試験体の測定または分析のためのシステムおよび方法
【課題】空気によって少なくとも部分的に吸収される光を使用するよう設計され、かつ、より能率的なパージングシステムを有する、光学ツールのための方法を開発する。
【解決手段】試験体の測定のための方法において、該試験体の反射率測定データおよび分光偏光解析データを測定する工程と、該反射率測定データから、該試験体上に形成された窒化酸化物ゲート誘電体の厚さを判定する工程と、該厚さおよび該分光偏光解析データから、窒化酸化物ゲート誘電体の屈折率を判定する工程と、該屈折率から、該窒化酸化物ゲート誘電体の窒素濃度を判定する工程と、を含む。
【解決手段】試験体の測定のための方法において、該試験体の反射率測定データおよび分光偏光解析データを測定する工程と、該反射率測定データから、該試験体上に形成された窒化酸化物ゲート誘電体の厚さを判定する工程と、該厚さおよび該分光偏光解析データから、窒化酸化物ゲート誘電体の屈折率を判定する工程と、該屈折率から、該窒化酸化物ゲート誘電体の窒素濃度を判定する工程と、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、試験体の測定または分析のためのシステムおよび方法に関する。ある種の実施形態は、真空紫外光および非真空紫外光を用いた試験体の測定のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学システムは、集積回路および他の半導体デバイスの製造において、有意な役割を果たしている。例えば、光リソグラフィーツールは、レチクルからレジストコーティングされたウェーハにパターンを転写するのに使用される。ウェーハ上のパターン形成された形体は、次いで、集積回路および半導体デバイスの各種の形体を形成するのに使用することができる。また、光応用計測学および(または)検査ツールは、半導体製造における品質管理目的に使用される。これらの光学システムの能力および処理量は、半導体製造に有意な影響を及ぼし得る。例えば、光リソグラフィーまたは計測学および(または)検査ツールの処理量は、半導体製造プロセスの処理量に直接的な影響を及ぼす(例えば、ツールの処理量が減少するにつれ、プロセスの処理量が減少する)。また、リソグラフィーツールの解像度は、しばしば、集積回路の形体の横方向の寸法を決定する。したがって、リソグラフィーツールの解像度は、集積回路の他の特徴(例えば、性能ビンの特徴)を決定し得る。同様に、光応用計測学および(または)検査ツールの精度は、プロセスがいかに良く管理されるかに直接、影響し得るため、光応用計測学および(または)検査ツールの解像力は、半導体製造プロセスに有意な影響を及ぼし得る。
【0003】
光学システムの解像度は、かなりの程度まで、光学システムの波長並びに他のパラメータ(例えば、開口数(NA))に左右される。例えば、光学システムの波長を低減するにつれて、光学システムは、ますます小さな寸法を有する形体を結像し、それにより、システムの解像度を増大することができる。システム(例えば、リソグラフィーツール)の波長を低減することは、半導体メーカーにとって、より小さな寸法を有する形体をウェーハに結像するための一つの方法である。今日、半導体製造において使用されている多くのリソグラフィーツールは、248 nmの波長を有する光と共に使用するよう設計されている。しかしながら、半導体研究および製造において、193 nmの波長を有する光と共に使用するよう設計されたリソグラフィーツールが、より普及しつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】発見できず
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
193 nm周辺の波長では、光は、水、酸素、および、光学システムの光路に存在する空気によって部分的に吸収される場合がある。しかしながら、これらの波長における吸収レベルは、一般に、問題とはならない。対照的に、光学システムの波長が190 nmを下回るにつれ、水、酸素、および空気による光の吸収は、これらのシステムに著しい問題を生じ得る。例えば、157 nmで使用するよう設計されたリソグラフィーツールでは、ウェーハ上のレジストに結像するのに利用できる光の量は、リソグラフィーツール内の空気による光の吸収により、不十分な場合がある。さらに、190 nm未満の波長の光を発生することができる光源の多くは、比較的低い強度またはパワーの光源である。したがって、リソグラフィーツール内の環境による光のいかなる吸収も、光学システムの結像能力の深刻な低下をもたらし得る。
【0006】
空気による吸収により喪失される光の量を低減するためには、システムの光学部品および結像されている試験体を配置することができる真空を発生するいくつかのシステムが設計可能である。しかしながら、真空を発生すること、および、維持することは、比較的高価であり得るため、190 nm未満の波長を有する光の吸収を低減するための、より一般的な方法は、その中に、光学部品および試験体が配置されるハウジングをパージすることを含んでいる。ハウジングまたはツールをパージすることは、一般に、ハウジングまたはツール内の周囲環境を、比較的純粋なガス(例えば、窒素)で置換することを含んでいる。しかしながら、光学システムをパージするのに使用される現在の方法には、いくつかの問題がある。例えば、現在使用されているパージングの方法は、一般に、ツールの比較的大きな領域(例えば、ツール全体または測定チャンバー全体)をパージすることを含んでいる。また、ツールの大きな領域をパージすることは、かなりの時間を要する。したがって、パージングは、光学システムの処理量に著しい悪影響を及ぼし得る。
【0007】
したがって、空気によって少なくとも部分的に吸収される光を使用するよう設計され、かつ、上述したものより、より能率的なパージングシステムを有する、光学ツールのためのシステムおよび方法を開発することは、有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の一実施形態は、試験体の測定のためのシステムに関する。システムは、試験体の第1の測定を行なうよう構成された第1の光学サブシステムを含んでいる。第1の光学サブシステムは、第1の測定中に、パージされた環境中に配設されている。システムは、試験体の第2の測定を行なうよう構成された第2の光学サブシステムも含んでいる。第2の光学サブシステムは、第2の測定中に、パージされていない環境中に配設されている。
【0009】
一実施形態では、第1の光学サブシステムは、真空紫外(VUV)光を用いて第1の測定を行なうよう構成されている。別の実施形態では、第2の光学サブシステムは、非真空紫外(非VUV)光を用いて第2の測定を行なうよう構成されている。他の実施形態では、第1の光学サブシステムは、VUV光および非VUV光を用いて第1の測定を行なうよう構成してよい。このような実施形態では、第1の光学サブシステムは、非VUV光を用いた測定中に、かなりの量のVUV光が試験体に到達するのを防止するよう構成された、一つまたはそれ以上のフィルターを含んでいてよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1の光学サブシステムが、VUV光を用いて第1の測定を行なうよう構成されている場合、第1の測定は、薄膜測定を含んでいてよい。一つのこのような実施形態では、第2の光学サブシステムが、非VUV光を用いて第2の測定を行なうよう構成されている場合、第2の光学サブシステムは、スキャタロメーターとして構成してよい。追加の実施形態では、第1の光学サブシステムは、反射率計として構成してよく、かつ、第2の光学サブシステムは、エリプソメーターとして構成してよい。別法の実施形態では、第1の光学サブシステムは、エリプソメーターとして構成してよく、かつ、第2の光学サブシステムは、反射率計として構成してよい。
【0011】
別の実施形態では、第1の光学サブシステムは、分光エリプソメーターまたは分光反射率計として構成されている。このような実施形態では、第2の光学サブシステムは、単一波長の光学サブシステムとして構成してよい。異なる実施形態では、第1の光学サブシステムは、約157 nmの波長を有する光を発生するよう構成されたエキシマー光源を含んでいてよい。一つのこのような実施形態によれば、第1の光学サブシステムは、単一波長のエリプソメーターとして構成してよい。別の異なる実施形態では、第1の光学サブシステムは、デュアルビーム分光光度計として構成してよい。第1の光学サブシステムは、第1の測定中に、デュアルビーム分光光度計の両方のチャネルが、実質的に同じレベルまでパージされるよう構成してもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1の光学サブシステムは、反射型集束光学系および反射型収集光学系を含んでいてよい。別法として、第1の光学サブシステムは、反射型集束光学系および透過型収集光学系を含んでいてよい。別の別法では、第1の光学サブシステムは、透過型集束光学系および反射型収集光学系を含んでいてよい。追加の実施形態では、第1の光学サブシステムは、一つまたはそれ以上の中空光ファイバーを含んでいてよい。例えば、第1の光学サブシステムは、一つまたはそれ以上の中空光ファイバーによって光学部品に結合された光源を含んでいてよい。システムは、試験体に対して光学部品を移動させて、試験体上の異なる場所で第1の測定を行なうよう構成してよい。このような実施形態では、光源は、光学部品の移動中、実質的に静止していてよい。
【0013】
追加の実施形態では、システムは、第1の光学サブシステムに対してパージされた環境を与えるよう構成された差動パージングサブシステムを含んでいてよい。いくつかの実施形態では、試験体は、第1の測定中に、異なるパージされた環境中に配設してよい。また、異なるパージされた環境は、パージされた環境より、より高いレベルで無用な分子を有していてよい。更なる実施形態では、システムは、試験体チャンバーを含んでいてよい。試験体チャンバーは、開いて、試験体が試験体チャンバー内に配置されることを可能にするよう構成してよい。試験体チャンバーは、試験体が試験体チャンバー内に配置された後、かつ、第1の測定の前に、パージされるよう構成してもよい。
【0014】
別の実施形態では、システムは、第1の光学サブシステムによる第1の測定に先立って、試験体の一部から汚染物質を除去するよう構成された清浄化サブシステムを含んでいてよい。いくつかの実施形態では、システムは、第2の光学サブシステムによって生成されたデータで第1の光学サブシステムを校正するよう構成してよい。また、システムは、第1および第2の光学サブシステムによって生成されたデータを組み合わせて使用して、試験体の一つまたはそれ以上の特性を判定するよう構成してよい。システムは、ここで記述するように更に構成してよい。
【0015】
別の実施形態は、試験体の測定のために構成された異なるシステムに関する。システムは、VUV光を用いて試験体の第1の測定を行なうよう構成された第1の光学サブシステムを含んでいる。システムは、非VUV光を用いて試験体の第2の測定を行なうよう構成された第2の光学サブシステムも含んでいる。一実施形態では、第2の光学サブシステムは、単一波長のエリプソメーターとして構成してよい。異なる実施形態では、第2の光学サブシステムは、ビームプロファイル反射率計として構成してよい。別の実施形態では、第2の光学サブシステムは、レーザー光源を含んでいてよい。
【0016】
一実施形態では、システムは、第1の測定中に、第1の光学サブシステムの周りにパージされた環境を維持するよう構成してよい。いくつかの実施形態では、システムは、第1の測定中に、第1の光学サブシステムの周りにパージされた環境を維持するよう構成された差動パージサブシステムを含んでいてよい。また、第2の光学サブシステムは、パージされていない環境中に配設してよい。システムは、また、第2の光学サブシステムによって生成されたデータで第1の光学サブシステムを校正するよう構成されている。例えば、システムは、第1の光学サブシステムおよび第2の光学サブシステムに結合されたプロセッサを含んでいてよい。プロセッサは、第2の光学サブシステムによって生成されたデータで第1の光学サブシステムを校正するよう構成してよい。システムは、ここで記述するように更に構成してよい。
【0017】
追加の実施形態は、試験体の分析のためのコンピュータに実装された方法に関する。この方法は、第1のデータを第2のデータと組み合わせて使用して、試験体の一つまたはそれ以上の特性を判定することを含んでいる。第1のデータは、VUV波長で測定され、かつ、第2のデータは、非VUV波長で測定される。第1のデータは、第1の光学サブシステムで測定してよく、かつ、第2のデータは、第2の光学サブシステムで測定してよい。第1および第2の光学サブシステムは、単一のシステム内に配置してよい。また、第1の光学サブシステムは、システム内のパージされた環境中に配設してよく、かつ、第2の光学サブシステムは、パージされていない環境中に配設してよい。
【0018】
判定される一つまたはそれ以上の特性は、試験体上の上層の光学的特性、試験体上の一つ以上の層の光学的特性、試験体上の形体の限界寸法、試験体上の形体の形状パラメータ、試験体上の2つの層間のオーバーレイオフセット、またはその組合せを含んでいてよい。一実施形態では、一つまたはそれ以上の特性は、一つまたはそれ以上のアルゴリズムを用いて判定してよい。一つまたはそれ以上のアルゴリズムは、遺伝的アルゴリズム、非線形回帰アルゴリズム、または、比較アルゴリズムを含んでいてよい。いくつかの実施形態では、第1および第2のデータは、光波散乱計測データを含んでいてよい。このような実施形態では、一つまたはそれ以上の特性は、一つまたはそれ以上の遺伝的アルゴリズムを用いて判定してよい。
【0019】
一実施形態によれば、一つまたはそれ以上の特性は、VUV波長における、試験体上の構造物の光学的特性を含んでいてよい。このような実施形態では、第2のデータは、試験体上の構造物の厚さを判定するのに使用してよい。厚さを、第1のデータと組み合わせて使用して、光学的特性を判定してよい。異なる実施形態によれば、一つまたはそれ以上の特性は、試験体上の一つまたはそれ以上の構造物の原子濃度を含んでいてよい。一つのこのような実施形態では、原子濃度は、一つまたはそれ以上の構造物の光学的特性から判定してよい。光学的特性は、第1のデータ、第2のデータ、または、第1および第2のデータから判定してよい。異なるこのような実施形態では、原子濃度は、第1および第2のデータと参照データとの比較によって判定してよい。コンピュータに実装された方法は、ここで記述するような追加のステップを含んでいてよい。
【0020】
更なる実施形態は、試験体の測定のための別のシステムに関する。システムは、VUV光を用いて試験体の測定を行なうよう構成されたデュアルチャネル光学サブシステムを含んでいる。一実施形態では、デュアルチャネル光学サブシステムは、デュアルビーム分光光度計として構成してよい。このシステムは、測定中に、デュアルチャネル光学サブシステムの周りにパージされた環境を維持するよう構成されたパージングサブシステムも含んでいる。パージングサブシステムは、また、デュアルチャネル光学サブシステムの両方のチャネル内に、同じレベルでパージングを維持するよう構成されている。一実施形態では、パージングサブシステムは、差動パージングサブシステムを含んでいてよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、システムは、非VUV光を用いて試験体の追加の測定を行なうよう構成された、一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステムを含んでいてよい。一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステムは、パージされていない環境中に配設してよい。異なる実施形態では、システムは、パージされた環境中に配設されている追加の光学サブシステムを含んでいてよい。追加の光学サブシステムは、分光エリプソメーターとして構成してよい。追加の光学サブシステムは、VUV光フラッシュランプを含んでいてよい。
【0022】
別の実施形態では、デュアルチャネル光学サブシステムは、非VUV光を用いて追加の測定を行なうよう構成してよい。一つのこのような実施形態では、デュアルチャネル光学サブシステムは、非VUV光を用いた追加の測定中に、かなりの量のVUV光が試験体に到達するのを防止するよう構成された、一つまたはそれ以上のフィルターを含んでいてよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、デュアルチャネル光学サブシステムは、反射型集束光学系および反射型収集光学系を含んでいてよい。別法として、デュアルチャネル光学サブシステムは、反射型集束光学系および透過型収集光学系を含んでいてよい。異なる別法では、デュアルチャネル光学サブシステムは、透過型集束光学系および反射型収集光学系を含んでいてよい。別の実施形態によれば、デュアルチャネル光学サブシステムは、一つまたはそれ以上の中空光ファイバーを含んでいてよい。追加の実施形態では、システムは、測定に先立って、試験体の一部から汚染物質を除去するよう構成された清浄化サブシステムを含んでいてよい。このシステムは、ここで記述するように更に構成してよい。
【0024】
更に別の実施形態は、試験体の測定のために構成された異なるシステムに関する。システムは、VUV光を用いて試験体の測定を行なうよう構成された二つまたはそれ以上の光学サブシステムを含んでいる。システムは、測定中に、二つまたはそれ以上の光学サブシステムの周りにパージされた環境を維持するよう構成されたパージングサブシステムも含んでいる。パージングサブシステムは、二つまたはそれ以上の光学サブシステム内に、ほぼ同じレベルでパージングを維持するよう、更に構成してよい。一実施形態では、パージングシステムは、差動パージングサブシステムである。
【0025】
一実施形態では、二つまたはそれ以上の光学サブシステムは、広帯域反射分光計および広帯域分光エリプソメーターを含んでいる。二つまたはそれ以上の光学サブシステムは、非VUV光を用いて試験体の追加の測定を行なうよう構成してもよい。また、二つまたはそれ以上の光学サブシステムは、非VUV光を用いた追加の測定中に、かなりの量のVUV光が試験体に到達するのを防止するよう構成された、一つまたはそれ以上のフィルターを含んでいてよい。別の実施形態では、システムは、非VUV光を用いて試験体の追加の測定を行なうよう構成された、一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステムも含んでいる。一つのこのような実施形態では、一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステムは、ビームプロファイルエリプソメーター、ビームプロファイル反射率計、広帯域反射分光計、またはその組合せを含んでいてよい。一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステムは、パージされていない環境中に配設してよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステムの第1の部分は、パージされた環境中に配設してよく、かつ、一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステムの第2の部分は、パージされていない環境中に配設してよい。また、二つまたはそれ以上の光学サブシステムおよび一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステムは、少なくとも一つの共通の光学部品(これは、一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステムの第1の部分を含んでいてよい)を有していてよい。システムは、ここで記述するように更に構成してよい。
【0027】
追加の実施形態は、試験体の測定のための別のシステムに関する。システムは、VUV光および非VUV光を用いて試験体の測定を行なうよう構成された光学サブシステムを含んでいる。一実施形態では、光学サブシステムは、非VUV光を用いた測定中に、かなりの量のVUV光が試験体に到達するのを防止するよう構成された、一つまたはそれ以上のフィルターを含んでいる。システムは、測定中に、光学サブシステムの周りにパージされた環境を維持するよう構成されたパージングサブシステムも含んでいる。パージングサブシステムは、差動パージングサブシステムであってよい。
【0028】
一実施形態では、光学サブシステムは、分光エリプソメーターまたは分光反射率計として構成してよい。このような実施形態では、光学サブシステムは、単一波長のエリプソメーターとして構成してもよい。別の実施形態では、光学サブシステムは、VUV光を用いて薄膜測定を行なうよう構成してよい。光学サブシステムは、非VUV光を用いて光波散乱計測を行なうよう構成してもよい。追加の実施形態では、光学サブシステムが、単一波長のエリプソメーターとして構成されている場合、単一波長のエリプソメーターは、約157 nmの波長を有する光を発生するよう構成されたエキシマー光源を含んでいてよい。異なる実施形態では、光学サブシステムが、分光エリプソメーターとして構成されてよい場合、分光エリプソメーターは、VUV光を発生するよう構成されたフラッシュランプを含んでいてよい。
【0029】
光学サブシステムは、一つまたはそれ以上の中空光ファイバーを含んでいてよい。いくつかの実施形態では、光学サブシステムは、一つまたはそれ以上の中空光ファイバーによって光学部品に結合された光源を含んでいてよい。システムは、試験体に対して光学部品を移動させて、試験体上の異なる場所で測定を行なうよう構成してよい。光源は、光学部品の移動中、実質的に静止していてよい。一実施形態では、光学サブシステムは、反射型集束光学系および反射型収集光学系を含んでいてよい。別法として、光学サブシステムは、反射型集束光学系および透過型収集光学系を含んでいてよい。別の別法では、光学サブシステムは、透過型集束光学系および反射型収集光学系を含んでいてよい。
【0030】
別の実施形態では、試験体は、測定中に、異なるパージされた環境中に配設してよい。一つのこのような実施形態では、異なるパージされた環境は、パージされた環境より、より高いレベルで無用な分子を有していてよい。いくつかの実施形態では、システムは、開いて、試験体が試験体チャンバー内に配置されることを可能にするよう構成された試験体チャンバーを含んでいてよい。試験体チャンバーは、試験体が試験体チャンバー内に配置された後、かつ、測定の前に、パージされるよう構成してもよい。システムは、ここで記述するように更に構成してよい。
【0031】
更なる実施形態は、試験体の測定のための別のシステムに関する。システムは、測定に先立って、試験体から汚染物質を除去するよう構成された清浄化サブシステムを含んでいる。一実施形態では、清浄化サブシステムは、レーザーベースの清浄化サブシステムを含んでいてよい。清浄化サブシステムは、試験体上の局所化された部位から汚染物質を除去するよう構成してよい。異なる実施形態では、清浄化サブシステムは、熱ベースの清浄化サブシステムであってよい。このような清浄化サブシステムは、試験体の実質的に表面全体から汚染物質を除去するよう構成してよい。
【0032】
システムは、VUV光を用いて試験体の測定を行なうよう構成された光学サブシステムも含んでいる。光学サブシステムは、パージされた環境中に配設されている。いくつかの実施形態では、システムは、光学サブシステムに対してパージされた環境を与えるよう構成された差動パージングサブシステムを含んでいてよい。しかしながら、清浄化サブシステムは、パージされていない環境中に配設してよい。
【0033】
追加の実施形態では、光学サブシステムは、非VUV光を用いて試験体の測定を行なうよう構成してもよい。一つのこのような実施形態では、光学サブシステムは、非VUV光を用いた測定中に、かなりの量のVUV光が試験体に到達するのを防止するよう構成された、一つまたはそれ以上のフィルターを含んでいてよい。
【0034】
一実施形態では、システムは、非VUV光を用いて試験体の追加の測定を行なうよう構成された追加の光学サブシステムを含んでいてよい。追加の光学サブシステムは、パージされていない環境中に配設してよい。異なる実施形態では、システムは、VUV光を用いて試験体の追加の測定を行なうよう構成された追加の光学サブシステムを含んでいてよい。追加の光学サブシステムは、パージされた環境中に配設してよい。システムは、ここで記述するように更に構成してよい。
【0035】
いくつかの実施形態は、試験体の測定のために構成された別のシステムに関する。このシステムは、試験体の測定を行なうよう構成された光学サブシステムを含んでいる。光学サブシステムは、連続したバックグラウンドを実質的に持たない、比較的多数の分離したスペクトルピークを有する光を発生するよう構成された光源を含んでいる。一実施形態では、光は、約200 nm未満の波長を有していてよい。例えば、光は、VUV光を含んでいてよい。別法として、光は、極紫外(EUV)光を含んでいてよい。別の実施形態では、光は、軟X線を含んでいてよい。比較的多数の分離したスペクトルピークは、約10個またはそれ以上の分離したスペクトルピークを含んでいてよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、光学サブシステムは、分光エリプソメーター、旋光計、反射率計、この技術分野において既知の任意の他の光学測定サブシステム、またはその組合せとして構成してよい。このような実施形態では、測定は、薄膜特性の測定を含んでいてよい。また、光学サブシステムは、試験体から返された光を検出するよう構成されたアレイ検出器を含んでいてよい。光学サブシステムは、ここで記述するように更に構成してよい。
【0037】
一実施形態では、システムは、光学サブシステムに結合されたプロセッサも含んでいてよい。一つのこのような実施形態では、プロセッサは、光学サブシステムによって検出された光のピークからの信号を、単一の波長を有するとみなすことによって、光学サブシステムによって生成されたデータを処理するよう構成してよい。単一の波長は、ピークの中心の既知の波長を含んでいる。別のこのような実施形態では、プロセッサは、ピークが、光学サブシステムの検出器上の一つ以上の画素に亘る場合、光学サブシステムによって検出された光のピークに対する信号を加算することによって、光学サブシステムによって生成されたデータを処理するよう構成してよい。追加の実施形態では、プロセッサは、データを、波長スペクトルに亘って互いに離れた個々のピークに分割することによって、光学サブシステムによって生成されたデータを処理するよう構成してよい。個々のピークは、光源によって発生された光の分離したスペクトルピークに対応する。試験体の測定のために構成されたシステムのこれらの実施形態は、ここで記述するように更に構成してよい。
【0038】
他の実施形態は、プログラム命令を含むキャリア媒体に関する。プログラム命令は、コンピュータシステム上で実行して、データを、波長スペクトルに亘って互いに離れた個々のピークに分割することによって、光学サブシステムの検出器によって生成されたデータを分析することができる。個々のピークは、光学サブシステムの光源によって発生された光の分離したスペクトルピークに対応する。一実施形態では、光源によって発生された光は、連続したバックグラウンドを実質的に持たない、比較的多数の分離したスペクトルピークを含んでいてよい。光学サブシステムは、試験体の測定を行なうよう構成されている。別の実施形態では、光学サブシステムは、分光エリプソメーター、旋光計、反射率計、この技術分野において既知の任意の他の光学測定サブシステム、またはその組合せとして構成してよい。光学サブシステムは、ここで記述するように更に構成してよい。いくつかのこのような実施形態では、測定は、薄膜特性の測定を含んでいてよい。
【0039】
データの分割は、検出器の波長校正を維持してよい。データの分割は、波長の関数として行なわれる光学サブシステムの測定の精度を増大してもよい。また、データの分割は、検出器におけるスペクトルシフト、ドリフト、伸長、収縮、またはその組合せを補正してよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、プログラム命令は、更に、コンピュータシステム上で実行して、個々のピークのうちの一つまたはそれ以上が、検出器上の一つ以上の画素に亘る場合、個々のピークのうちの一つまたはそれ以上に対する信号を加算することによって、データを分析することができる。異なる実施形態では、プログラム命令は、コンピュータシステム上で実行して、個々のピークのうちの一つまたはそれ以上からの信号を、単一の波長を有するとみなすことによって、データを分析することができる場合がある。単一の波長は、個々のピークのうちの一つまたはそれ以上の中心の既知の波長を含んでいる。
【0041】
光源によって発生された光は、約200 nm未満の波長を有していてよい。例えば、光源によって発生された光は、VUV光を含んでいてよい。別の例では、光源によって発生された光は、EUV光を含んでいてよい。更なる例では、光源によって発生された光は、軟X線を含んでいてよい。上述したキャリア媒体の実施形態は、ここで記述するように更に構成してよい。例えば、キャリア媒体は、コンピュータシステム上で実行して、ここで記述する追加のコンピュータに実装された方法を行なうことができる、追加のプログラム命令を含んでいてよい。
【0042】
追加の実施形態は、試験体の測定のための方法に関する。この方法は、試験体の分光偏光解析データを測定することを含んでいる。一実施形態では、分光偏光解析データは、約220 nm〜約900 nmの波長で測定してよい。異なる実施形態では、分光偏光解析データは、約190 nm〜約300 nmの波長で測定してよい。別の異なる実施形態では、分光偏光解析データは、VUV波長で測定してよい。
【0043】
この方法は、分光偏光解析データから、試験体上に形成された窒化酸化物ゲート誘電体の窒素濃度を判定することも含んでいる。一実施形態では、分光偏光解析データは、試験体上の多数の場所で測定してよい。一つのこのような実施形態では、この方法は、多数の場所で窒素濃度を判定すること、および、窒素濃度のウェーハ面内(WIW)均一性を判定することを含んでいてよい。別の実施形態では、この方法は、分光偏光解析データを用いて、窒化酸化物ゲート誘電体の厚さおよび屈折率を判定することを含んでいる。いくつかの実施形態では、この方法は、分光偏光解析データから窒化酸化物ゲート誘電体の屈折率を判定すること、および、屈折率から窒素濃度を判定することを含んでいてよい。
【0044】
追加の実施形態では、この方法は、試験体の反射率測定データを測定することも含んでいてよい。このような実施形態では、窒素濃度を判定することは、反射率測定データと組み合わせて、分光偏光解析データから窒素濃度を判定することを含んでいてよい。分光偏光解析データおよび反射率測定データは、一つのシステムで測定してよい。いくつかの実施形態では、この方法は、分光偏光解析データの測定に先立って、レーザーベースの清浄化サブシステムを用いて、試験体上の局所化された部位から汚染物質を除去することを含んでいてよい。分光偏光解析データは、局所化された部位で測定してよい。
【0045】
一実施形態では、分光偏光解析データを測定することは、半導体製作プロセス中に行なってよい。別の実施形態では、この方法は、窒素濃度に基づいて、半導体製作プロセスの一つまたはそれ以上のパラメータを変えることを含んでいてよい。追加の実施形態では、この方法は、窒素濃度を用いて、半導体製作プロセスの一つまたはそれ以上のパラメータをモニターすることを含んでいてよい。この方法は、ここで記述する任意の方法の任意の追加のステップを含んでいてよい。
【0046】
他の実施形態は、試験体の分析のためのコンピュータに実装された方法に関する。コンピュータに実装された方法は、試験体の測定によって生成された分光偏光解析データから、試験体上に形成された窒化酸化物ゲート誘電体の窒素濃度を判定することを含んでいる。一実施形態では、分光偏光解析データは、約220 nm〜約900 nmの波長で測定してよい。別法として、分光偏光解析データは、約190 nm〜約300 nmの波長で測定してよい。別の別法では、分光偏光解析データは、VUV波長で測定してよい。いくつかの実施形態では、分光偏光解析データは、試験体上の多数の場所で測定してよい。このような実施形態では、この方法は、多数の場所で窒素濃度を判定すること、および、窒素濃度のWIW均一性を判定することも含んでいてよい。
【0047】
一実施形態では、この方法は、分光偏光解析データを用いて、窒化酸化物ゲート誘電体の厚さおよび屈折率を判定することを含んでいてよい。別の実施形態では、この方法は、分光偏光解析データから窒化酸化物ゲート誘電体の屈折率を判定すること、および、屈折率から窒素濃度を判定することを含んでいてよい。他の実施形態では、窒素濃度を判定することは、試験体の測定によって生成された反射率測定データと組み合わせて、分光偏光解析データから窒素濃度を判定することを含んでいてよい。
【0048】
この方法の追加の実施形態は、窒素濃度に基づいて、半導体製作プロセスの一つまたはそれ以上のパラメータを判定することを含んでいてよい。一実施形態では、この方法は、窒素濃度を用いて、半導体製作プロセスの一つまたはそれ以上のパラメータをモニターすることも含んでいてよい。コンピュータに実装された方法は、ここで記述する任意の方法の任意の他のステップも含んでいてよい。
【0049】
本発明は、各種の修正および別の形態が可能であるが、その特定の実施形態が、図面の例により示され、ここで詳細に記述されるであろう。図面は、一定の縮尺ではない場合がある。しかしながら、図面およびそれに対する詳細な説明は、本発明を、開示された特定の形態に限定することを意図したものではなく、反対に、添付のクレームによって定義された本発明の趣旨および範囲内にある全ての修正、同等物および代替物を包含することを意図していることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】試験体の測定のために構成されたシステムの一実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図2】光学サブシステムに対してパージされた環境を与えるよう構成された差動パージングサブシステムの一実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図3】試験体が、測定中に、パージされた環境中に配設されている、試験体の測定のために構成されたシステムの一実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図4】試験体チャンバーの一実施形態の横断上面図を示す概略図である。
【図5】図4の試験体チャンバーの横断側面図を示す概略図である。
【図6】VUV光源および非VUV光源を含む光学サブシステムの一実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図7】反射型集束光学系および反射型収集光学系を含む光学サブシステムの一実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図8】透過型集束光学系および反射型収集光学系を含む光学サブシステムの一実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図9】反射型集束光学系および透過型収集光学系を含む光学サブシステムの一実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図10】中空ファイバーを含む光学サブシステムの一実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図11】中空ファイバーを含む光学サブシステムの一実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図12】平面鏡および実質的に静止している光源を含む光学サブシステムの一実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図13】デュアルチャネル光学サブシステムおよびデュアルチャネル光学サブシステムの周りのパージされた環境の一実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図14】両方とも、パージされた環境中に配設されている、図13のデュアルチャネル光学サブシステムおよび追加の光学サブシステムの横断側面図を示す概略図である。
【図15】パージされた環境中に配設されている二つまたはそれ以上の光学サブシステムの異なる実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図16】パージされた環境中に配設されている二つまたはそれ以上の光学サブシステムの異なる実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図17】清浄化サブシステムおよび光学サブシステムを含む、試験体の測定のために構成されたシステムの異なる実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図18】清浄化サブシステムおよび光学サブシステムを含む、試験体の測定のために構成されたシステムの異なる実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図19】マグネシウム陰極およびネオンバッファガスを用いたペニング放電のスペクトルを示すプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0051】
当業者なら、以下の好適な実施形態の詳細な説明により、かつ、添付の図面を参照することにより、本発明の更なる利点が明らかになるであろう。
【0052】
以下の説明は、一般に、パージされた環境を有利に使用する波長で動作するよう構成された光学システムに関する。パージングから実際に利益を得る光学サブシステムのみをパージすることによって、コストを節減することができ、かつ、信頼性を向上することができる。ここで記述する実施形態は、比較的低い波長(例えば、真空紫外または近真空紫外波長)で動作するシステムを経済的に製造することにとって、非常に重要であり得る。例えば、別法は、ロードロックを有する不活性ガス(または真空)で満たしたチャンバー内に、システム全体を包囲して、あまりに多くの酸素、水、二酸化炭素等を導入することなしに、試験体のローディングおよびアンローディングを可能にすることである。このような手法では、ウェーハ転写がより遅くなり、アライメントのための光学系へのアクセスがより制限され、かつ、システムがより高価になる。
【0053】
ここで使用される場合、術語「試験体」は、一般に、ウェーハまたはレチクルを指す。ここで使用される場合、術語「ウェーハ」は、一般に、半導体または非半導体材料から形成された基板を指す。このような半導体または非半導体材料の例としては、単結晶シリコン、砒化ガリウム、および燐化インジウム等が挙げられるが、それらに限定されない。このような基板は、一般に、半導体製作設備において、見出され、かつ(あるいは)処理されてよい。
【0054】
ウェーハは、基板(例えば、バージンウェーハ)のみを含んでいてよい。別法として、ウェーハは、基板上に形成された一つまたはそれ以上の層を含んでいてよい。例えば、このような層は、レジスト、誘電体材料、および導体材料を含んでいてよいが、それらに限定されない。レジストは、光リソグラフィー技法、電子ビームリソグラフィー技法、またはX線リソグラフィー技法によってパターン形成されてよい任意の材料を含んでいてよい。誘電体材料の例としては、二酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、および窒化チタン等が挙げられるが、それらに限定されない。誘電体材料の追加の例としては、「低K」誘電体材料(例えば、Applied Materials, Inc.(Santa Clara, California)から市販されているBlack Diamond(登録商標)、およびNovellus Systems, Inc.(San Jose, California)から市販されているCORAL)、「超低K」誘電体材料(例えば、「キセロゲル」)、および「高K」誘電体材料(例えば、五酸化タンタル)等が挙げられる。また、導体材料の例としては、アルミニウム、ポリシリコン、および銅等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0055】
ウェーハ上に形成された一つまたはそれ以上の層は、パターン形成されてよく、あるいは、パターン形成されなくてよい。例えば、ウェーハは、繰り返し可能なパターン形体を有する複数のダイを含んでいてよい。材料のこのような層の形成および処理は、最終的に、完成した半導体デバイスをもたらしてよい。そのようなものとして、ウェーハは、その上に、完全な半導体デバイスの全ての層が形成されていない基板、または、その上に、完全な半導体デバイスの全ての層が形成されている基板を含んでいてよい。術語「半導体デバイス」は、ここで、術語「集積回路」と可換的に使用される。
【0056】
試験体は、ウェーハ上に形成された薄膜ヘッドダイの少なくとも一部、ウェーハ、フラットパネルディスプレイ、磁気ヘッド、磁気および光学記憶媒体上に形成された微小電気機械システム(MEMS)デバイスの少なくとも一部、および、光通信機器および光電子デバイス(例えば、レーザー、導波管、およびウェーハ上で処理される他の受動部品、プリントヘッド、およびウェーハ上で処理されるバイオチップデバイス)を含んでいてよい他の部品の少なくとも一部を、更に含んでいてよい。
【0057】
「レチクル」または「マスク」は、一般に、その上に形成された実質的に不透明な領域を有し、かつ、パターンに構成された、実質的に透明な基板として定義される。基板は、例えば、ガラス材料(例えば、石英)を含んでいてよい。レチクルは、リソグラフィープロセスの露光ステップ中に、レジストで覆われたウェーハの上方に配設して、レチクル上のパターンがレジストに転写されるようにしてよい。例えば、レチクルの実質的に不透明な領域は、レジストのその下にある領域を、エネルギー源への曝露から保護してよい。
【0058】
術語「リソグラフィーシステム」は、ここで使用される場合、一般に、光を用いてレチクルの像をウェーハに焼き付ける任意のリソグラフィーシステムを指す。リソグラフィーシステムは、走査型投影システムまたはステップアンドスキャンシステム(これらは、両方とも、一般に、「スキャナー」またはステップアンドリピートシステムと呼ばれ、「ステッパー」とも呼ばれる)であってよい。リソグラフィーシステムは、この技術分野において既知の任意の露光システム(例えば、Nikon、ASM Lithography、Canon、またはIntegrated Solutions, Inc.から市販されているシステム)を含んでいてよい。術語「リソグラフィーシステム」、「スキャナー」、および「ステッパー」は、ここで、可換的に使用される。
【0059】
術語「真空紫外光」または「VUV光」は、ここで使用される場合、空気、酸素、二酸化炭素、および水分子によって著しく吸収される紫外光を指す。VUV光は、一般に、約190 nm未満の波長を有する光を含んでいる。術語「非真空紫外光」または「非VUV光」は、深紫外光、紫外光、可視光、赤外光、またはその任意の組合せを指す。一般に、術語「非VUV光」は、約190 nmより大きな波長を有する任意の光を指す。また、術語「近真空紫外光」または「近VUV光」は、約193 nm (例えば、約190 nm〜約200 nm)の波長を有する光(これは、雰囲気中で、部分的に透過する)を指すのに使用される。VUV光、非VUV光、および近VUV光は、単色、近単色、多色、または広帯域光であってよい。
【0060】
術語「測定」は、ここで使用される場合、ウェーハ、レチクル、または他の試験体上で行なってよい任意の測定を指す。例えば、測定は、薄膜測定、ウェーハ上の層または形体の横方向の寸法の測定、ウェーハ上の欠陥の検出(すなわち、検査)、およびウェーハ上の欠陥の一つまたはそれ以上の特性の判定を含んでいてよい。また、測定は、ウェーハ、レチクル、または、この技術分野において既知の他の試験体の任意の他の測定を含んでいてよい。
【0061】
術語「参照データ」は、ここで使用される場合、既知の原子濃度を有する一つまたはそれ以上の層を含む参照試験体上で測定されたデータを指す。
【0062】
術語「構造物」は、ここで使用される場合、試験体の層、界面、形体、または領域を指す。
【0063】
術語「第1の」および「第2の」は、ここで使用される場合、順次的または時間的指標と解釈されるべきではない。代わりに、術語「第1の」および「第2の」は、異なるサブシステム、測定、データ等を識別するのに使用される。
【0064】
ここで図面を参照すると、図1〜18は、一定の縮尺で描かれていないことに気づく。特に、図の要素のうちのいくつかの縮尺は、要素の特徴を強調するために、大幅に誇張されている。図1〜18は同じ縮尺で描かれていないことにも気づく。同様に構成されてよい一つ以上の図に示す要素は、同じ参照番号を用いて示されている。
【0065】
図1は、試験体10の測定のために構成されたシステムの一実施形態を示している。システムは、測定中に、その上に試験体10が配設されるステージ12を含んでいる。ステージ12は、真空チャック、静電チャック、または測定中に試験体を定位置に保持するよう構成された任意の他のデバイスであってよい。ステージは、機械的組立体(図示せず)に結合してよい。機械的組立体は、ステージを移動させ、かつ、それにより試験体を移動させて、試験体上の異なる場所で測定を行なうことができるように構成してよい。機械的組立体は、測定中に、試験体を回転させるよう構成してよい。機械的組立体は、試験体を横方向に平行移動させるよう構成してもよい。機械的組立体は、試験体を回転させ、かつ、同時に、平行移動させて、光ビームが、らせん様の経路で試験体の上を走査されるように構成してよい。このような機械的組立体に結合されたステージは、一般に、「rqステージ」と呼ばれてよい。いくつかの実施形態では、走査中に、試験体を回転させ、かつ、平行移動させる速度を変えて、実質的に一定の走査速度を維持してよい。他の実施形態では、機械的組立体は、試験体を2つの横方向、XおよびYに、平行移動させるよう構成してよい。このような機械的組立体に結合されたステージは、一般に、「XYステージ」と呼ばれてよい。このような実施形態では、機械的組立体は、試験体を平行移動させて、光ビームが、スパイラル様の経路で試験体の上を走査されるように構成してよい。機械的組立体は、この技術分野において既知の任意の適当な機械的またはロボット式組立体を含んでいてよい。いくつかの実施形態では、ステージは、エッジハンドリング機構を含んでいてよい。例えば、ステージは、試験体の縁部に接触するよう、および、試験体をステージの上面の上方の離れた距離に支持するよう構成された機械的形体(図示せず)を含んでいてよい。このやり方では、試験体の裏側の相互汚染は、低減され、さらには、防止されてよい。
【0066】
システムは、試験体10の第1の測定を行なうよう構成された第1の光学サブシステムを含んでいる。第1の光学サブシステムは、第1の測定中に、パージされた環境14中に配設されている。一実施形態では、第1の光学サブシステムは、ハウジング16内に配設してよい。ハウジングは、この技術分野において既知の任意の適当なハウジングを含んでいてよく、また、多くの異なるタイプが市販されている。ハウジングは、好ましくは、第1の光学サブシステムに対して十分な空間を与えながら、内部の部位が最小であるよう選択され、あるいは、形成されてよい。このやり方では、ハウジングをパージするのに要する時間は、最小限に抑えられてよい。また、システム内ではあるがハウジング16の外部にある部位は、パージされていない環境である。したがって、他の場合なら、システムの測定チャンバー全体または全体的なハウジングをパージするのに必要とされるであろう時間が、排除される。ハウジング16は、図1において、概ね長方形の形状を有するよう示されているが、ハウジングは、任意の形状(例えば、円筒状または不規則な形状)を有していてよいことを理解されたい。
【0067】
図1に示すように、ハウジングは、開口またはアパーチャ18(ここでは、「ディファレンシャルアパーチャ」と呼ぶ)を含んでおり、第1の光学サブシステムからの光が、試験体に衝突することを可能にし、かつ、試験体から返された光が、第1の光学サブシステムによって収集または検出されることを可能にする。このようなディファレンシャルアパーチャは、第1の光学サブシステムの光が、ハウジングの材料によって吸収される場合、ハウジングに含まれていてよい。別法として、ハウジングには、第1の光学サブシステムの光を、強力に吸収しない、あるいは、別様に変えない材料の比較的小さな切片を取り付けてよい。しかしながら、このような材料は、(特に、以下に述べる第1の光学サブシステムの波長(複数も可)については)比較的高価であり得るため、ハウジング内にディファレンシャルアパーチャを設けることが好ましい場合がある。ディファレンシャルアパーチャは、任意の形状を有していてよいが、その寸法は、できるだけ小さく抑えられ、それにより、ディファレンシャルアパーチャを通ってハウジング内に移行する周囲分子またはガスの量を低減することが好ましい。また、ディファレンシャルアパーチャを通過する周囲分子またはガスの量を低減するため、他の対策を取ってもよい。例えば、ハウジングの下面と試験体との間の距離を、低減または最小化してよい。
【0068】
パージングサブシステム(図1には示していない)を、ハウジングに結合してよい。パージングサブシステムは、乾燥窒素(N2)または別の適当な乾燥不活性ガスをハウジングに流し込んで、乾燥ガスが、ハウジング内の周囲ガスを置換するように構成してよい。パージングサブシステムは、ディファレンシャルアパーチャを通過する周囲分子またはガスの量が低減される流量で、十分な乾燥N2が、ハウジングに流し込まれるよう構成してもよい。また、パージングサブシステムは、実質的に清浄なガスでハウジングをパージするよう構成してよい。例えば、パージングサブシステムは、乾燥不活性ガスがハウジング内に導入される前に、汚染物質が乾燥不活性ガスから濾過されるよう構成された濾過システムを含んでいてよい。このような濾過システムは、この技術分野において既知である。
【0069】
ハウジング16は、第1の光学サブシステムによる測定に先立ってパージしてよく、一方、測定を行なわない時には、ハウジング内の環境は、パージされていない環境、または周囲環境であってよい。別法として、ハウジング16は、パージされたサブシステムによって連続的にパージしてよく、これは、ハウジングをパージする時間が製造プロセスの処理量を低減する場合がある製造等の用途に、適している場合がある。
【0070】
パージングサブシステムは、好ましくは、水、空気、酸素、二酸化炭素、および他の吸収分子(ここでは、集合的に、「無用な分子」と呼ぶ)を実質的に含んでいないパージされた環境を、第1の光学サブシステムに対して与えるよう構成されている。このようなパージングサブシステムは、一般に、この技術分野において既知であり、また、一つの特に適当なパージングサブシステムを、以下に更に記述するが、パージングサブシステムは、任意の適当な市販されているパージングサブシステムを含んでいてよいことを理解されたい。第1の光学サブシステムが動作する波長のうちの少なくともいくつかは、他の場合なら、これらの無用な分子によって実質的に吸収されるであろうことから、パージングサブシステムは、第1の光学サブシステムが配設される環境から、無用な分子を除去することが好ましい。例えば、第1の光学サブシステムは、VUV光の少なくともいくつかの波長を用いて試験体の第1の測定を行なうよう構成してよい。特に、第1の光学サブシステムは、VUV光を、あるいは、非VUV光に加えてVUV光を、用いて、試験体の第1の測定を行なうよう構成してよい。
【0071】
また、上述したように、ハウジングと試験体との間の距離を低減して、あるいは、最小限に抑えて、ディファレンシャルアパーチャを通ってハウジングに流れ込む無用な分子の量を低減してよい。しかしながら、ハウジングと試験体との間の距離を最小限に抑えることは、第1の光学サブシステムの光が、ハウジングの外部で進む距離も低減する。したがって、この距離を最小限に抑えることは、第1の光学サブシステムの光が、周囲環境によりハウジングの外部で経験する吸収の量を、最小化することになる。図1に示す他の要素については、以下で更に詳細に記述する。
【0072】
図2は、第1の光学サブシステムに対してパージされた環境を与えるのに使用してよいパージングサブシステムの一実施形態を示している。このパージングサブシステムは、Koch他によって2002年1月17日に出願された「走査型電子顕微鏡アーキテクチュアおよび関連するマテリアルハンドリングシステム」と題する米国特許出願出願番号10/052,307(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に記述された多重ステージ非接触真空シールと同様である。しかしながら、図2に示す実施形態では、多重ステージ非接触シール20を使用して、パージされた非真空環境を与える。この実施形態では、シール20は、4つの同心の金属リング22、24、26、および28を含んでいる。この実施形態では、リングは、陽極処理アルミニウム(Al2O3)から製作されているが、他の材料(例えば、チタン)を使用することができよう。これらのリングのハウジングへの適切な取り付けは、それらの下面30が、約1ミクロン以内で同一平面上にあることを保証する。
【0073】
パージングステージ20は、4つのパージングステージを有している。ステージ32(外側のステージ)は、乾燥N2または別の乾燥ガスでパージされるが、4つのパージングステージのうち、最も高いレベルで無用な分子を含んでいる。ステージ34は、ステージ32に含まれるものより低いレベルで無用な分子を有するようパージされる。同様に、ステージ36は、ステージ34に含まれるものより低いレベルで無用な分子を有するよう、パージされる。ステージ38(第4の、かつ、最も内側のステージ)は、このステージが、無用な分子を実質的に含んでいないようなレベルまでパージされる。ステージ32、34、36、および38は、それぞれ、別々の組立体44、46、48および50に、個別的に結合してよい。組立体は、ポンプ、管、フィルター、およびステージのそれぞれの内部にパージされた環境を独立的に与えるのに適した他のハードウェアを、含んでいてよい。組立体は、この技術分野において既知の任意の構成を有することができ、また、このようなハードウェアは、これらの用途のために、市販されている。
【0074】
超過圧力ベント40は、シールのセット全体の周りに高圧乾燥ガスのリングを生成する。超過圧力は、湿気が内側のパージングゾーン内に移行するのを防止する。周囲圧力ベント42は、ベント40によって生成された超過圧力と第1のパージングステージ32との間に、周囲空気圧力のリングを生成する。周囲圧力ゾーンは、ベント40から排出された高圧ガスが、パージングゾーンに向かって更に内向きに移行するのを防止する。超過圧力ベント40および周囲圧力ベント42は、それぞれ、別々の組立体52および54に、個別的に結合してよい。これらの組立体は、上述したように構成してよい。
【0075】
この実施形態では、4つのパージングステージが使用されているが、ここで、いかなるものも、本発明を、4つのステージを使用することのみに限定するものとして解釈されるべきではない。各ステージに対してより大きなポンプが必要とされる場合があるが、各ステージ間により大きな圧力差が許容できる場合は、より少ないステージを使用することができよう。同様に、より多くのステージを使用することができようが、機械的複雑さの増大、並びに、重量の増加の関連した欠点を伴う。シールの形状も、この実施形態に限定されない。円形シールは、いくつかの他の形状より、製作するのがより容易で、かつ、試験体(例えば、半導体ウェーハ)の形状にマッチするが、ここで、いかなるものも、シールが円形であることを必要としない。本発明の教示を逸脱することなしに、四角形、長方形、または、さらには、不規則な形状のシールを使用することができよう。シールは、ハウジングおよび(または)パージされた環境中に含まれる光学サブシステムの形状にマッチするように使用してもよい。多重ステージ非接触シール20は、米国特許出願出願番号 10/052,307に記述されているように更に構成してよい。
【0076】
適当なパージングサブシステムの別の例が、Nikoonahad他によって2003年11月19日に出願された「短波長放射を用いてサンプルを測定するための光学システム」と題する米国特許出願出願番号 10/718,126(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に示されている。この特許出願では、ディファレンシャルシール(上述したシールに幾分、類似しているが、真空の代わりにパージを使用することが好ましい)が、光学サブシステムの周りに維持される方法および装置が開示されている。パージされた環境を使用して、光学系の汚染を防止し、かつ(あるいは)、酸素を含んでいる種の、短波長源による曝露による解離と関連した問題を回避する。ここで記述するシステムは、パージングサブシステムを使用して、ツール内の光学サブシステムのうちのいくつかのみに対して、パージされた環境を与えるという点で、Nikoonahad他によって記述された装置とは異なっている。
【0077】
別の実施形態では、第1の光学サブシステムの光学系は、無用な分子を、実質的に低レベルで有するパージされた環境中に配設され、光学系環境と試験体環境との間には、一つまたは少数のディファレンシャルアパーチャのみを有しており、一方、試験体環境も包囲されているが、光学系の周りより、より高いレベルで無用な分子、および、雰囲気より、実質的により低いレベルでこのような分子を有している。例えば、試験体は、第1の光学サブシステムによる第1の測定中に、パージされた環境中に配設してもよい。試験体が配設されるパージされた環境は、第1の光学サブシステムが配設されるパージされた環境とは、異なっていてよい。例えば、図3に示すように、試験体は、パージされた環境56中に配設してよい。パージされた環境56は、組立体58を含むパージングサブシステムによって、与えられてよい。組立体は、上述したように構成してよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、第1の光学サブシステムとは異なり、試験体は、ハウジング内に配設されなくてよい。代わりに、乾燥N2または他の乾燥不活性ガスを、試験体に亘って、特に、試験体と第1の光学サブシステムとの間の部位に、流してよい。試験体が配設されるパージされた環境は、第1の光学サブシステムのパージされた環境より、より高いレベルで無用な分子を有していてよいため、このような構成が適している場合がある。第1の光学サブシステムと試験体との間の距離は、比較的短く、それにより、第1の光学サブシステムの光が吸収される機会がより少なくなるため、試験体のパージされた環境に対するこのような緩い環境条件は、それで十分な場合がある。
【0079】
別の実施形態では、システムは、測定中に、試験体を配設してよい試験体チャンバーを含んでいてよい。試験体チャンバーの一実施形態は、図4および5に示されている。図4の横断上面図に示すように、試験体チャンバーは、ハウジング60を含んでいてよい。ステージ62は、ハウジング60内に配設されている。ステージは、上述したように構成してよい。試験体チャンバーは、開いて、試験体が、試験体チャンバー内に配置されることを可能にするよう構成されている。例えば、図5の横断側面図に示すように、ハウジング60は、ハウジングの側面66に結合されたドア64を含んでいてよい。ドア64は、ハウジング60の側面66の開口68から離れて、降下(または、別様に移動)させてよい。試験体10は、次いで、試験体ハンドラー70によって、開口68を通過させてよい。試験体ハンドラーは、この技術分野において既知の、任意の適当な試験体ハンドラー(例えば、ロボット式ウェーハハンドラーまたは他の機械的または電動式組立体)を含んでいてよい。試験体ハンドラーは、試験体をステージ62に配置してよい。試験体ハンドラーは、次いで、ハウジングの外部に移動させてよく、また、ハウジングのドアは、開口を越えて移動して、それにより、試験体をハウジングで包囲してよい。試験体チャンバーは、次いで、第1の光学サブシステムによる第1の測定の前に、パージしてよい。したがって、簡単なドアが、周囲環境から試験体環境を分離して、かなりの量の空気が、試験体がロードされる時にハウジングに入ることを可能にしてよく、ひとたびドアが閉じられると、これを迅速にパージして、無用な分子を比較的低いレベルまで除去してよい。このような実施形態は、フルロードロックのコスト、空間、および複雑さを回避するが、それでも、比較的低いレベルで試験体の周りに無用な分子を、かつ、更により低いレベルで光学系の周りに無用な分子を維持する。
【0080】
試験体チャンバーは、試験体が試験体チャンバー内に配設されている間に、試験体の測定が行なわれてよいような多数の方法で、構成してよい。一実施形態では、図5に示す試験体チャンバーの上面72は、第1の光学サブシステム、並びに、システムの任意の他の光学サブシステムからの光にとって、光学的に透明な材料から形成されていてよい。このような材料は、波長のうちの少なくともいくつか(例えば、VUV波長)については、比較的高価であり得るため、別の実施形態では、第1の光学サブシステム、並びに、システムの任意の他の光学サブシステムからの光が、通過してよい、開口またはディファレンシャルアパーチャ(図示せず)を、上面72に形成してよい。いくつかのこのような実施形態では、ディファレンシャルアパーチャは、試験体とほぼ同じ横方向の寸法を有していてよい。別法として、ディファレンシャルアパーチャは、試験体の横方向の寸法よりはるかに小さいが、少なくとも第1の光学サブシステムからの光が、開口を通過することを可能にするのに十分な、横方向の寸法を有していてよい。このような実施形態では、ディファレンシャルアパーチャを、第1の光学サブシステムによる試験体の走査と関連して、移動させてよい。例えば、ディファレンシャルアパーチャを、第1の光学サブシステムによる走査に従って移動させる材料のプレートまたは比較的平らなシートに、形成してよい。しかしながら、試験体の周りのパージされた環境中の無用な分子の量は、比較的高い場合があるため、かつ、試験体とほぼ同じ横方向の寸法を有するディファレンシャルアパーチャを、ハウジングの上面に有することは、より簡単な構成を与えるであろうことから、ハウジングに対するこのような構成は、好ましい場合がある。
【0081】
再び図1を参照すると、図1は、第1の光学サブシステムの一実施形態を示している。この実施形態では、第1の光学サブシステムは、エリプソメーターとして構成されている。エリプソメーターは、光源74を含んでいる。各種の異なる光源を使用して、第1の光学サブシステムのためのVUV波長を発生することができる。一つの好適な実施形態では、重水素(D2)ランプが使用される。一般に、ランプは、このような波長をよく透過する材料(例えば、弗化マグネシウム(MgF2))からなる窓を有することになる。多角度のエリプソメーターまたはビームプロファイル反射率計を含むエリプソメーターまたは反射率計構成で使用するための狭帯域光源として、エキシマーまたは高輝度ガス放電ランプ(例えば、Wieser他に対する米国特許第6,052,401号、Wieser他に対する6,282,222号、および、Salvermoser他に対する6,400,089号(これらは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に記述されたもの)を、使用することができよう。フラッシュランプ(キセノンまたは他のガスで満たした)またはキセノンアークランプも、VUV波長の光を発生することができる。
【0082】
光源74は、単色または近単色光源であってよい。例えば、第1の光学サブシステムは、約157 nmの波長または別のVUV波長を有する光を発生するよう構成されたエキシマー光源を含んでいてよい。このような実施形態では、エリプソメーターは、単一波長のエリプソメーターとして機能してよい。別法として、光源74は、多色または広帯域光源であってよい。例えば、第1の光学サブシステムは、VUV波長を有する光を発生するよう構成されたフラッシュランプを含んでいてよい。この実施形態では、エリプソメーターは、分光エリプソメーターとして機能してよい。
【0083】
光源74からの光は、偏光子76に向けられる。一実施形態では、偏光子は、ロションプリズムであってよい。いくつかの実施形態では、偏光子が回転して、エリプソメーターが、回転偏光子型エリプソメーター(RPE)として構成されるようにしてよい。偏光子を通過する光は、試験体10に向けられる。
【0084】
試験体から反射された光は、分析器78によって収集される。分析器78は、この技術分野において既知の任意の偏光素子を含んでいてよい。RPE構成では、分析器の位置は固定されている。しかしながら、いくつかの実施形態では、偏光子76および分析器78の両方が、回転してよい。回転偏光子および回転分析器を含むエリプソメーターシステムの一例が、Wang他による国際公開番号 WO 00/65331(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に開示されている。分光エリプソメーター構成では、第1の光学サブシステムは、分光計80および検出器82を含んでいてよい。分光計または別の分散素子は、異なる波長を有するビーム成分を分離するよう構成してよい。ビームの分離した成分は、検出器のアレイの個々の素子によって検出されてよい。非分光エリプソメーター構成では、第1の光学サブシステムは、検出器82を含んでいてよいが、分光計80は含まない。検出器82は、この技術分野において既知の任意の適当な検出器を含んでいてよい。
【0085】
検出器82は、ハウジング16内に含まれるパージされた環境中に設置されるよう示されているが、検出器および任意の関連した電子機器は、別法として、ハウジング16の外部に、かつ、したがって、第1の光学サブシステムのためのパージされた環境の外部に、設置してよいことを理解されたい。このような実施形態では、第2のディファレンシャルアパーチャ(図示せず)を、ハウジング内に形成してよい。分光計からの光は、追加のディファレンシャルアパーチャを通して、検出器の感光素子に向けられてよい。検出器および任意の関連した電子機器を、ハウジング16内のパージされた環境の外部に配置することは、ハウジング内の部位が低減され、それにより、パージされた環境を生成するのに要する時間、および、パージされた環境を生成し、かつ、維持するコストが、低減されることを可能にしてよい。
【0086】
図1には、一つの特定のエリプソメーターの構成が示されているが、エリプソメーターは、この技術分野において既知の任意の構成を有していてよいことを理解されたい。例えば、第1の光学サブシステムは、回転補償子型エリプソメーター(RCE)(これは、この技術分野において既知である)またはビームプロファイルエリプソメーター(これは、ここで更に記述する)として構成してよい。また、エリプソメーターは、可変角度エリプソメーターとして構成してよい。エリプソメーターの構成の更なる例が、Janik他による「膜分析ツールのためのレーザーベースの清浄化デバイス」と題する米国特許出願出願番号 10/056,271、およびSpanier他に対する米国特許第5,166,752号、Piwonka-Corle他に対する第5,608,526号、Piwonka-Corle他に対する第5,910,842号、および、Opsal他に対する第6,515,746号(これらの全ては、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に示されている。このようなシステムは、VUV波長での使用に適するよう構成された場合、ここで記述するパージング構成から利益を得ることもできる。
【0087】
一実施形態では、光学系およびディファレンシャルアパーチャの周りのパージされた環境を使用して、雰囲気中で部分的に透過可能な(かつ、したがって、厳密には、VUVと呼ぶことができない)波長(例えば、193 nm)または近VUV波長で行われる測定に対して、信号レベルを改善してよい。193 nm付近の波長の光はある程度吸収されるため、光路の全部または一部をパージすることによって、これらの波長における信号レベルの有用な改善を得ることができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、第1の光学サブシステムは、VUV光および非VUV光を用いて試験体の第1の測定を行なうよう構成してもよい。このやり方では、単一のパージされた測定光路を、VUVおよびより長い波長の両方に使用することができる。このような光学サブシステムは、VUV光および非VUV光の両方を与えるよう構成された一つの光源を含んでいてよい。このような光源の一例は、キセノンアークランプである。別法として、第1の光学サブシステムは、2つの光源(VUV光を与える一つの光源、および非VUV光を与える別の光源)を含んでいてよい。図6は、第1の光学サブシステムの一つのこのような実施形態を示している。この図は、第1の光学サブシステムのみを示しているが、第1の光学サブシステムのこの実施形態は、ここで記述するシステムのうちの任意のものに組み込んでよいことを理解されたい。図6に示すように、第1の光学サブシステムは、光源74および光源83aを含んでいる。光源74は、VUV光を与えるよう構成してよい。光源83aは、非VUV光を与えるよう構成してよい。このような実施形態では、光源74は、上述した光源のうちの任意のものを含んでいてよく、また、光源83aは、白色光源、レーザー光源、または任意の他の非VUV光源を含んでいてよい。
【0089】
VUV光および非VUV光は、ダイクロイックミラー83bまたは別の適当な光学部品によって、単一のビームに結合されてよい。したがって、VUV光および非VUV光は、同じ入射角で試験体10に同時に向けられてよい。別法として、第1の光学サブシステムは、VUV光および非VUV光を、異なる入射角で試験体に向けるよう構成してよい。例えば、光源のそれぞれを、異なる集束光学系、および(または)、光を試験体に向けるよう構成された他の光学部品に、結合してよい。光源、集束光学系、および他の光学部品は、異なる光源からの光が、異なる個別の入射角で試験体に向けられてよいよう配置されてよい。
【0090】
このような実施形態は、光路内に移動して、試験体のVUV放射への曝露を制限するフィルター(複数も可)を含んでいてよい。一つのこのような実施形態では、第1の光学サブシステムは、図1に示すように、一つまたはそれ以上のフィルター84を含んでいてよい。図1において、フィルター(複数も可)84は、偏光子と試験体との間に設置されるよう示されているが、フィルター(複数も可)は、光源と試験体との間の光路の任意の場所に配設してよいことを理解されたい。一つまたはそれ以上のフィルターは、非VUV光を用いた測定中に、かなりの量のVUV光が試験体に到達するのを防止するよう構成してよい。試験体が、特定の測定に必要とされる波長のみに曝露され、かつ、必要とされるものより、実質的により短い波長には曝露されないよう、それぞれが、連続的により短い遮断波長(例えば、400 nm、300 nmおよび190 nm)を有する、選択されたフィルターを使用することができよう。一つまたはそれ以上のフィルターは、この技術分野において既知の任意の適当なフィルター(複数も可)(例えば、帯域フィルター(複数も可)、エッジフィルター(複数も可)、ノッチフィルター(複数も可)、またはその組合せ)を含んでいてよい。
【0091】
また、第1の光学サブシステムは、多重測定サブシステムとして機能するよう構成してよい。例えば、第1の光学サブシステムは、分光エリプソメーター、並びに、単一波長のエリプソメーターとして構成してよい。一つのこのような実施形態では、第1の光学サブシステムは、分光エリプソメーターに対して光を与えるよう構成された広帯域光源を含んでいてよい。一例では、分光エリプソメーターは、VUV光を発生するよう構成されたフラッシュランプを含んでいてよい。また、第1の光学サブシステムは、単一波長のエリプソメーターに対して光を与えるよう構成された単色または近単色光源を含んでいてよい。一つの特定の実施形態では、単一波長のエリプソメーターは、約157 nmの波長を有する光を発生するよう構成されたエキシマー光源を含んでいてよい。このような光学サブシステムは、図6で説明され、かつ、示されているように、更に構成してよい。別法として、第1の光学サブシステムは、広帯域光源、および広帯域光源に結合された一つまたはそれ以上のフィルターを含んでいてよい。フィルター(複数も可)は、分光エリプソメーターとしての第1の光学サブシステムの動作中に、光路の外部に移動して、多数の波長が試験体に向けられるようにしてよい。フィルター(複数も可)は、単一波長のエリプソメーターとしての第1の光学サブシステムの動作中に、光路内に移動してよい。このような第1の光学サブシステムは、図1で説明され、かつ、示されているように、更に構成してよい。
【0092】
第1の光学サブシステムは、反射または透過型集束光学系および反射または透過型収集光学系も含んでいてよい。例えば、図7〜9は、第1の光学サブシステムの3つの異なる実施形態を示している。これらの図は、第1の光学サブシステムのみを示しているが、第1の光学サブシステムのこれらの実施形態は、ここで記述するシステムのうちの任意のものに組み込んでよいことを理解されたい。図7に示すように、第1の光学サブシステムは、光源74および偏光子76(これは、上述したように構成してよい)を含んでいる。第1の光学サブシステムは、偏光子からの光を試験体10に集束するよう構成された反射型集束光学系86も含んでいる。第1の光学サブシステムは、オプションとして、上述したように構成された一つまたはそれ以上のフィルター84を含んでいてよい。一つまたはそれ以上のフィルターは、反射型集束光学系86と試験体10との間の光路に配置されるように示されているが、一つまたはそれ以上のフィルターは、別法として、光源74と試験体10との間の任意の場所に配置してよいことを理解されたい。
【0093】
第1の光学サブシステムのこの実施形態は、反射型収集光学系88も含んでいる。反射型収集光学系88は、試験体10からの光を収集し、かつ、収集された光を偏光子78(これは、上述したように構成してよい)に集束するよう構成してよい。第1の光学サブシステムは、分光計80(これは、上述したように構成してよい)も含んでいてよい。また、第1の光学サブシステムは、検出器82(これは、上述したように構成してよい)を含んでいる。
【0094】
反射型集束光学系86および反射型収集光学系88は、この技術分野において既知の任意の集束鏡を含んでいてよい。反射型集束光学系および反射型収集光学系は、第1の光学サブシステムのVUV波長に特に適している場合がある。例えば、反射型光学系は、透過型光学系より、VUV光における収差が有意により少ない場合がある。また、反射型光学系は、VUV光に適した透過型光学系より、より安価である場合がある。
【0095】
しかしながら、透過型光学系は、第1の光学サブシステムに含まれていてよい。図8および9は、2つのこのような実施形態を示している。例えば、図8に示す第1の光学サブシステムの実施形態は、反射型集束光学系86の代わりに、透過型集束光学系90が使用されることを除いて、図7に示すものと同様である。透過型集束光学系90に適した光学部品の例としては、球面レンズ、別のタイプのレンズ、またはレンズの組合せ(これらは、それぞれ、弗化カルシウム(CaF2)からなっていてよい)が挙げられる。図8に示すように、オプションの一つまたはそれ以上のフィルター84を、偏光子76と透過型集束光学系90との間の光路に配設してよい。別法として、オプションの一つまたはそれ以上のフィルター84を、光源74と試験体10との間の任意の場所に配設してよい。図8に示す実施形態は、反射型収集光学系88(これは、上述したように構成してよい)も含んでいる。別法では、図9に示す第1の光学サブシステムの実施形態は、反射型収集光学系88の代わりに、透過型収集光学系92が使用されることを除いて、図7に示すものと同様である。透過型収集光学系92は、球面レンズ、別のタイプのレンズ、またはレンズの組合せ(これらは、それぞれ、CaF2からなっていてよい)を含んでいてよい。図9に更に示すように、第1の光学サブシステムは、反射型集束光学系86(これは、上述したように構成してよい)を含んでいてよい。いくつかの実施形態では、第1の光学サブシステムは、図8に示すような透過型集束光学系および図9に示すような透過型収集光学系を含んでいてよい。
【0096】
VUV光学サブシステムでは、光は、鏡からの反射、レンズを介した透過、および中空光ファイバーを介した伝達を含む、該当する波長に適した任意の手段によって、光源から測定場所に伝達することができる。ここで更に記述するように、平面鏡またはファイバーの使用は、光源を移動させなくても、測定ヘッドが、試験体に対して移動することを可能にすることができる。
【0097】
一実施形態では、第1の光学サブシステムは、一つまたはそれ以上の中空光ファイバーを含んでいてよい。中空光ファイバーは、ここで、光ファイバーの光コア内に少なくともある程度の空隙を有する光ファイバーとして、定義される。VUV光は、従来の光ファイバーの中実の光コアによって、実質的に吸収される場合があるため、中空光ファイバーは、第1の光学サブシステムのVUV光の伝達にとって特に有利であってよい。中空光ファイバーは、Bell Labs、Corning、およびカリフォルニア大学リバーサイド校を含むが、それらに限定されない多数の会社および組織によって、開発されている。
【0098】
図10に示す一実施形態では、第1の光学サブシステムは、中空光ファイバー94を含んでいてよい。中空光ファイバー94は、光源74からの光を、第1の光学サブシステムの光学部品に向けるよう構成されている。例えば、中空光ファイバー94は、光源74からの光を、偏光子76に向けるよう構成してよい。第1の光学サブシステムは、この実施形態において、図7に示すものと同様の構成を有するよう示されている。しかしながら、中空光ファイバーを使用して、光源からの光を、ここで記述する第1の光学サブシステムの任意の他の実施形態の偏光子または別の光学部品に伝達してよい。いくつかの実施形態では、第1の光学サブシステムは、追加の中空光ファイバー(図示せず)も含んでいてよい。追加の中空光ファイバーは、分析器、分光計または別の光学部品からの光を、検出器に伝達するよう構成してよい。
【0099】
いくつかの実施形態では、システムは、試験体に対して、第1の光学サブシステムの光学部品を移動させて、試験体上の異なる場所で第1の測定を行なうよう構成してよい。しかしながら、光源は、光学部品の移動中、実質的に静止していてよい。例えば、図10と図11との比較で示したように、システムは、試験体10に対して、偏光子76、反射型集束光学系86、一つまたはそれ以上のフィルター84、反射型収集光学系88、分析器78、分光計80、および検出器82を移動させて、試験体上の異なる場所が、第1の光学サブシステムによって測定されるように構成してよい。しかしながら、これらの光学部品の移動または異なる位置にも関わらず、光源74を、その元の位置から移動させなくてよい。代わりに、中空光ファイバー94は、十分に柔軟であってよく、かつ、十分な長さを有して、中空光ファイバーが、偏光子のある範囲の位置を越えて、光源から偏光子まで伸びることができるようにしてよい。
【0100】
このような光源を移動させることは、コストが掛かり、かつ、複雑である場合があるため、このような実施形態は、比較的大きな、あるいは、繊細な光源(例えば、エキシマー光源)には、特に有利である場合がある。また、このような実施形態では、光源は、ハウジング16内のパージされた環境の外部に配設してよい。ハウジングのディファレンシャルアパーチャは、中空光ファイバーが、ハウジングの外部の光源から、ハウジングの内部の光学部品(例えば、偏光子76)まで伸びることを可能にしてよい。このような実施形態は、光源をハウジングの外部に移動させることによって、ハウジング内の部位が低減され、それにより、パージされた環境の部位が低減される場合があるため、特に有利である場合がある。同様のやり方で、第1の光学サブシステムの光学部品からの光を検出器に伝達する適当な中空光ファイバーは、光学部品の移動中、検出器が、実質的に静止した位置を有することを可能にしてよい。このような構成は、ハウジング16の内部またはハウジング16の外部に設置された検出器に、適している場合がある。図10および11は、第1の光学サブシステムのみを示しているが、第1の光学サブシステムのこれらの実施形態は、ここで記述するシステムのうちの任意のものに組み込んでよいことを理解されたい。
【0101】
別の実施形態では、第1の光学サブシステムは、平面鏡を含んでいてよい。一つのこのような実施形態は、図12に示されている。この実施形態では、光源74からの光は、平面鏡96に向けられる。いくつかの実施形態では、光は、中空光ファイバー(図示せず)によって、光源から平面鏡に向けられてよい。平面鏡96は、光源からの光を、第1の光学サブシステムの光学部品(例えば、偏光子76)に向ける。平面鏡は、平面鏡の位置を変えて、光が平面鏡から反射される角度を変えるよう構成された、機械的組立体または他の機構(図示せず)に結合してよい。例えば、平面鏡の位置は、図12のベクトルで示したように、二方向的に変えてよい。
【0102】
この実施形態では、光源の位置は、実質的に静止していてよい。また、平面鏡の位置は、光源に対して横方向に固定されていてよい。光学部品を、上述したように移動させて、試験体上の異なる場所で測定を行なってよい。光源とこれらの光学部品との間の異なる位置を補うためには、平面鏡の位置(およびオプションとして、一つまたはそれ以上の光学部品(例えば、偏光子76)の位置)を変えて、光学部品の位置に関わらず、光源からの光が、適当な角度で適当な光学部品に向けられるようにしてよい。第1の光学サブシステムは、図12において、一つの平面鏡のみを含むよう示されているが、第1の光学サブシステムは、一つ以上の平面鏡(図示せず)(これらは、それぞれ、光源からの光を各種の角度で反射して、光学部品の移動を補うよう構成してよい)を含んでいてよいことを理解されたい。図12は、第1の光学サブシステムのみを示しているが、第1の光学サブシステムのこの実施形態は、ここで記述するシステムのうちの任意のものに組み込んでよいことを理解されたい。
【0103】
再び図1を参照すると、図1に示すシステムは、第2の光学サブシステムも含んでいる。第2の光学サブシステムは、試験体の第2の測定を行なうよう構成されている。第2の光学サブシステムは、第2の測定中に、パージされていない環境(すなわち、周囲環境、あるいは、相当な数の無用な分子を含んでいる環境)中に配設されている。例えば、図1に示すように、第2の光学サブシステムは、ハウジング16(これは、第1の光学サブシステムのためのパージされた環境を含んでいる)の外部に配設される。また、第2の光学サブシステムは、システムの測定チャンバーまたは全体的なハウジング(図示せず)内に配設されているが、測定チャンバーまたは全体的なハウジングは、パージされない。第2の光学サブシステムは、非VUV光を用いて第2の測定を行なうよう構成されているため、第2の光学サブシステムは、パージされていない環境中に配設してよい。
【0104】
図1に示す実施形態では、第2の光学サブシステムは、反射率計として構成されている。例えば、第2の光学サブシステムは、光源98を含んでいる。光源98は、単色または近単色光源であってよい。この実施形態では、反射率計は、単一波長の反射率計として構成してよい。適当な単色光源の一例は、単一波長のレーザー光源である。別の実施形態では、光源は、多色光源または広帯域光源であってよい。このような実施形態では、反射率計は、分光反射率計として構成してよい。適当な広帯域光源の一例は、可視および紫外光を含む光ビームを放出するよう構成されたキセノンアークランプである。
【0105】
第2の光学サブシステムは、ビームスプリッター100も含んでいる。ビームスプリッターは、光源98から放出された光を試験体10に向けるよう構成されている。ビームスプリッターは、光の連続広帯域スペクトルを発生することができるビームスプリッターミラーであってよい。第2の光学サブシステムは、レンズ102(これは、ビームスプリッター100から伝搬する光を、試験体10に集束するよう構成されている)を更に含んでいる。試験体から返された光は、レンズ102およびビームスプリッター100を通過して、回折格子104に到達してよい。回折格子は、試験体から返された光を分散するよう構成してよい。分散された光は、分光計(例えば、検出器アレイ106)に向けられてよい。検出器アレイは、直線フォトダイオードアレイを含んでいてよい。光は、それが分光計に入る際、回折格子によって分散されて、結果として得られたサンプルビームの一次回折ビームが、直線フォトダイオードアレイによって収集されるようにしてよい。
【0106】
図1には、反射率計の一つの特定の構成が示されているが、第2の光学サブシステムは、この技術分野において既知の任意の反射率計構成を有していてよいことを理解されたい。分光反射率計の追加の例が、Gold他に対する米国特許第4,999,014号およびNortonに対する第5,747,813号(これらは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に示されている。第2の光学サブシステムは、ビームプロファイル反射率計として構成してもよい。このような構成は、ここで、以下に更に記述されている。
【0107】
したがって、複数の光学サブシステムを、単一のツールまたはシステムにおいて、組み合わせて使用してよい。しかしながら、これらの光学サブシステムのうちのいくつか(例えば、第1の光学サブシステム)のみが、パージされた環境中に維持される。パージされた環境は、ディファレンシャルシール(例えば、Nikoonahad他によって記述されたもの)で生成することができる。パージされた状態に維持される光学サブシステムは、好ましくは、短波長(例えば、VUV波長)を有する照明源を使用するものである。
【0108】
図1に示すシステムは、エリプソメーターとして構成された第1の光学サブシステムおよび反射率計として構成された第2の光学サブシステムを含んでいる。エリプソメーターは、パージされた環境中に配設して、エリプソメーターが、VUV波長で動作することができるようにしてよく、一方、反射率計は、雰囲気中にあり、かつ、約190 nmより長い波長に限定される。Nikoonahad他に対する米国特許第6,633,831号(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に記述された多くの各種の構成、および(または)、KLA-Tencor、Therma-Wave、およびRudolph Technologyからの市販されているツールに存在するサブシステムのそれらの組合せに対して、同様の構成を想定できよう。
【0109】
しかしながら、システムは、光学サブシステムの他の組合せを含んでいてよい。例えば、一実施形態では、第1の光学サブシステムは、反射率計として構成してよく、かつ、第2の光学サブシステムは、エリプソメーターとして構成してよい。このような構成は、システム(例えば、KLA-Tencorから市販されているF5システム)には望ましい場合があり、これは、Piwonka-Corle他に対する米国特許第5,608,526号(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に記述されている。特に、エリプソメーターより、より短い波長の反射率計を有していることが望ましい場合がある。したがって、反射率計のみの周りにパージされた環境を維持し、一方、エリプソメーターが、酸素を含んでいる雰囲気に曝露されることを可能にすることが望ましい場合がある。
【0110】
別の例では、上に参照した ’752特許は、多角度のエリプソメーターを記述している。ほとんどのレーザーの輝度および安定性のため、このようなエリプソメーターのための光源として、一つまたはそれ以上のレーザーを使用することが便利である。VUV波長で動作するレーザーは高価であるため、一つの好適な実施形態では、雰囲気中で動作する一つまたはそれ以上の可視または近赤外レーザー(例えば、ガスまたはダイオードレーザー)を有する多角度のエリプソメーターを、VUV源を使用する反射率計(例えば、D2ランプ)と組み合わせてよい。反射率計は、ディファレンシャルアパーチャを利用して、不活性ガスでパージされる。
【0111】
別の実施形態では、第1の光学サブシステムは、エリプソメーター、反射率計、または別の薄膜測定光学サブシステムとして構成してよく、かつ、第1または第2の光学サブシステムは、スキャタロメーターとして構成してよい。分光エリプソメーターおよび分光スキャタロメーターの両方として構成してよい光学サブシステムの一例が、Xu他に対する国際公開番号 WO 99/45340(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に示されている。このような光学サブシステムは、ここで記述するように、VUV光および非VUV光の両方を用いて試験体の測定を行なうよう構成してよい。スキャタロメーターは、この技術分野において既知の任意の他の構成を有していてもよい。
【0112】
光学サブシステムを使用して、膜特性および限界寸法(CD)および他の形状パラメータを測定することができよう。膜特性を判定するためには、CDおよび他の形状特性を判定するための波長帯とは異なる波長帯を使用してよい。例えば、光学的特性の測定には、VUV内まで伸びる波長を使用するが、CD測定には、近UVおよびより長い波長のみを使用することが有利である場合がある。このような実施形態では、第1の光学サブシステムは、VUV光を用いて薄膜測定を行なうよう構成してよい。また、第1または第2の光学サブシステムは、非VUV光を用いて光波散乱計測を行なうよう構成してよい。微細構造物を伴う他の場合には、CD測定には、VUV波長を使用することが有利である場合があるが、膜厚および光学的特性の判定には、近UVおよび(または)より長い波長の測定で足りる場合がある。
【0113】
更に別の実施形態では、第1の光学サブシステムは、分光エリプソメーターまたは分光反射率計として構成してよく、かつ、第2の光学サブシステムは、単一波長の光学サブシステムとして構成してよい。更なる実施形態では、第1の光学サブシステムは、デュアルビーム分光光度計(その一つの構成を、以下で更に記述する)として構成してよく、かつ、第2の光学サブシステムは、異なる光学サブシステムとして構成してよい。これらの実施形態のそれぞれでは、第1の光学サブシステムは、パージされた環境中に配設してよく、かつ、第2の光学サブシステムは、パージされていない環境中に配設してよい。また、第1の光学サブシステムは、VUV波長で測定を行なうよう構成してよく、かつ、第2の光学サブシステムは、非VUV波長で測定を行なうよう構成してよい。
【0114】
更なる実施形態では、上に参照した ’746特許は、最大5つの異なる測定技術を組み込んでよい測定システムを記述している(例えば、’746特許の図1を参照)。これらの測定技術のうちの3つ(単一波長または「絶対」エリプソメーター、ビームプロファイル反射率計、およびビームプロファイルエリプソメーター)は、雰囲気を透過する波長で動作するレーザー光源を使用する。他の2つの測定技術(広帯域反射率計および分光エリプソメーター)は、広帯域光源(例えば、D2ランプと石英ハロゲンまたはキセノンアークランプとの組合せ)を使用する。一つの好適な実施形態では、システムを変えて、それらの広帯域測定技術の一方または両方が、VUV波長で動作し、少なくとも一つのディファレンシャルアパーチャによって雰囲気から分離された不活性ガス環境に含まれ、かつ、その光路の少なくとも一部が雰囲気中にある、少なくとも一つの他の測定技術と組み合わされるようにしてよい。一つのこのような実施形態は、図16(これは、以下でより詳細に説明する)に示されている。
【0115】
図1に示すシステム(および、ここで記述する他のシステム実施形態)は、プロセッサ108も含んでいてよい。プロセッサ108は、点線で示した伝送媒体によって、第1の光学サブシステムおよび第2の光学サブシステムの両方に結合されている。伝送媒体は、ワイヤー(複数も可)、ケーブル(複数も可)、無線伝送路(複数も可)、ネットワーク(複数も可)、またはその組合せを含んでいてよい。伝送媒体は、「有線」および「無線」部分も含んでいてよい。プロセッサ108は、第1の光学サブシステムおよび第2の光学サブシステムに、直接的に結合される(例えば、第2の光学サブシステムの検出器アレイ106に、直接的に結合される)よう示されているが、プロセッサは、一つまたはそれ以上の中間部品(例えば、電子機器またはローカルプロセッサ)を介して、第1および(または)第2の光学サブシステムに、間接的に結合されてよいことを理解されたい。
【0116】
プロセッサ108は、第1および第2の光学サブシステムによって生成されたデータについて、一つまたはそれ以上の機能を行なってよい。多重測定技術を含む一実施形態では、一つの測定技術を使用して、他の測定技術を校正してよい。参照測定学の技術を使用して、パージされた環境で、あるいは、VUV波長で、動作するものを含む他の技術を校正する。例えば、システムは、第2の光学サブシステムによって生成されたデータで第1の光学サブシステムを校正するよう構成してよい。プロセッサ108は、その校正の少なくとも一部を行なってよい。システムが、第2の光学サブシステムによって生成されたデータで第1の光学サブシステムを校正するよう構成されている場合、第2の光学サブシステムは、実質的に正確かつ安定なサブシステムであることが好ましい。例えば、一つのこのような実施形態では、第2の光学サブシステムは、単一波長のエリプソメーターとして構成してよい。別法の実施形態では、第2の光学サブシステムは、ビームプロファイル反射率計として構成してよい。このような第2の光学サブシステムは、レーザー光源(これは、レーザーの安定性のため、校正に有利である)を含んでいてよい。
【0117】
追加の実施形態では、プロセッサは、第1の光学サブシステムによって生成されたデータを使用して、試験体の一つまたはそれ以上の特性を判定するよう構成してよい。例えば、検出器アレイの素子における光の強度は、この技術分野において既知の数学的方程式によって、プロセッサによって、偏光解析パラメータyおよびDに、変換されてよい。偏光解析パラメータは、一般に、tan yおよびcos Dとして示されてよい。tan yは、サンプルの反射率のsおよびp成分の複合比の振幅であり、また、Dは、サンプルの反射率のsおよびp成分の複合比の位相である。術語「s成分」は、反射ビームの入射面に対して直角に電界を有する、偏光した放射の成分を記述するのに使用される。術語「p成分」は、反射ビームの入射面内に電界を有する、偏光した放射の成分を記述するのに使用される。極薄膜に対しては、tan yは、厚さとは無関係であってよく、かつ、Dは、厚さに直線的に比例していてよい。
【0118】
プロセッサに一体化されたソフトウェアは、数学的または光学的モデルを用いて、偏光解析パラメータyおよびDを、試験体の光学的特性に変換するよう構成してよい。一般に、データ適合計算(例えば、最小二乗適合技法)を高速に行なうよう操作可能なソフトウェアパッケージを有するパーソナルコンピュータは、この用途に適している場合がある。yおよびD を含む偏光解析パラメータは、広範囲の波長スペクトルに亘って、小さな増分で、かつ、いくつかの角度で、判定してよいため、計算には数百のデータポイントが含まれていてよい。このような大量のデータを処理することができる、分光エリプソメーターと共に使用するように構成されたいくつかのソフトウェアパッケージが、市販されている。
【0119】
偏光解析データを分析するのに使用してよい、いくつかの光学モデルがある。このようなモデルの例としては、コーシーモデル、調波発振器モデル、および多項級数展開モデル等が挙げられるが、それらに限定されない。試験体の特徴、試験体の所望の光学的特性、およびモデルと関連した計算の困難さに基づいて、適当なモデルを選んでよい。例えば、コーシーモデルは、比較的単純な数学的モデルである。しかしながら、コーシーモデルは、試験体が吸収を示す波長には有効でない場合がある。追加的に、適当な光学モデル、または光学モデルの組合せを用いることによって、試験体のいくつかの層の光学的特性を、同時に判定してもよい。したがって、分光偏光解析を用いて試験体を分析する場合は、一つまたはそれ以上の光学モデルが、他のモデルより、分析により適している場合がある。
【0120】
試験体の層、試験体の層の一部、または試験体のいくつかの層について、厚さ、屈折率、および消衰係数(これは、一般に、「薄膜測定」と呼ばれる)を、光学モデルを用いて、偏光解析パラメータから判定してよい。屈折率「n」は、光が媒体を通過する際の光の速度に関連しており、かつ、光の波長に依存している。消衰係数「k」も波長に依存しており、かつ、媒体による光の吸収に関連する。消衰係数を使用して、与えられた波長に対する吸収係数を判定してもよい。材料の偏光解析パラメータおよび光学的特性に関する更なる考察が、Forouhi他に対する米国特許第4,905,170号(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に示されている。
【0121】
別の実施形態では、プロセッサは、第2の光学サブシステムによって生成されたデータを使用して、試験体の一つまたはそれ以上の特性を判定するよう構成してよい。例えば、検出器アレイ106のフォトダイオードアレイは、試験体の表面から返された光の反射率スペクトルを測定してよい。各波長における反射率スペクトルの返された光の強度を、各波長における相対参照強度で割ることによって、相対反射率スペクトルを得てよい。相対反射率スペクトルを使用して、試験体上の各種の膜の厚さを判定してよい。また、相対反射率スペクトルから、単一の波長における反射率および膜の屈折率も、判定してよい。さらに、モード展開によるモデル化法(model method by modal expansion)(MMME)モデルを使用して、各種の反射率スペクトルのライブラリを生成してよい。MMMEモデルは、母数空間の各格子から理論上の回折光の「指紋」を計算するのに使用してよい厳密な回折モデルである。しかしながら、厳密結合波解析(rigorous coupling waveguide analysis)(RCWA)モデルを含むが、それに限定されない別のモデルを使用して、理論上の回折光を計算してもよい。測定された反射率スペクトルは、ライブラリ内の各種の反射率スペクトルに適合させてよい。適合させたデータを使用して、試験体上の形体の限界寸法(例えば、横方向の寸法、高さ、および(または)側壁角度)を判定してもよい。プロセッサ108は、上記の計算の全てを行なうよう構成してよい。モデル化技法の例が、Xu他に対する国際出願番号 WO 99/45340(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に示されている。
【0122】
更なる実施形態では、光学サブシステムのうちの一つが、スキャタロメーター(例えば、単一波長のスキャタロメーターまたは分光スキャタロメーター)として構成されており、プロセッサは、スキャタロメーターからのデータを使用して、試験体の一つまたはそれ以上の特性を判定するよう構成してよい。特性は、試験体上の形体の限界寸法、高さ、および(または)側壁角度を含んでいてよい。どのようにして、このような特性を、光波散乱計測データから判定することができるかの例が、Xu他に対する国際公開番号WO 99/45340およびWeber-Grabau他に対する米国特許出願出願番号 09/927,102(これらは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に示されている。別法として、あるいは、加えて、特性は、試験体のオーバーレイ測定を含んでいてよい。オーバーレイは、一般に、ウェーハの別のレベル上の形体の横方向の位置に対する、ウェーハの一つのレベル上の形体の横方向の位置を指す。どのようにして、オーバーレイを、光波散乱計測データから判定することができるかの例が、Weber-Grabau他に対する米国特許出願出願番号 09/927,102およびBrill他に対する国際公開番号 WO 02/25723(これらは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に示されている。
【0123】
測定システムが、一つ以上の測定技術を組み込んでおり、かつ、それらの技術のうちの少なくとも一つが、VUV波長で動作する任意の状況では、いずれかの波長帯だけによって得ることができるものより、よりよい測定結果を得るためには、一つまたはそれ以上のVUV波長で行われる測定を、一つまたはそれ以上の非VUV波長で行われる測定と組み合わせることが、有利な場合がある。一実施形態では、システムは、第1および第2の光学サブシステムによって生成されたデータを組み合わせて使用して、試験体の一つまたはそれ以上の特性を判定するよう構成してよい。判定は、プロセッサによって行なってよい。例えば、プロセッサは、試験体の分析のためのコンピュータに実装された方法を行なうよう構成してよい。この方法は、第1のデータを第2のデータと組み合わせて使用して、試験体の一つまたはそれ以上の特性を判定することを含んでいる。第1のデータは、VUV波長で測定され、かつ、第2のデータは、非VUV波長で測定される。例えば、第1のデータは、第1の光学サブシステム(これは、システム内のパージされた環境中に配設されている)で測定してよい。第2のデータは、第2の光学サブシステムで測定してよい。第1および第2の光学サブシステムは、ここで記述するような単一のシステム内に配設してよく、かつ、第2の光学サブシステムは、システム内のパージされていない環境中に配設してよい。別法として、第1および第2のデータは、第1の光学サブシステム(これは、システム内のパージされた環境中に配設されている)で測定してよい。
【0124】
全ての測定を、適当な相対的重み付けと共に制約条件として非線形回帰で用いること、あるいは、一つの測定技術からの一つの波長帯を用いて、まず、一つのパラメータ(例えば、厚さ)を判定し、次いで、別の測定技術からの別の波長帯を用いて、別のパラメータ(複数も可)(例えば、屈折率)を判定すること、を含む、このような組合せを行なう多くの方法がある。また、遺伝的アルゴリズムを使用して、多重測定サブシステムからの結果を組み合わせることができる。多くの異なるアルゴリズムを、個別的に、または、組み合わせて、使用して、データから結果を抽出することができる。一実施形態では、一つまたはそれ以上の特性は、一つまたはそれ以上のアルゴリズムを用いて判定してよい。一つまたはそれ以上のアルゴリズムは、遺伝的アルゴリズム、非線形回帰アルゴリズム、比較アルゴリズム(例えば、データベース(またはライブラリ)、あるいは、予め計算された、または、予め測定された結果との比較)、またはその組合せを含んでいてよい。多くのこのようなアルゴリズムは、この技術分野において既知であり、また、プロセッサは、これらのアルゴリズムのうちの任意のものを使用して、一つまたはそれ以上の特性を判定してよい。遺伝的アルゴリズムの例が、Opsal他に対する米国特許第5,953,446号およびSidorowichに対する第6,532,076号(これらは、あたかも、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に示されている。一実施形態では、第1および第2のデータは、光波散乱計測データを含んでいてよい。このような実施形態では、一つまたはそれ以上の遺伝的アルゴリズムを用いて、試験体の一つまたはそれ以上の特性を判定することが、特に有利な場合がある。
【0125】
基板上の膜の厚さ、および、VUV波長(例えば、157 nm)におけるその光学的特性(例えば、屈折率nおよび吸収k)を知りたい場合、VUV波長のみを用いるのではなく、可視光波長(これは、膜厚のより正確な測定を与える場合がある)で行われた測定を、VUV波長で行われた測定と組み合わせることによって、よりよい測定結果が得られる場合がある。このやり方では、第2のデータを使用して、試験体上の構造物の厚さを判定してよい。この厚さを、第1のデータと組み合わせて使用して、一つまたはそれ以上のVUV波長における構造物の光学的特性を判定してよい。
【0126】
異なる実施形態では、一つまたはそれ以上の特性は、試験体上の一つまたはそれ以上の構造物の原子濃度を含んでいてよい。一つのこのような実施形態では、原子濃度は、一つまたはそれ以上の構造物の光学的特性から判定してよい。このやり方では、原子濃度は、光学的特性(例えば、nおよび(または)k)から間接的に推論してよい。光学的特性は、第1のデータ、第2のデータ、または、第1および第2のデータから判定してよい。別法の実施形態では、原子濃度は、第1および第2のデータの、参照データとの比較によって判定してよい。このやり方では、原子濃度は、予め測定されたサンプルからの結果との比較によって、直接的に判定してよい。原子濃度測定のため関心があってよい材料は、炭素、窒素、酸素、コバルト、ニッケル、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、シリコン、ゲルマニウム、および各種の遷移および希土類金属を含むが、それらに限定されない。
【0127】
第1および第2のデータから判定される一つまたはそれ以上の特性は、試験体の他の特性(例えば、試験体上の上層の光学的特性、試験体上の一つ以上の層の光学的特性、試験体上の形体の限界寸法(CD)、試験体上の形体の形状パラメータ、試験体上の2つの層の間のオーバーレイオフセット、またはその組合せであるが、それらに限定されない)を含んでいてよい。
【0128】
プロセッサは、第1および(または)第2の光学サブシステムによって生成されたデータに対して、他の計測学および(または)検査機能を行なうよう構成してもよい。例えば、プロセッサは、第1および(または)第2の光学サブシステムからのデータを用いて、試験体上の欠陥を検出するよう構成してよい。プロセッサは、この技術分野において既知の任意のアルゴリズムまたは方法(例えば、閾値化アルゴリズムまたはダイ比較法)を用いて、試験体上の欠陥を検出してよい。
【0129】
計測学の方法およびシステムは、半導体デバイス製作のための窒化酸化物ゲート膜プロセス監視およびプロセス管理に対しても、与えられている。窒化酸化物ゲート膜プロセス監視および管理のためのいくつかの方法が、現在使用されている。例えば、窒素濃度および線量測定のために使用してよい方法は、X線光電子分光(XPS)および二次イオン質量分析(SIMS)を含んでいる。しかしながら、現在使用されている方法には、いくつかの欠点がある。また、この測定技法は、厚さ精度および繰返し精度が比較的不良である。さらに、XPSは、一般に、遅く、高価(例えば、一分析当たり約300ドル)であり、かつ、大量半導体製造用途における速いインラインプロセス監視および管理を行なうことができない。同様に、SIMSも、ウェーハを壊さなければならず、かつ、分析されている膜が損傷される点で、破壊的である。また、この測定技法は、厚さ精度および繰返し精度が比較的不良であり、かつ、大量半導体製造用途には適していない。
【0130】
ここで記述する窒化酸化物ゲート誘電体の測定のための方法の実施形態は、試験体上に窒化酸化物ゲート誘電体を形成することを含んでいてよく、あるいは、含んでいなくてよい。このような実施形態における試験体は、ウェーハである。一般に、窒化酸化物ゲート誘電体は、酸素を含んでいる層(例えば、二酸化シリコン)を窒素を含んでいるプラズマに曝露することによって、ウェーハ上に形成される。ウェーハ上に窒化酸化物を形成するための方法の例が、Liu他に対する米国特許第6,555,485号、Weimerに対する第6,559,007号、Niimi他に対する第6,610,614号、およびMcFadden他に対する第6,610,615号(これらは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に示されている。窒化酸化物ゲート誘電体は、この技術分野において既知の任意の他の方法を用いて、ウェーハ上に形成してもよい。
【0131】
一実施形態では、試験体の測定のための方法が、与えられる。この方法は、試験体の分光偏光解析データを測定することを含んでいる。分光偏光解析データは、ここで記述する光学サブシステムのうちの一つを用いて測定してよい。一実施形態では、分光偏光解析データは、約220 nm〜約900 nmの波長で測定してよい。異なる実施形態では、分光偏光解析データは、約190 nm〜約300 nmの波長で測定してよい。このような実施形態では、分光偏光解析データは、ここで記述する非VUV光学サブシステムのうちの一つを用いて測定してよい。一つの特定の例では、試験体の偏光解析スペクトルは、約220 nm〜約900 nmの波長で、KLA-TencorのSpectraFx100分光偏光解析サブシステムを使用して、あるいは、約190 nm〜約300 nmの波長で、分光エリプソメーターサブシステムと深紫外光分光エリプソメーターサブシステムの組合せを使用して、取得することができる。別法として、分光偏光解析データは、VUV波長で測定してよい。このやり方では、分光偏光解析データは、ここで記述するVUV光学サブシステムのうちの一つを用いて測定してよい。
【0132】
他の実施形態では、分光偏光解析データは、VUVおよび非VUV波長で測定してよい。このような実施形態では、分光偏光解析データは、一つの光学サブシステムまたは2つの異なる光学サブシステムを用いて測定してよい。例えば、VUVおよび非VUV波長で動作するよう構成された一つの光学サブシステムを使用して、分光偏光解析データを測定してよい。データを、2つの異なる光学サブシステム(一つはVUVおよび一つは非VUV)によって測定する場合、データを一つのデータセットに組み合わせ、次いで、それを使用して、窒化酸化物ゲート誘電体の特性を判定してよい。
【0133】
また、この方法は、分光偏光解析データから、試験体上に形成された窒化酸化物ゲート誘電体の窒素濃度を判定することを含んでいる。窒素濃度は、原子濃度測定に対して上述したように判定してよい。例えば、この方法は、分光偏光解析データから窒化酸化物ゲート誘電体の屈折率を判定すること、および、屈折率から窒素濃度を判定することを含んでいてよい。特定の例では、測定された屈折率または屈折率モデル(例えば、BEMA分率)と窒素濃度との間の量的相関を、既知の窒素濃度値を有する試験体の測定を用いて判定してよい。次いで、量的相関を使用して、測定された屈折率に基づいて、他の試験体の窒素濃度を判定してよい。
【0134】
窒化酸化物ゲート誘電体膜の偏光解析スペクトルの測定は、好ましくは、広い波長帯に亘って行なって、スペクトルから、膜厚および屈折率を判定できるようにする。したがって、いくつかの実施形態では、この方法は、分光偏光解析データを用いて、窒化酸化物ゲート誘電体の厚さおよび屈折率を判定することも含んでいてよい。また、窒化酸化物ゲート誘電体の厚さおよび屈折率は、同時に測定してよく、これは、薄膜の厚さと屈折率測定との間の強力な相関効果により、特に有利な場合がある。対照的に、過去においては、一般的慣行として、100オングストロームより薄い膜に対しては、厚さしか測定することができなかった。
【0135】
一実施形態では、この方法は、試験体の反射率測定データを測定することも含んでいてよい。反射率測定データは、単一の波長で、あるいは、多数の波長で、測定してよい(例えば、分光反射率測定データ)。反射率測定データは、反射率計または分光反射率計として構成された、ここで記述する光学サブシステム実施形態のうちの一つを用いて、測定してよい。また、分光偏光解析データおよび反射率測定データは、一つのシステム(例えば、単一のシステム内に配置された異なる光学サブシステム)で測定してよい。反射率測定データは、非VUV波長(複数も可)、VUV波長(複数も可)、または、非VUVおよびVUV波長で測定してよい。
【0136】
いくつかの実施形態では、窒化酸化物ゲート誘電体の窒素濃度は、反射率測定データと組み合わせて分光偏光解析データから判定してよい。例えば、反射率測定データを使用して、窒化酸化物の厚さを判定してよい。厚さおよび分光偏光解析データを組み合わせて使用して、窒化酸化物の屈折率を判定してよく、かつ、屈折率を使用して、窒素濃度を判定してよい。
【0137】
いくつかの実施形態では、分光偏光解析データを測定することは、試験体上の多数の場所でデータを測定することを含んでいてよい。このような実施形態では、この方法は、多数の場所で窒素濃度を判定すること、および、窒素濃度のウェーハ面内(WIW)均一性を判定することも含んでいてよい。言い換えれば、試験体上の場所に対する窒素濃度を判定してよい。
【0138】
追加の実施形態では、この方法は、試験体の測定に先立って、レーザーベースの清浄化サブシステムを用いて、試験体上の局所化された部位から汚染物質(例えば、空気中の分子汚染(AMC))を除去することを含んでいてよい。レーザーベースの清浄化サブシステムは、ここで更に記述するように構成してよい。また、レーザーベースの清浄化サブシステムは、試験体の分光偏光解析データを測定するのに使用される光学サブシステムも含んでいる、単一のシステム内に配置してよい。システムのこのような構成は、ここで更に記述されている。測定の直前に試験体から汚染物質を除去することは、特に、実質的に薄い窒化酸化物ゲート誘電体に対して、測定の精度を実質的に増大する場合がある。
【0139】
試験体の分光偏光解析データを測定することは、半導体製作プロセス中に行なってよい。言い換えれば、分光偏光解析測定は、現場で行なってよい。一実施形態では、分光偏光解析データは、半導体製作プロセスに含まれる個々のプロセスの後、あるいは、それらの間に(例えば、窒化酸化物ゲート誘電体の形成後に)、測定してよい。別法として、分光偏光解析データは、半導体製作プロセスに含まれる個々のプロセス中に(例えば、窒化酸化物ゲート誘電体の形成中に)、測定してよい。
【0140】
このような実施形態では、ここで記述する光学サブシステムのうちの一つ、または、別の分光エリプソメーターサブシステム、および、オプションとして、反射率計サブシステムを、半導体製作プロセスツールに結合してよい。例えば、窒化酸化物ゲート誘電体の分光偏光解析測定に対しては、分光エリプソメーター光学サブシステムを、プラズマ窒化プロセスツールに結合してよい。しかしながら、ここで記述する光学サブシステムまたはシステムのうちの任意のものを、この技術分野において既知の任意の他の半導体製作プロセスツール(例えば、リソグラフィーツール、析出ツール、アニールツール、エッチングツール、清浄化ツール、化学的・機械的研磨ツール、めっき処理ツール、イオン注入ツール等)に結合してよい。どのようにして、光学サブシステムまたは測定システムを、半導体製作プロセスツールに結合してよいかの例が、Nikoonahad他に対する米国特許第 6,633,831号(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に記述されている。
【0141】
この方法は、窒素濃度を用いて、半導体製作プロセスの一つまたはそれ以上のパラメータをモニターすることも含んでいてよい。例えば、窒素濃度を、多くの異なる試験体上で、時間を越えて繰り返し測定してよく、かつ、窒素濃度値および変動を、記録してよい。次いで、データを使用して、プロセスのパラメータ(複数も可)の変化を判定してよい。特に、窒化プロセス(または、窒化プロセスに含まれる個々のプロセス)を、窒素濃度を用いてモニターしてよい。半導体製作プロセスのパラメータ(複数も可)は、また、あるいは、別法として、ここで記述するように判定される窒化酸化物ゲート誘電体の他の特性(例えば、窒化酸化物ゲート誘電体のWIW均一性、厚さ、および(または)屈折率)を用いて、モニターしてよい。例えば、半導体製作プロセスのパラメータ(複数も可)のモニタリングは、窒素濃度の代わりに、プロセス管理のための、与えられた波長における(例えば、193 nmにおける、248 nmにおける、633 nmにおける)窒化酸化物ゲート誘電体の屈折率(n)、または、屈折率モデルパラメータ(例えば、Bruggermann有効媒質近似モデルにおけるBEMA分率)を用いて、行なってよい。
【0142】
また、この方法は、窒素濃度に基づいて、半導体製作プロセスの一つまたはそれ以上のパラメータを変えることを含んでいてよい。いくつかの実施形態では、パラメータ(複数も可)は、また、あるいは、別法として、窒化酸化物ゲート誘電体のWIW均一性、厚さ、および(または)屈折率に基づいて変えてよい。変えられるパラメータ(複数も可)は、好ましくは、窒化プロセス、または、窒化酸化物ゲート誘電体を形成することに含まれる個々のプロセス(例えば、熱酸化プロセス、窒化プロセス、アニールプロセス等)のパラメータ(複数も可)である。パラメータ(複数も可)は、フィードバック技法(例えば、窒素濃度が、窒化プロセス後に測定される場合)を用いて、かつ(あるいは)、現場制御技法(例えば、窒素濃度が、窒化プロセス中に測定される場合)を用いて、変えてよい。
【0143】
パラメータ(複数も可)は、測定された窒素濃度と目標窒素濃度の差をより小さくするように変えることが好ましい。窒素濃度は、半導体製作プロセス中に測定することができるため、プロセスのパラメータ(複数も可)は、上述した他の測定技法(例えば、XPSおよびSIMS)を使用して窒素濃度を測定する場合より、はるかに迅速に、窒素濃度に応じて変えることができる。したがって、ここで記述する方法は、より正確なプロセス管理を与えてよく、かつ、半導体製造プロセスの収量および処理量を増大してよい。また、変えられるパラメータ(複数も可)は、その上に、測定された窒化酸化物が形成されている試験体上で行なわれる一つまたはそれ以上のプロセスのパラメータ(複数も可)であってよい。この実施形態では、パラメータ(複数も可)は、フィードフォワード制御技法を用いて変えてよい。
【0144】
半導体製造プロセスのパラメータ(複数も可)を変えることは、手動で(例えば、オペレータによって)、あるいは、プロセッサによって自動的に、行なってよい。プロセッサは、ここで記述するように構成してよい。プロセッサは、半導体製造プロセスツールに結合してもよい。このやり方では、プロセッサは、パラメータ(複数も可)に対する変更を、半導体製造プロセスツールに送ってよい。半導体製造ツールのプロセッサは、次いで、プロセス(複数も可)に対して適当な変更を行ってよい。
【0145】
窒素濃度の測定または判定のための、ここで記述する方法の実施形態は、現在使用されている方法に対して多くの利点を有している。例えば、上述した方法は、比較的速い(例えば、各測定は、結果を報告するのに、約5秒〜約15秒を要する)。上述した方法は、また、比較的高い精度(例えば、厚さ測定に対する誤差は、約1.0オングストローム未満、および、窒素濃度に対する誤差は、約2原子パーセント未満)を有している。さらに、ここで記述する窒素濃度測定または判定のための方法は、現在使用されている方法(例えば、XPSおよび3シグマ法の場合、厚さについては1オングストローム、および、窒素濃度については1.0%)より、よりよい繰返し精度(例えば、3シグマ法の場合、厚さについては0.15オングストローム、および、窒素濃度については0.5原子パーセント)を有している。
【0146】
また、上述した方法は、非破壊的である。したがって、測定を、実際の製品ウェーハとは異なるモニターウェーハ上で行なう必要がないため、製品ウェーハの窒素濃度を測定して、それにより、実質的により正確なプロセス監視および管理を与えてよい。さらに、ここで記述する窒素濃度測定のための方法は、市販されている光学サブシステム(例えば、KLA-TencorのF5xおよびSpectraFx100計測学ツール)を用いて、大量半導体デバイス製作に使用することができる。特に、これらの方法は、90 nm、65 nm、および、可能性として、45 nm世代の論理およびDRAMデバイスに適用してよい。したがって、これらの方法は、開発および大量製造における窒化ゲートプロセスを監視し、かつ、管理するための、速く、正確、安定、かつ費用効果の高い方法に対して解決策を与える。
【0147】
追加の実施形態は、試験体の分析のためのコンピュータに実装された方法に関する。この方法は、試験体の測定によって生成された分光偏光解析データから、試験体上に形成された窒化酸化物ゲート誘電体の窒素濃度を判定することを含んでいる。分光偏光解析データは、上述したように測定してよい。例えば、分光偏光解析データは、約220 nm〜約900 nmの波長で測定してよい。別法として、分光偏光解析データは、約190 nm〜約300 nmの波長で測定してよい。別の別法では、分光偏光解析データは、VUV波長で測定してよい。追加の実施形態では、分光偏光解析データは、試験体上の多数の場所で測定してよい。この方法は、多数の場所で窒素濃度を判定すること、および、窒素濃度のWIW均一性を判定することも含んでいてよい。
【0148】
いくつかの実施形態では、この方法は、分光偏光解析データから窒化酸化物ゲート誘電体の屈折率を判定すること、および、上述したように、屈折率から窒素濃度を判定することを含んでいてよい。別の実施形態では、この方法は、分光偏光解析データを用いて窒化酸化物ゲート誘電体の厚さおよび屈折率を判定することを含んでいてよい。他の実施形態では、窒素濃度を判定することは、試験体の測定によって生成された反射率測定データと組み合わせて、分光偏光解析データから、窒素濃度を判定することを含んでいてよい。
【0149】
追加の実施形態では、この方法は、窒化酸化物ゲート誘電体の窒素濃度および(または)他の判定された特性に基づいて、半導体製作プロセスの一つまたはそれ以上のパラメータを判定することを含んでいてよい。この方法は、判定されたパラメータ(複数も可)に基づいて、半導体製作プロセスの一つまたはそれ以上のパラメータを変えることも含んでいてよい。パラメータ(複数も可)は、上述したように変えてよい。更なる実施形態では、この方法は、窒化酸化物ゲート誘電体の窒素濃度および(または)他の判定された特性を用いて、半導体製作プロセスの一つまたはそれ以上のパラメータをモニターすることを含んでいてよい。半導体製作プロセスのパラメータ(複数も可)は、上述したようにモニターしてよい。
【0150】
方法(例えば、ここで記述するもの)を実行するプログラム命令は、キャリア媒体を越えて伝送され、あるいは、その上に記憶されてよい。キャリア媒体は、伝送媒体(例えば、ワイヤー、ケーブル、または無線伝送リンク)、あるいは、このようなワイヤー、ケーブル、またはリンクに沿って進む信号であってよい。キャリア媒体は、記憶媒体(例えば、読取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気または光ディスク、あるいは、磁気テープ)であってもよい。
【0151】
一実施形態では、プロセッサは、プログラム命令を実行して、上記の実施形態によるコンピュータに実装された方法を行なうよう構成してよい。プロセッサは、パーソナルコンピュータシステム、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワーク機器、インターネット機器、パーソナルデジタルアシスタント(「PDA」)、テレビジョンシステムまたは他のデバイスを含む、各種の形態を取ってよい。一般に、術語「コンピュータシステム」は、プロセッサ(これは、メモリ媒体からの命令を実行する)を有する任意のデバイスを包含するよう広く定義されてよい。
【0152】
プログラム命令は、とりわけ、手続きベースの技法、コンポーネントベースの技法、および(または)オブジェクト指向技法を含む、各種の方法のうちの任意のもので、実行されてよい。例えば、プログラム命令は、所望に応じて、ActiveX(登録商標)コントロール、C++オブジェクト、JavaBeans(登録商標)、Microsoft Foundation Class(「MFC」)、あるいは、他の技術または方法論を用いて、実行されてよい。
【0153】
図13は、試験体の測定のためのシステムに含まれていてよい光学サブシステムの別の実施形態を示している。この実施形態では、光学サブシステムは、デュアルチャネル光学サブシステム(例えば、デュアルビーム分光光度計)として構成されている。この光学サブシステムは、第1の光学サブシステムまたは第2の光学サブシステムのいずれかとして、ここで記述するシステムに含まれていてよい。この構成は、Norton他に対する米国特許第5,486,701号およびPiwonka-Corle他に対する第5,608,526号(これらは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に、より詳細に記述されている。明瞭さのため、システムの構成要素および詳細のうちのいくつかは、ここで呈示する図13および対応する記述から省略されている。しかしながら、図13に示すシステムは、この特許に記述されているように更に構成してよいことを理解されたい。
【0154】
光学サブシステムは、米国特許第5,486,701号に記述されているように、放射線ビーム112(可視および(または)UV放射を含む)を放出するランプ110(一般に、キセノンアークランプ)、ランプハウジング窓114、軸外し放物面鏡116、フリップインUVカットオフフィルター118、カラーフィルターホイール120、平面鏡122、凹面鏡124、フリップイン40ミクロンファインフォーカスアパーチャ130を有するアパーチャ鏡128、大型アクロマート132、フィールド照明シャッター131、フォールドミラー136、および小型アクロマート138を含んでいてよい。
【0155】
別法の実施形態では、光学サブシステムは、VUV光を発生することができる光源を含んでいてよい。いくつかの実施形態では、光学サブシステムは、VUV光並びに非VUV光を発生することができる光源、または、2つの光源(VUV光を発生することができる一つの光源、および、非VUV光を発生することができる別の光源)を含んでいてよい。このような光を発生することができる適当な光源の例は、上で更に記述されている。したがって、デュアルチャネル光学サブシステムは、VUV光、非VUV光、またはその組合せを用いて、試験体の測定を行なうことができる。光学サブシステムが、VUV光および非VUV光を用いて測定を行なうよう構成されている場合、デュアルチャネル光学サブシステムは、非VUV光を用いた追加の測定中に、かなりの量のVUV光が試験体に到達するのを防止するよう構成された、一つまたはそれ以上のフィルター(図示せず)を含んでいてよい。一つまたはそれ以上のフィルターは、光源110と対物レンズ140との間の、デュアルチャネル光学サブシステムの光路内の各種の場所に設置してよい。一つまたはそれ以上のフィルターは、上述したように更に構成してよい。
【0156】
上述した構成要素は、測定ビーム125およびフィールド照明ビーム134を含む結合ビーム142を与える。軸外し放物面鏡116は、ビーム112(これは、オプションとして、フリップインUVカットオフフィルター118およびカラーフィルターホイール120によって濾過することができる)を視準する。フリップインUVカットオフフィルター118は、部分的に、ビーム112のスペクトルを制限して、ビーム112が回折格子によって分散された時、一次および二次回折ビームがオーバーラップしないようにするのに使用される。ビーム112の一部は、平面鏡122によって凹面鏡124に反射されて、測定ビーム125を形成する。鏡124は、アークの像をアパーチャ鏡128に集束する。アークの像の各点から発出する放射は、均一な円錐状に広がって、一般に、ビーム分割器145において照明の均一な円を生成する。
【0157】
ビーム112の別の部分(フィールド照明ビーム134)は、フォールドミラー136の近くの大型アクロマート132によって集束され、それにより、フォールドミラー136は、ランプ110の像を小型アクロマート138に向かって反射する。小型アクロマート138は、それがアパーチャ鏡128から反射する前に、ビーム134中の放射を収集する。アパーチャは、対物レンズ140の一つの共役に配置されている。フィールド照明は、フィールド照明ビーム134の光路にフィールド照明シャッター131を配置することによって、遮断することができる。
【0158】
細い測定ビーム125および広いフィールド照明ビーム134は、アパーチャ鏡128で再結合され、フィールド照明ビーム134は、アパーチャ鏡128の前面から反射し、かつ、測定ビーム125は、アパーチャを通過する。光学サブシステムは、対物レンズ140、ビームスプリッターミラー145、サンプルビーム146、参照ビーム148、凹面鏡150、平面鏡143、参照プレート152(それを通る参照分光計ピンホールを有する)、サンプルプレート154(それを通るサンプル分光計ピンホールを有する)、第2のフォールドミラー168、回折格子170、サンプル直線フォトダイオードアレイ172、参照直線フォトダイオードアレイ174、参照フォトダイオード195、およびサンプルフォトダイオード193を含んでいる。対物レンズ140(これは、反射型対物レンズ(図13に示す)または透過型対物レンズ(図示せず)であってよい)は、いくつかの選択可能な倍率を有していることが好ましい。したがって、光学サブシステムは、反射型集束光学機器または透過型集束光学系を含んでいてよい。
【0159】
ここで、試験体(これは、この場合、ウェーハ103として示されている)の相対反射率スペクトルの測定について説明する。フィールド照明シャッター131が、フィールド照明ビーム134の経路に配置された場合、結合ビーム142は、測定ビーム125のみを含んでいる。結合ビーム142は、結合ビーム142の半分を対物レンズ140に向かって偏向し、それにより、サンプルビーム146を形成し、結合ビーム142の偏向されなかった半分が、参照ビーム148を形成するように配置された全反射鏡である、ビームスプリッターミラー145によって分割される。重要なこととして、サンプルビーム146および参照ビーム148は、同じ源(ランプ110)から導出されるため、かつ、結合ビーム142は、放射状に均一であるため、参照ビーム148およびサンプルビーム146は、比例的に依存するスペクトル強度を有している。さらに、ビームスプリッターミラー145は、光路全体における部分反射鏡ではなく、光路の半分における全反射鏡であるため、連続広帯域スペクトルが、十分な明るさで反射される。
【0160】
参照ビーム148は、最初は、ビームスプリッターミラー145と相互作用せず、代わりに、凹面鏡150を照明する。凹面鏡150は、わずかに軸外しであり、したがって、参照ビーム148は、ビームスプリッターミラー145の裏面に反射され、かつ、平面鏡143は、参照ビーム148を再反射して、プレート152を通る参照分光計ピンホールと整列させる。平面鏡143は、参照ビーム148をサンプルビーム146と再整列させて、両方のビームが、それらのそれぞれの分光計ピンホールを、実質的に平行に通過するように設けられている。
【0161】
凹面鏡150の焦点距離は、参照ビーム148が、参照分光計ピンホール(これは、プレート152を通って伸張している)で焦点が合うような焦点距離である。参照分光計ピンホールを通過し、かつ、フォールドミラー168から反射する放射は、回折格子170によって分散される。結果として得られた一次回折ビームは、参照直線フォトダイオードアレイ174によって収集され、それにより、参照反射率スペクトルを測定する。
【0162】
サンプルビーム146は、ビームスプリッターミラー145から対物レンズ140(これは、サンプルビーム146をウェーハ103に集束する)に向かって反射され、かつ、反射されたサンプルビーム146は、対物レンズ140によって、サンプル分光計ピンホール(これは、プレート154を通って伸張している)に集束される。上述したように、対物レンズ140は、透過型対物レンズまたは反射型対物レンズであってよい。したがって、光学サブシステムは、反射型収集光学系または透過型収集光学系のいずれかを含んでいてよい。しかしながら、対物レンズ140は、試験体上の光を集束し、かつ、試験体から返された光を収集するため、集束および収集光学系は、透過型または反射型のいずれかである。しかしながら、図13に示す光学サブシステムは、別法として、反射型集束光学系および透過型収集光学系、あるいは、その逆を含んでいてよいことを理解されたい。例えば、光学サブシステムは、試験体上の光を集束することに対して、および、試験体からの光を収集することに対して、別々の光学系を使用するよう構成してよい。このやり方では、光学サブシステムは、反射型集束光学系および透過型収集光学系を含んでいてよい。別法として、光学サブシステムは、透過型集束光学系および反射型収集光学系を含んでいてよい。
【0163】
サンプルビーム146は、ビームスプリッターミラー145の後ろの空間(これを、参照ビーム148も通過する)を通過するため、反射されたサンプルビーム146は、反射経路上では、ビームスプリッターミラー145と相互作用しない。サンプル分光計ピンホールを通過し、かつ、フォールドミラー168から反射する放射は、回折格子170によって分散される。参照ビームと同様、結果として得られたサンプルビームの一次回折ビームは、サンプル直線フォトダイオードアレイ172によって収集され、それにより、サンプルスペクトルを測定する。
【0164】
相対反射率スペクトルは、各波長におけるサンプル光強度(アレイ172の出力)を各波長における参照強度(アレイ174の出力)で割ることによって、プロセッサ200内のアレイ172および174の出力を処理することによって、簡単に得ることができる。
【0165】
いくつかの実施形態では、回折格子170は、凹面ホログラフィック回折格子であり、かつ、分光計ピンホール(プレート152および154を通る)は、互いに15 mm離れている。15 mmの間隔は、両方のビームが、格子上で中心に位置することを可能にしないため、回折格子170のこの実施形態は、多数のスペクトルを結像するようにホログラフ的に補正される。格子170は、検出器172および174の角度が、検出器からの反射を、格子から離れて伝搬させるよう設計されることも望ましい。
【0166】
サンプル103上の極薄膜103a(VTF103a)の厚さを測定するための動作モードでは、システムは、サンプルVTFフォトダイオード193および参照VTFフォトダイオード195を採用する。可動アーム上に載せられたダイクロイックミラー202は、アパーチャ付きのプレート152および154のすぐ向こうのビーム路内にフリップインする。ダイクロイックミラーは、UV放射(400 nm〜280 nmの波長を有する)を反射し、かつ、可視光を透過する。参照ビームからの反射されたUVは、溶融石英レンズ204によって集束され、固定されたダイクロイックミラー206によって反射され、そして、最後に、UV増強型シリコンフォトダイオード195(「参照VTFフォトダイオード」)に当たり、かつ、サンプルビームからの反射されたUVは、溶融石英レンズ203によって集束され、固定されたダイクロイックミラー206によって反射され、そして、最後に、UV増強型シリコンフォトダイオード203(「サンプルVTFフォトダイオード」)に当たる。第2のダイクロイックミラー206は、残りの可視光を濾過により除去するのに必要である。第1のダイクロイック202を透過された放射は、通常の分光計経路を進み続ける。
【0167】
新しい実施形態では、デュアルチャネル光学サブシステムが、非VUV光に加えてVUV光で測定を行なうよう構成されている場合、ダイクロイックミラー202は、VUV放射を反射し、かつ、非VUV放射を透過するよう構成してよい。このような実施形態では、溶融レンズ203および204を、弗化カルシウムレンズに置き換えてよい。このような実施形態は、上述したように更に構成してよい。
【0168】
フォトダイオード193および195のそれぞれは、単一の強度値を測定するが、一般に、この値は、(UV範囲内の)関心のある広帯域周波数範囲に対する平均であり、したがって、2つのフォトダイオードは、このような広帯域周波数範囲に対する平均を表す相対反射率(または反射率)値を計算するのに、十分な情報を与える。フォトダイオード193および195は、UV帯域内の広い波長帯に対して感度を有し、両方のフォトダイオードが、実質的に同様のピーク感度波長を有するよう選択されることが好ましい。サンプルフォトダイオード193の応答を、参照フォトダイオード195の応答で割った場合、結果は、UV帯域内の波長に対するウェーハ103の相対反射率を示す値であり、ピーク感度波長は、他の波長より、相対反射率の測定において、より多くの重みを有している。測定された相対反射率値を校正して、UV帯域内のサンプルの真の反射率を示す信号を発生することができる。
【0169】
膜厚を計算するため複雑なアルゴリズム(多くの入射波長の加重平均を仮定する)を適用する必要性を回避するためには、システムのプロセッサ200は、フォトダイオード193および195のそれぞれに入射する広帯域UVに対して、単一の有効波長を判定する。フォトダイオード193および195のアナログ出力は、電子回路190でデジタル化された(かつ、別様に処理された)後に、プロセッサ200でデジタル処理を受ける。
【0170】
図13に示す光学サブシステムは、ここで記述するように更に構成してよい。例えば、デュアルチャネル光学サブシステムは、一つまたはそれ以上の中空光ファイバー(図示せず)を含んでいてよい。中空光ファイバー(複数も可)は、上述したように構成してよい。一実施形態では、デュアルチャネル光学サブシステムは、光源110からの光を、デュアルチャネル光学サブシステムのアパーチャ鏡128または別の光学部品に伝達する中空光ファイバーを含んでいてよい。中空光ファイバーは、図10および11について記述したように、光源の位置が、デュアルチャネル光学サブシステムの他の光学部品の移動中、実質的に静止していてよいよう構成してもよい。システムは、試験体に対して、デュアルチャネル光学サブシステムのこれらの他の光学部品を移動させて、試験体上の異なる場所で測定を行なうよう構成してよい。走査中の光源の移動を排除することは、上で更に記述されている利点を有している。
【0171】
このデュアルビーム分光光度計を、(単独で、または、他の測定システムと組み合わせて)VUV波長で使用するためには、(可能性として、検出器およびそれらの関連した光学系を除く)光学系を、不活性雰囲気中に包囲し、かつ、2つのディファレンシャルアパーチャを使用することが有利である。図13に示す光学サブシステムは、パージされた環境208中に配設することが好ましい。パージされた環境は、上述したように与えてよい。例えば、パージされた環境は、光学サブシステムの少なくとも一部を取り囲むハウジング210内に生成してよい。また、図13に示す光学サブシステムを含むシステムは、光学サブシステムによる測定中に、デュアルチャネル光学サブシステムの周りにパージされた環境を維持するよう構成されたパージングサブシステム(図13には示していない)を含んでいてよい。パージングサブシステムは、上述したように、差動パージングサブシステムであってよい。ハウジング210は、上述したように構成してもよい。
【0172】
光学サブシステムの一つまたはそれ以上の構成要素は、ハウジングの外部の、パージされていない環境中に配設してよい。例えば、図13に示すように、凹面鏡150は、ハウジングの外部の、パージされていない環境中に設置してよい。また、検出器172および174は、ハウジングの内部の、パージされた環境中に設置されるように示されているが、検出器は、別法として、ハウジングの外部の、パージされていない環境中に設置してよい。また、光学サブシステムに結合された他の構成要素は、ハウジングの外部に、かつ、パージされていない環境中に、設置される。これらの構成要素は、電子回路190およびプロセッサ200を含んでいる。構成要素(例えば、検出器、電子回路、およびプロセッサ)をパージされた環境の外部に配置することは、ハウジング内のパージされた環境の部位を低減し、それにより、パージされた環境を生成するコストおよび時間を低減する場合がある。
【0173】
凹面鏡150は、空間考慮のためではなく、サンプルチャネル内のものと同様の光学的条件を、参照チャネル内に生成するために、パージされた環境の外部に配置してよい。例えば、デュアルビーム分光光度計は、それらの長さの大部分において平行に走る2つの光路(サンプルおよび参照)を有している。しかしながら、参照チャネルは、ウェーハから反射することができない。参照鏡150の近くに第2のディファレンシャルアパーチャを追加しない限り、参照ビームは、サンプルビーム(これは、対物レンズ内で、あるいは、その近くで、ディファレンシャルアパーチャを通過する)と同じ量の吸収を経験することはない。例えば、ハウジング210は、ディファレンシャルアパーチャ212(それを通してサンプルビーム146が対物レンズ140によって試験体103に集束される)を含んでいる。ディファレンシャルアパーチャは、上述したように構成してよい。ディファレンシャルアパーチャの外部では、サンプルビーム146は、パージされていない空間を通過する。したがって、サンプルビームは、このパージされていない空間中の無用な分子によって、部分的に吸収される場合がある。この吸収は、サンプル直線フォトダイオードアレイ172によって測定される光の特徴を、変えることになる。
【0174】
参照ビーム148が、サンプルビームの吸収を補うため同様に変えられない場合、デュアルビーム分光光度計の測定は、不正確な場合がある。したがって、光学サブシステムは、参照ビームの少なくとも一部が、パージされていない空間を通過するように構成される。図13に示す一実施形態は、凹面鏡150をハウジング210の外部に位置決めすることを含んでいる。ハウジング210は、第2のディファレンシャルアパーチャ214(それを通して参照ビーム148が凹面鏡150に向けられる)を含んでいる。ディファレンシャルアパーチャ214は、上述したように構成してよい。
【0175】
理想的には、参照アパーチャの、参照鏡表面からの距離は、対物アパーチャの、ウェーハ表面からの距離と、実質的に同様である。例えば、凹面鏡は、試験体103がディファレンシャルアパーチャ212から離して置かれる距離とほぼ等しい距離だけ、ディファレンシャルアパーチャ214から離して置かれる。このやり方では、参照ビームは、サンプルビームが通過するパージされていない空間の量とほぼ等しい量のパージされていない空間を、通過する。そのようなものとして、参照ビーム148およびサンプルビーム146の吸収は、両方のパージされていない空間中の無用な分子により、ほぼ等しくてよい。このやり方では、パージングサブシステムは、デュアルチャネル光学サブシステムの両方のチャネル内に、同じレベルのパージングを維持するよう構成されている。その結果、サンプル直線フォトダイオードアレイ172および参照直線フォトダイオードアレイ174によって測定される光は、実質的に等しい方法で変えて、それにより、デュアルビーム分光光度計の測定の精度を増大してよい。
【0176】
光学サブシステムの他の構成要素が、パージされていない環境中に配設される場合は、吸収に対して、光チャネルのこのような「正規化」を実施してよい。例えば、検出器172および174が、パージされた環境の外部に設置される場合は、2つの別々のディファレンシャルアパーチャ(図示せず)をハウジング内に形成して、参照およびサンプルビームが、空間的に分離したやり方で、異なる検出器に向けられることを可能にしてよい。ハウジングの外部の参照およびサンプルビームの吸収が、ほぼ等しくてよいよう、検出器の感光素子とそれぞれのディファレンシャルアパーチャとの間の空間は、ほぼ等しくてよい。
【0177】
また、この技術分野において既知の多くの異なる光学サブシステム(例えば、ビームプロファイル反射率計、および、特に、検査のために設計されたいくつかの光学サブシステム)は、多数のチャネルを有している。任意のこのような光学サブシステム(これは、パージされた環境中に配設されている)の多数のチャネルを、同様のやり方で、吸収に対して「正規化」してよい。
【0178】
デュアルチャネル光学サブシステムを含む試験体の測定のために構成されたシステムは、ここで記述するように更に構成してよい。例えば、デュアルチャネル光学サブシステムは、一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステムを含むシステムに含まれていてよい。一つまたはそれ以上の追加のサブシステムは、非VUV光を用いて試験体の追加の測定を行なうよう構成してよい。一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステムは、パージされていない環境中に配設してよい。例えば、デュアルチャネル光学サブシステムは、エリプソメーターの代わりに、第1の光学サブシステムとして、図1に示すシステムに含まれていてよい。このようなシステムは、図1について記述したように、反射率計として構成された第2の光学サブシステムを含んでいてよい。別法として、反射率計を、エリプソメーター(例えば、単一波長のエリプソメーターまたは分光エリプソメーター)、スキャタロメーター等の各種の他の光学サブシステムに置き換えてよい。
【0179】
いくつかの実施形態では、システムは、パージされた環境中に配設された2つまたはそれ以上の光学サブシステムを含んでいてよい。例えば、システムは、別の光学サブシステムに加えて、デュアルチャネル光学サブシステム(例えば、図13に示すもの)(両方とも、パージされた環境中に配設されている)を含んでいてよい。一つのこのような実施形態は、図14に示されている。デュアルチャネル光学サブシステムの構成要素に対する参照番号は、図14には含まれていない。しかしながら、図14に示すデュアルチャネル光学サブシステムの構成要素は全て、対応する参照番号と共に、図13にも示されている。したがって、図14に示すデュアルチャネル光学サブシステムの構成要素の詳細については、図13および対応する記述を参照することができる。
【0180】
図14に示すように、デュアルチャネル光学サブシステムと共に、パージされた環境208中に配設された追加の光学サブシステムは、図1に示す第1の光学サブシステムの構成を有している。特に、この実施形態における追加の光学サブシステムは、エリプソメーターとして構成されている。エリプソメーターは、光源74、偏光子76、分析器78、および検出器82(これらは全て、上述したように構成してよい)を含んでいる。また、エリプソメーターは、オプションとして、一つまたはそれ以上のフィルター84および分光計80(それらも、両方とも、上述したように構成してよい)を含んでいてよい。一実施形態では、追加の光学サブシステムは、単一波長のエリプソメーターとして構成してよい。単一波長のエリプソメーターは、157 nmの波長で試験体の測定を行なうよう構成してよい。別法の実施形態では、追加の光学サブシステムは、分光エリプソメーターとして構成してよい。このような実施形態では、光源74は、VUV光フラッシュランプであってよい。
【0181】
他の実施形態では、デュアルチャネル光学サブシステムと同じパージされた環境中に配設された追加の光学サブシステムは、他の構成を有していてよい。例えば、追加の光学サブシステムは、反射率計、分光反射率計、スキャタロメーター、分光スキャタロメーター、異なるデュアルチャネル光学サブシステム、または、この技術分野において既知の任意の他の測定サブシステムとして構成してよい。更なる実施形態では、一つ以上の追加の光学サブシステムは、デュアルチャネル光学サブシステムと同じパージされた環境中に配設してよい。例えば、エリプソメーターおよび反射率計として構成された追加の光学サブシステムは、デュアルチャネル光学サブシステムと同じパージされた環境中に配設してよい。別法として、エリプソメーターおよびスキャタロメーターとして構成された追加の光学サブシステムは、デュアルチャネル光学サブシステムと同じパージされた環境中に配設してよい。
【0182】
図14に示すように、ハウジング210は、デュアルチャネル光学サブシステムのための2つのディファレンシャルアパーチャ212および214を有している。試験体に向けられたサンプルビームは、ディファレンシャルアパーチャ212を通過し、かつ、鏡150に向けられた参照ビームは、ディファレンシャルアパーチャ214を通過する。上で更に記述されているように、2つのディファレンシャルアパーチャおよびパージングサブシステム(図14には示していない)は、デュアルチャネル光学サブシステムの両方のチャネル内に、同じレベルのパージングが維持されるように構成されている。また、ハウジング210は、追加の光学サブシステムのためのディファレンシャルアパーチャ18を含んでいる。追加の光学サブシステムから試験体10に向けられ、かつ、試験体10から追加の光学サブシステムに返された光は、このディファレンシャルアパーチャを通過する。したがって、ハウジングは、3つのディファレンシャルアパーチャを含んでいる。また、2つ以上の光学サブシステムが、ハウジング210内のパージされた環境中に配設される場合、ハウジングは、これらの追加の光学サブシステムのための追加のディファレンシャルアパーチャを有していてよい。
【0183】
図15は、VUV光を用いて試験体の測定を行なうよう構成された2つの光学サブシステムの一実施形態を示している。図15には、2つの光学サブシステムのみが示されているが、2つ以上の光学サブシステムが、このような実施形態に含まれていてよいことを理解されたい。図15に示す2つの光学サブシステムは、試験体の測定のために構成されたシステムに含まれていてよい。このようなシステムは、ここで記述するように更に構成してよい。
【0184】
2つの光学サブシステムは、パージングサブシステム216に結合されている。パージングサブシステム216は、試験体10の測定中に、2つの光学サブシステムの周りにパージされた環境217を維持するよう構成されている。パージングサブシステムは、上述したように更に構成してよい。例えば、パージングサブシステムは、差動パージングサブシステムであってよい。また、パージングサブシステムは、2つの光学サブシステム内に、ほぼ同じレベルのパージングを維持するよう構成されている。例えば、2つの光学サブシステムは、ハウジング218内に配設してよい。ハウジングは、上述したように構成してよい。また、ハウジングは、ディファレンシャルアパーチャ220(これは、2つの光学サブシステムからのVUV光が、ディファレンシャルアパーチャを通して試験体10に向けられることができるよう、かつ、試験体から返された光が、ディファレンシャルアパーチャを通過し、かつ、2つの光学サブシステムによって収集されることができるよう構成されている)を含んでいる。ディファレンシャルアパーチャ220は、上述したように更に構成してよい。
【0185】
この実施形態における2つの光学サブシステムのうちの一方は、エリプソメーターとして構成されている。エリプソメーターは、光源74、偏光子76、分析器78、および検出器82(これらは全て、上述したように構成してよい)を含んでいる。また、エリプソメーターは、オプションとして、一つまたはそれ以上のフィルター84および分光計80(それらも、両方とも、上述したように構成してよい)を含んでいてよい。一実施形態では、光学サブシステムは、単一波長のエリプソメーターとして構成してよい。単一波長のエリプソメーターは、157 nmの波長で試験体の測定を行なうよう構成してよい。別法の実施形態では、光学サブシステムは、分光エリプソメーターとして構成してよい。このような実施形態では、光源74は、VUV光フラッシュランプであってよい。
【0186】
この実施形態における2つの光学サブシステムのうちの他方は、反射率計(これは、上述したように構成してよい)として構成されている。例えば、第2の光学サブシステムは、光源98を含んでいる。光源98は、単色または近単色光源であってよい。この実施形態では、反射率計は、単一波長の反射率計として構成してよい。別の実施形態では、光源は、多色光源または広帯域光源であってよい。このような実施形態では、反射率計は、分光反射率計として構成してよい。第2の光学サブシステムは、ビームスプリッター100、レンズ102、回折格子104、および検出器アレイ106(これらは全て、上述したように構成してよい)も含んでいる。
【0187】
したがって、いくつかの実施形態では、図15に示す2つの光学サブシステムは、エリプソメーター(例えば、単一波長のエリプソメーターまたは広帯域エリプソメーター)および反射率計(例えば、単一波長の反射率計または広帯域分光反射率計)を含んでいてよい。別の実施形態では、2つの光学サブシステムは、上述したような広帯域分光エリプソメーターおよび広帯域反射分光計(これは、以下で、より詳細に記述されている)を含んでいてよい。
【0188】
上で更に記述されているように、エリプソメーターとして構成された光学サブシステムは、エリプソメーターが、VUV光および非VUV光を用いて試験体の測定を行なうよう構成されている場合は、一つまたはそれ以上のフィルター84を含んでいてよい。一つまたはそれ以上のフィルターは、エリプソメーターの光路に挿入して、非VUV光を用いた測定中に、かなりの量のVUV光が試験体に到達するのを防止してよい。このやり方では、試験体は、VUV光への長時間の曝露による潜在的な損傷から保護されてよい。同様のやり方で、反射率計として構成された光学サブシステムもまた、反射率計が、VUV光および非VUV光を用いて試験体の測定を行なうよう構成されている場合は、一つまたはそれ以上のフィルター222を含んでいてよい。一つまたはそれ以上のフィルター222は、VUV光を用いた測定中には、反射率計の光路に配置されなくてよいが、非VUV光を用いた測定中には、反射率計の光路に挿入されてよい。一つまたはそれ以上のフィルター222は、非VUV光を用いた測定中に、かなりの量のVUV光が試験体に到達するのを防止して、それにより、VUV光への長時間の、かつ、不必要な曝露による試験体の潜在的な損傷を防止するよう構成してよい。
【0189】
2つの光学サブシステムは、図15において、同じディファレンシャルアパーチャを通して、光を向け、かつ、収集するように示されている。このやり方では、2つの光学サブシステムは、同時に、あるいは、順次に、試験体上のほぼ同じ測定スポットを測定するよう構成してよい。別法として、2つの光学サブシステムは、異なるディファレンシャルアパーチャ(図示せず)を通して、光を向け、かつ、収集するよう構成してよい。例えば、光学サブシステムは、ハウジング218内で横方向に互いに離れていてよく、かつ、各光学サブシステムは、異なるディファレンシャルアパーチャに結合していてよい。そのようなものとして、2つの光学サブシステムは、試験体上の異なる測定スポットを同時に測定するよう構成してよい。また、2つの光学サブシステムは、試験体上の同じ測定スポットを順次に測定してよい。
【0190】
VUV光を用いて試験体を測定するよう構成された2つの光学サブシステムを含むシステム(例えば、図15に示すもの)は、一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステム(図示せず)も含んでいてよい。追加の光学サブシステム(複数も可)は、非VUV光を用いて試験体の追加の測定を行なうよう構成してよい。したがって、追加の光学サブシステム(複数も可)は、パージされていない環境中に配設してよい。いくつかの実施形態では、追加の光学サブシステム(複数も可)の第1の部分は、パージされた環境中に配設してよく、かつ、追加の光学サブシステム(複数も可)の第2の部分は、パージされていない環境中に配設してよい。一つのこのような実施形態は、以下で更に記述されている。また、2つの光学サブシステムおよび追加の光学サブシステム(複数も可)は、少なくとも一つの共通の光学部品を有していてよい。共通の光学部品(複数も可)は、パージされた環境中に配設された追加の光学サブシステム(複数も可)の第1の部分を含んでいてよい。このような実施形態の例は、以下で更に記述されている。いくつかの実施形態では、追加の光学サブシステム(複数も可)は、ビームプロファイルエリプソメーター、ビームプロファイル反射率計、広帯域反射分光計、またはその組合せを含んでいてよい。このような光学サブシステムは、以下で更に記述されている。
【0191】
図16は、VUV光を用いて試験体の測定を行なうよう構成された2つの光学サブシステムの別の実施形態を示している。図16に示す光学サブシステムは、Opsal他に対する米国特許第6,515,746号(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に、より詳細に記述されている。この特許に呈示されたシステムの必須でない詳細のうちのいくつかは、ここで呈示された図16に対応する記述から省略されている。しかしながら、図16に示すシステムは、この特許に記述されているように更に構成してよいことを理解されたい。また、図16に示すシステムが、Opsal他に対する米国特許第6,515,746号に記述されたシステムを劇的に改善するように変えられていることは、ここで与えられたいくつかの実施形態の記述を読むことにより、明らかであろう。変更は、例えば、VUV光学サブシステムを含むようにシステムを変えること、および、VUV光学サブシステムをパージされた環境中に配設することを含んでいる。他の変更は、ここで与えられた図16の説明を読むことにより、明らかであろう。
【0192】
図16には、2つのVUV光学サブシステムのみが示されているが、このような実施形態には、2つ以上のVUV光学サブシステムが含まれていてよいことを理解されたい。図16に示す2つのVUV光学サブシステムは、試験体の測定のために構成されたシステムに含まれていてよい。このようなシステムは、ここで記述するように更に構成してよい。
【0193】
2つのVUV光学サブシステムのうちの一方は、広帯域反射分光計として構成されている。他方のVUV光学サブシステムは、広帯域分光エリプソメーターとして構成されている。両方のVUV光学サブシステムは、パージされた環境224中に配設されている。パージされた環境224は、パージングサブシステム226(これは、上述したように構成してよい)によって与えられ、かつ、維持されてよい。例えば、パージングサブシステムは、ハウジング228に結合してよく、かつ、一実施形態では、差動パージングサブシステムであってよい。ハウジングは、上述したように構成してよい。また、パージングサブシステムは、2つのVUV光学サブシステムの両方に、ほぼ同じレベルのパージングを維持するよう構成されている。
【0194】
広帯域反射分光計(BRS)230は、多数の波長のVUV光で、試験体10を同時に探測する。BRS230は、レンズ232を使用し、かつ、広帯域分光計234(これは、先行技術で一般に知られ、かつ、使用されている任意のタイプのものであり得る)を含んでいる。レンズ232は、弗化カルシウム(CaF2)等の材料から形成された透過型光学部品であってよい。このようなレンズは、サンプル表面に対して広範囲の入射角を生成するための、かつ、直径が約1ミクロンのスポットサイズを生成するための、高い開口数(0.90NAのオーダー)を有する球形の顕微鏡対物レンズであってよい。別法として、レンズ232は、反射型光学部品であってよい。このようなレンズは、より低い開口数(0.4NAのオーダー)を有していてよく、かつ、光を約10〜15ミクロンのスポットサイズに集束することができてよい。図16に示す分光計234は、レンズ236、アパーチャ238、分散素子240、および検出器アレイ242を含んでいる。レンズ236は、CaF2から形成されていてよい。
【0195】
動作中に、VUV光源246からのプローブビーム244は、レンズ245によって視準され、鏡243によって向けられ、かつ、レンズ232によって、ディファレンシャルアパーチャ233を通して、かつ、試験体10上に、集束される。VUV光源は、上述した光源のうちの任意のものを含んでいてよい。レンズ245は、CaF2から形成されていてよい。ディファレンシャルアパーチャは、上述したように構成してよい。いくつかの実施形態では、BRS230は、非VUV光を用いて試験体の追加の測定を行なうよう構成してよい。非VUV光は、VUV光源246によって与えられてよい。別法として、非VUV光は、光源283または別の光源(図示せず)によって与えられてよい。このような実施形態では、BRSは、一つまたはそれ以上のフィルター231を含んでいてよい。フィルター(複数も可)231は、非VUV光を用いた測定中に、かなりの量のVUV光が試験体に到達するのを防止するよう構成してよい。したがって、フィルター(複数も可)は、非VUV測定中に、VUV光への無用な曝露から試験体を保護してよい。VUV光を用いた測定中に、フィルター(複数も可)231は、手動で、機械的に、あるいは、自動的に、ビーム244の光路の外部に移動させてよい。フィルター(複数も可)231は、鏡248とレンズ232との間に設置されるように示されているが、フィルター(複数も可)は、VUV光源246とレンズ232との間のビーム244の光路の各種の場所に位置決めしてよいことを理解されたい。
【0196】
サンプルの表面から反射された光は、ディファレンシャルアパーチャ233およびレンズ232を通過し、かつ、鏡248によって、(鏡250を通して)分光計234に向けられる。レンズ236は、アパーチャ238(これは、分析すべき試験体表面上の視野内のスポットを定義する)を通して、プローブビームを集束する。分散素子240(例えば、回折格子、プリズム、またはホログラフィックプレート)は、波長の関数として、ビームを、検出器アレイ242に含まれる個々の検出器素子に、角度的に分散する。
【0197】
異なる検出器素子は、プローブビームに含まれる異なる波長の光の光強度を、好ましくは、同時に、測定する。別法として、検出器242は、電荷結合素子(「CCD」)カメラ、あるいは、適当に分散性の、あるいは、別様に波長選択的な光学系を有する光電子増倍管であり得る。モノクロメーターを使用して、単一の検出器素子を用いて異なる波長を連続的に(一度に一波長ずつ)測定することができることに注目されたい。さらに、分散素子240は、波長の関数として一方向に、かつ、試験体表面に対する入射角の関数として直交方向に、光を分散するよう構成することもでき、したがって、波長および入射角の両方の関数としての同時測定が、可能である。プロセッサ252は、検出器アレイ242によって測定された強度情報を処理する。
【0198】
BRS230の全ての光学部品は、図16において、ハウジング内に、かつ、パージされた環境224中に、設置されるように示されているが、BRSの一つまたはそれ以上の構成要素は、ハウジングの外部の、パージされていない環境中に設置することができることを理解されたい。例えば、VUV光源246は、ハウジングの外部の、パージされていない環境中に設置してよい。VUV光源からの光は、ハウジング内に形成されたディファレンシャルアパーチャ(図示せず)を通して、レンズ245に向けられてよい。このディファレンシャルアパーチャは、ここで記述するように構成してもよい。
【0199】
広帯域分光エリプソメーター(BSE)254は、また、VUV光を用いて試験体の測定を行なうよう構成されている。BSE254は、偏光子256、集束鏡258、視準鏡260、回転補償子262、および分析器264を含んでいる。いくつかの実施形態では、BSE254は、非VUV光を用いて試験体の追加の測定を行なうよう構成してよい。非VUV光は、VUV光源246によって与えられてよい。別法として、非VUV光は、光源283または別の光源(図示せず)によって与えられてよい。このような実施形態では、BSEは、一つまたはそれ以上のフィルター235を含んでいてよい。フィルター(複数も可)235は、非VUV光を用いた測定中に、かなりの量のVUV光が試験体に到達するのを防止するよう構成してよい。したがって、フィルター(複数も可)は、非VUV測定中に、VUV光への無用な曝露から試験体を保護してよい。VUV光を用いた測定中に、フィルター(複数も可)235は、手動で、機械的に、あるいは、自動的に、ビーム244の光路の外部に移動させてよい。フィルター(複数も可)235は、鏡266と偏光子256との間に設置されるように示されているが、フィルター(複数も可)は、VUV光源246と試験体10との間のビーム244の光路の各種の場所に位置決めしてよいことを理解されたい。
【0200】
動作中、鏡266は、プローブビーム244の少なくとも一部を、偏光子256(これは、プローブビームに対して既知の偏光状態(好ましくは、直線偏光)を生成する)に向ける。鏡258は、ディファレンシャルアパーチャ233を通して、試験体表面に斜角で(理想的には、試験体表面の法線に対して70度のオーダーで)、ビームを集束する。周知の偏光解析の原理に基づいて、反射ビームは、一般に、試験体の膜268および基板270の組成および厚さに基づいて、試験体と相互作用した後に、混合した直線および円偏光状態を有することになる。
【0201】
反射ビームは、ディファレンシャルアパーチャ233を通過し、かつ、鏡260(これは、ビームを回転補償子262に向ける)によって視準される。補償子262は、一対の互いに直交する偏光した光ビーム成分の間に、相対的な位相遅れd(位相遅延)を導入する。補償子262は、ビームの伝搬方向に対して実質的に平行な軸の周りを、好ましくは、電動機272によって、角速度cで回転させられる。分析器264(好ましくは、別の直線偏光子)は、それに入射する偏光状態を混合する。分析器264によって伝達された光を測定することによって、反射されたプローブビームの偏光状態を、判定することができる。
【0202】
鏡250は、ビームを分光計234(これは、補償子/分析器の組合せを通過する、反射されたプローブビーム内の異なる波長の光の強度を、同時に測定する)に向ける。プロセッサ252は、検出器242の出力を受け取り、かつ、波長の関数として、かつ、補償子262の、その回転軸の周りの方位(回転)角の関数として、検出器242によって測定された強度情報を処理して、Aspnes他に対する米国特許第5,877,859号(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に記述されているように、偏光解析値yおよびDを解く。
【0203】
BSE254の全ての光学部品は、図16において、ハウジング内に、かつ、パージされた環境224中に、設置されるように示されているが、BSEの一つまたはそれ以上の構成要素は、ハウジングの外部の、パージされていない環境中に設置することができることを理解されたい。例えば、VUV光源246は、ハウジングの外部の、パージされていない環境中に設置してよい。VUV光源からの光は、ハウジングに形成されたディファレンシャルアパーチャ(図示せず)を通して、レンズ245に向けられてよい。このディファレンシャルアパーチャは、ここで記述するように構成してもよい。
【0204】
上述した広帯域反射分光計および広帯域分光エリプソメーターを含むシステムは、非VUV光を用いて試験体の追加の測定を行なうよう構成された追加の光学サブシステム(複数も可)も含んでいてよい。例えば、システムは、ビームプロファイルエリプソメーター、ビームプロファイル反射率計、別の光学サブシステム、またはその組合せとして構成された非VUV光学サブシステムを含んでいてよい。一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステムは、パージされていない環境中に配設してよい。例えば、追加の光学サブシステム(複数も可)の少なくとも一部は、ハウジング228の外部のパージされていない環境中に配設される。
【0205】
ビームプロファイル偏光解析(BPE)は、Fanton他に対する米国特許No. 5,181,080(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に述べられている。BPE274は、プローブビーム284を発生するレーザー283を含んでいる。レーザー283は、673 nmにおける直線偏光した3mWビームを放出する、Toshiba Corp.からの固体レーザーダイオードであってよい。BPE274は、四分の一波長板276、偏光子278、レンズ280、および四分割検出器282も含んでいる。動作中、直線偏光したプローブビーム284は、ディファレンシャルアパーチャ233を通して、レンズ232によって、試験体10に集束される。サンプル表面から反射された光は、上方に、ディファレンシャルアパーチャ233およびレンズ232を、鏡248、286、および288を、通過し、そして、鏡290によって、BPE274内に向けられる。
【0206】
反射されたプローブビーム内の光線の位置は、試験体の表面に対する特定の入射角に対応する。四分の一波長板276は、ビームの偏光状態のうちの一つの位相を、90度遅延させる。直線偏光子278は、ビームの2つの偏光状態を、互いに他と干渉させる。最大信号のためには、偏光子278の軸を、四分の一波長板276の速いおよび遅い軸に対して、45度の角度に配向すべきである。検出器282は、それぞれが、プローブビームの四分の一を遮断し、かつ、その四分円に当たるプローブビームの部分のパワーに比例して、別々の出力信号を発生する、4つの放射状に配設された四分円を有する四分割セル検出器である。
【0207】
各四分円からの出力信号は、プロセッサ252に送られる。ビームの偏光状態の変化をモニターすることによって、偏光解析情報(例えば、yおよびD)を、判定することができる。この情報を判定するためには、プロセッサ252は、直径に沿って向かい合った四分円の出力信号の和の間の差(極薄膜に対しては、膜厚と共に直線的に変化する値)を取る。
【0208】
ビームプロファイル反射率測定(BPR)については、Gold他に対する米国特許No. 4,999,014(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に述べられている。BPR292は、サンプルの反射率を測定するための、レーザー283、レンズ294、ビームスプリッター296、および2つの直線検出器アレイ298および300を含んでいる。動作中、直線偏光したプローブビーム284は、レンズ232によって、ディファレンシャルアパーチャ233を通して試験体10上に集束され、ビーム内の各種の光線が、ある範囲の入射角でサンプル表面に当たる。試験体表面から反射された光は、上方に、ディファレンシャルアパーチャ233およびレンズ232を、鏡248および286を、通過し、そして、鏡288によってBPR292内に向けられる。反射されたプローブビーム内の光線の位置は、試験体の表面に対する特定の入射角に対応する。レンズ294は、ビームを二次元的に空間的に広げる。ビームスプリッター296は、ビームのSおよびP成分を分離し、かつ、検出器アレイ298および300は、互いに他と直交に配向されて、SおよびP偏光についての情報を隔絶する。より高い入射角の光線ほど、アレイの両端のより近くに当たることになる。ダイオードアレイ内の各素子からの出力は、異なる入射角に対応することになる。検出器アレイ298および300は、試験体表面に対する入射角の関数として、反射されたプローブビームに亘って強度を測定する。プロセッサ252は、検出器アレイ298および300の出力を受け取って、かつ、各種のタイプのモデル化アルゴリズムを利用することによって、これらの角度依存の強度測定に基づいて、薄膜層268の厚さおよび屈折率を導出する。反復プロセスを使用する最適化ルーチン(例えば、最小二乗適合ルーチン)が、一般に、採用される。
【0209】
図16に示すシステムは、追加の構成要素(例えば、検出器/カメラ302)も含んでいてよい。検出器/カメラ302は、鏡290の上方に位置決めされ、かつ、アライメントおよび焦点目的のために、試験体10からの反射ビームを見るのに使用することができる。
【0210】
BPE274、BPR292、BRS230、およびBSE254を校正するためには、システムは、参照サンプル(図示せず)と関連して使用される、波長安定な校正参照エリプソメーター304を含んでいてよい。校正目的のために、参照サンプルは、理想的には、シリコン基板上に形成された厚さdを有する薄い酸化物層からなる。しかしながら、一般に、サンプルは、ベアシリコンウェーハ、および、その上に一つまたはそれ以上の薄膜を有するシリコンウェーハ基板を含む、既知の組成の任意の適当な基板であり得る。層の厚さdは、既知である、あるいは、定期的な校正の間に一定である必要はない。
【0211】
エリプソメーター304は、光源306、偏光子308、レンズ310および312、回転補償子314、分析器316、および検出器318を含んでいる。補償子314は、ビーム320の伝搬方向に対して実質的に平行な軸の周りを、好ましくは、電動機322によって、角速度yで回転させられる。補償子は、試験体と分析器との間(図16に示す)、あるいは、試験体と偏光子308との間のいずれにも、設置することができることに注目されたい。偏光子308、レンズ310および312、補償子314、および偏光子316は全て、光源306によって発生された特定の波長の光に対して、それらの構造が最適化されており、それが、エリプソメーターの精度を最大化することにも注目されたい。
【0212】
光源306は、既知の安定な波長および安定な強度を有する準単色プローブビーム320を発生する。光源306が、時間を越えて変化しない(すなわち、1%未満で変化する)非常に安定な出力の波長を発生する場合、これは、受動的に行なうことができる。受動的に安定な光源の例としては、ヘリウムネオンレーザー、または他のガス放電レーザーシステムが挙げられる。別法として、光源が、精確に既知でない、あるいは、時間を越えて安定でない波長を有する光を発生する光発生器(図示せず)、および光発生器によって発生された光の波長を精確に測定するモノクロメーター(図示せず)を含んでいる場合は、非受動システムを使用することができる。このような光発生器の例としては、レーザーダイオード、あるいは、カラーフィルター(例えば、格子)と関連して使用される多色光源等が挙げられる。いずれの場合も、ビーム320の波長(これは、既知の定数であるか、あるいは、モノクロメーターによって測定される)がプロセッサ252に与えられ、したがって、エリプソメーター304は、システム内の光学測定デバイスを正確に校正することができる。
【0213】
校正中のエリプソメーター304の動作は、米国特許No. 6,515,746に更に記述されている。簡単に言えば、ビーム320は、検出器318に入り、これは、補償子/分析器の組合せを通過するビームの強度を測定する。プロセッサ252は、検出器318によって測定された強度情報を処理して、分析器と相互作用した後の光の偏光状態を、かつ、したがって、サンプルの偏光解析パラメータを、判定する。この情報処理は、補償子の、その回転軸の周りの方位(回転)角の関数として、ビーム強度を測定することを含んでいる。補償子の角速度は、通常、既知であり、かつ、定数であるため、補償子の回転角の関数としての強度のこの測定は、時間の関数としてのビーム320の強度の測定として、有効である。
【0214】
参照サンプルの組成を知ることによって、かつ、光源306によって発生された光の厳密な波長を知ることによって、参照サンプルの光学的特性(例えば、膜厚d、屈折率、および消衰係数等)を、エリプソメーター304によって判定することができる。エリプソメーター304によって、ひとたび膜の厚さdが判定されると、同じサンプルは、サンプルの各種の光学的パラメータを測定する他の光学測定デバイスBPE274、BPR292、BRS230、およびBSE254によって、探測される。プロセッサ252は、次いで、それらが正確な結果を生成するように、これらの光学測定デバイスからの結果を分析するのに使用される処理変数を、校正する。上述した校正技法では、位相および強度に影響する全てのシステム変数は、米国特許No. 6,515,746に述べられている位相オフセットおよび反射率正規化係数を用いて、判定され、かつ、補償され、それにより、これらの校正された光学測定デバイスによって行なわれた光学測定を、絶対的なものにする。
【0215】
上述した校正技法は、大部分が、薄膜の導出された厚さdを用いた校正に基づいている。しかしながら、サンプルが、その上に単一の膜を有していても、その上に多数の膜を有していても、あるいは、さらには、その上に膜を有していなくても(ベアサンプル)、エリプソメーター304を用いた校正は、エリプソメーター304によって測定可能または判定可能な、かつ(あるいは)、別様に既知の、参照サンプルの光学的特性のうちの任意のものに、基づくことができる。
【0216】
図16に示すように、非VUV光学サブシステムの第1の部分は、パージされた環境中に配設してよく、かつ、非VUV光学サブシステムの第2の部分は、パージされていない環境中に配設してよい。例えば、BPE274の第1の部分は、ハウジング228の外部に配設され、かつ、BPE274の第2の部分は、ハウジング内に配設されている。ハウジング228の外部の、パージされていない環境中に配設されたBPE274の第1の部分は、レーザー283、鏡288、鏡290、四分の一波長板276、偏光子278、レンズ280、および四分割検出器282を含んでいる。ハウジング228の内部の、パージされた環境中に配設されたBPE274の第2の部分は、鏡243、266、286、および248、およびレンズ232を含んでいる。ハウジング228は、光が、ハウジング228の外部のBPE274の構成要素から、ハウジングの内部の構成要素に、およびその逆に、通過することができるように、ディファレンシャルアパーチャ(図示せず)、あるいは、非VUV光にとって透明な材料の比較的小さな切片(図示せず)を含んでいてよい。
【0217】
また、BPR292の第1の部分は、ハウジング228の外部に配設され、かつ、BPR292の第2の部分は、ハウジング内に配設されている。ハウジング228の外部の、パージされていない環境中に配設されたBPR292の第1の部分は、レーザー283、鏡288、レンズ294、ビームスプリッター296、および直線検出器アレイ298および300を含んでいる。ハウジング228の内部の、パージされた環境中に配設されたBPR292の第2の部分は、鏡243、266、286、および248、およびレンズ232を含んでいる。ハウジング228は、光が、ハウジング228の外部のBPR292の構成要素から、ハウジングの内部の構成要素に、およびその逆に、通過することができるように、ディファレンシャルアパーチャ(図示せず)、あるいは、非VUV光にとって透明な材料の比較的小さな切片(図示せず)を含んでいてよい。
【0218】
さらに、エリプソメーター304の第1の部分は、ハウジング228の外部に配設され、かつ、エリプソメーター304の第2の部分は、ハウジング228内に配設されている。ハウジングの外部の、パージされていない環境中に配設されたエリプソメーター304の第1の部分は、光源306および偏光子308を含んでいる。ハウジングの内部の、パージされた環境中に配設されたエリプソメーター304の第2の部分は、レンズ310および312、回転補償子314、分析器316、および検出器318を含んでいる。ハウジング228は、光が、ハウジング228の外部のエリプソメーター304の構成要素から、ハウジングの内部の構成要素に通過することができるように、ディファレンシャルアパーチャ(図示せず)、あるいは、非VUV光にとって透明な材料の比較的小さな切片(図示せず)を含んでいてよい。
【0219】
いくつかの実施形態では、VUV光学サブシステムおよび非VUV光学サブシステムは、少なくとも一つの共通の光学部品を有していてよい。共通の光学部品(複数も可)は、一般に、パージされた環境中に配設された非VUV光学サブシステムに含まれる光学部品(複数も可)を含むことになる。例えば、レンズ232は、BPE274、BPR292、BRS230、およびBSE254に共通である。また、レンズ232は、ハウジング228内の、パージされた環境224中に配設されている。同様のやり方で、鏡243、266、286、および248は、BPE274、BPR292、BRS230、およびBSE254に共通であり、かつ、ハウジング228内の、パージされた環境224中に配設されている。図16に示すエリプソメーター304は、他の光学サブシステムに共通のいかなる光学部品も有していない。エリプソメーターは、他の光学サブシステムを校正するのに使用されるため、他の光学サブシステムからのこのような分離は、適当である場合がある。
【0220】
別の好適な実施形態では、VUV波長で動作する測定技術の使用は、測定に先立って、試験体の表面から分子汚染を除去するための脱着装置と、組み合わされる。環境からの分子は、試験体の表面に付着し得る。一般に、これらの分子は、より長い波長とより、VUV内の短波長放射と、より強力に相互作用し、かつ、誤解を招く、または、不正確な、測定結果を生じ得る。好適な実施形態では、Janik他によって2002年1月23日に出願された「膜分析ツールのためのレーザーベースの清浄化デバイス」と題する米国特許出願出願番号10/056,271(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に記述されているように、これらの分子は、レーザービームによって、測定の直前に除去される。別法の実施形態では、試験体は、測定システムにロードされるのに先立って、加熱板または放射熱によって清浄化される。加熱板のいくつかの例が、Howell他に対する米国特許第6,261,853号、Kwonに対する第6,519,045号、およびHowell他に対する第6,624,393号(これらは全て、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に、示されている。
【0221】
ここで記述する、試験体の測定のために構成されたシステムの実施形態は全て、清浄化サブシステムを含んでいてよい。清浄化サブシステムは、測定に先立って、試験体から汚染物質を除去するよう構成してよい。システムは、VUV光を用いて試験体の測定を行なうよう構成された光学サブシステムも含んでいる。光学サブシステムは、パージされた環境中に配設されている。対照的に、清浄化サブシステムは、パージされていない環境中に配設されている。
【0222】
図17は、清浄化サブシステムを含む、試験体の測定のために構成されたシステムの一実施形態を示している。システムのこの実施形態は、この実施形態では図1の第1の光学サブシステム(これは、上で更に詳細に記述されている)として構成されている、光学サブシステムを含むように示されている。しかしながら、光学サブシステムは、ここで記述する、あるいは、この技術分野において既知の、任意の光学サブシステムを含んでいてよい。例えば、光学サブシステムは、エリプソメーター、反射率計、スキャタロメーター、デュアルビーム分光光度計、またはその組合せとして構成してよい。光学サブシステムは、パージされた環境14(これは、パージングサブシステム(図17には示していない)によってハウジング16内に生成され、かつ、維持される)中に配設されている。パージングサブシステムは、上述したように構成してよい。例えば、パージングサブシステムは、光学サブシステムに対してパージされた環境を与えるよう構成された差動パージングサブシステムであってよい。
【0223】
いくつかの実施形態では、光学サブシステムは、VUV光並びに非VUV光を用いて試験体10の測定を行なうよう構成してもよい。例えば、光学サブシステムは、VUV光および非VUV光の両方を与えるよう構成された一つの光源を含んでいてよい。別法として、光学サブシステムは、二つの光源(VUV光を与えるよう構成された一つの光源、および、非VUV光を与えるよう構成された別の光源)を含んでいてよい。このような光源および構成は、上で更に記述されている。光学サブシステムが、VUV光および非VUV光を用いて測定を行なうよう構成されている実施形態では、光学サブシステムは、一つまたはそれ以上のフィルター84を含んでいてよい。フィルター(複数も可)は、非VUV光を用いた測定中に、かなりの量のVUV光が試験体に到達するのを防止するよう構成してよい。フィルター(複数も可)は、上述したように更に構成してよい。
【0224】
システムは、非VUV光を用いて試験体10の追加の測定を行なうよう構成された追加の光学サブシステムも含んでいてよく、あるいは、含んでいなくてよい。例えば、図17に示すように、システムは、一般に、反射率計として構成された図1の第2の光学サブシステムとして構成された光学サブシステムを含んでいてよい。しかしながら、図17に示すシステムは、非VUV光を用いて試験体を測定するよう構成された、反射率計以外の光学サブシステム(例えば、エリプソメーター、スキャタロメーター、デュアルビーム分光光度計、その組合せ、および(または)この技術分野において既知の任意の他の非VUV光学サブシステム)を含んでいてよい。図17に示すように、追加の光学サブシステムは、ハウジング16の外部のパージされていない環境中に配設してよい。
【0225】
別法の実施形態では、システムは、VUV光を用いて試験体の追加の測定を行なうよう構成された追加の光学サブシステム(図17には示していない)を含んでいてよい。このような追加の光学サブシステムは、パージされた環境14中に配設してよい。同じパージされた環境中に配設された一つ以上の光学サブシステムを含む実施形態は、図15および16に示されており、かつ、図17に示すシステムは、このような光学サブシステムを含んでいてよい。また、一つのパージされた環境中に配設された光学サブシステムの数は、2つに限定されないことに注目されたい。事実上、3つ、4つ、5つ、または任意の他の数の光学サブシステムを、同じパージされた環境中に配設してよいと考えられる。光学サブシステムは、ここで記述するように更に構成してよい。
【0226】
図17に示すシステムは、パージされていない環境326中に配設された清浄化サブシステム324も含んでいる。例えば、清浄化サブシステム324は、ハウジング16の外部に、かつ、ハウジング16内に生成され、かつ、維持されたパージされた環境14の外部に、配設されている。図17に示すように、清浄化サブシステムおよび光学サブシステムは、同じステージ(すなわち、ステージ12)に結合されている。このやり方では、光学サブシステム(複数も可)は、清浄化サブシステムが、試験体から汚染物質を除去している間に、試験体上の測定を行なってよい。別法として、清浄化サブシステムは、異なるステージ(図示せず)に結合してよい。2つのステージは、共通の試験体ハンドラーによって結合されてよい。多くの試験体ハンドラー(例えば、ウェーハハンドラー)が、この技術分野において既知であり、かつ、任意の試験体ハンドラーを、共通の試験体ハンドラーとして使用してよい。このような実施形態では、光学サブシステム(複数も可)は、清浄化サブシステムが、異なる試験体から汚染物質を除去している間に、一つの試験体上で測定を行なってよい。いくつかのこのような実施形態では、清浄化サブシステムは、光学サブシステム(複数も可)とは異なるモジュール内に含まれていてよい。
【0227】
図17に示す実施形態では、清浄化サブシステムは、レーザーベースの清浄化サブシステムを含んでいる。このような清浄化サブシステムは、試験体10上の局所化された部位328から汚染物質を除去するよう構成されている。清浄化サブシステムは、光学サブシステム(複数も可)による測定に先立って、試験体の一部から汚染物質を除去するよう構成されていることが好ましい。詳しくは、清浄化サブシステムは、VUV光学サブシステム(複数も可)による測定に先立って、試験体の一部から汚染物質を除去するよう構成されている。このような清浄化サブシステムは、ここで記述するシステムの全てに組み込まれてよい。
【0228】
適当なレーザーベースの清浄化サブシステムの一例が、Janik他によって2002年1月23日に出願された「膜分析ツールのためのレーザーベースの清浄化デバイス」と題する米国特許出願出願番号10/056,271(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に示されている。この特許出願に記述されているように、清浄化サブシステム324は、エネルギービーム源330を含んでいる。清浄化作業中に、試験体10の上面に形成された汚染物質層(図示せず)のごく一部が、除去される。試験体上の層(図示せず)の露出した部分(すなわち、分析部位)は、次いで、測定作業中に分析される。ステージ12の位置は、エネルギービーム源330および光学サブシステム(複数も可)に対して移動させて、試験体10上の多数の場所における清浄化および分析を可能にすることができる。
【0229】
清浄化作業を行なうためには、エネルギービーム源330は、エネルギービーム332を、汚染物質層上のスポット328に向ける。エネルギービーム332は、汚染物質層を直接的に加熱することによって、あるいは、試験体上の層または試験体の、その下にある部分を加熱することによって、汚染物質層の一部を除去するよう構成されている。このやり方で加熱された汚染物質層の部分は、最終的に蒸発され、それにより、試験体上の層または試験体の、その下にある部分を露出する。この除去プロセスは、エネルギービーム332からの光子による、汚染物質層と試験体との間の結合の直接的な刺激を含む、加熱以外の他の機構によって、補助されることができる。
【0230】
エネルギービーム源330からの加熱は、局所化された部位に限定されるため、清浄化作業は、非常に高速に行なうことができ、これは、分析処理量に対するいかなる影響も最小化する。試験体10のごく一部のみが加熱されるため、その下にある層および(または)基板に対する損傷の可能性は、ごくわずかである。清浄化作業を、試験体10の非機能領域(例えば、試験体10から作成されるべき最終デバイスの機能部分(複数も可)の一部にならない、スクライブライン等の領域)で行なうことによって、損傷のリスクは、更に低減することができる。
【0231】
除去されるべき汚染物質層の量は、光学サブシステム(複数も可)の測定条件に依存する。現代の薄膜分析ツールは、一般に、少なくとも20 mm × 20 mmの分析部位を必要とする。したがって、このようなシステムに対しては、汚染物質層の少なくとも20 mm × 20 mmの部分を、除去する必要があるであろう。しかしながら、分析部位全体が、均一に清浄化されることを保証するためには、汚染物質層の、より大きな部分を除去することができよう。
【0232】
一実施形態によれば、エネルギービーム源330は、パルスレーザーを含むことができよう。例えば、汚染物質層は、水および有機材料の5オングストローム厚の層(これは、生産中に、現代の薄膜層上にしばしば形成される汚染層と同様である)を含むことができよう。1〜1000ナノ秒のパルス持続時間を有する5〜100マイクロジュールレーザーからの多数のパルス、または、さらには、単一のパルスは、次いで、汚染物質層の所望の部分を、概ね300℃〜1000℃(これは、汚染物質層のその部分を蒸発させるのに十分な温度範囲である)に加熱することができよう。別の実施形態によれば、エネルギービーム源330は、比較的高いピークパワーを実現するQスイッチレーザー(例えば、それぞれ、532 nmまたは355 nmの波長で動作する、周波数を2倍または3倍にしたYAG(イットリウムアルミニウムガーネット)レーザー)を含むことができよう。別の実施形態によれば、パルスダイオードまたはアレキサンドライト・レーザーを含む、異なる波長で動作する他のタイプのパルスレーザーが、使用される場合がある。別の実施形態によれば、連続発振レーザー(例えば、アルゴンイオンレーザー)を(例えば、音響光学または電気光学変調器で)外部的に変調して、パルスを発生することができよう。別の実施形態によれば、エネルギービーム源330は、遠隔の場所から、所望のサイズおよびエネルギーのビームをスポット328に運ぶよう構成された集束光学系(図示せず)(例えば、光ファイバーおよびレンズシステム)を含むことができよう(すなわち、光ファイバーは、遠隔のビーム発生器から、エネルギービーム332をスポット328に伝達することができよう)。別の実施形態によれば、エネルギービーム源330は、高強度光を、汚染物質層上の所望の部位に向けるための集束光学系(図示せず)に結合されたフラッシュランプを含むことができよう。
【0233】
ひとたび清浄化作業が完了すると、測定作業を行なうことができる。試験体10は、異なるツールまたはプロセスチャンバーに移動させる必要がないため、清浄化作業の直後に測定作業を行なうことができ、したがって、試験体の露出した部分(分析部位)の再汚染の可能性が、最小化される。このやり方では、局所的な清浄化作業を、測定作業と能率的に組み合わせて、正確かつ繰り返し可能な分析を保証することができる。
【0234】
図17に示すシステムでは、エネルギービーム源330および光学サブシステム(複数も可)は、試験体10上の同じ場所に、同時に集束されない。その結果、光学サブシステム(複数も可)を用いて行なわれる分析作業は、実際には、3つのステップ、清浄化作業、位置決め作業、および測定作業を含んでいる。清浄化作業中に、汚染物質層のごく一部が、エネルギービーム源330からのエネルギービームによって除去される。次いで、位置決め作業中に、試験体10は、光学サブシステムのうちの一つまたはそれ以上の光が、清浄化作業中に露出された試験体の部分と整列するように位置決めされる。試験体の露出した部分は、次いで、測定作業中に、光学サブシステム(複数も可)によって分析することができる。
【0235】
別法の実施形態では、エネルギービーム332および光学サブシステムのうちの一つからのサンプルビームは、試験体10の実質的に同じ場所に、同時に向けられてよい。例えば、エネルギービーム332およびパージされていない環境中に配設された光学サブシステムからの光は、試験体10上の実質的に同じ場所に同時に向けられてよい。したがって、試験体10の位置を、清浄化作業と、この光学サブシステムによる測定作業との間に、調整する必要はない。したがって、測定作業を、清浄化作業の直後に行なって、新しい汚染物質層が分析部位の上に再形成されないことを保証することができる。図17に示す清浄化サブシステムは、上に参照した特許出願に記述されているように更に構成してよいことを理解されたい。
【0236】
図18に示す異なる実施形態では、清浄化サブシステムは、熱ベースの清浄化サブシステムを含んでいる。このような清浄化サブシステムは、試験体10の実質的に表面全体334から汚染物質を除去するよう構成されている。清浄化サブシステムは、光学サブシステム(複数も可)による測定に先立って、試験体の一部から汚染物質を除去するよう構成されていることが好ましい。詳しくは、清浄化サブシステムは、VUV光学サブシステム(複数も可)による測定に先立って、試験体の一部から汚染物質を除去するよう構成されている。このような清浄化サブシステムは、ここで記述するシステムの全てに組み込まれてよい。
【0237】
図18に示す清浄化サブシステムは、Howell他に対する米国特許第 6,261,853号、Kwonに対する第6,519,045号、およびHowell他に対する第6,624,393号(これらは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に記述された、薄膜分析のための試験体10を作製するのに使用される、従来のウェーハ清浄化システム336である。清浄化サブシステムは、バルク加熱作業を行なって、試験体から汚染物質を除去する。試験体10は、シリコン基板(図示せず)上に形成された薄膜層(図示せず)、および、薄膜層の表面上に形成された汚染物質層(図示せず)を含んでいてよい。清浄化サブシステム336は、発熱体340を含むステージ338を組み込んでいる。発熱体340によって発生された熱は、ステージ338を通して試験体10内に伝導され、それにより、汚染物質層を蒸発させるのに必要とされる加熱を与える。ステージ338に結合された熱交換器342は、発熱体340から余分な熱を捕獲し、それにより、清浄化サブシステム自体および周囲の環境の望ましくない加熱を最小化する。
【0238】
ステージ338およびステージ12は、共通の試験体ハンドラー(図示せず)によって結合してよい。多くの試験体ハンドラー(例えば、ウェーハハンドラー)が、この技術分野において既知であり、かつ、任意の試験体ハンドラーを、共通の試験体ハンドラーとして使用してよい。清浄化サブシステム336による清浄化の後、試験体は、共通の試験体ハンドラーによってステージ12に移動させてよい。このような実施形態では、光学サブシステム(複数も可)は、清浄化サブシステムが、異なる試験体から汚染物質を除去している間に、一つの試験体上で測定を行なってよい。いくつかのこのような実施形態では、清浄化サブシステムは、光学サブシステム(複数も可)とは異なるシステムのモジュール内に含まれていてよい。
【0239】
別法の実施形態では、清浄化サブシステムは、ウェーハ全体をオーブン(図示せず)内で約300℃の温度に加熱して、試験体上の任意の汚染物質を蒸発させるよう構成してよい。薄膜分析のためのウェーハを作製するのに使用される、従来のオーブンベースのウェーハ清浄化サブシステムの一例が、Kamienieckiに対する米国特許第6,325,078号(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に記述されている。このような清浄化サブシステムは、加熱ランプからの熱放射が、試験体を加熱して、試験体上の汚染物質を蒸発させる、多数の加熱ランプ(図示せず)を含んでいてよい。
【0240】
図17および18に示すシステムは、一つ以上の清浄化サブシステムを含んでいてよい。例えば、システムは、レーザーベースの清浄化サブシステム、および、熱ベースの、あるいは、オーブンベースの清浄化サブシステムを含んでいてよい。両方の清浄化サブシステムを使用して、試験体を清浄化してよい。図17および18に示すシステムは、ここで記述するように更に構成してよい。
【0241】
現在の分光膜測定システムは、一般に、それぞれが、実質的に連続したバックグラウンドの上に乗っている少数のピーク(例えば、3つまたはそれ以下のピーク)を有する、実質的に連続したスペクトルを有している光源を、使用する。スペクトルは、画素のアレイからなるアレイ検出器によって検出され、かつ、スペクトルは、アレイに沿って広げられる。膜測定におけるデータを処理するためには、画素番号と波長との間の関係を知っていることが必要である。波長校正は、時折、適度な数の広く分離したピーク(例えば、5つまたはそれ以下の分離したピーク)のスペクトルを有する別の光源で、行なわれる。これらのピークが存在している画素番号を使用して、波長に対する画素番号の関数を適合する。この関数を使用して、データを処理する。測定ランプスペクトルのピークのうちの一つまたはそれ以上を使用して、校正プロセス間の合間に、波長校正を更新することができる。
【0242】
しかしながら、上述した測定システムおよび方法には、いくつかの欠点がある。例えば、測定スペクトルは、校正プロセス間の合間に、検出器上でドリフトする可能性があり、また、測定中に移動する可能性さえある。波長と検出器の位置との間の関係が、仮定されているものではないため、これらのドリフトおよび移動は、測定に誤差を生ずる。バックグラウンドのサイズおよび形状は、エリプソメーターに対して、測定プロセス中に変化し、また、全ての分光装置に対して、異なるサンプル間で変化するため、測定源のピークは、測定中に、あるいは、測定サンプル間で、追跡することが困難である。不完全なピーク追跡は、測定誤差を生ずる。また、ごく少数のピークを使用して、スペクトルを追跡する場合、スペクトルのスケールの変化(例えば、伸長または収縮)を、完全に把握することができない。
【0243】
したがって、分光エリプソメーター、旋光計、反射率計、または、試験体の測定のために構成された、この技術分野において既知の任意の他の分光測定システムの精度および繰返し精度を改善するための、システムおよび方法が、開発されている。システムは、試験体の測定を行なうよう構成された光学サブシステムを含んでいる。いくつかの実施形態では、測定は、膜特性の測定を含んでいてよい。光学サブシステムは、分光エリプソメーター、旋光計、反射率計、または、上述した、あるいは、この技術分野において既知の任意の他の分光測定システムとして構成してよい。エリプソメーターおよび反射率計の例は、上述されている。また、旋光計の例が、Compain他に対する米国特許第6,177,995号、Aspnes他に対する第6,181,421号、Lee他に対する第6,184,984号、Erdogan他に対する第6,211,957号、Green他に対する第6,535,286号、Westbrookに対する第6,591,024号、およびLee他に対する第6,611,330号(これらは全て、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に示されている。光学サブシステムは、ここで記述するように更に構成してよい。例えば、光学サブシステムは、パージングサブシステムによって生成されたパージされた環境中に配設してよい。別の例では、光学サブシステムは、非VUV光学サブシステムおよび(または)清浄化サブシステム(これは、上述したように構成してよい)を有するシステムに含まれていてよい。
【0244】
一実施形態では、光学サブシステムは、測定に使用される光源を含んでいる。光源は、連続したバックグラウンドを、ごくわずかしか持たない、あるいは、実質的に持たない、比較的多数の分離したスペクトルピークを有する光を発生することが好ましい。特に、スペクトルの深VUV、極紫外(EUV)、および軟X線領域において、比較的多数の分離したスペクトルピークを有する光を発生するのに使用することができる多数の光源がある。したがって、光学サブシステムは、VUV光、EUV光、または軟X線を発生するよう構成された光源を含んでいてよい。VUV光は、上に定義されている。EUV光は、一般に、約100 nm〜約10 nmの波長を有する光として定義される。軟X線は、一般に、約10 nm〜約0.5 nmの波長を有する光として定義される。また、いくつかの実施形態では、光学サブシステムは、約200 nm未満の波長を有する光を発生するよう構成された光源を含んでいてよい。
【0245】
一例では、陰極に各種の金属または合金が使用されているペニングまたは中空陰極放電を、光学サブシステムに含めることができる。マグネシウム(Mg)陰極およびネオン(Ne)バッファガスを用いたペニング放電のスペクトルが、図9に示されている。図9(これは、James A. Sampsonによる書籍「真空紫外分光学I」の77頁から引用したものである)に示すように、ペニング放電のスペクトルは、16個の分離したスペクトルピークを含んでいる。しかしながら、光源は、異なる数の分離したスペクトルピークを与えてよい。光源は、約5つまたはそれ以上の分離したスペクトルピークを与えることが好ましく、また、約10個またはそれ以上の分離したスペクトルピークを与えることが、より好ましい。別の例では、約160 nm〜90 nmのスペクトルでは、H2のスペクトルは、比較的多数の狭いピークを含んでいる。希ガスの混合物中の放電を、光源として使用することもできる。高強度パルスレーザーの高調波発生および他の非線形プロセスを使用して、多数の鋭いスペクトルピークを生成することもできる。
【0246】
軟X線を発生するのに使用することができる光源の例としては、1.064 mmネオジムYAG(軟X線放射を出力するキセノンガスプラズマを発生するレーザー)等が挙げられる。別法として、別の軟X線源(例えば、シンクロトロン、放電励起X線レーザー、電子ビーム駆動放射源デバイス、または、フェムト秒レーザーパルスに基づく高次高調波発生に基づく放射源)を、光学サブシステム内の光源として使用してよい。軟X線を発生するのに使用することができる光源の他の例が、Murakami他に対する米国特許第6,522,717号(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に記述されている。上述した光源のうちの任意のものが、ここで記述する光学サブシステムのうちの任意のものに含まれていてよい。光学サブシステムの構成は、選択された光源に応じて変えてよい。しかしながら、このような設計変更は、この技術分野において通常の知識を有する人の十分に知識内にあり、したがって、ここでは更に記述しない。
【0247】
光学サブシステムは、試験体から返された光を検出するよう構成された一つまたはそれ以上の検出器も含んでいる。いくつかの実施形態では、検出器(複数も可)は、好ましくは、アレイ検出器であってよい。裸のCCD、フォトダイオードアレイ、マイクロチャネルプレート(MCP)、およびCCDにファイバーで結合された蛍光体プレートを含むが、それらに限定されない、光学サブシステム内で使用することができるいくつかのタイプのアレイ検出器がある。検出器(複数も可)によって発生された信号は、プロセッサ、および、オプションとして、検出器をプロセッサに結合してよい一つまたはそれ以上の電子部品によって処理されてよい。プロセッサは、上述したように更に構成してよい。また、プロセッサは、上述したように光学サブシステムに結合してよい。
【0248】
測定データが処理される場合、データは、信号をピークにビンニングすることによって、処理されてよい。例えば、ソフトウェアアルゴリズムを使用して、データを個々のピークに分割することができる。一つ以上の画素に亘るピークは、及んでいる画素に対してそれらの信号が加算される。各ピークからの信号は、単一の波長(例えば、ピーク中心の既知の波長)から来るとみなされる。このようにして、信号は、現在の方法およびシステムのように画素を用いる代わりに、データの基本単位として、ピークを用いて、処理される。
【0249】
上述したプロセッサは、これらの機能を行なってよい。例えば、プロセッサは、データを、波長スペクトルに亘って互いに離れた個々のピークに分割することによって、光学サブシステムによって生成されたデータを処理するよう構成してよい。個々のピークは、光源によって発生された光の分離したスペクトルピークに対応する。また、プロセッサは、ピークが、光学サブシステムの検出器上の一つ以上の画素に亘る場合、光学サブシステムによって検出された光のピークに対する信号を加算することによって、光学サブシステムによって生成されたデータを処理するよう構成してよい。更なる例では、プロセッサは、光学サブシステムによって検出された光のピークからの信号を、単一の波長を有するとみなすことによって、光学サブシステムによって生成されたデータを処理するよう構成してよい。単一の波長は、ピークの中心の既知の波長を含んでいてよい。プロセッサは、上述したように更に構成してよい。
【0250】
他の実施形態では、プログラム命令(これは、コンピュータシステム上で実行可能であるキャリア媒体に含まれていてよい)は、上述した機能を行なうよう構成してよい。例えば、一実施形態では、プログラム命令は、コンピュータシステム上で実行して、データを、波長スペクトルに亘って互いに離れた個々のピークに分割することによって、光学サブシステムの検出器によって生成されたデータを分析することができる。個々のピークは、光学サブシステムの光源によって発生された光の分離したスペクトルピークに対応する。別の実施形態では、プログラム命令は、コンピュータシステム上で実行して、個々のピーク(複数も可)が、検出器上の一つ以上の画素に亘る場合、個々のピークのうちの一つまたはそれ以上に対する信号を加算することによって、データを分析することができる。更なる実施形態では、プログラム命令は、コンピュータシステム上で実行して、個々のピークのうちの一つまたはそれ以上からの信号を、単一の波長を有するとみなすことによって、データを分析することができる場合がある。単一の波長は、個々のピーク(複数も可)の中心の既知の波長を含んでいる。プログラム命令およびキャリア媒体は、上述したように更に構成してよい。また、別々の異なるプログラム命令を実行して、上述した機能を行ってよい。別々のプログラム命令は、プログラム命令の一つのセットに含まれていてよく、あるいは、含まれていなくてよい。
【0251】
一つの特定の例では、実質的に薄い膜を測定したい場合がある。Mg陰極を有するペニング放電光源を含むEUV反射率計を使用して、約12 nm〜約28 nmのスペクトル範囲について、反射率データを収集する。光学サブシステムによって発生された信号は、スペクトルピークにビンニングされ、かつ、各ピークは、その既知の中心波長に割り当てられる。データは、上述したように更に処理してよい。
【0252】
上述したシステムおよびキャリア媒体の実施形態は、現在使用されているシステムおよび方法に対して、いくつかの利点を有している。例えば、検出器の波長校正は、常に自動的に維持され、かつ、検出器の各露出時に更新される。また、スペクトルシフト、ドリフト、伸長、および収縮は、現在の方法およびシステムより、より完全に把握される。さらに、上述した方法およびシステムは、実質的に短い波長(例えば、約200 nm未満)における膜測定能力を改善するであろう。特に、上述したようなデータの分割は、検出器の波長校正を維持し、検出器におけるスペクトルシフト、ドリフト、伸長、収縮、またはその組合せを補正し、かつ(あるいは)、波長の関数として行なわれる光学サブシステムの測定の精度を増大する。
【0253】
本発明の各種の態様の更なる修正および別法の実施形態は、この記述を見れば、この技術に長けた人には明らかであろう。例えば、試験体の測定または分析のためのシステムおよび方法が、与えられている。したがって、この記述は、例示のみと解釈されるべきであり、かつ、この技術に長けた人に、本発明を実施する一般的なやり方を教示することを目的としている。ここで図示し、かつ、記述した本発明の形態は、現在好適とされる実施形態と解釈されるべきであることを理解されたい。全て、本発明のこの記述の利益を得た後に、この技術に長けた人には明らかであるように、ここで図示し、かつ、記述したものの代わりに、別の要素および材料を使用してよく、部分およびプロセスは、逆にしてよく、かつ、本発明のある種の特徴は、独立的に利用されてよい。以下の請求項に記述されているように、発明の趣旨および範囲を逸脱することなしに、ここで記述した要素に変更を行なってよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、試験体の測定または分析のためのシステムおよび方法に関する。ある種の実施形態は、真空紫外光および非真空紫外光を用いた試験体の測定のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学システムは、集積回路および他の半導体デバイスの製造において、有意な役割を果たしている。例えば、光リソグラフィーツールは、レチクルからレジストコーティングされたウェーハにパターンを転写するのに使用される。ウェーハ上のパターン形成された形体は、次いで、集積回路および半導体デバイスの各種の形体を形成するのに使用することができる。また、光応用計測学および(または)検査ツールは、半導体製造における品質管理目的に使用される。これらの光学システムの能力および処理量は、半導体製造に有意な影響を及ぼし得る。例えば、光リソグラフィーまたは計測学および(または)検査ツールの処理量は、半導体製造プロセスの処理量に直接的な影響を及ぼす(例えば、ツールの処理量が減少するにつれ、プロセスの処理量が減少する)。また、リソグラフィーツールの解像度は、しばしば、集積回路の形体の横方向の寸法を決定する。したがって、リソグラフィーツールの解像度は、集積回路の他の特徴(例えば、性能ビンの特徴)を決定し得る。同様に、光応用計測学および(または)検査ツールの精度は、プロセスがいかに良く管理されるかに直接、影響し得るため、光応用計測学および(または)検査ツールの解像力は、半導体製造プロセスに有意な影響を及ぼし得る。
【0003】
光学システムの解像度は、かなりの程度まで、光学システムの波長並びに他のパラメータ(例えば、開口数(NA))に左右される。例えば、光学システムの波長を低減するにつれて、光学システムは、ますます小さな寸法を有する形体を結像し、それにより、システムの解像度を増大することができる。システム(例えば、リソグラフィーツール)の波長を低減することは、半導体メーカーにとって、より小さな寸法を有する形体をウェーハに結像するための一つの方法である。今日、半導体製造において使用されている多くのリソグラフィーツールは、248 nmの波長を有する光と共に使用するよう設計されている。しかしながら、半導体研究および製造において、193 nmの波長を有する光と共に使用するよう設計されたリソグラフィーツールが、より普及しつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】発見できず
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
193 nm周辺の波長では、光は、水、酸素、および、光学システムの光路に存在する空気によって部分的に吸収される場合がある。しかしながら、これらの波長における吸収レベルは、一般に、問題とはならない。対照的に、光学システムの波長が190 nmを下回るにつれ、水、酸素、および空気による光の吸収は、これらのシステムに著しい問題を生じ得る。例えば、157 nmで使用するよう設計されたリソグラフィーツールでは、ウェーハ上のレジストに結像するのに利用できる光の量は、リソグラフィーツール内の空気による光の吸収により、不十分な場合がある。さらに、190 nm未満の波長の光を発生することができる光源の多くは、比較的低い強度またはパワーの光源である。したがって、リソグラフィーツール内の環境による光のいかなる吸収も、光学システムの結像能力の深刻な低下をもたらし得る。
【0006】
空気による吸収により喪失される光の量を低減するためには、システムの光学部品および結像されている試験体を配置することができる真空を発生するいくつかのシステムが設計可能である。しかしながら、真空を発生すること、および、維持することは、比較的高価であり得るため、190 nm未満の波長を有する光の吸収を低減するための、より一般的な方法は、その中に、光学部品および試験体が配置されるハウジングをパージすることを含んでいる。ハウジングまたはツールをパージすることは、一般に、ハウジングまたはツール内の周囲環境を、比較的純粋なガス(例えば、窒素)で置換することを含んでいる。しかしながら、光学システムをパージするのに使用される現在の方法には、いくつかの問題がある。例えば、現在使用されているパージングの方法は、一般に、ツールの比較的大きな領域(例えば、ツール全体または測定チャンバー全体)をパージすることを含んでいる。また、ツールの大きな領域をパージすることは、かなりの時間を要する。したがって、パージングは、光学システムの処理量に著しい悪影響を及ぼし得る。
【0007】
したがって、空気によって少なくとも部分的に吸収される光を使用するよう設計され、かつ、上述したものより、より能率的なパージングシステムを有する、光学ツールのためのシステムおよび方法を開発することは、有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の一実施形態は、試験体の測定のためのシステムに関する。システムは、試験体の第1の測定を行なうよう構成された第1の光学サブシステムを含んでいる。第1の光学サブシステムは、第1の測定中に、パージされた環境中に配設されている。システムは、試験体の第2の測定を行なうよう構成された第2の光学サブシステムも含んでいる。第2の光学サブシステムは、第2の測定中に、パージされていない環境中に配設されている。
【0009】
一実施形態では、第1の光学サブシステムは、真空紫外(VUV)光を用いて第1の測定を行なうよう構成されている。別の実施形態では、第2の光学サブシステムは、非真空紫外(非VUV)光を用いて第2の測定を行なうよう構成されている。他の実施形態では、第1の光学サブシステムは、VUV光および非VUV光を用いて第1の測定を行なうよう構成してよい。このような実施形態では、第1の光学サブシステムは、非VUV光を用いた測定中に、かなりの量のVUV光が試験体に到達するのを防止するよう構成された、一つまたはそれ以上のフィルターを含んでいてよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1の光学サブシステムが、VUV光を用いて第1の測定を行なうよう構成されている場合、第1の測定は、薄膜測定を含んでいてよい。一つのこのような実施形態では、第2の光学サブシステムが、非VUV光を用いて第2の測定を行なうよう構成されている場合、第2の光学サブシステムは、スキャタロメーターとして構成してよい。追加の実施形態では、第1の光学サブシステムは、反射率計として構成してよく、かつ、第2の光学サブシステムは、エリプソメーターとして構成してよい。別法の実施形態では、第1の光学サブシステムは、エリプソメーターとして構成してよく、かつ、第2の光学サブシステムは、反射率計として構成してよい。
【0011】
別の実施形態では、第1の光学サブシステムは、分光エリプソメーターまたは分光反射率計として構成されている。このような実施形態では、第2の光学サブシステムは、単一波長の光学サブシステムとして構成してよい。異なる実施形態では、第1の光学サブシステムは、約157 nmの波長を有する光を発生するよう構成されたエキシマー光源を含んでいてよい。一つのこのような実施形態によれば、第1の光学サブシステムは、単一波長のエリプソメーターとして構成してよい。別の異なる実施形態では、第1の光学サブシステムは、デュアルビーム分光光度計として構成してよい。第1の光学サブシステムは、第1の測定中に、デュアルビーム分光光度計の両方のチャネルが、実質的に同じレベルまでパージされるよう構成してもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1の光学サブシステムは、反射型集束光学系および反射型収集光学系を含んでいてよい。別法として、第1の光学サブシステムは、反射型集束光学系および透過型収集光学系を含んでいてよい。別の別法では、第1の光学サブシステムは、透過型集束光学系および反射型収集光学系を含んでいてよい。追加の実施形態では、第1の光学サブシステムは、一つまたはそれ以上の中空光ファイバーを含んでいてよい。例えば、第1の光学サブシステムは、一つまたはそれ以上の中空光ファイバーによって光学部品に結合された光源を含んでいてよい。システムは、試験体に対して光学部品を移動させて、試験体上の異なる場所で第1の測定を行なうよう構成してよい。このような実施形態では、光源は、光学部品の移動中、実質的に静止していてよい。
【0013】
追加の実施形態では、システムは、第1の光学サブシステムに対してパージされた環境を与えるよう構成された差動パージングサブシステムを含んでいてよい。いくつかの実施形態では、試験体は、第1の測定中に、異なるパージされた環境中に配設してよい。また、異なるパージされた環境は、パージされた環境より、より高いレベルで無用な分子を有していてよい。更なる実施形態では、システムは、試験体チャンバーを含んでいてよい。試験体チャンバーは、開いて、試験体が試験体チャンバー内に配置されることを可能にするよう構成してよい。試験体チャンバーは、試験体が試験体チャンバー内に配置された後、かつ、第1の測定の前に、パージされるよう構成してもよい。
【0014】
別の実施形態では、システムは、第1の光学サブシステムによる第1の測定に先立って、試験体の一部から汚染物質を除去するよう構成された清浄化サブシステムを含んでいてよい。いくつかの実施形態では、システムは、第2の光学サブシステムによって生成されたデータで第1の光学サブシステムを校正するよう構成してよい。また、システムは、第1および第2の光学サブシステムによって生成されたデータを組み合わせて使用して、試験体の一つまたはそれ以上の特性を判定するよう構成してよい。システムは、ここで記述するように更に構成してよい。
【0015】
別の実施形態は、試験体の測定のために構成された異なるシステムに関する。システムは、VUV光を用いて試験体の第1の測定を行なうよう構成された第1の光学サブシステムを含んでいる。システムは、非VUV光を用いて試験体の第2の測定を行なうよう構成された第2の光学サブシステムも含んでいる。一実施形態では、第2の光学サブシステムは、単一波長のエリプソメーターとして構成してよい。異なる実施形態では、第2の光学サブシステムは、ビームプロファイル反射率計として構成してよい。別の実施形態では、第2の光学サブシステムは、レーザー光源を含んでいてよい。
【0016】
一実施形態では、システムは、第1の測定中に、第1の光学サブシステムの周りにパージされた環境を維持するよう構成してよい。いくつかの実施形態では、システムは、第1の測定中に、第1の光学サブシステムの周りにパージされた環境を維持するよう構成された差動パージサブシステムを含んでいてよい。また、第2の光学サブシステムは、パージされていない環境中に配設してよい。システムは、また、第2の光学サブシステムによって生成されたデータで第1の光学サブシステムを校正するよう構成されている。例えば、システムは、第1の光学サブシステムおよび第2の光学サブシステムに結合されたプロセッサを含んでいてよい。プロセッサは、第2の光学サブシステムによって生成されたデータで第1の光学サブシステムを校正するよう構成してよい。システムは、ここで記述するように更に構成してよい。
【0017】
追加の実施形態は、試験体の分析のためのコンピュータに実装された方法に関する。この方法は、第1のデータを第2のデータと組み合わせて使用して、試験体の一つまたはそれ以上の特性を判定することを含んでいる。第1のデータは、VUV波長で測定され、かつ、第2のデータは、非VUV波長で測定される。第1のデータは、第1の光学サブシステムで測定してよく、かつ、第2のデータは、第2の光学サブシステムで測定してよい。第1および第2の光学サブシステムは、単一のシステム内に配置してよい。また、第1の光学サブシステムは、システム内のパージされた環境中に配設してよく、かつ、第2の光学サブシステムは、パージされていない環境中に配設してよい。
【0018】
判定される一つまたはそれ以上の特性は、試験体上の上層の光学的特性、試験体上の一つ以上の層の光学的特性、試験体上の形体の限界寸法、試験体上の形体の形状パラメータ、試験体上の2つの層間のオーバーレイオフセット、またはその組合せを含んでいてよい。一実施形態では、一つまたはそれ以上の特性は、一つまたはそれ以上のアルゴリズムを用いて判定してよい。一つまたはそれ以上のアルゴリズムは、遺伝的アルゴリズム、非線形回帰アルゴリズム、または、比較アルゴリズムを含んでいてよい。いくつかの実施形態では、第1および第2のデータは、光波散乱計測データを含んでいてよい。このような実施形態では、一つまたはそれ以上の特性は、一つまたはそれ以上の遺伝的アルゴリズムを用いて判定してよい。
【0019】
一実施形態によれば、一つまたはそれ以上の特性は、VUV波長における、試験体上の構造物の光学的特性を含んでいてよい。このような実施形態では、第2のデータは、試験体上の構造物の厚さを判定するのに使用してよい。厚さを、第1のデータと組み合わせて使用して、光学的特性を判定してよい。異なる実施形態によれば、一つまたはそれ以上の特性は、試験体上の一つまたはそれ以上の構造物の原子濃度を含んでいてよい。一つのこのような実施形態では、原子濃度は、一つまたはそれ以上の構造物の光学的特性から判定してよい。光学的特性は、第1のデータ、第2のデータ、または、第1および第2のデータから判定してよい。異なるこのような実施形態では、原子濃度は、第1および第2のデータと参照データとの比較によって判定してよい。コンピュータに実装された方法は、ここで記述するような追加のステップを含んでいてよい。
【0020】
更なる実施形態は、試験体の測定のための別のシステムに関する。システムは、VUV光を用いて試験体の測定を行なうよう構成されたデュアルチャネル光学サブシステムを含んでいる。一実施形態では、デュアルチャネル光学サブシステムは、デュアルビーム分光光度計として構成してよい。このシステムは、測定中に、デュアルチャネル光学サブシステムの周りにパージされた環境を維持するよう構成されたパージングサブシステムも含んでいる。パージングサブシステムは、また、デュアルチャネル光学サブシステムの両方のチャネル内に、同じレベルでパージングを維持するよう構成されている。一実施形態では、パージングサブシステムは、差動パージングサブシステムを含んでいてよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、システムは、非VUV光を用いて試験体の追加の測定を行なうよう構成された、一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステムを含んでいてよい。一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステムは、パージされていない環境中に配設してよい。異なる実施形態では、システムは、パージされた環境中に配設されている追加の光学サブシステムを含んでいてよい。追加の光学サブシステムは、分光エリプソメーターとして構成してよい。追加の光学サブシステムは、VUV光フラッシュランプを含んでいてよい。
【0022】
別の実施形態では、デュアルチャネル光学サブシステムは、非VUV光を用いて追加の測定を行なうよう構成してよい。一つのこのような実施形態では、デュアルチャネル光学サブシステムは、非VUV光を用いた追加の測定中に、かなりの量のVUV光が試験体に到達するのを防止するよう構成された、一つまたはそれ以上のフィルターを含んでいてよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、デュアルチャネル光学サブシステムは、反射型集束光学系および反射型収集光学系を含んでいてよい。別法として、デュアルチャネル光学サブシステムは、反射型集束光学系および透過型収集光学系を含んでいてよい。異なる別法では、デュアルチャネル光学サブシステムは、透過型集束光学系および反射型収集光学系を含んでいてよい。別の実施形態によれば、デュアルチャネル光学サブシステムは、一つまたはそれ以上の中空光ファイバーを含んでいてよい。追加の実施形態では、システムは、測定に先立って、試験体の一部から汚染物質を除去するよう構成された清浄化サブシステムを含んでいてよい。このシステムは、ここで記述するように更に構成してよい。
【0024】
更に別の実施形態は、試験体の測定のために構成された異なるシステムに関する。システムは、VUV光を用いて試験体の測定を行なうよう構成された二つまたはそれ以上の光学サブシステムを含んでいる。システムは、測定中に、二つまたはそれ以上の光学サブシステムの周りにパージされた環境を維持するよう構成されたパージングサブシステムも含んでいる。パージングサブシステムは、二つまたはそれ以上の光学サブシステム内に、ほぼ同じレベルでパージングを維持するよう、更に構成してよい。一実施形態では、パージングシステムは、差動パージングサブシステムである。
【0025】
一実施形態では、二つまたはそれ以上の光学サブシステムは、広帯域反射分光計および広帯域分光エリプソメーターを含んでいる。二つまたはそれ以上の光学サブシステムは、非VUV光を用いて試験体の追加の測定を行なうよう構成してもよい。また、二つまたはそれ以上の光学サブシステムは、非VUV光を用いた追加の測定中に、かなりの量のVUV光が試験体に到達するのを防止するよう構成された、一つまたはそれ以上のフィルターを含んでいてよい。別の実施形態では、システムは、非VUV光を用いて試験体の追加の測定を行なうよう構成された、一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステムも含んでいる。一つのこのような実施形態では、一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステムは、ビームプロファイルエリプソメーター、ビームプロファイル反射率計、広帯域反射分光計、またはその組合せを含んでいてよい。一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステムは、パージされていない環境中に配設してよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステムの第1の部分は、パージされた環境中に配設してよく、かつ、一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステムの第2の部分は、パージされていない環境中に配設してよい。また、二つまたはそれ以上の光学サブシステムおよび一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステムは、少なくとも一つの共通の光学部品(これは、一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステムの第1の部分を含んでいてよい)を有していてよい。システムは、ここで記述するように更に構成してよい。
【0027】
追加の実施形態は、試験体の測定のための別のシステムに関する。システムは、VUV光および非VUV光を用いて試験体の測定を行なうよう構成された光学サブシステムを含んでいる。一実施形態では、光学サブシステムは、非VUV光を用いた測定中に、かなりの量のVUV光が試験体に到達するのを防止するよう構成された、一つまたはそれ以上のフィルターを含んでいる。システムは、測定中に、光学サブシステムの周りにパージされた環境を維持するよう構成されたパージングサブシステムも含んでいる。パージングサブシステムは、差動パージングサブシステムであってよい。
【0028】
一実施形態では、光学サブシステムは、分光エリプソメーターまたは分光反射率計として構成してよい。このような実施形態では、光学サブシステムは、単一波長のエリプソメーターとして構成してもよい。別の実施形態では、光学サブシステムは、VUV光を用いて薄膜測定を行なうよう構成してよい。光学サブシステムは、非VUV光を用いて光波散乱計測を行なうよう構成してもよい。追加の実施形態では、光学サブシステムが、単一波長のエリプソメーターとして構成されている場合、単一波長のエリプソメーターは、約157 nmの波長を有する光を発生するよう構成されたエキシマー光源を含んでいてよい。異なる実施形態では、光学サブシステムが、分光エリプソメーターとして構成されてよい場合、分光エリプソメーターは、VUV光を発生するよう構成されたフラッシュランプを含んでいてよい。
【0029】
光学サブシステムは、一つまたはそれ以上の中空光ファイバーを含んでいてよい。いくつかの実施形態では、光学サブシステムは、一つまたはそれ以上の中空光ファイバーによって光学部品に結合された光源を含んでいてよい。システムは、試験体に対して光学部品を移動させて、試験体上の異なる場所で測定を行なうよう構成してよい。光源は、光学部品の移動中、実質的に静止していてよい。一実施形態では、光学サブシステムは、反射型集束光学系および反射型収集光学系を含んでいてよい。別法として、光学サブシステムは、反射型集束光学系および透過型収集光学系を含んでいてよい。別の別法では、光学サブシステムは、透過型集束光学系および反射型収集光学系を含んでいてよい。
【0030】
別の実施形態では、試験体は、測定中に、異なるパージされた環境中に配設してよい。一つのこのような実施形態では、異なるパージされた環境は、パージされた環境より、より高いレベルで無用な分子を有していてよい。いくつかの実施形態では、システムは、開いて、試験体が試験体チャンバー内に配置されることを可能にするよう構成された試験体チャンバーを含んでいてよい。試験体チャンバーは、試験体が試験体チャンバー内に配置された後、かつ、測定の前に、パージされるよう構成してもよい。システムは、ここで記述するように更に構成してよい。
【0031】
更なる実施形態は、試験体の測定のための別のシステムに関する。システムは、測定に先立って、試験体から汚染物質を除去するよう構成された清浄化サブシステムを含んでいる。一実施形態では、清浄化サブシステムは、レーザーベースの清浄化サブシステムを含んでいてよい。清浄化サブシステムは、試験体上の局所化された部位から汚染物質を除去するよう構成してよい。異なる実施形態では、清浄化サブシステムは、熱ベースの清浄化サブシステムであってよい。このような清浄化サブシステムは、試験体の実質的に表面全体から汚染物質を除去するよう構成してよい。
【0032】
システムは、VUV光を用いて試験体の測定を行なうよう構成された光学サブシステムも含んでいる。光学サブシステムは、パージされた環境中に配設されている。いくつかの実施形態では、システムは、光学サブシステムに対してパージされた環境を与えるよう構成された差動パージングサブシステムを含んでいてよい。しかしながら、清浄化サブシステムは、パージされていない環境中に配設してよい。
【0033】
追加の実施形態では、光学サブシステムは、非VUV光を用いて試験体の測定を行なうよう構成してもよい。一つのこのような実施形態では、光学サブシステムは、非VUV光を用いた測定中に、かなりの量のVUV光が試験体に到達するのを防止するよう構成された、一つまたはそれ以上のフィルターを含んでいてよい。
【0034】
一実施形態では、システムは、非VUV光を用いて試験体の追加の測定を行なうよう構成された追加の光学サブシステムを含んでいてよい。追加の光学サブシステムは、パージされていない環境中に配設してよい。異なる実施形態では、システムは、VUV光を用いて試験体の追加の測定を行なうよう構成された追加の光学サブシステムを含んでいてよい。追加の光学サブシステムは、パージされた環境中に配設してよい。システムは、ここで記述するように更に構成してよい。
【0035】
いくつかの実施形態は、試験体の測定のために構成された別のシステムに関する。このシステムは、試験体の測定を行なうよう構成された光学サブシステムを含んでいる。光学サブシステムは、連続したバックグラウンドを実質的に持たない、比較的多数の分離したスペクトルピークを有する光を発生するよう構成された光源を含んでいる。一実施形態では、光は、約200 nm未満の波長を有していてよい。例えば、光は、VUV光を含んでいてよい。別法として、光は、極紫外(EUV)光を含んでいてよい。別の実施形態では、光は、軟X線を含んでいてよい。比較的多数の分離したスペクトルピークは、約10個またはそれ以上の分離したスペクトルピークを含んでいてよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、光学サブシステムは、分光エリプソメーター、旋光計、反射率計、この技術分野において既知の任意の他の光学測定サブシステム、またはその組合せとして構成してよい。このような実施形態では、測定は、薄膜特性の測定を含んでいてよい。また、光学サブシステムは、試験体から返された光を検出するよう構成されたアレイ検出器を含んでいてよい。光学サブシステムは、ここで記述するように更に構成してよい。
【0037】
一実施形態では、システムは、光学サブシステムに結合されたプロセッサも含んでいてよい。一つのこのような実施形態では、プロセッサは、光学サブシステムによって検出された光のピークからの信号を、単一の波長を有するとみなすことによって、光学サブシステムによって生成されたデータを処理するよう構成してよい。単一の波長は、ピークの中心の既知の波長を含んでいる。別のこのような実施形態では、プロセッサは、ピークが、光学サブシステムの検出器上の一つ以上の画素に亘る場合、光学サブシステムによって検出された光のピークに対する信号を加算することによって、光学サブシステムによって生成されたデータを処理するよう構成してよい。追加の実施形態では、プロセッサは、データを、波長スペクトルに亘って互いに離れた個々のピークに分割することによって、光学サブシステムによって生成されたデータを処理するよう構成してよい。個々のピークは、光源によって発生された光の分離したスペクトルピークに対応する。試験体の測定のために構成されたシステムのこれらの実施形態は、ここで記述するように更に構成してよい。
【0038】
他の実施形態は、プログラム命令を含むキャリア媒体に関する。プログラム命令は、コンピュータシステム上で実行して、データを、波長スペクトルに亘って互いに離れた個々のピークに分割することによって、光学サブシステムの検出器によって生成されたデータを分析することができる。個々のピークは、光学サブシステムの光源によって発生された光の分離したスペクトルピークに対応する。一実施形態では、光源によって発生された光は、連続したバックグラウンドを実質的に持たない、比較的多数の分離したスペクトルピークを含んでいてよい。光学サブシステムは、試験体の測定を行なうよう構成されている。別の実施形態では、光学サブシステムは、分光エリプソメーター、旋光計、反射率計、この技術分野において既知の任意の他の光学測定サブシステム、またはその組合せとして構成してよい。光学サブシステムは、ここで記述するように更に構成してよい。いくつかのこのような実施形態では、測定は、薄膜特性の測定を含んでいてよい。
【0039】
データの分割は、検出器の波長校正を維持してよい。データの分割は、波長の関数として行なわれる光学サブシステムの測定の精度を増大してもよい。また、データの分割は、検出器におけるスペクトルシフト、ドリフト、伸長、収縮、またはその組合せを補正してよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、プログラム命令は、更に、コンピュータシステム上で実行して、個々のピークのうちの一つまたはそれ以上が、検出器上の一つ以上の画素に亘る場合、個々のピークのうちの一つまたはそれ以上に対する信号を加算することによって、データを分析することができる。異なる実施形態では、プログラム命令は、コンピュータシステム上で実行して、個々のピークのうちの一つまたはそれ以上からの信号を、単一の波長を有するとみなすことによって、データを分析することができる場合がある。単一の波長は、個々のピークのうちの一つまたはそれ以上の中心の既知の波長を含んでいる。
【0041】
光源によって発生された光は、約200 nm未満の波長を有していてよい。例えば、光源によって発生された光は、VUV光を含んでいてよい。別の例では、光源によって発生された光は、EUV光を含んでいてよい。更なる例では、光源によって発生された光は、軟X線を含んでいてよい。上述したキャリア媒体の実施形態は、ここで記述するように更に構成してよい。例えば、キャリア媒体は、コンピュータシステム上で実行して、ここで記述する追加のコンピュータに実装された方法を行なうことができる、追加のプログラム命令を含んでいてよい。
【0042】
追加の実施形態は、試験体の測定のための方法に関する。この方法は、試験体の分光偏光解析データを測定することを含んでいる。一実施形態では、分光偏光解析データは、約220 nm〜約900 nmの波長で測定してよい。異なる実施形態では、分光偏光解析データは、約190 nm〜約300 nmの波長で測定してよい。別の異なる実施形態では、分光偏光解析データは、VUV波長で測定してよい。
【0043】
この方法は、分光偏光解析データから、試験体上に形成された窒化酸化物ゲート誘電体の窒素濃度を判定することも含んでいる。一実施形態では、分光偏光解析データは、試験体上の多数の場所で測定してよい。一つのこのような実施形態では、この方法は、多数の場所で窒素濃度を判定すること、および、窒素濃度のウェーハ面内(WIW)均一性を判定することを含んでいてよい。別の実施形態では、この方法は、分光偏光解析データを用いて、窒化酸化物ゲート誘電体の厚さおよび屈折率を判定することを含んでいる。いくつかの実施形態では、この方法は、分光偏光解析データから窒化酸化物ゲート誘電体の屈折率を判定すること、および、屈折率から窒素濃度を判定することを含んでいてよい。
【0044】
追加の実施形態では、この方法は、試験体の反射率測定データを測定することも含んでいてよい。このような実施形態では、窒素濃度を判定することは、反射率測定データと組み合わせて、分光偏光解析データから窒素濃度を判定することを含んでいてよい。分光偏光解析データおよび反射率測定データは、一つのシステムで測定してよい。いくつかの実施形態では、この方法は、分光偏光解析データの測定に先立って、レーザーベースの清浄化サブシステムを用いて、試験体上の局所化された部位から汚染物質を除去することを含んでいてよい。分光偏光解析データは、局所化された部位で測定してよい。
【0045】
一実施形態では、分光偏光解析データを測定することは、半導体製作プロセス中に行なってよい。別の実施形態では、この方法は、窒素濃度に基づいて、半導体製作プロセスの一つまたはそれ以上のパラメータを変えることを含んでいてよい。追加の実施形態では、この方法は、窒素濃度を用いて、半導体製作プロセスの一つまたはそれ以上のパラメータをモニターすることを含んでいてよい。この方法は、ここで記述する任意の方法の任意の追加のステップを含んでいてよい。
【0046】
他の実施形態は、試験体の分析のためのコンピュータに実装された方法に関する。コンピュータに実装された方法は、試験体の測定によって生成された分光偏光解析データから、試験体上に形成された窒化酸化物ゲート誘電体の窒素濃度を判定することを含んでいる。一実施形態では、分光偏光解析データは、約220 nm〜約900 nmの波長で測定してよい。別法として、分光偏光解析データは、約190 nm〜約300 nmの波長で測定してよい。別の別法では、分光偏光解析データは、VUV波長で測定してよい。いくつかの実施形態では、分光偏光解析データは、試験体上の多数の場所で測定してよい。このような実施形態では、この方法は、多数の場所で窒素濃度を判定すること、および、窒素濃度のWIW均一性を判定することも含んでいてよい。
【0047】
一実施形態では、この方法は、分光偏光解析データを用いて、窒化酸化物ゲート誘電体の厚さおよび屈折率を判定することを含んでいてよい。別の実施形態では、この方法は、分光偏光解析データから窒化酸化物ゲート誘電体の屈折率を判定すること、および、屈折率から窒素濃度を判定することを含んでいてよい。他の実施形態では、窒素濃度を判定することは、試験体の測定によって生成された反射率測定データと組み合わせて、分光偏光解析データから窒素濃度を判定することを含んでいてよい。
【0048】
この方法の追加の実施形態は、窒素濃度に基づいて、半導体製作プロセスの一つまたはそれ以上のパラメータを判定することを含んでいてよい。一実施形態では、この方法は、窒素濃度を用いて、半導体製作プロセスの一つまたはそれ以上のパラメータをモニターすることも含んでいてよい。コンピュータに実装された方法は、ここで記述する任意の方法の任意の他のステップも含んでいてよい。
【0049】
本発明は、各種の修正および別の形態が可能であるが、その特定の実施形態が、図面の例により示され、ここで詳細に記述されるであろう。図面は、一定の縮尺ではない場合がある。しかしながら、図面およびそれに対する詳細な説明は、本発明を、開示された特定の形態に限定することを意図したものではなく、反対に、添付のクレームによって定義された本発明の趣旨および範囲内にある全ての修正、同等物および代替物を包含することを意図していることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】試験体の測定のために構成されたシステムの一実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図2】光学サブシステムに対してパージされた環境を与えるよう構成された差動パージングサブシステムの一実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図3】試験体が、測定中に、パージされた環境中に配設されている、試験体の測定のために構成されたシステムの一実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図4】試験体チャンバーの一実施形態の横断上面図を示す概略図である。
【図5】図4の試験体チャンバーの横断側面図を示す概略図である。
【図6】VUV光源および非VUV光源を含む光学サブシステムの一実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図7】反射型集束光学系および反射型収集光学系を含む光学サブシステムの一実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図8】透過型集束光学系および反射型収集光学系を含む光学サブシステムの一実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図9】反射型集束光学系および透過型収集光学系を含む光学サブシステムの一実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図10】中空ファイバーを含む光学サブシステムの一実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図11】中空ファイバーを含む光学サブシステムの一実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図12】平面鏡および実質的に静止している光源を含む光学サブシステムの一実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図13】デュアルチャネル光学サブシステムおよびデュアルチャネル光学サブシステムの周りのパージされた環境の一実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図14】両方とも、パージされた環境中に配設されている、図13のデュアルチャネル光学サブシステムおよび追加の光学サブシステムの横断側面図を示す概略図である。
【図15】パージされた環境中に配設されている二つまたはそれ以上の光学サブシステムの異なる実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図16】パージされた環境中に配設されている二つまたはそれ以上の光学サブシステムの異なる実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図17】清浄化サブシステムおよび光学サブシステムを含む、試験体の測定のために構成されたシステムの異なる実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図18】清浄化サブシステムおよび光学サブシステムを含む、試験体の測定のために構成されたシステムの異なる実施形態の横断側面図を示す概略図である。
【図19】マグネシウム陰極およびネオンバッファガスを用いたペニング放電のスペクトルを示すプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0051】
当業者なら、以下の好適な実施形態の詳細な説明により、かつ、添付の図面を参照することにより、本発明の更なる利点が明らかになるであろう。
【0052】
以下の説明は、一般に、パージされた環境を有利に使用する波長で動作するよう構成された光学システムに関する。パージングから実際に利益を得る光学サブシステムのみをパージすることによって、コストを節減することができ、かつ、信頼性を向上することができる。ここで記述する実施形態は、比較的低い波長(例えば、真空紫外または近真空紫外波長)で動作するシステムを経済的に製造することにとって、非常に重要であり得る。例えば、別法は、ロードロックを有する不活性ガス(または真空)で満たしたチャンバー内に、システム全体を包囲して、あまりに多くの酸素、水、二酸化炭素等を導入することなしに、試験体のローディングおよびアンローディングを可能にすることである。このような手法では、ウェーハ転写がより遅くなり、アライメントのための光学系へのアクセスがより制限され、かつ、システムがより高価になる。
【0053】
ここで使用される場合、術語「試験体」は、一般に、ウェーハまたはレチクルを指す。ここで使用される場合、術語「ウェーハ」は、一般に、半導体または非半導体材料から形成された基板を指す。このような半導体または非半導体材料の例としては、単結晶シリコン、砒化ガリウム、および燐化インジウム等が挙げられるが、それらに限定されない。このような基板は、一般に、半導体製作設備において、見出され、かつ(あるいは)処理されてよい。
【0054】
ウェーハは、基板(例えば、バージンウェーハ)のみを含んでいてよい。別法として、ウェーハは、基板上に形成された一つまたはそれ以上の層を含んでいてよい。例えば、このような層は、レジスト、誘電体材料、および導体材料を含んでいてよいが、それらに限定されない。レジストは、光リソグラフィー技法、電子ビームリソグラフィー技法、またはX線リソグラフィー技法によってパターン形成されてよい任意の材料を含んでいてよい。誘電体材料の例としては、二酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、および窒化チタン等が挙げられるが、それらに限定されない。誘電体材料の追加の例としては、「低K」誘電体材料(例えば、Applied Materials, Inc.(Santa Clara, California)から市販されているBlack Diamond(登録商標)、およびNovellus Systems, Inc.(San Jose, California)から市販されているCORAL)、「超低K」誘電体材料(例えば、「キセロゲル」)、および「高K」誘電体材料(例えば、五酸化タンタル)等が挙げられる。また、導体材料の例としては、アルミニウム、ポリシリコン、および銅等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0055】
ウェーハ上に形成された一つまたはそれ以上の層は、パターン形成されてよく、あるいは、パターン形成されなくてよい。例えば、ウェーハは、繰り返し可能なパターン形体を有する複数のダイを含んでいてよい。材料のこのような層の形成および処理は、最終的に、完成した半導体デバイスをもたらしてよい。そのようなものとして、ウェーハは、その上に、完全な半導体デバイスの全ての層が形成されていない基板、または、その上に、完全な半導体デバイスの全ての層が形成されている基板を含んでいてよい。術語「半導体デバイス」は、ここで、術語「集積回路」と可換的に使用される。
【0056】
試験体は、ウェーハ上に形成された薄膜ヘッドダイの少なくとも一部、ウェーハ、フラットパネルディスプレイ、磁気ヘッド、磁気および光学記憶媒体上に形成された微小電気機械システム(MEMS)デバイスの少なくとも一部、および、光通信機器および光電子デバイス(例えば、レーザー、導波管、およびウェーハ上で処理される他の受動部品、プリントヘッド、およびウェーハ上で処理されるバイオチップデバイス)を含んでいてよい他の部品の少なくとも一部を、更に含んでいてよい。
【0057】
「レチクル」または「マスク」は、一般に、その上に形成された実質的に不透明な領域を有し、かつ、パターンに構成された、実質的に透明な基板として定義される。基板は、例えば、ガラス材料(例えば、石英)を含んでいてよい。レチクルは、リソグラフィープロセスの露光ステップ中に、レジストで覆われたウェーハの上方に配設して、レチクル上のパターンがレジストに転写されるようにしてよい。例えば、レチクルの実質的に不透明な領域は、レジストのその下にある領域を、エネルギー源への曝露から保護してよい。
【0058】
術語「リソグラフィーシステム」は、ここで使用される場合、一般に、光を用いてレチクルの像をウェーハに焼き付ける任意のリソグラフィーシステムを指す。リソグラフィーシステムは、走査型投影システムまたはステップアンドスキャンシステム(これらは、両方とも、一般に、「スキャナー」またはステップアンドリピートシステムと呼ばれ、「ステッパー」とも呼ばれる)であってよい。リソグラフィーシステムは、この技術分野において既知の任意の露光システム(例えば、Nikon、ASM Lithography、Canon、またはIntegrated Solutions, Inc.から市販されているシステム)を含んでいてよい。術語「リソグラフィーシステム」、「スキャナー」、および「ステッパー」は、ここで、可換的に使用される。
【0059】
術語「真空紫外光」または「VUV光」は、ここで使用される場合、空気、酸素、二酸化炭素、および水分子によって著しく吸収される紫外光を指す。VUV光は、一般に、約190 nm未満の波長を有する光を含んでいる。術語「非真空紫外光」または「非VUV光」は、深紫外光、紫外光、可視光、赤外光、またはその任意の組合せを指す。一般に、術語「非VUV光」は、約190 nmより大きな波長を有する任意の光を指す。また、術語「近真空紫外光」または「近VUV光」は、約193 nm (例えば、約190 nm〜約200 nm)の波長を有する光(これは、雰囲気中で、部分的に透過する)を指すのに使用される。VUV光、非VUV光、および近VUV光は、単色、近単色、多色、または広帯域光であってよい。
【0060】
術語「測定」は、ここで使用される場合、ウェーハ、レチクル、または他の試験体上で行なってよい任意の測定を指す。例えば、測定は、薄膜測定、ウェーハ上の層または形体の横方向の寸法の測定、ウェーハ上の欠陥の検出(すなわち、検査)、およびウェーハ上の欠陥の一つまたはそれ以上の特性の判定を含んでいてよい。また、測定は、ウェーハ、レチクル、または、この技術分野において既知の他の試験体の任意の他の測定を含んでいてよい。
【0061】
術語「参照データ」は、ここで使用される場合、既知の原子濃度を有する一つまたはそれ以上の層を含む参照試験体上で測定されたデータを指す。
【0062】
術語「構造物」は、ここで使用される場合、試験体の層、界面、形体、または領域を指す。
【0063】
術語「第1の」および「第2の」は、ここで使用される場合、順次的または時間的指標と解釈されるべきではない。代わりに、術語「第1の」および「第2の」は、異なるサブシステム、測定、データ等を識別するのに使用される。
【0064】
ここで図面を参照すると、図1〜18は、一定の縮尺で描かれていないことに気づく。特に、図の要素のうちのいくつかの縮尺は、要素の特徴を強調するために、大幅に誇張されている。図1〜18は同じ縮尺で描かれていないことにも気づく。同様に構成されてよい一つ以上の図に示す要素は、同じ参照番号を用いて示されている。
【0065】
図1は、試験体10の測定のために構成されたシステムの一実施形態を示している。システムは、測定中に、その上に試験体10が配設されるステージ12を含んでいる。ステージ12は、真空チャック、静電チャック、または測定中に試験体を定位置に保持するよう構成された任意の他のデバイスであってよい。ステージは、機械的組立体(図示せず)に結合してよい。機械的組立体は、ステージを移動させ、かつ、それにより試験体を移動させて、試験体上の異なる場所で測定を行なうことができるように構成してよい。機械的組立体は、測定中に、試験体を回転させるよう構成してよい。機械的組立体は、試験体を横方向に平行移動させるよう構成してもよい。機械的組立体は、試験体を回転させ、かつ、同時に、平行移動させて、光ビームが、らせん様の経路で試験体の上を走査されるように構成してよい。このような機械的組立体に結合されたステージは、一般に、「rqステージ」と呼ばれてよい。いくつかの実施形態では、走査中に、試験体を回転させ、かつ、平行移動させる速度を変えて、実質的に一定の走査速度を維持してよい。他の実施形態では、機械的組立体は、試験体を2つの横方向、XおよびYに、平行移動させるよう構成してよい。このような機械的組立体に結合されたステージは、一般に、「XYステージ」と呼ばれてよい。このような実施形態では、機械的組立体は、試験体を平行移動させて、光ビームが、スパイラル様の経路で試験体の上を走査されるように構成してよい。機械的組立体は、この技術分野において既知の任意の適当な機械的またはロボット式組立体を含んでいてよい。いくつかの実施形態では、ステージは、エッジハンドリング機構を含んでいてよい。例えば、ステージは、試験体の縁部に接触するよう、および、試験体をステージの上面の上方の離れた距離に支持するよう構成された機械的形体(図示せず)を含んでいてよい。このやり方では、試験体の裏側の相互汚染は、低減され、さらには、防止されてよい。
【0066】
システムは、試験体10の第1の測定を行なうよう構成された第1の光学サブシステムを含んでいる。第1の光学サブシステムは、第1の測定中に、パージされた環境14中に配設されている。一実施形態では、第1の光学サブシステムは、ハウジング16内に配設してよい。ハウジングは、この技術分野において既知の任意の適当なハウジングを含んでいてよく、また、多くの異なるタイプが市販されている。ハウジングは、好ましくは、第1の光学サブシステムに対して十分な空間を与えながら、内部の部位が最小であるよう選択され、あるいは、形成されてよい。このやり方では、ハウジングをパージするのに要する時間は、最小限に抑えられてよい。また、システム内ではあるがハウジング16の外部にある部位は、パージされていない環境である。したがって、他の場合なら、システムの測定チャンバー全体または全体的なハウジングをパージするのに必要とされるであろう時間が、排除される。ハウジング16は、図1において、概ね長方形の形状を有するよう示されているが、ハウジングは、任意の形状(例えば、円筒状または不規則な形状)を有していてよいことを理解されたい。
【0067】
図1に示すように、ハウジングは、開口またはアパーチャ18(ここでは、「ディファレンシャルアパーチャ」と呼ぶ)を含んでおり、第1の光学サブシステムからの光が、試験体に衝突することを可能にし、かつ、試験体から返された光が、第1の光学サブシステムによって収集または検出されることを可能にする。このようなディファレンシャルアパーチャは、第1の光学サブシステムの光が、ハウジングの材料によって吸収される場合、ハウジングに含まれていてよい。別法として、ハウジングには、第1の光学サブシステムの光を、強力に吸収しない、あるいは、別様に変えない材料の比較的小さな切片を取り付けてよい。しかしながら、このような材料は、(特に、以下に述べる第1の光学サブシステムの波長(複数も可)については)比較的高価であり得るため、ハウジング内にディファレンシャルアパーチャを設けることが好ましい場合がある。ディファレンシャルアパーチャは、任意の形状を有していてよいが、その寸法は、できるだけ小さく抑えられ、それにより、ディファレンシャルアパーチャを通ってハウジング内に移行する周囲分子またはガスの量を低減することが好ましい。また、ディファレンシャルアパーチャを通過する周囲分子またはガスの量を低減するため、他の対策を取ってもよい。例えば、ハウジングの下面と試験体との間の距離を、低減または最小化してよい。
【0068】
パージングサブシステム(図1には示していない)を、ハウジングに結合してよい。パージングサブシステムは、乾燥窒素(N2)または別の適当な乾燥不活性ガスをハウジングに流し込んで、乾燥ガスが、ハウジング内の周囲ガスを置換するように構成してよい。パージングサブシステムは、ディファレンシャルアパーチャを通過する周囲分子またはガスの量が低減される流量で、十分な乾燥N2が、ハウジングに流し込まれるよう構成してもよい。また、パージングサブシステムは、実質的に清浄なガスでハウジングをパージするよう構成してよい。例えば、パージングサブシステムは、乾燥不活性ガスがハウジング内に導入される前に、汚染物質が乾燥不活性ガスから濾過されるよう構成された濾過システムを含んでいてよい。このような濾過システムは、この技術分野において既知である。
【0069】
ハウジング16は、第1の光学サブシステムによる測定に先立ってパージしてよく、一方、測定を行なわない時には、ハウジング内の環境は、パージされていない環境、または周囲環境であってよい。別法として、ハウジング16は、パージされたサブシステムによって連続的にパージしてよく、これは、ハウジングをパージする時間が製造プロセスの処理量を低減する場合がある製造等の用途に、適している場合がある。
【0070】
パージングサブシステムは、好ましくは、水、空気、酸素、二酸化炭素、および他の吸収分子(ここでは、集合的に、「無用な分子」と呼ぶ)を実質的に含んでいないパージされた環境を、第1の光学サブシステムに対して与えるよう構成されている。このようなパージングサブシステムは、一般に、この技術分野において既知であり、また、一つの特に適当なパージングサブシステムを、以下に更に記述するが、パージングサブシステムは、任意の適当な市販されているパージングサブシステムを含んでいてよいことを理解されたい。第1の光学サブシステムが動作する波長のうちの少なくともいくつかは、他の場合なら、これらの無用な分子によって実質的に吸収されるであろうことから、パージングサブシステムは、第1の光学サブシステムが配設される環境から、無用な分子を除去することが好ましい。例えば、第1の光学サブシステムは、VUV光の少なくともいくつかの波長を用いて試験体の第1の測定を行なうよう構成してよい。特に、第1の光学サブシステムは、VUV光を、あるいは、非VUV光に加えてVUV光を、用いて、試験体の第1の測定を行なうよう構成してよい。
【0071】
また、上述したように、ハウジングと試験体との間の距離を低減して、あるいは、最小限に抑えて、ディファレンシャルアパーチャを通ってハウジングに流れ込む無用な分子の量を低減してよい。しかしながら、ハウジングと試験体との間の距離を最小限に抑えることは、第1の光学サブシステムの光が、ハウジングの外部で進む距離も低減する。したがって、この距離を最小限に抑えることは、第1の光学サブシステムの光が、周囲環境によりハウジングの外部で経験する吸収の量を、最小化することになる。図1に示す他の要素については、以下で更に詳細に記述する。
【0072】
図2は、第1の光学サブシステムに対してパージされた環境を与えるのに使用してよいパージングサブシステムの一実施形態を示している。このパージングサブシステムは、Koch他によって2002年1月17日に出願された「走査型電子顕微鏡アーキテクチュアおよび関連するマテリアルハンドリングシステム」と題する米国特許出願出願番号10/052,307(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に記述された多重ステージ非接触真空シールと同様である。しかしながら、図2に示す実施形態では、多重ステージ非接触シール20を使用して、パージされた非真空環境を与える。この実施形態では、シール20は、4つの同心の金属リング22、24、26、および28を含んでいる。この実施形態では、リングは、陽極処理アルミニウム(Al2O3)から製作されているが、他の材料(例えば、チタン)を使用することができよう。これらのリングのハウジングへの適切な取り付けは、それらの下面30が、約1ミクロン以内で同一平面上にあることを保証する。
【0073】
パージングステージ20は、4つのパージングステージを有している。ステージ32(外側のステージ)は、乾燥N2または別の乾燥ガスでパージされるが、4つのパージングステージのうち、最も高いレベルで無用な分子を含んでいる。ステージ34は、ステージ32に含まれるものより低いレベルで無用な分子を有するようパージされる。同様に、ステージ36は、ステージ34に含まれるものより低いレベルで無用な分子を有するよう、パージされる。ステージ38(第4の、かつ、最も内側のステージ)は、このステージが、無用な分子を実質的に含んでいないようなレベルまでパージされる。ステージ32、34、36、および38は、それぞれ、別々の組立体44、46、48および50に、個別的に結合してよい。組立体は、ポンプ、管、フィルター、およびステージのそれぞれの内部にパージされた環境を独立的に与えるのに適した他のハードウェアを、含んでいてよい。組立体は、この技術分野において既知の任意の構成を有することができ、また、このようなハードウェアは、これらの用途のために、市販されている。
【0074】
超過圧力ベント40は、シールのセット全体の周りに高圧乾燥ガスのリングを生成する。超過圧力は、湿気が内側のパージングゾーン内に移行するのを防止する。周囲圧力ベント42は、ベント40によって生成された超過圧力と第1のパージングステージ32との間に、周囲空気圧力のリングを生成する。周囲圧力ゾーンは、ベント40から排出された高圧ガスが、パージングゾーンに向かって更に内向きに移行するのを防止する。超過圧力ベント40および周囲圧力ベント42は、それぞれ、別々の組立体52および54に、個別的に結合してよい。これらの組立体は、上述したように構成してよい。
【0075】
この実施形態では、4つのパージングステージが使用されているが、ここで、いかなるものも、本発明を、4つのステージを使用することのみに限定するものとして解釈されるべきではない。各ステージに対してより大きなポンプが必要とされる場合があるが、各ステージ間により大きな圧力差が許容できる場合は、より少ないステージを使用することができよう。同様に、より多くのステージを使用することができようが、機械的複雑さの増大、並びに、重量の増加の関連した欠点を伴う。シールの形状も、この実施形態に限定されない。円形シールは、いくつかの他の形状より、製作するのがより容易で、かつ、試験体(例えば、半導体ウェーハ)の形状にマッチするが、ここで、いかなるものも、シールが円形であることを必要としない。本発明の教示を逸脱することなしに、四角形、長方形、または、さらには、不規則な形状のシールを使用することができよう。シールは、ハウジングおよび(または)パージされた環境中に含まれる光学サブシステムの形状にマッチするように使用してもよい。多重ステージ非接触シール20は、米国特許出願出願番号 10/052,307に記述されているように更に構成してよい。
【0076】
適当なパージングサブシステムの別の例が、Nikoonahad他によって2003年11月19日に出願された「短波長放射を用いてサンプルを測定するための光学システム」と題する米国特許出願出願番号 10/718,126(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に示されている。この特許出願では、ディファレンシャルシール(上述したシールに幾分、類似しているが、真空の代わりにパージを使用することが好ましい)が、光学サブシステムの周りに維持される方法および装置が開示されている。パージされた環境を使用して、光学系の汚染を防止し、かつ(あるいは)、酸素を含んでいる種の、短波長源による曝露による解離と関連した問題を回避する。ここで記述するシステムは、パージングサブシステムを使用して、ツール内の光学サブシステムのうちのいくつかのみに対して、パージされた環境を与えるという点で、Nikoonahad他によって記述された装置とは異なっている。
【0077】
別の実施形態では、第1の光学サブシステムの光学系は、無用な分子を、実質的に低レベルで有するパージされた環境中に配設され、光学系環境と試験体環境との間には、一つまたは少数のディファレンシャルアパーチャのみを有しており、一方、試験体環境も包囲されているが、光学系の周りより、より高いレベルで無用な分子、および、雰囲気より、実質的により低いレベルでこのような分子を有している。例えば、試験体は、第1の光学サブシステムによる第1の測定中に、パージされた環境中に配設してもよい。試験体が配設されるパージされた環境は、第1の光学サブシステムが配設されるパージされた環境とは、異なっていてよい。例えば、図3に示すように、試験体は、パージされた環境56中に配設してよい。パージされた環境56は、組立体58を含むパージングサブシステムによって、与えられてよい。組立体は、上述したように構成してよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、第1の光学サブシステムとは異なり、試験体は、ハウジング内に配設されなくてよい。代わりに、乾燥N2または他の乾燥不活性ガスを、試験体に亘って、特に、試験体と第1の光学サブシステムとの間の部位に、流してよい。試験体が配設されるパージされた環境は、第1の光学サブシステムのパージされた環境より、より高いレベルで無用な分子を有していてよいため、このような構成が適している場合がある。第1の光学サブシステムと試験体との間の距離は、比較的短く、それにより、第1の光学サブシステムの光が吸収される機会がより少なくなるため、試験体のパージされた環境に対するこのような緩い環境条件は、それで十分な場合がある。
【0079】
別の実施形態では、システムは、測定中に、試験体を配設してよい試験体チャンバーを含んでいてよい。試験体チャンバーの一実施形態は、図4および5に示されている。図4の横断上面図に示すように、試験体チャンバーは、ハウジング60を含んでいてよい。ステージ62は、ハウジング60内に配設されている。ステージは、上述したように構成してよい。試験体チャンバーは、開いて、試験体が、試験体チャンバー内に配置されることを可能にするよう構成されている。例えば、図5の横断側面図に示すように、ハウジング60は、ハウジングの側面66に結合されたドア64を含んでいてよい。ドア64は、ハウジング60の側面66の開口68から離れて、降下(または、別様に移動)させてよい。試験体10は、次いで、試験体ハンドラー70によって、開口68を通過させてよい。試験体ハンドラーは、この技術分野において既知の、任意の適当な試験体ハンドラー(例えば、ロボット式ウェーハハンドラーまたは他の機械的または電動式組立体)を含んでいてよい。試験体ハンドラーは、試験体をステージ62に配置してよい。試験体ハンドラーは、次いで、ハウジングの外部に移動させてよく、また、ハウジングのドアは、開口を越えて移動して、それにより、試験体をハウジングで包囲してよい。試験体チャンバーは、次いで、第1の光学サブシステムによる第1の測定の前に、パージしてよい。したがって、簡単なドアが、周囲環境から試験体環境を分離して、かなりの量の空気が、試験体がロードされる時にハウジングに入ることを可能にしてよく、ひとたびドアが閉じられると、これを迅速にパージして、無用な分子を比較的低いレベルまで除去してよい。このような実施形態は、フルロードロックのコスト、空間、および複雑さを回避するが、それでも、比較的低いレベルで試験体の周りに無用な分子を、かつ、更により低いレベルで光学系の周りに無用な分子を維持する。
【0080】
試験体チャンバーは、試験体が試験体チャンバー内に配設されている間に、試験体の測定が行なわれてよいような多数の方法で、構成してよい。一実施形態では、図5に示す試験体チャンバーの上面72は、第1の光学サブシステム、並びに、システムの任意の他の光学サブシステムからの光にとって、光学的に透明な材料から形成されていてよい。このような材料は、波長のうちの少なくともいくつか(例えば、VUV波長)については、比較的高価であり得るため、別の実施形態では、第1の光学サブシステム、並びに、システムの任意の他の光学サブシステムからの光が、通過してよい、開口またはディファレンシャルアパーチャ(図示せず)を、上面72に形成してよい。いくつかのこのような実施形態では、ディファレンシャルアパーチャは、試験体とほぼ同じ横方向の寸法を有していてよい。別法として、ディファレンシャルアパーチャは、試験体の横方向の寸法よりはるかに小さいが、少なくとも第1の光学サブシステムからの光が、開口を通過することを可能にするのに十分な、横方向の寸法を有していてよい。このような実施形態では、ディファレンシャルアパーチャを、第1の光学サブシステムによる試験体の走査と関連して、移動させてよい。例えば、ディファレンシャルアパーチャを、第1の光学サブシステムによる走査に従って移動させる材料のプレートまたは比較的平らなシートに、形成してよい。しかしながら、試験体の周りのパージされた環境中の無用な分子の量は、比較的高い場合があるため、かつ、試験体とほぼ同じ横方向の寸法を有するディファレンシャルアパーチャを、ハウジングの上面に有することは、より簡単な構成を与えるであろうことから、ハウジングに対するこのような構成は、好ましい場合がある。
【0081】
再び図1を参照すると、図1は、第1の光学サブシステムの一実施形態を示している。この実施形態では、第1の光学サブシステムは、エリプソメーターとして構成されている。エリプソメーターは、光源74を含んでいる。各種の異なる光源を使用して、第1の光学サブシステムのためのVUV波長を発生することができる。一つの好適な実施形態では、重水素(D2)ランプが使用される。一般に、ランプは、このような波長をよく透過する材料(例えば、弗化マグネシウム(MgF2))からなる窓を有することになる。多角度のエリプソメーターまたはビームプロファイル反射率計を含むエリプソメーターまたは反射率計構成で使用するための狭帯域光源として、エキシマーまたは高輝度ガス放電ランプ(例えば、Wieser他に対する米国特許第6,052,401号、Wieser他に対する6,282,222号、および、Salvermoser他に対する6,400,089号(これらは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に記述されたもの)を、使用することができよう。フラッシュランプ(キセノンまたは他のガスで満たした)またはキセノンアークランプも、VUV波長の光を発生することができる。
【0082】
光源74は、単色または近単色光源であってよい。例えば、第1の光学サブシステムは、約157 nmの波長または別のVUV波長を有する光を発生するよう構成されたエキシマー光源を含んでいてよい。このような実施形態では、エリプソメーターは、単一波長のエリプソメーターとして機能してよい。別法として、光源74は、多色または広帯域光源であってよい。例えば、第1の光学サブシステムは、VUV波長を有する光を発生するよう構成されたフラッシュランプを含んでいてよい。この実施形態では、エリプソメーターは、分光エリプソメーターとして機能してよい。
【0083】
光源74からの光は、偏光子76に向けられる。一実施形態では、偏光子は、ロションプリズムであってよい。いくつかの実施形態では、偏光子が回転して、エリプソメーターが、回転偏光子型エリプソメーター(RPE)として構成されるようにしてよい。偏光子を通過する光は、試験体10に向けられる。
【0084】
試験体から反射された光は、分析器78によって収集される。分析器78は、この技術分野において既知の任意の偏光素子を含んでいてよい。RPE構成では、分析器の位置は固定されている。しかしながら、いくつかの実施形態では、偏光子76および分析器78の両方が、回転してよい。回転偏光子および回転分析器を含むエリプソメーターシステムの一例が、Wang他による国際公開番号 WO 00/65331(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に開示されている。分光エリプソメーター構成では、第1の光学サブシステムは、分光計80および検出器82を含んでいてよい。分光計または別の分散素子は、異なる波長を有するビーム成分を分離するよう構成してよい。ビームの分離した成分は、検出器のアレイの個々の素子によって検出されてよい。非分光エリプソメーター構成では、第1の光学サブシステムは、検出器82を含んでいてよいが、分光計80は含まない。検出器82は、この技術分野において既知の任意の適当な検出器を含んでいてよい。
【0085】
検出器82は、ハウジング16内に含まれるパージされた環境中に設置されるよう示されているが、検出器および任意の関連した電子機器は、別法として、ハウジング16の外部に、かつ、したがって、第1の光学サブシステムのためのパージされた環境の外部に、設置してよいことを理解されたい。このような実施形態では、第2のディファレンシャルアパーチャ(図示せず)を、ハウジング内に形成してよい。分光計からの光は、追加のディファレンシャルアパーチャを通して、検出器の感光素子に向けられてよい。検出器および任意の関連した電子機器を、ハウジング16内のパージされた環境の外部に配置することは、ハウジング内の部位が低減され、それにより、パージされた環境を生成するのに要する時間、および、パージされた環境を生成し、かつ、維持するコストが、低減されることを可能にしてよい。
【0086】
図1には、一つの特定のエリプソメーターの構成が示されているが、エリプソメーターは、この技術分野において既知の任意の構成を有していてよいことを理解されたい。例えば、第1の光学サブシステムは、回転補償子型エリプソメーター(RCE)(これは、この技術分野において既知である)またはビームプロファイルエリプソメーター(これは、ここで更に記述する)として構成してよい。また、エリプソメーターは、可変角度エリプソメーターとして構成してよい。エリプソメーターの構成の更なる例が、Janik他による「膜分析ツールのためのレーザーベースの清浄化デバイス」と題する米国特許出願出願番号 10/056,271、およびSpanier他に対する米国特許第5,166,752号、Piwonka-Corle他に対する第5,608,526号、Piwonka-Corle他に対する第5,910,842号、および、Opsal他に対する第6,515,746号(これらの全ては、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に示されている。このようなシステムは、VUV波長での使用に適するよう構成された場合、ここで記述するパージング構成から利益を得ることもできる。
【0087】
一実施形態では、光学系およびディファレンシャルアパーチャの周りのパージされた環境を使用して、雰囲気中で部分的に透過可能な(かつ、したがって、厳密には、VUVと呼ぶことができない)波長(例えば、193 nm)または近VUV波長で行われる測定に対して、信号レベルを改善してよい。193 nm付近の波長の光はある程度吸収されるため、光路の全部または一部をパージすることによって、これらの波長における信号レベルの有用な改善を得ることができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、第1の光学サブシステムは、VUV光および非VUV光を用いて試験体の第1の測定を行なうよう構成してもよい。このやり方では、単一のパージされた測定光路を、VUVおよびより長い波長の両方に使用することができる。このような光学サブシステムは、VUV光および非VUV光の両方を与えるよう構成された一つの光源を含んでいてよい。このような光源の一例は、キセノンアークランプである。別法として、第1の光学サブシステムは、2つの光源(VUV光を与える一つの光源、および非VUV光を与える別の光源)を含んでいてよい。図6は、第1の光学サブシステムの一つのこのような実施形態を示している。この図は、第1の光学サブシステムのみを示しているが、第1の光学サブシステムのこの実施形態は、ここで記述するシステムのうちの任意のものに組み込んでよいことを理解されたい。図6に示すように、第1の光学サブシステムは、光源74および光源83aを含んでいる。光源74は、VUV光を与えるよう構成してよい。光源83aは、非VUV光を与えるよう構成してよい。このような実施形態では、光源74は、上述した光源のうちの任意のものを含んでいてよく、また、光源83aは、白色光源、レーザー光源、または任意の他の非VUV光源を含んでいてよい。
【0089】
VUV光および非VUV光は、ダイクロイックミラー83bまたは別の適当な光学部品によって、単一のビームに結合されてよい。したがって、VUV光および非VUV光は、同じ入射角で試験体10に同時に向けられてよい。別法として、第1の光学サブシステムは、VUV光および非VUV光を、異なる入射角で試験体に向けるよう構成してよい。例えば、光源のそれぞれを、異なる集束光学系、および(または)、光を試験体に向けるよう構成された他の光学部品に、結合してよい。光源、集束光学系、および他の光学部品は、異なる光源からの光が、異なる個別の入射角で試験体に向けられてよいよう配置されてよい。
【0090】
このような実施形態は、光路内に移動して、試験体のVUV放射への曝露を制限するフィルター(複数も可)を含んでいてよい。一つのこのような実施形態では、第1の光学サブシステムは、図1に示すように、一つまたはそれ以上のフィルター84を含んでいてよい。図1において、フィルター(複数も可)84は、偏光子と試験体との間に設置されるよう示されているが、フィルター(複数も可)は、光源と試験体との間の光路の任意の場所に配設してよいことを理解されたい。一つまたはそれ以上のフィルターは、非VUV光を用いた測定中に、かなりの量のVUV光が試験体に到達するのを防止するよう構成してよい。試験体が、特定の測定に必要とされる波長のみに曝露され、かつ、必要とされるものより、実質的により短い波長には曝露されないよう、それぞれが、連続的により短い遮断波長(例えば、400 nm、300 nmおよび190 nm)を有する、選択されたフィルターを使用することができよう。一つまたはそれ以上のフィルターは、この技術分野において既知の任意の適当なフィルター(複数も可)(例えば、帯域フィルター(複数も可)、エッジフィルター(複数も可)、ノッチフィルター(複数も可)、またはその組合せ)を含んでいてよい。
【0091】
また、第1の光学サブシステムは、多重測定サブシステムとして機能するよう構成してよい。例えば、第1の光学サブシステムは、分光エリプソメーター、並びに、単一波長のエリプソメーターとして構成してよい。一つのこのような実施形態では、第1の光学サブシステムは、分光エリプソメーターに対して光を与えるよう構成された広帯域光源を含んでいてよい。一例では、分光エリプソメーターは、VUV光を発生するよう構成されたフラッシュランプを含んでいてよい。また、第1の光学サブシステムは、単一波長のエリプソメーターに対して光を与えるよう構成された単色または近単色光源を含んでいてよい。一つの特定の実施形態では、単一波長のエリプソメーターは、約157 nmの波長を有する光を発生するよう構成されたエキシマー光源を含んでいてよい。このような光学サブシステムは、図6で説明され、かつ、示されているように、更に構成してよい。別法として、第1の光学サブシステムは、広帯域光源、および広帯域光源に結合された一つまたはそれ以上のフィルターを含んでいてよい。フィルター(複数も可)は、分光エリプソメーターとしての第1の光学サブシステムの動作中に、光路の外部に移動して、多数の波長が試験体に向けられるようにしてよい。フィルター(複数も可)は、単一波長のエリプソメーターとしての第1の光学サブシステムの動作中に、光路内に移動してよい。このような第1の光学サブシステムは、図1で説明され、かつ、示されているように、更に構成してよい。
【0092】
第1の光学サブシステムは、反射または透過型集束光学系および反射または透過型収集光学系も含んでいてよい。例えば、図7〜9は、第1の光学サブシステムの3つの異なる実施形態を示している。これらの図は、第1の光学サブシステムのみを示しているが、第1の光学サブシステムのこれらの実施形態は、ここで記述するシステムのうちの任意のものに組み込んでよいことを理解されたい。図7に示すように、第1の光学サブシステムは、光源74および偏光子76(これは、上述したように構成してよい)を含んでいる。第1の光学サブシステムは、偏光子からの光を試験体10に集束するよう構成された反射型集束光学系86も含んでいる。第1の光学サブシステムは、オプションとして、上述したように構成された一つまたはそれ以上のフィルター84を含んでいてよい。一つまたはそれ以上のフィルターは、反射型集束光学系86と試験体10との間の光路に配置されるように示されているが、一つまたはそれ以上のフィルターは、別法として、光源74と試験体10との間の任意の場所に配置してよいことを理解されたい。
【0093】
第1の光学サブシステムのこの実施形態は、反射型収集光学系88も含んでいる。反射型収集光学系88は、試験体10からの光を収集し、かつ、収集された光を偏光子78(これは、上述したように構成してよい)に集束するよう構成してよい。第1の光学サブシステムは、分光計80(これは、上述したように構成してよい)も含んでいてよい。また、第1の光学サブシステムは、検出器82(これは、上述したように構成してよい)を含んでいる。
【0094】
反射型集束光学系86および反射型収集光学系88は、この技術分野において既知の任意の集束鏡を含んでいてよい。反射型集束光学系および反射型収集光学系は、第1の光学サブシステムのVUV波長に特に適している場合がある。例えば、反射型光学系は、透過型光学系より、VUV光における収差が有意により少ない場合がある。また、反射型光学系は、VUV光に適した透過型光学系より、より安価である場合がある。
【0095】
しかしながら、透過型光学系は、第1の光学サブシステムに含まれていてよい。図8および9は、2つのこのような実施形態を示している。例えば、図8に示す第1の光学サブシステムの実施形態は、反射型集束光学系86の代わりに、透過型集束光学系90が使用されることを除いて、図7に示すものと同様である。透過型集束光学系90に適した光学部品の例としては、球面レンズ、別のタイプのレンズ、またはレンズの組合せ(これらは、それぞれ、弗化カルシウム(CaF2)からなっていてよい)が挙げられる。図8に示すように、オプションの一つまたはそれ以上のフィルター84を、偏光子76と透過型集束光学系90との間の光路に配設してよい。別法として、オプションの一つまたはそれ以上のフィルター84を、光源74と試験体10との間の任意の場所に配設してよい。図8に示す実施形態は、反射型収集光学系88(これは、上述したように構成してよい)も含んでいる。別法では、図9に示す第1の光学サブシステムの実施形態は、反射型収集光学系88の代わりに、透過型収集光学系92が使用されることを除いて、図7に示すものと同様である。透過型収集光学系92は、球面レンズ、別のタイプのレンズ、またはレンズの組合せ(これらは、それぞれ、CaF2からなっていてよい)を含んでいてよい。図9に更に示すように、第1の光学サブシステムは、反射型集束光学系86(これは、上述したように構成してよい)を含んでいてよい。いくつかの実施形態では、第1の光学サブシステムは、図8に示すような透過型集束光学系および図9に示すような透過型収集光学系を含んでいてよい。
【0096】
VUV光学サブシステムでは、光は、鏡からの反射、レンズを介した透過、および中空光ファイバーを介した伝達を含む、該当する波長に適した任意の手段によって、光源から測定場所に伝達することができる。ここで更に記述するように、平面鏡またはファイバーの使用は、光源を移動させなくても、測定ヘッドが、試験体に対して移動することを可能にすることができる。
【0097】
一実施形態では、第1の光学サブシステムは、一つまたはそれ以上の中空光ファイバーを含んでいてよい。中空光ファイバーは、ここで、光ファイバーの光コア内に少なくともある程度の空隙を有する光ファイバーとして、定義される。VUV光は、従来の光ファイバーの中実の光コアによって、実質的に吸収される場合があるため、中空光ファイバーは、第1の光学サブシステムのVUV光の伝達にとって特に有利であってよい。中空光ファイバーは、Bell Labs、Corning、およびカリフォルニア大学リバーサイド校を含むが、それらに限定されない多数の会社および組織によって、開発されている。
【0098】
図10に示す一実施形態では、第1の光学サブシステムは、中空光ファイバー94を含んでいてよい。中空光ファイバー94は、光源74からの光を、第1の光学サブシステムの光学部品に向けるよう構成されている。例えば、中空光ファイバー94は、光源74からの光を、偏光子76に向けるよう構成してよい。第1の光学サブシステムは、この実施形態において、図7に示すものと同様の構成を有するよう示されている。しかしながら、中空光ファイバーを使用して、光源からの光を、ここで記述する第1の光学サブシステムの任意の他の実施形態の偏光子または別の光学部品に伝達してよい。いくつかの実施形態では、第1の光学サブシステムは、追加の中空光ファイバー(図示せず)も含んでいてよい。追加の中空光ファイバーは、分析器、分光計または別の光学部品からの光を、検出器に伝達するよう構成してよい。
【0099】
いくつかの実施形態では、システムは、試験体に対して、第1の光学サブシステムの光学部品を移動させて、試験体上の異なる場所で第1の測定を行なうよう構成してよい。しかしながら、光源は、光学部品の移動中、実質的に静止していてよい。例えば、図10と図11との比較で示したように、システムは、試験体10に対して、偏光子76、反射型集束光学系86、一つまたはそれ以上のフィルター84、反射型収集光学系88、分析器78、分光計80、および検出器82を移動させて、試験体上の異なる場所が、第1の光学サブシステムによって測定されるように構成してよい。しかしながら、これらの光学部品の移動または異なる位置にも関わらず、光源74を、その元の位置から移動させなくてよい。代わりに、中空光ファイバー94は、十分に柔軟であってよく、かつ、十分な長さを有して、中空光ファイバーが、偏光子のある範囲の位置を越えて、光源から偏光子まで伸びることができるようにしてよい。
【0100】
このような光源を移動させることは、コストが掛かり、かつ、複雑である場合があるため、このような実施形態は、比較的大きな、あるいは、繊細な光源(例えば、エキシマー光源)には、特に有利である場合がある。また、このような実施形態では、光源は、ハウジング16内のパージされた環境の外部に配設してよい。ハウジングのディファレンシャルアパーチャは、中空光ファイバーが、ハウジングの外部の光源から、ハウジングの内部の光学部品(例えば、偏光子76)まで伸びることを可能にしてよい。このような実施形態は、光源をハウジングの外部に移動させることによって、ハウジング内の部位が低減され、それにより、パージされた環境の部位が低減される場合があるため、特に有利である場合がある。同様のやり方で、第1の光学サブシステムの光学部品からの光を検出器に伝達する適当な中空光ファイバーは、光学部品の移動中、検出器が、実質的に静止した位置を有することを可能にしてよい。このような構成は、ハウジング16の内部またはハウジング16の外部に設置された検出器に、適している場合がある。図10および11は、第1の光学サブシステムのみを示しているが、第1の光学サブシステムのこれらの実施形態は、ここで記述するシステムのうちの任意のものに組み込んでよいことを理解されたい。
【0101】
別の実施形態では、第1の光学サブシステムは、平面鏡を含んでいてよい。一つのこのような実施形態は、図12に示されている。この実施形態では、光源74からの光は、平面鏡96に向けられる。いくつかの実施形態では、光は、中空光ファイバー(図示せず)によって、光源から平面鏡に向けられてよい。平面鏡96は、光源からの光を、第1の光学サブシステムの光学部品(例えば、偏光子76)に向ける。平面鏡は、平面鏡の位置を変えて、光が平面鏡から反射される角度を変えるよう構成された、機械的組立体または他の機構(図示せず)に結合してよい。例えば、平面鏡の位置は、図12のベクトルで示したように、二方向的に変えてよい。
【0102】
この実施形態では、光源の位置は、実質的に静止していてよい。また、平面鏡の位置は、光源に対して横方向に固定されていてよい。光学部品を、上述したように移動させて、試験体上の異なる場所で測定を行なってよい。光源とこれらの光学部品との間の異なる位置を補うためには、平面鏡の位置(およびオプションとして、一つまたはそれ以上の光学部品(例えば、偏光子76)の位置)を変えて、光学部品の位置に関わらず、光源からの光が、適当な角度で適当な光学部品に向けられるようにしてよい。第1の光学サブシステムは、図12において、一つの平面鏡のみを含むよう示されているが、第1の光学サブシステムは、一つ以上の平面鏡(図示せず)(これらは、それぞれ、光源からの光を各種の角度で反射して、光学部品の移動を補うよう構成してよい)を含んでいてよいことを理解されたい。図12は、第1の光学サブシステムのみを示しているが、第1の光学サブシステムのこの実施形態は、ここで記述するシステムのうちの任意のものに組み込んでよいことを理解されたい。
【0103】
再び図1を参照すると、図1に示すシステムは、第2の光学サブシステムも含んでいる。第2の光学サブシステムは、試験体の第2の測定を行なうよう構成されている。第2の光学サブシステムは、第2の測定中に、パージされていない環境(すなわち、周囲環境、あるいは、相当な数の無用な分子を含んでいる環境)中に配設されている。例えば、図1に示すように、第2の光学サブシステムは、ハウジング16(これは、第1の光学サブシステムのためのパージされた環境を含んでいる)の外部に配設される。また、第2の光学サブシステムは、システムの測定チャンバーまたは全体的なハウジング(図示せず)内に配設されているが、測定チャンバーまたは全体的なハウジングは、パージされない。第2の光学サブシステムは、非VUV光を用いて第2の測定を行なうよう構成されているため、第2の光学サブシステムは、パージされていない環境中に配設してよい。
【0104】
図1に示す実施形態では、第2の光学サブシステムは、反射率計として構成されている。例えば、第2の光学サブシステムは、光源98を含んでいる。光源98は、単色または近単色光源であってよい。この実施形態では、反射率計は、単一波長の反射率計として構成してよい。適当な単色光源の一例は、単一波長のレーザー光源である。別の実施形態では、光源は、多色光源または広帯域光源であってよい。このような実施形態では、反射率計は、分光反射率計として構成してよい。適当な広帯域光源の一例は、可視および紫外光を含む光ビームを放出するよう構成されたキセノンアークランプである。
【0105】
第2の光学サブシステムは、ビームスプリッター100も含んでいる。ビームスプリッターは、光源98から放出された光を試験体10に向けるよう構成されている。ビームスプリッターは、光の連続広帯域スペクトルを発生することができるビームスプリッターミラーであってよい。第2の光学サブシステムは、レンズ102(これは、ビームスプリッター100から伝搬する光を、試験体10に集束するよう構成されている)を更に含んでいる。試験体から返された光は、レンズ102およびビームスプリッター100を通過して、回折格子104に到達してよい。回折格子は、試験体から返された光を分散するよう構成してよい。分散された光は、分光計(例えば、検出器アレイ106)に向けられてよい。検出器アレイは、直線フォトダイオードアレイを含んでいてよい。光は、それが分光計に入る際、回折格子によって分散されて、結果として得られたサンプルビームの一次回折ビームが、直線フォトダイオードアレイによって収集されるようにしてよい。
【0106】
図1には、反射率計の一つの特定の構成が示されているが、第2の光学サブシステムは、この技術分野において既知の任意の反射率計構成を有していてよいことを理解されたい。分光反射率計の追加の例が、Gold他に対する米国特許第4,999,014号およびNortonに対する第5,747,813号(これらは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に示されている。第2の光学サブシステムは、ビームプロファイル反射率計として構成してもよい。このような構成は、ここで、以下に更に記述されている。
【0107】
したがって、複数の光学サブシステムを、単一のツールまたはシステムにおいて、組み合わせて使用してよい。しかしながら、これらの光学サブシステムのうちのいくつか(例えば、第1の光学サブシステム)のみが、パージされた環境中に維持される。パージされた環境は、ディファレンシャルシール(例えば、Nikoonahad他によって記述されたもの)で生成することができる。パージされた状態に維持される光学サブシステムは、好ましくは、短波長(例えば、VUV波長)を有する照明源を使用するものである。
【0108】
図1に示すシステムは、エリプソメーターとして構成された第1の光学サブシステムおよび反射率計として構成された第2の光学サブシステムを含んでいる。エリプソメーターは、パージされた環境中に配設して、エリプソメーターが、VUV波長で動作することができるようにしてよく、一方、反射率計は、雰囲気中にあり、かつ、約190 nmより長い波長に限定される。Nikoonahad他に対する米国特許第6,633,831号(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に記述された多くの各種の構成、および(または)、KLA-Tencor、Therma-Wave、およびRudolph Technologyからの市販されているツールに存在するサブシステムのそれらの組合せに対して、同様の構成を想定できよう。
【0109】
しかしながら、システムは、光学サブシステムの他の組合せを含んでいてよい。例えば、一実施形態では、第1の光学サブシステムは、反射率計として構成してよく、かつ、第2の光学サブシステムは、エリプソメーターとして構成してよい。このような構成は、システム(例えば、KLA-Tencorから市販されているF5システム)には望ましい場合があり、これは、Piwonka-Corle他に対する米国特許第5,608,526号(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に記述されている。特に、エリプソメーターより、より短い波長の反射率計を有していることが望ましい場合がある。したがって、反射率計のみの周りにパージされた環境を維持し、一方、エリプソメーターが、酸素を含んでいる雰囲気に曝露されることを可能にすることが望ましい場合がある。
【0110】
別の例では、上に参照した ’752特許は、多角度のエリプソメーターを記述している。ほとんどのレーザーの輝度および安定性のため、このようなエリプソメーターのための光源として、一つまたはそれ以上のレーザーを使用することが便利である。VUV波長で動作するレーザーは高価であるため、一つの好適な実施形態では、雰囲気中で動作する一つまたはそれ以上の可視または近赤外レーザー(例えば、ガスまたはダイオードレーザー)を有する多角度のエリプソメーターを、VUV源を使用する反射率計(例えば、D2ランプ)と組み合わせてよい。反射率計は、ディファレンシャルアパーチャを利用して、不活性ガスでパージされる。
【0111】
別の実施形態では、第1の光学サブシステムは、エリプソメーター、反射率計、または別の薄膜測定光学サブシステムとして構成してよく、かつ、第1または第2の光学サブシステムは、スキャタロメーターとして構成してよい。分光エリプソメーターおよび分光スキャタロメーターの両方として構成してよい光学サブシステムの一例が、Xu他に対する国際公開番号 WO 99/45340(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に示されている。このような光学サブシステムは、ここで記述するように、VUV光および非VUV光の両方を用いて試験体の測定を行なうよう構成してよい。スキャタロメーターは、この技術分野において既知の任意の他の構成を有していてもよい。
【0112】
光学サブシステムを使用して、膜特性および限界寸法(CD)および他の形状パラメータを測定することができよう。膜特性を判定するためには、CDおよび他の形状特性を判定するための波長帯とは異なる波長帯を使用してよい。例えば、光学的特性の測定には、VUV内まで伸びる波長を使用するが、CD測定には、近UVおよびより長い波長のみを使用することが有利である場合がある。このような実施形態では、第1の光学サブシステムは、VUV光を用いて薄膜測定を行なうよう構成してよい。また、第1または第2の光学サブシステムは、非VUV光を用いて光波散乱計測を行なうよう構成してよい。微細構造物を伴う他の場合には、CD測定には、VUV波長を使用することが有利である場合があるが、膜厚および光学的特性の判定には、近UVおよび(または)より長い波長の測定で足りる場合がある。
【0113】
更に別の実施形態では、第1の光学サブシステムは、分光エリプソメーターまたは分光反射率計として構成してよく、かつ、第2の光学サブシステムは、単一波長の光学サブシステムとして構成してよい。更なる実施形態では、第1の光学サブシステムは、デュアルビーム分光光度計(その一つの構成を、以下で更に記述する)として構成してよく、かつ、第2の光学サブシステムは、異なる光学サブシステムとして構成してよい。これらの実施形態のそれぞれでは、第1の光学サブシステムは、パージされた環境中に配設してよく、かつ、第2の光学サブシステムは、パージされていない環境中に配設してよい。また、第1の光学サブシステムは、VUV波長で測定を行なうよう構成してよく、かつ、第2の光学サブシステムは、非VUV波長で測定を行なうよう構成してよい。
【0114】
更なる実施形態では、上に参照した ’746特許は、最大5つの異なる測定技術を組み込んでよい測定システムを記述している(例えば、’746特許の図1を参照)。これらの測定技術のうちの3つ(単一波長または「絶対」エリプソメーター、ビームプロファイル反射率計、およびビームプロファイルエリプソメーター)は、雰囲気を透過する波長で動作するレーザー光源を使用する。他の2つの測定技術(広帯域反射率計および分光エリプソメーター)は、広帯域光源(例えば、D2ランプと石英ハロゲンまたはキセノンアークランプとの組合せ)を使用する。一つの好適な実施形態では、システムを変えて、それらの広帯域測定技術の一方または両方が、VUV波長で動作し、少なくとも一つのディファレンシャルアパーチャによって雰囲気から分離された不活性ガス環境に含まれ、かつ、その光路の少なくとも一部が雰囲気中にある、少なくとも一つの他の測定技術と組み合わされるようにしてよい。一つのこのような実施形態は、図16(これは、以下でより詳細に説明する)に示されている。
【0115】
図1に示すシステム(および、ここで記述する他のシステム実施形態)は、プロセッサ108も含んでいてよい。プロセッサ108は、点線で示した伝送媒体によって、第1の光学サブシステムおよび第2の光学サブシステムの両方に結合されている。伝送媒体は、ワイヤー(複数も可)、ケーブル(複数も可)、無線伝送路(複数も可)、ネットワーク(複数も可)、またはその組合せを含んでいてよい。伝送媒体は、「有線」および「無線」部分も含んでいてよい。プロセッサ108は、第1の光学サブシステムおよび第2の光学サブシステムに、直接的に結合される(例えば、第2の光学サブシステムの検出器アレイ106に、直接的に結合される)よう示されているが、プロセッサは、一つまたはそれ以上の中間部品(例えば、電子機器またはローカルプロセッサ)を介して、第1および(または)第2の光学サブシステムに、間接的に結合されてよいことを理解されたい。
【0116】
プロセッサ108は、第1および第2の光学サブシステムによって生成されたデータについて、一つまたはそれ以上の機能を行なってよい。多重測定技術を含む一実施形態では、一つの測定技術を使用して、他の測定技術を校正してよい。参照測定学の技術を使用して、パージされた環境で、あるいは、VUV波長で、動作するものを含む他の技術を校正する。例えば、システムは、第2の光学サブシステムによって生成されたデータで第1の光学サブシステムを校正するよう構成してよい。プロセッサ108は、その校正の少なくとも一部を行なってよい。システムが、第2の光学サブシステムによって生成されたデータで第1の光学サブシステムを校正するよう構成されている場合、第2の光学サブシステムは、実質的に正確かつ安定なサブシステムであることが好ましい。例えば、一つのこのような実施形態では、第2の光学サブシステムは、単一波長のエリプソメーターとして構成してよい。別法の実施形態では、第2の光学サブシステムは、ビームプロファイル反射率計として構成してよい。このような第2の光学サブシステムは、レーザー光源(これは、レーザーの安定性のため、校正に有利である)を含んでいてよい。
【0117】
追加の実施形態では、プロセッサは、第1の光学サブシステムによって生成されたデータを使用して、試験体の一つまたはそれ以上の特性を判定するよう構成してよい。例えば、検出器アレイの素子における光の強度は、この技術分野において既知の数学的方程式によって、プロセッサによって、偏光解析パラメータyおよびDに、変換されてよい。偏光解析パラメータは、一般に、tan yおよびcos Dとして示されてよい。tan yは、サンプルの反射率のsおよびp成分の複合比の振幅であり、また、Dは、サンプルの反射率のsおよびp成分の複合比の位相である。術語「s成分」は、反射ビームの入射面に対して直角に電界を有する、偏光した放射の成分を記述するのに使用される。術語「p成分」は、反射ビームの入射面内に電界を有する、偏光した放射の成分を記述するのに使用される。極薄膜に対しては、tan yは、厚さとは無関係であってよく、かつ、Dは、厚さに直線的に比例していてよい。
【0118】
プロセッサに一体化されたソフトウェアは、数学的または光学的モデルを用いて、偏光解析パラメータyおよびDを、試験体の光学的特性に変換するよう構成してよい。一般に、データ適合計算(例えば、最小二乗適合技法)を高速に行なうよう操作可能なソフトウェアパッケージを有するパーソナルコンピュータは、この用途に適している場合がある。yおよびD を含む偏光解析パラメータは、広範囲の波長スペクトルに亘って、小さな増分で、かつ、いくつかの角度で、判定してよいため、計算には数百のデータポイントが含まれていてよい。このような大量のデータを処理することができる、分光エリプソメーターと共に使用するように構成されたいくつかのソフトウェアパッケージが、市販されている。
【0119】
偏光解析データを分析するのに使用してよい、いくつかの光学モデルがある。このようなモデルの例としては、コーシーモデル、調波発振器モデル、および多項級数展開モデル等が挙げられるが、それらに限定されない。試験体の特徴、試験体の所望の光学的特性、およびモデルと関連した計算の困難さに基づいて、適当なモデルを選んでよい。例えば、コーシーモデルは、比較的単純な数学的モデルである。しかしながら、コーシーモデルは、試験体が吸収を示す波長には有効でない場合がある。追加的に、適当な光学モデル、または光学モデルの組合せを用いることによって、試験体のいくつかの層の光学的特性を、同時に判定してもよい。したがって、分光偏光解析を用いて試験体を分析する場合は、一つまたはそれ以上の光学モデルが、他のモデルより、分析により適している場合がある。
【0120】
試験体の層、試験体の層の一部、または試験体のいくつかの層について、厚さ、屈折率、および消衰係数(これは、一般に、「薄膜測定」と呼ばれる)を、光学モデルを用いて、偏光解析パラメータから判定してよい。屈折率「n」は、光が媒体を通過する際の光の速度に関連しており、かつ、光の波長に依存している。消衰係数「k」も波長に依存しており、かつ、媒体による光の吸収に関連する。消衰係数を使用して、与えられた波長に対する吸収係数を判定してもよい。材料の偏光解析パラメータおよび光学的特性に関する更なる考察が、Forouhi他に対する米国特許第4,905,170号(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に示されている。
【0121】
別の実施形態では、プロセッサは、第2の光学サブシステムによって生成されたデータを使用して、試験体の一つまたはそれ以上の特性を判定するよう構成してよい。例えば、検出器アレイ106のフォトダイオードアレイは、試験体の表面から返された光の反射率スペクトルを測定してよい。各波長における反射率スペクトルの返された光の強度を、各波長における相対参照強度で割ることによって、相対反射率スペクトルを得てよい。相対反射率スペクトルを使用して、試験体上の各種の膜の厚さを判定してよい。また、相対反射率スペクトルから、単一の波長における反射率および膜の屈折率も、判定してよい。さらに、モード展開によるモデル化法(model method by modal expansion)(MMME)モデルを使用して、各種の反射率スペクトルのライブラリを生成してよい。MMMEモデルは、母数空間の各格子から理論上の回折光の「指紋」を計算するのに使用してよい厳密な回折モデルである。しかしながら、厳密結合波解析(rigorous coupling waveguide analysis)(RCWA)モデルを含むが、それに限定されない別のモデルを使用して、理論上の回折光を計算してもよい。測定された反射率スペクトルは、ライブラリ内の各種の反射率スペクトルに適合させてよい。適合させたデータを使用して、試験体上の形体の限界寸法(例えば、横方向の寸法、高さ、および(または)側壁角度)を判定してもよい。プロセッサ108は、上記の計算の全てを行なうよう構成してよい。モデル化技法の例が、Xu他に対する国際出願番号 WO 99/45340(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に示されている。
【0122】
更なる実施形態では、光学サブシステムのうちの一つが、スキャタロメーター(例えば、単一波長のスキャタロメーターまたは分光スキャタロメーター)として構成されており、プロセッサは、スキャタロメーターからのデータを使用して、試験体の一つまたはそれ以上の特性を判定するよう構成してよい。特性は、試験体上の形体の限界寸法、高さ、および(または)側壁角度を含んでいてよい。どのようにして、このような特性を、光波散乱計測データから判定することができるかの例が、Xu他に対する国際公開番号WO 99/45340およびWeber-Grabau他に対する米国特許出願出願番号 09/927,102(これらは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に示されている。別法として、あるいは、加えて、特性は、試験体のオーバーレイ測定を含んでいてよい。オーバーレイは、一般に、ウェーハの別のレベル上の形体の横方向の位置に対する、ウェーハの一つのレベル上の形体の横方向の位置を指す。どのようにして、オーバーレイを、光波散乱計測データから判定することができるかの例が、Weber-Grabau他に対する米国特許出願出願番号 09/927,102およびBrill他に対する国際公開番号 WO 02/25723(これらは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に示されている。
【0123】
測定システムが、一つ以上の測定技術を組み込んでおり、かつ、それらの技術のうちの少なくとも一つが、VUV波長で動作する任意の状況では、いずれかの波長帯だけによって得ることができるものより、よりよい測定結果を得るためには、一つまたはそれ以上のVUV波長で行われる測定を、一つまたはそれ以上の非VUV波長で行われる測定と組み合わせることが、有利な場合がある。一実施形態では、システムは、第1および第2の光学サブシステムによって生成されたデータを組み合わせて使用して、試験体の一つまたはそれ以上の特性を判定するよう構成してよい。判定は、プロセッサによって行なってよい。例えば、プロセッサは、試験体の分析のためのコンピュータに実装された方法を行なうよう構成してよい。この方法は、第1のデータを第2のデータと組み合わせて使用して、試験体の一つまたはそれ以上の特性を判定することを含んでいる。第1のデータは、VUV波長で測定され、かつ、第2のデータは、非VUV波長で測定される。例えば、第1のデータは、第1の光学サブシステム(これは、システム内のパージされた環境中に配設されている)で測定してよい。第2のデータは、第2の光学サブシステムで測定してよい。第1および第2の光学サブシステムは、ここで記述するような単一のシステム内に配設してよく、かつ、第2の光学サブシステムは、システム内のパージされていない環境中に配設してよい。別法として、第1および第2のデータは、第1の光学サブシステム(これは、システム内のパージされた環境中に配設されている)で測定してよい。
【0124】
全ての測定を、適当な相対的重み付けと共に制約条件として非線形回帰で用いること、あるいは、一つの測定技術からの一つの波長帯を用いて、まず、一つのパラメータ(例えば、厚さ)を判定し、次いで、別の測定技術からの別の波長帯を用いて、別のパラメータ(複数も可)(例えば、屈折率)を判定すること、を含む、このような組合せを行なう多くの方法がある。また、遺伝的アルゴリズムを使用して、多重測定サブシステムからの結果を組み合わせることができる。多くの異なるアルゴリズムを、個別的に、または、組み合わせて、使用して、データから結果を抽出することができる。一実施形態では、一つまたはそれ以上の特性は、一つまたはそれ以上のアルゴリズムを用いて判定してよい。一つまたはそれ以上のアルゴリズムは、遺伝的アルゴリズム、非線形回帰アルゴリズム、比較アルゴリズム(例えば、データベース(またはライブラリ)、あるいは、予め計算された、または、予め測定された結果との比較)、またはその組合せを含んでいてよい。多くのこのようなアルゴリズムは、この技術分野において既知であり、また、プロセッサは、これらのアルゴリズムのうちの任意のものを使用して、一つまたはそれ以上の特性を判定してよい。遺伝的アルゴリズムの例が、Opsal他に対する米国特許第5,953,446号およびSidorowichに対する第6,532,076号(これらは、あたかも、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に示されている。一実施形態では、第1および第2のデータは、光波散乱計測データを含んでいてよい。このような実施形態では、一つまたはそれ以上の遺伝的アルゴリズムを用いて、試験体の一つまたはそれ以上の特性を判定することが、特に有利な場合がある。
【0125】
基板上の膜の厚さ、および、VUV波長(例えば、157 nm)におけるその光学的特性(例えば、屈折率nおよび吸収k)を知りたい場合、VUV波長のみを用いるのではなく、可視光波長(これは、膜厚のより正確な測定を与える場合がある)で行われた測定を、VUV波長で行われた測定と組み合わせることによって、よりよい測定結果が得られる場合がある。このやり方では、第2のデータを使用して、試験体上の構造物の厚さを判定してよい。この厚さを、第1のデータと組み合わせて使用して、一つまたはそれ以上のVUV波長における構造物の光学的特性を判定してよい。
【0126】
異なる実施形態では、一つまたはそれ以上の特性は、試験体上の一つまたはそれ以上の構造物の原子濃度を含んでいてよい。一つのこのような実施形態では、原子濃度は、一つまたはそれ以上の構造物の光学的特性から判定してよい。このやり方では、原子濃度は、光学的特性(例えば、nおよび(または)k)から間接的に推論してよい。光学的特性は、第1のデータ、第2のデータ、または、第1および第2のデータから判定してよい。別法の実施形態では、原子濃度は、第1および第2のデータの、参照データとの比較によって判定してよい。このやり方では、原子濃度は、予め測定されたサンプルからの結果との比較によって、直接的に判定してよい。原子濃度測定のため関心があってよい材料は、炭素、窒素、酸素、コバルト、ニッケル、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、シリコン、ゲルマニウム、および各種の遷移および希土類金属を含むが、それらに限定されない。
【0127】
第1および第2のデータから判定される一つまたはそれ以上の特性は、試験体の他の特性(例えば、試験体上の上層の光学的特性、試験体上の一つ以上の層の光学的特性、試験体上の形体の限界寸法(CD)、試験体上の形体の形状パラメータ、試験体上の2つの層の間のオーバーレイオフセット、またはその組合せであるが、それらに限定されない)を含んでいてよい。
【0128】
プロセッサは、第1および(または)第2の光学サブシステムによって生成されたデータに対して、他の計測学および(または)検査機能を行なうよう構成してもよい。例えば、プロセッサは、第1および(または)第2の光学サブシステムからのデータを用いて、試験体上の欠陥を検出するよう構成してよい。プロセッサは、この技術分野において既知の任意のアルゴリズムまたは方法(例えば、閾値化アルゴリズムまたはダイ比較法)を用いて、試験体上の欠陥を検出してよい。
【0129】
計測学の方法およびシステムは、半導体デバイス製作のための窒化酸化物ゲート膜プロセス監視およびプロセス管理に対しても、与えられている。窒化酸化物ゲート膜プロセス監視および管理のためのいくつかの方法が、現在使用されている。例えば、窒素濃度および線量測定のために使用してよい方法は、X線光電子分光(XPS)および二次イオン質量分析(SIMS)を含んでいる。しかしながら、現在使用されている方法には、いくつかの欠点がある。また、この測定技法は、厚さ精度および繰返し精度が比較的不良である。さらに、XPSは、一般に、遅く、高価(例えば、一分析当たり約300ドル)であり、かつ、大量半導体製造用途における速いインラインプロセス監視および管理を行なうことができない。同様に、SIMSも、ウェーハを壊さなければならず、かつ、分析されている膜が損傷される点で、破壊的である。また、この測定技法は、厚さ精度および繰返し精度が比較的不良であり、かつ、大量半導体製造用途には適していない。
【0130】
ここで記述する窒化酸化物ゲート誘電体の測定のための方法の実施形態は、試験体上に窒化酸化物ゲート誘電体を形成することを含んでいてよく、あるいは、含んでいなくてよい。このような実施形態における試験体は、ウェーハである。一般に、窒化酸化物ゲート誘電体は、酸素を含んでいる層(例えば、二酸化シリコン)を窒素を含んでいるプラズマに曝露することによって、ウェーハ上に形成される。ウェーハ上に窒化酸化物を形成するための方法の例が、Liu他に対する米国特許第6,555,485号、Weimerに対する第6,559,007号、Niimi他に対する第6,610,614号、およびMcFadden他に対する第6,610,615号(これらは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に示されている。窒化酸化物ゲート誘電体は、この技術分野において既知の任意の他の方法を用いて、ウェーハ上に形成してもよい。
【0131】
一実施形態では、試験体の測定のための方法が、与えられる。この方法は、試験体の分光偏光解析データを測定することを含んでいる。分光偏光解析データは、ここで記述する光学サブシステムのうちの一つを用いて測定してよい。一実施形態では、分光偏光解析データは、約220 nm〜約900 nmの波長で測定してよい。異なる実施形態では、分光偏光解析データは、約190 nm〜約300 nmの波長で測定してよい。このような実施形態では、分光偏光解析データは、ここで記述する非VUV光学サブシステムのうちの一つを用いて測定してよい。一つの特定の例では、試験体の偏光解析スペクトルは、約220 nm〜約900 nmの波長で、KLA-TencorのSpectraFx100分光偏光解析サブシステムを使用して、あるいは、約190 nm〜約300 nmの波長で、分光エリプソメーターサブシステムと深紫外光分光エリプソメーターサブシステムの組合せを使用して、取得することができる。別法として、分光偏光解析データは、VUV波長で測定してよい。このやり方では、分光偏光解析データは、ここで記述するVUV光学サブシステムのうちの一つを用いて測定してよい。
【0132】
他の実施形態では、分光偏光解析データは、VUVおよび非VUV波長で測定してよい。このような実施形態では、分光偏光解析データは、一つの光学サブシステムまたは2つの異なる光学サブシステムを用いて測定してよい。例えば、VUVおよび非VUV波長で動作するよう構成された一つの光学サブシステムを使用して、分光偏光解析データを測定してよい。データを、2つの異なる光学サブシステム(一つはVUVおよび一つは非VUV)によって測定する場合、データを一つのデータセットに組み合わせ、次いで、それを使用して、窒化酸化物ゲート誘電体の特性を判定してよい。
【0133】
また、この方法は、分光偏光解析データから、試験体上に形成された窒化酸化物ゲート誘電体の窒素濃度を判定することを含んでいる。窒素濃度は、原子濃度測定に対して上述したように判定してよい。例えば、この方法は、分光偏光解析データから窒化酸化物ゲート誘電体の屈折率を判定すること、および、屈折率から窒素濃度を判定することを含んでいてよい。特定の例では、測定された屈折率または屈折率モデル(例えば、BEMA分率)と窒素濃度との間の量的相関を、既知の窒素濃度値を有する試験体の測定を用いて判定してよい。次いで、量的相関を使用して、測定された屈折率に基づいて、他の試験体の窒素濃度を判定してよい。
【0134】
窒化酸化物ゲート誘電体膜の偏光解析スペクトルの測定は、好ましくは、広い波長帯に亘って行なって、スペクトルから、膜厚および屈折率を判定できるようにする。したがって、いくつかの実施形態では、この方法は、分光偏光解析データを用いて、窒化酸化物ゲート誘電体の厚さおよび屈折率を判定することも含んでいてよい。また、窒化酸化物ゲート誘電体の厚さおよび屈折率は、同時に測定してよく、これは、薄膜の厚さと屈折率測定との間の強力な相関効果により、特に有利な場合がある。対照的に、過去においては、一般的慣行として、100オングストロームより薄い膜に対しては、厚さしか測定することができなかった。
【0135】
一実施形態では、この方法は、試験体の反射率測定データを測定することも含んでいてよい。反射率測定データは、単一の波長で、あるいは、多数の波長で、測定してよい(例えば、分光反射率測定データ)。反射率測定データは、反射率計または分光反射率計として構成された、ここで記述する光学サブシステム実施形態のうちの一つを用いて、測定してよい。また、分光偏光解析データおよび反射率測定データは、一つのシステム(例えば、単一のシステム内に配置された異なる光学サブシステム)で測定してよい。反射率測定データは、非VUV波長(複数も可)、VUV波長(複数も可)、または、非VUVおよびVUV波長で測定してよい。
【0136】
いくつかの実施形態では、窒化酸化物ゲート誘電体の窒素濃度は、反射率測定データと組み合わせて分光偏光解析データから判定してよい。例えば、反射率測定データを使用して、窒化酸化物の厚さを判定してよい。厚さおよび分光偏光解析データを組み合わせて使用して、窒化酸化物の屈折率を判定してよく、かつ、屈折率を使用して、窒素濃度を判定してよい。
【0137】
いくつかの実施形態では、分光偏光解析データを測定することは、試験体上の多数の場所でデータを測定することを含んでいてよい。このような実施形態では、この方法は、多数の場所で窒素濃度を判定すること、および、窒素濃度のウェーハ面内(WIW)均一性を判定することも含んでいてよい。言い換えれば、試験体上の場所に対する窒素濃度を判定してよい。
【0138】
追加の実施形態では、この方法は、試験体の測定に先立って、レーザーベースの清浄化サブシステムを用いて、試験体上の局所化された部位から汚染物質(例えば、空気中の分子汚染(AMC))を除去することを含んでいてよい。レーザーベースの清浄化サブシステムは、ここで更に記述するように構成してよい。また、レーザーベースの清浄化サブシステムは、試験体の分光偏光解析データを測定するのに使用される光学サブシステムも含んでいる、単一のシステム内に配置してよい。システムのこのような構成は、ここで更に記述されている。測定の直前に試験体から汚染物質を除去することは、特に、実質的に薄い窒化酸化物ゲート誘電体に対して、測定の精度を実質的に増大する場合がある。
【0139】
試験体の分光偏光解析データを測定することは、半導体製作プロセス中に行なってよい。言い換えれば、分光偏光解析測定は、現場で行なってよい。一実施形態では、分光偏光解析データは、半導体製作プロセスに含まれる個々のプロセスの後、あるいは、それらの間に(例えば、窒化酸化物ゲート誘電体の形成後に)、測定してよい。別法として、分光偏光解析データは、半導体製作プロセスに含まれる個々のプロセス中に(例えば、窒化酸化物ゲート誘電体の形成中に)、測定してよい。
【0140】
このような実施形態では、ここで記述する光学サブシステムのうちの一つ、または、別の分光エリプソメーターサブシステム、および、オプションとして、反射率計サブシステムを、半導体製作プロセスツールに結合してよい。例えば、窒化酸化物ゲート誘電体の分光偏光解析測定に対しては、分光エリプソメーター光学サブシステムを、プラズマ窒化プロセスツールに結合してよい。しかしながら、ここで記述する光学サブシステムまたはシステムのうちの任意のものを、この技術分野において既知の任意の他の半導体製作プロセスツール(例えば、リソグラフィーツール、析出ツール、アニールツール、エッチングツール、清浄化ツール、化学的・機械的研磨ツール、めっき処理ツール、イオン注入ツール等)に結合してよい。どのようにして、光学サブシステムまたは測定システムを、半導体製作プロセスツールに結合してよいかの例が、Nikoonahad他に対する米国特許第 6,633,831号(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に記述されている。
【0141】
この方法は、窒素濃度を用いて、半導体製作プロセスの一つまたはそれ以上のパラメータをモニターすることも含んでいてよい。例えば、窒素濃度を、多くの異なる試験体上で、時間を越えて繰り返し測定してよく、かつ、窒素濃度値および変動を、記録してよい。次いで、データを使用して、プロセスのパラメータ(複数も可)の変化を判定してよい。特に、窒化プロセス(または、窒化プロセスに含まれる個々のプロセス)を、窒素濃度を用いてモニターしてよい。半導体製作プロセスのパラメータ(複数も可)は、また、あるいは、別法として、ここで記述するように判定される窒化酸化物ゲート誘電体の他の特性(例えば、窒化酸化物ゲート誘電体のWIW均一性、厚さ、および(または)屈折率)を用いて、モニターしてよい。例えば、半導体製作プロセスのパラメータ(複数も可)のモニタリングは、窒素濃度の代わりに、プロセス管理のための、与えられた波長における(例えば、193 nmにおける、248 nmにおける、633 nmにおける)窒化酸化物ゲート誘電体の屈折率(n)、または、屈折率モデルパラメータ(例えば、Bruggermann有効媒質近似モデルにおけるBEMA分率)を用いて、行なってよい。
【0142】
また、この方法は、窒素濃度に基づいて、半導体製作プロセスの一つまたはそれ以上のパラメータを変えることを含んでいてよい。いくつかの実施形態では、パラメータ(複数も可)は、また、あるいは、別法として、窒化酸化物ゲート誘電体のWIW均一性、厚さ、および(または)屈折率に基づいて変えてよい。変えられるパラメータ(複数も可)は、好ましくは、窒化プロセス、または、窒化酸化物ゲート誘電体を形成することに含まれる個々のプロセス(例えば、熱酸化プロセス、窒化プロセス、アニールプロセス等)のパラメータ(複数も可)である。パラメータ(複数も可)は、フィードバック技法(例えば、窒素濃度が、窒化プロセス後に測定される場合)を用いて、かつ(あるいは)、現場制御技法(例えば、窒素濃度が、窒化プロセス中に測定される場合)を用いて、変えてよい。
【0143】
パラメータ(複数も可)は、測定された窒素濃度と目標窒素濃度の差をより小さくするように変えることが好ましい。窒素濃度は、半導体製作プロセス中に測定することができるため、プロセスのパラメータ(複数も可)は、上述した他の測定技法(例えば、XPSおよびSIMS)を使用して窒素濃度を測定する場合より、はるかに迅速に、窒素濃度に応じて変えることができる。したがって、ここで記述する方法は、より正確なプロセス管理を与えてよく、かつ、半導体製造プロセスの収量および処理量を増大してよい。また、変えられるパラメータ(複数も可)は、その上に、測定された窒化酸化物が形成されている試験体上で行なわれる一つまたはそれ以上のプロセスのパラメータ(複数も可)であってよい。この実施形態では、パラメータ(複数も可)は、フィードフォワード制御技法を用いて変えてよい。
【0144】
半導体製造プロセスのパラメータ(複数も可)を変えることは、手動で(例えば、オペレータによって)、あるいは、プロセッサによって自動的に、行なってよい。プロセッサは、ここで記述するように構成してよい。プロセッサは、半導体製造プロセスツールに結合してもよい。このやり方では、プロセッサは、パラメータ(複数も可)に対する変更を、半導体製造プロセスツールに送ってよい。半導体製造ツールのプロセッサは、次いで、プロセス(複数も可)に対して適当な変更を行ってよい。
【0145】
窒素濃度の測定または判定のための、ここで記述する方法の実施形態は、現在使用されている方法に対して多くの利点を有している。例えば、上述した方法は、比較的速い(例えば、各測定は、結果を報告するのに、約5秒〜約15秒を要する)。上述した方法は、また、比較的高い精度(例えば、厚さ測定に対する誤差は、約1.0オングストローム未満、および、窒素濃度に対する誤差は、約2原子パーセント未満)を有している。さらに、ここで記述する窒素濃度測定または判定のための方法は、現在使用されている方法(例えば、XPSおよび3シグマ法の場合、厚さについては1オングストローム、および、窒素濃度については1.0%)より、よりよい繰返し精度(例えば、3シグマ法の場合、厚さについては0.15オングストローム、および、窒素濃度については0.5原子パーセント)を有している。
【0146】
また、上述した方法は、非破壊的である。したがって、測定を、実際の製品ウェーハとは異なるモニターウェーハ上で行なう必要がないため、製品ウェーハの窒素濃度を測定して、それにより、実質的により正確なプロセス監視および管理を与えてよい。さらに、ここで記述する窒素濃度測定のための方法は、市販されている光学サブシステム(例えば、KLA-TencorのF5xおよびSpectraFx100計測学ツール)を用いて、大量半導体デバイス製作に使用することができる。特に、これらの方法は、90 nm、65 nm、および、可能性として、45 nm世代の論理およびDRAMデバイスに適用してよい。したがって、これらの方法は、開発および大量製造における窒化ゲートプロセスを監視し、かつ、管理するための、速く、正確、安定、かつ費用効果の高い方法に対して解決策を与える。
【0147】
追加の実施形態は、試験体の分析のためのコンピュータに実装された方法に関する。この方法は、試験体の測定によって生成された分光偏光解析データから、試験体上に形成された窒化酸化物ゲート誘電体の窒素濃度を判定することを含んでいる。分光偏光解析データは、上述したように測定してよい。例えば、分光偏光解析データは、約220 nm〜約900 nmの波長で測定してよい。別法として、分光偏光解析データは、約190 nm〜約300 nmの波長で測定してよい。別の別法では、分光偏光解析データは、VUV波長で測定してよい。追加の実施形態では、分光偏光解析データは、試験体上の多数の場所で測定してよい。この方法は、多数の場所で窒素濃度を判定すること、および、窒素濃度のWIW均一性を判定することも含んでいてよい。
【0148】
いくつかの実施形態では、この方法は、分光偏光解析データから窒化酸化物ゲート誘電体の屈折率を判定すること、および、上述したように、屈折率から窒素濃度を判定することを含んでいてよい。別の実施形態では、この方法は、分光偏光解析データを用いて窒化酸化物ゲート誘電体の厚さおよび屈折率を判定することを含んでいてよい。他の実施形態では、窒素濃度を判定することは、試験体の測定によって生成された反射率測定データと組み合わせて、分光偏光解析データから、窒素濃度を判定することを含んでいてよい。
【0149】
追加の実施形態では、この方法は、窒化酸化物ゲート誘電体の窒素濃度および(または)他の判定された特性に基づいて、半導体製作プロセスの一つまたはそれ以上のパラメータを判定することを含んでいてよい。この方法は、判定されたパラメータ(複数も可)に基づいて、半導体製作プロセスの一つまたはそれ以上のパラメータを変えることも含んでいてよい。パラメータ(複数も可)は、上述したように変えてよい。更なる実施形態では、この方法は、窒化酸化物ゲート誘電体の窒素濃度および(または)他の判定された特性を用いて、半導体製作プロセスの一つまたはそれ以上のパラメータをモニターすることを含んでいてよい。半導体製作プロセスのパラメータ(複数も可)は、上述したようにモニターしてよい。
【0150】
方法(例えば、ここで記述するもの)を実行するプログラム命令は、キャリア媒体を越えて伝送され、あるいは、その上に記憶されてよい。キャリア媒体は、伝送媒体(例えば、ワイヤー、ケーブル、または無線伝送リンク)、あるいは、このようなワイヤー、ケーブル、またはリンクに沿って進む信号であってよい。キャリア媒体は、記憶媒体(例えば、読取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気または光ディスク、あるいは、磁気テープ)であってもよい。
【0151】
一実施形態では、プロセッサは、プログラム命令を実行して、上記の実施形態によるコンピュータに実装された方法を行なうよう構成してよい。プロセッサは、パーソナルコンピュータシステム、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワーク機器、インターネット機器、パーソナルデジタルアシスタント(「PDA」)、テレビジョンシステムまたは他のデバイスを含む、各種の形態を取ってよい。一般に、術語「コンピュータシステム」は、プロセッサ(これは、メモリ媒体からの命令を実行する)を有する任意のデバイスを包含するよう広く定義されてよい。
【0152】
プログラム命令は、とりわけ、手続きベースの技法、コンポーネントベースの技法、および(または)オブジェクト指向技法を含む、各種の方法のうちの任意のもので、実行されてよい。例えば、プログラム命令は、所望に応じて、ActiveX(登録商標)コントロール、C++オブジェクト、JavaBeans(登録商標)、Microsoft Foundation Class(「MFC」)、あるいは、他の技術または方法論を用いて、実行されてよい。
【0153】
図13は、試験体の測定のためのシステムに含まれていてよい光学サブシステムの別の実施形態を示している。この実施形態では、光学サブシステムは、デュアルチャネル光学サブシステム(例えば、デュアルビーム分光光度計)として構成されている。この光学サブシステムは、第1の光学サブシステムまたは第2の光学サブシステムのいずれかとして、ここで記述するシステムに含まれていてよい。この構成は、Norton他に対する米国特許第5,486,701号およびPiwonka-Corle他に対する第5,608,526号(これらは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に、より詳細に記述されている。明瞭さのため、システムの構成要素および詳細のうちのいくつかは、ここで呈示する図13および対応する記述から省略されている。しかしながら、図13に示すシステムは、この特許に記述されているように更に構成してよいことを理解されたい。
【0154】
光学サブシステムは、米国特許第5,486,701号に記述されているように、放射線ビーム112(可視および(または)UV放射を含む)を放出するランプ110(一般に、キセノンアークランプ)、ランプハウジング窓114、軸外し放物面鏡116、フリップインUVカットオフフィルター118、カラーフィルターホイール120、平面鏡122、凹面鏡124、フリップイン40ミクロンファインフォーカスアパーチャ130を有するアパーチャ鏡128、大型アクロマート132、フィールド照明シャッター131、フォールドミラー136、および小型アクロマート138を含んでいてよい。
【0155】
別法の実施形態では、光学サブシステムは、VUV光を発生することができる光源を含んでいてよい。いくつかの実施形態では、光学サブシステムは、VUV光並びに非VUV光を発生することができる光源、または、2つの光源(VUV光を発生することができる一つの光源、および、非VUV光を発生することができる別の光源)を含んでいてよい。このような光を発生することができる適当な光源の例は、上で更に記述されている。したがって、デュアルチャネル光学サブシステムは、VUV光、非VUV光、またはその組合せを用いて、試験体の測定を行なうことができる。光学サブシステムが、VUV光および非VUV光を用いて測定を行なうよう構成されている場合、デュアルチャネル光学サブシステムは、非VUV光を用いた追加の測定中に、かなりの量のVUV光が試験体に到達するのを防止するよう構成された、一つまたはそれ以上のフィルター(図示せず)を含んでいてよい。一つまたはそれ以上のフィルターは、光源110と対物レンズ140との間の、デュアルチャネル光学サブシステムの光路内の各種の場所に設置してよい。一つまたはそれ以上のフィルターは、上述したように更に構成してよい。
【0156】
上述した構成要素は、測定ビーム125およびフィールド照明ビーム134を含む結合ビーム142を与える。軸外し放物面鏡116は、ビーム112(これは、オプションとして、フリップインUVカットオフフィルター118およびカラーフィルターホイール120によって濾過することができる)を視準する。フリップインUVカットオフフィルター118は、部分的に、ビーム112のスペクトルを制限して、ビーム112が回折格子によって分散された時、一次および二次回折ビームがオーバーラップしないようにするのに使用される。ビーム112の一部は、平面鏡122によって凹面鏡124に反射されて、測定ビーム125を形成する。鏡124は、アークの像をアパーチャ鏡128に集束する。アークの像の各点から発出する放射は、均一な円錐状に広がって、一般に、ビーム分割器145において照明の均一な円を生成する。
【0157】
ビーム112の別の部分(フィールド照明ビーム134)は、フォールドミラー136の近くの大型アクロマート132によって集束され、それにより、フォールドミラー136は、ランプ110の像を小型アクロマート138に向かって反射する。小型アクロマート138は、それがアパーチャ鏡128から反射する前に、ビーム134中の放射を収集する。アパーチャは、対物レンズ140の一つの共役に配置されている。フィールド照明は、フィールド照明ビーム134の光路にフィールド照明シャッター131を配置することによって、遮断することができる。
【0158】
細い測定ビーム125および広いフィールド照明ビーム134は、アパーチャ鏡128で再結合され、フィールド照明ビーム134は、アパーチャ鏡128の前面から反射し、かつ、測定ビーム125は、アパーチャを通過する。光学サブシステムは、対物レンズ140、ビームスプリッターミラー145、サンプルビーム146、参照ビーム148、凹面鏡150、平面鏡143、参照プレート152(それを通る参照分光計ピンホールを有する)、サンプルプレート154(それを通るサンプル分光計ピンホールを有する)、第2のフォールドミラー168、回折格子170、サンプル直線フォトダイオードアレイ172、参照直線フォトダイオードアレイ174、参照フォトダイオード195、およびサンプルフォトダイオード193を含んでいる。対物レンズ140(これは、反射型対物レンズ(図13に示す)または透過型対物レンズ(図示せず)であってよい)は、いくつかの選択可能な倍率を有していることが好ましい。したがって、光学サブシステムは、反射型集束光学機器または透過型集束光学系を含んでいてよい。
【0159】
ここで、試験体(これは、この場合、ウェーハ103として示されている)の相対反射率スペクトルの測定について説明する。フィールド照明シャッター131が、フィールド照明ビーム134の経路に配置された場合、結合ビーム142は、測定ビーム125のみを含んでいる。結合ビーム142は、結合ビーム142の半分を対物レンズ140に向かって偏向し、それにより、サンプルビーム146を形成し、結合ビーム142の偏向されなかった半分が、参照ビーム148を形成するように配置された全反射鏡である、ビームスプリッターミラー145によって分割される。重要なこととして、サンプルビーム146および参照ビーム148は、同じ源(ランプ110)から導出されるため、かつ、結合ビーム142は、放射状に均一であるため、参照ビーム148およびサンプルビーム146は、比例的に依存するスペクトル強度を有している。さらに、ビームスプリッターミラー145は、光路全体における部分反射鏡ではなく、光路の半分における全反射鏡であるため、連続広帯域スペクトルが、十分な明るさで反射される。
【0160】
参照ビーム148は、最初は、ビームスプリッターミラー145と相互作用せず、代わりに、凹面鏡150を照明する。凹面鏡150は、わずかに軸外しであり、したがって、参照ビーム148は、ビームスプリッターミラー145の裏面に反射され、かつ、平面鏡143は、参照ビーム148を再反射して、プレート152を通る参照分光計ピンホールと整列させる。平面鏡143は、参照ビーム148をサンプルビーム146と再整列させて、両方のビームが、それらのそれぞれの分光計ピンホールを、実質的に平行に通過するように設けられている。
【0161】
凹面鏡150の焦点距離は、参照ビーム148が、参照分光計ピンホール(これは、プレート152を通って伸張している)で焦点が合うような焦点距離である。参照分光計ピンホールを通過し、かつ、フォールドミラー168から反射する放射は、回折格子170によって分散される。結果として得られた一次回折ビームは、参照直線フォトダイオードアレイ174によって収集され、それにより、参照反射率スペクトルを測定する。
【0162】
サンプルビーム146は、ビームスプリッターミラー145から対物レンズ140(これは、サンプルビーム146をウェーハ103に集束する)に向かって反射され、かつ、反射されたサンプルビーム146は、対物レンズ140によって、サンプル分光計ピンホール(これは、プレート154を通って伸張している)に集束される。上述したように、対物レンズ140は、透過型対物レンズまたは反射型対物レンズであってよい。したがって、光学サブシステムは、反射型収集光学系または透過型収集光学系のいずれかを含んでいてよい。しかしながら、対物レンズ140は、試験体上の光を集束し、かつ、試験体から返された光を収集するため、集束および収集光学系は、透過型または反射型のいずれかである。しかしながら、図13に示す光学サブシステムは、別法として、反射型集束光学系および透過型収集光学系、あるいは、その逆を含んでいてよいことを理解されたい。例えば、光学サブシステムは、試験体上の光を集束することに対して、および、試験体からの光を収集することに対して、別々の光学系を使用するよう構成してよい。このやり方では、光学サブシステムは、反射型集束光学系および透過型収集光学系を含んでいてよい。別法として、光学サブシステムは、透過型集束光学系および反射型収集光学系を含んでいてよい。
【0163】
サンプルビーム146は、ビームスプリッターミラー145の後ろの空間(これを、参照ビーム148も通過する)を通過するため、反射されたサンプルビーム146は、反射経路上では、ビームスプリッターミラー145と相互作用しない。サンプル分光計ピンホールを通過し、かつ、フォールドミラー168から反射する放射は、回折格子170によって分散される。参照ビームと同様、結果として得られたサンプルビームの一次回折ビームは、サンプル直線フォトダイオードアレイ172によって収集され、それにより、サンプルスペクトルを測定する。
【0164】
相対反射率スペクトルは、各波長におけるサンプル光強度(アレイ172の出力)を各波長における参照強度(アレイ174の出力)で割ることによって、プロセッサ200内のアレイ172および174の出力を処理することによって、簡単に得ることができる。
【0165】
いくつかの実施形態では、回折格子170は、凹面ホログラフィック回折格子であり、かつ、分光計ピンホール(プレート152および154を通る)は、互いに15 mm離れている。15 mmの間隔は、両方のビームが、格子上で中心に位置することを可能にしないため、回折格子170のこの実施形態は、多数のスペクトルを結像するようにホログラフ的に補正される。格子170は、検出器172および174の角度が、検出器からの反射を、格子から離れて伝搬させるよう設計されることも望ましい。
【0166】
サンプル103上の極薄膜103a(VTF103a)の厚さを測定するための動作モードでは、システムは、サンプルVTFフォトダイオード193および参照VTFフォトダイオード195を採用する。可動アーム上に載せられたダイクロイックミラー202は、アパーチャ付きのプレート152および154のすぐ向こうのビーム路内にフリップインする。ダイクロイックミラーは、UV放射(400 nm〜280 nmの波長を有する)を反射し、かつ、可視光を透過する。参照ビームからの反射されたUVは、溶融石英レンズ204によって集束され、固定されたダイクロイックミラー206によって反射され、そして、最後に、UV増強型シリコンフォトダイオード195(「参照VTFフォトダイオード」)に当たり、かつ、サンプルビームからの反射されたUVは、溶融石英レンズ203によって集束され、固定されたダイクロイックミラー206によって反射され、そして、最後に、UV増強型シリコンフォトダイオード203(「サンプルVTFフォトダイオード」)に当たる。第2のダイクロイックミラー206は、残りの可視光を濾過により除去するのに必要である。第1のダイクロイック202を透過された放射は、通常の分光計経路を進み続ける。
【0167】
新しい実施形態では、デュアルチャネル光学サブシステムが、非VUV光に加えてVUV光で測定を行なうよう構成されている場合、ダイクロイックミラー202は、VUV放射を反射し、かつ、非VUV放射を透過するよう構成してよい。このような実施形態では、溶融レンズ203および204を、弗化カルシウムレンズに置き換えてよい。このような実施形態は、上述したように更に構成してよい。
【0168】
フォトダイオード193および195のそれぞれは、単一の強度値を測定するが、一般に、この値は、(UV範囲内の)関心のある広帯域周波数範囲に対する平均であり、したがって、2つのフォトダイオードは、このような広帯域周波数範囲に対する平均を表す相対反射率(または反射率)値を計算するのに、十分な情報を与える。フォトダイオード193および195は、UV帯域内の広い波長帯に対して感度を有し、両方のフォトダイオードが、実質的に同様のピーク感度波長を有するよう選択されることが好ましい。サンプルフォトダイオード193の応答を、参照フォトダイオード195の応答で割った場合、結果は、UV帯域内の波長に対するウェーハ103の相対反射率を示す値であり、ピーク感度波長は、他の波長より、相対反射率の測定において、より多くの重みを有している。測定された相対反射率値を校正して、UV帯域内のサンプルの真の反射率を示す信号を発生することができる。
【0169】
膜厚を計算するため複雑なアルゴリズム(多くの入射波長の加重平均を仮定する)を適用する必要性を回避するためには、システムのプロセッサ200は、フォトダイオード193および195のそれぞれに入射する広帯域UVに対して、単一の有効波長を判定する。フォトダイオード193および195のアナログ出力は、電子回路190でデジタル化された(かつ、別様に処理された)後に、プロセッサ200でデジタル処理を受ける。
【0170】
図13に示す光学サブシステムは、ここで記述するように更に構成してよい。例えば、デュアルチャネル光学サブシステムは、一つまたはそれ以上の中空光ファイバー(図示せず)を含んでいてよい。中空光ファイバー(複数も可)は、上述したように構成してよい。一実施形態では、デュアルチャネル光学サブシステムは、光源110からの光を、デュアルチャネル光学サブシステムのアパーチャ鏡128または別の光学部品に伝達する中空光ファイバーを含んでいてよい。中空光ファイバーは、図10および11について記述したように、光源の位置が、デュアルチャネル光学サブシステムの他の光学部品の移動中、実質的に静止していてよいよう構成してもよい。システムは、試験体に対して、デュアルチャネル光学サブシステムのこれらの他の光学部品を移動させて、試験体上の異なる場所で測定を行なうよう構成してよい。走査中の光源の移動を排除することは、上で更に記述されている利点を有している。
【0171】
このデュアルビーム分光光度計を、(単独で、または、他の測定システムと組み合わせて)VUV波長で使用するためには、(可能性として、検出器およびそれらの関連した光学系を除く)光学系を、不活性雰囲気中に包囲し、かつ、2つのディファレンシャルアパーチャを使用することが有利である。図13に示す光学サブシステムは、パージされた環境208中に配設することが好ましい。パージされた環境は、上述したように与えてよい。例えば、パージされた環境は、光学サブシステムの少なくとも一部を取り囲むハウジング210内に生成してよい。また、図13に示す光学サブシステムを含むシステムは、光学サブシステムによる測定中に、デュアルチャネル光学サブシステムの周りにパージされた環境を維持するよう構成されたパージングサブシステム(図13には示していない)を含んでいてよい。パージングサブシステムは、上述したように、差動パージングサブシステムであってよい。ハウジング210は、上述したように構成してもよい。
【0172】
光学サブシステムの一つまたはそれ以上の構成要素は、ハウジングの外部の、パージされていない環境中に配設してよい。例えば、図13に示すように、凹面鏡150は、ハウジングの外部の、パージされていない環境中に設置してよい。また、検出器172および174は、ハウジングの内部の、パージされた環境中に設置されるように示されているが、検出器は、別法として、ハウジングの外部の、パージされていない環境中に設置してよい。また、光学サブシステムに結合された他の構成要素は、ハウジングの外部に、かつ、パージされていない環境中に、設置される。これらの構成要素は、電子回路190およびプロセッサ200を含んでいる。構成要素(例えば、検出器、電子回路、およびプロセッサ)をパージされた環境の外部に配置することは、ハウジング内のパージされた環境の部位を低減し、それにより、パージされた環境を生成するコストおよび時間を低減する場合がある。
【0173】
凹面鏡150は、空間考慮のためではなく、サンプルチャネル内のものと同様の光学的条件を、参照チャネル内に生成するために、パージされた環境の外部に配置してよい。例えば、デュアルビーム分光光度計は、それらの長さの大部分において平行に走る2つの光路(サンプルおよび参照)を有している。しかしながら、参照チャネルは、ウェーハから反射することができない。参照鏡150の近くに第2のディファレンシャルアパーチャを追加しない限り、参照ビームは、サンプルビーム(これは、対物レンズ内で、あるいは、その近くで、ディファレンシャルアパーチャを通過する)と同じ量の吸収を経験することはない。例えば、ハウジング210は、ディファレンシャルアパーチャ212(それを通してサンプルビーム146が対物レンズ140によって試験体103に集束される)を含んでいる。ディファレンシャルアパーチャは、上述したように構成してよい。ディファレンシャルアパーチャの外部では、サンプルビーム146は、パージされていない空間を通過する。したがって、サンプルビームは、このパージされていない空間中の無用な分子によって、部分的に吸収される場合がある。この吸収は、サンプル直線フォトダイオードアレイ172によって測定される光の特徴を、変えることになる。
【0174】
参照ビーム148が、サンプルビームの吸収を補うため同様に変えられない場合、デュアルビーム分光光度計の測定は、不正確な場合がある。したがって、光学サブシステムは、参照ビームの少なくとも一部が、パージされていない空間を通過するように構成される。図13に示す一実施形態は、凹面鏡150をハウジング210の外部に位置決めすることを含んでいる。ハウジング210は、第2のディファレンシャルアパーチャ214(それを通して参照ビーム148が凹面鏡150に向けられる)を含んでいる。ディファレンシャルアパーチャ214は、上述したように構成してよい。
【0175】
理想的には、参照アパーチャの、参照鏡表面からの距離は、対物アパーチャの、ウェーハ表面からの距離と、実質的に同様である。例えば、凹面鏡は、試験体103がディファレンシャルアパーチャ212から離して置かれる距離とほぼ等しい距離だけ、ディファレンシャルアパーチャ214から離して置かれる。このやり方では、参照ビームは、サンプルビームが通過するパージされていない空間の量とほぼ等しい量のパージされていない空間を、通過する。そのようなものとして、参照ビーム148およびサンプルビーム146の吸収は、両方のパージされていない空間中の無用な分子により、ほぼ等しくてよい。このやり方では、パージングサブシステムは、デュアルチャネル光学サブシステムの両方のチャネル内に、同じレベルのパージングを維持するよう構成されている。その結果、サンプル直線フォトダイオードアレイ172および参照直線フォトダイオードアレイ174によって測定される光は、実質的に等しい方法で変えて、それにより、デュアルビーム分光光度計の測定の精度を増大してよい。
【0176】
光学サブシステムの他の構成要素が、パージされていない環境中に配設される場合は、吸収に対して、光チャネルのこのような「正規化」を実施してよい。例えば、検出器172および174が、パージされた環境の外部に設置される場合は、2つの別々のディファレンシャルアパーチャ(図示せず)をハウジング内に形成して、参照およびサンプルビームが、空間的に分離したやり方で、異なる検出器に向けられることを可能にしてよい。ハウジングの外部の参照およびサンプルビームの吸収が、ほぼ等しくてよいよう、検出器の感光素子とそれぞれのディファレンシャルアパーチャとの間の空間は、ほぼ等しくてよい。
【0177】
また、この技術分野において既知の多くの異なる光学サブシステム(例えば、ビームプロファイル反射率計、および、特に、検査のために設計されたいくつかの光学サブシステム)は、多数のチャネルを有している。任意のこのような光学サブシステム(これは、パージされた環境中に配設されている)の多数のチャネルを、同様のやり方で、吸収に対して「正規化」してよい。
【0178】
デュアルチャネル光学サブシステムを含む試験体の測定のために構成されたシステムは、ここで記述するように更に構成してよい。例えば、デュアルチャネル光学サブシステムは、一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステムを含むシステムに含まれていてよい。一つまたはそれ以上の追加のサブシステムは、非VUV光を用いて試験体の追加の測定を行なうよう構成してよい。一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステムは、パージされていない環境中に配設してよい。例えば、デュアルチャネル光学サブシステムは、エリプソメーターの代わりに、第1の光学サブシステムとして、図1に示すシステムに含まれていてよい。このようなシステムは、図1について記述したように、反射率計として構成された第2の光学サブシステムを含んでいてよい。別法として、反射率計を、エリプソメーター(例えば、単一波長のエリプソメーターまたは分光エリプソメーター)、スキャタロメーター等の各種の他の光学サブシステムに置き換えてよい。
【0179】
いくつかの実施形態では、システムは、パージされた環境中に配設された2つまたはそれ以上の光学サブシステムを含んでいてよい。例えば、システムは、別の光学サブシステムに加えて、デュアルチャネル光学サブシステム(例えば、図13に示すもの)(両方とも、パージされた環境中に配設されている)を含んでいてよい。一つのこのような実施形態は、図14に示されている。デュアルチャネル光学サブシステムの構成要素に対する参照番号は、図14には含まれていない。しかしながら、図14に示すデュアルチャネル光学サブシステムの構成要素は全て、対応する参照番号と共に、図13にも示されている。したがって、図14に示すデュアルチャネル光学サブシステムの構成要素の詳細については、図13および対応する記述を参照することができる。
【0180】
図14に示すように、デュアルチャネル光学サブシステムと共に、パージされた環境208中に配設された追加の光学サブシステムは、図1に示す第1の光学サブシステムの構成を有している。特に、この実施形態における追加の光学サブシステムは、エリプソメーターとして構成されている。エリプソメーターは、光源74、偏光子76、分析器78、および検出器82(これらは全て、上述したように構成してよい)を含んでいる。また、エリプソメーターは、オプションとして、一つまたはそれ以上のフィルター84および分光計80(それらも、両方とも、上述したように構成してよい)を含んでいてよい。一実施形態では、追加の光学サブシステムは、単一波長のエリプソメーターとして構成してよい。単一波長のエリプソメーターは、157 nmの波長で試験体の測定を行なうよう構成してよい。別法の実施形態では、追加の光学サブシステムは、分光エリプソメーターとして構成してよい。このような実施形態では、光源74は、VUV光フラッシュランプであってよい。
【0181】
他の実施形態では、デュアルチャネル光学サブシステムと同じパージされた環境中に配設された追加の光学サブシステムは、他の構成を有していてよい。例えば、追加の光学サブシステムは、反射率計、分光反射率計、スキャタロメーター、分光スキャタロメーター、異なるデュアルチャネル光学サブシステム、または、この技術分野において既知の任意の他の測定サブシステムとして構成してよい。更なる実施形態では、一つ以上の追加の光学サブシステムは、デュアルチャネル光学サブシステムと同じパージされた環境中に配設してよい。例えば、エリプソメーターおよび反射率計として構成された追加の光学サブシステムは、デュアルチャネル光学サブシステムと同じパージされた環境中に配設してよい。別法として、エリプソメーターおよびスキャタロメーターとして構成された追加の光学サブシステムは、デュアルチャネル光学サブシステムと同じパージされた環境中に配設してよい。
【0182】
図14に示すように、ハウジング210は、デュアルチャネル光学サブシステムのための2つのディファレンシャルアパーチャ212および214を有している。試験体に向けられたサンプルビームは、ディファレンシャルアパーチャ212を通過し、かつ、鏡150に向けられた参照ビームは、ディファレンシャルアパーチャ214を通過する。上で更に記述されているように、2つのディファレンシャルアパーチャおよびパージングサブシステム(図14には示していない)は、デュアルチャネル光学サブシステムの両方のチャネル内に、同じレベルのパージングが維持されるように構成されている。また、ハウジング210は、追加の光学サブシステムのためのディファレンシャルアパーチャ18を含んでいる。追加の光学サブシステムから試験体10に向けられ、かつ、試験体10から追加の光学サブシステムに返された光は、このディファレンシャルアパーチャを通過する。したがって、ハウジングは、3つのディファレンシャルアパーチャを含んでいる。また、2つ以上の光学サブシステムが、ハウジング210内のパージされた環境中に配設される場合、ハウジングは、これらの追加の光学サブシステムのための追加のディファレンシャルアパーチャを有していてよい。
【0183】
図15は、VUV光を用いて試験体の測定を行なうよう構成された2つの光学サブシステムの一実施形態を示している。図15には、2つの光学サブシステムのみが示されているが、2つ以上の光学サブシステムが、このような実施形態に含まれていてよいことを理解されたい。図15に示す2つの光学サブシステムは、試験体の測定のために構成されたシステムに含まれていてよい。このようなシステムは、ここで記述するように更に構成してよい。
【0184】
2つの光学サブシステムは、パージングサブシステム216に結合されている。パージングサブシステム216は、試験体10の測定中に、2つの光学サブシステムの周りにパージされた環境217を維持するよう構成されている。パージングサブシステムは、上述したように更に構成してよい。例えば、パージングサブシステムは、差動パージングサブシステムであってよい。また、パージングサブシステムは、2つの光学サブシステム内に、ほぼ同じレベルのパージングを維持するよう構成されている。例えば、2つの光学サブシステムは、ハウジング218内に配設してよい。ハウジングは、上述したように構成してよい。また、ハウジングは、ディファレンシャルアパーチャ220(これは、2つの光学サブシステムからのVUV光が、ディファレンシャルアパーチャを通して試験体10に向けられることができるよう、かつ、試験体から返された光が、ディファレンシャルアパーチャを通過し、かつ、2つの光学サブシステムによって収集されることができるよう構成されている)を含んでいる。ディファレンシャルアパーチャ220は、上述したように更に構成してよい。
【0185】
この実施形態における2つの光学サブシステムのうちの一方は、エリプソメーターとして構成されている。エリプソメーターは、光源74、偏光子76、分析器78、および検出器82(これらは全て、上述したように構成してよい)を含んでいる。また、エリプソメーターは、オプションとして、一つまたはそれ以上のフィルター84および分光計80(それらも、両方とも、上述したように構成してよい)を含んでいてよい。一実施形態では、光学サブシステムは、単一波長のエリプソメーターとして構成してよい。単一波長のエリプソメーターは、157 nmの波長で試験体の測定を行なうよう構成してよい。別法の実施形態では、光学サブシステムは、分光エリプソメーターとして構成してよい。このような実施形態では、光源74は、VUV光フラッシュランプであってよい。
【0186】
この実施形態における2つの光学サブシステムのうちの他方は、反射率計(これは、上述したように構成してよい)として構成されている。例えば、第2の光学サブシステムは、光源98を含んでいる。光源98は、単色または近単色光源であってよい。この実施形態では、反射率計は、単一波長の反射率計として構成してよい。別の実施形態では、光源は、多色光源または広帯域光源であってよい。このような実施形態では、反射率計は、分光反射率計として構成してよい。第2の光学サブシステムは、ビームスプリッター100、レンズ102、回折格子104、および検出器アレイ106(これらは全て、上述したように構成してよい)も含んでいる。
【0187】
したがって、いくつかの実施形態では、図15に示す2つの光学サブシステムは、エリプソメーター(例えば、単一波長のエリプソメーターまたは広帯域エリプソメーター)および反射率計(例えば、単一波長の反射率計または広帯域分光反射率計)を含んでいてよい。別の実施形態では、2つの光学サブシステムは、上述したような広帯域分光エリプソメーターおよび広帯域反射分光計(これは、以下で、より詳細に記述されている)を含んでいてよい。
【0188】
上で更に記述されているように、エリプソメーターとして構成された光学サブシステムは、エリプソメーターが、VUV光および非VUV光を用いて試験体の測定を行なうよう構成されている場合は、一つまたはそれ以上のフィルター84を含んでいてよい。一つまたはそれ以上のフィルターは、エリプソメーターの光路に挿入して、非VUV光を用いた測定中に、かなりの量のVUV光が試験体に到達するのを防止してよい。このやり方では、試験体は、VUV光への長時間の曝露による潜在的な損傷から保護されてよい。同様のやり方で、反射率計として構成された光学サブシステムもまた、反射率計が、VUV光および非VUV光を用いて試験体の測定を行なうよう構成されている場合は、一つまたはそれ以上のフィルター222を含んでいてよい。一つまたはそれ以上のフィルター222は、VUV光を用いた測定中には、反射率計の光路に配置されなくてよいが、非VUV光を用いた測定中には、反射率計の光路に挿入されてよい。一つまたはそれ以上のフィルター222は、非VUV光を用いた測定中に、かなりの量のVUV光が試験体に到達するのを防止して、それにより、VUV光への長時間の、かつ、不必要な曝露による試験体の潜在的な損傷を防止するよう構成してよい。
【0189】
2つの光学サブシステムは、図15において、同じディファレンシャルアパーチャを通して、光を向け、かつ、収集するように示されている。このやり方では、2つの光学サブシステムは、同時に、あるいは、順次に、試験体上のほぼ同じ測定スポットを測定するよう構成してよい。別法として、2つの光学サブシステムは、異なるディファレンシャルアパーチャ(図示せず)を通して、光を向け、かつ、収集するよう構成してよい。例えば、光学サブシステムは、ハウジング218内で横方向に互いに離れていてよく、かつ、各光学サブシステムは、異なるディファレンシャルアパーチャに結合していてよい。そのようなものとして、2つの光学サブシステムは、試験体上の異なる測定スポットを同時に測定するよう構成してよい。また、2つの光学サブシステムは、試験体上の同じ測定スポットを順次に測定してよい。
【0190】
VUV光を用いて試験体を測定するよう構成された2つの光学サブシステムを含むシステム(例えば、図15に示すもの)は、一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステム(図示せず)も含んでいてよい。追加の光学サブシステム(複数も可)は、非VUV光を用いて試験体の追加の測定を行なうよう構成してよい。したがって、追加の光学サブシステム(複数も可)は、パージされていない環境中に配設してよい。いくつかの実施形態では、追加の光学サブシステム(複数も可)の第1の部分は、パージされた環境中に配設してよく、かつ、追加の光学サブシステム(複数も可)の第2の部分は、パージされていない環境中に配設してよい。一つのこのような実施形態は、以下で更に記述されている。また、2つの光学サブシステムおよび追加の光学サブシステム(複数も可)は、少なくとも一つの共通の光学部品を有していてよい。共通の光学部品(複数も可)は、パージされた環境中に配設された追加の光学サブシステム(複数も可)の第1の部分を含んでいてよい。このような実施形態の例は、以下で更に記述されている。いくつかの実施形態では、追加の光学サブシステム(複数も可)は、ビームプロファイルエリプソメーター、ビームプロファイル反射率計、広帯域反射分光計、またはその組合せを含んでいてよい。このような光学サブシステムは、以下で更に記述されている。
【0191】
図16は、VUV光を用いて試験体の測定を行なうよう構成された2つの光学サブシステムの別の実施形態を示している。図16に示す光学サブシステムは、Opsal他に対する米国特許第6,515,746号(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に、より詳細に記述されている。この特許に呈示されたシステムの必須でない詳細のうちのいくつかは、ここで呈示された図16に対応する記述から省略されている。しかしながら、図16に示すシステムは、この特許に記述されているように更に構成してよいことを理解されたい。また、図16に示すシステムが、Opsal他に対する米国特許第6,515,746号に記述されたシステムを劇的に改善するように変えられていることは、ここで与えられたいくつかの実施形態の記述を読むことにより、明らかであろう。変更は、例えば、VUV光学サブシステムを含むようにシステムを変えること、および、VUV光学サブシステムをパージされた環境中に配設することを含んでいる。他の変更は、ここで与えられた図16の説明を読むことにより、明らかであろう。
【0192】
図16には、2つのVUV光学サブシステムのみが示されているが、このような実施形態には、2つ以上のVUV光学サブシステムが含まれていてよいことを理解されたい。図16に示す2つのVUV光学サブシステムは、試験体の測定のために構成されたシステムに含まれていてよい。このようなシステムは、ここで記述するように更に構成してよい。
【0193】
2つのVUV光学サブシステムのうちの一方は、広帯域反射分光計として構成されている。他方のVUV光学サブシステムは、広帯域分光エリプソメーターとして構成されている。両方のVUV光学サブシステムは、パージされた環境224中に配設されている。パージされた環境224は、パージングサブシステム226(これは、上述したように構成してよい)によって与えられ、かつ、維持されてよい。例えば、パージングサブシステムは、ハウジング228に結合してよく、かつ、一実施形態では、差動パージングサブシステムであってよい。ハウジングは、上述したように構成してよい。また、パージングサブシステムは、2つのVUV光学サブシステムの両方に、ほぼ同じレベルのパージングを維持するよう構成されている。
【0194】
広帯域反射分光計(BRS)230は、多数の波長のVUV光で、試験体10を同時に探測する。BRS230は、レンズ232を使用し、かつ、広帯域分光計234(これは、先行技術で一般に知られ、かつ、使用されている任意のタイプのものであり得る)を含んでいる。レンズ232は、弗化カルシウム(CaF2)等の材料から形成された透過型光学部品であってよい。このようなレンズは、サンプル表面に対して広範囲の入射角を生成するための、かつ、直径が約1ミクロンのスポットサイズを生成するための、高い開口数(0.90NAのオーダー)を有する球形の顕微鏡対物レンズであってよい。別法として、レンズ232は、反射型光学部品であってよい。このようなレンズは、より低い開口数(0.4NAのオーダー)を有していてよく、かつ、光を約10〜15ミクロンのスポットサイズに集束することができてよい。図16に示す分光計234は、レンズ236、アパーチャ238、分散素子240、および検出器アレイ242を含んでいる。レンズ236は、CaF2から形成されていてよい。
【0195】
動作中に、VUV光源246からのプローブビーム244は、レンズ245によって視準され、鏡243によって向けられ、かつ、レンズ232によって、ディファレンシャルアパーチャ233を通して、かつ、試験体10上に、集束される。VUV光源は、上述した光源のうちの任意のものを含んでいてよい。レンズ245は、CaF2から形成されていてよい。ディファレンシャルアパーチャは、上述したように構成してよい。いくつかの実施形態では、BRS230は、非VUV光を用いて試験体の追加の測定を行なうよう構成してよい。非VUV光は、VUV光源246によって与えられてよい。別法として、非VUV光は、光源283または別の光源(図示せず)によって与えられてよい。このような実施形態では、BRSは、一つまたはそれ以上のフィルター231を含んでいてよい。フィルター(複数も可)231は、非VUV光を用いた測定中に、かなりの量のVUV光が試験体に到達するのを防止するよう構成してよい。したがって、フィルター(複数も可)は、非VUV測定中に、VUV光への無用な曝露から試験体を保護してよい。VUV光を用いた測定中に、フィルター(複数も可)231は、手動で、機械的に、あるいは、自動的に、ビーム244の光路の外部に移動させてよい。フィルター(複数も可)231は、鏡248とレンズ232との間に設置されるように示されているが、フィルター(複数も可)は、VUV光源246とレンズ232との間のビーム244の光路の各種の場所に位置決めしてよいことを理解されたい。
【0196】
サンプルの表面から反射された光は、ディファレンシャルアパーチャ233およびレンズ232を通過し、かつ、鏡248によって、(鏡250を通して)分光計234に向けられる。レンズ236は、アパーチャ238(これは、分析すべき試験体表面上の視野内のスポットを定義する)を通して、プローブビームを集束する。分散素子240(例えば、回折格子、プリズム、またはホログラフィックプレート)は、波長の関数として、ビームを、検出器アレイ242に含まれる個々の検出器素子に、角度的に分散する。
【0197】
異なる検出器素子は、プローブビームに含まれる異なる波長の光の光強度を、好ましくは、同時に、測定する。別法として、検出器242は、電荷結合素子(「CCD」)カメラ、あるいは、適当に分散性の、あるいは、別様に波長選択的な光学系を有する光電子増倍管であり得る。モノクロメーターを使用して、単一の検出器素子を用いて異なる波長を連続的に(一度に一波長ずつ)測定することができることに注目されたい。さらに、分散素子240は、波長の関数として一方向に、かつ、試験体表面に対する入射角の関数として直交方向に、光を分散するよう構成することもでき、したがって、波長および入射角の両方の関数としての同時測定が、可能である。プロセッサ252は、検出器アレイ242によって測定された強度情報を処理する。
【0198】
BRS230の全ての光学部品は、図16において、ハウジング内に、かつ、パージされた環境224中に、設置されるように示されているが、BRSの一つまたはそれ以上の構成要素は、ハウジングの外部の、パージされていない環境中に設置することができることを理解されたい。例えば、VUV光源246は、ハウジングの外部の、パージされていない環境中に設置してよい。VUV光源からの光は、ハウジング内に形成されたディファレンシャルアパーチャ(図示せず)を通して、レンズ245に向けられてよい。このディファレンシャルアパーチャは、ここで記述するように構成してもよい。
【0199】
広帯域分光エリプソメーター(BSE)254は、また、VUV光を用いて試験体の測定を行なうよう構成されている。BSE254は、偏光子256、集束鏡258、視準鏡260、回転補償子262、および分析器264を含んでいる。いくつかの実施形態では、BSE254は、非VUV光を用いて試験体の追加の測定を行なうよう構成してよい。非VUV光は、VUV光源246によって与えられてよい。別法として、非VUV光は、光源283または別の光源(図示せず)によって与えられてよい。このような実施形態では、BSEは、一つまたはそれ以上のフィルター235を含んでいてよい。フィルター(複数も可)235は、非VUV光を用いた測定中に、かなりの量のVUV光が試験体に到達するのを防止するよう構成してよい。したがって、フィルター(複数も可)は、非VUV測定中に、VUV光への無用な曝露から試験体を保護してよい。VUV光を用いた測定中に、フィルター(複数も可)235は、手動で、機械的に、あるいは、自動的に、ビーム244の光路の外部に移動させてよい。フィルター(複数も可)235は、鏡266と偏光子256との間に設置されるように示されているが、フィルター(複数も可)は、VUV光源246と試験体10との間のビーム244の光路の各種の場所に位置決めしてよいことを理解されたい。
【0200】
動作中、鏡266は、プローブビーム244の少なくとも一部を、偏光子256(これは、プローブビームに対して既知の偏光状態(好ましくは、直線偏光)を生成する)に向ける。鏡258は、ディファレンシャルアパーチャ233を通して、試験体表面に斜角で(理想的には、試験体表面の法線に対して70度のオーダーで)、ビームを集束する。周知の偏光解析の原理に基づいて、反射ビームは、一般に、試験体の膜268および基板270の組成および厚さに基づいて、試験体と相互作用した後に、混合した直線および円偏光状態を有することになる。
【0201】
反射ビームは、ディファレンシャルアパーチャ233を通過し、かつ、鏡260(これは、ビームを回転補償子262に向ける)によって視準される。補償子262は、一対の互いに直交する偏光した光ビーム成分の間に、相対的な位相遅れd(位相遅延)を導入する。補償子262は、ビームの伝搬方向に対して実質的に平行な軸の周りを、好ましくは、電動機272によって、角速度cで回転させられる。分析器264(好ましくは、別の直線偏光子)は、それに入射する偏光状態を混合する。分析器264によって伝達された光を測定することによって、反射されたプローブビームの偏光状態を、判定することができる。
【0202】
鏡250は、ビームを分光計234(これは、補償子/分析器の組合せを通過する、反射されたプローブビーム内の異なる波長の光の強度を、同時に測定する)に向ける。プロセッサ252は、検出器242の出力を受け取り、かつ、波長の関数として、かつ、補償子262の、その回転軸の周りの方位(回転)角の関数として、検出器242によって測定された強度情報を処理して、Aspnes他に対する米国特許第5,877,859号(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に記述されているように、偏光解析値yおよびDを解く。
【0203】
BSE254の全ての光学部品は、図16において、ハウジング内に、かつ、パージされた環境224中に、設置されるように示されているが、BSEの一つまたはそれ以上の構成要素は、ハウジングの外部の、パージされていない環境中に設置することができることを理解されたい。例えば、VUV光源246は、ハウジングの外部の、パージされていない環境中に設置してよい。VUV光源からの光は、ハウジングに形成されたディファレンシャルアパーチャ(図示せず)を通して、レンズ245に向けられてよい。このディファレンシャルアパーチャは、ここで記述するように構成してもよい。
【0204】
上述した広帯域反射分光計および広帯域分光エリプソメーターを含むシステムは、非VUV光を用いて試験体の追加の測定を行なうよう構成された追加の光学サブシステム(複数も可)も含んでいてよい。例えば、システムは、ビームプロファイルエリプソメーター、ビームプロファイル反射率計、別の光学サブシステム、またはその組合せとして構成された非VUV光学サブシステムを含んでいてよい。一つまたはそれ以上の追加の光学サブシステムは、パージされていない環境中に配設してよい。例えば、追加の光学サブシステム(複数も可)の少なくとも一部は、ハウジング228の外部のパージされていない環境中に配設される。
【0205】
ビームプロファイル偏光解析(BPE)は、Fanton他に対する米国特許No. 5,181,080(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に述べられている。BPE274は、プローブビーム284を発生するレーザー283を含んでいる。レーザー283は、673 nmにおける直線偏光した3mWビームを放出する、Toshiba Corp.からの固体レーザーダイオードであってよい。BPE274は、四分の一波長板276、偏光子278、レンズ280、および四分割検出器282も含んでいる。動作中、直線偏光したプローブビーム284は、ディファレンシャルアパーチャ233を通して、レンズ232によって、試験体10に集束される。サンプル表面から反射された光は、上方に、ディファレンシャルアパーチャ233およびレンズ232を、鏡248、286、および288を、通過し、そして、鏡290によって、BPE274内に向けられる。
【0206】
反射されたプローブビーム内の光線の位置は、試験体の表面に対する特定の入射角に対応する。四分の一波長板276は、ビームの偏光状態のうちの一つの位相を、90度遅延させる。直線偏光子278は、ビームの2つの偏光状態を、互いに他と干渉させる。最大信号のためには、偏光子278の軸を、四分の一波長板276の速いおよび遅い軸に対して、45度の角度に配向すべきである。検出器282は、それぞれが、プローブビームの四分の一を遮断し、かつ、その四分円に当たるプローブビームの部分のパワーに比例して、別々の出力信号を発生する、4つの放射状に配設された四分円を有する四分割セル検出器である。
【0207】
各四分円からの出力信号は、プロセッサ252に送られる。ビームの偏光状態の変化をモニターすることによって、偏光解析情報(例えば、yおよびD)を、判定することができる。この情報を判定するためには、プロセッサ252は、直径に沿って向かい合った四分円の出力信号の和の間の差(極薄膜に対しては、膜厚と共に直線的に変化する値)を取る。
【0208】
ビームプロファイル反射率測定(BPR)については、Gold他に対する米国特許No. 4,999,014(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に述べられている。BPR292は、サンプルの反射率を測定するための、レーザー283、レンズ294、ビームスプリッター296、および2つの直線検出器アレイ298および300を含んでいる。動作中、直線偏光したプローブビーム284は、レンズ232によって、ディファレンシャルアパーチャ233を通して試験体10上に集束され、ビーム内の各種の光線が、ある範囲の入射角でサンプル表面に当たる。試験体表面から反射された光は、上方に、ディファレンシャルアパーチャ233およびレンズ232を、鏡248および286を、通過し、そして、鏡288によってBPR292内に向けられる。反射されたプローブビーム内の光線の位置は、試験体の表面に対する特定の入射角に対応する。レンズ294は、ビームを二次元的に空間的に広げる。ビームスプリッター296は、ビームのSおよびP成分を分離し、かつ、検出器アレイ298および300は、互いに他と直交に配向されて、SおよびP偏光についての情報を隔絶する。より高い入射角の光線ほど、アレイの両端のより近くに当たることになる。ダイオードアレイ内の各素子からの出力は、異なる入射角に対応することになる。検出器アレイ298および300は、試験体表面に対する入射角の関数として、反射されたプローブビームに亘って強度を測定する。プロセッサ252は、検出器アレイ298および300の出力を受け取って、かつ、各種のタイプのモデル化アルゴリズムを利用することによって、これらの角度依存の強度測定に基づいて、薄膜層268の厚さおよび屈折率を導出する。反復プロセスを使用する最適化ルーチン(例えば、最小二乗適合ルーチン)が、一般に、採用される。
【0209】
図16に示すシステムは、追加の構成要素(例えば、検出器/カメラ302)も含んでいてよい。検出器/カメラ302は、鏡290の上方に位置決めされ、かつ、アライメントおよび焦点目的のために、試験体10からの反射ビームを見るのに使用することができる。
【0210】
BPE274、BPR292、BRS230、およびBSE254を校正するためには、システムは、参照サンプル(図示せず)と関連して使用される、波長安定な校正参照エリプソメーター304を含んでいてよい。校正目的のために、参照サンプルは、理想的には、シリコン基板上に形成された厚さdを有する薄い酸化物層からなる。しかしながら、一般に、サンプルは、ベアシリコンウェーハ、および、その上に一つまたはそれ以上の薄膜を有するシリコンウェーハ基板を含む、既知の組成の任意の適当な基板であり得る。層の厚さdは、既知である、あるいは、定期的な校正の間に一定である必要はない。
【0211】
エリプソメーター304は、光源306、偏光子308、レンズ310および312、回転補償子314、分析器316、および検出器318を含んでいる。補償子314は、ビーム320の伝搬方向に対して実質的に平行な軸の周りを、好ましくは、電動機322によって、角速度yで回転させられる。補償子は、試験体と分析器との間(図16に示す)、あるいは、試験体と偏光子308との間のいずれにも、設置することができることに注目されたい。偏光子308、レンズ310および312、補償子314、および偏光子316は全て、光源306によって発生された特定の波長の光に対して、それらの構造が最適化されており、それが、エリプソメーターの精度を最大化することにも注目されたい。
【0212】
光源306は、既知の安定な波長および安定な強度を有する準単色プローブビーム320を発生する。光源306が、時間を越えて変化しない(すなわち、1%未満で変化する)非常に安定な出力の波長を発生する場合、これは、受動的に行なうことができる。受動的に安定な光源の例としては、ヘリウムネオンレーザー、または他のガス放電レーザーシステムが挙げられる。別法として、光源が、精確に既知でない、あるいは、時間を越えて安定でない波長を有する光を発生する光発生器(図示せず)、および光発生器によって発生された光の波長を精確に測定するモノクロメーター(図示せず)を含んでいる場合は、非受動システムを使用することができる。このような光発生器の例としては、レーザーダイオード、あるいは、カラーフィルター(例えば、格子)と関連して使用される多色光源等が挙げられる。いずれの場合も、ビーム320の波長(これは、既知の定数であるか、あるいは、モノクロメーターによって測定される)がプロセッサ252に与えられ、したがって、エリプソメーター304は、システム内の光学測定デバイスを正確に校正することができる。
【0213】
校正中のエリプソメーター304の動作は、米国特許No. 6,515,746に更に記述されている。簡単に言えば、ビーム320は、検出器318に入り、これは、補償子/分析器の組合せを通過するビームの強度を測定する。プロセッサ252は、検出器318によって測定された強度情報を処理して、分析器と相互作用した後の光の偏光状態を、かつ、したがって、サンプルの偏光解析パラメータを、判定する。この情報処理は、補償子の、その回転軸の周りの方位(回転)角の関数として、ビーム強度を測定することを含んでいる。補償子の角速度は、通常、既知であり、かつ、定数であるため、補償子の回転角の関数としての強度のこの測定は、時間の関数としてのビーム320の強度の測定として、有効である。
【0214】
参照サンプルの組成を知ることによって、かつ、光源306によって発生された光の厳密な波長を知ることによって、参照サンプルの光学的特性(例えば、膜厚d、屈折率、および消衰係数等)を、エリプソメーター304によって判定することができる。エリプソメーター304によって、ひとたび膜の厚さdが判定されると、同じサンプルは、サンプルの各種の光学的パラメータを測定する他の光学測定デバイスBPE274、BPR292、BRS230、およびBSE254によって、探測される。プロセッサ252は、次いで、それらが正確な結果を生成するように、これらの光学測定デバイスからの結果を分析するのに使用される処理変数を、校正する。上述した校正技法では、位相および強度に影響する全てのシステム変数は、米国特許No. 6,515,746に述べられている位相オフセットおよび反射率正規化係数を用いて、判定され、かつ、補償され、それにより、これらの校正された光学測定デバイスによって行なわれた光学測定を、絶対的なものにする。
【0215】
上述した校正技法は、大部分が、薄膜の導出された厚さdを用いた校正に基づいている。しかしながら、サンプルが、その上に単一の膜を有していても、その上に多数の膜を有していても、あるいは、さらには、その上に膜を有していなくても(ベアサンプル)、エリプソメーター304を用いた校正は、エリプソメーター304によって測定可能または判定可能な、かつ(あるいは)、別様に既知の、参照サンプルの光学的特性のうちの任意のものに、基づくことができる。
【0216】
図16に示すように、非VUV光学サブシステムの第1の部分は、パージされた環境中に配設してよく、かつ、非VUV光学サブシステムの第2の部分は、パージされていない環境中に配設してよい。例えば、BPE274の第1の部分は、ハウジング228の外部に配設され、かつ、BPE274の第2の部分は、ハウジング内に配設されている。ハウジング228の外部の、パージされていない環境中に配設されたBPE274の第1の部分は、レーザー283、鏡288、鏡290、四分の一波長板276、偏光子278、レンズ280、および四分割検出器282を含んでいる。ハウジング228の内部の、パージされた環境中に配設されたBPE274の第2の部分は、鏡243、266、286、および248、およびレンズ232を含んでいる。ハウジング228は、光が、ハウジング228の外部のBPE274の構成要素から、ハウジングの内部の構成要素に、およびその逆に、通過することができるように、ディファレンシャルアパーチャ(図示せず)、あるいは、非VUV光にとって透明な材料の比較的小さな切片(図示せず)を含んでいてよい。
【0217】
また、BPR292の第1の部分は、ハウジング228の外部に配設され、かつ、BPR292の第2の部分は、ハウジング内に配設されている。ハウジング228の外部の、パージされていない環境中に配設されたBPR292の第1の部分は、レーザー283、鏡288、レンズ294、ビームスプリッター296、および直線検出器アレイ298および300を含んでいる。ハウジング228の内部の、パージされた環境中に配設されたBPR292の第2の部分は、鏡243、266、286、および248、およびレンズ232を含んでいる。ハウジング228は、光が、ハウジング228の外部のBPR292の構成要素から、ハウジングの内部の構成要素に、およびその逆に、通過することができるように、ディファレンシャルアパーチャ(図示せず)、あるいは、非VUV光にとって透明な材料の比較的小さな切片(図示せず)を含んでいてよい。
【0218】
さらに、エリプソメーター304の第1の部分は、ハウジング228の外部に配設され、かつ、エリプソメーター304の第2の部分は、ハウジング228内に配設されている。ハウジングの外部の、パージされていない環境中に配設されたエリプソメーター304の第1の部分は、光源306および偏光子308を含んでいる。ハウジングの内部の、パージされた環境中に配設されたエリプソメーター304の第2の部分は、レンズ310および312、回転補償子314、分析器316、および検出器318を含んでいる。ハウジング228は、光が、ハウジング228の外部のエリプソメーター304の構成要素から、ハウジングの内部の構成要素に通過することができるように、ディファレンシャルアパーチャ(図示せず)、あるいは、非VUV光にとって透明な材料の比較的小さな切片(図示せず)を含んでいてよい。
【0219】
いくつかの実施形態では、VUV光学サブシステムおよび非VUV光学サブシステムは、少なくとも一つの共通の光学部品を有していてよい。共通の光学部品(複数も可)は、一般に、パージされた環境中に配設された非VUV光学サブシステムに含まれる光学部品(複数も可)を含むことになる。例えば、レンズ232は、BPE274、BPR292、BRS230、およびBSE254に共通である。また、レンズ232は、ハウジング228内の、パージされた環境224中に配設されている。同様のやり方で、鏡243、266、286、および248は、BPE274、BPR292、BRS230、およびBSE254に共通であり、かつ、ハウジング228内の、パージされた環境224中に配設されている。図16に示すエリプソメーター304は、他の光学サブシステムに共通のいかなる光学部品も有していない。エリプソメーターは、他の光学サブシステムを校正するのに使用されるため、他の光学サブシステムからのこのような分離は、適当である場合がある。
【0220】
別の好適な実施形態では、VUV波長で動作する測定技術の使用は、測定に先立って、試験体の表面から分子汚染を除去するための脱着装置と、組み合わされる。環境からの分子は、試験体の表面に付着し得る。一般に、これらの分子は、より長い波長とより、VUV内の短波長放射と、より強力に相互作用し、かつ、誤解を招く、または、不正確な、測定結果を生じ得る。好適な実施形態では、Janik他によって2002年1月23日に出願された「膜分析ツールのためのレーザーベースの清浄化デバイス」と題する米国特許出願出願番号10/056,271(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に記述されているように、これらの分子は、レーザービームによって、測定の直前に除去される。別法の実施形態では、試験体は、測定システムにロードされるのに先立って、加熱板または放射熱によって清浄化される。加熱板のいくつかの例が、Howell他に対する米国特許第6,261,853号、Kwonに対する第6,519,045号、およびHowell他に対する第6,624,393号(これらは全て、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に、示されている。
【0221】
ここで記述する、試験体の測定のために構成されたシステムの実施形態は全て、清浄化サブシステムを含んでいてよい。清浄化サブシステムは、測定に先立って、試験体から汚染物質を除去するよう構成してよい。システムは、VUV光を用いて試験体の測定を行なうよう構成された光学サブシステムも含んでいる。光学サブシステムは、パージされた環境中に配設されている。対照的に、清浄化サブシステムは、パージされていない環境中に配設されている。
【0222】
図17は、清浄化サブシステムを含む、試験体の測定のために構成されたシステムの一実施形態を示している。システムのこの実施形態は、この実施形態では図1の第1の光学サブシステム(これは、上で更に詳細に記述されている)として構成されている、光学サブシステムを含むように示されている。しかしながら、光学サブシステムは、ここで記述する、あるいは、この技術分野において既知の、任意の光学サブシステムを含んでいてよい。例えば、光学サブシステムは、エリプソメーター、反射率計、スキャタロメーター、デュアルビーム分光光度計、またはその組合せとして構成してよい。光学サブシステムは、パージされた環境14(これは、パージングサブシステム(図17には示していない)によってハウジング16内に生成され、かつ、維持される)中に配設されている。パージングサブシステムは、上述したように構成してよい。例えば、パージングサブシステムは、光学サブシステムに対してパージされた環境を与えるよう構成された差動パージングサブシステムであってよい。
【0223】
いくつかの実施形態では、光学サブシステムは、VUV光並びに非VUV光を用いて試験体10の測定を行なうよう構成してもよい。例えば、光学サブシステムは、VUV光および非VUV光の両方を与えるよう構成された一つの光源を含んでいてよい。別法として、光学サブシステムは、二つの光源(VUV光を与えるよう構成された一つの光源、および、非VUV光を与えるよう構成された別の光源)を含んでいてよい。このような光源および構成は、上で更に記述されている。光学サブシステムが、VUV光および非VUV光を用いて測定を行なうよう構成されている実施形態では、光学サブシステムは、一つまたはそれ以上のフィルター84を含んでいてよい。フィルター(複数も可)は、非VUV光を用いた測定中に、かなりの量のVUV光が試験体に到達するのを防止するよう構成してよい。フィルター(複数も可)は、上述したように更に構成してよい。
【0224】
システムは、非VUV光を用いて試験体10の追加の測定を行なうよう構成された追加の光学サブシステムも含んでいてよく、あるいは、含んでいなくてよい。例えば、図17に示すように、システムは、一般に、反射率計として構成された図1の第2の光学サブシステムとして構成された光学サブシステムを含んでいてよい。しかしながら、図17に示すシステムは、非VUV光を用いて試験体を測定するよう構成された、反射率計以外の光学サブシステム(例えば、エリプソメーター、スキャタロメーター、デュアルビーム分光光度計、その組合せ、および(または)この技術分野において既知の任意の他の非VUV光学サブシステム)を含んでいてよい。図17に示すように、追加の光学サブシステムは、ハウジング16の外部のパージされていない環境中に配設してよい。
【0225】
別法の実施形態では、システムは、VUV光を用いて試験体の追加の測定を行なうよう構成された追加の光学サブシステム(図17には示していない)を含んでいてよい。このような追加の光学サブシステムは、パージされた環境14中に配設してよい。同じパージされた環境中に配設された一つ以上の光学サブシステムを含む実施形態は、図15および16に示されており、かつ、図17に示すシステムは、このような光学サブシステムを含んでいてよい。また、一つのパージされた環境中に配設された光学サブシステムの数は、2つに限定されないことに注目されたい。事実上、3つ、4つ、5つ、または任意の他の数の光学サブシステムを、同じパージされた環境中に配設してよいと考えられる。光学サブシステムは、ここで記述するように更に構成してよい。
【0226】
図17に示すシステムは、パージされていない環境326中に配設された清浄化サブシステム324も含んでいる。例えば、清浄化サブシステム324は、ハウジング16の外部に、かつ、ハウジング16内に生成され、かつ、維持されたパージされた環境14の外部に、配設されている。図17に示すように、清浄化サブシステムおよび光学サブシステムは、同じステージ(すなわち、ステージ12)に結合されている。このやり方では、光学サブシステム(複数も可)は、清浄化サブシステムが、試験体から汚染物質を除去している間に、試験体上の測定を行なってよい。別法として、清浄化サブシステムは、異なるステージ(図示せず)に結合してよい。2つのステージは、共通の試験体ハンドラーによって結合されてよい。多くの試験体ハンドラー(例えば、ウェーハハンドラー)が、この技術分野において既知であり、かつ、任意の試験体ハンドラーを、共通の試験体ハンドラーとして使用してよい。このような実施形態では、光学サブシステム(複数も可)は、清浄化サブシステムが、異なる試験体から汚染物質を除去している間に、一つの試験体上で測定を行なってよい。いくつかのこのような実施形態では、清浄化サブシステムは、光学サブシステム(複数も可)とは異なるモジュール内に含まれていてよい。
【0227】
図17に示す実施形態では、清浄化サブシステムは、レーザーベースの清浄化サブシステムを含んでいる。このような清浄化サブシステムは、試験体10上の局所化された部位328から汚染物質を除去するよう構成されている。清浄化サブシステムは、光学サブシステム(複数も可)による測定に先立って、試験体の一部から汚染物質を除去するよう構成されていることが好ましい。詳しくは、清浄化サブシステムは、VUV光学サブシステム(複数も可)による測定に先立って、試験体の一部から汚染物質を除去するよう構成されている。このような清浄化サブシステムは、ここで記述するシステムの全てに組み込まれてよい。
【0228】
適当なレーザーベースの清浄化サブシステムの一例が、Janik他によって2002年1月23日に出願された「膜分析ツールのためのレーザーベースの清浄化デバイス」と題する米国特許出願出願番号10/056,271(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に示されている。この特許出願に記述されているように、清浄化サブシステム324は、エネルギービーム源330を含んでいる。清浄化作業中に、試験体10の上面に形成された汚染物質層(図示せず)のごく一部が、除去される。試験体上の層(図示せず)の露出した部分(すなわち、分析部位)は、次いで、測定作業中に分析される。ステージ12の位置は、エネルギービーム源330および光学サブシステム(複数も可)に対して移動させて、試験体10上の多数の場所における清浄化および分析を可能にすることができる。
【0229】
清浄化作業を行なうためには、エネルギービーム源330は、エネルギービーム332を、汚染物質層上のスポット328に向ける。エネルギービーム332は、汚染物質層を直接的に加熱することによって、あるいは、試験体上の層または試験体の、その下にある部分を加熱することによって、汚染物質層の一部を除去するよう構成されている。このやり方で加熱された汚染物質層の部分は、最終的に蒸発され、それにより、試験体上の層または試験体の、その下にある部分を露出する。この除去プロセスは、エネルギービーム332からの光子による、汚染物質層と試験体との間の結合の直接的な刺激を含む、加熱以外の他の機構によって、補助されることができる。
【0230】
エネルギービーム源330からの加熱は、局所化された部位に限定されるため、清浄化作業は、非常に高速に行なうことができ、これは、分析処理量に対するいかなる影響も最小化する。試験体10のごく一部のみが加熱されるため、その下にある層および(または)基板に対する損傷の可能性は、ごくわずかである。清浄化作業を、試験体10の非機能領域(例えば、試験体10から作成されるべき最終デバイスの機能部分(複数も可)の一部にならない、スクライブライン等の領域)で行なうことによって、損傷のリスクは、更に低減することができる。
【0231】
除去されるべき汚染物質層の量は、光学サブシステム(複数も可)の測定条件に依存する。現代の薄膜分析ツールは、一般に、少なくとも20 mm × 20 mmの分析部位を必要とする。したがって、このようなシステムに対しては、汚染物質層の少なくとも20 mm × 20 mmの部分を、除去する必要があるであろう。しかしながら、分析部位全体が、均一に清浄化されることを保証するためには、汚染物質層の、より大きな部分を除去することができよう。
【0232】
一実施形態によれば、エネルギービーム源330は、パルスレーザーを含むことができよう。例えば、汚染物質層は、水および有機材料の5オングストローム厚の層(これは、生産中に、現代の薄膜層上にしばしば形成される汚染層と同様である)を含むことができよう。1〜1000ナノ秒のパルス持続時間を有する5〜100マイクロジュールレーザーからの多数のパルス、または、さらには、単一のパルスは、次いで、汚染物質層の所望の部分を、概ね300℃〜1000℃(これは、汚染物質層のその部分を蒸発させるのに十分な温度範囲である)に加熱することができよう。別の実施形態によれば、エネルギービーム源330は、比較的高いピークパワーを実現するQスイッチレーザー(例えば、それぞれ、532 nmまたは355 nmの波長で動作する、周波数を2倍または3倍にしたYAG(イットリウムアルミニウムガーネット)レーザー)を含むことができよう。別の実施形態によれば、パルスダイオードまたはアレキサンドライト・レーザーを含む、異なる波長で動作する他のタイプのパルスレーザーが、使用される場合がある。別の実施形態によれば、連続発振レーザー(例えば、アルゴンイオンレーザー)を(例えば、音響光学または電気光学変調器で)外部的に変調して、パルスを発生することができよう。別の実施形態によれば、エネルギービーム源330は、遠隔の場所から、所望のサイズおよびエネルギーのビームをスポット328に運ぶよう構成された集束光学系(図示せず)(例えば、光ファイバーおよびレンズシステム)を含むことができよう(すなわち、光ファイバーは、遠隔のビーム発生器から、エネルギービーム332をスポット328に伝達することができよう)。別の実施形態によれば、エネルギービーム源330は、高強度光を、汚染物質層上の所望の部位に向けるための集束光学系(図示せず)に結合されたフラッシュランプを含むことができよう。
【0233】
ひとたび清浄化作業が完了すると、測定作業を行なうことができる。試験体10は、異なるツールまたはプロセスチャンバーに移動させる必要がないため、清浄化作業の直後に測定作業を行なうことができ、したがって、試験体の露出した部分(分析部位)の再汚染の可能性が、最小化される。このやり方では、局所的な清浄化作業を、測定作業と能率的に組み合わせて、正確かつ繰り返し可能な分析を保証することができる。
【0234】
図17に示すシステムでは、エネルギービーム源330および光学サブシステム(複数も可)は、試験体10上の同じ場所に、同時に集束されない。その結果、光学サブシステム(複数も可)を用いて行なわれる分析作業は、実際には、3つのステップ、清浄化作業、位置決め作業、および測定作業を含んでいる。清浄化作業中に、汚染物質層のごく一部が、エネルギービーム源330からのエネルギービームによって除去される。次いで、位置決め作業中に、試験体10は、光学サブシステムのうちの一つまたはそれ以上の光が、清浄化作業中に露出された試験体の部分と整列するように位置決めされる。試験体の露出した部分は、次いで、測定作業中に、光学サブシステム(複数も可)によって分析することができる。
【0235】
別法の実施形態では、エネルギービーム332および光学サブシステムのうちの一つからのサンプルビームは、試験体10の実質的に同じ場所に、同時に向けられてよい。例えば、エネルギービーム332およびパージされていない環境中に配設された光学サブシステムからの光は、試験体10上の実質的に同じ場所に同時に向けられてよい。したがって、試験体10の位置を、清浄化作業と、この光学サブシステムによる測定作業との間に、調整する必要はない。したがって、測定作業を、清浄化作業の直後に行なって、新しい汚染物質層が分析部位の上に再形成されないことを保証することができる。図17に示す清浄化サブシステムは、上に参照した特許出願に記述されているように更に構成してよいことを理解されたい。
【0236】
図18に示す異なる実施形態では、清浄化サブシステムは、熱ベースの清浄化サブシステムを含んでいる。このような清浄化サブシステムは、試験体10の実質的に表面全体334から汚染物質を除去するよう構成されている。清浄化サブシステムは、光学サブシステム(複数も可)による測定に先立って、試験体の一部から汚染物質を除去するよう構成されていることが好ましい。詳しくは、清浄化サブシステムは、VUV光学サブシステム(複数も可)による測定に先立って、試験体の一部から汚染物質を除去するよう構成されている。このような清浄化サブシステムは、ここで記述するシステムの全てに組み込まれてよい。
【0237】
図18に示す清浄化サブシステムは、Howell他に対する米国特許第 6,261,853号、Kwonに対する第6,519,045号、およびHowell他に対する第6,624,393号(これらは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に記述された、薄膜分析のための試験体10を作製するのに使用される、従来のウェーハ清浄化システム336である。清浄化サブシステムは、バルク加熱作業を行なって、試験体から汚染物質を除去する。試験体10は、シリコン基板(図示せず)上に形成された薄膜層(図示せず)、および、薄膜層の表面上に形成された汚染物質層(図示せず)を含んでいてよい。清浄化サブシステム336は、発熱体340を含むステージ338を組み込んでいる。発熱体340によって発生された熱は、ステージ338を通して試験体10内に伝導され、それにより、汚染物質層を蒸発させるのに必要とされる加熱を与える。ステージ338に結合された熱交換器342は、発熱体340から余分な熱を捕獲し、それにより、清浄化サブシステム自体および周囲の環境の望ましくない加熱を最小化する。
【0238】
ステージ338およびステージ12は、共通の試験体ハンドラー(図示せず)によって結合してよい。多くの試験体ハンドラー(例えば、ウェーハハンドラー)が、この技術分野において既知であり、かつ、任意の試験体ハンドラーを、共通の試験体ハンドラーとして使用してよい。清浄化サブシステム336による清浄化の後、試験体は、共通の試験体ハンドラーによってステージ12に移動させてよい。このような実施形態では、光学サブシステム(複数も可)は、清浄化サブシステムが、異なる試験体から汚染物質を除去している間に、一つの試験体上で測定を行なってよい。いくつかのこのような実施形態では、清浄化サブシステムは、光学サブシステム(複数も可)とは異なるシステムのモジュール内に含まれていてよい。
【0239】
別法の実施形態では、清浄化サブシステムは、ウェーハ全体をオーブン(図示せず)内で約300℃の温度に加熱して、試験体上の任意の汚染物質を蒸発させるよう構成してよい。薄膜分析のためのウェーハを作製するのに使用される、従来のオーブンベースのウェーハ清浄化サブシステムの一例が、Kamienieckiに対する米国特許第6,325,078号(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に記述されている。このような清浄化サブシステムは、加熱ランプからの熱放射が、試験体を加熱して、試験体上の汚染物質を蒸発させる、多数の加熱ランプ(図示せず)を含んでいてよい。
【0240】
図17および18に示すシステムは、一つ以上の清浄化サブシステムを含んでいてよい。例えば、システムは、レーザーベースの清浄化サブシステム、および、熱ベースの、あるいは、オーブンベースの清浄化サブシステムを含んでいてよい。両方の清浄化サブシステムを使用して、試験体を清浄化してよい。図17および18に示すシステムは、ここで記述するように更に構成してよい。
【0241】
現在の分光膜測定システムは、一般に、それぞれが、実質的に連続したバックグラウンドの上に乗っている少数のピーク(例えば、3つまたはそれ以下のピーク)を有する、実質的に連続したスペクトルを有している光源を、使用する。スペクトルは、画素のアレイからなるアレイ検出器によって検出され、かつ、スペクトルは、アレイに沿って広げられる。膜測定におけるデータを処理するためには、画素番号と波長との間の関係を知っていることが必要である。波長校正は、時折、適度な数の広く分離したピーク(例えば、5つまたはそれ以下の分離したピーク)のスペクトルを有する別の光源で、行なわれる。これらのピークが存在している画素番号を使用して、波長に対する画素番号の関数を適合する。この関数を使用して、データを処理する。測定ランプスペクトルのピークのうちの一つまたはそれ以上を使用して、校正プロセス間の合間に、波長校正を更新することができる。
【0242】
しかしながら、上述した測定システムおよび方法には、いくつかの欠点がある。例えば、測定スペクトルは、校正プロセス間の合間に、検出器上でドリフトする可能性があり、また、測定中に移動する可能性さえある。波長と検出器の位置との間の関係が、仮定されているものではないため、これらのドリフトおよび移動は、測定に誤差を生ずる。バックグラウンドのサイズおよび形状は、エリプソメーターに対して、測定プロセス中に変化し、また、全ての分光装置に対して、異なるサンプル間で変化するため、測定源のピークは、測定中に、あるいは、測定サンプル間で、追跡することが困難である。不完全なピーク追跡は、測定誤差を生ずる。また、ごく少数のピークを使用して、スペクトルを追跡する場合、スペクトルのスケールの変化(例えば、伸長または収縮)を、完全に把握することができない。
【0243】
したがって、分光エリプソメーター、旋光計、反射率計、または、試験体の測定のために構成された、この技術分野において既知の任意の他の分光測定システムの精度および繰返し精度を改善するための、システムおよび方法が、開発されている。システムは、試験体の測定を行なうよう構成された光学サブシステムを含んでいる。いくつかの実施形態では、測定は、膜特性の測定を含んでいてよい。光学サブシステムは、分光エリプソメーター、旋光計、反射率計、または、上述した、あるいは、この技術分野において既知の任意の他の分光測定システムとして構成してよい。エリプソメーターおよび反射率計の例は、上述されている。また、旋光計の例が、Compain他に対する米国特許第6,177,995号、Aspnes他に対する第6,181,421号、Lee他に対する第6,184,984号、Erdogan他に対する第6,211,957号、Green他に対する第6,535,286号、Westbrookに対する第6,591,024号、およびLee他に対する第6,611,330号(これらは全て、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に示されている。光学サブシステムは、ここで記述するように更に構成してよい。例えば、光学サブシステムは、パージングサブシステムによって生成されたパージされた環境中に配設してよい。別の例では、光学サブシステムは、非VUV光学サブシステムおよび(または)清浄化サブシステム(これは、上述したように構成してよい)を有するシステムに含まれていてよい。
【0244】
一実施形態では、光学サブシステムは、測定に使用される光源を含んでいる。光源は、連続したバックグラウンドを、ごくわずかしか持たない、あるいは、実質的に持たない、比較的多数の分離したスペクトルピークを有する光を発生することが好ましい。特に、スペクトルの深VUV、極紫外(EUV)、および軟X線領域において、比較的多数の分離したスペクトルピークを有する光を発生するのに使用することができる多数の光源がある。したがって、光学サブシステムは、VUV光、EUV光、または軟X線を発生するよう構成された光源を含んでいてよい。VUV光は、上に定義されている。EUV光は、一般に、約100 nm〜約10 nmの波長を有する光として定義される。軟X線は、一般に、約10 nm〜約0.5 nmの波長を有する光として定義される。また、いくつかの実施形態では、光学サブシステムは、約200 nm未満の波長を有する光を発生するよう構成された光源を含んでいてよい。
【0245】
一例では、陰極に各種の金属または合金が使用されているペニングまたは中空陰極放電を、光学サブシステムに含めることができる。マグネシウム(Mg)陰極およびネオン(Ne)バッファガスを用いたペニング放電のスペクトルが、図9に示されている。図9(これは、James A. Sampsonによる書籍「真空紫外分光学I」の77頁から引用したものである)に示すように、ペニング放電のスペクトルは、16個の分離したスペクトルピークを含んでいる。しかしながら、光源は、異なる数の分離したスペクトルピークを与えてよい。光源は、約5つまたはそれ以上の分離したスペクトルピークを与えることが好ましく、また、約10個またはそれ以上の分離したスペクトルピークを与えることが、より好ましい。別の例では、約160 nm〜90 nmのスペクトルでは、H2のスペクトルは、比較的多数の狭いピークを含んでいる。希ガスの混合物中の放電を、光源として使用することもできる。高強度パルスレーザーの高調波発生および他の非線形プロセスを使用して、多数の鋭いスペクトルピークを生成することもできる。
【0246】
軟X線を発生するのに使用することができる光源の例としては、1.064 mmネオジムYAG(軟X線放射を出力するキセノンガスプラズマを発生するレーザー)等が挙げられる。別法として、別の軟X線源(例えば、シンクロトロン、放電励起X線レーザー、電子ビーム駆動放射源デバイス、または、フェムト秒レーザーパルスに基づく高次高調波発生に基づく放射源)を、光学サブシステム内の光源として使用してよい。軟X線を発生するのに使用することができる光源の他の例が、Murakami他に対する米国特許第6,522,717号(これは、ここで、完全に記載されているかのように、参照により組み込まれている)に記述されている。上述した光源のうちの任意のものが、ここで記述する光学サブシステムのうちの任意のものに含まれていてよい。光学サブシステムの構成は、選択された光源に応じて変えてよい。しかしながら、このような設計変更は、この技術分野において通常の知識を有する人の十分に知識内にあり、したがって、ここでは更に記述しない。
【0247】
光学サブシステムは、試験体から返された光を検出するよう構成された一つまたはそれ以上の検出器も含んでいる。いくつかの実施形態では、検出器(複数も可)は、好ましくは、アレイ検出器であってよい。裸のCCD、フォトダイオードアレイ、マイクロチャネルプレート(MCP)、およびCCDにファイバーで結合された蛍光体プレートを含むが、それらに限定されない、光学サブシステム内で使用することができるいくつかのタイプのアレイ検出器がある。検出器(複数も可)によって発生された信号は、プロセッサ、および、オプションとして、検出器をプロセッサに結合してよい一つまたはそれ以上の電子部品によって処理されてよい。プロセッサは、上述したように更に構成してよい。また、プロセッサは、上述したように光学サブシステムに結合してよい。
【0248】
測定データが処理される場合、データは、信号をピークにビンニングすることによって、処理されてよい。例えば、ソフトウェアアルゴリズムを使用して、データを個々のピークに分割することができる。一つ以上の画素に亘るピークは、及んでいる画素に対してそれらの信号が加算される。各ピークからの信号は、単一の波長(例えば、ピーク中心の既知の波長)から来るとみなされる。このようにして、信号は、現在の方法およびシステムのように画素を用いる代わりに、データの基本単位として、ピークを用いて、処理される。
【0249】
上述したプロセッサは、これらの機能を行なってよい。例えば、プロセッサは、データを、波長スペクトルに亘って互いに離れた個々のピークに分割することによって、光学サブシステムによって生成されたデータを処理するよう構成してよい。個々のピークは、光源によって発生された光の分離したスペクトルピークに対応する。また、プロセッサは、ピークが、光学サブシステムの検出器上の一つ以上の画素に亘る場合、光学サブシステムによって検出された光のピークに対する信号を加算することによって、光学サブシステムによって生成されたデータを処理するよう構成してよい。更なる例では、プロセッサは、光学サブシステムによって検出された光のピークからの信号を、単一の波長を有するとみなすことによって、光学サブシステムによって生成されたデータを処理するよう構成してよい。単一の波長は、ピークの中心の既知の波長を含んでいてよい。プロセッサは、上述したように更に構成してよい。
【0250】
他の実施形態では、プログラム命令(これは、コンピュータシステム上で実行可能であるキャリア媒体に含まれていてよい)は、上述した機能を行なうよう構成してよい。例えば、一実施形態では、プログラム命令は、コンピュータシステム上で実行して、データを、波長スペクトルに亘って互いに離れた個々のピークに分割することによって、光学サブシステムの検出器によって生成されたデータを分析することができる。個々のピークは、光学サブシステムの光源によって発生された光の分離したスペクトルピークに対応する。別の実施形態では、プログラム命令は、コンピュータシステム上で実行して、個々のピーク(複数も可)が、検出器上の一つ以上の画素に亘る場合、個々のピークのうちの一つまたはそれ以上に対する信号を加算することによって、データを分析することができる。更なる実施形態では、プログラム命令は、コンピュータシステム上で実行して、個々のピークのうちの一つまたはそれ以上からの信号を、単一の波長を有するとみなすことによって、データを分析することができる場合がある。単一の波長は、個々のピーク(複数も可)の中心の既知の波長を含んでいる。プログラム命令およびキャリア媒体は、上述したように更に構成してよい。また、別々の異なるプログラム命令を実行して、上述した機能を行ってよい。別々のプログラム命令は、プログラム命令の一つのセットに含まれていてよく、あるいは、含まれていなくてよい。
【0251】
一つの特定の例では、実質的に薄い膜を測定したい場合がある。Mg陰極を有するペニング放電光源を含むEUV反射率計を使用して、約12 nm〜約28 nmのスペクトル範囲について、反射率データを収集する。光学サブシステムによって発生された信号は、スペクトルピークにビンニングされ、かつ、各ピークは、その既知の中心波長に割り当てられる。データは、上述したように更に処理してよい。
【0252】
上述したシステムおよびキャリア媒体の実施形態は、現在使用されているシステムおよび方法に対して、いくつかの利点を有している。例えば、検出器の波長校正は、常に自動的に維持され、かつ、検出器の各露出時に更新される。また、スペクトルシフト、ドリフト、伸長、および収縮は、現在の方法およびシステムより、より完全に把握される。さらに、上述した方法およびシステムは、実質的に短い波長(例えば、約200 nm未満)における膜測定能力を改善するであろう。特に、上述したようなデータの分割は、検出器の波長校正を維持し、検出器におけるスペクトルシフト、ドリフト、伸長、収縮、またはその組合せを補正し、かつ(あるいは)、波長の関数として行なわれる光学サブシステムの測定の精度を増大する。
【0253】
本発明の各種の態様の更なる修正および別法の実施形態は、この記述を見れば、この技術に長けた人には明らかであろう。例えば、試験体の測定または分析のためのシステムおよび方法が、与えられている。したがって、この記述は、例示のみと解釈されるべきであり、かつ、この技術に長けた人に、本発明を実施する一般的なやり方を教示することを目的としている。ここで図示し、かつ、記述した本発明の形態は、現在好適とされる実施形態と解釈されるべきであることを理解されたい。全て、本発明のこの記述の利益を得た後に、この技術に長けた人には明らかであるように、ここで図示し、かつ、記述したものの代わりに、別の要素および材料を使用してよく、部分およびプロセスは、逆にしてよく、かつ、本発明のある種の特徴は、独立的に利用されてよい。以下の請求項に記述されているように、発明の趣旨および範囲を逸脱することなしに、ここで記述した要素に変更を行なってよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験体の測定のための方法において、
該試験体の反射率測定データおよび分光偏光解析データを測定する工程と、
該反射率測定データから、該試験体上に形成された窒化酸化物ゲート誘電体の厚さを判定する工程と、
該厚さおよび該分光偏光解析データから、窒化酸化物ゲート誘電体の屈折率を判定する工程と、
該屈折率から、該窒化酸化物ゲート誘電体の窒素濃度を判定する工程と、
を含む方法。
【請求項2】
前記測定する工程は、約220 nm〜約900 nmの波長で該分光偏光解析データを測定する工程を含むこととする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測定する工程は、真空紫外波長で該分光偏光解析データを測定する工程を含むこととする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記測定する工程は、該試験体上の多数の場所で該反射率測定データおよび該分光偏光解析データを測定する工程を含み、該方法は、該多数の場所で該窒素濃度を判定する工程と、該窒素濃度のウェーハ面内均一性を判定する工程とを更に含むこととする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
該分光偏光解析データおよび該反射率測定データは、一つのシステムで測定されることとする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記測定する工程は、半導体製作プロセス中に、該反射率測定データおよび該分光偏光解析データを測定する工程を含むこととする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
該窒素濃度に基づいて半導体製作プロセスの一つまたはそれ以上のパラメータを変える工程を更に含むこととする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
該窒素濃度を用いて半導体製作プロセスの一つまたはそれ以上のパラメータをモニターする工程を更に含むこととする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
試験体の分析のためのコンピュータ実装された方法において、
該試験体の測定によって生成された反射率測定データから、該試験体上に形成された窒化酸化物ゲート誘電体の厚さを判定する工程と、
該厚さおよび該試験体の測定によって生成された分光偏光解析データから、該試験体上に形成された窒化酸化物ゲート誘電体の屈折率を判定する工程と、
該屈折率から、該窒化酸化物ゲート誘電体の窒素濃度を判定する工程と、
を含む方法。
【請求項1】
試験体の測定のための方法において、
該試験体の反射率測定データおよび分光偏光解析データを測定する工程と、
該反射率測定データから、該試験体上に形成された窒化酸化物ゲート誘電体の厚さを判定する工程と、
該厚さおよび該分光偏光解析データから、窒化酸化物ゲート誘電体の屈折率を判定する工程と、
該屈折率から、該窒化酸化物ゲート誘電体の窒素濃度を判定する工程と、
を含む方法。
【請求項2】
前記測定する工程は、約220 nm〜約900 nmの波長で該分光偏光解析データを測定する工程を含むこととする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測定する工程は、真空紫外波長で該分光偏光解析データを測定する工程を含むこととする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記測定する工程は、該試験体上の多数の場所で該反射率測定データおよび該分光偏光解析データを測定する工程を含み、該方法は、該多数の場所で該窒素濃度を判定する工程と、該窒素濃度のウェーハ面内均一性を判定する工程とを更に含むこととする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
該分光偏光解析データおよび該反射率測定データは、一つのシステムで測定されることとする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記測定する工程は、半導体製作プロセス中に、該反射率測定データおよび該分光偏光解析データを測定する工程を含むこととする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
該窒素濃度に基づいて半導体製作プロセスの一つまたはそれ以上のパラメータを変える工程を更に含むこととする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
該窒素濃度を用いて半導体製作プロセスの一つまたはそれ以上のパラメータをモニターする工程を更に含むこととする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
試験体の分析のためのコンピュータ実装された方法において、
該試験体の測定によって生成された反射率測定データから、該試験体上に形成された窒化酸化物ゲート誘電体の厚さを判定する工程と、
該厚さおよび該試験体の測定によって生成された分光偏光解析データから、該試験体上に形成された窒化酸化物ゲート誘電体の屈折率を判定する工程と、
該屈折率から、該窒化酸化物ゲート誘電体の窒素濃度を判定する工程と、
を含む方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−133492(P2011−133492A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63893(P2011−63893)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【分割の表示】特願2007−513424(P2007−513424)の分割
【原出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【出願人】(500049141)ケーエルエー−テンカー コーポレイション (126)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【分割の表示】特願2007−513424(P2007−513424)の分割
【原出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【出願人】(500049141)ケーエルエー−テンカー コーポレイション (126)
【Fターム(参考)】
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