説明

複合材料ドライブシャフト製作用モールド及びこれを利用して製作した複合材料ドライブシャフト

【構成】
本発明は動力伝達部である両端部を除いた軸の大部分が一般的な軸と同じ円形パイプ形態を有する複合材料ドライブシャフトを製作することができるモールドを構成し、シャフトの両端部に形状変化が発生することによって、ドライブシャフトを成形した後モールドの脱型が容易になるように構成する。また、本発明は上記のようなモールドを利用して製作され、その両端部に接続継手(金属材ヨーク)を結合する場合、互いに噛み合って回転する形態を有するように複合材料ドライブシャフトを構成する。したがって、本発明のシャフトは機械的締結や接着剤による荷重伝達ではなく、シャフト自体に直接動力を伝達する方式であるので高いトルクを伝達することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複合材料ドライブシャフト製作用モールドに関し、さらに詳しくは、動力伝達部である両端部を除いた軸の大部分が一般的な軸と同じ円型パイプ形態を有する複合材料ドライブシャフトを製作することができるように構成し、シャフトの両端部で形状変化が発生することによって、シャフトを成形した後に容易に脱型が可能な複合材料ドライブシャフト製作用モールドに関する。また、本発明は、上記のようなモールドを利用して製作され、その両端部に接続継手(金属材ヨーク)を結合する場合、互いに噛合して回転する形態を有する複合材料ドライブシャフトに関する。
【背景技術】
【0002】
ドライブシャフトは、エンジンまたは変速器からの回転力を駆動軸に伝達するもので、自動車、船舶、航空機などのような輸送機械類を含めて一般機械類に広範に使われる。
【0003】
従来のドライブシャフトは、金属材で形成されており、チューブ部分と自在継手部分を別々に製作して押圧した後熔接して製作しており、スチールやアルミニウムで製作される。ところが、金属材ドライブシャフトは重量が重いという短所があり、横方向固有振動数が低く、2m以上に製作するとエンジンの最大回転数内で共振を引き起こして破壊されるため、約1m程度に短く製作して、2つを連結して使用している。したがって、2つのシャフトを連結するための自在継手がさらに必要になり、これによって重量と騷音がさらに増加する問題点がある。
【0004】
このような金属材ドライブシャフトが有する問題点を解決するために纎維強化複合材料が用いられ始めたが、纎維強化複合材料シャフトは、従来の金属より比剛性及び比強度が優れており、固有振動数が高く、震動減衰能力が大きいため、2m以上の長さに製作が可能である。また、纎維強化複合材料を利用してドライブシャフトを製作する場合には、従来の自在継手部分を省略することができて、さらに軽量化することができ、騷音を減少させることができるという利点があるため、既に先進国ではこのような纎維強化複合材料ドライブシャフトを開発して競走用自動車や航空機などの特殊な目的に使用しているのが実情である。
【0005】
従来の複合材料ドライブシャフトは、次のような方法によって製作される。まず、離型剤が塗布された円形断面を有するマンドレルの表面に纎維強化複合材料を積層した後、ポリプロピレンまたはポリエチレン材質を有する高分子圧着フィルムを取り巻く。その後、高温用ナイロンフィルムで製作した真空バッグ(vacuum bag)で複合材料及びマンドレルを囲み、真空ポンプを利用して内部を真空状態に維持させながら、外部から高温・高圧を加えて複合材料を硬化させる。このようにして複合材料が硬化されると、硬化された纎維強化複合材料の内側に位置するマンドレルを取り除くことによって、複合材料ドライブシャフトを製作する。
【0006】
また、従来の複合材料ドライブシャフトを製作する他の方法としては、大韓民国特許第241232号に公知されたように、離型剤が塗布されたマンドレルの表面に纎維強化複合材料を積層する段階と、マンドレルの表面に積層された纎維強化複合材料の周囲に熱を加えると収縮される架橋ポリオレフイン、ポリエチレン、ポリプロピレンの中の何れか一つの材質で形成された熱収縮チューブを挿入する段階と、オーブンで熱収縮チューブを加熱して、樹脂が纎維強化複合材料の間に充填されて、纎維強化複合材料を硬化させる段階と、硬化された纎維強化複合材料とマンドレルを分離する段階とによって、複合材料ドライブシャフトが製作される。
【0007】
しかし、従来の方法によって製作された複合材料ドライブシャフトは、一端から終端まで、断面形状が同じチューブ形態を有する。そこで、複合材料ドライブシャフトの両終端に接続継手(金属材ヨーク)を結合する様々な結合方法が研究開発された。このような結合方法としては、機械的結合方法(Mechanically Fastened Joint)と、接着剤による結合方法(Adhesively Bonded Joint)とに大きく分類することができる。
【0008】
機械的結合方法は、複合材料に孔を開けた後、ピンまたはボルトで結合したり、リベット打ちするのが一般的であり、この場合、複合材料の纎維破損による損傷をもたらし、また複合材料が異方性材料であるため、接合部の応力集中係数が普通の等方性材料より大きくなり、繰り返し荷重による応力集中部の疲れ現象と結合部の非対称性による騒音、震動を発生させるという短所があった。
【0009】
また、接着剤による結合方法は、機械的結合方法より、広い領域に荷重を分布させ、構造物に孔を開ける必要がないので、複合材料の纎維が切れないため、機械的結合方法に比べて、接合部の疲れ抵抗が高く、騷音減少及び震動発生時の減衰效果を与えるという長所があるが、被接合物の表面処理が必要となり、使用温度、湿度などの外部環境によって制限を受け、また接合時の熟練度によって接着性能が異なり、特に接着剤が比較的脆性が強いため、繰り返し荷重を受けたり、接着剤の接合強度以上の高い荷重及びトルクを受ける構造物には適用することが困難であるという短所があった。
【0010】
そして、これら結合方法の問題点を改善するための様々な技術が開発された。その中で、大韓民国特許第432991号は熱フィッティング方式(a thermal fitting technique)、大韓民国公開特許第2004−0006568号は、熱間圧入方式、大韓民国特許第515800号は機械的圧入方式、大韓民国特許第526020号は、インサートリングを利用した圧入及び熱フィッティング方式によって複合材料ドライブシャフトの両終端に接続継手(金属材ヨーク)を結合するように構成されている。しかし、このような技術は、2つの材料の物性差を利用し、互いに簡単に結合するために加熱及び/または冷却して、機構的に噛み合うように外部力を印加するなどその製作過程が複雑である。
【0011】
したがって、本発明者は、上述したような問題点は、複合材料ドライブシャフトがその一端から終端まで断面形状が同じチューブ形態を有することによるものと判断して、接続継手をシャフトの両終端に容易に結合可能な複合材料ドライブシャフトを製作することができるモールドに着眼して、本発明を完成するのに至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】大韓民国特許第241232号
【特許文献2】大韓民国特許第432991号
【特許文献3】大韓民国公開特許第2004−0006568号
【特許文献4】大韓民国特許第515800号
【特許文献5】大韓民国特許第526020号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明は上記に説明したような従来技術の問題点を解決するために創出されたもので、その目的は、動力伝達部である両端部を除いた軸の大部分が一般的な軸と同じ円形パイプ形態を有する複合材料ドライブシャフトを製作し、シャフトを成形した後に容易に脱型が可能な複合材料ドライブシャフト製作用モールドを提供することにある。
【0014】
また、本発明の他の目的は、上記のようなモールドを利用して製作され、その両端部に接続継手(金属材ヨーク)を結合する場合、互いに噛み合って回転する便利な構造を有することによって、高い動力伝達が可能な複合材料ドライブシャフトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達するための本発明は、動力伝達部である両端部を除いた部分が一般的なシャフトと同じ円形パイプ形態を有する複合材料ドライブシャフト製作用モールドにおいて、中心モールドと、中心モールドの両側に結合されて、円形パイプ形態を有し、中心モールドの両側に対してそれぞれスライド分離が可能な一対の側面モールドとを含む。本発明の中心モールドは、一端部の一部を除いて、円形の曲面形態を有する一対の表面部と、一対の側面モールドが中心モールドのいずれか一側で長さ方向に摺動して分離するように構成された一対の結合部とを備え、側面モールドは、他端部の一部を除いて、円形の曲面形態を有する表面部と、中心モールドの一対の結合部に沿って摺動して分離するように構成された結合部とを備える。
【0016】
また、本発明は、中心モールドの一対の表面部の一端部及び側面モールドの表面部の他端部に、シャフトの動力伝達部を形成するように、どの部位に沿って幅方向に切断しようが、それぞれの表面部での幅方向長さが同一で、シャフトを成形した後に中心モールド及び側面モールドの脱型が可能な凹部がそれぞれ形成されることを特徴とする。
【0017】
本発明の凹部は、円形の曲面と対称形態に形成され、終端から所定の長さ方向まで形成された曲面凹部と、曲面凹部から延長して円形の表面まで曲面形態に傾斜した傾斜面凹部とで構成することができる。
【0018】
本発明の中心モールドの一対の結合部は、一対の側面モールドの結合部がそれぞれ挟まれて結合される面構造を有し、長さ方向に連続的な上向き結合溝と下向き結合溝を有し、側面モールドの結合部は、中心モールドの上下結合溝及び下向き結合溝にそれぞれ挟まれて結合される上向き突出部及び下向き突出部を長さ方向に連続的に有することができる。この場合、中心モールドの凹部と一対の側面モールドの凹部の間に90゜の角度を有することが好ましい。
【0019】
本発明は、上記のように構成されたモールドを利用して製作され、動力伝達部である両端部を除いた部分が一般的なシャフトと同じ円形パイプ形態を有する複合材料ドライブシャフトにおいて、動力伝達部はどの部位に沿って幅方向に切断しようが幅方向に対する同一断面厚さと外周長さを有し、中心モールド及び側面モールドの脱型が可能な外側の凹部及び内側のブロック部で構成されることを特徴とする。
【0020】
本発明の外側の凹部は、円形パイプの曲面と対称形態に形成され、終端から所定の長さ方向まで形成された曲面凹部と、曲面凹部から延長して円形パイプの表面まで曲面形態に傾斜した傾斜面凹部とで構成することができる。この場合、円形パイプの一端の外側凹部と他端の外側凹部の間に90゜の角度を有することが好ましい。
【0021】
本発明で、中心モールド及び側面モールドの結合部は、側面モールドを中心モールドに対して側方向に開けるとき分離する形態を有し、中心モールド及び側面モールドの両端には、互いに連結して中心モールド及び一対の側面モールドを一体に固定化する連結部材を設置することができる。
【0022】
本発明は、動力伝達部である両端部を除いた軸の大部分が一般的な軸と同じ円形パイプ形態を有する複合材料ドライブシャフトを製作することができるモールドを構成し、ドライブシャフトの両端部に形状変化が発生することによって、ドライブシャフトを成形した後モールドの脱型が容易になるように構成したものである。また、本発明は上記のようなモールドを利用して製作し、その両端部に接続継手(金属材ヨーク)を結合する場合、互いに噛み合って回転する形態を有するように、複合材料ドライブシャフトを構成したものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明のモールドは、動力伝達部である両端部を除いた軸の大部分が一般的な軸と同じ円形パイプ形態を有する複合材料ドライブシャフトを製作し、シャフトを成形した後容易に脱型が可能である。
【0024】
また、本発明の複合材料ドライブシャフトは、上記のようなモールドを利用して製作し、その両端部に接続継手(金属材ヨーク)を結合する場合、互いに噛み合って回転する便利な構造を有することによって、高いトルクを伝達することが可能である。すなわち、本発明のシャフトは、機械的締結や接着剤による荷重伝達ではなく、シャフト自体に直接動力を伝達する方式であるので、高いトルクを伝達することが可能である。
【0025】
また、本発明のシャフトは、動力伝達のための端部におけるホール加工を必要としないため、ホールで発生し得る応力集中現象を防止することができる。
【0026】
また、本発明のシャフトは、接着剤による荷重伝達方式ではないので、表面処理が要らないとともに、接着剤を使用しないため、温度、湿度などの環境変化に対する問題が全くない。
【0027】
また、本発明のシャフトは、ホールの破損及び接着面の破損ではなく、シャフト自体が破損するまで永久使用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施例による複合材料ドライブシャフト製作用モールドの構成関係を図示した結合斜視図である。
【図2】図1に図示されたモールドを構成する中心モールドのA部分を拡大した拡大図である。
【図3】図1に図示されたモールドを構成する中心モールドをB部分で示した側面図である。
【図4】図1に図示されたモールドを構成する一対の側面モールドのB部分を拡大した拡大図である。
【図5】図1に図示されたモールドを構成する側面モールドをA部分で示した側面図である。
【図6】図1に図示されたモールドを利用して製作した本発明による複合材料ドライブシャフトの斜視図である。
【図7】図6に図示されたシャフトの一端を拡大した拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明による複合材料ドライブシャフト製作用モールド及びこれを利用して製作した複合材料ドライブシャフトの良好な実施例を添付した図面を参照して詳しく説明する。
【0030】
図1は、本発明の一実施例による複合材料ドライブシャフト製作用モールドの構成関係を図示した結合斜視図であり、図2は、図1に図示されたモールドを構成する中心モールドのA部分を拡大した拡大図であり、図3は、図1に図示されたモールドを構成する中心モールドをB部分で示した側面図であり、図4は、図1に図示されたモールドを構成する一対の側面モールドのB部分を拡大した拡大図であり、図5は、図1に図示されたモールドを構成する側面モールドをA部分で示した側面図である。また、図6は、図1に図示されたモールドを利用して製作した本発明による複合材料ドライブシャフトの斜視図であり、図7は、図6に図示されたシャフトの一端を拡大した拡大図である。
【0031】
図1〜図5に示したように、本実施例による複合材料ドライブシャフト製作用モールド100は、図6に示したように、製作しようとする複合材料ドライブシャフト200の直径及び長さに対応する大きさを有するもので、中心モールド110と、中心モールド110の両側にそれぞれスライド結合または分離する一対の側面モールド120とで構成される。このようなモールド100は両端部を除いた他の部分が円形パイプ形態を有するように構成される。
【0032】
中心モールド110は、図面を基準に、上下側表面部111(一対の表面部)と左右側結合部115(一対の結合部)とで構成される。上下側表面部111は一端部の一部分を除いて円形の曲面形態を有する。また、上下側表面部111は、シャフト200の一端を構成する第1動力伝達部210を形成する凹部112をその一端部の上下部にそれぞれ有するように構成される。このとき、凹部112は、凹部112のどの部位に沿って幅方向に切断しようが上下側表面部111での幅方向長さ(外周長さ)が同じであり、またドライブシャフト200を成形した後にドライブシャフト200の中心モールド110の脱型が可能に形成される。このように、上下側表面部111での幅方向長さがどの部位でも同じく形成されるのは、複合材料ドライブシャフト200を製作するために、モールド100に複合材料を積層する際に、全体的に同一長さに取り巻かれるため、終端でしわが発生することなく、製作を便利にするためである。また、上下側表面部111にそれぞれ形成された凹部112は互いに対向する180゜の角度を置いて位置することが好ましい。
【0033】
例えば、凹部112は、図2に具体的に示しているように、上下側表面部111を構成する円形の曲面と対称形態に形成されて、終端から所定の長さ方向まで形成された曲面凹部112aと、曲面凹部112aから延長して上下側表面部111の円形の表面まで曲面形態で傾斜した傾斜面凹部112bとで構成される。このような形態で凹部112を構成する場合、凹部112のどの部位に沿って幅方向に切断しようが上下側表面部111での幅方向長さが同じである。しかし、上下側表面部111の長さ方向に対しては、切断する凹部112の部位によって若干の差が発生するが、複合材料をモールド100に積層する際に柔軟性を有する複合材料の特徴を利用すれば、若干の差は製作上に全く問題にならない。このような差によって製作された複合材料ドライブシャフトの一端が少し折り曲がれる形態を有しても、そのまま使用したり、一部を切断して使用すれば良いので、特に問題にならない。
【0034】
したがって、本実施例の凹部112を形成するにおいて、凹部112のどの部位に沿って幅方向に切断しようが上下側表面部111での幅方向長さが同一であり、またドライブシャフト200を成形した後にシャフト200での中心モールド110の脱型が可能になるように構成することができれば、台形を含む多様な形態に構成することができる。
【0035】
中心モールド110の左右側結合部115は、一対の側面モールド120が中心モールド110のいずれか一側で長さ方向にスライド移動して結合されたり、分離されたりするように構成される。すなわち、左右側結合部115は、一対の側面モールド120の一側がそれぞれ挟まれて結合される面構造を有するもので、長さ方向に連続的な上向き結合溝116と下向き結合溝117を有するように構成される。したがって左右側結合部115に一対の側面モールド120を結合する場合、一対の側面モールド120は中心モールド110のいずれか一側で長さ方向にスライド移動させて分離しないと分離が不可能である。
【0036】
したがって、本実施例の左右側結合部115を形成する場合において、一対の側面モールド120が中心モールド110のいずれか一側で長さ方向にスライド移動して結合されたり、分離されたりするように構成することができれば、上向き結合溝116、117の代りに、1つの台形型結合溝などを含む多様な形態に構成することができる。
【0037】
本実施例の一対の側面モールド120は、中心モールド110の左右側結合部115にそれぞれスライド結合または分離されるように構成される。すなわち、側面モールド120は、表面部121と結合部125とで構成される。表面部121は一端の一部を除いて円形の曲面形態を有する。また、表面部121はシャフト200の他端を構成する第2動力伝達部220を形成する凹部122をその一端に有するように構成される。このような凹部122は、中心モールド110の凹部112と同じ機能と作用をするように同一形態に構成され、長さ方向に対して中心モールド110の凹部112に対向する位置に形成される。このとき、凹部122は中心モールド110の凹部112に対して90゜の角度を置いて位置することが好ましい。このように中心モールド110及び側面モールド120の凹部112、122の間に90゜の角度をおいて形成する場合には、製作された複合材料ドライブシャフト200の第1、第2動力伝達部210、220での均一な動力伝達が可能である。また、脱型する時には、中心モールド110と側面モールド120をそれぞれが有している凹部112、122の反対方向にスライド移動させて放出すればよい。
【0038】
側面モールド120の結合部125は、中心モールド110の左右側結合部115に沿ってスライド移動して結合されたり、分離されたりするように構成される。すなわち、結合部125は、中心モールド110の左右側結合部115のうちいずれか一側にそれぞれ挟まれて結合される面構造を有するもので、中心モールド110の上向き結合溝116、117にそれぞれ挟まれて結合される上向き突出部126及び下向き突出部127を長さ方向に連続的に有するように構成される。したがって、中心モールド110に一対の側面モールド120を結合する場合、一対の側面モールド120は中心モールド110のいずれか一側で長さ方向にスライド移動させて分離しないと、分離が不可能である。
【0039】
したがって、本実施例の結合部125を形成する場合において、一対の側面モールド120が中心モールド110のいずれか一側で長さ方向にスライド移動して結合されたり、分離されたりするように、中心モールド110の結合溝に挟まれて結合される多様な形態に構成することができる。
【0040】
上記実施例では、一対の側面モールド120が中心モールド110のいずれか一側で長さ方向にスライド移動させて分離しないと分離が不可能になるように構成した。すなわち、上向き結合溝116、117とそこにそれぞれ挟まれる上向き突出部126、127を有するように構成した。しかし、一対の側面モールド120を中心モールド110のいずれか一側で長さ方向にスライド移動させて分離せず、ただ側方向に開けて分離するように構成することもできる。すなわち、中心モールド110及び側面モールド120の結合部115、125が互いに噛み合ってスライド可能な形態を有し、側面モールド120を中心モールド110に対して、ただ側方向で開ける場合、分離される形態を有するように構成し、中心モールド110及び側面モールド120の両端で互いに連結して中心モールド110及び一対の側面モールド120を一体に固定化する連結部材を有するように構成することができる。このようなモールドを利用して複合材料ドライブシャフトを製作する場合には、両端の連結部材の連結を解除した後、一対の側面モールド120及び中心モールド110を長さ方向にそれぞれスライド移動させて分離すれば良い。
【0041】
図6及び図7に示したように、本実施例に係る複合材料ドライブシャフト200は、纎維強化複合材料で構成され、両端部を除いた軸の大部分が一般的な軸と同じ円形パイプ形態に構成される。すなわち、複合材料ドライブシャフト200は、上記で説明した中心モールド110及び側面モールド120の凹部112、122に対応する形態の第1、第2動力伝達部210、220を両端部にそれぞれ有するように構成される。このような第1、第2動力伝達部210、220は、凹部112、122にそれぞれ対応する形態を有し、どの部位でも同じ断面厚さを有する外側の凹部及び内側のブロック部で構成される。この場合、外側の凹部は円形パイプの曲面と対称形態に形成され、終端から所定の長さ方向まで形成された曲面凹部と、曲面凹部から延長して円形パイプの表面まで曲面形態に傾斜した傾斜面凹部とで構成される。また、円形パイプの一端の外側凹部と他端の外側凹部の間に90゜の角度を有する。このとき、第1、第2動力伝達部210、220の周囲にカーボンテープを円周方向に数回取り巻いて終端を補強するように構成することもできる。
【0042】
以上、本発明の複合材料ドライブシャフト製作用モールド及びこれを利用して製作した複合材料ドライブシャフトに対する技術事項を添付図面とともに説明したが、これは本発明の最も良好な実施例を例示的に説明したものであって、本発明を限定するものではない。
【0043】
また、この技術分野において、通常の知識を有する者であれば容易に本発明の技術思想の範疇を逸脱することなく、添付した特許請求の範囲内で各種の修正、追加及び置換が可能であることは明白である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明はエンジンまたは変速器からの回転力を駆動軸に伝達するドライブシャフトを複合材料で製作して、自動車、船舶、航空機などのような輸送機械類を含めて一般機械類に広範に使用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力伝達部である両端部を除いた部分が一般的なシャフトと同じ円形パイプ形態を有する複合材料ドライブシャフト製作用モールドにおいて、
中心モールドと、上記中心モールドの両側に結合されて円形パイプ形態を有し、上記中心モールドの両側に対してそれぞれスライド分離が可能な一対の側面モールドとを含み、
上記中心モールドは、一端部の一部を除いて円形の曲面形態を有する一対の表面部と、上記一対の側面モールドが上記中心モールドのいずれか一側で長さ方向にスライド移動して分離されるように構成された一対の結合部とを備え、
上記側面モールドは、他端部の一部を除いて円形の曲面形態を有する表面部と、上記中心モールドの一対の結合部に沿ってスライド移動して分離されるように構成された結合部とを備え、
上記中心モールドの一対の表面部の一端部及び上記側面モールドの表面部の他端部には、上記シャフトの動力伝達部を形成するように、どの部位に沿って幅方向で切断してもそれぞれの表面部での幅方向長さが同一であり、上記シャフトを成形した後に上記中心モールド及び上記側面モールドの脱型が可能な凹部がそれぞれ形成されることを特徴とする複合材料ドライブシャフト製作用モールド。
【請求項2】
上記凹部は上記円形の曲面と対称形態に形成され、終端から所定の長さ方向まで形成された曲面凹部と、上記曲面凹部から延長して、上記円形の表面まで曲面形態に傾斜した傾斜面凹部とで構成されることを特徴とする請求項1記載の複合材料ドライブシャフト製作用モールド。
【請求項3】
上記中心モールドの一対の結合部は、上記一対の側面モールドの結合部がそれぞれ挟まれて結合される面構造を有し、長さ方向に連続的な上向き結合溝と下向き結合溝を有し、
上記側面モールドの結合部は上記中心モールドの上下結合溝及び下向き結合溝にそれぞれ挟まれて結合される上向き突出部及び下向き突出部を長さ方向に連続的に有することを特徴とする請求項1または2記載の複合材料ドライブシャフト製作用モールド。
【請求項4】
上記中心モールドの凹部と上記一対の側面モールドの凹部の間に90゜の角度を有することを特徴とする請求項3記載の複合材料ドライブシャフト製作用モールド。
【請求項5】
上記中心モールド及び上記側面モールドの結合部は、上記側面モールドを上記中心モールドに対して側方向に開ける場合に分離する形態を有し、
上記中心モールド及び上記側面モールドの両端には、互いに連結して上記中心モールド及び上記一対の側面モールドを一体に固定化する連結部材が設置されることを特徴とする請求項1または2記載の複合材料ドライブシャフト製作用モールド。
【請求項6】
請求項1に記載されたモールドを利用して製作され、動力伝達部である両端部を除いた部分が一般的なシャフトと同じ円形パイプ形態を有する複合材料ドライブシャフトにおいて、
上記動力伝達部はどの部位に沿って幅方向に切断しようが幅方向に対する同一断面厚さと外周長さを有し、上記中心モールド及び上記側面モールドの脱型が可能な外側の凹部及び内側のブロック部で構成されることを特徴とする複合材料ドライブシャフト。
【請求項7】
上記外側の凹部は、上記円形パイプの曲面と対称形態に形成されて、終端から所定の長さ方向まで形成された曲面凹部と、上記曲面凹部から延長して上記円形パイプの表面まで曲面形態に傾斜した傾斜面凹部とで構成されることを特徴とする請求項6記載の複合材料ドライブシャフト。
【請求項8】
上記円形パイプの一端の外側凹部と他端の外側凹部の間に90゜の角度を有することを特徴とする請求項6または7記載の複合材料ドライブシャフト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−535110(P2010−535110A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502928(P2010−502928)
【出願日】平成20年4月7日(2008.4.7)
【国際出願番号】PCT/KR2008/001953
【国際公開番号】WO2008/123725
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(509270720)
【氏名又は名称原語表記】RYU,Choong O
【住所又は居所原語表記】#1501,Dadong Hanil Kal Apts,Nae−dong,Gimhae−si,Gyeongsangnam−do,621−763 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】