自動変速機のレンジ切換制御装置
【課題】 レンジ位置のセレクト操作に対するレンジ切り換えの遅れを少なくし、ドライバの意思と異なる車両動作が生じないようにできる自動変速機のレンジ切換制御装置を提供すること。
【解決手段】 セレクトスイッチ1は、セレクト操作開始を検出する可動電極13、固定電極15a,15bを備え、コントローラ2は、セレクトスイッチ1の可動電極13、固定電極15a,15bにより操作開始を検出すると、その開始されたセレクト操作に対応するレンジ位置へのレンジ切り換えをアクチュエータ部3に開始させた。
【解決手段】 セレクトスイッチ1は、セレクト操作開始を検出する可動電極13、固定電極15a,15bを備え、コントローラ2は、セレクトスイッチ1の可動電極13、固定電極15a,15bにより操作開始を検出すると、その開始されたセレクト操作に対応するレンジ位置へのレンジ切り換えをアクチュエータ部3に開始させた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンジセレクト操作を電気信号でアクチュエータ側へ送って自動変速機のレンジ切換制御を行うシフトバイワイヤシステムにおける自動変速機のレンジ切換制御装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来では、シフトレバーを操作することによりドライバが選択したレンジ位置に基づいた電気的信号によってマニュアル弁を動作させてレンジ切り換えを行い、且つ、パーキングレンジ位置で自動変速機内の駆動軸、もしくは出力軸と車輪の間に固定されたパーキングギヤを機械的手段でロックするパーキングロック機構を設けたシフトバイワイヤ式自動変速機において、マニュアル弁を制御する第1のアクチュエータとパーキングロック機構を制御する第2のアクチュエータとを設けている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−169877号公報(第2−8頁、全図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来では、スイッチ操作完了後に自動変速機のレンジ切り換えを開始するので、レンジ切り換えが遅れ、ドライバはレンジが完全に切り換る前にアクセルを踏んでしまい、空ぶかし、急発進などの運転をしてしまう可能性があり問題であった。
【0004】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、レンジ位置のセレクト操作に対するレンジ切り換えの遅れを少なくし、ドライバの意思と異なる車両動作が生じないようにできる自動変速機のレンジ切換制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明では、ドライバによりセレクト操作されるセレクト入力手段の信号をアクチュエータ部の制御手段に送り、自動変速機のレンジ切換装置を駆動する前記アクチュエータ部を前記制御手段で制御する自動変速機のレンジ切換制御装置において、前記セレクト入力手段は、セレクト操作開始を検出する操作開始検出手段を備え、前記制御手段は、前記操作開始検出手段により操作開始を検出すると、その開始されたセレクト操作に対応するレンジ位置へのレンジ切り換えを前記アクチュエータに開始させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
よって、本発明にあっては、セレクト操作に対する自動変速機の切り換えの遅れを少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の自動変速機のレンジ切換制御装置の操作スイッチ構造を実現する実施の形態を、請求項1に係る発明に対応する実施例1と、請求項1及び請求項2に係る発明に対応する実施例2と、請求項1〜請求項3に係る発明に対応する実施例3と、請求項1〜請求項4に係る発明に対応する実施例4と、請求項1〜請求項3に係る発明に対応する実施例5と、請求項1〜請求項3、請求項5に係る発明に対応する実施例6と、請求項1〜請求項3に係る発明に対応する実施例7に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置システムの説明図である。
【0009】
実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置システムは、セレクト操作装置部1、コントローラ2、アクチュエータ部3、コントロールケーブル6、自動変速機7を主要な構成としている。
セレクトスイッチ1は、切り換えたいセレクトポジションに操作入力を行うスイッチであり、どのポジションがセレクトされたかを検出し、コントローラ2へ出力を行う。なお、セレクトスイッチ1の構成については、後述する。
【0010】
コントローラ2は、セレクトスイッチ1からの入力と、位置センサ33からの入力より、セレクトスイッチ1で検出されたセレクトポジションに、位置センサ33で検出される自動変速機7のシフトポジションが一致するように、アクチュエータ部3のモータ31を駆動制御する。
【0011】
アクチュエータ部3は、モータ31、減速部4、取り付けレバー32、位置センサ33、支点軸34を主要な構成としている。
モータ31は、コントローラ2の制御により、軸43へ回転出力する。
取り付けレバー32は、ウォームホイール42の回転が支点軸34を介して伝達され、レバー先端部にコントロールケーブル6が取り付けられる。
【0012】
位置センサ33は、支点軸34部分に設けられ、ウォームホイール42、又は支点軸34の固定部材に対する回転変位角度を検出する。検出値はコントローラ2へ出力する。
支点軸34は、図示しない軸支構造により回転する軸であり、ウォームホイール42、取り付けレバー32と固定されともに回転変位する。
【0013】
減速部4は、ウォーム41、ウォームホイール42、軸43で構成される。
軸43の内部へモータ31の出力軸を圧入又は、出力軸の一部をC形状にするなどして、回転を伝達する構造にする。
軸43のなかほどには、ウォーム41を設け、支点軸34にはウォームホイール42を設けて係合させる。
コントロールケーブル6は、図1に示すように、アクチュエータ部3の取り付けレバー32と自動変速機7の制御アーム71を接続するプッシュプルが可能なケーブルである。
自動変速機7は、レンジポジションの切り換えを行う油圧制御をするマニュアルバルブを駆動させる制御アーム71を外部に備えている。この制御アーム71にコントロールケーブル6の一端が取り付けられることで、レンジポジションがアクチュエータ部3により制御されることになる。実施例1では、自動変速機7は、シフトバイワイヤシステム特有の構造を要求されない。既存のものをそのまま使用できる。
【0014】
次に自動変速機のレンジ切換制御装置の配置について説明する。
図2は実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置の車両設置例を示す説明図である。
本実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置では、アクチュエータ部3と自動変速機7をコントロールケーブル6で接続するため、アクチュエータ部3は、熱等の環境が厳しいエンジンルームではなく、インストルメントパネル8の内部に設置する。
【0015】
次にセレクトスイッチ1の構成について、図3を参照して説明する。
図3は実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチの断面図である。
セレクトスイッチ1は、スイッチ本体11、可動体12、可動電極13、可動電極14、固定電極15a,15b、固定電極16a,16b、スプリング17を主要な構成としている。
スイッチ本体11は、P,R,N,D,Lの各レンジ位置に対応した可動体12を収容する部材である。
可動体12は、P,R,N,D,Lの各レンジ位置に対応する個数分設けられ、上面には、P,R,N,D,Lの各レンジ位置が示されたものであり、スイッチ本体11の収容穴内で可動するよう設けられたものである。
【0016】
可動電極13,14は、可動体12の側面に設けられた電極であり、可動体12と共に可動する。
固定電極15a,15bは、スイッチ本体11の可動体12を収容した穴の側壁に設けた、対となった縦長の電極であり、可動体12の下降時に縦長の長さ範囲で、可動電極13と接触する。この可動電極13との接触は、固定電極15a,15bの間に通電することで、検知される。
【0017】
固定電極16a,16bは、スイッチ本体11の可動体12を収容した穴の側壁に設けた、対となり、固定電極15a,15bより縦長さが短く、下端位置がほぼ同じ位置となるように設け、可動体12が最も下降した位置で、可動電極14と接触する。この可動電極14との接触は、固定電極16a,16bの間に通電することで、検知される。
また、可動体12は、下端部とスイッチ本体11の可動体12を収容する穴の底との間にスプリング17を設け、可動体12を押し操作が可能な上方位置、つまり定常状態の位置に保持する。
【0018】
次に、自動変速機7のディテント構造について説明する。
図4は、自動変速機7のディテント構造を示す斜視図である。
制御アーム71には回転シャフト72が設けられ、この回転シャフト72にディテントプレート73が支持されている。ディテントプレート73の上端には、カム山73aの間に5つのレンジ(P・R・N・D・L)に対応した谷部73bが形成されている。そして、この谷部73bにバネ板74の先端に形成されたディテントピン75を係合させ、選択されたセレクト位置を保持することにより、車両の振動等に起因する意図しないレンジセレクトを防止している。
【0019】
すなわち、モータ31の駆動力により回転シャフト72が回動し、この回動に応じてディテントプレート73がディテントピン75に対して相対移動する。このとき、ディテントピン75がカム山73aを乗り越えて隣のレンジに対応した谷部73bと係合し、係合状態がバネ板74の弾性力により保持される。この弾性力がセレクト操作する際の主要な負荷力となる。
【0020】
なお、ディテントプレート73には、パーキングロッド76の一端が回動自在に連結されている。このパーキングロッド76は、レンジポジションをPレンジに移動させたとき、カム状プレート77を介してパーキングギア78の回転を阻止し、図外の駆動輪をロックするものである。これにより、勾配路上にPレンジで車両を駐車したとき、勾配に応じて駆動輪をロックするように車重負荷が加わり、パーキングロッド76を咬む力として作用する。
【0021】
次に作用を説明する。
[自動変速機のレンジ切換制御装置システム]
実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置システムについて説明する。
例えば、ドライバがセレクトスイッチ1を操作して、切り換えたいセレクトポジションを入力すると、セレクトポジジョンが検出され、コントローラ2へ出力される。
【0022】
また、位置センサ33では、ウォームホイール42、または取り付けレバー32の回転変位が、基準位置(例えばPレンジ相当位置)からのストローク角度として検出され、コントローラ2へ出力される。
【0023】
よって、コントローラ2は、セレクトポジションの入力があった場合に、位置センサ33からのレンジポジションと比較し、異なる場合には、レンジポジションがセレクトポジションと一致するようアクチュエータ部3のモータ31を駆動する。モータ31の駆動力は、ウォーム41、ウォームホイール42で減速されるとともに、支点軸34周りの駆動へと変換され、取り付けレバー32を回転変位させてコントロールケーブル6のプッシュプル動作を行う。
これにより、自動変速機7の制御アーム71を回転動作させ、図示しないマニュアルバルブを動作させることによりレンジポジションの切り換えを行う。
【0024】
[自動変速機の操作反力特性]
図5は、P→Rレンジ方向におけるモータ31の出力軸に発生する操作反力を示す特性図である。この操作反力特性は、出力軸における操作反力[N]を作動位置(ストローク角度)と対比させたものである。
【0025】
また、モータ31の出力軸における操作反力は、上述した自動変速機7のディテントで発生する負荷力に、コントロールケーブル6の摩擦力、電動モータのイナーシャ等を合成したものである。よって、モータ31によるレンジ切り換えは、この操作反力以上の駆動力が必要となる。
【0026】
図5に示すように、P→Rレンジ方向に操作したときに発生する操作反力は、各レンジ間において、初めにモータ31の駆動方向と逆方向(D→Nレンジ方向)に発生し、ピーク後に向きを変えて操作方向と同一方向(P→Rレンジ方向)に発生し、レンジ切り換え位置(停止位置)付近でゼロに収束した状態となる。この特性は、ディテントピン75が、カム山73aを乗り越える際に発生する負荷力に起因している。すなわち、ディテントピン75がカム山73aを乗り越えるまでは、バネ板74を付勢する図示しないバネの付勢力により抵抗力が発生し、ディテントピン75がカム山73aを乗り越えた後は、ディテントピン75が次のカム山73aの溝又は溝73bに落ち込んで引き込み力が発生するためである。
【0027】
[遅れを少なくする作用]
(a)通常動作
図6は実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置における通常動作のセレクトスイッチの動きを示す説明図である。図7は実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置における通常動作のセレクトスイッチの操作開始側の検出の動きを示す説明図である。図8は実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチの操作終了の検出の動きを示す説明図である。図9は実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチ、操作開始、操作終了、自動変速機の状態を示すタイムチャートである。
【0028】
実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置の定常状態では、セレクトスイッチ1を操作していない状態では、操作開始の検出を行う可動電極13、固定電極15a,15b、操作終了の検出を行う可動電極14、固定電極16a,16bのどちらも出力がオフとなっており、自動変速機7のレンジ切り換えは行われない(図6(a)、図7(a)、図8(a)、図9参照)。
【0029】
次に、操作開始状態を説明する。セレクトスイッチ1への操作を開始すると、セレクトスイッチ1の可動体12に設けた可動電極13と固定電極15a,15bが接触し通電することで操作開始がオンと判定し、自動変速機7を指定レンジ位置の方向へアクチュエータ部3の駆動で切換制御を開始する。なお、この時点では、可動電極14と固定電極16a,16bは接触していないオフの状態である(図6(b)、図7(b)、図8(b)、図9参照)。
【0030】
次に、操作終了状態を説明する。セレクトスイッチ1への操作開始の状態から、さらにセレクトスイッチ1の可動体12を押し込むと、可動体12に設けた可動電極14と固定電極16a,16bが接触し通電することで操作終了がオンと判定し、開始した指定レンジ位置への切換制御を維持し、指定レンジ位置への切り換えを行う(図6(c)、図7(c)、図8(c)、図9参照)。
例えば、Pレンジ位置またはNレンジ位置で、車両が信号待ちをしているような状態で、発進時にDレンジ位置またはLレンジ位置へ切り換える場合に、セレクトスイッチ1の操作開始により、ドライバの意思を先読みし、事前にレンジ位置を切り換え始めることで、Dレンジ位置またはLレンジ位置への切り換りタイミングの遅れを解消し、アクセルオンで加速せずに空ぶかしになってしまうようなことがないようにできる。
【0031】
(b)操作中止動作
図10は実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの動きを示す説明図である。図11は実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの操作開始側の検出の動きを示す説明図である。図12は実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの操作終了の検出の動きを示す説明図である。図13は実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチ、操作開始、操作終了、自動変速機の状態を示すタイムチャートである。
【0032】
実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置において、定常状態(図10(a)、図11(a)、図12(a)、図13参照)から、セレクトスイッチ1を操作して、操作開始が検出された状態(図10(b)、図11(b)、図12(b)、図13参照)まで達した後のスイッチ操作の途中で操作を止めて、手を離す。すると、セレクトスイッチ1の可動体12がスプリング17の付勢力によって、定常状態の初期位置まで戻り、通電しオンとなっていた可動体12の可動電極13と固定電極15a,15bとが離れて、オフ状態へ変わる(図10(c)、図11(c)、図12(c)、図13参照)。操作開始を検出する可動電極13と固定電極15a,15bがオフとなったことで操作中止と判断し、操作開始を検出したことによりドライバの意思を先読みし、事前にレンジ位置を切り換え始めた制御を中止し、元のレンジ位置に戻るようにアクチュエータ部3を制御する。これによって、先行した制御を行ったとしても、操作が中止されれば元のレンジ位置に戻るため、不都合が生じることがない。
【0033】
次に、効果を説明する。
実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置の操作スイッチ構造にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0034】
(1)ドライバによりセレクト操作されるセレクトスイッチ1の信号をアクチュエータ部3のコントローラ2に送り、自動変速機7の制御レバー71を駆動するアクチュエータ部3をコントローラ2で制御する自動変速機7のレンジ切換制御装置において、セレクトスイッチ1は、セレクト操作開始を検出する可動電極13、固定電極15a,15bを備え、コントローラ2は、セレクトスイッチ1の可動電極13、固定電極15a,15bにより操作開始を検出すると、その開始されたセレクト操作に対応するレンジ位置へのレンジ切り換えをアクチュエータ部3に開始させるため、セレクト操作に対する自動変速機の切り換えの遅れを少なくすることができる。
【実施例2】
【0035】
実施例2の自動変速機のレンジ切換制御装置は、スイッチ操作の終了を操作者に伝達するようクリック感を持たせるようにした例である。
構成を説明する。
図14は実施例2の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチの断面図である。
実施例2では、操作終了を検出する手段として、可動体12が押し込まれた状態の下端により押す入力がされるタクトスイッチ18を設ける。
【0036】
作用を説明する。
実施例2の自動変速機のレンジ切換制御装置では、操作終了位置までセレクトスイッチ1の可動体12が押し込まれると、タクトスイッチ18を押す入力が成され、操作終了が検出される。
さらに、タクトスイッチ18は図示しない内部構造により、押す操作入力をした際に、クリック感を生成する。
その他構成は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
【0037】
作用を説明する。
実施例2の自動変速機のレンジ切換制御装置では、タクトスイッチ18を設けたことによって、操作終了時においてクリック感を発生させることができ、これによりドライバに可動体12の押し込み操作が終了位置に達したことを感じさせることができる。
【0038】
効果を説明する。
実施例2の自動変速機のレンジ切換制御装置では、上記(1)の効果に加えて、次の効果を有する。
(2)セレクトスイッチ1は、セレクト操作終了を検出するとともに、終了位置まで操作されるとクリック感を生成するタクトスイッチ18を備えたため、操作が終了位置に達したことをドライバに伝えることができる。
【実施例3】
【0039】
実施例3の自動変速機のレンジ切換制御装置は、セレクトスイッチの可動体に粘性抵抗を持たせる例である。
構成を説明する。
図15は実施例3の自動変速機のレンジ切換制御装置の正面断面説明図である。図16は実施例3の自動変速機のレンジ切換制御装置の側面透過説明図である。
【0040】
実施例3では、可動体12に縦に長いラック20を設け、可動体12が上下動するスイッチ本体11の穴に、例えば内部の粘性液体の作用により出力ギアの回転に対して粘性抵抗を与えるロータリーダンパ19を設け、ロータリーダンパ19の出力ギア19aを可動体12のラックに係合させ、可動体12の上下動する動きがロータリーダンパ19の出力ギア19aを回転させる構成にする。
【0041】
作用を説明する。
粘性を与えることによって、セレクトスイッチ1の操作フィーリングを向上させることができる。また、可動体12が操作終了位置に達するまでのストロークの時間を稼ぐことで、可動体12が操作終了位置に達するのに対して、自動変速機のレンジ切換えが完了するまでの遅れ時間をより少なくすることができ、例えば、Pレンジ位置またはNレンジ位置で、車両が信号待ちをしているような状態で、発進時にDレンジ位置またはLレンジ位置へ切り換える場合に、Dレンジ位置またはLレンジ位置への切り換りタイミングの遅れを解消し、アクセルオンで加速せずに空ぶかしになってしまうようなことがないようにできる。
【0042】
効果を説明する。
実施例3の自動変速機のレンジ切換制御装置では、上記(1),(2)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(3)セレクトスイッチ1は、セレクト操作開始からセレクト操作完了までの操作に粘性抵抗を加えるロータリーダンパ19を備えたため、操作ストロークに粘性抵抗を与えて、操作時間を長くすることにより、セレクト操作に対する自動変速機の切り換えの遅れを少なくすることができ、また、操作フィーリングを向上させることができる。
【実施例4】
【0043】
実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置は、Dレンジ位置からRレンジ位置への操作の際に、Nレンジ位置への先行した制御を行う例である。
構成は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0044】
作用を説明する。
[遅れを少なくする作用]
(a)通常動作
図17は実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置における通常動作のセレクトスイッチの動きを示す説明図である。図18は実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置における通常動作のセレクトスイッチの操作開始側の検出の動きを示す説明図である。図19は実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチの操作終了の検出の動きを示す説明図である。図20は実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチ、操作開始、操作終了、自動変速機の状態を示すタイムチャートである。
【0045】
実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置の定常状態では、セレクトスイッチ1を操作していない状態では、操作開始の検出を行う可動電極13、固定電極15a,15b、操作終了の検出を行う可動電極14、固定電極16a,16bのどちらも出力がオフとなっており、自動変速機7のレンジ切り換えは行われない(図17(a)、図18(a)、図19(a)、図20参照)。
【0046】
次に、操作開始状態を説明する。自動変速機のレンジ位置がDレンジ位置である場合に、Rレンジ位置をセレクトするセレクトスイッチ1への操作を開始すると、セレクトスイッチ1の可動体12に設けた可動電極13と固定電極15a,15bが接触し通電することで操作開始がオンと判定し、自動変速機7をNレンジ位置へアクチュエータ部3の駆動で切換制御を開始する。なお、この時点では、可動電極14と固定電極16a,16bは接触していないオフの状態である(図17(b)、図18(b)、図19(b)、図20参照)。
【0047】
次に、操作終了状態を説明する。セレクトスイッチ1への操作開始の状態から、さらにセレクトスイッチ1の可動体12を押し込むと、可動体12に設けた可動電極14と固定電極16a,16bが接触し通電することで操作終了がオンと判定し、Nレンジ位置からDレンジ位置への切換制御を行う(図17(c)、図18(c)、図19(c)、図20参照)。
例えば、駐車時などのDレンジ位置とRレンジ位置の間のレンジ切り換えにおいて、セレクトスイッチ1の操作開始により、ドライバの意思を先読みし、事前にNレンジ位置を切り換え始めることで、切り換りタイミングの遅れを解消し、アクセルオンで加速せずに空ぶかしになってしまうようなことがないようにできる。
【0048】
(b)操作中止動作
図21は実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの動きを示す説明図である。図22は実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの操作開始側の検出の動きを示す説明図である。図23は実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの操作終了の検出の動きを示す説明図である。図24は実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチ、操作開始、操作終了、自動変速機の状態を示すタイムチャートである。
【0049】
実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置において、Dレンジ位置での定常状態(図21(a)、図22(a)、図23(a)、図24参照)から、セレクトスイッチ1を操作して、Rレンジ位置への操作開始が検出された状態(図21(b)、図22(b)、図23(b)、図24参照)まで達した後のスイッチ操作の途中で操作を止めて、手を離す。すると、セレクトスイッチ1の可動体12がスプリング17の付勢力によって、定常状態の初期位置まで戻り、通電しオンとなっていた可動体12の可動電極13と固定電極15a,15bとが離れて、オフ状態へ変わる(図21(c)、図22(c)、図23(c)、図24参照)。操作開始を検出する可動電極13と固定電極15a,15bがオフとなったことで操作中止と判断し、操作開始を検出したことによりドライバの意思を先読みし、事前にNレンジ位置に切り換え始めた制御を中止し、Dレンジ位置に戻るようにアクチュエータ部3を制御する。これによって、先行した制御を行ったとしても、操作が中止されればDレンジ位置に戻るため、不都合が生じることがない。
【0050】
効果を説明する。
実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置にあっては、上記(1),(2),(3)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(4)セレクトスイッチは、セレクト操作終了を検出する可動電極14、固定電極16a,16bを備え、コントローラ2は、操作開始を検出する可動電極13、固定電極15a,15bによりDレンジ位置からRレンジ位置への操作開始を検出すると、Nレンジ位置へのレンジ切り換えをアクチュエータ部3に開始させ、セレクト操作終了を検出する可動電極14、固定電極16a,16b、操作開始を検出する可動電極13、固定電極15a,15bにより操作中止を検出すると、Dレンジ位置へ戻るレンジ切り換えを行わせるため、Nレンジ位置を挟むDレンジ位置とRレンジ位置でのレンジ切り換えにおいて、レンジ切り換えの遅れを少なくすることができる。
【実施例5】
【0051】
実施例5の自動変速機のレンジ切換制御装置は、レンジ切り換えに時間のかかるレンジ操作に、操作開始を検出するとレンジ切換を開始する例である。
構成は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
作用を説明する。
実施例5では、レンジ切り換えが長い時間を要する場合に、操作開始を検出するとレンジ切換を開始する。レンジ位置は、図4を参照して上記で説明したように、P,R,N,D,Lの順に設けられているため、離れたレンジ位置での切り換えでは、レンジ切り換えに長い時間を要することになり、遅れが顕著となる。
【0052】
そのため、実施例5では、例えば、2つ以上のレンジ位置を越える操作というように、条件を設定し、それを越える操作では、操作開始を検出するとレンジ切り換えを開始する制御を行うようにする。すると、遅れを少なくする作用がより効果的になる。
【0053】
効果を説明する。実施例5の自動変速機のレンジ切換制御装置は、上記(1),(2),(3)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(5)コントローラ2は、自動変速機7の現在のレンジ位置から、操作開始されたレンジ位置までのレンジ切換えが長い時間になる場合に、可動電極13、固定電極15a,15bにより操作開始を検出すると、その開始されたセレクト操作に対応するレンジ位置へのレンジ切り換えをアクチュエータ部3に開始させるため、レンジ切り換えの遅れを少なくする効果を効率的に得ることができる。
そのた作用効果は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
【実施例6】
【0054】
実施例6の自動変速機のレンジ切換制御装置は、Pレンジ位置からDレンジ位置への切り換えにおいて、フットブレーキを踏んでいる場合のみ、アクチュエータ部による切り換えを先行させて開始する例である。
実施例6では、図示しないが、フットブレーキのオンオフを車両からコントローラ2へ入力する。
その他構成は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
作用を説明する。
【0055】
実施例6では、現在の自動変速機7のレンジ位置がPレンジ位置である場合に、ドライバがセレクトスイッチ1のDレンジ位置の可動体12を押す操作を行った場合に、可動電極13、固定電極15a,15bにより操作開始を検出すると、その場合に、フットブレーキがオンであれば、Dレンジ位置へのアクチュエータ部3の駆動を開始し、フットブレーキのオフであれば、Dレンジ位置への先行した切り換えは行わない。
【0056】
このようにフットブレーキのオンオフを制御上で見ることにより、フットブレーキにより車両が停止させられている場合に、Pレンジ位置で、車両が停止しているような状態で、発進時にDレンジ位置またはLレンジ位置へ切り換える場合に、セレクトスイッチ1の操作開始により、ドライバの意思を先読みし、事前にレンジ位置を切り換え始めることで、Dレンジ位置またはLレンジ位置への切り換りタイミングの遅れを解消し、アクセルオンで加速せずに空ぶかしにならないようにし、且つドライバの意思に反する車両の挙動を防ぐことができる。
【0057】
効果を説明する。
実施例6の自動変速機のレンジ切換制御装置では、上記(1)〜(3),(5)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(6)フットブレーキのオンオフを検出するブレーキ検出手段(図示なし)を設け、コントローラ2は、操作開始を検出する可動電極13、固定電極15a,15bによりPレンジ位置からDレンジ位置への操作開始を検出し、且つブレーキ検出手段によりフットブレーキのオンを検出した場合に、Dレンジ位置へのレンジ切り換えをアクチュエータ部3に開始させるため、切り換えタイミングの遅れを少なくして、アクセルオンで加速せずに空ぶかしにならないようにし、且つドライバの意思に反する車両の挙動を防ぐことができる。
【実施例7】
【0058】
実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置は、Pレンジ位置からDレンジ位置への操作の際に、Nレンジ位置への先行した制御を行う例である。
構成は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0059】
作用を説明する。
[遅れを少なくする作用]
(a)通常動作
図25は実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置における通常動作のセレクトスイッチの動きを示す説明図である。図26は実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置における通常動作のセレクトスイッチの操作開始側の検出の動きを示す説明図である。図27は実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチの操作終了の検出の動きを示す説明図である。図28は実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチ、操作開始、操作終了、自動変速機の状態を示すタイムチャートである。
【0060】
実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置の定常状態では、セレクトスイッチ1を操作していない状態では、操作開始の検出を行う可動電極13、固定電極15a,15b、操作終了の検出を行う可動電極14、固定電極16a,16bのどちらも出力がオフとなっており、自動変速機7のレンジ切り換えは行われない(図25(a)、図26(a)、図27(a)、図28参照)。
【0061】
次に、操作開始状態を説明する。自動変速機のレンジ位置がPレンジ位置である場合に、Dレンジ位置をセレクトするセレクトスイッチ1への操作を開始すると、セレクトスイッチ1の可動体12に設けた可動電極13と固定電極15a,15bが接触し通電することで操作開始がオンと判定し、自動変速機7をNレンジ位置へアクチュエータ部3の駆動で切換制御を開始する。なお、この時点では、可動電極14と固定電極16a,16bは接触していないオフの状態である(図25(b)、図26(b)、図27(b)、図28参照)。
【0062】
次に、操作終了状態を説明する。セレクトスイッチ1への操作開始の状態から、さらにセレクトスイッチ1の可動体12を押し込むと、可動体12に設けた可動電極14と固定電極16a,16bが接触し通電することで操作終了がオンと判定し、Nレンジ位置からDレンジ位置への切換制御を行う(図25(c)、図26(c)、図27(c)、図28参照)。
例えば、駐車時などのPレンジ位置とDレンジ位置の間のレンジ切り換えにおいて、セレクトスイッチ1の操作開始により、ドライバの意思を先読みし、事前にNレンジ位置を切り換え始めることで、切り換りタイミングの遅れを解消し、アクセルオンで加速せずに空ぶかしになってしまうようなことがないようにできる。
【0063】
(b)操作中止動作
図29は実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの動きを示す説明図である。図30は実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの操作開始側の検出の動きを示す説明図である。図31は実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの操作終了の検出の動きを示す説明図である。図32は実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチ、操作開始、操作終了、自動変速機の状態を示すタイムチャートである。
【0064】
実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置において、Dレンジ位置での定常状態(図29(a)、図30(a)、図31(a)、図32参照)から、セレクトスイッチ1を操作して、Rレンジ位置への操作開始が検出された状態(図29(b)、図30(b)、図31(b)、図32参照)まで達した後のスイッチ操作の途中で操作を止めて、手を離す。すると、セレクトスイッチ1の可動体12がスプリング17の付勢力によって、定常状態の初期位置まで戻り、通電しオンとなっていた可動体12の可動電極13と固定電極15a,15bとが離れて、オフ状態へ変わる(図29(c)、図30(c)、図31(c)、図32参照)。操作開始を検出する可動電極13と固定電極15a,15bがオフとなったことで操作中止と判断し、操作開始を検出したことによりドライバの意思を先読みし、事前にNレンジ位置に切り換え始めた制御を中止し、Pレンジ位置に戻るようにアクチュエータ部3を制御する。これによって、先行した制御を行ったとしても、操作が中止されればPレンジ位置に戻るため、不都合が生じることがない。
【0065】
効果を説明する。
実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置にあっては、上記(1),(2),(3)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(7)セレクトスイッチは、セレクト操作終了を検出する可動電極14、固定電極16a,16bを備え、コントローラ2は、操作開始を検出する可動電極13、固定電極15a,15bによりPレンジ位置からDレンジ位置への操作開始を検出すると、Nレンジ位置へのレンジ切り換えをアクチュエータ部3に開始させ、セレクト操作終了を検出する可動電極14、固定電極16a,16b、操作開始を検出する可動電極13、固定電極15a,15bにより操作中止を検出すると、Pレンジ位置へ戻るレンジ切り換えを行わせるため、Nレンジ位置を挟むPレンジ位置とDレンジ位置でのレンジ切り換えにおいて、レンジ切り換えの遅れを少なくすることができる。
【0066】
以上、本発明の自動変速機のレンジ切換制御装置を実施例1〜実施例7に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
セレクトスイッチ1の構成は、押しこみボタン形状であるが、他のスイッチ形状であってもよい。その場合には、それぞれのスイッチの動きに合わせて、操作開始と操作終了を検出できるようにするのが、好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置システムの説明図である。
【図2】実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置の車両設置例を示す説明図である。
【図3】実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチの断面図である。
【図4】自動変速機7のディテント構造を示す斜視図である。
【図5】P→Rレンジ方向におけるモータ31の出力軸に発生する操作反力を示す特性図である。
【図6】実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置における通常動作のセレクトスイッチの動きを示す説明図である。
【図7】実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置における通常動作のセレクトスイッチの操作開始側の検出の動きを示す説明図である。
【図8】実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチの操作終了の検出の動きを示す説明図である。
【図9】実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチ、操作開始、操作終了、自動変速機の状態を示すタイムチャートである。
【図10】実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの動きを示す説明図である。
【図11】実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの操作開始側の検出の動きを示す説明図である。
【図12】実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの操作終了の検出の動きを示す説明図である。
【図13】実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチ、操作開始、操作終了、自動変速機の状態を示すタイムチャートである。
【図14】実施例2の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチの断面図である。
【図15】実施例3の自動変速機のレンジ切換制御装置の正面断面説明図である。
【図16】実施例3の自動変速機のレンジ切換制御装置の側面透過説明図である。
【図17】実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置における通常動作のセレクトスイッチの動きを示す説明図である。
【図18】実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置における通常動作のセレクトスイッチの操作開始側の検出の動きを示す説明図である。
【図19】実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチの操作終了の検出の動きを示す説明図である。
【図20】実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチ、操作開始、操作終了、自動変速機の状態を示すタイムチャートである。
【図21】実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの動きを示す説明図である。
【図22】実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの操作開始側の検出の動きを示す説明図である。
【図23】実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの操作終了の検出の動きを示す説明図である。
【図24】実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチ、操作開始、操作終了、自動変速機の状態を示すタイムチャートである。
【図25】実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置における通常動作のセレクトスイッチの動きを示す説明図である。
【図26】実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置における通常動作のセレクトスイッチの操作開始側の検出の動きを示す説明図である。
【図27】実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチの操作終了の検出の動きを示す説明図である。
【図28】実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチ、操作開始、操作終了、自動変速機の状態を示すタイムチャートである。
【図29】実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの動きを示す説明図である。
【図30】実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの操作開始側の検出の動きを示す説明図である。
【図31】実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの操作終了の検出の動きを示す説明図である。
【図32】実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチ、操作開始、操作終了、自動変速機の状態を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0068】
1 セレクトスイッチ
11 スイッチ本体
12 可動体
13 可動電極
14 可動電極
15a 固定電極
15b 固定電極
16a 固定電極
16b 固定電極
17 スプリング
2 コントローラ
3 アクチュエータ部
31 モータ
32 取り付けレバー
33 位置センサ
34 支点軸
4 減速部
41 ウォーム
42 ウォームホイール
6 コントロールケーブル
7 自動変速機
71 制御アーム
72 回転シャフト
73a カム山
73 ディテントプレート
73b 溝
73b 谷部
74 バネ板
75 ディテントピン
76 パーキングロッド
77 カム状プレート
78 パーキングギア
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンジセレクト操作を電気信号でアクチュエータ側へ送って自動変速機のレンジ切換制御を行うシフトバイワイヤシステムにおける自動変速機のレンジ切換制御装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来では、シフトレバーを操作することによりドライバが選択したレンジ位置に基づいた電気的信号によってマニュアル弁を動作させてレンジ切り換えを行い、且つ、パーキングレンジ位置で自動変速機内の駆動軸、もしくは出力軸と車輪の間に固定されたパーキングギヤを機械的手段でロックするパーキングロック機構を設けたシフトバイワイヤ式自動変速機において、マニュアル弁を制御する第1のアクチュエータとパーキングロック機構を制御する第2のアクチュエータとを設けている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−169877号公報(第2−8頁、全図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来では、スイッチ操作完了後に自動変速機のレンジ切り換えを開始するので、レンジ切り換えが遅れ、ドライバはレンジが完全に切り換る前にアクセルを踏んでしまい、空ぶかし、急発進などの運転をしてしまう可能性があり問題であった。
【0004】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、レンジ位置のセレクト操作に対するレンジ切り換えの遅れを少なくし、ドライバの意思と異なる車両動作が生じないようにできる自動変速機のレンジ切換制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明では、ドライバによりセレクト操作されるセレクト入力手段の信号をアクチュエータ部の制御手段に送り、自動変速機のレンジ切換装置を駆動する前記アクチュエータ部を前記制御手段で制御する自動変速機のレンジ切換制御装置において、前記セレクト入力手段は、セレクト操作開始を検出する操作開始検出手段を備え、前記制御手段は、前記操作開始検出手段により操作開始を検出すると、その開始されたセレクト操作に対応するレンジ位置へのレンジ切り換えを前記アクチュエータに開始させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
よって、本発明にあっては、セレクト操作に対する自動変速機の切り換えの遅れを少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の自動変速機のレンジ切換制御装置の操作スイッチ構造を実現する実施の形態を、請求項1に係る発明に対応する実施例1と、請求項1及び請求項2に係る発明に対応する実施例2と、請求項1〜請求項3に係る発明に対応する実施例3と、請求項1〜請求項4に係る発明に対応する実施例4と、請求項1〜請求項3に係る発明に対応する実施例5と、請求項1〜請求項3、請求項5に係る発明に対応する実施例6と、請求項1〜請求項3に係る発明に対応する実施例7に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置システムの説明図である。
【0009】
実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置システムは、セレクト操作装置部1、コントローラ2、アクチュエータ部3、コントロールケーブル6、自動変速機7を主要な構成としている。
セレクトスイッチ1は、切り換えたいセレクトポジションに操作入力を行うスイッチであり、どのポジションがセレクトされたかを検出し、コントローラ2へ出力を行う。なお、セレクトスイッチ1の構成については、後述する。
【0010】
コントローラ2は、セレクトスイッチ1からの入力と、位置センサ33からの入力より、セレクトスイッチ1で検出されたセレクトポジションに、位置センサ33で検出される自動変速機7のシフトポジションが一致するように、アクチュエータ部3のモータ31を駆動制御する。
【0011】
アクチュエータ部3は、モータ31、減速部4、取り付けレバー32、位置センサ33、支点軸34を主要な構成としている。
モータ31は、コントローラ2の制御により、軸43へ回転出力する。
取り付けレバー32は、ウォームホイール42の回転が支点軸34を介して伝達され、レバー先端部にコントロールケーブル6が取り付けられる。
【0012】
位置センサ33は、支点軸34部分に設けられ、ウォームホイール42、又は支点軸34の固定部材に対する回転変位角度を検出する。検出値はコントローラ2へ出力する。
支点軸34は、図示しない軸支構造により回転する軸であり、ウォームホイール42、取り付けレバー32と固定されともに回転変位する。
【0013】
減速部4は、ウォーム41、ウォームホイール42、軸43で構成される。
軸43の内部へモータ31の出力軸を圧入又は、出力軸の一部をC形状にするなどして、回転を伝達する構造にする。
軸43のなかほどには、ウォーム41を設け、支点軸34にはウォームホイール42を設けて係合させる。
コントロールケーブル6は、図1に示すように、アクチュエータ部3の取り付けレバー32と自動変速機7の制御アーム71を接続するプッシュプルが可能なケーブルである。
自動変速機7は、レンジポジションの切り換えを行う油圧制御をするマニュアルバルブを駆動させる制御アーム71を外部に備えている。この制御アーム71にコントロールケーブル6の一端が取り付けられることで、レンジポジションがアクチュエータ部3により制御されることになる。実施例1では、自動変速機7は、シフトバイワイヤシステム特有の構造を要求されない。既存のものをそのまま使用できる。
【0014】
次に自動変速機のレンジ切換制御装置の配置について説明する。
図2は実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置の車両設置例を示す説明図である。
本実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置では、アクチュエータ部3と自動変速機7をコントロールケーブル6で接続するため、アクチュエータ部3は、熱等の環境が厳しいエンジンルームではなく、インストルメントパネル8の内部に設置する。
【0015】
次にセレクトスイッチ1の構成について、図3を参照して説明する。
図3は実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチの断面図である。
セレクトスイッチ1は、スイッチ本体11、可動体12、可動電極13、可動電極14、固定電極15a,15b、固定電極16a,16b、スプリング17を主要な構成としている。
スイッチ本体11は、P,R,N,D,Lの各レンジ位置に対応した可動体12を収容する部材である。
可動体12は、P,R,N,D,Lの各レンジ位置に対応する個数分設けられ、上面には、P,R,N,D,Lの各レンジ位置が示されたものであり、スイッチ本体11の収容穴内で可動するよう設けられたものである。
【0016】
可動電極13,14は、可動体12の側面に設けられた電極であり、可動体12と共に可動する。
固定電極15a,15bは、スイッチ本体11の可動体12を収容した穴の側壁に設けた、対となった縦長の電極であり、可動体12の下降時に縦長の長さ範囲で、可動電極13と接触する。この可動電極13との接触は、固定電極15a,15bの間に通電することで、検知される。
【0017】
固定電極16a,16bは、スイッチ本体11の可動体12を収容した穴の側壁に設けた、対となり、固定電極15a,15bより縦長さが短く、下端位置がほぼ同じ位置となるように設け、可動体12が最も下降した位置で、可動電極14と接触する。この可動電極14との接触は、固定電極16a,16bの間に通電することで、検知される。
また、可動体12は、下端部とスイッチ本体11の可動体12を収容する穴の底との間にスプリング17を設け、可動体12を押し操作が可能な上方位置、つまり定常状態の位置に保持する。
【0018】
次に、自動変速機7のディテント構造について説明する。
図4は、自動変速機7のディテント構造を示す斜視図である。
制御アーム71には回転シャフト72が設けられ、この回転シャフト72にディテントプレート73が支持されている。ディテントプレート73の上端には、カム山73aの間に5つのレンジ(P・R・N・D・L)に対応した谷部73bが形成されている。そして、この谷部73bにバネ板74の先端に形成されたディテントピン75を係合させ、選択されたセレクト位置を保持することにより、車両の振動等に起因する意図しないレンジセレクトを防止している。
【0019】
すなわち、モータ31の駆動力により回転シャフト72が回動し、この回動に応じてディテントプレート73がディテントピン75に対して相対移動する。このとき、ディテントピン75がカム山73aを乗り越えて隣のレンジに対応した谷部73bと係合し、係合状態がバネ板74の弾性力により保持される。この弾性力がセレクト操作する際の主要な負荷力となる。
【0020】
なお、ディテントプレート73には、パーキングロッド76の一端が回動自在に連結されている。このパーキングロッド76は、レンジポジションをPレンジに移動させたとき、カム状プレート77を介してパーキングギア78の回転を阻止し、図外の駆動輪をロックするものである。これにより、勾配路上にPレンジで車両を駐車したとき、勾配に応じて駆動輪をロックするように車重負荷が加わり、パーキングロッド76を咬む力として作用する。
【0021】
次に作用を説明する。
[自動変速機のレンジ切換制御装置システム]
実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置システムについて説明する。
例えば、ドライバがセレクトスイッチ1を操作して、切り換えたいセレクトポジションを入力すると、セレクトポジジョンが検出され、コントローラ2へ出力される。
【0022】
また、位置センサ33では、ウォームホイール42、または取り付けレバー32の回転変位が、基準位置(例えばPレンジ相当位置)からのストローク角度として検出され、コントローラ2へ出力される。
【0023】
よって、コントローラ2は、セレクトポジションの入力があった場合に、位置センサ33からのレンジポジションと比較し、異なる場合には、レンジポジションがセレクトポジションと一致するようアクチュエータ部3のモータ31を駆動する。モータ31の駆動力は、ウォーム41、ウォームホイール42で減速されるとともに、支点軸34周りの駆動へと変換され、取り付けレバー32を回転変位させてコントロールケーブル6のプッシュプル動作を行う。
これにより、自動変速機7の制御アーム71を回転動作させ、図示しないマニュアルバルブを動作させることによりレンジポジションの切り換えを行う。
【0024】
[自動変速機の操作反力特性]
図5は、P→Rレンジ方向におけるモータ31の出力軸に発生する操作反力を示す特性図である。この操作反力特性は、出力軸における操作反力[N]を作動位置(ストローク角度)と対比させたものである。
【0025】
また、モータ31の出力軸における操作反力は、上述した自動変速機7のディテントで発生する負荷力に、コントロールケーブル6の摩擦力、電動モータのイナーシャ等を合成したものである。よって、モータ31によるレンジ切り換えは、この操作反力以上の駆動力が必要となる。
【0026】
図5に示すように、P→Rレンジ方向に操作したときに発生する操作反力は、各レンジ間において、初めにモータ31の駆動方向と逆方向(D→Nレンジ方向)に発生し、ピーク後に向きを変えて操作方向と同一方向(P→Rレンジ方向)に発生し、レンジ切り換え位置(停止位置)付近でゼロに収束した状態となる。この特性は、ディテントピン75が、カム山73aを乗り越える際に発生する負荷力に起因している。すなわち、ディテントピン75がカム山73aを乗り越えるまでは、バネ板74を付勢する図示しないバネの付勢力により抵抗力が発生し、ディテントピン75がカム山73aを乗り越えた後は、ディテントピン75が次のカム山73aの溝又は溝73bに落ち込んで引き込み力が発生するためである。
【0027】
[遅れを少なくする作用]
(a)通常動作
図6は実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置における通常動作のセレクトスイッチの動きを示す説明図である。図7は実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置における通常動作のセレクトスイッチの操作開始側の検出の動きを示す説明図である。図8は実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチの操作終了の検出の動きを示す説明図である。図9は実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチ、操作開始、操作終了、自動変速機の状態を示すタイムチャートである。
【0028】
実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置の定常状態では、セレクトスイッチ1を操作していない状態では、操作開始の検出を行う可動電極13、固定電極15a,15b、操作終了の検出を行う可動電極14、固定電極16a,16bのどちらも出力がオフとなっており、自動変速機7のレンジ切り換えは行われない(図6(a)、図7(a)、図8(a)、図9参照)。
【0029】
次に、操作開始状態を説明する。セレクトスイッチ1への操作を開始すると、セレクトスイッチ1の可動体12に設けた可動電極13と固定電極15a,15bが接触し通電することで操作開始がオンと判定し、自動変速機7を指定レンジ位置の方向へアクチュエータ部3の駆動で切換制御を開始する。なお、この時点では、可動電極14と固定電極16a,16bは接触していないオフの状態である(図6(b)、図7(b)、図8(b)、図9参照)。
【0030】
次に、操作終了状態を説明する。セレクトスイッチ1への操作開始の状態から、さらにセレクトスイッチ1の可動体12を押し込むと、可動体12に設けた可動電極14と固定電極16a,16bが接触し通電することで操作終了がオンと判定し、開始した指定レンジ位置への切換制御を維持し、指定レンジ位置への切り換えを行う(図6(c)、図7(c)、図8(c)、図9参照)。
例えば、Pレンジ位置またはNレンジ位置で、車両が信号待ちをしているような状態で、発進時にDレンジ位置またはLレンジ位置へ切り換える場合に、セレクトスイッチ1の操作開始により、ドライバの意思を先読みし、事前にレンジ位置を切り換え始めることで、Dレンジ位置またはLレンジ位置への切り換りタイミングの遅れを解消し、アクセルオンで加速せずに空ぶかしになってしまうようなことがないようにできる。
【0031】
(b)操作中止動作
図10は実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの動きを示す説明図である。図11は実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの操作開始側の検出の動きを示す説明図である。図12は実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの操作終了の検出の動きを示す説明図である。図13は実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチ、操作開始、操作終了、自動変速機の状態を示すタイムチャートである。
【0032】
実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置において、定常状態(図10(a)、図11(a)、図12(a)、図13参照)から、セレクトスイッチ1を操作して、操作開始が検出された状態(図10(b)、図11(b)、図12(b)、図13参照)まで達した後のスイッチ操作の途中で操作を止めて、手を離す。すると、セレクトスイッチ1の可動体12がスプリング17の付勢力によって、定常状態の初期位置まで戻り、通電しオンとなっていた可動体12の可動電極13と固定電極15a,15bとが離れて、オフ状態へ変わる(図10(c)、図11(c)、図12(c)、図13参照)。操作開始を検出する可動電極13と固定電極15a,15bがオフとなったことで操作中止と判断し、操作開始を検出したことによりドライバの意思を先読みし、事前にレンジ位置を切り換え始めた制御を中止し、元のレンジ位置に戻るようにアクチュエータ部3を制御する。これによって、先行した制御を行ったとしても、操作が中止されれば元のレンジ位置に戻るため、不都合が生じることがない。
【0033】
次に、効果を説明する。
実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置の操作スイッチ構造にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0034】
(1)ドライバによりセレクト操作されるセレクトスイッチ1の信号をアクチュエータ部3のコントローラ2に送り、自動変速機7の制御レバー71を駆動するアクチュエータ部3をコントローラ2で制御する自動変速機7のレンジ切換制御装置において、セレクトスイッチ1は、セレクト操作開始を検出する可動電極13、固定電極15a,15bを備え、コントローラ2は、セレクトスイッチ1の可動電極13、固定電極15a,15bにより操作開始を検出すると、その開始されたセレクト操作に対応するレンジ位置へのレンジ切り換えをアクチュエータ部3に開始させるため、セレクト操作に対する自動変速機の切り換えの遅れを少なくすることができる。
【実施例2】
【0035】
実施例2の自動変速機のレンジ切換制御装置は、スイッチ操作の終了を操作者に伝達するようクリック感を持たせるようにした例である。
構成を説明する。
図14は実施例2の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチの断面図である。
実施例2では、操作終了を検出する手段として、可動体12が押し込まれた状態の下端により押す入力がされるタクトスイッチ18を設ける。
【0036】
作用を説明する。
実施例2の自動変速機のレンジ切換制御装置では、操作終了位置までセレクトスイッチ1の可動体12が押し込まれると、タクトスイッチ18を押す入力が成され、操作終了が検出される。
さらに、タクトスイッチ18は図示しない内部構造により、押す操作入力をした際に、クリック感を生成する。
その他構成は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
【0037】
作用を説明する。
実施例2の自動変速機のレンジ切換制御装置では、タクトスイッチ18を設けたことによって、操作終了時においてクリック感を発生させることができ、これによりドライバに可動体12の押し込み操作が終了位置に達したことを感じさせることができる。
【0038】
効果を説明する。
実施例2の自動変速機のレンジ切換制御装置では、上記(1)の効果に加えて、次の効果を有する。
(2)セレクトスイッチ1は、セレクト操作終了を検出するとともに、終了位置まで操作されるとクリック感を生成するタクトスイッチ18を備えたため、操作が終了位置に達したことをドライバに伝えることができる。
【実施例3】
【0039】
実施例3の自動変速機のレンジ切換制御装置は、セレクトスイッチの可動体に粘性抵抗を持たせる例である。
構成を説明する。
図15は実施例3の自動変速機のレンジ切換制御装置の正面断面説明図である。図16は実施例3の自動変速機のレンジ切換制御装置の側面透過説明図である。
【0040】
実施例3では、可動体12に縦に長いラック20を設け、可動体12が上下動するスイッチ本体11の穴に、例えば内部の粘性液体の作用により出力ギアの回転に対して粘性抵抗を与えるロータリーダンパ19を設け、ロータリーダンパ19の出力ギア19aを可動体12のラックに係合させ、可動体12の上下動する動きがロータリーダンパ19の出力ギア19aを回転させる構成にする。
【0041】
作用を説明する。
粘性を与えることによって、セレクトスイッチ1の操作フィーリングを向上させることができる。また、可動体12が操作終了位置に達するまでのストロークの時間を稼ぐことで、可動体12が操作終了位置に達するのに対して、自動変速機のレンジ切換えが完了するまでの遅れ時間をより少なくすることができ、例えば、Pレンジ位置またはNレンジ位置で、車両が信号待ちをしているような状態で、発進時にDレンジ位置またはLレンジ位置へ切り換える場合に、Dレンジ位置またはLレンジ位置への切り換りタイミングの遅れを解消し、アクセルオンで加速せずに空ぶかしになってしまうようなことがないようにできる。
【0042】
効果を説明する。
実施例3の自動変速機のレンジ切換制御装置では、上記(1),(2)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(3)セレクトスイッチ1は、セレクト操作開始からセレクト操作完了までの操作に粘性抵抗を加えるロータリーダンパ19を備えたため、操作ストロークに粘性抵抗を与えて、操作時間を長くすることにより、セレクト操作に対する自動変速機の切り換えの遅れを少なくすることができ、また、操作フィーリングを向上させることができる。
【実施例4】
【0043】
実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置は、Dレンジ位置からRレンジ位置への操作の際に、Nレンジ位置への先行した制御を行う例である。
構成は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0044】
作用を説明する。
[遅れを少なくする作用]
(a)通常動作
図17は実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置における通常動作のセレクトスイッチの動きを示す説明図である。図18は実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置における通常動作のセレクトスイッチの操作開始側の検出の動きを示す説明図である。図19は実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチの操作終了の検出の動きを示す説明図である。図20は実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチ、操作開始、操作終了、自動変速機の状態を示すタイムチャートである。
【0045】
実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置の定常状態では、セレクトスイッチ1を操作していない状態では、操作開始の検出を行う可動電極13、固定電極15a,15b、操作終了の検出を行う可動電極14、固定電極16a,16bのどちらも出力がオフとなっており、自動変速機7のレンジ切り換えは行われない(図17(a)、図18(a)、図19(a)、図20参照)。
【0046】
次に、操作開始状態を説明する。自動変速機のレンジ位置がDレンジ位置である場合に、Rレンジ位置をセレクトするセレクトスイッチ1への操作を開始すると、セレクトスイッチ1の可動体12に設けた可動電極13と固定電極15a,15bが接触し通電することで操作開始がオンと判定し、自動変速機7をNレンジ位置へアクチュエータ部3の駆動で切換制御を開始する。なお、この時点では、可動電極14と固定電極16a,16bは接触していないオフの状態である(図17(b)、図18(b)、図19(b)、図20参照)。
【0047】
次に、操作終了状態を説明する。セレクトスイッチ1への操作開始の状態から、さらにセレクトスイッチ1の可動体12を押し込むと、可動体12に設けた可動電極14と固定電極16a,16bが接触し通電することで操作終了がオンと判定し、Nレンジ位置からDレンジ位置への切換制御を行う(図17(c)、図18(c)、図19(c)、図20参照)。
例えば、駐車時などのDレンジ位置とRレンジ位置の間のレンジ切り換えにおいて、セレクトスイッチ1の操作開始により、ドライバの意思を先読みし、事前にNレンジ位置を切り換え始めることで、切り換りタイミングの遅れを解消し、アクセルオンで加速せずに空ぶかしになってしまうようなことがないようにできる。
【0048】
(b)操作中止動作
図21は実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの動きを示す説明図である。図22は実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの操作開始側の検出の動きを示す説明図である。図23は実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの操作終了の検出の動きを示す説明図である。図24は実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチ、操作開始、操作終了、自動変速機の状態を示すタイムチャートである。
【0049】
実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置において、Dレンジ位置での定常状態(図21(a)、図22(a)、図23(a)、図24参照)から、セレクトスイッチ1を操作して、Rレンジ位置への操作開始が検出された状態(図21(b)、図22(b)、図23(b)、図24参照)まで達した後のスイッチ操作の途中で操作を止めて、手を離す。すると、セレクトスイッチ1の可動体12がスプリング17の付勢力によって、定常状態の初期位置まで戻り、通電しオンとなっていた可動体12の可動電極13と固定電極15a,15bとが離れて、オフ状態へ変わる(図21(c)、図22(c)、図23(c)、図24参照)。操作開始を検出する可動電極13と固定電極15a,15bがオフとなったことで操作中止と判断し、操作開始を検出したことによりドライバの意思を先読みし、事前にNレンジ位置に切り換え始めた制御を中止し、Dレンジ位置に戻るようにアクチュエータ部3を制御する。これによって、先行した制御を行ったとしても、操作が中止されればDレンジ位置に戻るため、不都合が生じることがない。
【0050】
効果を説明する。
実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置にあっては、上記(1),(2),(3)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(4)セレクトスイッチは、セレクト操作終了を検出する可動電極14、固定電極16a,16bを備え、コントローラ2は、操作開始を検出する可動電極13、固定電極15a,15bによりDレンジ位置からRレンジ位置への操作開始を検出すると、Nレンジ位置へのレンジ切り換えをアクチュエータ部3に開始させ、セレクト操作終了を検出する可動電極14、固定電極16a,16b、操作開始を検出する可動電極13、固定電極15a,15bにより操作中止を検出すると、Dレンジ位置へ戻るレンジ切り換えを行わせるため、Nレンジ位置を挟むDレンジ位置とRレンジ位置でのレンジ切り換えにおいて、レンジ切り換えの遅れを少なくすることができる。
【実施例5】
【0051】
実施例5の自動変速機のレンジ切換制御装置は、レンジ切り換えに時間のかかるレンジ操作に、操作開始を検出するとレンジ切換を開始する例である。
構成は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
作用を説明する。
実施例5では、レンジ切り換えが長い時間を要する場合に、操作開始を検出するとレンジ切換を開始する。レンジ位置は、図4を参照して上記で説明したように、P,R,N,D,Lの順に設けられているため、離れたレンジ位置での切り換えでは、レンジ切り換えに長い時間を要することになり、遅れが顕著となる。
【0052】
そのため、実施例5では、例えば、2つ以上のレンジ位置を越える操作というように、条件を設定し、それを越える操作では、操作開始を検出するとレンジ切り換えを開始する制御を行うようにする。すると、遅れを少なくする作用がより効果的になる。
【0053】
効果を説明する。実施例5の自動変速機のレンジ切換制御装置は、上記(1),(2),(3)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(5)コントローラ2は、自動変速機7の現在のレンジ位置から、操作開始されたレンジ位置までのレンジ切換えが長い時間になる場合に、可動電極13、固定電極15a,15bにより操作開始を検出すると、その開始されたセレクト操作に対応するレンジ位置へのレンジ切り換えをアクチュエータ部3に開始させるため、レンジ切り換えの遅れを少なくする効果を効率的に得ることができる。
そのた作用効果は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
【実施例6】
【0054】
実施例6の自動変速機のレンジ切換制御装置は、Pレンジ位置からDレンジ位置への切り換えにおいて、フットブレーキを踏んでいる場合のみ、アクチュエータ部による切り換えを先行させて開始する例である。
実施例6では、図示しないが、フットブレーキのオンオフを車両からコントローラ2へ入力する。
その他構成は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
作用を説明する。
【0055】
実施例6では、現在の自動変速機7のレンジ位置がPレンジ位置である場合に、ドライバがセレクトスイッチ1のDレンジ位置の可動体12を押す操作を行った場合に、可動電極13、固定電極15a,15bにより操作開始を検出すると、その場合に、フットブレーキがオンであれば、Dレンジ位置へのアクチュエータ部3の駆動を開始し、フットブレーキのオフであれば、Dレンジ位置への先行した切り換えは行わない。
【0056】
このようにフットブレーキのオンオフを制御上で見ることにより、フットブレーキにより車両が停止させられている場合に、Pレンジ位置で、車両が停止しているような状態で、発進時にDレンジ位置またはLレンジ位置へ切り換える場合に、セレクトスイッチ1の操作開始により、ドライバの意思を先読みし、事前にレンジ位置を切り換え始めることで、Dレンジ位置またはLレンジ位置への切り換りタイミングの遅れを解消し、アクセルオンで加速せずに空ぶかしにならないようにし、且つドライバの意思に反する車両の挙動を防ぐことができる。
【0057】
効果を説明する。
実施例6の自動変速機のレンジ切換制御装置では、上記(1)〜(3),(5)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(6)フットブレーキのオンオフを検出するブレーキ検出手段(図示なし)を設け、コントローラ2は、操作開始を検出する可動電極13、固定電極15a,15bによりPレンジ位置からDレンジ位置への操作開始を検出し、且つブレーキ検出手段によりフットブレーキのオンを検出した場合に、Dレンジ位置へのレンジ切り換えをアクチュエータ部3に開始させるため、切り換えタイミングの遅れを少なくして、アクセルオンで加速せずに空ぶかしにならないようにし、且つドライバの意思に反する車両の挙動を防ぐことができる。
【実施例7】
【0058】
実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置は、Pレンジ位置からDレンジ位置への操作の際に、Nレンジ位置への先行した制御を行う例である。
構成は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0059】
作用を説明する。
[遅れを少なくする作用]
(a)通常動作
図25は実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置における通常動作のセレクトスイッチの動きを示す説明図である。図26は実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置における通常動作のセレクトスイッチの操作開始側の検出の動きを示す説明図である。図27は実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチの操作終了の検出の動きを示す説明図である。図28は実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチ、操作開始、操作終了、自動変速機の状態を示すタイムチャートである。
【0060】
実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置の定常状態では、セレクトスイッチ1を操作していない状態では、操作開始の検出を行う可動電極13、固定電極15a,15b、操作終了の検出を行う可動電極14、固定電極16a,16bのどちらも出力がオフとなっており、自動変速機7のレンジ切り換えは行われない(図25(a)、図26(a)、図27(a)、図28参照)。
【0061】
次に、操作開始状態を説明する。自動変速機のレンジ位置がPレンジ位置である場合に、Dレンジ位置をセレクトするセレクトスイッチ1への操作を開始すると、セレクトスイッチ1の可動体12に設けた可動電極13と固定電極15a,15bが接触し通電することで操作開始がオンと判定し、自動変速機7をNレンジ位置へアクチュエータ部3の駆動で切換制御を開始する。なお、この時点では、可動電極14と固定電極16a,16bは接触していないオフの状態である(図25(b)、図26(b)、図27(b)、図28参照)。
【0062】
次に、操作終了状態を説明する。セレクトスイッチ1への操作開始の状態から、さらにセレクトスイッチ1の可動体12を押し込むと、可動体12に設けた可動電極14と固定電極16a,16bが接触し通電することで操作終了がオンと判定し、Nレンジ位置からDレンジ位置への切換制御を行う(図25(c)、図26(c)、図27(c)、図28参照)。
例えば、駐車時などのPレンジ位置とDレンジ位置の間のレンジ切り換えにおいて、セレクトスイッチ1の操作開始により、ドライバの意思を先読みし、事前にNレンジ位置を切り換え始めることで、切り換りタイミングの遅れを解消し、アクセルオンで加速せずに空ぶかしになってしまうようなことがないようにできる。
【0063】
(b)操作中止動作
図29は実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの動きを示す説明図である。図30は実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの操作開始側の検出の動きを示す説明図である。図31は実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの操作終了の検出の動きを示す説明図である。図32は実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチ、操作開始、操作終了、自動変速機の状態を示すタイムチャートである。
【0064】
実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置において、Dレンジ位置での定常状態(図29(a)、図30(a)、図31(a)、図32参照)から、セレクトスイッチ1を操作して、Rレンジ位置への操作開始が検出された状態(図29(b)、図30(b)、図31(b)、図32参照)まで達した後のスイッチ操作の途中で操作を止めて、手を離す。すると、セレクトスイッチ1の可動体12がスプリング17の付勢力によって、定常状態の初期位置まで戻り、通電しオンとなっていた可動体12の可動電極13と固定電極15a,15bとが離れて、オフ状態へ変わる(図29(c)、図30(c)、図31(c)、図32参照)。操作開始を検出する可動電極13と固定電極15a,15bがオフとなったことで操作中止と判断し、操作開始を検出したことによりドライバの意思を先読みし、事前にNレンジ位置に切り換え始めた制御を中止し、Pレンジ位置に戻るようにアクチュエータ部3を制御する。これによって、先行した制御を行ったとしても、操作が中止されればPレンジ位置に戻るため、不都合が生じることがない。
【0065】
効果を説明する。
実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置にあっては、上記(1),(2),(3)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(7)セレクトスイッチは、セレクト操作終了を検出する可動電極14、固定電極16a,16bを備え、コントローラ2は、操作開始を検出する可動電極13、固定電極15a,15bによりPレンジ位置からDレンジ位置への操作開始を検出すると、Nレンジ位置へのレンジ切り換えをアクチュエータ部3に開始させ、セレクト操作終了を検出する可動電極14、固定電極16a,16b、操作開始を検出する可動電極13、固定電極15a,15bにより操作中止を検出すると、Pレンジ位置へ戻るレンジ切り換えを行わせるため、Nレンジ位置を挟むPレンジ位置とDレンジ位置でのレンジ切り換えにおいて、レンジ切り換えの遅れを少なくすることができる。
【0066】
以上、本発明の自動変速機のレンジ切換制御装置を実施例1〜実施例7に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
セレクトスイッチ1の構成は、押しこみボタン形状であるが、他のスイッチ形状であってもよい。その場合には、それぞれのスイッチの動きに合わせて、操作開始と操作終了を検出できるようにするのが、好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置システムの説明図である。
【図2】実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置の車両設置例を示す説明図である。
【図3】実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチの断面図である。
【図4】自動変速機7のディテント構造を示す斜視図である。
【図5】P→Rレンジ方向におけるモータ31の出力軸に発生する操作反力を示す特性図である。
【図6】実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置における通常動作のセレクトスイッチの動きを示す説明図である。
【図7】実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置における通常動作のセレクトスイッチの操作開始側の検出の動きを示す説明図である。
【図8】実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチの操作終了の検出の動きを示す説明図である。
【図9】実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチ、操作開始、操作終了、自動変速機の状態を示すタイムチャートである。
【図10】実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの動きを示す説明図である。
【図11】実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの操作開始側の検出の動きを示す説明図である。
【図12】実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの操作終了の検出の動きを示す説明図である。
【図13】実施例1の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチ、操作開始、操作終了、自動変速機の状態を示すタイムチャートである。
【図14】実施例2の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチの断面図である。
【図15】実施例3の自動変速機のレンジ切換制御装置の正面断面説明図である。
【図16】実施例3の自動変速機のレンジ切換制御装置の側面透過説明図である。
【図17】実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置における通常動作のセレクトスイッチの動きを示す説明図である。
【図18】実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置における通常動作のセレクトスイッチの操作開始側の検出の動きを示す説明図である。
【図19】実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチの操作終了の検出の動きを示す説明図である。
【図20】実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチ、操作開始、操作終了、自動変速機の状態を示すタイムチャートである。
【図21】実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの動きを示す説明図である。
【図22】実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの操作開始側の検出の動きを示す説明図である。
【図23】実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの操作終了の検出の動きを示す説明図である。
【図24】実施例4の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチ、操作開始、操作終了、自動変速機の状態を示すタイムチャートである。
【図25】実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置における通常動作のセレクトスイッチの動きを示す説明図である。
【図26】実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置における通常動作のセレクトスイッチの操作開始側の検出の動きを示す説明図である。
【図27】実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチの操作終了の検出の動きを示す説明図である。
【図28】実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置のセレクトスイッチ、操作開始、操作終了、自動変速機の状態を示すタイムチャートである。
【図29】実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの動きを示す説明図である。
【図30】実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの操作開始側の検出の動きを示す説明図である。
【図31】実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチの操作終了の検出の動きを示す説明図である。
【図32】実施例7の自動変速機のレンジ切換制御装置における操作中止動作のセレクトスイッチ、操作開始、操作終了、自動変速機の状態を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0068】
1 セレクトスイッチ
11 スイッチ本体
12 可動体
13 可動電極
14 可動電極
15a 固定電極
15b 固定電極
16a 固定電極
16b 固定電極
17 スプリング
2 コントローラ
3 アクチュエータ部
31 モータ
32 取り付けレバー
33 位置センサ
34 支点軸
4 減速部
41 ウォーム
42 ウォームホイール
6 コントロールケーブル
7 自動変速機
71 制御アーム
72 回転シャフト
73a カム山
73 ディテントプレート
73b 溝
73b 谷部
74 バネ板
75 ディテントピン
76 パーキングロッド
77 カム状プレート
78 パーキングギア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバによりセレクト操作されるセレクト入力手段の信号をアクチュエータ部の制御手段に送り、自動変速機のレンジ切換装置を駆動する前記アクチュエータ部を前記制御手段で制御する自動変速機のレンジ切換制御装置において、
前記セレクト入力手段は、セレクト操作開始を検出する操作開始検出手段を備え、
前記制御手段は、
前記操作開始検出手段により操作開始を検出すると、その開始されたセレクト操作に対応するレンジ位置へのレンジ切り換えを前記アクチュエータ部に開始させる、
ことを特徴とする自動変速機のレンジ切換制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動変速機のレンジ切換制御装置において、
前記セレクト入力手段は、
セレクト操作終了を検出する操作終了検出手段を備え、
前記操作終了検出手段は、
終了位置まで操作されるとクリック感を生成するクリック感生成手段を備えた、
ことを特徴とする自動変速機のレンジ切換制御装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の自動変速機のレンジ切換制御装置において、
前記セレクト入力手段は、
セレクト操作開始からセレクト操作完了までの操作に粘性抵抗を加える粘性抵抗発生手段を備えた、
ことを特徴とする自動変速機のレンジ切換制御装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の自動変速機のレンジ切換制御装置において、
前記セレクト入力手段は、
セレクト操作終了を検出する操作終了検出手段を備え、
前記制御手段は、
前記操作開始検出手段によりDレンジ位置からRレンジ位置への操作開始を検出すると、Nレンジ位置へのレンジ切り換えを前記アクチュエータ部に開始させ、
前記操作開始検出手段及び前記操作終了検出手段により操作中止を検出すると、Dレンジ位置へ戻るレンジ切り換えを行わせる、
ことを特徴とする自動変速機のレンジ切換制御装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の自動変速機のレンジ切換制御装置において、
前記制御手段は、自動変速機の現在のレンジ位置から、操作開始されたレンジ位置までのレンジ切換えが長い時間になる場合に、前記操作開始検出手段により操作開始を検出すると、その開始されたセレクト操作に対応するレンジ位置へのレンジ切り換えを前記アクチュエータ部に開始させる、
ことを特徴とする自動変速機のレンジ切換制御装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項3、請求項5のいずれか1項に記載の自動変速機のレンジ切換制御装置において、
フットブレーキのオンオフを検出するブレーキ検出手段を設け、
前記制御手段は、前記操作開始検出手段によりPレンジ位置からDレンジ位置への操作開始を検出し、且つ前記ブレーキ検出手段によりフットブレーキのオンを検出した場合に、Dレンジ位置へのレンジ切り換えを前記アクチュエータ部に開始させる、
ことを特徴とする自動変速機のレンジ切換制御装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の自動変速機のレンジ切換制御装置において、
前記セレクト入力手段は、
セレクト操作終了を検出する操作終了検出手段を備え、
前記制御手段は、
前記操作開始検出手段によりPレンジ位置からDレンジ位置への操作開始を検出すると、Nレンジ位置へのレンジ切り換えを前記アクチュエータ部に開始させ、
前記操作開始検出手段及び前記操作終了検出手段により操作中止を検出すると、Pレンジ位置へ戻るレンジ切り換えを行わせる、
ことを特徴とする自動変速機のレンジ切換制御装置。
【請求項1】
ドライバによりセレクト操作されるセレクト入力手段の信号をアクチュエータ部の制御手段に送り、自動変速機のレンジ切換装置を駆動する前記アクチュエータ部を前記制御手段で制御する自動変速機のレンジ切換制御装置において、
前記セレクト入力手段は、セレクト操作開始を検出する操作開始検出手段を備え、
前記制御手段は、
前記操作開始検出手段により操作開始を検出すると、その開始されたセレクト操作に対応するレンジ位置へのレンジ切り換えを前記アクチュエータ部に開始させる、
ことを特徴とする自動変速機のレンジ切換制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動変速機のレンジ切換制御装置において、
前記セレクト入力手段は、
セレクト操作終了を検出する操作終了検出手段を備え、
前記操作終了検出手段は、
終了位置まで操作されるとクリック感を生成するクリック感生成手段を備えた、
ことを特徴とする自動変速機のレンジ切換制御装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の自動変速機のレンジ切換制御装置において、
前記セレクト入力手段は、
セレクト操作開始からセレクト操作完了までの操作に粘性抵抗を加える粘性抵抗発生手段を備えた、
ことを特徴とする自動変速機のレンジ切換制御装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の自動変速機のレンジ切換制御装置において、
前記セレクト入力手段は、
セレクト操作終了を検出する操作終了検出手段を備え、
前記制御手段は、
前記操作開始検出手段によりDレンジ位置からRレンジ位置への操作開始を検出すると、Nレンジ位置へのレンジ切り換えを前記アクチュエータ部に開始させ、
前記操作開始検出手段及び前記操作終了検出手段により操作中止を検出すると、Dレンジ位置へ戻るレンジ切り換えを行わせる、
ことを特徴とする自動変速機のレンジ切換制御装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の自動変速機のレンジ切換制御装置において、
前記制御手段は、自動変速機の現在のレンジ位置から、操作開始されたレンジ位置までのレンジ切換えが長い時間になる場合に、前記操作開始検出手段により操作開始を検出すると、その開始されたセレクト操作に対応するレンジ位置へのレンジ切り換えを前記アクチュエータ部に開始させる、
ことを特徴とする自動変速機のレンジ切換制御装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項3、請求項5のいずれか1項に記載の自動変速機のレンジ切換制御装置において、
フットブレーキのオンオフを検出するブレーキ検出手段を設け、
前記制御手段は、前記操作開始検出手段によりPレンジ位置からDレンジ位置への操作開始を検出し、且つ前記ブレーキ検出手段によりフットブレーキのオンを検出した場合に、Dレンジ位置へのレンジ切り換えを前記アクチュエータ部に開始させる、
ことを特徴とする自動変速機のレンジ切換制御装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の自動変速機のレンジ切換制御装置において、
前記セレクト入力手段は、
セレクト操作終了を検出する操作終了検出手段を備え、
前記制御手段は、
前記操作開始検出手段によりPレンジ位置からDレンジ位置への操作開始を検出すると、Nレンジ位置へのレンジ切り換えを前記アクチュエータ部に開始させ、
前記操作開始検出手段及び前記操作終了検出手段により操作中止を検出すると、Pレンジ位置へ戻るレンジ切り換えを行わせる、
ことを特徴とする自動変速機のレンジ切換制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2008−14380(P2008−14380A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−185034(P2006−185034)
【出願日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】
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