車両用ナビゲーション装置
【課題】車両内部で有する情報と車両外部の情報に基づいた情報のいずれをも用いて、チャイルドプルーフ機構の自動制御を行うことが可能な車両用ナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】車両のドアに備えられ、車両内部からの当該ドアの開操作を禁止するチャイルドプルーフ機構と、車両の現在位置を検出する位置検出手段と、道路地図データを記憶する道路地図データ記憶手段と、車両の現在位置が道路地図上の予め定められた領域に含まれる場合、チャイルドプルーフ機構を自動的に作動させるチャイルドプルーフ機構作動制御手段と、を備えることを特徴とする車両用ナビゲーション装置として提供可能である。
【解決手段】車両のドアに備えられ、車両内部からの当該ドアの開操作を禁止するチャイルドプルーフ機構と、車両の現在位置を検出する位置検出手段と、道路地図データを記憶する道路地図データ記憶手段と、車両の現在位置が道路地図上の予め定められた領域に含まれる場合、チャイルドプルーフ機構を自動的に作動させるチャイルドプルーフ機構作動制御手段と、を備えることを特徴とする車両用ナビゲーション装置として提供可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの経路を案内する車両用ナビゲーション装置に関するもので、特にチャイルドプルーフ機構の作動を制御することが可能な車両用ナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の走行に伴ってGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等により現在位置を検出し、その現在位置を表示装置上に道路地図と共に表示して、出発地から目的地までの適切な経路を設定し、表示装置や音声出力装置などによって案内する車両用ナビゲーション装置は、ユーザの効率的で安全な運転に貢献している。
【0003】
近年、車両用ナビゲーション装置は、他の車載機器と連携して、ユーザの利便性の向上を図るものもある。例えば、犯罪発生件数や事故発生件数等が多く、ユーザが通行すべきでない回避区域を通行しないと目的地へ行けないような場合に、回避区域内であるときにドアロック装置を駆動してドアをロックするカーナビゲーションシステムが考案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、老人・子供が誤ってドアを開けることを防止するチャイルドプルーフ機構が広く普及している。チャイルドプルーフ機構は、車両の内側からはドアを開くことができないが、車両の外側からはドアを開くことができる機構である。例えば、車両の停車の際、チャイルドプルーフ機構によりドアが自動的にロックされるようにした車両の自動ドアロック装置が考案されている(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−39762号公報
【特許文献2】特開2004−98743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の構成は、強盗等の車外からの脅威の防止を目的とした発明であって、チャイルドプルーフ機構とはロックをしなければならない条件が異なる。すなわち、回避区域外ではドアはロックされないので、内側からドアを開けることができてしまうという問題がある。
【0007】
特許文献2の構成は、車両用ナビゲーション装置との連携については開示されていない。また、車両に搭載された車両周辺の情報を収集するセンサ情報に基づき、チャイルドプルーフ機構の自動制御を行う構成であり、車両内部の情報を用いてチャイルドプルーフ機構の自動制御を行う構成については、示唆・開示ともされていない。
【0008】
上記問題を背景として、本発明の課題は、車両内部で有する情報と車両外部の情報に基づいた情報のいずれをも用いて、チャイルドプルーフ機構の自動制御を行うことが可能な車両用ナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0009】
上記課題を解決するための車両用ナビゲーション装置は、車両のドアに備えられ、車両内部からの当該ドアの開操作を禁止するチャイルドプルーフ機構と、車両の現在位置を検出する位置検出手段と、道路地図データを記憶する道路地図データ記憶手段と、車両の現在位置が道路地図上の予め定められた領域に含まれる場合、チャイルドプルーフ機構を自動的に作動させるチャイルドプルーフ機構作動制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記構成によって、車両用ナビゲーション装置との連携により、チャイルドプルーフ機構を自動制御することができる。また、車両外部の情報に基づいた情報の他に、車両内部で有する情報をも用いることで、状況に応じて適確にチャイルドプルーフ機構の自動制御を行うことができる。
【0011】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置におけるチャイルドプルーフ機構作動制御手段は、車両の現在位置が自動車専用道路にある場合に、チャイルドプルーフ機構を作動させるように構成することもできる。
【0012】
高速道路等の自動車専用道路では、ドアを開けると車外に放出される可能性がある。また、サービスエリアあるいはパーキングエリアにおいても、車両は比較的高速で走行しているので、みだりにドアを開けることは望ましくない。上記構成によって、車両が走行中に老人・子供が誤ってドアを開けることを防止できる。
【0013】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置におけるチャイルドプルーフ機構作動制御手段は、車両の現在位置が駐車場にある場合にチャイルドプルーフ機構を作動させるように構成することもできる。
【0014】
上記構成によって、例えば子供が誤ってドアを勢いよく開けて、側壁や隣の車を傷つけることを防止できる。
【0015】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、道路地図において、チャイルドプルーフ機構を作動させる領域を設定する作動領域設定手段を備えるように構成することもできる。
【0016】
上記構成によって、例えば交通量の多い場所、両側がブロック塀となっている幅員の狭い道路、片側が崖となっている山道等を作動領域として設定することができ、これらの領域内において、誤ってドアを開けて、他の車両の走行の妨げとなったり、乗員が車外に放出されることを防止できる。
【0017】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、車両の速度を検出する車速検出手段を備え、チャイルドプルーフ機構作動制御手段は、車両の速度が予め定められた値を上回る場合に、チャイルドプルーフ機構を作動させるように構成することもできる。
【0018】
上記構成によって、車両が走行中に誤ってドアを開けて、他の車両の走行の妨げとなったり、乗員が車外に放出されることを防止できる。
【0019】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、車両のエンジンの回転状態を検出するエンジン回転状態検出手段を備え、チャイルドプルーフ機構作動制御手段は車両の現在位置が道路にあり、かつ車両のエンジンが回転している場合に、チャイルドプルーフ機構を作動させるように構成することもできる。
【0020】
上記構成によって、車両が走行中あるいは信号待ち等で停車中のときにも、乗員が誤ってドアを開けることを防止できる。
【0021】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、車両の傾斜角度を検出する傾斜角度検出手段を備え、チャイルドプルーフ機構作動制御手段は、車両の傾斜角度が予め定められた値を上回る場合に、チャイルドプルーフ機構を作動させるように構成することもできる。
【0022】
ヒンジ式のドアは、下り坂では重力の影響によって急に大きく開くことがある。また、後方スライド式のドアは、上り坂で急に大きく開くことがある。上記構成によって、これらのような場所でドアを開けることを防止できる。
【0023】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、車両のドアの各々について、チャイルドプルーフ機構作動制御手段によりチャイルドプルーフ機構を作動させるか否かを設定する作動設定手段を備えるように構成することもできる。
【0024】
チャイルドプルーフドアロックでは、全部のドアロックをしてはならいので、上記構成によって、必要のあるドアのみチャイルドプルーフ機構を作動させるよう設定することができる。
【0025】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置における作動設定手段は、ユーザの選択設定入力に基づいて車両のドアの各々について、チャイルドプルーフ機構作動制御手段によりチャイルドプルーフ機構を作動させるか否かを設定するように構成することもできる。
【0026】
上記構成によって、ユーザが必要のあるドアのみチャイルドプルーフ機構を作動させるよう設定することができる。
【0027】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、車両における乗員の着座を検出する着座検出手段を備え、作動設定手段は、乗員の着座が検出された座席に最も近いドアを、チャイルドプルーフ機構を作動させるドアとして設定するように構成することもできる。
【0028】
乗員が座っていない席のドアのチャイルドプルーフ機構を作動させることは無意味である。上記構成によって、必要のあるドアのみチャイルドプルーフ機構を作動させるよう自動的に設定することができる。
【0029】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、予め定められた条件が成立した場合に、チャイルドプルーフ機構の作動を自動的に解除する作動解除手段を備えるように構成することもできる。
【0030】
上記構成によって、ユーザの設定/解除の操作の手間を省くことができる。
【0031】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、車両のエアバッグの作動を検出するエアバッグ作動検出手段を備え、作動解除手段は、エアバッグの作動が検出された場合に、チャイルドプルーフ機構の作動を解除するように構成することもできる。
【0032】
エアバッグは、車両が何らかの物体と衝突して車両が衝撃を受けたときに作動する。このとき、乗員は車両から速やかに脱出しなければならない。上記構成によって、乗員の脱出を妨げることはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の車両用ナビゲーション装置を、図面を参照しながら説明する。図1に、車両用ナビゲーション装置(以下、ナビゲーション装置と略称)100の構成を示すブロック図を示す。ナビゲーション装置100は、位置検出器1,地図データ入力器6,操作スイッチ群7,リモートコントロール(以下リモコンと称する)センサ11,音声案内などを行う音声合成回路24,スピーカ15,メモリ9,表示器10,送受信機13,ハードディスク装置(HDD)21,LAN(Local Area Network) I/F(インターフェース)26,これらの接続された制御回路8,リモコン端末12等を備えている。
【0034】
位置検出器1は、周知の地磁気センサ2,車両101(図2参照)の回転角速度を検出するジャイロスコープ3,車両101の走行距離を検出する距離センサ4,および衛星からの電波に基づいて車両101の位置を検出するGPS受信機5を有している。これらのセンサ等2,3,4,5は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては前述したうちの一部のセンサで構成してもよく、さらに、ステアリングの回転センサ(図示せず)や、各転動輪の車輪センサ例えば車速センサ23等を用いてもよい。なお、位置検出器1が本発明の位置検出手段に相当する。また、ジャイロスコープ3が本発明の傾斜角度検出手段に相当する。
【0035】
操作スイッチ群7は、例えば表示器10と一体になった周知のタッチパネル22もしくはメカニカルなスイッチが用いられる。メカニカルスイッチの他に、マウスやカーソル等のポインティングデバイスを用いてもよい。
【0036】
また、マイク31および音声認識ユニット30を用いて種々の指示を入力することも可能である。これは、マイク31から入力された音声信号を、音声認識ユニット30において周知の隠れマルコフモデル等の音声認識技術により処理を行い、その結果に応じた操作コマンドに変換するものである。これら、本発明の作動領域設定手段,作動設定手段でもある、操作スイッチ群7,リモコン端末12,タッチパネル22,およびマイク31により、種々の指示を入力することが可能である。
【0037】
送受信機13は、例えば道路に沿って設けられた送信機(図示せず)から出力される光ビーコン、または電波ビーコンによってVICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム,登録商標)センタ14から道路交通情報を受信、あるいはFM多重放送を受信するための装置である。また、送受信機13を用いてインターネット等の外部ネットワークに接続可能な構成としてもよい。
【0038】
制御回路8は、周知のCPU81,ROM82,RAM83,入出力回路であるI/O84,A/D変換部86,描画部87,時計IC88,画像処理部89,およびこれらの構成を接続するバスライン85が備えられている。CPU81は、HDD21に記憶されたナビプログラム21pおよびデータにより制御を行う。また、HDD21へのデータの読み書きの制御はCPU81によって行われる。また、CPU81からHDD21に対してデータの読み書きの制御ができなくなった場合のために、ROM82にナビゲーション装置100として必要最低限の動作を行うためのプログラムを記憶しておいてもよい。なお、制御回路8が本発明のチャイルドプルーフ機構作動制御手段,作動解除手段に相当する。
【0039】
A/D変換部86は周知のA/D(アナログ/デジタル)変換回路を含み、例えば位置検出器1などから制御回路8に入力されるアナログデータをCPU81で演算可能なデジタルデータに変換するものである。
【0040】
描画部87は、HDD21等に記憶された道路地図データ21m(後述),表示用のデータや表示色のデータから表示器10に表示させるための表示画面データを生成する。
【0041】
時計IC88はリアルタイムクロックICとも呼ばれ、CPU81からの要求に応じて時計・カレンダーのデータを送出あるいは設定するものである。CPU81は時計IC88から日時情報を取得する。また、GPS受信機5で受信したGPS信号に含まれる日時情報を用いてもよい。また、CPU81に含まれるリアルタイムカウンタを基にして日時情報を生成してもよい。取得した日時情報は、例えば走行履歴管理等に用いられる。
【0042】
画像処理部89は、公知のパターン認識などの技術によってカメラ群32(後述)によって撮影された画像の解析を行う画像処理回路を含んで構成される。画像処理部89では、例えば、カメラ群32により撮影された映像信号に一般的な2値化処理を施すことにより、ピクセル毎のデジタル多値画像データに変換する。そして、得られた多値画像データから、一般的な画像処理手法を用いて所望の画像部分を抽出する。
【0043】
HDD21には、ナビプログラム21pの他に位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、道路の接続を表した道路データを含む地図データベースである道路地図データ21mが記憶される。道路地図データ21mは、表示用となる所定の地図画像情報を記憶するとともに、リンク情報やノード情報等を含む道路網情報を記憶する。リンク情報は、各道路を構成する所定の区間情報であって、位置座標,距離,所要時間,道幅,車線数,制限速度等から構成される。また、ノード情報は、交差点(分岐路)等を規定する情報であって、位置座標,右左折車線数,接続先道路リンク等から構成される。また、リンク間接続情報には、通行の可不可を示すデータなどが設定されている。なお、道路地図データ21mが本発明の道路地図データ記憶手段に相当する。
【0044】
また、HDD21には経路案内の補助情報や娯楽情報、その他にユーザが独自にデータを書き込むことができ、ユーザデータ21uとして記憶される。また、ナビゲーション装置100の動作に必要なデータや各種情報はデータベース21dとしても記憶される。
【0045】
ナビプログラム21p,道路地図データ21m,ユーザデータ21u,およびデータベース21dは、地図データ入力器6を介して記憶媒体20からそのデータの追加・更新を行うことが可能である。記憶媒体20は、そのデータ量からCD−ROMやDVDを用いるのが一般的であるが、例えばメモリカード等の他の媒体を用いてもよい。また、外部ネットワークを介してデータをダウンロードする構成を用いてもよい。
【0046】
メモリ9はEEPROM(Electrically Erasable & Programmable Read Only Memory:電気的消去・プログラム可能・読出し専用メモリ)やフラッシュメモリ等の書き換え可能なデバイスによって構成され、ナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータが記憶されている。なお、メモリ9は、ナビゲーション装置100がオフ状態になっても記憶内容が保持されるようになっている。また、ナビゲーション装置100の機能あるいは動作に応じて、必要な情報およびデータをメモリ9とHDD21に分けて記憶してもよい。
【0047】
表示器10は周知のカラー液晶表示器で構成され、ドット・マトリックスLCD(Liquid Crystal Display)およびLCD表示制御を行うための図示しないドライバ回路を含んで構成されている。ドライバ回路は、例えば、周知のアクティブマトリックス駆動方式が用いられ、制御回路8(描画部87)から送られる表示指令および表示画面データに基づいて表示を行う。また、表示器10として有機EL(ElectroLuminescence:電界発光)表示器,プラズマ表示器を用いてもよい。
【0048】
スピーカ15は周知の音声合成回路24に接続され、ナビプログラム21pの指令によってメモリ9あるいはHDD21に記憶されるデジタル音声データが音声合成回路24においてアナログ音声に変換されたものが送出される。なお、音声合成の方法には、音声波形をそのままあるいは符号化して蓄積しておき必要に応じて繋ぎ合わせる録音編集方式、文字入力情報からそれに対応する音声を合成するテキスト合成方式などがある。
【0049】
車速センサ23は周知のロータリエンコーダ等の回転検出部を含み、例えば車輪取り付け部付近に設置されて車輪の回転を検出してパルス信号として制御回路8に送るものである。制御回路8では、その車輪の回転数を車両101の速度に換算する他に、車両101の現在位置から所定の場所までの予想到達時間を算出したり、車両101の走行区間毎の平均車速を算出する。なお、車速センサ23が本発明の車速検出手段に相当する。
【0050】
LAN I/F26は車内LAN27を介して他の車載機器やセンサとのデータの遣り取りを行うためのインターフェース回路である。また、LAN I/F26を介して車速センサ23からのデータ取り込みを行ってもよい。なお、LAN I/F26が本発明のエンジン回転状態検出手段,エアバッグ作動検出手段に相当する。
【0051】
このような構成を持つことにより、ナビゲーション装置100は、制御回路8のCPU81によりナビプログラム21pが起動されると、ユーザが操作スイッチ群7,タッチパネル22,リモコン端末12の操作、あるいはマイク31からの音声入力によって、表示器10上に表示されるメニュー(図示せず)から目的地経路を表示器10に表示させるための経路案内処理を選択した場合、次のような処理を実施する。
【0052】
すなわち、まず、ユーザは目的地を探索する。目的地の探索方法は、例えば、地図上の任意の地点を指定する方法,目的地の所在する地域から探索する方法,目的地の電話番号から探索する方法,五十音表から目的地の名称を入力して探索する方法,あるいはユーザがよく利用する施設としてメモリ9に記憶されているものから探索する方法などがある。目的地が設定されると、位置検出器1により車両101の現在位置が求められ、該現在位置を出発地として目的地までの最適な案内経路を求める処理が行われる。そして、表示器10上の道路地図に案内経路を重ねて表示し、ユーザに適切な経路を案内する。このような自動的に最適な案内経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。また、表示器10およびスピーカ15の少なくとも一方によって、操作時のガイダンスや動作状態に応じたメッセージの報知を行う。
【0053】
エンジンECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)200は、車両101のエンジン(図示せず)の回転制御を行う周知の制御装置である。エンジンECU200は、車内LAN27に接続され、エンジンの動作状態や制御状態に関する情報を、他の車載装置に送る。
【0054】
エアバッグECU300は、車両101の運転席,助手席等に設置されているエアバッグ装置(図示せず)の動作制御を行う周知の制御装置である。エアバッグECU300は、車内LAN27に接続され、エアバッグの動作状態や制御状態に関する情報を、他の車載装置に送る。
【0055】
着座センサ群34は、例えば圧力を加えられると電圧を発生する圧電素子により構成され、圧電素子が発生する電圧により、乗員の着座状態を検出することができる。図3のように、着座センサ群34は、車両101の各座席の着座部および背もたれ部に設置される。例えば、運転席の着座部121aには着座センサ34aが、背もたれ部121bには着座センサ34bが設置される。他の助手席(122a,122b),後席(123a,123b)についても同様である。また、エアバッグ装置(図示せず)が乗員の着座を検出する方式のものであれば、その着座検出手段を用いてもよい。なお、着座センサ群34が本発明の着座検出手段に相当する。
【0056】
図1に戻り、ドアロックECU400は、ドアロック装置104,チャイルドプルーフ機構110(いずれも図2参照)の動作制御を行うものである。図2に、ドアロックECU400およびチャイルドプルーフ機構を作動するためのアクチュエータ等のレイアウトを示す。なお、ドアロックECU400およびアクチュエータ等の動作の詳細は特許文献2に記載されているので、ここでは概略を述べるにとどめる。
【0057】
カメラ群32は、車両101の前方および側方を撮影可能な前側方撮影用カメラ32a、および車両101の後方および側方を撮影可能な後側方撮影用カメラ32bを含んで構成される。これらのカメラ32a,32bは、例えばドアミラー108に取り付けられているが、専用の取り付け部材または筐体(図示せず)により車両101の車体側面に取り付けてもよい。
【0058】
また、車両101の前部ドア102および後部ドア103にはそれぞれドアロック装置104が備えられ、各ドアロック装置104は、ドアラッチ機構109にそれぞれチャイルドプルーフ機構110を組み込んで、このチャイルドプルーフ機構110を、スプリングリターン式の電磁ソレノイドで構成されるアクチュエータ111により作動してドアラッチ機構109に対する乗員の操作を機械的に無効とするように構成したものである。
【0059】
ドアロックECU400は、演算処理部414,メモリ部415,入力部416,およびLAN I/F417に分けたブロック図で表されている。各アクチュエータ111は、演算処理部414に接続されている。メモリ部415には、制御プログラムが記憶されており、演算処理部414は、この制御プログラムに従って各種計算を実行し、各アクチュエータ111を制御する。また、LAN I/F417は、ナビゲーション装置100の車内LAN I/F26と同様の構成をとる。
【0060】
図4を用いて、チャイルドプルーフ機構作動設定処理について説明する。なお、本処理はナビプログラム21pに含まれ、CPU81によりナビプログラム21pの他の処理とともに繰り返し実行される。まず、操作スイッチ群7,タッチパネル22,リモコン端末12の操作、あるいはマイク31からの音声入力によって、表示器10上に図5のようなチャイルドプルーフ機構作動設定メニュー画面を表示させる(S11)。
【0061】
図5のメニュー画面で、「作動領域設定」ボタンを押下すると、図6のような作動領域設定画面が表示されるので、ユーザが所望する作動領域を設定する(S12)。領域の設定範囲は、例えば以下のいずれを用いてもよい。
・施設:目的地設定時の方法と同様に施設を選択して、その施設の敷地内、あるいはその施設の敷地外縁から例えば100m以内を作動領域として設定する。
・地点:目的地設定時の方法と同様に地点を選択して、その地点を中心として例えば100m以内を作動領域として設定する。
・地域:表示器10に地図を表示して、ユーザが任意に指定する地図上の領域を作動領域として設定する。あるいは、市区町村等の行政区画単位、あるいは○○1丁目,大字,字といった単位で作動領域を設定してもよい。
・路線:国道△△号線といった路線単位で作動領域を設定する。無論、路線における区間(作動区間)を指定することも可能である。
【0062】
また、図5のメニュー画面で、「作動ドア設定」ボタンを押下すると、図7のような作動ドア設定画面が表示されるので、ユーザが作動を所望するドアを設定する(S13)。このとき、車両(101)の全てのドアを作動するように設定することはできず、全てのドアを選択して「決定」ボタンを押下した場合には、警告メッセージが表示され、設定をやり直さなければならない。
【0063】
作動領域設定および作動ドア設定において設定された内容は、HDD21のデータベース21dあるいはメモリ9に記憶される。
【0064】
図8を用いて、作動ドア設定方法の別例について説明する。まず、着座センサ群34からの情報(着座センサ情報)を取得する(S31)。次に、乗員を検知する対象の座席であるか否かを調べるために、予めデータベース21d等に記憶されている検知対象設定情報を参照する(S32)。検知対象設定情報は、例えば、デフォルト状態では、後席のみ乗員検知を行うように設定されている。ユーザの操作により設定情報を変更することも可能である。但し、全ての座席を検知対象とすることはできない。
【0065】
乗員を検知する対象の座席である場合(S33:Yes)、その座席に乗員が着座しているか否かを判定し、乗員が着座している場合(S34:Yes)、その座席の最寄りのドアを、チャイルドプルーフ機構が作動するように設定する(S35)。そして、他に乗員を検知する対象の座席がある場合(S36:Yes)、ステップS34以降の処理を繰り返す。
【0066】
(チャイルドプルーフ機構作動制御処理1)
図9を用いて、チャイルドプルーフ機構作動制御処理について説明する。なお、本処理はナビプログラム21pに含まれ、CPU81によりナビプログラム21pの他の処理とともに繰り返し実行される。まず、位置検出器1から車両101の現在位置情報を取得する(S51)。
【0067】
次に、道路地図データ21mを参照して車両101の道路地図の現在位置を特定し、この現在位置が図4のチャイルドプルーフ機構作動設定処理に置いて設定された作動領域に含まれる場合(S52:Yes)、チャイルドプルーフ機構を作動させるチャイルドプルーフ機構作動処理を実行する(S59,後述)。
【0068】
また、車両101の道路地図の現在位置が高速道路のような自動車専用道路上にあるとき(S53:Yes)、チャイルドプルーフ機構作動処理を実行する(S59,後述)。
【0069】
また、車両101の道路地図の現在位置が駐車場にあるとき(S54:Yes)、チャイルドプルーフ機構作動処理を実行する(S59,後述)。駐車場に高速道路のパーキングエリアやサービスエリアを含めてもよい。
【0070】
また、車両101の道路地図の現在位置が道路にあるとき(S55:Yes)、エンジンECU200からエンジン回転状態を取得する(S56)。エンジン回転状態に含まれるエンジン回転数が、例えばアイドリング回転数のような予め定められた回転数を上回る場合(S57:Yes)、チャイルドプルーフ機構作動処理を実行する(S59,後述)。
【0071】
一方、道路地図の現在位置が自動車専用道路,駐車場,あるいは道路のいずれでもなく、かつ道路上でもエンジンエンジン回転数が、例えばアイドリング回転数のような予め定められた回転数を下回る場合(S57:No)、チャイルドプルーフ機構を作動させない(S58)。すなわち、ナビゲーション装置100からドアロックECU400に、車内LAN27を介して、チャイルドプルーフ機構を作動させないための指令信号を送る。指令信号を受信したドアロックECU400は、演算処理部414から各アクチュエータ111へ指令を送り、チャイルドプルーフ機構の作動を解除させて、車両内側からドアを開けられるようにする。
【0072】
(チャイルドプルーフ機構作動制御処理2)
図10を用いて、チャイルドプルーフ機構作動制御処理の別例について説明する。まず、車速センサ23から車両101の車速情報を取得する(S71)。次に、車速が予め定められた車速閾値を超えた場合(S72:Yes)、チャイルドプルーフ機構を作動させるチャイルドプルーフ機構作動処理を実行する(S73,後述)。一方、車速が予め定められた車速閾値を超えない場合(S72:No)、チャイルドプルーフ機構を作動させない(S74)。チャイルドプルーフ機構の作動解除については、図9と同様である。
【0073】
(チャイルドプルーフ機構作動制御処理3)
図11を用いて、チャイルドプルーフ機構作動制御処理の別例について説明する。まず、傾斜角度情報を取得する(S91)。傾斜角度情報の取得方法は、以下のいずれを用いてもよい。
・ジャイロスコープ3から取得される車両101の回転角速度情報に基づき、車両の姿勢の変化(すなわち、傾斜も含まれる)から傾斜角度を算出する。
・地図データ21mに予め道路情報とともに、その道路の勾配に関する情報が記憶されており、位置検出器1で検出された車両101の現在位置に対応した道路の勾配情報を取得して、これを車両101の傾斜角度情報とする。
・ジャイロスコープ3以外の周知の傾斜センサ(図示せず)を用いて車両101の傾斜角度を取得する。
【0074】
次に、傾斜角度が予め定められた傾斜角度閾値を超えた場合(S92:Yes)、チャイルドプルーフ機構を作動させるチャイルドプルーフ機構作動処理を実行する(S93,後述)。一方、傾斜角度が予め定められた傾斜角度閾値を超えない場合(S92:No)、チャイルドプルーフ機構を作動させない(S94)。チャイルドプルーフ機構の作動解除については、図9と同様である。
【0075】
(チャイルドプルーフ機構作動制御処理4)
図12を用いて、チャイルドプルーフ機構作動制御処理の別例について説明する。まず、エアバッグECU300からエアバッグ作動情報を取得する(S111)。エアバッグ作動情報は、エアバッグECU300から予め定められたタイミングで、車内LAN27を介して他の車載機器に向けて送信される。他の車載機器は、必要に応じてエアバッグ作動情報を取得し、その情報に基づいて制御を行う。
【0076】
次に、取得したエアバッグ作動情報に基づき、エアバッグが作動したと判定された場合(S112:Yes)、チャイルドプルーフ機構を作動させない(S113)。チャイルドプルーフ機構の作動解除については、図9と同様である。エアバッグが作動したと判定されなかった場合(S112:No)、チャイルドプルーフ機構を作動させるチャイルドプルーフ機構作動処理(後述)を実行してもよい。
【0077】
また、エアバッグECU300では、周知の加速度センサ(図示せず)を用いて、加速度センサの値が予め定められた値を超えた場合に衝突と判定してエアバック(図示せず)を作動(膨張)させているものが多いので、この構成の場合には、加速度センサからの加速度情報を取得して、加速度情報が予め定められた加速度閾値を超えた場合に、チャイルドプルーフ機構を作動させないようにしてもよい。
【0078】
(チャイルドプルーフ機構作動制御処理5)
図13を用いて、チャイルドプルーフ機構作動制御処理の別例について説明する。まず、車速センサ23から車両101の車速情報を取得する(S151)。例えば車速が5km/hのような予め定められた閾値を下回り、車両101が停止中と判定された場合(S152:Yes)、カメラ群32で撮影された画像情報を取得する(S153)。カメラ群32では常時撮影を行ってもよいし、車両101が停止中のときのみ撮影を行ってもよい。撮影された画像データは、データベース21dに予め定められた時間分だけ記憶され、古いものから順次新しいものに更新される。
【0079】
そして、画像情報を画像処理部89において解析し(S154)、車両101の各ドア(図2の102,103)の開ける際に支障となる障害物が存在する、あるいは接近している場合(S155:Yes)、チャイルドプルーフ機構を作動させるチャイルドプルーフ機構作動処理を実行する(S156,後述)。一方、障害物が存在しない、あるいは接近しない場合(S155:No)、チャイルドプルーフ機構を作動させない(S157)。チャイルドプルーフ機構の作動解除については、図9と同様である。
【0080】
図14を用いて、図9のステップS59,図10のステップS73,図11のステップS93,および図13のステップS156に相当するチャイルドプルーフ機構作動処理について説明する。まず、図4あるいは図8の処理で設定され、HDD21のデータベース21dあるいはメモリ9に記憶されている作動ドア設定情報を取得する(S131)。次に、作動ドア設定情報のうち、個別ドアについての設定情報を参照する(S132)。そのドアがチャイルドプルーフ機構の作動対象に設定されている場合(S133:Yes)、そのドアのチャイルドプルーフ機構を作動させる(S134)。
【0081】
すなわち、ナビゲーション装置100からドアロックECU400に、車内LAN27を介して、ドア位置を指定してチャイルドプルーフ機構を作動させるための指令信号を送る。指令信号を受信したドアロックECU400は、演算処理部414から各アクチュエータ111へ指令を送り、該当するドアのチャイルドプルーフ機構110を作動させて、車両内側からドアを開けられないようにする。
【0082】
そして、ステップS132〜S134までの処理を全座席について行う(S135)。
【0083】
また、上述のチャイルドプルーフ機構作動制御処理1〜5は、いずれか一つを用いてもよいし、二つ以上を組み合わせて用いてもよい。
【0084】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】車両用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図。
【図2】チャイルドプルーフ機構、チャイルドプルーフ機構を作動するためのアクチュエータおよびコントローラ等のレイアウトを示す図。
【図3】着座センサ群の配置例を示す図。
【図4】チャイルドプルーフ機構作動設定処理を説明するフロー図。
【図5】チャイルドプルーフ機構作動設定時の画面表示例を示す図。
【図6】作動領域設定時の画面表示例を示す図。
【図7】作動ドア設定時の画面表示例を示す図。
【図8】作動ドア設定方法の別例について説明するフロー図。
【図9】チャイルドプルーフ機構作動制御処理を説明するフロー図(1)。
【図10】チャイルドプルーフ機構作動制御処理を説明するフロー図(2)。
【図11】チャイルドプルーフ機構作動制御処理を説明するフロー図(3)。
【図12】チャイルドプルーフ機構作動制御処理を説明するフロー図(4)。
【図13】チャイルドプルーフ機構作動制御処理を説明するフロー図(5)。
【図14】チャイルドプルーフ機構作動処理を説明するフロー図。
【符号の説明】
【0086】
1 位置検出器(位置検出手段)
3 ジャイロスコープ(傾斜角度検出手段)
7 操作スイッチ群(作動領域設定手段,作動設定手段)
8 制御回路(チャイルドプルーフ機構作動制御手段,作動解除手段)
10 表示器
12 リモコン端末(作動領域設定手段,作動設定手段)
15 スピーカ
21 ハードディスク装置(HDD)
21d データベース
21m 道路地図データ(道路地図データ記憶手段)
23 車速センサ(車速検出手段)
26 LAN I/F(エンジン回転状態検出手段,エアバッグ作動検出手段)
27 車内LAN
30 音声認識ユニット
31 マイク(作動領域設定手段,作動設定手段)
32 カメラ群
34 着座センサ群(着座検出手段)
100 車両用ナビゲーション装置
101 車両
110 チャイルドプルーフ機構
200 エンジンECU
300 エアバッグECU
400 ドアロックECU
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの経路を案内する車両用ナビゲーション装置に関するもので、特にチャイルドプルーフ機構の作動を制御することが可能な車両用ナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の走行に伴ってGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等により現在位置を検出し、その現在位置を表示装置上に道路地図と共に表示して、出発地から目的地までの適切な経路を設定し、表示装置や音声出力装置などによって案内する車両用ナビゲーション装置は、ユーザの効率的で安全な運転に貢献している。
【0003】
近年、車両用ナビゲーション装置は、他の車載機器と連携して、ユーザの利便性の向上を図るものもある。例えば、犯罪発生件数や事故発生件数等が多く、ユーザが通行すべきでない回避区域を通行しないと目的地へ行けないような場合に、回避区域内であるときにドアロック装置を駆動してドアをロックするカーナビゲーションシステムが考案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、老人・子供が誤ってドアを開けることを防止するチャイルドプルーフ機構が広く普及している。チャイルドプルーフ機構は、車両の内側からはドアを開くことができないが、車両の外側からはドアを開くことができる機構である。例えば、車両の停車の際、チャイルドプルーフ機構によりドアが自動的にロックされるようにした車両の自動ドアロック装置が考案されている(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−39762号公報
【特許文献2】特開2004−98743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の構成は、強盗等の車外からの脅威の防止を目的とした発明であって、チャイルドプルーフ機構とはロックをしなければならない条件が異なる。すなわち、回避区域外ではドアはロックされないので、内側からドアを開けることができてしまうという問題がある。
【0007】
特許文献2の構成は、車両用ナビゲーション装置との連携については開示されていない。また、車両に搭載された車両周辺の情報を収集するセンサ情報に基づき、チャイルドプルーフ機構の自動制御を行う構成であり、車両内部の情報を用いてチャイルドプルーフ機構の自動制御を行う構成については、示唆・開示ともされていない。
【0008】
上記問題を背景として、本発明の課題は、車両内部で有する情報と車両外部の情報に基づいた情報のいずれをも用いて、チャイルドプルーフ機構の自動制御を行うことが可能な車両用ナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0009】
上記課題を解決するための車両用ナビゲーション装置は、車両のドアに備えられ、車両内部からの当該ドアの開操作を禁止するチャイルドプルーフ機構と、車両の現在位置を検出する位置検出手段と、道路地図データを記憶する道路地図データ記憶手段と、車両の現在位置が道路地図上の予め定められた領域に含まれる場合、チャイルドプルーフ機構を自動的に作動させるチャイルドプルーフ機構作動制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記構成によって、車両用ナビゲーション装置との連携により、チャイルドプルーフ機構を自動制御することができる。また、車両外部の情報に基づいた情報の他に、車両内部で有する情報をも用いることで、状況に応じて適確にチャイルドプルーフ機構の自動制御を行うことができる。
【0011】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置におけるチャイルドプルーフ機構作動制御手段は、車両の現在位置が自動車専用道路にある場合に、チャイルドプルーフ機構を作動させるように構成することもできる。
【0012】
高速道路等の自動車専用道路では、ドアを開けると車外に放出される可能性がある。また、サービスエリアあるいはパーキングエリアにおいても、車両は比較的高速で走行しているので、みだりにドアを開けることは望ましくない。上記構成によって、車両が走行中に老人・子供が誤ってドアを開けることを防止できる。
【0013】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置におけるチャイルドプルーフ機構作動制御手段は、車両の現在位置が駐車場にある場合にチャイルドプルーフ機構を作動させるように構成することもできる。
【0014】
上記構成によって、例えば子供が誤ってドアを勢いよく開けて、側壁や隣の車を傷つけることを防止できる。
【0015】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、道路地図において、チャイルドプルーフ機構を作動させる領域を設定する作動領域設定手段を備えるように構成することもできる。
【0016】
上記構成によって、例えば交通量の多い場所、両側がブロック塀となっている幅員の狭い道路、片側が崖となっている山道等を作動領域として設定することができ、これらの領域内において、誤ってドアを開けて、他の車両の走行の妨げとなったり、乗員が車外に放出されることを防止できる。
【0017】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、車両の速度を検出する車速検出手段を備え、チャイルドプルーフ機構作動制御手段は、車両の速度が予め定められた値を上回る場合に、チャイルドプルーフ機構を作動させるように構成することもできる。
【0018】
上記構成によって、車両が走行中に誤ってドアを開けて、他の車両の走行の妨げとなったり、乗員が車外に放出されることを防止できる。
【0019】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、車両のエンジンの回転状態を検出するエンジン回転状態検出手段を備え、チャイルドプルーフ機構作動制御手段は車両の現在位置が道路にあり、かつ車両のエンジンが回転している場合に、チャイルドプルーフ機構を作動させるように構成することもできる。
【0020】
上記構成によって、車両が走行中あるいは信号待ち等で停車中のときにも、乗員が誤ってドアを開けることを防止できる。
【0021】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、車両の傾斜角度を検出する傾斜角度検出手段を備え、チャイルドプルーフ機構作動制御手段は、車両の傾斜角度が予め定められた値を上回る場合に、チャイルドプルーフ機構を作動させるように構成することもできる。
【0022】
ヒンジ式のドアは、下り坂では重力の影響によって急に大きく開くことがある。また、後方スライド式のドアは、上り坂で急に大きく開くことがある。上記構成によって、これらのような場所でドアを開けることを防止できる。
【0023】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、車両のドアの各々について、チャイルドプルーフ機構作動制御手段によりチャイルドプルーフ機構を作動させるか否かを設定する作動設定手段を備えるように構成することもできる。
【0024】
チャイルドプルーフドアロックでは、全部のドアロックをしてはならいので、上記構成によって、必要のあるドアのみチャイルドプルーフ機構を作動させるよう設定することができる。
【0025】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置における作動設定手段は、ユーザの選択設定入力に基づいて車両のドアの各々について、チャイルドプルーフ機構作動制御手段によりチャイルドプルーフ機構を作動させるか否かを設定するように構成することもできる。
【0026】
上記構成によって、ユーザが必要のあるドアのみチャイルドプルーフ機構を作動させるよう設定することができる。
【0027】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、車両における乗員の着座を検出する着座検出手段を備え、作動設定手段は、乗員の着座が検出された座席に最も近いドアを、チャイルドプルーフ機構を作動させるドアとして設定するように構成することもできる。
【0028】
乗員が座っていない席のドアのチャイルドプルーフ機構を作動させることは無意味である。上記構成によって、必要のあるドアのみチャイルドプルーフ機構を作動させるよう自動的に設定することができる。
【0029】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、予め定められた条件が成立した場合に、チャイルドプルーフ機構の作動を自動的に解除する作動解除手段を備えるように構成することもできる。
【0030】
上記構成によって、ユーザの設定/解除の操作の手間を省くことができる。
【0031】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、車両のエアバッグの作動を検出するエアバッグ作動検出手段を備え、作動解除手段は、エアバッグの作動が検出された場合に、チャイルドプルーフ機構の作動を解除するように構成することもできる。
【0032】
エアバッグは、車両が何らかの物体と衝突して車両が衝撃を受けたときに作動する。このとき、乗員は車両から速やかに脱出しなければならない。上記構成によって、乗員の脱出を妨げることはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の車両用ナビゲーション装置を、図面を参照しながら説明する。図1に、車両用ナビゲーション装置(以下、ナビゲーション装置と略称)100の構成を示すブロック図を示す。ナビゲーション装置100は、位置検出器1,地図データ入力器6,操作スイッチ群7,リモートコントロール(以下リモコンと称する)センサ11,音声案内などを行う音声合成回路24,スピーカ15,メモリ9,表示器10,送受信機13,ハードディスク装置(HDD)21,LAN(Local Area Network) I/F(インターフェース)26,これらの接続された制御回路8,リモコン端末12等を備えている。
【0034】
位置検出器1は、周知の地磁気センサ2,車両101(図2参照)の回転角速度を検出するジャイロスコープ3,車両101の走行距離を検出する距離センサ4,および衛星からの電波に基づいて車両101の位置を検出するGPS受信機5を有している。これらのセンサ等2,3,4,5は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては前述したうちの一部のセンサで構成してもよく、さらに、ステアリングの回転センサ(図示せず)や、各転動輪の車輪センサ例えば車速センサ23等を用いてもよい。なお、位置検出器1が本発明の位置検出手段に相当する。また、ジャイロスコープ3が本発明の傾斜角度検出手段に相当する。
【0035】
操作スイッチ群7は、例えば表示器10と一体になった周知のタッチパネル22もしくはメカニカルなスイッチが用いられる。メカニカルスイッチの他に、マウスやカーソル等のポインティングデバイスを用いてもよい。
【0036】
また、マイク31および音声認識ユニット30を用いて種々の指示を入力することも可能である。これは、マイク31から入力された音声信号を、音声認識ユニット30において周知の隠れマルコフモデル等の音声認識技術により処理を行い、その結果に応じた操作コマンドに変換するものである。これら、本発明の作動領域設定手段,作動設定手段でもある、操作スイッチ群7,リモコン端末12,タッチパネル22,およびマイク31により、種々の指示を入力することが可能である。
【0037】
送受信機13は、例えば道路に沿って設けられた送信機(図示せず)から出力される光ビーコン、または電波ビーコンによってVICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム,登録商標)センタ14から道路交通情報を受信、あるいはFM多重放送を受信するための装置である。また、送受信機13を用いてインターネット等の外部ネットワークに接続可能な構成としてもよい。
【0038】
制御回路8は、周知のCPU81,ROM82,RAM83,入出力回路であるI/O84,A/D変換部86,描画部87,時計IC88,画像処理部89,およびこれらの構成を接続するバスライン85が備えられている。CPU81は、HDD21に記憶されたナビプログラム21pおよびデータにより制御を行う。また、HDD21へのデータの読み書きの制御はCPU81によって行われる。また、CPU81からHDD21に対してデータの読み書きの制御ができなくなった場合のために、ROM82にナビゲーション装置100として必要最低限の動作を行うためのプログラムを記憶しておいてもよい。なお、制御回路8が本発明のチャイルドプルーフ機構作動制御手段,作動解除手段に相当する。
【0039】
A/D変換部86は周知のA/D(アナログ/デジタル)変換回路を含み、例えば位置検出器1などから制御回路8に入力されるアナログデータをCPU81で演算可能なデジタルデータに変換するものである。
【0040】
描画部87は、HDD21等に記憶された道路地図データ21m(後述),表示用のデータや表示色のデータから表示器10に表示させるための表示画面データを生成する。
【0041】
時計IC88はリアルタイムクロックICとも呼ばれ、CPU81からの要求に応じて時計・カレンダーのデータを送出あるいは設定するものである。CPU81は時計IC88から日時情報を取得する。また、GPS受信機5で受信したGPS信号に含まれる日時情報を用いてもよい。また、CPU81に含まれるリアルタイムカウンタを基にして日時情報を生成してもよい。取得した日時情報は、例えば走行履歴管理等に用いられる。
【0042】
画像処理部89は、公知のパターン認識などの技術によってカメラ群32(後述)によって撮影された画像の解析を行う画像処理回路を含んで構成される。画像処理部89では、例えば、カメラ群32により撮影された映像信号に一般的な2値化処理を施すことにより、ピクセル毎のデジタル多値画像データに変換する。そして、得られた多値画像データから、一般的な画像処理手法を用いて所望の画像部分を抽出する。
【0043】
HDD21には、ナビプログラム21pの他に位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、道路の接続を表した道路データを含む地図データベースである道路地図データ21mが記憶される。道路地図データ21mは、表示用となる所定の地図画像情報を記憶するとともに、リンク情報やノード情報等を含む道路網情報を記憶する。リンク情報は、各道路を構成する所定の区間情報であって、位置座標,距離,所要時間,道幅,車線数,制限速度等から構成される。また、ノード情報は、交差点(分岐路)等を規定する情報であって、位置座標,右左折車線数,接続先道路リンク等から構成される。また、リンク間接続情報には、通行の可不可を示すデータなどが設定されている。なお、道路地図データ21mが本発明の道路地図データ記憶手段に相当する。
【0044】
また、HDD21には経路案内の補助情報や娯楽情報、その他にユーザが独自にデータを書き込むことができ、ユーザデータ21uとして記憶される。また、ナビゲーション装置100の動作に必要なデータや各種情報はデータベース21dとしても記憶される。
【0045】
ナビプログラム21p,道路地図データ21m,ユーザデータ21u,およびデータベース21dは、地図データ入力器6を介して記憶媒体20からそのデータの追加・更新を行うことが可能である。記憶媒体20は、そのデータ量からCD−ROMやDVDを用いるのが一般的であるが、例えばメモリカード等の他の媒体を用いてもよい。また、外部ネットワークを介してデータをダウンロードする構成を用いてもよい。
【0046】
メモリ9はEEPROM(Electrically Erasable & Programmable Read Only Memory:電気的消去・プログラム可能・読出し専用メモリ)やフラッシュメモリ等の書き換え可能なデバイスによって構成され、ナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータが記憶されている。なお、メモリ9は、ナビゲーション装置100がオフ状態になっても記憶内容が保持されるようになっている。また、ナビゲーション装置100の機能あるいは動作に応じて、必要な情報およびデータをメモリ9とHDD21に分けて記憶してもよい。
【0047】
表示器10は周知のカラー液晶表示器で構成され、ドット・マトリックスLCD(Liquid Crystal Display)およびLCD表示制御を行うための図示しないドライバ回路を含んで構成されている。ドライバ回路は、例えば、周知のアクティブマトリックス駆動方式が用いられ、制御回路8(描画部87)から送られる表示指令および表示画面データに基づいて表示を行う。また、表示器10として有機EL(ElectroLuminescence:電界発光)表示器,プラズマ表示器を用いてもよい。
【0048】
スピーカ15は周知の音声合成回路24に接続され、ナビプログラム21pの指令によってメモリ9あるいはHDD21に記憶されるデジタル音声データが音声合成回路24においてアナログ音声に変換されたものが送出される。なお、音声合成の方法には、音声波形をそのままあるいは符号化して蓄積しておき必要に応じて繋ぎ合わせる録音編集方式、文字入力情報からそれに対応する音声を合成するテキスト合成方式などがある。
【0049】
車速センサ23は周知のロータリエンコーダ等の回転検出部を含み、例えば車輪取り付け部付近に設置されて車輪の回転を検出してパルス信号として制御回路8に送るものである。制御回路8では、その車輪の回転数を車両101の速度に換算する他に、車両101の現在位置から所定の場所までの予想到達時間を算出したり、車両101の走行区間毎の平均車速を算出する。なお、車速センサ23が本発明の車速検出手段に相当する。
【0050】
LAN I/F26は車内LAN27を介して他の車載機器やセンサとのデータの遣り取りを行うためのインターフェース回路である。また、LAN I/F26を介して車速センサ23からのデータ取り込みを行ってもよい。なお、LAN I/F26が本発明のエンジン回転状態検出手段,エアバッグ作動検出手段に相当する。
【0051】
このような構成を持つことにより、ナビゲーション装置100は、制御回路8のCPU81によりナビプログラム21pが起動されると、ユーザが操作スイッチ群7,タッチパネル22,リモコン端末12の操作、あるいはマイク31からの音声入力によって、表示器10上に表示されるメニュー(図示せず)から目的地経路を表示器10に表示させるための経路案内処理を選択した場合、次のような処理を実施する。
【0052】
すなわち、まず、ユーザは目的地を探索する。目的地の探索方法は、例えば、地図上の任意の地点を指定する方法,目的地の所在する地域から探索する方法,目的地の電話番号から探索する方法,五十音表から目的地の名称を入力して探索する方法,あるいはユーザがよく利用する施設としてメモリ9に記憶されているものから探索する方法などがある。目的地が設定されると、位置検出器1により車両101の現在位置が求められ、該現在位置を出発地として目的地までの最適な案内経路を求める処理が行われる。そして、表示器10上の道路地図に案内経路を重ねて表示し、ユーザに適切な経路を案内する。このような自動的に最適な案内経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。また、表示器10およびスピーカ15の少なくとも一方によって、操作時のガイダンスや動作状態に応じたメッセージの報知を行う。
【0053】
エンジンECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)200は、車両101のエンジン(図示せず)の回転制御を行う周知の制御装置である。エンジンECU200は、車内LAN27に接続され、エンジンの動作状態や制御状態に関する情報を、他の車載装置に送る。
【0054】
エアバッグECU300は、車両101の運転席,助手席等に設置されているエアバッグ装置(図示せず)の動作制御を行う周知の制御装置である。エアバッグECU300は、車内LAN27に接続され、エアバッグの動作状態や制御状態に関する情報を、他の車載装置に送る。
【0055】
着座センサ群34は、例えば圧力を加えられると電圧を発生する圧電素子により構成され、圧電素子が発生する電圧により、乗員の着座状態を検出することができる。図3のように、着座センサ群34は、車両101の各座席の着座部および背もたれ部に設置される。例えば、運転席の着座部121aには着座センサ34aが、背もたれ部121bには着座センサ34bが設置される。他の助手席(122a,122b),後席(123a,123b)についても同様である。また、エアバッグ装置(図示せず)が乗員の着座を検出する方式のものであれば、その着座検出手段を用いてもよい。なお、着座センサ群34が本発明の着座検出手段に相当する。
【0056】
図1に戻り、ドアロックECU400は、ドアロック装置104,チャイルドプルーフ機構110(いずれも図2参照)の動作制御を行うものである。図2に、ドアロックECU400およびチャイルドプルーフ機構を作動するためのアクチュエータ等のレイアウトを示す。なお、ドアロックECU400およびアクチュエータ等の動作の詳細は特許文献2に記載されているので、ここでは概略を述べるにとどめる。
【0057】
カメラ群32は、車両101の前方および側方を撮影可能な前側方撮影用カメラ32a、および車両101の後方および側方を撮影可能な後側方撮影用カメラ32bを含んで構成される。これらのカメラ32a,32bは、例えばドアミラー108に取り付けられているが、専用の取り付け部材または筐体(図示せず)により車両101の車体側面に取り付けてもよい。
【0058】
また、車両101の前部ドア102および後部ドア103にはそれぞれドアロック装置104が備えられ、各ドアロック装置104は、ドアラッチ機構109にそれぞれチャイルドプルーフ機構110を組み込んで、このチャイルドプルーフ機構110を、スプリングリターン式の電磁ソレノイドで構成されるアクチュエータ111により作動してドアラッチ機構109に対する乗員の操作を機械的に無効とするように構成したものである。
【0059】
ドアロックECU400は、演算処理部414,メモリ部415,入力部416,およびLAN I/F417に分けたブロック図で表されている。各アクチュエータ111は、演算処理部414に接続されている。メモリ部415には、制御プログラムが記憶されており、演算処理部414は、この制御プログラムに従って各種計算を実行し、各アクチュエータ111を制御する。また、LAN I/F417は、ナビゲーション装置100の車内LAN I/F26と同様の構成をとる。
【0060】
図4を用いて、チャイルドプルーフ機構作動設定処理について説明する。なお、本処理はナビプログラム21pに含まれ、CPU81によりナビプログラム21pの他の処理とともに繰り返し実行される。まず、操作スイッチ群7,タッチパネル22,リモコン端末12の操作、あるいはマイク31からの音声入力によって、表示器10上に図5のようなチャイルドプルーフ機構作動設定メニュー画面を表示させる(S11)。
【0061】
図5のメニュー画面で、「作動領域設定」ボタンを押下すると、図6のような作動領域設定画面が表示されるので、ユーザが所望する作動領域を設定する(S12)。領域の設定範囲は、例えば以下のいずれを用いてもよい。
・施設:目的地設定時の方法と同様に施設を選択して、その施設の敷地内、あるいはその施設の敷地外縁から例えば100m以内を作動領域として設定する。
・地点:目的地設定時の方法と同様に地点を選択して、その地点を中心として例えば100m以内を作動領域として設定する。
・地域:表示器10に地図を表示して、ユーザが任意に指定する地図上の領域を作動領域として設定する。あるいは、市区町村等の行政区画単位、あるいは○○1丁目,大字,字といった単位で作動領域を設定してもよい。
・路線:国道△△号線といった路線単位で作動領域を設定する。無論、路線における区間(作動区間)を指定することも可能である。
【0062】
また、図5のメニュー画面で、「作動ドア設定」ボタンを押下すると、図7のような作動ドア設定画面が表示されるので、ユーザが作動を所望するドアを設定する(S13)。このとき、車両(101)の全てのドアを作動するように設定することはできず、全てのドアを選択して「決定」ボタンを押下した場合には、警告メッセージが表示され、設定をやり直さなければならない。
【0063】
作動領域設定および作動ドア設定において設定された内容は、HDD21のデータベース21dあるいはメモリ9に記憶される。
【0064】
図8を用いて、作動ドア設定方法の別例について説明する。まず、着座センサ群34からの情報(着座センサ情報)を取得する(S31)。次に、乗員を検知する対象の座席であるか否かを調べるために、予めデータベース21d等に記憶されている検知対象設定情報を参照する(S32)。検知対象設定情報は、例えば、デフォルト状態では、後席のみ乗員検知を行うように設定されている。ユーザの操作により設定情報を変更することも可能である。但し、全ての座席を検知対象とすることはできない。
【0065】
乗員を検知する対象の座席である場合(S33:Yes)、その座席に乗員が着座しているか否かを判定し、乗員が着座している場合(S34:Yes)、その座席の最寄りのドアを、チャイルドプルーフ機構が作動するように設定する(S35)。そして、他に乗員を検知する対象の座席がある場合(S36:Yes)、ステップS34以降の処理を繰り返す。
【0066】
(チャイルドプルーフ機構作動制御処理1)
図9を用いて、チャイルドプルーフ機構作動制御処理について説明する。なお、本処理はナビプログラム21pに含まれ、CPU81によりナビプログラム21pの他の処理とともに繰り返し実行される。まず、位置検出器1から車両101の現在位置情報を取得する(S51)。
【0067】
次に、道路地図データ21mを参照して車両101の道路地図の現在位置を特定し、この現在位置が図4のチャイルドプルーフ機構作動設定処理に置いて設定された作動領域に含まれる場合(S52:Yes)、チャイルドプルーフ機構を作動させるチャイルドプルーフ機構作動処理を実行する(S59,後述)。
【0068】
また、車両101の道路地図の現在位置が高速道路のような自動車専用道路上にあるとき(S53:Yes)、チャイルドプルーフ機構作動処理を実行する(S59,後述)。
【0069】
また、車両101の道路地図の現在位置が駐車場にあるとき(S54:Yes)、チャイルドプルーフ機構作動処理を実行する(S59,後述)。駐車場に高速道路のパーキングエリアやサービスエリアを含めてもよい。
【0070】
また、車両101の道路地図の現在位置が道路にあるとき(S55:Yes)、エンジンECU200からエンジン回転状態を取得する(S56)。エンジン回転状態に含まれるエンジン回転数が、例えばアイドリング回転数のような予め定められた回転数を上回る場合(S57:Yes)、チャイルドプルーフ機構作動処理を実行する(S59,後述)。
【0071】
一方、道路地図の現在位置が自動車専用道路,駐車場,あるいは道路のいずれでもなく、かつ道路上でもエンジンエンジン回転数が、例えばアイドリング回転数のような予め定められた回転数を下回る場合(S57:No)、チャイルドプルーフ機構を作動させない(S58)。すなわち、ナビゲーション装置100からドアロックECU400に、車内LAN27を介して、チャイルドプルーフ機構を作動させないための指令信号を送る。指令信号を受信したドアロックECU400は、演算処理部414から各アクチュエータ111へ指令を送り、チャイルドプルーフ機構の作動を解除させて、車両内側からドアを開けられるようにする。
【0072】
(チャイルドプルーフ機構作動制御処理2)
図10を用いて、チャイルドプルーフ機構作動制御処理の別例について説明する。まず、車速センサ23から車両101の車速情報を取得する(S71)。次に、車速が予め定められた車速閾値を超えた場合(S72:Yes)、チャイルドプルーフ機構を作動させるチャイルドプルーフ機構作動処理を実行する(S73,後述)。一方、車速が予め定められた車速閾値を超えない場合(S72:No)、チャイルドプルーフ機構を作動させない(S74)。チャイルドプルーフ機構の作動解除については、図9と同様である。
【0073】
(チャイルドプルーフ機構作動制御処理3)
図11を用いて、チャイルドプルーフ機構作動制御処理の別例について説明する。まず、傾斜角度情報を取得する(S91)。傾斜角度情報の取得方法は、以下のいずれを用いてもよい。
・ジャイロスコープ3から取得される車両101の回転角速度情報に基づき、車両の姿勢の変化(すなわち、傾斜も含まれる)から傾斜角度を算出する。
・地図データ21mに予め道路情報とともに、その道路の勾配に関する情報が記憶されており、位置検出器1で検出された車両101の現在位置に対応した道路の勾配情報を取得して、これを車両101の傾斜角度情報とする。
・ジャイロスコープ3以外の周知の傾斜センサ(図示せず)を用いて車両101の傾斜角度を取得する。
【0074】
次に、傾斜角度が予め定められた傾斜角度閾値を超えた場合(S92:Yes)、チャイルドプルーフ機構を作動させるチャイルドプルーフ機構作動処理を実行する(S93,後述)。一方、傾斜角度が予め定められた傾斜角度閾値を超えない場合(S92:No)、チャイルドプルーフ機構を作動させない(S94)。チャイルドプルーフ機構の作動解除については、図9と同様である。
【0075】
(チャイルドプルーフ機構作動制御処理4)
図12を用いて、チャイルドプルーフ機構作動制御処理の別例について説明する。まず、エアバッグECU300からエアバッグ作動情報を取得する(S111)。エアバッグ作動情報は、エアバッグECU300から予め定められたタイミングで、車内LAN27を介して他の車載機器に向けて送信される。他の車載機器は、必要に応じてエアバッグ作動情報を取得し、その情報に基づいて制御を行う。
【0076】
次に、取得したエアバッグ作動情報に基づき、エアバッグが作動したと判定された場合(S112:Yes)、チャイルドプルーフ機構を作動させない(S113)。チャイルドプルーフ機構の作動解除については、図9と同様である。エアバッグが作動したと判定されなかった場合(S112:No)、チャイルドプルーフ機構を作動させるチャイルドプルーフ機構作動処理(後述)を実行してもよい。
【0077】
また、エアバッグECU300では、周知の加速度センサ(図示せず)を用いて、加速度センサの値が予め定められた値を超えた場合に衝突と判定してエアバック(図示せず)を作動(膨張)させているものが多いので、この構成の場合には、加速度センサからの加速度情報を取得して、加速度情報が予め定められた加速度閾値を超えた場合に、チャイルドプルーフ機構を作動させないようにしてもよい。
【0078】
(チャイルドプルーフ機構作動制御処理5)
図13を用いて、チャイルドプルーフ機構作動制御処理の別例について説明する。まず、車速センサ23から車両101の車速情報を取得する(S151)。例えば車速が5km/hのような予め定められた閾値を下回り、車両101が停止中と判定された場合(S152:Yes)、カメラ群32で撮影された画像情報を取得する(S153)。カメラ群32では常時撮影を行ってもよいし、車両101が停止中のときのみ撮影を行ってもよい。撮影された画像データは、データベース21dに予め定められた時間分だけ記憶され、古いものから順次新しいものに更新される。
【0079】
そして、画像情報を画像処理部89において解析し(S154)、車両101の各ドア(図2の102,103)の開ける際に支障となる障害物が存在する、あるいは接近している場合(S155:Yes)、チャイルドプルーフ機構を作動させるチャイルドプルーフ機構作動処理を実行する(S156,後述)。一方、障害物が存在しない、あるいは接近しない場合(S155:No)、チャイルドプルーフ機構を作動させない(S157)。チャイルドプルーフ機構の作動解除については、図9と同様である。
【0080】
図14を用いて、図9のステップS59,図10のステップS73,図11のステップS93,および図13のステップS156に相当するチャイルドプルーフ機構作動処理について説明する。まず、図4あるいは図8の処理で設定され、HDD21のデータベース21dあるいはメモリ9に記憶されている作動ドア設定情報を取得する(S131)。次に、作動ドア設定情報のうち、個別ドアについての設定情報を参照する(S132)。そのドアがチャイルドプルーフ機構の作動対象に設定されている場合(S133:Yes)、そのドアのチャイルドプルーフ機構を作動させる(S134)。
【0081】
すなわち、ナビゲーション装置100からドアロックECU400に、車内LAN27を介して、ドア位置を指定してチャイルドプルーフ機構を作動させるための指令信号を送る。指令信号を受信したドアロックECU400は、演算処理部414から各アクチュエータ111へ指令を送り、該当するドアのチャイルドプルーフ機構110を作動させて、車両内側からドアを開けられないようにする。
【0082】
そして、ステップS132〜S134までの処理を全座席について行う(S135)。
【0083】
また、上述のチャイルドプルーフ機構作動制御処理1〜5は、いずれか一つを用いてもよいし、二つ以上を組み合わせて用いてもよい。
【0084】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】車両用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図。
【図2】チャイルドプルーフ機構、チャイルドプルーフ機構を作動するためのアクチュエータおよびコントローラ等のレイアウトを示す図。
【図3】着座センサ群の配置例を示す図。
【図4】チャイルドプルーフ機構作動設定処理を説明するフロー図。
【図5】チャイルドプルーフ機構作動設定時の画面表示例を示す図。
【図6】作動領域設定時の画面表示例を示す図。
【図7】作動ドア設定時の画面表示例を示す図。
【図8】作動ドア設定方法の別例について説明するフロー図。
【図9】チャイルドプルーフ機構作動制御処理を説明するフロー図(1)。
【図10】チャイルドプルーフ機構作動制御処理を説明するフロー図(2)。
【図11】チャイルドプルーフ機構作動制御処理を説明するフロー図(3)。
【図12】チャイルドプルーフ機構作動制御処理を説明するフロー図(4)。
【図13】チャイルドプルーフ機構作動制御処理を説明するフロー図(5)。
【図14】チャイルドプルーフ機構作動処理を説明するフロー図。
【符号の説明】
【0086】
1 位置検出器(位置検出手段)
3 ジャイロスコープ(傾斜角度検出手段)
7 操作スイッチ群(作動領域設定手段,作動設定手段)
8 制御回路(チャイルドプルーフ機構作動制御手段,作動解除手段)
10 表示器
12 リモコン端末(作動領域設定手段,作動設定手段)
15 スピーカ
21 ハードディスク装置(HDD)
21d データベース
21m 道路地図データ(道路地図データ記憶手段)
23 車速センサ(車速検出手段)
26 LAN I/F(エンジン回転状態検出手段,エアバッグ作動検出手段)
27 車内LAN
30 音声認識ユニット
31 マイク(作動領域設定手段,作動設定手段)
32 カメラ群
34 着座センサ群(着座検出手段)
100 車両用ナビゲーション装置
101 車両
110 チャイルドプルーフ機構
200 エンジンECU
300 エアバッグECU
400 ドアロックECU
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のドアに備えられ、車両内部からの当該ドアの開操作を禁止するチャイルドプルーフ機構と、
前記車両の現在位置を検出する位置検出手段と、
道路地図データを記憶する道路地図データ記憶手段と、
前記車両の現在位置が前記道路地図上の予め定められた領域に含まれる場合、前記チャイルドプルーフ機構を自動的に作動させるチャイルドプルーフ機構作動制御手段と、
を備えることを特徴とする車両用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記チャイルドプルーフ機構作動制御手段は、前記車両の現在位置が自動車専用道路にある場合に、前記チャイルドプルーフ機構を作動させる請求項1に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記チャイルドプルーフ機構作動制御手段は、前記車両の現在位置が駐車場にある場合に前記チャイルドプルーフ機構を作動させる請求項1または請求項2に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記道路地図において、前記チャイルドプルーフ機構を作動させる領域を設定する作動領域設定手段を備える請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記車両の速度を検出する車速検出手段を備え、
前記チャイルドプルーフ機構作動制御手段は、前記車両の速度が予め定められた値を上回る場合に、前記チャイルドプルーフ機構を作動させる請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項6】
前記車両のエンジンの回転状態を検出するエンジン回転状態検出手段を備え、
前記チャイルドプルーフ機構作動制御手段は前記車両の現在位置が道路にあり、かつ前記車両のエンジンが回転している場合に、前記チャイルドプルーフ機構を作動させる請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項7】
前記車両の傾斜角度を検出する傾斜角度検出手段を備え、
前記チャイルドプルーフ機構作動制御手段は、前記車両の傾斜角度が予め定められた値を上回る場合に、前記チャイルドプルーフ機構を作動させる請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項8】
前記車両のドアの各々について、前記チャイルドプルーフ機構作動制御手段により前記チャイルドプルーフ機構を作動させるか否かを設定する作動設定手段を備える請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項9】
前記作動設定手段は、ユーザの選択設定入力に基づいて前記車両のドアの各々について、前記チャイルドプルーフ機構作動制御手段により前記チャイルドプルーフ機構を作動させるか否かを設定する請求項8に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項10】
前記車両における乗員の着座を検出する着座検出手段を備え、
前記作動設定手段は、前記乗員の着座が検出された座席に最も近いドアを、前記チャイルドプルーフ機構を作動させるドアとして設定する請求項8または請求項9に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項11】
予め定められた条件が成立した場合に、前記チャイルドプルーフ機構の作動を自動的に解除する作動解除手段を備える請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項12】
前記車両のエアバッグの作動を検出するエアバッグ作動検出手段を備え、
前記作動解除手段は、エアバッグの作動が検出された場合に、前記チャイルドプルーフ機構の作動を解除する請求項11に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項1】
車両のドアに備えられ、車両内部からの当該ドアの開操作を禁止するチャイルドプルーフ機構と、
前記車両の現在位置を検出する位置検出手段と、
道路地図データを記憶する道路地図データ記憶手段と、
前記車両の現在位置が前記道路地図上の予め定められた領域に含まれる場合、前記チャイルドプルーフ機構を自動的に作動させるチャイルドプルーフ機構作動制御手段と、
を備えることを特徴とする車両用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記チャイルドプルーフ機構作動制御手段は、前記車両の現在位置が自動車専用道路にある場合に、前記チャイルドプルーフ機構を作動させる請求項1に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記チャイルドプルーフ機構作動制御手段は、前記車両の現在位置が駐車場にある場合に前記チャイルドプルーフ機構を作動させる請求項1または請求項2に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記道路地図において、前記チャイルドプルーフ機構を作動させる領域を設定する作動領域設定手段を備える請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記車両の速度を検出する車速検出手段を備え、
前記チャイルドプルーフ機構作動制御手段は、前記車両の速度が予め定められた値を上回る場合に、前記チャイルドプルーフ機構を作動させる請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項6】
前記車両のエンジンの回転状態を検出するエンジン回転状態検出手段を備え、
前記チャイルドプルーフ機構作動制御手段は前記車両の現在位置が道路にあり、かつ前記車両のエンジンが回転している場合に、前記チャイルドプルーフ機構を作動させる請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項7】
前記車両の傾斜角度を検出する傾斜角度検出手段を備え、
前記チャイルドプルーフ機構作動制御手段は、前記車両の傾斜角度が予め定められた値を上回る場合に、前記チャイルドプルーフ機構を作動させる請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項8】
前記車両のドアの各々について、前記チャイルドプルーフ機構作動制御手段により前記チャイルドプルーフ機構を作動させるか否かを設定する作動設定手段を備える請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項9】
前記作動設定手段は、ユーザの選択設定入力に基づいて前記車両のドアの各々について、前記チャイルドプルーフ機構作動制御手段により前記チャイルドプルーフ機構を作動させるか否かを設定する請求項8に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項10】
前記車両における乗員の着座を検出する着座検出手段を備え、
前記作動設定手段は、前記乗員の着座が検出された座席に最も近いドアを、前記チャイルドプルーフ機構を作動させるドアとして設定する請求項8または請求項9に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項11】
予め定められた条件が成立した場合に、前記チャイルドプルーフ機構の作動を自動的に解除する作動解除手段を備える請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項12】
前記車両のエアバッグの作動を検出するエアバッグ作動検出手段を備え、
前記作動解除手段は、エアバッグの作動が検出された場合に、前記チャイルドプルーフ機構の作動を解除する請求項11に記載の車両用ナビゲーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−25019(P2009−25019A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−185533(P2007−185533)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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