説明

路車間通信システム及び車載器

【課題】センター装置から路側無線装置を介して提供されたコンテンツ情報が自車の走行車線用のコンテンツ情報か否かを、車載器側で判断して再生する路車間通信システムを提供する。
【解決手段】路車間通信システムにおいて、複数の路側無線装置に、それぞれを識別するための識別情報を付与する。センター装置は、路側無線装置を介して、当該路側無線装置の識別情報を第1識別情報として送信するとともに、当該路側無線装置が設置されている車線を走行していれば到達するまでに経由していると推測される路側無線装置の識別情報を第2識別情報として送信する。車載器は、センター装置から送信された前記第1識別情報を記憶し、次回、センター装置から送信された第2識別情報に、記憶した第1識別情報が含まれる場合に、当該第2識別情報とともに送信されたコンテンツ情報を再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路車間通信システム及び車載器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、路上に設置された路側無線装置と車両に搭載された車載器から構成され、路側無線装置と車載器の間で双方向の無線通信を行う路車間通信システムが知られている。この路車間通信システムでは、例えば、DSRC(Dedicated Short Range Communication)と呼ばれる狭域通信方式が採用されている。
【0003】
車載器は、路側無線装置と狭域無線通信を行い、当該路側無線装置を介してセンター装置から情報提供を受けることが可能となっている。すなわち、車両が路側無線装置の通信範囲内にある間のみ、車載器と路側無線装置との双方向通信が可能となり、この間にセンター装置から路側無線装置を介して車載器にコンテンツ情報が提供される。
上述した路車間通信システムでは、コンテンツ情報として、例えば、路上前方に停止車両等の障害物があることや前方に合流部があること等、走行を支援するための情報(走行支援情報)を車載器に提供することができるので、交通事故を未然に防止するのに非常に有効である。
【0004】
ところで、上下線の道路における路車間通信システムでは、上り車線と下り車線のそれぞれに路側無線装置が設置される。そして、上下線を区別して、それぞれの車線で有効な走行支援情報が提供される。例えば、見通しの悪いカーブ手前、合流車の見落としが発生しやすい合流部、ハイウェイラジオ等のように前方で発生している交通状況や気象状況等の様々情報を提供する区間等においては、上下線別に走行支援情報が提供される。
【0005】
このような場合、路側無線装置から発信される電波が反対車線に到達しないように通信可能範囲を設定することで、上下線別に走行支援情報が提供されるようにしている。しかしながら、電波の漏洩や乱反射等により、本来は提供対象外の反対車線の車両に対して走行支援情報が提供されることがある。
特に、ナビゲーション機能を有さず、自車の現在位置(走行路線、走行方向等)を特定できない車載器(例えば、発話型車載器)においては、基本的に受信した情報をそのまま再生(発話)するため、本来提供されないはずの情報を受信し出力してしまうと、運転者を混乱させることとなり、運転の安全性を阻害しかねない。
【0006】
路車間通信システムにおける電波の漏洩等を防止する技術としては、例えば、特許文献1がある。特許文献1に記載の技術は、路車間通信システムの一例であるETCシステムにおいて、送受信アンテナの通信領域内における電波の乱反射、及び通信領域からの電波の漏洩を抑制しうる電波吸収体を設けるものである。
【特許文献1】特開2002−237719号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、高速道路等の料金所に設けられるETCシステムという制限された領域においては有効であるが、一般道路における路車間通信システムに適用するのは困難である。すなわち、特許文献1に記載の技術を一般道路に適用するのは、専用のインフラが必要となり莫大な費用を要する上、景観を損なうことにもなり、現実的ではない。
【0008】
本発明は、センター装置から路側無線装置を介して提供されたコンテンツ情報が自車の走行車線用のコンテンツ情報か否かを、車載器側で判断して出力する路車間通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、走行する車両に搭載された車載器と、
前記車載器と狭域通信を行う複数の路側無線装置と、
前記路側無線装置と通信可能に接続され、前記路側無線装置を介して前記車載器にコンテンツ情報を送信するセンター装置と、を備える路車間通信システムにおいて、
前記複数の路側無線装置には、それぞれを識別するための識別情報が付与されており、
前記センター装置は、前記路側無線装置を介して、当該路側無線装置の識別情報を第1識別情報として送信するとともに、当該路側無線装置が設置されている車線を走行していれば到達するまでに経由していると推測される路側無線装置の識別情報を第2識別情報として送信し、
前記車載器は、前記センター装置から送信された前記第1識別情報を記憶し、次回、前記センター装置から送信された前記第2識別情報に、前記記憶した第1識別情報が含まれる場合に、当該第2識別情報とともに送信されたコンテンツ情報を再生することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、
走行する車両に搭載された車載器と、
前記車載器と狭域通信を行い、前記車載器にコンテンツ情報を送信する複数の路側無線装置と、を備える路車間通信システムにおいて、
前記複数の路側無線装置には、それぞれを識別するための識別情報が付与されており、
前記路側無線装置は、当該路側無線装置の識別情報を第1識別情報として送信するとともに、当該路側無線装置が設置されている車線を走行していれば到達するまでに経由していると推測される路側無線装置の識別情報を第2識別情報として送信し、
前記車載器は、前記路側無線装置から送信された前記第1識別情報を記憶し、次回、前記路側無線装置から送信された前記第2識別情報に、前記記憶した第1識別情報が含まれる場合に、当該第2識別情報とともに送信されたコンテンツ情報を再生することを特徴とする路車間通信システムである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、
それぞれを識別するための識別情報が付与された複数の路側無線装置と無線通信可能で、前記路側無線装置から送信された、当該路側無線装置の識別情報を第1識別情報として受信するとともに、当該路側無線装置が設置されている車線を走行していれば到達するまでに経由していると推測される路側無線装置の識別情報を第2識別情報として受信する通信部と、
前記路側無線装置から送信された前記第1識別情報を記憶する記憶部と、
前記路側無線装置から提供されたコンテンツ情報を再生する再生部と、
前記路側無線装置から送信された前記第2識別情報に、前記記憶部に記憶されている第1識別情報が含まれる場合に、当該第2識別情報とともに送信されたコンテンツ情報を前記再生部に再生させる制御部と、を備えることを特徴とする車載器である。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の車載器において、
前記制御部は、前記路側無線装置から送信された前記第1識別情報を前記記憶部に順次記憶して蓄積させ、次回、前記路側無線装置から送信された前記第2識別情報に、前記記憶部に記憶されている第1識別情報の何れかが含まれる場合に、当該第2識別情報とともに送信されたコンテンツ情報を再生させることとを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の車載器において、
前記制御部は、前記路側無線装置から送信されたコンテンツ情報を再生した場合には、前記記憶部に記憶されている第1識別情報を削除し、今回受信した第1識別情報を新たに記憶させることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項3から5の何れか一項に記載の車載器において、
前記コンテンツ情報は、道路の上下線を区別して提供される走行支援情報であることを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項3から6のいずれか一項に記載の車載器において、
ナビゲーション機能を有さず、当該車載器が搭載された車両の自車位置及び走行方向を把握不能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る路側通信システムによれば、センター装置或いは路側無線装置から提供されたコンテンツ情報が自車の走行車線用のコンテンツ情報か否かを、車載器側で判断して出力するので、運転者に本来提供されるべきでないコンテンツ情報が提供されるのを防止できる。
したがって、運転者は、有効なコンテンツ情報の提供を受けられるとともに、誤ったコンテンツ情報により混乱させられることはなくなるので、運転の安全性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る路車間通信システム100のシステム構成を示す説明図である。
図1に示すように、路車間通信システム100は、センター装置1、路側無線装置2、車両Cに搭載された車載器5を含んで構成される。なお、図1では、1台のセンター装置1のみ示したが、コンテンツ情報を提供する提供事業者はローカルな情報を配信する配信事業者を含めると複数あり、センター装置1は提供事業者毎に備えられるものである。
【0018】
路側無線装置2は、路上や駐車場等に複数設置され、各路側無線装置2はネットワークNを介してセンター装置1と接続されている。また、路側無線装置2は、車載器5と狭域通信(DSRC)により情報の送受信を行う。
すなわち、センター装置1は、路側無線装置2を介して車載器5にコンテンツ情報を提供可能となっている。そして、車載器5は、提供されたコンテンツ情報に基づいて再生処理を行い、例えば、スピーカから音声を出力する。
【0019】
本実施形態では、走行支援情報等のように上下線別に区別して提供されるコンテンツ情報については、車載器5側で当該車両Cが走行する車線用に提供されたコンテンツ情報であるか否かを判断して再生する。
そのために、路側無線装置2からは、コンテンツ情報とともに、当該路側無線装置2の識別情報(自路側識別情報)と、当該路側無線装置2が設置されている車線を走行していれば到達するまでに経由していると推測される路側無線装置2の識別情報(経由路側識別情報)を車載器5に送信するようにしている。
【0020】
具体的には、車載器5は、路側無線装置2から送信された自路側識別情報を記憶して蓄積しておく。その後、別の路側無線装置2から提供される経由路側識別情報の中に、記憶しておいた路側識別情報が含まれている場合に、当該別の路線無線装置2から提供されるコンテンツ情報は、自車が走行している車線用の情報であると判断し、再生する。
これにより、運転者に本来提供されるべきでないコンテンツ情報(例えば、反対車線用のコンテンツ情報)が提供されるのを防止できる。したがって、運転者は、有効なコンテンツ情報の提供を受けられるとともに、誤ったコンテンツ情報により混乱させられることはなくなるので、運転の安全性を向上できる。
【0021】
図2は、センター装置1及び路側無線装置2の内部構成を示すブロック図である。すなわち、センター装置1及び路側無線装置2は、図2に示す機能ブロックからなる処理装置(例えば、コンピュータ端末)を備えている。
【0022】
図2に示すように、センター装置1は、制御部11、コンテンツ情報記憶部13、ネットワーク通信部12、路側識別情報記憶部14、を備えて構成される。
制御部11は、CPU111、ROM112、RAM113を備える。CPU111は、RAM113を作業領域として、ROM112に記憶された制御プラグラムを実行することにより、各種演算を行うほか、ネットワーク通信部13を制御する。
【0023】
ネットワーク通信部12は、ネットワークNを介して路側無線装置2にコンテンツ情報、自路側識別情報、経由路側識別情報(以下、コンテンツ情報等と称する)を送信する。このコンテンツ情報等は、路側無線装置2のDSRC通信部22から車載器5に送信されることとなる。
【0024】
コンテンツ情報記憶部13は、例えば、ハードディスクで構成され、車載器5に提供するためのコンテンツ情報を記憶する。コンテンツ情報とは、主に車載器5に提供する読み上げ情報等が含まれる。その内容としては、例えば、路上前方に停止車両等の障害物があることや前方に合流部があること等、走行を支援するための情報(走行支援情報)の他、店舗の広告や駐車場、施設への案内等、様々なものが挙げられる。特に、走行支援情報には、道路の上下線を区別して提供されるものもある。
【0025】
路側識別情報記憶部14は、例えば、不揮発メモリで構成され、車両Cに対して、コンテンツ情報とともに送信するための路側識別情報を記憶する。
この路側識別情報は、車載器5にコンテンツ情報を送信している路側無線装置を識別できる情報であれば特に制限されない。例えば、路側無線装置2に付与された固有の路側ID、VICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)で用いられるビーコンID、路側無線装置の設置位置情報(緯度・経度情報)等を利用できる。
【0026】
路側識別情報記憶部14は、例えば、コンテンツ情報を車載器5に送信させる路側無線装置2の識別情報(自路側識別情報)と、当該路側無線装置2が設置されている車線を走行していれば到達するまでに経由していると推測される路側無線装置2の識別情報(経由路側識別情報)を、路車間通信システム100を構成する複数の路側無線装置2ごとに記憶している。
制御部11は、例えば、路側無線装置2を介して車載器5にコンテンツ情報を送信する際に、このコンテンツ情報を送信させる路側無線装置2に基づく路側識別情報をコンテンツ情報とともに送信させる。
【0027】
路側無線装置2は、制御部21、DSRC通信部22、ネットワーク通信部23、を備えて構成される。
制御部21は、CPU211、ROM212、RAM213を備える。CPU211は、RAM213を作業領域として、ROM212に記憶された制御プラグラムを実行することにより、各種演算を行うほか、DSRC通信部22、ネットワーク通信部23を制御する。
【0028】
DSRC通信部22は、DSRCにより車両Cに搭載されている車載器5とコンテンツ情報等の送受信を行う。
ネットワーク通信部23は、ネットワークNを介してセンター装置1からのコンテンツ情報等を受信する。
【0029】
路側無線装置2では、例えば、センター装置1からコンテンツ情報等を車載器5に提供するように命令があったときに、コンテンツ情報と路側識別情報(自路側識別情報及び経由路側識別情報)を有するDSRC電波を常時発信することとなる。
【0030】
図3は、路側無線装置2の通信可能範囲である路側エリアZの説明図である。
図3に示すように、路側無線装置2は、道路脇や道路上方に設置されたアンテナ2aから到達距離が限定されたDSRC電波を放射し、路側無線装置近傍に路側エリアZを形成する。ここで、DSRCとは、5.8GHz帯の電波を使った狭域通信方式であり、その通信範囲は、例えば、数メートルから数十メートルとされる。
【0031】
路車間通信システム100では、複数の路側無線装置2が設置されるが、路側無線装置2からのDSRC電波の出力は何れも同じ程度に設定されるので、複数の路側無線装置2がそれぞれ形成する路側エリアは設定場所に関係なく、ほぼ一定である。そして、路側無線装置2は、それぞれの路側エリア内にある車両Cに搭載された車載器5とだけ、双方向無線通信(路車間通信)が可能となる。
【0032】
一般に、路側無線装置2が上下線の道路に設置される場合、路側無線装置2から発信されるDSRC電波が反対車線に到達しないように路側エリアZは設定される。これにより、上下線別にコンテンツ情報(例えば、走行支援情報)を提供できるようにしている。
しかしながら、電波の漏洩や反射等により、本来は提供対象外の反対車線の車両に対してコンテンツ情報が提供されることがある。本実施形態では、このように反対車線用のコンテンツ情報が提供された場合であっても、このコンテンツ情報を再生せずに、走行車線用のコンテンツ情報だけを再生することができる。
【0033】
図4は、車両Cに搭載される車載器5の一構成例を示すブロック図である。
車載器5は、ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)に適用可能なITS車載器であり、例えば、従来の路車間通信システムにおいて、センター装置から路側無線装置を介して送信されたコンテンツ情報等を受信し、再生するものである。
【0034】
図4に示すように、車載器5は、制御部51、DSRC部52、VICSモジュール53、出力部54、路側識別情報記憶部55、を備えて構成されている。
【0035】
制御部51は、CPU511、ROM512、RAM513を備えて構成される。CPU511は、RAM513を作業領域として、ROM512に記憶された制御プラグラムを実行することにより、各種演算を行うほか、各部の集中制御を行う。
【0036】
例えば、路側無線装置2とDSRCによる通信を行う際には、DSRC部52の通信動作を制御する。なお、DSRC部52の制御にあたっては、DSRC部52のDSRC制御部521との協働により制御を行うこととなる。
また、有料道路の流出ランプに設けられるETC基地局から送信された課金情報をDSRC部52において受信したときに、DSRC部52(ETC処理部524)を制御して決済情報に基づく課金処理を行わせる。
【0037】
さらに、CPU511は、ROM512に記憶されているコンテンツ再生プログラムを実行することにより、車線別に提供されているコンテンツ情報については、路側無線装置2から送信される路側識別情報に基づいて、車載器5を搭載する車両の走行車線において有効なコンテンツ情報だけを再生させる処理を行う。このコンテンツ再生処理については、後述する。
【0038】
DSRC部52は、DSRC制御部521、DSRC通信部522、記憶部523、ETC処理部524、ICカードインターフェース525、を備えて構成され、路側無線装置やETC基地局とDSRCにより通信するための処理を行う。
【0039】
DSRC制御部521は、CPU、ROM、RAM(何れも図示略)を備えて構成され、ROMに記憶されている制御プログラムとの協働によりDSRC部52の各部の動作を制御する。
例えば、ETCによる決済を行う際には、DSRC通信部522の通信動作を制御してETC基地局から決済情報を受信させる。また、ETC処理部524により決済情報をクレジットカード等のICに書き込む処理を行わせる。
また例えば、DSRC通信部522により路側無線装置2を介してセンター装置1からのコンテンツ情報を受信した場合には、これを制御部51に伝送する。
【0040】
DSRC通信部522は、車両Cのダッシュボード上でフロントガラス近傍に設置されたアンテナを備え、このアンテナを介して路側無線装置2やETC基地局と、DSRCによる通信を行う。
【0041】
記憶部523は、例えば、不揮発メモリで構成され、車載器5に付番される車載器IDや、車載器5を搭載する車両Cの車両情報等を記憶する。
車載器IDは、製造時に個々の車載器に付番される車載器情報である。車両情報は、車載器5を搭載する車両Cのナンバープレート情報や、車種情報(大型車両、中型車両、小型車両、身障者運転者両など)を含み、車両Cに車載器5を搭載する際に登録される(セットアップ)。
【0042】
ETC処理部524は、ICカードインターフェース525に挿抜されるIC付きクレジットカード又はデビットカード等に対して、決済情報等の読み書きを行う。
ICカードインターフェース525は、クレジットカード等のスロットを備え、このスロットに挿入されたクレジットカード等のICとETC処理部524の間で情報のやりとりを仲介する。
【0043】
VICSモジュール53は、光通信用、FM通信用、2.4GHz電波通信用のアンテナをそれぞれ備え、VICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)センターと光通信、FM通信、電波通信を行う。VICSモジュール33は、VICSセンターから渋滞情報や道路交通情報等を受信し、制御部51に伝送する。
【0044】
出力部54は、スピーカ541とディスプレイ542で構成される。例えば、センター装置1から提供されたコンテンツ情報が再生されると、スピーカ541では音声案内が出力され、ディスプレイでは表示案内が出力される。
【0045】
路側識別情報記憶部55は、センター装置1から路側無線装置を介して送信された、当該路側無線装置の識別情報(第1識別情報)を記憶する。路側識別情報記憶部55には、経由してきた路側無線装置の識別情報が順次記憶され、蓄積されることとなる。
【0046】
上述したように、本実施形態に係る車載器5は、ナビゲーション機能を有さないので、当該車載器5が搭載された車両Cの自車位置及び走行方向を把握することはできない。このため、路側無線装置2から車線別のコンテンツ情報が送信された場合に、自車の走行車線を特定してコンテンツ情報の再生を行うことができない。
本実施形態の路車間通信システム100では、コンテンツ情報を送信する路側無線装置2から、当該路側無線装置2の識別情報(自路側識別情報)を送信するとともに、当該路側無線装置2が設置された車線を走行していれば到達するまでに経由していると推測される路側無線装置2の識別情報(経由路側識別情報)を車載器5に送信することで、車載器側5で、コンテンツ再生条件が成立しているか否かを判断し、走行車線用の適切なコンテンツ情報だけを再生することができるようにしている。
【0047】
図5〜8を参照して、車載器5において実行されるコンテンツ再生処理について説明する。
図5は、車載器5において実行されるコンテンツ再生処理の一例について示すフローチャートである。このコンテンツ再生処理は、車載器5において、CPU511がROM512内のコンテンツ再生プログラムを実行することにより実現される。本実施形態では、路側識別情報として路側IDを利用するものとする。
【0048】
図6は、路車間で送受信される情報及び車載器5において記憶される情報について示す説明図である。図6には、図7の一部を抜粋して示している。すなわち、路側無線装置A1、A4が車両Cの走行車線側に設けられ、路側無線装置A5が反対車線側に設けられている。
図6に示すように、路側無線装置A1、A4、A5は、自路側ID(自路側識別情報)、経由路側ID(経由路側識別情報)、コンテンツ情報、を車載器5に対して送信する。なお、路側無線装置A1における経由路側ID“−”は、図7で示された道路以外に設置された路側無線装置の路側IDであることを示す。
【0049】
図5において、ステップS101では、車両Cが路側無線装置2の路側エリアZを通過して、コンテンツ情報等を受信したか判定する。そして、コンテンツ情報等を受信すると、ステップS102に移行する。
【0050】
ステップS102では、受信したコンテンツ情報が運転者に対して災害時の停車や避難等の行動を支持する緊急情報であるか判定する。コンテンツ情報が緊急情報であるか否かは、コンテンツ情報に付加されるID番号によって判別できる。
そして、受信したコンテンツ情報が緊急情報であると判定した場合は、ステップS106に移行してコンテンツ情報を再生する。一方、受信したコンテンツ情報が緊急情報でないと判定した場合は、ステップS103に移行する。
すなわち、受信したコンテンツ情報が緊急情報である場合には、走行車線に設置された路側無線装置であるか否かに関係なく、コンテンツ情報を再生させるようにしている。
【0051】
ステップS103では、受信した情報に経由路側IDが含まれているか判定する。そして、経由路側IDが含まれていると判定した場合はステップS104に移行し、含まれていないと判定した場合はステップS106に移行する。
例えば、従来利用されている路車間通信システムにおいては経由路側IDは提供されないので、このような場合にはコンテンツ情報を再生させることとしている。
【0052】
ステップS104では、受信した経由路側IDに、記憶されている路側ID(実際にコンテンツ情報等を受信した路側無線装置の路側ID)が含まれるか判定する。記憶されている路側IDが複数ある場合には、その中の何れか一つが受信した経由路側IDに含まれるか判定する。なお、運転開始時等、路側IDが一つも記憶されていない場合は、受信した経由路側IDに、記憶されている路側IDは含まれないものとして扱えばよい。
【0053】
そして、受信した経由路側IDに、記憶されている路側IDが含まれないと判定した場合は、ステップS107に移行して、受信した自路側IDを、経由してきた路側IDとしてさらに記憶する。
例えば、図6において、路側無線装置A5では、自路側ID“5”、経由路側ID“3、7”、コンテンツ情報5が車両Cに対して送信されている。車両Cが路側無線装置A5を通過するとき、反対車線用の情報であるにも拘わらずコンテンツ情報等を受信した場合は、受信した経由路側ID“3、7”に、記憶されている路側ID“1”は含まれないので、自路側ID“5”が経由してきた路側IDとして追加される。車両Cが路側無線装置A5を通過するとき、コンテンツ情報等を受信しなければ、経由してきた路側IDは変わらず“1”だけとなる。
なお、この時点では、車両Cの走行車線はどちらなのか判断しかねる(路側無線装置A1が反対車線用で、路側無線装置A5が走行車線用の路側無線装置であるかもしれない)ために、実際に受信した自路側IDを経由してきた路側IDとして記憶するようにしている。
【0054】
ステップS104において、受信した経由路側IDに、記憶されている路側IDが含まれると判定した場合は、ステップS105に移行する。
例えば、図6において、路側無線装置A4では、自路側ID“4”、経由路側ID“1”、コンテンツ情報4が車両Cに対して送信されている。車両Cは、路側無線装置A4を通過するとき経由路側ID“1”を受信する。一方、車載器5の路側識別情報記憶部55には、経由してきた路側IDとして、“1、5”(路側無線装置A5で情報受信)又は“1”(路側無線装置A5で情報不受信)が記憶されている。したがって、路側無線装置A4から受信した経由路側ID“1”には、記憶されている路側IDの何れかが含まれることとなる。
【0055】
ステップS105では、受信したコンテンツ情報を再生する。例えば、車載器5の出力部54において、受信したコンテンツ情報を再生し、スピーカ541で音声案内を出力したり、ディスプレイ542で画面表示案内を出力したりする。図6において、車両Cが路側無線装置A4を通過した際には、コンテンツ情報4が再生される。
【0056】
ステップS106では、車載器5の路側識別情報記憶部55に記憶されている路側IDをすべて削除する。
ステップS107では、受信した自路側IDを新たに記憶する。例えば、図6において、路側無線装置A4を通過したときには、車載器5の路側識別情報記憶部55に記憶されていた、経由してきた路側ID“1、5”(路側無線装置A5で情報受信)又は“1”(路側無線装置A5で情報不受信)が削除され、新たに路側無線装置A4の路側ID“4”が記憶されることとなる。
【0057】
このように、車載器5は、センター装置1から送信されたコンテンツ情報を再生した場合には、経由してきたものとして記憶していた路側IDを削除し、今回受信した路側IDを経由してきた路側IDとして新たに記憶する。これにより、経由してきた路側IDが蓄積されすぎて、誤ってコンテンツ情報が再生される可能性が高くなる(経由路側IDに含まれる可能性が高くなる)のを防止できる。
また、一定数の路側IDが蓄積された場合には、古い順に削除して新しく取得された路側IDに書き換えるようにしてもよい。
【0058】
図7、8を参照して、一般道路に複数の路側無線装置2を設置した路車間通信システム100において、コンテンツ情報がどのように再生されるかについて具体的に説明する。
図7は、路側無線装置の設置状況の一例を示す説明図である。図7では、各路側無線装置で送信される自路側IDと経由路側IDを、“路側無線装置の符号(自路側ID:経由路側ID)の形式で示している。すなわち、路側無線装置A1では、自路側ID“1”、経由路側ID“−”が車両Cに送信される。また、路側無線装置A2では、自路側ID“2”、経由路側ID“1、3、5、12”が車両Cに送信される。
【0059】
なお、図7において、路側無線装置が提供する経由路側IDには、当該路側無線装置が設置されている車線を走行していれば到達するまでに経由していると推測されるにも関わらず、含まれていない路側IDもある。例えば、路側無線装置A2について説明すると、路側無線装置A2が設置されている車線(道路R3の上り車線)を走行する車両Cは、路側無線装置A7を経由していることも考えられるが、この路側無線装置A7の路側IDは路側無線装置A2の経由路側IDとされていない。この場合、必ず路側無線装置A5を経由するので、路側無線装置A5の路側IDを経由路側IDとしておけば足りるからである。所定範囲内の経由すると推測される経由路側IDにおいて、走行方向の出力されるべき経由路側IDの手前の経由され得るIDを保持している。
【0060】
図8は、図7に示す各路側無線装置が設置された状況において、車載器5で実行されるコンテンツ再生の一例を示す説明図である。図8では、車両が走行するルートと、当該ルートにおいて受信する路側無線装置の路側ID、及びコンテンツ情報の再生の有無を対応させて示している。ここでは、走行車線又は反対車線に関わらず、路側無線装置から送信されたコンテンツ情報等はすべて受信するものとして説明する。
【0061】
例えば、ルート1aは、道路R1の上り車線を走行し、交差点C1で左折して、道路R3の上り車線を走行するルートである。ルート1aを走行した車両に搭載された車載器では、路側無線装置A1、A2でコンテンツ情報等が順次受信され、路側無線装置A2を通過するときにコンテンツ情報が再生(発話)される。
【0062】
また、ルート1bは、道路R1の上り車線を走行し、交差点C2で左折して、道路R4の上り車線を走行するルートである。ルート1bを走行した車両に搭載された車載器では、路側無線装置A1、A5、A3でコンテンツ情報等が順次受信されるが、何れの路側無線装置A1、A5、A3から受信されたコンテンツ情報も再生(発話)されない。つまり、路側無線装置A5を通過するときには、路側無線装置A5における経由路側IDに路側無線装置A1の路側ID“1”が含まれない(図5のステップS104で“NO”)ので、コンテンツ情報は再生されない。また、路側無線装置A3においては、経由路側IDは図7で示された道路以外の路側IDであるためコンテンツ情報は再生されない。
【0063】
また、ルート1cは、道路R1の上り車線を直進して走行するルートである。ルート1cを走行した車両に搭載された車載器では、路側無線装置A1、A5、A4でコンテンツ情報等が順次受信され、路側無線装置A4を通過するときにコンテンツ情報が再生(発話)される。路側無線装置A5を通過するときには、路側無線装置A5における経由路側IDに路側無線装置A1の路側ID“1”が含まれない(図5のステップS103で“NO”)ので、コンテンツ情報は再生されない。
【0064】
なお、ルート2cのように、自車の走行車線に設置された路側無線装置A4からコンテンツ情報等を受信した場合であっても、コンテンツ情報が再生されない場合もある。ただし、路側無線装置の設置を工夫することにより、このような問題は解消されると考えられる。例えば、同一区間における上り車線と下り車線のそれぞれに、少なくとも一つ路側無線装置を設置すればよい。
【0065】
このように、上記ルートにおいて、路側無線装置から送信されるコンテンツ情報が、自車が走行している車線用のものであるときにだけ再生される。つまり、本実施形態の路車間通信システム100によれば、自車の走行車線に設置された路側無線装置から、2回コンテンツ情報等を受信したときに、走行車線用のコンテンツ情報であると判断して、再生することとなる。
【0066】
上述したように、本実施形態の路車間通信システム100は、走行する車両に搭載された車載器5と、車載器5と狭域通信を行う複数の路側無線装置2と、路側無線装置2と通信可能に接続され、路側無線装置2を介して車載器5にコンテンツ情報を送信するセンター装置1と、を備える。複数の路側無線装置2には、それぞれを識別するための識別情報が付与されている。
そして、センター装置1は、路側無線装置2を介して、当該路側無線装置2の識別情報を第1識別情報(自路側ID)として送信するとともに、当該路側無線装置2が設置されている車線を走行していれば到達するまでに経由していると推測される路側無線装置の識別情報を第2識別情報(経由路側ID)として送信する。
一方、車載器5は、センター装置1から送信された第1識別情報を記憶し、次回、センター装置1から送信された第2識別情報に、記憶した第1識別情報が含まれる場合に、当該第2識別情報とともに送信されたコンテンツ情報を再生する。
【0067】
このように、センター装置1から路側無線装置2を介して提供されたコンテンツ情報が自車の走行車線用のコンテンツ情報か否かを、車載器5側で判断して出力するので、運転者に本来提供されるべきでないコンテンツ情報が提供されるのを防止できる。
したがって、運転者は、有効なコンテンツ情報の提供を受けられるとともに、誤ったコンテンツ情報により混乱させられることはなくなるので、運転の安全性を向上できる。
【0068】
また、車載器5は、センター装置1から送信された第1識別情報(自路側ID)を順次記憶して蓄積し、次回、センター装置1から送信された第2識別情報(経由路側ID)に、記憶した第1識別情報の何れかが含まれる場合に、当該第2識別情報とともに送信されたコンテンツ情報を再生する。
これにより、走行車線に設置された路側無線装置からコンテンツ情報等を受信した後、反対車線に設置された路側無線装置から誤ってコンテンツ情報等を受信した場合であっても、その後、走行車線に設置された路側無線装置からコンテンツ情報等を受信すると、その時点でコンテンツ情報は正常に再生されることとなる。
【0069】
コンテンツ情報が、道路の上下線を区別して提供される走行支援情報である場合には、反対車線用のコンテンツ情報が誤って再生されると交通事故等につながりかねないため、これを再生しないようにすることは非常に意義がある。
また、本実施形態における車載器5は、ナビゲーション機能を有さず、当該車載器が搭載された車両の自車位置及び走行方向を把握不能であるが、このような車載器においても走行車線用のコンテンツ情報を再生させることが可能である。すなわち、ナビゲーション機能を有しない安価な車載器でも、本発明に係る路車間通信システムを実現することできる。
【0070】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0071】
上記実施形態では、経由してきた路側無線装置の路側IDを記憶しておき、この記憶されている路側IDと、経由してきたと推測される経由路側IDを比較して、コンテンツ情報を再生させるか否かを判定しているが、車載器において、その他の方法により、コンテンツ再生条件を判断させるようにしてもよい。
例えば、この先経由すると推測される経由路側IDを記憶しておき、この記憶されている経由路側IDと、今回受信した自路側IDを比較して、コンテンツ情報を再生させるか否かを判定するようにしても良い。
【0072】
すなわち、センター装置1は、路側無線装置2を介して、当該路側無線装置2の識別情報を第1識別情報として送信するとともに、当該路側無線装置2が設置されている車線を走行していれば次に通過すると推測される1又は2以上の路側無線装置の識別情報を第2識別情報として送信する。
そして、車載器5は、センター装置1から送信された第2識別情報を記憶し、次回、センター装置1から送信された第1識別情報が、記憶した第2識別情報に含まれる場合に、当該第1識別情報とともに提供されたコンテンツ情報を再生する。
【0073】
また、コンテンツ情報には、上下線に共通して提供される情報がある。この場合は、コンテンツ情報とともに、路側識別情報を送信させず、受信したコンテンツ情報をすべて再生させるようにするのが望ましい。
【0074】
また、上記実施形態では、センター装置1から路側無線装置2を介してコンテンツ情報を車載器に提供する路車間通信システムについて説明したが、センター装置1を備えない構成とすることもできる。この場合、路側無線装置2がコンテンツ情報及び路側識別情報(自路側ID、経由路側ID)を有し、これらの情報を車載器5に直接提供することとなる。
【0075】
上記実施形態では、路側識別情報として路側無線装置に固有の路側IDを利用した例について示したが、VICSで用いられるビーコンID、路側無線装置の設置位置情報(緯度・経度情報)等を利用することもできる。
また、車載器5は、出力部としてディスプレイを備えていない、いわゆる発話型車載器であっても、本発明を適用することができる。
【0076】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本実施形態に係る路車間通信システムのシステム構成を示す説明図である。
【図2】センター装置及び路側無線装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】路側無線装置の通信可能範囲である路側エリアの説明図である。
【図4】車両に搭載される車載器の一構成例を示すブロック図である。
【図5】車載器5において実行されるコンテンツ再生処理の一例について示すフローチャートである。
【図6】路車間で送受信される情報及び車載器において記憶される情報について示す説明図である。
【図7】路側無線装置の設置状況の一例を示す説明図である。
【図8】図7に示す各路側無線装置が設置された状況において、車載器5で実行されるコンテンツ再生の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0078】
1 センター装置
2 路側無線装置
5 車載器
100 路車間通信システム
C 車両
N ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行する車両に搭載された車載器と、
前記車載器と狭域通信を行う複数の路側無線装置と、
前記路側無線装置と通信可能に接続され、前記路側無線装置を介して前記車載器にコンテンツ情報を送信するセンター装置と、を備える路車間通信システムにおいて、
前記複数の路側無線装置には、それぞれを識別するための識別情報が付与されており、
前記センター装置は、前記路側無線装置を介して、当該路側無線装置の識別情報を第1識別情報として送信するとともに、当該路側無線装置が設置されている車線を走行していれば到達するまでに経由していると推測される路側無線装置の識別情報を第2識別情報として送信し、
前記車載器は、前記センター装置から送信された前記第1識別情報を記憶し、次回、前記センター装置から送信された前記第2識別情報に、前記記憶した第1識別情報が含まれる場合に、当該第2識別情報とともに送信されたコンテンツ情報を再生することを特徴とする路車間通信システム。
【請求項2】
走行する車両に搭載された車載器と、
前記車載器と狭域通信を行い、前記車載器にコンテンツ情報を送信する複数の路側無線装置と、を備える路車間通信システムにおいて、
前記複数の路側無線装置には、それぞれを識別するための識別情報が付与されており、
前記路側無線装置は、当該路側無線装置の識別情報を第1識別情報として送信するとともに、当該路側無線装置が設置されている車線を走行していれば到達するまでに経由していると推測される路側無線装置の識別情報を第2識別情報として送信し、
前記車載器は、前記路側無線装置から送信された前記第1識別情報を記憶し、次回、前記路側無線装置から送信された前記第2識別情報に、前記記憶した第1識別情報が含まれる場合に、当該第2識別情報とともに送信されたコンテンツ情報を再生することを特徴とする路車間通信システム。
【請求項3】
それぞれを識別するための識別情報が付与された複数の路側無線装置と無線通信可能で、前記路側無線装置から送信された、当該路側無線装置の識別情報を第1識別情報として受信するとともに、当該路側無線装置が設置されている車線を走行していれば到達するまでに経由していると推測される路側無線装置の識別情報を第2識別情報として受信する通信部と、
前記路側無線装置から送信された前記第1識別情報を記憶する記憶部と、
前記路側無線装置から提供されたコンテンツ情報を再生する再生部と、
前記路側無線装置から送信された前記第2識別情報に、前記記憶部に記憶されている第1識別情報が含まれる場合に、当該第2識別情報とともに送信されたコンテンツ情報を前記再生部に再生させる制御部と、を備えることを特徴とする車載器。
【請求項4】
前記制御部は、前記路側無線装置から送信された前記第1識別情報を前記記憶部に順次記憶して蓄積させ、次回、前記路側無線装置から送信された前記第2識別情報に、前記記憶部に記憶されている第1識別情報の何れかが含まれる場合に、当該第2識別情報とともに送信されたコンテンツ情報を再生させることとを特徴とする請求項3に記載の車載器。
【請求項5】
前記制御部は、前記路側無線装置から送信されたコンテンツ情報を再生した場合には、前記記憶部に記憶されている第1識別情報を削除し、今回受信した第1識別情報を新たに記憶させることを特徴とする請求項3又は4に記載の車載器。
【請求項6】
前記コンテンツ情報は、道路の上下線を区別して提供される走行支援情報であることを特徴とする請求項3から5の何れか一項に記載の車載器。
【請求項7】
ナビゲーション機能を有さず、当該車載器が搭載された車両の自車位置及び走行方向を把握不能であることを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載の車載器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−151663(P2009−151663A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−330520(P2007−330520)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】