説明

自動車用内装材及びその製造方法

【課題】自動車内装用部品の表皮材の凹凸パターン又は凹凸パターン及び絞深さを表皮材全面にわたってほぼ均一とした自動車用内装材及びその製造方法を提供。
【解決手段】凸引き真空成形によるテスト成形で得られた成形体表面の複数領域のそれぞれの展開率に基づいて成形後の凹凸パターン又は凹凸パターン及び絞深さが複数領域において均一になるように各領域の凹凸パターン又は凹凸パターン及び絞深さを設定する第1の工程と、第1の工程で設定された凹凸パターン又は凹凸パターン及び絞深さに基づいて絞ロール又は絞板を製造する第2の工程と、第2の工程で製造された絞ロール又は絞板を用いて表皮材に絞を形成する第3の工程と、第3の工程で得られた表皮材を凸引き真空成形する第4の工程と、を含む自動車用内装材の製造方法とこの製造方法で得られた自動車用内装材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車用内装材及びその製造方法に関し、特にインスツルメントパネル、ドアトリム等の自動車用内装材の表皮材表面の絞形態を自動車用内装材のゾーン、部位にかかわらず、均一なものとした自動車用内装材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インストルメントパネル、ドアトリム等の自動車用内装材の表皮材の成形方法には、小型の装置で製造することができ、かつ製造方法が比較的簡便であることから、凸引き真空成形法が多く用いられている。この成形方法は、TPOシートやPVCシートからなる表皮材の表面に所望の凹凸パターン及び絞深さの絞を押し、この絞が形成されたシートを絞が形成された面と反対側の面を雄型側に配置し、加熱して型内の空気を急速に抜き取り、シートを雄型の形状に対応させた形状に成形するものである。(特開平8−283472号公報)
【0003】
しかしながら、インストルメントパネル、ドアトリム等の部品は、平面的なゾーンと曲面的なゾーン等を有する複雑な形状を有しているため、シート状の表皮材を凸引き真空成形法によってインストルメントパネル、ドアトリム等の部品を成形すると、部品のゾーン、部位によって、凹凸パターン及び絞深さが異なり、部品全面の表皮材の凹凸パターン及び絞深さが不均一となる結果、見栄えの良くない部品となる。
【0004】
【特許文献1】特開平8−283472号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、インストルメントパネル、ドアトリム等の自動車内装用部品の表皮材の凹凸パターン又は凹凸パターン及び絞深さを表皮材全面にわたってほぼ均一とすることによって表面の見栄えに優れ、商品価値の高い自動車用内装材及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記した目的を達成するために以下の構成を有する。
<1> 凸引き真空成形によるテスト成形で得られた成形体表面の複数領域のそれぞれの展開率に基づいて成形後の凹凸パターン又は凹凸パターン及び絞深さが複数領域において均一になるように各領域の凹凸パターン又は凹凸パターン及び絞深さを設定する第1の工程と、第1の工程で設定された凹凸パターン又は凹凸パターン及び絞深さに基づいて絞ロール又は絞板を製造する第2の工程と、第2の工程で製造された絞ロール又は絞板を用いて表皮材に絞を形成する第3の工程と、第3の工程で得られた表皮材を凸引き真空成形する第4の工程と、を含むことを特徴とする自動車用内装材の製造方法である。
<2> 前記第1の工程が、凸引き真空成形によるテスト成形で得られた成形体表面の複数領域のそれぞれの展開率の逆数を算出し、この算出された値に基づいて各領域の凹凸パターン又は凹凸パターン及び絞深さを設定することを特徴とする前記<1>に記載の自動車用内装材の製造方法である。
<3> 前記第2の工程において、絞ロール又は絞板がシリコンゴムからなることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の自動車用内装材の製造方法である。
<4> 前期第2の工程において、絞ロール又は絞板が金属からなることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の自動車用内装材の製造方法である。
<5> 前記<1>〜<4>のいずれかの製造方法で製造された自動車用内装材である。
【発明の効果】
【0007】
インストルメントパネル、ドアトリム等の自動車内装用部品の表皮材の凹凸パターン又は凹凸パターン及び絞深さを表皮材全面にわたってほぼ均一とすることによって表面の見栄えに優れ、商品価値の高い自動車用内装材及びその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の自動車用内装材の製造方法は、下記の第1の工程〜第4の工程を含む。
(第1の工程)
凸引き真空成形によるテスト成形で得られた成形体表面の複数領域のそれぞれの展開率に基づいて成形後の凹凸パターン又は凹凸パターン及び絞深さが複数領域において均一になるように各領域の凹凸パターン又は凹凸パターン及び絞深さを設定する工程
(第2の工程)
第1の工程で設定された凹凸パターン又は凹凸パターン及び絞深さに基づいて絞ロール又は絞板を製造する工程
(第3の工程)
第2の工程で製造された絞ロール又は絞板を用いて表皮材に絞を形成する工程
(第4の工程)
第3の工程で得られた表皮材を凸引き真空成形する工程
【0009】
以下、各工程の好ましい実施の形態を説明するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0010】
(第1の工程)
本願発明の第1の工程において、凸引き真空成形によるテスト成形は、表皮材を実際の凸引き真空成形と同様な方法で凸引き真空成形する。このテスト成形は、凸引き真空成形により成形されるインストルメントパネル、ドアトリム等の自動車用内装材の表皮材と同様な層構成及び層厚みであって同じ層成分であることが望ましい。したがって、例えば、表皮材の成分がTPO、TPU、ポリオレフィン、ポリエステル、アクリル等の熱可塑性ゴムエラストマー、あるいはPVCの樹脂を用いる場合、それらの成分を選定し、その同じ厚みのシートを用い、また、凸引き真空成形の際にシートの下層にフォームを取り付ける場合、フォームを取り付けた状態でテスト成形を行うことが望ましい。フォーム材としては、プロプロピレン系、ポリエチレン系、ポリウレタン系等の発泡体が用いられる。
【0011】
テスト成形は、あくまで凸引き真空成形体の各部位の展開率を測定するための凸引き真空成形体を成形するものであるので、テスト成形に用いる材料は、凸引き真空成形により成形されるインストルメントパネル、ドアトリム等の自動車用内装材の表皮材と同じ層構成及び層厚みであって同じ層成分であることが望ましいが、展開率が近似している材料であれば、その材料を用いることは差し支えない。例えば、実際の表皮材の成分がTPOの場合、物性が近似した他の熱可塑性ゴムエラストマーを用いてもよく、PVCの樹脂を用いることもできる。
【0012】
次に凸引き真空成形によるテスト成形に供されるシートの好ましい態様を図1に示す。
図1において、TPO等のシートの表面にグラビヤプリントよりマス目状の柄が印刷される。このマス目状の柄の各々の枠内が1つの分割領域である。ここで複数の領域とは、それぞれの領域で展開率を測定するための領域であり、より多くの領域に、かつ均一な領域に分割することが精度面からは望ましいが、むやみに多くの領域に分割することは作業効率の面からは好ましくはない。したがって精度面及び作業効率の面から分割する領域の面積及び分割数を選定すべきである。
【0013】
図1においては、図面上は省略しているが、シートの表面にシートのX方向に1cmの目盛り、Y方向に1cmの目盛りがグラビヤプリントによって施されている。このようなグラビヤプリントが施されシートが凸引き真空成形により成形される。例えば、インストルメントパネルを凸引き真空成形によって成形した場合、インストルメントパネルの各ゾーン、部位によって展開率が異なる。
ここで展開率とは、テスト成形用シートにおける凸引き真空成形前の図1に示す1つのマス目(分割領域)の(X方向、Y方向、X×Y=面積)が凸引き真空成形後どの程度拡大したかを示す指標である。
【0014】
図2は、テスト成形用シートを凸引き真空成形したものを示し、図2において、凸引き真空成形後のある部位の1つのマス目(分割領域)のX方向が1.20cmとすると、元のX方向の長さ1cmであるから、X方向の展開率は120%であり、Y方向が1.60cmとすると、元のY方向の長さ1cmであるから、Y方向の展開率は160%であり、1つのマス目の元の面積は1cmであり、凸引き真空成形後の1つのマス目の面積は1.92cmであるから、面積の展開率は、192%となる。
【0015】
本発明において、上記のような展開率は各マス目(分割領域)毎に測定する。例えば、インストルメントパネルを凸引き真空成形によって成形した場合、各ゾーン、部位より展開率がそれぞれ異なる。
【0016】
本発明において、上記した展開率に基づいて成形後の凹凸パターン又は凹凸パターン及び絞深さが複数領域において均一になるように各領域の凹凸パターン又は凹凸パターン及び絞深さを設定する工程とは、少なくとも凹凸パターンに関しては、上記した展開率に基づいて成形後の凹凸パターン又は凹凸パターン及び絞深さが複数領域において均一になるように設定される。この手段としては、各ゾーン、部位の展開率の逆数(縮小率)を算出する方法が望ましい。
【0017】
上記したX方向の展開率が120%、Y方向の展開率が160%、面積の展開率が192%の分割領域の部分では、それぞれの展開率の逆数(縮小率)を算出すると、X方向は100/120≒0.83(83%) Y方向は100/160≒0.63(63%)、面積は100/192≒0.52(52%)となる。
【0018】
したがって、絞ロール又は絞体は、各々分割された領域において、上記した逆数に基づいて算出された数値にしたパターンが設定される。ただし、絞ロール又は絞体を製造するに際しては、上記した逆数に完全に一致させることが望ましいが、絞の均一性が損なわれない範囲でこの逆数に近似する範囲でパターンを設定してもよい。例えば、展開率の逆数(縮小率)の許容範囲としては、展開率の逆数(縮小率)の数値の10%以内、あるいは20%以内であってもよい。
【0019】
すなわち、本発明の第1の工程においては、絞ロール又は絞板は、各々の分割領域において、あらかじめの各部位の凸引き真空成形後の展開率を見込んで凸引き真空成形前の絞を展開率の分のみ縮小させた絞ロール又は絞板を製造し、この絞ロール又は絞板を表皮材の絞押し用に用いることができるように凹凸パターン又は凹凸パターン及び絞深さを設定するものである。
【0020】
(第2の工程)
第1の工程で設定された凹凸パターン又は凹凸パターン及び絞深さに基づいて絞ロール又は絞板を製造する工程である。
絞ロール又は絞板の材質は、ゴムあるいは金属のいずれであってよく、ゴムとしてはシリコンゴム、フッ素ゴム等が挙げられ、金属としては、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、真鍮等が挙げられる。これらの中でレーザーによる絞の微細な形態の再現性が良い点で特にシリコンゴムが望ましい。彫刻時間が長くなるのでコストが難点だが、レーザーによる金属への彫刻の方が耐久性の点でシリコンゴムより利点がある。
【0021】
設定された絞を形成するに際しては、例えば、上記した展開率の逆数から算出される絞の凹凸パターンの形態、絞深さに基づいてコンピュータグラフィック上に予め計算されたデータに基づいたスポット径のレーザービームをシリコンゴム等からなるロール体又は板体の表面に照射し、ロール体又は板体の表面を彫刻することが望ましい。
【0022】
レーザービームを照射する場合、シリコンゴム等からなるロール体又は板体の表面に長波長の第1のレーザービームを照射して、ロール体又は板体の表面に粗い表面構造を彫刻し、その後、第1のレーザービームよりも短波長で、第1のレーザービームよりも小さいスポット径の第2のレーザービームをロール体又は板体の表面に照射してロール体又は板体の表面に微細な表面構造を彫刻することができる。
【0023】
(第3の工程)
第2の工程で製造された絞ロール又は絞板を用いて表皮材に絞を形成する工程である。
この工程において表皮材は、最終的な製品の表皮材の構成を有する。したがって、インストルメントパネル、ドアトリム等の自動車用内装材の表皮材の構成からなり、公知の方法で適用される。
【0024】
(第4の工程)
第3の工程で得られた表皮材を凸引き真空成形する工程である。
第4の工程において、公知の方法が用いられる。インストルメントパネル、ドアトリム等の各部材において、凸引き真空成形する雄型の形状により部分的に局面部を有し、かつそれらの各領域によって展開率が異なるが、その展開率を見込んで凹凸パターン又は凹凸パターン及び絞深さが形成されているため、凸引き真空成形後のインストルメントパネル、ドアトリム等の各部材表面の凹凸パターン又は凹凸パターン及び絞深さは、部材表面にわたってほぼ均一なものとなり、見栄えの優れた製品となる。
【0025】
本発明の自動車内装材としては、凸引き真空成形によって平面部、曲面部等を有し、上記した展開率が異なる部位を有する表皮材張り込み部品等に有効である。このような表皮材としては、インストルメントパネル、ドアトリムの他に、センターコンソール、センターコンソールリッド、フロントピラー、センターピラー、リヤピラー、グラブボックス、天井材、メーターフード等が挙げられる。
【実施例】
【0026】
以下、本発明の実施例について説明する。
TPOからなる(1700mm×700mm、厚さ1.5mm)のシートにグラビアプリントによってX方向に10mm間隔で目盛りをつけ、Y方向に10mm間隔で目盛りをつけ、図1に示すように、インストルメントパネルの各ゾーン(Aゾーン〜Gゾーン)と各部位(A−1〜G−1)を表示しておいた。
このテスト成形用シート体を真空成形機(パール工業(株)製)にセットし、公知の条件(温度:180℃、真空度:759〜760mmHg)で凸引き真空成形を行って図2に示すようなテスト用インストルメントパネル部品を成形した。
このテスト用インストルメントパネル部品の各目盛りで分割されたマス目(各分割領域)の展開率を精密ノギス(デジマチック・キャリパー 遠藤科学(株)製)によって測定した。この展開率は、それぞれのマス目(10mm×10mm)の部分が凸引き真空成形によって、どの程度拡大したか測定するものである。
【0027】
X方向及びY方向の展開率は、凸引き真空成形前のX方向及びY方向がそれぞれ100mmとしたとき、凸引き真空成形後のX方向を120mm、Y方向が130mmとなった場合、X方向の展開率は(120mm /100mm)×100=120%であり、Y方向の展開率は(130mm /100mm)×100=130%である。また、前記のX方向及びY方向で囲まれる部分の前記全体の展開率は、120×130÷100=156%である。
【0028】
このような展開率の測定方法に基づいて、図1の各ゾーンの展開率(%)を測定した結果を表1に示す。
表1中、Aゾーン、Bゾーン、Cゾーン、Dゾーン、Eゾーン、Fゾーン、Gゾーンはそれぞれ図1の各ゾーンを示している。ここに示す展開率(%)は、例えば、Aゾーンを例にとると、Aゾーンのなかの各マス目(分割領域)の展開率の範囲を示している。
【0029】
次に上記した各ゾーンの縮小率(%)を算出した。ここで縮小率(%)とは、例えば、Aゾーンを例にとると、X方向の展開率の逆数であり、X方向の縮小率は、(100/100〜105)×100=100〜95(%)となる。
このような算出方法に基づいて各ゾーンの縮小率(%)を表1に凹凸パターンの縮小率(%)として示した。
【0030】
【表1】

【0031】
また、インストルメントパネル成形部品の各点の絞深さをほぼ均一(132μm)となるように各部位の面積の展開率の逆数から成形時の変化率を求め、これに基づいて表皮の絞深さを算出した。その結果を表2に示す。表2において、部位G−1点の場合、この部位を含むGゾーンの展開率の逆数(縮小率)は44〜39であり、成形率0.39とすると、132μm÷0.39=338μmとなる。したがって、部位G−1点の絞深さを338μmに設定し、他に部位も同様にして絞深さを設定した。
【0032】
【表2】

【0033】
以上にようにして各ゾーンの縮小率、各部位の変化率に基づいて凹凸パターン及び絞深さを設定した。この設定条件に基づいてコンピュータグラフィック上に予め計算されたデータに基づいたスポット径のレーザービームを表面がシリコンゴム層(10mm)からなるロール体の表面に照射し、ロール体の表面を彫刻した。このロールからシリコンゴム層(10mm)を剥がし、所定の大きさのシリコン絞板を作製した。
また、このロールからシリコンゴム層を剥がさずロールのまま次の工程に供した場合は、ロール直径を凸引き真空成形に供する表皮の一方の長さに合わせて作製した。
シリコンゴムロールの代わりに金属を用いてレーザービームにて彫刻したロールを用いた場合には、ロール直径を凸引き真空成形に供する表皮の一方の長さに合わせて作製した。
【0034】
このシリコン絞板を用いてプレス機によって 又はシリコン絞ロール又は金属ロールを用いて通常のロール絞押しによって 最終製品となるTPOシート表面に絞押した後、この絞押しTPOシートを公知の方法による凸引き真空成形によってインストルメントパネル成形部品を製造した。製造されたインストルメントパネル成形部品の各ゾーンの凹凸パターン及び絞深さを測定した結果を表3〜表8に示した。
なお、表3および表4はシリコンゴムの場合、表5および表6はシリコンロールの場合、表7および表8は金属ロールの場合をそれぞれ示している。
【0035】
表3〜表8から明らかなように製造されたインストルメントパネル成形部品の各ゾーンの凹凸パターン及び絞深さが部品表面全体にわたって均一となり見栄えの優れたものであった。
図3は製造された凸引き真空成形によって製造された成形部品の各ゾーンに有る標準見本を示し、図4は図3における凹凸パターン(図3中の四角部分)の標準値を示し、図5は図3における絞パターン(図3中の四角部分)の標準値を示している。
表3〜表8は、凸引き真空成形によって製造された成形部品の各ゾーンに有る標準見本と同じ形の凹凸パターンを探して、大きさと絞深さを測定した。表3〜表8中、評価○印は、凸引き真空成形された成形部品の各ゾーンに有る凹凸パターン及び絞パターンが標準見本と差異が殆どなく、許容範囲内にあるものを指している。
【0036】
【表3】

【0037】
【表4】

【0038】
【表5】

【0039】
【表6】

【0040】

【表7】

【0041】
【表8】

【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施例に用いた凸引き真空成形前にテスト用シートの形態を示す説明図である。
【図2】実施例に用いた凸引き真空成形後のテスト用成形体の形態を示す説明図である。
【図3】実施例における凸引き真空成形によって製造された成形部品の各ゾーンに有る標準見本を示す外観図である。であsる
【図4】図3における凹凸パターン(図3中の四角部分)の標準値を示すための説明図である。
【図5】図3における絞パターン(図3に四角部分)の標準値を示すための説明図である。
【符号の説明】
【0043】
A、B、C、D、F、F、G ゾーン
A−1〜G−1 部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凸引き真空成形によるテスト成形で得られた成形体表面の複数領域のそれぞれの展開率に基づいて成形後の凹凸パターン又は凹凸パターン及び絞深さが複数領域において均一になるように各領域の凹凸パターン又は凹凸パターン及び絞深さを設定する第1の工程と、
第1の工程で設定された凹凸パターン又は凹凸パターン及び絞深さに基づいて絞ロール又は絞板を製造する第2の工程と、
第2の工程で製造された絞ロール又は絞板を用いて表皮材に絞を形成する第3の工程と、
第3の工程で得られた表皮材を凸引き真空成形する第4の工程と、
を含むことを特徴とする自動車用内装材の製造方法。
【請求項2】
前記第1の工程が、凸引き真空成形によるテスト成形で得られた成形体表面の複数領域のそれぞれの展開率の逆数を算出し、この算出された値に基づいて各領域の凹凸パターン又は凹凸パターン及び絞深さを設定することを特徴とする請求項1に記載の自動車用内装材の製造方法。
【請求項3】
前記第2の工程において、絞ロール又は絞板がシリコンゴムからなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動車用内装材の製造方法。
【請求項4】
前記第2の工程において、絞ロール又は絞板が金属からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動車内装材の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項の製造方法で製造された自動車用内装材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−202374(P2009−202374A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−45056(P2008−45056)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(390023009)共和レザー株式会社 (17)
【Fターム(参考)】