説明

複合機

【課題】複数の機能の動作が同時に実行される状況下においても、メモリの使用状況を正確に把握でき、新たな機能を実行する前にメモリ不足が発生するか否かを知ることができる複合機を提供する。
【解決手段】空きメモリサイズ、使用可能メモリサイズ、予想使用メモリサイズ、および不足メモリサイズが算出されると、使用可能メモリサイズと新生成データによる予想使用メモリサイズとが比較され、新生成データによってメモリフル状態になるか否かが判定される。メモリフル状態になると判定されると、新生成データの使用可能メモリへの記憶処理が制限される。そして、現在動作中のいずれの機能によって使用されているRAMの共有エリアの一部を開放可能か判断する処理が行われる。その後、RAMに記憶された各メモリサイズと、算出された各メモリサイズと、開放可能なメモリを開放するか否かの選択をユーザに促す旨が、LCDに表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレーザプリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザプリンタなどの画像形成装置において、プリント処理の停止や遅延の内部原因が正確に把握でき、かつ迅速に適切な処置を行うために、データ登録あるいはプリント中にメモリ不足が発生した場合に、メモリ不足と不足容量とを含む情報をホストコンピュータの表示部に表示する技術が特許文献1に記載されている。
【0003】
上記特許文献1には、データ登録時のメモリ不足処理として、フォームの登録中にメモリフル状態が発生すると、以降のフォームを登録せず、登録できなかったフォームサイズを表示して、登録できたフォームを描画するか削除するかをユーザに判断させるようにした画像形成装置が開示されている。また、データ印字時のメモリ不足処理として、送られてきたデータを基にした1ページ分のオブジェクトを生成する時に、メモリ不足による解像度低下が発生した時点で解像度低下発生回数をカウントし、残りのオブジェクトを所定解像度で印字するのに必要であったメモリ量を平均不足メモリ量と最大不足メモリ量として格納しつつ印字を続行し、解像度低下発生回数がある閾値を越えた場合は、メモリ不足の情報と、メモリに格納した平均不足メモリ量及び最大不足メモリ量を表示して、ユーザにメモリの増設を促すことが行われている。
【0004】
【特許文献1】特開平9−034752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1において、動作を実行する前にメモリフル状態になるか予想ができず、メモリフル状態となってしまってから、登録できたフォームを削除したり、高い解像度を保ったまま印字動作をしたいのに自動的に解像度を低下されて印字されたりしていたので、ユーザによっては納得のいかない処理となってしまう問題があった。
【0006】
また、上記特許文献1では、フォームの登録中やデータ印字中など、1つの動作を行っているときにメモリ不足が発生したか否かを判定しているに留まっている。したがって、プリンタ機能、ファクシミリ機能、スキャナ機能など複数の機能を備え、各機能の動作時に使用されるデータが1つのメモリで管理されているような複合機において、複数の機能の動作が同時に行われているときは、メモリの正確な使用状況を把握しきれない問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みなされたものであって、複数の機能の動作が同時に実行される状況下においても、メモリの使用状況を正確に把握でき、新たな機能を実行する前にメモリ不足が発生するか否かの目安を知ることができる複合機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の複合機では、複数の機能を備えた複合機において、機能毎の動作によって生成される各データを1つの記憶領域に記憶する記憶手段と、少なくとも1つの機能の動作中にその機能の動作によって記憶手段が記憶領域に記憶したデータ量と、記憶領域の全体の容量とに基づいて、新たな機能の動作によって生成されるデータを記憶領域に記憶するために記憶領域の容量が不足するか否かを判定する不足容量判定手段と、不足容量判定手段によって容量が不足すると判定されると、新たな機能の動作によって生成されるデータを記憶手段が記憶領域に記憶するのを制限する制限手段と、制限手段によって記憶領域への記憶を制限されたデータを記憶領域に記憶するのに不足する不足容量と、記憶領域を使用しているデータの使用状況とを表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の複合機では、表示手段は、データの使用状況を動作中の機能別に表示することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の複合機では、不足容量判定手段によって記憶領域の容量が不足しないと判定されると、新たな機能におけるデータの記憶領域への記憶の制限を解除する解除手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の複合機では、記憶手段よって記憶領域に記憶されたデータ量を記憶領域の全体の容量から減じることによって、記憶領域の空き容量を算出する空き容量算出手段をさらに備え、不足容量判定手段は、空き容量算出手段によって算出された空き容量のうち各機能の動作により生成されるデータを記憶するために使用される使用可能容量が、新たな機能の動作により生成されるデータ量より小さいか否かを比較することにより、記憶領域の容量が不足するか否かを判定することを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の複合機では、空き容量算出手段は、少なくとも1つの機能の動作中に、所定の時間間隔で空き容量を算出することを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の複合機では、使用可能容量を新たな機能の動作により生成されるデータ量から減じることによって、不足容量を算出する不足容量算出手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の複合機では、不足容量算出手段は、少なくとも1つの機能の動作中に、所定の時間間隔で不足容量を算出することを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の複合機では、表示手段によって表示される不足容量と使用状況は、メモリサイズによって表示されることを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の複合機では、表示手段によって表示される不足容量と使用状況は、記憶領域に占める割合によって表示されることを特徴とする。
【0017】
請求項10に記載の複合機では、不足容量を記憶領域に記憶されたデータの機能毎のデータ量と比較して、いずれのデータを記憶している記憶領域が開放可能かを判断する開放メモリ判断手段と、開放メモリ判断手段によって開放可能な記憶領域を判断されると、そのデータに関する機能の動作を続行するか、またはそのデータに関する機能動作に替えて新たな機能の動作を開始するかを選択する動作選択手段と、選択手段によって新たな機能の動作を開始することが選択されると、開放可能な記憶領域を開放する開放手段と、をさらに備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の複合機によれば、新たな機能の動作が実行される前に、その機能によるデータ処理が行えるかの目安を知ることができる。データ処理を行えないと判断されれば、制限手段により新たな機能の動作によるデータが記憶領域に記憶されるのを制限することができる。
【0019】
また、複数の機能動作が同時に行われている状況下においても、不足メモリ量や各機能のデータによる記憶領域の使用状況が表示されるので、正確に記憶領域の使用状況を把握でき、素早く適切な処理を行うことができる。
【0020】
請求項2の複合機によれば、記憶領域がどの機能にどのくらい使用されているか、より具体的に記憶領域の使用状況を把握することができる。
【0021】
請求項3の複合機によれば、記憶領域の容量が不足していて、新たな機能の動作によるデータを記憶領域に記憶するのが制限されても、その後既に動作中の機能によるデータ処理が終了するなどして、容量不足が解消されれば、新たな機能の動作によるデータに対する制限を解除することができる。したがって、容量不足が解消され次第、新たな機能の動作によるデータ処理を開始することができる。
【0022】
請求項4の複合機によれば、記憶領域の空き容量を正確に算出することができるので、新たな機能の動作を行うことによって記憶領域の容量が不足するか否かを、より正確に判定することができる。
【0023】
請求項5の複合機によれば、動作中の機能によって生成されるデータにより、記憶領域の使用状況が時々刻々変化しても、正確に空き容量を算出することができる。
【0024】
請求項6の複合機によれば、新たな機能の動作によるデータを記憶するために不足している容量の目安を、より正確に算出することができる。
【0025】
請求項7の複合機によれば、動作中の機能によって生成されるデータにより、記憶領域の使用状況が時々刻々変化しても、正確に不足容量を算出することができる。ことができる。
【0026】
請求項8の複合機によれば、記憶領域の使用状況を正確に把握することができる。
【0027】
請求項9の複合機によれば、記憶領域の使用状況を視覚的に素早く把握することができる。
【0028】
請求項10の複合機によれば、ユーザが、優先して動作させる機能を選択することができ、使い勝手が良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の実施形態を図1〜図9を参照しつつ説明する。
【0030】
1.全体構成
本実施形態に係る複合機は、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能等を備えた複合機1であり、図1はその外観を示す斜視図である。図2は読取ユニットを開いた状態を示す複合機の斜視図である。図3は複合機1の概略的構成を示す側断面図である。
【0031】
複合機1は、図3に示すように、フィーダ部21及び画像形成部22等を内蔵する画像形成ユニット2と、自動搬送原稿読取ユニット(以下「読取ユニット3」という)とを備えている。読取ユニット3は、上面に矩形状の原稿台4aが設けられた画像読取装置4と、その原稿台4aを覆うように配される自動原稿搬送装置(以下「ADF5」という)とを備えて構成されている。
【0032】
画像読取装置4の一端側(図1で紙面右下方向)には、ユーザによる各種の操作が可能な操作部6が設けられている。
【0033】
操作部6は、モード選択スイッチ96、スタートキー97、各種の操作ボタン98、表示手段としての液晶表示のLCD99、を備えて構成されている。
【0034】
モード選択スイッチ96は、3種類のモード(プリンタ機能、ファクシミリ機能、スキャナ機能のそれぞれの動作を可能とするモード)のうちからいずれかのモードを選択可能となっている。具体的には、コピーモードを選択するためのコピーモードキー96a、FAX(ファックス)モードを選択するためのFAXモードキー96b、スキャナモードを選択するためのスキャナモードキー96cの3つのモードキーが左右に並んで設けられている。
【0035】
スタートキー97は、モードに応じた動作を開始させるためのスイッチであり、コピーモードのときに押される(オンされる)と原稿台4a上に配置(載置)された原稿のコピーを開始する。また、FAXモード、スキャナモードのときに、スタートキー97が押されると、FAX送信原稿読取や、スキャナ原稿読取等の動作が行われる。
【0036】
LCD99は、詳しくは詳述するが、各モードに応じた動作によって生成されたデータによる、後述するRAM91における共有エリア(記憶領域)の使用状況の表示、新たなモードに応じた動作よって生成されるデータを記憶するために共有エリアがメモリフル状態となる場合の、不足メモリ表示、および、所定の操作で行う各種の設定に関する表示などがなされるようになっている。
【0037】
また、この操作部6の下側の位置には排紙トレイ2aに連なって開口した用紙取り出し孔7が形成されている。その用紙取り出し孔7の下側には水平方向に伸びるスリット状に開口した手差給紙口8が形成されており、更にその下側には、給紙カセット9が設けられ、この給紙カセット9は、操作部6等が配された面と同じ面側から着脱可能に取り外せるようになっている。
【0038】
なお、以下の説明では、複合機1について、操作部6が設けられた面側(図1で紙面右下方向)を「前方」、その反対側(図1で紙面左上方向)を「後方」とする。
【0039】
図2に示すように、読取ユニット3は、上記操作部6とは反対側の後端部が画像形成ユニット2の上面後端側において回動可能に軸支されている。
【0040】
2.各部の構成
(1)画像形成ユニット
画像形成ユニット2の各構成について、図3を参照しつつ説明する。図3は、複合機1を給紙ローラ25等の軸方向から見た要部側断面図であり、同図において紙面右側が複合機1の前方であり、紙面左側が複合機1の後方となる。
【0041】
画像形成ユニット2のケーシング20内には、用紙Wを給紙するためのフィーダ部21や、給紙された用紙Wに所定の画像を形成するための画像形成部22などが備えられている。また、画像形成部22の上部には、画像形成部22により画像形成され、排出された用紙Wを保持するために用いられる排紙トレイ2aが配されている。
(a)フィーダ部
フィーダ部21は、給紙カセット9と、給紙カセット9内に設けられた用紙押圧板23と、給紙カセット9の前端側端部の上方に設けられる送出ローラ24、給紙ローラ25および分離パッド26と、給紙ローラ25に対向する対向ローラ27と、紙粉取りローラ28と、紙粉取りローラ28に対し用紙Wの搬送方向の下流側に設けられるレジストローラ29とを備えている。
【0042】
給紙カセット9は、ケーシング20内の底部に着脱可能に装着されており、この中に用紙Wを積層して収納するために用いられる。
【0043】
用紙押圧板23は、給紙ローラ25に対して遠い方の端部(後端部)において揺動可能に支持されることによって、給紙ローラ25に対して近い方の端部(前端部)が上下方向に移動可能に構成されており、図示しないバネにより上方向に付勢されている。
【0044】
送出ローラ24は、用紙押圧板23により給紙カセット9内の最上位に積層された用紙Wに当接するよう設定されており、給紙ローラ25により用紙Wを搬送可能な位置(給紙ローラ25と分離パッド26の間の位置)まで送る。
【0045】
分離パッド26は、給紙ローラ25に対向する位置に配設されている。そして分離パッド26の裏側に配設されるバネ31によって、給紙ローラ25に向かって押圧されている。また、この分離パッド26は、複数の用紙Wが重なった状態で搬送経路(図3で二点鎖線L)内に供給されることを防止するための機能を備えている。
【0046】
そして、用紙Wは、給紙ローラ25によって約180度方向転換されつつ、紙粉取りローラ28によって紙粉が取り除かれた後、レジストローラ29に送られる。
【0047】
また、レジストローラ29は、1対のローラから構成されており、給紙ローラ25の近傍に配置された位置センサ(図示せず)による検知タイミングに基づいて、駆動および停止の動作が制御装置(図示せず)により制御される。そして、この制御により用紙Wの斜行が修正される。
(b)画像形成部
次に、画像形成部22は、スキャナユニット40、プロセスユニット41、定着ユニット42などを備えている。
(スキャナユニット)
図3に示すように、スキャナユニット40は、ケーシング20内の上部に設けられ、レーザ発光部(図示省略)、ポリゴンモータ43により回転駆動されるポリゴンミラー44、レンズ45および46、反射鏡47および48などを備えており、レーザ発光部から発光される所定の画像データに基づくレーザビームを、ポリゴンミラー44、レンズ45、反射鏡47、レンズ46、反射鏡48の順に通過あるいは反射させて、後述するプロセスユニット41における感光体ドラム52の表面上に高速走査にて照射させている。
(プロセスユニット)
複合機1には、画像形成ユニット2の本体部に対して着脱可能なプロセスユニット41が設けられている。プロセスユニット41は、ドラムカートリッジ50と、現像カートリッジ51とから構成されている。
【0048】
プロセスユニット41のうち、ドラムカートリッジ50には、感光体ドラム52、スコロトロン型帯電器53、転写ローラ54を備えている。また、現像カートリッジ51には、現像ローラ55、現像ローラ55上に圧接される層厚規制ブレード56、トナー供給ローラ57およびトナー(現像剤)が充填されるトナーボックス58などを備えている。
【0049】
感光体ドラム52は、現像ローラ55の側方位置において、その現像ローラ55と対向するような状態で時計方向に回転可能に配設されている。
【0050】
スコロトロン型帯電器53は、正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、感光体ドラム52に接触しないように、所定の間隔を隔てて配設されている。
【0051】
そして、感光体ドラム52の表面は、その感光体ドラム52の回転に伴って、まず、スコロトロン型帯電器53により一様に正帯電された後、スキャナユニット40からのレーザビームの高速走査により露光され、所定の画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0052】
次いで、現像ローラ55の回転により、現像ローラ55上に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光体ドラム52に対向して接触する時に、感光体ドラム52の表面上に形成される静電潜像に供給される。
【0053】
転写ローラ54は、感光体ドラム52の下方において、この感光体ドラム52に対向するように配置され、ドラムカートリッジ50に反時計方向に回転可能に支持されている。そして、感光体ドラム52の表面上に担持された可視像は、用紙Wが感光体ドラム52と転写ローラ54との間を通る間に用紙Wに転写される。
(定着ユニット)
定着ユニット42は、プロセスユニット41よりも用紙搬送方向下流側(後方側)に配設され、定着ユニット42は転写された用紙上のトナーを加熱溶融させるための加熱ローラ63と、加熱ローラ63に対向して配置され、給送される用紙を加熱ローラ63に向けて押圧する押圧ローラ64と、サーモスタット65とを備えている。
【0054】
加熱ローラ63は、円筒状部材としての金属素管を備え、その軸方向に沿ってハロゲンランプが内装されている。
【0055】
押圧ローラ64は、金属製のローラ軸と、この押圧ローラ軸の周りを被覆する、ゴム材料からなるゴムローラとを備えている。この押圧ローラのゴムローラにより、加熱ローラ63の金属素管に弾性的に押圧され、加熱ローラ63の回転に従動される。
【0056】
サーモスタット65は、例えばバイメタルからなり、加熱ローラ63から発生される熱に応じて、加熱ローラ63を加熱するためのヒータの電源をON・OFFし、加熱ローラ63が異常な高温に加熱されないようにしている。
【0057】
このような定着ユニット42において、加熱ローラ63は、プロセスユニット41において用紙W上に転写されたトナーを、用紙Wが加熱ローラ63と押圧ローラ64との間を通過する間に加熱および加圧することにより定着させる。
【0058】
さらに、加熱ローラ63は、画像定着後の用紙Wを、ガイド部材67,68により形成される排紙パスを介して、排出ローラ69まで搬送する。そして、排出ローラ69は、送られてきた用紙Wを排紙トレイ2a上に排紙する。
(2)読取ユニット
読取ユニット3は、画像読取装置4とADF5とを備え、画像読取装置4は、画像形成ユニット2の排紙トレイ2aの上方において、その下面4bが当該排紙トレイ2aと対向し、この排紙トレイ2aを覆うように配されている。
【0059】
読取ユニット3は、フラットベッド方式のスキャナとして構成されており、このフラットベッド方式の構成では、ADF5が後方に開くと、原稿台4aが露出するようになっており(図2参照)、その原稿台4a上に本やその他の各種原稿を載置した状態でコピー時等における読取りができるように構成されている。
【0060】
なお、原稿Mの読取りは、原稿台4a上に原稿Mを載置して行う場合と、ADF5を利用する場合とがある。原稿台4a上に原稿Mを載置して行う場合には、原稿Mの搬送方向に沿って延びる軸79に沿って、かつ、原稿台4aに沿ってCIS(コンタクトイメージセンサ)71が移動され、その際に1ラインずつ、原稿台4a上に載置された原稿Mの読取りが行われる。また、一方、ADF5を利用する場合には、CIS71が原稿台4aの左端部側に移動され、その位置で保持されて、ADF5により搬送される原稿Mの読取りが1ラインずつ行われるようになっている。
【0061】
3.電気的構成
複合機1の電気的構成については図4に簡略化して示されている。
【0062】
複合機1は、各種の入力操作を受け付ける操作部6と、画像データの読取を行う読取ユニット3と、用紙Wに画像形成を行うための画像形成部22及びフィーダ部21と、CPU90と、記憶手段としてのRAM91と、ROM92と、パーソナルコンピュータ(PC)95などの外部機器と接続するためのネットワークインターフェイス(ネットワークI/F)93と、電話回線等の通信回線に接続されるファクシミリI/F94と、コンパクトフラッシュ81(登録商標)を接続可能な接続部82と、を備えて構成されている。
【0063】
RAM91は、複数の機能のそれぞれについてデータを記憶可能な共有エリア(記憶領域)を有するメモリであり、スキャンしたデータやFAX受信したデータ等は、CPU90を介してこのRAM91の共有エリアに記憶されるようになっている。なお、詳しくは後述するが、RAM91の共有エリアに記憶可能なデータの容量は限られているため、所定容量以上のデータが生成される場合には、新たに動作を実行しようとしている機能の動作の制限、不要データの削除、RAM91の共有エリア内における一部のデータの開放、解像度の低下等を行うことによりRAM91に記憶させるデータの制限や減少等を、ユーザの選択により行えるようになっている。
【0064】
ROM92は、詳しくは後述するが、プリンタ機能、ファクシミリ機能、スキャナ機能の各機能の動作によって生成されたデータを記憶するのに使用されていない共有エリアの空きメモリサイズ(Free)を算出する空きメモリ算出部(空き容量算出手段)100と、新たに実行される機能の動作によって生成されるデータ(以下、「新生成データ」という)をRAM91に記憶するために、共有エリアの使用可能メモリサイズ(Available)が不足しているか否かを判定する不足メモリ判定部(不足容量判定手段)101と、共有エリアの使用可能メモリサイズ(Available)が不足しているとき、新生成データの共有エリアへの記憶を制限する制限部(制限手段)102と、共有エリアへの記憶を制限された新生成データを共有エリアの使用可能メモリに記憶するために不足している不足メモリサイズ(Lack)を算出する不足メモリ算出部(不足容量算出手段)103と、各機能動作によって生成されたデータに使用されている共有エリアのうちいずれのデータが記憶されている共有エリアを開放すれば、新生成データを共有エリアに記憶するために十分な使用可能メモリを確保できるかを判断する開放メモリ判断部(開放メモリ判断手段)104と、開放可能な共有エリアを開放する開放部(開放手段)105と、新生成データを記憶するのに共有エリアの使用可能メモリサイズ(Available)が不足していないとき、新生成データの共有エリアへの記憶に対する制限を解除する解除部(解除手段)106などの機能をCPU90に実行させるためのプログラムや、操作部6にて設定された印刷形態や印刷ジョブ情報をRAM91に記憶させる機能をCPU90に実行させるためのプログラムなどの各種プログラムが格納されている。
【0065】
CPU90は、スタートキー97が押されたことを検出するごとに(各機能の動作開始指示を受けるごとに)、ROM91に記憶された処理手順に従って、現在のモードにおける機能の処理を開始する(動作させる)。
【0066】
操作部6は、LCD99により、印刷フォーマットの設定項目の表示だけでなく各種項目のメモリ表示が可能となっている。具体的には、図5(b)に示すように、RAM91の現在の合計メモリサイズ(Total)、現在の空きメモリサイズ(Free)、各モードによるRAM91の使用メモリサイズ(FAX,Printer)、新たな機能の動作により生成されるデータによって使用される使用可能メモリサイズ(Available)、新たな機能の動作を実行することによって生成されるデータにおける予想使用メモリサイズ(Expectation)、予想不足メモリサイズ(Lack)などを表示する。
【0067】
また、CPUは、開放メモリ判断部104により、動作中の機能によって使用されているRAM91の共有エリアの一部を開放するためにいずれの機能によるメモリを開放可能か判断する処理を行い、図5(b)に示すように、「Printerメモリを開放すれば使用できます。開放しますか? Yes No」などの開放可能なメモリを開放するか否かの選択をユーザに促す表示がLCD99になされる(本発明の動作選択手段に相当)。
【0068】
なお、開放可能なメモリを開放するか否かの選択をユーザに促す表示を、各種項目のメモリ表示とともに一度にLCD99上に表示することができない場合は、操作ボタン98により表示画面を下にスクロールさせることにより、図5(c)に示す各種項目のメモリ表示画面から図5(d)に示すメモリの開放選択表示画面に切り換えても良い。
【0069】
4.CPUの処理
次に、CPU90の処理について図5〜図7を参照して説明する。図5(a)〜(d)は、各機能の動作によるRAMの共有エリアにおけるメモリの使用状況を表示したLCDを示す図である。図6は、コピー機能、FAX機能、スキャナ機能の設定処理および動作処理を示すフローチャートである。図7は、メモリフル状態時に新たに動作を開始しようとする機能によるジョブをキャンセルするか否かの選択をユーザに促すためのLCD表示を示す図である。
【0070】
図6において、まず、各機能の動作開始を要求するためのスタートキー97が押下されたか否かが判定される(S1)。スタートキー97が押下されていないと判定されると(S1:No)、モード選択スイッチ96やLCD99などにより各機能に応じたモードを選択したり印刷フォーマットの設定を行ったりする要求がなされたか否かが判定される(S2)。モード選択や印刷フォーマットの設定要求がなされたと判定されると(S2:Yes)、不図示のタイマによって所定時間計時されたか否かが判定される(S3)。所定時間計時されたと判定されると(S3:Yes)、RAM91の共有エリアのメモリ使用状況が確認され、合計メモリサイズ(Total)、各機能における使用メモリサイズ(FAX,Printer,Scanner等)、および空きメモリサイズ(Free)がRAM91に記憶される(S4)。S4における処理を実行後、CPU90がROM92に記憶された空きメモリ算出部100プログラムを実行することにより、合計メモリサイズ(Total)から各機能における使用メモリサイズの合計が減じられて空きメモリサイズ(Free)が算出され、この空きメモリサイズ(Free)からシステム(OS)を動作するのに必要なメモリサイズ(System)が減じられ、使用可能メモリサイズ(Available)が算出される(S5)。そして、RAM91に記憶された各メモリサイズと算出された空きメモリサイズ(Free)および使用可能メモリサイズ(Available)が、LCD99に表示される(S6)。LCD99による表示例として、図5(a)にその例を示す。尚、モード選択や印刷フォーマットの設定要求がなされていないと判定された場合(S2:No)、所定時間計時されていない場合は(S3:No)、S1におけるスタートキー97が押下されたか否かが判定される処理に戻る。このように、S1〜S6において、ユーザがモード選択や印刷フォーマットの設定を行うときに、一定時間おきにRAM91の共有エリアの使用状況をLCD99に表示させる処理が行われているので、動作中の機能によって生成されるデータにより、RAM91の共有エリアの使用状況が時々刻々変化したとしても、正確に空きメモリサイズ(Free)や使用可能メモリサイズ(Available)を算出することができるなど、現在の共有エリアのメモリ使用状況を正確に表示することができる。
【0071】
スタートキー97が押下されたと判定されると(S1:Yes)、コピー機能、FAX機能、スキャナ機能のうち少なくとも1つの機能の動作中であるか否かが判定される(S7)。少なくとも1つの機能の動作中であると判定されると(S7:Yes)、RAM91の共有エリアのメモリ使用状況が確認され、合計メモリサイズ(Total)、各機能における使用メモリサイズ(Fax,Printer,Scanner等)がRAM91に記憶される(S8)。S8における処理の実行後、空きメモリサイズ(Free)と、使用可能メモリサイズ(Available)と、予想使用メモリサイズ(Expectation)と、予想不足メモリサイズ(Lack)が算出される(S9)。ここで、予想使用メモリサイズ(Expectation)の算出(設定)方法としては、以下のような方法が挙げられる。
【0072】
プリンタ機能の動作により生成される新生成データの予想使用メモリサイズ(Expectation)は、コピーモードキー96aが選択されて設定されたときやスタートキー97が押下されたときに設定されている用紙サイズ、解像度、により、設定される。
【0073】
FAX機能の動作により生成される新生成データの予想使用メモリサイズ(Expectation)は、FAXモードキー96bが選択されて設定されている用紙サイズにより設定される。ただし、FAX受信の場合、送信先がどの解像度でデータを送信してくるか分からないので、予想使用メモリサイズ(Expectation)を設定するための条件にすることができず、用紙サイズのみで予想使用メモリサイズ(Expectation)を設定すると、実際の新生成データの使用メモリサイズと大きなずれが生じてしまう。そこで、用紙サイズ毎の最大使用メモリサイズを予想使用メモリサイズ(Expectation)として設定する。
【0074】
スキャナ機能の動作により生成される新生成データの予想使用メモリサイズ(Expectation)は、スキャナモードキー96cが選択されて設定されたときやスタートキー97が押下されたときに設定されている用紙サイズ、解像度、カラー印刷かモノクロ印刷か、により、算出される。
【0075】
また、上述した各機能の動作により生成される新生成データの予想使用メモリサイズ(Expectation)の設定方法に加え、現在までに処理された新生成データのカバレッジ(用紙面積に対する画像面積の占める割合)の平均値や実際の使用メモリサイズの平均値をRAM91に記憶しておき、これらの平均値を予想使用メモリサイズ(Expectation)の設定条件に追加すれば、実際の新生成データによる使用メモリサイズにより近い予想使用メモリサイズ(Expectation)を設定することができる。
【0076】
予想不足メモリサイズ(Lack)は、CPU90がROM92に記憶された不足メモリ算出部103プログラムを実行することにより、予想使用メモリサイズ(Expectation)から使用可能メモリサイズ(Available)が減じられて算出される。
【0077】
図6において、空きメモリサイズ(Free)、使用可能メモリサイズ(Available)、予想使用メモリサイズ(Expectation)、および不足メモリサイズ(Lack)が算出されると、CPU90がROM92に記憶された不足メモリ判定部101プログラムを実行することにより、使用可能メモリサイズ(Available)と新生成データによる予想使用メモリサイズ(Expectation)とが比較され、新生成データによってメモリフル状態になるか否かが判定される(S10)。メモリフル状態になると判定されると(S10:Yes)、CPU90が制限部102を実行することによって、新生成データの使用可能メモリ(Available)への記憶処理が制限される(S11)。S11における処理の実行後、CPU90がROM92に記憶された開放メモリ判断部104プログラムを実行することにより、現在動作中のいずれの機能によって使用されているRAM91の共有エリアの一部を開放可能か判断する処理が行われる(S12)。そして、S8における処理にてRAM91に記憶された各メモリサイズと、S9における処理にて算出された各メモリサイズと、S12における処理にて判断された開放可能なメモリを開放するか否かの選択をユーザに促す旨が、LCD99に表示される(S13)。LCD99による表示例として、図5(b)にその例を示す。一方、新生成データによってメモリフル状態にならないと判定されると(S10:No)、S8における処理にてRAM91に記憶された各メモリサイズと、S9における処理にて算出された各メモリサイズが、LCD99に表示される(S14)。尚、新生成データによって共有エリアがメモリフル状態にならないときは、不足メモリ算出部103の処理によって算出された不足メモリサイズ(Lack)の値が0以下になり、使用可能メモリサイズ(Available)が予想使用メモリサイズ(Expectation)を上回っているので、図5(c)に示す表示例において「Lack:3M」とLCD99に表示させる替わりに、「Lack:***」「No Lack」と表示させたり、不足メモリサイズ(Lack)は非表示にしたりすれば良い。
【0078】
S13における処理の実行後、不図示のタイマによって所定時間計時されたか否かが判定される(S15)。所定時間計時されたと判定されると(S15:Yes)、S7において、コピー機能、FAX機能、スキャナ機能のうち少なくとも1つの機能の動作中であるか否かが判定される処理に戻る。所定時間計時されていないと判定されると(S15:No)、開放可能なメモリを開放するか否かを選択されたか否かが判定される(S16)。開放可能なメモリを開放するか否かを選択していない、即ち、図5(b)または図5(d)の「Printerメモリを開放すれば使用できます。開放しますか? Yes No」という表示において、「Yes」ボタンも「No」ボタンも選択されていないと判定されると(S16:No)、S15における所定時間計時されたか否かが判定される処理に戻る。開放可能なメモリを開放するか否かを選択したと判定されると(S16:Yes)、開放可能なメモリを開放する選択を行ったか否かが判定される(S17)。開放可能なメモリを開放しない選択を行った、即ち、図5(b)または図5(d)の「Printerメモリを開放すれば使用できます。開放しますか? Yes No」という表示において、「No」ボタンが選択されると(S17:No)、現在動作中の機能は動作を続行され、図7に示す「ジョブキャンセル? Yes No」のように、新たな機能によるジョブをキャンセルするか否かの選択を促す表示が行われる(S18)。「Yes」ボタンが選択されると(S18:Yes)、新たな機能によるジョブをキャンセルし(S19)、本処理を終了する。「No」ボタンが選択されると(S18:No)、再びS7における少なくとも1つの機能の動作中であるか否かが判定される処理に戻る。
【0079】
一方、開放可能なメモリを開放する選択を行った、即ち、図5(b)または図5(d)の「Printerメモリを開放すれば使用できます。開放しますか? Yes No」という表示において、「Yes」ボタンが選択されると(S17:Yes)、CPU90がROM92に記憶された開放部105プログラムを実行することにより、開放可能なメモリが開放される(S20)。開放可能なメモリが開放されると、制限部102により新生成データの使用可能メモリ(Available)への記憶処理が制限されているか否かが判定される(S21)。新生成データの使用可能メモリ(Available)への記憶処理が制限されていると判定されると(S21:Yes)、CPU90がROM92に記憶された解除部106プログラムを実行することにより、新生成データの使用可能メモリ(Available)への記憶処理制限が解除される(S22)。記憶処理制限が解除されると、新生成データのデータ処理が開始され(S23)、本処理を終了する。新生成データの使用可能メモリ(Available)への記憶処理が制限されていないと判定されると(S21:No)、S23における新生成データのデータ処理が開始される処理を行い、本処理を終了する。
【0080】
尚、本処理において、RAM91の共有エリアの一部を開放(確保)する具体的な手段としては、代行受信データのFAX印刷、読取りの解像度低下、スキャン速度を遅くする、メモリ増設、他領域データの消去、などが挙げられる。
【0081】
代行受信データのFAX印刷は、FAX機能の動作によって生成されRAM91に記憶されているFAXの受信データを、印刷を行った後に開放(消去)することにより、RAM91に使用可能メモリを設けるものである
読取りの解像度低下は、スキャナ機能の動作において、例えば、読取ユニット3により通常の解像度でスキャンを行うとRAM91の使用可能メモリサイズ(Available)を超える場合に、読取りの解像度を低下させることにより、RAM91の使用可能メモリで処理できる程度までデータを少なくするものである。
【0082】
また、スキャン速度を遅くするとは、スキャナ機能の動作において、読取バッファを小さくすることにより、RAM91に供給される画像データの単位時間当たりの量を少なくすることを意味する。
【0083】
メモリ増設は、コンパクトフラッシュ81(登録商標)等の外部メモリが接続部82に接続されることにより、RAM91の共有エリアの合計メモリサイズ(Total)を増加させるものである。したがって、使用可能メモリサイズ(Available)を超える新生成データが処理される場合であっても、処理される新生成データをコンパクトフラッシュ81(登録商標)等の外部メモリに記憶(退避)させることができる。
【0084】
他領域データの消去は、使用可能メモリサイズ(Available)を超える新生成データが処理される場合に、RAM91内の共有エリアのうち、比較的重要性の低いデータを消去することにより、空きの生じた共有エリアに新生成データを記憶可能にするものである。
【0085】
また、新生成データのデータ処理開始後にメモリフル状態になった場合も同様に、RAM91における共有エリアの使用状況や、開放可能なメモリを判断してメモリを開放するか否かの選択をユーザに促す旨などの表示を行うことができる。この場合、新生成データによる共有エリアの使用メモリサイズは予想ではなく実際の値が分かるので、より正確な共有エリアの使用状況を表示したり、開放可能なメモリを正確に判断したりすることができる。
【0086】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)新生成データの処理において、Nin1印刷、マルチコピー、処理速度を重視し高速で動作を行う高速動作、使用する共有エリアの節約を重視する優先メモリ動作など、各印刷フォーマットにおける不足メモリサイズ(Lack)を算出し、不足メモリが生じない印刷フォーマットを選択できるようにしても良い。
(2)不足メモリサイズ(Lack)の算出方法は、上述したように新生成データの予想使用メモリサイズ(Expectation)から使用可能メモリサイズ(Available)を減じる方法でも良いし、予想使用メモリサイズ(Expectation)と、各機能による使用メモリサイズ(FAX,Printer,Scanner等)と、システム(OS)を動作するのに必要なメモリサイズ(System)との合計から、RAM91の合計メモリサイズ(Total)を減じる方法など、どのような方法であっても良い。
(3)LCD99に表示される各メモリの使用状況を、図8に示すように、RAM91の合計メモリに占める割合(%)によって表示しても良い。
(4)メモリフル状態になったら、LCD99によって不足メモリサイズ(Lack)を表示するだけでなく、ブザーを鳴らすなどして報知しても良い。
(5)複合機1にネットワークを介して接続されたPC95のディスプレイ95a(図9参照)にLCD99にて表示した内容を表示しても良い。PC95のディスプレイ95aは、一般的に複合機1のLCD99より大きく、多彩な色を表現することができるので、図9に示すように、RAM91の使用状況を表示しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】図1は複合機の外観を示す斜視図である。
【図2】読取ユニットを開いた状態を示す複合機の斜視図である。
【図3】複合機の概略的構成を示す側断面図である。
【図4】複合機の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】(a)〜(d)は、各機能の動作によるRAMの共有エリアにおけるメモリの使用状況をメモリサイズによって表示したLCDを示す図である。
【図6】コピー機能、FAX機能、スキャナ機能の設定処理および動作処理を示すフローチャートである。
【図7】メモリフル状態時に新たに動作を開始しようとする機能によるジョブをキャンセルするか否かの選択をユーザに促すためのLCD表示を示す図である。
【図8】各機能の動作によるRAMの共有エリアにおけるメモリの使用状況をRAMの合計メモリに占める割合によって表示したLCDを示す図である。
【図9】各機能の動作によるRAMの共有エリアにおけるメモリの使用状況を表示したPCのディスプレイを示す図である。
【符号の説明】
【0088】
1 複合機
6 操作部
91 RAM(記憶手段)
92 ROM
95 PC
95a ディスプレイ
96 モード選択スイッチ
96a コピーモードキー
96b FAXモードキー
96c スキャナモードキー
97 スタートキー
99 LCD(表示手段、動作選択手段)
100 空きメモリ算出部(空き容量算出手段)
101 不足メモリ判定部(不足容量判定手段)
102 制限部(制限手段)
103 不足メモリ算出部(不足容量算出手段)
104 開放メモリ判断部(開放メモリ判断手段)
105 開放部(開放手段)
106 解除部(解除手段)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能を備えた複合機において、
機能毎の動作によって生成される各データを1つの記憶領域に記憶する記憶手段と、
少なくとも1つの機能の動作中にその機能の動作によって前記記憶手段が前記記憶領域に記憶したデータ量と、前記記憶領域の全体の容量とに基づいて、新たな機能の動作によって生成されるデータを前記記憶領域に記憶するために前記記憶領域の容量が不足するか否かを判定する不足容量判定手段と、
前記不足容量判定手段によって前記容量が不足すると判定されると、前記新たな機能の動作によって生成されるデータを前記記憶手段が前記記憶領域に記憶するのを制限する制限手段と、
前記制限手段によって前記記憶領域への記憶を制限されたデータを前記記憶領域に記憶するのに不足する不足容量と、前記記憶領域を使用しているデータの使用状況とを表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする複合機。
【請求項2】
前記表示手段は、前記データの使用状況を動作中の機能別に表示することを特徴とする請求項1に記載の複合機。
【請求項3】
前記不足容量判定手段によって前記記憶領域の容量が不足しないと判定されると、前記新たな機能におけるデータの前記記憶領域への記憶の制限を解除する解除手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の複合機。
【請求項4】
前記記憶手段よって前記記憶領域に記憶されたデータ量を前記記憶領域の全体の容量から減じることによって、前記記憶領域の空き容量を算出する空き容量算出手段をさらに備え、
前記不足容量判定手段は、前記空き容量算出手段によって算出された空き容量のうち各機能の動作により生成されるデータを記憶するために使用される使用可能容量が、前記新たな機能の動作により生成されるデータ量より小さいか否かを比較することにより、前記記憶領域の容量が不足するか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の複合機。
【請求項5】
前記空き容量算出手段は、前記少なくとも1つの機能の動作中に、所定の時間間隔で前記空き容量を算出することを特徴とする請求項4に記載の複合機。
【請求項6】
前記使用可能容量を前記新たな機能の動作により生成されるデータ量から減じることによって、前記不足容量を算出する不足容量算出手段をさらに備えたことを特徴とする請求項4また5に記載の複合機。
【請求項7】
前記不足容量算出手段は、前記少なくとも1つの機能の動作中に、所定の時間間隔で前記不足容量を算出することを特徴とする請求項6に記載の複合機。
【請求項8】
前記表示手段によって表示される前記不足容量と前記使用状況は、メモリサイズによって表示されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の複合機。
【請求項9】
前記表示手段によって表示される前記不足容量と前記使用状況は、前記記憶領域に占める割合によって表示されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の複合機。
【請求項10】
前記不足容量を前記記憶領域に記憶されたデータの機能毎のデータ量と比較して、いずれのデータを記憶している前記記憶領域が開放可能かを判断する開放メモリ判断手段と、
前記開放メモリ判断手段によって前記開放可能な記憶領域を判断されると、そのデータに関する機能の動作を続行するか、またはそのデータに関する機能動作に替えて前記新たな機能の動作を開始するかを選択する動作選択手段と、
前記選択手段によって前記新たな機能の動作を開始することが選択されると、前記開放可能な記憶領域を開放する開放手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の複合機。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2007−151004(P2007−151004A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−345727(P2005−345727)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】