
また、図6に示すようにこの遊戯用自動写真作成装置は、機能的には、主として利用者を撮影する処理(撮影処理)を行うための撮影処理部7と、主として落書き対象画像に対する利用者の落書き操作に応じて当該落書き対象画像の編集処理を行うための編集処理部8と、編集処理が行われた落書き対象画像を写真シール等として出力したり、ここでは赤外線通信方式の非接触通信を利用して携帯電話端末に出力したりする処理(出力処理)を行う出力処理部9とから構成されている。
【0062】
撮影処理部7は、第1の制御部70と、撮影部71と、第1の表示・操作部72と、I/O制御部73と、照明部74と、第1の通信部75とによって構成されている。編集処理部8は、第2の制御部80と、第2の表示・操作部81,82と、第2の通信部83とによって構成されている。出力処理部9は、第3の制御部90と、第3の表示・操作部91と、印刷出力部92と、音声出力部93と、非接触通信部94と、第3の通信部95と、無線通信部96とによって構成されている。ネットワークアダプタである第1、第2および第3の通信部75,83,95は、LAN(Local Area Network)であるネットワーク6を介してそれぞれ相互に通信可能となっている。
【0063】
撮影部71は、CCD等の撮像素子を用いて構成されるカメラ10に相当し、リアルタイムに画像を取り込んで当該画像(撮影画像)を表す画像信号を出力する。この画像信号は第1の制御部70に入力されて、その内部のメモリに撮影画像データとして一時的に記憶される。また、この撮影画像データは撮影画像信号として第1の制御部70から第1の表示・操作部72に供給され、当該撮影画像信号に基づく撮影画像がリアルタイムに表示される。
【0064】
第1の表示・操作部72は、撮影操作用タッチパネル20に相当し、撮影画像に合成されるべき背景画像および前景画像を選択する操作や、出力されるべき写真のレイアウトを決定するための利用者の操作やシャッター操作等を受け付ける。これらの操作を示す信号は、操作信号として第1の制御部70に入力される。ここで、利用者を撮影するための(選択された撮影メニューに対応する)所定の処理が開始されると、第1の表示・操作部72に利用者のための案内が表示され、その後の第1の制御部70からの指示に基づき、数秒程度の予め決められた時間の経過後にカメラ10の撮影方向にストロボ11〜14から閃光が放たれる。そのとき、利用者の撮影画像を表す信号として撮影部71から出力される画像信号が第1の制御部70に入力され、第1の制御部70内のメモリまたは補助記憶装置としてのハードディスク装置等に撮影画像データとして格納される。
【0065】
照明部74は、カメラ10の上下左右の位置に配置されたストロボ11,12,13L,13R,14に相当し、第1の制御部70からの指示に基づきI/O制御部73によって点灯/消灯および調光が制御される。I/O制御部73は、撮影ユニット3に内蔵されるI/O制御装置に相当し、第1の制御部70からの指示に基づき、照明部74を制御する。また、後述のコイン検出部(不図示)からの検出信号等の入力信号を第1の制御部70へ転送する。第1の通信部75は、撮影ユニット3に内蔵されるネットワークアダプタに相当し、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0066】
第1の制御部70は、撮影ユニット3に内蔵され、CPU、メモリ、フレームバッファ、タイマー、補助記憶装置等を含むコンピュータを中心に構成される制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、上述のようにして入力される操作信号等に基づき各部を制御するために、上述のように各部に指示を出す。また撮影された画像に基づいて落書き対象画像を生成する。生成された落書き対象画像はフレームバッファに書き込まれることにより、第1の表示・操作部72に表示される。さらに、第1の制御部70は、落書き対象画像に所定の背景画像や前景画像を描画した画像である合成画像を生成する。生成された合成画像はフレームバッファに書き込まれることにより第1の表示・操作部72に表示される。こうして撮影および合成画像の生成が終了すると、生成された合成画像は利用者の入力操作に応じて適宜選択された後、第1の通信部75を介して、編集ユニット4に対応する第2の制御部80へ送られる。
【0067】
上記の構成要素の他、撮影ユニット3におけるコイン投入口26に投入されたコインを検出するためのコイン検出部(不図示)が更に撮影ユニット3に設けられており、第1の制御部70は、コイン検出部での検出結果に基づき、利用者に所定時間だけ撮影や背景画像および前景画像の選択や落書き等、本遊戯用自動写真作成装置によるプレイを許容するように各部を制御する。このコイン検出部による検出動作やその検出結果に基づく第1の制御部70による制御動作は、従来の遊戯用自動写真作成装置と同様であって周知であるので、その詳しい説明を省略する。
【0068】
第2の制御部80は、編集ユニット4に内蔵され、CPU、メモリ、フレームバッファ、および補助記憶装置等を含むコンピュータを中心に構成される制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、編集処理に関する全体の制御を行う。また、第2の制御部80は、第1の制御部70から送られてきた撮影画像に対する落書き処理を行うための操作信号に基づき、落書き対象画像に所定画像を描画した画像である合成画像を生成する。生成された合成画像は利用者の指示に応じて対応する第2の表示・操作部81,82に表示される。また後述するように、合成画像を構成する背景画像、前景画像、および利用者画像(または撮影画像)が画像サーバ部300へ送信される。上記記のような合成画像の生成が終了すると、当該合成画像は出力ユニット5に送られる。なお、印刷出力部92が別の合成画像を出力中である場合には、その旨が表示されるとともに終了を待って送られる。
【0069】
第2の表示・操作部81、82は、落書きのための編集操作用タッチパネル400に相当し、タッチペンを用いた利用者の操作を受け付ける。第2の通信部83は、編集ユニット4に内蔵されるネットワークアダプタに相当し、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0070】
第3の制御部90は、出力ユニット5に内蔵され、CPU、メモリ、フレームバッファ、タイマー、および補助記憶装置等を含むコンピュータを中心に構成される制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、出力処理に関する全体の制御を行う。第3の制御部90は、第2の制御部80から送られてきた合成画像を合成画像データとしてメモリに格納する。印刷出力部92は出力ユニットに内蔵されるネットワークプリンタ35に相当し、メモリに格納された複数枚の合成画像データを(適宜にレイアウトした)写真シール(または写真カード)として印刷する。印刷された写真シール等は、出力ユニット5の正面下方に設けられた取出口33から取り出される。
【0071】
また、第3の制御部90は、編集ユニット4から送られてきた合成画像に基づいて写真シール等の印刷処理を開始すると同時に、第2の制御部80において利用者により作成されまたは選択された背景画像と、前景画像と、利用者画像(または撮影画像)のデータを画像サーバ部300へ送信する処理を開始するよう無線通信部96を制御する。
【0072】
無線通信部96は、出力ユニット5に内蔵される携帯電話端末装置55に相当し、携帯電話端末によって画像サーバ部300から当該合成画像に相当する立体的に表示可能な画像をダウンロードできるように、第2の制御部80により作成された上記背景画像と、前景画像と、利用者画像(または撮影画像)のデータを3G方式の無線通信方式で無線基地部200へ送信する。
【0073】
またこのとき、画像サーバ部300において他の画像と識別するための識別番号が付与される。この識別番号は、典型的には製造時に各遊戯用自動写真作成装置に対して与えられるユニークなシリアルナンバー(例えば5桁)と、装置内で(製造後の初回の動作から)送信1回毎に順に付されるユニークな番号(例えば7桁)と、チェックサム(例えば2桁)とを含む。この識別番号も画像データとともに3G方式の無線通信方式で無線基地部200へ送信される。
【0074】
ここでこのデータ通信ではデータ(パケット)量に応じた所定の料金がかかるので、アップロードできる画像データは例えば2枚分と制限されているが、上記通信料金のほか、データ転送速度が遅いことによるアップロード時間の制約や、画像サーバ部300において蓄積可能なデータ量の上限による制約などを勘案して、アップロードできる画像データを1枚分としてもよいし、すべての合成画像データ(を構成する画像データ)をアップロードする構成であってもよい。また、無線通信部96は、画像データ等の送信が可能であれば、電話線や光ファイバーなどを使用した周知の通信回線に接続することにより通信を行う構成であってもよい。
【0075】
また、第3の制御部90は、編集ユニット4から送られてきた合成画像に基づいて写真シール等の印刷処理を開始すると同時に、利用者が選んだ合成画像のデータを携帯電話端末によって画像サーバ部300から当該合成画像をダウンロードできるように、後述するサーバのURL(Uniform Resource Locator)を携帯電話端末に送信するのに必要な各種操作を受け付けるための操作画面を第3の表示・操作部91に表示する。この第3の表示・操作部91は出力操作用タッチパネル30に相当し、入力手段として機能する。出力操作用タッチパネル30は、液晶ディスプレイまたはCRT(Cathode Ray Tube)等の表示手段として機能するモニタと、その上面に積層され、入力座標を認識することができる1人用のタッチパネルから構成される。モニタは複数の画面に分割された操作画面を表示することができ、タッチパネルは分割された複数の画面ごとに利用者のタッチペンを用いた入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を操作信号として第3の制御部90に入力する。第3の通信部95は、出力ユニット5に内蔵されるネットワークアダプタに相当し、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0076】
第3の制御部90は、入力された操作信号に基づき適宜の時点で、利用者がサーバのURLを利用者の携帯電話端末に送信するように非接触通信部94に対して指示を出す。非接触通信部94は赤外線ポート31に相当する。上記URLを示すデータは、非接触通信部94から利用者の携帯電話端末に直接送信される。第3の通信部95は、出力ユニット5に内蔵されるネットワークアダプタに相当し、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0077】
また第3の制御部90は、落書きを終えてから操作を始めるまでの間、補助記憶装置に予め記憶されているデモ画像(デモンストレーション用の画像)をフレームバッファに書き込むことにより第3の表示・操作部91に表示する。また音声出力部93は、スピーカ32に相当する。音声出力部93は、第3の表示・操作部91に表示される操作画面と連動して入力操作方法を利用者に説明し、また第3の表示・操作部91にデモ画像が表示されているときにデモ画像に応じた楽曲等を流す。なお、入力操作方法の説明や楽曲等は補助記憶装置としてのハードディスク装置等に予め格納されている。
【0078】
その後、第3の制御部90は、利用者がURLの送信操作を行わないと決定すると、第3の表示・操作部91の表示や音声出力部93による音声や効果音等により合成画像の印刷が完了するまで後述するミニゲームを利用者に提供し続ける。また、URLの送信操作を行うと決定すると、サーバへの画像転送が完了するまで上記ミニゲームを提供した後、URLの送信操作に対する案内を第3の表示・操作部91の表示や音声出力部93による音声等により行う。なお、上記案内やミニゲームの内容も同様にハードディスク装置等に予め格納されている。
【0079】
ここで、各制御装置において実行される上記所定プログラムは、例えば、そのプログラムを記録した記録媒体であるDVD−ROMによって提供される。すなわち、上記所定プログラムの記録媒体としてのDVD−ROMが補助記憶装置として制御装置内に内蔵されたDVD−ROM駆動装置に装着され、そのDVD−ROMから所定プログラムが読み出されて補助記憶装置としてのハードディスク装置にインストールされる。また、上記所定プログラムは、DVD−ROM以外の記録媒体(CD−ROM等)や通信回線を介して提供されてもよい。そして、本遊戯用自動写真作成装置の起動のための操作がなされると、ハードディスク装置にインストールされた所定プログラムは、制御装置内のメモリに転送されてそこに一時的に格納され、制御装置内のCPUによって実行される。これにより、制御装置による上記各部の制御処理が実現される。
【0080】
なお、上記第1から第3までの制御部70,80,90は、異なるユニットに内蔵される異なるコンピュータを含む装置に相当するものとして説明したが、このような構成は一例であって、上記第1から第3までの制御部70,80,90は、2つ以下または4つ以上の装置により実現されてもよい。この場合には各装置において、それぞれ実現されるべき機能に応じたプログラムが実行される。また、撮影ユニット3、編集ユニット4、および出力ユニット5についても、2つ以下または4つ以上のユニットにより構成されてもよい。
【0081】
<3.遊戯用自動写真作成装置における処理手順>
上述したように、この遊戯用自動写真作成装置には、撮影ユニット3と編集ユニット4と出力ユニット5とが含まれている。撮影ユニット3では撮影処理が行われ、編集ユニット4では後述する落書き編集処理が行われ、出力ユニット5では出力処理が行われる。なお、或る利用者が撮影ユニット3でプレイしている時に他の利用者は編集ユニット4でプレイし、さらに他の利用者は出力ユニット5で合成画像を出力することができるように構成されている。すなわち、この遊戯用自動写真作成装置は、撮影処理と落書き編集処理と出力処理とを並行して行うことができる。以下に、撮影処理、落書き編集処理、および出力処理の手順の概要について説明する。
【0082】
<3.1 撮影処理>
図7は、本実施形態における撮影処理の手順を示すフローチャートである。この遊戯用自動写真作成装置が使用されていない時(プレイが行われていない時)には、撮影操作用タッチパネル20にはデモ画像が表示されている。デモ画像の表示中に利用者がコイン投入口26にコインを投入すると、プレイが開始される(ステップS100)。
【0083】
プレイが開始されると、第1の制御部70は、利用者による撮影モードの選択を受け付ける(ステップS110)。ステップS110では、例えば画質(具体的にはコントラストが高いくっきりとした画質、柔らかなふんわりとした画質、または透明感のあるクールな画質のうちのいずれか)を選択し、明るさを選択し、自動で撮影するか手動で撮影するかを選択し、自動で撮影する場合には撮影用テーマの選択が行われる。この場合、第1の制御部70は、予め用意された複数の撮影用テーマの中から1つ以上の撮影用テーマを利用者に選択させるための画面を撮影操作用タッチパネル20に表示し、利用者による選択操作を受け付ける。そして、第1の制御部70は、利用者の選択操作に基づいて選択情報を取得し、選択された撮影用テーマに基づいて、撮影の際に使用するフレームと背景との組み合わせを決定する。また手動で撮影する場合は、上記フレームと背景との組み合わせを利用者が自由に決定する。
【0084】
次に、第1の制御部70は、利用者の第1の表示・操作部72に対する操作入力により選択された付加画像である背景画像に対して、クロマキー処理を行う(ステップS120)。すなわち、第1の制御部70は、まず撮影画像のうちクロマキー色を付された撮影室2の背面の像に対応するクロマキーマスクを作成する。このクロマキーマスクは、周知の合成マスク(アルファチャネル)であって、対象となる撮影画像のうちのキー色(ここでは青色または緑色)を有する領域に含まれる上記背面の像が占める領域を透明とし、それ以外の領域を非透明とするためのデータである。この合成マスクは一般的には対象となる画像の画素毎に0(完全透明)から255(完全非透明)までの透過度を示す値αが設定される。なおここでのαは、0および255のみが使用されるものとする。
【0085】
このようなクロマキーマスクを使用することにより、撮影画像の非透明領域(α=255)に相当する(利用者が適宜選択した)背景となるべき付加画像の領域は隠され(マスクされ)、その透明領域(α=0)に相当する背景となるべき付加画像の領域は見えるように合成される。そのため、あたかも対象となる撮影画像の非透明領域の部分が切り取られ、切り取られた当該部分が上記背景となるべき付加画像に対して貼り付けられたような遊戯性または娯楽性の高い合成画像が得られる。以下、このような合成処理を図8を参照にして具体的に説明する。
【0086】
図8は、このようなクロマキーマスクを適用した合成処理を説明するための図である。より詳しくは図8(a)は、クロマキーマスクを適用した撮影画像の例を示した図であり、図8(b)は、利用者により選択された背景とすべき付加画像を例示した図であり、図8(c)は、付加画像を背景として撮影画像に合成した画像を例示した図である。
【0087】
図8(a)における撮影画像には、クロマキーマスクに相当するアルファチャネルが設定されており、その非透明領域(α=255)は利用者の像の範囲に合致し、その透明領域(α=0)はそれ以外の撮影室2の背面部分の範囲(図中の斜線部)に合致している。
【0088】
この図8(a)に示されるクロマキーマスクを適用(すなわちアルファチャネルを設定)された撮影画像に対して、図8(b)に示される背景となる付加画像を合成する。そうすれば、付加画像のうち、撮影画像の非透明領域(α=255)に相当する利用者の像の範囲に対応する領域は隠され(マスクされ)、撮影画像の透明領域(α=0)に相当する付加画像の領域は見えるように合成されるので、図8(c)に示されるような前後関係を有する合成画像が得られる。
【0089】
続いて、第1の制御部70は、上記ステップS120において得られた合成画像を表示して、利用者Uを撮影するための撮影処理を行う(ステップS130)。ここで、このステップS120における付加画像の合成および本ステップS130における合成により得られる画像の表示は、プレビューモニタ22または撮影操作用タッチパネル20にリアルタイムで表示されてもよい。すなわち例えば、ステップS120の合成処理をステップS130において行うことにより、シャッターボタン等の押下による撮影画像の取得以前にも連続的に得られる撮影部(カメラ)71からの撮影画像に相当する取得画像に対して、上記合成画像をリアルタイムで合成して表示する。そうすれば、利用者は撮影前に合成結果を見ることができるので付加画像と所望の位置関係に立って撮影した合成画像を得ることができる。
【0090】
このように合成画像を表示した後に、第1の制御部70は利用者Uを撮影するための撮影処理を行う。この撮影処理において、第1の制御部70は、図示されないシャッターボタンまたは第1の表示・操作部72の画面に表示されるシャッターボタンが押されたか否かを操作信号に基づき判定し、シャッターボタンが押されるまで待機する。なお、シャッターボタンが一度も押されないまま撮影時間が終了するときには、シャッターボタンが押されたときの処理が自動的に行われるものとする。シャッターボタンが押下されると、第1の制御部70は、撮影開始を利用者に第1の表示・操作部72の画面で知らせ、数秒程度の予め決められた時間の経過後に撮影部(カメラ)71に撮影信号(シャッター信号)を送る。これにより、撮影部71のシャッター動作と同期して照明部(フラッシュ)74が閃光を放ち、第1の制御部70がキャプチャ処理を開始する。すなわち、第1の制御部70は、照明部(フラッシュ)74からの閃光で照らされた利用者Uの撮影画像を表す信号として撮影部71から出力される画像信号を受け取り、メモリまたは補助記憶装置内に撮影画像の画像ファイルとして格納する。なお、所定の撮影時間の間、シャッターボタンが押下される毎に上記キャプチャ処理が実行され、撮影画像が画像ファイルとして一時的に保存される。
【0091】
次に、第1の制御部70は、予め定められた回数(例えば10回)の撮影が行われることにより撮影が終了したか、撮影時間を示すタイマがタイムアウトとなることにより撮影が終了したか、または撮影時間の経過前であっても、第1の表示・操作部72に対して撮影処理の終了を指示する操作が行われることにより撮影が終了したか否かを判定する(ステップS150)。撮影が終了した場合、処理は次のステップS160に進む。撮影が終了しない場合には、ステップS120の処理に戻り、撮影が終了するまで上記処理が繰り返される(S150→S120→S130→S140→S150)。
【0092】
撮影が終了した場合、第1の制御部70は、複数回の撮影により取得された撮影画像それぞれに所望の付加画像が合成された複数の合成画像を第1の表示・操作部72に表示することにより、表示された複数の合成画像から後述する落書きを行うための1枚(または2〜4枚程度)の合成画像(正確には当該合成画像に含まれる背景画像および撮影画像)を決定するための利用者Uによる操作入力を受け付ける画像選択処理を行う(ステップS160)。
【0093】
なお、この処理の後(または前)に、出力すべき写真シールに複数の撮影画像(またはこれを含む合成画像)を適宜配置するレイアウト処理が行われてもよい。このレイアウト処理では、予め定められた制限時間内で撮影画像をどのように配置するかを決定するための操作を受け付けることにより、所定の位置に撮影画像または合成画像が配された画像であって写真シール等を印刷するための合成画像が生成される。
【0094】
次にステップS170では、案内画面の表示が行われる。具体的には、第1の制御部70は、利用者を編集ユニット4のいずれか(4aまたは4b)に導くための画面を撮影操作用タッチパネル20に表示する。これにより、撮影処理が終了する。
【0095】
<3.2 落書き編集処理>
図9は、本実施形態における落書き編集処理の手順を示すフローチャートである。第2の制御部80が所定のプログラムに基づき図9に示すように動作することで、この落書き編集処理が実現される。この処理では、上述した撮影処理の終了後、第2の制御部80は、ネットワーク(LAN)6を介して第1の制御部70から送られる落書き対象画像(図7のステップS160で利用者によって選択された合成画像に含まれる背景画像および撮影画像のデータ)を取得する(ステップS200)。なお、このように背景画像と撮影画像とを取得するのは、背景画像が合成された後の合成画像のみを取得すると、背景画像を交換することができないからである。その後、タイマー46が所定の時間(具体的には、落書きを許可する時間)に設定され、カウントダウンが開始される(ステップS210)。
【0096】
タイマー46のカウントダウン開始後、編集ユニット4を構成するユニット4a,4bのそれぞれの編集操作用タッチパネル400において、落書き編集操作画面が表示され、利用者による落書き操作(描画操作)が受け付けられる(ステップS232〜S236)。なおこの落書き編集処理時において、編集ユニット4では、撮影画像に基づく落書き対象画像に対する編集操作の他に、デコメール画像等の素材画像を作成するための編集操作が受け付けられてもよい。
【0097】
具体的には、編集操作画面内のボタンやツールなどの1つをタッチペンでタッチすると
具体的には、液晶タッチパネルに撮影画像および落書きのための各種アイコン等、例えば、仮想的な落書きペンの太さや色などを選択可能にするため表示されるペン先アイコンやスタンプ画像を選択可能にするため表示されるスタンプアイコン等が表示され、これらに対する利用者による操作が受け付けられる。すなわち利用者は、編集操作用タッチパネル400でこれらの各種アイコン等のうちの1つを選択する(すなわちタッチペン49a,49bを使用することにより表示されたアイコン上にカーソルを動かして確定させる)操作や、表示画面上の所望の位置を指定する操作などを行うと、その座標値が入力され(S232)、選択された各種アイコン等により示されるスタンプ画像の付加などの機能を実現する落書き画面処理(S234)が行われる。このように(背景画像に対して撮影画像がクロマキー合成された)落書き対象となる合成画像に対して、仮想的な落書きが行われる。
【0098】
図10は、上記のような編集操作によって作成された合成画像例を示す図である。図10に示される撮影画像に含まれる利用者の像と、背景画像とは、図8(c)に示される合成画像と同一であるが、さらに上記編集操作によって、図中に示される「ABC」という文字がスタンプ文字として書き込まれている。このスタンプ画像が前景画像となる。
【0099】
このように上記編集操作によって付加された様々なスタンプ画像やペンで描かれた画像は、落書き対象となる合成画像に対して(上書きの形で合成される)前景画像となる。この前景画像は、落書きされた時点毎に合成されてもよいが、ここでは落書き終了後に合成されるものとする。そして、落書き中は、落書きの手順が記憶されるものとする。例えば、あるアイコンが選択され対応するスタンプ画像が合成される場合には、選択されたスタンプ画像を識別するための番号と、合成時の座標等が記憶される。そうすれば、落書きのやり直し(アンドゥ操作)が可能になるとともに、後述する画像サーバ部300へ送信される画像データを(スタンプ画像をそのまま画像データとして送信する場合よいも)小さくすることができる。
【0100】
なお、ここでさらに新たな背景画像を選択することにより、背景画像を入れ替える編集操作が行われてもよい。その場合には、落書き対象となる撮影画像に対して、新たに選択された背景画像が合成される。
【0101】
その後ステップS236においてタイマー46の残り時間が0になる(または利用者が終了させる操作を行う)ことにより落書きが終了したかが判定され、終了していない場合(S236においてNoの場合)にはステップS232に戻り、落書きが終了するまで処理が繰り返され、落書きが終了した場合(S236においてYesの場合)には、処理はステップS240に進む。
【0102】
ステップS240では、出力される写真の分割パターンの選択が行われる。具体的には、第2の制御部80は、予め用意された複数の分割パターンの中からいずれかの分割パターンを利用者に選択させるための画面を編集操作用タッチパネル400に表示し、利用者による選択操作を受け付ける。そして、第2の制御部80は、利用者の選択操作に基づいて、選択情報を取得する。ステップS240の処理が終了した後、ステップS250の処理に進む。
【0103】
ステップS250では、画像サーバ部300へ合成画像を構成する背景画像、前景画像、および撮影画像(または利用者画像)のデータ送信が行われる。ここで、前景画像として、ビットマップデータなどの画像データそのものを送信してもよいが、前述したように記憶される落書きの手順によって示されるスタンプ画像などの画像の種類を示すデータ番号と、合成座標などの前景画像を示すデータを送信することが好ましい。また同様に、背景画像も対応するデータ番号などのデータを送信することが好ましい。そこで以下では、合成画像を構成する前景画像および背景画像を示す(ビットマップデータなどの)画像データと、これらのデータを決定するための上記情報とを広く前景画像を示す情報および背景画像を示す情報と呼び、これら前景画像および背景画像を示す情報と、利用者画像(を示す情報)とを合わせて、合成画像を構成する画像データと呼ぶ。このように画像データを構成すれば送信データのサイズを小さくすることができる。なお、撮影画像を送信する場合にも、画像サーバ部300においてクロマキー処理を行えば、利用者画像を容易に取得することができる。
【0104】
次にステップS260では、案内画面の表示が行われる。具体的には、第2の制御部80は、利用者を出力ユニット5に導くための画面を編集操作用タッチパネル400に表示する。これにより、落書き編集処理が終了する。落書き編集処理が終了すると、出力ユニット5において、編集ユニット4から送られてきた合成画像に基づいて写真シール等の印刷処理が開始されることなどについては前述した通りである。
【0105】
<4.画像サーバ部の構成および動作>
次に、図11を参照して、画像サーバ部300の詳細な構成を説明する。図11は、画像サーバ部の構成を示すブロック図である。この画像サーバ部300は、本遊戯用自動写真作成装置を始めとして各地に設置されている複数の遊戯用自動写真作成装置から送られてくる合成画像を構成する画像データを構成する画像データを受け付け蓄積するとともに、利用者の携帯電話端末からの要求に応じてインターネットを介して蓄積されている合成画像を構成する画像データを提供する。
【0106】
なお、携帯電話端末に画像データを送信する構成で説明するが、携帯電話端末に代わるようなサーバ装置から画像を受信し表示することができる端末装置であればよく、例えば一般的なパーソナルコンピュータ装置などであってもよい。
【0107】
図11に示すように、画像サーバ部300は、アップロード用ルータ310と、アップロード処理サーバ320と、ロードバランサ330と、ウェブサーバ341,342と、データベースサーバ350とを備えている。なおこれらの一部または全ては、専用のハードウェアであってもよいし、これらの機能を実現するためのソフトウェアがインストールされたコンピュータであってもよい。またこれらの機能のうちの複数または全てが1つのコンピュータにより実現されてもよい。
【0108】
アップロード用ルータ310は、前述のように遊戯用自動写真作成装置からインターネットを介して送られてくる、すなわち遊戯用自動写真作成装置からアップロードされる合成画像を構成する画像データ(およびその画像データを他のデータと区別するための前述した識別番号)を受信するためのアップロード回線ULと接続されており、これらのデータのアドレス変換などを行った後、アップロード処理サーバ320へ転送する。アップロード処理サーバ320は、受け取った合成画像を構成する画像データをその識別番号と関連付けて、データベースサーバ350に与える。データベースサーバ350は、アップロード処理サーバ320から受け取った合成画像を構成する画像データをその識別番号と関連付けて蓄積する。
【0109】
ロードバランサ330は、利用者の携帯電話端末と通信を行うためのダウンロード回線DLと接続されており、アップロード用ルータ310と同様のルータ機能を有するとともに、多数の利用者へ比較的大きな画像データを転送する負荷により処理速度が低下しないよう、ウェブサーバ341,342に対して処理を適宜に分散して割り当てる機能を有している。
【0110】
ウェブサーバ341,342は、ロードバランサ330から割り当てられた利用者からの処理要求に応じて、合成画像を構成する画像データをダウンロードさせるための後述する操作画面を利用者の携帯電話端末に表示させ、さらに利用者によるダウンロードの要求に応じて合成画像を構成する画像データを送信する。なお、これらのウェブサーバ341,342は、3つ以上であってもよいし、1つであってロードバランサ330が(ルータ機能を除き)省略されてもよい。
【0111】
さらに具体的に説明すると、携帯電話端末からの上記処理要求は、画像サーバ部300に対応するURLにアクセスする形で行われる。例えばこのURLは、画像サーバ部300に対応するURL部分と、ダウンロードしたい合成画像を構成する画像データに対応するURL部分とを含むものであって、例えば、"http://decopika.jp/〜/select.aspx?did=012345678901" というように表記される。この表記例では、数字の部分がダウンロードしたい合成画像を構成する画像データに対応するURL部分であり、合成画像を構成する画像データに関連付けられたユニークな識別番号である。この画像サーバ部300に対応するURL部分は予め定まっており、上記識別番号は遊戯用自動自動写真作成装置によって付されるので、非接触通信部94はこのURLを容易に作成し携帯電話端末へ送信することができる。なお、上記識別番号に代えて、ファイル名やフォルダ名など他の画像データと区別することができる識別データが使用される構成であってもよい。
【0112】
ウェブサーバ341,342は、上記URLを示すデータを受け取ると、利用者の携帯電話端末に、対応する合成画像を構成する画像データをダウンロードすることができる操作画面を表示する。例えば、この操作画面は2枚の合成画像を構成する画像データの縮小画像(サムネイル画像)を含み、また当該合成画像を構成する画像データを立体的に表示したり、ダウンロードしてアルバムに登録するなどの各種指示を利用者が選択できるようにするための文字列を含む。なお、この操作画面は、携帯電話端末に内蔵されるインターネット用ブラウザなどのアプリケーションプログラムにより表示されるが、携帯電話端末に(事前にダウンロードされることなどにより)内蔵された専用のアプリケーションプログラムにより表示されてもよい。
【0113】
図12は、ウェブサーバにおける上記アプリケーションの処理手順を示すフローチャートである。なお、ここではウェブサーバ341が携帯電話端末から上記処理要求を受けているものとして説明する。
【0114】
図12に示すステップS300において、ウェブサーバ341は、処理要求を行った利用者の携帯電話端末の表示画面に、後述する図13に示すような操作画面を表示させる処理を(典型的には携帯電話に内蔵されるブラウザを介して)行う。その後、ウェブサーバ341は、上記操作画面において選択される指示コマンドに応じた表示等を可能にするため、選択された合成画像に相当する画像データを当該携帯電話端末に送信し(ステップS310)、選択された指示コマンドに対応する処理を携帯電話端末に実行させる(ステップS320)。
【0115】
図13は、携帯電話端末の表示部に表示される上記操作画面の一例を示す図である。図13には、画像ダウンロードという表題の操作画面800が示されており、この画面には、上記合成画像のサムネイル画像811,812と、それぞれを立体的に表示(3D表示)したり、そのまま合成画像として通常表示したり、アルバムに登録するための指示を受け付ける文字列812,822とが表示されている(上記ステップS300における処理に対応する)。
【0116】
ここで例えば、サムネイル画像811,812の表示領域や、文字列812,822に含まれる「通常表示」という部分を選択する操作を利用者が行うと、画像サーバ部300から送信される(縮小されていない通常サイズの)合成画像データが携帯電話端末の所定の記憶領域内に保存される(上記ステップS310における処理に対応する)。また、当該保存された合成画像が携帯電話端末の表示部に表示される(上記ステップS320における処理に対応する)。
【0117】
また、文字列812に含まれる「3D表示」という部分を選択する操作を利用者が行うと、画像サーバ部300から送信される上記合成画像を構成する画像データが携帯電話端末に保存され(上記ステップS310における処理に対応する)、詳しく後述するように携帯電話端末の傾きに応じて前景画像および利用者画像の位置が移動するような合成画像の立体表示が行われる(上記ステップS320における処理に対応する)。
【0118】
さらにこの文字列812に含まれる「アルバムに登録する」という部分を選択する操作を利用者が行うと、選択された画像がデータベースサーバ350に長期間保存される。すなわち、データベースサーバ350の記憶容量には限界があるため、画像の無料保存期間を例えば7日間とし、有料の会員登録を行った利用者についてのみ、当該合成画像データを会員毎に定められたアルバムに登録する形でデータベースサーバ350に保存することを許可する。そしてこのアルバムに登録された合成画像データは、会員である期間中消去されず、会員である利用者はいつでもダウンロードすることができるようになっている。このような構成により有料の会員登録を促進させることができる。またアルバムに登録された合成画像を構成する画像データに基づき、3D表示以外の様々な表示態様を行うことができるように構成されていてもよい。
【0119】
なお、ここでは画像サーバ部300が上記URLを受け付けた時、対応する合成画像がデータベースサーバ350に保存されていることを前提に説明したが、通信の遅れなどにより、当該合成画像のデータが未だアップロードされていない場合も考えられる。その場合には、ウェブサーバ341,342は、図13に示されるような操作画面に代えて、未だアップロードが完了していない旨を示す案内表示を含む画面を当該携帯電話端末に表示させてもよい。また当該表示に代えて音声による案内が行われてもよい。そうすれば、利用者に異常動作等の不安感を抱かせることなく後でダウンロード操作を行わせることができる。
【0120】
また、赤外線通信などの非接触通信により携帯電話端末に直接与えられる上記URLは、携帯電話端末内で電子メールのように後で参照可能な形で残らない、または残らないことが多い。そこで、ウェブサーバ341,342は、上記URLの保存を利用者に促す案内、例えば「ブックマークに保存して下さい」などといった案内を含む画面を当該携帯電話端末に表示させてもよい。また当該表示に代えて音声による案内が行われてもよい。そうすれば、利用者が上記URLを誤って保存しないまま操作を終了してしまうことを防止することができる。
【0121】
さらに、ウェブサーバ341,342は、上記案内に代えて、または上記案内を行った後、上記識別番号を利用者が自ら入力することが可能なウェブページ(ホームページ)や、利用者による多様な指示を受け付けることが可能なウェブサイトの最上位層に対応するウェブページ(ホームページ)などを携帯電話端末に表示させる構成であってもよい。例えば図13に示される操作画面801において、「コンテンツページへ」という文字列などを表示させ、当該文字列が利用者により選択されると、上記ホームページにおける操作画面が表示され、利用者によるデコメール画像、待ち受け画像、待ち受けフラッシュ、またはケータイ着せ替えなどの各種コンテンツを取得するための指示が受け付けられる。このように構成すれば、利用者に異常動作等の不安感を抱かせることなく後でダウンロード操作を行わせることができる。
【0122】
さらにまた、ウェブサーバ341,342は、上記アップロードが完了していない場合には、上記案内に併せて利用者にメールアドレスを登録するよう促す案内を行い、アップロードが完了した後にその旨の案内メールを登録されたメールアドレス宛に送信する構成であってもよい。そうすれば、利用者にアップロードが完了したことを確実に告知することができ、後でダウンロード操作を行わせることができる。
【0123】
ここで、ウェブサーバ341,342(の制御部)において実行される上記処理を実現する所定プログラムは、遊戯用自動写真作成装置と同様に、例えばそのプログラムを記録した記録媒体であるDVD−ROMによって提供され、補助記憶装置としてのハードディスク装置にインストールされる。また、上記所定プログラムは、DVD−ROM以外の記録媒体(CD−ROM等)や通信回線を介して提供されてもよい。そして、ウェブサーバ341,342のハードディスク装置にインストールされた所定プログラムは、制御装置内のメモリに転送されてそこに一時的に格納され、制御装置内のCPUによって実行される。これにより、ウェブサーバ341,342の制御装置による上記処理が実現される。
【0124】
<5.携帯電話端末装置の3D表示動作>
次に、図13に含まれる文字列812に含まれる「3D表示」という部分が選択されることにより行われる、携帯電話端末の傾きに応じて前景画像および利用者画像の位置が移動するような合成画像の立体表示動作について、図14を参照して説明する。
【0125】
図14は、携帯電話端末における上記3D表示動作の処理手順を示すフローチャートである。この図14に示されるステップS400において、携帯電話端末の制御部は、携帯電話端末に内蔵される傾きセンサによって検出された装置の傾きを示す値を取得する。この傾きセンサは、例えば表示面におけるX軸方向(画面の左右方向)とY軸方向(画面の上下方向)とこれらに垂直なZ軸方向(画面に対する垂直方向)のそれぞれの傾きを検出可能なように設置される3つの加速度センサにより実現される。また、加速度センサとは異なる周知の傾きセンサ(例えば磁石や液面の傾きを検出する形式の傾斜センサなど)が使用される構成であってもよい。
【0126】
ここで例えば、X軸加速度センサが重力加速度に一致する値を検出する場合、表示画面は左右方向に傾いていないため、傾きを示す値はゼロとなる。なお、Y軸方向の加速度センサも重力加速度に一致する値を検出する場合には、利用者が地面に対して平行に携帯電話端末の表示面を見ていることになる。
【0127】
また、例えばX軸加速度センサが重力加速度の√2/2に一致する値を検出する場合は、地面に対し右または左に45°傾いている状態であると言える。この場合にはZ方向の加速度センサからの出力値を併せて参照することによりいずれの方向に傾いているかを判断する。
【0128】
次に、ステップS410において、携帯電話端末の制御部は、傾きセンサによって検出された装置の傾きを示す値に基づき、合成画像を構成する画像データに含まれる前景画像および利用者画像の(携帯電話端末の表示部における)表示位置を移動するための計算を行う。
【0129】
ここでは、携帯電話端末の表示画面が左方向に傾くと、その傾き量に応じて前景画面および利用者画像が左方向に移動し、かつ前景画面の移動量が利用者画像の移動量よりも大きくなるように表示される。
【0130】
図15は、上記のように表示画面が左方向に傾けられる場合における前景画面および利用者画像の移動態様を説明するための図である。この図15では、移動後の「ABC」というスタンプ画像である前景画像および利用者画像(の輪郭線)が実線で示されており、受信された画像データに含まれる(上記移動前の)合成画像における(本来の)上記前景画像および利用者画像が点線で示されている。なお図を見やすくするため、移動前の前景画像は、移動後の利用者画像よりも前になるように示されている。
【0131】
この図15を参照すれば分かるように、実線で示されている移動後の利用者画像の位置は、点線で示されている利用者画像の(移動前の本来の)位置から距離ML1だけ左方向へ移動している。また実線で示されている移動後の前景画像の位置は、点線で示されている前景画像の(移動前の本来の)位置から距離ML1よりも大きい(ここでは2倍の距離である)距離ML2だけ左方向へ移動している。
【0132】
このように前景画像の方が利用者画像よりも大きく移動すると、利用者から見て前景画像の方が利用者画像よりも手前方向(表示画面に対して垂直に、利用者へ向かう方向)に存在するかのように、立体的に見えることになる。
【0133】
ステップS420では、上記ステップS410において計算された前景画像および利用者画像の位置に基づき、受信された画像データに含まれる背景画像に対して、移動後の前景画像および利用者画像を合成する。なお、利用者画像でなく撮影画像が含まれる場合には、周知のクロマキー合成を行うことにより同様の利用者画像を容易に生成することができる。
【0134】
ステップS430では、利用者の操作入力等(例えば中断操作の入力や、無入力状態または傾きの不変化状態の一定時間の継続など)により、3D表示動作を終了するか否かが判定され、終了しないと判定される場合(ステップS430においてNoの場合)、ステップS400の処理に戻り、終了すると判定されるまで上記処理が典型的には高速に繰り返される(S430→S400→…→S430)。また3D表示動作を終了すると判定される場合、3D表示操作は終了し、例えば図13に示す操作画面が表示される処理に戻る。
【0135】
図16は、以上のようにして生成された表示画面が左方向に傾けられる場合に表示される合成画像の一例を示す図である。落書き編集直後の合成画像例である図10と比較すれば、前景である「ABC」というスタンプ文字の方が、利用者画像よりも大きく左方向へ移動していることがわかる。このような変化は、表示画面の傾きが変化する毎に、検出される傾きに応じて(S400)、前景画像および利用者画像の移動距離が再計算され(S410)、再計算された移動距離に応じた位置に合成表示される(S420)という動作が高速(具体的には、画像の変化が連続的に見えるかまたは連続性があると感じられる程度の速度)で繰り返されれば、前景画像、利用者画像、および背景画像の順に配置されているように見え、結果的に立体的に見えることになる。なお、背景画像も同様に移動するように構成してもよいが、その移動距離は前景画像および利用者画像の移動距離よりも小さいことが好ましい。そうすれば結果的に立体的に見えることになる。
【0136】
また、表示画面が右方向へ傾けられる場合には、図17に示されるように、実線で示されている移動後の利用者画像の位置は、点線で示されている利用者画像の(移動前の本来の)位置から距離MR1だけ右方向へ移動し、実線で示されている移動後の前景画像の位置は、点線で示されている前景画像の(移動前の本来の)位置から距離MR1よりも大きい(ここでは2倍の距離である)距離MR2だけ右方向へ移動している。図18は、このように移動した前景画像および利用者画像を背景画像に対して合成した合成画像の表示例を示す図である。
【0137】
このように、利用者が携帯電話端末を左方向へ傾けるほど、利用者画像が左方向に移動すると共に、前景画像がさらに大きく左方向へ移動し、また携帯電話端末を右方向へ傾けるほど、利用者画像が右方向に移動すると共に、前景画像がさらに大きく右左方向へ移動するので、結果的に立体的に見えることになる。
【0138】
また、図16や図18を図10と比較すれば分かるように、利用者画像が左方向または右方向に移動することにより、移動前には利用者画像によって隠れて見えなかった背景画像部分が見えるようになる。さらに、前景画像が左方向または右方向に移動することにより、移動前には前景画像によって隠れて見えなかった利用者画像部分(および背景画像部分)が見えるようになる。このように、自動写真作成装置において生成される合成画像では見えない部分を、携帯電話端末を傾ける簡単な動作だけで見ることができる。
【0139】
以上の3D表示動作は、携帯電話端末に(事前にダウンロードされる等により)内蔵された専用のアプリケーションプログラムにより行われるが、当該動作の一部が携帯電話端末に内蔵されるインターネット用ブラウザなどのアプリケーションプログラムにより実現される構成であってもよいし、画像サーバ部300に内蔵されるアプリケーションプログラムによって実現される構成であってもよい。
【0140】
なお、上記の3D表示動作における前景画像および利用者画像の移動方向は、携帯電話端末の表示画面の傾く方向と一致するように説明したが、必ずしも合致する必要はなく、また表示画面を傾けることなく回転させることにより、前景画像および利用者画像を移動させる構成であってもよい。この場合には、傾きセンサに代えて、表示画面の回転方向および回転量を検出可能な、磁気方位センサやジャイロセンサなどを使用し、例えば利用者が携帯電話端末の表示画面を左に回転させると、その回転量に応じて利用者画像が左方向に移動すると共に、前景画像がさらに大きく左方向へ移動するような構成であってもよい。
【0141】
また、上記の3D表示動作における前景画像および利用者画像の移動量は前景画像の方が大きく、背景画像を移動させる場合であっても背景画像の移動量は利用者画像の移動量より小さいものとして説明したが、これらとは異なる移動量で移動させても立体感は得られる。例えば、利用者画像を移動させず、背景画像と前景画像とを反対方向に動かすと、利用者画像を中心にして背景画像と前景画像とが前後に配置されている立体感は得られる。このような構成では、撮影室2内の利用者をカメラ10の位置から見た時のような自然な立体感を得られるわけではないが、例えばカメラ10から離れた撮影室2の外側の位置から撮影室2をあたかも手にとって眺めるかのような遊戯性のある立体感が得られる。このように3D表示動作における仮想的な視点位置は様々に定められることから、本実施形態では、傾きセンサによって検出される傾きの基準値からの変化量に応じて、背景画像、利用者画像、および前景画像のいずれか2つ以上の位置を所定方向へ異なる距離だけ移動させた後の背景画像、利用者画像、および前景画像の各位置を算出し、算出された各位置に、背景画像、利用者画像、および前景画像の順で重なるように表示面上に合成表示する構成であればよい。
【0142】
ここでその具体例としては、利用者画像を移動させず、前景画像と背景画像とを反対方向に同一距離だけ動かし、かつ傾きセンサによって検出される傾きの基準値からの変化量が大きくなるほど、上記距離が大きくなるように動かせば、利用者画像の位置を中心として仮想的な視点位置が撮影室2の外側の位置から撮影室2の周囲をあたかも回るように見え、また携帯電話端末を傾けるほど大きく回転するように見えるので、高い遊戯性が得られる。なお、上記のように利用者画像の位置を中心とするのではなく、前景画像の位置を中心としてもよいし、任意の位置を仮想的な上記回転の中心位置として定め、予め定める単位変化量に対する前景画像、利用者画像、および背景画像の移動距離をそれぞれ計算しておき、得られる単位変化量に対する上記計算された各移動距離に、傾きセンサによって検出される上記変化量をそれぞれ乗算し、その結果得られる各値を、前景画像、利用者画像、および背景画像の移動距離として算出してもよい。またこの場合における前景画像、利用者画像、および背景画像のうちのいずれかの間に上記中心位置が定められる場合、当該中心位置を挟んで対向する画像の移動方向は反対の向きに設定される。そうすれば当該中心位置で各画像が立体的に回っているように見えるからである。
【0143】
以上の3D表示動作を実現するための携帯電話端末(の制御部)において実行される所定プログラムは、インターネットを介して所定のサーバ装置(例えば画像サーバ部300)によって提供され、補助記憶装置としての半導体メモリに展開された後、携帯電話端末の制御装置内のCPUによって実行される。なお、上記所定プログラムは、携帯電話端末に予め保存されていてもよい。
【0144】
<6.効果>
以上のように、本実施形態によれば、前景画像を示す情報、背景画像を示す情報、および撮影画像または利用者画像を示す情報を含む画像データが画像サーバ部300に送信され、これらの画像データが携帯電話端末にダウンロードされ、携帯電話端末の傾きに応じて、背景画像、利用者画像、および前景画像のいずれか2つ以上の位置を所定方向へ異なる距離だけ移動させて合成表示されるので、立体的に見えることにより高い遊戯性が得られ、かつ前景画像によって隠された撮影画像部分や、利用者画像(および前景画像)によって隠された背景画像部分を見ることができるようにすることができる。
【0145】
<7.変形例>
<7.1 主たる第1の変形例>
上記実施形態では、前景画像および利用者画像を移動させることにより、立体的に見えるようにしたが、さらに前景画像および利用者画像を立体的に見えるように変更または変形することも考えられる。そうすればさらに立体的に見えるため、遊戯性をさらに高めることができる。なお、上記実施形態のように前景画像および利用者画像を移動させることなく、以下のように前景画像および利用者画像を立体的に見えるように変更または変形する構成であってもよい。その場合であっても遊戯性をさらに高めることができる。
【0146】
図19は、立体的に見えるように変形された利用者画像の例を示す図である。図19に示されるように、利用者の像には影が付されており、また図示されていないが、画像の周辺部分が中央部分よりも縮小されるように利用者画像が変形される。このような変形は、周知の人体モデルを適用することにより行うことができる。
【0147】
すなわち、典型的な人の立体構造を簡易に表した人体モデルを予め記憶しておき、当該人体モデルの表面に利用者画像をテクスチャとして貼り付けるなどの周知の手法に基づき、利用者画像を変形する。
【0148】
さらに、当該人体モデルが立体的に見えるように予め定められた、または仮想的な光源位置に応じて所定の算出式によって算出された当該人体モデルに対応する画像の輝度分布に応じて、利用者画像の輝度分布を変更する。そうすれば人物が立体的に見えるような影が付されることになる。図19では、仮想的な光源が人物の前方にあるように設定され、その結果、人物の輪郭付近に影が付されている。なお、これらの人物を立体的に見せる手法は一例であって、2次元画像を立体的に見せる周知の様々な手法を適用することができる。また、前景画像および利用者画像を上記実施形態のように移動させる場合に、傾きセンサによって検出される傾きの変化量に応じてまたは利用者画像の移動量に応じて立体的な見え方が変化するように、予め定められた複数の人体モデル(の画像輝度分布)から適切な1つを選択し、または仮想的な光源位置に応じて再度計算することにより、利用者画像の輝度分布を適宜に変更してもよい。そうすれば画像の移動に応じた立体感が得られ、さらに遊戯性を高めることができる。
【0149】
さらにまた、以上のようにして利用者画像を立体的に見せるだけではなく、前景画像も立体的に見せるように変形するとさらに遊戯性が高まるため好ましい。具体的には、自動写真作成装置において選択可能な前景画像(例えばスタンプ画像)全てについて、それぞれ立体的に見えるような同様の前景画像を予め用意しておき、合成画像に含まれる前景画像を対応する立体的に見える前景画像と置き換え、置き換えられた前景画像を合成する。また、仮想的な光源位置に応じて所定の算出式によって算出された画像の輝度分布に応じて、前景画像の輝度分布を変更した新たな前景画像を生成し、当該新たな前景画像を合成する構成であってもよい。なお、利用者画像と同様、前景画像についても、傾きセンサによって検出される傾きの変化量に応じてまたは前景画像の移動量に応じて立体的な見え方が変化するように、予め定められた複数の(見え方が異なる)画像から適切な1つを選択し、または仮想的な光源位置に応じて再度計算することにより、前景画像を適宜に変更してもよい。そうすれば画像の移動に応じた立体感が得られ、さらに遊戯性を高めることができる。
【0150】
図20は、上記のように立体的に見えるように変更または変形された前景画像および利用者画像を背景画像に合成した例を示す図である。図20は、図16と比較すれば分かるように、前景画像である文字は奥行きのある立体的な形状の文字に置き換えられており、利用者画像には立体的に見える影が付された図19に示す利用者画像が合成されているため、より立体的に感じされる合成画像が表示される。そのため遊戯性をさらに高めることができる。
【0151】
さらに前景画像と同様に、背景画像も立体的に見せるように同様の手法を用いて変形してもよい。そうすればさらに遊戯性が高まるため好ましいことが多い。もっとも、前景画像と異なり背景画像は複雑で立体的な絵が使用されていることもあり、また遠くに見えるため、立体的に見せることにより高まる遊戯性の程度は前景の場合よりも低くなることが多い。なお、利用者画像、前景画像、および背景画像のうち少なくとも1つが立体的に見えれば、遊戯性が高まるため、3つのうちの1つまたは2つが省略されてもよい。また、上記実施形態と同様に、任意の位置を仮想的な回転の中心位置として定め、傾きセンサによって検出される傾きの変化量に対する前景画像、利用者画像、および背景画像の変化態様(または仮想的な光源の位置など)をそれぞれ定め(または計算し)、前景画像、利用者画像、および背景画像を立体的に見せる態様(または画像の輝度分布等)を変化させる構成であってもよい。
【0152】
以上のような立体画像の変形または変更動作は、携帯電話端末で行っても、画像サーバ部300において行ってもよい。ただし携帯電話端末で行う場合には、上記動作を実現するためのプログラムが複雑となるため、携帯電話端末の種類によっては困難を伴う場合もある。その点、画像サーバ部300において行う場合には、複雑なプログラムを記憶し、高速に実行することができる点で好ましい。しかし、多数の利用者が上記動作を要求することが想定される場合には、各携帯電話端末において行われる方が好ましい。
【0153】
<7.2 主たる第2の変形例>
次に、前景画像および利用者画像を実際に立体表示する構成も考えられる。すなわち、近年では様々な手法に基づき立体視可能な表示装置が開発されており、これらの手法を含む従来の手法では、立体視を可能にするための左目用画像と右目用画像とに含まれる被写体の位置を、視差を生じさせるために左右にずらすことが一般的である。例えば表示装置に左目用画像および右目用画像を交互に表示し、利用者である視聴者の一方の目の視界を妨げるアクティブシャッタ装置で上記画像を対応する目に与える構成の表示装置や、アクティブシャッタ装置を使用せず裸眼で立体視可能な表示装置がある。
【0154】
この裸眼で立体視可能な表示装置には、典型的にはパララックスバリア方式(視差バリア方式)、またはレンティキュラレンズ方式が採用されており、これらの方式を採用することにより、表示装置に左目用画像および右目用画像を同時に表示しつつ、これらの画像の一方を当該画像を対応する目に与えることができる。なお、多視点で裸眼立体視可能な表示装置では、上記左目用画像と右目用画像とは視点数に応じて複数ずつが生成されることになる。これらの立体視可能な表示装置の構成は周知であるため詳しい説明は省略するが、いずれも視差が生じるように被写体の位置がずれるように生成された左目用画像と右目用画像とを使用することにより、立体視が可能となっている。
【0155】
そこで、前景画像および利用者画像の位置を左方向へずらした後に背景画像に合成した画像を左目用画像とし、前景画像および利用者画像の位置を右方向へずらさせた後に背景画像に合成した画像を右目用画像とすれば、上記合成画像を立体視を可能に表示することができる。また、対応する画像のずれ量が大きいほど当該画像が近くに見えるため、利用者画像のずれ量よりも前景画像のずれ量を大きく設定する。さらに、背景画像も立体的に見せる場合には、利用者画像のずれ量よりも背景画像のずれ量を小さく設定することが好ましい。そうすれば前景画像、利用者画像、および背景画像の順で遠くから近くへ配置されているかのように立体表示することができる。
【0156】
このような立体表示のための画像生成は、例えば、落書き終了直後の(本来の)合成画像から利用者画像および背景画像をそれぞれ距離ML1,ML2だけ左方向へずらした図15に示す画像を背景画像に合成して得られる図16に示す合成画像を左目用画像とし、落書き終了直後の(本来の)合成画像から利用者画像および背景画像をそれぞれ距離MR1,MR2だけ右方向へずらした図18に示す画像を背景画像に合成して得られる図18に示す合成画像を右目用画像とすれば、簡単な構成で、前景画像、利用者画像、および背景画像の順で遠くから近くへ配置されているかのように立体表示することができる。
【0157】
また、図16と図18とを比較すれば分かるように、左目用画像および右目用画像の少なくとも一方において隠されていない利用者画像部分および背景画像部分が生じるため、これらの部分は左目用画像および右目用画像に対応する目(対応する画像を見る目)で知覚することができる。そのため、例えば携帯電話端末の表示画面を傾けるなどして表示画像を変化させなくても、落書き終了直後の(本来の)合成画像では隠れて見えなかった画像部分が(上記範囲で)見えるようになる。
【0158】
図21は、立体視可能な携帯電話端末において立体的に表示させた例を簡略に示す図である。図21では、落書き終了直後の(本来の)合成画像の枠(外周)849から画像が飛び出しているかのように示されているが、この立体視可能な携帯電話端末の表示部で表示可能な表示画面850の範囲内に表示されるため、これらの画像が省略されることなく表示される。またこのことにより、立体的な表示の結果として見えなくなる合成画像部分が生じないようにすることもできる。また、立体視による高い遊戯性を得ることができる。
【0159】
なお以上のような左目用画像および右目用画像の生成動作は、携帯電話端末で行っても、画像サーバ部300において行ってもよい。なお携帯電話端末で行う場合であっても、上記動作を実現するためのプログラムはそれほど複雑とならず、高速な動作も要求されないため、特に困難を伴うことはない。また、上記実施形態と同様に、任意の位置を仮想的な回転の中心位置として定め、予め定める単位変化量に対する前景画像、利用者画像、および背景画像の左目用画像と右目用画像との表示画面上のずれ量をそれぞれ計算しておき、得られる単位変化量に対する上記計算された各ずれ量に、傾きセンサによって検出される上記変化量をそれぞれ乗算し、その結果得られる各値を、前景画像、利用者画像、および背景画像のずれ量として算出することにより、左目用画像と右目用画像とを生成してもよい。なお、上記中心位置の定め方によって、上記実施形態における各画像の移動方向と同様、上記ずれ量が増加するか減少するかが定まることになる。また、上記構成は、視点毎に上記ずれ量を適宜に計算することにより、多視点で裸眼立体視可能な表示装置にも適用することができる。
【0160】
<7.3 その他の変形例>
上記実施形態では、赤外線ポート31は、出力ユニット5に備えられており、案内表示もこの出力ユニット5に備えられる出力操作用タッチパネル30において行われる構成であるが、ネットワークプリンタ35以外の出力ユニット5が省略され、赤外線ポート31またはその他の近接無線通信方式などの通信方式を採用した非接触通信ポートが編集ユニット4に備えられ、前述したような案内表示がこの編集ユニット4に備えられる編集操作用タッチパネル400において行われる構成であってもよい。この構成では、例えば落書き中に(典型的には落書きが終了した合成画像から)サーバに送信すべき合成画像の選択指示を受け付け、指示が受け付けられる場合には当該合成画像のデータを前述した識別番号とともに画像サーバ部300へ送信し、送信完了後直ちにまたは落書き処理の終了直後に上記URLを携帯電話端末へ送信する処理が行われる。もっとも、赤外線ポート31が出力ユニット5に備えられる上記実施形態の構成は、印刷に必要な待ち時間を有効に利用することができる点で好適である。
【0161】
上記実施形態では、赤外線ポート31から携帯電話端末に送信されるURLに画像データに対応する識別番号が含まれているが、画像サーバ部300を特定するためURLまたはこれに相当する情報が含まれていれば、上記識別番号は省略されてもよい。ただ、その場合には、利用者自らが当該識別番号を入力しなければならないが、少なくとも画像サーバ部300のURLを入力する手間を省くことができる。なお、この場合には入力すべき識別番号は、写真シールに印刷されている上記URLに含まれていることが好ましく、さらに利用者に判別可能なように説明を付したり、別に識別番号のみを記載することが好ましい。
【0162】
上記実施形態では、画像サーバ部300はインターネットに接続されるが、その他の専用ネットワーク(例えば次世代ネットワーク等)に接続されていてもよい。この場合には、当該ネットワークに用いられる形式のアドレスデータが使用され、赤外線ポート31から携帯電話端末には上記形式のアドレスデータが直接送信される。またURLやアドレスデータ等は電子メールなどにより間接的に送信されてもよい。
【符号の説明】
【0163】
3…撮影ユニット
4…編集ユニット
5…出力ユニット
6…ネットワーク(LAN)
10…カメラ
20…撮影操作用タッチパネル
30…出力操作用タッチパネル
35…ネットワークプリンタ
31…非接触通信ポート(赤外線ポート)
32…スピーカ
70…第1の制御部
72…第1の表示・操作部(撮影操作用タッチパネル)
80…第2の制御部
81,82…第2の表示・操作部(編集操作用タッチパネル)
90…第3の制御部
91…第3の表示・操作部(出力操作用タッチパネル)
92…印刷出力部(ネットワークプリンタ)
93…音声出力部(スピーカ)
94…非接触通信部(赤外線ポート)
75,83…第1および第2の通信部(ネットワークアダプタ)
80…第2の制御部
81,82…第2の表示・操作部(編集操作用タッチパネル)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体である利用者を撮影することにより得られる撮影画像に基づき、前記利用者の編集操作を受け付け合成画像を生成し、当該合成画像を写真として印刷する自動写真作成装置と、複数の端末装置と、前記自動写真作成装置および前記複数の端末装置と所定の通信回線を介して通信を行うサーバ装置とを備える自動写真作成システムであって、
前記自動写真作成装置は、
所定の撮影領域における被写体である利用者を含む像を取得する撮影手段と、
前記撮影手段による撮影対象であって、所定の色を付された被撮影面を有する背景提示手段と、
前記撮影画像に含まれる前記被撮影面の像が占める領域の色に対応するクロマキーマスクを作成するマスク作成手段と、
前記利用者の編集操作に応じて、前記マスク作成手段により作成されたクロマキーマスクを使用することによって前記利用者の像のみを含む利用者画像と所定の背景画像とを合成するとともに、所定の前景画像をさらに合成することにより、前記合成画像を生成する編集手段と、
前記合成画像を写真として出力する出力手段と、
前記背景画像を示す情報と、前記前景画像を示す情報と、前記撮影画像または前記利用者画像を示す情報とを含む画像データを前記サーバ装置に送信する画像データ送信手段とを備え、
前記サーバ装置は、
前記データ送信手段から前記画像データを受け取る画像データ受信手段と、
前記画像データ受信手段により受け取られた画像データを記憶する記憶手段と、
前記複数の端末装置からの画像データの要求に応答して、対応する画像データを前記記憶手段から読み出し、読み出された画像データまたは当該画像データに相当する異なる態様の画像データを前記要求を行った端末装置へ送信する応答送信手段と
を備え、
前記複数の端末装置のそれぞれは、
画像を表示するための表示面と、
前記応答送信手段から前記画像データを受け取る受信手段と、
前記受信手段により受け取られた画像データに基づき、前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の順で遠くから近くへ配置されているように、前記表示面上に立体的に合成表示することにより、前記自動写真作成装置において作成された合成画像において隠れて見えない画像部分のうちの少なくとも一部を表示可能とする立体表示手段と
を備えることを特徴とする、自動写真作成システム。
【請求項2】
画像を表示するための表示面を有する端末装置であって、
被写体である利用者を撮影することにより得られる撮影画像に基づき、前記利用者の編集操作を受け付け合成画像を生成し、当該合成画像を写真として印刷する自動写真作成装置において生成された合成画像を構成する前記背景画像を示す情報と、前記前景画像を示す情報と、前記撮影画像または前記利用者の像のみからなる利用者画像を示す情報とを含む画像データを、前記自動写真作成装置からまたは所定のサーバ装置を介して受け取る受信手段と、
前記受信手段により受け取られた画像データに基づき、前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の順で遠くから近くへ配置されているように、前記表示面上に立体的に合成表示することにより、前記自動写真作成装置において作成された合成画像において隠れて見えない画像部分のうちの少なくとも一部を表示可能とする立体表示手段と
を備えることを特徴とする、端末装置。
【請求項3】
画像を表示するための表示面を有する端末装置の制御方法であって、
被写体である利用者を撮影することにより得られる撮影画像に基づき、前記利用者の編集操作を受け付け合成画像を生成し、当該合成画像を写真として印刷する自動写真作成装置において生成された合成画像を構成する前記背景画像を示す情報と、前記前景画像を示す情報と、前記撮影画像または前記利用者の像のみからなる利用者画像を示す情報とを含む画像データを、前記自動写真作成装置からまたは所定のサーバ装置を介して受け取る受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受け取られた画像データに基づき、前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の順で遠くから近くへ配置されているように、前記表示面上に立体的に合成表示することにより、前記自動写真作成装置において作成された合成画像において隠れて見えない画像部分のうちの少なくとも一部を表示可能とする立体表示ステップと
を備えることを特徴とする、制御方法。
【請求項4】
画像を表示するための表示面を有する端末装置に、
被写体である利用者を撮影することにより得られる撮影画像に基づき、前記利用者の編集操作を受け付け合成画像を生成し、当該合成画像を写真として印刷する自動写真作成装置において生成された合成画像を構成する前記背景画像を示す情報と、前記前景画像を示す情報と、前記撮影画像または前記利用者の像のみからなる利用者画像を示す情報とを含む画像データを、前記自動写真作成装置からまたは所定のサーバ装置を介して受け取る受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受け取られた画像データに基づき、前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の順で遠くから近くへ配置されているように、前記表示面上に立体的に合成表示することにより、前記自動写真作成装置において作成された合成画像において隠れて見えない画像部分のうちの少なくとも一部を表示可能とする立体表示ステップと
を実行させることを特徴とする、プログラム。
【請求項5】
前記端末装置に内蔵される当該装置の方位または傾きを検出するセンサからの情報を受け付ける検出ステップをさらに備え、
前記立体表示ステップは、
前記検出ステップにおいて検出される前記方位または前記傾きの、所定の基準値からの変化量に応じて、前記表示面上の前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像のいずれか2つ以上の位置を所定方向へ異なる距離だけ移動させた後の前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の各位置を算出する移動位置算出ステップと、
前記移動位置算出ステップにおいて算出された各位置に、前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の順で重なるように前記表示面上に合成表示する合成表示ステップとを含むことを特徴とする、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記検出ステップでは、前記端末装置に内蔵される当該装置の表示面の左右方向の傾きを検出する傾きセンサからの情報を受け付け、
前記移動位置算出ステップでは、前記検出ステップにおいて検出される水平状態からの傾き量に応じて、前記傾きの方向へ移動させた後の前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の位置をそれぞれ算出することを特徴とする、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
所定の立体構造を表す人体モデルに基づき、前記利用者画像を変形するとともに、当該人体モデルが立体的に見えるように予め定められまたは仮想的な光源位置に応じて算出された当該人体モデルに対応する画像の輝度分布に応じて、前記利用者画像の輝度分布を変更する人物立体化ステップをさらに備え、
前記立体表示ステップでは、前記人物立体化ステップにおいて変更された利用者画像を前記表示面上に合成表示することを特徴とする、請求項4から請求項6までのいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記受信ステップにおいて受け取られた画像データに基づく前記前景画像に対応し、立体的に見えるように予め定められまたは仮想的な光源位置に応じて算出された立体前景画像を新たな前景画像に変更する動作と、前記受信ステップにおいて受け取られた画像データに基づく前記背景画像に対応し、立体的に見えるように予め定められまたは仮想的な光源位置に応じて算出された立体背景画像を新たな背景画像に変更する動作との少なくとも一方の動作を行う立体画像変更ステップをさらに備え、
前記立体表示ステップでは、前記立体画像変更ステップにおいて変更された新たな前景画像および新たな背景画像の少なくとも一方を前記表示面上に合成表示することを特徴とする、請求項4から請求項7までのいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記立体表示ステップは、
前記表示画面の左右方向に両眼視差を生じるように生成される左目用画像および右目用画像における前記背景画像の位置、前記利用者画像の位置、および前記前景画像の位置をそれぞれ算出する位置算出ステップと、
前記移動位置算出ステップにおいて算出された各位置に、前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の順で重なるようにそれぞれ合成することにより、前記左目用画像および前記右目用画像を生成し、前記左目用画像を前記表示面を見る者の左目に与えられるべき画像として出力するとともに、前記右目用画像を前記表示面を見る者の右目に与えられるべき画像として出力する表示ステップとを含み、
前記位置算出ステップでは、前記左目用画像における前記背景画像と前記右目用画像における前記背景画像との前記表示面における前記左右方向へのずれ量、前記左目用画像における前記利用者画像と前記右目用画像における前記利用者画像との前記表示面における前記左右方向へのずれ量、および前記左目用画像における前記前景画像と前記右目用画像における前記前景画像との前記表示面における前記左右方向へのずれ量のいずれか2つ以上が異なるように、前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の前記右目用画像および前記左目用画像における位置をそれぞれ算出することを特徴とする、請求項4に記載のプログラム。
【請求項10】
被写体である利用者を撮影することにより得られる撮影画像に基づき、前記利用者の編集操作を受け付け合成画像を生成し、当該合成画像を写真として印刷する自動写真作成装置と、複数の端末装置との間で、所定の通信回線を介して通信を行うサーバ装置であって、
前記合成画像を構成する前記背景画像を示す情報と、前記前景画像を示す情報と、前記撮影画像または前記利用者の像のみからなる利用者画像を示す情報とを含む画像データを、前記自動写真作成装置から受け取る受信手段と、
前記受信手段により受け取られた画像データを記憶する記憶手段と、
前記複数の端末装置からの画像データの要求に応答して、対応する画像データを記憶手段から読み出し、対応する画像データに含まれる前記背景画像、前記前景画像、および前記利用者画像の少なくとも1つが、前記複数の端末装置に備えられる表示面において立体的に見え、前記自動写真作成装置において作成された合成画像において隠れて見えない画像部分のうちの少なくとも一部を表示可能な画像を生成する立体画像生成手段と、
前記立体画像生成手段により生成される画像を含む画像データを、前記要求を行った端末装置へ送信する送信手段と
を備えることを特徴とする、サーバ装置。
【請求項11】
所定の立体構造を表す人体モデルに基づき、前記利用者画像を変形するとともに、当該人体モデルが立体的に見えるように予め定められまたは仮想的な光源位置に応じて算出された当該人体モデルに対応する画像の輝度分布に応じて、前記利用者画像の輝度分布を変更する人物立体化手段をさらに備え、
前記送信手段は、前記人物立体化手段において変更された利用者画像を含む画像データを、前記要求を行った端末装置へ送信することを特徴とする、請求項10に記載のサーバ装置。
【請求項12】
前記受信手段において受け取られた画像データに基づく前記前景画像に対応し、立体的に見えるように予め定められまたは仮想的な光源位置に応じて算出された立体前景画像を新たな前景画像に変更する動作と、前記受信手段において受け取られた画像データに基づく前記背景画像に対応し、立体的に見えるように予め定められまたは仮想的な光源位置に応じて算出された立体背景画像を新たな背景画像に変更する動作との少なくとも一方の動作を行う立体画像変更手段をさらに備え、
前記送信手段は、前記立体画像変更手段によって変更された新たな前景画像および新たな背景画像の少なくとも一方を、前記要求を行った端末装置へ送信することを特徴とする、請求項10または請求項11に記載のサーバ装置。
【請求項13】
前記立体画像生成手段は、
前記表示画面の左右方向に両眼視差を生じるように生成される左目用画像および右目用画像における前記背景画像の位置、前記利用者画像の位置、および前記前景画像の位置をそれぞれ算出する位置算出手段と、
前記移動位置算出手段において算出された各位置に、前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の順で重なるようにそれぞれ合成することにより、前記左目用画像および前記右目用画像を生成する左右画像生成手段とを含み、
前記位置算出手段は、前記左目用画像における前記背景画像と前記右目用画像における前記背景画像との前記表示面における前記左右方向へのずれ量、前記左目用画像における前記利用者画像と前記右目用画像における前記利用者画像との前記表示面における前記左右方向へのずれ量、および前記左目用画像における前記前景画像と前記右目用画像における前記前景画像との前記表示面における前記左右方向へのずれ量のいずれか2つ以上が異なるように、前記背景画像、前記利用者画像、および前記前景画像の前記右目用画像および前記左目用画像における位置をそれぞれ算出し、
前記送信手段は、前記左右画像生成手段によって生成される前記左目用画像および前記右目用画像を、前記要求を行った端末装置へ送信することを特徴とする、請求項10に記載のサーバ装置。
【請求項14】
被写体である利用者を撮影することにより得られる撮影画像に基づき、前記利用者の編集操作を受け付け合成画像を生成し、当該合成画像を写真として印刷する自動写真作成装置と、複数の端末装置との間で、所定の通信回線を介して通信を行うサーバ装置に、
前記合成画像を構成する前記背景画像を示す情報と、前記前景画像を示す情報と、前記撮影画像または前記利用者の像のみからなる利用者画像を示す情報とを含む画像データを、前記自動写真作成装置から受け取る受信ステップと、
前記受信ステップにより受け取られた画像データを記憶する記憶ステップと、
前記複数の端末装置からの画像データの要求に応答して、前記記憶ステップにおいて記憶された対応する画像データを読み出し、読み出された対応する画像データに含まれる前記背景画像、前記前景画像、および前記利用者画像の少なくとも1つが、前記複数の端末装置にそれぞれ備えられる表示面において立体的に見え、前記自動写真作成装置において作成された合成画像において隠れて見えない画像部分のうちの少なくとも一部を表示可能な画像を生成する立体画像生成ステップと、
前記立体画像生成ステップにおいて生成される画像を含む画像データを、前記要求を行った端末装置へ送信する送信ステップと
を実行させることを特徴とする、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−175324(P2012−175324A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34353(P2011−34353)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(597047392)辰巳電子工業株式会社 (77)
【Fターム(参考)】