説明

走行計画作成装置、および走行計画作成方法

【課題】 累計走行距離が所定距離となった時点で、設定された目的地へ到着する走行計画を作成すること。
【解決手段】 走行計画作成部106bは、走行距離センサ101で検出される自車両の累計走行距離と、使用者によって入力装置103が操作されて設定される目的地到着時の到達走行距離とに基づいて、目的地に到着するまでの自車両の走行計画を作成する。走行計画出力部106cは、走行計画作成部106bで作成された走行計画をモニタ107、および/またはスピーカ108を介して使用者に提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行計画を作成する走行計画作成装置、および走行計画作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
次のような車両部品のメンテナンス警報装置が特許文献1によって知られている。この車両部品のメンテナンス警報装置によれば、車両の走行距離に基づいて消耗部品の交換時期を判定して報知することによって、使用者に消耗部品の交換を促す。
【0003】
【特許文献1】特開平07−251689号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の装置においては、車両の走行距離があらかじめ設定された所定距離に至ったときに部品交換が必要な旨を使用者に報知するだけであった。このため、使用者が、走行距離に応じて部品交換を行うためにディーラーへ入庫する走行計画を立てようと思った場合には、使用者は部品交換が必要となる走行距離を好みで設定することができず、さらに報知された交換時期にディーラーへ車両を入庫する走行計画を自ら作成しなければならないという問題が生じていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、自車両の累計走行距離を検出し、目的地到着時の到達走行距離を設定し、設定した到達走行距離と、検出した累計走行距離とに基づいて、目的地に到着するまでの自車両の走行計画を作成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、目的地、および目的地到着時の到達走行距離を設定することができ、設定された目的地到着時の到達走行距離に基づいて、目的地に到着するまでの走行計画を作成するようにした。このため、使用者が望む場所で、使用者が望む走行距離をむかえるような走行計画を自動的に作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、本実施の形態における走行計画作成装置をナビゲーション装置に適用した場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置100は車両に搭載され、車両の累計走行距離(走行距離)を検出する走行距離センサ101と、車両の現在位置情報を検出する現在位置検出装置102と、使用者によって操作される入力装置103と、後述する走行計画作成ルールを記憶するルールデータベース104と、地図ディスク105aから地図データを読み取るディスク読取装置105と、CPUやメモリ、およびその他周辺回路で構成される制御装置106と、道路地図や各種情報を表示するモニタ107と、ガイダンス音声などの音声を出力するスピーカ108と、自車両の走行履歴として日単位の走行距離を記憶する走行履歴メモリ109とを備えている。
【0008】
現在位置検出装置102は、自車両の車速を検出する車速センサ101と、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を受信して自車両の現在位置を検出するGPSユニット102と、自車両の進行方向を検出するジャイロセンサ103とで構成され、自車両の現在位置とともに、自車両の現在の状況を検出することができる。
【0009】
ルールデータベース104には、後述する処理によってナビゲーション装置100が走行計画(ルートガイド)を作成する際に参照される走行計画作成ルールが記憶されている。走行計画作成ルールは、後述する走行計画作成部106bによって、車両の累計走行距離に応じた走行計画が作成されるときに参照される走行計画作成用のルールである。なお、ルールデータベース104には、あらかじめ走行計画作成ルールを記憶しておいてもよく、または使用者が好みの走行計画作成ルールを随時ルール記憶データベース200に登録できるようにしてもよい。
【0010】
ルールデータベース104に記憶される走行計画作成ルールとしては、具体的には次のようなものがある。まず、走行計画作成時の目的地として設定される「好きな場所」が記憶される。また、車両の累計走行距離に応じた走行計画を作成するために、走行計画を作成する条件となる走行距離を示す数値として、使用者の好みの番号、例えば使用者にとって意味のある番号が記憶される。この走行距離を示す数値としては、「車のナンバー」、「電話番号」、「住所」、「生年月日」、および「知り合いの生年月日」などが記憶される。このほか、「車のナンバー×10」、「車のナンバー×100」、「inverse(車のナンバー)」などの関連する番号を記憶しておいてもよい。
【0011】
制御装置106は、経路探索部106aと、走行計画作成部106bと、走行計画出力部106cとを機能的に備えている。
【0012】
経路探索部106aは、現在位置検出装置102で検出された自車両の現在位置から使用者によって設定された目的地までの経路を、ディスク読取装置105を介して地図ディスク105aから読み込んだ地図データに基づいて探索する。そして、探索した目的地までの経路を、現在位置検出装置102で検出した自車両の現在位置周辺の地図上に描画してモニタ106に表示する。
【0013】
走行計画作成部106bは、走行距離センサ101によって検出される車両の累計走行距離、入力装置103を介して設定された目的地として特定された場所、および目的地到着時点で到達すべき累計走行距離(到達走行距離)、入力装置103を介して設定された走行計画を作成する対象となる日、およびルール記憶データベース200から取得した走行計画作成ルールに基づいて、目的地までの経路案内をするための走行計画を作成する。具体的には、次のように処理する。
【0014】
なお、本実施の形態では、(A)走行距離、および場所が特定されている場合の走行計画作成方法、(B)走行距離、場所、および日が特定されている場合の走行計画作成方法、(C)走行計画作成ルールに基づいた走行計画作成方法の3つの方法について説明する。なお、以下に説明する(A)〜(C)のいずれの方法で走行計画を作成するかは、使用者によって入力装置103を介してあらかじめ設定されているものとする。
【0015】
(A)走行距離、および場所が特定されている場合の走行計画作成方法
この場合には、走行計画作成部106bは、次のようにして走行計画を作成する。この場合には、まず使用者は、入力装置103を操作して、走行計画を作成する際に目的地として設定する場所と、その場所に到着する時点で到達したい到達走行距離とを設定する。
なお、本実施の形態では、到達走行距離として、累計走行距離が所定の距離に到達したときに目的地に到着するように設定するための所定距離、例えば「10000km」、または所定距離走行するごとに目的地へ到着するように設定するための走行間隔、例えば「300kmごと」のいずれかを設定できる。
【0016】
例えば、使用者によって到達走行距離として所定距離「10000km」、および場所として「ディーラー」が設定されている場合について説明する。これは、使用者は10000km走行した時点で車をディーラーに入庫して、点検または部品交換を行いたいと考えている場合を想定している。この場合には、走行計画作成部106bは、走行距離センサ101によって検出される車両の累計走行距離が10000kmになった時点で、自車両がディーラーに到着するような走行計画を作成する。
【0017】
まず、走行計画作成部106bは、経路探索部105aに、あらかじめ設定されている普段車両を停車している車庫の場所から、入庫するディーラーまで経路を算出するように指示する。そして探索された経路に基づいて、車庫から入庫するディーラーまでの距離dを算出する。次に、10000−d×gの累計走行距離になった時点で到達走行距離としての10000kmまでの走行計画を作成する。なお、gは準備期間をあらわす指標であり、使用者によりあらかじめ設定されている。
【0018】
例えばg=2.0とすれば、車庫から入庫するディーラーまでの距離dの倍の距離の余裕を見て、走行計画を作成することになる。また、g=1.0とすれば、全く余裕のない状態でその時点で車庫にいてディーラーに向かう走行計画を作成することになり、それ以外にルートの冗長性がないことになる。そのため通常はg>1.0が設定される。
【0019】
走行計画作成部106bは、走行履歴メモリ109に記憶された車両の走行履歴を参照して週の車の利用パターンを考慮して走行計画を作成する。たとえば、走行履歴に基づいて毎日平日に15km程度走行していると判定したときに、そのままのペースで走行すれば今週の金曜日に10000kmに到達すると判断した場合には、平日に15km走行し、かつ今週の金曜日の10000km到達時点にディーラーに入庫するような走行計画を立てる。
【0020】
走行計画出力部106cは、走行計画作成部106bによって作成された走行計画をモニタ107および/またはスピーカ108を介して出力して使用者に提示する。具体的には、1日15kmずつ走行して、今週の金曜日に車庫を出発すれば、10000km到達時点にディーラーへ入庫できることを使用者に提示する。この使用者への提示は、所定距離走行するごとに繰り返し行うようにする。このとき、使用者によって設定された到達走行距離に近づくにつれて、より詳細な案内を提示するようにする。例えば、10000kmまでの距離が遠いうちは大雑把な案内、例えば、到着予定日のみを提示するようにし、10000kmまでの距離が近くなるにつれて詳細な案内、例えば到着予定時日時と残り距離を提示するようにする。
【0021】
次に、例えば、使用者によって到達走行距離として走行間隔「300kmごと」、および場所として「高速道路サービスエリア」が設定されている場合について説明する。これは、使用者は、長距離の高速道路走行において300km走行するごとにサービスエリアへ立ち寄りたいと考えている場合を想定している。この場合には、走行計画作成部106bは、上述した10000km走行した時点で車をディーラーに入庫する場合と同様に、
走行距離センサ101によって検出される車両が300km走行するごとに、自車両がサービスエリアに到着するような走行計画を作成する。
【0022】
走行計画出力部106cは、走行計画作成部106bによって作成された走行計画をモニタ107および/またはスピーカ108を介して出力して使用者に提示する。具体的には、次にどこのサービスエリアへ立ち寄るかの案内をする。また、この場合も所定距離走行するごとに繰り返し走行計画を提示するようにし、300kmに近づくほど詳細な案内を提示するようにする。
【0023】
(B)走行距離、場所、および日が特定されている場合の走行計画作成方法
ここでは、使用者によって入力装置103が操作され、到達走行距離として「10000km」、場所として「ディーラー」、日として「今週の日曜日」が設定されている場合について説明する。これは、使用者は10000km走行した時点で車をディーラーに入庫して、点検または部品交換を行いたいと考えており、ディーラーへの入庫は今週の日曜日に行いたいと考えている場合を想定している。
【0024】
(A)で上述した場合では、日の指定はなかったため、走行履歴に基づいて、今週の金曜日に10000kmに到達することから、金曜日に車庫を出発して10000km到達時点でディーラーに到着する走行計画を立てるようにした。しかし、この(B)の場合には、ディーラーへの入庫日が特定されているため、その特定日にディーラーへ入庫するための走行計画を立てる必要がある。そのために次のように処理する。
【0025】
まず、上述した(A)の場合と同様に、走行計画作成部106bは、経路探索部105aに、あらかじめ設定されている普段車両を停車している車庫から入庫するディーラーまで経路を算出するように指示する。そして探索された経路に基づいて、車庫から入庫するディーラーまでの距離dを算出する。そして、走行距離センサ101から現在の車両の累計走行距離Dを取得し、さらに走行履歴メモリ109に記憶された車両の走行履歴を参照して、1日あたりの推定走行距離Sを算出する。
【0026】
そして、次式(1)によって算出される、日曜日までに走行しておく必要がある距離Aと、次式(2)によって算出される日曜日までに走行が予定される距離Bとを比較して、走行計画の作成可否を判定する。
A=10000−D−d ・・・(1)
B=S×日曜日までの日数 ・・・(2)
【0027】
AとBとが一致する場合(A−B=0の場合)には、日曜日に累計走行距離が10000kmに到達し、その時点でディーラーに入庫することができるため、走行計画の作成は可能であると判定する。また、AがBより小さい場合(A−B<0の場合)には、AとBの差を加味して、日曜日までの間のいずれかの日に車を利用しないようにすることによって、AとBとの差を解消することができることから、走行計画の作成は可能であると判定する。
【0028】
これに対して、AがBより大きい場合(A−B>0の場合)には、日曜日のディーラー入庫時点までに累計走行距離を10000kmに到達させることはできない。しかし、A−Bの差がわずかである場合には、日曜日までの間に遠回りするなど距離をかせいで、1日あたり走行距離を長くすることによって、その差を解消することができる場合がある。したがって、A−Bが所定値x未満の場合には、日曜日までの間のいずれかの日に途中で遠回り、または寄り道をすることによって距離をかせげば走行計画の作成は可能であると判定する。これに対して、A−Bが所定値x以上の場合には、遠回りしてもその差を解消できないと判断して、当該条件での走行計画作成は日可能と判定する。
【0029】
以上の判定結果を式で表すと次の(a)〜(d)のようになる。
(a)A−B=0のとき 走行計画の作成可能
(b)A−B<0のとき 走行計画の作成可能(車を利用しない日が必要)
(c)A−B>0 and A−B<xのとき 走行計画の作成可能(事前に遠回りが必要)
(d)A−B>0 and A−B≧xのとき 走行計画の作成不可能
【0030】
走行計画作成部106bは、判定結果が(a)〜(c)のいずれかである場合には、走行計画を作成する。例えば(a)に該当する場合には、1日あたり推定走行距離Sずつ走行し、日曜日の累計走行距離が10000kmに到達した時点でディーラーへ入庫するような走行計画を作成する。(b)に該当する場合には、1日あたり推定走行距離Sずつ走行した場合に、日曜日のディーラーへの入庫時点で10000kmを超過する距離に相当する日数は車を使用しないようにした走行計画を作成する。(c)に該当する場合には、1日あたり推定走行距離Sずつ走行した場合に、日曜日のディーラーへの入庫時点で10000kmに不足する距離を事前にかせぐような走行計画を作成する。
【0031】
走行計画出力部106cは、上述した(A)の場合と同様に、走行計画作成部106bによって作成された走行計画をモニタ107および/またはスピーカ108を介して出力して使用者に提示する。なお、(a)〜(c)のいずれかに該当する場合には、上述したように作成した走行計画を使用者に提示するが、(d)に該当する場合には、今週の日曜日には、累計走行距離が10000kmのときにディーラーへ入庫することは不可能である旨を使用者に提示する。
【0032】
(C)走行計画作成ルールに基づいた走行計画作成方法
ルールデータベース104に記憶されている走行計画作成ルールに基づいて走行計画を作成する場合には、走行計画作成部106bは、次のように処理する。まず、走行計画作成部106bは、ルールデータベース104に記憶されている走行計画作成ルールを読み込む。ルールデータベース104に記憶されている走行計画作成ルールとしては、上述したように使用者の「好きな場所」と、到達走行距離を示す複数の数値が記憶されている。そして、走行距離センサ101によって検出される車両の累計走行距離が、読み込んだ走行計画作成ルールに含まれる数値と一致したときに、使用者の「好きな場所」に到着するような走行計画を作成する。
【0033】
本実施の形態では、現在の車両の累計走行距離3000kmであり、走行計画作成ルールとして「車のナンバー=3232」が記憶されている場合に、この車のナンバーを走行距離に置き換えたものを到達走行距離として走行計画を作成する場合の具体例について説明する。ここでは、走行計画作成ルールを示す「3232」に近づいたときに走行計画を作成するものとし、例えば累計走行距離が3232kmに到達する1ヶ月前に走行計画を作成する例について説明する。
【0034】
このために、走行計画作成部106bは、車両の累計走行距離が3232mに到達する1ヶ月前の日を走行履歴メモリ109に記憶されている車両履歴に基づいて推定する。換言すれば、現在の累計走行距離と、走行履歴メモリ109に記憶されている車両履歴に基づいて算出される1日あたりの走行距離に基づいて、1ヶ月後に累計走行距離が3232kmとなる日を推定する。なお、累計走行距離が3232kmに到達するどれだけ前に走行計画を作成するかは、使用者によってあらかじめ設定されているものとする。
【0035】
走行計画作成部106bは、現在の車両の累計走行距離3000kmに到達した日(現在)から1ヵ月後に、累計走行距離が3232kmとなると判定した場合には、使用者に対して「もうすぐ車の走行距離が車のナンバーである3232を迎えます。引き続きモニターしますか?」という確認ガイダンスをスピーカ108を介して出力する。同時に「モニターする」か「無視する」かの選択を促す画面をモニタ107に表示する。これに対して使用者が、入力装置103を操作して「無視する」を選んだ場合には、車のナンバーに応じた走行計画は作成せず、処理を終了する。
【0036】
一方、使用者によって「モニターする」が選択された場合には、走行計画作成部106bは、車両の累計走行距離が3232kmとなった時点で、車両がルールデータベース104に記憶されている「好きな場所」に到着するような走行計画を作成する。
【0037】
走行計画出力部106cは、上述した(A)および(B)の場合と同様に、走行計画作成部106bによって作成された走行計画をモニタ107および/またはスピーカ108を介して出力して使用者に提示する。そして、車両の累計走行距離が3232kmの直前、例えば、3200kmになると「明日ドライブに出ると好きな場所で3232を向かえることができますがどうしますか?」という確認ガイダンスをスピーカ108を介して出力する。これに対して、使用者が「ルートの作成」を指示すると、走行計画作成部106bは、3232kmを「好きな場所」で迎えられるような走行計画を再作成する。そして、走行計画出力部106cは、再作成された走行計画を使用者に提示する。
【0038】
これによって、使用者が通常意識していない使用者にとって意味のある番号をナビゲーション装置100側で監視し、車両の累計走行距離がその番号に近づいたら、その番号に応じた累計走行距離を走行した時点で「好きな場所」に到着できるような走行計画を作成することができる。なお、上述した例では、走行履歴メモリ109に記憶されている「好きな場所」を目的地として走行計画を作成するようにしたが、適宜好みの場所を指定できるようにしてもよい。
【0039】
また、走行計画作成ルールとして記憶されている数値を到達走行距離として走行計画を作成するようにしたが、例えば、使用者からの指示に基づいて、走行履歴メモリ109に走行計画作成ルールとして記憶されている数値の中から、現在の車両の累計走行距離に近い走行計画ルールをモニタ107に一覧表示し、一覧の中から使用者が任意の走行計画ルールを選択することによって、その走行計画ルールに応じた走行計画を作成するようにしてもよい。
【0040】
図2は、本実施の形態における走行計画作成装置の処理を示すフローチャートである。図2に示す処理は、走行計画作成装置、すなわちナビゲーション装置100の電源がオンされると起動するプログラムとして、制御装置106によって実行される。
【0041】
ステップS10において、走行計画作成部106bは、使用者によって入力装置103が操作され、走行計画の作成を行う到達走行距離と、走行計画を作成する際に目的地として設定する場所とが設定されてか否かを判断する。使用者によってこれらの情報が設定されていないと判断した場合には、後述するステップS60へ進む。これに対して設定されたと判断した場合には、ステップS20へ進む。
【0042】
ステップS20では、(B)で上述したように、走行計画の作成対象なる日が設定されたか否かを判断する。日が設定されたと判断した場合には、ステップS30へ進み、走行計画作成部106bは、(B)で上述した「走行距離、場所、および日が特定されている場合の走行計画作成方法」における処理を実行して、走行計画を作成する。これに対して、日が設定されていないと判断した場合には、ステップS40へ進み、(A)で上述した「走行距離、および場所が特定されている場合の走行計画作成方法」における処理を実行して、走行計画を作成する。その後、ステップS50へ進む。
【0043】
ステップS50では、走行計画出力部106cは、走行計画作成部106bによって作成された走行計画をモニタ107および/またはスピーカ108を介して出力して使用者に提示する。その後、ステップS60へ進む。ステップS60では、ルールデータベース104に記憶されている走行計画作成ルールを読み込んで、ステップS70へ進む。ステップS70では、走行計画作成ルールとして記憶されている数値と、走行距離センサ101によって検出される車両の累計走行距離とに基づいて、上述したように走行計画を作成する必要があるか否かを判断する。
【0044】
走行計画作成の必要がないと判断した場合には、後述するステップS100へ進む。これに対して走行計画作成の必要があると判断した場合には、ステップS80へ進む。ステップS80では、(C)で上述した「走行計画作成ルールに基づいた走行計画作成方法」における処理を実行して、走行計画を作成する。その後、ステップS90へ進み、走行計画出力部106cは、走行計画作成部106bによって作成された走行計画をモニタ107および/またはスピーカ108を介して出力して使用者に提示する。その後、ステップS100へ進む。
【0045】
ステップS100では、ナビゲーション装置100の電源がオフされたか否かを判断する。ナビゲーション装置100の電源がオフされていないと判断した場合には、ステップS10へ戻って処理を繰り返す。これに対してナビゲーション装置100の電源がオフされたと判断した場合には、処理を終了する。
【0046】
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)走行計画作成部106bは、自車両の累計走行距離と、設定された到達走行距離、および目的地として設定された場所に基づいて、累計走行距離が到達走行距離に到達するときに、設定された場所に自車両が到達しているような走行計画を作成するようにした。これによって、使用者が望む場所で、使用者が望む走行距離をむかえるような走行計画を作成することができる。
【0047】
(2)走行計画作成部106bは、自車両の累計走行距離と、設定された到達走行距離、目的地として設定された場所、および走行計画の対象となる日に基づいて、指定された日に累計走行距離が到達走行距離に到達するようにし、さらにそのときに設定された場所に自車両が到達しているような走行計画を作成するようにした。これによって、使用者が望む日に、使用者が望む場所で、使用者が望む走行距離をむかえるような走行計画を作成することができる。
【0048】
(3)走行計画作成部106bは、走行計画作成ルールとして記憶されている使用者の「好きな場所」、および使用者にとって意味のある番号で表される到達走行距離に基づいて走行計画を作成するようにした。すなわち、使用者にとって意味のある番号に車両の累計走行距離が近づいたときに、使用者の好きな場所を目的地とした走行計画を作成するようにした。これによって、使用者は使用者にとって意味のある番号を普段は意識していなくても、その番号に累計走行距離が近づいた時点で走行計画が作成されるため、使用者の利便性が向上する。
【0049】
(4)走行計画出力部106cは、走行計画作成部106bによって作成された走行計画をモニタ107および/またはスピーカ108を介して、繰り返し使用者に提示するようにした。これによって、使用者は走行計画を定期的に通知してもらえるため、走行計画を意識し続ける必要がなく、運転に集中することができる。
【0050】
―変形例―
なお、上述した実施の形態の走行計画作成装置は、以下のように変形することもできる。
(1)上述した実施の形態では、(C)で上述した走行計画作成ルールに基づいた走行計画作成方法で使用する走行計画作成ルールを、ナビゲーション装置100が備えるルールデータベース104に記憶する例について説明した。しかしこれに限定されず、例えば図3に示すように、走行計画作成ルールをナビゲーション装置100が備えるデータベース104と、通信回線で接続された走行計画作成ルールデータベース200とに記憶するようにしてもよい。このために、ナビゲーション装置100は、ルールデータベース200と通信するための通信装置110を備え、ナビゲーション装置100と、ルールデータベース200との間の通信回線は、例えば電話回線やインターネット回線などが用いられる。
【0051】
なお、ルールデータベース200に記憶される走行計画作成ルールは、個別の使用者ごとの走行計画作成ルールが記憶されており、データは個々の使用者を識別する識別子、例えば使用者IDによって管理されている。そして、ナビゲーション装置100が備えるデータベース104には、一般的に良く用いられる走行計画作成ルールを記憶しておき、ルールデータベース200には、使用者ごとに好みの走行計画作成ルールを記憶する。ルールデータベース200における走行計画作成ルールは使用者が適宜登録することができる。登録した走行計画作成ルールは他の使用者にも公開され、他の使用者に同様の走行計画作成ルールを適用することもできる。
【0052】
また、走行履歴メモリ109に記憶した自車両の走行履歴を、一定期間ごとにルールデータベース200にアップロードして、ルールデータベース200に走行履歴を保存するようにしてもよい。
【0053】
(2)上述した実施の形態では、走行計画作成装置を車両に搭載されたナビゲーション装置する例について説明した。しかしこれに限定されず、他の移動体に搭載されたナビゲーション装置に適用してもよい。
【0054】
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。
【0055】
特許請求の範囲の構成要素と実施の形態との対応関係について説明する。入力装置103は目的地設定手段、走行距離設定手段、および指定手段に、ルールデータベース104および200は記憶手段に相当する。なお、以上の説明はあくまでも一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係に何ら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】走行計画作成装置をナビゲーション装置に適用した場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】走行計画作成装置の処理を示すフローチャート図である。
【図3】走行計画作成装置の構成の変形例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0057】
100 ナビゲーション装置
101 走行距離センサ
102 現在位置検出装置
103 入力装置
104、200 ルールデータベース
105 ディスク読取装置
105a 地図ディスク
106 制御装置
106a 経路探索部
106b 走行計画作成部
106c 走行計画出力部
107 モニタ
108 スピーカ
109 走行履歴メモリ
110 通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の累計走行距離を検出する走行距離検出手段と、
車両の目的地を設定する目的地設定手段と、
前記目的地設定手段で設定した目的地到着時の到達走行距離を設定する走行距離設定手段と、
前記走行距離設定手段で設定した前記到達走行距離と、前記走行距離検出手段で検出した前記累計走行距離とに基づいて、前記目的地設定手段で設定した目的地に到着するまでの自車両の走行計画を作成する計画作成手段とを備えることを特徴とする走行計画作成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の走行計画作成装置において、
前記計画作成手段は、前記走行距離設定手段で設定した前記到達走行距離と、前記走行距離検出手段で検出した前記累計走行距離とが一致するときに、前記目的地設定手段で設定した目的地に到着するように自車両の走行計画を作成することを特徴とする走行計画作成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の走行計画作成装置において、
前記目的地設定手段で設定した目的地に到着する日を指定する指定手段をさらに備え、
前記計画作成手段は、前記指定手段で指定された日に、自車両の累計走行距離と前記到達走行距離とを一致させるように自車両の走行計画を作成することを特徴とする走行計画作成装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の走行計画作成装置において、
前記目的地到着時の到達走行距離、および前記目的地を走行計画作成ルールとして記憶する記憶手段をさらに備え、
前記目的地設定手段は、前記記憶手段に記憶された前記走行計画作成ルールに含まれる目的地を前記目的地として設定し、
前記走行距離設定手段は、前記記憶手段に記憶された前記走行計画作成ルールに含まれる到達走行距離を前記到達走行距離として設定することを特徴とする走行計画作成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の走行計画作成装置において、
前記記憶手段は、通信回線を介して接続されることを特徴とする走行計画作成装置。
【請求項6】
自車両の累計走行距離を検出し、
目的地到着時の到達走行距離を設定し、
設定した前記到達走行距離と、検出した前記累計走行距離とに基づいて、前記目的地に到着するまでの自車両の走行計画を作成することを特徴とする走行計画作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−93446(P2007−93446A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−284559(P2005−284559)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】