説明

走行速度通知装置および走行速度通知装置用のプログラム

【課題】道路の制限速度の情報を車両のドライバに通知する技術において、ドライバの交通違反を未然に効果的に防止することができるようにする。
【解決手段】
車両用ナビゲーション装置は、経路案内処理の実行中に(ステップ110)、現在走行中の走行道路と、誘導経路に沿って走行道路から交差点を越えた次の道路、および次の道路の制限速度情報を取得し(ステップ130、140)、車両が当該走行道路を走行している間に、次の道路の通知ポイントに到達した場合には(ステップ150)、次の道路の制限速度の情報を、車両のドライバに画像または音声で通知し(ステップ160)、次の道路に自車両が進入した場合(ステップ170)、その通知を終了する(ステップ180)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行速度通知装置および走行速度通知装置用のプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、道路の制限速度の情報を取得して車両のドライバに通知する技術が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開平10−19596号公報
【特許文献2】特開2006−177856号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、道路の制限速度の情報を車両のドライバに通知する技術において、ドライバの交通違反を未然に効果的に防止することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、車両用の走行速度通知装置が、車両の走行している走行道路から交差点を越えた次の道路についての制限速度の情報を取得し、その制限速度の情報を、車両が当該走行道路を走行している間に、車両のドライバに通知することである。
【0005】
このように、自車両が走行している道路よりも先の道路についての制限速度の情報を通知することで、ドライバの交通違反を未然に防止することができる。また、制限速度の情報を通知する対象の道路は、自車両が走行している道路の次の道路であるので、通知のタイミングは、交通違反を未然に防止するという観点からは効果的である。
【0006】
また、請求項2に記載のように、走行速度通知装置は、走行道路における交差点への複数の進入レーンを画像表示装置(12)に表示させるようになっていてもよい。その場合、走行速度通知装置は、このレーン表示と共に、当該複数の進入レーンのうち、次の道路へ抜けるための進入レーンに対応付けて、次の道路の制限速度の情報を、画像表示装置(12)に表示させるようになっていてもよい。このようになっていることで、次の道路の制限速度と、交差点を次の道路に抜けるための進入レーンとの関係を、ユーザに強く印象付けることができる。
【0007】
また、請求項3に記載のように、走行速度通知装置は、走行道路の制限速度と次の道路の制限速度とが異なるという条件が満たされた場合に、次の道路の制限速度の情報を通知し、走行道路の制限速度と前記次の道路の制限速度とが同じであるという禁止条件が満たされている場合に、次の道路の制限速度の情報の通知を禁止するようになっていてもよい。
【0008】
現在の走行道路と次の道路との制限速度が同じ場合よりも、同じでない場合の方が、次の道路に車両が入った場合における交通違反の恐れが高くなる。したがって、上記のように、現在の走行道路と次の道路との制限速度が異なっている状況において、重点的に次の道路の制限速度通知を行うことで、より効果的な通知を行うことができるようになる。
【0009】
また、請求項4に記載のように、走行速度通知装置は、次の道路が渋滞しているという禁止条件が満たされたことに基づいて、次の道路の制限速度の情報の通知を禁止するようになっていてもよい。
【0010】
このようになっていることで、次の道路が渋滞しているという、速度超過による交通違反の可能性がほとんどないような状況においてまで、次の道路の制限速度の通知を行ってしまう可能性が低下する。その結果、他の場面における次の道路の制限速度の通知が、より効果的なものとなる。
【0011】
また、請求項5に記載のように、走行速度通知装置は、次の道路を直進する距離が基準距離より短いという禁止条件が満たされたことに基づいて、次の道路の制限速度の情報の通知を禁止するようになっていてもよい。
【0012】
このようになっていることで、次の道路における自車両の直進距離が短いという、速度超過による交通違反の可能性が低い状況においてまで、次の道路の制限速度の通知を行ってしまう可能性が低下する。その結果、他の場面における次の道路の制限速度の通知が、より効果的なものとなる。
【0013】
また、請求項6に記載のように、走行速度通知装置は、上述の禁止条件が満たされている場合であっても、車両が高速道路から一般道路に降りてから基準時間内は、次の道路の制限速度の情報の通知を行う(すなわち、通知の禁止を行わない)ようになっていてもよい。
【0014】
車両が高速道路から一般道路に降りてすぐの場合は、高い速度で走行してしまう可能性が高い。したがって、車両が高速道路から一般道路に降りてから基準時間内は、上記のような禁止条件が満たされていたとしても、次の道路の制限速度の情報の通知を行えば、交通違反の可能性を効果的に低減することができる。
【0015】
なお、請求項7に記載のように、請求項1に記載の発明の特徴は、プログラムとしても捉えることができる。
【0016】
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1(走行速度通知装置の一例に相当する)のハードウェア構成を示す。この車両用ナビゲーション装置1は、位置検出器11、画像表示装置12、操作部13、スピーカ14、交通情報受信機15、地図データ取得部16、および制御回路17を有している。
【0018】
位置検出器11は、いずれも周知の図示しない加速度センサ、地磁気センサ、ジャイロセンサ、車速センサ、およびGPS受信機等のセンサを有しており、これらセンサの各々の性質に基づいた、車両の現在位置、向き、および速度を特定するための情報を制御回路17に出力する。
【0019】
画像表示装置12は、制御回路17から出力された映像信号に基づいた映像をユーザに表示する。表示映像としては、例えば現在地を中心とする地図等がある。
【0020】
操作部13は、車両用ナビゲーション装置1に設けられた複数のメカニカルスイッチ、画像表示装置12の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置から成り、ユーザによるメカニカルスイッチの押下、タッチパネルのタッチに基づいた信号を制御回路17に出力する。
【0021】
交通情報受信機15は、FMラジオ放送局または道路沿いに設置された路上機から無線送信された道路の渋滞情報、交通規制情報等を受信して制御回路17に出力する無線受信機である。
【0022】
地図データ取得部16は、DVD、CD、HDD等の不揮発性の記憶媒体およびそれら記憶媒体に対してデータの読み出し(および可能ならば書き込み)を行う装置から成る。当該記憶媒体は、制御回路17が実行するプログラム、経路案内用の地図データ等を記憶している。
【0023】
地図データは、道路データおよび施設データを有している。道路データは、リンク(隣り合う2つの交差点間の道路をいう)のID、位置情報、種別情報(例えば、高速道路と一般道路とを区別する情報)、制限速度の情報、ノードの位置情報、種別情報、および、ノードとリンクとの接続関係の情報等を含んでいる。施設データは、施設毎のレコードを複数有しており、各レコードは、対象とする施設の名称情報、所在位置情報、土地地番情報、施設種類情報等を示すデータを有している。
【0024】
制御回路(コンピュータに相当する)17は、CPU、RAM、ROM、I/O等を有するマイコンである。CPUは、ROMまたは地図データ取得部16から読み出した車両用ナビゲーション装置1の動作のためのプログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、および地図データ取得部16から情報を読み出し、RAMおよび(可能であれば)地図データ取得部16の記憶媒体に対して情報の書き込みを行い、位置検出器11、画像表示装置12、操作部13、スピーカ14、および交通情報受信機15と信号の授受を行う。
【0025】
制御回路17がプログラムを実行することによって行う具体的な処理としては、現在位置特定処理、地図表示処理、誘導経路算出処理、経路案内処理等がある。
【0026】
現在位置特定処理は、位置検出器11からの信号に基づいて、周知のマップマッチング等の技術を用いて車両の現在位置や向きを特定する処理である。
【0027】
地図表示処理は、車両の現在位置の周辺等の特定の領域の地図を、画像表示装置12に表示させる処理である。この際、地図表示のために用いる情報は、地図データから取得する。
【0028】
誘導経路算出処理は、操作部13からユーザによる目的地の入力を受け付け、現在位置から当該目的地までの最適な誘導経路を算出する処理である。
【0029】
経路案内処理は、誘導経路が算出されている状態で自車両が移動し始めると開始する処理であり、誘導経路上の右左折交差点等の案内交差点の手前に自車両が到達したときに、右折、左折等を指示する案内音声をスピーカ14に出力させ、当該案内交差点の拡大図を画像表示装置12に表示させることで、誘導経路に沿った車両の運転を案内する処理である。
【0030】
また、制御回路17は、制限速度通知処理を実行する。制限速度通知処理は、自車両の走行している走行道路から交差点を越えた次の道路についての制限速度の情報を取得し、その制限速度の情報を、自車両が当該走行道路を走行している間に、自車両のドライバに通知するための処理である。
【0031】
制御回路17は、この制限速度通知処理を実行するために、図2に示すプログラム100を実行するようになっている。このプログラム100の実行において制御回路17は、まずステップ110で、現在経路案内処理を実行しているか否かを判定し、実行していなければ続いてステップ120に進み、実行していれば続いてステップ130に進む。
【0032】
ステップ120では、現在位置特定処理によって自車両が現在走行しているリンク(走行道路の一例に相当する)のリンクIDを特定し、特定したリンク(以下、走行リンクという)の制限速度の情報を、地図データから取得し、取得した制限速度の情報を画像表示装置12に表示させる。そしてその後、処理をステップ110に戻す。
【0033】
ステップ130では、ステップ120と同様の方法で、自車両が現在走行しているリンクのリンクIDを特定する。続いてステップ140では、次のリンク(次の道路の一例に相当する)を特定し、更に、当該次のリンクの制限速度の情報を、地図データから取得する。
【0034】
なお、次のリンクは、誘導経路に基づいて決定する。すなわち、次のリンクとは、誘導経路に沿えば、走行リンクから、走行リンクに繋がる交差点(以下、進入交差点という)を越えた直後となるリンクをいう。
【0035】
続いてステップ150では、自車両が通知ポイントに到達するまで待つ。通知ポイントは、誘導系路上の進入交差点から所定距離(例えば100メートル)手前の地点であってもよい。また、通知ポイントは、進入交差点が案内交差点である場合、経路案内処理が交差点拡大図を表示し始めるタイミングの地点であってもよい。
【0036】
また、通知ポイントは、制御回路17が画像表示装置12を用いてレーン表示を行うタイミングであってもよい。レーン表示とは、走行リンクにおける進入交差点への複数の進入レーンおよび各進入レーンに対応する退出リンクの方向を画像表示装置12に表示させる処理をいう。
【0037】
ここで、進入レーンに対応する退出リンクとは、当該進入レーンから進入交差点に進入した場合、当該進入交差点から次に入ることが許されているリンクをいう。なお、各リンクについて、リンクの各レーンがどの退出リンクに対応しているかの情報は、あらかじめ地図データに記録されていてもよい。また、退出リンクの方向とは、当該進入交差点から退出リンクに入るときの進行方向をいう。
【0038】
通知ポイントに自車両が到達した場合、続いてステップ160で、次のリンクの制限速度の情報を通知する。通知の方法は、スピーカ14を用いた音声による通知であってもよいし、画像表示装置12を用いた画像による通知であってもよいし、それら両方を用いてもよい。
【0039】
音声による通知を行う場合、例えば、「この先、左折です。制限速度は、60km/hです。」、「この先、左折です。制限速度が変わります。規制に従い注意してください。」等の等の音声アナウンスを行ってもよい。
【0040】
画像に通知を行う場合は、例えば、図3に示すように、地図上に自車両の位置を示すマーク20を表示し、誘導経路に従えば次に自車両が進入する進入交差点21に対する進入レーンについての進入レーン表示22〜24を行い、さらに、誘導経路に沿った次のリンクへ抜けるための進入レーン(図3の場合はレーン表示23に対応する進入レーン)に対応付けて(具体的には、他の進入レーン表示22、24よりも当該進入レーン表示23の近傍に)、次の道路の制限速度の情報25を、画像表示装置12に表示させるようになっていてもよい。
【0041】
また、図4に示すように交差点拡大図32を画像表示装置12に表示させている場合は、例えば、交差点拡大図32中において、誘導経路33に従えば次に自車両が進入する進入交差点31に対する進入レーンについての進入レーン表示41〜46を行い、さらに、誘導経路33に沿った次のリンクへ抜けるための進入レーン(図4の場合はレーン表示41に対応する進入レーン)に対応付けて(具体的には、他の進入レーン表示42〜46よりも当該進入レーン表示41の近傍に)、次の道路の制限速度の情報47を、画像表示装置12に表示させるようになっていてもよい。
【0042】
続いてステップ170では、進入交差点を超えて次のリンクに自車両が進入したか否かを判定し、進入した場合続いてステップ180を実行し、進入していない場合再度ステップ160を実行する。ステップ180では、次のリンクの制限速度情報の通知を終了し、その後処理をステップ110に戻す。
【0043】
以上のようなプログラム100を実行することで、制御回路17は、経路案内処理の実行中に(ステップ110参照)、現在走行中の走行道路と、誘導経路に沿って走行道路から交差点を越えた次の道路、および次の道路の制限速度情報を取得し(ステップ130、140参照)、車両が当該走行道路を走行している間に、次の道路の通知ポイントに到達した場合には(ステップ150参照)、次の道路の制限速度の情報を、車両のドライバに画像または音声で通知し(ステップ160参照)、次の道路に自車両が進入した場合(ステップ170参照)、その通知を終了する(ステップ180参照)。
【0044】
このように、車両用ナビゲーション装置1は、自車両が走行している道路よりも先の道路についての制限速度の情報を通知することで、ドライバの交通違反を未然に防止することができる。また、制限速度の情報を通知する対象の道路は、自車両が走行している道路から交差点を隔てたすぐ次の道路であるので、通知のタイミングは、交通違反を未然に防止するという観点からは効果的である。
【0045】
また、車両用ナビゲーション装置1は、次の道路の制限速度の表示の際には、走行道路における交差点への複数の進入レーンを画像表示装置12に表示させると共に、当該複数の進入レーンのうち、次の道路へ抜けるための進入レーンに対応付けて、次の道路の制限速度の情報を、画像表示装置12に表示させるようになっている。このようになっていることで、次の道路の制限速度と、交差点を次の道路に抜けるための進入レーンとの関係を、ユーザに強く印象付けることができる。
【0046】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。
【0047】
例えば、上記実施形態においては、次のリンクは、必ずしも誘導経路に沿ったリンクでなくともよい。例えば、誘導経路に沿った次のリンク以外にも、進入交差点から退出するときに入ることが可能なすべてのリンクを次のリンクとし、それらすべて(あるいは一部)について、制限速度情報を通知するようになっていてもよい。
【0048】
また、制御回路17は、現在走行中の走行リンクの制限速度の情報もステップ130で取得し、ステップ150では、通知ポイントに到達し、かつ、走行リンクの制限速度と次のリンクの制限速度とが異なる場合にのみ、続いてステップ160を実行するようになっていてもよい。なおこの場合、制御回路17は、ステップ150を繰り返し実行しているときに、自車両が次のリンクに進入した場合には、処理をステップ110に戻すようになっていてもよい。
【0049】
このようになっていることで、制御回路17は、走行リンクの制限速度と次のリンクの制限速度とが異なるという条件が満たされた場合に、次のリンクの制限速度の情報を通知し、走行リンクの制限速度と次のリンクの制限速度とが同じであるという禁止条件が満たされている場合に、次のリンクの制限速度の情報の通知を禁止するようになる。
【0050】
現在の走行リンクと次のリンクとの制限速度が同じ場合よりも、同じでない場合の方が、次のリンクに車両が入った場合における交通違反の恐れが高くなる。したがって、上記のように、現在の走行リンクと次のリンクとの制限速度が異なっている状況において、重点的に次のリンクの制限速度通知を行うことで、より効果的な通知を行うことができるようになる。
【0051】
また、制御回路17は、ステップ150では、通知ポイントに到達し、かつ、次のリンクが渋滞でない場合にのみ、続いてステップ160を実行するようになっていてもよい。次のリンクが渋滞であるか否かは、交通情報受信機15が受信した情報に基づいて判定する。なおこの場合、制御回路17は、ステップ150を繰り返し実行しているときに、自車両が次のリンクに進入した場合には、処理をステップ110に戻すようになっていてもよい。
【0052】
このように、交通情報受信機15からの交通情報との連携により、渋滞等により、次のリンクで制限速度以上の速度を出すことができないと判断した場合、次のリンクについての制限速度を通知しないようにしてもよい。
【0053】
すなわち、制御回路17は、次のリンクが渋滞している等の禁止条件が満たされたことに基づいて、次のリンクの制限速度の情報の通知を禁止するようになっていてもよい。このようになっていることで、次のリンクが渋滞している等の、速度超過による交通違反の可能性がほとんどないような状況においてまで、次のリンクの制限速度の通知を行ってしまう可能性が低下する。その結果、他の場面における次のリンクの制限速度の通知が、より効果的なものとなる。
【0054】
また、制御回路17は、ステップ150では、通知ポイントに到達し、かつ、誘導経路に沿えば次の道路を直進する距離が基準距離(例えば10m)以上である場合にのみ、続いてステップ160を実行するようになっていてもよい。なおこの場合、制御回路17は、ステップ150を繰り返し実行しているときに、自車両が次のリンクに進入した場合には、処理をステップ110に戻すようになっていてもよい。
【0055】
このように、誘導経路に沿えば、次のリンク以降右左折が短距離で連続し、その結果、誘導経路に沿えば次のリンクを直進する距離が基準距離(例えば100m)より短いという禁止条件が満たされたことに基づいて、次のリンクの制限速度の情報の通知を禁止することで、次のリンクにおける自車両の直進距離が短いという、速度超過による交通違反の可能性が低い状況においてまで、次のリンクの制限速度の通知を行ってしまう可能性が低下する。その結果、他の場面における次のリンクの制限速度の通知が、より効果的なものとなる。
【0056】
また、制御回路17は、上記のような各種禁止条件が満たされている場合であっても、自車両が高速道路から一般道路に降りてから基準時間(例えば30分)以内は、ステップ150では、通知ポイントに到達してさえいれば、常にステップ160で次のリンクの制限速度の情報の通知を行う(すなわち、通知の禁止を行わない)ようになっていてもよい。
【0057】
車両が高速道路から一般道路に降りてすぐの場合は、高い速度で走行してしまう可能性が高い。したがって、車両が高速道路から一般道路に降りてから基準時間内は、上記のような禁止条件が満たされていたとしても、次のリンクの制限速度の情報の通知を行えば、交通違反の可能性を効果的に低減することができる。
【0058】
また、上記の実施形態において、制御回路17がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
【0059】
また、上記実施形態においては、車両用ナビゲーション装置1は車載タイプのものであるが、ナビゲーション装置は、人が車両内に持ち込んで使用するようなものであってもよい。例えば、ナビゲーション装置の機能を有する携帯電話機やPDAも、本発明のナビゲーション装置に該当する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1の構成図である。
【図2】制御回路17が実行するプログラム100のフローチャートである。
【図3】画像による次のリンクの制限速度情報の通知例である。
【図4】画像による次のリンクの制限速度情報の通知例である。
【符号の説明】
【0061】
1 車両用ナビゲーション装置
12 画像表示装置
14 スピーカ
15 交通情報受信機
17 制御回路
20 自車位置マーク
21、31 進入交差点
22〜24、41〜46 レーン表示
25、41 制限速度表示
32 交差点拡大図
33 誘導経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の走行速度通知装置であって、
前記車両の走行している走行道路から交差点を越えた次の道路についての制限速度の情報を取得する取得手段(140)と、
前記取得手段が取得した前記制限速度の情報を、前記車両が前記走行道路を走行している間に、前記車両のドライバに通知する通知手段(160)と、を備えた走行速度通知装置。
【請求項2】
前記通知手段(160)は、前記走行道路における前記交差点への複数の進入レーンを画像表示装置(12)に表示させると共に、前記複数の進入レーンのうち、前記次の道路へ抜けるための進入レーンに対応付けて、前記次の道路の前記制限速度の情報を、前記画像表示装置(12)に表示させることを特徴とする請求項1に記載の走行速度通知装置。
【請求項3】
前記通知手段(160)は、前記走行道路の制限速度と前記次の道路の制限速度とが異なるという条件が満たされた場合に、前記次の道路の制限速度の情報を通知し、前記走行道路の制限速度と前記次の道路の制限速度とが同じであるという禁止条件が満たされている場合に、前記次の道路の制限速度の情報の通知を禁止することを特徴とする請求項1または2に記載の走行速度通知装置。
【請求項4】
前記通知手段(160)は、前記次の道路が渋滞しているという禁止条件が満たされたことに基づいて、前記次の道路の制限速度の情報の通知を禁止することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の走行速度通知装置。
【請求項5】
前記通知手段(160)は、前記次の道路を直進する距離が基準距離より短いという禁止条件が満たされたことに基づいて、前記次の道路の制限速度の情報の通知を禁止することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の走行速度通知装置。
【請求項6】
前記通知手段(160)は、前記禁止条件が満たされている場合であっても、前記車両が高速道路から一般道路に降りてから基準時間内は、前記次の道路の制限速度の情報の通知を行うことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1つに記載の走行速度通知装置。
【請求項7】
車両用の走行速度通知装置に用いるプログラムであって、
前記車両の走行している走行道路から交差点を越えた次の道路についての制限速度の情報を取得する取得手段(140)、および
前記取得手段が取得した前記制限速度の情報を、前記車両が前記走行道路を走行している間に、前記車両のドライバに通知する通知手段(160)として、コンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−25774(P2010−25774A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−187997(P2008−187997)
【出願日】平成20年7月21日(2008.7.21)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】