説明

表面コーティング方法およびその使用

表面をコーティングするための方法に関し、コーティングを表面に形成する方法を提供する。上記方法は、表面物質を除去するための十分なエネルギーを有する粒子を用いて表面を衝撃することを含む。同時に、煙霧剤が表面に送達される。表面に衝突する粒子と煙霧剤の存在との協働作用は、表面におけるコーティングの形成に寄与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、表面をコーティングするための方法および得られた被コーティング表面に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれている、2007年10月16日に出願されたアイルランド特許出願第IE2007/0754号、同第IE2007/0753号の外国優先権の利益を主張するものである。
【0003】
金属またはセラミックの表面を処理するための方法は、一般に、異なる範疇の処理に分類され以下の態様を含む。
・既存の表面の物理的および/または化学的性質を改質する方法。
・既存の表面を除去して、異なる化学的および/または物理的特性を有する新しい表面を生成する方法。
・既存の表面に材料を堆積することによって新しい表面を生成する方法。
【0004】
デバイスの既存の表面の化学的性質を改質するために用いられる方法としては、例えば、金属デバイスの耐摩耗性をより強くするために、金属デバイスを窒化、浸炭および浸炭窒化して金属表面を硬化させる方法が挙げられる。現在、チタン、チタン合金および鋼を窒化する4つの主な方法が存在する。これらは、プラズマ窒化法(Rieら、1995年)、イオンビーム窒化法(ChenおよびJuang、1997年)、レーザ窒化法(Xueら、1997年)およびガス窒化法(Gilら、2002年)である。これらの方法の効果は、主に、それぞれ窒素のチタンおよびチタンにおけるフェライト相ならびに鋼合金への容易な拡散によるものである。鋼(およびより小さい範囲でチタンおよびチタン合金)を浸炭する主な方法は、プラズマ浸炭法(Dongら、2006年)、ガス浸炭法(LiおよびManory、1995年)および真空浸炭法(ChenおよびLiu、2003年)である。
【0005】
ショットピーニング(Shot peening)は、既存のデバイス表面の物理的性質を改質することができる方法である。ショットピーニングでは、固体微粒子が、目標基板、典型的には金属基板の表面に衝突するように、湿潤または乾燥キャリヤー流体、典型的にはそれぞれ水および空気によって高速で推射される。ショットピーニングは、金属デバイスの表面に望ましい応力特性をもたらすための手段として長期間にわたって確立されたものであり、衝突粒子がピーニングハンマーとして作用して表面に局所的な可塑変形を引き起こすことで、表面が亀裂および腐食を被りにくくする。大きな圧力に加えて、大量の熱エネルギー、1000℃もの瞬間温度が報告されており、それらも表面の衝突付近で局所的に生成される。
【0006】
例えば酸化物などの表面物質を除去することにより表面化学特性を改質する方法の中には、化学エッチング処理、電気溶解処理、電気研磨処理がある。また、この範疇には、グリットブラスト処理およびサンドブラスト処理などの研磨法がある。グリットブラストおよびサンドブラストは、マイクロメートルの寸法の硬質研磨粒子を流体流により高速で表面に送達する処理である。これらの粒子の高度な運動エネルギーは、粒子が表面に衝突した際にデバイス表面に局所的に高温および高圧を生成させる。これは、また、表面の粒を除去して、それまでバルクの状態にあった原子を表面に位置させる。流体流が空気であり、基板が反応性金属であるグリットブラスト法において、それまでバルクの状態であったこれらの原子は、次いで、表面に新たな酸化物層を形成するように酸素と迅速に反応することになる。
【0007】
表面に新たな物質を堆積する方法としては、例えば、化学蒸着法(CVD)、電気メッキ法、電気重合法、ゾルゲル技術およびスプレーコーティングが挙げられる。スプレーコーティングは、液体を霧化し、基板に吹き付ける技術である。通常、霧化法は、高圧ガス流を用いて化学種を破壊して霧化させることで、それを小さい液滴にする方法である。次いで、これらの液滴は、ガス流で表面に運ばれる。典型的には、霧化した化学種は、溶質または懸濁粒子として表面に堆積される物質を含む。これらの物質は、キャリヤー液体が、通常、シラン結合、エポキシ結合などの複雑な化学結合剤、およびポリマーの場合は架橋剤を通じて、あるいは例えばゾル−ゲル堆積セラミックコーティングの場合のように熱に対する長時間の曝露を伴う硬化処理を通じて蒸発するのに伴って表面に付着する。
【0008】
ショットピーニング法および研磨法は、さらなる処理の準備に際して表面を浄化および調節するための手段として表面科学で広く使用されてきた。ショットピーニング法は、基板の同時洗浄および塗装について知られている(KikおよびSchuurink、1985年)。利点は、洗浄と塗装の間の遅れをなくして、洗浄された金属表面が塗料の塗布前に再び酸化されることを最小限に抑えることである。GrussおよびShapiro、1987年には、後のコーティングのための準備に際して表面を浄化および調節するためにショットピーニングが用いられる印刷回路基板のコーティングのための方法が記載されている。
【0009】
最近になって、所望の固体物質を表面に埋め込むことによって金属および他の基板の表面化学特性/組成を改質するための手段として、ショットピーニング法または研磨法を使用するいくつかの技術が開示され、これらの技術は3つの異なる手法に分割することができる。
【0010】
第1の方法において、単一の種類の単相固体微粒子がピーニングまたは研磨媒体として使用される。この方法において、微粒子の微細片が衝突により金属の表面に埋め込まれる。粒子は、表面を研磨し、または表面に衝撃を与えるための十分な硬度サイズおよび質量を有していなければならないため、当該方法は、たいていセラミック材料を埋め込むのに使用される。例としては、ArolaおよびMcCainの特許(ArolaおよびMcCain、2003年)ならびにKuoの特許(Kuo、1995年)のようにとりわけシリカ、アルミナまたはリン酸カルシウムのセラミックが挙げられる。
【0011】
第2の方法も、ピーニングまたは研磨媒体として単一種類の固体粒子が使用されるが、粒子自体が複数の構成要素、通常は、粒子に質量および密度を与える硬質の構成要素および衝突の際に粒子を表面に埋め込む、または付着させるのに望ましいより軟質の構成要素で構成される。例は、(MullerおよびBerger、2004年;BruMaginezら、2002年;HisadaおよびKihira、2004年;OmoriおよびKieffer、2000年)ならびに歯科用インプラントのためのRocatek(商標)接着システムに見出される。
【0012】
第3の方法は、異なる種類の固体微粒子媒体、すなわち一次的な研磨またはピーニング物質と、埋め込み、または表面を増強するのに望ましい二次的な物質とを、それらが表面に同時に衝突するように同じ流体流において混合するものである。この方法の例を(BabeckiおよびHaehner、1971年;ChuおよびStaugaitis、1985年;Spears、1988年;Vose、2006年;Enbio Ltd.ら、2008年)に見出すことができ、そこでは当該方法が、プラスチック、セラミックおよび金属を含む多くの物質を有する様々な基板の表面組成を改質することが主張されている。特許文献1には、標準的なグリットブラスト処理時に表面に送達された固体粒子を金属酸化層に含浸させ、研磨作用によって表面酸化物に破壊を生じさせることで、より小さい/軟質の固体微粒子を、それが再形成するときに酸化物に取り込むことを可能にするためのグリットブラストの使用が教示されている。
【0013】
これらの改良型ショットピーニング手法は、いくつかの理由で、その表面改質能力に限界がある。第1に、表面化学特性を強化する化学種は、固体物質に限定される。
【0014】
加えて、増強した表面層は、埋め込まれた微粒子および目標金属の改質された酸化物を含む組成物である。これは、金属の表面層の増強の可能性を与えるが、対象となる金属基板上の本来の酸化物層にほぼ等しい厚さに限定される。例えばチタン、アルミニウムおよびそれらの合金などの多くの金属において、この層自体は、この薄い表面層に組み込むことができる所望の微粒子の濃度および性質を必然的に制限するナノメートルのオーダーであってもよい。
【0015】
また、表面を増強するのに望ましい固体微粒子は、ミクロン未満またはナノメートルのサイズの範囲であってもよく、呼吸ならびに他の健康および安全上の危険性をもたらす当該固体状態の粒子の扱いは、健康および安全上の問題を生じさせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】国際公開第2008/033867号パンフレット
【特許文献2】米国特許第6,502,442号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
様々な基板の表面を改質するためのコーティング方法において技術的改善を図るものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本出願は、先行技術のこれらの限界に対処しようとするものであり、様々な基板の表面を改質するためのコーティング方法に向けられる。該方法は、煙霧剤に供給された前駆物質が、衝撃粒子と協働で表面上の付着コーティングに変換されるように、表面に煙霧剤を供給するのと同時に表面を粒子で衝撃(bomberd)することを含む。該方法は、ミクロン未満のスケールでの動的圧密化と同様である。ショットピーニングまたは同様の方法によるものであってもよい衝撃粒子との煙霧剤の同時送達は、先行技術と比較して有意な改善をもたらす。
【0019】
前駆組成物は、ポリマー、有機または無機化学種のゲル、懸濁液、コロイド、溶液であってもよい。該方法を室温で実施することができる。例えば水を含む任意の好適な溶媒を使用することができる。
【0020】
対照的に、物体の表面を改質するためにショットピーニングを利用するこれまでの技術には、酸化層の含浸のみが教示されていた。本出願は、先行技術に伴う問題の多くを解決する。本出願は、物体表面への別個の層の接着を可能にする。
【0021】
加えて、煙霧剤を使用すると微粒子塵雲の形成が抑制されるため、健康および安全上の問題にも対処する。さらに、ミクロン未満の乾燥微粒子の流動化に伴う問題が解消される。加えて、懸濁液として供給される多くの前駆組成物、特にポリマー粒子が利用可能であり、適正な物理特性の乾燥微粒子物質を得る上での困難さが解消される。
【0022】
1つの形態において、表面上にコーティングを形成するための方法は、ガス流内に取り込まれた粒子で表面を衝撃するステップであって、衝撃粒子が、衝突すると表面から物質を除去するための十分なエネルギーを有するステップを含む。例えば、ドライショットピーニング機、乾式ブラスター、ホイール研磨機、グリットブラスター、サンドブラスターまたはミクロブラスターの1つまたは複数の装置を用いて、表面を衝撃することができる。衝撃粒子は、好適にはショット、グリットまたはそれらの組合せであり、セラミック、金属、金属合金、ポリマーまたはそれらの組合せであってもよい。それは、表面物質に左右されることになるが、衝撃粒子は、表面から物質を除去するために、表面に達したときに0.001ピコジュール以上の運動エネルギーを必要とし得る。
【0023】
表面を粒子で衝撃すると同時に、煙霧剤が表面に送達される。煙霧剤を衝撃粒子と同じガス流内で、または個別のガス流内で送達することができる。煙霧剤の構成成分は、衝撃粒子の衝突性と協働してコーティングを形成する。コーティングのための前駆物質を少なくとも部分的に煙霧剤の1つまたは複数の構成成分によって供給することができる。さらに、コーティングを全面的にそれらの構成成分から形成することができる。煙霧剤の構成成分が部分的に寄与する場合は、衝撃粒子および/または他の粒子が、残りの前駆コーティング物質を与えることができる。例えば、衝撃粒子は、硬質コアを囲む軟質物質の外層を有することができ、外層は、コーティングの前駆物質の1つである。前駆物質は、化学反応または他の反応の結果として変換され得るため、前駆コーティング物質は、得られたコーティング物質と同じでなくてもよいことが理解されるであろう。
【0024】
液体、溶液、懸濁液、ゲルまたはゾルおよびコロイドの1種または複数を霧化することによって煙霧剤を生成することができる。最も適切なものは、必要とされるコーティングの性質および特定の形のコーティング構成成分の可用性に左右されることになる。
【0025】
例えば、ベルヌーイ霧化器、加圧霧化器、二流体霧化器、超音波霧化器、改良型スプレー乾燥器、改良型スプレーコーター、エアブラシ、電気スプレー霧化器、同軸ノズルアセンブリおよびガスレンズ原理で動作する同軸ノズルアセンブリを含む従来のデバイスを使用して煙霧剤を製造することができる。一般に、当該霧化器は、霧化ガスを用いることになる。煙霧剤および衝撃粒子を送達するガスを慎重に選択することによって、一定の利点を得ることができる。したがって、いくつかの場合は、酸化ガスが望ましいのに対して、他の場合は、ガスが酸素を実質的に含まないことが望ましく、その場合は、例えば、ガスは、アンモニアおよび窒素を含む窒素性ガス、ヘリウムおよびアルゴンを含む不活性ガス、一酸化炭素、二酸化炭素および炭化水素を含む炭素性ガス、一酸化硫黄、二酸化硫黄および三酸化硫黄を含む硫黄性ガス、ハロゲン含有ガスおよび/または水素ガスを含むことができる。したがって、例えば、コーティングの形成の前または最中に表面を窒化することができる。
【0026】
該方法は、様々な前駆物質を用いて、例えば、ポリマー、セラミック、ガラス、生体用ガラス、金属、金属合金、活性剤、モノマー、イオン、溶媒または有機金属錯体の1種または複数を含むコーティングを形成することを可能にする。ポリマーの場合は、ポリマーは、熱可塑材、熱硬化性プラスチック、生体適合性ポリマーおよび/または殺生もしくは静菌ポリマーを含むことができる。
【0027】
先行技術と対照的に、この方法は、前駆コーティング物質が活性剤を含むことを可能にする。したがって、例えば、薬物、抗生物質、抗再狭窄薬、抗炎症薬、抗血栓薬、タンパク質、オリゴ−ペプチド、コロイド金属もしくは有機金属、N−ハラミンまたは第四級イオンの1種または複数が前駆コーティング物質内に含まれてもよいため、得られたコーティング内に存在する。
【0028】
被コーティング表面に後続の処理を施してコーティングの特性を増強することができる。当該処理は、その形態を増強するためのコーティングからの物質の溶解、コーティング内または上への物質の析出、微粒子をコーティングに埋め込むための微粒子衝撃、イオン交換法による構成要素の補充、破屑物を除去し、かつ/または活性剤を補充するための洗浄処理、および/または電気または磁気極性化処理などを含む極性化処理の1種または複数を含むことができる。
【0029】
該方法は、医療用デバイスの表面の処理、特に移植可能な医療用デバイスに特に好適である。これらの場合、該方法は、表面を殺生性または静菌性にすることができる。同様に、該コーティングは、キャリヤーマトリックスを提供することができ、活性剤をキャリヤーマトリックスに結合させ、吸着させ、または取り込むことができる。したがって、活性剤、すなわち抗再狭窄薬、免疫抑制薬、抗炎症薬、抗癌薬、抗生物質、抗血栓薬、タンパク質、骨形態形成タンパク質、酵素、リン酸カルシウムまたはオリゴ−ペプチドの1種または複数を医療用デバイスの表面に設けることができる。
【0030】
キャリヤーマトリックスは、リン酸カルシウム、シリカ、アルミナ、チタニア、硫酸カルシウム、生体用ガラス、ジルコニア、安定化ジルコニア、ランタニドの酸化物、重炭酸ナトリウムまたは生体適合性ポリマーの1種または複数を含むことができる。
【0031】
さらなる態様は、本明細書に記載の方法を採用すると、少なくとも0.1ミクロンの厚さで、表面との接着強度が少なくとも1.5MPaである接着ポリマーコーティングを有する殺生性表面を提供できることである。殺生性表面のコーティングは、ポリアミド−イミド、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリロニトリルまたはアクリロニトリルのコポリマー、ペンダントアミン、アミドまたはイミド基を有するポリマーの1種または複数を含むことができ、該表面は、被コーティング表面をハロゲン含有溶液に曝露することによって殺生性が付与または再付与される。ハロゲン含有溶液は、次亜塩素酸、次亜臭素酸、漂白剤、次亜塩素酸塩、過塩素酸塩、次亜臭素酸塩、過臭素酸塩、ハロゲン化水溶液、塩化メチレン、臭化メチレンまたはハロ−アルカン溶液の1種または複数であってもよい。
【0032】
また、さらなる態様は、少なくとも0.1ミクロンの厚さで、表面との接着強度が少なくとも1.5MPaである接着コーティングを有する生体活性表面であって、接着コーティングがポリマーおよびコロイド金属を含む生体活性表面を提供できることである。この態様において、ポリマーを、ポリテトラフルオロエチレンもしくはポリテトラフルオロエチレン誘導体、ポリエチレン、ポリアクリル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミドまたはポリウレタンの1つから選択することができ、かつ/またはコロイド金属は、銀、錫、ニッケルまたはそれらの組合せであってもよい。表面は、殺生性、静菌性またはそれらの組合せであってもよい。
【0033】
別の態様において、キャリヤーマトリックスおよび活性剤を含む接着多孔質コーティングを有する移植可能物体であって、コーティングは、少なくとも0.1ミクロンの厚さであり、コーティングに均一に分布した、コーティング1立方ミリメートル当たり1ピコグラムから20ミリグラムの活性剤を有する移植可能物体を提供することができる。移植可能物体のためのキャリヤーマトリックスは、リン酸カルシウム、シリカ、アルミナ、チタニア、二酸化チタン、硫酸カルシウム、リン酸カルシウムガラス、生体用ガラス、ジルコニア、安定化ジルコニア、ランタニドの酸化物、重炭酸ナトリウムまたは生体適合性ポリマーの1種または複数であってもよい。一方、活性剤は、抗再狭窄薬、免疫抑制薬、抗炎症薬、抗血栓薬、抗生物質、抗癌薬、タンパク質、骨形態形成タンパク質、酵素、リン酸カルシウムまたはオリゴペプチドの1種または複数であってもよい。
【0034】
これらおよび他の利点は、以下の説明および請求項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本出願は、以下の説明および添付の図面からより明確に理解されるであろう。
【図1】本出願の第1の態様に従って前駆組成物および一次衝撃粒子を表面に同時に送達するのに好適な同軸ノズルの概略図である。
【図2】前駆組成物および一次衝撃粒子をデバイス表面に同時に送達するための多ノズルシステムの概略図である。
【図3】先行技術についての未処理チタンクーポンのX線回折(XRD)パターンを示す図である。
【図4】以下に記載の方法(実施例1)により窒化されたチタンクーポンのXRDパターンを示す図である。
【図5】実施例1の方法により堆積されたPTFE物質の接着層の集束イオンビーム(FIB)画像を示す図である。
【図6】さらなる例示的な方法(以下の実施例2)によって接着されたPTFE物質の層のフッ素領域の狭走査X線光電子スペクトルを示す図である。
【図7】さらなる例示的な方法(以下の実施例3)によって接着されたヒドロキシアパタイトの層のカルシウム領域の狭走査X線光電子スペクトルを示す図である。
【図8】さらなる例示的な方法(以下の実施例4)によって接着されたヒドロキシアパタイトの層のカルシウム領域の狭走査X線光電子スペクトルを示す図である。
【図9】実施例4の方法によって接着されたヒドロキシアパタイトの層のリン領域の狭走査X線光電子スペクトルを示す図である。
【図10】別の例示的な方法(実施例5)により処理されたチタンクーポンについての抗生物質放出アッセイを示す図である。
【図11】例示的な方法に従ってテフロン(登録商標)銀組成物がコーティングされたチタンクーポン上のF1s領域の狭走査X線光電子スペクトルを示す図である。
【図12】例示的な方法に従ってテフロン(登録商標)/銀組成物がコーティングされたチタンクーポン上のAg3d領域の狭走査X線光電子スペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
金属のグリットブラスト中に、表面粒またはその上の酸化物層をすべて除去して、不活性化されていない高反応性の金属基板を一時的に露出させることができる。この露出表面は、極めて化学反応を生じやすく、この一時的な表面状態が顕在しているときに反応性化学種が存在すれば研磨ブラスト法を通じて金属の表面化学特性を改質する1つの機構を提供する。同様に、ショットピーニングは、金属表面に望ましい歪み特性および/または微細構造(表面粗さ)をもたらし、表面に衝突する十分なサイズ、密度および速度の粒子が、表面の機械特性を向上させる局所的な可塑変形を引き起こして、表面が応力亀裂および腐食を生じにくくすることが知られている。しかし、ピーニングまたは研磨粒子の衝突は、また、表面上の衝突部位に局所的に大きな圧力および熱エネルギーを生成する。このエネルギーは、迅速に放散するが、当該衝突によって生成された熱および圧力は、当該方法を通じて表面における一連の望ましい化学種の反応を促進させるさらなる潜在的な機構を提供する。
【0037】
本出願は、十分なエネルギーを有する粒子による表面の衝撃を通じて生成される過渡的な熱および圧力を利用し、制御的、安全かつ効果的に表面のコーティングを促進させるためのこのエネルギーの利用に向けられる。特に、コーティングされる表面を粒子で衝撃すると同時に、表面に煙霧剤を供給する。そのようにして表面に供給されたコーティングの前駆物質は、衝突粒子および煙霧剤の協働作用によって接着コーティングに変換される。前駆物質は、分散液、ゾル、ゲルおよび/または樹脂を含む様々な成分を含むことができる。有利には、前駆物質は、(例として治療薬およびタンパク質などの)1つまたは複数の活性剤を含むこともでき、該方法は、活性コーティングの表面への接着に特に適している。
【0038】
したがって、本出願は、医療用デバイスに対する活性コーティングおよび全般的に表面に対する殺生性コーティングの提供を含む応用分野に用途を有する。現在、当該活性コーティングは、例として抗再狭窄薬または骨形態形成タンパク質などの活性剤が移植可能な医療用デバイスの表面にコーティングされた好適なキャリヤーマトリックス(典型的には、ポリマーまたはリン酸カルシウムセラミック)上に吸着される医療用インプラント部門で広く利用されている。移植されると、薬剤は、コーティングから放出される。薬剤は、例えば、平滑筋細胞増殖の低減または骨統合の促進を含む様々な生体機能を担うことができ、活性剤は、例えば抗再狭窄薬または骨形態形成タンパク質であり、それぞれ薬物溶離性心臓血管ステントおよび硬質組織インプラントに使用されるコーティングに含められる。しかし、当該用途に従来使用されているコーティング手法は、好適なキャリヤーマトリックスをインプラント表面に接着するための化学的処理および熱処理を採用する多工程法である。後続の工程において、キャリヤーマトリックスは、続いて個別の通常吸着工程において活性剤が充填される。対照的に、本出願は、活性剤をコーティングに最適に分布させながら、単一の工程プロセスで一連の表面に活性コーティングを生成することを可能にする。
【0039】
本出願において、前駆物質を表面における接着コーティングにする反応を促進させるエネルギーが、表面に衝突する粒子によって与えられる。動的圧密化は、微粒子無機物質の成形体を衝突させる加速ピストンの使用を含むプロセスであり、物質を伝搬する衝撃波から生成された圧力および熱は、粒子を焼結させるように作用する(Stuivingaら、2002年)。この方法を、利用されているエネルギーが本来運動エネルギーであるという点で動的圧密化と同様であると見なすことができる。しかし、本出願において、エネルギーは、(動的圧密化における単一の大質量、ピストンと異なり)粒子の衝突に由来し、粒子自体の特性、ならびにそれらが表面に衝突する速度および密度を変化させることによって容易に制御および調整され得る。
【0040】
前駆材料をコーティングに変換するために、反応のために十分なエネルギーを表面で放散させなければならない。これは、主に、衝突粒子の質量および速度、すなわちそれらの運動エネルギーによって決定づけられる。本出願において、それらが表面で発揮する機能に基づいて異なる種類の粒子が区別される。
【0041】
1.衝撃粒子は、表面に衝突し、コーティングの前駆物質の反応を促進させるための十分なエネルギーを放散させる粒子である。
【0042】
2.複合衝撃粒子は、コア衝撃粒子状の前駆物質の外層を含み、二重の機能を果たす。それらは、また、表面に衝突し、前駆物質の反応を促進させるための十分なエネルギーを放散させるが、加えて、以上に概説した機構によって反応のために表面に前駆物質を供給する。
【0043】
3.前駆粒子は、コーティングに含められ、典型的には、任意の有意な圧力または熱を生成するには不十分なエネルギーを伴って表面に送達される微粒子物質を含み、例としては、ポリマーなどの低密度物質が挙げられる。
【0044】
例示的な衝撃粒子は、ショットピーニング法または研磨法におけるショットまたはグリットとして従来使用されている物質を含み、セラミック、ポリマー、金属またはそれらの複合体であってもよい。典型的には、これらの粒子は、ミクロンまたはより大きい寸法であり、例として、とりわけ、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタネート、酸化チタン、ガラス、生体適合性ガラス、ダイヤモンド、炭化珪素、炭化ホウ素、炭化タングステン、リン酸カルシウムセラミック、炭酸カルシウム、金属ショット、金属線、炭素繊維複合体、硬質ポリマー、ポリマー複合体、チタニウム、ステンレス鋼、硬化鋼およびクロム合金等の物質を含むことができる。
【0045】
複合衝撃粒子は、硬質物質のコア、および本質的にセラミックまたはポリマーであってもよい外層を含む粒子を含めて、先行技術に既に開示されている。衝突すると、外層とコア粒子の界面が破壊され、外側の物質が以上に概説した機構によって反応に利用可能になる。既に開示されている複合粒子は、二酸化チタン、シリカ、および一連のポリマー物質を含む外層物質を含む(その開示内容が参照により本明細書に組み込まれているMullerおよびBerger、2004年;Bru−Maginezら、2002年;HisadaおよびKihira、2004年;OmoriおよびKieffer、2000年)ならびにRocatek(商標)接着システム)。他の例示的な外層物質は、例として、リン酸カルシウム、ジルコニア、リン酸カルシウムガラスおよびポリマー樹脂を含むことができる。これらの外層を活性剤でさらに増強することができる。
【0046】
一般に、ショットは、グリットより摩耗性が小さく、不規則な形状のグリットと比較して、表面に投射された場合の圧力/圧密化効果が大きい。したがって、本出願において、規則的な形状の、好ましくは球形のショットを衝撃粒子として使用するのがより望ましい。
【0047】
本出願において標準的な装置をそのまま、または改造して使用することができる。粒子は、グリットブラスター、サンドブラスター、ショットピーニング機およびマイクロブラスター等を用いてガス流で表面に容易に送達され、そのような装置は通常、粒子が表面に衝突するエネルギーを制御する。衝撃粒子が表面に衝突する速度を大きくすると、衝突した表面に局所的により高い圧力および温度が生成されることになる。加えて、ガス流における衝撃粒子の密度を大きくすると、所定の速度で表面に衝突する圧密粒子の流量が大きくなる。当業者は、当該装置から送達される粒子のエネルギーおよび密度に対する動作圧力およびベンチュリ構成等のパラメータの影響を理解するであろう。さらに、特定の用途に対する最適な条件を実験によって容易に決定できることが理解されるであろう。
【0048】
本出願において、粒子の衝撃が煙霧剤の使用と組み合わされる。衝撃粒子と煙霧剤の協働は、いくつかの理由で有利である。
【0049】
1.微粒子の形で容易に入手可能でない多くの望ましい物質を煙霧剤に含めて表面に送達することができ、広範なポリマー、セラミックおよび金属物質の前駆体分散液、ゾル、ゲル、樹脂および懸濁液を含むコーティングに形成することができる。
【0050】
2.液相の使用は、様々な医療用デバイスに使用されるステント、カテーテルおよび薄い金属筐体などの薄い金属基板の変形、または活性剤の分解をもたらす過剰の発熱を防止する。
【0051】
3.煙霧剤の液相は、基板表面に接着しない粒子を閉じこめて、健康上の危険を招き得る微粒子物質の有害な雲の生成を防止するように作用する。
【0052】
4.採用する煙霧剤溶媒の選択における柔軟性が大きく、溶媒を、表面に接着する物質の特定の化学特性に適合するように選択することができ、特に、表面に供給される前駆物質の(すなわち溶質、懸濁粒子、ゲル、樹脂またはゾルとしての)物理/化学特性は、前駆構成要素の溶媒への溶解度によって主に決定づけられる。
【0053】
煙霧剤と衝撃粒子との併用は、例えば、特許文献2(ArolaおよびMcCain、2003年)および特許文献1(Enbio LTDら、2008年)に開示されているように、微粒子が液体キャリヤー内で表面に推射される液体ピーニングと比べて有利であることは注目に値する。これらの方法において、粒子は、キャリヤー液内で、高速で表面に推射されて、個々の粒子が表面に含浸される。そのようにして埋め込まれた粒子は、それらのサイズと比較して大きな距離で隔てられ、表面上にランダムに分布されるため、これらの方法は、液体の過剰の流量が、以上に概説した機構による反応のための表面における物質の密度を不十分なものにするのであれば、連続的なコーティングの形成を可能にしない。
【0054】
対照的に、本出願における霧化/煙霧剤と衝撃粒子との併用は、当該コーティングの形成を可能にする。
【0055】
煙霧剤における液滴のサイズおよび密度の調節は、表面におけるコーティングへの前駆物質の変換を最適化する上で特に重要である。多くの種類の霧化器を本出願のために使用することができる。気体対液体比および流量をたいていの二流体霧化器で調節することができ、当業者は、当該霧化器によって生成される液滴の密度およびサイズに対するベンチュリ設計、ガス圧、液体特性および液体流量などのパラメータの影響を認識するであろう。液滴サイズを小さくするのに超音波霧化器も有用であり得る。同様に、液相における揮発性有機溶媒、例えば炭化水素の使用を採用することができる。
【0056】
霧化された液相における溶質、懸濁粒子または前駆体の濃度を変化させることによってコーティングの組成の調節を実施することができる。これは、高コストの薬剤をコーティングの一部とするときに望ましい。
【0057】
粒子および煙霧剤を基板表面に送達するために様々なノズル設計を採用することができる。同様に、プラスチック、金属およびセラミックを含む様々な物質を、霧化化学種を基板表面に送達するのに使用されるノズルに使用することができる。粒子を表面に送達するのに使用されるノズルは、典型的には、セラミック、例えば炭化ホウ素または炭化珪素などの比較的高強度の物質を含むことになる。
【0058】
本出願に使用できる2つの主なノズル構成を以下に示す。
【0059】
1.粒子および煙霧剤を実質的に同じガス流で表面に送達する構成。
【0060】
2.粒子および煙霧剤を多数のノズルから多数のガス流で表面の実質的に同じ領域に送達する構成。
【0061】
上記1の構成は、同軸ノズル構成、およびベルヌーイ効果によって液相を霧化するために粒子のキャリヤーガスを利用する構成を含み、当該構成の例が図1に示されている。粒子(4)が内部(2)または外部(1)ベンチュリにおいてガス流内で運ばれる同軸ノズルが用いられる。ガス流の機能は二重である。それは、第1に、他のベンチュリから出る液相(3)を霧化し、第2に、粒子および煙霧剤を表面(5)に運ぶ。必然的に、かつ使用される構成に応じて、ノズルの少なくとも一部が、衝撃粒子の研磨作用に耐えるように、炭化珪素などの硬質の物質であるべきである。ノズルは、霧化を促進させるようにノズルを振動させる超音波機能を含むこともできる。
【0062】
粒子(5)および煙霧剤(4)を表面(6)に送達するために個別のノズルが使用される構成2の例が図2に概略的に示されている。個別のノズルの利点は、ショットピーニング装置(3)および/または標準的な霧化器に使用される標準的なノズルを用い得ることである。加えて、霧化器ノズル構成は、それを通じてそれぞれ液相および霧化ガスを送達することができる内部(2)および外部(1)ベンチュリで構成される同軸ノズルを含むことができる。
【0063】
煙霧剤を生成するための他の例示的なノズルシステムとしては、ベルヌーイ効果によって霧化する液溜に接続されたベンチュリに対してガス流を誘導するシステムが挙げられる。別の可能なノズル構成は、液流がノズルから射出され、液流のいずれかの側でガスジェットにより霧化される構成である。毛細管が、標準的なノズル先端において液体の薄膜を堆積させる予備成膜ノズルを利用して小さい液滴を生成することができる(NguyenおよびRhodes、1998年)。霧化を支援するために超音波をノズル設計に含めることができる。さらに別の種類のノズルは、ガスレンズを使用して、小さい液滴の形成のために液流を集中させるタイプのものである(Ganan−Calvo、2001年)。すべてのこれらのノズルの前に内部ミキサー(NguyenおよびRhodes、1998年)を配置することによって、液滴サイズを小さくするようにノズルから推射される前に液体をチャンバ内で霧化することもできる。これらの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0064】
概して、本出願に使用されるノズルアセンブリは、容易に入手可能な自動化装置および計算機数値制御(CNC)ソフトウェアを使用して自動的に表面の輪郭をなぞるように構成され得る。当業者は、モータ、ステッパモータおよび多軸ロボット等の様々な自動化部品をCNCソフトウェアとどのようにして組み合わせて、ノズルアセンブリの運動を自動化することができるかを認識するであろう。あるいは、ノズルを固定し、表面の運動を同様に自動化できることが理解されるであろう。
【0065】
当該ノズルアセンブリが表面を横切る速度および反復によってコーティングの厚さを調節できることがさらに理解されるであろう。
【0066】
加えて、当該自動化を、一般的な周囲環境から隔離されたチャンバまたはキャビネットなどの制御環境において提供することができる。特定の用途において、特に、コーティングされている表面が医療環境に使用される場合は、当該環境がクリーンルーム環境に近似していることが有利であり得る。当業者は、エアフィルタ、高性能微粒子除去フィルタ、紫外線滅菌器および他の滅菌装置等の部品をどのようにして当該チャンバまたはキャビネットに含めることができるかを認識するであろう。
【0067】
当該キャビネットまたはチャンバをポンピングシステムに接続して、プロセスの副産物、ブラスト粒子および液体等を除去し、それらを好適な廃棄物貯蔵容器に送達することも有利であり得る。
【0068】
当該環境は、温度制御を組み込むこともでき、当業者は、環境の温度と霧化に用いられる液相との関係が表面に供給されている煙霧剤の液滴サイズにどのように影響し得るかを理解するであろう。
【0069】
この技術のさらなる特徴は、煙霧剤および/または粒子の送達のためのガスを慎重に選択することによって表面の環境を制御できることである。特に、本出願に用いられるガスを使用して、特にコーティングされている表面が金属である場合は、粒子および煙霧剤の送達に加えて、望ましい特性を表面にもたらすことができる。これは、微粒子のためのキャリヤーおよび霧化ガスとして、酸素を実質的に含まないガスを採用することによって達成される。キャリヤーガスは、以上に概説した機構によって促進された表面と反応して、金属塩の不活性層を形成することができる。ガス流が本質的に窒素性かつ還元性である(例えば窒素である)場合は、金属表面を窒化することができる。ガス流が本質的に炭素性かつ還元性である(例えば、アルゴンなどの不活性ガス中一酸化炭素である)場合は、金属表面を浸炭することができる。ガス流が窒素性ガスと炭素性ガスの混合物である(例えば、アルゴン中一酸化炭素と窒素である)場合は、金属表面は炭窒化される。したがって、金属表面をコーティングすると同時に基部の金属を硬化および/または不活性化することができる。
【0070】
本出願の技術を使用して、広範なポリマー、無機および金属化学種を、有利には、様々な種類の活性剤で増強し、または該活性剤を含めることができる表面におけるコーティングに形成して、キャリヤーマトリックスおよび活性剤を含む接着活性コーティングを表面に設けることができる。活性剤をキャリヤーマトリックスの構成要素に結合もしくは吸着させ、または単純にその中に閉じこめることができる。キャリヤーマトリックスは、セラミック、ガラス、金属、ポリマーまたはそれらの組合せであってもよい。加えて、ポリマーは、生体適合性、抗菌性または天然のバイオポリマーであってもよい。特定の用途において、セラミック、金属またはガラスが生体適合性であることが望ましい。
【0071】
広範なポリマー物質を、コーティングを形成するための前駆物質の一部またはそれ自体として用い得ることが理解されるであろう。例示的な前駆ポリマー物質としては、アクリル、ポリ(アクリル酸)、ポリ(アクリル酸、ナトリウム塩)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリ(メチルアクリレート)(PMA)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)(HEMA)、ポリ(アクリロニトリル)、アクリロニトリル(PBAN)、ナトリウムポリアクリレート、ポリアクリルアミド(PAM)、エチレンN−ブチルアクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、ポリ(アクリル酸)部分ナトリウム塩グラフト−ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(アクリル酸−co−マレイン酸)、ジカルボキシ末端ポリ(アクリロニトリル−co−ブタジエン−co−アクリル酸)、ポリ(アクリロニトリル−co−ブタジエン−co−アクリル酸)、ジカルボキシ末端グリシジルメタクリレートジエステル、ポリ(エチレン−co−アクリル酸)、ポリ(エチレン−co−メチルアクリレート−co−アクリル酸)、ポリ(2−エチルアクリル酸)、ポリ(2−プロピルアクリル酸)、ポリ(プロピレングリコール)メタクリレート、ポリ(プロピレングリコール)メチルエーテルアクリレート、ポリ(プロピレングリコール)4−ノニルフェニルエーテルアクリレート、ポリ(アクリル酸−co−アクリルアミド)カリウム塩、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(アクリルアミド−co−アクリル酸)、アクリルコポリマー、任意の他のポリアリレート;ポリカーボネート(polycarbonates)、ポリカーボネート(polycarbonate)、ポリエステルカーボネート;ポリビニル、ポリ(ビニルエーテル)、ポリ(メチルビニルエーテル)、ポリ(ビニルアルコール)、エチレンビニルアルコール、ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)−ブロックポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール−co−エチレン)、ポリ(ビニルアルコール−co−酢酸ビニル−co−イタコン酸)、ポリ(塩化ビニル−co−酢酸ビニル−co−ビニルアルコール)、ポリ(ビニルブチラール−co−ビニルアルコール−co−酢酸ビニル)、ポリ(4−ビニルフェノール)、ポリ(ビニルケトン)、ポリ(ビニルニトリル)、ポリ(ビニルエステル)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリ(ビニルピリジン)、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(5−メチル−2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン−co−スチレン)、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(塩化ビニルベンジル)、ポリ(フッ化ビニリデン)、エチレンビニルコポリマー;ポリスチレン、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、押出法ポリスチレン(XPS)、発泡性ポリスチレンビーズ、ポリ(ナトリウムスチレンスルホネート)、任意の他のポリスチレン;ポリジエン、ポリブタジエン;ポリアミド、ポリアミド(PA)、ポリ(ポリフタルアミド)(PPA)、ポリフタルアミド、ポリ(ビスマレイミド)(BMI)、ポリ(尿素ホルムアルデヒド)(UF)、ポリ尿素、ナイロン、非晶質ナイロン、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6、ナイロン6/66コポリマー、ナイロン610、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン/ポリプロピレンアロイ、ポリグルタミン酸、アラミド、メタアラミド、パラアラミド、ケブラー、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、ポリp−フェニレンテレフタルアミド、テクノラ、スルホン3000、シアメリド、ナトリウムポリ(アスパルテート)、任意の他のポリアミド;ポリアミド−イミド:ポリエステル−イミド;ポリアリールエーテル;ポリアリールエーテルケトン;ポリスルホン、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールスルホン(PAS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニルスルホン(PPS)、ポリ(1−デセン−スルホン)、ポリ(1−ドデセン−スルホン)、ポリ(1−ヘキサデセン−スルホン)、ポリ(1−ヘキセン−スルホン)、ポリ(1−オクテン−スルホン)、ポリ(1−テトラデセン−スルホン)、任意の他のポリスルホン;ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレート、アルキド、カピレン、グリセリンフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、ポリエチレンナフタレート、ポリグリコリド、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリベータ−ヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシブチレート−バレレート、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバレレート、ポリヒドロキシヘキサノエート、ポリヒドロキシオクタノエート、ポリ乳酸、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリジアリルイソフタレート、ポリジアリルフタレート;ポリアクリルアミド;ポリケトン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、任意の他のポリケトン;ポリエーテルイミド;ポリアルケン;ポリイミド;フルオロポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、テフロン(登録商標))、ポリペルフルオロアルコキシポリマー樹脂(PFA)、ポリフッ化エチレン−プロピレン(FEP)、ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE、テフゼル、フルオン)、ポリクロロトリフルオロエチレン、(ECTFE、ツルサイト、ハラル)、ポリ二フッ化ビニリデン(PVDF、キナル)、FFKM(カルレズ、テクノフロンFFKM)、FKM(ビトン、テクノフロン)、ポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキシド)、ポリ(ペルフルオロプロピレン−オキシド−コ−ペルフルオロホルムアルデヒド)、ポリクロロトリフルオロエチレン、任意の他のフッ化ポリマー;ポリウレタン、ポリウレタン(PU)、ポリイソシアヌレート(PIR)、任意の他のポリウレタン;ポリオレフィン、ポリエチレン(PE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、架橋ポリエチレン(XLPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン(PB)、ポリメチルペンテン、ポリイソブテン、(PIB)二軸延伸ポリプロピレン、発泡性ポリオレフィンビーズ、チベク、ポリ−(エチレンオキサミド−N,N’−ジアセテート)、ポリ−(エチレンオキサミド−N,N’−ジアセテート)と金属イオンとの錯体、任意の他のポリオレフィン;ポリエポキシド;ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリジオキサノン、ポリエチレングリコール、ポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキシド)、ポリオキシメチレン、ポリエチレングリコール、テクロン、フェニレンエーテル/オキシド(PPO/PPE)系樹脂;ポリ(アリルアミン);ポリフェニレンスルフィド(PPS);主鎖に窒素含有複素環式環を有する重縮合体;ポリヒドラジド;ポリトリアゾール;ポリアミノ−トリアゾール;ポリオキサジアゾール;ポリチオフェン;ポリアニリン;ポリフェノール;ポリ(テトラヒドロフラン);アイオノマー;スペクトラロン熱可塑性樹脂;液晶ポリマー;プラスチシゾル;オルガノゾル;DCPD樹脂;フラン;メラミン;シリコーン;カチオン性ポリマー、ポリ(4−ヒドロキシ−L−プロリンエステル)、ポリ(y−(4−アミノブチル)−L−グリコール酸)、ポリ(アミノエステル)、シスタミンビスアクリルアミド、ポリ(アミドアミン)、骨格にポリ(エチレングリコール)を含むポリウレタン、ポリ(L−リシン)
、ポリ(L−リシン)−ポリ(エチレングリコール)−ポリ(乳酸−co−グリコール酸)ハイブリッドポリマー、ポリ(L−リシン)−ポリ(エチレングリコール)ブロックコポリマー、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(ホスホエステル)、ポリ(ホスホラミデート)、ホスホリルコリン、ポリ(グリコロード)、ポリ(グリコリド)、ポリ(乳酸)、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D,L−ラクチド)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(無水物)、ポリ(アルキルシアノアクリレート)、ポリ(エチル−2−シアノアクリレート)、ポリ(ブチルシアノアクリレート)、ポリ(ヘキシルシアノアクリレート)、ポリ(オクチルシアノアクリレート)、ポリカプロラクトンジオール、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)−ブロック−ポリ(カプロラクトン)、ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(DL−乳酸−co−グリコール酸)コポリマー、ポリ(L−ラクチド−co−カプロラクトン−co−グリコリド)、ポリ(DL−ラクチド−co−グリコリド)、ポリ[(R)−3−ヒドロキシ酪酸]、ポリ(1,4−ブチレンアジペート−co−ポリカプロラクタム)、ポリ(DL−ラクチド−co−カプロラクトン)、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−co−3−ヒドロキシ吉草酸)、1,6−ジイソシアナトヘキサンで延長されたポリ(1,4−ブチレンアジペート−co−1,4−ブチレンスクシネート)、1,6−ジイソシアナトヘキサンで延長されたポリ(1,4−ブチレンスクシネート)、ナイロン6、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(エチレングリコール)系ポリマー、ジ[ポリ(エチレングリコール)]アジペート、ポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)、ポリ(プロピレングリコール)、2,4−ジイソシアネート末端トリレン、ポリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル、ポリ(プロピレングリコール)モノブチルエーテル、ヘキサエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ポリエチレン−ブロック−ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレングリコール)アクリレート、ビス(3−アミノプロピル)末端ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチル)エーテル、ポリ(エチレングリコール)ブチルエーテル、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、ポリ(エチレングリコール)エチルエーテルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)2−[エチル[(ヘプタデカフルオロオクチル)スルホニル]アミノ]エチルエーテル、ポリ(エチレングリコール)2−[エチル[(ヘプタデカフルオロオクチル)スルホニル]アミノ]エチルメチルエーテル、ポリ(エチレングリコール)、ホルミル末端a−マレイミドプロピオンアミド、ポリ(エチレングリコール)メタクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル−ブロック−ポリ(e−カプロラクトン)、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル−ブロック−ポリラクチド、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)ミリスチルタローエーテル、ポリ(エチレングリコール)4−ノニルフェニルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテルアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルと反応したポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレングリコール)テトラヒドロフルフリルエーテル、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド)−ブロック−ポリカプロラクトン(4腕)、ポリ(エチレンオキシド)−ブロック−ポリラクチド(4腕)、4腕アミン末端、カルボン酸末端、ヒドロキシル末端、スクシンイミジルグルタレート末端、スクシンイミジルスクシネート末端、チオール末端ポリ(エチレンオキシド)、6腕ヒドロキシル末端ポリ(エチレンオキシド)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリ(エチレングリコール)−ポリ(プロピレングリコール)コポリマー、ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)−ブロックポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレングリコール−ラン−プロピレングリコール)、ポリ(エチレングリコール−ラン−プロピレングリコール)モノブチルエーテル、ポリ(プロピレングリコール)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)−ブロックポリ(プロピレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)−ブロックポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)、ポリ(イソブチレン−co−マレイン酸)、リグノスルホン酸ナトリウム塩、ポリ[(イソブチレン−alt−マレイン酸)、アンモニウム塩)−co−(イソブチレン−alt−無水マレイン酸)]、ポリ(イソブチレン−alt−無水マレイン酸)、ポリ[(イソブチレン−alt−マレイミド)−co−(イソブチレン−alt無水マレイン酸)]、ポリ(メチルビニルエーテル−alt−無水マレイン酸)の微粒子、溶液、ゲル、ゾルおよび樹脂を挙げることができる。バイオポリマーは、限定することなく、多糖、デンプン、藻類デンプン、グリコーゲン、セルロース系バイオポリマー、酢酸セルロース(celulose acetates)、セルロースエーテル、酢酸セルロース(cellulose acetate)、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、エチルセルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、酢酸酪酸(アクリルアミドメチル)セルロース、酢酸プロピオン酸(アクリルアミドメチル)セルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、シアノエチル化セルロース、硝酸セルロース、セルロース粉末、三酢酸セルロース、エトキシ化四級ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性2−ヒドロキシエチルセルロース、2−ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、(ヒドロキシプロピル)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチル2−ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、キチン、キトサン、キトサンオリゴ糖ラクテート、ペクチン、酸性多糖、キサンタンゴム、デキストラン、ゲランゴム、プルラン、カラゲナン、コンドロチン、パルミチン酸デキストリン、マルトデキストリン、寒天、アルギン酸ナトリウム塩;ゼラチン;コラーゲン;アルギネート;ヒアルロン酸;アルギン酸;樹脂;ポリエン;ゴム;タンパク質;ポリペプチド;核酸;ポリ−3−ヒドロキシブチレート;クチンまたは上記物質の組合せおよびコポリマーである。
【0072】
同様に、例示的な前駆セラミック、金属およびガラス物質は、酸化物、窒化物、硝酸塩、炭化物、炭酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物およびリン酸塩の微粒子、溶液、懸濁液、ゲル、ゾルおよびコロイドを含む。当該前駆組成物は、金属、特に、カルシウム、リン、チタン、珪素、アルミニウム、硫黄、ニッケル、バナジウム、ジルコニウム、イットリウム、貴金属およびランタニドのカルボン酸塩、アルコキシドおよびエステルを含む有機金属を含むこともできる。
【0073】
本出願の方法の好適な用途は、活性コーティングを移植可能な医療デバイスに接着することに向けられる。当該用途において、コーティングは、生体適合性キャリヤーマトリックスおよび活性剤で構成される。前駆組成物および究極的にコーティングに含めることができる活性剤は、抗生物質、抗再狭窄薬、免疫抑制薬、抗炎症薬、抗高脂血症薬、抗血栓薬、タンパク質およびオリゴペプチド等を含む。
【0074】
含めることができる活性剤は、例として、アミノグリコシド、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、パロモマイシン、アンサマイシン、ゲルダナマイシン、ヘルビマイシン、カルバセフェム、ロラカルベフ、カルバペネム、エルタペネム、ドリペネム、イミペネム/シラスタチン、メロペネム、セファロスポリン、第1世代のセファロスポリン、セファドロキシル、セファゾリン、セファロチン、セファレキシン、第2世代のセファロスポリン、セファクロル、セファマンドール、セフォキシチン、セフプロジル、セフロキシム、第3世代のセファロスポリン、セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セホペラゾン、セホタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフジニル、第4世代のセファロスポリン、セフェピム、グリコペプチド、テイコプラニン、バンコマイシン、ダルババンシン、テラバンシン、マクロライド、アジトロマイシン、クラリトロマイシン、ジリトロマイシン、エリトロマイシン、ロキシトロマイシン、トロレアンドマイシン、テリトロマイシン、スペクチノマイシン、モノバクタム、アズトレオナム、ペニシリン、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メズロシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリン、ピペラシリン、チカルシリン、ポリペプチド、バシトラシン、コリスチン、ポリミキシンB、キノロン、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシン、スルホナミド、プロントシル、スルファセトアミド、スルファメチゾール、スルファニリミド、スルファサラジン、スルフィソキサゾール、トリメトプリム、トリメトプリム−スルファメトキサゾール(コトリモキサゾール)(TMP−SMX)、テトラシクリン、ドキシシクリン、ビブラマイシン、ミノシクリン、ミノシン、オキシテトラシクリン、テラシン、テトラシクリン、アリールモルホリノ酸(AMPA)、S−アリールモルホリノ酸、N−メチルAMPA、N,N−ジメチルAMPA、アルスフェナミン、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、リンコマイシン、エタムブトール、ホスホマイシン、ステロイド抗生物質、フシジン酸、フラゾリドン、イソニアジド、リネゾリド、イミダゾール誘導体、メトロニダゾール、チニダゾール、オルニダゾール、ニトロフラン誘導体、ニトロフラントイン、ニフルトイノール、ムピロシン、ニトロフラントイン、プラテンシマイシン、ピラジナミド、キヌプリスチン/ダルホプリスチン、リファムピシン、ポリミキシン、コリスチン、ポリミキシンB、キシボルノール、クロフォクトール、メテナミン、マンデル酸、ニトロキソリン、ダプトマイシン、ヒタチマイシン;抗ウイルス薬、インターフェロン、エントリー阻害薬、マラビロク、エンフビルチド、エピガロカテキンガレート、グリフィツシン、インテグラーセ阻害薬、プロテアーゼ阻害薬、サキナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アムプレナビル、ロピナビル、アタザナビル、ホサムプレナビル、チプラナビル、ダルナビル、ヌクレオシド類似体、デオキシアデノシン類似体、ジダノシン、ビダラビン、デオキシシチジン類似体、シタラビン、エムトリシタビン、ラミブジン、ザルシタビン、デオキシグアノシン類似体、アバカビル、(デオキシ)チミジン類似体、スタブジン、ジドブジン、デオキシウリジン類似体、イドクスリジン、トリフルリジン、逆転写酵素阻害薬、ヌクレオシド類似体逆転写酵素阻害薬、ジドブジン、ジダノシン、ザルシタビン、スタブジン、ラミブジン、アバカビル、エムトリシタビン、ヌクレオチド類似体逆転写酵素阻害薬、テノホビル、アデホビル、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬、エファビレンズ、ネビラピン、デラビルジン、エトラビリン、ポルトマント(portmanteau)阻害薬、アシクロビル(Aciclovir)、アシクロビル(Acyclovir)、アマンタジン、アルビドール、アトリプラ、ブリブジン、シドホビル、コムビビル、ドコサノール、エドクスジン、エンフビルチド、エンフビルチド、ファムシクロビル、ホミビルセン、ホスカーネット、ホスホネト、ガンシクロビル、ガルダシル、イバシタビン、イムノビル、イミキモド、イノシン、ロビリデ、MK−0518、マラビロク、モロキシジン、ネキサビル、オセルタミビル、ペンシクロビル、ペラミビル、プレコナリル、ポドフィロトキシン、リバビリン、リマンタジン、テノホビルジイソプロキシル、トリジビル、トロマンタジン、ツルバダ、バラシクロビル、バルガンシクロビル、ビクリビロク、ビラミジン、ザナミビル;抗レトロウイルス薬の相乗的賦活薬、クロロキン/キノリン抗マラリア薬、ヒドロキシ尿素、レフルノミド、ミコフェノール酸、レスベラトロール、リトナビル;抗真菌薬、ポリエン抗真菌薬、ナタマイシン、リモシジン、フィリピン、ニスタチン、アムホテリシンB、イミダゾールおよびトリアゾール抗真菌薬、ミコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、ビフォナゾール、ブトコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、イサブコナゾール、ラブコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、テルコナゾール、アリルアミン、テルビナフィン、アモロルフィン、ナフチフィン、ブテナフィン、エキノカンジン、アニデュラフンギン、カスポフンギン、ミカフンギン、安息香酸と角質溶解剤との混合物、シクロピロクス、フルシトシン、グリセオフルビン、ゲンチアンバイオレット、ハロプロギン、トルナフテート、ウンデシレン酸、ティーツリーオイル、シトロネラオイル、レモングラス、オレンジ油、パルマロサ油、パッチェリ、レモンミルテ、ニーム種子油、ヤシ油;駆虫薬、抗線虫薬、メベンダゾール、パモ酸ピランテル、チアベンダゾール、ジエチルカルバジン、抗条虫薬、ニクロサミド、プラジクアンテル、抗吸虫薬、プラジクアンテル、抗アメーバ薬、リファムピン、アムホテリシンB、抗原生動物薬、メラルソプロル、モノおよびジアルキル化剤、窒素マスタード、クロラムブシル、クロルメチン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、ウラムスチン、メクロレタミン、ニトロソ尿素化合物、カルムスチン、ホテムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、プラチナ化合物、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、BBR3464、サトラプラチン、ブスルファン、ダカルバジン、プロカルバジン、テモゾロミド、チオTEPA、トレオスルファン、ヘキサメチルメラミン;抗代謝剤、葉酸類似体、アミノプテリン、メトトレキセート、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、トリメトプリム、ピリメタミン、プリン類似体、クラドリビン、クロファラビン、フルダラビン、リン酸フルダラビン、メルカプトプリン、ペントスタチン、チオグアニン、アザチオプリン、ピリミジン類似体、カペシタビン、シタラビン、フルオロウラシル、5−フルオロシル、フロクスリジン、ゲムシタビン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン;プラントアルカロイド、ビンカアルカロイド、ビンブラスチン、硫酸ビンブラスチン、ビンクリスチン、硫酸ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ポドフィロトキシン、タキサン、ドセタキセル、パクリタキセル、アブラキサン、7−デオキシタキソール、10−デアセトキシタキソール、オルトおよびメタ置換アロイル置換基を有するパクリタキセル類似体およびすべての他のパクリタキセル誘導体;テルペノイド;トポイソメラーゼ阻害薬、トポイソメラーゼIおよびトポイソメラーゼII酵素の阻害薬、イリノテカン、トポテカン、カムプトテシンおよびラメラリンD、アムサクリン、エトポシド、リン酸エトポシド、テニポシドおよびドキソルビシン、フルオロキノロン;細胞毒/抗腫瘍抗生物質、イダルビシン、ミトキサントロン、ピキサントロン、バルルビシン、アクチノマイシン、ブレオマイシン、ミトマイシン、ミトマイシン−C、プリカマイシン、ヒドロキシ尿素、ダクチノマイシン;モノクローナル抗体、セツキシマブ、パニツムマブ、トラスツズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、ゲムツズマブ;チロシンキナーゼ阻害薬、セジラニブ、ダサチニブ、エルロチニブ
、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、バンデタニブ;感光剤、アミノレブリン酸、アミノレブリン酸メチル、ポルフィメルナトリウム、ベルテポルフィン;レチノイド、アリトレチノイン、トレチノイン;他の抗腫瘍薬、アルトレタミン、アムサクリン、アナグレリド、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ(ペガスパルガーゼ)、ベキサロテン、ボルテゾミブ、デニロイキンジフティトクス、エストラムスチン、イキサベピロン、マソプロコル、ミトタン、テストラクトン、ヘレナリン;グルココルチコイド、コルチソン、コルチソル、アルクロメタソン、アムシノニド、ベクロメタソン、ベタメタソン、ブデソニド、シクレソニド、クロベタソル、クロベタソン、クロコルトロン、クロプレドノル、コルチバゾル、デフラザコルト、デオキシコルチコステロン、デソニド、デソキシメタソン、デキサメタソン、ジフロラソン、ジフルコルトロン、ジフルプレドネート、フルクロロロン、フルドロコルチソン、フルドロキシコルチド、フルメタソン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルチン、フルオコルトロン、フルオロメトロン、フルペロロン、フルプレドニデン、フルチカソン、ホルモコルタル、ハルシノニド、ハロメタソン、アセポン酸ヒドロコルチソン、ヒドロコルチソンブテプレート、酪酸ヒドロコルチソン、ロテプレドノル、メドリソン、メプレドニソン、メチルプレドニソロン、アセポン酸メチルプレドニソロン、フロン酸モメタソン、パラメタソン、プレドニカルベート、プレドニソン、プレドニソロン、プレドニリデン、リメキソロン、チキソコルトル、トリアムシノロン、ウロベタソルおよび前記グルココルチコイドのすべての誘導体;抗体、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、T細胞受容体誘導モノクローナル抗体、IL−2受容体モノクローナル抗体、インフリキシマブ、バシリキシマブ、アブシキシマブ、ダクリズマブ、パリビズマブ、エタネルセプト、セツキシマブ、パニツムマブ、トラスツズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、ゲムツズマブ、TNF阻害薬、アダリムマブ、セルトリズマブペゴル、アフェリモマブ、アセリズマブ、アトリズマブ、アトロリムマブ、ベリムマブ、ベルチリムマブ、セデリズマブ、クレノリキシマブ、ドルリモマブアリトクス、ドルリキシズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、エルシリモマブ、エルリズマブ、ファラリモマブ、ホントリズマブ、ガリキシマブ、ガンテネルマブ、ガビリモマブ、ゴリムマブ、ゴミリキシマブ、イバリズマブ、イノリモマブ、イピリムマブ、ケリキシマブ、レブリリズマブ、レルデリムマブ、ルミリキシマブ、マスリモマブ、メポリズマブ、メテリムマブ、モロリムマブ、ムロモナブ−CD3、ナタリズマブ、ネレリモマブ、オクレリズマブ、オズリモマブ、オマリズマブ、オテリキシズマブ、パスコリズマブ、ペキセリズマブ、レスリズマブ、ロベリズマブ、ルプリズマブ、シプリズマブ、タリズマブ、テリモマブアリトクス、テネリキシマブ、テプリズマブ、トシリズマブ、トラリズマブ、バパリキシマブ、ベパリモマブ、ビシリズマブ、ザノリムマブ、ジラリムマブ、ゾリモマブアリトクス、誘導ヒト抗体、マウス抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体;イムノフィリンに作用する薬物、シクロスポリン、タクロリムス、シロリムス;インターフェロン、IFN−β、IFN−γ;オピオイド、天然オピオイド、モルフィン、コデイン、テバイン、パパベリン、ノスカピン、オリパビン、半合成オピオイド、ヒドロモルホン、ヒドロコドン、オキシコドン、ジヒドロコデイン、ニコモルフィン、オキシモルホン、合成オピオイド、アニリドピペリジン、フェンタニル、アルフェンタニル、スフェンタニル、レミフェンタニル、カルフェンタニル、オーメフェンタニル、フェニルピペリジン、ペチジン、ケトベミドン、アリルプロジン、プロジン、ジフェニルプロピルアミン誘導体、プロポキシフェン、デキストロプロポキシフェン、デキストロモラミド、ベンジトラミド、ピリトラミド、メタドン、ジピパノン、レボ−アルファアセチルメタノール、ロペラミド、ジフェノキシレート、ベンゾモルファン誘導体、ペンタゾシン、フェナゾシン、オリパビン誘導体、ブプレノルフィン、エトルフィン、モルフィナン誘導体、ブトルファノール、ナルブフィン、レボルファノル、レボメトルファン、デゾシン、レフェタミン、メプタジノル、チリジン、トラマドル、タペンタドル、ナルメフェン、ナロキソン、ナルトレキソン、内因性オピオイド;他の免疫抑制薬、ベータ−2’−デオキシチオグアノシン、ビサントレンHCl、硫酸ブレオマイシン、ブチオミンスルホキシミン、BWA773U82、BW502U83.HCl、BW7U85メシレート、セラセミド、カルベチメル、クロロキノキサリン−スルホンアミド、クロロゾトシン、クロモマイシンA3、コルチコステロイド、コリネバクテリウムパルブム、CPT−11、クリスナトル、シクロシチジン、シテムベナ、マレイン酸デビス、デアザウリジン、デクスラゾキサン、ジアンヒドロガラクチトール、ジアジクオン、ジブロモズルシトール、ジデムニンB、ジエチルジチオカルバメート、ジグリコアルデヒド、ジヒドロ−5−アザシチジン、エキノマイシン、エダトレキセート、エデルホシン、エフロルニチン、エリオット溶液、エルサミトルシン、エソルビシン、リン酸エストラムスチン、エストロゲン、エタニダゾール、エチオホス、ファドラゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フィルグラスチム、フィナステリド、フラボン酢酸、5−フルオロウラシル、Fluosol(登録商標)、フルタミド、硝酸ガリウム、ゲムシタビン、酢酸ゴセレリン、ヘプスルファム、ヘキサメチレンビスアセトアミド、ホモハリングトニン、硫酸ヒドラジン、4−ヒドロキシアンドロステンジオン、ヒドロジ尿素、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン−1アルファおよびベータ、インターロイキン−3、インターロイキン−4、インターロイキン−6、4−イポメアノル、イプロプラチン、イソトレチノイン、ロイコボリンカルシウム、酢酸ロイプロリド、レバミソール、リポソーマルダウノルビシン、リポソーム封入ドキソルビシン、ロニダミン、マイタンシン、メノガリル、メルバロン、メスナ、バシラスカルメット−グエリンのメタノール抽出残渣、N−メチルホルムアミド、ミフェプリストン、ミトグアゾン、単球/マクロファージコロニー刺激因子、ナビロン、ナホキシジン、ネオカルジノスタチン、酢酸オクトレオチド、オルマプラチン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パラ、ピペラジンジオン、ピポブロマン、ピラルビシン、ピリトレキシム、塩酸ピロキサントロン、PIXY−321、ポルフィメルナトリウム、プレドニムスチン、プロカルバジン、プロゲスチン、ピラゾフリン、ラゾキサン、サルグラモスチム、セムスチン、スピロゲルマニウム、スピロムスチン、ストレプトニグリン、スロフェヌル、スラミンナトリウム、タモキシフェン、タキソテレ、テガフル、テニポシド、テレフタルアミジン、テロキシロン、チオテパ、チミジン注射薬、チアゾフリン、トレミフェン、塩酸トリフルオペラジン、トリフルリジン、トリメトレキセート、腫瘍壊死因子、ウラシルマスタード、ビンゾリジン、ヨシ864、ゾルビシン、TNF結合タンパク質、ミコフェノレート、フィンゴリモド、ミロシン、エベロリムス、グスペリムス、ピメクロリムス、シロリムス、ゾタロリムス、タクロリムス、テムシロリムス、アバタセプト、アレファセプト、ベラタセプト、TNF阻害薬、エタネルセプト、アナキンラ、アザチオプリン、シクロスポリン、レフルノミド、メトトレキセート、ミコフェノール酸、サリドマイド、アシビシン、アクラルビシン、アコダゾール、アクロニシン、アドゼレシン、アラノシン、アルデスロイキン、アロプリノルナトリウム、アミノグルテチミド、アモナフィド
、アムプリゲン、アンドロゲン、アンギジン、グリシン酸アプヒジコリン、アサレイ、5−アザシチジン、バシラスカルメットグエリン(BCG)、ベーカー抗葉酸(可溶)、ステロイド薬、グルココルチコイド、コルチソン、コルチソル、アルクロメタソン、アムシノニド、ベクロメタソン、ベータメタソン、ブデソニド、シクレソニド、クロベタソル、クロベタソン、クロコルトロン、クロプレドノル、コルチバゾル、デフラザコルト、デオキシコルチコステロン、デソニド、デソキシメタソン、デキサメタソン、ジフロラソン、ジフルコルトロン、ジフルプレドネート、フルクロロロン、フルドロコルチソン、フルドロキシコルチド、フルメタソン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルチン、フルオコルトロン、フルオロメトロン、フルペロロン、フルプレドニデン、フルチカソン、ホルモコルタル、ハルシノニド、ハロメタソン、アセポン酸ヒドロコルチソン、ヒドロコルチソンブテプレート、酪酸ヒドロコルチソン、ロテプレドノル、メドリソン、メプレドニソン、メチルプレドニソロン、アセポン酸メチルプレドニソロン、フロン酸モメタソン、パラメタソン、プレドニカルベート、プレドニソン、プレドニソロン、プレドニリデン、リメキソロン、チキソコルトル、トリアムシノロン、ウロベタソルおよび前記グルココルチコイドのすべての誘導体;非ステロイド性抗炎症薬、シクロオキシゲナーゼ阻害薬、サリチレート、アセチルサリチル酸、アモキシプリン、ベノリレート、コリンサリチル酸マグネシウム、ジフルニサル、ファイスラミン、サリチル酸メチル、サリチル酸マグネシウム、サリチル酸サリチル、アリールアルカン酸、ジクロフェナク、アセクロフェナク、アセメタシン、ブロムフェナク、エトドラク、インドメタシン、ナブメトン、スリンダク、トルメチン、アリールプロピオン酸、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、ケトロラク、ロキソプロフェン、イブプロフェン、カルプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、チアプロフェン酸、スプロフェン、N−アリールアントラニル酸、メフェナミン酸、メクロフェナミン酸、ピラゾリジン誘導体、フェニルブタゾン、アザプロパゾン、メタミゾール、オキシフェンブタゾン、スルフィンピラゾン、オキシカム、ピロキシカム、ロルノキシカム、メロキシカム、テノキシカム、COX−2阻害薬、セレコキシブ、NS−398、RS−57067、エトリコキシブ、フロスリド、APHS、ルミラコキシブ、メロキシカム、SC−57666、パレコキシブ、S−2474、ロフェコキシブ、エトドラク、JTE−522、DuP−697、バルデコキシブ、セレコキシブ、SC−58125、スルホナニリド、L−745337、L−748780、L−761066、ニメスリド、バルデコキシブ、COX阻害酸化窒素供与体、フルプロクアゾン、リコフェロン、オメガ−3脂肪酸、ハーブ抽出物、ヒソップの抽出物、ショウガ、ウコン、アルニカモンタナ、セスキテルペンラクトンおよびヤナギ樹皮、ヘレナリン、カプサイシン、血栓溶解薬、抗凝血薬、抗血小板薬、ビタミンKアンタゴニスト、アセノクマロール、クロリンジオン、クマテトラリル、ジクマロール、ジフェナジオン、エチルビスクムアセテート、フェンプロクモン、フェニンジオン、チオクロマロール、ワルファリン、ヘパリン、アンチトロンビンIII、ダナパロイド、ヘパリン、スロデキシド、低分子量ヘパリン、ベミパリン、ダルテパリン、エノキサパリン、ナドロパリン、パルナパリン、レビパリン、チンザパリン、糖タンパク質IIb/IIIa阻害薬、アブシキシマブ、エプチフィバチド、チロフィバン、ADP受容体阻害薬、クロピドグレル、チクロピジン、プラスグレル、プロスタグランジン類似体、ベラプロスト、プロスタシクリン、ロプロスト、トレプロスチニル、酵素、プラスミノゲン活性体、アルテプラセ/レテプラセ/テネクテプラセ、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ/サルプラーゼ、アニストレプラーゼ、セリンエンドペプチダーゼ、アンクロド、ドロトレコギンアルファ/タンパク質C、フィブリノリシン、ブリナーゼ、直接トロンビン阻害薬、アルガトロバン、ビバリルジン、ダビガトラン、デシルジン、ヒルジン、レピルジン、メラガトラン、キシメラガトラン、アセチルサリチル酸、アロキシプリン、ジタゾール、カルバサレートカルシウム、クロリクロメン、ジピリダモル、インドブフェン、ピコタミド、トリフルサル、アピキサバン、デフィブロチド、硫酸デルマタン、ホンダパリヌクス、リバロキサバン、組織プラスミノゲン活性体、スタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シムバスタチン、フィブレート、クロフィブレート、ベザフィブレート、アルミニウムクロフィバレート、ゲムフィブロジル、フェノフィブレート、シムフィブレート、ロニフィブレート、シプロフィブレート、エトフィブレート、クロフィブリド、ニアシン、ニアシン誘導体、ニセリトロル、ニコフラノース、ニコチン酸アルミニウム、ニコチニルアルコール、アシピモクス、胆汁酸封鎖剤、コレスチラミン、コレスチポル、コレクストラン、コレセベラム、エゼチミベ、フィトステロール、コレスタチン、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、β−シトステロール、エルゴステロール、CETP阻害薬、スクアレンシンターゼ阻害薬、ApoA−1ミラノ、AGI−1067、デキストロチロキシン、プロブコル、チアデノル、ベンフルオレクス、メグルトル、オメガ−3−トリグリセリド、マグネシウムピリドキサル5−ホスフェートグルタメート、ポリコサノル、エゼチミベ、プロトオンコジーンc−mycのアンチセンスノックダウンを操作する薬剤、モルホリノオリゴヌクレオチド、免疫抑制薬および抗癌薬:シロリムス/ラパマイシン、タクロリムス、エベロリムス、ゾタロリムス、パクリタキセル、ドセタキセル、パクリタキセル誘導体、トラニラスト等、酵素、代謝、異化作用、DNA複製、DNA修繕、RNA合成、他のタンパク質の翻訳後変性に関与する酵素;構造タンパク質、F−アクチン、α−チューブリンおよびβ−チューブリン、クラスIIIβ−チューブリン、γ−チューブリン、δおよびεチューブリン、チューブリンの微小管、コラーゲン、エラスチン、軟骨、ケラチン、運動タンパク質、骨形態形成タンパク質、骨形成に関与するタンパク質、ヘパリン、ミオシン、キネシン、ダイニン;細胞信号伝達およびシグナル形質導入に関与するタンパク質;リガンド輸送に関与するタンパク質、膜タンパク質;膜貫通タンパク質;イオンチャネルタンパク質;抗体;ヒトリボ核酸;ならびにヒトデオキシリボ核酸等である。
【0075】
さらなる用途において、現行のコーティング方法を用いて、殺生性または静菌性コーティングを、一般には細菌が入り込む危険性のある表面に接着することができる。特に、医療機器の表面、外科器具および一般にヘルスケア環境に露出される表面を殺生性にすることができる。当該用途のためのキャリヤーマトリックスと併用することができる好適な活性剤としては、抗微生物ポリマー、N−ハラミン、窒素含有ポリマー、四級イオンおよびコロイド金属が挙げられる。例としては、ポリ(4−アクリルアミド−N−(5−メチル−3−イソキサゾリル)ベンゼンスルホンアミド)、ポリ(4−メタクリルアミド−N−(5−メチル−3−イソキサゾリル)−ベンゼンスルホンアミド)、ポリ(N−[4−スルファミド−N−(5−メチル−3−イソキサゾリル)フェニル]−マレイミド、ポリ(N−トリ−n−ブチル錫マレイミド−co−スチレン−co−m−アクリロイルアミノ−(トリ−n−ブチル錫ベンゾエート)、ポリ(2−ヒドロキシ−3−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)チオプロピルメタクリレート)、ポリ(1−エチル−6−フルオロ−7−{4−[2−ヒドロキシ−3−)2−メチルアクリロイルオキシ)プロピル]ピペラジン−1−イル}−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸)、ポリ(2,4,4’−トリクロロ−2’−アクリロイルオキシジフェニルエーテル)、ポリ(2,4,4’−トリクロロ−2’−アクリロイルオキシジフェニルエーテル−co−メチルメタクリレート)、ポリ(2,4,4’−トリクロロ−2’−アクリロイルオキシジフェニルエーテル−co−スチレン)、ポリ(2,4,4’−トリクロロ−2’−アクリロイルオキシジフェニルエーテル−co−アクリル酸)、ポリ(アリルp−ヒドロキシフェニルアセテート)、ポリ(p−ヒドロキシフェニルアセテート)、ポリ(p−2−プロペノキシフェノール)、ポリ(p−フェニルカルボキシアセテート)、ポリ(3−アクリルオキシプロピルo−カルボキシベンゾエート)、ポリ(3−メタクリルオキシp−ヒドロキシフェニルアセテート)、N−環式ハラミン、塩素漂白ポリマー、塩素漂白ポリ(1−アクリロイル−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン−co−アクリロニトリル)、塩素漂白ポリ(1−アクリロイル−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン−co−メチルメタクリレート)、塩素漂白ポリ(1−アクリロイル−2,2,5,5−テトラメチルイミダゾリジン−4−オン−co−ビニルアルコール)、ポリ(5−クロロ−8−キノリニルアクリレート)、ポリ(アクリル酸−co−5−クロロ−8−キノリニルアクリレート)、ポリ(アクリルアミド−co−5−クロロ−8−キノリニルアクリレート)、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン−co−5−クロロ−8−キノリニルアクリレート)、ポリ(p−ビニルベンジルテトラメチレンスルホニウムテトラフルオロボレート)、ポリ(p−エチルベンジルテトラメチレンスルホニウムテトラフルオロボレート)、ポリ(メタクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロミド)、ポリ(メタクリロイルオキシドデシルピリミジニウムブロミド−co−アクリル酸)、ポリ(四級アミンメタクリレート−co−2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(トリアルキル−3−ビニルベンジル]ホスホニウムクロリド)、ポリ(トリアルキル−4−ビニルベンジル]ホスホニウムクロリド)、ポリ(2,4−ジクロロフェニルアクリレート)、ポリ(2,4−ジクロロフェニルアクリレート−co−酢酸ビニル)、ポリ(3−トリエトキシシリルプロピル−5,5−ジメチルヒダントイン)、ポリ(塩化ビニルベンジル−co−2−クロロエチルビニルエーテル)、トリフェニルホスフィンおよびトリエチルアミンで四級化されたポリ(塩化ビニルベンジル−co−メチルメタクリレート);p−ヒドロキシ安息香酸で処理されたRAAS−4G、2,4−ジヒドロキシ安息香酸および3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸;ポリ(エチレン−co−ビニルアルコール)に結合した2−ベンズイミダゾールカルバモイル成分;アムピシリンに結合したポリ(スチレン−co−無水マレイン酸);4−アミノフェノールに結合したポリ(スチレン−co−無水マレイン酸);ポリ(メタクリロイルオキシエチルトリオクチルホスホニウムクロリド−co−N−イソプロピルアクリルアミド);スルホプロピルベタインコポリマー;ポリ[4−(2−トリブチルホスホニオエチル)スチレンクロリド−co−4−(2−クロロエチル)−スチレン];ポリ[4−(3−トリブチルホスホニオプロピル)−スチレンクロリド−co−4−(3−クロロプロピル)スチレン];塩化水素、次いでトリエチルアミンまたはN,N−ジメチルオクチルアミンまたはN,N−ジメチルドデシルアミンまたはN,N−ジメチルヘキサデシルアミンで処理されたグリシジルメタクリレート−1,4−ジビニルベンゼンコポリマー;塩化水素、次いでトリエチルホスフィンまたはトリブチルホスフィンまたはトリオクチルホスフィンで処理されたグリシジルメタクリレート−1,4−ジビニルベンゼンコポリマー;スチレン−7%ジビニルベンゼンコポリマーのホスホニウム塩;グリシジルメタクリレートポリマーのホスホニウムおよびアンモニウム塩;トリエチルアミン、トリフェニルホスフィンおよびトリブチルホスフィンで四級化されたポリ(グリシジルメタクリレート−co−2−ヒドロキシエチルメタクリレート);四級アンモニウム官能化ポリ(プロピレンイミン);四級ホスホニウム官能化ポリ(プロピレンイミン);ポリ(エチレングリコール−N−ヒダントイン);ポリ(エチレングリコール−N−イミダゾリジン−4−オン);ポリスチレンヒダントイン;ポリスチレントリアジンジオン;ポリ[1,3,5−トリクロロ−6−メチル−6−(4’ビニルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジオン];5,5−ジメチルヒダントインのカリウム塩と結合したクロロメチル化ポリスチレンビーズ;ジメチルドデシルアミンと結合したクロロメチル化ポリスチレンビーズ;N,N,N’,N”−テトラメチルエチレンジアミンと結合したクロロメチル化ポリスチレンビーズ;N−ハロゲン化ポリ(スチレンヒダントイン);ポリ[3−(5,5−ジメチルヒダントイニルプロピル)シロキサン−co−3−ジメチルドデシルアンモニウムプロピルシロキサンクロリド];ポリ[3−(5,5−ジメチルヒダントイニルプロピル)ヒドロキシシロキサン];キトサン−アルギネートヒドロゲル;トリエチルアミンまたはトリフェニルホスフィンまたはトリブチルホスフィンで四級化されたポリ(2−クロロエチルビニルエーテル−co−塩化ビニルベンジル);四級化ポリ(ビニルピリジン)、ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMA)およびヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)および四級化ポリ(ビニルピリジン)のコポリマー、四級化N−アルキルキトサン;ヨウ化メチルで四級化されたN−アルキルキトサン;キトサングラフトポリ(エチレンテレフタレート);四級化キトサングラフトポリ(エチレンテレフタレート);キトサン−g−モノ(2−メタクリロリルオキシエチル)酸ホスフェート;キトサン−g−ビニルスルホン酸ナトリウム塩;N−(2−ヒドロキシ)プロピル−3−トリメチルアンモニウムキトサンクロリド;ジピリジルデキストラン複合体;N−ベンジルジピリジルデキストラン結合体;N−n−オクチルジピリジルデキストラン結合体;ヘチマ繊維グラフトメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘチマ繊維グラフトトリブチル−4−ビニルベンジルホスホニウムクロリド;ヘチマ繊維グラフト2,3−エピチオプロピルメタクリレート;トリエチレンテトラミンで四級化されたヘチマ繊維グラフト2,3−エピチオプロピルメタクリレート;銀イオンと複合したトリエチレンテトラミンで四級化されたヘチマ繊維グラフト2,3−エピチオプロピルメタクリレート、N−メチルアリールモルホリノ酸(AMPA)、N,N−ジメチルAMPA、ポリ−(エチレンオキサミド−N,N’−ジアセテート)、ポリ−(エチレンオキサミド−N,N’−ジアセテート)と金属イオンとの錯体、ポリ(4−[(4−ヒドロキシベンジリデン)アミノ]フェノール)、モノマーである2,4−ジクロロフェニルアクリレートおよび8−キノリニルメタクリレートから合成されたポリマーおよびコポリマー、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸/マレイン酸のコポリマー、四級アンモニウム塩(QAS)変性ポリシロキサン、銅(II)、コバルト(II)およびニッケル(II)とのポリ(クロトン酸−co−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)の金属錯体、マンデル酸縮合ポリマー、SAMMA、N−((4−アミノスルホニル)フェニル)アクリルアミド(APA)、N−((4−アミノスルホニル)フェニル)アクリルアミド(APA)と2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)とアクリル酸(AA)とのコポリマー、臭化アルキル変性三級アミン基を有するポリ(2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート)、ポリ[mu(3)−N−アセチル−L−ヒスチジナト−カッパN−4,O:O:O’)銀(I)]、ポリフェノール、ポリ[(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)プロピレン]樹脂、N−四級化キトサンおよびキトオリゴマー、アクリル化キトサン、銀(I)スルファニルカルボキシレートおよび四級化ポリエチレンイミン、コロイド錫、ニッケルまたは銀等が挙げられる。
【0076】
コーティングの抗微生物活性が、n−ハラミンまたはそれらの水素化前駆体が結合されたポリマーに起因する場合は、液相を例えば塩化メチレン、次亜塩素酸塩漂白剤および他の当該ハロゲン源などのハロゲン化合物でさらに増強することができる。
【0077】
一般的に入手可能なプラスチックを粉末の形で取得し、これらをそのまま利用して、本出願の方法によってコーティングを形成することが可能である利点を理解することができる。管理または閉鎖された環境において既知の錯体および先行技術に開示されている危険な合成経路を使用して、殺生性官能基を有する粉末の形で一般的に入手可能なポリマーを増強し、続いてそのようにして誘導された粒子を、病院、工業、家庭内および食品加工環境における表面などの、危険な化学的方法が使用されない環境で本発明によるコーティングに成形することが可能であることの利点も理解することができる。
【0078】
1つの用途において、対象となる表面は、例えば漆喰、グラウトまたは壁上のコンクリートなどの建築材料の表面であってもよく、該方法を適用するために使用される機械類は、好適に改造された可動式サンドブラスター等の可動式であり、該方法を建造物における既存の表面に適用することができる。
【0079】
他の殺生性コーティングの用途において、表面は、外科器具、パネル、ハンドル、およびドアにおける他の常時接触される表面、出入口、流し、洗面台、ドライヤーおよびワークステーション等の金属の表面である。
【0080】
本出願は、表面を活性剤およびコーティングで変性させるために用いられる先行の方法と比較していくつかの利点を提供する。
【0081】
1.表面で熱が発生するが、この熱は、極めて局所的で、煙霧剤の液相に支援されて迅速に放散して、組み込まれた活性剤が変化せずにプロセスに耐えることを可能にする。
【0082】
2.活性剤は、制御および調整しながら単一の工程プロセスで、キャリヤーマトリックスとともに組み込まれたコーティング内に均一に分散される。
【0083】
3.該方法は、ナノメートル寸法を超える連続的コーティングを形成するための表面における前駆物質の十分な密度を可能にして、先の開示の濃度限界を回避する。
【0084】
4.該方法は、架橋剤、安定剤、開始剤、シランまたはエポキシカップリング剤などの複雑な化学添加剤の使用、およびコーティング組成物の固有かつ基板の表面との反応を促進させる他のコーティング法に伴う硬化処理を回避する。すべての当該要因は、抗微生物または治療機能を含むコーティング内の化学特性および所望の機能に影響を与えることが可能である。
【0085】
5.該方法は、通常は通常の吹き付けまたは塗装によって接着コーティングを形成しない物質、すなわち通常の温度で表面上に単に塗装または吹き付けられると互いに、または基板と本質的に反応する化学的官能性を有さないポリマーおよびセラミックを含む広範な物質の接着性に対応する。
【0086】
続いて、接着コーティングの化学的および物理的性質を特定の機能に向けて増強するように、基板の表面における接着コーティングをさらなる処理によって変化させることができる。当該処理は、改造されたショットピーニングまたはグリットブラスト処理、ブラスト処理、エッチング処理、析出処理、溶解処理または洗浄処理を含む。
【0087】
例えば、現在では、ヒドロキシアパタイトが、プラズマスプレーおよび熱スパッタリングなどの高温法によってインプラント表面に堆積されている。当該方法において、ヒドロキシアパタイト粒子は、1200℃を超える温度を利用して、表面に達する途中で部分的に溶融する。これらの粒子は、固化して、表面にコーティングを形成する。当該方法は、主にヒドロキシル(構造水)の減量の結果としてヒドロキシアパタイトを他のリン酸カルシウムに部分的に分解させる。特に、煙霧剤に使用される液相が少なくとも部分的に水で構成される場合は、有利には、水を減量させずにヒドロキシアパタイトを表面にコーティングするために本出願を使用することができる。続いて、活性剤を当該ヒドロキシアパタイト層に吸収させることができる。
【0088】
他の場合において、コーティングに含まれる構成要素を、有利には、コーティングから溶解させてその形態を調整することができる。例えば、前駆組成物および究極的にはコーティングが重炭酸ナトリウムを含む場合は、後の使用のためにコーティングの多孔性を改良するように、当該構成要素を露出した表面から弱酸性溶液または水溶液に容易に溶解させることができる。
【0089】
コーティングがポリマーである場合に特に有利であり得る1つの処理は、後続の衝撃処理である。例えば、PTFEおよび低密度ポリエチレン等の、通常の温度で現行の手法によって表面に容易に接着されない軟質プラスチックを、本発明の方法によって表面に所望の厚さで容易にコーティングすることができる。当該表面を、表面に推射された微粒子に曝露すると、微粒子をポリマーコーティングに埋め込むことができる。有利には、グリットブラストまたはショットピーニング装置を使用して、コロイド金属および他の可能な活性剤を当該コーティングに埋め込んで、コーティング性をさらに増強することができ、特に銀の場合はそれを静菌性にすることができる。他の当該ポリマーコーティングも同様に増強することができる。
【0090】
本出願は、医療用インプラントの表面にキャリヤーマトリックス(例として生分解性ポリマー、生体適合性セラミックまたはそれらの組合せなど)をコーティングするのに特に好適である。治療薬(例として抗再狭窄薬、抗血栓薬および抗微生物薬など)をこのコーティングに含めることができる。
【0091】
この技術のための好適なインプラントの例としては、硬質組織インプラント、歯科および整形外科用インプラント、ステント、ペースメーカー、除細動器、ガイドワイヤーおよびカテーテルが挙げられる。この構成において、インプラントは、商業的に入手可能なショットまたは研磨性グリットを使用してショットピーニングまたはグリットブラストされ、キャリヤーマトリックスの霧化懸濁液が表面に送達される。研磨剤またはショットおよび煙霧剤を、例えば、同軸ベンチュリ機構または多ノズル機構を介して、インプラント表面に送達することができ、同軸系の例が図1に示される(キャリヤーマトリックス/溶媒を外側に有する設計リグ)。内部ベンチュリにおけるショットまたはグリットを流動化させるために標準的なグリットブラスト機が使用される。好適には、ショットまたはグリットは、1ミクロンから1000ミクロンの範囲の粒径を有する。キャリヤーマトリックスは、好適な溶媒に懸濁される。流体ジェットは空気である。流体ジェットは、インプラント表面に対して少なくとも5度の角度で表面に衝突する。好適には、ベンチュリは、インプラント表面の500mm以内に保持される。
【0092】
治療薬を後の処理においてキャリヤーマトリックスに吸着させることができ、あるいは前駆組成物に構成要素として含めることができる。
【0093】
さらに別の構成において、キャリヤーマトリックス前駆体のゾルは、例として、リン酸カルシウムゲルである。当該セラミックゾルは、通常、熱に対する長時間の曝露(焼結)によってそれらの結晶形態に変換され、特に所望のリン酸カルシウムがヒドロキシアパタイトである場合には望ましくない。現行の方法は、当該ゾル−ゲル反応を促進させるための高温に対する長時間の曝露を含まない。結果として、活性薬をゲルに含めると同時に表面に堆積させることができるため、薬剤がコーティングに均一に分布されるというさらなる利点が得られる。
【0094】
インプラントがステントである場合は、MRI走査によって生成されたエネルギーを吸収させるための物質を研磨剤またはショットおよび煙霧剤で送達させるように本発明の方法を適応させることができる。MRI走査によって生成されたエネルギーを吸収するための物質は、好適には煙霧剤液体に懸濁される。
【0095】
次に、本出願の方法の効果をいくつかの実施例を参照しながら実証する。
【実施例1】
【0096】
1cm×1cmの商業的に純粋のチタンクーポンを、バニマングリットブラスターを使用して、平均粒径が100ミクロンのアルミナグリットでグリットブラストした。ノズルを表面から20mmの位置に保持し、ノズルを表面に対して垂直に保持した。7バールの圧力の酸素を実質的に含まない窒素ガスをキャリヤー流体として使用した。炭化珪素ノズルは、1mmのオリフィス径を有していた。4つの流路を表面で構成した。チタンクーポンのXRDパターン(図3)と以上のように処理されたチタンクーポン(図4)とを比較すると、窒化チタンに特徴的な処理クーポンでは43.52にピークが示されるが、チタンまたは酸化チタンでは見られない。
【0097】
クーポンを、バニマングリットブラスターを使用して、アルミナでさらにグリットブラストした。エタノール中ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ナノ粒子の霧化分散液を、ブラスト法を通じて表面上の同じ点に誘導した。アルミナは、平均粒径が100ミクロンであり、PTFE粒子は、平均粒径が200nmであった。アルミナを、オリフィス経が1mmの炭化珪素ノズルを介して送達し、煙霧剤を、標準的な圧縮機の塗料吹付け器取付部から送達した。5バールの圧力の酸素を実質的に含まない窒素ガスをアルミナのためのキャリヤー流体として使用した。チタンクーポンをノズルの60mm以内に保持した。4つの流路を表面で構成した。
【0098】
次いで、20分間にわたってクーポンに超音波洗浄を施した。次いで、表面を空気流下で乾燥させた。図5は、すべての処理を完了させた後に得られた接着テフロン(登録商標)層の粉砕部分の集束イオンビーム(FIB)画像である。層は、深さが少なくとも5ミクロンであり、クーポンそのものから明確に区別される。また、接着テフロン(登録商標)層は、ナノ細孔性を有する。
【実施例2】
【0099】
1cm×1cmの商業的に純粋のチタンクーポンにアルミナグリットおよびエタノール中PTFE粉末の霧化分散液を用いて衝撃を施した。アルミナは、平均粒径が100ミクロンであり、PTFE粒子は、平均粒径が200nmであった。バニマングリットブラスターを使用して、オリフィス経が1mmの炭化珪素ノズルを介してアルミナグリットを表面に送達した。キャリヤーガスは、5バールの圧力の空気であった。エアブラシを使用してエタノール中PTFEの煙霧剤を生成した。5バールの圧力の空気流を、ベンチュリを介して、エタノール中PTFEナノ粒子のタンクに接続された第2のベンチュリ上に送達して、ベルヌーイ効果により煙霧剤を生成した。アルミナグリットを担持する空気流および煙霧剤を担持する空気流をチタンクーポン上に集束させた。チタンクーポンをノズルの60mm以内に保持した。チタンクーポンをこの点に配置した。4つの流路を表面で構成した。
【0100】
次いで、20分間にわたってクーポンに超音波洗浄を施した。次いで、表面を空気流下で乾燥させた。図6は、すべての処理を完了させた後に得られた結合エネルギーのフッ素領域の狭走査X線光電子スペクトルである。それは、クーポン表面上のフッ素の存在を明確に示し、PTFEの存在を示唆している。
【実施例3】
【0101】
1cm×1cmの商業的に純粋のチタンクーポンにアルミナグリットおよびエタノール中ナノ結晶ヒドロキシアパタイトの霧化分散液を用いて衝撃を施した。アルミナは、平均粒径が100ミクロンであった。バニマングリットブラスターを使用して、オリフィス経が1mmの炭化珪素ノズルを介してアルミナグリットを表面に送達した。キャリヤーガスは、5バールの圧力の空気であった。エアブラシを使用してエタノール中ヒドロキシアパタイトの霧化分散液を生成した。5バールの圧力の空気流を、ベンチュリを介して、エタノール中ヒドロキシアパタイトのタンクに接続された第2のベンチュリ上に送達して、ベルヌーイ効果により煙霧剤を生成した。アルミナグリットを担持する空気流および煙霧剤を担持する空気流をチタンクーポン上に集束させた。チタンクーポンをノズルの60mm以内に保持した。4つの流路を表面で構成した。
【0102】
次いで、20分間にわたってクーポンに超音波洗浄を施した。次いで、表面を空気流下で乾燥させた。図7は、すべての処理を完了させた後に得られた結合エネルギーのカルシウム領域の狭走査X線光電子スペクトルである。それは、クーポン表面上のカルシウムの存在を明確に示し、ヒドロキシアパタイトの存在を示唆している。
【実施例4】
【0103】
1cm×1cmの商業的に純粋のチタンクーポンにアルミナグリットおよび脱イオン水中ナノ結晶ヒドロキシアパタイトの霧化分散液を用いて衝撃を施した。アルミナは、平均粒径が100ミクロンであった。バニマングリットブラスターを使用して、オリフィス経が1mmの炭化珪素ノズルを介してアルミナグリットを表面に送達した。キャリヤーガスは、5バールの圧力の空気であった。塗料吹付け器を使用して水中ヒドロキシアパタイトの霧化分散液を生成した。5バールの圧力の空気流を使用して、ベルヌーイ効果により水中分散ヒドロキシアパタイトをタンクから引き出した。分散液をノズルから排出させ、ジェットのいずれかの側の空気流が煙霧剤を生成した。アルミナグリットを担持する空気流および煙霧剤を担持する空気流をチタンクーポン上に集束させた。チタンクーポンをノズルの60mm以内に保持した。4つの流路を表面で構成した。
【0104】
次いで、20分間にわたってクーポンに超音波洗浄を施した。次いで、表面を空気流下で乾燥させた。図8および9は、すべての処理を完了させた後に得られた結合エネルギーのカルシウムおよびリン領域の狭走査X線光電子スペクトルである。それは、クーポン表面上のカルシウムの存在を明確に示し、ヒドロキシアパタイトの存在を示唆している。
【実施例5】
【0105】
3つの1cm×1cmの商業的に純粋のチタンクーポンにアルミナグリット、ならびに100mlの脱イオン水中4gのナノ結晶ヒドロキシアパタイトおよび1gのゲンタマイシンからなる霧化液体を用いて衝撃を施した。クーポンを処理する24時間前に液体を調製し、コンスタントに撹拌した。アルミナは、平均粒径が100ミクロンであった。バニマングリットブラスターを使用して、オリフィス経が1mmの炭化珪素ノズルを介してアルミナグリットを表面に送達した。キャリヤーガスは、5バールの圧力の空気であった。塗料吹付け器を使用して液体コロイドを霧化した。5バールの圧力の空気流を使用して、ベルヌーイ効果により液体をタンクから引き出した。液体をノズルから排出させ、霧化ジェットのいずれかの側の空気流が煙霧剤を生成した。アルミナグリットを担持する空気流および煙霧剤を担持する空気流をチタンクーポン上に集束させた。チタンクーポンをノズルの60mm以内に保持した。4つの流路を各クーポンの表面で構成した。それぞれ5分間にわたってクーポンを脱イオン水中で超音波処理した。
【0106】
寒天ディスク拡散法を用いて、大腸菌(Escherichia Coli)に対するクーポンの抗菌作用を評価した。細菌を37℃で16時間にわたって脳心臓浸出物(BHI)寒天上の培養原液から成長させ、単離したコロニーを使用して、10mlのルリア肉汁に新たな培養物を接種した。振盪しながら37℃でさらに16時間インキュベートした後、これらの培養物をミュラーヒントン(MH)肉汁で希釈して600イン0.05の光学密度(OD)とした。この細菌懸濁液の350μltを、MH寒天を含むプレート上に4mmの深さで流し込んだ。ゲンタマイシン処理クーポンを寒天上に配置し、プレートを逆にし、37℃で24時間インキュベートした。結果を図10に示す。明確な阻害域がゲンタマイシンクーポンの周囲に認められ、ゲンタマイシンが表面に組み込まれ、処理プロセスを通じて活性を維持していたことが示唆される。
【実施例6】
【0107】
1cm×1cmの商業的に純粋のチタンクーポンにアルミナグリット、ならびに100mlのエタノール中2gのPTFEナノ粒子および0.2gの銀ナノ粒子を含む霧化分散液を用いて衝撃を施した。アルミナは、平均粒径が100ミクロンであった。バニマングリットブラスターを使用して、オリフィス経が1mmの炭化珪素ノズルを介してアルミナグリットを表面に送達した。キャリヤーガスは、5バールの圧力の空気であった。塗料吹付け器を使用して霧化分散液を生成した。5バールの圧力の空気流を使用して、ベルヌーイ効果によりエタノール中分散ナノ粒子をタンクから引き出した。分散液をノズルから排出させ、ジェットのいずれかの側の空気流が煙霧剤を生成した。アルミナグリットを担持する空気流および煙霧剤を担持する空気流をチタンクーポン上に集束させた。チタンクーポンをノズルの60mm以内に保持した。4つの流路を表面で構成した。
【0108】
次いで、20分間にわたってクーポンに超音波洗浄を施した。次いで、表面を空気流下で乾燥させた。図10および11は、すべての処理を完了させた後に得られたそれぞれフッ素1sおよび銀3d領域の狭走査X線光電子スペクトルである。それは、クーポン表面上のPTFEおよび取り込まれた銀の存在を明確に示している。
【0109】
技術の特定の実施例を示したが、特定の用途のための表面における所望の物質の特定の組合せに応じて本発明の構造および設計を変更できることが理解されるであろう。よって、本発明は、記載の実施形態に限定されず、構造および詳細が変更されてもよいが、微粒子と煙霧剤の協働によって与えられる表面コーティングを提供するための衝撃微粒子と煙霧剤の同時送達に向けられる。
(引用文献)
【0110】
【表1】

【0111】
【表2】

【0112】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面にコーティングを形成する方法であって、
1つまたは複数のガス流内で供給されたコーティングの前駆物質が、表面に衝突する粒子と煙霧剤の存在との協働作用によってコーティングに変換されるように、1つまたは複数のガス流中の粒子で表面を衝撃すると同時に煙霧剤を表面に送達するステップ、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記粒子は、物質の外層が接着された粒子を含み、前記物質の外層は、コーティングの前駆物質を部分的に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記粒子は、表面に達すると0.001ピコ−ジュール以上の運動エネルギーを有する衝撃粒子を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
キャリヤーガス流で粒子を表面に送達するために、乾燥ショットピーニング機、乾燥ブラスター、ホイール研磨機、グリットブラスター、サンドブラスターまたはマイクロブラスターの1種または複数が用いられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記衝撃粒子は、ショット、グリットまたはそれらの組合せであることを特徴とする請求項3または4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記衝撃粒子は、セラミック、金属、金属合金、ポリマーまたはそれらの組合せの粒子であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記煙霧剤は、
a.液体
b.溶液
c.懸濁液
d.ゲルまたはゾル
e.コロイド
の1種または複数を霧化することによって生成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記煙霧剤は、コーティングの前駆物質を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記煙霧剤は、ベルヌーイ霧化器、加圧霧化器、二流体霧化器、超音波霧化器、改良型スプレー乾燥器、改良型スプレーコーター、エアブラシ、電気スプレー霧化器、同軸ノズルアセンブリおよびガスレンズ原理で動作する同軸ノズルアセンブリの1種または複数によって製造されることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記霧化器は霧化ガスを採用することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ガスは酸化性であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ガスは酸素を実質的に含まないことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ガスは、
a.アンモニアおよび窒素を含む窒素性ガス
b.ヘリウムおよびアルゴンを含む不活性ガス
c.一酸化炭素、二酸化炭素および炭化水素を含む炭素性ガス
d.一酸化硫黄、二酸化硫黄および三酸化硫黄を含む硫黄性ガス
e.ハロゲン含有ガス
f.水素ガス
の1種または複数を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記表面は金属を含み、前記ガスは、表面と反応して、窒化物、炭化物、硫化物、ハロゲン化物、水素化物またはそれらの組合せを形成することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記前駆物質は、ポリマー、セラミック、ガラス、生体用ガラス、金属、金属合金、活性剤、モノマー、イオン、溶媒または有機金属錯体の1種または複数を含むことを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記前駆物質はポリマーを含み、前記ポリマーは、
a.熱可塑材
b.熱硬化性プラスチック
c.生体適合性ポリマー
d.殺生性または静菌性ポリマー
の1種または複数を含むことを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記前駆物質は、
a.薬物
b.抗生物質
c.抗再狭窄薬
d.抗炎症薬
e.抗血栓薬
f.タンパク質
g.オリゴ−ペプチド
h.コロイド金属または有機金属
i.N−ハラミン
j.四級イオン
の1種または複数から選択される活性剤を含むことを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記粒子および前記煙霧剤は、実質的に同じガス流で表面に運ばれることを特徴とする請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記粒子および前記煙霧剤は、複数のガス流で表面の実質的に同じ領域に誘導されることを特徴とする請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記粒子および前記煙霧剤は、ノズルアセンブリによって表面に誘導されることを特徴とする請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記ノズルアセンブリの運動は自動化されて、ライン、表面の輪郭に追従する、少なくとも1つの軸のまわりを回転する、またはそれらの組合せを行うことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
自動化は、モータ、ステッパモータ、二軸ロボット、三軸ロボットまたはそれらの組合せの構成によって実施されることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
周囲環境から実質的に隔離されたチャンバまたはキャビネットにおいて表面に適用されることを特徴とする請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記チャンバまたはキャビネットの環境は800℃を超えない温度に維持されることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記チャンバまたはキャビネットは、
a.濾過システム
b.ポンピングシステム
c.廃棄物タンク
d.滅菌装置
の1種または複数を含む、またはそれらに接続されていることを特徴とする請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
被コーティング表面は、後の処理が施されてコーティングの特性を増強することを特徴とする請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記後の処理は、
a.その形態を増強するためのコーティングからの物質の溶解
b.物質のコーティング内またはコーティング上への析出
c.微粒子をコーティングに埋め込むための微粒子衝撃
d.イオン交換法による構成要素の補充
e.破屑物を除去し、かつ/または活性剤を補充するための洗浄処理
f.電気または磁気極性化処理などを含む極性化処理
の1種または複数であることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記コーティングは、ポリマーであり、後の処理は、コーティングを微粒子で衝撃して、微粒子をポリマーコーティングに埋め込むことを含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記微粒子は活性剤であることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記表面は、以下の物質
a.金属または金属合金
b.セラミックまたはガラス
c.ポリマー
の1種または複数を含むことを特徴とする請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記表面は医療用デバイスの表面であることを特徴とする請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記表面は移植可能医療用デバイスの表面であることを特徴とする請求項1から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記表面は、殺生性または静菌性が付与されることを特徴とする請求項1から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記コーティングはキャリヤーマトリックスを含むことを特徴とする請求項1から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
活性剤がキャリヤーマトリックスに結合または吸着されることを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項36】
活性剤がキャリヤーマトリックスに閉じこめられることを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記活性剤は、抗再狭窄薬、免疫抑制薬、抗炎症薬、抗癌薬、抗生物質、抗血栓薬、タンパク質、骨形態形成タンパク質、酵素、リン酸カルシウムまたはオリゴペプチドの1種または複数であることを特徴とする請求項35または36に記載の方法。
【請求項38】
前記キャリヤーマトリックスは、リン酸カルシウム、シリカ、アルミナ、チタニア、硫酸カルシウム、生体用ガラス、ジルコニア、安定化ジルコニア、ランタニドの酸化物、重炭酸ナトリウムまたは生体適合性ポリマーの1種または複数を含むことを特徴とする請求項34から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記表面は金属を含み、前記表面は、コーティングの形成の前または最中に窒化されることを特徴とする請求項1から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記コーティングの前記前駆物質は、
a.カルシウム、リン、硫黄、チタン、バナジウム、ニッケル、アルミニウム、ジルコニウム、イットリウム、珪素、タンタル、エルビウム、ランタン、プラチナ、金または銀のイオンまたはゾル、
b.カルシウム、リン、亜リン酸塩、硫黄、チタン、バナジウム、ニッケル、アルミニウム、ジルコニウム、イットリウム、珪素、タンタル、エルビウム、ランタン、プラチナ、金または銀のカルボン酸塩、アルコキシドおよびエステルを含む有機金属、
c.リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、シリカ、シリカガラス、リン酸カルシウムガラス、アルミナ、チタニア、ジルコニア、安定化ジルコニア、ランタニドおよび貴金属の酸化物、コロイド金属または金属合金、
d.抗再狭窄薬、免疫抑制薬、抗炎症薬、抗癌薬、抗生物質、抗血栓薬、タンパク質、酵素またはオリゴペプチド、
e.生体適合性ポリマーまたは生体適合性ポリマーのゾル
の1種または複数を含むことを特徴とする請求項1から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記キャリヤーマトリックスは、ポリマー、ガラスまたはセラミックの1種または複数であることを特徴とする請求項35または請求項36に記載の方法。
【請求項42】
前記活性剤は、n−ハラミン部分、アミン、イミド、アミド、窒素−水素結合を含むポリマー、四級アンモニウムイオン、四級スルホニウムイオン、四級ホスホニウムイオン、有機金属、コロイド金属またはそれらの組合せの1種または複数であることを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記活性剤は、アミン、アミド、イミドまたは窒素−水素結合を含むポリマーの1種または複数であり、前記表面は、前記コーティングをハロゲン含有溶媒に曝露して、コーティングに窒素−ハロゲン結合を生成することによって殺生性が付与されることを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記ハロゲン含有溶液は、次亜塩素酸、次亜臭素酸、漂白剤、次亜塩素酸塩、過塩素酸塩、次亜臭素酸塩、過臭素酸塩、ハロゲン化水溶液、塩化メチレン、臭化メチレンまたはハロ−アルカン溶液の1種または複数であることを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記請求項1から44のいずれか一項に記載の方法によって得られる被コーティング表面を有することを特徴とする製品。
【請求項46】
移植可能物体であることを特徴とする請求項45に記載の製品。
【請求項47】
a.医療用デバイス
b.ステント
c.ペースメーカー
d.除細動器
e.硬質組織インプラント
f.カテーテル
の1つであることを特徴とする請求項46に記載の移植可能物体。
【請求項48】
請求項1から44のいずれか一項に記載の方法によって製造されることを特徴とする殺生性表面。
【請求項49】
厚さが少なくとも0.1ミクロンであり、表面との接着強度が少なくとも1.5MPaである接着ポリマーコーティングを有することを特徴とする殺生性表面。
【請求項50】
前記コーティングは、ポリアミド−イミド、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、またはアクリロニトリルのコポリマー、ペンダントアミン、アミドもしくはイミド基を有するポリマーの1種または複数を含み、前記表面は、被コーティング表面をハロゲン含有溶液に曝露することによって殺生性が付与または再付与されることを特徴とする請求項49に記載の殺生性表面。
【請求項51】
前記ハロゲン含有溶液は、次亜塩素酸、次亜臭素酸、漂白剤、次亜塩素酸塩、過塩素酸塩、次亜臭素酸塩、過臭素酸塩、ハロゲン化水溶液、塩化メチレン、臭化メチレンまたはハロ−アルカン溶液の1種または複数であることを特徴とする請求項50に記載の殺生性表面。
【請求項52】
ハロゲン化合物を含む前記溶液は、電気化学的または電解的に生成されることを特徴とする請求項50または請求項51に記載の表面。
【請求項53】
厚さが少なくとも0.1ミクロンであり、表面との接着強度が少なくとも1.5MPaである接着コーティングを有する生体活性表面であって、前記接着コーティングは、ポリマーおよびコロイド金属を含むことを特徴とする生体活性表面。
【請求項54】
前記ポリマーは、ポリテトラフルオロエチレンもしくはポリテトラフルオロエチレン誘導体、ポリエチレン、ポリアクリル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミドまたはポリウレタンの1つから選択されることを特徴とする請求項53に記載の生体活性表面。
【請求項55】
前記コロイド金属は、銀、錫、ニッケルまたはそれらの組合せであることを特徴とする請求項53または請求項54に記載の生体活性表面。
【請求項56】
前記生体活性表面は、殺生性、静菌性またはそれらの組合せであることを特徴とする請求項53から57のいずれか一項に記載の表面。
【請求項57】
キャリヤーマトリックスおよび活性剤を含む接着多孔性コーティングを有することを特徴とする移植可能物体。
【請求項58】
前記キャリヤーマトリックスは、リン酸カルシウム、シリカ、アルミナ、チタニア、二酸化チタン、硫酸カルシウム、リン酸カルシウムガラス、生体用ガラス、ジルコニア、安定化ジルコニア、ランタニドの酸化物、重炭酸ナトリウムまたは生体適合性ポリマーの1種または複数であることを特徴とする請求項57に記載の移植可能物体。
【請求項59】
前記活性剤は、抗再狭窄薬、免疫抑制薬、抗炎症薬、抗血栓薬、抗生物質、抗癌薬、タンパク質、骨形態形成タンパク質、酵素、リン酸カルシウムまたはオリゴペプチドの1種または複数であることを特徴とする請求項57または請求項58に記載の移植可能物体。
【請求項60】
前記コーティングは、厚さが少なくとも0.1ミクロンであり、コーティング1立方ミリメートル当たり前記コーティングに均一に分布した活性剤が1ピコグラムから2ミリグラムであることを特徴とする請求項57から59のいずれか一項に記載の移植可能物体。
【請求項61】
a.医療用デバイス
b.ステント
c.ペースメーカー
d.除細動器
e.硬質組織インプラント
f.カテーテル
の1つであることを特徴とする請求項57から60に記載の移植可能物体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図5】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−504409(P2011−504409A)
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529390(P2010−529390)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際出願番号】PCT/EP2008/064005
【国際公開番号】WO2009/050251
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(510108227)エイチケーピービー サイエンティフィック リミテッド (2)
【Fターム(参考)】