説明

車両用情報提供装置、車両用情報提供方法、および、車両用情報提供システム

【課題】ユーザが自車位置を把握していない場合でも、車両位置に関連する情報を迅速にユーザに提供する。
【解決手段】ユーザからの情報送信要求に基づいて、情報センター20のオペレータが情報を検索し、検索した情報をデータ通信で車載機1に送信するシステムにおいて、前回、データ通信で車載機1に情報を送信した際に、車両位置および車両位置を検出した時刻のデータを車載機1から受信し、受信した車両位置および時刻のデータと、現在の時刻とに基づいて、情報センター20側において、車両位置を推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の乗員が希望する情報を車両に提供する車両用情報提供装置、車両用情報提供方法および車両用情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが希望する情報を情報センターのオペレータに伝えて、ユーザから要求のあった情報を、無線通信を介して、情報センターから車載機に送信する情報提供システムが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平2003―150596号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の情報提供システムでは、利用者が車両の現在地周辺に関する情報を要求する場合に、現在地周辺の地理に詳しければ、現在地がどの辺りなのかをオペレータに伝えることができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明による車両用情報提供装置は、ユーザが希望する、車両の現在地と関連する情報を電話でオペレータが聞いて検索し、電話回線の切断後に、検索した情報をデータ通信にて、車載機に送信する装置において、情報の送信を要求してきた車両の現在地を推定し、推定した車両の現在地をオペレータに提示して、オペレータによって検索された情報を、情報の送信を要求してきた車載機に送信することを特徴とする。
(2)本発明による車両用情報提供システムは、ユーザが希望する、車両の現在地と関連する情報を電話で情報センターのオペレータに伝え、電話回線の切断後に、オペレータが検索した情報をデータ通信にて、情報センターから車載機に送信するシステムであって、情報センターでは、情報の送信を要求してきた車両の現在地を推定してオペレータに提示し、オペレータによって検索された情報を、情報の送信を要求してきた車載機に送信することを特徴とする。
(3)本発明による車両用情報提供方法は、ユーザが希望する、車両の現在地と関連する情報を電話でオペレータが聞いて検索し、電話回線の切断後に、検索した情報をデータ通信にて、車載機に送信する方法であって、情報の送信を要求してきた車両の現在地を推定し、推定した車両の現在地をオペレータに提示して、オペレータによって検索された情報を、情報の送信を要求してきた車載機に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明による車両用情報提供装置、車両用情報提供システム、および、車両用情報提供方法によれば、車両の現在地を推定してオペレータに提示するので、ユーザが車両の位置を把握していない場合でも、オペレータは、推定された車両位置に基づいて、車両位置に関連する情報を検索して、車載機に送信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、本発明による車両用情報提供システムの一実施の形態の全体構成を示す図である。この車両用情報提供システムを利用するユーザは、情報センター20(車両用情報提供装置)に発呼して、希望する情報を情報センター20のオペレータに伝え、オペレータが検索システム34により検索した情報を車載機1に送信する。
【0008】
車載機1は、ナビゲーションユニット2と、モニタ3と、通信アダプタ5と、携帯電話4および通信アダプタ5を接続する電話ハーネス6と、通信アダプタ5とナビゲーションユニット2とを接続する接続ハーネス7と、マイク8と、スピーカ9と、GPSアンテナ10と、操作スイッチ11と、オペレータ呼び出しスイッチ12と、車速センサ16とを備える。
【0009】
モニタ3には、後述するナビゲーションユニット2からの指示に基づいて、車両の現在地周辺の地図や、目的地までの推奨経路、情報センター20から取得した情報等が表示される。携帯電話4は、ユーザが情報センター20に待機しているオペレータと会話する際に用いられるとともに、情報センター20と車載機1との間で、データ通信を行う際に用いられる。
【0010】
マイク8は、ユーザ(ドライバ)がハンズフリーシステムを利用して、情報センター20のオペレータと会話する際に用いられる。スピーカ9は、ユーザがハンズフリーシステムを利用して、オペレータと会話する際に、相手側の会話内容を音声出力したり、ナビゲーションユニット2による経路案内を行う際の音声を出力する。GPSアンテナ10は、車両の現在位置情報を取得するために、図示しないGPS衛星からの電波を受信する。車速センサ16は、車両の速度を検出する。
【0011】
操作スイッチ11は、モニタ3に表示される画面の操作、ハンズフリーシステムを利用するための操作、データ通信を行う際の操作等、ユーザが各種の操作を行うために用いられる。オペレータ呼び出しスイッチ12は、情報センター20に発呼する際に用いられるスイッチである。
【0012】
通信アダプタ5は、情報センター20との間の通信制御を行う。通信アダプタ5には、後述する情報センター20のオペレーションセンター30の電話番号が登録されており、ユーザが、オペレータ呼び出しスイッチ12を押すと、携帯電話4を介して、自動的にオペレーションセンター30に電話がかかる。オペレーションセンター30の電話番号は、例えば、通信アダプタ5が工場から出荷される前に登録される。
【0013】
図2は、ナビゲーションユニット2の詳細な構成を示す図である。ナビゲーションユニット2は、地図データ部18および保存部21と、内部で行われる処理機能上、表示処理部13、通信処理部14、音声制御部15、位置演算部17、入力処理部19、および、統合演算部22とを備える。
【0014】
表示処理部13は、統合演算部22からの指令に基づいて、モニタ3への表示指示を行う。通信処理部14は、通信アダプタ5との間でデータの授受を行うための制御を行う。音声制御部15は、統合演算部22からの指令に基づいて、例えば、経路案内のための音声出力をスピーカ9に指示する。位置演算部17は、GPSアンテナ10で受信された電波および車速センサ16によって検出された車速に基づいて、車両の現在位置を求める。地図データ部18は、例えば、ハードディスク装置(HDD)であり、地図データを格納している。
【0015】
入力処理部19は、ユーザが操作スイッチ11やオペレータ呼び出しスイッチ12によって入力した指令を、統合演算部22に出力する。保存部21は、予めユーザが操作スイッチ11を使って設定した登録地(例えば、自宅の位置)や、過去に走行した道路等のデータを記憶する。統合演算部22は、表示処理部13、通信処理部14、音声制御部15、位置演算部17、入力処理部19、地図データ部18、および、保存部21との間で、様々なデータをやり取りするとともに、ナビゲーションユニット2の総合的な処理を行う。
【0016】
情報センター20は、オペレーションセンター30と、情報データベース群40と、車両用情報センター50と、カスタマーセンター60とにより構成されている。オペレーションセンター30は、電話回線の制御を行うPBX/CTI31と、検索システム34とを備える。検索システム34には、検索処理端末32、電話機33、ヘッドセット36、モニタ38、および、入力機器39が含まれる。入力機器39には、キーボードおよびマウスが含まれる。
【0017】
PBX(Private Branch Exchanger)は、通常、企業ビル内などに設置されるものであって、外線電話と内線電話、および、内線電話どうしを交換する。また、CTI(Computer Telephony Integration)は、PBXなどの電話系通信システムと、コンピュータやデータベースなどの情報系システムとを統合し、相互に連動できるようにするものである。すなわち、PBX/CTI31は、ユーザからかかってきた電話を空きオペレータに接続したり、空きオペレータがいない場合には、待ち音声案内を流すなどの電話回線の制御を行う。
【0018】
オペレーションセンター30に勤務しているオペレータは、電話機33またはヘッドセット36を用いて、ユーザと会話し、ユーザが要求する情報を確認する。オペレータは、ユーザから聞いた情報に基づいて、ユーザが希望する情報を検索処理端末32を用いて検索する。検索処理端末32は、例えば、パソコンである。
【0019】
図3(a)は、検索処理端末32のディスプレイに表示される検索画面の一例を示す図であり、図3(b)は、検索結果の一例を示す図である。検索処理端末32のディスプレイには、図3(a)に示すように、名称入力欄71、住所入力欄72、ジャンル入力欄73、地図表示欄74、および、検索開始ボタン75が表示されている。名称入力欄71は、施設等の名称を入力する欄であり、住所入力欄72は、住所を入力する欄である。また、ジャンル入力欄73は、目的地のジャンルを入力する欄であり、例えば、「レストラン」、「公園」、「ガソリンスタンド」などを入力することができる。オペレータは、ユーザから聞いた情報に基づいて、情報入力欄71〜73のうち、少なくとも一つの欄に必要な情報を入力し、ユーザが希望する情報を検索する。
【0020】
地図表示欄74は、検索システム34によって検索された情報が施設等の位置情報に関する情報である場合に、検索された施設(位置)の周辺地図を表示する欄である。検索開始ボタン75は、情報の検索を開始する際に、オペレータによって操作されるボタンである。
【0021】
検索システム34は、情報データベース群40を構成する複数のデータベース41〜45,56とLANなどのネットワーク37を通じて接続されている。
【0022】
情報データベース群40は、位置/電話情報データベース41と、交通情報データベース42と、天気予報データベース43と、各種情報データベース44と、案内音声データベース45と、ユーザプロファイルデータベース56とを備える。位置/電話情報データベース41には、飲食店や公共施設などの各種施設の名称、位置情報、および、電話番号情報等が格納されている。交通情報データベース42には、一般道や有料道路などの交通情報が格納されている。天気予報データベース43には、各地の天気予報情報が格納されている。各種情報データベース44には、上述した各種施設に関する情報、交通情報、天気情報以外の情報が格納されている。案内音声データベース45には、ユーザに音声案内を行うための音声データが格納されている。ユーザプロファイルデータベース56には、予めユーザ登録されているユーザの氏名、住所、携帯電話番号などのユーザ情報や、過去に情報提供サービスを利用した履歴の情報が格納されている。ユーザ登録の方法については後述する。
【0023】
車両用情報センター50は、電話回線の制御を行うPBX/CTI52と、通信装置53と、情報処理端末54とを備える。通信装置53は、情報処理端末54からの指令に基づいて、車載機1とデータ通信を行う。情報処理端末54は、通信装置53を介して、車載機1に情報を送信するなどの様々なデータ処理を行う。例えば、検索システム34において、ユーザが希望する情報が検索された場合には、検索された情報を、通信装置53を介して車載機1に送信する。なお、オペレーションセンター30のPBX/CTI31と、車両用情報センター50のPBX/CTI52は、一般電話回線網55に接続されている。
【0024】
カスタマーセンター60は、カスタマー登録システム62と、カスタマー管理サーバ66とを備える。カスタマー登録システム62は、ユーザの登録や、登録されているユーザの個人情報の変更を行う。カスタマー登録システム62と接続されているカスタマー管理サーバ66は、ユーザ情報を管理するためのサーバである。
【0025】
オペレーションセンター30、情報データベース群40、車両用情報センター50およびカスタマーセンター60が接続されているネットワーク37には、インターネット63も接続されている。従って、情報センター20は、インターネット63を介して、コンテンツプロバイダ/アプリケーションサービスプロバイダ群64と各種情報の授受を行う。また、ユーザが後述するユーザ登録を行う際に、カスタマーセンター60のオペレータを介さずに、インターネット63と接続されているパソコンなどの端末65を用いて行うこともできる。
【0026】
一実施の形態における車両用情報提供システムを利用するユーザは、予めユーザ登録する必要がある。ユーザ登録するための1つ目の方法としては、所定の申込書にユーザの氏名、住所、生年月日などの一般情報と共に、本システムを利用する際に使用する携帯電話4の電話番号を記入し、情報センター20のカスタマーセンター60に郵送する。カスタマーセンター60のオペレータは、申込書の内容を確認した後、カスタマー登録システム62を使用して、カスタマー管理サーバ66にユーザ登録処理を行う。登録されたユーザ情報は、ユーザプロファイルデータベース56に格納される。
【0027】
ユーザ登録するための二つ目の方法は、上述したように、インターネット63と接続されているパソコンなどの端末65を用いて、カスタマー管理サーバ66に直接登録する方法である。また、車載機1がオンライン登録機能を備えている場合には、車載機1を用いてカスタマー管理サーバ66に直接登録することもできる。
【0028】
図4および図5は、車載機1および情報センター20がそれぞれ行う処理内容を示すフローチャートである。ステップS10〜ステップS60の処理は、車載機1側で行われる処理であり、ステップS100〜ステップS280の処理は、情報センター20側で行われる処理である。
【0029】
ステップS10において、ナビゲーションユニット2の統合演算部22は、入力処理部19から入力される信号に基づいて、オペレータ呼び出しスイッチ12がオンされたか否かを判定する。オペレータ呼び出しスイッチ12がオンされていないと判定するとオンされるまでステップS10で待機し、オンされたと判定するとステップS20に進む。
【0030】
ステップS20では、音声モードにより、情報センター20のオペレーションセンター30に電話をかける。なお、音声モードとは、ユーザとオペレータとが会話を行うためのモードである。上述したように、通信アダプタ5にはオペレーションセンター30の電話番号が予め登録されているので、ユーザがオペレータ呼び出しスイッチ12を押すことにより、ナビゲーションユニット2、通信アダプタ5、携帯電話4経由で、自動的にオペレーションセンター30に電話がかかる。この時、通信アダプタ5は、オペレーションセンター30の電話番号の前に、発信者番号を通知するために「186」の番号を付して発呼する。すなわち、携帯電話4には、発信者番号を非通知とするための機能を備えたものもあるため、情報センター20側で発信者を特定できるようにするために、発信者番号が通知される形で電話をかけるようにする。
【0031】
情報センター20側で行われる処理のうち、ステップS100〜ステップS150の処理は、オペレーションセンター30のPBX/CTI31で行われる。ステップS100では、ユーザからの電話の着信があるか否かを判定する。着信がないと判定すると着信が有るまでステップS100で待機し、着信があると判定するとステップS110に進む。ステップS110では、発信者電話番号の取得処理を行う。この時に、発信者非通知設定の状態で電話がかかってきており、発信者電話番号がない場合には、例えば、案内音声データベース45に予め登録されている「発信者番号が通知されていません」のようなメッセージを再生して、電話回線を切断する。
【0032】
ステップS120では、ステップS110で取得した発信者電話番号に基づいて、電話番号の認証を行う。この認証は、発信者電話番号がユーザプロファイルデータベース56に登録されているか否かに基づいて行う。ステップS120に続くステップS130では、ステップS120で行った電話番号の認証結果に基づいて、認証がOKであるか否かを判定する。取得した発信者電話番号がユーザプロファイルデータベース56に登録されており、認証がOKであると判定するとステップS150に進む。一方、認証がNGであると判定すると、ステップS140に進み、案内音声データベース45に予め登録されている「電話番号が登録されていないため、サービスを受けることができません」などのメッセージを再生して、電話回線を切断する。
【0033】
ステップS150では、ユーザからの電話を、電話回線が空いているオペレータにつないで、ステップS160に進む。ただし、空いている回線が無い場合には、例えば、案内音声データベース45に予め登録されている「ただ今、回線が混みあっております」のようなメッセージを再生する。
【0034】
ステップS160からステップS190の処理は、検索システム34によって行われる。ステップS160では、車両の現在位置を推定する処理を行う。車両の現在位置を推定する処理の詳細な内容については、後述する。ステップS160に続くステップS170では、オペレータによって、ユーザが希望する情報を検索するために必要な情報が入力されて、検索実行の指令が出されたか否かを判定する。オペレータは、ユーザとの会話によって、車載機1への受信を希望する情報をユーザから聞いて、検索に必要な情報を検索処理端末32に入力する。検索する情報が施設の場所に関する場合には、例えば、検索対象の施設の名称や、検索対象エリア、ジャンル等を入力することになる。
【0035】
この車両用情報提供システムでは、ユーザは、車載機1にダウンロードする情報を情報センター20のオペレータに伝えなければならない。しかし、普段走行しないエリアを走行している場合に、自車両の位置が分からなければ、ダウンロードを希望する情報をオペレータに伝えるまでに時間がかかる場合がある。例えば、車両の現在地近辺のレストランの情報を希望する場合には、レストランの情報を希望すること、および、車両がどの辺りを走行しているのかをオペレータに伝える必要がある。しかし、ドライブで普段走行しないエリアを走行している場合には、現在地がどの辺りなのかが分からずに、車両位置をオペレータに伝えるまでに時間がかかる。
【0036】
従って、一実施の形態における車両用情報提供システムでは、情報センター20側において、車両の現在位置を推定することにより、ユーザが車両位置をオペレータに伝える手間を軽減する。車両の現在位置を推定する処理の詳細は後述するが、オペレータは、ステップS160で推定された車両の現在位置を利用して、実際の車両位置をユーザに確認して、車両位置を特定することができる。
【0037】
ステップS170において、オペレータによって、検索に必要な情報が入力されて、検索実行の指令が出されたと判定するとステップS180に進み、検索実行の指令が出されていないと判定すると、ステップS170で待機する。
【0038】
ステップS180では、入力された情報に基づいて、情報データベース群40に含まれるデータベース41〜44を参照することにより、車載機1に送信するための情報を検索する。車載機1に送信するための情報を検索すると、ステップS190に進む。ステップS190では、検索した情報をユーザプロファイルデータベース56に一時的に保存する。ここでは、情報の送信を要求してきたユーザのユーザ情報に対応させて、情報を保存しておく。
【0039】
車載機1に送信するためのデータ(情報)をユーザプロファイルデータベース56に保存すると、オペレータは、操作スイッチ11に含まれるダウンロードボタンの操作をユーザに促す。なお、案内音声データベース45に、ダウンロードボタンの操作を促す音声案内のデータを登録しておき、車載機1に送信するデータ(情報)の保存後に、自動的に音声案内を行うようにしてもよい。
【0040】
ステップS30において、ナビゲーションユニット2の統合演算部22は、入力処理部19から入力される信号に基づいて、操作スイッチ11に含まれるダウンロードボタンが押された否かを判定する。ダウンロードボタンが押されていないと判定すると、ダウンロードボタンの操作が行われるまでステップS30で待機し、ダウンロードボタンが押されたと判定すると、ステップS300に進む。
【0041】
ステップS300では、オペレーションセンター30と接続されていた電話を一旦切断する。一旦電話を切断するのは、音声モードにより接続していた電話を、データモードで接続し直して、情報センター20のユーザプロファイルデータベース56に保存されているデータをデータ通信によりダウンロードするためである。なお、データモードとは、データ通信によりデータを授受するためのモードである。
【0042】
続いて、図5に示すフローチャートのステップS40から説明を続ける。操作スイッチ11に含まれるダウンロードボタンが押されることにより、ステップS40では、データモードにより、自動的に車両用情報センター50に電話がつながる。この場合にも、発信者番号を通知するために、車両用情報センター50の電話番号の前に「186」を付して、発呼する。
【0043】
一実施の形態における車両用情報提供システムでは、データモードで車載機1から車両用情報センター50に電話をかける時に、次回、情報センター20側で車両の現在位置を推定する処理を行うために必要なデータを送信する。このデータには、車両の現在位置、および、現在時刻が含まれる。ここでは、GPSアンテナ10がGPS衛星から受信した電波に基づいて、ナビゲーションユニット2の位置演算部17が検出した車両の現在位置、および、車両の現在位置を検出した時刻のデータを送信する。
【0044】
ダウンロードボタン(操作スイッチ11)、ナビゲーションユニット2、通信アダプタ5、携帯電話4を介して発信された電話は、一般回線網55を経由して、車両用情報センター50のPBX/CTI52に着信する。車両用情報センター50のPBX/CTI52は、ステップS200において、着信があるか否かを判定する。着信がないと判定すると着信があるまでステップS200で待機し、着信があると判定するとステップS210に進む。
【0045】
ステップS210において、PBX/CTI52は、発信者電話番号の取得処理を行って、ステップS220に進む。ステップS220〜ステップS290までの処理は、情報処理端末54にて行われる。ステップS220では、ユーザからかかってきた電話が情報処理端末54に接続されて、データモード確立のためのデータモードネゴシエーションが行われる。ステップS220に続くステップS230では、データモードネゴシエーション完了後に、電話番号の認証処理を行う。この認証処理の方法は、上述したステップS120の処理と同じである。
【0046】
次のステップS240では、ステップS230で行った認証処理の結果、発信者電話番号がユーザプロファイルデータベース56に格納されているか否かを判定する。発信者電話番号がユーザプロファイルデータベース56に格納されており、認証OKであると判定すると、ステップS260に進む。一方、発信者番号がユーザプロファイルデータベース56に格納されておらず、認証NGであると判定すると、ステップS250に進む。ステップS250では、「電話番号が登録されていないため、サービスを受けることができません」などのNGメッセージを再生して、電話回線を切断する。
【0047】
ステップS260では、ユーザプロファイルデータベース56に格納されているデータ、すなわち、ステップS190にて、ユーザプロファイルデータベース56に保存したデータを取得する。データの取得は、ステップS230で行った電話番号の認証結果に基づいて行う。すなわち、電話番号の認証により一致した電話番号と対応付けて格納されているデータを取得する。データの取得処理を行うと、ステップS270に進む。
【0048】
ステップS270では、ステップS260で行ったデータの取得処理の結果、ユーザに送信するためのデータがユーザプロファイルデータベース56に格納されているか否かを判定する。格納されていると判定するとステップS280に進み、格納されていないと判定するとステップS250に進む。ステップS250では、「お送りする情報がないため、情報送信できません」などのNGメッセージを車載機1に送信して、回線を切断する。一方、ステップS280では、ステップS260で取得したデータを、データ通信によって車載機1に送信する。
【0049】
ステップS280に続くステップS290では、ステップS40において車載機1から送信されてきた車両の現在位置、現在地を検出した時刻のデータ、および、車両が向かっている目的地のデータを、情報の送信を要求してきたユーザのユーザ情報に対応させて、ユーザプロファイルデータベース56に保存する。車両が向かっている目的地は、ユーザとオペレータとの間の会話によって決定されるものであり、オペレータは、検索処理端末32を用いて、目的地の情報をユーザプロファイルデータベース56に保存する。
【0050】
一方、車載機1は、ステップS50において、車両用情報センター50がステップS280において送信したデータを受信したか否かを判定する。データを受信していないと判定すると、受信するまでステップS50で待機し、受信したと判定するとステップS60に進む。ステップS60では、受信データ(ダウンロードデータ)の処理を行う。例えば、受信したデータが施設に関する情報であれば、その施設の情報をモニタ3に表示する。また、受信したデータがニュース情報であれば、スピーカ9からニュース情報を音声にて出力するとともに、モニタ3にニュースの内容を表示する。受信データの処理が行われると、ステップS310において、車載機1と車両用情報センター50との間で接続されている回線を切断する。
【0051】
図4に示すフローチャートのステップS160の処理、すなわち、車両の現在位置を推定する処理の詳細な内容を、図6に示すフローチャートを用いて説明する。ステップS400から始まる処理は、検索システム34によって開始される。ステップS400では、前回、ユーザからの要求に基づいて車載機1にデータを送信した際に、ユーザプロファイルデータベース56に保存した車両位置、目的地および車両位置を検出した時刻のデータを、ユーザプロファイルデータベース56から取得する。
【0052】
ユーザプロファイルデータベース56から取得する車両位置、目的地および送信時刻のデータは、現在の車両の位置を推定するために用いられる。従って、ユーザプロファイルデータベース56に保存されているデータが古い場合には、車両の現在地を推定する際に利用することができない。このため、ここでは、車両位置等のデータが24時間以内にユーザプロファイルデータベース56に保存された場合にのみ、保存されているデータを取得することにする。24時間以内にユーザプロファイルデータベース56に保存された車両位置、目的地および送信時刻のデータを取得すると、ステップS410に進む。
【0053】
ステップS410では、ステップS400で取得した車両位置、および、目的地のデータに基づいて、取得した車両位置から目的地までの経路を探索する。検索システム34の検索処理端末32は、地図データ、および、経路演算プログラムが記憶されている記憶装置78を備えており、車載機1のナビゲーションユニット2が行う経路演算処理と同様の経路演算処理を行うことにより、車載機1から取得した車両位置から目的地までの経路を演算する。経路演算を行うと、ステップS420に進む。
【0054】
ステップS420では、ステップS410で演算した経路上の道路ごとの走行所要時間を求める。検索処理端末32の記憶装置78に記憶されている地図データには、ノードおよびリンクから構成される道路データが含まれている。ノードは、交差点など、道路上特に指定された点のことであり、交差点の座標や接続されている道路の本数の情報が登録されている。また、リンクは、ノード間を結ぶ道路に該当するものであり、高速道路や国道などを意味する道路の属性情報や、距離および方向等の情報が登録されている。ここでは、各リンクごとに、リンクを走行するのに要する時間を予め決定しておいて、上述した道路の属性情報などとともに登録しておく。従って、ステップS420では、ステップS410で演算した経路上に存在する全てのリンクに対して、予め登録されている所要時間の情報を、道路データから取得する。
【0055】
ステップS420に続くステップS430では、車両の現在地を推定する。ここでは、ステップS400で取得した車両位置を検出した時刻、ステップS420で求めた演算経路上の道路ごとの走行所要時間、および、現在の時刻に基づいて、車両の現在地を推定する。図7は、ステップS410で演算した経路上の道路ごとの走行所要時間、および、走行所用時間を積算した累積所要時間の一例を示す図である。
【0056】
ステップS400で取得した時刻(車両位置を検出した時刻)、および、現在の時刻に基づいて、前回、車載機1において車両位置が検出されてから経過した時間を求め、求めた時間と、走行所用時間を積算した累積所要時間とに基づいて、車両の現在地を推定する。例えば、ステップS400で取得した時刻(車両位置を検出した時刻)が11:30であり、現在の時刻が11:50であれば、前回、車両位置が検出されてから経過した時間は20分となる。図7に示す例では、前回、検出された車両位置からD交差点までの累積所要時間が21分となっているので、車両の現在地は、D交差点付近であると推定することができる。
【0057】
ステップS430で車両の現在地を推定すると、ステップS440に進む。ステップS440では、推定した車両の現在地を、検索処理端末32のモニタ画面に表示する。これにより、オペレータは、「現在地はD交差点付近ですか?」とユーザに確認しながら、会話を進めることができる。また、推定した現在地が実際の車両位置と異なっている場合でも、推定した現在地に基づいて、ユーザと会話することにより、実際の車両位置を迅速に特定することができる。
【0058】
一実施の形態における車両用情報提供システムによれば、ユーザが希望する、車両の現在地と関連する情報を情報センター20のオペレータが聞いて検索し、検索した情報をデータ通信にて、車載機1に送信するシステムにおいて、前回、車載機1に情報を送信した際に、データ通信にて、車載機から送信されてきた車両位置および車両位置を検出した時刻のデータを保存しておき、今回、ユーザからの情報要求があった場合に、保存している車両位置および車両位置を検出した時刻のデータと、現在の時刻とに基づいて、車両の現在地を推定する。これにより、ユーザが車両の現在地を特定できない場合でも、情報センター20側で車両位置を推定するので、車両位置と関連する情報の配信をユーザが希望する場合に、利便性が向上する。
【0059】
ここで、ユーザとオペレータとが会話する音声会話用の回線、および、データ通信を行うための回線の2回線を予め用意しておき、ユーザとオペレータとの間で会話を行っている間に、データ通信にて、車両位置のデータを車載機1から情報センター20に送信する方法が考えられる。しかし、この方法では、車載機1側で2回線の通信制御を行うことになり、通信コストや、車載機自体のコストが増大することになる。しかし、一実施の形態における車両用情報提供システムでは、ユーザが希望する情報をデータ通信で情報センター20から車載機1に送信する際に、車載機1から、車両位置および車両位置を検出した時刻のデータを受信して、ユーザプロファイルデータベース56に保存しておき、次回、ユーザから情報要求があった場合に、保存してあるデータを利用して、情報センター20側で車両の現在地を推定するので、通信コストや車載機自体のコストが増加することはない。
【0060】
また、1回線のみのシステムにおいて、ユーザとオペレータとの間で会話が行われている時に、音声会話の回線を一旦切断して、データ通信に切り替えて、車両位置のデータを車載機1から情報センター20に送信し、その後、再び、音声会話の回線に切り替える方法も考えられる。しかし、この方法では、音声会話の回線とデータ通信の回線を切り替える手間や時間がかかるため、ユーザにとって不便である。一実施の形態における車両用情報提供システムによれば、上述したような回線の切り替え処理を行わないので、ユーザに余計な操作負担を与えることはない。
【0061】
一実施の形態における車両用情報提供システムでは、前回、車載機1に情報を送信した際に、車載機1から取得した車両位置および車両の目的地に基づいて、目的地までの経路を探索するとともに、車両位置が検出された時刻および現在の時刻に基づいて、車両位置が検出されてから現在までの経過時間を算出し、算出した経過時間に基づいて、探索された経路上の車両位置を推定する。これにより、車両の現在地をより正確に推定することができる。
【0062】
また、一実施の形態における車両用情報提供システムでは、車載機1から送信されてきた車両位置および車両位置を検出した時刻のデータが、現在時刻から所定時間前までに保存された場合に、車両の現在地を推定する処理を行うようにした。これにより、古いデータに基づいて、誤った車両位置が推定されるのを防ぐことができる。
【0063】
本発明は、上述した一実施の形態に限定されることはない。例えば、ユーザプロファイルデータベース56に保存する目的地のデータは、情報センター20のオペレータがユーザとの会話に基づいてユーザプロファイルデータベース56に保存するようにしたが、車載機1から情報センター20に目的地のデータを送信するようにしてもよい。上述した一実施の形態では、データモードで車載機1から車両用情報センター50に電話をかける時に、次回、情報センター20側で車両の現在位置を推定する処理を行うために必要な車両位置等のデータを送信するようにした(図5に示すフローチャートのステップS40)。この時に、車載機1に設定されている目的地のデータも一緒に送信して、情報センター20のユーザプロファイルデータベース56に保存しておけばよい。
【0064】
また、車両の現在地を推定するために、ユーザプロファイルデータベース56に保存するデータは、車両位置、車両位置を検出した時刻、および、目的地のデータに限定されることはなく、例えば、目的地に至るまでの間の経由地や経路探索条件(一般道路優先/有料道路優先など)のデータを保存するようにしてもよい。経由地や経路探索条件のデータを保存しておくことにより、情報センター20で目的地までの経路を探索する際に、実際の走行条件に応じた適切な経路を探索することができる。
【0065】
車両の現在地を推測する処理は、ユーザから要求のあった場合にのみ行うようにしてもよい。図8(a)は、検索処理端末32のディスプレイに表示される検索画面の別の一例を示す図である。検索処理端末32のディスプレイには、検索開始ボタン75の横に現在地予測ボタン76が表示されている。ユーザからの要求に基づいて、オペレータが現在地予測ボタン76を操作すると、上述した現在地予測処理が開始される。この方法によれば、必要な場合にのみ、車両位置を推定する処理が行われるので、情報センター20側の処理負荷を軽減することができる。
【0066】
図8(b)は、推定された車両位置周辺の地図を、検索処理端末32のディスプレイに表示した様子を示す図である。ここでは、推定した車両位置をマーク80で示している。オペレータは、ユーザとの間の会話によって、推定した車両位置が正しいか確認する。車両位置が正しいことを確認して、入力機器39に含まれるマウスでマーク80をクリックすると、車両位置に対応する住所が住所入力欄72に自動的に入力されるようにすることもできる。図8(c)は、マーク80がクリックされて、車両位置に対応する住所が住所入力欄72に自動的に入力された様子を示す図である。この方法によれば、オペレータが住所入力欄72に車両位置の住所を入力する手間を省くことができる。なお、車両位置に対応する住所は、例えば、市や町の名称を入力するようにすればよい。
【0067】
推定した車両位置をディスプレイに表示するために、図8(b)に示すように、マーク80で示してもよいし、ある程度の誤差を見込んで、推定した車両位置を中心とする所定半径の円で示してもよい。推定した車両位置を、図8(b)に示すように、地図上に表示する場合には、演算した目的地までの経路も一緒に表示するようにしてもよい。また、推定した車両位置を地図上に表示せずに、住所で表示することもできる。
【0068】
図6に示すフローチャートのステップS420では、予め登録されている走行所要時間の情報を道路データから取得したが、演算した経路上に存在する道路リンクごとに、走行所要時間を演算するようにしてもよい。例えば、一般道を走行する時の車速を一律に30km/h、高速道路を走行する時の車速を一律に80km/hと設定しておき、設定されている車速と、リンクの距離とに基づいて、走行所要時間を演算することができる。また、車速を、リンクごとに一律に設定せずに、リンクの状況に応じて、個別に設定することもできる。さらに、交通情報データベース42に格納されている交通情報を考慮して、道路リンクごとの走行所要時間を算出するようにしてもよい。
【0069】
また、車両が走行している時間帯を考慮して、車両の現在地を推定することもできる。例えば、車両が走行している時間帯が昼食時間帯(例えば、12時〜14時)である場合には、昼食を食べていると考えられる時間(例えば、1時間)を考慮して、車両位置を推定することができる。
【0070】
図4に示すフローチャートのステップS120では、携帯電話番号に基づいて、ユーザの認証を行っているが、ユーザ登録が行われた後に発行されるユーザIDに基づいてユーザ認証を行うこともできる。また、車載機1に固有の車載機IDに基づいてユーザ認証を行ってもよい。この場合、車載機IDは、例えば、車載機1の工場出荷時にシリアルIDを書き込んでおき、ユーザ登録時にユーザが申込書に車載機シリアルIDを記載して申し込むようにする。すなわち、発呼してきたユーザが利用している車載機1が特定できて、データ通信を行う際に、特定した車載機1に対して、仮目的地のデータおよび目的地のデータが送信できれば良く、車載機1を特定するためのユーザ認証方法は、上述した方法に限定されることはない。
【0071】
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。
【0072】
特許請求の範囲の構成要素と一実施の形態の構成要素との対応関係は次の通りである。車両用情報提供装置および車両用情報提供システムの請求項の記載との対応関係では、検索システム34が現在地推定手段および経路探索手段を、モニタ38が提示手段を、通信装置53が送信手段を、ユーザプロファイルデータベース56がデータ保存手段を、入力機器39が目的地入力手段を、携帯電話4が受信手段をそれぞれ構成する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係に何ら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明による車両用情報提供システムの一実施の形態の全体構成を示す図
【図2】ナビゲーションユニットの詳細な構成を示す図
【図3】図3(a)は、検索処理端末のディスプレイに表示される検索画面の一例を示す図であり、図3(b)は、検索結果の一例を示す図
【図4】車載機および情報センターがそれぞれ行う処理内容を示すフローチャート
【図5】図4に示すフローチャートの処理に続く処理内容を示すフローチャート
【図6】車両の現在位置を推定する処理の詳細な内容を示すフローチャート
【図7】経路上の道路ごとの走行所要時間、および、走行所用時間を積算した累積所要時間の一例を示す図
【図8】図8(a)は、検索処理端末のディスプレイに表示される検索画面の別の一例を示す図、図8(b)は、推定された車両位置周辺の地図を、検索処理端末のディスプレイに表示した様子を示す図、図8(c)は、車両位置を示すマークがクリックされて、車両位置に対応する住所が住所入力欄に自動的に入力された様子を示す図
【符号の説明】
【0074】
1…車載機、2…ナビゲーションユニット、3…モニタ、4…携帯電話、5…通信アダプタ、6…電話ハーネス、7…データ通信用電話、8…マイク、9…スピーカ、10…GPSアンテナ、11…操作スイッチ、12…オペレータ呼び出しスイッチ、13…表示処理部、14…通信処理部、15…音声制御部、16…車速センサ、17…位置演算部、18…地図データ部、19…入力処理部、20…情報センター、21…保存部、30…オペレーションセンター、31…PBX/CTI、32…検索処理端末、33…電話機、34…情報検索システム、36…ヘッドセット、37…ネットワーク、39…入力機器、40…情報データベース群、41…位置/電話情報データベース、42…交通情報データベース、43…天気予報データベース、44…各種情報データベース、45…案内音声データベース、50…車両用情報センター、52…PBX/CTI、53…通信装置、54…情報処理端末、55…一般電話回線網、56…ユーザプロファイルデータベース、60…カスタマーセンター、62…カスタマー登録システム、63…インターネット、65…ユーザPC、66…カスタマー管理サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが希望する、車両の現在地と関連する情報を電話でオペレータが聞いて検索し、電話回線の切断後に、検索した情報をデータ通信にて、車載機に送信する車両用情報提供装置において、
情報の送信を要求してきた車両の現在地を推定する現在地推定手段と、
前記現在地推定手段によって推定された車両の現在地をオペレータに提示する提示手段と、
オペレータによって検索された情報をデータ通信にて、情報の送信を要求してきた車載機に送信する送信手段とを備えることを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用情報提供装置において、
前回、前記送信手段によって、車載機に情報を送信した際に、データ通信にて車載機から送信されてきた車両位置および車両位置を検出した時刻のデータを保存するデータ保存手段をさらに備え、
前記現在地推定手段は、前記データ保存手段に保存されている車両位置および車両位置を検出した時刻のデータと、現在の時刻とに基づいて、車両の現在地を推定することを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両用情報提供装置において、
前記データ保存手段には、車載機から送信されてきた車両位置および車両位置を検出した時刻のデータとともに、車両が向かう目的地のデータも保存されており、
前記データ保存手段に保存されている車両位置および目的地に基づいて、目的地までの経路を探索する経路探索手段をさらに備え、
前記現在地推定手段は、車両位置を検出した時刻、および、現在の時刻に基づいて、車両位置が検出されてから現在までの経過時間を算出し、算出した経過時間に基づいて、前記経路探索手段によって探索された経路上の車両位置を推定することを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車両用情報提供装置において、
ユーザから聞いた車両の目的地を、オペレータが前記データ保存手段に保存するための目的地入力手段をさらに備えることを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項5】
請求項3に記載の車両用情報提供装置において、
前記データ保存手段は、前回、前記送信手段によって、車載機に情報を送信した際に、データ通信にて、車載機から送信されてきた目的地のデータを保存することを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれかに記載の車両用情報提供装置において、
前記現在地推定手段は、前記経路探索手段によって探索された経路上の交通情報を考慮して、車両の現在地を推定することを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項7】
請求項2〜6のいずれかに記載の車両用情報提供装置において、
前記現在地推定手段は、前記データ保存手段に保存されている車両位置を検出した時刻が現在時刻から所定時間前までの場合に、前記データ保存手段に保存されている車両位置および車両位置を検出した時刻のデータと、現在の時刻とに基づいて、車両の現在地を推定することを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の車両用情報提供装置において、
前記現在地推定手段は、ユーザから情報送信要求があると、車両の現在地を推定する処理を行うことを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれかに記載の車両用情報提供装置において、
前記現在地推定手段は、ユーザから車両の現在地を推定する指令があると、車両の現在地を推定する処理を行うことを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項10】
ユーザが希望する、車両の現在地と関連する情報を電話で情報センターのオペレータに伝え、電話回線の切断後に、オペレータが検索した情報をデータ通信にて、情報センターから車載機に送信する車両用情報提供システムにおいて、
情報センターは、情報の送信を要求してきた車両の現在地を推定する現在地推定手段と、
前記現在地推定手段によって推定された車両の現在地をオペレータに提示する提示手段と、
オペレータによって検索された情報を、情報の送信を要求してきた車載機に送信する送信手段とを備え、
車載機は、情報センターから送信されてくる情報を受信する受信手段を備えることを特徴とする車両用情報提供システム。
【請求項11】
ユーザが希望する、車両の現在地と関連する情報を電話でオペレータが聞いて検索し、電話回線の切断後に、検索した情報をデータ通信にて、車載機に送信する車両用情報提供方法において、
情報の送信を要求してきた車両の現在地を推定してオペレータに伝え、
推定された車両の現在地に基づいて、オペレータによって検索された情報を、情報の送信を要求してきた車載機に送信することを特徴とする車両用情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−300610(P2006−300610A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−120099(P2005−120099)
【出願日】平成17年4月18日(2005.4.18)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】