説明

車両の駆動装置

【課題】エンジンの触媒暖機中のエミッションを向上させ、且つエンジンの触媒暖機運転が中断された場合でもエンジンの出力を最低限に抑えることが出来る車両の駆動装置を提供すること。
【解決手段】走行中に触媒暖機用作動を行うようにエンジン120を制御する形式の車両の駆動装置であって、要求駆動力Pusを触媒暖機のために作動するエンジン120の出力Psdと蓄電器220の最大許容出力Woutmaxとの和で満足させることが出来る場合はエンジン120の触媒暖機用作動を許可し、要求駆動力Pusをエンジン120の出力Psdと蓄電器220の最大許容出力Woutmaxとの和で満足させることが出来ない場合はエンジン120の触媒暖機用作動を許可せずエンジン120を走行用作動に切り換え、蓄電器220の最大許容出力Woutmaxと走行用作動のエンジン120との出力によって要求駆動力Pusを満足させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の駆動装置に係り、エンジンと電動機とを備える車両において、車両の走行中に排出される排気ガスの浄化を行う触媒を効率良く暖機するための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の自動車は、エンジンの燃料消費量及びエンジンから排出される排気ガスの低減が要求されているため、エンジンと電動機との2つの駆動源を備えたハイブリッド車の開発が進められている。
【0003】
上記したハイブリッド車とは、エンジンと、エンジンの出力で駆動される発電機と、発電機により発電された電力を蓄える蓄電器と、発電機あるいは蓄電器の電力で駆動される電動機と、エンジンの出力を発電機と車輪とに分割する動力分割機構とを備え、要求駆動力に応じて駆動源をエンジンと電動機との少なくとも1つから選ぶ車両である。
【0004】
電動機からの出力のみで要求駆動力を満たすことが出来る場合は、ハイブリッド車は電動機を駆動源として選び、エンジンを停止させて走行するモータ走行を行う。
【0005】
電動機からの出力で要求駆動力を満たすことが出来ない場合は、ハイブリッド車はエンジンを駆動源として選び、エンジンを始動させて走行する。この時、蓄電器の残存容量が低い場合は、エンジンは要求駆動力より大きい出力値を出力し、要求駆動力を満たすと共に余剰出力を用いて発電機を駆動させ蓄電器を充電するエンジン走行を行う。また、蓄電器の残存容量が高い場合は、蓄電器からの電力により電動機を駆動し、エンジンの出力と電動機の出力とを用いて要求駆動力を満たすハイブリッド走行を行う。
【0006】
このように、ハイブリッド車は走行中に電動機を駆動源として選ぶことでエンジンを停止することが可能なため、燃料消費量及び排気ガスを低減することが出来る。
【0007】
ところで、上記のハイブリッド車では、走行中において要求駆動力に応じてエンジンが始動と停止を繰り返すため、排気ガスを浄化する触媒を排気ガスを用いて暖機することが出来ず、触媒が低温となりやすい。触媒は低温時に排気ガスを十分に浄化することが出来ないため、ハイブリッド車はエンジンの始動の際に、触媒を素早く昇温させる必要がある。
【0008】
この課題を解決するものとして、下記の特許文献1及び特許文献2に開示されたハイブリッド車が知られている。特許文献1に開示されたハイブリッド車は、走行中に触媒暖機開始条件を満たすと、エンジンの出力を増加させてエンジンの出力のみで要求駆動力を満たすようエンジン、発電機、電動機をそれぞれ制御し、触媒の暖機を行う。
【0009】
この方法によれば、ハイブリッド車は走行中に触媒暖機開始条件を満たすと、触媒暖機中はエンジンの出力を増加させ、エンジンから排出される排気ガス量を増加させることで、触媒を早期に暖機することを可能としている。
【0010】
また、特許文献2に開示されたハイブリッド車は、走行中に触媒暖機開始条件を満たすと、要求駆動力より触媒暖機運転時のエンジンの出力を算出し、要求駆動力を触媒暖機運転時のエンジンの出力と蓄電器の最大許容出力との和で満たすことが出来る場合に、エンジンの点火時期を遅角させる触媒暖機運転を行うようエンジンを制御し触媒の暖機を行う。
【0011】
この方法によれば、ハイブリッド車は走行中に触媒暖機開始条件を満たすと、たとえばエンジンの点火時期を遅角させ、エンジンの排気弁開弁時における排気ガスの温度を上昇させることで、触媒を素早く暖機することを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2000−110604号公報
【特許文献2】特開平11−173175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記2つの特許文献にそれぞれ開示されたハイブリッド車のように触媒暖機運転を行えば触媒を素早く暖機することが可能だが、特許文献1に開示されたハイブリッド車は触媒暖機中の要求駆動力を全てエンジンからの出力で満たすようエンジンの出力を増加させるため、排気ガスの量が増えてしまいエミッションが悪くなる。また、特許文献2に開示されたハイブリッド車は触媒暖機運転中のエンジンの出力が要求駆動力によって算出されるため、要求駆動力が大きいとエンジンの出力が大きくなってしまい、触媒の温度が低いにも係らず排出される排気ガスの量が増えてしまうのでやはりエミッションが悪くなる。よって、エンジンの触媒暖機運転中はエンジンの出力を小さくすることが望ましいが、エンジンの出力を小さくすると、触媒暖機運転中に要求駆動力を満たすことが出来なくなる頻度が増え、触媒暖機運転が中断される頻度が増える可能性がある。
【0014】
本発明は、上記の課題を解決するためのものであって、その目的は、触媒暖機運転中のエミッションを向上させ、且つ触媒暖機運転が中断された場合でもエンジンの出力を最低限に抑えることが出来る車両の駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の発明に係る車両の駆動装置は、駆動力源として機能するエンジン及び電動機と、該エンジンの排気ガスを浄化するための触媒とを備え、車両の走行中に触媒暖機開始条件が成立した場合には触媒暖機用作動を行うように該エンジンを制御する形式の車両の駆動装置であって、前記触媒暖機のための予め設定された作動するエンジンの出力と蓄電器の最大許容出力との和以下の駆動力が要求された場合は、前記触媒暖機のために作動するエンジンの出力と前記蓄電器の出力との和で前記要求された駆動力を満たし、前記触媒暖機のための予め設定された作動するエンジンの出力と前記蓄電器の最大許容出力との和よりも大きい駆動力が要求された場合は、前記触媒暖機用作動を中断させて走行用作動に切り換え、前記蓄電器の最大許容出力と該走行用作動のエンジンの出力との和によって前記要求された駆動力を満たすようにしたことを特徴とする。
【0016】
第2の発明に係る車両の駆動装置においては、第1の発明の構成に加えて、前記触媒暖機用作動のエンジンは、該エンジンの点火時期が前記走行用作動のエンジンの点火時期よりも遅角されており、該触媒暖機用作動のエンジンは、所定の大きさの駆動力を出力することを特徴とする。
【0017】
第3の発明に係る車両の駆動装置においては、第1及び第2の発明の構成に加えて、前記エンジンによって回転駆動される発電機と、該発電機で発電された電力を蓄える前記蓄電器とを備え、前記エンジンの前記触媒暖機用作動中は前記発電機により発電された電力を前記蓄電器に充電させる制御を中止することを特徴とする。
【0018】
第4の発明に係る車両の駆動装置においては、第1乃至第3のいずれか1つの発明の構成に加えて、前記触媒暖機開始条件は、前記エンジンの始動時、前記エンジンの水温が所定の水温判定値未満、前記触媒の温度が所定の触媒温度判定値未満のうち、少なくとも該触媒の温度が所定の触媒温度判定値未満を含むことを特徴とする。
【0019】
第5の発明に係る車両の駆動装置においては、第1乃至第4のいずれか1つの発明の構成に加えて、前記エンジンが前記触媒暖機用作動中である場合には、前記電動機の最大許容出力よりも十分に小さい予め設定された一定の触媒暖機中出力値が出力されるように該エンジンを制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
第1の発明に係る車両の駆動装置によれば、エンジンが触媒暖機用作動を行うための予め設定されたことにより出力されるエンジンの出力と蓄電器の最大許容出力との和により要求駆動力を満たすことが出来る場合にエンジンに触媒暖機用作動をさせるので、触媒暖機用作動中のエンジンの出力を最低限に抑えられ、エンジンの触媒暖機用作動中のエミッションを向上させることが出来る。さらに、触媒暖機用作動のための予め設定された中のエンジンの出力と蓄電器の最大許容出力との和より大きな駆動力が要求された場合にエンジンを触媒暖機用作動から走行用作動に切り換え、蓄電器の最大許容出力と走行用作動中のエンジンの出力との和で要求された駆動力を満たし、触媒暖機中に大きな駆動力を要求されても蓄電器の出力を最大限に利用するのでエミッションが向上し、さらに触媒暖機運転が中断された場合でもエンジンの出力を最低限に抑えることが出来る。
【0021】
第2の発明に係る車両の駆動装置によれば、エンジンの触媒暖機用作動中はエンジンの点火時期を走行用作動中のエンジンの点火時期よりも遅角としているので、触媒を素早く暖機させることが可能となる。
【0022】
第3の発明に係る車両の駆動装置によれば、エンジンの触媒暖機用作動中はエンジンを用いて発電機を回転駆動し蓄電器の充電を行わず、触媒暖機用作動中のエンジンの出力を駆動力として出力するので、触媒の暖機が中断されることを最低限に抑えることが出来る。
【0023】
第4の発明に係る車両の駆動装置によれば、触媒の温度が判定値未満の場合に触媒の暖機を行うので、触媒の暖機が必要な場合にエンジンを触媒暖機用作動させることが出来る。
【0024】
第5の発明に係る車両の駆動装置によれば、要求駆動力のうち電動機の出力で賄う割合を多くすることが出来る一方で、触媒暖機用作動中のエンジンの出力で賄う割合を少なくすることが出来るので、燃料の消費量を少なくすることが出来る。
【0025】
尚、本発明に係る車両の駆動装置は、エンジンの触媒暖機用作動中にエンジンの点火時期を遅角することで触媒の暖機を促進しているが、その触媒の暖機を促進する他のものとして、エンジンの少なくとも一部の気筒で燃焼される混合気の空熱比が燃料過剰雰囲気(リッチ雰囲気)となり、且つ他の一部の気筒で燃焼される混合気の空熱比が酸素過剰雰囲気(リーン雰囲気)となるよう燃料噴射量を制御するものであってもよい。さらに、排気弁の開閉時期を変更可能な可変バルブタイミング機構を具備したエンジンであれば、前記排気弁の開弁時期を進角させて触媒の暖機を促すようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例に係る車両の駆動装置の構造を示す図である。
【図2】図1の車両の駆動装置に設けられた電子制御装置に備えられた制御機能の要部を示す機能ブロック図である。
【図3】図1の車両の駆動装置に設けられた電子制御装置の制御作動の要部、すなわち、触媒暖機時の制御ルーチンを示す図である。
【図4】図1の車両の駆動装置の触媒暖機時のエンジン出力の変化を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例】
【0028】
図1は、本発明の実施例に係る車両の駆動装置の構造を示す図である。駆動装置は、エンジン120と、エンジンを制御するエンジンECU280と、エンジン120より排出された排気ガスを浄化する触媒122と、触媒の温度を検出する触媒温度センサ124と、発電機140A(図内ではMG(1)と記す)と、電動機140B(図内ではMG(2)と記す)と、発電機140Aと電動機140Bとを制御するモータECU300と、発電機140Aと電動機140Bとに電力を供給する蓄電器220と、蓄電器220を制御するバッテリECU260と、図示しないアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ402と、エンジンECU280とモータECU300とバッテリECU260とを相互に管理制御するハイブリッドECU320とを含む。
【0029】
車両はその他にエンジン120の出力を駆動輪160と発電機140Aとに分割する動力分割機構200と、蓄電器220の直流電流を交流電流に、また発電機140Aによって発電された交流電流を直流電流に変換するインバータ240と、エンジン120及び電動機140Bにて発生した駆動力を駆動輪160に、また駆動輪160の駆動をエンジン120や電動機140Bに伝達する減速機180と、蓄電器220とインバータ240との間に設けられ、蓄電器220から発電機140A及び電動機140Bへ電力を供給する場合は電力を昇圧し、発電機140A及び電動機140Bより蓄電器220へ電力を充電する場合は電力を降圧するコンバータ242と、図示しない外部電源からの電力供給を受け蓄電器220を充電する充電器222とを含む。
【0030】
動力分割機構200には、エンジン120の動力を駆動輪160と発電機140Aとの両方に振り分けるため、プラネタリーキャリアと、サンギヤと、リングギヤとを備えた遊星歯車機構(プラネタリーギヤ)が使用される。エンジン120はプラネタリーキャリアに、発電機140Aはサンギヤに、電動機140B及び駆動輪160はリングギヤにそれぞれ接続される。エンジン120の出力はプラネタリーキャリアに入力され、それがサンギヤによって発電機140Aに、リングギヤによって電動機140B及び駆動輪160Bに伝えられる。エンジン120を始動させる場合には蓄電器220の電力を用いて発電機140Aを駆動してエンジン120を始動し、作動中のエンジン120を停止させる場合にはエンジン120の出力を発電機140Aを用いて電力に変換しエンジン120の回転数を下げていく。
【0031】
インバータ240は、図示しない6つのIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)と、各IGBTにそれぞれ並列に接続された図示しない6つのダイオードとを含み、モータECU300からの信号に基づいて、発電機140Aと電動機140Bとを制御する。インバータ240は発電機140Aを制御する場合は、各IGBTのゲートをオンまたはオフ(通電または遮断)して発電機140Aが発電した交流電力を直流電力に変換し、蓄電器220に充電する。インバータ240は電動機140Bを制御する場合は、各IGBTのゲートをオンまたはオフ(通電または遮断)して蓄電器220から供給された直流電力を交流電力に変換し、電動機140Bに供給する。
【0032】
コンバータ242は、蓄電器220とインバータ240との間に設けられる。蓄電器220の定格電圧が発電機140Aや電動機140Bの定格電圧よりも低いので、蓄電器220から発電機140Aや電動機140Bに電力を供給する場合にはコンバータ242で電力を昇圧する。尚、充電する場合には昇圧コンバータ242で降圧して蓄電器220に充電電力を供給する。
【0033】
充電器222は図示しない外部電源より蓄電器220に供給される電力の電圧及び電流を制御する。つまり、外部電源より供給される交流電流を直流電流に変換すると共に、必要に応じて外部電源からの電圧を調圧して蓄電器220に供給する。
【0034】
次に、図2の機能ブロック図を参照して、本発明の実施例に係る車両の駆動装置に設けられたエンジンECU280、ハイブリッドECU320等の電子制御装置の制御機能について説明する。
【0035】
エンジンECU280は、触媒暖機要求手段284と、エンジン点火時期制御手段286と、エンジン制御手段288とを有する。
【0036】
触媒暖機要求手段284は、後述するエンジン出力算出手段328よりエンジン120の始動要求信号を受信した場合に、触媒温度センサ124より検出された触媒122の温度と図示しない冷却水温センサより検出されたエンジン120の冷却水温とを基に触媒122を暖機するかを判断し、暖機が必要と判断した場合は触媒暖機制御手段324に触媒暖機要求信号を送信する。
【0037】
エンジン点火時期制御手段286は、触媒暖機制御手段324より触媒暖機許可信号を受信した場合に、エンジン120を触媒暖機に適した触媒暖機用作動させるために、エンジン120の点火時期を触媒暖機後の走行用作動中のエンジン120の点火時期よりも予め定めた角度だけ遅角させた触媒暖機時遅角とし、好適には遅角調整範囲内の最遅角にする。
【0038】
エンジン制御手段288は、エンジン出力算出手段328が算出したエンジン120の指令出力Peをエンジン120が出力するようエンジン120を制御する。また、触媒暖機制御手段324より触媒暖機許可信号を受信している場合は、エンジン点火時期制御手段286により遅角されたエンジン120を触媒暖機用作動させる。
【0039】
バッテリECU260は、蓄電器残存容量算出手段262と、蓄電器最大許容出力算出手段264とを有する。
【0040】
蓄電器残存容量算出手段262は、図示しないセンサより検出された蓄電器220の電圧値、電流値、温度より蓄電器220の残存容量を算出する。
【0041】
蓄電器最大許容出力算出手段264は、蓄電器残存容量算出手段262より算出された蓄電器220の残存容量と、蓄電器220の温度とより蓄電器220の最大許容出力Woutmaxを算出する。
【0042】
ハイブリッドECU320は、要求駆動力算出手段322と、触媒暖機制御手段324と、アクセル開度判定手段326と、エンジン出力算出手段328とを有する。
【0043】
ハイブリッドECU320は、要求駆動力算出手段322により算出された要求駆動力Pusが得られるように、エンジン走行時及びハイブリッド走行時はエンジン120を高い効率が得られる運転領域で作動させつつ、発電機140A、電動機140B及びエンジン120の出力を制御し、モータ走行時には専ら電動機140Bの出力を制御する。
【0044】
要求駆動力算出手段322は、予め記憶された関係からアクセル開度センサ402より検出されたアクセル開度Acc(%)及び車速V(km/h)に基づいて要求駆動力Pusを算出する。
【0045】
触媒暖機制御手段324は、触媒暖機要求手段284より触媒暖機要求信号を受信した場合は、要求駆動力算出手段322にて算出された要求駆動力Pusと、蓄電器最大許容出力算出手段264にて算出された蓄電器220の最大許容出力Woutmaxと、触媒暖機用作動中のための予め設定されたエンジン120の出力Psdとを基に車両の駆動装置が後述するモータ走行時の触媒暖機開始条件を満たしているか判断する。この予め設定された触媒暖機用作動のためのエンジン120の出力Psdは、蓄電器220の最大許容出力Woutmaxよりも十分に小さい値に設定されたものであり、触媒暖機中出力値とも言えるものである。要求駆動力Pusが蓄電器220の最大許容出力Woutmaxと触媒暖機用作動中のための予め設定されたエンジン120の出力Psdとの和以下の場合は、車両の駆動装置がモータ走行時の触媒暖機開始条件を満たしているとして触媒122の暖機を許可しエンジン点火時期制御手段286、エンジン制御手段288、エンジン出力算出手段328のそれぞれに触媒暖機許可信号を送信する。また、要求駆動力Pusが蓄電器220の最大許容出力Woutmaxと触媒暖機用作動中のための予め設定されたエンジン120の出力Psdとの和よりも大きい場合は、車両の駆動装置がモータ走行時の触媒暖機開始条件を満たしていないとして触媒122の暖機を許可しない。要するに、触媒暖機制御手段324は、要求駆動力Pusが蓄電器220の最大許容出力Woutmaxと触媒暖機用作動中のための予め設定されたエンジン120の出力Psdとの和以下の場合はエンジン120に触媒暖機用作動をさせる一方で、要求駆動力Pusが蓄電器220の最大許容出力Woutmaxと触媒暖機用作動中のための予め設定されたエンジン120の出力Psdとの和よりも大きい場合はエンジン120に触媒暖機用作動を中断させて走行用作動に切り換え、蓄電器220の最大許容出力Woutmaxに加えてそれを上回る分を走行用作動のエンジン120の出力と蓄電器220の最大許容出力Woutmaxによって要求駆動力Pusを満たすようにする。
【0046】
アクセル開度判定手段326は、アクセル開度センサ402より検出されたアクセル開度Acc(%)と、エンジン120に触媒暖機用作動を実行させることが出来ないほど高出力状態であるか否か判定するために予め設定された2つの所定値(アクセル開度大判定値、アクセル開度小判定値)とを比較する。アクセル開度がアクセル開度大判定値より大きい場合はアクセル開度大判定を成立とし、アクセル開度がアクセル開度大判定より小さく且つアクセル開度小判定値より小さい場合にアクセル開度大判定を不成立とする。
【0047】
エンジン出力算出手段328は、モータ走行時に要求駆動力Pusと蓄電器220の最大許容出力Woutmaxとを基に、エンジン120を始動させるか判断する。つまり、要求駆動力Pusが蓄電器220の最大許容出力Woutmaxより大きくなった場合にエンジン120を始動しエンジン走行もしくはハイブリッド走行をする必要があると判断し、エンジン120の始動要求信号を触媒暖機要求手段284へ送信する。そして、エンジン走行時もしくはハイブリッド走行時に触媒暖機制御手段324より触媒暖機許可信号を受信している場合は、エンジン120の指令出力Peを触媒暖機用作動中のための予め設定されたエンジン120の出力Psdとする。また、エンジン走行時もしくはハイブリッド走行時に触媒暖機制御手段324から触媒暖機許可信号を受信していない場合は、要求駆動力Pusから蓄電器220の最大許容出力Woutmaxを減じた出力をエンジン120の指令出力Peとする。
【0048】
このような制御機能を有する本発明の実施形態に係る車両の駆動装置は、デジタル回路やアナログ回路の構成を主体としたハードウェアでも、単一又は複数のECU内に含まれるCPU(Central Processing Unit)およびメモリとメモリから読み出されてCPUで実行されるプログラムとを主体としたソフトウェアでも実現することが可能である。
【0049】
次に、図3のフローチャートを参照して、エンジンECU280、ハイブリッドECU320等の電子制御装置の制御作動のうち、車両のモータ走行中に触媒122を暖機する場合に実行する触媒暖機制御手段324の制御作動等について説明する。
【0050】
図3において、ステップ(以下、Sと記す)1乃至S5はアクセル開度判定手段326に対応している。S1では、触媒暖機制御手段324からの指令に従ってアクセル開度センサ402により検出されたアクセル開度Acc(%)を読み込む。
【0051】
S2では、S1にて検出したアクセル開度Accが予め設定されたアクセル開度大判定値A1以上か否かを判断する。アクセル開度Accがアクセル開度大判定値A1未満の場合(Acc<A1)はS2の判断を否定してS3を実行する。また、アクセル開度Accがアクセル開度大判定値A1以上の場合(Acc≧A1)はS2の判断を肯定してS4を実行する。
【0052】
S3では、S1にて検出したアクセル開度Accが予め設定されたアクセル開度小判定値A2よりも小さいか否かを判断する。アクセル開度Accがアクセル開度小判定値A2未満の場合(Acc<A2)はS3の判断を肯定してS5を実行する。また、アクセル開度Accがアクセル開度小判定値A2以上の場合(Acc≧A2)はS3の判断を否定してS6を実行する。
【0053】
S4では、S2にてアクセル開度Accがアクセル開度大判定値A1以上であると判断したため、要求駆動力が大きく、且つ駆動力を早急に出力する必要があるので、例えばアクセル開度大を示すフラグを「1」にセットすることによりアクセル開度大判定を成立としてS6を実行する。
【0054】
S5では、S3にてアクセル開度Accがアクセル開度大判定値A1未満であり且つアクセル開度小判定値A2未満であると判断したため、要求駆動力が小さく、且つ駆動力を早急に出力する必要がないので、例えばアクセル開度大を示すフラグを「0」にリセットすることによりアクセル開度大判定を不成立としてS6を実行する。
【0055】
S6乃至S8は触媒暖機制御手段324に対応している。S6では、触媒暖機要求手段284より触媒暖機要求信号を受信しているか否かを判断する。触媒暖機要求手段284より触媒暖機要求信号を受信している場合はS6の判断を肯定してS7を実行する。尚、図4のt1はこの状態を示している。触媒暖機要求手段284より触媒暖機要求信号を受信していない場合は触媒122の暖機を行う必要がないのでS6の判断を否定して本ルーチンを終了した後、次の制御サイクルを開始する。
【0056】
S7では、エンジン制御手段288がエンジン120を作動するよう制御しているかが判断される。エンジン120を作動するよう制御している場合はS7の判断を肯定してS8を実行する。エンジン120を作動するよう制御していない場合は触媒122の暖機を行う必要がないのでS7の判断を否定して本ルーチンを終了した後、次の制御サイクルを開始する。
【0057】
S8では、アクセル開度判定手段326によってアクセル開度大判定が成立していないか否かを判断する。アクセル開度大判定が成立していないと判断した場合はS8の判断を肯定してS9を実行する。アクセル開度大判定が成立していると判断した場合は、上記したように要求駆動力が大きく且つ駆動力を早急に出力する必要があって触媒122の暖機を行えない場合であるので、S8の判断を否定して本ルーチンを終了した後、次の制御サイクルを開始する。
【0058】
S9は、エンジン出力算出手段328に対応している。S8の判断を肯定した場合は、触媒122の暖機要求があって、エンジン制御手段288によりエンジン120が作動しており且つ要求駆動力が小さい場合であるので、S9では要求駆動力Pusから蓄電器220の最大許容出力Woutmaxを減じた値をエンジン120の指令出力Peとしてエンジン制御手段288に送信し、S10を実行する。尚、図4のt2からt3はこの状態を示している。
【0059】
S10は、触媒暖機制御手段324に対応している。S10では、触媒暖機要求手段284からの触媒暖機要求信号を受け、触媒120の暖機を行うかを判断する。つまり、図4に示すように、要求駆動力算出手段322より算出された要求駆動力Pusが、蓄電器最大許容出力算出手段264より算出された蓄電器220の最大許容出力Woutmaxと触媒暖機用作動中のための予め設定されたエンジン120の出力Psdとの和(Woutmax+Psd)以下の場合は触媒122の暖機を許可し、S12を実行する。要求駆動力Pusが、蓄電器220の最大許容出力Woutmaxと触媒暖機用作動中のための予め設定されたエンジン120の出力Psdとの和(Woutmax+Psd)より大きい場合は触媒122の暖機を許可せず、S10の判断が否定されるので、S11を実行する。
【0060】
S11は、エンジン制御手段288に対応している。S11では、エンジン出力算出手段328より触媒暖機用作動中のための予め設定されたエンジン120の出力Psdをエンジン120の指令出力Peとして受信しており、触媒暖機用作動中のための予め設定されたエンジン120の出力Psdすなわちエンジン120の最小出力(下限値)を出力するようエンジン120を制御しているか否かを判断する。エンジン制御手段288が触媒暖機用作動中のための予め設定されたエンジン120の出力Psdを出力するようエンジン120を制御している場合はS12を実行する。エンジン制御手段288が触媒暖機用作動中のための予め設定されたエンジン120の出力Psdを出力するようエンジン120を制御していない場合は、要求駆動力Pusを満たすために触媒暖機用作動中のための予め設定されたエンジン120の出力Psdより大きい出力をエンジン120より出力する必要があるため、エンジン制御手段288はエンジン出力算出手段328よりS9にて受信したエンジン120の指令出力Peをエンジン120に出力するようエンジン120を制御し、本ルーチンを終了した後、次の制御サイクルを開始する。
【0061】
S12は、触媒暖機制御手段324及びエンジン出力算出手段328に対応している。S12では、触媒暖機制御手段324が触媒122の暖機を許可している、またはエンジンECU280がエンジン120に触媒暖機用作動中のための予め設定されたエンジン120の出力Psdを出力するようにエンジン120が制御されているので、触媒暖機制御手段324は触媒暖機許可信号をエンジン点火時期制御手段286、エンジン制御手段288、エンジン出力算出手段328にそれぞれ送信し、エンジン出力算出手段328はエンジン120の指令出力Peを触媒暖機用作動中のための予め設定されたエンジン120の出力Psdとして本ルーチンを終了する。
【0062】
最後に、図4を参照して、本発明の実施例に係る車両の駆動装置を搭載した車両がモータ走行中に触媒122の暖機を行った場合のエンジン120の出力の変化を説明する。尚、図4(a)は時間に対する要求駆動力Pusの変化を表したグラフであり、図4(b)は時間に対するエンジン120の出力の変化を表したグラフであり、図4(c)は時間に対する触媒暖機要求手段284より触媒暖機制御手段324に送信される触媒暖機要求信号の変化を表したグラフであり、図4(d)は時間に対する触媒暖機制御手段324よりエンジン制御手段288に送信される触媒暖機許可信号の変化を表したグラフである。
【0063】
まず、車両は要求駆動力Pusを蓄電器220の最大許容出力Woutmaxで満たすことが出来る間はエンジン120を停止させ、電動機140Bを駆動源として選択しモータ走行する。
【0064】
時刻t1において、要求駆動力Pusが蓄電器220の最大許容出力Woutmaxを超えたので、まずエンジン出力算出手段328は触媒暖機要求手段284にエンジン始動要求信号を送信する。触媒暖機要求手段284はエンジン120の冷却水温や触媒122の温度等を基に触媒122を暖機するかを判断し、暖機が必要と判断した場合に触媒暖機制御手段324に触媒暖機要求信号を送信する。触媒暖機制御手段324は触媒暖機要求信号を受け、要求駆動力Pusが蓄電器220の最大許容出力Woutmaxと触媒暖機用作動中のための予め設定されたエンジン120の出力Psdとの和以下の場合に車両の駆動装置がモータ走行時の触媒暖機開始条件を満たしているとして触媒122の暖機を許可し、エンジン点火時期制御手段286、エンジン制御手段288、エンジン出力算出手段328のそれぞれに触媒暖機許可信号を送信する。触媒暖機許可信号を受けエンジン点火時期制御手段286はエンジン120の点火時期を遅角させ、エンジン出力算出手段328はエンジン120の指令出力Peを触媒暖機用作動中のための予め設定されたエンジン120の出力Psdとしてエンジン制御手段288に送信し、エンジン制御手段288はエンジン120を触媒暖機用作動させる。要求駆動力Pusを触媒暖機用作動中のための予め設定されたエンジン120の出力Psdと蓄電器220の最大許容出力Woutmaxとの和で満たすことが出来る間、触媒暖機制御手段324は触媒暖機許可信号をエンジン点火時期制御手段286、エンジン制御手段288、エンジン出力算出手段328のそれぞれに送信しエンジン120の触媒暖機用作動が行われる。
【0065】
時刻t2において、要求駆動力Pusが触媒暖機用作動中のための予め設定されたエンジン120の出力Psdと蓄電器220の最大許容出力Woutmaxとの和を超えると、触媒制御手段324は触媒暖機許可信号の送信を停止する。そして、触媒暖機許可信号の停止を受け、エンジン点火時期制御手段286はエンジン120の点火時期の遅角を解除し、エンジン制御手段288はエンジン120を触媒暖機用作動から走行用作動へ切り換える。そして、エンジン出力算出手段328は要求駆動力Pusから蓄電器220の最大許容出力Woutmax減じることで走行用作動中のエンジン120の指令出力Peを算出し、エンジン制御手段288はこれを出力するようエンジン120を制御する。
【0066】
時刻t3において、要求駆動力Pusを触媒暖機用作動中のための予め設定されたエンジン120の出力Psdと蓄電器220の最大許容出力Woutmaxとの和以内で満たすことが出来るようになったため、触媒暖機制御手段324は再び触媒暖機許可信号をエンジン点火時期制御手段286、エンジン制御手段288、エンジン出力算出手段328のそれぞれに送信し、エンジン120が触媒暖機用作動に戻される。
【0067】
時刻t4において、例えば触媒122の温度が予め設定された暖機温度に到達すると触媒暖機要求手段284は触媒120の暖機が完了したと判断し、触媒暖機制御手段324に対する触媒暖機要求信号の送信が停止される。触媒暖機制御手段324は触媒暖機要求信号の停止を受け、エンジン点火時期制御手段286、エンジン制御手段288、エンジン出力算出手段328への触媒暖機許可信号の送信を停止する。触媒暖機許可信号の停止を受けエンジン点火時期制御手段286はエンジン120の点火時期の遅角を解除し、エンジン制御手段288はエンジン120の触媒暖機用作動を停止させる。触媒暖機完了後は、要求駆動力Pusを蓄電器220の最大許容出力Woutmaxで満たすことが出来ないとエンジン出力算出手段328が判断した場合にエンジン120の出力を算出してエンジン制御手段288に送信し、エンジン制御手段288は受信した信号を基にエンジン120を制御することで、車両はモータ走行からエンジン走行及びハイブリッド走行へ切り換えられる。
【0068】
以上のように、本発明の実施形態に係る車両の駆動装置によれば、エンジン120が触媒暖機用作動を行うための予め設定されたことにより出力されるエンジン120の出力Psdと蓄電器220の最大許容出力Woutmaxとの和により要求駆動力Pusを満たすことが出来る場合にエンジン120に触媒暖機用作動をさせるので、触媒暖機用作動中のエンジン120の出力を最低限に抑えられ、エンジン120の触媒暖機用作動中のエミッションを向上させることが出来る。さらに、触媒暖機用作動中のための予め設定されたエンジン120の出力Psdと蓄電器220の最大許容出力Woutmaxとの和より大きなエンジン120の出力が要求された場合にエンジン120を触媒暖機用作動から走行用作動に切り換え、走行用作動中のエンジンの出力と蓄電器の最大許容出力との和で要求された駆動力を満たすので、触媒122の暖機が中断された場合でもエンジン120の出力を最低限に抑えることが出来る。
【0069】
また、本発明の実施形態に係る車両の駆動装置によれば、エンジン120の触媒暖機用作動中はエンジン120の点火時期を触媒暖機後の走行用作動中のエンジン120の点火時期よりも遅角しているので、触媒122を素早く暖機させることが可能となる。
【0070】
また、本発明の実施形態に係る車両の駆動装置によれば、エンジン120の触媒暖機用作動中はエンジン120を用いて発電機140Aを回転駆動し蓄電器220の充電を行わず、触媒暖機用作動中のための予め設定されたエンジン120の出力Psdを駆動力として出力するので、触媒122の暖機が中断されることを最低限に抑えることが出来る。
【0071】
また、本発明の実施形態に係る車両の駆動装置によれば、触媒122の温度が判定値未満の時に触媒122の暖機を行うので、触媒122の暖機が必要な場合にエンジン120を触媒暖機用作動させることが出来る。
【0072】
また、本発明の実施形態に係る車両の駆動装置によれば、要求駆動力Pusのうち電動機140Bの出力で賄う割合を多くすることが出来る一方で、触媒暖機用作動中のための予め設定されたエンジン120の出力Psdで賄う割合を少なくすることが出来るので、燃料の消費量を少なくすることが出来る。
【符号の説明】
【0073】
120:エンジン
122:触媒
140A:発電機
140B:電動機
220:触媒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動力源として機能するエンジン及び電動機と、該エンジンの排気ガスを浄化するための触媒とを備え、車両の走行中に触媒暖機開始条件が成立した場合には触媒暖機用作動を行うように該エンジンを制御する形式の車両の駆動装置であって、
前記触媒暖機のための予め設定された作動するエンジンの出力と蓄電器の最大許容出力との和以下の駆動力が要求された場合は、前記触媒暖機のために作動するエンジンの出力と前記蓄電器の出力との和で要求された駆動力を満たし、前記触媒暖機のための予め設定された作動するエンジンの出力と前記蓄電器の最大許容出力との和よりも大きい駆動力が要求された場合は、前記触媒暖機用作動を中断させて走行用作動に切り換え、該走行用作動のエンジンの出力と前記蓄電器の最大許容出力との和によって前記要求された駆動力を満たすようにしたことを特徴とする車両の駆動装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両の駆動装置であって、
前記触媒暖機用作動のエンジンは、該エンジンの点火時期が前記走行用作動のエンジンの点火時期よりも遅角されることを特徴とする。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両の駆動装置であって、
前記エンジンによって回転駆動される発電機と、該発電機で発電された電力を蓄える前記蓄電器とを備え、
前記エンジンの前記触媒暖機用作動中は前記発電機により発電された電力を前記蓄電器に充電させる制御を中止することを特徴とする。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の車両の駆動装置であって、
前記触媒暖機開始条件は、前記エンジンの始動時、前記エンジンの水温が所定の水温判定値未満、前記触媒の温度が所定の触媒温度判定値未満のうち、少なくとも該触媒の温度が所定の触媒温度判定値未満を含むことを特徴とする。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1つに記載の車両の駆動装置であって、
前記エンジンが前記触媒暖機用作動中である場合には、前記電動機の最大許容出力よりも十分に小さい予め設定された一定の触媒暖機中出力値が出力されるように該エンジンを制御することを特徴とする。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−61908(P2012−61908A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206342(P2010−206342)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】