蓋メッキ方法
【課題】本発明は、多層プリント配線板の製造に利用される蓋メッキ方法に関し、特に、孔埋め用ペーストを適正量、位置ずれやにじみなく充填することができ、研磨処理が容易で、かつ、より平滑な蓋メッキ基板が簡便に得られる蓋メッキ方法に関する。
【解決手段】第一面に第一樹脂層及びマスク層を形成した後、第二面より第一樹脂層除去液を供給して、第一面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第一樹脂層を除去する。その後、第一面の第一樹脂層に第二樹脂層除去液に対する耐性化処理を施す。その後、第一面のマスク層を除去し、第二面に第二樹脂層及びマスク層を形成した後、第一面より第二樹脂層除去液を供給して、第二面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第二樹脂層を除去する。その後、第二面のマスク層を除去して、孔埋め用ペースト充填、硬化、研磨、蓋メッキを行う。
【解決手段】第一面に第一樹脂層及びマスク層を形成した後、第二面より第一樹脂層除去液を供給して、第一面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第一樹脂層を除去する。その後、第一面の第一樹脂層に第二樹脂層除去液に対する耐性化処理を施す。その後、第一面のマスク層を除去し、第二面に第二樹脂層及びマスク層を形成した後、第一面より第二樹脂層除去液を供給して、第二面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第二樹脂層を除去する。その後、第二面のマスク層を除去して、孔埋め用ペースト充填、硬化、研磨、蓋メッキを行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層プリント配線板の製造に利用される蓋メッキ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器の小型、多機能化に伴い、回路基板も高密度化や配線パターンの微細化が進められており、そのような条件を達成する手段としては、回路基板の多層化が挙げられる。図13で示したように、複数の配線層を積層して形成した回路基板は、一般にスルーホール(貫通孔)31、バイアホール32、インタースティシャルバイアホール33と呼ばれる、内壁を導電層で被覆したあるいは充填した貫通孔、非貫通孔(以下、孔)といった細孔を通じて各層間の導通が行われている。
【0003】
図13のような多層基板では、内層板同士もしくは内層板と銅箔とを、層間絶縁材を介して積層し、熱プレスを行って多層化をはかっていく。この際、内層板に貫通孔があると層間絶縁材が熱プレス時に孔内に流れ込み、その結果、孔部分の層間絶縁層が薄化する現象が発生する。特に層数が多く、孔数が多い場合には、この層間絶縁材の孔内への流入に起因する凹凸は大きなものとなり、最外層の回路形成を行う段階で、しばしば、凹凸に起因するドライフィルムレジストの密着不良や、密着露光時の密着不良による解像性悪化等の問題を引き起こすことがあった。また、層間絶縁層の厚みのムラは層間接続の信頼性を損なう原因にもなっていた。
【0004】
また、回路設計を行う際に、外層から内層への接続を行う場合、内層板の孔上には銅層がないため、回路形成を行う場合には、その部分は配線や層間接続には使えないエリアとなっており、孔数が多くなるほど、設計上の自由度は減ってしまい、より微細な配線が求められて歩留まりが低下したり、または、層数が増加することでコスト高や基板の薄化が難しい状況を招いていた。
【0005】
これらの問題を解決するものとして、内層板の貫通孔の孔埋めを行い、その後、孔上にメッキを行う、蓋メッキ法が行われるようになってきている(例えば、特許文献1〜2参照)。これらの蓋メッキ法では、孔埋め用ペーストを充填、硬化、研磨後に、貫通孔部を含む基板表面をいかに平滑に仕上げるかが重要となる。孔埋め用ペーストの充填不良が発生し、基板表面の平滑性が損なわれる場合には、上述のような凹凸に起因する問題が発生する可能性が高まってしまう。
【0006】
蓋メッキ法において、孔埋め用ペーストを孔内に充填する方法として、基板上にペーストを乗せ、スキージで掻き取ることで、孔内に孔埋め用ペーストを充填する方法がある。この方法は簡便ではあるが、孔埋め用ペーストの表面が基板の表面と面一もしくは孔の中へ押し込まれる形となってしまう。このような状態であると、その後の孔埋め用ペーストの硬化処理時に孔埋め用ペーストが収縮し、孔上の面が基板表面よりも凹む現象が発生し、平滑性が悪化する問題がある。また、孔埋め用ペーストを掻き取っても、孔近傍以外の基板表面にも若干量孔埋め用ペーストが残ることとなり、それらを硬化後に研磨する必要があり、孔部のペーストの研磨よりもかなりの負担がかかり、問題となっていた。
【0007】
また、他の充填方法として、スクリーン印刷で孔の位置のみに孔埋め用ペーストを充填印刷する方法がある。この方法では、孔近傍以外の基板表面に孔埋め用ペーストが残る問題は改善されるが、スクリーン印刷用版を新たに設計及び製版する必要があり、かなりの手間となっていた。また、スクリーン印刷を行う際にも、基板の孔の位置とスクリーン印刷用版の位置を精度良く合わせなければ、孔埋め用ペーストの充填印刷位置が基板の孔位置とずれてしまい、充填不良や、基板表面への孔埋め用ペーストのにじみ出し等の問題を引き起こしてしまう。この基板の孔の位置とスクリーン印刷用版の位置との位置合わせは完全に精度良く行うことは難しく、この位置ずれによる欠陥も問題となっていた。特にパターンがファインになればなるほど、この位置合わせは難しいものとなる。
【0008】
また、スクリーン印刷用版を用いたスクリーン印刷の方法で孔埋め用ペーストを充填すると、孔内の体積以上の孔埋め用ペーストを供給し貫通孔上に多めに盛ることができるため、熱硬化の際の収縮による凹みは回避できる。ただし、逆に過剰供給や、スクリーン印刷用版からの孔埋め用ペーストの抜け性のばらつきによる供給量のばらつき、すなわち貫通孔上の盛り高さ(孔埋め用ペーストの充填高さ)もばらついてしまい、その後の研磨処理への負荷が大きいものとなっていた。
【特許文献1】特開2002−57441号公報
【特許文献2】特開2001−144420号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、多層プリント配線板の製造に利用される蓋メッキ方法に関し、特に、孔埋め用ペーストを適正量、位置ずれやにじみなく充填することができ、研磨処理が容易で、かつ、より平滑な蓋メッキ基板が簡便に得られる蓋メッキ方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、この課題を解決するため研究を行った結果、
(1)(a)貫通孔を有する絶縁性基板の第一面及び第一面とは反対側の第二面並びに貫通孔内壁に導電層を有する絶縁性基板を準備する工程、
(b)第一面に第一樹脂層及びマスク層を形成して、第一面の導電層及び貫通孔開口部を第一樹脂層及びマスク層で覆う工程、
(c)第二面より第一樹脂層除去液を供給して、第一面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第一樹脂層を除去し、第一面の貫通孔周辺部の導電層を露出する工程、
(d)第一面の樹脂層に第二樹脂層除去液に対する耐性化処理を施す工程、
(e)第一面のマスク層を除去する工程、
(f)第二面に第二樹脂層及びマスク層を形成して、第二面の導電層及び貫通孔開口部を第二樹脂層及びマスク層で覆う工程、
(g)第一面より第二樹脂層除去液を供給して、第二面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第二樹脂層を除去し、第二面の貫通孔周辺部の導電層を露出する工程、
(h)第二面のマスク層を除去する工程、
(i)貫通孔に孔埋め用ペーストを充填する工程、
(j)孔埋め用ペーストを硬化させる工程、
(k)硬化した孔埋め用ペーストを研磨する工程、
(l)第一面及び第二面の少なくとも孔上にメッキを行う工程、
を含む蓋メッキ方法、を見出した。
【0011】
(2)また、(1)において、第一樹脂層が光架橋性樹脂であり、耐性化処理が露光処理である蓋メッキ方法、を見出した。
【0012】
(3)また、上記(1)において、(e)工程を(d)工程の前に行う蓋メッキ方法、を見出した。
【0013】
(4)また、上記(1)において、(e)工程を(f)工程の後に行う蓋メッキ方法、を見出した。
【発明の効果】
【0014】
本発明の蓋メッキ方法(1)においては、貫通孔を有する絶縁性基板の第一面及び第一面とは反対側の第二面並びに貫通孔内壁に導電層を有する絶縁性基板を準備する。続いて、第一面に第一樹脂層及びマスク層を形成して、第一面の導電層及び貫通孔開口部を第一樹脂層及びマスク層で覆う。次に、第二面より第一樹脂層除去液を供給して、第一面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第一樹脂層を除去し、第一面の貫通孔周辺部の導電層を露出する。
【0015】
これにより、位置合わせ不要で、精度良く、貫通孔及び貫通孔周辺部の導電層を露出させることができる。また、第一樹脂層除去液による除去条件を制御することで、貫通孔上及び貫通孔周辺部の第一樹脂層の除去状況を制御することが可能となり、貫通孔周辺部の導電層の露出幅を所望の値に合わせ込んで開口させることができる。
【0016】
その後、第一面の第一樹脂層に第二樹脂層除去液に対する耐性化処理を施す。これにより、後に処理を行う第二樹脂層除去液に対して、第一面の第一樹脂層が影響を受けないようにし、すでに形成された良好な開口状況を維持できる。その後、第一面のマスク層を除去し、第二面に第二樹脂層及びマスク層を形成して、第二面の導電層及び貫通孔開口部を第二樹脂層及びマスク層で覆う。
【0017】
続いて、第一面より第二樹脂層除去液を供給して、第二面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第二樹脂層を除去し、第二面の貫通孔周辺部の導電層を露出する。これにより、既に形成された第一面の第一樹脂層の良好な開口状況に影響を与えずに、第二面においても、位置合わせ不要で、精度良く、貫通孔及び貫通孔周辺部の導電層を露出させることができる。また、第二樹脂層除去液による除去条件を制御することで、貫通孔上及び貫通孔周辺部の第二樹脂層の除去状況を制御することが可能となり、貫通孔周辺部の導電層の露出幅を所望の値に合わせ込んで開口させることができる。
【0018】
その後、第二面のマスク層を除去して、貫通孔内及び第一面及び第二面の貫通孔周辺部の樹脂層を除去して開口させた基板(以下、樹脂付き開口基板と呼ぶ)が作製される。
この状態で、孔埋めを行うことにより、孔内のみに孔埋め用ペーストの充填がなされる。孔近傍以外の基板表面は、第一樹脂層及び第二樹脂層により覆われているため、孔近傍以外の基板表面に孔埋め用ペーストが付着することはない。
【0019】
また、この後、孔埋め用ペーストの硬化処理を行うが、孔埋め用ペーストの硬化後の体積収縮を考慮して、第一樹脂層及び第二樹脂層の厚み及び貫通孔周辺部の露出幅を調整し、ペーストの量を適正にコントロールして充填することが可能となる。
【0020】
硬化後に孔埋め用ペーストの研磨を行うが、孔近傍以外の基板表面にはペーストは付着しておらず、孔部のみにペーストが充填されている状態なので、孔部の余剰のペースト量だけ研磨すれば良いので、簡便に研磨を行うことができ、容易に平滑な基板が得られる。研磨によって平滑化された基板の孔部分にメッキを行い、平滑な蓋メッキがなされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の蓋メッキ方法について詳細に説明する。
【0022】
本発明の蓋メッキ方法(1)では、まず、図1に示すような貫通孔を有する絶縁性基板1の第一面及び第一面とは反対側の第二面並びに貫通孔内壁に導電層12を有する絶縁性基板を準備する。続いて、第一面に第一樹脂層21及びマスク層6を形成して、第一面の導電層12及び貫通孔開口部を第一樹脂層21及びマスク層6で覆う(図2)。その後、第一面とは反対の面(第二面)から供給する第一樹脂層除去液により、第一面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第一樹脂層21を除去する(図3)。その後、第一樹脂層21に耐性化処理を施し、続く第二樹脂層除去液に対する耐性を付与する(図4)。
【0023】
第一面に施したのと同様な方法で、第二面にも第二樹脂層22及びマスク層7を形成する(図5)。第一面のマスク層6を除去した後(図6)、第一面より第二樹脂層除去液を供給するようにし、貫通孔を通して、第二面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第二樹脂層22を溶解除去する(図7)。その後、洗浄、乾燥をした後、第二面のマスク層7の除去を行う(図8)。その後、貫通孔に孔埋め用ペースト13の充填を行う(図9)。続いて、孔埋め用ペースト13を硬化させ(図10)、必要なら、第一樹脂層21及び第二樹脂層22の除去を行い、硬化した孔埋め用ペースト13を研磨し平滑化させた後(図11)、メッキを行い貫通孔上に蓋メッキ14を施す(図12)。
【0024】
本発明の蓋メッキ方法(2)においては、第一樹脂層を光架橋性樹脂とし、耐性化処理を露光処理とすることで、既存の設備を活用して回路基板の製造ができる。
【0025】
本発明の蓋メッキ方法(3)においては、第一面のマスク層を第一樹脂層の耐性化処理を施す前に除去する。これにより、第一樹脂層の除去工程後の貫通孔内の洗浄や乾燥等の処理を、貫通孔の両側がふさがっていない状態で行うことができ、効率良く処理を行うことができる。また、マスク層の材質に影響をされずに、耐性化処理の条件を設定できるという効果も有する。
【0026】
本発明の蓋メッキ方法(4)においては、第一面のマスク層の除去を、第二面の第二樹脂層及びマスク層の形成の後に行う。これにより、第二面に第二樹脂層及びマスク層を形成する際に、第一面に接触による傷や異物付着等の可能性があるような場合には、第一面のマスク層が保護の役割も果たすことになる。
【0027】
本発明に係わる第一樹脂層及び第二樹脂層(以下、合わせて「樹脂層」と呼ぶ)としては、それぞれ第一樹脂層除去液及び第二樹脂層除去液(以下、合わせて「樹脂層除去液」と呼ぶ)により溶解除去可能な樹脂であれば特に限定されない。アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラール等のビニルアセタール樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン及びその塩化物、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンイソフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル変性アルキッド樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエステル誘導体等の樹脂が利用できる。また、次に述べる光架橋性樹脂も樹脂層として利用することができる。これらの樹脂は、同じ種類の樹脂であっても、その樹脂に含まれる官能基の種類や量、分子量の違いにより、溶解性は変化する。
【0028】
本発明において、樹脂層として利用できる光架橋性樹脂としては、例えば、回路基板製造用の光架橋型ドライフィルムフォトレジストが挙げられる。以下に例を挙げるが、本発明の趣旨と異ならない限り何れの光架橋性樹脂層であっても適用可能である。例えば、カルボン酸基を含むバインダーポリマー、光重合性の多官能モノマー、光重合開始剤、溶剤、その他添加剤からなるネガ型の感光性樹脂組成物が使用できる。それらの配合比率は、感度、解像度、硬度等の要求される性質に合わせて決定される。これらの例は「フォトポリマーハンドブック」(フォトポリマー懇話会編、(株)工業調査会、1989年)や「フォトポリマー・テクノロジー」(山本亜夫、永松元太郎編、日刊工業新聞社、1988年)等に記載されている。市販品としては、例えばデュポンMRCドライフィルム株式会社のリストン、日立化成工業株式会社のフォテック、旭化成エレクトロニクス株式会社のサンフォート等を使用することができる。市販品は、光架橋性樹脂フィルムが、ポリエステルフィルム等の支持体フィルムとポリエチレンフィルム等の保護フィルムとで挟まれた状態となっている。
【0029】
本発明に係わる樹脂層除去液としては、樹脂層を溶解もしくは分散可能な液であれば使用可能であり、使用する樹脂層の組成に見合った液を用いる。樹脂層除去液の供給方法としては、基板の片側から貫通孔を通して供給し、反対面の樹脂層に樹脂層除去液が接触するようにできればよい。ディップ処理装置、両面シャワースプレー装置、片面シャワースプレー装置等を利用することができる。樹脂層を除去するための処理条件(温度、スプレー圧力(スプレーの場合)、時間等)は適宜調整され、貫通孔周辺部の樹脂層の除去量(露出幅)をコントロールできる。
【0030】
樹脂層として、市販のドライフィルムフォトレジストを利用した場合には、一般的にはアルカリ水溶液が有用に使用され、例えばケイ酸アルカリ金属塩、アルカリ金属水酸化物、リン酸および炭酸アルカリ金属塩、リン酸および炭酸アンモニウム塩等の無機塩基性化合物の水溶液、エタノールアミン類、エチレンジアミン、プロパンジアミン類、トリエチレンテトラミン、モルホリン等の有機塩基性化合物等を用いることができる。
【0031】
アルカリ水溶液を樹脂層除去液として使用する場合には、アルカリ水溶液に対する溶解性が高い樹脂を樹脂層として使用することで、樹脂層除去液により溶解除去が可能になる。アルカリ水溶液を樹脂層除去液として使用する場合、樹脂層としては酸価が1mgKOH/g以上、より好ましくは10mgKOH/g以上の樹脂を好適に用いることができる。アルカリ水溶液を樹脂層除去液として使用する場合、樹脂層としては、カルボン酸基、メタクリル酸アミド、フェノール性水酸基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホンイミド基、ホスホン酸基を有する単量体を含有する共重合体、及びフェノール樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。具体的な例としては、スチレン/マレイン酸モノアルキルエステル共重合体、メタクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸/メタクリル酸エステル/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/メタクリル酸/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/アクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/メタクリル酸エステル共重合体、安息香酸ビニル/アクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体等のスチレン、アクリル酸アステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルと上記カルボン酸含有単量体との共重合体が挙げられる。これらの樹脂は単独でも、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。また、樹脂層除去液に対する溶解性が確保されていれば、その他の添加剤を添加することもできる。
【0032】
本発明に係わる耐性化処理は、第二樹脂層除去液に対して不溶もしくは難溶となるような状態に変化させる処理であれば、いずれの処理も可能である。露光や熱処理による硬化処理がその簡便さから好適に用いられる。第一樹脂層としては、光架橋性樹脂及び熱硬化性樹脂をそれぞれの場合用いる。
【0033】
樹脂層除去液としてアルカリ水溶液を用いる場合には、第一樹脂層にアルカリ可溶性の樹脂を使用するとともに、光架橋性の成分を付与することで、第一樹脂層除去液には溶解し、耐性化処理後には第二樹脂層除去液に不溶もしくは難溶とすることができる。また、エポキシ樹脂等の熱硬化性成分を付与することで、耐性化処理を熱処理により行うことができる。
【0034】
本発明に係わる第二樹脂層は、樹脂付き開口基板を作製した後の工程の処理液に対して、耐性を持たせた樹脂である必要がある。必要な場合には、露光や熱処理等の耐性化処理を施す。
【0035】
本発明に係わるマスク層としては、樹脂層除去液に対して不溶性又は難溶性である樹脂や金属等を使用することができる。樹脂としては、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラールの様なビニルアセタール樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン及びその塩化物、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンイソフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル変性アルキッド樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエステル誘導体等の樹脂が利用できる。汎用性の点から、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等を好適に使用することができる。金属としては、銅やアルミニウム等を使用できる。マスク層は、フィルム形状として、樹脂層と一体化して基板上に形成するようにすれば、工程上、簡便で安定に樹脂層とマスク層の形成ができるので好ましい。前述のドライフィルムフォトレジストを利用した場合には、その支持体フィルムをそのままマスク層とすることができるので好ましい。これらの樹脂は、同じ種類の樹脂であっても、その樹脂に含まれる官能基の種類や量、分子量の違いにより、溶解性は変化する。アルカリ水溶液を樹脂層除去液として使用する場合には、これらの樹脂のうち、アルカリ水溶液に対する溶解性の低い樹脂をマスク層として使用することで、樹脂層除去液に不溶性又は難溶性となる。アルカリ水溶液を樹脂層除去液として使用する場合、マスク層は、酸価が樹脂層の十分の一以下、好ましくは百分の一以下である樹脂を好適に使用することができる。
【0036】
本発明に係わる絶縁性基板としては、紙基材フェノール樹脂やガラス基材エポキシ樹脂の基板、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、液晶高分子フィルム等を使用することができる。導電層としては、銅、銀、金、アルミニウム、ステンレス、42アロイ、ニクロム、タングステン、ITO、導電性高分子、各種金属錯体等を使用することができる。これらの例は「プリント回路技術便覧」(社団法人日本プリント回路工業会編、日刊工業新聞社、1987年)に記載されている。
【0037】
本発明に係わる絶縁性基板に導電層を設ける方法としては、スパッタリング法、蒸着法、無電解メッキ法、電解メッキ法、絶縁性基板に金属箔等の極薄導電層を張り合わせる方法や、導電層を張り合わせた積層板の導電層をエッチング処理によって薄膜とする方法などを単独もしくは組み合わせて用いることができる。絶縁性基板に貫通孔を開けた後に、絶縁性基板の表面及び貫通孔の内壁に導電層を設けることもできるし、また、絶縁性基板表面に導電層をあらかじめ設けた銅張り積層板に、貫通孔をあけ、貫通孔内壁に無電解メッキ及び電解メッキによって導電層を設けてもよい。
【0038】
本発明に用いられる無電解メッキ法、電解メッキ法は、例えば、「プリント回路技術便覧」(社団法人日本プリント回路工業会編、日刊工業新聞社、1987年)に記載されているものを使用することができる。
【0039】
本発明に係わる孔埋め用ペーストを充填する工程では、樹脂層により孔近傍以外の基板表面の領域には孔埋め用ペーストが付着しないようになっているので、孔内に充填が適正になされれば、いずれの孔埋め法、コーティング法を用いることができる。簡便性の点から、孔埋め用ペーストを基板の片面にのせ、スキージで刷り込むことにより貫通孔内に充填させる方法をとることができる。
【0040】
本発明に係わる孔埋め用ペーストは、導電性、絶縁性いずれのものも使用可能である。エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、トリアジン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂など、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂あるいは、それぞれの複合体でもよく、樹脂内にシリカ、アルミナなどの無機フィラーなどを含有させて熱膨張率などを整えたものでも良い。また、導電性樹脂、金、銀、銅などの導電性のある金属フィラーを主とする孔埋め用ペーストを用いても良い。
【0041】
本発明に係わる孔埋め用ペーストを硬化する工程では、露光によって硬化させる光硬化処理、加熱によって硬化させる熱硬化処理等が挙げられる。
【0042】
本発明の係わる硬化した孔埋め用ペーストを研磨する工程では、基板表面から突出した孔埋め用ペーストを削りとって基板を平滑にすることができればいずれの研磨方法も使用できるが、生産性、均一性の点からバフ研磨機が好適に利用できる。
【0043】
本発明に係わる研磨後のメッキ方法として、無電解メッキ処理及び電解メッキ処理を用いることができる。また、メッキに先立ってデスミア処理を行っても良い。また無電解メッキ処理のかわりにダイレクトプレーティングを行っても良い。
【0044】
本発明の蓋メッキ方法において、樹脂層を除去する方法としては、高pHのアルカリ性水溶液、有機溶剤等で除去する方法が挙げられる。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、メタ珪酸ナトリウム等を含む強アルカリ水溶液、アルコール、ケトン等の有機溶剤を挙げることができる。
【実施例】
【0045】
以下実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0046】
実施例1
200×200×0.1mmのガラス布エポキシ基材に銅箔12μm厚を積層させた銅張り積層板を用い、ドリルで0.10mmの径の貫通孔を複数形成し、無電解銅メッキ処理を実施し、表面および貫通孔内壁に約0.5μm厚の無電解銅メッキ層を形成した。その後、電解銅メッキ処理を実施し、孔内壁及び銅張り積層板の銅上に厚み約12μmの電解銅メッキ層を形成し、貫通孔内及び表面に導電層を有した絶縁性基板を準備した。
【0047】
続いて、ドライフィルムフォトレジスト用ラミネータを用いて、25μmの光架橋性樹脂層及び12μmのマスク層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)よりなる、回路形成用ドライフィルムフォトレジストを基板の片面(第一面)に熱圧着し、第一樹脂層(光架橋性樹脂層)及びマスク層(支持体フィルム)を設けた。
【0048】
次に、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)の第一樹脂層除去液を用いて、基板の第二面側よりスプレー圧0.2MPaでシャワースプレーを50秒間当てて、第一面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第一樹脂層を溶解除去した。貫通孔及び貫通孔周辺部を光学顕微鏡で観察したところ、貫通孔周辺部の第一樹脂層は、貫通孔と位置ずれなく同心円状に除去されていた。貫通孔周辺部の銅の露出部の外径は110μmであった。
【0049】
次に、第一面の第一樹脂層に、焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機製)を用いて、45秒間、全面露光を行って、全面を光架橋硬化させることで、続く第二樹脂層除去液に対する耐性化処理を行った。
【0050】
次いで、露光処理が終了した基板の第一面のマスク層を剥がして除去した。第二面に、ドライフィルムフォトレジスト用ラミネータを用いて、第一面に使用したものと同様の回路形成用ドライフィルムフォトレジストを熱圧着して、第二樹脂層及びマスク層を設けた。
【0051】
次に、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)の第二樹脂層除去液を用いて、基板の第一面側よりスプレー圧0.2MPaでシャワースプレーを50秒間当てて、第二面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第二樹脂層を溶解除去した。その後、第二面のマスク層の除去を行い、樹脂付き開口基板を作製した。第二面の貫通孔及び貫通孔周辺部を光学顕微鏡で観察したところ、貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層は、貫通孔と位置ずれなく同心円状に除去されていた。貫通孔周辺部の銅の露出部の外径は、110μmであった。
【0052】
その後、第二樹脂層にも第一樹脂層と同様にして全面露光を行った。次に、絶縁性の孔埋め用ペーストを基板表面(第一面)に載せ、ウレタンスキージで掻き取ることで、貫通孔内へ孔埋め用ペーストを充填させた。孔埋め用ペーストの充填状況を観察したところ、充填不良は見られず、また充填後の高さ(貫通孔部から、基板と垂直方向にはみ出た高さ)も均一であった。その後、熱硬化処理を行い、孔埋め用ペーストを硬化させた。
【0053】
次に、第一樹脂層及び第二樹脂層の除去を行った。続いて、両面にバフ研磨処理を行い、孔部分の孔埋め用ペーストの表面平滑化を行った。次に、無電解銅メッキ及び電解銅メッキを行い、孔埋め用ペースト部分及び基板表面に12μmの銅メッキ層を形成させた。メッキ後の基板表面を観察したところ、孔埋めされた貫通孔部分も平滑に仕上がっていた。
【0054】
実施例2
200×200×0.2mmのガラス布エポキシ基材に銅箔12μm厚を積層させた銅張り積層板を用い、ドリルで0.10mmの径の貫通孔を複数形成し、無電解銅メッキ処理を実施し、表面および貫通孔内壁に約0.5μm厚の無電解銅メッキ層を形成した。その後、電解銅メッキ処理を実施し、孔内壁及び銅張り積層板の銅上に厚み約12μmの電解銅メッキ層を形成し、貫通孔内及び表面に導電層を有した絶縁性基板を準備した。
【0055】
続いて、ドライフィルムフォトレジスト用ラミネータを用いて、25μmの光架橋性樹脂層及び12μmのマスク層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)よりなる、回路形成用ドライフィルムフォトレジストを基板の片面(第一面)に熱圧着し、第一樹脂層(光架橋性樹脂層)及びマスク層(支持体フィルム)を設けた。
【0056】
次に、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)の第一樹脂層除去液を用いて、基板の第二面側よりスプレー圧0.2MPaでシャワースプレーを80秒間当てて、第一面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層を溶解除去した。貫通孔及び貫通孔周辺部を光学顕微鏡で観察したところ、貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層は、貫通孔と位置ずれなく同心円状に除去されていた。貫通孔周辺部の銅の露出部の外径は110μmであった。次に第一面のマスク層を剥がして除去した。
【0057】
次に、第一面の第一樹脂層に、焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機製)を用いて、45秒間、全面露光を行って、全面を光架橋硬化させることで、続く第二樹脂層除去液に対する耐性化処理を行った。
【0058】
次いで、露光処理が終了した基板の第二面に、ドライフィルムフォトレジスト用ラミネータを用いて、第一面に使用したものと同様の回路形成用ドライフィルムフォトレジストを熱圧着して、第二樹脂層及びマスク層を設けた。
【0059】
次に、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)の除去液を用いて、基板の第一面側よりスプレー圧0.2MPaでシャワースプレーを50秒間当てて、第二面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第二樹脂層を溶解除去した。その後、第二面のマスク層の除去を行い、樹脂付き開口基板を作製した。第二面の貫通孔及び貫通孔周辺部を光学顕微鏡で観察したところ、貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層は、貫通孔と位置ずれなく同心円状に除去されていた。貫通孔周辺部の銅の露出部の外径は、110μmであった。
【0060】
その後、第二樹脂層にも第一樹脂層と同様にして全面露光を行った。次に、絶縁性の孔埋め用ペーストを基板表面(第一面)に載せ、ウレタンスキージで掻き取ることで、貫通孔内へ孔埋め用ペーストを充填させた。孔埋め用ペーストの充填状況を観察したところ、充填不良は見られず、また充填後の高さ(貫通孔部から、基板と垂直方向にはみ出た高さ)も均一であった。
【0061】
その後、熱硬化処理を行い、孔埋め用ペーストを硬化させた。次に、第一樹脂層及び第二樹脂層の除去を行った。続いて、両面にバフ研磨処理を行い、孔部分の孔埋め用ペーストの表面平滑化を行った。次に、無電解銅メッキ及び電解銅メッキを行い、貫通孔部分を含む基板表面に12μmの銅メッキ層を形成させた。メッキ後の基板表面を観察したところ、孔埋めされた貫通孔部分も平滑に仕上がっていた。
【0062】
実施例3
実施例1において、第二面の露光処理終了後に第一面のマスク層をすぐ剥がさずに、その後、第二面に第二樹脂層及びマスク層を設けた後に第一面のマスク層の除去を行った以外は、実施例1と同様にして蓋メッキ層を形成させた。メッキ後の基板表面を観察したところ、孔埋めされた貫通孔部分も平滑に仕上がっていた。
【0063】
実施例4
実施例1において、第二樹脂層及びマスク層の形成の際に、回路形成用ドライフィルムフォトレジストを熱圧着するのではなく、マスク層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)にアルカリ可溶性樹脂層(アクリル酸ブチルとメタクリル酸の質量比70対30の分子量2万の共重合体)を塗布して形成したフィルムを熱圧着して第二樹脂層及びマスク層を形成し、また、第二樹脂層の全面露光を行わないようにした以外は、実施例1と同様にして蓋メッキ層を形成させた。メッキ後の基板表面を観察したところ、孔埋めされた貫通孔部分も平滑に仕上がっていた。
【0064】
(比較例)
200×200×0.1mmのガラス布エポキシ基材に銅箔12μm厚を積層させた銅張り積層板を用い、ドリルで0.10mmの径の貫通孔を複数形成し、無電解銅メッキ処理を実施し、表面および貫通孔内壁に約0.5μm厚の無電解銅メッキ層を形成した。その後、電解銅メッキ処理を実施し、孔内壁及び銅張り積層板の銅上に厚み約12μmの電解銅メッキ層を形成し、貫通孔内及び表面に導電層を有した絶縁性基板を準備した。
【0065】
続いて、孔部分に対応する位置に開口部を有するスクリーン印刷用版を作製し、基板と位置合わせを行って、基板の貫通孔部分に、このスクリーン印刷用版を用いて、スクリーン印刷によって孔埋め用ペーストを貫通孔へ充填させた。孔埋め用ペーストの充填状況を観察したところ、スクリーン印刷用版との位置ずれに起因すると思われる充填不良及び基板表面へのにじみだしが見られた。また、充填後の高さもばらついていた。
【0066】
その後、熱硬化処理を行い、孔埋め用ペーストを硬化させた。続いて、両面にバフ研磨処理を行い、孔部分の孔埋め用ペーストの表面平滑化を行った。過剰充填の箇所や基板表面へにじみだした孔埋め用ペーストがあるため、研磨処理には、実施例1と比べ、倍以上の時間を要した。次に、無電解銅メッキ及び電解銅メッキを行い、貫通孔部分を含む基板表面に12μmの銅メッキ層を形成させた。メッキ後の基板表面を観察した所、充填不良の箇所には凹みが見られた。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の方法における一工程を示す断面図。
【図2】本発明の方法における図1に続く工程を示す断面図。
【図3】本発明の方法における図2に続く工程を示す断面図。
【図4】本発明の方法における図3に続く工程を示す断面図。
【図5】本発明の方法における図4に続く工程を示す断面図。
【図6】本発明の方法における図5に続く工程を示す断面図。
【図7】本発明の方法における図6に続く工程を示す断面図。
【図8】本発明の方法における図7に続く工程を示す断面図。
【図9】本発明の方法における図8に続く工程を示す断面図。
【図10】本発明の方法における図9に続く工程を示す断面図。
【図11】本発明の方法における図10に続く工程を示す断面図。
【図12】本発明の方法における図11に続く工程を示す断面図。
【図13】多層回路基板の一例を示す概略断面図。
【符号の説明】
【0068】
1 絶縁性基板
2 導電層
3 貫通孔
6 第一樹脂層上のマスク層
7 第二樹脂層上のマスク層
12 導電層
13 孔埋め用ペースト
14 蓋メッキ
17 貫通孔
21 第一樹脂層
22 第二樹脂層
31 スルーホール(貫通孔)
32 バイアホール
33 インタースティシャルバイアホール
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層プリント配線板の製造に利用される蓋メッキ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器の小型、多機能化に伴い、回路基板も高密度化や配線パターンの微細化が進められており、そのような条件を達成する手段としては、回路基板の多層化が挙げられる。図13で示したように、複数の配線層を積層して形成した回路基板は、一般にスルーホール(貫通孔)31、バイアホール32、インタースティシャルバイアホール33と呼ばれる、内壁を導電層で被覆したあるいは充填した貫通孔、非貫通孔(以下、孔)といった細孔を通じて各層間の導通が行われている。
【0003】
図13のような多層基板では、内層板同士もしくは内層板と銅箔とを、層間絶縁材を介して積層し、熱プレスを行って多層化をはかっていく。この際、内層板に貫通孔があると層間絶縁材が熱プレス時に孔内に流れ込み、その結果、孔部分の層間絶縁層が薄化する現象が発生する。特に層数が多く、孔数が多い場合には、この層間絶縁材の孔内への流入に起因する凹凸は大きなものとなり、最外層の回路形成を行う段階で、しばしば、凹凸に起因するドライフィルムレジストの密着不良や、密着露光時の密着不良による解像性悪化等の問題を引き起こすことがあった。また、層間絶縁層の厚みのムラは層間接続の信頼性を損なう原因にもなっていた。
【0004】
また、回路設計を行う際に、外層から内層への接続を行う場合、内層板の孔上には銅層がないため、回路形成を行う場合には、その部分は配線や層間接続には使えないエリアとなっており、孔数が多くなるほど、設計上の自由度は減ってしまい、より微細な配線が求められて歩留まりが低下したり、または、層数が増加することでコスト高や基板の薄化が難しい状況を招いていた。
【0005】
これらの問題を解決するものとして、内層板の貫通孔の孔埋めを行い、その後、孔上にメッキを行う、蓋メッキ法が行われるようになってきている(例えば、特許文献1〜2参照)。これらの蓋メッキ法では、孔埋め用ペーストを充填、硬化、研磨後に、貫通孔部を含む基板表面をいかに平滑に仕上げるかが重要となる。孔埋め用ペーストの充填不良が発生し、基板表面の平滑性が損なわれる場合には、上述のような凹凸に起因する問題が発生する可能性が高まってしまう。
【0006】
蓋メッキ法において、孔埋め用ペーストを孔内に充填する方法として、基板上にペーストを乗せ、スキージで掻き取ることで、孔内に孔埋め用ペーストを充填する方法がある。この方法は簡便ではあるが、孔埋め用ペーストの表面が基板の表面と面一もしくは孔の中へ押し込まれる形となってしまう。このような状態であると、その後の孔埋め用ペーストの硬化処理時に孔埋め用ペーストが収縮し、孔上の面が基板表面よりも凹む現象が発生し、平滑性が悪化する問題がある。また、孔埋め用ペーストを掻き取っても、孔近傍以外の基板表面にも若干量孔埋め用ペーストが残ることとなり、それらを硬化後に研磨する必要があり、孔部のペーストの研磨よりもかなりの負担がかかり、問題となっていた。
【0007】
また、他の充填方法として、スクリーン印刷で孔の位置のみに孔埋め用ペーストを充填印刷する方法がある。この方法では、孔近傍以外の基板表面に孔埋め用ペーストが残る問題は改善されるが、スクリーン印刷用版を新たに設計及び製版する必要があり、かなりの手間となっていた。また、スクリーン印刷を行う際にも、基板の孔の位置とスクリーン印刷用版の位置を精度良く合わせなければ、孔埋め用ペーストの充填印刷位置が基板の孔位置とずれてしまい、充填不良や、基板表面への孔埋め用ペーストのにじみ出し等の問題を引き起こしてしまう。この基板の孔の位置とスクリーン印刷用版の位置との位置合わせは完全に精度良く行うことは難しく、この位置ずれによる欠陥も問題となっていた。特にパターンがファインになればなるほど、この位置合わせは難しいものとなる。
【0008】
また、スクリーン印刷用版を用いたスクリーン印刷の方法で孔埋め用ペーストを充填すると、孔内の体積以上の孔埋め用ペーストを供給し貫通孔上に多めに盛ることができるため、熱硬化の際の収縮による凹みは回避できる。ただし、逆に過剰供給や、スクリーン印刷用版からの孔埋め用ペーストの抜け性のばらつきによる供給量のばらつき、すなわち貫通孔上の盛り高さ(孔埋め用ペーストの充填高さ)もばらついてしまい、その後の研磨処理への負荷が大きいものとなっていた。
【特許文献1】特開2002−57441号公報
【特許文献2】特開2001−144420号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、多層プリント配線板の製造に利用される蓋メッキ方法に関し、特に、孔埋め用ペーストを適正量、位置ずれやにじみなく充填することができ、研磨処理が容易で、かつ、より平滑な蓋メッキ基板が簡便に得られる蓋メッキ方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、この課題を解決するため研究を行った結果、
(1)(a)貫通孔を有する絶縁性基板の第一面及び第一面とは反対側の第二面並びに貫通孔内壁に導電層を有する絶縁性基板を準備する工程、
(b)第一面に第一樹脂層及びマスク層を形成して、第一面の導電層及び貫通孔開口部を第一樹脂層及びマスク層で覆う工程、
(c)第二面より第一樹脂層除去液を供給して、第一面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第一樹脂層を除去し、第一面の貫通孔周辺部の導電層を露出する工程、
(d)第一面の樹脂層に第二樹脂層除去液に対する耐性化処理を施す工程、
(e)第一面のマスク層を除去する工程、
(f)第二面に第二樹脂層及びマスク層を形成して、第二面の導電層及び貫通孔開口部を第二樹脂層及びマスク層で覆う工程、
(g)第一面より第二樹脂層除去液を供給して、第二面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第二樹脂層を除去し、第二面の貫通孔周辺部の導電層を露出する工程、
(h)第二面のマスク層を除去する工程、
(i)貫通孔に孔埋め用ペーストを充填する工程、
(j)孔埋め用ペーストを硬化させる工程、
(k)硬化した孔埋め用ペーストを研磨する工程、
(l)第一面及び第二面の少なくとも孔上にメッキを行う工程、
を含む蓋メッキ方法、を見出した。
【0011】
(2)また、(1)において、第一樹脂層が光架橋性樹脂であり、耐性化処理が露光処理である蓋メッキ方法、を見出した。
【0012】
(3)また、上記(1)において、(e)工程を(d)工程の前に行う蓋メッキ方法、を見出した。
【0013】
(4)また、上記(1)において、(e)工程を(f)工程の後に行う蓋メッキ方法、を見出した。
【発明の効果】
【0014】
本発明の蓋メッキ方法(1)においては、貫通孔を有する絶縁性基板の第一面及び第一面とは反対側の第二面並びに貫通孔内壁に導電層を有する絶縁性基板を準備する。続いて、第一面に第一樹脂層及びマスク層を形成して、第一面の導電層及び貫通孔開口部を第一樹脂層及びマスク層で覆う。次に、第二面より第一樹脂層除去液を供給して、第一面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第一樹脂層を除去し、第一面の貫通孔周辺部の導電層を露出する。
【0015】
これにより、位置合わせ不要で、精度良く、貫通孔及び貫通孔周辺部の導電層を露出させることができる。また、第一樹脂層除去液による除去条件を制御することで、貫通孔上及び貫通孔周辺部の第一樹脂層の除去状況を制御することが可能となり、貫通孔周辺部の導電層の露出幅を所望の値に合わせ込んで開口させることができる。
【0016】
その後、第一面の第一樹脂層に第二樹脂層除去液に対する耐性化処理を施す。これにより、後に処理を行う第二樹脂層除去液に対して、第一面の第一樹脂層が影響を受けないようにし、すでに形成された良好な開口状況を維持できる。その後、第一面のマスク層を除去し、第二面に第二樹脂層及びマスク層を形成して、第二面の導電層及び貫通孔開口部を第二樹脂層及びマスク層で覆う。
【0017】
続いて、第一面より第二樹脂層除去液を供給して、第二面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第二樹脂層を除去し、第二面の貫通孔周辺部の導電層を露出する。これにより、既に形成された第一面の第一樹脂層の良好な開口状況に影響を与えずに、第二面においても、位置合わせ不要で、精度良く、貫通孔及び貫通孔周辺部の導電層を露出させることができる。また、第二樹脂層除去液による除去条件を制御することで、貫通孔上及び貫通孔周辺部の第二樹脂層の除去状況を制御することが可能となり、貫通孔周辺部の導電層の露出幅を所望の値に合わせ込んで開口させることができる。
【0018】
その後、第二面のマスク層を除去して、貫通孔内及び第一面及び第二面の貫通孔周辺部の樹脂層を除去して開口させた基板(以下、樹脂付き開口基板と呼ぶ)が作製される。
この状態で、孔埋めを行うことにより、孔内のみに孔埋め用ペーストの充填がなされる。孔近傍以外の基板表面は、第一樹脂層及び第二樹脂層により覆われているため、孔近傍以外の基板表面に孔埋め用ペーストが付着することはない。
【0019】
また、この後、孔埋め用ペーストの硬化処理を行うが、孔埋め用ペーストの硬化後の体積収縮を考慮して、第一樹脂層及び第二樹脂層の厚み及び貫通孔周辺部の露出幅を調整し、ペーストの量を適正にコントロールして充填することが可能となる。
【0020】
硬化後に孔埋め用ペーストの研磨を行うが、孔近傍以外の基板表面にはペーストは付着しておらず、孔部のみにペーストが充填されている状態なので、孔部の余剰のペースト量だけ研磨すれば良いので、簡便に研磨を行うことができ、容易に平滑な基板が得られる。研磨によって平滑化された基板の孔部分にメッキを行い、平滑な蓋メッキがなされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の蓋メッキ方法について詳細に説明する。
【0022】
本発明の蓋メッキ方法(1)では、まず、図1に示すような貫通孔を有する絶縁性基板1の第一面及び第一面とは反対側の第二面並びに貫通孔内壁に導電層12を有する絶縁性基板を準備する。続いて、第一面に第一樹脂層21及びマスク層6を形成して、第一面の導電層12及び貫通孔開口部を第一樹脂層21及びマスク層6で覆う(図2)。その後、第一面とは反対の面(第二面)から供給する第一樹脂層除去液により、第一面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第一樹脂層21を除去する(図3)。その後、第一樹脂層21に耐性化処理を施し、続く第二樹脂層除去液に対する耐性を付与する(図4)。
【0023】
第一面に施したのと同様な方法で、第二面にも第二樹脂層22及びマスク層7を形成する(図5)。第一面のマスク層6を除去した後(図6)、第一面より第二樹脂層除去液を供給するようにし、貫通孔を通して、第二面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第二樹脂層22を溶解除去する(図7)。その後、洗浄、乾燥をした後、第二面のマスク層7の除去を行う(図8)。その後、貫通孔に孔埋め用ペースト13の充填を行う(図9)。続いて、孔埋め用ペースト13を硬化させ(図10)、必要なら、第一樹脂層21及び第二樹脂層22の除去を行い、硬化した孔埋め用ペースト13を研磨し平滑化させた後(図11)、メッキを行い貫通孔上に蓋メッキ14を施す(図12)。
【0024】
本発明の蓋メッキ方法(2)においては、第一樹脂層を光架橋性樹脂とし、耐性化処理を露光処理とすることで、既存の設備を活用して回路基板の製造ができる。
【0025】
本発明の蓋メッキ方法(3)においては、第一面のマスク層を第一樹脂層の耐性化処理を施す前に除去する。これにより、第一樹脂層の除去工程後の貫通孔内の洗浄や乾燥等の処理を、貫通孔の両側がふさがっていない状態で行うことができ、効率良く処理を行うことができる。また、マスク層の材質に影響をされずに、耐性化処理の条件を設定できるという効果も有する。
【0026】
本発明の蓋メッキ方法(4)においては、第一面のマスク層の除去を、第二面の第二樹脂層及びマスク層の形成の後に行う。これにより、第二面に第二樹脂層及びマスク層を形成する際に、第一面に接触による傷や異物付着等の可能性があるような場合には、第一面のマスク層が保護の役割も果たすことになる。
【0027】
本発明に係わる第一樹脂層及び第二樹脂層(以下、合わせて「樹脂層」と呼ぶ)としては、それぞれ第一樹脂層除去液及び第二樹脂層除去液(以下、合わせて「樹脂層除去液」と呼ぶ)により溶解除去可能な樹脂であれば特に限定されない。アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラール等のビニルアセタール樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン及びその塩化物、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンイソフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル変性アルキッド樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエステル誘導体等の樹脂が利用できる。また、次に述べる光架橋性樹脂も樹脂層として利用することができる。これらの樹脂は、同じ種類の樹脂であっても、その樹脂に含まれる官能基の種類や量、分子量の違いにより、溶解性は変化する。
【0028】
本発明において、樹脂層として利用できる光架橋性樹脂としては、例えば、回路基板製造用の光架橋型ドライフィルムフォトレジストが挙げられる。以下に例を挙げるが、本発明の趣旨と異ならない限り何れの光架橋性樹脂層であっても適用可能である。例えば、カルボン酸基を含むバインダーポリマー、光重合性の多官能モノマー、光重合開始剤、溶剤、その他添加剤からなるネガ型の感光性樹脂組成物が使用できる。それらの配合比率は、感度、解像度、硬度等の要求される性質に合わせて決定される。これらの例は「フォトポリマーハンドブック」(フォトポリマー懇話会編、(株)工業調査会、1989年)や「フォトポリマー・テクノロジー」(山本亜夫、永松元太郎編、日刊工業新聞社、1988年)等に記載されている。市販品としては、例えばデュポンMRCドライフィルム株式会社のリストン、日立化成工業株式会社のフォテック、旭化成エレクトロニクス株式会社のサンフォート等を使用することができる。市販品は、光架橋性樹脂フィルムが、ポリエステルフィルム等の支持体フィルムとポリエチレンフィルム等の保護フィルムとで挟まれた状態となっている。
【0029】
本発明に係わる樹脂層除去液としては、樹脂層を溶解もしくは分散可能な液であれば使用可能であり、使用する樹脂層の組成に見合った液を用いる。樹脂層除去液の供給方法としては、基板の片側から貫通孔を通して供給し、反対面の樹脂層に樹脂層除去液が接触するようにできればよい。ディップ処理装置、両面シャワースプレー装置、片面シャワースプレー装置等を利用することができる。樹脂層を除去するための処理条件(温度、スプレー圧力(スプレーの場合)、時間等)は適宜調整され、貫通孔周辺部の樹脂層の除去量(露出幅)をコントロールできる。
【0030】
樹脂層として、市販のドライフィルムフォトレジストを利用した場合には、一般的にはアルカリ水溶液が有用に使用され、例えばケイ酸アルカリ金属塩、アルカリ金属水酸化物、リン酸および炭酸アルカリ金属塩、リン酸および炭酸アンモニウム塩等の無機塩基性化合物の水溶液、エタノールアミン類、エチレンジアミン、プロパンジアミン類、トリエチレンテトラミン、モルホリン等の有機塩基性化合物等を用いることができる。
【0031】
アルカリ水溶液を樹脂層除去液として使用する場合には、アルカリ水溶液に対する溶解性が高い樹脂を樹脂層として使用することで、樹脂層除去液により溶解除去が可能になる。アルカリ水溶液を樹脂層除去液として使用する場合、樹脂層としては酸価が1mgKOH/g以上、より好ましくは10mgKOH/g以上の樹脂を好適に用いることができる。アルカリ水溶液を樹脂層除去液として使用する場合、樹脂層としては、カルボン酸基、メタクリル酸アミド、フェノール性水酸基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホンイミド基、ホスホン酸基を有する単量体を含有する共重合体、及びフェノール樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。具体的な例としては、スチレン/マレイン酸モノアルキルエステル共重合体、メタクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸/メタクリル酸エステル/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/メタクリル酸/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/アクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/メタクリル酸エステル共重合体、安息香酸ビニル/アクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体等のスチレン、アクリル酸アステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルと上記カルボン酸含有単量体との共重合体が挙げられる。これらの樹脂は単独でも、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。また、樹脂層除去液に対する溶解性が確保されていれば、その他の添加剤を添加することもできる。
【0032】
本発明に係わる耐性化処理は、第二樹脂層除去液に対して不溶もしくは難溶となるような状態に変化させる処理であれば、いずれの処理も可能である。露光や熱処理による硬化処理がその簡便さから好適に用いられる。第一樹脂層としては、光架橋性樹脂及び熱硬化性樹脂をそれぞれの場合用いる。
【0033】
樹脂層除去液としてアルカリ水溶液を用いる場合には、第一樹脂層にアルカリ可溶性の樹脂を使用するとともに、光架橋性の成分を付与することで、第一樹脂層除去液には溶解し、耐性化処理後には第二樹脂層除去液に不溶もしくは難溶とすることができる。また、エポキシ樹脂等の熱硬化性成分を付与することで、耐性化処理を熱処理により行うことができる。
【0034】
本発明に係わる第二樹脂層は、樹脂付き開口基板を作製した後の工程の処理液に対して、耐性を持たせた樹脂である必要がある。必要な場合には、露光や熱処理等の耐性化処理を施す。
【0035】
本発明に係わるマスク層としては、樹脂層除去液に対して不溶性又は難溶性である樹脂や金属等を使用することができる。樹脂としては、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラールの様なビニルアセタール樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン及びその塩化物、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンイソフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル変性アルキッド樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエステル誘導体等の樹脂が利用できる。汎用性の点から、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等を好適に使用することができる。金属としては、銅やアルミニウム等を使用できる。マスク層は、フィルム形状として、樹脂層と一体化して基板上に形成するようにすれば、工程上、簡便で安定に樹脂層とマスク層の形成ができるので好ましい。前述のドライフィルムフォトレジストを利用した場合には、その支持体フィルムをそのままマスク層とすることができるので好ましい。これらの樹脂は、同じ種類の樹脂であっても、その樹脂に含まれる官能基の種類や量、分子量の違いにより、溶解性は変化する。アルカリ水溶液を樹脂層除去液として使用する場合には、これらの樹脂のうち、アルカリ水溶液に対する溶解性の低い樹脂をマスク層として使用することで、樹脂層除去液に不溶性又は難溶性となる。アルカリ水溶液を樹脂層除去液として使用する場合、マスク層は、酸価が樹脂層の十分の一以下、好ましくは百分の一以下である樹脂を好適に使用することができる。
【0036】
本発明に係わる絶縁性基板としては、紙基材フェノール樹脂やガラス基材エポキシ樹脂の基板、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、液晶高分子フィルム等を使用することができる。導電層としては、銅、銀、金、アルミニウム、ステンレス、42アロイ、ニクロム、タングステン、ITO、導電性高分子、各種金属錯体等を使用することができる。これらの例は「プリント回路技術便覧」(社団法人日本プリント回路工業会編、日刊工業新聞社、1987年)に記載されている。
【0037】
本発明に係わる絶縁性基板に導電層を設ける方法としては、スパッタリング法、蒸着法、無電解メッキ法、電解メッキ法、絶縁性基板に金属箔等の極薄導電層を張り合わせる方法や、導電層を張り合わせた積層板の導電層をエッチング処理によって薄膜とする方法などを単独もしくは組み合わせて用いることができる。絶縁性基板に貫通孔を開けた後に、絶縁性基板の表面及び貫通孔の内壁に導電層を設けることもできるし、また、絶縁性基板表面に導電層をあらかじめ設けた銅張り積層板に、貫通孔をあけ、貫通孔内壁に無電解メッキ及び電解メッキによって導電層を設けてもよい。
【0038】
本発明に用いられる無電解メッキ法、電解メッキ法は、例えば、「プリント回路技術便覧」(社団法人日本プリント回路工業会編、日刊工業新聞社、1987年)に記載されているものを使用することができる。
【0039】
本発明に係わる孔埋め用ペーストを充填する工程では、樹脂層により孔近傍以外の基板表面の領域には孔埋め用ペーストが付着しないようになっているので、孔内に充填が適正になされれば、いずれの孔埋め法、コーティング法を用いることができる。簡便性の点から、孔埋め用ペーストを基板の片面にのせ、スキージで刷り込むことにより貫通孔内に充填させる方法をとることができる。
【0040】
本発明に係わる孔埋め用ペーストは、導電性、絶縁性いずれのものも使用可能である。エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、トリアジン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂など、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂あるいは、それぞれの複合体でもよく、樹脂内にシリカ、アルミナなどの無機フィラーなどを含有させて熱膨張率などを整えたものでも良い。また、導電性樹脂、金、銀、銅などの導電性のある金属フィラーを主とする孔埋め用ペーストを用いても良い。
【0041】
本発明に係わる孔埋め用ペーストを硬化する工程では、露光によって硬化させる光硬化処理、加熱によって硬化させる熱硬化処理等が挙げられる。
【0042】
本発明の係わる硬化した孔埋め用ペーストを研磨する工程では、基板表面から突出した孔埋め用ペーストを削りとって基板を平滑にすることができればいずれの研磨方法も使用できるが、生産性、均一性の点からバフ研磨機が好適に利用できる。
【0043】
本発明に係わる研磨後のメッキ方法として、無電解メッキ処理及び電解メッキ処理を用いることができる。また、メッキに先立ってデスミア処理を行っても良い。また無電解メッキ処理のかわりにダイレクトプレーティングを行っても良い。
【0044】
本発明の蓋メッキ方法において、樹脂層を除去する方法としては、高pHのアルカリ性水溶液、有機溶剤等で除去する方法が挙げられる。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、メタ珪酸ナトリウム等を含む強アルカリ水溶液、アルコール、ケトン等の有機溶剤を挙げることができる。
【実施例】
【0045】
以下実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0046】
実施例1
200×200×0.1mmのガラス布エポキシ基材に銅箔12μm厚を積層させた銅張り積層板を用い、ドリルで0.10mmの径の貫通孔を複数形成し、無電解銅メッキ処理を実施し、表面および貫通孔内壁に約0.5μm厚の無電解銅メッキ層を形成した。その後、電解銅メッキ処理を実施し、孔内壁及び銅張り積層板の銅上に厚み約12μmの電解銅メッキ層を形成し、貫通孔内及び表面に導電層を有した絶縁性基板を準備した。
【0047】
続いて、ドライフィルムフォトレジスト用ラミネータを用いて、25μmの光架橋性樹脂層及び12μmのマスク層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)よりなる、回路形成用ドライフィルムフォトレジストを基板の片面(第一面)に熱圧着し、第一樹脂層(光架橋性樹脂層)及びマスク層(支持体フィルム)を設けた。
【0048】
次に、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)の第一樹脂層除去液を用いて、基板の第二面側よりスプレー圧0.2MPaでシャワースプレーを50秒間当てて、第一面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第一樹脂層を溶解除去した。貫通孔及び貫通孔周辺部を光学顕微鏡で観察したところ、貫通孔周辺部の第一樹脂層は、貫通孔と位置ずれなく同心円状に除去されていた。貫通孔周辺部の銅の露出部の外径は110μmであった。
【0049】
次に、第一面の第一樹脂層に、焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機製)を用いて、45秒間、全面露光を行って、全面を光架橋硬化させることで、続く第二樹脂層除去液に対する耐性化処理を行った。
【0050】
次いで、露光処理が終了した基板の第一面のマスク層を剥がして除去した。第二面に、ドライフィルムフォトレジスト用ラミネータを用いて、第一面に使用したものと同様の回路形成用ドライフィルムフォトレジストを熱圧着して、第二樹脂層及びマスク層を設けた。
【0051】
次に、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)の第二樹脂層除去液を用いて、基板の第一面側よりスプレー圧0.2MPaでシャワースプレーを50秒間当てて、第二面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第二樹脂層を溶解除去した。その後、第二面のマスク層の除去を行い、樹脂付き開口基板を作製した。第二面の貫通孔及び貫通孔周辺部を光学顕微鏡で観察したところ、貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層は、貫通孔と位置ずれなく同心円状に除去されていた。貫通孔周辺部の銅の露出部の外径は、110μmであった。
【0052】
その後、第二樹脂層にも第一樹脂層と同様にして全面露光を行った。次に、絶縁性の孔埋め用ペーストを基板表面(第一面)に載せ、ウレタンスキージで掻き取ることで、貫通孔内へ孔埋め用ペーストを充填させた。孔埋め用ペーストの充填状況を観察したところ、充填不良は見られず、また充填後の高さ(貫通孔部から、基板と垂直方向にはみ出た高さ)も均一であった。その後、熱硬化処理を行い、孔埋め用ペーストを硬化させた。
【0053】
次に、第一樹脂層及び第二樹脂層の除去を行った。続いて、両面にバフ研磨処理を行い、孔部分の孔埋め用ペーストの表面平滑化を行った。次に、無電解銅メッキ及び電解銅メッキを行い、孔埋め用ペースト部分及び基板表面に12μmの銅メッキ層を形成させた。メッキ後の基板表面を観察したところ、孔埋めされた貫通孔部分も平滑に仕上がっていた。
【0054】
実施例2
200×200×0.2mmのガラス布エポキシ基材に銅箔12μm厚を積層させた銅張り積層板を用い、ドリルで0.10mmの径の貫通孔を複数形成し、無電解銅メッキ処理を実施し、表面および貫通孔内壁に約0.5μm厚の無電解銅メッキ層を形成した。その後、電解銅メッキ処理を実施し、孔内壁及び銅張り積層板の銅上に厚み約12μmの電解銅メッキ層を形成し、貫通孔内及び表面に導電層を有した絶縁性基板を準備した。
【0055】
続いて、ドライフィルムフォトレジスト用ラミネータを用いて、25μmの光架橋性樹脂層及び12μmのマスク層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)よりなる、回路形成用ドライフィルムフォトレジストを基板の片面(第一面)に熱圧着し、第一樹脂層(光架橋性樹脂層)及びマスク層(支持体フィルム)を設けた。
【0056】
次に、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)の第一樹脂層除去液を用いて、基板の第二面側よりスプレー圧0.2MPaでシャワースプレーを80秒間当てて、第一面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層を溶解除去した。貫通孔及び貫通孔周辺部を光学顕微鏡で観察したところ、貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層は、貫通孔と位置ずれなく同心円状に除去されていた。貫通孔周辺部の銅の露出部の外径は110μmであった。次に第一面のマスク層を剥がして除去した。
【0057】
次に、第一面の第一樹脂層に、焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機製)を用いて、45秒間、全面露光を行って、全面を光架橋硬化させることで、続く第二樹脂層除去液に対する耐性化処理を行った。
【0058】
次いで、露光処理が終了した基板の第二面に、ドライフィルムフォトレジスト用ラミネータを用いて、第一面に使用したものと同様の回路形成用ドライフィルムフォトレジストを熱圧着して、第二樹脂層及びマスク層を設けた。
【0059】
次に、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)の除去液を用いて、基板の第一面側よりスプレー圧0.2MPaでシャワースプレーを50秒間当てて、第二面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第二樹脂層を溶解除去した。その後、第二面のマスク層の除去を行い、樹脂付き開口基板を作製した。第二面の貫通孔及び貫通孔周辺部を光学顕微鏡で観察したところ、貫通孔周辺部の光架橋性樹脂層は、貫通孔と位置ずれなく同心円状に除去されていた。貫通孔周辺部の銅の露出部の外径は、110μmであった。
【0060】
その後、第二樹脂層にも第一樹脂層と同様にして全面露光を行った。次に、絶縁性の孔埋め用ペーストを基板表面(第一面)に載せ、ウレタンスキージで掻き取ることで、貫通孔内へ孔埋め用ペーストを充填させた。孔埋め用ペーストの充填状況を観察したところ、充填不良は見られず、また充填後の高さ(貫通孔部から、基板と垂直方向にはみ出た高さ)も均一であった。
【0061】
その後、熱硬化処理を行い、孔埋め用ペーストを硬化させた。次に、第一樹脂層及び第二樹脂層の除去を行った。続いて、両面にバフ研磨処理を行い、孔部分の孔埋め用ペーストの表面平滑化を行った。次に、無電解銅メッキ及び電解銅メッキを行い、貫通孔部分を含む基板表面に12μmの銅メッキ層を形成させた。メッキ後の基板表面を観察したところ、孔埋めされた貫通孔部分も平滑に仕上がっていた。
【0062】
実施例3
実施例1において、第二面の露光処理終了後に第一面のマスク層をすぐ剥がさずに、その後、第二面に第二樹脂層及びマスク層を設けた後に第一面のマスク層の除去を行った以外は、実施例1と同様にして蓋メッキ層を形成させた。メッキ後の基板表面を観察したところ、孔埋めされた貫通孔部分も平滑に仕上がっていた。
【0063】
実施例4
実施例1において、第二樹脂層及びマスク層の形成の際に、回路形成用ドライフィルムフォトレジストを熱圧着するのではなく、マスク層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)にアルカリ可溶性樹脂層(アクリル酸ブチルとメタクリル酸の質量比70対30の分子量2万の共重合体)を塗布して形成したフィルムを熱圧着して第二樹脂層及びマスク層を形成し、また、第二樹脂層の全面露光を行わないようにした以外は、実施例1と同様にして蓋メッキ層を形成させた。メッキ後の基板表面を観察したところ、孔埋めされた貫通孔部分も平滑に仕上がっていた。
【0064】
(比較例)
200×200×0.1mmのガラス布エポキシ基材に銅箔12μm厚を積層させた銅張り積層板を用い、ドリルで0.10mmの径の貫通孔を複数形成し、無電解銅メッキ処理を実施し、表面および貫通孔内壁に約0.5μm厚の無電解銅メッキ層を形成した。その後、電解銅メッキ処理を実施し、孔内壁及び銅張り積層板の銅上に厚み約12μmの電解銅メッキ層を形成し、貫通孔内及び表面に導電層を有した絶縁性基板を準備した。
【0065】
続いて、孔部分に対応する位置に開口部を有するスクリーン印刷用版を作製し、基板と位置合わせを行って、基板の貫通孔部分に、このスクリーン印刷用版を用いて、スクリーン印刷によって孔埋め用ペーストを貫通孔へ充填させた。孔埋め用ペーストの充填状況を観察したところ、スクリーン印刷用版との位置ずれに起因すると思われる充填不良及び基板表面へのにじみだしが見られた。また、充填後の高さもばらついていた。
【0066】
その後、熱硬化処理を行い、孔埋め用ペーストを硬化させた。続いて、両面にバフ研磨処理を行い、孔部分の孔埋め用ペーストの表面平滑化を行った。過剰充填の箇所や基板表面へにじみだした孔埋め用ペーストがあるため、研磨処理には、実施例1と比べ、倍以上の時間を要した。次に、無電解銅メッキ及び電解銅メッキを行い、貫通孔部分を含む基板表面に12μmの銅メッキ層を形成させた。メッキ後の基板表面を観察した所、充填不良の箇所には凹みが見られた。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の方法における一工程を示す断面図。
【図2】本発明の方法における図1に続く工程を示す断面図。
【図3】本発明の方法における図2に続く工程を示す断面図。
【図4】本発明の方法における図3に続く工程を示す断面図。
【図5】本発明の方法における図4に続く工程を示す断面図。
【図6】本発明の方法における図5に続く工程を示す断面図。
【図7】本発明の方法における図6に続く工程を示す断面図。
【図8】本発明の方法における図7に続く工程を示す断面図。
【図9】本発明の方法における図8に続く工程を示す断面図。
【図10】本発明の方法における図9に続く工程を示す断面図。
【図11】本発明の方法における図10に続く工程を示す断面図。
【図12】本発明の方法における図11に続く工程を示す断面図。
【図13】多層回路基板の一例を示す概略断面図。
【符号の説明】
【0068】
1 絶縁性基板
2 導電層
3 貫通孔
6 第一樹脂層上のマスク層
7 第二樹脂層上のマスク層
12 導電層
13 孔埋め用ペースト
14 蓋メッキ
17 貫通孔
21 第一樹脂層
22 第二樹脂層
31 スルーホール(貫通孔)
32 バイアホール
33 インタースティシャルバイアホール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)貫通孔を有する絶縁性基板の第一面及び第一面とは反対側の第二面並びに貫通孔内壁に導電層を有する絶縁性基板を準備する工程、
(b)第一面に第一樹脂層及びマスク層を形成して、第一面の導電層及び貫通孔開口部を第一樹脂層及びマスク層で覆う工程、
(c)第二面より第一樹脂層除去液を供給して、第一面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第一樹脂層を除去し、第一面の貫通孔周辺部の導電層を露出する工程、
(d)第一面の樹脂層に第二樹脂層除去液に対する耐性化処理を施す工程、
(e)第一面のマスク層を除去する工程、
(f)第二面に第二樹脂層及びマスク層を形成して、第二面の導電層及び貫通孔開口部を第二樹脂層及びマスク層で覆う工程、
(g)第一面より第二樹脂層除去液を供給して、第二面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第二樹脂層を除去し、第二面の貫通孔周辺部の導電層を露出する工程、
(h)第二面のマスク層を除去する工程、
(i)貫通孔に孔埋め用ペーストを充填する工程、
(j)孔埋め用ペーストを硬化させる工程、
(k)硬化した孔埋め用ペーストを研磨する工程、
(l)第一面及び第二面の少なくとも孔上にメッキを行う工程、
を含む蓋メッキ方法。
【請求項2】
第一樹脂層が光架橋性樹脂であり、耐性化処理が露光処理であることを特徴とする、請求項1記載の蓋メッキ方法。
【請求項3】
(e)工程を(d)工程の前に行う、請求項1記載の蓋メッキ方法。
【請求項4】
(e)工程を(f)工程の後に行う、請求項1記載の蓋メッキ方法。
【請求項1】
(a)貫通孔を有する絶縁性基板の第一面及び第一面とは反対側の第二面並びに貫通孔内壁に導電層を有する絶縁性基板を準備する工程、
(b)第一面に第一樹脂層及びマスク層を形成して、第一面の導電層及び貫通孔開口部を第一樹脂層及びマスク層で覆う工程、
(c)第二面より第一樹脂層除去液を供給して、第一面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第一樹脂層を除去し、第一面の貫通孔周辺部の導電層を露出する工程、
(d)第一面の樹脂層に第二樹脂層除去液に対する耐性化処理を施す工程、
(e)第一面のマスク層を除去する工程、
(f)第二面に第二樹脂層及びマスク層を形成して、第二面の導電層及び貫通孔開口部を第二樹脂層及びマスク層で覆う工程、
(g)第一面より第二樹脂層除去液を供給して、第二面の貫通孔上及び貫通孔周辺部の第二樹脂層を除去し、第二面の貫通孔周辺部の導電層を露出する工程、
(h)第二面のマスク層を除去する工程、
(i)貫通孔に孔埋め用ペーストを充填する工程、
(j)孔埋め用ペーストを硬化させる工程、
(k)硬化した孔埋め用ペーストを研磨する工程、
(l)第一面及び第二面の少なくとも孔上にメッキを行う工程、
を含む蓋メッキ方法。
【請求項2】
第一樹脂層が光架橋性樹脂であり、耐性化処理が露光処理であることを特徴とする、請求項1記載の蓋メッキ方法。
【請求項3】
(e)工程を(d)工程の前に行う、請求項1記載の蓋メッキ方法。
【請求項4】
(e)工程を(f)工程の後に行う、請求項1記載の蓋メッキ方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−54802(P2009−54802A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−220223(P2007−220223)
【出願日】平成19年8月27日(2007.8.27)
【出願人】(000005980)三菱製紙株式会社 (1,550)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月27日(2007.8.27)
【出願人】(000005980)三菱製紙株式会社 (1,550)
【Fターム(参考)】
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