説明

薄膜トランジスタ及びその製造方法並びにそれを含む表示装置

【課題】薄膜トランジスタの特性を改善し、しかも工程を単純化できる薄膜トランジスタ及びその製造方法並びにそれを含む表示装置を提供する。
【解決手段】薄膜トランジスタは、ゲート電極と、前記ゲート電極と重畳し、第1金属酸化物を含む半導体と、前記ゲート電極と前記半導体との間に位置して、第2金属酸化物を含むゲート絶縁膜と、前記半導体と電気的に接続されるソース電極及びドレイン電極とを有し、前記第1金属酸化物及び前記第2金属酸化物は、一つ以上の金属を共通して含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜トランジスタ及びその製造方法並びにそれを含む表示装置に関し、特に、薄膜トランジスタの特性を改善し、しかも工程を単純化できる薄膜トランジスタ及びその製造方法並びにそれを含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタ(thin film transistor、TFT)は多様な分野に利用されており、特に液晶表示装置(liquid crystal display、LCD)、有機発光表示装置(organic light emitting diode display、OLED display)及び電気泳動表示装置(electrophoretic display)などの平板表示装置でスイッチング及び駆動素子として利用されている。
【0003】
薄膜トランジスタは、走査信号を伝達するゲート線に接続されるゲート電極、画素電極に印加される信号を伝達するデータ線に接続されるソース電極、ソース電極と対向するドレイン電極、ソース電極及びドレイン電極に電気的に接続される半導体、並びにゲート電極と半導体の間を絶縁するゲート絶縁膜を含む。
【0004】
このうちの半導体及びゲート絶縁膜は、薄膜トランジスタの特性を決定する重要な要素である。半導体としてはケイ素(Si)が主に用いられ、ゲート絶縁膜としては酸化ケイ素または酸化窒素などが多く用いられているが、それらは高性能薄膜トランジスタを製作するのに限界があり、製造費用が高く、工程が複雑であるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は上記従来の薄膜トランジスタにおける問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、薄膜トランジスタの特性を改善し、しかも工程を単純化できる薄膜トランジスタ及びその製造方法並びにそれを含む表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明による薄膜トランジスタは、ゲート電極と、前記ゲート電極と重畳し、第1金属酸化物を含む半導体と、前記ゲート電極と前記半導体との間に位置して、第2金属酸化物を含むゲート絶縁膜と、前記半導体と電気的に接続されるソース電極及びドレイン電極とを有し、前記第1金属酸化物及び前記第2金属酸化物は、一つ以上の金属を共通して含むことを特徴とする。
【0007】
前記第1金属酸化物及び前記第2金属酸化物は、インジウム酸化物、亜鉛酸化物、錫酸化物、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、及び亜鉛錫酸化物(ZTO)よりなる群の中から選択される一つを共通して含むことが好ましい。
前記第1金属酸化物及び前記第2金属酸化物の内の少なくとも一つは、それぞれ独立的にセリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、マグネシウム(Mg)、タンタル(Ta)、ランタン(La)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、バナジウム(V)、ニオビウム(Nb)、イットリウム(Y)、及びこれらの組み合わせよりなる群の中から選択される一つをさらに含むことが好ましい。
前記第1金属酸化物及び前記第2金属酸化物の内の少なくとも一つは、それぞれ独立的にセリウムインジウム亜鉛酸化物(Ce−IZO)、ハフニウムインジウム亜鉛酸化物(Hf−IZO)、及びケイ素インジウム亜鉛酸化物(Si−IZO)よりなる群の中から選択される一つを含むことが好ましい。
前記第1金属酸化物は、セリウムインジウム亜鉛酸化物(Ce−IZO)、ハフニウムインジウム亜鉛酸化物(Hf−IZO)、及びケイ素インジウム亜鉛酸化物(Si−IZO)よりなる群の中から選択される一つを含み、前記各々の酸化物のセリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、及びケイ素(Si)は、亜鉛100原子部(atomic parts)に対してそれぞれ、0〜50原子部、0〜80原子部、及び0〜100原子部の含有量で含まれることが好ましい。
前記第2金属酸化物は、セリウムインジウム亜鉛酸化物(Ce−IZO)、ハフニウムインジウム亜鉛酸化物(Hf−IZO)、及びケイ素インジウム亜鉛酸化物(Si−IZO)よりなる群の中から選択される一つを含み、前記選択される酸化物のそれぞれのセリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、及びケイ素(Si)は、亜鉛100原子部に対してそれぞれ、50原子部以上、80原子部以上、及び100原子部以上の含有量で含まれることが好ましい。
前記第1金属酸化物と前記第2金属酸化物に共通して含まれる前記金属は、前記第1金属酸化物と前記第2金属酸化物で互いに異なる含有量で含まれることが好ましい。
前記第1金属酸化物に含まれる前記金属の含有量は、前記第2金属酸化物に含まれる前記金属の含有量より少ないことが好ましい。
前記ゲート電極と前記ゲート絶縁膜との間に無機物質を含む補助層をさらに有することが好ましい。
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明による薄膜トランジスタの製造方法は、ゲート電極を形成する段階と、前記ゲート電極と重畳する位置に半導体を形成する段階と、前記ゲート電極を形成する段階と前記半導体を形成する段階との間にゲート絶縁膜を形成する段階と、前記半導体と電気的に接続するソース電極及びドレイン電極を形成する段階とを有し、前記半導体を形成する段階と前記ゲート絶縁膜を形成する段階のそれぞれは、第1金属酸化物前駆体及び第2金属酸化物前駆体を溶液工程により形成する段階を含み、前記第1金属酸化物前駆体と前記第2金属酸化物前駆体は、一つ以上の金属を共通して含むことを特徴とする。
【0009】
前記第1金属酸化物前駆体及び第2金属酸化物前駆体は、インジウム(In)含有化合物、亜鉛(Zn)含有化合物、錫(Sn)含有化合物、及びこれらの組み合わせよりなる群の中から選択される一つを共通して含むことが好ましい。
前記第1金属酸化物前駆体及び第2金属酸化物前駆体の内の少なくとも一つは、それぞれ独立的にセリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、マグネシウム(Mg)、タンタル(Ta)、ランタン(La)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、バナジウム(V)、ニオビウム(Nb)、イットリウム(Y)、及びこれらの組み合わせよりなる群の中から選択される一つを含有する化合物をさらに含むことが好ましい。
前記第1金属酸化物前駆体は、インジウム(In)含有化合物、亜鉛(Zn)含有化合物、及びセリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、又はケイ素(Si)を含有する化合物を含み、前記セリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、またはケイ素(Si)は、前記亜鉛(Zn)含有化合物の亜鉛100原子部に対してそれぞれ0〜50原子部、0〜80原子部、又は0〜100原子部の含有量で含まれることが好ましい。
前記第2金属酸化物前駆体は、インジウム(In)含有化合物、亜鉛(Zn)含有化合物、及びセリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、又はケイ素(Si)を含有する化合物を含み、前記セリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、又はケイ素(Si)は、前記亜鉛(Zn)含有化合物の亜鉛100原子部に対してそれぞれ50原子部以上、80原子部以上、又は100原子部以上の含有量で含まれることが好ましい。
前記第1金属酸化物と前記第2金属酸化物に共通して含まれる前記金属は、前記第1金属酸化物前駆体と前記第2金属酸化物前駆体で互いに異なる含有量で含まれることが好ましい。
前記第1金属酸化物前駆体に含まれる前記金属の含有量は、前記第2金属酸化物前駆体に含まれる前記金属の含有量より少ないことが好ましい。
前記半導体を形成する段階は、前記第1金属酸化物前駆体を塗布(apply)する段階と、前記第1金属酸化物前駆体を熱処理する段階とを含み、前記ゲート絶縁膜を形成する段階は、前記第2金属酸化物前駆体を塗布(apply)する段階と、前記第2金属酸化物前駆体を熱処理する段階とを含むことが好ましい。
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明による表示装置は、上記の薄膜トランジスタを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る薄膜トランジスタ及びその製造方法並びにそれを含む表示装置によれば、ゲート絶縁膜及び半導体を全て溶液工程により形成することができるので、化学気相蒸着方法またはスパッタリングのような高価の費用及び複雑な工程が要求される方法を使用しなくても、高性能の薄膜トランジスタを製作することができ、薄膜トランジスタの特性を改善し、しかも工程を単純化できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態による薄膜トランジスタを示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態による薄膜トランジスタを示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態による薄膜トランジスタを示す断面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態による薄膜トランジスタを示す断面図である。
【図5】本発明の第5の実施形態による薄膜トランジスタを示す断面図である。
【図6】本発明の実施例によって製造された金属酸化物前駆体から形成されたゲート絶縁膜の絶縁特性を示すグラフである。
【図7】本発明の実施例によって製造された金属酸化物前駆体から形成されたゲート絶縁膜の絶縁特性を示すグラフである。
【図8】本発明の実施例による薄膜トランジスタの電流特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明に係る薄膜トランジスタ及びその製造方法並びにそれを含む表示装置を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0014】
図面において、種々の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書の全体にわたって類似する部分に対しては同一の図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上”にあるという場合、これは他の部分の“すぐ上”にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分の“すぐ上”にあるという場合には、中間に他の部分がないことを意味する。
【0015】
最初に、図1を参照して、本発明の第1の実施形態による薄膜トランジスタについて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による薄膜トランジスタを示す断面図である。
【0016】
図1を参照すると、本実施形態は、ボトムゲート(bottom gate)構造の薄膜トランジスタで、基板110の上にゲート電極124、ゲート絶縁膜140、半導体154、ソース電極173、及びドレイン電極175が順次に形成されている。
【0017】
基板110は、ガラス、高分子、またはシリコンウエハなどとすることができ、ゲート電極124は基板の一方向に沿って延びたゲート線(図示せず)と接続されている。ゲート電極124と重畳する位置に半導体154が形成されており、ゲート電極124と半導体154との間には基板全面を覆うゲート絶縁膜140が形成されている。半導体154の上には電圧の印加時に半導体154と電気的に接続するソース電極173及びドレイン電極175が形成されている。
【0018】
以下、半導体154及びゲート絶縁膜140について説明する。
半導体154は、第1金属酸化物で形成され、ゲート絶縁膜140は第2金属酸化物で形成されている。
【0019】
第1金属酸化物及び第2金属酸化物は、一つ以上の金属を共通して含む。ここで、金属は、金属と半金属を全て含むもので、例えば、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、またはこれらの組み合わせとすることができる。つまり、第1金属酸化物及び第2金属酸化物は、インジウム酸化物、亜鉛酸化物、錫酸化物、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、及び亜鉛錫酸化物(ZTO)よりなる群の中から選択される一つを共通して含むことができる。
【0020】
また、第1金属酸化物及び第2金属酸化物のうちの少なくとも一つは、それぞれ独立的にセリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、マグネシウム(Mg)、タンタル(Ta)、ランタン(La)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、バナジウム(V)、ニオビウム(Nb)、イットリウム(Y)、及びこれらの組み合わせよりなる群の中から選択される一つをさらに含むことができる。これらは、第1金属酸化物及び/または第2金属酸化物に含まれて、しきい電圧などのような薄膜トランジスタ特性を改善することができる。
【0021】
例えば、第1金属酸化物及び第2金属酸化物は、共通的にインジウム(In)と亜鉛(Zn)を含有するインジウム亜鉛酸化物(IZO)とすることができ、ここにセリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、またはケイ素(Si)をそれぞれ独立的に含むセリウムインジウム亜鉛酸化物(Ce−IZO)、ハフニウムインジウム亜鉛酸化物(Hf−IZO)、またはケイ素インジウム亜鉛酸化物(Si−IZO)とすることができる。
【0022】
セリウムインジウム亜鉛酸化物(Ce−IZO)の場合、セリウム(Ce)が亜鉛(Zn)100原子部に対して約0〜50原子部の含有量で含まれる場合、半導体特性を有することができ、セリウム(Ce)が亜鉛(Zn)100原子部に対して約50原子部以上の含有量で含まれる場合、絶縁性を有することができる。
【0023】
ハフニウムインジウム亜鉛酸化物(Hf−IZO)の場合、ハフニウム(Hf)が亜鉛(Zn)100原子部に対して約0〜80原子部の含有量で含まれる場合、半導体特性を有することができ、ハフニウム(Hf)が亜鉛(Zn)100原子部に対して約80原子部以上の含有量で含まれる場合、絶縁性を有することができる。
【0024】
ケイ素インジウム亜鉛酸化物(Si−IZO)の場合、ケイ素(Si)が亜鉛(Zn)100原子部に対して約0〜100原子部の含有量で含まれる場合、半導体特性を有することができ、ケイ素(Si)が亜鉛(Zn)100原子部に対して約100原子部以上の含有量で含まれる場合、絶縁性を有することができる。
【0025】
上記のように、半導体及びゲート絶縁膜は一つ以上の金属を共通的に含む金属酸化物で形成される一方、各金属酸化物の金属元素の比率、酸素分率などを異なるようにして、それぞれ半導体特性及び絶縁特性を有することができる。
この時、半導体及びゲート絶縁膜に共通して含まれる金属の含有量は互いに異なることができる。例えば、半導体及びゲート絶縁膜に共通して含まれる金属の含有量は、半導体に含まれる金属の含有量がゲート絶縁膜に含まれる金属の含有量より少ないことができる。
【0026】
このように、半導体及びゲート絶縁膜を同種系の金属酸化物で形成することによって、半導体とゲート絶縁膜との間の界面(A)における異質性を減少することができ、そのために薄膜トランジスタのチャネル領域で電荷の損失を減らして、薄膜トランジスタの特性を改善することができる。
【0027】
次に、上述した薄膜トランジスタの製造方法について、図1を参照して説明する。
最初に、基板110の上に導電体を積層してフォトエッチングし、ゲート電極124を含むゲート線(図示せず)を形成する。次に、ゲート電極124の上にゲート絶縁膜140及び半導体154を順次に形成し、その上に導電体を積層してフォトエッチングし、ソース電極173及びドレイン電極175を形成する。
【0028】
ここで、ゲート絶縁膜140及び半導体154はそれぞれ金属酸化物前駆体を使用した溶液工程により形成することができる。
この時、半導体形成用金属酸化物前駆体(以下、‘金属酸化物前駆体’という)及びゲート絶縁膜用金属酸化物前駆体(以下、‘金属酸化物前駆体’という)は、一つ以上の金属を共通して含むことができる。
【0029】
第1金属酸化物前駆体及び第2金属酸化物前駆体は、例えば、インジウム(In)含有化合物、亜鉛(Zn)含有化合物、錫(Sn)含有化合物、及びこれらの組み合わせよりなる群の中から選択される一つを共通して含むことができる。
インジウム含有化合物は、インジウム塩、水酸化インジウム、インジウムアルコキシド、及びこれらの水和物よりよりなる群の中から選択される少なくとも一つとすることができるが、これに限定されることではない。
【0030】
塩は、例えば、アセテート(acetate)、カルボニル(carbonyl)、炭酸塩(carbonate)、硝酸塩(nitrate)、硫酸塩(sulfate)、燐酸塩(phosphate)、及び塩化塩(halide)などとすることができる。インジウム含有化合物の例としては、インジウムアセチルアセトネート(indium acetyl acetonate)、酢酸インジウム(indium acetate)、塩化インジウム(indium chloride)、インジウムイソプロポキシド(indium isopropoxide)、及びこれらの水和物を挙げることができる。
【0031】
亜鉛含有化合物は、亜鉛塩、水酸化亜鉛、亜鉛アルコキシド、及びこれらの水和物よりなる群の中から選択される少なくとも一つとすることができるが、これに限定されることではない。亜鉛含有化合物の例としては、酢酸亜鉛(zinc acetate、Zn(CHCOO))、亜鉛硝酸塩(zinc nitrate)、亜鉛アセチルアセトネート(zinc acetylacetonate)、塩化亜鉛(Zinc chloride)、及びこれらの水和物を挙げることができる。
【0032】
錫含有化合物は、錫塩、水酸化錫、錫アルコキシド、及びこれらの水和物よりなる群の中から選択される少なくとも一つとすることができるが、これに限定されることではない。錫含有化合物の例としては、錫アセテート(tin acetate、Sn(CHCOO))、錫硝酸塩(tin nitrate)、錫アセチルアセトネート(tin acetylacetonate)、塩化錫(tin chloride)、及びこれらの水和物を挙げることができる。
【0033】
亜鉛含有化合物、インジウム含有化合物、及び錫含有化合物は、多様に組み合わせて使用することができる。
【0034】
第1金属酸化物前駆体及び第2金属酸化物前駆体は、上述した金属以外に、他の金属または半金属を含む化合物をさらに含むことができる。このような金属または半金属としては、セリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、マグネシウム(Mg)、タンタル(Ta)、ランタン(La)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、バナジウム(V)、ニオビウム(Nb)、イットリウム(Y)、及びこれらの組み合わせがあり、これらを含む化合物は、例えば、ハロゲン化物、アセテート化合物、カルボニル化合物、カーボネート化合物、窒化物化合物、またはアルコキシド化合物などの形態で導入することができる。
【0035】
これらは、金属酸化物前駆体から製造された金属酸化物が薄膜トランジスタに適用された場合、しきい電圧を調節する因子として作用するもので、薄膜トランジスタの特性を改善することができる。
上述した金属含有化合物は、金属酸化物前駆体の総含有量に対してそれぞれ約0.01〜30重量%で含まれることができる。各成分が上記範囲で含まれる場合、溶解度を確保できる。
【0036】
金属酸化物前駆体溶液は、溶液安定化剤をさらに含むことができる。溶液安定化剤は、アルコールアミン化合物、アルキルアンモニウムヒドロキシ化合物、アルキルアミン化合物、ケトン化合物、酸化合物、塩基化合物、及び脱イオン水(deionized water)などよりなる群の中から選択される少なくとも一つを含むことができ、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロピルアミン、N,N−メチルエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジエチレングリコールアミン、2−(アミノエトキシ)エタノール、N−t−ブチルエタノールアミン、N−t−ブチルジエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルアミン、エチルアミン、アセチルアセトン、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、及び水酸化ナトリウムより選択された少なくとも一つを含むことができる。
【0037】
溶液安定化剤は、金属酸化物前駆体溶液に含まれて、他の成分の溶解度を高めることができ、これによって均一の薄膜を形成することができる。溶液安定化剤は、上述した他の成分の種類及び含有量によって含有量が変わり、前駆体溶液の総含有量に対して約0.01〜30重量%で含まれることができる。溶液安定化剤が前記範囲で含まれる場合、溶解度及び薄膜コーティング性を高めることができる。
【0038】
上述した金属含有化合物及び溶液安定化剤は、溶媒に混合されて、金属酸化物前駆体に製造される。この時、金属含有化合物が二つ以上の場合、これらはそれぞれ溶媒に混合された溶液に製造した後、これらを混合することもでき、一つの溶媒に共に混合して製造することも可能である。溶液安定化剤は、各成分の溶液にそれぞれ添加することもでき、各溶液を混合した後に添加することも可能である。例えば、酢酸亜鉛とインジウムアセチルアセトネートをそれぞれの溶媒に混合して、酢酸亜鉛溶液及びインジウムアセチルアセトネート溶液をそれぞれ製造し、これらを混合した後、ここに塩化ハフニウムまたは塩化ハフニウムを含む溶液を添加して、金属酸化物前駆体を製造することができる。
【0039】
ここで、溶媒は、上述した成分を溶解できれば、特に限定されず、例えば、脱イオン水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、酢酸エチル、ブチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエチルエーテル、メチルメトキシプロピオン酸、エチルエトキシプロピオン酸、乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールメチルアセテート、ジエチレングリコール酢酸エチル、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジグライム、テトラハイドロフラン、アセチルアセトン、及びアセトニトリルよりなる群の中から選択される少なくとも一つを含むことができる。
溶媒は、金属前駆体の総含有量に対して、上述した成分を除いた残量で含まれることができる。
【0040】
ゲート絶縁膜を形成する段階は、上述した第2金属酸化物前駆体を基板に適用(形成)した後、これを熱処理して、金属酸化物を含むゲート絶縁膜に形成することができる。
半導体を形成する段階は、上述した第1金属酸化物前駆体をゲート絶縁膜上に適用(形成)した後、これを熱処理して、金属酸化物を含む半導体に形成することができる。
この時、第1金属酸化物前駆体及び第2金属酸化物前駆体を適用(形成)する段階は、上述した金属酸化物前駆体をスピンコーティング、スリットコーティング、インクジェット印刷、噴霧(spray)、または浸漬(dipping)などの方法により基板上に適用(形成)することができる。
【0041】
次に、基板に適用された金属酸化物前駆体を熱処理して金属酸化物に成長させる。熱処理は、比較的低い温度でプリベーク(prebake)して、溶媒を所定程度除去した後に、高温で熱処理を行う。この時、熱処理温度は約300〜600℃とすることができる。
【0042】
このように本実施形態による薄膜トランジスタは、ゲート絶縁膜及び半導体を全て溶液工程により形成することができるので、化学気相蒸着方法またはスパッタリングのような高価の費用及び複雑な工程が要求される方法を使用しなくても、高性能の薄膜トランジスタを製作することができる。
【0043】
以下、図2を参照して、本発明の第2の実施形態による薄膜トランジスタについて説明する。
図2は、本発明の第2の実施形態による薄膜トランジスタを示す断面図である。
図2を参照すると、本実施形態による薄膜トランジスタは、基板110の上にゲート電極124が形成され、ゲート電極124の上に補助層130が形成されている。補助層130の上にはゲート絶縁膜140、半導体154、ソース電極173、及びドレイン電極175が順次に形成されている。
【0044】
本実施形態は、上述した実施形態とは異なって、ゲート絶縁膜140の下部に補助層130をさらに含む。補助層130は、無機絶縁物質で形成することができ、例えば、窒化ケイ素、酸化ケイ素などを挙げることができる。
補助層130は、ゲート電極124による段差を減らして、ゲート絶縁膜140及び半導体154を溶液工程により形成する際に、均一に形成できるようにする。
ゲート絶縁膜140及び半導体154は、上述した実施形態と同様に、一つ以上の金属を共通して含む第1金属酸化物及び第2金属酸化物で形成でき、具体的な内容は上述した実施形態と同一である。
【0045】
以下、図3及び図4を参照して、本発明の第3及び第4の実施形態による薄膜トランジスタについて説明する。
図3及び図4は、それぞれ本発明の第3及び第4の実施形態による薄膜トランジスタを示す断面図である。
【0046】
最初に、図3を参照すると、第3の実施形態による薄膜トランジスタは、基板110の上にゲート電極124、ゲート絶縁膜140、及び半導体154が順次に形成され、半導体154の上にエッチング防止膜(etch stopper)160が形成され、半導体154及びエッチング防止膜160の上にソース電極173及びドレイン電極175が順次に形成されている。
【0047】
本実施形態は、上述した実施形態とは異なって、半導体154の上部にエッチング防止膜160をさらに含む。エッチング防止膜160は、ソース電極173とドレイン電極175との間の半導体154のチャネル領域が損傷することを防止して、薄膜トランジスタ特性が低下することを防止できる。
ゲート絶縁膜140及び半導体154は、上述した実施形態と同様に、一つ以上の金属を共通して含む第1金属酸化物及び第2金属酸化物で形成でき、具体的な内容は上述した実施形態と同一である。
【0048】
次に、図4を参照すると、第4の実施形態による薄膜トランジスタは、基板110の上にゲート電極124、補助層130、ゲート絶縁膜140、半導体154が順次に形成され、半導体154の上にエッチング防止膜160が形成され、半導体154及びエッチング防止膜160の上にソース電極173及びドレイン電極175が順次に形成されている。
【0049】
本実施形態による薄膜トランジスタは、ゲート絶縁膜140の下部に補助層130をさらに含み、半導体154の上部にエッチング防止膜160をさらに含む。したがって、ゲート絶縁膜140及び半導体154を溶液工程により形成する時に、段差を減らし、膜の厚さの均一性を高めることができ、半導体154のチャネル領域が損傷することを防止して、薄膜トランジスタの特性が低下することを防止できる。
ゲート絶縁膜140及び半導体154は、上述した実施形態と同様に、一つ以上の金属を共通して含む第1金属酸化物及び第2金属酸化物で形成することができ、具体的な内容は上述した実施形態と同一である。
【0050】
以下、図5を参照して、本発明の第5の実施形態による薄膜トランジスタについて説明する。
図5は、本発明の第5の実施形態による薄膜トランジスタを示す断面図である。
図5を参照すると、本実施形態は、トップゲート(top gate)構造の薄膜トランジスタで、基板110の上に互いに対向するソース電極173及びドレイン電極175が形成されており、その上にソース電極173及びドレイン電極175と一部重畳する半導体154が形成されている。半導体154の上にゲート絶縁膜140が形成されており、ゲート絶縁膜140の上に半導体154と重畳する位置にゲート電極124が形成されている。
ゲート絶縁膜140及び半導体154は、上述した実施形態と同様に、一つ以上の金属を共通して含む第1金属酸化物及び第2金属酸化物で形成することができ、具体的な内容は上述した実施形態と同一である。
【0051】
上述した多様な実施形態による薄膜トランジスタは、表示装置においてスイッチング素子及び/または駆動素子として用いることができる。ここで、表示装置は、液晶表示装置、有機発光表示装置、電気泳動表示装置、及びこれらと類似する装置を全て含むことができる。
以下、実施例を通じて、本発明についてより詳細に説明する。但し、下記の実施例は単に説明を目的とするものであり、本発明の範囲を制限することではない。
【実施例】
【0052】
[半導体用金属酸化物前駆体の製造]
硝酸インジウム及び酢酸亜鉛を、インジウム(In):亜鉛(Zn)=3:1のモル比となるように2−メトキシエタノールで溶解して約0.2Mの溶液を製造した後、ここに酢酸亜鉛と同一の当量の酢酸及びエタノールアミンを添加して、半導体用金属酸化物前駆体を製造する。
【0053】
[ゲート絶縁膜用金属酸化物前駆体の製造−1]
硝酸インジウム、酢酸亜鉛、及びセリウムエトキシド(Ce ethoxide)を、インジウム(In):亜鉛(Zn):セリウム(Ce)=3:1:0.5のモル比となるように、2−メトキシエタノールで溶解して約0.2Mの溶液を製造した後、ここに酢酸亜鉛と同一の当量の酢酸及びエタノールアミンを添加して、ゲート絶縁膜用金属酸化物前駆体1を製造する。
【0054】
[ゲート絶縁膜用金属酸化物前駆体の製造−2]
硝酸インジウム、酢酸亜鉛、及びセリウムエトキシド(Ce ethoxide)を、インジウム(In):亜鉛(Zn):セリウム(Ce)=3:1:2のモル比となるように、2−メトキシエタノールで溶解して約0.2Mの溶液を製造した後、ここに酢酸亜鉛と同一の当量の酢酸及びエタノールアミンを添加して、ゲート絶縁膜用金属酸化物前駆体2を製造する。
【0055】
[薄膜トランジスタの製作]
ガラス基板上にスパッタリング方法によりモリブデン2000Åを形成した後、フォトエッチングして、ゲート電極を形成する。次に、化学気相蒸着(PECVD)方法により窒化ケイ素を4000Å蒸着した後、その上に上記で製造されたゲート絶縁膜用金属酸化物前駆体2を500〜3000RPMの速度でスピンコーティングする。次に、300℃で30分間1次熱処理して、溶媒を所定程度除去した後に、450℃で3時間2次熱処理して、ゲート絶縁膜を形成する。
【0056】
次に、上記で製造された半導体用金属酸化物前駆体を3000RPMの速度でスピンコーティングした後、300℃で30分間1次熱処理及び450℃で3時間2次熱処理して、半導体膜を形成する。
次に、半導体膜をパターニングした後、その上に化学気相蒸着方法により酸化ケイ素(SiO)を2000Å蒸着し、パターニングして、エッチング防止膜を形成する。次に、スパッタリング方法によりモリブデン2000Åを形成した後、フォトエッチングして、ソース電極及びドレイン電極を形成する。
【0057】
[絶縁特性確認]
上記で製造したゲート絶縁膜用金属酸化物前駆体の絶縁特性を確認するために、シリコンウエハの上に金属酸化物前駆体1及び2をそれぞれ500rpm速度でスピンコーティングして薄膜を形成する。
これについて、図6及び図7を参照して説明する。
【0058】
図6及び図7は、それぞれ本発明の実施例によって製造された金属酸化物前駆体から形成されたゲート絶縁膜の絶縁特性を示すグラフである。
図6及び図7を参照すると、絶縁破壊電界(breakdown field)は1e−6Aを基準として4.5MV/cmであり、一定の電界下で低い電流密度を維持し、キャパシタンス特性も良好で、絶縁特性を示すことが分かる。
【0059】
[薄膜トランジスタ特性]
上記で製作された薄膜トランジスタの電流特性を測定する。
図8は、本発明の実施例による薄膜トランジスタの電流特性を示すグラフである。
図8を参照すると、実施例による薄膜トランジスタは、ターンオン電圧が0.2Vであり、サブスレッショルドスロープ(subthreshold slop)が0.5V/decを示し、Ion/offが1×10以上の高い電流特性を示すことが分かる。これから、実施例による薄膜トランジスタは優れた特性を有することを確認した。
【0060】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0061】
110 基板
124 ゲート電極
130 補助層
140 ゲート絶縁膜
154 半導体
160 エッチング防止膜
173 ソース電極
175 ドレイン電極
A チャネル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート電極と、
前記ゲート電極と重畳し、第1金属酸化物を含む半導体と、
前記ゲート電極と前記半導体との間に位置して、第2金属酸化物を含むゲート絶縁膜と、
前記半導体と電気的に接続されるソース電極及びドレイン電極とを有し、
前記第1金属酸化物及び前記第2金属酸化物は、一つ以上の金属を共通して含むことを特徴とする薄膜トランジスタ。
【請求項2】
前記第1金属酸化物及び前記第2金属酸化物は、インジウム酸化物、亜鉛酸化物、錫酸化物、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、及び亜鉛錫酸化物(ZTO)よりなる群の中から選択される一つを共通して含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項3】
前記第1金属酸化物及び前記第2金属酸化物の内の少なくとも一つは、それぞれ独立的にセリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、マグネシウム(Mg)、タンタル(Ta)、ランタン(La)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、バナジウム(V)、ニオビウム(Nb)、イットリウム(Y)、及びこれらの組み合わせよりなる群の中から選択される一つをさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項4】
前記第1金属酸化物及び前記第2金属酸化物の内の少なくとも一つは、それぞれ独立的にセリウムインジウム亜鉛酸化物(Ce−IZO)、ハフニウムインジウム亜鉛酸化物(Hf−IZO)、及びケイ素インジウム亜鉛酸化物(Si−IZO)よりなる群の中から選択される一つを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項5】
前記第1金属酸化物は、セリウムインジウム亜鉛酸化物(Ce−IZO)、ハフニウムインジウム亜鉛酸化物(Hf−IZO)、及びケイ素インジウム亜鉛酸化物(Si−IZO)よりなる群の中から選択される一つを含み、
前記各々の酸化物のセリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、及びケイ素(Si)は、亜鉛100原子部(atomic parts)に対してそれぞれ、0〜50原子部、0〜80原子部、及び0〜100原子部の含有量で含まれることを特徴とする請求項4に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項6】
前記第2金属酸化物は、セリウムインジウム亜鉛酸化物(Ce−IZO)、ハフニウムインジウム亜鉛酸化物(Hf−IZO)、及びケイ素インジウム亜鉛酸化物(Si−IZO)よりなる群の中から選択される一つを含み、
前記選択される酸化物のそれぞれのセリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、及びケイ素(Si)は、亜鉛100原子部に対してそれぞれ、50原子部以上、80原子部以上、及び100原子部以上の含有量で含まれることを特徴とする請求項4に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項7】
前記第1金属酸化物と前記第2金属酸化物に共通して含まれる前記金属は、前記第1金属酸化物と前記第2金属酸化物で互いに異なる含有量で含まれることを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項8】
前記第1金属酸化物に含まれる前記金属の含有量は、前記第2金属酸化物に含まれる前記金属の含有量より少ないことを特徴とする請求項7に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項9】
前記ゲート電極と前記ゲート絶縁膜との間に無機物質を含む補助層をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項10】
ゲート電極を形成する段階と、
前記ゲート電極と重畳する位置に半導体を形成する段階と、
前記ゲート電極を形成する段階と前記半導体を形成する段階との間にゲート絶縁膜を形成する段階と、
前記半導体と電気的に接続するソース電極及びドレイン電極を形成する段階とを有し、
前記半導体を形成する段階と前記ゲート絶縁膜を形成する段階のそれぞれは、第1金属酸化物前駆体及び第2金属酸化物前駆体を溶液工程により形成する段階を含み、
前記第1金属酸化物前駆体と前記第2金属酸化物前駆体は、一つ以上の金属を共通して含むことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項11】
前記第1金属酸化物前駆体及び第2金属酸化物前駆体は、インジウム(In)含有化合物、亜鉛(Zn)含有化合物、錫(Sn)含有化合物、及びこれらの組み合わせよりなる群の中から選択される一つを共通して含むことを特徴とする請求項10に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項12】
前記第1金属酸化物前駆体及び第2金属酸化物前駆体の内の少なくとも一つは、それぞれ独立的にセリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、マグネシウム(Mg)、タンタル(Ta)、ランタン(La)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、バナジウム(V)、ニオビウム(Nb)、イットリウム(Y)、及びこれらの組み合わせよりなる群の中から選択される一つを含有する化合物をさらに含むことを特徴とする請求項10又は11に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項13】
前記第1金属酸化物前駆体は、インジウム(In)含有化合物、亜鉛(Zn)含有化合物、及びセリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、又はケイ素(Si)を含有する化合物を含み、
前記セリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、またはケイ素(Si)は、前記亜鉛(Zn)含有化合物の亜鉛100原子部に対してそれぞれ0〜50原子部、0〜80原子部、又は0〜100原子部の含有量で含まれることを特徴とする請求項12に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項14】
前記第2金属酸化物前駆体は、インジウム(In)含有化合物、亜鉛(Zn)含有化合物、及びセリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、又はケイ素(Si)を含有する化合物を含み、
前記セリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、又はケイ素(Si)は、前記亜鉛(Zn)含有化合物の亜鉛100原子部に対してそれぞれ50原子部以上、80原子部以上、又は100原子部以上の含有量で含まれることを特徴とする請求項12に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項15】
前記第1金属酸化物と前記第2金属酸化物に共通して含まれる前記金属は、前記第1金属酸化物前駆体と前記第2金属酸化物前駆体で互いに異なる含有量で含まれることを特徴とする請求項10に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項16】
前記第1金属酸化物前駆体に含まれる前記金属の含有量は、前記第2金属酸化物前駆体に含まれる前記金属の含有量より少ないことを特徴とする請求項10に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項17】
前記半導体を形成する段階は、前記第1金属酸化物前駆体を塗布(apply)する段階と、
前記第1金属酸化物前駆体を熱処理する段階とを含み、
前記ゲート絶縁膜を形成する段階は、前記第2金属酸化物前駆体を塗布(apply)する段階と、
前記第2金属酸化物前駆体を熱処理する段階とを含むことを特徴とする請求項10に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
【請求項18】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の薄膜トランジスタを含むことを特徴とする表示装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−199291(P2011−199291A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62603(P2011−62603)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】