説明

表面形状測定装置、及び表面形状測定方法

【課題】正確に表面形状を測定することができる表面形状測定装置、及び表面形状測定方法を提供する。
【解決手段】。
本実施の形態にかかる表面形状測定装置は、光源21と、試料11で反射した反射光を受光する光センサ25とが設けられたセンサヘッド12と、センサヘッド12と試料11との相対位置を変化させるX駆動機構17と、光センサ25上での反射光の入射位置を抽出する位置抽出部31と、反射光の入射位置に相対位置が対応付けられた位置データを周波数領域のデータに変換する変換部32と、周波数領域のデータに対して、一定周波数以上の成分、又は所定の周波数帯の成分をフィルタリングするフィルタ部33と、フィルタリングされた周波数領域のデータを、空間領域のデータに逆変換する逆変換部34と、を備えるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表面形状測定装置、及び表面形状測定方法に関し、特に詳しくは、試料の表面の形状を測定する表面形状測定装置、及び表面形状測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程では、ウエハの変形に起因する搬送等の不具合が発生することがある。この不具合を未然に含むために、ウエハの反り(撓み)を評価することが望まれている。ウエハの反りを評価するため、ウエハの表面形状が測定されることがある。ウエハの表面形状を測定するため、ウエハ表面で反射した反射光の光センサ上における入射位置に応じて測長する技術が開示されている(特許文献1〜3)。
【0003】
例えば、特許文献2では、試料に対して光を斜めから入射させている。従って、センサと試料表面との距離に応じて、位置検出センサ上での反射光の入射位置が変化する。よって、位置検出センサ上での反射光の入射位置を求めることによって、試料との距離を測定することができる。
【0004】
また、ウエハの表面と裏面との形状を測定して、ウエハを評価する方法が開示されている(特許文献4)。この評価方法では、表面、及び裏面の形状を測定し、そのプロファイルを周波数解析している。具体的には周波数解析によって、振幅あるいパワースペクトル密度を求め、これをパラメータとして定量評価している。さらに、オートフォーカス機能により、高さ方向の変動を測定したデータをフーリエ変換して、低次スペクトル成分を反り量として抽出する欠陥検査装置が開示されている(特許文献5)。
【特許文献1】特開昭59−164910号公報
【特許文献2】特開昭63−7626号公報
【特許文献3】特開昭63−85311号公報
【特許文献4】特開平9−311108号公報
【特許文献5】特開平5−249655号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の技術では、例えば、反射光のプロファイルのピーク位置や中心位置に基づいて、測長している。しかしながら、センサ上の受光位置に応じて測長する場合、以下に示す問題点がある。半導体ウエハの上には、各種のパターンが形成される。従って、パターンの有無、あるいはパターンの種類によって光の反射率が異なる。このため、例えば、パターンの境界部分に光が入射すると、光センサでの反射光プロファイルが変化してしまう。
【0006】
すなわち、反射率が高い部分では、反射光量が大きくなり、反射率が低い部分では、反射光量が小さくなる。そのため、試料表面での反射率での違いに応じて、反射光プロファイルのピーク位置や中心位置が変化してしまう。具体的には、反射率の高い部分にピーク位置や中心位置がシフトしてしまう。このため、光センサ上における反射光の入射位置がずれて判断されてしまう。よって、上記の技術では、正確に表面形状を測定することが困難であるという問題点があった。半導体ウエハに限らず、半導体製造工程に用いられるフォトマスクでも同様の問題点が生じている。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、正確に試料の表面形状を測定することができる表面形状測定装置、及び表面形状測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様にかかる表面形状測定装置は、試料の表面形状を測定する表面形状測定装置であって、前記試料に光を照射する光源と、前記光源からの光のうち前記試料で反射した反射光を受光する光センサとが設けられたセンサヘッドと、前記センサヘッドと前記試料との相対位置を変化させる駆動機構と、前記光センサ上での前記反射光の入射位置を抽出する位置抽出部と、前記反射光の入射位置に前記相対位置が対応付けられた位置データを周波数領域のデータに変換する変換部と、前記周波数領域のデータに対して、一定周波数以上の成分、又は前記所定の周波数帯の成分を遮断するようフィルタリングするフィルタ部と、前記フィルタリングされた周波数領域のデータを、空間領域のデータに逆変換する逆変換部と、を備えるものである。これにより、正確に測定することができる。
【0009】
本発明の第2の態様にかかる表面形状測定装置は、上述の測定装置であって、前記フィルタ部でフィルタリングされた成分の周波数が前記試料に設けられているパターンの周期に基づいて設定されているものである。これにより、パターン境界での影響を低減することができ、正確な測定が可能となる。
【0010】
本発明の第3の態様にかかる表面形状測定装置は、上述の測定装置であって、前記位置抽出部が前記光センサ上での前記受光強度のピーク位置を前記入射位置として抽出し、任意の前記相対位置での検出結果に対して、ピーク位置が複数存在する場合に、隣の相対位置でのピーク位置に最も近いピーク位置を入射位置として抽出するものである。これにより、より正確に測定することができる。
【0011】
本発明の第4の態様にかかる表面形状測定装置は、上述の測定装置であって、前記試料表面と前記センサヘッドとの距離に応じて、前記光センサ上での前記反射光の入射位置が変化する方向に前記反射光の通過を制限するスリットが前記センサヘッドに設けられていることを特徴とするものである。これにより、迷光を除去することができるため、正確に測定することができる。
【0012】
本発明の第5の態様にかかる表面形状測定装置は、上述の測定装置であって、前記試料の端部において前記試料を支持するステージをさらに備え、前記試料の裏面、及び表面に対して、算出された表面形状に基づいて、前記試料の自重による反り量を含んだ試料の変形量を求めることを特徴とするものである。これにより、自重による反り量を含んだ試料の変形量を正確に測定することができる。
本発明の第6の態様にかかる表面形状測定装置は、上述の測定装置であって、前記試料の自重による反り量を求め、自重による反り量を除いた前記試料の変形量を求めるものである。これにより、自重による反り量を除いた試料の変形量を正確に求めることができる。
【0013】
本発明の第7の態様にかかる表面形状測定方法は、試料に光を照射する光源と、前記光源からの光のうち前記試料で反射した反射光を受光する光センサとが設けられたセンサヘッドと、前記センサヘッドと前記試料との相対位置を変化させる駆動機構と、を備えた表面形状測定装置による表面形状測定方法であって、前記センサヘッドと前記試料との相対位置を変化させるステップと、前記光センサ上での前記反射光の入射位置を抽出するステップと、前記反射光の入射位置に前記相対位置が対応付けられた位置データを周波数領域のデータに変換するステップと、前記周波数領域のデータに対して、一定周波数以上の成分、又は前記所定の周波数帯の成分を遮断するようフィルタリングするステップと、前記フィルタリングされた周波数領域のデータを、空間領域のデータに逆変換するステップと、を備えるものである。これにより、正確に測定することができる。
【0014】
本発明の第8の態様にかかる表面形状測定方法は、上述の測定方法であって、前記フィルタリングされた成分の周波数が前記試料に設けられているパターンの周期に基づいて設定されているものである。これにより、パターン境界での影響を低減することができ、正確な測定が可能となる。
【0015】
本発明の第9の態様にかかる表面形状測定方法は、上述の測定方法であって、前記位置抽出部が前記光センサ上での前記受光強度のピーク位置を前記入射位置として抽出し、任意の前記相対位置での検出結果に対して、ピーク位置が複数存在する場合に、隣の相対位置でのピーク位置に最も近いピーク位置を入射位置として抽出するものである。これにより、より正確に測定することができる。
【0016】
本発明の第10の態様にかかる表面形状測定方法は、上述の測定方法であって、前記試料表面と前記センサヘッドとの距離に応じて、前記光センサ上での前記反射光の入射位置が変化する方向に前記反射光の通過を制限するスリットが前記センサヘッドに設けられていることを特徴とするものである。これにより、自重による反り量を正確に測定することができる。
【0017】
本発明の第11の態様にかかる表面形状測定方法は、上述の測定方法であって、前記試料の端部において前記試料を支持するステージに前記試料が載置され、前記試料の裏面、及び表面に対して、算出された表面形状に基づいて、前記試料の自重による反り量を求めることを特徴とするものである。これにより、迷光を除去することができるため、正確に測定することができる。
本発明の第12の態様にかかる表面形状測定方法は、上述の測定方法であって、前記試料の自重による反り量を求め、自重による反り量を除いた前記試料の変形量を求めるものである。これにより、自重による反り量を除いた試料の変形量を正確に求めることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、正確に試料の表面形状を測定することができる表面形状測定装置、及び表面形状測定方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本実施の形態では、試料に光を照射し、その反射光を検出することによって、試料の表面形状を測定する。これにより、試料の反り(撓み)を評価することができる。典型的な試料としては、半導体ウエハやフォトマスクなどがある。
【0020】
本実施の形態にかかる表面形状測定装置の構成について、図1を用いて説明する。図1(a)は、表面形状測定装置の構成を示す平面図であり、図1(b)はその側面図である。図1に示すように、表面形状測定装置10は、センサヘッド12、ステージ13、処理装置15、Y駆動機構16、及びX駆動機構17を有している。表面形状測定装置10は、試料11の表面形状を測定する。図1では、鉛直方向をZ方向とし、Z方向と垂直な方向をX方向としている。さらに、Z方向、及びX方向と垂直な方向をY方向としている。よって、XY面は水平面となる。試料11は、XY平面と略平行に配置されている。
【0021】
試料11は、ステージ13上に載置されている。試料11の下面には、所定のパターン膜11cが形成されている。すなわち、試料11には、パターン膜11cが形成されている領域と、パターン膜11cが形成されていない領域とが存在する。ステージ13は3点で試料11を支持している。すなわち、ステージ13は試料11端部の3点で試料11下面と接触する。従って、試料11の略全体において下側が開放している。すなわち、ステージ13が設けられて3点以外では、試料11の下側が空間になっている。ステージ13としては、例えば、3本の支柱が設けられた中空ステージを用いることができる。ステージ13は、Y駆動機構16に接続されている。Y駆動機構16はステージ13をY方向に移動する。従って、ステージ13上の試料11は、Y駆動機構16によって、Y方向に走査される。
【0022】
センサヘッド12は、試料11の下側に配置される。すなわち、センサヘッド12は、試料11のパターン面側に配置される。センサヘッド12による検出に基づいて、試料11の表面形状が測定される。センサヘッド12は、検出結果に応じた検出信号を処理装置15に出力する。センサヘッド12は、三角測量の原理を応用して検出を行なっている。センサヘッド12の構成については、後述する。センサヘッド12は、X駆動機構17に接続されている。X駆動機構17は、センサヘッド12をX方向に移動する。従って、ステージ13上の試料11に対するセンサヘッド12の位置がX方向に変化する。このように、X駆動機構17によって、センサヘッド12は、X方向に走査される。X駆動機構17は、例えば、一定速度でセンサヘッド12を往復させる。すなわち、走査領域の両端近傍以外で、センサヘッド12が一定速度でX方向に移動する。
【0023】
X駆動機構17、及びY駆動機構16は、モータなどのアクチュエータと、リニアガイドなどを有している。これにより、直進性よく移動させることができる。X駆動機構17、及びY駆動機構16は、処理装置15に接続されている。処理装置15は、X駆動機構17、及びY駆動機構16の駆動を制御する。すなわち、処理装置15からの駆動信号によって、X駆動機構17、及びY駆動機構16が駆動される。
【0024】
センサヘッド12は、ステージ13よりも高速で移動する。そして、センサヘッド12をX方向に移動しながら、ステージ13をY方向に送り出していく。これによって、試料全面に対して測定を行うことができる。すなわち、測定位置をラスタ走査や、ジグザグ走査することによって、試料11の全体に対して測定を行うことができる。具体的には、X駆動機構17は、試料11の一端から他端まで、センサヘッド12を+X方向に移動させる。これにより、試料11の1ライン分の測定が行なわれる。そして、X方向の1ライン分の移動が終了したら、X駆動機構17は、移動方向を反転させる。また、移動方向を反転させている間に、Y駆動機構16が所定の間隔だけY方向にステージを送り出す。そして、2ライン目の測定を行なう。よって、2ライン目の測定では、逆方向(−X方向)にセンサヘッド12が移動する。なお、センサヘッド12が反転している間以外、センサヘッド12は略同じ速さで移動する。すなわち、1ライン分の測定を行っている間は、センサヘッド12が等速で移動する。
【0025】
処理装置15には、センサヘッド12からの検出信号が入力される。処理装置15は、センサヘッド12からの検出信号を記憶する。また、Y駆動機構16はステージ13のY方向の位置を示す位置信号を処理装置15に出力する。また、X駆動機構17はセンサヘッド12のX方向の位置を示す位置信号を処理装置15に出力する。これにより、試料11においてセンサヘッド12が検出を行なっている検出位置の座標を特定することができる。処理装置15は、センサヘッド12からの検出信号に検出位置の座標を対応付けて記憶する。これにより、試料11の各座標での検出信号が記憶される。
【0026】
処理装置15は、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置であり、検出信号に対して所定の演算処理を行なう。すなわち、処理装置15は、CPUやメモリ等の記憶領域を備えるコンピュータである。例えば、処理装置15は、演算処理部であるCPU(Central Processing Unit)、記憶領域であるROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、通信用のインターフェースなどを有し、表明形状を測定するために必要な処理を実行する。例えば、ROMには、演算処理するための演算処理プログラムや、各種の設定データ等が記憶されている。そして、CPUは、このROMに記憶されている演算処理プログラムを読み出し、RAMに展開する。そして、設定データや、センサヘッド等からの出力に応じてプログラムを実行する。さらに、処理装置15は、演算処理結果を表示させるためのモニター等を有している。処理装置15による処理については、後述する。
【0027】
次に、センサヘッド12の構成について図2を用いて説明する。図2は、センサヘッド12の光学系の構成を示す図である。センサヘッド12には、光源21、レンズ22、スリット23、レンズ24、及び光センサ25が設けられている。なお、図2では、図1に示す構成と上下を反転して図示している。図2では、試料11の表面を試料表面11a、11bとして示している。なお、試料表面11aと試料表面11bとは、センサヘッド12からの距離が変化している。すなわち、試料表面11bは、試料表面11aよりもセンサヘッド12からの距離が離れている。
【0028】
光源21は、レーザ光源等あり、試料11に対してレーザ光を照射する。従って、光源21からの光は、試料11の表面11aに入射する。試料11の表面11aが、光源21からの光は所定のスポットで照明される。また、光源21からのレーザ光は、試料11に対して斜めに入射する。すなわち、レーザ光は、試料11の表面11aに垂直な方向から傾いた方向に伝播し、所定の入射角度で試料11に入射する。光源21から試料11に入射した光の一部は、試料表面11aで反射される。光源21から試料11に入射した光のうち、試料表面11aで反射した反射光は、レンズ22に入射する。レンズ22は反射光を屈折して、集光する。これにより、反射光は、平行光束となる。
【0029】
レンズ22で屈折された反射光は、スリット23に入射する。スリット23は、レンズ22の瞳位置に配置されている。スリット23は、所定の幅が開口しており、その外側に入射した反射光を遮光する。すなわち、スリット23に設けられたライン状の開口部内に入射した反射光がスリット23を通過し、開口部外に入射した反射光は、遮光される。これにより、光学系内の迷光を遮光することができる。よって、パターン付き試料11からの回折光による誤差を低減することができ、正確な検出が可能になる。スリット23の中央は、反射光の中央になるように配置されている。スリット23を通過した反射光は、レンズ24に入射する。レンズ24は、反射光を屈折して、光センサ25の受光面に集光する。
【0030】
光センサ25は、例えば、ラインセンサである。具体的には、光センサ25として1次元CCDを用いることができる。よって、光センサ25の受光面には、受光画素が1列に配置されている。光センサ25は、各受光画素が受光した反射光に応じた検出信号を処理装置15に出力する。すなわち、光センサ上での受光強度のプロファイルが検出信号として出力される。ここで、センサヘッド12と試料11の表面との距離が変化すると、光センサ25での受光位置が変化する。光センサ25の受光画素は、試料表面とセンサヘッド12との距離によって受光位置がずれる方向に、配列されている。例えば、試料表面11aからの反射光は、光センサ25の受光面の略中央の画素に入射するが、試料表面11bからの反射光は、光センサ25の受光面の中央からずれた画素に入射する。ここでは、試料11bからの反射光は、中央の画素から左側にずれた画素に入射している。このように、光源11からの光を試料11に対して斜めに照射しているため、試料11の表面の高さに応じて、試料11の表面上における光の入射位置が変わる。従って、試料11の表面上において、光が反射される位置が変化する。光センサ25と試料11との距離が変わると、光センサ25上での受光位置が変化する。よって、光センサ25の受光面上での反射光の入射位置に基づいて、光センサ25と試料11の表面との距離を求めることができる。
【0031】
また、スリット23は、試料表面とセンサヘッド12との距離に応じて、光センサ25上での反射光の入射位置が変化する方向に反射光の通過を制限している。具体的には、光学系内の中心から両側にずれた光が遮断されるため、反射光が光学系の中心を通過する。従って、光センサ25で検出されたプロファイルの対称性を維持することができる。よって、光センサ25上での入射位置を正確に抽出することができる。
【0032】
そして、X駆動機構17、及びY駆動機構16によって、センサヘッド12と試料11との相対位置を変化させる。これにより、試料11に対するセンサヘッド12の位置が水平方向に変化し、試料11上における測定位置が変化する。そして、相対位置を変化させながら、試料11の表面からセンサヘッド12までの距離を測定する。複数の相対位置における試料11の表面からセンサヘッド12までの距離をつなぎ合わせる。こうすることによって、試料11の表面形状を測定することができる。すなわち、光センサ25の中央の受光画素を基準とする入射位置のずれ量が、試料11とセンサヘッド12との距離に対応する。この入射位置のずれ量に応じて、試料11と光センサ25との距離が測定される。そして、試料11の全体に対して、光センサ25から試料11の表面までの距離を測定することで、試料11の凹凸、反り、撓み、うねり等を求めることができる。ここで、センサヘッド12からの検出信号によって、表面形状を測定する処理は、処理装置15において実行させる。
【0033】
次に、処理装置15の構成について図3〜図6を用いて説明する。図3は、処理装置15の構成を示すブロック図である。図4、及び図5は、試料11上の任意の座標における光センサ25の検出結果を示すプロファイルである。図4、及び図5では、横軸が光センサ25上での位置を示し、縦軸が受光量を示している。なお、図4は、パターン膜11cがない箇所でのプロファイルを示し、図5は、パターン膜11cの境界でのプロファイルを示している。図6は、処理装置15で処理を説明するための示す図である。処理装置15では、正確に表面形状を測定するため、第1の表面形状測定処理と、第2の表面形状測定処理とを実行している。まず、第1の表面形状測定処理について、以下に説明する。
【0034】
図3に示すように、処理装置15は、位置抽出部31、変換部、フィルタ部33、逆変換部34、形状測定部35、反り量算出部36、センサヘッド制御部41、記憶部42、ステージ制御部43を有している。センサヘッド制御部41は、駆動信号を出力して、X駆動機構17によるセンサヘッド12の駆動を制御する。ステージ制御部43は、駆動信号を出力して、Y駆動機構16によるステージ13の駆動を制御する。これにより、試料11の任意の座標での検出を行なうことができる。記憶部42は、センサヘッド12からの検出信号を試料11上での座標に対応付けて記憶する。
【0035】
位置抽出部31は、センサヘッド12からの検出信号に基づいて、検出信号のプロファイルのピーク位置を抽出する。すなわち、位置抽出部31は、プロファイルのピーク位置を反射光の入射位置として抽出する。例えば、位置抽出部31は、受光強度が高い受光画素近傍のデータに対して、二次曲線でのカーブフィッティングを行なう。これにより、光センサ25の受光面上におけるプロファイルのピーク位置を正確に抽出することができる。このように、位置抽出部31が光センサ25上での受光強度プロファイルのピーク位置を入射位置として抽出する。もちろん、ピーク位置の抽出方法は、これに限るものではない。
【0036】
例えば、パターン膜11cがない箇所でのプロファイルは、図4に示すようになる。パターン膜11cがない箇所では、光センサ25でのプロファイルのピーク位置がL0となる。しかしながら、パターン膜11cの境界では、パターン膜11cの有無によって、試料表面の反射率が異なる。例えば、パターン膜11cが存在する箇所は、反射率が高くなり、パターン膜11cが存在する箇所は、反射率が低くなる。よって、パターン膜11cの境界では、図4に示すプロファイルがくずれてしまう。例えば、図5に示すように、プロファイルがブロードになるとともに、反射率が高い方の受光画素に、ピーク位置がシフトする。従って、光源11からのレーザ光のスポットが、パターン膜11cの端部をまたいでいると、ピーク位置がずれてしまう。この場合、検出されたピーク位置に対して、実際のレーザ光のスポット中心での試料表面の高さからの誤差が生じてしまう。すなわち、パターン膜11cがない箇所の高さが同じであっても、パターン膜11cの境界では、ピーク位置が大きくシフトとする。なお、レーザ光のスポット全体がパターン膜11c上に入射する場合、例えば、図4と同様のプロファイルとなり、そのピーク高さが変化する。
【0037】
従って、パターン膜11cの境界では、ピーク位置が急激に変化することになる。例えば、図6(a)に示すように、試料11上にパターン膜11cが一定のピッチで形成されているとする。なお、図6(a)は、試料11の表面の構成を示す平面図である。この場合、図6(a)の矢印方向にセンサヘッド12を移動していくと、一定の時間毎にパターン膜11cの境界にレーザ光が入射する。すなわち、一定の周期でパターン膜11cの境界が、測定位置となる。
【0038】
従って、センサヘッド12を移動したときのピーク位置の変化は図6(b)に示すようになる。図6(b)では、測定座標に対するピーク位置のデータを示している。すなわち、図6(b)は、横軸が試料11上での測定位置を示し、縦軸が位置抽出部31によって抽出されたピーク位置を示している。このピーク位置の変化を示すデータを位置データとする。従って、位置データには、複数の測定位置において抽出された反射光の入射位置(ピーク位置)から構成されている。そして、位置データでは、入射位置に試料11に対するセンサヘッド12の相対位置(測定位置)が対応付けられている。なお、図6では、横軸を、試料上の測定位置をX座標で示している。また、センサヘッド12が一定速度でX方向に移動しているとすると、横軸を時間軸として捉えることも可能である。よって、図6(b)に示す位置データは、空間領域、又は時間領域のデータである。
【0039】
図6(b)に示すように、パターン膜11cのエッジ部分では、ピーク位置が急激に変化する。これは、上述の通り、パターン膜11cの有無によって、反射率が変化することに起因している。従って、図6(b)に示す位置データに基づいて、表面形状を測定すると、パターン膜11cの境界での測定誤差が大きくなってしまう。すなわち、パターン膜11cの境界では、ピーク位置が大きく突出している。そこで、本実施の形態では、変換部32が、図6(b)に示す空間領域の位置データを周波数領域のデータに変換する。
【0040】
ここで、変換部32によって変換された周波数領域のデータを図6(c)に示す。図6(c)において、横軸が周波数を示し、縦軸が信号強度を示している。変換部32は、例えば、離散的なフーリエ変換(DFT)を実行する。具体的には、高速フーリエ変換(FFT)を実行して、図6(b)に示す空間領域のデータを周波数領域のデータに変換する。フーリエ変換は、数式1によって実施される。
【0041】
【数1】

【0042】
なお、図6(b)の横軸を時間軸として捉えると、変換部32は、時間領域の位置データを周波数領域のデータに変換する。このように、変換部32は、フーリエ変換を用いて反射光の入射位置に応じた位置データを周波数領域のデータに変換する。ここで、周波数領域のデータには、fdにおいてピークが表れる。このfdは、パターン膜11cの境界が表れる時間間隔(空間距離)に対応している。すなわち、パターン膜11cの境界が測定位置となる周波数が、fdとなる。もちろん、パターン膜11cの配置によっては、2箇所以上にピークが表れることもある。
【0043】
フィルタ部33は、一定周波数(f)以上の成分をフィルタリングする。これにより、周波数領域のデータは、図6(d)に示すようになる。ここでfはfdよりも低い周波数になっている。よって、フィルタ部33は、fdを含む高周波数成分をフィルタリングする。例えば、フィルタ部33は、f以上の成分をカットする。よって、fよりも大きい周波数では信号強度が0となる。これにより、fdを含む高周波数帯の成分が除去され、パターン膜11cの境界による影響を除去することができる。このように、フィルタ部33は低域周波数の信号を通過させるローパスフィルタとして機能する。従って、fよりも低い周波数では、信号強度が変化しない。
【0044】
そして、逆変換部34は、フィルタリングされた周波数領域のデータに対して逆変換を行なう。これにより、周波数領域のデータが空間領域(時間領域)のデータに逆変換される。具体的には、逆フーリエ変換を行い、空間領域のデータを算出する。空間領域に逆変換されたデータは、図6(e)に示すようになる。このようにして、パターン膜11cによる影響が低減される。従って、図6(e)に示すように、パターン膜11cの境界においても、ピーク位置は滑らかに変化する。すなわち、パターン膜11cの境界において突出しているデータが削除される。よって、パターン膜11cの境界における測定誤差を低減することができる。
【0045】
パターン膜11cによる影響は、試料11であるウエハの反りに対して短い周期である。このため、逆フーリエ変換を行なう際に、通常用いられる数式2の代わりに数式3を用いて、逆フーリエ変換を行なう。
【0046】
【数2】

【数3】

【0047】
なお、数式3においてMはパターンの影響による信号周期以下の値である。これにより、高周波成分がカットされる。fは試料11に設けられているパターンの周期に基づいて設定されている。従って、換言すると、f以下の帯域では、試料11の反りの情報が含まれている。fをカット周波数とすることで、ウエハの反り(撓み)と比べて短い周期のパターンによる影響を低減することができる。このようにすることによって、フィルタ部33による処理と、逆変換部34による処理を一度に行うことができる。よって、容易に、パターンの影響による測定誤差を低減することができる。もちろん、試料11に応じて、カット周波数であるfを可変としてもよい。fは、パターンの幅や、パターン間のギャップに応じて設定してもよい。
【0048】
そして、形状測定部35は、逆変換されたデータにおける入射位置に基づいて、表面形状を測定する。具体的には、形状測定部35は、光センサ25上での反射光の入射位置に基づいて測長する。すなわち、形状測定部35は、逆変換されたデータにおける入射位置に基づいて、試料11とセンサヘッド12との距離を測長する。入射位置のずれ量に基づいて、試料表面の高さが算出される。この試料表面の高さは、試料11の表面のZ方向における変位量に相当する。そして、試料11に対するセンサヘッド12の相対位置、すなわち、測定位置を変えて測定を行なう。形状測定部35は、それぞれの測定位置での、試料11の表面のZ方向における変位量をつなぎ合わせる。これにより、測長結果に基づいて、試料11の表面形状を測定することができる。また、高周波成分をカットすることで、パターン膜11cの境界部分の影響を低減することができる。このため、正確な表面形状の測定が可能になる。なお、形状測定部35は、変換部32で変換する前の位置データに基づいて、測長してもよい。すなわち、変換部32でフーリエ変換する前に、試料表面と光センサ25との距離を算出してもよい。この場合、測定位置を変えたときの試料表面の変位量が位置データとなる。そして、各測定位置での変位量に応じた位置データが周波数領域にフーリエ変換される。
【0049】
次に、上記の演算処理結果について図7、及び図8を用いて説明する。図7は、パターン膜11cの境界部分の影響を低減する前の測定結果を示している。図8は、パターン膜11cの境界部分の影響を低減した後の、測定結果を示している。すなわち、図7は、フーリエ変換前の位置データの波形を示し、図8は、逆フーリエ変換後のデータの波形を示している。換言すると、図7は、数式2によって逆変換した測定結果を示し、図8は数式3によって逆変換した測定結果を示している。図7、及び図8は、横軸が時間を示しており、縦軸が入射位置に基づく試料表面の変位量を示している。なお、横軸の時間をX方向におけるセンサヘッド12の移動速度から試料11上の空間距離に換算すると、25msecが1.56mmとなる。
【0050】
パターン膜11cの影響を除去しないと、図7に示すように、パターン膜11cのエッジ部分での測定結果が突出したノイズとして現れる。一方、パターン膜11cの影響を除去すると、図8に示すように、パターン膜11cのエッジ部分での測定結果がノイズとして現れない。よって、パターンの影響による測定誤差を低減することができる。
【0051】
次に、第2の表面形状測定処理について、図9、図10を用いて説明する。図9は、試料11上の任意の座標における光センサ25の検出結果を示すプロファイルである。図9では、横軸が光センサ25上での位置を示し、縦軸が受光量を示している。図10は、処理装置15で処理を説明するための示す図である。
【0052】
試料11にパターン膜11cが形成されている場合、パターン膜11cによっては、図9に示すようなプロファイルとなることがある。すなわち、パターン膜11cが存在する箇所では、レーザ光の干渉によって、複数のピークが表れることがある。このような場合、通常、高いピークの両側に、低いピークが存在する。すなわち、プロファイルに現れた3つのピークの位置、中央のピークが最も高いピークとなる。このように、パターン11cが存在する箇所では、ピーク位置が複数算出されてしまう。
【0053】
図10(a)に示すようなパターン膜11cが一定間隔で設けられている領域に対して測定を行なうとする。すると、この領域での位置データは図10(b)に示すようになる。すなわち、パターン膜11cが形成されている箇所では、ピーク位置の値が3つ存在する。従ってパターン膜11cが形成されている箇所では、ある任意の測定位置において、中央のピークに対応するピーク位置の値の上下にも、ピーク位置の値が算出される。一方、パターン膜11cがない箇所では1つのピーク位置のみ算出されている。なお、図10(b)は、横軸が試料11上での測定位置を示し、縦軸が位置抽出部31によって抽出されたピーク位置を示している。
【0054】
そのため、本測定処理では、隣の測定位置から連続するピーク位置の値を真の入射位置として抽出する。すなわち、3つのピーク位置に対して、隣の測定位置でのピーク位置と最も近い値のピーク位置を入射位置として抽出する。これにより、1つのピーク位置のみ算出されている測定位置と隣の測定位置では、1つのピーク位置のみ抽出される。よって、パターン膜11cが形成されていない測定位置と隣の測定位置で3つのピーク位置が算出されたとしても、中央のピークに対応するピーク位置のみ抽出することができる。そして、測定位置を順番にずらして、上記の処理を実行すれば、各測定位置で1つのピーク位置のみが抽出される。
【0055】
すなわち、中央のピークに対応するピーク位置以外は、入射位置として認識されなくなる。このため、それぞれの測定位置で入射位置が1つに特定される。従って、パターン膜11cが存在する測定位置でも、正確に1つのピーク位置を抽出することができる。このように、隣の測定位置から連続するピーク位置の値を真のピーク位置として抽出すると、位置データは、図10(c)に示すようになる。なお、図10(c)は、横軸が試料11上での測定位置を示し、縦軸が位置抽出部31によって抽出されたピーク位置を示している。
【0056】
このように、隣の測定位置でのピーク位置と連続するピーク位置を順番に選択していく。パターン膜11cがない箇所からピーク位置を選択すると、パターン膜11cがある箇所でも入射位置が1つに特定される。よって、正確に入射位置を抽出することができる。このため、正確な表面形状測定が可能になる。
【0057】
もちろん、第1の表面形状測定処理と、第2の表面形状測定処理との処理を行ってもよい。この場合、空間領域の位置データに対して、第2の表面形状測定処理を行なった後、第1の表面形状測定処理を行う。これにより、空間領域の波形が連続したものとなった状態で、パターン膜11cの境界部分での影響を低減することができる。よって、より正確な形状測定が可能になり、試料11の反り(たわみ)を正確に評価することができる。
【0058】
さらに、反り量算出部36は、試料11の自重による反り量(撓み量)を算出する。上記の表面形状測定を試料11の両面に対して行なうことによって、自重による反り量を算出することができる。例えば、試料11の表側の面(パターン面)に対して表面形状を測定した後、試料11を反転させて、ステージ13上に載置する。そして、試料11の裏側の面に対して表面形状を測定する。これにより、試料11の両面(表面、及び裏面)の表面形状を測定することができる。そして、測定位置毎に、表面の測長距離と裏面の測長距離との差を取り、2で割る。ここでは、同じ測定位置における測長距離の差を取り、2で割る。このデータが自重による試料11の反り量となる。なお、表面と裏面との形状測定の順番は反対でもよい。
【0059】
反り量算出部36によって算出された反り量に基づいて、自重がかからない状態での表面形状を推測することができる。これにより、例えば、試料11を鉛直方向に配置した状態での、表面形状が推測される。すなわち、試料である半導体ウエハを縦置きにしたときの、表面形状が推測される。一方の面では、測定された表面形状に反り量を足し、他方の面では、測定された表面形状から反り量を引く。そして、測定された表面形状に対して反り量を足したもの、あるいは引いたものが、自重がかからない状態での表面形状として推測される。なお、半導体ウエハの厚さのムラは、数μm程度であり、自重による反り量は、70〜100μm程度である。よって、自重による反り量の変化は、厚さのムラに比べて十分大きい。従って、自重による反り量に基づいて、自重がかからない状態での表面形状を推測することができる。このように、試料11の自重による反り量を測定値、又は推測値から求めることができる。そして、求められた自重による反り量を除いた試料11の変形量を求めることができる。
【0060】
なお、上記の説明では、光センサ25をラインセンサとして説明したが、受光画素がマトリクス状に配列されたエリアセンサや、PSD(Positon Sensitive Detector)センサであってもよい。すなわち、反射光の入射位置を検出することができるものであればよい。また、反射光の入射位置をプロファイルのピーク位置として説明したが、プロファイルの重心位置であってもよい。また、フィルタ部33によって、一定周波数以上の成分がフィルタリングされるとして説明したが、これに限るものではない。例えば、フィルタ部33が所定の周波数帯の成分をフィルタリングしてもよい。すなわち、フィルタ部33が特定の周波数近傍の成分を遮断するようにしてもよい。この場合も、フィルタリングする成分の周波数は、パターンの周期によって決めることが好ましい。この場合、フィルタ部33は、バンドパスフィルタとして機能する。
【0061】
なお、処理装置15は、物理的に単一な装置にかぎるものではない。位置抽出部31、変換部32、フィルタ部33、逆変換部34、形状測定部35、及び反り量算出部36のうちの一部が異なる装置に組み込まれていても良い。例えば、位置抽出部31による入射位置の検出は、光センサ25のコントローラによって実施されてもよい。すなわち、位置抽出部31が光センサ25に設けられていてもよい。この場合、各測定位置でのピーク位置が処理装置15に入力される。そして、処理装置15は、変換部32以降の処理を実行する。また、第2の形状測定処理が光センサ25のコントローラで実施されていてもよい。
【0062】
上記の表面形状測定方法によって、表面形状を正確に求めることができる。特にパターン付き基板に対する表面形状の測定に好適である。よって、半導体のシリコンウエハや、半導体製造工程で用いられるフォトマスクの反り、撓み、うねり等を正確に評価することができる。よって、不良となるウエハやフォトマスクを取り除くことができ、半導体の生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施の形態にかかる表面形状測定装置の構成を示す図である。
【図2】本実施の形態にかかる表面形状測定装置に用いられるセンサヘッドの構成を示す図である。
【図3】本実施の形態にかかる表面形状測定装置の処理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】パターン膜がない箇所での検出結果のプロファイルを示す図である。
【図5】パターン膜が存在する試料での検出結果のプロファイルを示す図である。
【図6】本実施の形態にかかる表面形状測定装置の処理装置での第1の処理を説明するための図である。
【図7】第1の形状測定処理を行なう前の位置データを示す図である。
【図8】第1の形状測定処理を行った後のデータを示す図である。
【図9】パターン膜が存在する試料での別の検出結果のプロファイルを示す図である。
【図10】本実施の形態にかかる表面形状測定装置の処理装置での第2の処理を説明するための図である。
【符号の説明】
【0064】
11 ウエハ、11a 試料面、11b 試料面、11c パターン膜、
12 センサヘッド、13 ステージ、15 処理装置、
16 Y駆動機構、17 X駆動機構、
21 光源、22 レンズ、23 スリット、24 レンズ、25 光センサ、
31 位置抽出部、32 変換部、33 フィルタ部、34 逆変換部、
35 形状測定部、36 反り量算出部、
41 センサヘッド制御部、42 記憶部、43 ステージ制御部、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料の表面形状を測定する表面形状測定装置であって、
前記試料に光を照射する光源と、前記光源からの光のうち前記試料で反射した反射光を受光する光センサとが設けられたセンサヘッドと、
前記センサヘッドと前記試料との相対位置を変化させる駆動機構と、
前記光センサ上での前記反射光の入射位置を抽出する位置抽出部と、
前記反射光の入射位置に前記相対位置が対応付けられた位置データを周波数領域のデータに変換する変換部と、
前記周波数領域のデータに対して、一定周波数以上の成分、又は所定の周波数帯の成分を遮断するようフィルタリングするフィルタ部と、
前記フィルタリングされた周波数領域のデータを、空間領域のデータに逆変換する逆変換部と、を備える表面形状測定装置。
【請求項2】
前記フィルタ部でフィルタリングされる成分の周波数が前記試料に設けられているパターンの周期に基づいて設定されている請求項1に記載の表面形状測定装置。
【請求項3】
前記位置抽出部が前記光センサ上での前記受光強度のピーク位置を前記入射位置として抽出し、
任意の前記相対位置での検出結果に対して、ピーク位置が複数存在する場合に、隣の相対位置でのピーク位置に最も近いピーク位置を入射位置として抽出する請求項1、又は2に記載の表面形状測定装置。
【請求項4】
前記試料表面と前記センサヘッドとの距離に応じて、前記光センサ上での前記反射光の入射位置が変化する方向に前記反射光の通過を制限するスリットが前記センサヘッドに設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表面形状測定装置。
【請求項5】
前記試料の端部において前記試料を支持するステージをさらに備え、
前記試料の裏面、及び表面に対して、算出された表面形状に基づいて、前記試料の自重による反り量を含んだ試料の変形量を求めることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の表面形状測定装置。
【請求項6】
前記試料の自重による反り量を求め、自重による反り量を除いた前記試料の変形量を求める請求項5に記載の表面形状測定装置。
【請求項7】
試料に光を照射する光源と、前記光源からの光のうち前記試料で反射した反射光を受光する光センサとが設けられたセンサヘッドと、
前記センサヘッドと前記試料との相対位置を変化させる駆動機構と、を備えた表面形状測定装置による表面形状測定方法であって、
前記センサヘッドと前記試料との相対位置を変化させるステップと、
前記光センサ上での前記反射光の入射位置を抽出するステップと、
前記反射光の入射位置に前記相対位置が対応付けられた位置データを周波数領域のデータに変換するステップと、
前記周波数領域のデータに対して、一定周波数以上の成分、又は所定の周波数帯の成分を遮断するようフィルタリングするステップと、
前記フィルタリングされた周波数領域のデータを、空間領域のデータに逆変換するステップと、を備える表面形状測定方法。
【請求項8】
前記フィルタリングされる成分の周波数が前記試料に設けられているパターンの周期に基づいて設定されている請求項7に記載の表面形状測定方法。
【請求項9】
前記位置抽出部が前記光センサ上での前記受光強度のピーク位置を前記入射位置として抽出し、
任意の前記相対位置での検出結果に対して、ピーク位置が複数存在する場合に、隣の相対位置でのピーク位置に最も近いピーク位置を入射位置として抽出する請求項7、又は8に記載の表面形状測定方法。
【請求項10】
前記試料表面と前記センサヘッドとの距離に応じて、前記光センサ上での前記反射光の入射位置が変化する方向に前記反射光の通過を制限するスリットが前記センサヘッドに設けられていることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の表面形状測定方法。
【請求項11】
前記試料の端部において前記試料を支持するステージに前記試料が載置され、
前記試料の裏面、及び表面に対して、算出された表面形状に基づいて、前記試料の自重による反り量を求めることを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の表面形状測定方法。
【請求項12】
前記試料の自重による反り量を求め、自重による反り量を除いた前記試料の変形量を求める請求項11に記載の表面形状測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−241506(P2008−241506A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−83531(P2007−83531)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000115902)レーザーテック株式会社 (184)
【Fターム(参考)】