説明

負荷駆動装置

【課題】スイッチング素子の立ち上がりの速度を高速に維持しつつ、スイッチング素子を駆動するドライバ回路の消費電流を削減することができる負荷駆動装置を提供する。
【解決手段】負荷10に接続されるスイッチング素子50と、定電流を生成する定電流生成部30と、定電流生成部30から流れ込む定電流の大きさに応じたオン時間でスイッチング素子50をオンするドライバ回路40と、を備えた構成とする。そして、定電流生成部30は、スイッチング素子50がオンするオン時間に達するまではドライバ回路40に第1電流量の大きさの定電流を流すことでスイッチング素子50の立ち上がりの速度を高速に維持する。また、定電流生成部30は、スイッチング素子50がオンするオン時間が経過した後はドライバ回路40に第1電流量よりも小さい第2電流量の定電流を流すことでドライバ回路40の消費電流を削減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷を駆動する負荷駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、負荷としてIGBT等のパワースイッチング素子を駆動するためのゲート駆動回路が、例えば特許文献1で提案されている。この特許文献1では、ゲート駆動回路はパワースイッチング素子のオン動作を行う第一オン側電源回路を備え、この第一オン側電源回路はこの第一オン側電源回路専用の電源である第一オン電源を備えた構成が示されている。
【0003】
この構成では、パワースイッチング素子のオン動作時にパワースイッチング素子のゲートに印加される電圧は第一オン電源から供給されることでゲートに印加される電圧が所定電圧以下となる。このため、パワースイッチング素子に特性変動などの悪影響を与えないようになっている。
【0004】
上記のようにIGBT等のスイッチング素子のゲートを駆動するゲート駆動回路すなわちドライバ回路は広く知られている。また、ゲート駆動回路の構成についても上記の構成に限られず、様々な構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−71956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の技術のように、ドライバ回路によってスイッチング素子を駆動する場合、スイッチング素子のゲートの立ち上がり時間はドライバ回路の能力によって決まる。スイッチング素子のゲートの立ち上がり時間が短いほど、ゲートの立ち上がりの速度が高速になる。
【0007】
具体的には、スイッチング素子のゲートの容量をCとし、ゲートの容量に電荷をチャージする定電流の電流量をIとし、ゲートがオンするオン電圧をVとすると、スイッチング素子のゲートがオンするまでの立ち上がり時間Tは、T=(C×V)/Iで表される。なお、ゲートの容量に電荷をチャージするための定電流はドライバ回路の外部からドライバ回路に供給されることとなる。
【0008】
上記の式によればドライバ回路に流す定電流の電流量Iを大きくするか、または、ゲートの容量Cおよびオン電圧Vを小さくすることでゲートの立ち上がり時間Tが短縮される。つまり、スイッチング素子のゲートが高速で立ち上がる。このとき、ゲート容量Cおよびオン電圧Vはスイッチング素子のサイズや製造プロセスに起因して一意的に決まるため、実際にはドライバ回路に流す定電流の電流量Iによりゲートの立ち上がり時間Tを調節することになる。
【0009】
したがって、定電流の電流量Iを増加させてゲートの立ち上がり時間Tを短くすることが考えられる。しかしながら、定電流の電流量Iの増加はそのままドライバ回路の消費電流の増加に繋がるという問題がある。特に、スイッチング素子のゲートが立ち上がった後もドライバ回路に定電流の電流量Iが供給され続けるので、ドライバ回路における消費電流が増加してしまう。
【0010】
本発明は上記点に鑑み、スイッチング素子の立ち上がりの速度を高速に維持しつつ、スイッチング素子を駆動するドライバ回路の消費電流を削減することができる負荷駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、負荷(10)に接続されるスイッチング素子(50)と、定電流を生成する定電流生成部(30)と、を備えている。また、スイッチング素子(50)がオンするまでのオン時間は定電流の大きさが大きくなるほど短くなるように設定され、定電流生成部(30)から流れ込む定電流の大きさに応じたオン時間でスイッチング素子(50)をオンするドライバ回路(40)を備えている。
【0012】
そして、定電流生成部(30)は、スイッチング素子(50)がオンするオン時間に達するまではドライバ回路(40)に第1電流量の大きさの定電流を流し、スイッチング素子(50)がオンするオン時間が経過した後はドライバ回路(40)に第1電流量よりも小さい第2電流量の定電流を流すことを特徴とする。
【0013】
これによると、スイッチング素子(50)がオンした後は定電流生成部(30)から流れる定電流の大きさが第1電流量からこの第1電流量よりも小さい第2電流量に削減される。このため、スイッチング素子(50)がオンするまでは第1電流量の定電流によってスイッチング素子(50)の立ち上がりの速度を高速に維持しつつ、スイッチング素子(50)がオンした後は第2電流量の定電流によってドライバ回路(40)における消費電流を削減することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明では、定電流生成部(30)は、電流量削減用信号に従ってオンまたはオフするスイッチ(31)と、スイッチ(31)に接続された第1定電流源(32)と、スイッチ(31)および第1定電流源(32)の直列経路に対して並列に接続された第2定電流源(33)と、を備えている。
【0015】
また、ドライバ回路(40)は、スイッチング素子(50)をオンするための切替信号に従ってスイッチング素子(50)をオンするようになっている。
【0016】
そして、定電流生成部(30)は、スイッチング素子(50)がオンするオン時間に達するまでは電流量削減用信号のオン指令に従ってスイッチ(31)がオンされることにより、第1定電流源(32)に流れる電流と第2定電流源(33)に流れる電流とが足し合わされた電流を第1電流量の定電流として生成する。
【0017】
また、定電流生成部(30)は、スイッチング素子(50)がオンするオン時間が経過した後は電流量削減用信号のオフ指令に従ってスイッチ(31)がオフされることにより、第2定電流源(33)に流れる電流を第2電流量の定電流として生成することを特徴とする。
【0018】
このように、第1定電流源(32)に流れる電流と第2定電流源(33)に流れる電流とを足し合わせることで第1電流量の定電流を生成することができる。また、スイッチ(31)の制御により、第2定電流源(33)に流れる電流のみを第2電流量の定電流とすることができる。
【0019】
請求項3に記載の発明では、定電流生成部(30)は、第1電流量の定電流を生成する第1定電流源(32)と、第2電流量の定電流を生成する第2定電流源(33)と、を備えている。
【0020】
また、定電流生成部(30)は、スイッチング素子(50)がオンするオン時間に達するまでは電流量削減用信号に従って第1定電流源(32)からドライバ回路(40)に第1電流量の定電流が流れるように接続を切り替え、スイッチング素子(50)がオンするオン時間が経過した後は電流量削減用信号に従って第2定電流源(33)からドライバ回路(40)に第2電流量の定電流が流れるように接続を切り替えるスイッチ(31)を備えている。そして、ドライバ回路(40)は、スイッチング素子(50)をオンするための切替信号に従ってスイッチング素子(50)をオンするようになっていることを特徴とする。
【0021】
このように、電流能力が異なる第1定電流源(32)と第2定電流源(33)とのいずれか一方とドライバ回路(40)との接続をスイッチ(31)によって切り替えることにより、スイッチング素子(50)がオンするオン時間が経過する前後でドライバ回路(40)に流す定電流の電流量を調整することができる。
【0022】
請求項4に記載の発明では、定電流生成部(30)は、電圧値を可変できる可変電源(36)を有し、電圧値が大きくなるほど定電流の電流量が大きくなるように構成されている。また、ドライバ回路(40)は、スイッチング素子(50)をオンするための切替信号に従ってスイッチング素子(50)をオンするようになっている。
【0023】
そして、スイッチング素子(50)がオンするオン時間に達するまでは電流量削減用信号に従って可変電源(36)の電圧値を第1電圧値に設定することにより第1電流量の定電流をドライバ回路(40)に流す。
【0024】
また、スイッチング素子(50)がオンするオン時間が経過した後は電流量削減用信号に従って可変電源(36)の電圧値を第1電圧値よりも小さい第2電圧値に設定することにより第2電流量の定電流をドライバ回路(40)に流すことを特徴とする。
【0025】
このように、可変電源(36)の電圧値を調整することでドライバ回路(40)に流す定電流の電流量を調整することができる。
【0026】
請求項5に記載の発明では、定電流生成部(30)は、抵抗値を可変できる可変抵抗(34b)を有し、抵抗値が大きくなるほど定電流の電流量が小さくなるように構成されている。また、ドライバ回路(40)は、スイッチング素子(50)をオンするための切替信号に従ってスイッチング素子(50)をオンするようになっている。
【0027】
そして、スイッチング素子(50)がオンするオン時間に達するまでは電流量削減用信号に従って可変抵抗(34b)の抵抗値を第1抵抗値に設定することにより第1電流量の定電流をドライバ回路(40)に流す。
【0028】
また、スイッチング素子(50)がオンするオン時間が経過した後は電流量削減用信号に従って可変抵抗(34b)の抵抗値を第1抵抗値よりも大きい第2抵抗値に設定することにより第2電流量の定電流をドライバ回路(40)に流すことを特徴とする。
【0029】
このように、可変抵抗(34b)の抵抗値を調整することでドライバ回路(40)に流す定電流の電流量を調整することができる。
【0030】
請求項6に記載の発明では、ドライバ回路(40)がスイッチング素子(50)をオンするタイミングをドライバ回路(40)の出力とスイッチング素子(50)がオンしたことを示す所定値とを比較することにより検出し、そのタイミングで第2電流量の定電流を流すための電流量削減用信号を出力する電流量削減制御回路(70)を備えていることを特徴とする。
【0031】
また、請求項7に記載の発明では、切替信号が前記ドライバ回路(40)に入力されてからドライバ回路(40)がスイッチング素子(50)をオンさせるまでのタイマ時間をタイマ回路(75)により計測し、その計測時間がタイマ時間に達したときに第2電流量の定電流を流すための電流量削減用信号を出力する電流量削減制御回路(70)を備えていることを特徴とする。
【0032】
請求項6および請求項7に記載の発明により、電流量削減用信号を外部から入力せずに電流量削減用信号を生成することができる。そして、生成した電流量削減用信号によって定電流生成部(30)の電流量を削減させることができる。
【0033】
請求項8に記載の発明では、負荷(10)は半導体スイッチング素子にて構成されたパワー素子である。また、定電流生成部(30)およびドライバ回路(40)は、スイッチング素子(50)を駆動させることで、パワー素子を駆動するためのプリドライバ部(60)となるように構成されている。また、ドライバ回路(40)は、切替信号に従ってスイッチング素子(50)を駆動することによりパワー素子をオンするようになっている。
【0034】
そして、プリドライバ部(60)は、パワー素子がオンするオン時間に達するまでは第1電流量の大きさの定電流によってスイッチング素子(50)を駆動し、パワー素子がオンするオン時間が経過した後は第1電流量よりも小さい第2電流量の定電流によってスイッチング素子(50)を駆動することを特徴とする。
【0035】
これによると、スイッチング素子(50)に接続された負荷(10)としてのパワー素子がオンするタイミングでプリドライバ部(60)の定電流が第1電流量から第2電流量に低減されるので、パワー素子の立ち上がりの速度を高速に維持しつつ、プリドライバ部(60)における消費電流を削減することができる。
【0036】
請求項9に記載の発明では、パワー素子がオンするタイミングをパワー素子のゲート電圧とパワー素子がオンしたことを示す所定値とを比較することにより検出し、そのタイミングで第2電流量の定電流を流すための電流量削減用信号を出力する電流量削減制御回路(70)を備えていることを特徴とする。
【0037】
請求項10に記載の発明では、切替信号がドライバ回路(40)に入力されてからパワー素子がオンするまでのタイマ時間をタイマ回路(75)により計測し、その計測時間がタイマ時間に達したときに第2電流量の定電流を流すための電流量削減用信号を出力する電流量削減制御回路(70)を備えていることを特徴とする。
【0038】
請求項9および請求項10に記載の発明においても、電流量削減用信号を外部から入力せずに電流量削減用信号を生成することができる。そして、生成した電流量削減用信号によって定電流生成部(30)の電流量を削減させることができる。
【0039】
請求項11に記載の発明では、スイッチング素子(50)は、第3定電流源(62)に接続されており、パワー素子は、第3定電流源(62)から供給される定電流により定電流駆動されることを特徴とする。このように、パワー素子のゲートを定電流で駆動することもできる。
【0040】
請求項12に記載の発明では、スイッチング素子(50)は、第1スイッチング素子と第2スイッチング素子とにより構成されたインバータであり、パワー素子のゲートは、第1スイッチング素子と第2スイッチング素子との中間点に接続されていることを特徴とする。このように、パワー素子をインバータで駆動することもできる。
【0041】
請求項13に記載の発明では、スイッチング素子(50)に接続され、スイッチング素子(50)が駆動されたときにパワー素子のゲート電圧が所定電圧に達するまでパワー素子のゲートに定電流を流す第3定電流源(62)と、第3定電流源(62)に流れる電流を検出する電流センサ(63)の検出結果が判定閾値を下回ったときに第2電流量の定電流を流すための電流量削減用信号を出力する電流量制御回路(80)と、を備えていることを特徴とする。
【0042】
このように、第3定電流源(62)に流れる電流を利用することにより、電流量削減用信号を外部から入力せずに電流量削減用信号を生成することができる。そして、生成した電流量削減用信号によって定電流生成部(30)の電流量を削減させることができる。
【0043】
請求項14に記載の発明では、スイッチング素子(50)がオフするとパワー素子のゲート電圧が所定電圧に達するまでパワー素子のゲートに定電流を流すことにより、パワー素子をオンさせる定電流回路(64)を備えている。また、パワー素子の短絡を示す短絡検出信号が入力されるようになっており、この短絡検出信号が入力されるとパワー素子のゲート電圧を所定電圧よりも小さいクランプ電圧にクランプするクランプ回路(65)を備えている。さらに、切替信号がドライバ回路(40)に入力されてからパワー素子がオンするタイミングで第2電流量の定電流を流すための電流量削減用信号を出力する電流量削減制御回路(70)を備えている。
【0044】
そして、定電流回路(64)は、パワー素子がオンするオン時間に達するまでは電流量削減制御回路(70)から入力される電流量削減用信号に従って第1電流量の大きさの定電流によってパワー素子を定電流駆動し、パワー素子がオンするオン時間が経過した後は電流量削減用信号に従って第1電流量よりも小さい第2電流量の定電流によってパワー素子を定電流駆動する。さらに、電流量削減制御回路(70)は、短絡検出信号が入力されるようになっており、短絡検出信号が入力されてからこの短絡検出信号の入力が解除されるまで、第1電流量の定電流を流すための電流量削減用信号を出力することを特徴とする。
【0045】
これによると、パワー素子が短絡した場合、電流量削減制御回路(70)が定電流回路(64)の電流能力を上げるので、定電流回路(64)の応答性を向上させることができ、定電流回路(64)の消費電流の増加を抑制することができる。
【0046】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施形態に係る負荷駆動装置を負荷に接続した負荷駆動装置の概念図である。
【図2】図1に示された負荷駆動装置の具体的な回路図である。
【図3】スイッチング素子のゲート波形、切替信号、定電流生成部で生成される定電流の電流量、および電流量削減用信号のタイミングチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。
【図6】本発明の第4実施形態に係る定電流生成部の具体的な回路図である。
【図7】本発明の第5実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。
【図8】本発明の第6実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。
【図9】図8に示された電流量削減制御回路の具体的な回路図である。
【図10】図8に示された負荷駆動装置の作動を説明するためのタイミングチャートである。
【図11】本発明の第7実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。
【図12】(a)は図11に示される遅延回路の具体的な回路図であり、(b)は遅延回路に含まれる抵抗を可変抵抗に変更する例について示した図である。
【図13】図11に示された負荷駆動装置の作動を説明するためのタイミングチャートである。
【図14】本発明の第8実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。
【図15】本発明の第9実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。
【図16】本発明の第10実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。
【図17】本発明の第11実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。
【図18】本発明の第12実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。
【図19】図18に示される電流量制御回路の具体的な回路図である。
【図20】図18に示された負荷駆動装置の作動を説明するためのタイミングチャートである。
【図21】本発明の第13実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。
【図22】本発明の第14実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。
【図23】本発明の第15実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。
【図24】図23に示された負荷駆動装置の作動を説明するためのタイミングチャートである。
【図25】本発明の第16実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。
【図26】(a)は図25に示される定電流回路の具体的な回路図であり、(b)は(a)の定電流生成部の具体例を示した図である。
【図27】図25に示された負荷駆動装置の通常作動を説明するためのタイミングチャートである。
【図28】パワー素子が短絡した場合の図25に示された負荷駆動装置の作動を説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0049】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。本実施形態で示される負荷駆動装置は、例えばIGBT、パワーMOSFET、容量負荷、抵抗負荷等の負荷を定電流で駆動するために用いられる装置である。
【0050】
図1は、本実施形態に係る負荷駆動装置を負荷10に接続した負荷駆動装置の概念図である。この図に示されるように、負荷駆動装置は、電源20に接続された定電流生成部30と、この定電流生成部30に接続されたドライバ回路40と、ドライバ回路40に接続されたスイッチング素子50と、を備えている。
【0051】
定電流生成部30は、定電流を生成する回路である。この定電流は、ドライバ回路40の能力すなわちスイッチング速度を決定する電流である。
【0052】
ドライバ回路40は外部から入力されるゲートON/OFF切替信号に従ってスイッチング素子50をオン/オフ駆動するように構成されている。そして、スイッチング素子50がオンするまでのオン時間は定電流の大きさが大きくなるほど短くなるため、ドライバ回路40は定電流生成部30から流れ込む定電流の大きさに応じたオン時間でスイッチング素子50をオンする。なお、以下ではゲートON/OFF切替信号を単に切替信号という。
【0053】
スイッチング素子50は、負荷10を駆動するための半導体スイッチング素子である。本実施形態では、スイッチング素子50としてNch型のMOSFETが採用されている。スイッチング素子50のゲートはドライバ回路40に接続され、ドレインは負荷10に接続されている。なお、負荷10はスイッチング素子50のソース側に接続されていても良い。
【0054】
上記の負荷駆動装置の具体的な構成について、図2を参照して説明する。図2に示されるように、定電流生成部30は、スイッチ31(図2のSW−A)と、第1定電流源32と、第2定電流源33と、を備えている。
【0055】
スイッチ31は第1定電流源32に接続されており、第2定電流源33はスイッチ31および第1定電流源32の直列経路に対して並列に接続されている。また、スイッチ31と第2定電流源33との接続点が電源20に接続され、第1定電流源32と第2定電流源33との接続点がドライバ回路40に接続されている。
【0056】
スイッチ31は、外部から入力される電流量削減用信号のオン指令/オフ指令に従ってオン/オフされる。スイッチ31は例えばMOSFET等の半導体素子で構成されている。
【0057】
スイッチ31がオンされると、電源20とドライバ回路40との間には第1定電流源32と第2定電流源33との並列回路が形成される。したがって、第1定電流源32に流れる電流と第2定電流源33に流れる電流とが足し合わされた電流が第1電流量の定電流として生成され、ドライバ回路40に供給される。一方、スイッチ31がオフされると、電源20とドライバ回路40との間には第2定電流源33のみが存在する回路が形成される。したがって、第2定電流源33に流れる電流が第2電流量の定電流として生成され、ドライバ回路40に供給される。
【0058】
このように、定電流生成部30は、スイッチ31がオンされると第1電流量の定電流を生成し、スイッチ31がオフされると第1電流量よりも小さい第2電流量の定電流を生成する可変の定電流源であると言える。なお、第1定電流源32の電流能力と第2定電流源33の電流能力とは同じでも良いし、異なっていても良い。スイッチ31のオン/オフによってドライバ回路40に流す定電流の大きさをどのように設計するかによって各定電流源32、33の電流能力が設定される。
【0059】
ドライバ回路40は、増幅器41を備えている。増幅器41は切替信号に対して同相の出力を行う回路である。この増幅器41の出力端子にはスイッチング素子50のゲートが接続されており、増幅器41の出力によってスイッチング素子50が駆動される。
【0060】
増幅器41の能力は、定電流生成部30から供給される定電流の大きさによって決まる。ここで、増幅器41の能力とは、スイッチング素子50を駆動するスイッチングの速さである。そして、定電流の大きさが大きいほど、増幅器41の能力は高くなる。
【0061】
具体的には、スイッチング素子50のゲートの容量をCとし、ゲートの容量に電荷をチャージする定電流の電流量をIとし、スイッチング素子50のゲートがオンするオン電圧をVとすると、スイッチング素子50のゲートがオンするまでの立ち上がり時間Tは、T=(C×V)/Iで表される。このように、スイッチング素子50がオンするまでのオン時間は定電流の大きさに反比例するので、スイッチング素子50がオンするまでのオン時間は定電流の大きさが大きくなるほど短くなる。定電流の大きさは、定電流生成部30のスイッチ31が電流量削減用信号によってオン/オフされることにより調整される。
【0062】
以上が、本実施形態に係る負荷駆動装置の回路構成である。本実施形態では、切替信号や電流量削減用信号は、負荷駆動装置の外部のECU等から入力される。
【0063】
次に、図2に示される負荷駆動装置の作動について、図3を参照して説明する。図3は、スイッチング素子50のゲート波形、スイッチング素子50をオン/オフ駆動するための切替信号、定電流生成部30で生成される定電流の電流量、および電流量削減用信号のタイミングチャートである。
【0064】
まず、切替信号がハイレベルの場合、増幅器41は切替信号に対し同相出力のためスイッチング素子50のゲートにハイレベルが印加され、スイッチング素子50はオンになる。また、切替信号がローレベルの場合も同様に、増幅器41の出力がローレベルとなるため、スイッチング素子50はオフとなる。このように、ドライバ回路40は、ハイレベルの切替信号に従ってスイッチング素子50をオンし、ローレベルの切替信号に従ってスイッチング素子50をオフする動作を行う。
【0065】
そして、図3に示される時点T1において、ドライバ回路40に入力される切替信号がローレベルからハイレベルに切り替わることにより、スイッチング素子50が増幅器41によって駆動される。
【0066】
また、電流量削減用信号のオン指令によって定電流生成部30のスイッチ31がオンされる。これにより、定電流生成部30は、第1定電流源32に流れる電流と第2定電流源33に流れる電流とが足し合わされた電流を第1電流量の定電流としてドライバ回路40に供給する。
【0067】
スイッチング素子50のゲートがオンするまでの立ち上がり時間Tは、上述のように定電流生成部30から供給される定電流の大きさに従った時間(T=(C×V)/I)となる。立ち上がり時間Tはスイッチング素子50がオンするオン時間である。
【0068】
したがって、ドライバ回路40は定電流生成部30から供給される第1電流量の定電流に基づいてスイッチング素子50のゲートを駆動する。これにより、図3に示されるように、スイッチング素子50のゲート電圧は定電流の第1電流量に応じた傾きで上昇する。
【0069】
この後、時点T2でスイッチング素子50がオンするオン時間に達すると、電流量削減用信号のオフ指令によって定電流生成部30のスイッチ31がオフされる。これにより、定電流生成部30は、第2定電流源33に流れる電流を第2電流量の定電流としてドライバ回路40に供給する。
【0070】
このように、定電流生成部30は、スイッチング素子50がオンするオン時間に達するまではドライバ回路40に第1電流量の大きさの定電流を流す。これにより、スイッチング素子50がオンするまでは第2電流量よりも大きい第1電流量の定電流に従ったゲートの立ち上がり時間によってスイッチング素子50をオンさせることができる。
【0071】
また、定電流生成部30は、スイッチング素子50がオンするオン時間が経過した後はドライバ回路40に第1電流量よりも小さい第2電流量の定電流を流す。すなわち、スイッチング素子50がオンするタイミングで定電流生成部30の電流量を絞る。これにより、スイッチング素子50のゲートが立ち上がった後は、定電流生成部30からドライバ回路40に流れる定電流の電流量はスイッチング素子50のゲートが立ち上がる前よりも低減される。
【0072】
以上説明したように、本実施形態では、スイッチング素子50がオンするオン時間が経過した後は定電流生成部30からドライバ回路40に流す定電流の電流量を絞ることが特徴となっている。
【0073】
このように、スイッチング素子50がオンした後は定電流生成部30で生成される定電流の大きさが第1電流量からこの第1電流量よりも小さい第2電流量に低減されるので、スイッチング素子50がオンした後のドライバ回路40における消費電流を削減することができる。
【0074】
また、スイッチング素子50がオンするまでは第2電流量よりも大きい第1電流量の定電流によってドライバ回路40を動作させているので、スイッチング素子50の立ち上がりの速度が遅くなってしまうこともない。このため、第1電流量の定電流に従って、立ち上がりの速度を高速に維持しておくことができる。
【0075】
したがって、スイッチング素子50の立ち上がりの速度を高速に維持しつつ、スイッチング素子を駆動するドライバ回路40において消費電流を削減することができる。
【0076】
そして、本実施形態では、定電流生成部30は、スイッチ31のオン/オフによって第1定電流源32に流れる電流を第2定電流源33に流れる電流に足し合わせる構成となっている。これにより、スイッチング素子50がオンするオン時間が経過した後は第2定電流源33に流れる電流のみを第2電流量の定電流とすることができる。
【0077】
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態では、ドライバ回路40の増幅器41をMOSFETで構成したことが特徴となっている。
【0078】
図4は、本実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。この図に示されるように、ドライバ回路40の増幅器41は、インバータ41aと、スイッチング素子41bと、抵抗41cと、を備えて構成されている。
【0079】
インバータ41aはスイッチング素子41bのゲートに接続されており、ドライバ回路40に入力される切替信号を反転させてスイッチング素子41bのゲートに入力する。スイッチング素子41bは、Nch型のMOSFETで構成されており、ドレインが定電流生成部30に接続され、ソースがグランド等の基準電圧ラインに接続されている。抵抗41cはスイッチング素子50のドレインとグランド等の基準電圧ラインとの間に接続されている。このように、増幅器41はスイッチング素子41bのソース接地による構成となっている。なお、図4や図4以降の各図では基準電源ラインの一例としてグランドを示している。もちろん、基準電源ラインはグランドに限らず、グランド以外の電位を基準とした構成になっていても良い。
【0080】
したがって、切替信号がローレベルからハイレベルとなれば、スイッチング素子41bはオフになるので、定電流生成部30からドライバ回路40に供給される定電流(図4のI)は、スイッチング素子50のゲートに向かって流れる。これにより、スイッチング素子50のゲート電圧が上昇する。以上のように、増幅器41をNch型のMOSFETのスイッチング素子41bで構成することもできる。
【0081】
(第3実施形態)
本実施形態では、第1、第2実施形態と異なる部分について説明する。上記各実施形態では、定電流生成部30において、スイッチ31がオンされることにより、第2定電流源33に流れる電流に対して第1定電流源32に流れる電流が足し合わされる構成となっていた。本実施形態では、定電流生成部30のスイッチ31が各定電流源32、33のいずれか一方に流れる電流を定電流としてドライバ回路40に供給することが特徴となっている。
【0082】
図5は、本実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。この図に示されるように、定電流生成部30は、スイッチ31(図5のSW−B)と、第1定電流源32と、第2定電流源33と、を備えている。
【0083】
第1定電流源32は第1電流量の定電流(図5のI1)を生成するように構成されている。一方、第2定電流源33は第1電流量よりも小さい第2電流量の定電流(図5のI2)を生成するように構成されている。このように、本実施形態では、各定電流源32、33の電流能力(I1>I2)が予め設定されている。
【0084】
また、スイッチ31は、一方の接点が1つであり、他方の接点が2つの構成となっている。そして、一方の1つの接点に電源20に接続され、他方の2つの接点に第1定電流源32と第2定電流源33とがそれぞれ接続されている。
【0085】
なお、ドライバ回路40およびスイッチング素子50については、第1実施形態で示された構成と同じである。
【0086】
上記のような定電流生成部30では、スイッチング素子50がオンするオン時間に達するまでは、スイッチ31は電流量削減用信号に従って第1定電流源32に流れる電流がドライバ回路40に流れるように接続を切り替える。これにより、電源20、第1定電流源32、ドライバ回路40という経路が形成されるので、第1定電流源32から第1電流量の定電流がドライバ回路40に流れる。
【0087】
一方、スイッチング素子50がオンするオン時間が経過した後は、スイッチ31は電流量削減用信号に従って第2定電流源33に流れる電流がドライバ回路40に流れるように接続を切り替える。これにより、電源20、第2定電流源33、ドライバ回路40という経路が形成されるので、第2定電流源33から第1電流量よりも小さい第2電流量の定電流がドライバ回路40に流れる。
【0088】
以上のように、定電流生成部30に電流量が異なる複数の定電流源32、33を予め備えさせ、電流量削減用信号によってスイッチ31の接続を切り替える構成とすることもできる。
【0089】
(第4実施形態)
本実施形態では、第1〜第3実施形態と異なる部分について説明する。上記各実施形態では、定電流生成部30には所定の電流量の電流を流す複数の定電流源32、33が備えられていたが、本実施形態では定電流生成部30を構成する定電流回路の内部で定電流の大きさが調整されることが特徴となっている。
【0090】
図6は、本実施形態に係る定電流生成部30の具体的な回路図である。この図に示されるように、定電流生成部30は、抵抗34a、34bおよびトランジスタ35a、35b、35cによって定電流源が構成され、トランジスタ35aのゲート入力が電源36(図6のV1)およびトランジスタ37によって制御される構成になっている。
【0091】
抵抗34bの抵抗値は可変になっている。この抵抗34bの抵抗値は電流量削減用信号によって変更される。例えば、一例として、抵抗34bは直列接続された複数の抵抗で構成され、複数の抵抗のいずれかがトランジスタでバイパスされており、このトランジスタが電流量削減用信号でオンされることで、複数の抵抗の合成抵抗値が変化する構成とすることができる。
【0092】
トランジスタ35aはNPN型のバイポーラトランジスタであり、トランジスタ35b、35c、37はPNP型のバイポーラトランジスタである。電源36は所定の電圧を発生させる電源であり、電源36の電圧値は可変になっている。電源36の電圧値は電流量削減用信号によって変更される。抵抗34bと同様に、一例として、電源36は複数の電源で構成され、複数の電源のいずれかがトランジスタでバイパスされており、このトランジスタが電流量削減用信号でオンされることで、複数の電源の合成電圧値が変化する構成とすることができる。
【0093】
また、トランジスタ35b、35cによりカレントミラー回路が構成されており、トランジスタ35aおよび抵抗34bに流れる電流がトランジスタ35bによってトランジスタ35cに移される。このトランジスタ35cに流れる電流(図6のI)が定電流としてドライバ回路40に供給される。PNP型のトランジスタ37はコレクタ接地になっており、電源36の電圧が抵抗34bに印加される。
【0094】
したがって、定電流をIとし、電源36の電圧値をV1とし、抵抗34bの抵抗値をRとすると、定電流IはI=V1/Rで表される。このように、定電流は電源36の電圧値に比例し、抵抗34bの抵抗値に反比例する。したがって、電源36の電圧値が大きくなるかまたは抵抗34bの抵抗値が小さくなると定電流は大きくなり、電源36の電圧値が小さくなるかまたは抵抗34bの抵抗値が大きくなると定電流は小さくなる。
【0095】
以上のように、本実施形態に係る定電流生成部30は、電源36の電圧値が大きくなるほど定電流の電流量が大きくなり、抵抗34bの抵抗値が大きくなるほど定電流の電流量が小さくなるように構成されている。
【0096】
上記のような定電流生成部30の構成により、スイッチング素子50がオンするオン時間に達するまでは電流量削減用信号に従って電源36の電圧値を第1電圧値に設定すると共に抵抗34bの抵抗値を第1抵抗値に設定する。これにより、定電流生成部30はI=V1/Rに従って生成された第1電流量の定電流をドライバ回路40に流す。
【0097】
一方、スイッチング素子50がオンするオン時間が経過した後は電流量削減用信号に従って電源36の電圧値を第2電圧値に設定すると共に抵抗34bの抵抗値を第2抵抗値に設定する。これにより、定電流生成部30は第1電流量よりも小さい第2電流量の定電流をドライバ回路40に流す。
【0098】
以上のように、定電流生成部30を構成する電源36の電圧値および抵抗34bの抵抗値を調整することでドライバ回路40に流す定電流の電流量を調整することができる。
【0099】
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、抵抗34bが特許請求の範囲の「可変抵抗」に対応し、電源36が特許請求の範囲の「可変電源」に対応する。
【0100】
(第5実施形態)
本実施形態では、第1〜第4実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態では、スイッチング素子50に負荷10としてパワー素子を接続した場合、当該パワー素子の立ち上がりの速度を高速に維持しつつ、消費電流を低減することが特徴となっている。
【0101】
図7は、本実施形態に係る負荷駆動装置を負荷10に接続した回路図である。負荷10は半導体スイッチング素子にて構成されたパワー素子である。本実施形態では、パワー素子としてIGBTが採用されている。なお、以下では、負荷10の表記をパワー素子10とする。
【0102】
また、定電流生成部30およびドライバ回路40は、パワー素子10を駆動するためのプリドライバ部60として動作するように構成されている。また、プリドライバ部60は、スイッチング素子50に接続され、スイッチング素子50は電源20と抵抗61を介して接続されており、そして、パワー素子10のゲートは、抵抗61とスイッチング素子50との間に接続されている。
【0103】
なお、本実施形態では、スイッチング素子50としてPch型のMOSFETを採用した例について示している。また、ドライバ回路40として、増幅器41の他にスイッチング素子42とインバータ43とを備えた構成について示している。スイッチング素子42は電源20と増幅器41の出力端子との間に接続されている。スイッチング素子42としてPch型のMOSFETが採用される。したがって、スイッチング素子42のソースが電源20に接続され、ドレインが増幅器41の出力端子に接続されている。また、インバータ43はドライバ回路40に入力される切替信号を反転してスイッチング素子42に出力する素子である。このインバータ43はスイッチング素子42のゲートに接続されている。
【0104】
上記のような構成では、プリドライバ部60は、パワー素子10がオンするオン時間に達するまでは第1電流量の大きさの定電流によってスイッチング素子50を駆動する。一方、プリドライバ部60は、パワー素子10がオンするオン時間が経過した後は第1電流量よりも小さい第2電流量の定電流によってスイッチング素子50を駆動する。すなわち、パワー素子10がオンするタイミングでプリドライバ部60の定電流が第1電流量から第2電流量に低減される。定電流の電流量は、上述のように電流量削減用信号が定電流生成部30のスイッチ31を制御することで調整可能である。
【0105】
以上のように、パワー素子10がオンするオン時間に基づいてプリドライバ部60の定電流を絞る構成とすることもできる。したがって、パワー素子の立ち上がりの速度を高速に維持しつつ、プリドライバ部60における消費電流を削減することができる。
【0106】
(第6実施形態)
本実施形態では、第1〜第5実施形態と異なる部分について説明する。上記各実施形態では、スイッチング素子50やパワー素子10のゲートの立ち上がり時間に基づいて、予め決められたタイミングで電流量削減用信号が外部から定電流生成部30に入力されていた。しかしながら、切替信号の入力のタイミングを利用して、電流量削減用信号を生成する回路を負荷駆動装置に追加しても良い。この場合、スイッチング素子50やパワー素子10のゲート電圧をモニタすることにより、立ち上がり時間すなわち定電流の電流量を調整するタイミングの精度を向上させることもできる。
【0107】
そこで、本実施形態では、電流量削減用信号を生成する回路の具体的な構成について説明する。図8は、本実施形態に係る負荷駆動装置の概念図である。この図に示されるように、負荷駆動装置は、電流量削減用信号を生成するための電流量削減制御回路70を備えている。電流量削減制御回路70は、スイッチング素子50をオンさせる切替信号がドライバ回路40に入力されている間であって、ドライバ回路40がスイッチング素子50をオンさせるタイミングをドライバ回路40の出力と所定値とを比較することにより検出し、そのタイミングで電流量削減用信号を出力する回路である。
【0108】
電流量削減制御回路70の具体的な構成について、図9を参照して説明する。なお、本実施形態では、定電流生成部30として第1実施形態の図2に示されたスイッチ31(図9のSW−A)と第1定電流源32と第2定電流源33とを備えた構成を例に説明する。図9に示されるように、電流量削減制御回路70は、基準電圧源71と、コンパレータ72と、AND回路73と、を備えて構成されている。
【0109】
基準電圧源71は、例えば図示しない5V電源を複数の抵抗で分圧することにより所定値の電圧を生成する電圧源である。この所定値はコンパレータ72のコンパレータ閾値として用いられる。コンパレータ72は、ドライバ回路40の出力(BUFOUT)とコンパレータ閾値とを比較し、その比較結果(COMP_OUT)を出力する比較回路である。
【0110】
なお、コンパレータ72の非反転入力端子にコンパレータ閾値が入力され、コンパレータ72の反転入力端子にドライバ回路40の出力(BUFOUT)が入力される。また、ドライバ回路40の出力は、スイッチング素子50のゲート電圧である。
【0111】
そして、AND回路73は、切替信号(IN)とコンパレータ72の比較結果とに基づいて定電流生成部30のスイッチ31をオンまたはオフする論理回路である。このAND回路73の出力(IN_CUR)が電流量削減用信号に対応する。すなわち、切替信号とコンパレータ72の検出結果とが共にハイレベルのとき、AND回路73はハイレベルの信号を電流量削減用信号のオフ指令として出力し、定電流生成部30のスイッチ31をオンする。一方、切替信号とコンパレータ72の検出結果とのうち少なくとも一方がローレベルのとき、AND回路73はローレベルの信号を電流量削減用信号のオン指令として出力し、定電流生成部30のスイッチ31をオフする。
【0112】
このように、電流量削減制御回路70は、コンパレータ72によりスイッチング素子50のゲートのON電圧を検出し、そのタイミングで定電流生成部30の電流(I_OUT)を削減する構成となっている。
【0113】
次に、図9に示される負荷駆動装置の作動について、図10のタイミングチャートを参照して説明する。
【0114】
まず、スイッチング素子50をオンさせるために時点T10で切替信号(IN)がハイレベルになる。しかし、ドライバ回路40の出力(BUFOUT)はコンパレータ閾値に達していないので、コンパレータ72の出力(COMP_OUT)はハイレベルとなり、AND回路73の出力(IN_CUR)はハイレベルすなわち電流量削減用信号のオフ指令となる。したがって、電流量削減用信号のオフ指令を受けた定電流生成部30はスイッチ31をオンする。これにより、図10に示されるように、定電流生成部30の出力(I_OUT)は、第1定電流源32に流れる電流と第2定電流源33に流れる電流とが足し合わされた第1電流量となり、定電流生成部30は第1電流量の定電流をドライバ回路40に供給する。これにより、ドライバ回路40の出力(BUFOUT)は第1電流量に従って上昇を始める。
【0115】
続いて、時点T11では、ドライバ回路40の出力(BUFOUT)がコンパレータ閾値に達するため、コンパレータ72の出力(COMP_OUT)がローレベルになる。これにより、切替信号(IN)がハイレベルだとしてもAND回路73の出力(IN_CUR)はローレベルすなわち電流量削減用信号のオン指令となる。したがって、電流量削減用信号のオン指令を受けた定電流生成部30はスイッチ31をオフするため、定電流生成部30の出力(I_OUT)は第2定電流源33に流れる電流を第1電流量よりも小さい第2電流量の定電流としてドライバ回路40に供給する。
【0116】
この後、切替信号(IN)がローレベルとなると、時点T12ではドライバ回路40の出力(BUFOUT)がコンパレータ閾値を下回り、コンパレータ72の出力(COMP_OUT)はハイレベルとなる。しかしながら、切替信号(IN)はローレベルとなっている。このため、AND回路73の出力(IN_CUR)はローレベルすなわち電流量削減用信号のオン指令が継続され、ドライバ回路40に供給される電流量が増えることはない。
【0117】
以上説明したように、負荷駆動装置に電流量削減制御回路70を設けることにより、電流量削減用信号を外部から入力せずに切替信号(IN)とドライバ回路40の出力(BUFOUT)から電流量削減用信号を生成することができる。
【0118】
(第7実施形態)
本実施形態では、第6実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態では、電流量削減制御回路70は、スイッチング素子50をオンさせる切替信号がドライバ回路40に入力されている間であって、切替信号がドライバ回路40に入力されてからドライバ回路40がスイッチング素子50を駆動させるまでのタイマ時間を計測し、その計測時間がタイマ時間に達したときに電流量削減用信号を出力する構成となっている。
【0119】
図11は、本実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。この図に示されるように、本実施形態に係る電流量削減制御回路70は、インバータ74と、遅延回路75と、AND回路73と、を備えている。
【0120】
インバータ74は切替信号(IN)を反転させて遅延回路75に入力する反転素子である。また、遅延回路75は、インバータ74から入力された信号を予め設定されたタイマ時間だけ遅延させて出力するタイマ回路である。遅延回路75の出力(TIMER_OUT)は、タイマ時間が経過するまではハイレベルの信号であり、タイマ時間が経過するとローレベルの信号となる。タイマ時間はスイッチング素子50がオンするまでの時間に設定されている。
【0121】
図12(a)は、遅延回路75の具体的な回路構成である。この図に示されるように、遅延回路75は、抵抗75a、コンデンサ75b、およびインバータ75cにより構成されている。すなわち、遅延回路75はCR回路として構成されており、入力された信号を時定数(タイマ時間)だけ遅延させてインバータ75cで反転させて出力するという構成になっている。
【0122】
図12(a)に示される抵抗75aについては、図12(b)に示されるように可変抵抗を採用しても良い。これにより、抵抗値をトリミングすることでタイマ時間をスイッチング素子50がオンするまでの時間に合わせ込むことができる。
【0123】
そして、本実施形態では、AND回路73は切替信号(IN)と遅延回路75の出力(TIMER_OUT)とに基づいて定電流生成部30のスイッチ31をオンまたはオフするように構成されている。すなわち、切替信号と遅延回路75の出力とが共にハイレベルのとき、AND回路73はハイレベルの信号を電流量削減用信号のオフ指令として出力し、定電流生成部30のスイッチ31をオンする。一方、切替信号と遅延回路75の出力とのうち少なくとも一方がローレベルのとき、AND回路73はローレベルの信号を電流量削減用信号のオン指令として出力し、定電流生成部30のスイッチ31をオフする。
【0124】
このように、本実施形態に係る電流量削減制御回路70は、遅延回路75によって切替信号がドライバ回路40に入力されてからドライバ回路40がスイッチング素子50をオンさせるまでのタイマ時間を計測し、そのタイミングで定電流生成部30の電流(I_OUT)を削減する構成となっている。
【0125】
次に、図11および図12に示される負荷駆動装置の作動について、図13のタイミングチャートを参照して説明する。
【0126】
まず、時点T20で切替信号(IN)がハイレベルになると、ドライバ回路40の出力(BUFOUT)は上昇し始める。また、遅延回路75にはインバータ74を介してローレベルの信号が入力されるため、タイマ時間(delay)が経過するまでは遅延回路75の出力(TIMER_OUT)はインバータ75cによりハイレベルすなわち電流量削減用信号のオフ指令となる。このため、定電流生成部30はスイッチ31をオンするので、定電流生成部30の出力(I_OUT)は第1定電流源32に流れる電流と第2定電流源33に流れる電流とが足し合わされた第1電流量となる。したがって、定電流生成部30は第1電流量の定電流をドライバ回路40に供給する。
【0127】
続いて、時点T21では、タイマ時間(delay)が経過したため、遅延回路75の出力(TIMER_OUT)はインバータ75cによりローレベルすなわち電流量削減用信号のオン指令となる。このため、定電流生成部30はスイッチ31をオフする。したがって、定電流生成部30の出力(I_OUT)は第1電流量よりも小さい第2電流量となり、ドライバ回路40に供給される電流量が削減される。
【0128】
この後、時点T22で切替信号(IN)がローレベルとなり、スイッチング素子50がオフされる。また、時点T22からタイマ時間(delay)経過後の時点T23で遅延回路75の出力(TIMER_OUT)がハイレベルとなるが、切替信号(IN)はローレベルであるため、AND回路73の出力(IN_CUR)はローレベル(電流量削減用信号のオン指令)である。このため、遅延回路75の出力(TIMER_OUT)がハイレベルになっても、ドライバ回路40に供給される電流量が増えることはない。
【0129】
以上のように、遅延回路75でタイマ時間を計測する電流量削減制御回路70を負荷駆動装置に設けることにより、電流量削減用信号を外部から入力せずに電流量削減用信号を生成することができる。
【0130】
なお、本実施形態では、遅延回路75としてCR回路を例に説明したが、クロックを用いて時間をカウントするデジタルタイマを採用しても良い。また、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、遅延回路75が特許請求の範囲の「タイマ回路」に対応する。
【0131】
(第8実施形態)
本実施形態では、第6実施形態と異なる部分について説明する。図14は、本実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。この図に示されるように、負荷10としてパワー素子10を採用し、プリドライバ部60に電流量削減制御回路70を設けた構成とすることもできる。なお、図14に示されるスイッチング素子50としてPch型のMOSFETを採用している。
【0132】
なお、「パワー素子10のオン」は導通を指し、「パワー素子10のオフ」は遮断を指す。このことは、他の実施形態についても同様である。
【0133】
このように、負荷としてパワー素子10を採用する場合は、ドライバ回路40によりスイッチング素子50をオフさせてパワー素子10のゲートに電圧を印加し、パワー素子10がオンした後にドライバ回路40に対する定電流量を削減することとなる。したがって、本実施形態では、電流量削減制御回路70は切替信号がドライバ回路40に入力されている間であって、パワー素子10がオンするタイミングをパワー素子10のゲート電圧とコンパレータ閾値とを比較することにより検出し、そのタイミングで電流量削減用信号のオン指令を出力する。すなわち、電流量削減制御回路70のコンパレータ72は、パワー素子10のゲート電圧とコンパレータ閾値とを比較する。
【0134】
このような構成により、電流量削減用信号を外部から入力せずに電流量削減用信号を生成することができ、定電流生成部30の電流量を削減させることができる。
【0135】
(第9実施形態)
本実施形態では、第7実施形態と異なる部分について説明する。図15は、本実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。この図に示されるように、負荷10としてパワー素子10を採用し、負荷駆動装置に図11で示された電流量削減制御回路70を設けた構成とすることもできる。なお、図15では、スイッチング素子50としてPch型のものを採用している。
【0136】
この場合、電流量削減制御回路70は、切替信号がドライバ回路40に入力されている間であって、切替信号がドライバ回路40に入力されてからパワー素子10がオンするまでのタイマ時間を遅延回路75により計測し、その計測時間がタイマ時間に達したときに電流量削減用信号のオン指令を出力する。すなわち、本実施形態に係るタイマ時間はパワー素子10がオンするまでの時間に設定されている。
【0137】
以上のように、負荷駆動装置に備えられた電流量削減制御回路70として遅延回路75で構成されたものを採用することができる。
【0138】
(第10実施形態)
本実施形態では、第8実施形態と異なる部分について説明する。図16は、本実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。この図に示されるように、パワー素子10のゲートをプルアップしている抵抗61を定電流源62に置き換えて構成することもできる。この場合、スイッチング素子50はPch型のMOSFETとされる。
【0139】
定電流源62は、スイッチング素子50がオフされたときにパワー素子10のゲート電圧が所定電圧つまりON電圧に達するまでパワー素子10のゲートに定電流を流す電流源である。このように、パワー素子10のゲートを定電流源62から供給される定電流により駆動しても良い。
【0140】
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、定電流源62が特許請求の範囲の「第3定電流源」に対応する。
【0141】
(第11実施形態)
本実施形態では、第9実施形態と異なる部分について説明する。図17は、本実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。この図に示されるように、電流量削減制御回路70を遅延回路75で構成した場合においても、第10実施形態と同様に、パワー素子10のゲートをプルアップしている抵抗61を定電流源62に置き換えることができる。
【0142】
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、定電流源62が特許請求の範囲の「第3定電流源」に対応する。
【0143】
(第12実施形態)
本実施形態では、第10および第11実施形態と異なる部分について説明する。上記第10および第11実施形態では、定電流源62を用いてスイッチング素子50を定電流駆動する構成である。そこで、この定電流源62に流れる電流を利用して電流量削減用信号を生成することが本実施形態に係る負荷駆動装置の特徴である。
【0144】
図18は、本実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。この図に示されるように、負荷駆動装置は、定電流生成部30およびドライバ回路40で構成されたプリドライバ部60と、パワー素子10のゲートに定電流を流し駆動する定電流源62と、パワー素子10のオン・オフを切り替えるスイッチング素子50と、電流量制御回路80と、を備えている。また、負荷であるパワー素子10を駆動する回路構成全体としては、定電流源62の電流量をモニタする電流センサ63を備えている。
【0145】
定電流源62は、第10および第11実施形態と同様に、スイッチング素子50がオフされたときにパワー素子10のゲートがON電圧に達するまでスイッチング素子50に定電流(I_OUT_IGBT)を流す。
【0146】
電流センサ63は、定電流源62に流れる電流を検出するセンサであり、電流センサ63として、ホール素子等の非接触の磁界検出による電流検出センサが採用される。また、本実施形態では、電流センサ63は、検出した電流が判定閾値を超える場合にハイレベルの信号を出力し、検出した電流が判定閾値を下回る場合にローレベルの信号を出力するように構成されている。
【0147】
電流量制御回路80は、切替信号(IN)と電流センサ63の判定結果(IGBT_CUR)とに基づいて電流量削減用信号を出力する回路である。具体的に、電流量制御回路80は、切替信号と電流センサ63の検出結果とをそれぞれ入力し、パワー素子10をオンさせる切替信号が入力された後に電流センサ63から入力した判定結果が判定閾値を下回るときに電流量削減用信号のオン指令を出力する。
【0148】
図19は、電流量制御回路80の具体的な回路構成を示した図である。図19に示されるように、電流量制御回路80は、インバータ81と、Dフリップフロップ82(DFF)と、インバータ83と、AND回路84と、を備えている。
【0149】
インバータ81は電流センサ63の判定結果を反転させてDフリップフロップ82のCLK端子に入力する。また、Dフリップフロップ82の入力には電源から一定電圧が印加されている。したがって、インバータ81の出力(A)がローレベルからハイレベルになるタイミングでDフリップフロップ82の出力(B)が制御される。そして、インバータ83は、Dフリップフロップ82の出力(B)を反転させてAND回路84に入力する。
【0150】
AND回路84は、切替信号(IN)とインバータ83の出力(C)とに基づいて定電流生成部30のスイッチ31をオンまたはオフする出力(IN_CUR)を行う。切替信号とインバータ83の出力(C)とが共にハイレベルのとき、AND回路84はハイレベルの信号を電流量削減用信号のオフ指令として出力し、定電流生成部30のスイッチ31をオンする。一方、切替信号とインバータ83の出力(C)とのうち少なくとも一方がローレベルのとき、AND回路84はローレベルの信号を電流量削減用信号のオン指令として出力し、定電流生成部30のスイッチ31をオフする。
【0151】
このように、電流量制御回路80は、定電流源62に流れる電流に基づいて定電流生成部30の電流(I_OUT)を削減する構成となっている。
【0152】
次に、図18に示される負荷駆動装置の作動について、図20のタイミングチャートを参照して説明する。
【0153】
まず、時点T30で切替信号(IN)がハイレベルになる。また、定電流源62には電流は流れていないので、電流センサ63の判定結果はローレベルの出力(I_OUT_IGBT)となる。このため、インバータ81の出力(A)はハイレベルのままであり、Dフリップフロップ82の出力(B)もローレベルである。したがって、インバータ83の出力(C)がハイレベルとなるので、AND回路84の出力(IN_CUR)は電流量削減用信号のオフ指令となる。これにより、定電流生成部30の出力(I_OUT)は、第1定電流源32に流れる電流と第2定電流源33に流れる電流とが足し合わされた第1電流量となり、定電流生成部30は第1電流量の定電流をドライバ回路40に供給する。これにより、ドライバ回路40の出力(BUFOUT)は第1電流量に従って上昇を始める。
【0154】
続いて、時点T31でドライバ回路40によりスイッチング素子50がオフされると、定電流源62に流れる電流(I_OUT_IGBT)が上昇すると共にパワー素子のゲート電圧(IGBT_GATE)が上昇する。
【0155】
そして、時点T32で定電流源62に流れる電流(I_OUT_IGBT)が判定閾値を超えると、電流センサ63の判定結果(IGBT_CUR)はハイレベルとなるので、電流量制御回路80のインバータ81の出力(A)はハイレベルからローレベルとなる。
【0156】
この後、パワー素子10のゲート電圧レベルは上昇し、定電流源62の電源電圧レベルまで上昇した時点T33で、定電流源62から電流が流れなくなるので、定電流源62に流れる電流(I_OUT_IGBT)が判定閾値を下回る。このため、電流センサ63の判定結果(IGBT_CUR)はローレベルとなるので、電流量制御回路80のインバータ81の出力(A)はローレベルからハイレベルとなる。このタイミングでDフリップフロップ82の出力(B)はハイレベルとなり、インバータ83の出力(C)がローレベルとなるので、AND回路84の出力(IN_CUR)は電流量削減用信号のオン指令となる。したがって、したがって、定電流生成部30はスイッチ31をオフするため、定電流生成部30の出力(I_OUT)は第2定電流源33に流れる電流を第1電流量よりも小さい第2電流量の定電流としてドライバ回路40に供給する。
【0157】
この後、時点T34で切替信号(IN)がローレベルとなると、電流量制御回路80のAND回路84の出力(IN_CUR)はローレベルとなる。すなわち、電流量削減用信号のオン指令が継続される。
【0158】
以上のように、定電流源62に流れる電流を利用することにより、電流量削減用信号を外部から入力せずに電流量削減用信号を生成することができ、定電流生成部30の電流量を削減させることができる。
【0159】
なお、本実施形態では、電流センサ63は判定閾値を用いて電流が流れていることを判定し、その判定結果を出力していた。しかし、電流センサ63は単に電流を検出するだけでも良く、電流が判定閾値を超えるか否かの判定を電流量制御回路80が行う構成でも良い。
【0160】
(第13実施形態)
本実施形態では、第8実施形態と異なる部分について説明する。図21は、本実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。この図に示されるように、プリドライバ部60のドライバ回路40を反転出力とし、スイッチング素子50をNch型のMOSFETとすることで、パワー素子10のゲートONの論理を第8実施形態に合わせることができる。
【0161】
また、本実施形態はパワー素子10がオフする場合に採用されたものであり、ドライバ回路40の出力がハイレベルとなる、つまりスイッチング素子50をオンさせ、パワー素子10のゲート電圧がローレベルとなったとき、電流量削減制御回路70で生成される電流量削減信号によって、定電流生成部30の電流量を第1電流量よりも小さい第2電流量としてドライバ回路40に供給することで、パワー素子10がオフする場合にも第5実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0162】
また、電流量削減制御回路70は切替信号(IN)とコンパレータ72の出力(COMP_OUT)とのNOR論理を出力するNOR回路73aを備えている。このNOR回路73aの出力(IN_CUR)が電流量削減用信号となる。
【0163】
(第14実施形態)
本実施形態では、第13実施形態と異なる部分について説明する。図22は、本実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。この図に示されるように、第10および第11実施形態と同様に、定電流源62から供給される定電流によりパワー素子10のゲートを定電流駆動することもできる。
【0164】
なお、第13実施形態および本実施形態では電流量削減制御回路70としてコンパレータ72を用いる構成を例に説明したが、もちろん電流量削減制御回路70として遅延回路75を用いる構成としても良い。
【0165】
(第15実施形態)
本実施形態では、第13実施形態と異なる部分について説明する。図23は、本実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。この図に示されるように、電源20と基準電圧ラインとの間に電源20側からPch型のMOSFETとNch型のMOSFETとが接続されており、これらのスイッチング素子50、51によってインバータが構成されている。
【0166】
具体的には、スイッチング素子50は第13実施形態で示されたスイッチング素子50に対応し、本実施形態では第13実施形態に係る構成に対して抵抗61ではなくPch型のスイッチング素子51が設けられた構成になっている。
【0167】
そして、パワー素子10のゲートは、スイッチング素子50とスイッチング素子51との中間点に接続されている。したがって、ドライバ回路40の出力(BUFOUT)がハイレベルの場合、スイッチング素子50がオンおよびスイッチング素子51がオフされるため、パワー素子10のゲート電圧は下がる。一方、ドライバ回路40の出力(BUFOUT)がローレベルの場合、スイッチング素子50がオフおよびスイッチング素子51がオンされるため、パワー素子10のゲート電圧は上がるという構成になっている。
【0168】
次に、図23に示される負荷駆動装置の作動について、図24のタイミングチャートを参照して説明する。
【0169】
まず、切替信号(IN)がハイレベルのとき、ドライバ回路40は反転出力を行うので、ドライバ回路40の出力(BUFOUT)はローレベルとなる。そして、スイッチング素子50がオフ、スイッチング素子51がオンのためパワー素子10のゲート電圧(IGBT_GATE)はハイレベルとなり、パワー素子10はオン状態となる。
【0170】
また、切替信号(IN)がハイレベルのため、NOR回路73aの出力(IN_CUR)はローレベルすなわち電流量削減用信号のオン指令となる。これにより、定電流生成部30は、第2電流量の定電流をドライバ回路40に供給する。
【0171】
続いて、時点T40で切替信号(IN)がローレベルになると、スイッチング素子50がオン、スイッチング素子51がオフするため、パワー素子10のゲート電圧(IGBT_GATE)が下降し始める。時点T40の直後は、パワー素子10のゲート電圧(IGBT_GATE)はコンパレータ閾値以上のレベルのため、コンパレータ72の出力(COMP_OUT)はローレベルとなっている。
【0172】
そして、時点T41でパワー素子10のゲート電圧(IGBT_GATE)がコンパレータ閾値より下がると、コンパレータ72の出力(COMP_OUT)はハイレベルとなる。これにより、切替信号(IN)がローレベルだとしてもNOR回路73aの出力(IN_CUR)はローレベルすなわち電流量削減用信号のオン指令となり、定電流生成部30は第1電流量よりも小さい第2電流量の定電流をドライバ回路40に供給する。
【0173】
この後、時点T42でパワー素子10をオンするために切替信号(IN)がハイレベルになると、ドライバ回路40の出力(BUFOUT)はローレベルに向かう。これにより、スイッチング素子50がオフ、スイッチング素子51がオンするため、ゲート電圧が上昇し始める。
【0174】
そして、時点T43でパワー素子10のゲート電圧(IGBT_GATE)がコンパレータ閾値を上回ると、コンパレータ72の出力(COMP_OUT)はローレベルとなる。この時点では切替信号(IN)が既にハイレベルになっているので、NOR回路73aの出力(IN_CUR)はローレベルすなわち電流量削減用信号のオン指令が継続され、ドライバ回路40に供給される電流量が増えることはない。
【0175】
以上のように、パワー素子10を駆動するスイッチング素子50、51をインバータ構成とすることもできる。なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、スイッチング素子50およびスイッチング素子51が特許請求の範囲の「第1スイッチング素子および第2スイッチング素子」に対応する。
【0176】
(第16実施形態)
本実施形態では、上記各実施形態と異なる部分について説明する。一般的にIGBT等のパワー素子10の駆動部分にはパワー素子10の短絡、過電流の保護機能が付随されており、本案では保護機能に短絡(過電流)信号が入るとパワー素子10のゲート電圧を一定電圧にクランプし、短絡(過電流)したかどうかを判定する構成がとられている。
【0177】
図25は、本実施形態に係る負荷駆動装置の具体的な回路図である。この図に示されるように、プリドライバ部60は、定電流生成部30、ドライバ回路40、および電流量削減制御回路70、を備えており、パワー素子10を駆動する全体の構成としては、さらにスイッチング回路50、定電流回路64、クランプ回路65、を備えている。
【0178】
なお、ドライバ回路40は反転出力により、Nch型のMOSFETであるスイッチング素子50を駆動する構成になっている。また、本実施形態では、定電流生成部30は第1実施形態の図2に示されたスイッチ31(図2のSW−A)と第1定電流源32と第2定電流源33とを備えた構成が採用されている。
【0179】
定電流回路64は、電源20とスイッチング素子50との間に接続され、スイッチング素子50が駆動されたときにパワー素子10のゲートが所定電圧(ON電圧)に達するまでパワー素子10のゲートに定電流を流す回路である。
【0180】
図26(a)は、定電流回路64の具体的な回路構成を示した図である。この図に示されるように、定電流回路64は、抵抗64a(図26(a)のR1)と、抵抗64b(図26(a)のR2)と、オペアンプ64cと、定電流生成部64dと、スイッチング素子64eと、定電流源64fと、スイッチング素子64gと、を備えている。図26(a)に示される定電流回路64の構成では、抵抗64b、オペアンプ64c、定電流生成部64d、定電流源64f、およびスイッチング素子64gがスイッチング素子64eを駆動するためのプリドライバ部(一点鎖線で囲まれた範囲)となる。
【0181】
この抵抗64aは、パワー素子10のゲートに流れる定電流に対応する電流が流れるセンシング用の抵抗である。抵抗64aの一端側は電源20(図26(a)のVB)に接続され、他端側はスイッチング素子64eに接続されている。また、抵抗64bは一端側が電源20に接続され、他端側が定電流源64fに接続されている。
【0182】
オペアンプ64cは、抵抗64bの他端側の電圧に基づいて抵抗64aに流れる電流をフィードバック制御することで、パワー素子10のゲートに流す定電流(Iout)の大きさを調整する役割を果たすものである。
【0183】
また、オペアンプ64cの非反転入力端子は抵抗64bの他端側と定電流源64fとの接続点に接続されている。これにより、オペアンプ64cの非反転入力端子には抵抗64bの他端側に対応する第1電圧が印加される。すなわち、電源20の電圧をVBとし、抵抗64bに流れる電流をI3とし、抵抗64bの抵抗値をR2とすると、第1電圧は電源20の電源電圧から基準電圧が差し引かれた電圧(VB−I3×R2)に相当する。
【0184】
一方、オペアンプ64cの反転入力端子は抵抗64aの他端側に接続されている。これにより、オペアンプ64cの反転入力端子には抵抗64aの他端側に対応する第2電圧が印加される。すなわち、抵抗64aに流れる電流をIoutとし、抵抗64aの抵抗値をR1とすると、第2電圧は電源20の電源電圧から抵抗64aの電圧降下分が差し引かれた電圧(VB−Iout×R1)に相当する。
【0185】
定電流生成部64dは、オペアンプ64cの能力すなわちスイッチング速度を決定する定電流を生成する回路である。図26(b)に示されるように、定電流生成部64dはスイッチ31(図26(b)のSW−A)と第1定電流源32と第2定電流源33とを備えた構成になっている。したがって、電流量削減用信号のオン指令によってスイッチ31がオンされると、第1定電流源32に流れる電流と第2定電流源33に流れる電流とが足し合わされた第1電流量の定電流がオペアンプ64cに供給される。一方、スイッチ31がオフされると、第2定電流源33に流れる電流のみが第2電流量の定電流としてオペアンプ64cに供給される。なお、この定電流生成部64dの構成は上述の定電流生成部30と同じであるが、第3実施形態等で示された他の構成でも良い。
【0186】
スイッチング素子64eは、オペアンプ64cの出力によって駆動される半導体素子である。本実施形態では、スイッチング素子64eとしてPch型のMOSFETが用いられている。そして、スイッチング素子64eのゲートはオペアンプ64cの出力端子に接続され、ソースは抵抗64aの他端側に接続されている。さらに、スイッチング素子64eのドレインはパワー素子10のゲートに接続されている。
【0187】
定電流源64fは抵抗64bに一定の電流(I3)を流す電流源であり、抵抗64bの他端側とグランド等の基準電圧ラインとの間に接続されている。
【0188】
また、定電流回路64に備えられたスイッチング素子64gは電源20とオペアンプ64cの出力端子との間に接続されている。このスイッチング素子64gは切替信号により駆動される。本実施形態では、スイッチング素子64gとしてPch型のMOSFETが採用される。したがって、スイッチング素子64gのソースが電源20に接続され、ドレインがオペアンプ64cの出力端子に接続されている。
【0189】
上記の構成を有する定電流回路64は、抵抗64aの他端側に対応する第1電圧と抵抗64bの他端側に対応する第2電圧とが等しくなるように抵抗64aに流れる電流の大きさをフィードバック制御する。
【0190】
具体的には、定電流回路64のオペアンプ64cの各入力端子の電位は同電位となるため、抵抗64aの他端側に対応する第1電圧(VB−Iout×R1)と抵抗64bの他端側に対応する第2電圧(VB−I3×R2)とが等しくなるようにオペアンプ64cがスイッチング素子64eを制御する。したがって、抵抗64aに流れる定電流IoutはIout=(R2/R1)×I3となり、抵抗64aに流れる電流が一定の定電流としてパワー素子10のゲートに流れる。
【0191】
上記の式(Iout=(R2/R1)×I3)に表されるように、抵抗64aには抵抗64bに流れる電流の大きさに比例した電流が流れるようになっている。そして、抵抗64bには、定電流源64fの電流I3が流れるので、抵抗64aには当該電流I3に比例した電流が流れる。
【0192】
クランプ回路65は、外部から入力されるクランプ回路ON/OFF切替信号に従ってパワー素子10のゲートに印加される電圧をクランプ電圧にクランプすることにより、ゲート電圧の急激な変動を回避してパワー素子10の短絡時のオーバーシュートやサージによる破壊を防止する役割を果たす回路である。クランプ回路65はスイッチ65aとツェナーダイオード65bとが直列接続された構成になっている。スイッチ65aはパワー素子10のゲートに接続されている。
【0193】
また、クランプ回路65は、パワー素子10の短絡を示すIGBT短絡検出信号が入力されるようになっており、このIGBT短絡検出信号が入力されるとパワー素子10のゲート電圧を所定電圧よりも小さいクランプ電圧にクランプする回路である。スイッチ65aはIGBT短絡検出信号に従ってオン/オフする。パワー素子10の短絡は図示しない短絡検出回路等により検出され、そのIGBT短絡検出信号が負荷駆動装置のクランプ回路65に入力される構成になっている。
【0194】
電流量削減制御回路70は、切替信号がドライバ回路40に入力されている間であって、ドライバ回路40がスイッチング素子50をオフさせ、パワー素子10がオンしたタイミングで定電流回路64に電流量削減用信号のオフ指令を出し、ドライバ回路40がスイッチング素子50をオンさせ、パワー素子10がオフしたタイミングで定電流生成部30に電流量削減用信号のオフ指令を出す回路である。具体的に、電流量削減制御回路70は、コンパレータ72と、AND回路73と、基準電圧源76と、基準電圧源77と、OR回路78と、NOR回路79と、を備えている。
【0195】
基準電圧源76は、パワー素子10のゲート電圧(IGBT_GATE)がハイレベルであるか否かを判定するためのゲートH判定閾値レベルが設定された電圧源である。また、基準電圧源77は、パワー素子10のゲート電圧(IGBT_GATE)がローレベルであるか否かを判定するためのゲートL判定閾値レベルが設定された電圧源である。
【0196】
これら基準電圧源76および基準電圧源77は、コンパレータ72の出力(COMP_OUT)によってコンパレータ72の非反転入力端子に対する接続が切り替えられる。コンパレータ72の出力(COMP_OUT)がハイレベルの場合、ゲートH判定閾値レベルが設定された基準電圧源76に切り替えられる。一方、コンパレータ72の出力(COMP_OUT)がローレベルの場合、ゲートL判定閾値レベルが設定された基準電圧源77に切り替えられる。したがって、コンパレータ72はパワー素子10のゲート電圧(IGBT_GATE)がゲートL判定閾値レベルを下回るとハイレベルの信号を出力し、パワー素子10のゲート電圧(IGBT_GATE)がゲートH判定閾値レベルを上回るとローレベルの信号を出力する。
【0197】
AND回路73は、切替信号(IN)とコンパレータ72の出力(COMP_OUT)との両方がハイレベルの場合のみ、ハイレベルの信号を出力する。
【0198】
OR回路78は、AND回路73とIGBT短絡検出信号とのうちのいずれか一方がハイレベルの場合にハイレベルの信号を出力する。このOR回路78の出力(IN_CUR1)が定電流回路64の電流量(Pre_Iout1)を制御するための電流量削減用信号に対応する。本実施形態では、OR回路78は外部からIGBT短絡検出信号としてハイレベルの信号が入力されてからIGBT短絡検出信号の入力が解除されるまで、すなわちIGBT短絡検出信号としてローレベルの信号が入力されるまでは電流量削減用信号のオフ指令を出す。
【0199】
NOR回路79は、切替信号(IN)とコンパレータ72の出力(COMP_OUT)との両方がローレベルの場合のみ、ハイレベルの信号を出力する。このNOR回路79の出力(IN_CUR2)が定電流生成部30の電流量(Pre_Iout2)を制御するための電流量削減用信号に対応する。
【0200】
OR回路78およびNOR回路79において、出力がローレベルの場合が電流量削減用信号のオン指令に対応し、出力がハイレベルの場合が電流量削減用信号のオフ指令に対応する。
【0201】
上記のような負荷駆動装置の構成によると、電流量削減制御回路70はNOR回路79の出力(IN_CUR2)である電流量削減用信号のオン指令またはオフ指令に従ってドライバ回路40に供給する電流量を制御する。
【0202】
また、定電流回路64は、パワー素子がオンするオン時間に達するまでは電流量削減制御回路70の出力(IN_CUR1)である電流量削減用信号のオフ指令に従って第1電流量の大きさの定電流によってパワー素子10のゲートを定電流駆動する。そして、パワー素子10がオンするオン時間が経過した後は、定電流回路64は電流量削減制御回路70の出力(IN_CUR1)である電流量削減用信号のオン指令に従って第1電流量よりも小さい第2電流量の定電流によってスイッチング素子64eを駆動する。
【0203】
具体的に、負荷駆動装置の作動について、図27のフローチャートを参照して説明する。まず、時点T50まではパワー素子10がオンしている。このとき、ドライバ回路40に電流を供給する定電流生成部30は、電流量削減制御回路70からの電流量削減用信号のオン指令に従って第2電流量の定電流を供給している。
【0204】
そして、パワー素子10をオフさせるために時点T50で切替信号(IN)がローレベルになると、電流量削減制御回路70のNOR回路79には切替信号(IN)のローレベルの信号とコンパレータ72のローレベルの信号とが入力される。このため、NOR回路79の出力(IN_CUR2)は電流量削減用信号のオフ指令となり、定電流生成部30からドライバ回路40に第1電流量の電流量(Pre_Iout2)が供給される。なお、コンパレータ72の出力(COMP_OUT)はローレベルであるので、コンパレータ72の閾値はゲートL判定閾値レベルに設定されている。
【0205】
続いて、時点T50後にパワー素子10のゲート電圧(IGBT_GATE)が減少し、時点T51でパワー素子10のゲート電圧(IGBT_GATE)がゲートL判定閾値レベルを下回ると、コンパレータ72の出力(COMP_OUT)はハイレベルになる。このため、NOR回路79の出力(IN_CUR2)は電流量削減用信号のオン指令となり、定電流生成部30からドライバ回路40に第1電流量よりも小さい第2電流量の電流(Pre_Iout2)が供給される。
【0206】
このように、上記の時点T50〜T51では、ドライバ回路40に供給する電流量を増加させて、Nch型であるスイッチング素子50を素早くオンさせることにより、パワー素子10のゲートを素早く立ち下げている。また、電流量削減制御回路70のAND回路73にはコンパレータ72のローレベルの信号が入力されるためOR回路78への出力もローレベルとなり、OR回路78に入力されるIGBT短絡検出信号もローレベルである。このため、定電流回路64に対する電流量削減制御回路70の出力(IN_CUR1)は電流量削減用信号のオン指令が継続される。
【0207】
続いて、パワー素子10をオンさせるために時点T52で切替信号(IN)がハイレベルになると、電流量削減制御回路70のAND回路73には切替信号(IN)のハイレベルの信号とコンパレータ72のハイレベルの信号とが入力される。このため、AND回路73の出力はハイレベルとなるので、定電流回路64の定電流生成部64dに対するOR回路78の出力(IN_CUR1)は電流量削減用信号のオフ指令となる。したがって、オペアンプ64cに供給される電流量(Pre_Iout1)が第1電流量に増加する。このため、時点T53では定電流回路64からスイッチング素子50に流れる電流量(Iout)が増加するので、パワー素子10のゲート電圧が定電流回路64の電流量(Iout)に従って素早く上昇する。なお、コンパレータ72の出力(COMP_OUT)はハイレベルであるので、コンパレータ72の閾値はゲートH判定閾値レベルに設定される。
【0208】
この後、時点T53でパワー素子10のゲート電圧(IGBT_GATE)がゲートH判定閾値レベルを超えると、コンパレータ72の出力(COMP_OUT)はローレベルになる。このため、AND回路73の出力はローレベルとなるので、OR回路78の出力(IN_CUR1)は電流量削減用信号のオン指令となり、定電流生成部64dからオペアンプ64cに第1電流量よりも小さい第2電流量の電流(Pre_Iout1)が供給される。
【0209】
このように、上記の時点T52〜T54では、定電流回路64のオペアンプ64cに供給する電流量を増加させて、定電流回路64からパワー素子10のゲートに供給する電流量を増やすことにより、パワー素子10のゲートを素早く立ち上げている。また、電流量削減制御回路70のNOR回路79には切替信号(IN)としてハイレベルの信号が入力されるので、NOR回路79の出力(IN_CUR2)はローレベルとなる。このため、定電流生成部30に対する電流量削減制御回路70の出力(IN_CUR2)は電流量削減用信号のオン指令が継続される。
【0210】
ここで、パワー素子10のゲート電圧は、時点T52〜T54のミラー区間およびクランプ電圧保持区間を経て、時点T54以降がフルオン区間となる。ミラー区間におけるゲート電圧は、パワー素子10であるIGBTの増幅率等の特性によって決まるミラー電圧になっており、時点T52後に最初に一定電圧となる電圧である。このミラー区間後に再びゲート電圧が一定電圧となる区間がクランプ電圧保持区間である。このクランプ電圧保持区間では、クランプ回路65に入力されるクランプ回路ON/OFF切替信号に従ってスイッチ65aがオンされ、ゲート電圧がクランプ電圧に保持される。これにより、立ち上がり時のパワー素子10の短絡時のサージ破壊が防止される。そして、クランプ回路ON/OFF切替信号によってスイッチ65aがオフされると、ゲート電圧は上昇し、時点T54でパワー素子10がフルオンになる。
【0211】
次に、パワー素子10をオンしているときにパワー素子10の短絡が検出された場合の作動について、図28を参照して説明する。なお、図28において時点T54までは上記の作動と同じである。また、図28で示される破線の波形は、パワー素子10に短絡が起きなかったときの通常の動作を示している。
【0212】
そして、時点T55でパワー素子10の短絡が検出されると、このタイミングでクランプ回路65のスイッチ65aをオンするクランプ回路ON/OFF切替信号とIGBT短絡検出信号のハイレベルが負荷駆動装置に入力される。これにより、クランプ回路65がゲート電圧をクランプ電圧に保持しようとするため、ゲート電圧がフルオン状態からクランプ電圧に下がる。
【0213】
また、電流量削減制御回路70のOR回路にはIGBT短絡検出信号のハイレベルが入力されるので、OR回路78の出力(IN_CUR1)は電流量削減用信号のオフ指令となる。これに伴い、定電流回路64の定電流生成部64dの電流量(Pre_Iout1)が増加するので、オペアンプ64cの出力(AMP_OUT)も増加する。すなわち、パワー素子10の短絡が検出されたタイミングで定電流生成部64dの電流削減を解除し、下がっていたオペアンプ64cの電流能力を戻す。これにより、図28の点線で囲った部分に示されるように、クランプ時のオペアンプ64cの出力安定レベルに達するまでの時間が掛からない。このように、オペアンプ64cの電流能力が戻ったため、定電流を制御する回路の応答性も上がり、時点T55後の電流(Iout)のオーバーシュートが軽減される。
【0214】
一方、定電流回路64のオペアンプ64cの電流能力を回復させなかった場合、オペアンプ64cのスルーレートは低いままであり、スイッチング素子64eのゲートの制御が遅れ、定電流回路64を構成している系全体の応答性が悪くなる。このため、図28の点線で囲まれた部分の一点鎖線で示されるように、出力(AMP_OUT)は安定するまでに時間が掛かる。このため、ドライブしている定電流(Iout)のオーバーシュートが大きく、期間も長くなるため、消費電流や発熱の増加につながる。
【0215】
したがって、上記のように、パワー素子10が短絡した場合は定電流回路64の電流能力を上昇させることで定電流回路64の応答性が上がり、オーバーシュートが軽減され、消費電流が抑制される。
【0216】
そして、時点T56以降はパワー素子10をオフさせるため、上述の時点T50〜T51と同じ動作となる。なお、パワー素子10のオフに伴ってIGBT短絡検出信号のハイレベルがローレベル(つまりIGBT短絡検出信号の入力の解除)となり、クランプ回路ON/OFF切替信号もローレベルとなる。
【0217】
以上説明したように、パワー素子が短絡した場合、電流量削減制御回路70によって定電流回路64の電流能力を上げることで、定電流回路64の消費電流の増加を抑制し、パワー素子10のゲート電圧を素早く上昇させることができる。
【0218】
なお、本実施形態では、電流量削減制御回路70としてコンパレータ72にてパワー素子10のゲートレベルを監視する構成を例に説明したが、第7実施形態で示された遅延回路75を用いた構成や、第12実施形態で示された電流量制御回路80を用いた構成等を採用しても良い。
【0219】
(他の実施形態)
上記各実施形態で示された負荷駆動装置の構成は一例であり、上記で示した構成に限定されることなく、本発明の特徴を含んだ他の構成とすることもできる。例えば、第1実施形態や第3実施形態で示された定電流生成部30の構成は一例であり、他の構成でも良い。ドライバ回路40の構成についても同様に、上記各実施形態で示されたものに限定されず、他の構成でも良い。
【0220】
第1〜第4実施形態では、スイッチング素子50としてNch型のMOSFETを採用しているが、Pch型のMOSFETを採用しても良い。スイッチング素子50としてPch型のMOSFETを用いた場合においても、ドライバ回路40の出力がハイレベル、つまり、スイッチング素子50のゲートの電位がハイレベルになる条件のときに定電流を削減する原理は同様である。もちろん、第5実施形態におけるスイッチング素子50としてNch型のMOSFETを採用しても良い。その場合、プリドライバ部60をNch型のスイッチング素子50に対応した構成とすれば良い。
【0221】
また、第4実施形態では、電源36の電圧値と抵抗34bの抵抗値との両方を調整することで定電流の大きさを調整していたが、いずれか一方を調整することにより定電流の電流量を調整しても良い。
【0222】
例えば、抵抗34bの抵抗値を固定値とし、電源36の電圧値を調整する場合、スイッチング素子50がオンするオン時間に達するまでは電流量削減用信号に従って電源36の電圧値を第1電圧値に設定することにより第1電流量の定電流をドライバ回路40に流す。また、スイッチング素子50がオンするオン時間が経過した後は電流量削減用信号に従って電源36の電圧値を第1電圧値よりも小さい第2電圧値に設定することにより第2電流量の定電流をドライバ回路40に流す。このように、電源36の電圧値のみを調整することでドライバ回路40に流す定電流の電流量を調整しても良い。
【0223】
一方、電源36の電圧値を固定値とし、抵抗34bの抵抗値を調整する場合、スイッチング素子50がオンするオン時間に達するまでは電流量削減用信号に従って抵抗34bの抵抗値を第1抵抗値に設定することにより第1電流量の定電流をドライバ回路40に流す。また、スイッチング素子50がオンするオン時間が経過した後は電流量削減用信号に従って抵抗34bの抵抗値を第1抵抗値よりも大きい第2抵抗値に設定することにより第2電流量の定電流をドライバ回路40に流す。このように、抵抗34bの抵抗値を調整することでドライバ回路40に流す定電流の電流量を調整しても良い。
【0224】
第6〜第16実施形態では、定電流生成部30として第1実施形態で示されたものを例に説明したが、もちろん上述した他の構成でも良い。
【符号の説明】
【0225】
10 負荷
30 定電流生成部
31 スイッチ
32 第1定電流源
33 第2定電流源
34b 抵抗
36 電源
40 ドライバ回路
50 スイッチング素子
60 プリドライバ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷(10)に接続されるスイッチング素子(50)と、
定電流を生成する定電流生成部(30)と、
前記スイッチング素子(50)がオンするまでのオン時間は前記定電流の大きさが大きくなるほど短くなるように設定され、前記定電流生成部(30)から流れ込む前記定電流の大きさに応じたオン時間で前記スイッチング素子(50)をオンするドライバ回路(40)と、を備えており、
前記定電流生成部(30)は、前記スイッチング素子(50)がオンするオン時間に達するまでは前記ドライバ回路(40)に第1電流量の大きさの定電流を流し、前記スイッチング素子(50)がオンするオン時間が経過した後は前記ドライバ回路(40)に前記第1電流量よりも小さい第2電流量の定電流を流すことを特徴とする負荷駆動装置。
【請求項2】
前記定電流生成部(30)は、
電流量削減用信号に従ってオンまたはオフするスイッチ(31)と、
前記スイッチ(31)に接続された第1定電流源(32)と、
前記スイッチ(31)および前記第1定電流源(32)の直列経路に対して並列に接続された第2定電流源(33)と、を備え、
前記ドライバ回路(40)は、前記スイッチング素子(50)をオンするための切替信号に従って前記スイッチング素子(50)をオンするようになっており、
前記スイッチング素子(50)がオンするオン時間に達するまでは電流量削減用信号のオン指令に従って前記スイッチ(31)がオンされることにより、前記第1定電流源(32)に流れる電流と前記第2定電流源(33)に流れる電流とが足し合わされた電流を前記第1電流量の定電流として生成し、
前記スイッチング素子(50)がオンするオン時間が経過した後は電流量削減用信号のオフ指令に従って前記スイッチ(31)がオフされることにより、前記第2定電流源(33)に流れる電流を前記第2電流量の定電流として生成することを特徴とする請求項1に記載の負荷駆動装置。
【請求項3】
前記定電流生成部(30)は、
前記第1電流量の定電流を生成する第1定電流源(32)と、
前記第2電流量の定電流を生成する第2定電流源(33)と、
前記スイッチング素子(50)がオンするオン時間に達するまでは電流量削減用信号に従って前記第1定電流源(32)から前記ドライバ回路(40)に前記第1電流量の定電流が流れるように接続を切り替え、前記スイッチング素子(50)がオンするオン時間が経過した後は電流量削減用信号に従って前記第2定電流源(33)から前記ドライバ回路(40)に前記第2電流量の定電流が流れるように接続を切り替えるスイッチ(31)と、を備え、
前記ドライバ回路(40)は、前記スイッチング素子(50)をオンするための切替信号に従って前記スイッチング素子(50)をオンするようになっていることを特徴とする請求項1に記載の負荷駆動装置。
【請求項4】
前記定電流生成部(30)は、電圧値を可変できる可変電源(36)を有し、前記電圧値が大きくなるほど前記定電流の電流量が大きくなるように構成されており、
前記ドライバ回路(40)は、前記スイッチング素子(50)をオンするための切替信号に従って前記スイッチング素子(50)をオンするようになっており、
前記スイッチング素子(50)がオンするオン時間に達するまでは電流量削減用信号に従って前記可変電源(36)の電圧値を第1電圧値に設定することにより前記第1電流量の定電流を前記ドライバ回路(40)に流し、
前記スイッチング素子(50)がオンするオン時間が経過した後は電流量削減用信号に従って前記可変電源(36)の電圧値を前記第1電圧値よりも小さい第2電圧値に設定することにより前記第2電流量の定電流を前記ドライバ回路(40)に流すことを特徴とする請求項1に記載の負荷駆動装置。
【請求項5】
前記定電流生成部(30)は、抵抗値を可変できる可変抵抗(34b)を有し、前記抵抗値が大きくなるほど前記定電流の電流量が小さくなるように構成されており、
前記ドライバ回路(40)は、前記スイッチング素子(50)をオンするための切替信号に従って前記スイッチング素子(50)をオンするようになっており、
前記スイッチング素子(50)がオンするオン時間に達するまでは電流量削減用信号に従って前記可変抵抗(34b)の抵抗値を第1抵抗値に設定することにより前記第1電流量の定電流を前記ドライバ回路(40)に流し、
前記スイッチング素子(50)がオンするオン時間が経過した後は電流量削減用信号に従って前記可変抵抗(34b)の抵抗値を前記第1抵抗値よりも大きい第2抵抗値に設定することにより前記第2電流量の定電流を前記ドライバ回路(40)に流すことを特徴とする請求項1または4に記載の負荷駆動装置。
【請求項6】
前記ドライバ回路(40)が前記スイッチング素子(50)をオンするタイミングを前記ドライバ回路(40)の出力と前記スイッチング素子(50)がオンしたことを示す所定値とを比較することにより検出し、そのタイミングで前記第2電流量の定電流を流すための電流量削減用信号を出力する電流量削減制御回路(70)を備えていることを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1つに記載の負荷駆動装置。
【請求項7】
前記切替信号が前記ドライバ回路(40)に入力されてから前記ドライバ回路(40)が前記スイッチング素子(50)をオンさせるまでのタイマ時間をタイマ回路(75)により計測し、その計測時間が前記タイマ時間に達したときに前記第2電流量の定電流を流すための電流量削減用信号を出力する電流量削減制御回路(70)を備えていることを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1つに記載の負荷駆動装置。
【請求項8】
前記負荷(10)は半導体スイッチング素子にて構成されたパワー素子であり、
前記定電流生成部(30)および前記ドライバ回路(40)は、前記スイッチング素子(50)を駆動させることで、前記パワー素子を駆動するためのプリドライバ部(60)となるように構成されており、
前記ドライバ回路(40)は、前記切替信号に従って前記スイッチング素子(50)を駆動することにより前記パワー素子をオンするようになっており、
前記プリドライバ部(60)は、前記パワー素子がオンするオン時間に達するまでは前記第1電流量の大きさの定電流によって前記スイッチング素子(50)を駆動し、前記パワー素子がオンするオン時間が経過した後は前記第1電流量よりも小さい第2電流量の定電流によって前記スイッチング素子(50)を駆動することを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1つに記載の負荷駆動装置。
【請求項9】
前記パワー素子がオンするタイミングを前記パワー素子のゲート電圧と前記パワー素子がオンしたことを示す所定値とを比較することにより検出し、そのタイミングで前記第2電流量の定電流を流すための電流量削減用信号を出力する電流量削減制御回路(70)を備えていることを特徴とする請求項8に記載の負荷駆動装置。
【請求項10】
前記切替信号が前記ドライバ回路(40)に入力されてから前記パワー素子がオンするまでのタイマ時間をタイマ回路(75)により計測し、その計測時間が前記タイマ時間に達したときに前記第2電流量の定電流を流すための電流量削減用信号を出力する電流量削減制御回路(70)を備えていることを特徴とする請求項8に記載の負荷駆動装置。
【請求項11】
前記スイッチング素子(50)は、第3定電流源(62)に接続されており、
前記パワー素子は、前記第3定電流源(62)から供給される定電流により定電流駆動されることを特徴とする請求項9または10に記載の負荷駆動装置。
【請求項12】
前記スイッチング素子(50)は、第1スイッチング素子と第2スイッチング素子とにより構成されたインバータであり、
前記パワー素子のゲートは、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子との中間点に接続されていることを特徴とする請求項9または10に記載の負荷駆動装置。
【請求項13】
前記スイッチング素子(50)に接続され、前記スイッチング素子(50)が駆動されたときに前記パワー素子のゲート電圧が所定電圧に達するまで前記パワー素子のゲートに定電流を流す第3定電流源(62)と、
前記第3定電流源(62)に流れる電流を検出する電流センサ(63)の検出結果が判定閾値を下回ったときに前記第2電流量の定電流を流すための電流量削減用信号を出力する電流量制御回路(80)と、を備えていることを特徴とする請求項8に記載の負荷駆動装置。
【請求項14】
前記スイッチング素子(40)がオフすると前記パワー素子のゲート電圧が所定電圧に達するまで前記パワー素子のゲートに定電流を流すことにより、前記パワー素子をオンさせる定電流回路(64)と、
前記パワー素子の短絡を示す短絡検出信号が入力されるようになっており、この短絡検出信号が入力されると前記パワー素子のゲート電圧を前記所定電圧よりも小さいクランプ電圧にクランプするクランプ回路(65)と、
前記切替信号が前記ドライバ回路(40)に入力されてから前記パワー素子がオンするタイミングで前記第2電流量の定電流を流すための電流量削減用信号を出力する電流量削減制御回路(70)と、を備え、
前記定電流回路(64)は、前記パワー素子がオンするオン時間に達するまでは前記電流量削減制御回路(70)から入力される前記電流量削減用信号に従って前記第1電流量の大きさの定電流によって前記パワー素子を定電流駆動し、前記パワー素子がオンするオン時間が経過した後は前記電流量削減用信号に従って前記第1電流量よりも小さい第2電流量の定電流によって前記パワー素子を定電流駆動し、
前記電流量削減制御回路(70)は、前記短絡検出信号が入力されるようになっており、前記短絡検出信号が入力されてからこの短絡検出信号の入力が解除されるまで、前記第1電流量の定電流を流すための電流量削減用信号を出力することを特徴とする請求項8に記載の負荷駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2012−129971(P2012−129971A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66218(P2011−66218)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】