表示装置、ドライブレコーダ、表示方法及びプログラム
【課題】ドライブレコーダで記録されたデータの漏洩を防止できる技術を提供する。
【解決手段】データ表示装置においては、ユーザにより設定されたセキュリティコードをハードディスクに記憶するとともに、ドライブレコーダがデータの記録に用いるメモリカードにも記録する。メモリカードのデータを読み取る際に、メモリカードに記録されたセキュリティコードがハードディスクに記憶されたものと一致した場合には、メモリカードに記録されたデータを読み取ってディスプレイに表示可能とする。このため、セキュリティコードを知らなければメモリカードに記録されたデータを表示できないため、ドライブレコーダで記録されたデータの漏洩を有効に防止できる。
【解決手段】データ表示装置においては、ユーザにより設定されたセキュリティコードをハードディスクに記憶するとともに、ドライブレコーダがデータの記録に用いるメモリカードにも記録する。メモリカードのデータを読み取る際に、メモリカードに記録されたセキュリティコードがハードディスクに記憶されたものと一致した場合には、メモリカードに記録されたデータを読み取ってディスプレイに表示可能とする。このため、セキュリティコードを知らなければメモリカードに記録されたデータを表示できないため、ドライブレコーダで記録されたデータの漏洩を有効に防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライブレコーダで可搬性の記録媒体に記録されたデータを取り扱う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に搭載されたカメラにより車両外部や車室内の撮影を常時に行い、事故などのイベントが発生した場合にその発生前後に取得された画像をメモリカードなどの可搬性の記録媒体に記録するドライブレコーダが知られている。また、画像を記録するだけではなく、車両の位置、速度及び加速度などの車両の走行状況を記録媒体に記録したり、イベントとは無関係に一定周期で車両外部や車室内の様子を示す画像を記録媒体に記録するドライブレコーダなども提案されている。
【0003】
近年では、トラック、バス及びタクシーなどの業務用の車両を複数台使用して業務を行う事業者において、ドライブレコーダを業務に使用する全ての車両に搭載することも実施されている。このような事業者においては、各車両のドライブレコーダで取得されたデータが、事故の原因究明、乗務員の運転傾向の分析、及び、乗務員の安全運転指導等に利用される。
【0004】
特許文献1及び2には、車載カメラにより車両の周辺の撮影を常時に行い、事故発生時に取得した画像を記録媒体に記録するドライブレコーダが開示されている。また、特許文献3及び4には、事故発生時における車両の速度などの走行状況を示すデータを記録媒体に記録するドライブレコーダが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭63−16785号公報
【特許文献2】特開平06−237463号公報
【特許文献3】特開平06−331391号公報
【特許文献4】特開平06−186061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ドライブレコーダで各種のデータを記録する記録媒体は可搬性であるため、車両の乗務員などが業務中に記録媒体を紛失してしまう可能性は否定できない。
【0007】
バス及びタクシーなどの旅客運送を目的とした車両にドライブレコーダが設けられる場合には、誰がいつどこからどこまで移動したかなどの乗客のプライバシー情報を把握可能な画像がドライブレコーダにより記録される。このような場合に、ドライブレコーダのデータを記録した記録媒体を紛失してしまうと、記録媒体に記録された画像から乗客のプライバシー情報が漏洩する可能性がある。また、バス及びタクシー以外の車両においても、ドライブレコーダにより秘密とすべき業務上の情報が記録媒体に記録される場合もあり、記録媒体の紛失によるデータの漏洩は問題となる。
【0008】
これに対応するため、ドライブレコーダで記録媒体に記録する画像の形式をJPEGやMPEGなどの一般的な形式ではなく専用の形式とし、専用のアプリケーションのみでしか表示できないようにすることも考えられる。しかしながら、このようにしてもその専用のアプリケーションのプログラムを入手すれば、記録媒体に記録された画像を容易に閲覧できるため、根本的な解決とはならない。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ドライブレコーダで記録されたデータの漏洩を防止できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、ドライブレコーダで可搬性の記録媒体に記録されたデータを表示手段に表示する表示装置であって、前記ドライブレコーダがデータの記録に用いる記録媒体にセキュリティコードを記録するコード記録手段と、前記記録媒体への記録に用いるセキュリティコードと同一のセキュリティコードを記憶する不揮発性の記憶装置と、前記ドライブレコーダでデータが記録済の記録媒体の記録内容からセキュリティコードを取得するコード取得手段と、前記記録媒体から取得されたセキュリティコードと、前記記憶装置に記憶されたセキュリティコードとが一致した場合に、前記記録済の記録媒体に記録されたデータを前記表示手段に表示可能とするコード認証手段と、を備えている。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の表示装置において、前記コード記録手段は、前記セキュリティコードを所定のファイルに記録し、前記コード取得手段は、前記記録媒体の前記所定のファイルから前記セキュリティコードを取得する。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の表示装置において、前記所定のファイルは、前記ドライブレコーダの複数の設定パラメータが記録された設定ファイルである。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項1に記載の表示装置において、前記ドライブレコーダは、前記記録媒体に記録するデータのそれぞれに前記セキュリティコードを埋め込むものであり、前記コード取得手段は、前記記録済の記録媒体における読取対象とするデータから前記セキュリティコードを取得する。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の表示装置において、前記コード記録手段は、前記セキュリティコードを暗号化して前記記録媒体に記録する。
【0015】
また、請求項6の発明は、請求項5に記載の表示装置において、前記コード取得手段は、前記記録済の記録媒体の記録内容から取得した暗号化されたセキュリティコードを復号する。
【0016】
また、請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の表示装置において、セキュリティコードの変更をユーザから受け付け、変更前のセキュリティコードと、変更後のセキュリティコードとの双方を前記記憶装置に記憶する手段、をさらに備え、前記コード認証手段は、前記記録媒体から取得されたセキュリティコードと、前記記憶装置に記憶された変更前のセキュリティコードとが一致した場合にも、前記記録済の記録媒体に記録されたデータを表示可能とする。
【0017】
また、請求項8の発明は、請求項7に記載の表示装置において、前記コード認証手段が前記記録媒体から取得されたセキュリティコードとの比較に用いる変更前のセキュリティコードの数は所定数に制限される。
【0018】
また、請求項9の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の表示装置において、前記記録媒体から取得されたセキュリティコードと、前記記憶装置に記憶されたセキュリティコードとが一致しない場合に、セキュリティコードのユーザによる入力を受け付ける受付手段、をさらに備え、前記コード認証手段は、前記記録媒体から取得されたセキュリティコードと、前記受付手段で入力されたセキュリティコードとが一致した場合にも、前記記録済の記録媒体に記録されたデータを表示可能とする。
【0019】
また、請求項10の発明は、車両に搭載され、該車両の走行に係るデータを可搬性の記録媒体に記録するドライブレコーダであって、セキュリティコードが記録された記録媒体から、前記セキュリティコードを読み取る読取手段と、読み取った前記セキュリティコードを、前記記録媒体に記録するデータのそれぞれに埋め込む埋込手段と、を備えている。
【0020】
また、請求項11の発明は、請求項10に記載のドライブレコーダにおいて、前記読取手段が、前記記録媒体から前記セキュリティコードを読み取った後に、前記セキュリティコードを前記記録媒体から削除する削除手段、をさらに備えている。
【0021】
また、請求項12の発明は、ドライブレコーダで可搬性の記録媒体に記録されたデータを表示手段に表示する方法であって、前記ドライブレコーダがデータの記録に用いる記録媒体にセキュリティコードを記録する工程と、前記記録媒体への記録に用いるセキュリティコードと同一のセキュリティコードを不揮発性の記憶装置に記憶する工程と、前記ドライブレコーダでデータが記録済の記録媒体の記録内容からセキュリティコードを取得する工程と、前記記録媒体から取得されたセキュリティコードと、前記記憶装置に記憶されたセキュリティコードとが一致した場合に、前記記録済の記録媒体に記録されたデータを前記表示手段に表示可能とする工程と、を備えている。
【0022】
また、請求項13の発明は、ドライブレコーダで可搬性の記録媒体に記録されたデータを表示手段に表示する表示装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、前記ドライブレコーダがデータの記録に用いる記録媒体にセキュリティコードを記録する工程と、前記記録媒体への記録に用いるセキュリティコードと同一のセキュリティコードを不揮発性の記憶装置に記憶する工程と、前記ドライブレコーダでデータが記録済の記録媒体の記録内容からセキュリティコードを取得する工程と、前記記録媒体から取得されたセキュリティコードと、前記記憶装置に記憶されたセキュリティコードとが一致した場合に、前記記録済の記録媒体に記録されたデータを前記表示手段に表示可能とする工程と、を実行させる。
【発明の効果】
【0023】
請求項1ないし13の発明によれば、記録媒体から取得されたセキュリティコードと、記憶装置に記憶されたセキュリティコードとが一致した場合に、記録媒体に記録されたデータを表示可能とする。このため、セキュリティコードを知らなければ記録媒体に記録されたデータを表示できず、ドライブレコーダで記録されたデータの漏洩を防止できる。
【0024】
また、特に請求項2の発明によれば、セキュリティコードを所定のファイルに記録し、その所定のファイルからセキュリティコードを取得するため、ドライブレコーダとして特別な処理を必要とせずにデータの漏洩を防止できる。
【0025】
また、特に請求項3の発明によれば、複数の設定パラメータが記録された設定ファイル内にセキュリティコードを記録するため、他の設定パラメータにセキュリティコードを紛れ込ませることができ、セキュリティコードの存在を隠すことができる。
【0026】
また、特に請求項4の発明によれば、記録媒体に記録するデータのそれぞれにセキュリティコードを埋め込むため、セキュリティコードの存在を隠すことができる。
【0027】
また、特に請求項5及び6の発明によれば、セキュリティコードを暗号化して記録媒体に記録するため、セキュリティコードの存在が分かったとしても、セキュリティコードの内容の漏洩を防止できる。
【0028】
また、特に請求項7の発明によれば、セキュリティコードを変更した場合であっても、変更前のセキュリティコードも記憶装置に記憶されるため、変更前のセキュリティコードと関連付けられたデータを表示できる。
【0029】
また、特に請求項8の発明によれば、認証に用いる変更前のセキュリティコードの数を制限するため、偶然の一致などによるデータの漏洩の可能性を低減できる。
【0030】
また、特に請求項9の発明によれば、セキュリティコードを変更した場合であっても、変更前のセキュリティコードを入力することで、変更前のセキュリティコードと関連付けられたデータを表示できる。
【0031】
また、特に請求項10の発明によれば、記録媒体単位ではなく各データ単位でデータ漏洩を防止できる。
【0032】
また、特に請求項11の発明によれば、セキュリティコードの存在を隠すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、ドライブレコーダシステムの概要を示す図である。
【図2】図2は、データ表示装置の構成を示す図である。
【図3】図3は、ドライブレコーダの構成を示す図である。
【図4】図4は、メモリカードの運用手法の流れの一例を示す図である。
【図5】図5は、メモリカードにおけるデータの格納状態を示す図である。
【図6】図6は、セキュリティコードの設定を行う処理の流れを示す図である。
【図7】図7は、設定ダイアログの一例を示す図である。
【図8】図8は、第1の実施の形態の記録準備処理の流れを示す図である。
【図9】図9は、設定ファイルの内容の一例を示す図である。
【図10】図10は、第1の実施の形態のデータ記録処理の流れを示す図である。
【図11】図11は、第1の実施の形態のデータ取込処理の流れを示す図である。
【図12】図12は、データのファイルにおけるデータ領域の一例を示す図である。
【図13】図13は、第2の実施の形態のデータ取込処理の流れを示す図である。
【図14】図14は、セキュリティコードを暗号化した場合を説明する図である。
【図15】図15は、第4の実施の形態のセキュリティコードの変更を行う処理の流れを示す図である。
【図16】図16は、変更ダイアログの一例を示す図である。
【図17】図17は、第4の実施の形態のデータ取込処理の流れを示す図である。
【図18】図18は、入力ダイアログの一例を示す図である。
【図19】図19は、第5の実施の形態のセキュリティコードの変更を行う処理の流れを示す図である。
【図20】図20は、第5の実施の形態のデータ取込処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
【0035】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.構成>
図1は、データ表示装置1とドライブレコーダ2とを含むドライブレコーダシステム100の概要を示す図である。ドライブレコーダシステム100は、トラック、バス及びタクシーなどの業務用の車両を複数台使用して業務を行う事業者において利用される。本実施の形態では、ドライブレコーダシステム100が、タクシー事業を行う事業者において採用された場合を例に説明する。
【0036】
この事業者においては、タクシーとして構成される複数の車両Bを使用して事業が行われており、複数の車両Bのそれぞれにドライブレコーダ2が搭載されている。また、これら複数の車両Bを管理する事業所Aにおいては、ドライブレコーダ2で記録されたデータを管理するとともに表示可能なデータ表示装置1が備えられている。データ表示装置1とドライブレコーダ2との間のデータの受け渡しには、可搬性の記録媒体であるメモリカード9が利用される。このメモリカード9には、不揮発性の半導体メモリであるフラッシュメモリが内蔵されている。
【0037】
ドライブレコーダ2は、搭載された車両Bの運行に係る各種のデータをメモリカード9に記録する。具体的には、ドライブレコーダ2においては、車両Bの運行中において、事故などの所定のイベントが発生した場合にその発生前後における動画データまたは音声データが記録される。また、ドライブレコーダ2においては、所定の周期で、車両の位置、速度及び加速度などの車両Bの走行状況を示す運行データが記録される。さらに、ドライブレコーダ2においては、常時記録データとして、イベントとは無関係に所定の周期で車外あるいは車内の様子を示す画像データ及び音声データが記録される。
【0038】
複数の車両Bそれぞれのドライブレコーダ2でメモリカード9に記録されたデータは、車両Bの一回の運行ごとにデータ表示装置1に取り込まれる。データ表示装置1は、ドライブレコーダ2によりメモリカード9に記録されたデータを読み取って、内部の不揮発性の記憶装置に記録する。これにより、複数の車両Bで記録されたデータが、データ表示装置1において集約される。なお、この説明では、車両Bが事業所Aから出発してその事業所Aに帰着するまでを「一回の運行」という。
【0039】
<1−2.データ表示装置の構成>
図2は、データ表示装置1の構成を示す図である。データ表示装置1のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。具体的には、データ表示装置1は、各種演算処理を行うCPU11、基本プログラムを記憶するROM12、演算処理の作業領域となるRAM13、不揮発性の記憶装置であるハードディスク14、各種表示を行うディスプレイ15、音声を出力するスピーカ16、ならびに、ユーザが操作するキーボード及びマウスなどで構成される操作部17を備えている。また、データ表示装置1は、メモリカード9を着脱可能なカードスロット18を備えている。カードスロット18は、装着されたメモリカード9からのデータの読み取りや、メモリカード9へのデータの書き込みを行う。
【0040】
データ表示装置1のハードディスク14には、各種のプログラム141が記憶されている。このプログラム141に従ってCPU11が演算処理を実行することにより、データ表示装置1として必要な各種機能が実現される。プログラム141の実行により実現される機能の一つとして、ドライブレコーダ2に記録されたデータを取り扱う専用のアプリケーションがある。このようなプログラム141は、プログラムを記録した記録媒体(例えば、メモリカード9など)からの読み取りや、ネットワークを介した通信などによって取得され、ハードディスク14に予め記憶されている。
【0041】
また、データ表示装置1のハードディスク14には、ドライブレコーダ2で記録されたデータを集約したデータベース142が構築されている。ドライブレコーダ2でメモリカード9に記録されたデータは、カードスロット18において読み取られた後、データベース142に登録される。データベース142に登録されたデータは、専用のアプリケーションを利用することで、ディスプレイ15に画像として表示させたり、スピーカ16から音声として出力できる。また、データベース142に登録されたデータは、専用のアプリケーションを用いての乗務員の安全運転指導等のための各種解析にも利用される。
【0042】
<1−3.ドライブレコーダの構成>
図3は、ドライブレコーダ2の構成を示す図である。ドライブレコーダ2は、装置全体を制御する制御部としてマイクロコンピュータを備えている。具体的には、ドライブレコーダ2は、各種演算処理を行うCPU21、ファームウェアを記憶する不揮発性メモリ25、及び、演算処理の作業領域となるRAM24を備えている。ドライブレコーダ2の各部を制御する機能は、不揮発性メモリ25に予め記憶されたファームウェアに従ってCPU21が演算処理を実行することにより実現される。不揮発性メモリ25は、例えばフラッシュメモリなどで構成され、ファームウェアの他、各種の設定パラメータなどを記憶する。
【0043】
ドライブレコーダ2は、2つのカメラ31,32及びマイク33を備えており、これらはドライブレコーダ2の本体部とは別に車両Bの適位置に配置される。2つのカメラ31,32はそれぞれ、レンズと撮像素子とを備えており電子的に画像データを取得する。第1カメラ31は、その光軸が車室外の車両Bの前方に向けられており、車両Bの前方の領域を示す画像データを取得する。一方、第2カメラ32は、その光軸が車室内に向けられており、車両Bの乗務員や乗客の様子を示す画像データを取得する。また、マイク33は、車室外及び車室内の音を集音して音声データを取得する。
【0044】
ドライブレコーダ2は、2つのカメラ31,32からの信号を扱う処理部として、カメラ切替部22及び画像処理部23を備えている。カメラ切替部22は、2つのカメラ31,32から入力される信号を切り替えるものである。カメラ切替部22は、CPU21からの指示に基づいて、2つのカメラ31,32うちのいずれか一方の画像データの信号を入力する。
【0045】
画像処理部23は、2つのカメラ31,32から入力される信号について、A/D変換、輝度補正、コントラスト補正などの所定の画像処理を行い、JPEG形式などの所定形式のデジタルの画像データを生成する。画像処理部23において処理された画像データは、RAM24に記録される。
【0046】
RAM24の記憶領域のうちの一部はリングバッファとして利用される。このリングバッファに対して、画像処理部23において処理された画像データ、及び、マイク33で取得された音声データが常時に記憶される。リングバッファでは、最後の領域までデータが記憶されると最初の領域に戻って新たなデータが記憶される。これにより、リングバッファでは、最も古いデータに対して新たなデータが順次に上書きされていく。このため、RAM24においては、常に過去一定時間分の画像データ及び音声データが記憶された状態とされる。本実施の形態では、リングバッファに少なくとも40秒分の画像データ及び音声データが記憶されるようになっている。
【0047】
また、ドライブレコーダ2は、カードスロット26、計時回路27、加速度センサ28及びGPS受信部29を備えている。
【0048】
カードスロット26は、メモリカード9を着脱することが可能である。カードスロット26は、装着されたメモリカード9からのデータの読み取りや、メモリカード9へのデータの書き込みを行う。事故などの所定のイベントが生じたときは、CPU21の指示により、RAM24のリングバッファに記憶された画像データ及び音声データが、カードスロット26に装着されたメモリカード9に記録される。
【0049】
計時回路27は、その時点の時刻に対応した信号を発生して、CPU21へ出力する。計時回路27は、内臓電池を有し、外部から電力供給を受けなくとも動作して正確な時刻を計時する。
【0050】
加速度センサ28は、車両Bに加わる衝撃の大きさを示す加速度を、重力加速度のGを単位として検出する。加速度センサ28は、例えば、互いに直交する3軸あるいは2軸に応じた加速度の大きさを検出し、CPU21へ出力する。
【0051】
GPS受信部29は、複数のGPS衛星からの信号を受信して、その時点の車両Bの位置情報を取得する。GPS受信部29は、地球上における緯度経度で表現される位置情報を取得し、取得した位置情報をCPU21へ出力する。
【0052】
また、ドライブレコーダ2には、ユーザ(主に車両Bの乗務員)から指示を受け付ける部材として、記録スイッチ34及び操作部35を備えている。これらは、ユーザが操作しやすいように、ドライブレコーダ2の本体部とは別に、ハンドルの近傍などの車両Bの適位置に配置される。
【0053】
記録スイッチ34は、動画データのメモリカード9への記録指示を受け付けるスイッチである。ユーザは、事故が発生していない場面であっても、この記録スイッチ34を押下することにより所望のタイミングで動画データをメモリカード9へ記録できる。また、操作部35は、複数のボタンを含んで構成され、ユーザから各種設定などの入力を受け付ける。これらのユーザによる操作内容は、信号としてCPU21に入力される。
【0054】
また、ドライブレコーダ2は、車両Bに配置される車速センサ41及びドアセンサ42と接続されている。車速センサ41は、その時点の車両Bの走行速度(km/h)を検出してCPU21に出力する。ドアセンサ42は、車両Bのドアに設けられ、ドアの開閉を示す信号をCPU21に出力する。ドアセンサ42は、例えば、タクシーとして構成された車両Bの乗客が乗り降りする後部座席のドアなどに設けられている。
【0055】
<1−4.メモリカード>
次に、図1に示すドライブレコーダシステム100におけるメモリカード9の運用手法について説明する。図4は、メモリカード9の運用手法の流れの一例を示す図である。
【0056】
まず、データ表示装置1において、メモリカード9にドライブレコーダ2のデータを記録するための準備である記録準備処理がなされる(ステップS1)。メモリカード9は、フォーマットされて全てのデータが消去される。そして、ドライブレコーダ2に設定すべき各種の設定パラメータがメモリカード9に記録される。この際、メモリカード9に、データ漏洩を防止するためのセキュリティコードが記録されることになるが詳細は後述する。
【0057】
準備が完了したメモリカード9は、車両Bのドライブレコーダ2に装着される。この車両Bが事業所Aから出発して車両Bの運行が開始すると(ステップS2にてYes)、以降の車両Bの運行中にわたって、ドライブレコーダ2において、車両Bの運行に係る各種のデータをメモリカード9に記録するデータ記録処理がなされる(ステップS3)。
【0058】
その後、車両Bの運行が終了して車両Bが事業所Aに帰着すると(ステップS4にてYes)、メモリカード9は、ドライブレコーダ2から取り出されてデータ表示装置1に装着される。そして、データ表示装置1において、メモリカード9に記録されたデータを取り込むデータ取込処理がなされる(ステップS5)。具体的には、専用のアプリケーションの機能により、メモリカード9に記録されたデータが読み出され、所定の形式に変換されて、ハードディスク14のデータベース142に登録される。この際、メモリカード9の記録内容からセキュリティコードが取得され、そのセキュリティコードが所定のセキュリティコードでなければ処理が中断されることになるが詳細は後述する。
【0059】
データ表示装置1によりデータの取り込みが完了したメモリカード9は、再び、記録準備処理がなされた上で車両Bのドライブレコーダ2に装着され、車両Bの運行に係る各種のデータの記録に利用される(ステップS1〜S3)。
【0060】
このようにメモリカード9はドライブレコーダ2でのデータの記録に繰り返し利用され、メモリカード9に記録されたデータは、車両Bの一回の運行ごとにデータ表示装置1に取り込まれる。データ表示装置1では、事業所Aに所属する複数の車両Bそれぞれの運行完了後に、データ取込処理を実行することになる。
【0061】
図5は、メモリカード9におけるデータの格納状態を示す図である。メモリカード9内のデータ格納構造には、階層フォルダ構造(階層ディレクトリ構造)が採用され、各種のデータはいずれかのフォルダ内に格納される。図5において、フォルダやデータを示す記号の横に示された文字列は、対応するフォルダやデータの名称を示している。
【0062】
階層フォルダ構造の最上層には、「ルート」フォルダF0が設けられている。この「ルート」フォルダF0に、ドライブレコーダ2に設定すべき各種の設定パラメータが記録された設定ファイルD0が格納される。
【0063】
また、「ルート」フォルダF0内には子フォルダとして「運行データ」フォルダF1、「動画データ」フォルダF2、「音声データ」フォルダF3及び「常時記録データ」フォルダF4が設けられている。
【0064】
「運行データ」フォルダF1には、車両Bの運行中における位置、速度及び加速度などの車両Bの走行状況を示す運行データのファイルD1が格納される。運行データのファイルD1は、主にテキストで構成され、画像及び音声は含んでいない。運行データは、一定周期ごと、あるいは所定の条件で、同一のファイルD1に追加的に記録されていく。運行データを記録すべきファイルD1のデータサイズが所定サイズ(例えば1MB)を超えた場合は、新たなファイルD1が作成され、その新たなファイルD1に運行データが記録される。また、運行データのファイルD1は、そのヘッダ領域に、運行の開始時刻、車両Bの識別情報(IDコード)、乗務員の識別情報(IDコード)など、ドライブレコーダ2が搭載された車両Bの状況を特定する特定データを含んでいる。
【0065】
「動画データ」フォルダF2には、事故などの所定のイベントが発生したときに得られる動画データのファイルD2が格納される。動画データは、例えば、イベントの発生前の12秒間と発生後の8秒間との合計20秒分の画像データと音声データとで構成される。イベントごとに一つのファイルD2が作成され、一つのイベントに係る動画データは一つのファイルD2として記録される。
【0066】
また、「音声データ」フォルダF3には、所定のイベントが発生したときに得られる音声データのファイルD3が格納される。音声データは、イベントの発生前の12秒間と発生後の8秒間の合計20秒分の音声を含んでいる。イベントごとに一つのファイルD3が作成され、一つのイベントに係る音声データは一つのファイルD3として記録される。
【0067】
ドライブレコーダ2では、複数のイベントが予め想定されており、各イベントごとに動画データと音声データとのいずれを記録するかを設定可能となっている。このため、ある種類のイベントが発生した場合は動画データが記録され、ある別の種類のイベントが発生した場合は音声データが記録される。
【0068】
「常時記録データ」フォルダF2には、ドライブレコーダ2の起動中にわたって一定周期で得られた画像データと音声データとで構成される常時記録データのファイルD4が格納される。ドライブレコーダ2の起動中においては、イベントの発生とは無関係に一定周期ごとに、ファイルD4に常時記録データとしての画像データ及び音声データが追加的に記録されていく。常時記録データを記録すべきファイルD4のデータサイズが所定サイズ(例えば1GB)を超えた場合は、新たなファイルD4が作成され、その新たなファイルD4に常時記録データが記録される。
【0069】
<1−5.セキュリティコードの設定>
このようにドライブレコーダ2においては、運行データ、動画データ、音声データ及び常時記録データの4種類のデータがメモリカード9に記録される。これらの4種類のデータはすべてバイナリデータで構成され、一般的なコンピュータ等で用いられる汎用の形式(テキスト、JPEG、MPEG等)ではなく、ドライブレコーダシステム100の専用の特殊な形式となっている。したがって、ドライブレコーダ2で記録されたデータをディスプレイへ表示させたりスピーカから出力させたりするためには(すなわち、ドライブレコーダ2で記録されたデータの内容を確認するためには)、データ表示装置1においてプログラム141の実行により実現される専用のアプリケーションを用いる必要がある。
【0070】
ただし、このようにドライブレコーダ2で記録されるデータは専用の形式ではあるが、そのままでは、それを再生可能な専用のアプリケーションのプログラムを持ってさえいれば当該データの内容を確認できることになる。すなわち、単にデータの形式を専用の形式にしただけでは、メモリカード9を紛失した場合にデータの漏洩が生じる可能性が残る。そこで、本実施の形態のデータ表示装置1では、このようなデータ漏洩を防止するため、ドライブレコーダ2がデータの記録に用いるメモリカード9にセキュリティコードを記録するようにしている。
【0071】
セキュリティコードは、たとえば4桁の数字で構成されており、ユーザが任意のコードを設定可能である。このセキュリティコードの設定は、データ表示装置1を利用して実施する。
【0072】
図6は、データ表示装置1において、セキュリティコードの設定を行う場合の処理の流れを示す図である。この処理は、ドライブレコーダ2に記録されたデータを取り扱う専用のアプリケーションをデータ表示装置1で起動し、所定の操作を行うことで実行される。
【0073】
まず、セキュリティコードの設定を受け付ける設定ダイアログがディスプレイ15に表示される。図7は、この設定ダイアログ51の一例を示す図である。設定ダイアログ51には、テキストボックス51a、及び、設定ボタン51bが配置されている。
【0074】
ユーザは、このような設定ダイアログ51のテキストボックス51aに所望の4桁の数字を入力した上で、設定ボタン51bをクリックする。これにより、テキストボックス51aに入力された4桁の数字が、セキュリティコードとしてCPU11に受け付けられる(ステップS11)。そして、このセキュリティコードは、データ表示装置1のハードディスク14に記録される(ステップS12)。
【0075】
このようにして設定されたセキュリティコードは、データ表示装置1がメモリカード9に記録の準備を行う記録準備処理(図4のステップS1)において、メモリカード9に記録される。図8は、記録準備処理の流れを示す図である。この処理も、ドライブレコーダ2に記録されたデータを取り扱う専用のアプリケーションをデータ表示装置1で起動し、所定の操作を行うことで実行される。この処理の開始時点では、メモリカード9がカードスロット18に装着されているものとする。
【0076】
まず、メモリカード9に対してフォーマットがなされ、メモリカード9に記録されたすべてのデータが消去される(ステップS21)。
【0077】
次に、メモリカード9に設定ファイルD0が作成され、設定ファイルD0にドライブレコーダ2に設定すべき各種の設定パラメータが記録される。この設定パラメータは、データ表示装置1を利用して予めユーザにより設定されたものがハードディスク14から読み出されて利用される(ステップS22)。
【0078】
次に、ユーザが設定したセキュリティコードが、ハードディスク14から読み出されて取得される(ステップS23)。そして、取得されたセキュリティコードが、メモリカード9内の設定ファイルD0に記録される(ステップS24)。
【0079】
図9は、設定ファイルD0の内容の一例を示す図である。図に示すように、設定ファイルD0においては、複数の設定項目(「001」,「002」,…)にそれぞれ対応付けて、複数の設定パラメータPcが記録されている。さらに、設定ファイルD0には、これらの複数の設定パラメータPcと同様にして、セキュリティコードScが所定の設定項目(図の例では「050」)に対応付けて記録されている。
【0080】
このように、設定ファイルD0に、複数の設定パラメータPcとともにセキュリティコードScを記録することで、セキュリティコードScを複数の設定パラメータPcに紛れ込ませることができる。これにより、メモリカード9を不正に入手した第三者に、セキュリティコードSc自体の存在を把握しにくくさせることができる。また、セキュリティコードScの存在がわかったとしても、セキュリティコードScと設定パラメータPcとが同様の形式で記録されているため、いずれのコードがセキュリティコードScであるかを特定しにくくすることができる。
【0081】
<1−6.データ記録処理>
次に、ドライブレコーダ2が、記録準備処理がなされたメモリカード9に、各種のデータを記録するデータ記録処理(図4のステップS3)について説明する。図10は、データ記録処理の流れを示す図である。この動作の開始時点では、記録準備処理によりセキュリティコードが記録されたメモリカード9がカードスロット26に装着されているものとする。
【0082】
ドライブレコーダ2は起動すると、CPU21の制御によりイニシャル処理を実行する(ステップS31)。具体的には、まず、メモリカード9内に運行データのファイルD1が存在するか否かが確認される。
【0083】
メモリカード9内に運行データのファイルD1がなければ、運行開始と判断され、メモリカード9内に、運行データ、動画データ、音声データ及び常時記録データの4種類のデータをそれぞれ格納するためのフォルダF1〜F4が作成される。そして、「運行データ」フォルダF1内に運行データのファイルD1が新規に作成される。
【0084】
また、メモリカード9内の設定ファイルD0の各種の設定パラメータが読み出されて不揮発性メモリ25に記憶され、その設定パラメータに従ってドライブレコーダ2の設定がなされる。なお、このとき設定ファイルD0に記録されたセキュリティコードは無視される。
【0085】
また、この起動時点でメモリカード9内に運行データのファイルD1があれば、運行途中での再起動と判断され、運行データのファイルD1の作成、及び、ドライブレコーダ2の設定は省略される。
【0086】
イニシャル処理が完了すると、第1カメラ31または第2カメラ32により得られる画像データと、マイク33で取得される音声データとの、RAM24のリングバッファの領域への記憶が開始される(ステップS32)。画像データは、例えば30fps(毎秒30フレーム)のフレームレートでRAM24に記憶される。そして以降、所定の条件(ステップS33,S35,S37)で、運行データ、画像データ、及び、常時記録データがメモリカード9に記録される。このような画像データ及び音声データのRAM24への記憶(ステップS32)は、ドライブレコーダ2の起動中にわたって、ドライブレコーダ2が停止するまで実行される。
【0087】
ステップS33においては、運行データを記録すべき所定の第1周期であるかが判断され、第1周期であれば運行データがメモリカード9に記録される(ステップS34)。これにより、運行データが例えば10秒ごとにメモリカード9に記録される。運行データには、その時点の車両Bの位置、速度及び加速度などが含まれている。車両Bの位置はGPS受信部29で得られる位置情報が利用され、車両Bの速度は車速センサ41で得られる走行速度が利用され、加速度は加速度センサ28で得られる加速度が利用される。なお、運行データには、車両Bの位置、速度及び加速度の他、ドアセンサ42で得られるドアの開閉状況、記録スイッチ34の操作状況、車両Bの灯火類の点灯状態、及び、ハンドルの操舵角など車両Bの運行や走行に関する種々の情報が含まれることが望ましい。
【0088】
ステップS35においては、常時記録データを記録すべき所定の第2周期であるかが判断され、第2周期であれば常時記録データがメモリカード9に記録される(ステップS36)。これにより、画像データと音声データとを含む常時記録データが、例えば1秒ごとにメモリカード9に記録される。常時記録データの画像データとしては、RAM24のリングバッファに記憶された画像データのうちの最新の一つの画像データが利用される。したがって、常時記録データの画像データのフレームレートは1fps(毎秒1フレーム)となる。
【0089】
また、ステップS37においては、所定のイベントが発生したかが判断される。所定のイベントが発生した場合は、例えば、そのイベントの発生前の12秒間と発生後の8秒間との合計20秒分の画像データと音声データとが、RAM24のリングバッファから読み出される。そして、読み出された画像データと音声データとが利用されて一つの動画データが生成され、メモリカード9に記録される(ステップS38)。さらに、イベント発生時点の車両Bの位置、速度及び加速度などの車両Bの状況を示す運行データも、メモリカード9に記録される(ステップS39)。
【0090】
本実施の形態のドライブレコーダ2において、所定のイベントが発生したと判断される条件は、下記の条件(A)〜(D)である。
【0091】
(A)加速度センサ28において所定以上の加速度が所定時間以上継続して検出された場合。例えば、0.40G以上の加速度が100ミリ秒以上継続して検出された場合。
【0092】
(B)車速センサ41が検出した車両Bの所定の期間内の速度差が、閾値以上となった場合。例えば、速度60km/h以上で走行中に1秒間の減速が14km/h以上となった場合。
【0093】
(C)記録スイッチ34がユーザにより操作された場合。
【0094】
(D)ドアセンサ42においてドアの開が検出された場合。
【0095】
条件(A)は、比較的強い加速度が発生しており、車両Bの衝突事故発生の蓋然性が高い状況である。条件(B)は、急減速となっており事故が急迫した蓋然性が高い状況である。条件(C)は、ユーザ(主に車両Bの乗務員)がデータの記録を必要と判断した状況である。条件(D)は、トラブルが生じやすい、乗客が乗降する状況である。
【0096】
なお、条件(A)〜(D)に示したイベントの発生条件はあくまで一例であり、データ表示装置1を利用することで任意に変更可能である。また、発生したイベントの種類によっては、動画データに代えて音声データが記録されるようにすることも可能である。例えば、条件(D)では、音声データのみの記録とすることが考えられる。いずれのイベントで、動画データ及び音声データのいずれを記録するかは、データ表示装置1を利用することで任意に設定可能である。
【0097】
<1−7.データ取込処理>
次に、データ表示装置1が、ドライブレコーダ2で記録されたメモリカード9のデータを読み出してハードディスク14に記憶するデータ取込処理(図4のステップS5)について説明する。この処理では、セキュリティコードを利用したコード認証がなされる。すなわち、メモリカード9に記録されたセキュリティーコードが確認され、そのセキュリティーコードが設定されたものと一致する場合にのみ、当該メモリカード9からデータの読み取りがなされるようになっている。
【0098】
図11は、データ取込処理の流れを示す図である。この処理は、ドライブレコーダ2に記録されたデータを取り扱う専用のアプリケーションをデータ表示装置1で起動し、所定の操作を行うことで実行される。この処理の開始時点では、メモリカード9がカードスロット18に装着されているものとする。
【0099】
まず、メモリカード9に記録された設定ファイルD0からセキュリティコードが読み出されて取得される(ステップS41)。続いて、ユーザが設定したセキュリティコードがハードディスク14から読み出され、メモリカード9から取得されたセキュリティコードと、ハードディスク14から取得されたセキュリティコードとが比較される。
【0100】
この比較により、2つのセキュリティコードが一致した場合は(ステップS42にてYes)、メモリカード9に記憶された運行データ、動画データ、音声データ及び常時記録データなどが読み取られる(ステップS43)。そして、読み取られたデータは、登録に適した形式に変換された後、ハードディスク14のデータベース142に登録される(ステップS44)。このようにして読み取られたデータは、ディスプレイ15に画像として表示することや、スピーカ16から音声として出力することが可能とされる。
【0101】
一方、2つのセキュリティコードが一致しなかった場合や、メモリカード9からセキュリティコードを取得できなかった場合は(ステップS42にてNo)、データの読み取りはなされずそのままデータ取込処理が終了する。このような処理により、第三者が不正にメモリカード9を入手した場合であっても、その第三者が正しいセキュリティコードを知らなければ、ドライブレコーダ2で記録されたデータをディスプレイ15に画像として表示することや、スピーカ16から音声として出力することができない。その結果、第三者は、メモリカード9に記録されたデータの内容を確認できず、データの漏洩を有効に防止できることになる。
【0102】
以上のように、本実施の形態のデータ表示装置1においては、ユーザにより設定されたセキュリティコードをハードディスク14に記憶するとともに、ドライブレコーダ2がデータの記録に用いるメモリカード9にも記録する。データ取込処理において、メモリカード9に記録されたセキュリティコードがハードディスク14に記憶されたものと一致した場合には、メモリカード9に記録されたデータを読み取ってディスプレイ15に表示可能とする。このため、セキュリティコードを知らなければメモリカード9に記録されたデータを表示できないため、ドライブレコーダ2で記録されたデータの漏洩を有効に防止できる。
【0103】
また、記録準備処理においてメモリカード9の設定ファイルD0にセキュリティコードが記録され、データ取込処理において設定ファイルD0からセキュリティコードが取得されるため、ドライブレコーダ2としては特別な処理が必要とならず、ドライブレコーダ2はセキュリティコードが記録されたメモリカード9に通常通りデータの記録を行えばよい。このため、セキュリティの確保のためにドライブレコーダ2の改修が必要とならず、比較的低コストにデータ漏洩を防止することができる。したがって、ドライブレコーダとしては、従来から存在しているタイプのものであっても本実施の形態のドライブレコーダ2として用いることが可能である。業務用の車両を複数台使用して業務を行う事業者においては、車両によって搭載されるドライブレコーダのタイプが異なり、新しいタイプと古いタイプとが混在する場合がある。このような場合であっても、本実施の形態の手法を好適に適用して、データの漏洩を有効に防止できる。
【0104】
また、設定ファイルD0に複数の設定パラメータとともにセキュリティコードを記録するため、他の設定パラメータにセキュリティコードを紛れ込ませることができ、セキュリティコードの存在を隠すことができる。
【0105】
なお、設定ファイルD0ではなく、メモリカード9内の専用のファイルにセキュリティコードを記録するようにしてもよい。この場合は、その専用のファイルの属性を、”隠しファイル”とすることが望ましい。
【0106】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態ではセキュリティコードを設定ファイルD0に記録していたが、第2の実施の形態ではメモリカード9に記録するデータのそれぞれにセキュリティコードを埋め込むようにしている。第2の実施の形態のデータ表示装置1及びドライブレコーダ2の構成は第1の実施の形態と同一であるが、動作が第1の実施の形態と一部相違している。このため、以下では、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0107】
まず、第2の実施の形態のドライブレコーダ2によるデータ記録処理(図4のステップS3)について説明する。なお、第2の実施の形態の記録準備処理は、第1の実施の形態と同一の処理となる。
【0108】
第2の実施の形態のデータ記録処理の流れの概要は、図10に示す第1の実施の形態のデータ記録処理の流れとほぼ同様であるため、図10を利用して説明する。
【0109】
まず、ドライブレコーダ2は起動して、イニシャル処理を実行する(ステップS31)。具体的には、メモリカード9内に運行データのファイルD1がなければ、運行データのファイルD1を作成するとともに、メモリカード9内の設定ファイルD0の各種の設定パラメータが読み出されてドライブレコーダ2の設定がなされる。
【0110】
このとき、設定ファイルD0に記録されたセキュリティコードも設定パラメータとともに読み出され、不揮発性メモリ25に記憶される。セキュリティコードが読み取られると、メモリカード9の設定ファイルD0に記録されたセキュリティコードが削除される。これにより、セキュリティコードの存在自体を把握しにくくすることができる。
【0111】
イニシャル処理が完了すると、第1カメラ31または第2カメラ32により得られる画像データと、マイク33で取得される音声データとの、RAM24のリングバッファの領域への記憶が開始される(ステップS32)。そして以降、所定の条件(ステップS33,S35,S37)で、運行データ、画像データ、音声データ、及び、常時記録データなどがメモリカード9に記録される(ステップS34,S36,S38,S39)。
【0112】
第2の実施の形態のドライブレコーダ2においては、メモリカード9にこのようなデータのファイルを新規に作成する際に、当該ファイルの所定の領域にセキュリティコードを埋め込むようにしている。このセキュリティコードは、イニシャル処理において不揮発性メモリ25に記憶されたものが利用される。
【0113】
図12は、第2の実施の形態のドライブレコーダ2で記録されるデータのファイルDにおけるデータ領域の一例を示す図である。図に示すように、データのファイルDは、ヘッダ領域Da1と、実体データ領域Da3との相互間にセキュリティコード領域Da2を備えている。このセキュリティコード領域Da2に、セキュリティコードが埋め込まれる。このセキュリティコードは、バイナリ形式で記録されることが望ましい。ドライブレコーダ2でメモリカード9に記録される全てのデータのファイルは、図12に示すようにセキュリティコードが埋め込まれた状態となる。
【0114】
次に、第2の実施の形態のデータ表示装置1によるデータ取込処理(図4のステップS5)について説明する。図13は、第2の実施の形態のデータ取込処理の流れを示す図である。
【0115】
この処理においても、セキュリティコードを利用したコード認証がなされる。ただし、このとき装着されるメモリカード9に対してドライブレコーダ2において正常に処理がなされていれば、メモリカード9内の設定ファイルD0においてセキュリティコードは削除されている。このため、設定ファイルD0内のセキュリティコードに代えて、各ファイルのセキュリティコードが取得される。
【0116】
まず、メモリカード9に記録されたファイルのうちの一のファイルが、読み取り対象となる対象ファイルに選択される(ステップS51)。次に、メモリカード9内の対象ファイルのセキュリティコード領域Da2が読み取られ、対象ファイルに埋め込まれたセキュリティコードが取得される(ステップS52)。
【0117】
続いて、ユーザが設定したセキュリティコードがハードディスク14から読み出され、対象ファイルから取得されたセキュリティコードと、ハードディスク14から取得されたセキュリティコードとが比較される。
【0118】
この比較により、2つのセキュリティコードが一致した場合は(ステップS53にてYes)、対象ファイルがメモリカード9から読み取られ(ステップS54)、登録に適した形式に変換された後、ハードディスク14のデータベース142に登録される(ステップS55)。
【0119】
一方、2つのセキュリティコードが一致しなかった場合や、対象ファイルからセキュリティコードを取得できなかった場合は(ステップS53にてNo)、対象ファイルの読み取りはなされない。
【0120】
このようにして、一のファイルに関する処理が完了すると、対象ファイルとされていない未処理のファイルがメモリカード9に存在するかが判定される(ステップS56)。そして、存在していた場合は(ステップS56にてYes)、次の一のファイルが新たな対象ファイルに選択され(ステップS51)、埋め込まれたセキュリティコードに応じて読み取りが実行される。このような処理が繰り返され、最終的にメモリカード9内の全てのファイルについて処理がなされ、埋め込まれたセキュリティコードが設定されたものと一致するファイルのみが読み取られることになる。
【0121】
このように第2の実施の形態では、ドライブレコーダ2がメモリカード9に記録するデータのファイルのそれぞれにセキュリティコードを埋め込み、データ表示装置1は記録済のメモリカード9における読取対象とするデータのファイルから埋め込まれたセキュリティコードを取得する。そして、その埋め込まれたセキュリティコードが、設定されたものと一致する場合にのみ、当該データのファイルを読み取ってディスプレイ15に表示可能とする。このため、メモリカード9単位ではなく、データのファイル単位で個別にデータの漏洩を防止することができる。また、セキュリティコードがデータのファイルに埋め込まれているため、メモリカード9を不正に入手した第三者に、セキュリティコード自体の存在を把握しにくくさせることができる。
【0122】
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。上記第1及び第2の実施の形態では、データ表示装置1が、セキュリティコードをメモリカード9に記録する際に、セキュリティコード自体には特別な処理はしていなかった。これに対して、第3の実施の形態では、データ表示装置1が、セキュリティコードを暗号化した上でメモリカード9に記録するようにしている。
【0123】
図14は、セキュリティコードを暗号化した場合の概念を説明する図である。図14の例は、データ表示装置1においてセキュリティコードを設定する際に「1462」の4桁がユーザにより設定された場合を示している。この場合は、ハードディスク14にはセキュリティコードとして「1462」がそのまま記録される。
【0124】
一方で、記録準備処理において、メモリカード9にセキュリティコードを記録する場合には、セキュリティコードを暗号化した上で記録する。暗号化手法としては、周知の種々の手法が採用できる。簡便には、セキュリティコードの4つの数字を用いて、所定の演算を実施し、その結果を暗号化したセキュリティコード(以下、「暗号化コード」という。)とすればよい。
【0125】
例えば、セキュリティコードの4つの数字それぞれに関して「5」を加算し、それぞれの結果の1桁目を並べて、暗号化コードとすることが考えられる。図14の例では、セキュリティコードが「1462」であるため、暗号化コードは「6917」となる。したがって、この「6917」がメモリカード9に記録される。
【0126】
このようにしてメモリカード9に記録された暗号化コードは、上記第1及び第2の実施の形態におけるメモリカード9に記録されたセキュリティコードと同様に扱えばよい。ドライブレコーダ2の処理としては、上記第1及び第2の実施の形態のものと同一となる。
【0127】
データ表示装置1によるデータ取込処理においては、メモリカード9の記録内容から暗号化コードを読み取り、さらに、暗号化コードを復号してセキュリティコードを取得する。復号手法は、暗号化手法の逆変換となる。すなわち、暗号化した際の演算の逆演算を暗号化コードに実施すれば、セキュリティコードを復号できる。例えば、上記の「5」を加算する暗号化手法を採用した場合は、暗号化コードの4つの数字それぞれに関して「5」を減算すれば、セキュリティコードを復号できる。図14の例では、暗号化コードが「6917」であるため、セキュリティコードは「1462」として復号できる。そして、このように復号して得られたセキュリティコードを、ハードディスク14に記録されたセキュリティコードと比較すればよい。
【0128】
このように第3の実施の形態では、記録準備処理において、セキュリティコードを暗号化してメモリカード9に記録する。さらに、データ取込処理において、記録済のメモリカード9の記録内容から取得した暗号化コードを復号することで、セキュリティコードを得るようにしている。このため、メモリカード9が不正に第三者に入手され、第三者がセキュリティコードの存在に気づいたとしても、セキュリティコード自体の内容の把握が非常に困難となる。これにより、データの漏洩をさらに有効に防止できる。
【0129】
なお、上記で説明した形態では、記録済のメモリカード9の記録内容から取得した暗号化コードを復号していた。これに対して、ハードディスク14に記録されたセキュリティコードを暗号化した結果と、メモリカード9から得られた暗号化されたままのセキュリティコードとを比較するようにしてもよい。
【0130】
<4.第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態のデータ表示装置1及びドライブレコーダ2の構成及び処理は第1の実施の形態とほぼ同一である。ただし、第4の実施の形態では、データ表示装置1において、セキュリティコードを、適宜、変更可能となっている。
【0131】
図15は、第4の実施の形態のデータ表示装置1において、セキュリティコードの変更を行う場合の処理の流れを示す図である。この処理は、ドライブレコーダ2に記録されたデータを取り扱う専用のアプリケーションをデータ表示装置1で起動し、所定の操作を行うことで実行される。
【0132】
まず、セキュリティコードの変更を受け付ける変更ダイアログがディスプレイ15に表示される。図16は、この変更ダイアログ52の一例を示す図である。変更ダイアログ52には、2つのテキストボックス52a,52b、設定ボタン52c、及び、キャンセルボタン52dが配置されている。
【0133】
ユーザは、このような変更ダイアログ52の上部のテキストボックス52aに変更前のセキュリティコード、下部のテキストボックス52bに変更後のセキュリティコードをそれぞれ入力した上で、設定ボタン52cをクリックする。上部のテキストボックス52aに入力されたセキュリティコードがハードディスク14に記憶されたセキュリティコードと一致する場合は、下部のテキストボックス52bに入力された4桁の数字が、変更後のセキュリティコードとしてCPU11に受け付けられる(ステップS61)。
【0134】
そして、変更前のセキュリティコードがハードディスク14から削除されるとともに(ステップS62)、変更後のセキュリティコードがハードディスク14に記録される(ステップS63)。これにより、ハードディスク14には、変更後のセキュリティコードのみが記録された状態となる。なお、変更ダイアログ52のキャンセルボタン52dをクリックした場合は、そのまま処理が終了し、セキュリティコードは変更されずに従前のままとされる。
【0135】
このようにセキュリティコードを変更した場合は、データ表示装置1における以降の記録準備処理及びデータ取込処理において、変更後のセキュリティコードが利用されることになる。ただし、セキュリティコードの変更前に記録準備処理がなされたメモリカード9が、セキュリティコードの変更後にデータ取込処理において読み取り対象となる場面が想定される。この場合は、メモリカード9には、変更前のセキュリティコードが記録されているため、データの読み取りができなくなる可能性がある。これに対応するため、第4の実施の形態のデータ取込処理では、セキュリティコードのユーザによる入力を受け付けるようになっている。
【0136】
図17は、第4の実施の形態のデータ取込処理の流れを示す図である。まず、メモリカード9に記録された設定ファイルD0からセキュリティコードが読み出されて取得される(ステップS71)。続いて、ユーザが設定したセキュリティコードがハードディスク14から読み出される。このセキュリティコードは、直近に変更された最新のセキュリティコードとなる。そして、メモリカード9から取得されたセキュリティコードと、ハードディスク14から取得されたセキュリティコードとが比較される。
【0137】
2つのセキュリティコードが一致した場合は(ステップS72にてYes)、第1の実施の形態と同様に、メモリカード9からデータが読み取られ(ステップS73)、ハードディスク14のデータベース142に登録される(ステップS74)。
【0138】
一方、2つのセキュリティコードが一致しなかった場合は(ステップS72にてNo)、まず、ユーザにその旨が通知されるとともに、ユーザからセキュリティコードの入力を受け付ける入力ダイアログがディスプレイ15に表示される。図18は、入力ダイアログ53の一例を示す図である。入力ダイアログ53には、テキストボックス53a、及び、決定ボタン53bが配置されている。
【0139】
ユーザは、このような入力ダイアログ53のテキストボックス53aに自身が記憶している変更前のセキュリティコードを入力した上で、決定ボタン53bをクリックする。これにより、テキストボックス53aに入力されたセキュリティコードがCPU11に受け付けられる(ステップS75)。
【0140】
続いて、メモリカード9から取得されたセキュリティコードと、ユーザから入力されたセキュリティコードとが比較される。そして、これらのセキュリティコードが一致した場合は(ステップS76にてYes)、メモリカード9からデータが読み取られ(ステップS73)、ハードディスク14のデータベース142に登録される(ステップS74)。一方、これらのセキュリティコードが一致しなかった場合は(ステップS76にてNo)、データの読み取りはなされずそのままデータ取込処理が終了する。
【0141】
このように、第4の実施の形態では、セキュリティコードを、適宜、変更することが可能であるため、定期的にセキュリティコードを変更することで、データの漏洩をさらに有効に防止できる。
【0142】
また、メモリカード9から取得されたセキュリティコードとハードディスク14に記憶されたセキュリティコードとが一致しない場合に、セキュリティコードのユーザによる入力を受け付ける。このため、セキュリティコードを変更したとしても、変更前のセキュリティコードを覚えておけば、セキュリティコードの変更前に記録準備処理がなされたメモリカード9からデータの読み取りを行うことが可能である。
【0143】
なお、上記で説明した形態は、図11に示す第1の実施の形態と同様のデータ取込処理において、セキュリティコードの不一致があった場合に、セキュリティコードの入力をユーザから受け付ける処理を追加したものであった。これに対して、第2の実施の形態と同様の図13に示すデータ取込処理において、セキュリティコードの不一致があった場合に、セキュリティコードの入力をユーザから受け付ける処理を追加するようにしてもよい。
【0144】
また、上記で説明した形態では、メモリカード9から取得されたセキュリティコードとハードディスク14に記憶されたセキュリティコードとが一致しない場合に、セキュリティコードのユーザによる入力を受け付けていた。これに対して、ハードディスク14に記憶されたセキュリティコードとの比較を行わずに、毎回、セキュリティコードのユーザによる入力を受け付けるようにしてもよい。この場合、ハードディスク14にセキュリティコードを記憶させないようにしてもよい。
【0145】
<5.第5の実施の形態>
次に、第5の実施の形態について説明する。第4の実施の形態では、ユーザ自身が変更前のセキュリティコードを覚えておき、それをユーザが入力することで、変更前のセキュリティコードが記録されたメモリカード9のデータを読み取ることができるようにしていた。これに対して、第5の実施の形態では、データ表示装置1のハードディスク14に、変更後のセキュリティコードとともに、変更前のセキュリティコードも記憶されるようになっている。
【0146】
図19は、第5の実施の形態のデータ表示装置1において、セキュリティコードの変更を行う場合の処理の流れを示す図である。この処理は、ドライブレコーダ2に記録されたデータを取り扱う専用のアプリケーションをデータ表示装置1で起動し、所定の操作を行うことで実行される。
【0147】
まず、セキュリティコードの変更を受け付ける変更ダイアログ52(図16参照。)がディスプレイ15に表示される。そして、上部のテキストボックス52aに変更前のセキュリティコード、下部のテキストボックス52bに変更後のセキュリティコードをそれぞれ入力した上で、設定ボタン52cをクリックする。上部のテキストボックス52aに入力されたセキュリティコードがハードディスク14に記憶されたセキュリティコードと一致する場合は、下部のテキストボックス52bに入力された4桁の数字が、変更後のセキュリティコードとしてCPU11に受け付けられる(ステップS81)。そして、変更後のセキュリティコードがハードディスク14に記録される(ステップS82)。
【0148】
一方で、変更前のセキュリティコードがハードディスク14にそのまま維持される。このため、ハードディスク14には、過去に使われた変更前のセキュリティコードが蓄積されていくことになる。ただし、変更前のセキュリティコードの数が所定の閾値(例えば、10)を超える場合は、最も古いセキュリティコードがハードディスクから削除される(ステップS83,S84)。これにより、ハードディスク14に記憶される変更前のセキュリティコードの数は所定数(本実施の形態では10個)に制限される。
【0149】
第5の実施の形態のデータ取込処理においては、メモリカード9から取得されたセキュリティコードが、このようにハードディスク14に記憶された変更前のセキュリティコードと一致した場合にも、メモリカード9に記録されたデータが読み取られるようになっている。
【0150】
図20は、第5の実施の形態のデータ取込処理の流れを示す図である。まず、メモリカード9に記録された設定ファイルD0からセキュリティコードが読み出されて取得される(ステップS91)。続いて、ユーザが設定したセキュリティコードがハードディスク14から読み出される。このセキュリティコードは、直近に変更された最新のセキュリティコードとなる。そして、メモリカード9から取得されたセキュリティコードと、ハードディスク14から取得されたセキュリティコードとが比較される。
【0151】
2つのセキュリティコードが一致した場合は(ステップS92にてYes)、第1の実施の形態と同様に、メモリカード9からデータが読み取られ(ステップS93)、ハードディスク14のデータベース142に登録される(ステップS94)。
【0152】
一方、2つのセキュリティコードが一致しなかった場合は(ステップS92にてNo)、ハードディスク14に記憶されている、過去に使われた変更前の全てのセキュリティコードが読み出されて取得される。この変更前のセキュリティコードの数は、単数及び複数のいずれの場合もあるが、その数は所定数(本実施の形態では10個)までに制限される(ステップS95)。
【0153】
続いて、メモリカード9から取得されたセキュリティコードと、過去に使われた変更前の全てのセキュリティコードとが比較される。そして、メモリカード9から取得されたセキュリティコードが、過去に使われた変更前のセキュリティコードのいずれかと一致した場合は(ステップS96にてYes)、メモリカード9からデータが読み取られ(ステップS93)、ハードディスク14のデータベース142に登録される(ステップS94)。
【0154】
一方、メモリカード9から取得されたセキュリティコードが、過去に使われた変更前のセキュリティコードのいずれとも一致しなかった場合は(ステップS96にてNo)、データの読み取りはなされずそのままデータ取込処理が終了する。
【0155】
このように、第5の実施の形態では、セキュリティコードの変更をユーザから受け付け、変更前のセキュリティコードと、変更後のセキュリティコードとの双方をハードディスク14に記憶する。そして、データ取込処理において、メモリカード9から取得されたセキュリティコードと、ハードディスク14に記憶された変更前のセキュリティコードとが一致した場合においても、メモリカード9に記録されたデータが読み取られる。このため、セキュリティコードを変更したとしても、特別な操作を行うことなく、セキュリティコードの変更前に記録準備処理がなされたメモリカード9からデータの読み取りを行うことが可能である。
【0156】
ただし、メモリカード9から取得されたセキュリティコードとの比較に用いる変更前のセキュリティコードの数を無制限とすると、偶然の一致などによるデータの漏洩の可能性が高くなる。これに対して、第5の実施の形態では、メモリカード9から取得されたセキュリティコードとの比較に用いる変更前のセキュリティコードの数が所定数(本実施の形態では10個)に制限されることから、データの漏洩の可能性を低減できる。
【0157】
なお、上記で説明した形態では、ハードディスク14に記憶するセキュリティコードの数を制限していたが、ステップS95において読み出すセキュリティコードの数を制限したり、ステップS96において比較するセキュリティコードの数を制限したりしてもよい。
【0158】
また、上記で説明した形態において、メモリカード9から取得されたセキュリティコードと、ハードディスク14に記憶された変更前のセキュリティコードとが一致しなかった場合に、さらに、第4の実施の形態と同様に、セキュリティコードのユーザによる入力を受け付けるようにしてもよい。
【0159】
また、上記で説明した形態は、図11に示す第1の実施の形態と同様のデータ取込処理において、セキュリティコードの不一致があった場合に、変更前のセキュリティコードと比較する処理を追加したものであった。これに対して、図13に示す第2の実施の形態と同様のデータ取込処理において、セキュリティコードの不一致があった場合に、変更前のセキュリティコードと比較する処理を追加するようにしてもよい。
【0160】
<6.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態で説明した形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
【0161】
上記実施の形態ではセキュリティコードは4桁の数字で構成されていたがこれに限定されず、他の桁の数字で構成されてもよい。さらには、セキュリティコードは、数字のみならず、数字、文字及び記号等を任意に組み合わせたものであってもよい。
【0162】
また、上記実施の形態のアプリケーションは、メモリカード9に記録されたデータを読み取ってハードディスク14に登録することで、データをディスプレイ15に表示可能とするものであった。これに対して、アプリケーションは、メモリカード9に記録されたデータを直接的に読み取って、ディスプレイ15に表示するものであってもよい。この場合も、データを読み取る前、あるいは、データをディスプレイ15に表示する前に、上記実施の形態と同様のセキュリティコードを用いたコード認証を実施すればよい。
【0163】
また、ドライブレコーダ2が、メモリカード9に記録するデータそのものをセキュリティコードを利用して暗号化するようにしてもよい。この場合は、データ表示装置1のデータ取込処理において、メモリカード9から読み取ったデータを、ハードディスク14に記憶されたセキュリティコードを利用して復号すればよい。ただし、このような構成を採用すると、ドライブレコーダ2での記録時におけるアルゴリズムが複雑になり、ドライブレコーダ2での記録の迅速性や信頼性が悪化する可能性もある。車両の事故などの緊急時に画像データ等をメモリカード9に記録するというドライブレコーダ2の本来の機能を確実に発揮するためには、上記の実施の形態のように、単純に暗号化していないデータをメモリカード9に記録する構成が望ましい。
【0164】
上記実施の形態では、ドライブレコーダシステム100をタクシー事業を行う事業者に適用した場合を例に説明したが、トラック、バス及び商用車などの業務用の車両を複数台使用して業務を行う事業者であれば、どのような事業者にも適用可能である。
【0165】
また、業務用ではなく一般消費者向けのドライブレコーダシステムであっても、上記実施の形態で説明した技術を好適に適用することが可能である。このようなドライブレコーダシステムは、一般的なパーソナルコンピュータ等で構成されるデータ表示装置と、一般消費者向けにカスタマイズされたドライブレコーダとで構成される。
【0166】
また、上記実施の形態では、可搬性の記録媒体としてメモリカード9を採用するとして説明を行ったが、読み書き可能なCD−ROMなどの記録ディスクや、可搬性のハードディスクなどを採用してもよい。
【0167】
また、上記実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。
【符号の説明】
【0168】
1 データ表示装置
2 ドライブレコーダ
9 メモリカード
A 事業所
B 車両
11 CPU
14 ハードディスク
15 ディスプレイ
141 プログラム
142 データベース
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライブレコーダで可搬性の記録媒体に記録されたデータを取り扱う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に搭載されたカメラにより車両外部や車室内の撮影を常時に行い、事故などのイベントが発生した場合にその発生前後に取得された画像をメモリカードなどの可搬性の記録媒体に記録するドライブレコーダが知られている。また、画像を記録するだけではなく、車両の位置、速度及び加速度などの車両の走行状況を記録媒体に記録したり、イベントとは無関係に一定周期で車両外部や車室内の様子を示す画像を記録媒体に記録するドライブレコーダなども提案されている。
【0003】
近年では、トラック、バス及びタクシーなどの業務用の車両を複数台使用して業務を行う事業者において、ドライブレコーダを業務に使用する全ての車両に搭載することも実施されている。このような事業者においては、各車両のドライブレコーダで取得されたデータが、事故の原因究明、乗務員の運転傾向の分析、及び、乗務員の安全運転指導等に利用される。
【0004】
特許文献1及び2には、車載カメラにより車両の周辺の撮影を常時に行い、事故発生時に取得した画像を記録媒体に記録するドライブレコーダが開示されている。また、特許文献3及び4には、事故発生時における車両の速度などの走行状況を示すデータを記録媒体に記録するドライブレコーダが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭63−16785号公報
【特許文献2】特開平06−237463号公報
【特許文献3】特開平06−331391号公報
【特許文献4】特開平06−186061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ドライブレコーダで各種のデータを記録する記録媒体は可搬性であるため、車両の乗務員などが業務中に記録媒体を紛失してしまう可能性は否定できない。
【0007】
バス及びタクシーなどの旅客運送を目的とした車両にドライブレコーダが設けられる場合には、誰がいつどこからどこまで移動したかなどの乗客のプライバシー情報を把握可能な画像がドライブレコーダにより記録される。このような場合に、ドライブレコーダのデータを記録した記録媒体を紛失してしまうと、記録媒体に記録された画像から乗客のプライバシー情報が漏洩する可能性がある。また、バス及びタクシー以外の車両においても、ドライブレコーダにより秘密とすべき業務上の情報が記録媒体に記録される場合もあり、記録媒体の紛失によるデータの漏洩は問題となる。
【0008】
これに対応するため、ドライブレコーダで記録媒体に記録する画像の形式をJPEGやMPEGなどの一般的な形式ではなく専用の形式とし、専用のアプリケーションのみでしか表示できないようにすることも考えられる。しかしながら、このようにしてもその専用のアプリケーションのプログラムを入手すれば、記録媒体に記録された画像を容易に閲覧できるため、根本的な解決とはならない。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ドライブレコーダで記録されたデータの漏洩を防止できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、ドライブレコーダで可搬性の記録媒体に記録されたデータを表示手段に表示する表示装置であって、前記ドライブレコーダがデータの記録に用いる記録媒体にセキュリティコードを記録するコード記録手段と、前記記録媒体への記録に用いるセキュリティコードと同一のセキュリティコードを記憶する不揮発性の記憶装置と、前記ドライブレコーダでデータが記録済の記録媒体の記録内容からセキュリティコードを取得するコード取得手段と、前記記録媒体から取得されたセキュリティコードと、前記記憶装置に記憶されたセキュリティコードとが一致した場合に、前記記録済の記録媒体に記録されたデータを前記表示手段に表示可能とするコード認証手段と、を備えている。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の表示装置において、前記コード記録手段は、前記セキュリティコードを所定のファイルに記録し、前記コード取得手段は、前記記録媒体の前記所定のファイルから前記セキュリティコードを取得する。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の表示装置において、前記所定のファイルは、前記ドライブレコーダの複数の設定パラメータが記録された設定ファイルである。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項1に記載の表示装置において、前記ドライブレコーダは、前記記録媒体に記録するデータのそれぞれに前記セキュリティコードを埋め込むものであり、前記コード取得手段は、前記記録済の記録媒体における読取対象とするデータから前記セキュリティコードを取得する。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の表示装置において、前記コード記録手段は、前記セキュリティコードを暗号化して前記記録媒体に記録する。
【0015】
また、請求項6の発明は、請求項5に記載の表示装置において、前記コード取得手段は、前記記録済の記録媒体の記録内容から取得した暗号化されたセキュリティコードを復号する。
【0016】
また、請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の表示装置において、セキュリティコードの変更をユーザから受け付け、変更前のセキュリティコードと、変更後のセキュリティコードとの双方を前記記憶装置に記憶する手段、をさらに備え、前記コード認証手段は、前記記録媒体から取得されたセキュリティコードと、前記記憶装置に記憶された変更前のセキュリティコードとが一致した場合にも、前記記録済の記録媒体に記録されたデータを表示可能とする。
【0017】
また、請求項8の発明は、請求項7に記載の表示装置において、前記コード認証手段が前記記録媒体から取得されたセキュリティコードとの比較に用いる変更前のセキュリティコードの数は所定数に制限される。
【0018】
また、請求項9の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の表示装置において、前記記録媒体から取得されたセキュリティコードと、前記記憶装置に記憶されたセキュリティコードとが一致しない場合に、セキュリティコードのユーザによる入力を受け付ける受付手段、をさらに備え、前記コード認証手段は、前記記録媒体から取得されたセキュリティコードと、前記受付手段で入力されたセキュリティコードとが一致した場合にも、前記記録済の記録媒体に記録されたデータを表示可能とする。
【0019】
また、請求項10の発明は、車両に搭載され、該車両の走行に係るデータを可搬性の記録媒体に記録するドライブレコーダであって、セキュリティコードが記録された記録媒体から、前記セキュリティコードを読み取る読取手段と、読み取った前記セキュリティコードを、前記記録媒体に記録するデータのそれぞれに埋め込む埋込手段と、を備えている。
【0020】
また、請求項11の発明は、請求項10に記載のドライブレコーダにおいて、前記読取手段が、前記記録媒体から前記セキュリティコードを読み取った後に、前記セキュリティコードを前記記録媒体から削除する削除手段、をさらに備えている。
【0021】
また、請求項12の発明は、ドライブレコーダで可搬性の記録媒体に記録されたデータを表示手段に表示する方法であって、前記ドライブレコーダがデータの記録に用いる記録媒体にセキュリティコードを記録する工程と、前記記録媒体への記録に用いるセキュリティコードと同一のセキュリティコードを不揮発性の記憶装置に記憶する工程と、前記ドライブレコーダでデータが記録済の記録媒体の記録内容からセキュリティコードを取得する工程と、前記記録媒体から取得されたセキュリティコードと、前記記憶装置に記憶されたセキュリティコードとが一致した場合に、前記記録済の記録媒体に記録されたデータを前記表示手段に表示可能とする工程と、を備えている。
【0022】
また、請求項13の発明は、ドライブレコーダで可搬性の記録媒体に記録されたデータを表示手段に表示する表示装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、前記ドライブレコーダがデータの記録に用いる記録媒体にセキュリティコードを記録する工程と、前記記録媒体への記録に用いるセキュリティコードと同一のセキュリティコードを不揮発性の記憶装置に記憶する工程と、前記ドライブレコーダでデータが記録済の記録媒体の記録内容からセキュリティコードを取得する工程と、前記記録媒体から取得されたセキュリティコードと、前記記憶装置に記憶されたセキュリティコードとが一致した場合に、前記記録済の記録媒体に記録されたデータを前記表示手段に表示可能とする工程と、を実行させる。
【発明の効果】
【0023】
請求項1ないし13の発明によれば、記録媒体から取得されたセキュリティコードと、記憶装置に記憶されたセキュリティコードとが一致した場合に、記録媒体に記録されたデータを表示可能とする。このため、セキュリティコードを知らなければ記録媒体に記録されたデータを表示できず、ドライブレコーダで記録されたデータの漏洩を防止できる。
【0024】
また、特に請求項2の発明によれば、セキュリティコードを所定のファイルに記録し、その所定のファイルからセキュリティコードを取得するため、ドライブレコーダとして特別な処理を必要とせずにデータの漏洩を防止できる。
【0025】
また、特に請求項3の発明によれば、複数の設定パラメータが記録された設定ファイル内にセキュリティコードを記録するため、他の設定パラメータにセキュリティコードを紛れ込ませることができ、セキュリティコードの存在を隠すことができる。
【0026】
また、特に請求項4の発明によれば、記録媒体に記録するデータのそれぞれにセキュリティコードを埋め込むため、セキュリティコードの存在を隠すことができる。
【0027】
また、特に請求項5及び6の発明によれば、セキュリティコードを暗号化して記録媒体に記録するため、セキュリティコードの存在が分かったとしても、セキュリティコードの内容の漏洩を防止できる。
【0028】
また、特に請求項7の発明によれば、セキュリティコードを変更した場合であっても、変更前のセキュリティコードも記憶装置に記憶されるため、変更前のセキュリティコードと関連付けられたデータを表示できる。
【0029】
また、特に請求項8の発明によれば、認証に用いる変更前のセキュリティコードの数を制限するため、偶然の一致などによるデータの漏洩の可能性を低減できる。
【0030】
また、特に請求項9の発明によれば、セキュリティコードを変更した場合であっても、変更前のセキュリティコードを入力することで、変更前のセキュリティコードと関連付けられたデータを表示できる。
【0031】
また、特に請求項10の発明によれば、記録媒体単位ではなく各データ単位でデータ漏洩を防止できる。
【0032】
また、特に請求項11の発明によれば、セキュリティコードの存在を隠すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、ドライブレコーダシステムの概要を示す図である。
【図2】図2は、データ表示装置の構成を示す図である。
【図3】図3は、ドライブレコーダの構成を示す図である。
【図4】図4は、メモリカードの運用手法の流れの一例を示す図である。
【図5】図5は、メモリカードにおけるデータの格納状態を示す図である。
【図6】図6は、セキュリティコードの設定を行う処理の流れを示す図である。
【図7】図7は、設定ダイアログの一例を示す図である。
【図8】図8は、第1の実施の形態の記録準備処理の流れを示す図である。
【図9】図9は、設定ファイルの内容の一例を示す図である。
【図10】図10は、第1の実施の形態のデータ記録処理の流れを示す図である。
【図11】図11は、第1の実施の形態のデータ取込処理の流れを示す図である。
【図12】図12は、データのファイルにおけるデータ領域の一例を示す図である。
【図13】図13は、第2の実施の形態のデータ取込処理の流れを示す図である。
【図14】図14は、セキュリティコードを暗号化した場合を説明する図である。
【図15】図15は、第4の実施の形態のセキュリティコードの変更を行う処理の流れを示す図である。
【図16】図16は、変更ダイアログの一例を示す図である。
【図17】図17は、第4の実施の形態のデータ取込処理の流れを示す図である。
【図18】図18は、入力ダイアログの一例を示す図である。
【図19】図19は、第5の実施の形態のセキュリティコードの変更を行う処理の流れを示す図である。
【図20】図20は、第5の実施の形態のデータ取込処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
【0035】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.構成>
図1は、データ表示装置1とドライブレコーダ2とを含むドライブレコーダシステム100の概要を示す図である。ドライブレコーダシステム100は、トラック、バス及びタクシーなどの業務用の車両を複数台使用して業務を行う事業者において利用される。本実施の形態では、ドライブレコーダシステム100が、タクシー事業を行う事業者において採用された場合を例に説明する。
【0036】
この事業者においては、タクシーとして構成される複数の車両Bを使用して事業が行われており、複数の車両Bのそれぞれにドライブレコーダ2が搭載されている。また、これら複数の車両Bを管理する事業所Aにおいては、ドライブレコーダ2で記録されたデータを管理するとともに表示可能なデータ表示装置1が備えられている。データ表示装置1とドライブレコーダ2との間のデータの受け渡しには、可搬性の記録媒体であるメモリカード9が利用される。このメモリカード9には、不揮発性の半導体メモリであるフラッシュメモリが内蔵されている。
【0037】
ドライブレコーダ2は、搭載された車両Bの運行に係る各種のデータをメモリカード9に記録する。具体的には、ドライブレコーダ2においては、車両Bの運行中において、事故などの所定のイベントが発生した場合にその発生前後における動画データまたは音声データが記録される。また、ドライブレコーダ2においては、所定の周期で、車両の位置、速度及び加速度などの車両Bの走行状況を示す運行データが記録される。さらに、ドライブレコーダ2においては、常時記録データとして、イベントとは無関係に所定の周期で車外あるいは車内の様子を示す画像データ及び音声データが記録される。
【0038】
複数の車両Bそれぞれのドライブレコーダ2でメモリカード9に記録されたデータは、車両Bの一回の運行ごとにデータ表示装置1に取り込まれる。データ表示装置1は、ドライブレコーダ2によりメモリカード9に記録されたデータを読み取って、内部の不揮発性の記憶装置に記録する。これにより、複数の車両Bで記録されたデータが、データ表示装置1において集約される。なお、この説明では、車両Bが事業所Aから出発してその事業所Aに帰着するまでを「一回の運行」という。
【0039】
<1−2.データ表示装置の構成>
図2は、データ表示装置1の構成を示す図である。データ表示装置1のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。具体的には、データ表示装置1は、各種演算処理を行うCPU11、基本プログラムを記憶するROM12、演算処理の作業領域となるRAM13、不揮発性の記憶装置であるハードディスク14、各種表示を行うディスプレイ15、音声を出力するスピーカ16、ならびに、ユーザが操作するキーボード及びマウスなどで構成される操作部17を備えている。また、データ表示装置1は、メモリカード9を着脱可能なカードスロット18を備えている。カードスロット18は、装着されたメモリカード9からのデータの読み取りや、メモリカード9へのデータの書き込みを行う。
【0040】
データ表示装置1のハードディスク14には、各種のプログラム141が記憶されている。このプログラム141に従ってCPU11が演算処理を実行することにより、データ表示装置1として必要な各種機能が実現される。プログラム141の実行により実現される機能の一つとして、ドライブレコーダ2に記録されたデータを取り扱う専用のアプリケーションがある。このようなプログラム141は、プログラムを記録した記録媒体(例えば、メモリカード9など)からの読み取りや、ネットワークを介した通信などによって取得され、ハードディスク14に予め記憶されている。
【0041】
また、データ表示装置1のハードディスク14には、ドライブレコーダ2で記録されたデータを集約したデータベース142が構築されている。ドライブレコーダ2でメモリカード9に記録されたデータは、カードスロット18において読み取られた後、データベース142に登録される。データベース142に登録されたデータは、専用のアプリケーションを利用することで、ディスプレイ15に画像として表示させたり、スピーカ16から音声として出力できる。また、データベース142に登録されたデータは、専用のアプリケーションを用いての乗務員の安全運転指導等のための各種解析にも利用される。
【0042】
<1−3.ドライブレコーダの構成>
図3は、ドライブレコーダ2の構成を示す図である。ドライブレコーダ2は、装置全体を制御する制御部としてマイクロコンピュータを備えている。具体的には、ドライブレコーダ2は、各種演算処理を行うCPU21、ファームウェアを記憶する不揮発性メモリ25、及び、演算処理の作業領域となるRAM24を備えている。ドライブレコーダ2の各部を制御する機能は、不揮発性メモリ25に予め記憶されたファームウェアに従ってCPU21が演算処理を実行することにより実現される。不揮発性メモリ25は、例えばフラッシュメモリなどで構成され、ファームウェアの他、各種の設定パラメータなどを記憶する。
【0043】
ドライブレコーダ2は、2つのカメラ31,32及びマイク33を備えており、これらはドライブレコーダ2の本体部とは別に車両Bの適位置に配置される。2つのカメラ31,32はそれぞれ、レンズと撮像素子とを備えており電子的に画像データを取得する。第1カメラ31は、その光軸が車室外の車両Bの前方に向けられており、車両Bの前方の領域を示す画像データを取得する。一方、第2カメラ32は、その光軸が車室内に向けられており、車両Bの乗務員や乗客の様子を示す画像データを取得する。また、マイク33は、車室外及び車室内の音を集音して音声データを取得する。
【0044】
ドライブレコーダ2は、2つのカメラ31,32からの信号を扱う処理部として、カメラ切替部22及び画像処理部23を備えている。カメラ切替部22は、2つのカメラ31,32から入力される信号を切り替えるものである。カメラ切替部22は、CPU21からの指示に基づいて、2つのカメラ31,32うちのいずれか一方の画像データの信号を入力する。
【0045】
画像処理部23は、2つのカメラ31,32から入力される信号について、A/D変換、輝度補正、コントラスト補正などの所定の画像処理を行い、JPEG形式などの所定形式のデジタルの画像データを生成する。画像処理部23において処理された画像データは、RAM24に記録される。
【0046】
RAM24の記憶領域のうちの一部はリングバッファとして利用される。このリングバッファに対して、画像処理部23において処理された画像データ、及び、マイク33で取得された音声データが常時に記憶される。リングバッファでは、最後の領域までデータが記憶されると最初の領域に戻って新たなデータが記憶される。これにより、リングバッファでは、最も古いデータに対して新たなデータが順次に上書きされていく。このため、RAM24においては、常に過去一定時間分の画像データ及び音声データが記憶された状態とされる。本実施の形態では、リングバッファに少なくとも40秒分の画像データ及び音声データが記憶されるようになっている。
【0047】
また、ドライブレコーダ2は、カードスロット26、計時回路27、加速度センサ28及びGPS受信部29を備えている。
【0048】
カードスロット26は、メモリカード9を着脱することが可能である。カードスロット26は、装着されたメモリカード9からのデータの読み取りや、メモリカード9へのデータの書き込みを行う。事故などの所定のイベントが生じたときは、CPU21の指示により、RAM24のリングバッファに記憶された画像データ及び音声データが、カードスロット26に装着されたメモリカード9に記録される。
【0049】
計時回路27は、その時点の時刻に対応した信号を発生して、CPU21へ出力する。計時回路27は、内臓電池を有し、外部から電力供給を受けなくとも動作して正確な時刻を計時する。
【0050】
加速度センサ28は、車両Bに加わる衝撃の大きさを示す加速度を、重力加速度のGを単位として検出する。加速度センサ28は、例えば、互いに直交する3軸あるいは2軸に応じた加速度の大きさを検出し、CPU21へ出力する。
【0051】
GPS受信部29は、複数のGPS衛星からの信号を受信して、その時点の車両Bの位置情報を取得する。GPS受信部29は、地球上における緯度経度で表現される位置情報を取得し、取得した位置情報をCPU21へ出力する。
【0052】
また、ドライブレコーダ2には、ユーザ(主に車両Bの乗務員)から指示を受け付ける部材として、記録スイッチ34及び操作部35を備えている。これらは、ユーザが操作しやすいように、ドライブレコーダ2の本体部とは別に、ハンドルの近傍などの車両Bの適位置に配置される。
【0053】
記録スイッチ34は、動画データのメモリカード9への記録指示を受け付けるスイッチである。ユーザは、事故が発生していない場面であっても、この記録スイッチ34を押下することにより所望のタイミングで動画データをメモリカード9へ記録できる。また、操作部35は、複数のボタンを含んで構成され、ユーザから各種設定などの入力を受け付ける。これらのユーザによる操作内容は、信号としてCPU21に入力される。
【0054】
また、ドライブレコーダ2は、車両Bに配置される車速センサ41及びドアセンサ42と接続されている。車速センサ41は、その時点の車両Bの走行速度(km/h)を検出してCPU21に出力する。ドアセンサ42は、車両Bのドアに設けられ、ドアの開閉を示す信号をCPU21に出力する。ドアセンサ42は、例えば、タクシーとして構成された車両Bの乗客が乗り降りする後部座席のドアなどに設けられている。
【0055】
<1−4.メモリカード>
次に、図1に示すドライブレコーダシステム100におけるメモリカード9の運用手法について説明する。図4は、メモリカード9の運用手法の流れの一例を示す図である。
【0056】
まず、データ表示装置1において、メモリカード9にドライブレコーダ2のデータを記録するための準備である記録準備処理がなされる(ステップS1)。メモリカード9は、フォーマットされて全てのデータが消去される。そして、ドライブレコーダ2に設定すべき各種の設定パラメータがメモリカード9に記録される。この際、メモリカード9に、データ漏洩を防止するためのセキュリティコードが記録されることになるが詳細は後述する。
【0057】
準備が完了したメモリカード9は、車両Bのドライブレコーダ2に装着される。この車両Bが事業所Aから出発して車両Bの運行が開始すると(ステップS2にてYes)、以降の車両Bの運行中にわたって、ドライブレコーダ2において、車両Bの運行に係る各種のデータをメモリカード9に記録するデータ記録処理がなされる(ステップS3)。
【0058】
その後、車両Bの運行が終了して車両Bが事業所Aに帰着すると(ステップS4にてYes)、メモリカード9は、ドライブレコーダ2から取り出されてデータ表示装置1に装着される。そして、データ表示装置1において、メモリカード9に記録されたデータを取り込むデータ取込処理がなされる(ステップS5)。具体的には、専用のアプリケーションの機能により、メモリカード9に記録されたデータが読み出され、所定の形式に変換されて、ハードディスク14のデータベース142に登録される。この際、メモリカード9の記録内容からセキュリティコードが取得され、そのセキュリティコードが所定のセキュリティコードでなければ処理が中断されることになるが詳細は後述する。
【0059】
データ表示装置1によりデータの取り込みが完了したメモリカード9は、再び、記録準備処理がなされた上で車両Bのドライブレコーダ2に装着され、車両Bの運行に係る各種のデータの記録に利用される(ステップS1〜S3)。
【0060】
このようにメモリカード9はドライブレコーダ2でのデータの記録に繰り返し利用され、メモリカード9に記録されたデータは、車両Bの一回の運行ごとにデータ表示装置1に取り込まれる。データ表示装置1では、事業所Aに所属する複数の車両Bそれぞれの運行完了後に、データ取込処理を実行することになる。
【0061】
図5は、メモリカード9におけるデータの格納状態を示す図である。メモリカード9内のデータ格納構造には、階層フォルダ構造(階層ディレクトリ構造)が採用され、各種のデータはいずれかのフォルダ内に格納される。図5において、フォルダやデータを示す記号の横に示された文字列は、対応するフォルダやデータの名称を示している。
【0062】
階層フォルダ構造の最上層には、「ルート」フォルダF0が設けられている。この「ルート」フォルダF0に、ドライブレコーダ2に設定すべき各種の設定パラメータが記録された設定ファイルD0が格納される。
【0063】
また、「ルート」フォルダF0内には子フォルダとして「運行データ」フォルダF1、「動画データ」フォルダF2、「音声データ」フォルダF3及び「常時記録データ」フォルダF4が設けられている。
【0064】
「運行データ」フォルダF1には、車両Bの運行中における位置、速度及び加速度などの車両Bの走行状況を示す運行データのファイルD1が格納される。運行データのファイルD1は、主にテキストで構成され、画像及び音声は含んでいない。運行データは、一定周期ごと、あるいは所定の条件で、同一のファイルD1に追加的に記録されていく。運行データを記録すべきファイルD1のデータサイズが所定サイズ(例えば1MB)を超えた場合は、新たなファイルD1が作成され、その新たなファイルD1に運行データが記録される。また、運行データのファイルD1は、そのヘッダ領域に、運行の開始時刻、車両Bの識別情報(IDコード)、乗務員の識別情報(IDコード)など、ドライブレコーダ2が搭載された車両Bの状況を特定する特定データを含んでいる。
【0065】
「動画データ」フォルダF2には、事故などの所定のイベントが発生したときに得られる動画データのファイルD2が格納される。動画データは、例えば、イベントの発生前の12秒間と発生後の8秒間との合計20秒分の画像データと音声データとで構成される。イベントごとに一つのファイルD2が作成され、一つのイベントに係る動画データは一つのファイルD2として記録される。
【0066】
また、「音声データ」フォルダF3には、所定のイベントが発生したときに得られる音声データのファイルD3が格納される。音声データは、イベントの発生前の12秒間と発生後の8秒間の合計20秒分の音声を含んでいる。イベントごとに一つのファイルD3が作成され、一つのイベントに係る音声データは一つのファイルD3として記録される。
【0067】
ドライブレコーダ2では、複数のイベントが予め想定されており、各イベントごとに動画データと音声データとのいずれを記録するかを設定可能となっている。このため、ある種類のイベントが発生した場合は動画データが記録され、ある別の種類のイベントが発生した場合は音声データが記録される。
【0068】
「常時記録データ」フォルダF2には、ドライブレコーダ2の起動中にわたって一定周期で得られた画像データと音声データとで構成される常時記録データのファイルD4が格納される。ドライブレコーダ2の起動中においては、イベントの発生とは無関係に一定周期ごとに、ファイルD4に常時記録データとしての画像データ及び音声データが追加的に記録されていく。常時記録データを記録すべきファイルD4のデータサイズが所定サイズ(例えば1GB)を超えた場合は、新たなファイルD4が作成され、その新たなファイルD4に常時記録データが記録される。
【0069】
<1−5.セキュリティコードの設定>
このようにドライブレコーダ2においては、運行データ、動画データ、音声データ及び常時記録データの4種類のデータがメモリカード9に記録される。これらの4種類のデータはすべてバイナリデータで構成され、一般的なコンピュータ等で用いられる汎用の形式(テキスト、JPEG、MPEG等)ではなく、ドライブレコーダシステム100の専用の特殊な形式となっている。したがって、ドライブレコーダ2で記録されたデータをディスプレイへ表示させたりスピーカから出力させたりするためには(すなわち、ドライブレコーダ2で記録されたデータの内容を確認するためには)、データ表示装置1においてプログラム141の実行により実現される専用のアプリケーションを用いる必要がある。
【0070】
ただし、このようにドライブレコーダ2で記録されるデータは専用の形式ではあるが、そのままでは、それを再生可能な専用のアプリケーションのプログラムを持ってさえいれば当該データの内容を確認できることになる。すなわち、単にデータの形式を専用の形式にしただけでは、メモリカード9を紛失した場合にデータの漏洩が生じる可能性が残る。そこで、本実施の形態のデータ表示装置1では、このようなデータ漏洩を防止するため、ドライブレコーダ2がデータの記録に用いるメモリカード9にセキュリティコードを記録するようにしている。
【0071】
セキュリティコードは、たとえば4桁の数字で構成されており、ユーザが任意のコードを設定可能である。このセキュリティコードの設定は、データ表示装置1を利用して実施する。
【0072】
図6は、データ表示装置1において、セキュリティコードの設定を行う場合の処理の流れを示す図である。この処理は、ドライブレコーダ2に記録されたデータを取り扱う専用のアプリケーションをデータ表示装置1で起動し、所定の操作を行うことで実行される。
【0073】
まず、セキュリティコードの設定を受け付ける設定ダイアログがディスプレイ15に表示される。図7は、この設定ダイアログ51の一例を示す図である。設定ダイアログ51には、テキストボックス51a、及び、設定ボタン51bが配置されている。
【0074】
ユーザは、このような設定ダイアログ51のテキストボックス51aに所望の4桁の数字を入力した上で、設定ボタン51bをクリックする。これにより、テキストボックス51aに入力された4桁の数字が、セキュリティコードとしてCPU11に受け付けられる(ステップS11)。そして、このセキュリティコードは、データ表示装置1のハードディスク14に記録される(ステップS12)。
【0075】
このようにして設定されたセキュリティコードは、データ表示装置1がメモリカード9に記録の準備を行う記録準備処理(図4のステップS1)において、メモリカード9に記録される。図8は、記録準備処理の流れを示す図である。この処理も、ドライブレコーダ2に記録されたデータを取り扱う専用のアプリケーションをデータ表示装置1で起動し、所定の操作を行うことで実行される。この処理の開始時点では、メモリカード9がカードスロット18に装着されているものとする。
【0076】
まず、メモリカード9に対してフォーマットがなされ、メモリカード9に記録されたすべてのデータが消去される(ステップS21)。
【0077】
次に、メモリカード9に設定ファイルD0が作成され、設定ファイルD0にドライブレコーダ2に設定すべき各種の設定パラメータが記録される。この設定パラメータは、データ表示装置1を利用して予めユーザにより設定されたものがハードディスク14から読み出されて利用される(ステップS22)。
【0078】
次に、ユーザが設定したセキュリティコードが、ハードディスク14から読み出されて取得される(ステップS23)。そして、取得されたセキュリティコードが、メモリカード9内の設定ファイルD0に記録される(ステップS24)。
【0079】
図9は、設定ファイルD0の内容の一例を示す図である。図に示すように、設定ファイルD0においては、複数の設定項目(「001」,「002」,…)にそれぞれ対応付けて、複数の設定パラメータPcが記録されている。さらに、設定ファイルD0には、これらの複数の設定パラメータPcと同様にして、セキュリティコードScが所定の設定項目(図の例では「050」)に対応付けて記録されている。
【0080】
このように、設定ファイルD0に、複数の設定パラメータPcとともにセキュリティコードScを記録することで、セキュリティコードScを複数の設定パラメータPcに紛れ込ませることができる。これにより、メモリカード9を不正に入手した第三者に、セキュリティコードSc自体の存在を把握しにくくさせることができる。また、セキュリティコードScの存在がわかったとしても、セキュリティコードScと設定パラメータPcとが同様の形式で記録されているため、いずれのコードがセキュリティコードScであるかを特定しにくくすることができる。
【0081】
<1−6.データ記録処理>
次に、ドライブレコーダ2が、記録準備処理がなされたメモリカード9に、各種のデータを記録するデータ記録処理(図4のステップS3)について説明する。図10は、データ記録処理の流れを示す図である。この動作の開始時点では、記録準備処理によりセキュリティコードが記録されたメモリカード9がカードスロット26に装着されているものとする。
【0082】
ドライブレコーダ2は起動すると、CPU21の制御によりイニシャル処理を実行する(ステップS31)。具体的には、まず、メモリカード9内に運行データのファイルD1が存在するか否かが確認される。
【0083】
メモリカード9内に運行データのファイルD1がなければ、運行開始と判断され、メモリカード9内に、運行データ、動画データ、音声データ及び常時記録データの4種類のデータをそれぞれ格納するためのフォルダF1〜F4が作成される。そして、「運行データ」フォルダF1内に運行データのファイルD1が新規に作成される。
【0084】
また、メモリカード9内の設定ファイルD0の各種の設定パラメータが読み出されて不揮発性メモリ25に記憶され、その設定パラメータに従ってドライブレコーダ2の設定がなされる。なお、このとき設定ファイルD0に記録されたセキュリティコードは無視される。
【0085】
また、この起動時点でメモリカード9内に運行データのファイルD1があれば、運行途中での再起動と判断され、運行データのファイルD1の作成、及び、ドライブレコーダ2の設定は省略される。
【0086】
イニシャル処理が完了すると、第1カメラ31または第2カメラ32により得られる画像データと、マイク33で取得される音声データとの、RAM24のリングバッファの領域への記憶が開始される(ステップS32)。画像データは、例えば30fps(毎秒30フレーム)のフレームレートでRAM24に記憶される。そして以降、所定の条件(ステップS33,S35,S37)で、運行データ、画像データ、及び、常時記録データがメモリカード9に記録される。このような画像データ及び音声データのRAM24への記憶(ステップS32)は、ドライブレコーダ2の起動中にわたって、ドライブレコーダ2が停止するまで実行される。
【0087】
ステップS33においては、運行データを記録すべき所定の第1周期であるかが判断され、第1周期であれば運行データがメモリカード9に記録される(ステップS34)。これにより、運行データが例えば10秒ごとにメモリカード9に記録される。運行データには、その時点の車両Bの位置、速度及び加速度などが含まれている。車両Bの位置はGPS受信部29で得られる位置情報が利用され、車両Bの速度は車速センサ41で得られる走行速度が利用され、加速度は加速度センサ28で得られる加速度が利用される。なお、運行データには、車両Bの位置、速度及び加速度の他、ドアセンサ42で得られるドアの開閉状況、記録スイッチ34の操作状況、車両Bの灯火類の点灯状態、及び、ハンドルの操舵角など車両Bの運行や走行に関する種々の情報が含まれることが望ましい。
【0088】
ステップS35においては、常時記録データを記録すべき所定の第2周期であるかが判断され、第2周期であれば常時記録データがメモリカード9に記録される(ステップS36)。これにより、画像データと音声データとを含む常時記録データが、例えば1秒ごとにメモリカード9に記録される。常時記録データの画像データとしては、RAM24のリングバッファに記憶された画像データのうちの最新の一つの画像データが利用される。したがって、常時記録データの画像データのフレームレートは1fps(毎秒1フレーム)となる。
【0089】
また、ステップS37においては、所定のイベントが発生したかが判断される。所定のイベントが発生した場合は、例えば、そのイベントの発生前の12秒間と発生後の8秒間との合計20秒分の画像データと音声データとが、RAM24のリングバッファから読み出される。そして、読み出された画像データと音声データとが利用されて一つの動画データが生成され、メモリカード9に記録される(ステップS38)。さらに、イベント発生時点の車両Bの位置、速度及び加速度などの車両Bの状況を示す運行データも、メモリカード9に記録される(ステップS39)。
【0090】
本実施の形態のドライブレコーダ2において、所定のイベントが発生したと判断される条件は、下記の条件(A)〜(D)である。
【0091】
(A)加速度センサ28において所定以上の加速度が所定時間以上継続して検出された場合。例えば、0.40G以上の加速度が100ミリ秒以上継続して検出された場合。
【0092】
(B)車速センサ41が検出した車両Bの所定の期間内の速度差が、閾値以上となった場合。例えば、速度60km/h以上で走行中に1秒間の減速が14km/h以上となった場合。
【0093】
(C)記録スイッチ34がユーザにより操作された場合。
【0094】
(D)ドアセンサ42においてドアの開が検出された場合。
【0095】
条件(A)は、比較的強い加速度が発生しており、車両Bの衝突事故発生の蓋然性が高い状況である。条件(B)は、急減速となっており事故が急迫した蓋然性が高い状況である。条件(C)は、ユーザ(主に車両Bの乗務員)がデータの記録を必要と判断した状況である。条件(D)は、トラブルが生じやすい、乗客が乗降する状況である。
【0096】
なお、条件(A)〜(D)に示したイベントの発生条件はあくまで一例であり、データ表示装置1を利用することで任意に変更可能である。また、発生したイベントの種類によっては、動画データに代えて音声データが記録されるようにすることも可能である。例えば、条件(D)では、音声データのみの記録とすることが考えられる。いずれのイベントで、動画データ及び音声データのいずれを記録するかは、データ表示装置1を利用することで任意に設定可能である。
【0097】
<1−7.データ取込処理>
次に、データ表示装置1が、ドライブレコーダ2で記録されたメモリカード9のデータを読み出してハードディスク14に記憶するデータ取込処理(図4のステップS5)について説明する。この処理では、セキュリティコードを利用したコード認証がなされる。すなわち、メモリカード9に記録されたセキュリティーコードが確認され、そのセキュリティーコードが設定されたものと一致する場合にのみ、当該メモリカード9からデータの読み取りがなされるようになっている。
【0098】
図11は、データ取込処理の流れを示す図である。この処理は、ドライブレコーダ2に記録されたデータを取り扱う専用のアプリケーションをデータ表示装置1で起動し、所定の操作を行うことで実行される。この処理の開始時点では、メモリカード9がカードスロット18に装着されているものとする。
【0099】
まず、メモリカード9に記録された設定ファイルD0からセキュリティコードが読み出されて取得される(ステップS41)。続いて、ユーザが設定したセキュリティコードがハードディスク14から読み出され、メモリカード9から取得されたセキュリティコードと、ハードディスク14から取得されたセキュリティコードとが比較される。
【0100】
この比較により、2つのセキュリティコードが一致した場合は(ステップS42にてYes)、メモリカード9に記憶された運行データ、動画データ、音声データ及び常時記録データなどが読み取られる(ステップS43)。そして、読み取られたデータは、登録に適した形式に変換された後、ハードディスク14のデータベース142に登録される(ステップS44)。このようにして読み取られたデータは、ディスプレイ15に画像として表示することや、スピーカ16から音声として出力することが可能とされる。
【0101】
一方、2つのセキュリティコードが一致しなかった場合や、メモリカード9からセキュリティコードを取得できなかった場合は(ステップS42にてNo)、データの読み取りはなされずそのままデータ取込処理が終了する。このような処理により、第三者が不正にメモリカード9を入手した場合であっても、その第三者が正しいセキュリティコードを知らなければ、ドライブレコーダ2で記録されたデータをディスプレイ15に画像として表示することや、スピーカ16から音声として出力することができない。その結果、第三者は、メモリカード9に記録されたデータの内容を確認できず、データの漏洩を有効に防止できることになる。
【0102】
以上のように、本実施の形態のデータ表示装置1においては、ユーザにより設定されたセキュリティコードをハードディスク14に記憶するとともに、ドライブレコーダ2がデータの記録に用いるメモリカード9にも記録する。データ取込処理において、メモリカード9に記録されたセキュリティコードがハードディスク14に記憶されたものと一致した場合には、メモリカード9に記録されたデータを読み取ってディスプレイ15に表示可能とする。このため、セキュリティコードを知らなければメモリカード9に記録されたデータを表示できないため、ドライブレコーダ2で記録されたデータの漏洩を有効に防止できる。
【0103】
また、記録準備処理においてメモリカード9の設定ファイルD0にセキュリティコードが記録され、データ取込処理において設定ファイルD0からセキュリティコードが取得されるため、ドライブレコーダ2としては特別な処理が必要とならず、ドライブレコーダ2はセキュリティコードが記録されたメモリカード9に通常通りデータの記録を行えばよい。このため、セキュリティの確保のためにドライブレコーダ2の改修が必要とならず、比較的低コストにデータ漏洩を防止することができる。したがって、ドライブレコーダとしては、従来から存在しているタイプのものであっても本実施の形態のドライブレコーダ2として用いることが可能である。業務用の車両を複数台使用して業務を行う事業者においては、車両によって搭載されるドライブレコーダのタイプが異なり、新しいタイプと古いタイプとが混在する場合がある。このような場合であっても、本実施の形態の手法を好適に適用して、データの漏洩を有効に防止できる。
【0104】
また、設定ファイルD0に複数の設定パラメータとともにセキュリティコードを記録するため、他の設定パラメータにセキュリティコードを紛れ込ませることができ、セキュリティコードの存在を隠すことができる。
【0105】
なお、設定ファイルD0ではなく、メモリカード9内の専用のファイルにセキュリティコードを記録するようにしてもよい。この場合は、その専用のファイルの属性を、”隠しファイル”とすることが望ましい。
【0106】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態ではセキュリティコードを設定ファイルD0に記録していたが、第2の実施の形態ではメモリカード9に記録するデータのそれぞれにセキュリティコードを埋め込むようにしている。第2の実施の形態のデータ表示装置1及びドライブレコーダ2の構成は第1の実施の形態と同一であるが、動作が第1の実施の形態と一部相違している。このため、以下では、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0107】
まず、第2の実施の形態のドライブレコーダ2によるデータ記録処理(図4のステップS3)について説明する。なお、第2の実施の形態の記録準備処理は、第1の実施の形態と同一の処理となる。
【0108】
第2の実施の形態のデータ記録処理の流れの概要は、図10に示す第1の実施の形態のデータ記録処理の流れとほぼ同様であるため、図10を利用して説明する。
【0109】
まず、ドライブレコーダ2は起動して、イニシャル処理を実行する(ステップS31)。具体的には、メモリカード9内に運行データのファイルD1がなければ、運行データのファイルD1を作成するとともに、メモリカード9内の設定ファイルD0の各種の設定パラメータが読み出されてドライブレコーダ2の設定がなされる。
【0110】
このとき、設定ファイルD0に記録されたセキュリティコードも設定パラメータとともに読み出され、不揮発性メモリ25に記憶される。セキュリティコードが読み取られると、メモリカード9の設定ファイルD0に記録されたセキュリティコードが削除される。これにより、セキュリティコードの存在自体を把握しにくくすることができる。
【0111】
イニシャル処理が完了すると、第1カメラ31または第2カメラ32により得られる画像データと、マイク33で取得される音声データとの、RAM24のリングバッファの領域への記憶が開始される(ステップS32)。そして以降、所定の条件(ステップS33,S35,S37)で、運行データ、画像データ、音声データ、及び、常時記録データなどがメモリカード9に記録される(ステップS34,S36,S38,S39)。
【0112】
第2の実施の形態のドライブレコーダ2においては、メモリカード9にこのようなデータのファイルを新規に作成する際に、当該ファイルの所定の領域にセキュリティコードを埋め込むようにしている。このセキュリティコードは、イニシャル処理において不揮発性メモリ25に記憶されたものが利用される。
【0113】
図12は、第2の実施の形態のドライブレコーダ2で記録されるデータのファイルDにおけるデータ領域の一例を示す図である。図に示すように、データのファイルDは、ヘッダ領域Da1と、実体データ領域Da3との相互間にセキュリティコード領域Da2を備えている。このセキュリティコード領域Da2に、セキュリティコードが埋め込まれる。このセキュリティコードは、バイナリ形式で記録されることが望ましい。ドライブレコーダ2でメモリカード9に記録される全てのデータのファイルは、図12に示すようにセキュリティコードが埋め込まれた状態となる。
【0114】
次に、第2の実施の形態のデータ表示装置1によるデータ取込処理(図4のステップS5)について説明する。図13は、第2の実施の形態のデータ取込処理の流れを示す図である。
【0115】
この処理においても、セキュリティコードを利用したコード認証がなされる。ただし、このとき装着されるメモリカード9に対してドライブレコーダ2において正常に処理がなされていれば、メモリカード9内の設定ファイルD0においてセキュリティコードは削除されている。このため、設定ファイルD0内のセキュリティコードに代えて、各ファイルのセキュリティコードが取得される。
【0116】
まず、メモリカード9に記録されたファイルのうちの一のファイルが、読み取り対象となる対象ファイルに選択される(ステップS51)。次に、メモリカード9内の対象ファイルのセキュリティコード領域Da2が読み取られ、対象ファイルに埋め込まれたセキュリティコードが取得される(ステップS52)。
【0117】
続いて、ユーザが設定したセキュリティコードがハードディスク14から読み出され、対象ファイルから取得されたセキュリティコードと、ハードディスク14から取得されたセキュリティコードとが比較される。
【0118】
この比較により、2つのセキュリティコードが一致した場合は(ステップS53にてYes)、対象ファイルがメモリカード9から読み取られ(ステップS54)、登録に適した形式に変換された後、ハードディスク14のデータベース142に登録される(ステップS55)。
【0119】
一方、2つのセキュリティコードが一致しなかった場合や、対象ファイルからセキュリティコードを取得できなかった場合は(ステップS53にてNo)、対象ファイルの読み取りはなされない。
【0120】
このようにして、一のファイルに関する処理が完了すると、対象ファイルとされていない未処理のファイルがメモリカード9に存在するかが判定される(ステップS56)。そして、存在していた場合は(ステップS56にてYes)、次の一のファイルが新たな対象ファイルに選択され(ステップS51)、埋め込まれたセキュリティコードに応じて読み取りが実行される。このような処理が繰り返され、最終的にメモリカード9内の全てのファイルについて処理がなされ、埋め込まれたセキュリティコードが設定されたものと一致するファイルのみが読み取られることになる。
【0121】
このように第2の実施の形態では、ドライブレコーダ2がメモリカード9に記録するデータのファイルのそれぞれにセキュリティコードを埋め込み、データ表示装置1は記録済のメモリカード9における読取対象とするデータのファイルから埋め込まれたセキュリティコードを取得する。そして、その埋め込まれたセキュリティコードが、設定されたものと一致する場合にのみ、当該データのファイルを読み取ってディスプレイ15に表示可能とする。このため、メモリカード9単位ではなく、データのファイル単位で個別にデータの漏洩を防止することができる。また、セキュリティコードがデータのファイルに埋め込まれているため、メモリカード9を不正に入手した第三者に、セキュリティコード自体の存在を把握しにくくさせることができる。
【0122】
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。上記第1及び第2の実施の形態では、データ表示装置1が、セキュリティコードをメモリカード9に記録する際に、セキュリティコード自体には特別な処理はしていなかった。これに対して、第3の実施の形態では、データ表示装置1が、セキュリティコードを暗号化した上でメモリカード9に記録するようにしている。
【0123】
図14は、セキュリティコードを暗号化した場合の概念を説明する図である。図14の例は、データ表示装置1においてセキュリティコードを設定する際に「1462」の4桁がユーザにより設定された場合を示している。この場合は、ハードディスク14にはセキュリティコードとして「1462」がそのまま記録される。
【0124】
一方で、記録準備処理において、メモリカード9にセキュリティコードを記録する場合には、セキュリティコードを暗号化した上で記録する。暗号化手法としては、周知の種々の手法が採用できる。簡便には、セキュリティコードの4つの数字を用いて、所定の演算を実施し、その結果を暗号化したセキュリティコード(以下、「暗号化コード」という。)とすればよい。
【0125】
例えば、セキュリティコードの4つの数字それぞれに関して「5」を加算し、それぞれの結果の1桁目を並べて、暗号化コードとすることが考えられる。図14の例では、セキュリティコードが「1462」であるため、暗号化コードは「6917」となる。したがって、この「6917」がメモリカード9に記録される。
【0126】
このようにしてメモリカード9に記録された暗号化コードは、上記第1及び第2の実施の形態におけるメモリカード9に記録されたセキュリティコードと同様に扱えばよい。ドライブレコーダ2の処理としては、上記第1及び第2の実施の形態のものと同一となる。
【0127】
データ表示装置1によるデータ取込処理においては、メモリカード9の記録内容から暗号化コードを読み取り、さらに、暗号化コードを復号してセキュリティコードを取得する。復号手法は、暗号化手法の逆変換となる。すなわち、暗号化した際の演算の逆演算を暗号化コードに実施すれば、セキュリティコードを復号できる。例えば、上記の「5」を加算する暗号化手法を採用した場合は、暗号化コードの4つの数字それぞれに関して「5」を減算すれば、セキュリティコードを復号できる。図14の例では、暗号化コードが「6917」であるため、セキュリティコードは「1462」として復号できる。そして、このように復号して得られたセキュリティコードを、ハードディスク14に記録されたセキュリティコードと比較すればよい。
【0128】
このように第3の実施の形態では、記録準備処理において、セキュリティコードを暗号化してメモリカード9に記録する。さらに、データ取込処理において、記録済のメモリカード9の記録内容から取得した暗号化コードを復号することで、セキュリティコードを得るようにしている。このため、メモリカード9が不正に第三者に入手され、第三者がセキュリティコードの存在に気づいたとしても、セキュリティコード自体の内容の把握が非常に困難となる。これにより、データの漏洩をさらに有効に防止できる。
【0129】
なお、上記で説明した形態では、記録済のメモリカード9の記録内容から取得した暗号化コードを復号していた。これに対して、ハードディスク14に記録されたセキュリティコードを暗号化した結果と、メモリカード9から得られた暗号化されたままのセキュリティコードとを比較するようにしてもよい。
【0130】
<4.第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態のデータ表示装置1及びドライブレコーダ2の構成及び処理は第1の実施の形態とほぼ同一である。ただし、第4の実施の形態では、データ表示装置1において、セキュリティコードを、適宜、変更可能となっている。
【0131】
図15は、第4の実施の形態のデータ表示装置1において、セキュリティコードの変更を行う場合の処理の流れを示す図である。この処理は、ドライブレコーダ2に記録されたデータを取り扱う専用のアプリケーションをデータ表示装置1で起動し、所定の操作を行うことで実行される。
【0132】
まず、セキュリティコードの変更を受け付ける変更ダイアログがディスプレイ15に表示される。図16は、この変更ダイアログ52の一例を示す図である。変更ダイアログ52には、2つのテキストボックス52a,52b、設定ボタン52c、及び、キャンセルボタン52dが配置されている。
【0133】
ユーザは、このような変更ダイアログ52の上部のテキストボックス52aに変更前のセキュリティコード、下部のテキストボックス52bに変更後のセキュリティコードをそれぞれ入力した上で、設定ボタン52cをクリックする。上部のテキストボックス52aに入力されたセキュリティコードがハードディスク14に記憶されたセキュリティコードと一致する場合は、下部のテキストボックス52bに入力された4桁の数字が、変更後のセキュリティコードとしてCPU11に受け付けられる(ステップS61)。
【0134】
そして、変更前のセキュリティコードがハードディスク14から削除されるとともに(ステップS62)、変更後のセキュリティコードがハードディスク14に記録される(ステップS63)。これにより、ハードディスク14には、変更後のセキュリティコードのみが記録された状態となる。なお、変更ダイアログ52のキャンセルボタン52dをクリックした場合は、そのまま処理が終了し、セキュリティコードは変更されずに従前のままとされる。
【0135】
このようにセキュリティコードを変更した場合は、データ表示装置1における以降の記録準備処理及びデータ取込処理において、変更後のセキュリティコードが利用されることになる。ただし、セキュリティコードの変更前に記録準備処理がなされたメモリカード9が、セキュリティコードの変更後にデータ取込処理において読み取り対象となる場面が想定される。この場合は、メモリカード9には、変更前のセキュリティコードが記録されているため、データの読み取りができなくなる可能性がある。これに対応するため、第4の実施の形態のデータ取込処理では、セキュリティコードのユーザによる入力を受け付けるようになっている。
【0136】
図17は、第4の実施の形態のデータ取込処理の流れを示す図である。まず、メモリカード9に記録された設定ファイルD0からセキュリティコードが読み出されて取得される(ステップS71)。続いて、ユーザが設定したセキュリティコードがハードディスク14から読み出される。このセキュリティコードは、直近に変更された最新のセキュリティコードとなる。そして、メモリカード9から取得されたセキュリティコードと、ハードディスク14から取得されたセキュリティコードとが比較される。
【0137】
2つのセキュリティコードが一致した場合は(ステップS72にてYes)、第1の実施の形態と同様に、メモリカード9からデータが読み取られ(ステップS73)、ハードディスク14のデータベース142に登録される(ステップS74)。
【0138】
一方、2つのセキュリティコードが一致しなかった場合は(ステップS72にてNo)、まず、ユーザにその旨が通知されるとともに、ユーザからセキュリティコードの入力を受け付ける入力ダイアログがディスプレイ15に表示される。図18は、入力ダイアログ53の一例を示す図である。入力ダイアログ53には、テキストボックス53a、及び、決定ボタン53bが配置されている。
【0139】
ユーザは、このような入力ダイアログ53のテキストボックス53aに自身が記憶している変更前のセキュリティコードを入力した上で、決定ボタン53bをクリックする。これにより、テキストボックス53aに入力されたセキュリティコードがCPU11に受け付けられる(ステップS75)。
【0140】
続いて、メモリカード9から取得されたセキュリティコードと、ユーザから入力されたセキュリティコードとが比較される。そして、これらのセキュリティコードが一致した場合は(ステップS76にてYes)、メモリカード9からデータが読み取られ(ステップS73)、ハードディスク14のデータベース142に登録される(ステップS74)。一方、これらのセキュリティコードが一致しなかった場合は(ステップS76にてNo)、データの読み取りはなされずそのままデータ取込処理が終了する。
【0141】
このように、第4の実施の形態では、セキュリティコードを、適宜、変更することが可能であるため、定期的にセキュリティコードを変更することで、データの漏洩をさらに有効に防止できる。
【0142】
また、メモリカード9から取得されたセキュリティコードとハードディスク14に記憶されたセキュリティコードとが一致しない場合に、セキュリティコードのユーザによる入力を受け付ける。このため、セキュリティコードを変更したとしても、変更前のセキュリティコードを覚えておけば、セキュリティコードの変更前に記録準備処理がなされたメモリカード9からデータの読み取りを行うことが可能である。
【0143】
なお、上記で説明した形態は、図11に示す第1の実施の形態と同様のデータ取込処理において、セキュリティコードの不一致があった場合に、セキュリティコードの入力をユーザから受け付ける処理を追加したものであった。これに対して、第2の実施の形態と同様の図13に示すデータ取込処理において、セキュリティコードの不一致があった場合に、セキュリティコードの入力をユーザから受け付ける処理を追加するようにしてもよい。
【0144】
また、上記で説明した形態では、メモリカード9から取得されたセキュリティコードとハードディスク14に記憶されたセキュリティコードとが一致しない場合に、セキュリティコードのユーザによる入力を受け付けていた。これに対して、ハードディスク14に記憶されたセキュリティコードとの比較を行わずに、毎回、セキュリティコードのユーザによる入力を受け付けるようにしてもよい。この場合、ハードディスク14にセキュリティコードを記憶させないようにしてもよい。
【0145】
<5.第5の実施の形態>
次に、第5の実施の形態について説明する。第4の実施の形態では、ユーザ自身が変更前のセキュリティコードを覚えておき、それをユーザが入力することで、変更前のセキュリティコードが記録されたメモリカード9のデータを読み取ることができるようにしていた。これに対して、第5の実施の形態では、データ表示装置1のハードディスク14に、変更後のセキュリティコードとともに、変更前のセキュリティコードも記憶されるようになっている。
【0146】
図19は、第5の実施の形態のデータ表示装置1において、セキュリティコードの変更を行う場合の処理の流れを示す図である。この処理は、ドライブレコーダ2に記録されたデータを取り扱う専用のアプリケーションをデータ表示装置1で起動し、所定の操作を行うことで実行される。
【0147】
まず、セキュリティコードの変更を受け付ける変更ダイアログ52(図16参照。)がディスプレイ15に表示される。そして、上部のテキストボックス52aに変更前のセキュリティコード、下部のテキストボックス52bに変更後のセキュリティコードをそれぞれ入力した上で、設定ボタン52cをクリックする。上部のテキストボックス52aに入力されたセキュリティコードがハードディスク14に記憶されたセキュリティコードと一致する場合は、下部のテキストボックス52bに入力された4桁の数字が、変更後のセキュリティコードとしてCPU11に受け付けられる(ステップS81)。そして、変更後のセキュリティコードがハードディスク14に記録される(ステップS82)。
【0148】
一方で、変更前のセキュリティコードがハードディスク14にそのまま維持される。このため、ハードディスク14には、過去に使われた変更前のセキュリティコードが蓄積されていくことになる。ただし、変更前のセキュリティコードの数が所定の閾値(例えば、10)を超える場合は、最も古いセキュリティコードがハードディスクから削除される(ステップS83,S84)。これにより、ハードディスク14に記憶される変更前のセキュリティコードの数は所定数(本実施の形態では10個)に制限される。
【0149】
第5の実施の形態のデータ取込処理においては、メモリカード9から取得されたセキュリティコードが、このようにハードディスク14に記憶された変更前のセキュリティコードと一致した場合にも、メモリカード9に記録されたデータが読み取られるようになっている。
【0150】
図20は、第5の実施の形態のデータ取込処理の流れを示す図である。まず、メモリカード9に記録された設定ファイルD0からセキュリティコードが読み出されて取得される(ステップS91)。続いて、ユーザが設定したセキュリティコードがハードディスク14から読み出される。このセキュリティコードは、直近に変更された最新のセキュリティコードとなる。そして、メモリカード9から取得されたセキュリティコードと、ハードディスク14から取得されたセキュリティコードとが比較される。
【0151】
2つのセキュリティコードが一致した場合は(ステップS92にてYes)、第1の実施の形態と同様に、メモリカード9からデータが読み取られ(ステップS93)、ハードディスク14のデータベース142に登録される(ステップS94)。
【0152】
一方、2つのセキュリティコードが一致しなかった場合は(ステップS92にてNo)、ハードディスク14に記憶されている、過去に使われた変更前の全てのセキュリティコードが読み出されて取得される。この変更前のセキュリティコードの数は、単数及び複数のいずれの場合もあるが、その数は所定数(本実施の形態では10個)までに制限される(ステップS95)。
【0153】
続いて、メモリカード9から取得されたセキュリティコードと、過去に使われた変更前の全てのセキュリティコードとが比較される。そして、メモリカード9から取得されたセキュリティコードが、過去に使われた変更前のセキュリティコードのいずれかと一致した場合は(ステップS96にてYes)、メモリカード9からデータが読み取られ(ステップS93)、ハードディスク14のデータベース142に登録される(ステップS94)。
【0154】
一方、メモリカード9から取得されたセキュリティコードが、過去に使われた変更前のセキュリティコードのいずれとも一致しなかった場合は(ステップS96にてNo)、データの読み取りはなされずそのままデータ取込処理が終了する。
【0155】
このように、第5の実施の形態では、セキュリティコードの変更をユーザから受け付け、変更前のセキュリティコードと、変更後のセキュリティコードとの双方をハードディスク14に記憶する。そして、データ取込処理において、メモリカード9から取得されたセキュリティコードと、ハードディスク14に記憶された変更前のセキュリティコードとが一致した場合においても、メモリカード9に記録されたデータが読み取られる。このため、セキュリティコードを変更したとしても、特別な操作を行うことなく、セキュリティコードの変更前に記録準備処理がなされたメモリカード9からデータの読み取りを行うことが可能である。
【0156】
ただし、メモリカード9から取得されたセキュリティコードとの比較に用いる変更前のセキュリティコードの数を無制限とすると、偶然の一致などによるデータの漏洩の可能性が高くなる。これに対して、第5の実施の形態では、メモリカード9から取得されたセキュリティコードとの比較に用いる変更前のセキュリティコードの数が所定数(本実施の形態では10個)に制限されることから、データの漏洩の可能性を低減できる。
【0157】
なお、上記で説明した形態では、ハードディスク14に記憶するセキュリティコードの数を制限していたが、ステップS95において読み出すセキュリティコードの数を制限したり、ステップS96において比較するセキュリティコードの数を制限したりしてもよい。
【0158】
また、上記で説明した形態において、メモリカード9から取得されたセキュリティコードと、ハードディスク14に記憶された変更前のセキュリティコードとが一致しなかった場合に、さらに、第4の実施の形態と同様に、セキュリティコードのユーザによる入力を受け付けるようにしてもよい。
【0159】
また、上記で説明した形態は、図11に示す第1の実施の形態と同様のデータ取込処理において、セキュリティコードの不一致があった場合に、変更前のセキュリティコードと比較する処理を追加したものであった。これに対して、図13に示す第2の実施の形態と同様のデータ取込処理において、セキュリティコードの不一致があった場合に、変更前のセキュリティコードと比較する処理を追加するようにしてもよい。
【0160】
<6.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態で説明した形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
【0161】
上記実施の形態ではセキュリティコードは4桁の数字で構成されていたがこれに限定されず、他の桁の数字で構成されてもよい。さらには、セキュリティコードは、数字のみならず、数字、文字及び記号等を任意に組み合わせたものであってもよい。
【0162】
また、上記実施の形態のアプリケーションは、メモリカード9に記録されたデータを読み取ってハードディスク14に登録することで、データをディスプレイ15に表示可能とするものであった。これに対して、アプリケーションは、メモリカード9に記録されたデータを直接的に読み取って、ディスプレイ15に表示するものであってもよい。この場合も、データを読み取る前、あるいは、データをディスプレイ15に表示する前に、上記実施の形態と同様のセキュリティコードを用いたコード認証を実施すればよい。
【0163】
また、ドライブレコーダ2が、メモリカード9に記録するデータそのものをセキュリティコードを利用して暗号化するようにしてもよい。この場合は、データ表示装置1のデータ取込処理において、メモリカード9から読み取ったデータを、ハードディスク14に記憶されたセキュリティコードを利用して復号すればよい。ただし、このような構成を採用すると、ドライブレコーダ2での記録時におけるアルゴリズムが複雑になり、ドライブレコーダ2での記録の迅速性や信頼性が悪化する可能性もある。車両の事故などの緊急時に画像データ等をメモリカード9に記録するというドライブレコーダ2の本来の機能を確実に発揮するためには、上記の実施の形態のように、単純に暗号化していないデータをメモリカード9に記録する構成が望ましい。
【0164】
上記実施の形態では、ドライブレコーダシステム100をタクシー事業を行う事業者に適用した場合を例に説明したが、トラック、バス及び商用車などの業務用の車両を複数台使用して業務を行う事業者であれば、どのような事業者にも適用可能である。
【0165】
また、業務用ではなく一般消費者向けのドライブレコーダシステムであっても、上記実施の形態で説明した技術を好適に適用することが可能である。このようなドライブレコーダシステムは、一般的なパーソナルコンピュータ等で構成されるデータ表示装置と、一般消費者向けにカスタマイズされたドライブレコーダとで構成される。
【0166】
また、上記実施の形態では、可搬性の記録媒体としてメモリカード9を採用するとして説明を行ったが、読み書き可能なCD−ROMなどの記録ディスクや、可搬性のハードディスクなどを採用してもよい。
【0167】
また、上記実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。
【符号の説明】
【0168】
1 データ表示装置
2 ドライブレコーダ
9 メモリカード
A 事業所
B 車両
11 CPU
14 ハードディスク
15 ディスプレイ
141 プログラム
142 データベース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライブレコーダで可搬性の記録媒体に記録されたデータを表示手段に表示する表示装置であって、
前記ドライブレコーダがデータの記録に用いる記録媒体にセキュリティコードを記録するコード記録手段と、
前記記録媒体への記録に用いるセキュリティコードと同一のセキュリティコードを記憶する不揮発性の記憶装置と、
前記ドライブレコーダでデータが記録済の記録媒体の記録内容からセキュリティコードを取得するコード取得手段と、
前記記録媒体から取得されたセキュリティコードと、前記記憶装置に記憶されたセキュリティコードとが一致した場合に、前記記録済の記録媒体に記録されたデータを前記表示手段に表示可能とするコード認証手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記コード記録手段は、前記セキュリティコードを所定のファイルに記録し、
前記コード取得手段は、前記記録媒体の前記所定のファイルから前記セキュリティコードを取得することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の表示装置において、
前記所定のファイルは、前記ドライブレコーダの複数の設定パラメータが記録された設定ファイルであることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載の表示装置において、
前記ドライブレコーダは、前記記録媒体に記録するデータのそれぞれに前記セキュリティコードを埋め込むものであり、
前記コード取得手段は、前記記録済の記録媒体における読取対象とするデータから前記セキュリティコードを取得することを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の表示装置において、
前記コード記録手段は、前記セキュリティコードを暗号化して前記記録媒体に記録することを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項5に記載の表示装置において、
前記コード取得手段は、前記記録済の記録媒体の記録内容から取得した暗号化されたセキュリティコードを復号することを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の表示装置において、
セキュリティコードの変更をユーザから受け付け、変更前のセキュリティコードと、変更後のセキュリティコードとの双方を前記記憶装置に記憶する手段、
をさらに備え、
前記コード認証手段は、前記記録媒体から取得されたセキュリティコードと、前記記憶装置に記憶された変更前のセキュリティコードとが一致した場合にも、前記記録済の記録媒体に記録されたデータを表示可能とすることを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項7に記載の表示装置において、
前記コード認証手段が前記記録媒体から取得されたセキュリティコードとの比較に用いる変更前のセキュリティコードの数は所定数に制限されることを特徴とする表示装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の表示装置において、
前記記録媒体から取得されたセキュリティコードと、前記記憶装置に記憶されたセキュリティコードとが一致しない場合に、セキュリティコードのユーザによる入力を受け付ける受付手段、
をさらに備え、
前記コード認証手段は、前記記録媒体から取得されたセキュリティコードと、前記受付手段で入力されたセキュリティコードとが一致した場合にも、前記記録済の記録媒体に記録されたデータを表示可能とすることを特徴とする表示装置。
【請求項10】
車両に搭載され、該車両の走行に係るデータを可搬性の記録媒体に記録するドライブレコーダであって、
セキュリティコードが記録された記録媒体から、前記セキュリティコードを読み取る読取手段と、
読み取った前記セキュリティコードを、前記記録媒体に記録するデータのそれぞれに埋め込む埋込手段と、
を備えることを特徴とするドライブレコーダ。
【請求項11】
請求項10に記載のドライブレコーダにおいて、
前記読取手段が、前記記録媒体から前記セキュリティコードを読み取った後に、前記セキュリティコードを前記記録媒体から削除する削除手段、
をさらに備えることを特徴とするドライブレコーダ。
【請求項12】
ドライブレコーダで可搬性の記録媒体に記録されたデータを表示手段に表示する方法であって、
前記ドライブレコーダがデータの記録に用いる記録媒体にセキュリティコードを記録する工程と、
前記記録媒体への記録に用いるセキュリティコードと同一のセキュリティコードを不揮発性の記憶装置に記憶する工程と、
前記ドライブレコーダでデータが記録済の記録媒体の記録内容からセキュリティコードを取得する工程と、
前記記録媒体から取得されたセキュリティコードと、前記記憶装置に記憶されたセキュリティコードとが一致した場合に、前記記録済の記録媒体に記録されたデータを前記表示手段に表示可能とする工程と、
を備えることを特徴とする表示方法。
【請求項13】
ドライブレコーダで可搬性の記録媒体に記録されたデータを表示手段に表示する表示装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、
前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、
前記ドライブレコーダがデータの記録に用いる記録媒体にセキュリティコードを記録する工程と、
前記記録媒体への記録に用いるセキュリティコードと同一のセキュリティコードを不揮発性の記憶装置に記憶する工程と、
前記ドライブレコーダでデータが記録済の記録媒体の記録内容からセキュリティコードを取得する工程と、
前記記録媒体から取得されたセキュリティコードと、前記記憶装置に記憶されたセキュリティコードとが一致した場合に、前記記録済の記録媒体に記録されたデータを前記表示手段に表示可能とする工程と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
ドライブレコーダで可搬性の記録媒体に記録されたデータを表示手段に表示する表示装置であって、
前記ドライブレコーダがデータの記録に用いる記録媒体にセキュリティコードを記録するコード記録手段と、
前記記録媒体への記録に用いるセキュリティコードと同一のセキュリティコードを記憶する不揮発性の記憶装置と、
前記ドライブレコーダでデータが記録済の記録媒体の記録内容からセキュリティコードを取得するコード取得手段と、
前記記録媒体から取得されたセキュリティコードと、前記記憶装置に記憶されたセキュリティコードとが一致した場合に、前記記録済の記録媒体に記録されたデータを前記表示手段に表示可能とするコード認証手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記コード記録手段は、前記セキュリティコードを所定のファイルに記録し、
前記コード取得手段は、前記記録媒体の前記所定のファイルから前記セキュリティコードを取得することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の表示装置において、
前記所定のファイルは、前記ドライブレコーダの複数の設定パラメータが記録された設定ファイルであることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載の表示装置において、
前記ドライブレコーダは、前記記録媒体に記録するデータのそれぞれに前記セキュリティコードを埋め込むものであり、
前記コード取得手段は、前記記録済の記録媒体における読取対象とするデータから前記セキュリティコードを取得することを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の表示装置において、
前記コード記録手段は、前記セキュリティコードを暗号化して前記記録媒体に記録することを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項5に記載の表示装置において、
前記コード取得手段は、前記記録済の記録媒体の記録内容から取得した暗号化されたセキュリティコードを復号することを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の表示装置において、
セキュリティコードの変更をユーザから受け付け、変更前のセキュリティコードと、変更後のセキュリティコードとの双方を前記記憶装置に記憶する手段、
をさらに備え、
前記コード認証手段は、前記記録媒体から取得されたセキュリティコードと、前記記憶装置に記憶された変更前のセキュリティコードとが一致した場合にも、前記記録済の記録媒体に記録されたデータを表示可能とすることを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項7に記載の表示装置において、
前記コード認証手段が前記記録媒体から取得されたセキュリティコードとの比較に用いる変更前のセキュリティコードの数は所定数に制限されることを特徴とする表示装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の表示装置において、
前記記録媒体から取得されたセキュリティコードと、前記記憶装置に記憶されたセキュリティコードとが一致しない場合に、セキュリティコードのユーザによる入力を受け付ける受付手段、
をさらに備え、
前記コード認証手段は、前記記録媒体から取得されたセキュリティコードと、前記受付手段で入力されたセキュリティコードとが一致した場合にも、前記記録済の記録媒体に記録されたデータを表示可能とすることを特徴とする表示装置。
【請求項10】
車両に搭載され、該車両の走行に係るデータを可搬性の記録媒体に記録するドライブレコーダであって、
セキュリティコードが記録された記録媒体から、前記セキュリティコードを読み取る読取手段と、
読み取った前記セキュリティコードを、前記記録媒体に記録するデータのそれぞれに埋め込む埋込手段と、
を備えることを特徴とするドライブレコーダ。
【請求項11】
請求項10に記載のドライブレコーダにおいて、
前記読取手段が、前記記録媒体から前記セキュリティコードを読み取った後に、前記セキュリティコードを前記記録媒体から削除する削除手段、
をさらに備えることを特徴とするドライブレコーダ。
【請求項12】
ドライブレコーダで可搬性の記録媒体に記録されたデータを表示手段に表示する方法であって、
前記ドライブレコーダがデータの記録に用いる記録媒体にセキュリティコードを記録する工程と、
前記記録媒体への記録に用いるセキュリティコードと同一のセキュリティコードを不揮発性の記憶装置に記憶する工程と、
前記ドライブレコーダでデータが記録済の記録媒体の記録内容からセキュリティコードを取得する工程と、
前記記録媒体から取得されたセキュリティコードと、前記記憶装置に記憶されたセキュリティコードとが一致した場合に、前記記録済の記録媒体に記録されたデータを前記表示手段に表示可能とする工程と、
を備えることを特徴とする表示方法。
【請求項13】
ドライブレコーダで可搬性の記録媒体に記録されたデータを表示手段に表示する表示装置に含まれるコンピュータによって実行可能なプログラムであって、
前記プログラムの前記コンピュータによる実行は、前記コンピュータに、
前記ドライブレコーダがデータの記録に用いる記録媒体にセキュリティコードを記録する工程と、
前記記録媒体への記録に用いるセキュリティコードと同一のセキュリティコードを不揮発性の記憶装置に記憶する工程と、
前記ドライブレコーダでデータが記録済の記録媒体の記録内容からセキュリティコードを取得する工程と、
前記記録媒体から取得されたセキュリティコードと、前記記憶装置に記憶されたセキュリティコードとが一致した場合に、前記記録済の記録媒体に記録されたデータを前記表示手段に表示可能とする工程と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2011−77899(P2011−77899A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−228216(P2009−228216)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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