説明

蒸着に対する反応部位の不活性化

反応器内部の露出面上の望ましくない成長または核生成を防止するために、混合SAMの形成に関する方法および構造が記載される。混合SAM(322)は、核生成が望ましくない表面(308)上に、第1の長さ(334)の分子を有する第1のSAM前駆体、および第1の長さより短い第2の長さ(338)の分子を有する第2のSAM前駆体を導入することによって形成されることができる。提供できる合成SAM(322)に覆われる露出面の例は、反応器表面ならびに絶縁体および誘電体層などの集積回路構造(800)の選択表面を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般に、基板上の反応表面または選択表面などの、選択された表面上の蒸着の抑制に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術の説明
原子層堆積(ALD)は、シリコンウェハなどの基板上に材料の薄膜を形成する半導体業界では公知の処理である。ALDは、蒸着のタイプであり、膜は、周期で実行される自己飽和表面反応を通して積層される。ALD処理では、材料の薄膜を基板上に形成するために、気体前駆体が交互に繰り返し基板に供給される。一反応物は、ウェハ上の自己制御処理において吸着する。後続の反応パルスは、所望の材料の分子層を形成するために、吸着した材料に反応する。後続のパルスは、配位子を吸着層から低減またはゲッターで除去することができ、そのような配位子を置換あるいは原子(たとえば、酸化、窒化など)を追加することができる。通常のALD反応では、周期当たり単に1分子単層が生じるに過ぎない。周期は、より複雑であり、3つ以上の反応物と連続して関連する可能性がある。ALDの一部の認識された利点は、低温処理およびほぼ完全な正角性であり、半導体処理に対してALDに大きな利益をもたらす。
【0003】
ALDに加えて他の処理には、材料の薄膜を基板上に形成することがある。こうした一処理は、化学蒸着(CVD)であり、基板は、薄膜を形成するために、基板上で反応および/または分解する1つまたは複数の揮発性前駆体に暴露される。ALDおよびCVDの両方とも、前駆体および堆積条件に依存して露出面に影響を受ける可能性があり、蒸着処理は様々な表面上に十分にまたは不十分に核を生成する可能性がある。
【0004】
常に、処理中、堆積が所望され得る露出面以外の露出面上に堆積が生じる。たとえば、膜の積層は、複数の基板が順に処理されるにつれて、反応器の露出面上に生じる可能性がある。膜の積層は、反応器表面から剥離または剥がれ落ち、基板表面を汚染する可能性がある。反応表面上に緩く接着された大量の膜の積層はまた、反応パルスに暴露される全表面積を増加させ、それによって基板面を飽和するために必要なパルスおよび除去時間が増加する。また、膜は、誘電体表面などの半導体素子構造の望ましくない領域上に堆積され、追加のパターン形成およびエッチング・ステップを必要とする可能性がある。
【0005】
現在、反応器表面および素子構造上の不要な膜の堆積量を防止するまたは削減する、選択的処理が利用可能である。こうした一処理は、反応表面を覆う保護用自己組織化単分子層(SAM)をもたらす処理工程を利用し、これは2006年11月30日に出願された特許文献1に記載されている。別のこのような処理は、基板表面上に選択的堆積をもたらす処理工程を利用し、これは2000年8月23日に出願された特許文献2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0098894号明細書
【特許文献2】米国特許出願第6,391,785号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、反応器表面および素子構造の選択表面上の堆積処理によってもたらされた膜の積層を防止する、または最小にするための改良された処理が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
その上に膜の堆積を望まない表面を覆う混合自己組織化単分子層を使用する方法および素子が提供される。一部の態様には、露出面を提供する方法が含まれる。第1の鎖長を有する第1の有機前駆体が、露出面を覆う自己組織化単分子層に供給され吸着する。第1の分子鎖長より短い、第2の分子鎖長を有する第2の有機前駆体が供給される。第2の有機前駆体は、その上に自己組織化単分子層が吸着されなかった、露出面の反応部位上に吸着した。
【0009】
他の態様では、蒸着反応器を有する処理方法が提供される。方法は、反応器表面の一部を覆う自己組織化単分子層を堆積するために、第1の有機前駆体を供給すること、およびその上に自己組織化単分子層が堆積されなかった反応器表面の一部に反応するために、第2の有機前駆体を供給することとを含む。第2の有機前駆体は、第1の有機前駆体の分子の鎖より短い分子の鎖を含む。
【0010】
他の態様では、半導体素子を形成する方法が提供される。方法は、集積回路構造を反応チャンバの中に提供することを含む。集積回路構造は、第1の表面および第1の表面と異なる第2の表面を有する。第1の有機前駆体は、第2の表面を被覆することなく、自己組織化単分子層を有する第1の表面の一部を被覆するために、反応チャンバの中に導入される。あらゆる未反応の第1の有機前駆体を反応チャンバから浄化できる。第2の有機前駆体は、第1の有機前駆体で被覆されていない第1の表面の反応部位に反応するために、反応チャンバの中に導入される。あらゆる未反応の第2の有機前駆体を反応チャンバから浄化できる。
【0011】
他の態様では、集積膜構造が提供される。集積膜構造は、第1の表面および第1の露出面と異なる隣接した第2の表面、ならびに第2の表面を形成することなく第1の表面上に吸着した混合疎水性膜を備え、膜は、複数の第2の鎖有機分子が組み入れられた複数の第1の鎖有機分子を備え、第2の鎖有機分子は、第1の鎖有機分子より短い。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ALD前駆体に暴露された、上を覆う理想的な高密度に充填された自己組織化単分子層(SAM)を有する層を示す図である。
【図2】ALD前駆体に暴露された、反応部位の一部が占有されていない、上を覆う自己組織化単分子層を有する層を示す図である。
【図3A】一部の実施形態による、長鎖分子および短鎖分子を有する混合自己組織化単分子層を形成する処理と、これに続く堆積の流れ図である。
【図3B】一部の実施形態による、上を覆う混合自己組織化単分子層を有する層を示す図である。
【図4A】一部の実施形態による、反応器表面上の混合自己組織化単分子層を利用する、複数の基板を順に処理する方法の流れ図である。
【図4B】一部の実施形態による、反応器表面上の混合自己組織化単分子層を利用する、複数の基板を順に処理する代替方法の流れ図である。
【図5A】一部の実施形態による、反応器表面上の合成自己組織化単分子層を形成する方法の流れ図である。
【図5B】一部の実施形態による、反応器の露出面上の合成自己組織化単分子層を修理する方法の流れ図である。
【図6A】一部の実施形態による、反応器を示す図である。
【図6B】一部の実施形態による、乾燥処理および水酸化処理に暴露した後の図6Aの反応器を示す図である。
【図6C】一部の実施形態による、自己組織化単分子層前駆体に暴露した後の図6Bの反応器を示す図である。
【図6D】一部の実施形態による、その中にウェハが導入された後の図6Cの反応器を示す図である。
【図6E】一部の実施形態による、ウェハ上に堆積処理を実行した後の図6Dの反応器を示す図である。
【図7】一部の実施形態による、基板の一部の上に層を選択的に蒸着する方法の流れ図である。
【図8A】一部の実施形態による、絶縁体および半導体/金属の露出面を有するパターン化された基板の概略を示す図である。
【図8B】暴露された絶縁体上に、選択的に不活性にする混合自己組織化単分子層(SAM)を形成後の、図8Aのパターン化された基板を示す図である。
【図8C】一部の実施形態による、SAMを被覆せずに半導体/金属の露出面上に選択的堆積を実行後の、図8Bのパターン化された基板を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
背景技術の項で言及したように、ALDなどの蒸着に対して、特定の表面(たとえば、反応器表面および部分的に製造された集積回路構造の表面)を不活性にして、未処理の表面上に選択的な堆積が可能になる処理が存在する。こうした一処理は、その上に膜の堆積が望ましくない露出面を覆う、高密度に充填された自己組織化単分子層(SAM)を形成するものである。SAMは、表面上の蒸気または液体相の前駆体のいずれかから自然発生で吸着する(化学吸着とも呼ばれる)、分子の相対的に秩序立った組立体である。通常のSAM分子は、末端官能基、炭化水素鎖および頭部基を含む。選択された表面を覆ってSAMを形成することによって、SAMは、こうしないとそれらの堆積前駆体と反応する露出面上の反応部位を遮断することによって、蒸気前駆体のある種のタイプを使用して露出面を覆う膜の成長を防止することができる。このような選択的不活性は、ALDのように吸着駆動処理に対して特に有効であることが可能だが、ある種のタイプのCVDを阻止することもできる。
【0014】
図1Aおよび1Bは、ALD前駆体138に暴露された、上を覆う理想的な高密度に充填されたSAM122を有する表面106を示す。形成されたSAM122は、概して「純正」であり、すなわち、オクタデシルトリクロロシラン(ODTS)などの単一分子剤の分子からなる。SAMを形成するモノマーを、液体または蒸気の形で送達することができる。図1Aに示されたように、SAM分子134は、SAM分子が表面106を覆う反応部位のすべてを占有するように、理論上は高密度に充填される。ALD処理中、HfCl、ZrCl、TiClまたはトリメチルアルミニウム(TMA)などのALD前駆体は、反応器の中に導入できる。これらの前駆体は、反応壁および基板の露出面を含む反応器内の露出面と反応する傾向がある。しかし、上を覆う高密度に充填されたSAM122を有するそれらの表面106に対して、ALD前駆体が近づくと、図1Aに示されたように、SAM122は、図1Bに示されたように、下に位置する表面106の反応部位を遮断することにより、下に位置する表面106がALD前駆体と反応するのを防止することができる。反応部位を遮断するためにSAM122を使用することによって、膜をある種の露出面上に堆積する一方で、堆積処理が選択的であるように、不活性にされたSAMによって被覆された他の表面上の膜の堆積を防止または最小することが可能である。一例では、基板上の絶縁体を遮断することができる一方で、同じ基板の隣接する導体表面上に堆積が行われる。別の例では、反応壁を遮断できる一方で、反応器内の未処理の基板上に堆積が行われる。
【0015】
大きい有機分子は、非常に安定し表面から容易には脱着しない、自己組織化単分子層(SAM)を反応表面上に形成することができる。また、大きい有機尾部は、望ましい立体障害効果を提供し、ALD反応物を反応表面に到達不可能にする。
【0016】
遺憾ながら、単一分子剤から構成された純正の遮断SAM分子は、表面106上のすべての反応部位はほとんど占有せず、その結果SAMの下に位置する表面106は、堆積前駆体と望ましくない反応をする可能性がある反応部位、たとえば、−OH末端部位(図2Aに示されている)を暴露することが多い。理論によって拘束されないが、立体障害は、この側面効果を有することができる。すなわち、反応部位上に吸着したSAM分子は、それら自体が相互に作用することができ、その結果、完全に配向され高密度に充填された分子ではなく、吸着したSAM分子が、適切に配向できず、したがって吸着したSAM分子自体は、他のSAM分子が利用可能な反応部位に吸着するのを妨げる。このようにして、蒸気または液体相のSAM化学構造に暴露された日々の後であっても、下に位層する表面の反応部位は、非占有のままであり、不完全なSAM内の立体障害によって遮断されない、特により小さい堆積前駆体に対して、後続の堆積中に成長のための核生成部位として作用することができる。
【0017】
図2Aおよび2Bは、ALD前駆体138に曝される自己組織化単分子層122を有する表面106を示す。図2Aに示されたように、表面106を覆うSAM122を堆積後であっても、表面106は、堆積中にALD前駆体138にアクセス可能な反応部位144として働く、自然に酸化した水酸基を暴露した。図2Bに示されたように、HfClなどのALD前駆体138が堆積処理中に導入されると、ALD前駆体138は、暴露された反応部位144と反応することができ、望ましくない成長または核生成をもたらす。
【0018】
上の問題を解決するために、不活性になる表面上の反応部位を遮断するために、均一の分子剤からなる分子の「純正」SAMを形成するより、むしろ長鎖分子を有する一分子剤および短鎖分子を有する別の分子剤などの、少なくとも2つの異なる分子剤からなる「混合」SAMを有する方が良好であることが見出された。混合SAMを使用することは、こうしないと堆積前駆体と反応する、利用可能な反応部位のより大きい低減をもたらすことができる。反応壁または他の部分を不活性にするための特定の出願では、混合SAMが反応表面上に形成すると、これは、核生成を減速し、したがって膜積層の剥離または剥がれ落ちによって引き起こされる反応器の汚染を低減し、反応表面上でその場でまたはその場以外で洗浄するステップの頻度を低減する効果を有する。さらに、反応壁上に積層された堆積を除去するために、洗浄ステップ間により多くの作動が実施できるので、ウェハの処理能力は増加できる。有利には、合成SAMが選択された表面(たとえば、反応壁または部分的に製造された集積回路上の絶縁体)上に形成されると、これは、より長いALD反応時間を超える堆積を選択的に増加する効果を有し、材料は未処理の表面上に堆積されるが、(仮にあるならば)最小限が他の表面上に堆積される。
【0019】
選択された表面上での望ましくない成長または核生成を防止するために、合成SAMの形成に関する方法および構造を説明する。一部の実施形態では、合成SAMは、下に位置する表面を望ましくない成長または核生成から保護するために、下に位置する表面を覆って形成される。合成SAMは、第1の有機鎖分子および第1の有機鎖分子より短い第2の有機鎖分子を備える。第1の有機鎖分子は、まず下に位置する表面の反応部位(たとえば、M−OHまたは−OH末端部位)上に吸着でき、望ましくない成長または核生成から保護するためにSAMを形成する。一旦第1の鎖分子が吸着されると、第2の鎖分子は第1の鎖分子の間に拡散し、その上に第1の鎖分子が吸着されなかった、下に位置する表面のあらゆる非占有反応部位上に吸着し、反応停止することができ、それによって堆積前駆体にアクセス可能な、下に位置する表面上の反応部位数をさらに低減または除去する。同時に、第1の鎖分子および第2の鎖分子は、堆積前駆体が下に位置する表面と反応するのを遮断する、合成SAMを形成する。
【0020】
一部の実施形態では、合成SAMの第1の鎖分子は、長鎖分子を備える一方で、合成SAMの第2の鎖分子は短鎖分子を備える。本出願の目的において、用語「長鎖分子」は、8炭素原子以上を有する分子を含むが、用語「短鎖分子」は、8炭素原子未満を有する分子を含む。SAM前駆体または分子は、線状鎖または分枝鎖であることができる。
【0021】
図3Aは、一部の実施形態による、長鎖分子および短鎖分子を有する混合自己組織化単分子層を形成する方法の流れ図である。方法は、不活性にするために表面を覆う長鎖分子を有する自己組織化単分子層を吸着310すること、続いて混合自己組織化単分子層を形成するために、その上に長鎖分子が吸着されなかった表面の一部を覆う短鎖分子を吸着320することを含む。一部の実施形態では、表面は反応壁を備えるが、他の実施形態では、表面は、部分的に製造された集積回路などの、基板上の表面を備える。分解された反応部分または基板は、混成SAMに対して液体前駆体の中に浸すか、または液体前駆体を吹きつけることができる。別法として、気相モノマーは、ALDが実行される反応器内でその場で、または別個の器具内のいずれかで、反応表面または基板に送達されることができる。一部の実施形態では、不活性になる表面の一部を覆う短鎖分子を吸着320することのステップを繰り返すことができる。短鎖分子の吸着に続いて、蒸着処理(たとえば、ALD処理)が実行330可能であり、混成SAMが処理面(複数可)を不活性にする。
【0022】
図3Bは、一部の実施形態による、第1の鎖分子334および第1の鎖分子より短い第2の鎖分子338から形成された、上を覆う混合自己組織化単分子層322を有する表面308を示す。表面308は、合成SAM322によって望ましくない成長または核生成から保護されることを意味し、乾燥および水酸化などの介在処理をして、もしくは介在処理なしに、SiO表面などの誘電体表面、または金属もしくは半導体表面などの導体表面を含むことができる。しかし、通常はSAM前駆体は、誘電体または水酸化表面上に最も良好に吸着する。
【0023】
第1の鎖分子334は、表面308の反応部位の大部分の上に吸着され、これに限定されないが、オクタデシルトリクロロシラン((CH)(CH17SiClまたはODTS)、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリクロロシラン(FOTS)、トリコンチルトリクロロシラン(TTS)、FOMB(DMA)、オクチルトリクロロシラン(CH(CHSiCl)、ウンデシルトリクロロシラン((CH)(CH10−SiCl)などの有機化合物、ならびに様々な他のモノマーおよび重合性分子、シリル化剤、アルキルアミノシランならびにアルキルクロロシラン剤を含むことができる。第2の鎖分子338は、第1の鎖分子334の間に拡散され、その上に第1の鎖分子338が吸着されなかった表面308の残りの反応部位の上に吸着され、これに限定されないが、トリクロロメチルシラン(TCMS)、トリメチルクロロシル(TMCS)、トリメチルシラノール(TMS)ならびに他のハロアルキルシランおよびハロアルキルシラノールを含むことができる。
【0024】
一部の実施形態では、SAM前駆体は、X−R−ShまたはX−R−S−S−R−Y、R−S−Rおよびその組合せからなる群から選択される化学式を有する複数の分子を含むことができ、RおよびRは、炭素原子nの鎖であり、XおよびYは化学基である。炭素鎖は、アルキル、アルケニル、アリニル、サイクリックアルキル、アリール、またはその任意の組合せからなる群から選択される部分を含むことができる。一部の実施形態では、Rは、アルキル基またはアリール基を含むことができるが、他の実施形態では、Rは、アルキル基およびアリール基を含むことができる。炭素原子nの数は、1〜30であることが可能である。一部の実施形態では、炭素原子nの数は、長鎖分子に対して8以上であるが、nは短鎖分子に対して8未満である。一実施形態では、nは長鎖分子に対して12以上である。一実施形態では、nは短鎖分子に対して6以下である。
【0025】
他のSAM前駆体は、上記のものに加えて、2006年11月30日に出願された米国特許出願第11/565,478号(代理人整理番号ASMEX.418CP1)に定義されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、以下の式(1)に示されたように、アルキルジシラザン、アリールジシラザン、およびアルキルアリールジシラザン、ならびに式(2)に示されたように、アルキルハロシラン、アリールハロシラン、およびアルキルアリールハロシランなどの有機シランを含む。
【化1】

【0026】
式(1)において、R〜Rは、それぞれ個々にC〜CアルキルまたはC〜C10アリールである。式(1)は、R〜Rがアルキルであるアルキルジシラザン、R〜Rがアリールであるアリールジシラザン、およびR〜Rの少なくとも1つがアルキルであり、R〜Rの少なくとも1つがアリールである、アルキルアリールジシラザンを含む。
【化2】

【0027】
式(2)において、R〜Rは、それぞれ個々にC〜C20アルキルおよびC〜C10アリールからなる群から選択され、式中p、qおよびrはそれぞれ0、1、2、または3、ただし1≦p+q+r≦3であり、各Xはハロゲン原子である。式(2)は、R〜Rがアルキルであるアルキルハロシラン、R〜Rがアリールであるアリールハロシラン、R〜Rの少なくとも1つがアルキルであり、R〜Rの少なくとも1つがアリールであるアルキルアリールハロシランを含む。また、他のSAM前駆体も、RSiOR’などのアルコキシシランを含むことができる。ただしR’=CH、CHCH、などである。
【0028】
第1の鎖分子および第2の鎖分子の組合せは、堆積前駆体と望ましくない反応をしやすい表面308における利用可能な反応部位の数を効果的に遮断し、低減する混合または混成SAM322を形成し、不活性にされた表面308上の堆積の核生成を大幅に減速する。ある例では、表面結合したSAM分子の尾部を移動させることが可能になり、これにより組織化単分子層が間欠的に「開き」、より容易にALD前駆体が非占有表面部位(たとえば、HfClから−OH)にアクセス可能になる。
【0029】
特定のSAM前駆体を選択することは、不活性になるSAMに対する堆積の作動状況に基づくことが可能であることが、当業者には理解されよう。たとえば、堆積処理を400℃で行う場合、選択された前駆体は、分解または反応することなく、こうした状況に耐えられるべきである。加えて、特定のSAM前駆体を選択することは、使用されるALD前駆体に基づくことができ、SAM前駆体は、SAM上に堆積がないように、選択されるべきである。
【0030】
一部の実施形態では、長鎖分子および短鎖分子を有する混合SAMは、疎水性が高い。「自己組織化」は、不活性になる表面に引きつけられた親水性端部、および外方に面する疎水性端部を有する前駆体分子によってもたらされることができる。得られる疎水性SAMは、下に位置する層を覆って堆積されると、通常のALD前駆体と下に位置する層との間の反応に耐性があり、高い水接触角という特徴がある。高い水接触角を達成するために、SAMの充填密度は非常に高くなければならない。水接触角は、長炭素鎖を有するSAM前駆体の使用によって向上することが見出された。また、選択表面上にALD膜の堆積を防止するためにSAMを使用すると、SAMにおける炭素原子の数が増加するときに、処理された表面上に堆積したALD膜の厚さがそれに付随して低減し、それによって炭素原子の数がより高くなると、SAMがより高密度に充填されることを示唆することも見出された。
【0031】
したがって、比較的長い鎖分子は、ALDの不活性化に有効であることを研究は示唆している。すなわち、一部の実施形態では、下に位置する層上に吸着する長鎖分子を有する第1のSAM前駆体は、8炭素原子以上、より好ましくは12炭素原子以上を有する。第1のSAM前駆体は、後続の堆積に対して不活性になる表面の大半を横切って吸着し、上述のように長鎖のSAMの利点を獲得する。一方、長鎖分子の間に拡散する短鎖分子を有する第2のSAM前駆体は、8炭素原子未満、より好ましくは6炭素原子以下を有する。このようなSAM前駆体を使用して、疎水性が高く、100度を超える水接触角、また一部の実施形態では、108度を超える水接触角を有する、混合または混成SAMを形成することが可能である。
【0032】
好ましい実施形態では、混合SAMは、(ODTSなどの)12炭素原子以上の分子鎖長を有する第1のSAM前駆体、および(TCMSなどの)6原子以下の分子鎖長を有する第2のSAM前駆体から形成される。第2のSAM前駆体は、第1のSAM前駆体の隙間を充填するだけなので、ほとんどの実施形態における第2のSAM前駆体は、表面領域に対するまたはモル比に対する、吸着された混成もしくは混合単分子層が30%未満、好ましくは10%未満、または通常5%未満を表す。これらの百分率を決定する目的で、表面領域は、一部の反応表面は前駆体にアクセスできないことがあるので、原子スケール上の反応表面を指さない。むしろ百分率は、長前駆体および短前駆体のそれぞれによって表されるSAM被覆の百分率を指す。あるいは、第2の前駆体は、不活性になる反応表面上の利用可能な水酸基部位の10%未満、また通常は5%未満を表すことができる。
【0033】
混合SAMを使用して、材料をある種の露出面上に堆積する一方で、他の表面上への材料の堆積を防止または最小にすることが可能である。一部の実施形態では、混合SAMは、堆積処理を実行する前に、反応器表面上に形成されることができ、それによって堆積処理中の望ましくない膜の積層を防止し、反応器の汚染を低減する一方で、ブランケットまたは選択的堆積は、反応器の中に装着された基板上にもたらされる。他の実施形態では、SAMは、パターン化された基板(たとえば、部分的に製造された集積回路)のある種の表面上に形成されることができ、それによってパターン化された基板の一部の表面上の堆積が可能になる一方で、選択的な堆積処理の一環として、他の表面上の堆積を防止または最小にする。SAMは、関心対象の反応表面または基板表面上にその場以外で(たとえば、分離したチャンバ内の蒸着によって、その場以外で部品もしくは基板に吹き付ける、または部品もしくは基板を液体に浸すことによって)、あるいはその場で蒸着して形成されることが可能である。
【0034】
A.反応器表面上の反応部位の不活性化のための混合SAM
集積回路の製造のために、半導体ウェハなどの基板上に堆積中、膜の積層を防止または最小にするために、反応器表面上の合成SAMを利用する方法を説明する。一部の実施形態では、反応器表面上に混合SAMを形成し、1つまたは複数の基板を処理した後、反応器は、さらなる基板処理の前に、混合SAMを修理するために、その場で修理を受けることができる。他の実施形態では、反応器表面上に混合SAMを形成し、1つまたは複数の基板を処理した後、反応器は、堆積の積層を除去するために、その場以外で剥離処理を受け、さらなる基板処理の前に、任意に混合SAMを置換することができる。その場での処理およびその場以外での処理の両方は、組み合わせて行うことができ、通常その場以外での洗浄(および再適用)は、その場での修理より行われる頻度が少ない。一部の実施形態では、その場での修理および/またはその場以外での剥離処理は、繰り返すことができる。また、その場での修理は割愛することもできる。
【0035】
図4Aは、一部の実施形態により、反応器の露出面上の混合自己組織化単分子層を利用して、1つまたは複数の基板を処理する方法の流れ図である。方法は、反応器の露出面を覆う長鎖分子を有するSAMを吸着410することと、その上に長鎖分子が吸着されなかった反応器の露出面の残りの非占有部位を覆う短鎖分子を吸着420することと、基板を反応器の中に装着430することと、その上の蒸着によって基板を処理440することであって、反応器表面は混合SAMにより蒸着に対して不活性になる、処理440することと、処理された基板を除去450することと、を含む。装着/処理/除去周期430/450/460は、層を不活性にする合成SAMが低下する場合がある間、X回繰り返すことができる。したがって、X個の基板が処理された後、その場での修理として図4Aに示されたように、混合SAMを任意に修理460することが望ましい場合がある。一部の定期修理をしても、最終的に混合SAM上に一部の堆積の積層が存在する可能性があり、すべてのY回の修理後、剥離または洗浄処理470を実行することが望ましくなる。剥離後、混合単分子層は再適用できる。全処理は、処理、修理および剥離の任意の繰り返された周期を含み、連続処理およびチャンバ調整ループと呼ぶことができる。
【0036】
ウェハ処理に対する反応器を準備するために、長鎖分子を有する第1のSAM前駆体が供給され、反応器の露出面を覆って吸着410される。第1のSAM前駆体は、その場でまたはその場以外で、液体または蒸気のいずれの形でも可能であり、一部の実施形態では、ODTS、FOTSおよびTTSなどの上記のあらゆる長鎖SAM前駆体を含むことができる。たとえば、一部の実施形態では、第1のSAM前駆体は、ODTSの溶液を含む。第1のSAM前駆体は、反応器チャンバ内でその場で蒸気の形で、異なるチャンバ内で蒸気の形で、または反応器チャンバの外でその場以外で(たとえば、反応器チャンバが分解された場合は、一部を溶液に浸して)のいずれかで導入され、後の蒸着処理に曝される反応表面を接触させることができる。第1のSAM前駆体の長鎖分子は、以前に水酸化処理を受けたことがあり得る、反応器の露出面上に吸着し、SAMを形成する。その場での適用に対して、一定期間後、第1のSAM前駆体の流れは停止され、任意の浄化処理を実行して、反応器内に残るあらゆる第1のSAM前駆体を除去することができる。液体前駆体に対して、部品は過剰の前駆体をすすぐことができる。
【0037】
次いで短鎖分子を有する第2のSAM前駆体が導入され、その上に長鎖分子が吸着されなかった、反応器表面の残りの非占有反応部位を覆って吸着420されることが可能である。第1のSAM前駆体のように、第2のSAM前駆体は、液体または蒸気のいずれの形でも可能であり、TCMSまたはTMSなどの上記のあらゆる短鎖SAM前駆体を含むことができる。第2のSAM前駆体はまた、反応器チャンバ内でその場で、または反応器チャンバの外でその場以外で(たとえば、反応器チャンバが分解された場合)のいずれかで導入され、後の蒸着処理に曝される反応器表面を接触させることができる。通常、短鎖SAM前駆体は、より容易に蒸発でき、その結果その場での適用が長鎖分子より容易になる。第2のSAM前駆体の短鎖分子は、長鎖分子間で拡散し、その上に長鎖分子が吸着されなかった部位上に吸着し、それによって混合SAMを形成する。短鎖分子は、長鎖分子のみを使用する場合、そうでないと利用可能になりやすい、利用可能な反応部位の数を削減するのに役立つ。その場での適用に対して、一定期間後、第2のSAM前駆体の流れは停止でき、任意に浄化処理を実行して、反応器内に残るあらゆる第2のSAM前駆体を除去することが実行できる。液体前駆体に対して、部品は過剰の前駆体をすすぐことができる。
【0038】
SAM前駆体が蒸気の形で反応器に導入される一部の実施形態では、SAM前駆体は、約80〜400℃の温度で約0.01〜100トールの圧力で反応器に導入されることができる。一部の実施形態では、第1のSAM前駆体は、約10sccm〜10slmの流量を有する蒸気を含むが、他の実施形態では、第1のSAM前駆体は、約50sccm〜500sccmの流量を有する液体を含む。一部の実施形態では、第2のSAM前駆体は、約10sccm〜10slmの流量を有する蒸気を含むが、他の実施形態では、第2のSAM前駆体は、約50sccm〜500sccmの流量を有する液体を含む。他の実施形態では、第1または第2のSAM前駆体の流れを提供するよりは、むしろ反応器の部品を液体バットの中に浸してその上にSAM分子を吸着させることができる。
【0039】
合成SAMを形成後、基板は、反応器の中に装着430されることができる。一部の実施形態では、反応器は、複数の基板を処理のために反応器の中に同時に装着430することができるように、バッチ反応器であることが可能である。
【0040】
基板(複数可)を反応器の中に装着430後、基板(複数可)を処理440することができる。適切な蒸着処理には、化学蒸着(CVD)または原子層堆積(ALD)が含まれる。ALD処理では、気体前駆体が、基板上に材料の薄膜を形成するために、交互に繰り返し供給される。酸化物、金属酸化物、および高誘電材料を含む様々なタイプの材料が、SAMの疎水表面と反応しない吸着駆動前駆体(たとえば、金属ハロゲン化合物前駆体)を導入することによって堆積できる。混合SAMを反応器の露出面上に形成することにより、反応表面は、ウェハの処理中、堆積前駆体と反応することから保護されるか、または不活性にされる。こうして混合SAMは、複数の基板または複数のバッチ上の連続する堆積から経時的に起こる、反応器表面上の膜の積層の剥離または剥がれ落ちによってもたらされた反応器内の汚染量を低減する助けとなる。反応器の露出面上の前駆体の吸着量を低減することは、さらに化学的利用に役立ち、表面脱着(たとえば、脱ガス)により低減したパルス重複に起因して、ALDパルス/洗浄周期をより短くすることが可能になる。
【0041】
基板処理440後、処理された基板(複数可)を除去450することができる。基板の除去450後、一部の実施形態では、1つまたは複数のさらなる基板(複数可)(またはバッチ)は、処理440するために順に反応器の中に装着430されることができる。図4Aに示されたように、基板(複数可)を装着430するステップ、基板(複数可)を処理440するステップおよび基板(複数可)を除去450するステップは、露出面上でその場での修理460を実行する前に、X回数繰り返されることができる。
【0042】
混合SAMの新規の使用で、任意のその場での修理460は、不活性になるSAMをリフレッシュし、単一の前駆体SAMのみの使用またはSAMを使用しない、従来の堆積処理に比べて、その場以外での洗浄をさらに遅延することによって、反応器の生産性を増加させることができる。一部の実施形態では、混合SAM層のその場での修理は、長鎖分子および短鎖分子(たとえば、第1および第2のSAM前駆体)の両方、または本来堆積された混合SAMに類似しているがはるかに短い暴露時間で、表面の不活性化実行レベルを提供できる、単に短鎖分子のみ(たとえば、第2のSAM前駆体)への暴露を含むことができる。一部の実施形態では、修理の必要性は、1日当たり1〜3回、好ましくは1日当たり1〜2回しか発生しない。具体的な例では、個々のウェハ上の厚さ20ÅのHfO膜のALD堆積は、単一ウェハのALDチャンバ内で行われる。システムは、1時間当たり約15ウェハ、または1日当たり約300ウェハを処理できる。混合SAMを適用することにより、その場での修理工程の間に100〜200ウェハの連続的な処理が可能になり、チャンバ洗浄または剥離処理をより多く遅延させることさえできる。
【0043】
その場での修理460の目的は、その望ましい保護特性または遮断特性を維持するために、反応器の露出面上に形成された混合SAMを修理またはリフレッシュさせることである。修理が望ましいことがあるのは、混合SAMの一部が、真空状態および高温に起因して経時的に故障および/または脱着し得るからであり、それによってM−OHまたはO−M−Oの架橋部位を含む、以前のアクセス不能な反応部位の暴露をもたらす。小さいわずかな反応部位が暴露されても、凝集した膜の積層は、ALD周期を形成するさらなるM−OH基などの、複数の堆積処理を実行した後、混合SAMを覆って占有でき、ALD周期は、混合SAMの有効性を低減することができる。その場での修理460は、一部の核生成が始まった後であっても、さらに反応壁上に堆積される積層が遅延し、したがって洗浄470の頻度を低減することが企図される。
【0044】
一部の実施形態では、その場での修理460は、たとえば、混合SAMが損傷もしくは除去される場合がある、または堆積がより大きい周期的処理の一環として、基板処理周期430〜450の間に始まったなどの場合に、反応表面上に吸着するために、一方または両方のSAM前駆体を再導入することを含む。一部の実施形態では、修理は、長鎖分子および短鎖分子の両方を有するSAM前駆体を導入することを含むが、他の実施形態では、修理は、短鎖分子のみを有するSAM前駆体を導入することを含む。このような長鎖分子および短鎖分子、または単に短鎖分子のみのいずれかを使用する、その場での修理の一例は、図5Bの流れ図に関してさらに記載される。
【0045】
図4Aをさらに参照すると、その場での修理は、連続する単一ウェハ処理(たとえば、100〜200ウェハ)を全日作動できる一連のウェハの1つのカセット(25)を作動後などの、基板数X個を処理後に実行できる。一部の実施形態では、基板数X個の処理ステップに続いて、その場での修理を、周期的にY回繰り返すことができる。たとえば、一部の実施形態では、その場での修理460を含むより小さい周期を、1〜10回繰り返すことができる。
【0046】
しかし、混合SAMを使用する不活性化は、定期修理をしても、その場でまたはその場以外での剥離470の必要性をなくすことはないと予想される。むしろ、混合SAMは、不活性にするために、単一の前駆体SAMを使用する反応器に対して、こうした洗浄を遅延させる、または頻度を低減することになると予想される(たとえば、Mohith他による米国第7,118,779号を参照されたい)。洗浄を実行しなければならない頻度は低減される。これは、それぞれのその場以外での洗浄中に反応器が著しく多くの時間作動不能であるので、その場以外での洗浄に関して特に有利である。したがって低減した剥離(特にその場以外での剥離)の頻度によって、より高い生産性が提供される。
【0047】
反応器の露出面上の剥離470または洗浄処理は、その場での修理460処理が使用されるか否かを問わず、恐らくある程度の頻度が望ましいであろう。剥離470処理の目的は、反応器表面からあらゆる堆積の積層を除去することである。一部の実施形態では、混合SAMもまた、反応表面から剥離され、新しく交換されるSAMが、さらなるウェハ処理に備えて提供される。一部の実施形態では、その場以外での剥離処理は、反応器を分解すること、ならびに反応表面のビードブラストおよび標準化学洗浄などの通常の洗浄処理を実行することを含む。このような標準洗浄は、不活性になる混合SAMも除去しやすい。別法として、プラズマエッチングなどの個別のSAMの除去ステップを、追加として利用することができる。図4Aに示されたように、剥離処理470を、その場での修理数Yを実行した後、または基板またはバッチの数YをX回処理した後、実行することができる。一部の実施形態では、反応部位を遮断するために反応器表面上の混合SAMを使用することにより、定期修理460の有無に関わらず、洗浄470は10〜30週毎に1回のみ行われることが可能である。現在、各ウェハ上のHfOを5〜50Å堆積するために、単一のウェハ反応器(たとえば、米国アリゾナ州PhoenixのASM America, Inc.から市販されているASM Pulsar(商標))を使用して、SAMの利点なしに約3週毎に洗浄が行われる。したがって、洗浄470の頻度は、不活性化しない頻度に対して、因数約3〜10まで低減される。その場以外での剥離を実行しなければならない頻度を低減するこのことは、その場以外での修理が行われる度に、反応器が分解され、作動不能であるため、特に有益であり、したがってその場以外での修理を実行する頻度が少ないほど、生産性は高い。図4Aは、ループの頻度を示す便宜上、修理工程460の後の剥離470を示すが、実際は恐らく剥離工程470の前の最後の修理ステップが割愛される(たとえば図4Bを参照されたい)ことを、当業者は理解されよう。
【0048】
図4Bは、一部の実施形態による、反応器の露出面上の混合自己組織化単分子層を利用する、1つまたは複数の基板を処理する代替方法の流れ図である。図4Bの流れ図は、図4Aの流れ図と同じ多くの処理ステップを共有するが、図4Bの流れ図は、Z回繰り返すことができる修理工程を実行する、任意の水酸化処理を個別に一覧に示す。水酸化処理の目的は、その場での修理の一環として、短鎖SAM分子、または長鎖および短鎖SAM分子を再導入する前に、−OH(たとえばM−OH)水酸基を含む反応部位の最大数を露出面に提供することである。水酸化処理は、酸素含有蒸気、長い水パルスまたは複数の水パルスを露出面に導入することを含むことができる。
【0049】
図4Bを参照すると、代表的な処理が記載されている。図4Bに示された処理、修理、水酸化および修理、ならびに剥離のあらゆる繰り返される周期を含む全工程は、連続する処理およびチャンバの調整ループを指すことができる。反応器において、長鎖分子(たとえばODTS)を有する自己組織化単分子層を、反応表面上に吸着する410ことができる。次いで短鎖分子(たとえばTMCS)を、その上に長鎖分子が吸着されなかった反応表面を覆って吸着する420ことができ、それによって混合SAMを反応器上に形成する。一旦混合SAMが形成されると、多数のウェハが反応器の中に連続して装着430され、(たとえばHfClのALD堆積により)処理440され、除去450されることができる。X個のウェハが処理され除去された後、その場での修理工程(たとえば、短鎖分子を導入すること)は、図4Aに関して記載されたものに類似して実行460されることができる。その場での修理460に続いて、1つまたは複数の基板が装着され、処理され、除去されることができる。基板処理430〜450のループおよびその場での修理を、より複雑なチャンバの調整ステップが、不活性にする、または不動化するSAM被覆を維持するために必要とされる前に、合計Y回繰り返すことができる。
【0050】
このようなより複雑な調整の一例では、単にその場での修理工程を実行するのではなく、組み合わせた水酸化処理(たとえば、酸素含有蒸気を導入すること)に続いて、その場での修理工程を反応器の露出面上で実行465することができる。その場での修理に先立つ水酸化処理を実行することは、短鎖分子または長鎖および短鎖分子を導入する前に、反応表面上に−OH(たとえばM−OH)水酸基を含む反応部位の最大数を提供するのに役立つ。水酸化およびその場での修理465に続いて、1つまたは複数の基板が、X回装着され、処理され、除去される430〜450ことができ、続いて単にその場での修理460、およびそのループが水酸化/修理工程465の前に、再びY回繰り返すことができる。組み合わせた水酸化/修理工程465を含むより大きいループは、合計Z回繰り返すことができる。水酸化とその場での修理465の組合せは、単にその場での修理460の代わりに、各修理ステップで実行することができることが当業者には理解されよう。
【0051】
より複雑なチャンバを調整する別の例では、その場での修理、または水酸化とその場での修理の組合せより、むしろ剥離処理が、1つまたは複数の基板処理後に反応表面上に実行される470ことができる。剥離処理は、その場で、またはその場以外でのいずれでも可能であり、反応表面上のあらゆる堆積の積層を除去することができる。剥離処理を実行後、混合SAMは再度、1つまたは複数の基板の処理に備えて、反応器表面上に堆積されることができる。剥離処理は、その場での修理および/または水酸化とその場での修理の組合せの周期の選択数が実行された後、実行470されることができることが当業者には理解されよう。有利には、混合SAMによって提供された不活性化は、剥離またはチャンバの洗浄処理の頻度を大幅に低減する。
【0052】
一例では、連続する複数のウェハのそれぞれの上の厚さ20ÅのHfO膜のALD堆積は、単一ウェハのALDチャンバ内で実行される。システムは、その場での修理を必要とする前に、約30〜60のウェハ、または約2または3個の25入りウェハカセットを処理できる。すなわち、その場での修理460を行う前に、Xは30〜60である。その場での修理460は、1日当たり1〜3回行うことができる。加えて、一部の例では、水酸化および修理工程465を、短鎖分子、または長鎖および短鎖分子を再導入する前に、実行することができる。水酸化および修理工程465を、水酸化処理なしのその場での修理460より少ない頻度で実行することができ、したがって水酸化処理を2〜3日毎に1回実行することができる。すなわち、Yは、水酸化および修理工程465の例の間の2〜9である。Zは、剥離470する前に、水酸化および修理工程465が実行される回数を表す(ウェハ処理430〜450および水酸化460なしの修理のループが含まれた、より多い頻度を含む)。
【0053】
図5Aは、一部の実施形態による、反応器の露出面上に混合自己組織化単分子層を形成する方法の流れ図である。ステップの一部またはすべては、その場以外で実行されることができるが、好ましくはすべてが、基板上の堆積が実行されるものと同じ反応器内でその場で実行され、反応器内の表面を横切る均一の熱応答を確保する。方法は、反応器の露出面上に乾燥層を形成510することと、反応器の露出面上に水酸化処理を実行520することと、反応器の露出面を覆う長鎖分子を有する自己組織化単分子層(SAM)を吸着530することと、混合自己組織化単分子層を形成するために、その上に長鎖分子が吸着されなかった反応器の露出面のあらゆる反応部位上に短鎖分子を吸着540することと、任意に水酸化および自己組織化単分子層前駆体の吸着を繰り返す550こととを含む。他の実施形態では、水酸化およびSAM吸着は、連続的より、むしろ同時に実行されてもよい。
【0054】
反応器の露出面上に混合SAMを形成する前に、乾燥層を形成510することができる。乾燥層は、反応器を後続の堆積処理に対して、たとえば、より密度が高いSAMがその上に堆積可能になる、高い−OH表面被覆率を有する層を提供することによって、準備するのに役立つ。乾燥層は、不活性にする混合SAMの形成を容易にする。乾燥層は、同じ前駆体を後に基板上の堆積のために使用される反応器の中に導入することによって、形成されることができる。たとえば、基板上にHfOを堆積するように設計された反応器に対して、あらゆる基板の導入に先立って、HClなどの前駆体の1つまたは複数のパルスが、反応器の中に導入され、HfOを形成するために、露出した反応表面を被覆するようにHOのパルスと交互に入れ替えられることができる。
【0055】
任意に乾燥層を反応器の露出面上に形成520した後、水酸化処理を実行520することができる。水酸化処理の目的は、反応表面に不活性にするSAMを堆積する前に、反応表面に−OH(たとえばM−OH)水酸基を含む反応部位の最大数を提供することである。水酸化処理は、その上に不活性にするSAMが形成されるそれらの表面上に実行されることのみが必要とされる。乾燥処理と同様に、水酸化処理は、任意であるが、その上に不活性にするSAMを吸着することができる、利用可能な反応部位の数を最大にすることが推奨される。一部の実施形態では、水酸化処理は、オゾンガス、長い水パルスまたは複数の水パルスなどの酸素含有蒸気を反応表面に導入することを含む。他の実施形態では、水酸化処理は、水プラズマを直接にまたは間接に導入すること、金属酸化物金属架橋を開くために水素プラズマを導入すること、または熱もしくはプラズマモードの他の酸化剤を導入することを含む。たとえば、一部の実施形態では、水酸化処理は、オゾンガスの流れを100sccm〜10slmの酸素流量において5〜100%の濃度で1分〜1時間の間、反応表面に導入することを含む。一部の実施形態では、酸素含有蒸気を連続してまたは複数のパルスとして導入することができる。オゾン(または他の酸素源)からの酸素原子は、−OH表面基を形成するために、露出面に自然に結合し、−OH表面基は、SAMの後続の吸着に対して反応部位として働き、より高密度のSAM分子を提供する。
【0056】
また、さらなる反応部位を、SAMを形成する前に、窒素、水素およびハロゲン系表面基を使用することにより、反応表面上に生成できることが当業者には理解されよう。一部の実施形態では、反応表面は、水素含有反応物(たとえば、H、HFなど)、窒素含有反応物(たとえば、NH、ヒドラジンなど)、またはハロゲン化合物含有反応物(たとえば、NF、CFまたは他のクロロ−もしくはフッ化炭素など)に暴露される。さらに、この一覧は、排他的な一覧ではなく、反応部位は、様々なタイプの表面基の混合物を含むことができる。
【0057】
任意に水酸化処理を実行520後、長鎖分子を有する自己組織化単分子層を、反応器の露出面を覆って吸着530することができる。自己組織化単分子層は、先に記載された任意のSAM前駆体を使用して形成することができる。
【0058】
混合SAMを形成するために、短鎖分子を、その上に長鎖分子が吸着されなかった、反応器の露出面部位を覆って引き続き吸着540することができる。混合SAMを使用して、堆積前駆体が反応器の露出面と反応するのを防止または遮断することができ、それによってウェハ処理中に反応表面を覆う不要な膜の積層量が低減する。
【0059】
混合SAMの形成に続いて、水酸化処理およびSAM前駆体の吸着を任意に繰り返す550ことができる。水酸化処理およびSAM前駆体の吸着を周期的に繰り返す550ことによって、反応器の露出面上の遮断された反応部位の数を最大にするために、一時的に遮断されたまたは隠された反応部位と反応することが可能になる場合がある。一部の実施形態では、水酸化処理を繰り返すことは、以前に実行された水酸化処理と同じことを実行することを含むが、他の実施形態では、水酸化処理を繰り返すことは、以前実行されたものと異なる水酸化処理を実行することを含む。一部の実施形態では、SAM前駆体の吸着を繰り返すことは、長鎖分子および短鎖分子の両方を吸着することを含むが、他の実施形態では、SAM前駆体の吸着を繰り返すことは、長鎖分子または短鎖分子のいずれかを吸着することを含む。
【0060】
図5Aの処理工程は、図4Aまたは4Bの周期的処理および堆積処理に利用できる。
【0061】
図5Bは、一部の実施形態による、反応器の露出面上の混合自己組織化単分子層を修理する方法の流れ図である。その場での修理は、気相反応物を使用し、その場以外での洗浄間の時間を延長することができ、したがって反応器の休止時間を最小にする。方法は、反応表面上の混合SAMを使用する、反応器内の複数の堆積作動を実行560することと、任意に反応表面上の乾燥層を再形成570することと、反応表面または乾燥層上で水酸化処理を実行580することと、反応表面を覆う短鎖分子を吸着585aすること、または反応表面もしくは乾燥層を覆う長鎖分子および短鎖分子を乾燥もしくは吸着585bすることのいずれかと、任意に水酸化およびSAM前駆体の吸着を繰り返す590こととを含む。
【0062】
多数のウェハが、CVDまたはALDの状況下で処理される、反応器表面上に形成された混合SAMを有する、反応器内で複数の堆積作動を行った560後、混合SAMを修理する必要があり得る。一部の実施形態では、修理は、ステップ585aおよび585bについて論じられるように、SAM前駆体分子を吸着することを含む。
【0063】
修理を実行する前に、乾燥層を、任意に反応表面上に再形成570することができる。延長された堆積作動後、著しい積層がすでに壁上に生じ、より完全で確実な基部が、後続の基板処理において壁上のさらなる堆積を最小にするために、リフレッシュした不活性のSAMが望ましい場合は、乾燥層を再形成することができる。水酸化処理は、反応器表面上の先在のSAM上で、または再形成された場合は乾燥層上のいずれかの上で実行580されることができる。
【0064】
水酸化処理を実行580後、新しい混合SAMをリフレッシュまたは形成する修理工程を開始することができる。修理工程は、任意にあらゆる乾燥層を含む、あらゆる暴露された反応部位上の反応表面を覆う短鎖分子のみを吸着585aすること、または反応器表面(もしくは任意に乾燥層)を覆う長鎖分子および短鎖分子の両方を吸着585bすることのいずれかを含むことができる。吸着処理585aまたは585bのいずれかを実行するために、SAM前駆体は反応器の中に導入される。
【0065】
混合SAMを修理するためにSAM前駆体を吸着後、水酸化処理およびSAM前駆体吸着を、任意に繰り返す590ことができる。一部の実施形態では、SAM前駆体の吸着を繰り返す590ことは、1つまたは複数のSAM前駆体を反応器の中に定期的に導入することを含む。たとえば、短鎖分子を有するSAM前駆体を、異なる流量の異なる時間、混合SAMが修理されるまで、繰り返し導入することができる。
【0066】
一部の実施形態では、(たとえば、短鎖および長鎖前駆体、または単に短鎖前駆体のいずれかを有する)混合SAM前駆体を修理する代わりに、混合SAMの吸着された分子を、その場で、たとえば、オゾン、酸素、Ny、または酸化プラズマ種の使用により有機SAMを燃焼することによって、意図的に破壊または除去することができる。たとえば、修理より少ない頻度で、図4Aまたは図4Bの剥離470することは、その場での剥離によってできる。混合SAMをその場で除去することによって、上述の処理を有利に反復することができる。たとえば、一旦混合SAMが、その場での酸化によって全体または一部が除去されると、乾燥層を反応器表面上に堆積することができ、任意の水酸化処理が続く。乾燥層および任意の水酸化処理を再適用することによって、再度清浄表面を覆って混合SAMを堆積するために、第1のSAM前駆体および第2のSAM前駆体を再導入することが可能になり、したがって一部の例におけるその場以外での修理の必要性をさらに遅らせる。反復できる混合SAMのその場での除去を使用する代表的周期は、以下に記載される通りである。すなわち、チタニウム反応器内で、(たとえば、アルミナの)乾燥層を導入する、(たとえば、単一または混合)SAMを堆積する、複数のウェハを処理する、修理(たとえば、長鎖分子または短鎖分子を再導入する)または除去(たとえば、酸化)処理を実行することである。
【0067】
図6A〜6Eは、混合SAMをその表面上に形成およびそれに続くウェハ処理を受ける反応器600の概略図である。その場での不活性化に対して示されているが、反応器が分解され、表面がその場以外で液体または蒸気のSAM前駆体によって処理されることができることが理解されよう。図6Aは、反応器600および一部の実施形態によるその特徴を示す。反応器600は、入口ポート605、出口ポート608およびサセプタ614を含むことができる。反応器600は、CVD反応器もしくはALD反応器、またはシリコンウェハなどの基板(複数可)上で蒸着できるあらゆるタイプの反応器であることができる。反応器600は、枚様式プロセッサまたはバッチ式プロセッサのいずれであることも可能である。その上に混合SAMを吸着できる反応器表面は、(これに限定されないが)以下の材料、すなわち、チタン、チタン合金、二酸化チタン、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス鋼および酸化アルミニウムで作成することができる。反応器は、概略的のみに示されており、様々な他の構成をとることができ、加熱器、蒸発器またはバブラ、温度制御用の制御システム、堆積前駆体用の流れ制御装置、ガス分配システムなどの、他の構成部品を含むことができる。ALD反応器は、通常2個以上の個別の入口(図示せず)を含み、各反応物に対して1個の入口がそこで反応できる表面を最小にする。加えて、温度制御装置は、通常、反応器内の関心対象の表面(具体的にはサセプタ614および支持された基板)を、前駆体の凝縮限界より上でそれらの分解限界より下に維持するようにプログラミングされる。
【0068】
図6Bは、一部の実施形態による乾燥処理および水酸化処理に暴露された後の、図6Aの反応器600を示す。乾燥処理および水酸化処理は、反応チャンバ604、入口605および出口608に隣接する表面、ならびにサセプタ614の表面を含む、反応器600の暴露された表面を覆う水酸化層617を形成する。一部の実施形態では、乾燥処理の間、乾燥処理は、HfOALDなどの後続の基板処理のための同じ蒸着を含むことができ、反応器は、約200℃〜500℃の温度、約0.1〜10トールの圧力に保たれる。一部の実施形態では、水酸化処理の間、水酸化処理はオゾンガスを導入することを含むことができ、反応器は、100℃〜500℃の温度、約0.1〜50トールの圧力に保たれる。
【0069】
図6Cは、一部の実施形態によるSAM前駆体に暴露された後の、図6Bの反応器600を示す。SAM前駆体は、任意に乾燥層を覆う混合または混成SAM622を形成するために、長鎖分子および/または短鎖分子の両方を含む。一部の実施形態では、長鎖分子および短鎖分子を、反応器の中に導入される単一源材料にともに混合することができるが、好ましい実施形態では、長鎖分子および短鎖分子は、連続して導入され、長鎖モノマーの利点を最大にするSAMを形成するために、長鎖分子がまず導入され、続いて残りの反応部位を遮断し、混合SAM622を形成するために、短鎖分子を長鎖分子の間に相互拡散する。一部の実施形態では、長鎖分子を有する第1のSAM前駆体を一定期間導入後、第1のSAM前駆体の流れを停止することができ、浄化処理を、短鎖分子を有する第2のSAM前駆体を導入する前に実行することができる。一部の実施形態では、浄化処理は、N、Ar、Heなどの不活性ガスを導入することを含む。混合SAM622は、堆積前駆体が反応器600の露出面上に吸着または反応するのを防止するのに役立つ。
【0070】
SAMは、反応器内部の様々な表面上に吸着される。一部の実施形態では、SAMは、5分子単層未満の厚さである。図6Cに示されたように、一部の実施形態では、吸着したSAM622は、入口ポート605および出口ポート608の表面に延在して、膜がこれらの領域内に同様に積層するのを防止することができる。
【0071】
図6Dは、一部の実施形態により、ウェハ632がその中の反応チャンバ604に導入された後の、図6Cの反応器600を示す。一旦ウェハが反応器600の中に導入され、サセプタ614上に配置されると、ウェハを、CVDまたはALDなどの堆積処理、特に吸着駆動式ALDを使用して処理することができる。
【0072】
図6Eは、一部の実施形態により、ウェハ632上に堆積処理を実行後の図6Dの反応器600を示す。一部の実施形態では、ウェハ632は、標準CVDまたはALD処理条件下で処理される。堆積処理により、膜644の堆積がウェハ632上にもたらされる。一部の実施形態では、膜の最低量が混合SAM622上に堆積されるが、ウェハ当たりSAM622上に堆積される量は、概ねごくわずかである可能性がある。一部の実施形態では、反応器表面に被覆した混合SAM上の膜の成長量は、ウェハ上の成長量の約1/100〜1/50である可能性がある。一例では、ウェハ632上に20Åの膜を堆積する方策では、10秒後に反応器表面を被覆した混合SAM上に約0.2Å堆積する。概して、ウェハ上のすべての10Å毎に、1/10オングストローム以下のオーダ、好ましくは約ゼロの堆積が処理された壁上にもたらされ、その結果、ウェハ632上の堆積は、反応チャンバ604の処理された壁に対して、選択的である。ウェハ632が適切に準備される場合(図7〜8Cおよび付随の説明を参照されたい)、堆積も、他の部分に対してウェハの一部の上で選択的であることが可能である。
【0073】
堆積処理の実行後、ウェハ632を除去することができ、別のウェハを処理に提供することができる。このステップは、一連のウェハに対して堆積作動が完了するまで繰り返すことができる。一旦堆積作動が完了すると、一部の実施形態では、反応器を(先に論じたように)修理することができる。他の実施形態では、堆積作動後に、混合SAMを熱アニールなどによって除去できる。
【0074】
したがって、反応器表面を合成SAM622で被覆することによって、膜材料が、あらゆる所与の基板に対して反応器表面上にそれほどの堆積なしに、ウェハ上に主に堆積されるように、選択的またはかなりの堆積を達成することが可能であり、その場でまたはその場以外の処理により反応器表面を修理またはリフレッシュしなければならない頻度を低減する。有利には、混合または混成SAMを使用する本明細書に記載された方法によって、必要な洗浄の前に、SAMを使用しない、または単一の前駆体SAMのみを使用する方法に対して、堆積作動の延長(たとえば、より多くのウェハを処理する)を可能にする。
【0075】
あらゆる前述の実施形態において、(単に長鎖分子または長鎖分子および短鎖分子の両方から形成された)不活性の表面を生成するために、SAMの最初の形成処理の一環として、長鎖分子および/または短鎖分子を導入するとき、または不活性にされた表面の再適用中もしくは不活性にされた表面を修理中、一定の百分率の分子は、不活性表面に適切に吸着されない、または化学結合されないことがある。このような分子は、自己組織化単分子層内に不完全性を生成する可能性があり、作動中に反応器表面上に堆積を可能にする。不活性にされた表面に化学結合されないこれらの分子を、化学的に吸着された分子を妨げることなく、物理的に吸着した分子の除去を支援するために選択された条件下で、誘因化学物質、熱処理、もしくは真空処理で、液体または蒸気処理からなる「抽出」ステップを実行することによって除去することができる。抽出処理は、物理的に吸着した分子の表面を有効に洗浄し、次の長SAM前駆体および/または短SAM前駆体への暴露のために反応部位を暴露させ、抽出を、前駆体の暴露で循環することができる。
【0076】
B.素子構造上の反応部位の不活性化に対する混合SAMの使用
基板処理中に選択された基板の表面上に堆積する物質を防止または最小にするために、素子構造上に混合SAMを利用する方法が記載される。混合または混成SAMを使用することにより、選択的堆積を達成することができ、材料は(CVDまたはALD堆積処理などの)蒸着処理中に素子の一定の表面上に堆積され、(仮にあるとしても)最小限が他の表面上に堆積される。
【0077】
図7は、一部の実施形態による選択的堆積方法の流れ図である。方法は、導体の露出面および絶縁体の露出面を有する基板を提供710することと、絶縁体の露出面を覆う長鎖分子を有する自己組織化単分子層を吸着720することと、その上に長鎖分子が吸着されなかった、絶縁体の露出面を覆う短鎖分子を吸着730することと、そのように処理された絶縁体表面に対して、導体の露出面を覆う膜を選択的に堆積するためにALD処理を実行740することとを含む。
【0078】
初めに、導体の露出面および絶縁体の露出面を有する基板が提供710される。基板は、部分的に製造された集積回路構造であることが可能である。導体の表面は、金属表面および/または任意にドープされる半導体表面を備えることができる。導体の表面は、形成されるSAMによる不活性化を回避するために、自然酸化物または水酸基が除去されてもよい。
【0079】
基板を提供710後、長鎖分子を有する自己組織化単分子層を、絶縁体の露出面を覆って吸着720することができる。オクタデシルトリクロロシラン((CH)(CH17SiClまたはODTS)、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリクロロシラン(FOTS)、トリコンチルトリクロロシラン(TTS)、FOMB(DMA)、オクチルトリクロロシラン(CH(CHSiCl)およびウンデシルトリクロロシラン((CH)(CH10−SiCl)などの、上述されたあらゆるSAM前駆体を使用して、長鎖分子を提供することができる。
【0080】
自己組織化単分子層を吸着720後、短鎖分子を、吸着された長鎖分子によって占有されない絶縁体の露出面の残りの反応部位を覆って吸着730でき、それによって絶縁体の露出面を覆う混合SAMを形成する。TCMSまたはTMSなどの、上述のあらゆるSAM前駆体を使用して、短鎖分子を提供できる。混合SAMは、絶縁体の反応部位を遮断することにより、導体の表面に対して絶縁体を覆うことになる堆積量を防止または最小にし、それによって後続の堆積を不活性にする。
【0081】
反応器処理と同様に、SAM形成は、その場以外で、その場で、またはこの2つの組合せによって実行できる。前駆体は、液体または蒸気の形で送達されてもよい。
【0082】
絶縁体の露出面上の混合SAMを形成後、ALD処理は、SAM処理された絶縁体表面に対して、導体の露出面を覆う膜を選択的に堆積するために、実行740できる。膜は、たとえば、ゲート電極構造の一部を形成するために、導体の表面上に堆積されるが、(仮にあるとしても)最小限の量の膜が、混合SAMの遮断能力に起因して、絶縁体表面を覆って堆積される。望ましくは、混合SAMの完全性により、処理されるウェハ毎にその上を覆う堆積はほとんどないことが可能になる。
【0083】
図8A〜8Cは、絶縁体806上の混合SAMの形成および後続の堆積(たとえば、ALD)処理が施される、絶縁体806ならびに半導体および/または金属808を備える混合表面を有する基板800の概略図である。基板800は、したがって暴露された絶縁体806および半導体/金属表面808を有するパターン化された基板である。絶縁体表面806および半導体および/または金属表面808は、部分的に製造された集積回路構造の一部であることができる。一部の実施形態では、絶縁体表面は、SiOなどの誘電体膜によって形成される。
【0084】
図8Bは、混合または混成自己組織化単分子層822を暴露された絶縁体806上に形成後の、図8Aの基板800を示す。混合SAMは、パターン化された基板(半導体および/または金属808)の第2の表面上に形成されない多くの反応部位に起因して、パターン化された基板(暴露された絶縁体806)の第1の表面上に形成される。長鎖分子を有する第1のSAM前駆体および短鎖分子を有する第2のSAM前駆体を一緒にまたは連続して、上述のように絶縁体の露出面に供給することによって、混合自己組織化単分子層822を形成できる。一部の実施形態では、絶縁体上に形成された混合SAM822の平均厚さ(たとえば、長鎖および短鎖分子の両方の平均厚さ)は、約20〜50Åである。混成自己組織化単分子層822を形成するために使用される長鎖分子および短鎖分子の一部も、半導体および/または金属表面808上に吸着できるが、吸着量は、(あるとしても)最小限またはごくわずかである。
【0085】
図8Cは、一部の実施形態による、暴露された半導体および/または金属表面808上に選択的に堆積処理を実行した後の、図8Bの基板800を示す。堆積処理は、半導体および/または金属表面808上に、ならびに絶縁体806上に比較的少ない(または好ましくは無い)膜層851を堆積する、(以下に記載されるあらゆるHfOのALD処理などの)CVDまたはALD処理を含むことができる。膜層851は、HfOもしくはZrOの膜、または半導体および/または金属表面808を覆って選択的に堆積し、絶縁体806表面上には堆積しないことができる、あらゆる他の膜を備えることができる。一部の実施形態では、膜層は、10〜50Å、または10〜30Åであることができる。ALDのための多くの金属前駆体、特に金属ハロゲン化合物は、疎水性SAMの表面上に吸着しないので、堆積はその上に行われない。具体的な例では、半導体/金属表面を覆うHfOの堆積した膜層の厚さは、約1.0〜10.0nmであるが、わずかな厚さが混合SAM822を覆って形成される。一部の実施形態では、堆積した膜層151は、97%を超える、より好ましくは99%を超える均一厚さ、および90%を超える、より好ましくは98%を超えるステップ被覆を有する。
【0086】
ALDのより詳細な具体例をここで説明する。混合SAMを反応器表面および/または反応チャンバ内の部分的に製造された集積回路構造の表面上に提供後、1つまたは複数の基板を反応チャンバの中に装着することができ、ALD処理を開始できる。2つの反応ガスおよびパージガスを使用して、酸化ハフニウム(HfO)の一連の単分子層を形成できる。反応ガスは、塩化ハフニウム(HfCl)およびHOを含むことができる。TMA、ZrCl、アルキルアミド、およびアルコキシドを含む他のALD処理のための反応ガスも、これに限定されないが、疎水性SAMに対して選択できることが、当業者には理解されよう。パージガスは、窒素(N)を含むことができる。より複雑な処理は、基板上に形成される所望の単分子層に依存して、反応物除去ステップ(たとえば、パージパルス)で分離される、3つ以上の反応物を利用することができる。
【0087】
ALD処理は、基板温度を凝縮温度より上だが、反応物の熱分解温度より下に設定して開始する。第1の反応パルスは、反応チャンバの中に導入されるHfClから開始できる。一旦反応チャンバに入ると、HfClは、部分的に製造された集積回路の選択表面上に化学的に吸着し、通常わずか1つの単分子層も残さない。HfClが所望の表面上に吸着後、HfClの流れを停止できる。次いで不活性(たとえば、N)パージガスを、反応チャンバの中に提供でき、反応チャンバは、部分的に製造された集積回路の表面上に吸着しなかったHfClのあらゆる部分を置換するように設計されている。
【0088】
一旦堆積チャンバが浄化されると、第2の反応パルスは、反応チャンバの中に導入されるHOから開始できる。一旦反応チャンバに入ると、HOは、酸化ハフニウム(HfO)または−Hf(OH)3の単分子層を部分的に製造された集積回路の選択表面上に形成するために、吸着された−HfCl種と化学的に反応する。HfOの形成後、HOの流れを停止できる。次いでNパージガスを反応チャンバの中に提供でき、反応チャンバは、部分的に製造された集積回路の表面上に十分に吸着しなかったHOのあらゆる部分を置換するように設計されている。この処理を、HfOの複数の単分子層を部分的に製造された集積回路の選択表面上に形成するために繰り返すことができる。堆積温度での立体障害および低水酸基に起因して、平均堆積率は、ほとんどのALD処理において周期当たりの完全な分子の単分子層より少ない。
【0089】
一方、これらの反応器表面および/またはその上に混合SAMが堆積された、部分的に製造された集積回路構造の表面は、(あるとしても)最小限の量の材料堆積を有し、その結果ALD処理全体が選択的になる。混合SAMは、2つの前駆体によって形成され、下に位置する表面上にALD前駆体が吸着するのを遮断および防止する、疎水性末端尾部を含む。したがって、HfClなどのALD前駆体は、上を覆う混合SAMを有さない露出面上に吸着するだけである。SAMの疎水性尾部と反応しないALD前駆体の例は、水、アルコール、ならびに−OH官能基、金属ハロゲン化合物(たとえば、HfCl、ZrCl、TiCl)、有機金属前駆体(たとえば、TMA、TEMAH)および他の−OH反応有機および無機前駆体を伴う他の分子を含む。したがって、水反応性であり、SAMと反応しないALD前駆体は、不活性になる。
【0090】
様々な修正形態および変形形態が、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、本発明において作成できることが、当業者には理解されよう。一部の実施形態では、上述の多くの処理/洗浄周期は、ある種のステップまたは周期を割愛し、依然として利益を達成できる。たとえば、図4Aおよび4Bに関して、短鎖分子を吸着420するステップを割愛し、依然として本発明の多数の利益を達成することが可能である。長鎖分子のみを有するSAM層を吸着することでさえ、その場での修理、水酸化およびその場での修理との組合せ、ならびに本明細書に記載されたその場でおよびその場以外での剥離処理から利益を得ることができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲またはそれらの等価物の範囲内に含まれる限り、本発明の修正形態および変形形態を包含することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理する方法であって、
露出面を提供することと、
前記露出面を覆う自己組織化単分子層を吸着するために、第1の分子鎖長を有する第1の有機前駆体を供給することと、
その上に自己組織化単分子層が吸着されない前記露出面の反応部位上に吸着するために、前記第1の分子鎖長より短い第2の分子鎖長を有する第2の有機前駆体を供給することと、を含む方法。
【請求項2】
前記露出面は、反応チャンバの表面である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記露出面は、パターン化された基板の表面である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記露出面は、集積回路構造の絶縁表面である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の分子鎖長は、8炭素原子以上の長さである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の分子鎖長は、8炭素原子未満の長さである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の分子鎖長は、12炭素原子以上の長さであり、前記第2の分子鎖長は、6炭素原子未満の長さである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
選択的ALD処理を前記反応チャンバ内の前記パターン化された基板上に実行することをさらに含み、わずかな量の材料が、前記選択的ALD処理中に前記自己組織化単分子層上に堆積される、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記自己組織化単分子層上に堆積された材料の前記量は、前記自己組織化単分子層なしに類似の表面上に堆積された量の10%未満である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記自己組織化単分子層は、前記自己組織化単分子層を前記パターン化された基板の第2の表面上に形成することなく、前記パターン化された基板の第1の表面上に形成される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の有機前駆体を導入する前に、水酸化処理を前記露出面上に実行することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記水酸化処理は、前記露出面をオゾンガスに暴露することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記水酸化処理を繰り返すことと、前記第1の有機前駆体および/または第2の有機前駆体を1回または複数回導入することとをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記水酸化処理を繰り返すこと、および前記第1の有機前駆体および/または第2の有機前駆体を導入することは、その場での修理工程の一環として2〜3日毎に1回行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記自己組織化単分子層ならびに前記露出基板を覆って吸着された第1の分子鎖長および第2の分子鎖長をその場以外で定期的に剥離することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
その場以外で定期的に剥離することは、堆積作動から少なくとも15週間の期間行われる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
その場以外で定期的に剥離することは、HfOのALD堆積に関与する、堆積作動から少なくとも4週間の期間行われる、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の有機前駆体および前記第2の有機前駆体は、同時に供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の有機前駆体を供給する前に、前記露出面を覆って吸着されない未反応の第1の有機前駆体を除去することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
反応部位上に吸着されない未反応の第2の有機前駆体を除去することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の有機前駆体および/または第2の有機前駆体を供給後、前記露出面から吸着されなかった分子を抽出することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記吸着されなかった分子を抽出後、前記第1の有機前駆体および/または前記第2の有機前駆体を再供給することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
蒸着反応器で処理する方法であって、
反応器表面の一部を覆って自己組織化単分子層を堆積するために、第1の有機前駆体を供給することと、
その上に前記自己組織化単分子層が吸着されなかった、前記反応器表面の一部と反応するために、第2の有機前駆体を供給することであって、前記第2の有機前駆体内の分子の前記鎖は、前記第1の有機前駆体内の分子の前記鎖より短い、前駆体を供給することと、を含む方法。
【請求項24】
前記第1の有機前駆体および第2の有機前駆体は、同時に導入される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記反応器内の集積回路構造上のALD処理を実行することをさらに含み、1つまたは複数の単分子層は、前記集積回路構造上に堆積され、前記反応器表面上の前記自己組織化単分子層上に堆積されない、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の有機前駆体は、前記反応器内でその場で供給される、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の有機前駆体は、前記反応器の外部でその場以外で導入される、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の有機前駆体および第2の有機前駆体を供給後、オゾン、酸素、Ny、または他の酸化プラズマ種を使用して、その場で前記反応器表面の一部を覆う、前記第1の有機前駆体の反応した分子および前記第2の有機前駆体の反応した分子を除去することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
半導体素子を形成する方法であって、
集積回路構造を第1の表面および前記第1の表面と異なる第2の表面を有する反応チャンバの中に提供することと、
前記第2の表面を被覆することなく、前記第1の表面の一部を自己組織化単分子層で被覆するために、第1の有機前駆体を前記反応チャンバの中に導入することと、
前記反応チャンバからの前記第1の表面を被覆しない、反応しなかった第1の有機前駆体を浄化することと、
前記第1の有機前駆体で被覆されない前記第1の表面の反応部位と反応するために、第2の有機前駆体を前記反応チャンバの中に導入することと、
前記反応チャンバからの反応部位と反応しない、反応しなかった第2の有機前駆体を浄化することと、を含む方法。
【請求項30】
選択的ALD処理を実行することをさらに含み、材料は、前記第2の表面上に堆積され、前記自己組織化単分子層で被覆された前記第1の表面上に堆積されない、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記自己組織化単分子層を除去するために、熱アニールを実行することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第1の有機前駆体は、オクタデシルトリクロロシラン(ODTS)、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリ−クロロシラン(FOTS)およびテトラデシルトリクロロシラン(TTS)からなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記第2の有機前駆体は、トリクロロメチルシラン(TCMS)、トリメチルクロロシラン(TMCS)およびFOMB(DMA)Sからなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
第1の表面および前記第1の露出表面と異なる第2の隣接した表面と、
前記第2の表面上に形成することなく、前記第1の表面上に吸着された混合疎水性膜であって、前記膜は、複数の第1の鎖有機分子および複数の第2の鎖有機分子を備え、前記第2の鎖有機分子は、前記第1の鎖有機分子より短い、混合疎水性膜と、を備える集積膜構造。
【請求項35】
前記第1の露出面は誘電材料を備え、前記第2の露出面は半導体材料を備える、請求項34に記載の集積膜構造。
【請求項36】
前記混合疎水性膜は、100度を超える水接触角を有する、請求項34に記載の集積膜構造。
【請求項37】
前記第2の露出面上に堆積され、前記第1の露出面上の前記混合疎水性膜をわずかに覆う、上を覆う原子層堆積(ALD)膜をさらに備える、請求項34に記載の集積膜構造。
【請求項38】
前記ALD膜は、10Å〜30Åの厚さを有する、請求項37に記載の集積膜構造。
【請求項39】
前記ALD膜は、98%を超える均一な厚さを有する、請求項37に記載の集積膜構造。
【請求項40】
前記ALD膜は、98%を超えるステップ被覆を有する、請求項32に記載の集積膜構造。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【公表番号】特表2013−520028(P2013−520028A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553957(P2012−553957)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【国際出願番号】PCT/US2011/024762
【国際公開番号】WO2011/103062
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(500019890)エーエスエム アメリカ インコーポレイテッド (60)
【Fターム(参考)】