車両用案内装置
【課題】 路線バスの後方に位置する車両のドライバーが、前方公差点を通過する路線バスの進行方向を認識できる車両用案内装置を提供する。
【解決手段】 車両用案内装置100であって、道路上にて現在位置よりも進行方向前方に存在する道路分岐点Pを特定し、特定された道路分岐点Pの手前にバス停Sが存在するか否かを特定して、該バス停Sに対し予め定められた範囲内に自車両が接近した際には、自車両のドライバーに対し、該バス停Sを発進後のバスがその先の道路分岐点Pにて方向転換することへの注意を促す出力を実行する。
【解決手段】 車両用案内装置100であって、道路上にて現在位置よりも進行方向前方に存在する道路分岐点Pを特定し、特定された道路分岐点Pの手前にバス停Sが存在するか否かを特定して、該バス停Sに対し予め定められた範囲内に自車両が接近した際には、自車両のドライバーに対し、該バス停Sを発進後のバスがその先の道路分岐点Pにて方向転換することへの注意を促す出力を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用案内装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開平05−054296公報
【0003】
一般に路線バスは、予め定められた経路に沿って走行するものであり、道路脇に設けられた各バス停を転々としながら乗客の乗降を繰り返す形で運行する(例えば特許文献1)。
【0004】
ところで、路線バスのバス停は、交差点までの距離が比較的近い位置に設けられることが多々ある。こうした位置へのバス停の設置は、交差点の信号が赤のときにバスの乗降が可能となることや、バス停の公共性(場所が分かりやすく、利用についての公平性)、バスから下車した歩行者の交差点横断の便等を配慮した結果によるものである。そして、日本では車両は左側通行なので、安全地帯等の特殊な形態でない限り当然ことながら、バス停は道路の進行方向左側に設置される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、車線数の多い道路においても、バス停が交差点に近い位置で設置されている場合がある。このような場合、バス停を発車する路線バスは、交差点までの短い道路区間の中で、バス停のある最左側車線から右折車線のある最右側車線まで急激に車線を変更せざるを得ない。こうしたとき、後続車の、特に当該道路におけるバスのこうした挙動を把握していないドライバーは、該路線バスの車線変更を考慮して、車線を譲るために停車するといった対応をとることが難しく、結果として、例えば、左折車線にいる路線バスがなかなか停留所を離れることができず、その左折車線での車両の進行が長時間妨げられる、あるいは車線変更途中の路線バスが複数の車線をふさぐ形で停まり続け、ふさがれた車線の車両の進行が長時間妨げられる等、渋滞の原因となってしまう場合がある。
【0006】
本発明の課題は、路線バスの後方に位置する車両のドライバーが、前方公差点を通過する路線バスの進行方向を認識できる車両用案内装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
上記課題を解決するために本発明の車両用案内装置は、
道路分岐点データとバス停位置データとを含む道路地図データを記憶する道路地図データ記憶部と、
自車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
道路地図データと検出された現在位置とに基づいて、自車両が進行中の道路を特定し、該道路上に現在位置をマッピングする現在位置マッピング手段と、
道路上にて現在位置よりも進行方向前方に存在する道路分岐点を特定する道路分岐点特定手段と、
道路沿いにて、特定された道路分岐点の手前にバス停が存在するか否かを特定するバス停特定手段と、
バス停に対し予め定められた距離範囲内に現在位置が接近した際に、自車両のドライバーに対し、該自車両の前方にてバス停を発進後に道路分岐点にて方向転換するバスである注意対象バスへの注意を促すためのバス方向転換注意情報を出力するバス方向転換注意情報出力手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
上記本発明の構成によると、バスの後方に位置する車両は、道路分岐点手前に位置するバス停に接近すると、例えば「前方に路線バスが見える場合には右折の可能性があります。ご注意下さい。」等のような形で、その道路分岐点で方向転換するバスに対する注意喚起を行うことができる。これにより、バス後方の車両のドライバーは、路線バスの道路分岐点における挙動を把握でき、それに応じた運転を行うことが可能となる。
【0009】
上記のバス方向転換注意情報は、注意対象バスとしてバス停を発進後に道路分岐点手前にてレーン変更するバスへの注意を促すものとできる。これにより、バスの後方に位置する車両のドライバーは、分岐点手前に位置するバス停に接近した際に、バスの分岐点手前での車線変更を把握することができ、それに応じた運転をすることができる。
【0010】
また、上記のバス方向転換注意情報は、注意対象バスとしてバス停を発進後に道路分岐点にて対向車線を横切って方向転換するバスへの注意を促すものとできる。これにより、バスの後方に位置する車両のドライバーは、道路分岐点手前に位置するバス停に接近した際に、バスが該道路分岐点にて対向車線を横切って横断進行することを把握することができるので、ドライバーは、例えば、交差点前でのバスの車線変更や、横断進行直前の一時停止等の可能性を考慮した運転をすることができる。
【0011】
なお、日本のような左側通行の国では、バス方向転換注意情報は、注意対象バスとしてバス停を発進後に道路分岐点をなす交差点にて右折するバスへの注意を促すものとできる。逆に右側通行の国においては、バス方向転換注意情報は、注意対象バスとしてバス停を発進後に道路分岐点をなす交差点にて左折するバスへの注意を促すものとできる。
【0012】
上記本発明の構成において、バス停に対し予め定められた距離範囲内に現在位置が接近した際に、自車両前方においてバスの存在を検出又は推定する前方バス検出手段を備えて構成し、さらに、バス方向転換注意情報出力手段は、バスの存在が検出状態又は推定状態にあることを前提として、バス方向転換注意情報を出力するように構成できる。この構成によると、車両の前方にバスが位置する場合、あるいは位置すると推定される場合にのみ、例えば「前方のバスは右折する可能性があります。ご注意下さい。」といった形での注意喚起が実行される。これにより、バス方向転換注意情報を適切に行うことができ、無駄な出力を省略できる。
【0013】
この構成の場合、前方バス検出手段は、バス停に対し予め定められた距離範囲内に現在位置が接近した際に、自車両の前方視野を撮影する前方撮影カメラを備え、該前方撮影カメラが撮影した前方視野画像に含まれるバス画像に基づいて前記バスを検出するものとして構成できる。この構成によると、自車両に設けられた前方撮影カメラの撮影画像から自車両前方を走行するバスを容易に検出できる。また、自車両にもともと前方撮影カメラが搭載されていれば、そのカメラを兼用する形で使用できる。
【0014】
また、バス停発進後に方向転換するか否かの判定に参照すべき情報である方向判定参照情報を取得する方向判定参照情報取得手段と、取得された方向判定参照情報に基づいて、該バスが注意対象バスであるか否かを特定する注意対象バス特定手段と、を備えて構成し、バス方向転換注意情報出力手段を、注意対象バスであると特定された場合にバス方向転換注意情報を出力するものとして構成することができる。この構成によると、方向判定参照情報から、交差点でのバスの挙動を認識することができるので、そのバスが注意対象であるかを特定することができる。そして、特定された場合に限り、上記のようなバス方向転換注意情報を出力できる。
【0015】
この方向判定参照情報取得手段は、上記のバス画像から方向判定参照情報を取得するものとして構成できる。この構成によると、方向判定参照情報は、撮影されたバス画像から容易に認識・取得することができる。なお、方向判定参照情報取得手段を、前方バス検出手段によりバスの存在が検出又は推定された場合に、方向判定参照情報をバス停から無線通信取得するものとして構成することもできる。この構成によると、方向判定参照情報をバス停から容易に取得できる。
【0016】
なお、バス画像から方向判定参照情報を取得する場合、方向判定参照情報は、バス上に表示されるバス系統情報、バス運営主体情報及びバスの行き先情報の少なくともいずれかを含むものとすることができる。撮影されたバス画像には、バス系統情報、バス運営主体情報及びバスの行き先情報の少なくともいずれかの画像が含まれるので、方向判定参照情報は、そのバス画像から容易に認識・取得できる。
【0017】
また、方向判定参照情報をなすバス系統情報、バス運営主体情報及びバスの行き先情報の少なくともいずれかと、バスの具体的な転換方向を特定する転換方向特定情報とを対応付けて記憶する転換方向特定情報記憶部を備えて構成し、バス方向転換注意情報出力手段を、方向判定参照情報に対応する転換方向特定情報を転換方向特定情報記憶部から取得し、当該転換方向特定情報が反映されたバス方向転換注意情報を出力するものとして構成することができる。この構成によると、バスの交差点における挙動、例えば右左折等を転換方向特定情報として取得することができるので、特定される各挙動に応じて適切なバス方向転換注意情報を出力できる。例えば左折の場合は、「前方のバスは左折します。バスの減速にご注意下さい。」と出力できるし、右折の場合は、「前方のバスは右折します。バスの車線変更にご注意下さい。」と出力できる。
【0018】
また、上記本発明の構成において、バス画像に基づいてバスが検出された際に、当該バスが注意対象バスであるか否かを特定するための支援情報を、予め定められた入力部から入力するようにドライバーを誘導する支援情報入力誘導手段と、該ドライバーによる入力部からの入力情報に基づいて、バスが注意対象バスであるか否かを特定する注意対象バス特定手段とを備えて構成し、バス方向転換注意情報出力手段を、注意対象バスであると特定された場合にバス方向転換注意情報を出力するものとして構成することができる。この構成によると、前方にバスが検出された場合に、ドライバーの情報入力により、そのバスが注意対象バスであるか否かを容易に判定させることができる。
【0019】
この構成の場合、ドライバーが入力する支援情報の内容は、バス系統情報、バス運営主体情報及びバスの行き先情報の少なくともいずれかを含む方向判定参照情報の内容特定が可能となるように定めることができる。これにより、入力される支援情報から方向判定参照情報の内容を容易に特定可能となる。
【0020】
上記本発明の構成において、各バス停の時刻表データを記憶する時刻表データ記憶部を備えて構成し、さらに、前方バス検出手段は、現在時刻を取得する現在時刻取得手段と、バス停に対し予め定められた距離範囲内に現在位置が接近した際に時刻表データに基づいて該バス停における注意対象バスの発車時刻を取得する発車時刻取得手段と、を備えて構成し、現在時刻が、発車時刻を含む予め定められた時間範囲内にある場合に、注意対象バスが存在すると推定するものとすることができる。この構成によると、時刻表から注意対象バスの有無を容易に推定することができ、注意対象バスが推定された場合に限り、上記のようなバス方向転換注意情報を出力できる。
【0021】
上記本発明の構成において、バス方向転換注意情報出力手段は、自車両がバス停に対し予め定められた距離範囲内に現在位置が接近した際に、自車両の走行レーンを特定する自車両走行レーン特定手段を備えて構成して、特定された該走行レーンに応じてバス方向転換注意情報の内容を変更して出力するようにできる。この構成によると、バスが自車走行レーンに入ってくる、あるいはバスが自車走行レーンから出て行くといった、自車両に対するバスの挙動に応じてバス方向転換注意情報の内容を変更し、状況に応じた適切なバス方向転換注意情報を出力できる。
【0022】
上記本発明の構成において、バス方向転換注意情報出力手段は、現在時刻を取得する現在時刻取得手段と、自車両がバス停に対し予め定められた距離範囲内に現在位置が接近した際に、取得した現在時刻が予め定められた出力許容時間帯に含まれる場合にのみ、バス方向転換注意情報の出力を行うように構成できる。これにより、バス方向転換注意情報の出力不要な時間帯において、該バス方向転換注意情報の出力を省略できる。
【0023】
具体的には、出力許容時間帯を、交通渋滞が見込まれる予め定められた渋滞時間帯を含むように定めることができる。バスの車線変更は、渋滞時間帯において困難となりやすいものであるから、少なくとも渋滞時にバス方向転換注意情報が出力されることで、バスはスムーズに車線変更できるようになる。
【0024】
さらに、出力許容時間帯を、注意対象バスの運行が終了した時間帯を除いて定めることができる。この構成によると、バスが運行していない時間帯でのバス方向転換注意情報の出力を省略できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の車両用案内装置を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の車両用案内装置をなす車載用ナビゲーション装置(以下、ナビゲーション装置と略称)100の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置100は、位置検出器1,地図データ入力器6,操作スイッチ群7,リモートコントロール(以下リモコンと称する)センサ11,音声案内などを行う音声合成回路24,スピーカ15,メモリ9,表示器10,送受信機13,ハードディスク装置(HDD)21,LAN(Local Area Network) I/F(インターフェース)26,これらの接続された制御回路8,リモコン端末12等を備えている。
【0026】
位置検出器1は、周知の地磁気センサ2,車両の回転角速度を検出するジャイロスコープ3,車両の走行距離を検出する距離センサ4,および衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS受信機5を有している。これらのセンサ等2,3,4,5は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては前述したうちの一部のセンサで構成してもよく、さらに、ステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ例えば車速センサ23等を用いてもよい。なお、この位置検出器1が、本発明の現在位置検出手段に相当する。
【0027】
操作スイッチ群7は、例えば表示器10と一体になったタッチパネル22もしくはメカニカルなスイッチが用いられる。タッチパネル22は、表示器10の画面上にガラス基盤と透明なフィルムにスペーサと呼ばれる隙間を介してX軸方向、Y軸方向に電気回路が配線され、フィルム上をユーザーがタッチすると、押された部分の配線がショートして電圧値が変わるため、これを2次元座標値(X,Y)として検出する、いわゆる抵抗膜方式が広く用いられる。その他に、周知のいわゆる静電容量方式を用いてもよい。メカニカルスイッチの他に、マウスやカーソル等のポインティングデバイスを用いてもよい。また、表示器10とその周辺を覆い意匠枠となるエスカッションに、操作スイッチ群7のうちのメカニカルスイッチを配置してもよい。
【0028】
また、マイク31および音声認識ユニット30を用いて種々の指示を入力することも可能である。これは、マイク31から入力された音声信号を、音声認識ユニット30において周知の隠れマルコフモデル等の音声認識技術により処理を行い、その結果に応じた操作コマンドに変換するものである。これら操作スイッチ群7,リモコン端末12,タッチパネル22,およびマイク31により、種々の指示を入力することが可能である。
【0029】
送受信機13は、例えば道路に沿って設けられた送信機(図示せず)から出力される光ビーコン、または電波ビーコンによってVICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)センタ14から道路交通情報を受信、あるいはFM多重放送を受信するための装置である。また、送受信機13を用いてインターネット等の外部ネットワークに接続可能な構成としてもよい。
【0030】
また、ETC車載器17と通信することにより、ETC車載器17が路側器(図示せず)から受信した料金情報などをナビゲーション装置100に取り込むことができる。また、ETC車載器17によって外部ネットワークと接続し、VICSセンタ14等との通信を行う構成をとってもよい。
【0031】
制御回路8は通常のコンピュータとして構成されており、周知のCPU81,ROM82,RAM83,入出力回路であるI/O84,A/D変換部86,描画部87,時計IC88,およびこれらの構成を接続するバスライン85が備えられている。CPU81は、HDD21に記憶されたナビプログラム21pおよびデータにより制御を行う。また、HDD21へのデータの読み書きの制御はCPU81によって行なわれる。また、CPU81からHDD21に対してデータの読み書きの制御ができなくなった場合のために、ROM82にナビゲーション装置100として必要最低限の動作を行うためのプログラムを記憶しておいてもよい。
【0032】
A/D変換部86は周知のA/D(アナログ/デジタル)変換回路を含み、例えば位置検出器1などから制御回路8に入力されるアナログデータをCPU81で演算可能なデジタルデータに変換するものである。
【0033】
描画部87は、HDD21等に記憶された地図データ21m(後述),表示用のデータや表示色のデータから表示器10に表示させるための表示画面データを生成する。
【0034】
時計IC88はリアルタイムクロックICとも呼ばれ、CPU81からの要求に応じて時計・カレンダーのデータを送出あるいは設定するものである。CPU81は時計IC88から日時情報を取得する。この時計IC88が、本発明の現在時刻取得手段に相当する。なお、GPS受信機5で受信したGPS信号に含まれる日時情報を用いてもよい。また、CPU81に含まれるリアルタイムカウンタを基にして日時情報を生成してもよい。日時情報は、例えば走行履歴を記憶する際に用いられる。
【0035】
画像処理部89は、公知のパターン認識などの技術によってカメラ32によって撮影された画像の解析を行う画像処理回路を含んで構成される。画像処理部89では、例えば、カメラ32により撮影された映像信号に一般的な2値化処理を施すことにより、ピクセル毎のデジタル多値画像データに変換する。そして、得られた多値画像データから、一般的な画像処理手法を用いて所望の画像部分を抽出する。本実施形態における画像処理部89は、カメラ32により連続撮影される前方視野画像から障害物を検出する障害物検出手段として機能する。また、カメラ32により撮影される前方視野画像から、自車両の前方視野に存在するバス画像を検出する前方バス検出手段としても機能する。さらに、前方視野画像のバス画像から、後述する方向判定参照情報を取得する方向判定参照情報取得手段としても機能する。
【0036】
HDD21には、ナビプログラム21pの他に位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、道路の接続を表した道路データを含む地図データ21mが記憶される。地図データ21mは、表示用となる所定の地図画像情報を記憶すると共に、リンク情報やノード情報、レーン情報(車線情報)、等を含む道路網情報、及び道路周辺施設情報を記憶する。リンク情報は、各道路を構成する所定の区間情報であって、位置座標、距離、所要時間、道幅、車線数、制限速度等から構成される。また、ノード情報(道路分岐点データ)は、交差点(分岐路)等を規定する情報であって、位置座標、右左折車線数、接続先道路リンク等から構成される。また、リンク間接続情報には、通行の可不可を示すデータなどが設定されている。レーン情報は、リンクのレーン数、各レーン幅、各レーン位置、各レーンがどのリンクに接続可能か等のデータから構成される。道路周辺施設情報は、道路周辺施設の名称や種別等を記憶するものであり、例えばバス停名、バス停位置情報(バス停位置データ)等を含むバス停情報が含まれる。
【0037】
なお、地図データ21mは本発明の道路地図データ記憶部に相当する。また、地図データ21mは、バス停関連データを記憶するバス関連データ記憶部としても機能し、さらに、車線情報を記憶する車線情報記憶部としても機能する。
【0038】
また、HDD21には経路案内の補助情報や娯楽情報、その他にユーザーが独自にデータを書き込むことができ、ユーザーデータ21uとして記憶される。また、ナビゲーション装置100の動作に必要なデータや各種情報はデータベース21dとしても記憶される。例えば、データベース21dに道路周辺施設情報を、地図データ21mに対応付けた形で記憶してもよい。
【0039】
また、データベース21dには、カメラ32による障害物検出、バス検出、及び方向判定参照情報検出を行うためのテンプレートデータを記憶するテンプレートデータ記憶部が設けられる。これにより、画像処理部89は、カメラ32が撮影した前方視野画像とテンプレートデータとを比較して、障害物、バス、方向判定参照情報を識別することが可能となっている。
【0040】
また、データベース21dには、各バス停の時刻表データ(図17)を記憶する時刻表データ記憶部も設けられている。これにより、バス停が特定された際に、そのバス停のバスの発着時刻(発着推定時刻)を取得することができる。
【0041】
ナビプログラム21p,地図データ21m,ユーザーデータ21u,およびデータベース21dは、地図データ入力器6を介して記憶媒体20からそのデータの追加・更新を行うことが可能である。記憶媒体20は、そのデータ量からCD−ROMやDVDを用いるのが一般的であるが、例えばメモリカード等の他の媒体を用いてもよい。また、外部ネットワークを介してデータをダウンロードする構成を用いてもよい。
【0042】
メモリ9はEEPROM(Electrically Erasable & Programmable Read Only Memory:電気的消去・プログラム可能・読出し専用メモリ)やフラッシュメモリ等の書き換え可能なデバイスによって構成され、ナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータが記憶されている。なお、メモリ9は、ナビゲーション装置100がオフ状態になっても記憶内容が保持されるようになっている。また、メモリ9の代わりにナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータをHDD21に記憶してもよい。さらに、ナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータをメモリ9とHDD21に分けて記憶してもよい。
【0043】
表示器10は周知のカラー液晶表示器で構成され、ドット・マトリックスLCD(Liquid Crystal Display)およびLCD表示制御を行うための図示しないドライバ回路を含んで構成されている。ドライバ回路は、例えば、画素毎にトランジスタを付けて目的の画素を確実に点灯させたり消したりすることができるアクティブマトリックス駆動方式が用いられ、制御回路8から送られる表示指令および表示画面データに基づいて表示を行う。また、表示器10として有機EL(ElectroLuminescence:電界発光)表示器,プラズマ表示器を用いてもよい。なお、表示器10が本発明の推奨駐車スペース情報案内出力手段,推奨駐車スペース撮影画像出力手段に相当する。
【0044】
スピーカ15は周知の音声合成回路24に接続され、ナビプログラム21pの指令によってメモリ9あるいはHDD21に記憶されるデジタル音声データが音声合成回路24においてアナログ音声に変換されたものが送出される。なお、音声合成の方法には、音声波形をそのままあるいは符号化して蓄積しておき必要に応じて繋ぎ合わせる録音編集方式、文字入力情報からそれに対応する音声を合成するテキスト合成方式などがある。
【0045】
車速センサ23は周知のロータリエンコーダ等の回転検出部を含み、例えば車輪取り付け部付近に設置されて車輪の回転を検出してパルス信号として制御回路8に送るものである。制御回路8では、その車輪の回転数を車両の速度に換算して、車両の現在位置から所定の場所までの予想到達時間を算出したり、車両の走行区間毎の平均車速を算出する。
【0046】
前方撮影カメラ(以下、カメラと略する)32は周知のCCDビデオカメラ等で構成され、自車両前方を監視する前方監視カメラである。撮影された画像データは制御回路8(画像処理部89)に送られる。図8はその搭載例であり、カメラ32は車両前方を撮影可能なように、例えば、車両室内の天井の前方中央部に取り付けられる。撮影範囲は、少なくとも運転者の視野範囲よりも広いことが望ましい。また、ダッシュパネル上に取り付けてもよい。なお、カメラ32が本発明の前方撮影カメラ(前方バス検出手段)に相当する。
【0047】
LAN I/F26は車内LAN27を介して他の車載機器やセンサとのデータの遣り取りを行うためのインターフェース回路である。また、LAN I/F26を介して車速センサ23からのデータ取り込み、あるいはETC車載器17との接続を行ってもよい。
【0048】
このような構成を持つナビゲーション装置100において、制御回路8のCPU81によりナビプログラム21pが起動されると、ユーザーが操作スイッチ群7,タッチパネル22、リモコン端末12の操作あるいはマイク31からの音声入力によって、表示器10上に表示されるメニューから目的地経路を表示器10に表示させるための経路案内処理を選択した場合、次のような処理を実施する。
【0049】
すなわち、まず、ユーザーは目的地を探索する。目的地の探索方法は、例えば、地図上の任意の地点を指定する方法、目的地の所在する地域から探索する方法,目的地の電話番号から探索する方法,五十音表から目的地の名称を入力して探索する方法,あるいはユーザーがよく利用する施設としてメモリ9に記憶されているものから探索する方法などがある。目的地が設定されると、位置検出器1により車両の現在位置が求められ、該現在位置を出発地として目的地までの最適な案内経路を求める処理が行われる。このような自動的に最適な案内経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。
【0050】
そして、表示器10上に地図データ21mに基づく道路地図を表示し、求めた案内経路と現在位置とをその道路地図に重ねて表示して、ユーザーに適切な経路を案内する。経路案内は、表示器10およびスピーカ15の少なくとも一方によって、操作時のガイダンスや動作状態に応じたメッセージを報知する形で行う。なお、経路案内処理が選択されていない場合には、表示器10上に地図データ21mに基づく道路地図を表示し、位置検出器1により求められる現在位置をその道路地図に重ねて表示して(現在位置マッピング手段)、必要に応じて情報報知がなされる。
【0051】
また、本実施形態におけるナビゲーションプログラムではさらに、道路上にて現在位置よりも進行方向前方に存在する道路分岐点とバス停とをそれぞれ特定し、さらに、特定したバス停のうち、道路分岐点の手前側に位置し、かつ該道路分岐点から予め定められた距離以内に位置する分岐点手前のバス停を特定する。そして、分岐路手前のバス停が特定され、さらに、自車両の現在位置が、そのバス停に対し予め定められた範囲内に接近した場合には、自車両のドライバーに対し、該自車両の前方にてバス停を発進するバスの、発進後の道路分岐点での方向転換に対し注意を促すバス方向転換注意情報を出力することができる。
【0052】
特に、図2に示すように、車線(レーン)数の多い道路の分岐点手前Pにバス停Sが設けられて、そのバス停Sを発車したバスBが、分岐点手前Pのバス停Sを発進後にその道路分岐点Pにて対向車線L0を横切って方向転換する場合を考える。バス停Sは、道路の最外車線L1脇に設けられており、ここから発車するバスは、道路中央側の右折車線L3まで、急激な車線変更を繰り返しながら移動せざるを得ない。本実施形態では、こうしたバスの車線変更が起こりうるバス等を含む注意対象バスに関する注意喚起を、車両のドライバーに対し行うことができる。
【0053】
ここで、図3を用いてバス方向転換注意喚起処理について説明する。なお、本処理はナビプログラム21pに含まれるものであり、該ナビプログラム21pの経路案内処理の実行時だけでなく、非経路案内時においてもナビプログラム21pの他の処理とともに繰り返し実行される。なお、本実施形態における道路は常に左側通行とする。これにより、右折する際に対向車線を横切る場合がある。
【0054】
まず、S1では、ナビゲーション装置100において、バス停手前でバスの方向転換を注意喚起するモードに設定されているか否かを判定する。そして、注意喚起するモードに設定されていればS2に進み、設定されていなければS8に進む。S8では、通常のナビゲーション表示処理を実行する。
【0055】
なお、上記のモード設定は、操作スイッチ群7,リモコン端末12,タッチパネル22の操作、あるいはマイク31への音声入力により、表示器10にモード設定画面を表示させる形で、モード設定を行う。設定内容はメモリ9あるいはHDD21の所定の領域に記憶されるので、S1では、これを読み出す形で設定されたモードの判定を行う。
【0056】
S2では、自車両前方の最も近くに位置する道路分岐点(以下、接近対象分岐点という)を特定し、特定された該接近対象分岐点の手前にこれから自車両が接近するバス停(以下、分岐点近接バス停という)があるか否かをを判定する。これは、HDD21から道路分岐点データ及びバス停位置データを読み出し、さらに、位置検出器1から現在位置と自車両の進行方向とを検出した上で、これらに基づいて判定する。分岐点近接バス停が無いと判定された場合にはS7に進み、次に自車両が接近すると予測される道路分岐点、その分岐点までのコース、そのコース上のバス停等のデータ探索を開始する。他方、分岐点近接バス停があると判定された場合にはS4に進む。
【0057】
S4では、バスの方向転換を注意喚起する出力処理(以下、注意喚起出力処理という)を実行する。実行後S5に進み、この注意喚起処理を継続するか否かを判定する。継続する場合はS7に進む。他方、継続しない場合はこの処理を終了する。
【0058】
なお、本実施形態においては、ナビプログラム21pが本発明の現在位置マッピング手段とともに、道路分岐点特定手段、バス停特定手段、バス方向転換注意情報出力手段として機能する。
【0059】
次に、S4にて実行される注意喚起出力処理について、図4を用いて説明する。図4の注意喚起出力処理1では、S11にてバス方向転換注意情報を音声出力し、この処理を終了する。そして終了後、図3のS5に戻る。この場合、S11におけるバス方向転換注意情報の出力は、自車両前方にバスが存在する・しないに関らず実行され、分岐点近接バス停を発車したバスがいる場合にはそのバスが方向転換する可能性がある、という内容が出力される。例えば、「前方にバスが見える場合には右折の可能性がありますので、ご注意下さい。」といった内容の音声出力である。
【0060】
なお、S4にて実行される注意喚起出力処理については、様々な実施例がある。以下、上記した図4の注意喚起出力処理1を第一実施例とし、それとは異なる注意喚起出力処理の実施例について説明を行う。
【0061】
図5は、注意喚起出力処理の第二実施例である。この第二実施例では、自車両の現在位置が分岐点近接バス停に対し予め定められた距離範囲内に接近した際に(図3のS4でYesとなった場合)、自車両が走行する車線の車線数を取得して、取得した車線数に応じたバス方向転換注意情報を出力する。
【0062】
図5の注意喚起出力処理2では、まず、S21にて、現在走行中の道路のレーン情報(車線情報)を地図データ21mから取得して、車線数(対向車線は除く)を特定し、S22にて、その車線数が2以上であるか否かを判定する。車線数が2以上である場合にはS23に進む。
【0063】
S23では、バスが方向転換する場合に車線変更の可能性がある、というバス方向転換注意情報を音声出力する。S23におけるバス方向転換注意情報の出力は、自車両前方にバスが存在する・しないに関らず実行され、例えば、「前方にバスが見える場合には、バスがレーンを変更する可能性があります。ご注意下さい。」といった内容が音声出力される。出力が終わると、この注意喚起出力処理2を終了する。他方、車線数が1の場合は、音声案内の必要が無いのでバス方向転換注意情報の出力を行わないで、この注意喚起出力処理2を終了する。終了後は、図3のS5に戻る。
【0064】
図6は、注意喚起出力処理の第三実施例である。この第三実施例では、自車両がバス停に対し予め定められた範囲内に現在位置が接近した際に(図3のS4でYesとなった場合)、現在時刻を時計IC88より取得し、その現在時刻が予め定められた出力許容時間帯に含まれる場合にのみ、バス方向転換注意情報を出力する。さらには、自車両がバス停に対し予め定められた距離範囲内に現在位置が接近した際に、自車両の走行レーンを特定して、特定された該走行レーンに応じてバス方向転換注意情報の内容を変更して出力する。なお、この処理が実行されることで、本発明の自車両走行レーン特定手段が機能する。
【0065】
図6の注意喚起出力処理3では、まず、S31及びS32にて、上記第二実施例のS21及びS22と同様の車線数判定処理を行う。S32で車線数が2以上であると判定された場合には、S33にて、時計IC88より現在時刻を取得する。S34では、取得した現在時刻が、バスが運行している運行時間帯であるか否かを判定する。運行時間帯でなければ、バスの方向転換を注意喚起する必要が無いので処理を終了する。運行時間帯であれば、今度はS35にて、交通渋滞が見込まれる予め定められた渋滞時間帯であるか否かを判定する。渋滞時間帯でなければ、バスの方向転換を注意喚起する必要性が低いので、バス方向転換注意情報の出力を行わないで、この注意喚起出力処理3を終了する。渋滞時間帯であればS36に進む。
【0066】
続いて、S36にて、位置検出手段1により自車両の現在の走行車線(走行レーン)を特定する。S37及びS39にて、最も左の車線に位置すると特定された場合には図7の注意喚起出力A(S38)を、右折車線に位置すると特定された場合には図7の注意喚起出力B(S40)を、その他の中央車線に位置すると特定された場合には図7の注意喚起出力C(S41)を音声出力し、この注意喚起出力処理3を終了する。
【0067】
これら注意喚起出力A〜Cは、自車両前方にバスが存在する・しないに関らず出力され、自車両の位置する走行レーンに応じたバスの方向転換の可能性、具体的にはレーン変更の可能性について音声出力するものである。なお、注意喚起出力Aは、レーン変更の可能性がないことを示す内容であるので、出力を省略するように構成することもできる。注意喚起出力処理3が終了すると、図3のS5に戻る。
【0068】
図10は、注意喚起出力処理の第四実施例である。この第四実施例では、図8に示すように自車両Aに搭載されたカメラ32により、図9に示すような形でその前方視野を撮影し、撮影した画像320から自車両Aの前方を走行するバスBを特定した上で、特定したバスBの方向転換に関して注意喚起出力が実行される。なお、この処理が実行されることにより、本発明の前方バス検出手段、方向判定参照情報取得手段、注意対象バス特定手段が機能する。
【0069】
なお、本実施形態におけるカメラ32は、自車両前方の障害物を検出する障害物検出手段としても機能するものであり、本実施例において自車両前方のバスを特定する前方バス特定手段にも兼用されている。
【0070】
図10の注意喚起出力処理4では、まず、S51にて、カメラ32を用いて前方バスの存在検出を行うモードに設定されているか否かを判定する。なお、このモード設定は、操作スイッチ群7,リモコン端末12,タッチパネル22の操作、あるいはマイク31への音声入力により、表示器10にモード設定画面を表示させる形で、モードを設定することができる。設定内容はメモリ9あるいはHDD21の所定の領域に記憶されるので、S51では、これを読み出す形で設定されたモードの判定を行う。前方バスの存在検出を行うモードに設定されていればS52に進み、設定されていなければS62に進む。S62では、図11に示す注意喚起出力Gを音声出力して、この注意喚起出力処理4を終了する。
【0071】
S52では、カメラ32による前方視野の撮影を実行する。そして、S53では、撮影した前方視野画像にバス画像が含まれているか否かを判定し、バス画像が含まれている場合に、自車両Aの前方にバスBが存在すると判定する。さらに、バスBが存在すると判定された場合には、そのバスBの画像に方向判定参照情報の画像が含まれているか否かを判定する。方向判定参照情報の画像が含まれているには、その画像から方向判定参照情報を認識し、取得する。
【0072】
なお、方向判定参照情報は、バスBがバス停発進後に方向転換するか否かの判定に参照すべき情報である。本実施形態においては、バス上に表示されるバス系統情報と、バス運営主体情報(バスの模様や窓枠の輪郭等)とである。バス系統情報に代わってバスの行き先情報を使用することもできる。これら方向判定参照情報は、通常、バスの前面・背面・側面の上方位置等に表示されている。
【0073】
また、上記のような画像認識処理によるバスBの検出は、カメラ32の撮影画像の各領域に表示されている輪郭と、データベース21dのテンプレートデータ記憶部に記憶されている、バスに関するテンプレートデータとを比較することで行われる。バスに関するテンプレートデータとマッチングする画像が存在した場合に、バスが検出されたと判定する。同様に、画像認識処理による方向判定参照情報の検出は、バス画像の各領域に表示されている輪郭と、テンプレートデータ記憶部に記憶されている、方向判定参照情報に関するテンプレートデータとを比較することで行われる。方向判定参照情報に関するテンプレートデータとマッチングする画像が存在した場合に、方向判定参照情報が検出されたと判定する。なお、パターンマッチングの度合いは100%である必要はなく、実験などから判定可能なマッチング度を求め、それに基づいてマッチするか否かを判定する。
【0074】
バスに関するテンプレートデータとしては、バスを後方から複数の角度で撮影したバス画像の輪郭や、ナンバープレート画像を用いる。また、方向判定参照情報を検出するためのテンプレートデータとしては、バス上に表示されるものを使用することができ、本実施形態においては、バス系統表示図形(バス系統情報)と、バスの模様や窓枠の輪郭(バス運営主体情報)とを使用する。なお、バスの行き先表示枠内の文字・記号(バスの行き先情報)を用いることも可能である。
【0075】
続いて、S54では、S53においてバスが検出されたか否かを判定する。バスが検出されなければ、この注意喚起出力処理4を終了する。バスが検出されていればS55に進み、方向判定参照情報が認識されているか否かを判定する。認識されていなければS63に進み、S63では、図11に示すようなバスの方向転換の可能性を注意喚起する注意喚起出力Hを音声出力して、この注意喚起出力処理4を終了する。他方、S55にて、方向判定参照情報が認識されていると判定された場合にはS56に進む。
【0076】
S56では、認識した方向判定参照情報に基づいて、バスの具体的な転換方向を特定する転換方向特定情報を取得する。ここでは、データベース21dに、方向判定参照情報と転換方向特定情報とを対応付けて記憶する転換方向特定情報記憶部を予め設けておき、S56では、この転換方向特定情報記憶部から、認識した方向判定参照情報に対応する転換方向特定情報を取得する。取得した転換方向特定情報から、分岐点での直進・道なり、対向車線をまたぐ右折、それら以外の左折等の具体的な分岐点進行方向(交差点進行方向)が特定される。
【0077】
続いて、S57及び59では、S56で取得した転換方向特定情報からバスが、右折する特定される場合には図11の注意喚起出力D(S58)を、左折すると特定される場合には図11の注意喚起出力E(S60)を、バスが直進するあるいは道なりに進むと特定される場合には図11の注意喚起出力F(S61)を音声出力し、この注意喚起出力処理4を終了する。なお、注意喚起出力Aは、レーン変更の可能性がないことを示す内容であるので、出力を省略するように構成することもできる。注意喚起出力処理4の終了後は、図3のS5に戻る。
【0078】
方向判定参照情報と対応付けられた転換方向特定情報とは、該方向判定参照情報が表示されているバスの、分岐点近接バス停に対応する道路分岐点での進入路及び退出路として選択するリンク情報(進入用及び退出用の2つのリンク)とすることができる。具体的な転換方向は、方向判定参照情報に対応するバスの進行方向(即ち自車両の進行方向)に基づいて、進入用リンクと退出用リンクとを特定することで、容易に取得できる。
【0079】
この場合の転換方向の取得について、図2を用いて具体的に説明する。まずは、位置検出器1から現在位置及び進行方向を取得して、自車両が現在接近中の接近対象分岐点P(手前に分岐点近接バス停Sが位置するもの)を特定する。そして、その接近対象分岐点Pにおいて、S53で認識した方向判定参照情報に対応するバスが進行する進入路及び退出路となるリンク情報を取得する。続いて、位置検出手段1により自車両の進行方向を検出するとともに、検出した進行方向を該バスの進行方向とし、そのバスの進行方向とリンク情報とに基づいて、進入用リンク(図2の場合、リンク#1)と退出用リンク(図2の場合、リンク#4)とを特定し、特定された進入用リンクと脱出用リンクとの関係に基づいて、直進・道なり、対向車線をまたぐ右折、それら以外の左折等の転換方向(分岐点進行方向)を取得する。
【0080】
なお、この注意喚起出力処理4に、図6の注意喚起出力処理3(第三実施例)のような車線数判定(S31〜S32)、出力許容時間帯判定処理(S33〜S35)、レーン判定処理(S36、S37,S39)を加えることもできる。
【0081】
図12は、注意喚起出力処理の第五実施例である。この第五実施例では、自車両の現在位置が分岐点近接バス停に対し予め定められた距離範囲内に接近した際に(図3のS4でYesとなった場合)、まず、分岐点近接バス停を特定し、その分岐点近接バス停に停留するバスのうち、対向車線を横切って右折するバスを注意対象バスとして、その注意対象バスの方向判定参照情報を取得する。そして、その注意対象バスに対してバス方向転換注意情報を出力する。その出力は、例えば、「系統Aと系統Bのバスは右折します(又は右折のためレーン変更します)。ご注意ください。」といったように、注意対象バスに表示される方向判定参照情報が分かるような内容でなされる。つまり、どのような方向判定参照情報を表示しているバスに対して注意を払うべきなのかを、ドライバーが認識できるように、バス方向転換注意情報が出力されるのである。
【0082】
図12の注意喚起出力処理4では、まず、S71にて、図3のS2において特定された分岐点近接バス停に停留するバスの方向判定参照情報を、図13に示すテーブルを用いて取得する。このテーブルには、分岐点近接バス停と、該分岐点近接バス停に停留するバスの方向判定参照情報(本実施形態ではバス系統情報及びバス運営主体情報)とが対応付けられ、さらに、該方向判定参照情報と、該方向判定参照情報を表示するバスの、分岐点近接バス停に対応する道路分岐点での進入路及び退出路として選択するリンク情報とが対応付けられた形で、データベース21dに予め記憶されている。
【0083】
次いでS72では、取得した方向判定参照情報を表示するバスの、該分岐点近接バス停に対応する道路分岐点での具体的な転換方向を取得する。これは、まず、図13に示すテーブルから、方向判定参照情報に対応するリンク情報を取得し、さらに、位置検出手段1により自車両の進行方向を検出する。そして、検出された自車両の進行方向をバスの進行方向とする。そのバスの進行方向と、図13のテーブルから取得したリンク情報とに基づいて、バスが進行する進入用リンク(図2の場合、リンク#1)と退出用リンク(図2の場合、リンク#4)とを特定し、特定された進入用リンクと脱出用リンクとの関係に基づいて、直進・道なり、対向車線をまたぐ右折、それら以外の左折等の転換方向(分岐点進行方向)を取得する。
【0084】
続いてS73では、取得した転換方向が対向車線を横切る右折であるバスを注意対象バスと特定する。そして、S74にて、その注意対象バスに対しバス方向転換注意情報を出力する。その出力は、上記のように、どのような方向判定参照情報を表示しているバスに対して注意を払うべきなのかを、ドライバーが認識できるような内容でなされる。例えば、図13のテーブルをデータベース21dに記憶し、かつ、図2のような分岐点近接バス停S(バス停01)及び道路分岐点P(交差点020)に自車両が接近する状況であれば、「基幹2のバスは右折のためレーン変更します。ご注意下さい。」といった内容で、自車両前方にバスが存在する・しないに関らず出力される。出力後には、この注意喚起出力処理5を終了する。終了後は、図3のS5に戻る。
【0085】
なお、この注意喚起出力処理5は、図10の注意喚起出力処理4(第四実施例)のように、カメラ32の撮影画像からバスを特定した場合にのみ、バス方向転換注意情報を出力するものとしてもよい。なお、この場合はバス画像から方向判定参照情報を取得する必要は無い。また、現在時刻を時計IC88より取得するとともに、自車両が接近している分岐点近接バス停付近にバスが存在しているか否かをデータベース21の時刻表データと、取得した現在時刻とに基づいて推定し、存在すると推定される場合にのみ、バス方向転換注意情報を出力するものとしてもよい。
【0086】
図14は、注意喚起出力処理の第六実施例である。この第六実施例では、自車両の現在位置が分岐点近接バス停に対し予め定められた距離範囲内に接近した際に(図3のS4でYesとなった場合)、ドライバーが方向判定参照情報を入力し、入力された方向判定参照情報を表示するバスが注意対象バスであるか否かを、即ちレーン変更や右折する注意対象バスであるか否かを判定し、その判定結果に基づくバス方向転換注意情報をドライバーに対し出力する。なお、この処理が実行されることで、本発明の支援情報入力誘導手段、注意対象バス特定手段が機能する。
【0087】
図14の注意喚起出力処理6では、まず、S81にてカメラ32より自車両の前方視野を撮影し、S82にて撮影された前方視野画像からバスの存在を特定する。そして、S83では、バスが存在するか否かを判定し、存在する場合にはS84に進み、存在しない場合にはこの注意喚起出力処理6を終了する。これらの処理は、図10のS52〜S54(第四実施例)と同様である(なお、方向判定参照情報は不要)。
【0088】
S84では、図15Aに示すような入力受付画面10aを表示器10に表示し、ドライバーに対し、自車両前方に見えるバスの方向判定参照情報の入力を促す。そして、S85では入力の有無を判定し、入力があればS86に進み、入力がなければS94に進む。S94では、予め定められた時間が経過するまではS85に戻るようになっているが、その時間が経過すると、入力受付画面10aを元の表示画面に戻して、この注意喚起出力処理6を終了する。
【0089】
S86では、自車両が接近する分岐点近接バス停に対応する接近対象分岐点を特定し、S87では、特定された接近対象分岐点を、S84で入力された方向判定参照情報に対応するバスが通過するか否かを判定し、その結果に基づいて、入力が正しいか否かを判定する(通過する場合、入力が正しいと判定する)。入力が誤りと判定された場合はS95に進み、方向判定参照情報の再入力の受付を開始してS85に戻る。入力が正しいと判定された場合はS88に進む。
【0090】
S88では、入力された方向判定参照情報に対応するバスの、該接近対象分岐点での具体的な転換方向を取得する。これは、まず、図13に示すテーブルから、方向判定参照情報に対応するリンク情報を取得し、さらに、位置検出手段1により自車両の進行方向を検出する。そして、検出された自車両の進行方向をバスの進行方向とする。そのバスの進行方向と、図13のテーブルから取得したリンク情報とに基づいて、バスが進行する進入用リンク(図2の場合、リンク#1)と退出用リンク(図2の場合、リンク#4)とを特定し、特定された進入用リンクと脱出用リンクとの関係に基づいて、直進・道なり、対向車線をまたぐ右折、それら以外の左折等の転換方向(分岐点進行方向)を取得する。
【0091】
続いて、S89及び91では、S88で取得した転換方向からバスが、右折する特定される場合には図11の注意喚起出力D(S90)を、左折すると特定される場合には図11の注意喚起出力E(S92)を、バスが直進するあるいは道なりに進むと特定される場合には図11の注意喚起出力F(S93)を音声出力し、この注意喚起出力処理6を終了する。これらは、終了後は、図3のS5に戻る。
【0092】
なお、注意喚起出力D〜Fは、図15Bに示すような形で、方向判定参照情報の入力用の入力受付画面を表示した表示器10に、注意喚起出力画面10bとして表示してもよい。
【0093】
図16は、注意喚起出力処理の第七実施例である。この第七実施例では、自車両の現在位置が分岐点近接バス停に対し予め定められた距離範囲内に接近した際に(図3のS4でYesとなった場合)、当該分岐点近接バス停の時刻表データと、現在時刻とを取得し、該分岐点近接バス停付近にバスが存在するか否かを推定して、バスの存在が推定される場合にバス方向転換注意情報を出力する。
【0094】
図16の注意喚起出力処理6では、まず、S101にて、自車両が接近している分岐点近接バス停の時刻表データをデータベース21(時刻表データ記憶部)から取得し、S102にて、現在時刻を時計IC88から取得する。S103にて、取得した現在時刻が、時刻表データから明らかとなるバスの発車時刻に近いか否か、具体的には、現在時刻がバスの発車時刻を含む予め定められた時間範囲内にあるか否かを判定する。該次官範囲内にある場合にはS104に進むとともに、自車両周辺にバスが存在すると推定されるので、分岐点近接バス停を発車したバスがいる場合にはそのバスが方向転換する可能性がある、という内容のバス方向転換注意情報を出力する。例えば、「前方にバスが見える場合には右折の可能性がありますので、ご注意下さい。」といった内容の音声出力を出力する。
【0095】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【0096】
例えば、バス方向転換注意情報の出力は、音声出力に限られず、画面表示出力、あるいは音声出力及び画面表示出力の双方で行ってもよい。
【0097】
また、ナビゲーション装置100が周知の無線送受信機である通信ユニット25を備え、車外に設けられた通信手段から、バス停が通信可能に構成され、それぞれのバス停に関する情報を走行中の車両との間で通信可能に構成されている場合には、バス停と通信する通信手段として機能する。例えば、カメラ等によりバスの存在が検出された場合や、バスの存在が又は推定された場合に、方向判定参照情報をバス停から無線通信取得するように構成することができる。他にも、カメラ等によりバスの存在が検出された場合や、バスの存在が又は推定された場合、自車両の現在位置が分岐点近接バス停に対し予め定められた距離範囲内に接近した場合に、バス停の時刻表データ、方向判定参照情報、転換方向特定情報、注意対象バス等の必要とされる情報を、接近するバス停との通信により取得するように構成することもできる。
【0098】
さらに言えば、自車両の現在位置が分岐点近接バス停に対し予め定められた距離範囲内に接近した際に、その分岐点近接バス停に応じたバス方向転換注意情報を特定する注意喚起出力情報特定情報を受信して、該注意喚起出力情報特定情報に基づいて、ナビゲーション装置100のHDD21に予め記憶されたバス方向転換注意情報の中から出力すべきものを特定し、特定されたバス方向転換注意情報を出力するようにも構成できる。
【0099】
また、これらの場合に無線通信対象はバス停ではなく、運行中のバスに係るバス情報(例えばバス位置情報)を統括管理するバスセンタを無線通信対象として、上記のような必要とされる情報を無線通信取得する構成も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図。
【図2】公差点(道路分岐点)で右折しようとする路線バスの挙動を示す図。
【図3】バス方向転換注意喚起処理を示すフローチャート。
【図4】注意喚起出力処理の第一実施例の処理を示すフローチャート。
【図5】注意喚起出力処理の第二実施例の処理を示すフローチャート。
【図6】注意喚起出力処理の第三実施例の処理を示すフローチャート。
【図7】第三実施例における注意喚起出力の内容を説明する図。
【図8】カメラの車両への搭載例を説明する図。
【図9】カメラが撮影する前方視野の一例を示す図。
【図10】注意喚起出力処理の第四実施例の処理を示すフローチャート。
【図11】第四及び第六実施例における注意喚起出力の内容を説明する図。
【図12】注意喚起出力処理の第五実施例の処理を示すフローチャート。
【図13】第五実施例においてデータベース内に記憶されたテーブルの内容を示す図。
【図14】注意喚起出力処理の第六実施例の処理を示すフローチャート。
【図15A】入力受付画面の表示内容を示す図。
【図15B】注意喚起出力画面の表示内容を示す図。
【図16】注意喚起出力処理の第七実施例の処理を示すフローチャート。
【図17】時刻表データ記憶部の記憶内容を示す図。
【符号の説明】
【0101】
10 表示器
100 ナビゲーション装置
8 制御回路
88 時計IC
21 HDD
32 カメラ
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用案内装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開平05−054296公報
【0003】
一般に路線バスは、予め定められた経路に沿って走行するものであり、道路脇に設けられた各バス停を転々としながら乗客の乗降を繰り返す形で運行する(例えば特許文献1)。
【0004】
ところで、路線バスのバス停は、交差点までの距離が比較的近い位置に設けられることが多々ある。こうした位置へのバス停の設置は、交差点の信号が赤のときにバスの乗降が可能となることや、バス停の公共性(場所が分かりやすく、利用についての公平性)、バスから下車した歩行者の交差点横断の便等を配慮した結果によるものである。そして、日本では車両は左側通行なので、安全地帯等の特殊な形態でない限り当然ことながら、バス停は道路の進行方向左側に設置される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、車線数の多い道路においても、バス停が交差点に近い位置で設置されている場合がある。このような場合、バス停を発車する路線バスは、交差点までの短い道路区間の中で、バス停のある最左側車線から右折車線のある最右側車線まで急激に車線を変更せざるを得ない。こうしたとき、後続車の、特に当該道路におけるバスのこうした挙動を把握していないドライバーは、該路線バスの車線変更を考慮して、車線を譲るために停車するといった対応をとることが難しく、結果として、例えば、左折車線にいる路線バスがなかなか停留所を離れることができず、その左折車線での車両の進行が長時間妨げられる、あるいは車線変更途中の路線バスが複数の車線をふさぐ形で停まり続け、ふさがれた車線の車両の進行が長時間妨げられる等、渋滞の原因となってしまう場合がある。
【0006】
本発明の課題は、路線バスの後方に位置する車両のドライバーが、前方公差点を通過する路線バスの進行方向を認識できる車両用案内装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
上記課題を解決するために本発明の車両用案内装置は、
道路分岐点データとバス停位置データとを含む道路地図データを記憶する道路地図データ記憶部と、
自車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
道路地図データと検出された現在位置とに基づいて、自車両が進行中の道路を特定し、該道路上に現在位置をマッピングする現在位置マッピング手段と、
道路上にて現在位置よりも進行方向前方に存在する道路分岐点を特定する道路分岐点特定手段と、
道路沿いにて、特定された道路分岐点の手前にバス停が存在するか否かを特定するバス停特定手段と、
バス停に対し予め定められた距離範囲内に現在位置が接近した際に、自車両のドライバーに対し、該自車両の前方にてバス停を発進後に道路分岐点にて方向転換するバスである注意対象バスへの注意を促すためのバス方向転換注意情報を出力するバス方向転換注意情報出力手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
上記本発明の構成によると、バスの後方に位置する車両は、道路分岐点手前に位置するバス停に接近すると、例えば「前方に路線バスが見える場合には右折の可能性があります。ご注意下さい。」等のような形で、その道路分岐点で方向転換するバスに対する注意喚起を行うことができる。これにより、バス後方の車両のドライバーは、路線バスの道路分岐点における挙動を把握でき、それに応じた運転を行うことが可能となる。
【0009】
上記のバス方向転換注意情報は、注意対象バスとしてバス停を発進後に道路分岐点手前にてレーン変更するバスへの注意を促すものとできる。これにより、バスの後方に位置する車両のドライバーは、分岐点手前に位置するバス停に接近した際に、バスの分岐点手前での車線変更を把握することができ、それに応じた運転をすることができる。
【0010】
また、上記のバス方向転換注意情報は、注意対象バスとしてバス停を発進後に道路分岐点にて対向車線を横切って方向転換するバスへの注意を促すものとできる。これにより、バスの後方に位置する車両のドライバーは、道路分岐点手前に位置するバス停に接近した際に、バスが該道路分岐点にて対向車線を横切って横断進行することを把握することができるので、ドライバーは、例えば、交差点前でのバスの車線変更や、横断進行直前の一時停止等の可能性を考慮した運転をすることができる。
【0011】
なお、日本のような左側通行の国では、バス方向転換注意情報は、注意対象バスとしてバス停を発進後に道路分岐点をなす交差点にて右折するバスへの注意を促すものとできる。逆に右側通行の国においては、バス方向転換注意情報は、注意対象バスとしてバス停を発進後に道路分岐点をなす交差点にて左折するバスへの注意を促すものとできる。
【0012】
上記本発明の構成において、バス停に対し予め定められた距離範囲内に現在位置が接近した際に、自車両前方においてバスの存在を検出又は推定する前方バス検出手段を備えて構成し、さらに、バス方向転換注意情報出力手段は、バスの存在が検出状態又は推定状態にあることを前提として、バス方向転換注意情報を出力するように構成できる。この構成によると、車両の前方にバスが位置する場合、あるいは位置すると推定される場合にのみ、例えば「前方のバスは右折する可能性があります。ご注意下さい。」といった形での注意喚起が実行される。これにより、バス方向転換注意情報を適切に行うことができ、無駄な出力を省略できる。
【0013】
この構成の場合、前方バス検出手段は、バス停に対し予め定められた距離範囲内に現在位置が接近した際に、自車両の前方視野を撮影する前方撮影カメラを備え、該前方撮影カメラが撮影した前方視野画像に含まれるバス画像に基づいて前記バスを検出するものとして構成できる。この構成によると、自車両に設けられた前方撮影カメラの撮影画像から自車両前方を走行するバスを容易に検出できる。また、自車両にもともと前方撮影カメラが搭載されていれば、そのカメラを兼用する形で使用できる。
【0014】
また、バス停発進後に方向転換するか否かの判定に参照すべき情報である方向判定参照情報を取得する方向判定参照情報取得手段と、取得された方向判定参照情報に基づいて、該バスが注意対象バスであるか否かを特定する注意対象バス特定手段と、を備えて構成し、バス方向転換注意情報出力手段を、注意対象バスであると特定された場合にバス方向転換注意情報を出力するものとして構成することができる。この構成によると、方向判定参照情報から、交差点でのバスの挙動を認識することができるので、そのバスが注意対象であるかを特定することができる。そして、特定された場合に限り、上記のようなバス方向転換注意情報を出力できる。
【0015】
この方向判定参照情報取得手段は、上記のバス画像から方向判定参照情報を取得するものとして構成できる。この構成によると、方向判定参照情報は、撮影されたバス画像から容易に認識・取得することができる。なお、方向判定参照情報取得手段を、前方バス検出手段によりバスの存在が検出又は推定された場合に、方向判定参照情報をバス停から無線通信取得するものとして構成することもできる。この構成によると、方向判定参照情報をバス停から容易に取得できる。
【0016】
なお、バス画像から方向判定参照情報を取得する場合、方向判定参照情報は、バス上に表示されるバス系統情報、バス運営主体情報及びバスの行き先情報の少なくともいずれかを含むものとすることができる。撮影されたバス画像には、バス系統情報、バス運営主体情報及びバスの行き先情報の少なくともいずれかの画像が含まれるので、方向判定参照情報は、そのバス画像から容易に認識・取得できる。
【0017】
また、方向判定参照情報をなすバス系統情報、バス運営主体情報及びバスの行き先情報の少なくともいずれかと、バスの具体的な転換方向を特定する転換方向特定情報とを対応付けて記憶する転換方向特定情報記憶部を備えて構成し、バス方向転換注意情報出力手段を、方向判定参照情報に対応する転換方向特定情報を転換方向特定情報記憶部から取得し、当該転換方向特定情報が反映されたバス方向転換注意情報を出力するものとして構成することができる。この構成によると、バスの交差点における挙動、例えば右左折等を転換方向特定情報として取得することができるので、特定される各挙動に応じて適切なバス方向転換注意情報を出力できる。例えば左折の場合は、「前方のバスは左折します。バスの減速にご注意下さい。」と出力できるし、右折の場合は、「前方のバスは右折します。バスの車線変更にご注意下さい。」と出力できる。
【0018】
また、上記本発明の構成において、バス画像に基づいてバスが検出された際に、当該バスが注意対象バスであるか否かを特定するための支援情報を、予め定められた入力部から入力するようにドライバーを誘導する支援情報入力誘導手段と、該ドライバーによる入力部からの入力情報に基づいて、バスが注意対象バスであるか否かを特定する注意対象バス特定手段とを備えて構成し、バス方向転換注意情報出力手段を、注意対象バスであると特定された場合にバス方向転換注意情報を出力するものとして構成することができる。この構成によると、前方にバスが検出された場合に、ドライバーの情報入力により、そのバスが注意対象バスであるか否かを容易に判定させることができる。
【0019】
この構成の場合、ドライバーが入力する支援情報の内容は、バス系統情報、バス運営主体情報及びバスの行き先情報の少なくともいずれかを含む方向判定参照情報の内容特定が可能となるように定めることができる。これにより、入力される支援情報から方向判定参照情報の内容を容易に特定可能となる。
【0020】
上記本発明の構成において、各バス停の時刻表データを記憶する時刻表データ記憶部を備えて構成し、さらに、前方バス検出手段は、現在時刻を取得する現在時刻取得手段と、バス停に対し予め定められた距離範囲内に現在位置が接近した際に時刻表データに基づいて該バス停における注意対象バスの発車時刻を取得する発車時刻取得手段と、を備えて構成し、現在時刻が、発車時刻を含む予め定められた時間範囲内にある場合に、注意対象バスが存在すると推定するものとすることができる。この構成によると、時刻表から注意対象バスの有無を容易に推定することができ、注意対象バスが推定された場合に限り、上記のようなバス方向転換注意情報を出力できる。
【0021】
上記本発明の構成において、バス方向転換注意情報出力手段は、自車両がバス停に対し予め定められた距離範囲内に現在位置が接近した際に、自車両の走行レーンを特定する自車両走行レーン特定手段を備えて構成して、特定された該走行レーンに応じてバス方向転換注意情報の内容を変更して出力するようにできる。この構成によると、バスが自車走行レーンに入ってくる、あるいはバスが自車走行レーンから出て行くといった、自車両に対するバスの挙動に応じてバス方向転換注意情報の内容を変更し、状況に応じた適切なバス方向転換注意情報を出力できる。
【0022】
上記本発明の構成において、バス方向転換注意情報出力手段は、現在時刻を取得する現在時刻取得手段と、自車両がバス停に対し予め定められた距離範囲内に現在位置が接近した際に、取得した現在時刻が予め定められた出力許容時間帯に含まれる場合にのみ、バス方向転換注意情報の出力を行うように構成できる。これにより、バス方向転換注意情報の出力不要な時間帯において、該バス方向転換注意情報の出力を省略できる。
【0023】
具体的には、出力許容時間帯を、交通渋滞が見込まれる予め定められた渋滞時間帯を含むように定めることができる。バスの車線変更は、渋滞時間帯において困難となりやすいものであるから、少なくとも渋滞時にバス方向転換注意情報が出力されることで、バスはスムーズに車線変更できるようになる。
【0024】
さらに、出力許容時間帯を、注意対象バスの運行が終了した時間帯を除いて定めることができる。この構成によると、バスが運行していない時間帯でのバス方向転換注意情報の出力を省略できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の車両用案内装置を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の車両用案内装置をなす車載用ナビゲーション装置(以下、ナビゲーション装置と略称)100の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置100は、位置検出器1,地図データ入力器6,操作スイッチ群7,リモートコントロール(以下リモコンと称する)センサ11,音声案内などを行う音声合成回路24,スピーカ15,メモリ9,表示器10,送受信機13,ハードディスク装置(HDD)21,LAN(Local Area Network) I/F(インターフェース)26,これらの接続された制御回路8,リモコン端末12等を備えている。
【0026】
位置検出器1は、周知の地磁気センサ2,車両の回転角速度を検出するジャイロスコープ3,車両の走行距離を検出する距離センサ4,および衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS受信機5を有している。これらのセンサ等2,3,4,5は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては前述したうちの一部のセンサで構成してもよく、さらに、ステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ例えば車速センサ23等を用いてもよい。なお、この位置検出器1が、本発明の現在位置検出手段に相当する。
【0027】
操作スイッチ群7は、例えば表示器10と一体になったタッチパネル22もしくはメカニカルなスイッチが用いられる。タッチパネル22は、表示器10の画面上にガラス基盤と透明なフィルムにスペーサと呼ばれる隙間を介してX軸方向、Y軸方向に電気回路が配線され、フィルム上をユーザーがタッチすると、押された部分の配線がショートして電圧値が変わるため、これを2次元座標値(X,Y)として検出する、いわゆる抵抗膜方式が広く用いられる。その他に、周知のいわゆる静電容量方式を用いてもよい。メカニカルスイッチの他に、マウスやカーソル等のポインティングデバイスを用いてもよい。また、表示器10とその周辺を覆い意匠枠となるエスカッションに、操作スイッチ群7のうちのメカニカルスイッチを配置してもよい。
【0028】
また、マイク31および音声認識ユニット30を用いて種々の指示を入力することも可能である。これは、マイク31から入力された音声信号を、音声認識ユニット30において周知の隠れマルコフモデル等の音声認識技術により処理を行い、その結果に応じた操作コマンドに変換するものである。これら操作スイッチ群7,リモコン端末12,タッチパネル22,およびマイク31により、種々の指示を入力することが可能である。
【0029】
送受信機13は、例えば道路に沿って設けられた送信機(図示せず)から出力される光ビーコン、または電波ビーコンによってVICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)センタ14から道路交通情報を受信、あるいはFM多重放送を受信するための装置である。また、送受信機13を用いてインターネット等の外部ネットワークに接続可能な構成としてもよい。
【0030】
また、ETC車載器17と通信することにより、ETC車載器17が路側器(図示せず)から受信した料金情報などをナビゲーション装置100に取り込むことができる。また、ETC車載器17によって外部ネットワークと接続し、VICSセンタ14等との通信を行う構成をとってもよい。
【0031】
制御回路8は通常のコンピュータとして構成されており、周知のCPU81,ROM82,RAM83,入出力回路であるI/O84,A/D変換部86,描画部87,時計IC88,およびこれらの構成を接続するバスライン85が備えられている。CPU81は、HDD21に記憶されたナビプログラム21pおよびデータにより制御を行う。また、HDD21へのデータの読み書きの制御はCPU81によって行なわれる。また、CPU81からHDD21に対してデータの読み書きの制御ができなくなった場合のために、ROM82にナビゲーション装置100として必要最低限の動作を行うためのプログラムを記憶しておいてもよい。
【0032】
A/D変換部86は周知のA/D(アナログ/デジタル)変換回路を含み、例えば位置検出器1などから制御回路8に入力されるアナログデータをCPU81で演算可能なデジタルデータに変換するものである。
【0033】
描画部87は、HDD21等に記憶された地図データ21m(後述),表示用のデータや表示色のデータから表示器10に表示させるための表示画面データを生成する。
【0034】
時計IC88はリアルタイムクロックICとも呼ばれ、CPU81からの要求に応じて時計・カレンダーのデータを送出あるいは設定するものである。CPU81は時計IC88から日時情報を取得する。この時計IC88が、本発明の現在時刻取得手段に相当する。なお、GPS受信機5で受信したGPS信号に含まれる日時情報を用いてもよい。また、CPU81に含まれるリアルタイムカウンタを基にして日時情報を生成してもよい。日時情報は、例えば走行履歴を記憶する際に用いられる。
【0035】
画像処理部89は、公知のパターン認識などの技術によってカメラ32によって撮影された画像の解析を行う画像処理回路を含んで構成される。画像処理部89では、例えば、カメラ32により撮影された映像信号に一般的な2値化処理を施すことにより、ピクセル毎のデジタル多値画像データに変換する。そして、得られた多値画像データから、一般的な画像処理手法を用いて所望の画像部分を抽出する。本実施形態における画像処理部89は、カメラ32により連続撮影される前方視野画像から障害物を検出する障害物検出手段として機能する。また、カメラ32により撮影される前方視野画像から、自車両の前方視野に存在するバス画像を検出する前方バス検出手段としても機能する。さらに、前方視野画像のバス画像から、後述する方向判定参照情報を取得する方向判定参照情報取得手段としても機能する。
【0036】
HDD21には、ナビプログラム21pの他に位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、道路の接続を表した道路データを含む地図データ21mが記憶される。地図データ21mは、表示用となる所定の地図画像情報を記憶すると共に、リンク情報やノード情報、レーン情報(車線情報)、等を含む道路網情報、及び道路周辺施設情報を記憶する。リンク情報は、各道路を構成する所定の区間情報であって、位置座標、距離、所要時間、道幅、車線数、制限速度等から構成される。また、ノード情報(道路分岐点データ)は、交差点(分岐路)等を規定する情報であって、位置座標、右左折車線数、接続先道路リンク等から構成される。また、リンク間接続情報には、通行の可不可を示すデータなどが設定されている。レーン情報は、リンクのレーン数、各レーン幅、各レーン位置、各レーンがどのリンクに接続可能か等のデータから構成される。道路周辺施設情報は、道路周辺施設の名称や種別等を記憶するものであり、例えばバス停名、バス停位置情報(バス停位置データ)等を含むバス停情報が含まれる。
【0037】
なお、地図データ21mは本発明の道路地図データ記憶部に相当する。また、地図データ21mは、バス停関連データを記憶するバス関連データ記憶部としても機能し、さらに、車線情報を記憶する車線情報記憶部としても機能する。
【0038】
また、HDD21には経路案内の補助情報や娯楽情報、その他にユーザーが独自にデータを書き込むことができ、ユーザーデータ21uとして記憶される。また、ナビゲーション装置100の動作に必要なデータや各種情報はデータベース21dとしても記憶される。例えば、データベース21dに道路周辺施設情報を、地図データ21mに対応付けた形で記憶してもよい。
【0039】
また、データベース21dには、カメラ32による障害物検出、バス検出、及び方向判定参照情報検出を行うためのテンプレートデータを記憶するテンプレートデータ記憶部が設けられる。これにより、画像処理部89は、カメラ32が撮影した前方視野画像とテンプレートデータとを比較して、障害物、バス、方向判定参照情報を識別することが可能となっている。
【0040】
また、データベース21dには、各バス停の時刻表データ(図17)を記憶する時刻表データ記憶部も設けられている。これにより、バス停が特定された際に、そのバス停のバスの発着時刻(発着推定時刻)を取得することができる。
【0041】
ナビプログラム21p,地図データ21m,ユーザーデータ21u,およびデータベース21dは、地図データ入力器6を介して記憶媒体20からそのデータの追加・更新を行うことが可能である。記憶媒体20は、そのデータ量からCD−ROMやDVDを用いるのが一般的であるが、例えばメモリカード等の他の媒体を用いてもよい。また、外部ネットワークを介してデータをダウンロードする構成を用いてもよい。
【0042】
メモリ9はEEPROM(Electrically Erasable & Programmable Read Only Memory:電気的消去・プログラム可能・読出し専用メモリ)やフラッシュメモリ等の書き換え可能なデバイスによって構成され、ナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータが記憶されている。なお、メモリ9は、ナビゲーション装置100がオフ状態になっても記憶内容が保持されるようになっている。また、メモリ9の代わりにナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータをHDD21に記憶してもよい。さらに、ナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータをメモリ9とHDD21に分けて記憶してもよい。
【0043】
表示器10は周知のカラー液晶表示器で構成され、ドット・マトリックスLCD(Liquid Crystal Display)およびLCD表示制御を行うための図示しないドライバ回路を含んで構成されている。ドライバ回路は、例えば、画素毎にトランジスタを付けて目的の画素を確実に点灯させたり消したりすることができるアクティブマトリックス駆動方式が用いられ、制御回路8から送られる表示指令および表示画面データに基づいて表示を行う。また、表示器10として有機EL(ElectroLuminescence:電界発光)表示器,プラズマ表示器を用いてもよい。なお、表示器10が本発明の推奨駐車スペース情報案内出力手段,推奨駐車スペース撮影画像出力手段に相当する。
【0044】
スピーカ15は周知の音声合成回路24に接続され、ナビプログラム21pの指令によってメモリ9あるいはHDD21に記憶されるデジタル音声データが音声合成回路24においてアナログ音声に変換されたものが送出される。なお、音声合成の方法には、音声波形をそのままあるいは符号化して蓄積しておき必要に応じて繋ぎ合わせる録音編集方式、文字入力情報からそれに対応する音声を合成するテキスト合成方式などがある。
【0045】
車速センサ23は周知のロータリエンコーダ等の回転検出部を含み、例えば車輪取り付け部付近に設置されて車輪の回転を検出してパルス信号として制御回路8に送るものである。制御回路8では、その車輪の回転数を車両の速度に換算して、車両の現在位置から所定の場所までの予想到達時間を算出したり、車両の走行区間毎の平均車速を算出する。
【0046】
前方撮影カメラ(以下、カメラと略する)32は周知のCCDビデオカメラ等で構成され、自車両前方を監視する前方監視カメラである。撮影された画像データは制御回路8(画像処理部89)に送られる。図8はその搭載例であり、カメラ32は車両前方を撮影可能なように、例えば、車両室内の天井の前方中央部に取り付けられる。撮影範囲は、少なくとも運転者の視野範囲よりも広いことが望ましい。また、ダッシュパネル上に取り付けてもよい。なお、カメラ32が本発明の前方撮影カメラ(前方バス検出手段)に相当する。
【0047】
LAN I/F26は車内LAN27を介して他の車載機器やセンサとのデータの遣り取りを行うためのインターフェース回路である。また、LAN I/F26を介して車速センサ23からのデータ取り込み、あるいはETC車載器17との接続を行ってもよい。
【0048】
このような構成を持つナビゲーション装置100において、制御回路8のCPU81によりナビプログラム21pが起動されると、ユーザーが操作スイッチ群7,タッチパネル22、リモコン端末12の操作あるいはマイク31からの音声入力によって、表示器10上に表示されるメニューから目的地経路を表示器10に表示させるための経路案内処理を選択した場合、次のような処理を実施する。
【0049】
すなわち、まず、ユーザーは目的地を探索する。目的地の探索方法は、例えば、地図上の任意の地点を指定する方法、目的地の所在する地域から探索する方法,目的地の電話番号から探索する方法,五十音表から目的地の名称を入力して探索する方法,あるいはユーザーがよく利用する施設としてメモリ9に記憶されているものから探索する方法などがある。目的地が設定されると、位置検出器1により車両の現在位置が求められ、該現在位置を出発地として目的地までの最適な案内経路を求める処理が行われる。このような自動的に最適な案内経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。
【0050】
そして、表示器10上に地図データ21mに基づく道路地図を表示し、求めた案内経路と現在位置とをその道路地図に重ねて表示して、ユーザーに適切な経路を案内する。経路案内は、表示器10およびスピーカ15の少なくとも一方によって、操作時のガイダンスや動作状態に応じたメッセージを報知する形で行う。なお、経路案内処理が選択されていない場合には、表示器10上に地図データ21mに基づく道路地図を表示し、位置検出器1により求められる現在位置をその道路地図に重ねて表示して(現在位置マッピング手段)、必要に応じて情報報知がなされる。
【0051】
また、本実施形態におけるナビゲーションプログラムではさらに、道路上にて現在位置よりも進行方向前方に存在する道路分岐点とバス停とをそれぞれ特定し、さらに、特定したバス停のうち、道路分岐点の手前側に位置し、かつ該道路分岐点から予め定められた距離以内に位置する分岐点手前のバス停を特定する。そして、分岐路手前のバス停が特定され、さらに、自車両の現在位置が、そのバス停に対し予め定められた範囲内に接近した場合には、自車両のドライバーに対し、該自車両の前方にてバス停を発進するバスの、発進後の道路分岐点での方向転換に対し注意を促すバス方向転換注意情報を出力することができる。
【0052】
特に、図2に示すように、車線(レーン)数の多い道路の分岐点手前Pにバス停Sが設けられて、そのバス停Sを発車したバスBが、分岐点手前Pのバス停Sを発進後にその道路分岐点Pにて対向車線L0を横切って方向転換する場合を考える。バス停Sは、道路の最外車線L1脇に設けられており、ここから発車するバスは、道路中央側の右折車線L3まで、急激な車線変更を繰り返しながら移動せざるを得ない。本実施形態では、こうしたバスの車線変更が起こりうるバス等を含む注意対象バスに関する注意喚起を、車両のドライバーに対し行うことができる。
【0053】
ここで、図3を用いてバス方向転換注意喚起処理について説明する。なお、本処理はナビプログラム21pに含まれるものであり、該ナビプログラム21pの経路案内処理の実行時だけでなく、非経路案内時においてもナビプログラム21pの他の処理とともに繰り返し実行される。なお、本実施形態における道路は常に左側通行とする。これにより、右折する際に対向車線を横切る場合がある。
【0054】
まず、S1では、ナビゲーション装置100において、バス停手前でバスの方向転換を注意喚起するモードに設定されているか否かを判定する。そして、注意喚起するモードに設定されていればS2に進み、設定されていなければS8に進む。S8では、通常のナビゲーション表示処理を実行する。
【0055】
なお、上記のモード設定は、操作スイッチ群7,リモコン端末12,タッチパネル22の操作、あるいはマイク31への音声入力により、表示器10にモード設定画面を表示させる形で、モード設定を行う。設定内容はメモリ9あるいはHDD21の所定の領域に記憶されるので、S1では、これを読み出す形で設定されたモードの判定を行う。
【0056】
S2では、自車両前方の最も近くに位置する道路分岐点(以下、接近対象分岐点という)を特定し、特定された該接近対象分岐点の手前にこれから自車両が接近するバス停(以下、分岐点近接バス停という)があるか否かをを判定する。これは、HDD21から道路分岐点データ及びバス停位置データを読み出し、さらに、位置検出器1から現在位置と自車両の進行方向とを検出した上で、これらに基づいて判定する。分岐点近接バス停が無いと判定された場合にはS7に進み、次に自車両が接近すると予測される道路分岐点、その分岐点までのコース、そのコース上のバス停等のデータ探索を開始する。他方、分岐点近接バス停があると判定された場合にはS4に進む。
【0057】
S4では、バスの方向転換を注意喚起する出力処理(以下、注意喚起出力処理という)を実行する。実行後S5に進み、この注意喚起処理を継続するか否かを判定する。継続する場合はS7に進む。他方、継続しない場合はこの処理を終了する。
【0058】
なお、本実施形態においては、ナビプログラム21pが本発明の現在位置マッピング手段とともに、道路分岐点特定手段、バス停特定手段、バス方向転換注意情報出力手段として機能する。
【0059】
次に、S4にて実行される注意喚起出力処理について、図4を用いて説明する。図4の注意喚起出力処理1では、S11にてバス方向転換注意情報を音声出力し、この処理を終了する。そして終了後、図3のS5に戻る。この場合、S11におけるバス方向転換注意情報の出力は、自車両前方にバスが存在する・しないに関らず実行され、分岐点近接バス停を発車したバスがいる場合にはそのバスが方向転換する可能性がある、という内容が出力される。例えば、「前方にバスが見える場合には右折の可能性がありますので、ご注意下さい。」といった内容の音声出力である。
【0060】
なお、S4にて実行される注意喚起出力処理については、様々な実施例がある。以下、上記した図4の注意喚起出力処理1を第一実施例とし、それとは異なる注意喚起出力処理の実施例について説明を行う。
【0061】
図5は、注意喚起出力処理の第二実施例である。この第二実施例では、自車両の現在位置が分岐点近接バス停に対し予め定められた距離範囲内に接近した際に(図3のS4でYesとなった場合)、自車両が走行する車線の車線数を取得して、取得した車線数に応じたバス方向転換注意情報を出力する。
【0062】
図5の注意喚起出力処理2では、まず、S21にて、現在走行中の道路のレーン情報(車線情報)を地図データ21mから取得して、車線数(対向車線は除く)を特定し、S22にて、その車線数が2以上であるか否かを判定する。車線数が2以上である場合にはS23に進む。
【0063】
S23では、バスが方向転換する場合に車線変更の可能性がある、というバス方向転換注意情報を音声出力する。S23におけるバス方向転換注意情報の出力は、自車両前方にバスが存在する・しないに関らず実行され、例えば、「前方にバスが見える場合には、バスがレーンを変更する可能性があります。ご注意下さい。」といった内容が音声出力される。出力が終わると、この注意喚起出力処理2を終了する。他方、車線数が1の場合は、音声案内の必要が無いのでバス方向転換注意情報の出力を行わないで、この注意喚起出力処理2を終了する。終了後は、図3のS5に戻る。
【0064】
図6は、注意喚起出力処理の第三実施例である。この第三実施例では、自車両がバス停に対し予め定められた範囲内に現在位置が接近した際に(図3のS4でYesとなった場合)、現在時刻を時計IC88より取得し、その現在時刻が予め定められた出力許容時間帯に含まれる場合にのみ、バス方向転換注意情報を出力する。さらには、自車両がバス停に対し予め定められた距離範囲内に現在位置が接近した際に、自車両の走行レーンを特定して、特定された該走行レーンに応じてバス方向転換注意情報の内容を変更して出力する。なお、この処理が実行されることで、本発明の自車両走行レーン特定手段が機能する。
【0065】
図6の注意喚起出力処理3では、まず、S31及びS32にて、上記第二実施例のS21及びS22と同様の車線数判定処理を行う。S32で車線数が2以上であると判定された場合には、S33にて、時計IC88より現在時刻を取得する。S34では、取得した現在時刻が、バスが運行している運行時間帯であるか否かを判定する。運行時間帯でなければ、バスの方向転換を注意喚起する必要が無いので処理を終了する。運行時間帯であれば、今度はS35にて、交通渋滞が見込まれる予め定められた渋滞時間帯であるか否かを判定する。渋滞時間帯でなければ、バスの方向転換を注意喚起する必要性が低いので、バス方向転換注意情報の出力を行わないで、この注意喚起出力処理3を終了する。渋滞時間帯であればS36に進む。
【0066】
続いて、S36にて、位置検出手段1により自車両の現在の走行車線(走行レーン)を特定する。S37及びS39にて、最も左の車線に位置すると特定された場合には図7の注意喚起出力A(S38)を、右折車線に位置すると特定された場合には図7の注意喚起出力B(S40)を、その他の中央車線に位置すると特定された場合には図7の注意喚起出力C(S41)を音声出力し、この注意喚起出力処理3を終了する。
【0067】
これら注意喚起出力A〜Cは、自車両前方にバスが存在する・しないに関らず出力され、自車両の位置する走行レーンに応じたバスの方向転換の可能性、具体的にはレーン変更の可能性について音声出力するものである。なお、注意喚起出力Aは、レーン変更の可能性がないことを示す内容であるので、出力を省略するように構成することもできる。注意喚起出力処理3が終了すると、図3のS5に戻る。
【0068】
図10は、注意喚起出力処理の第四実施例である。この第四実施例では、図8に示すように自車両Aに搭載されたカメラ32により、図9に示すような形でその前方視野を撮影し、撮影した画像320から自車両Aの前方を走行するバスBを特定した上で、特定したバスBの方向転換に関して注意喚起出力が実行される。なお、この処理が実行されることにより、本発明の前方バス検出手段、方向判定参照情報取得手段、注意対象バス特定手段が機能する。
【0069】
なお、本実施形態におけるカメラ32は、自車両前方の障害物を検出する障害物検出手段としても機能するものであり、本実施例において自車両前方のバスを特定する前方バス特定手段にも兼用されている。
【0070】
図10の注意喚起出力処理4では、まず、S51にて、カメラ32を用いて前方バスの存在検出を行うモードに設定されているか否かを判定する。なお、このモード設定は、操作スイッチ群7,リモコン端末12,タッチパネル22の操作、あるいはマイク31への音声入力により、表示器10にモード設定画面を表示させる形で、モードを設定することができる。設定内容はメモリ9あるいはHDD21の所定の領域に記憶されるので、S51では、これを読み出す形で設定されたモードの判定を行う。前方バスの存在検出を行うモードに設定されていればS52に進み、設定されていなければS62に進む。S62では、図11に示す注意喚起出力Gを音声出力して、この注意喚起出力処理4を終了する。
【0071】
S52では、カメラ32による前方視野の撮影を実行する。そして、S53では、撮影した前方視野画像にバス画像が含まれているか否かを判定し、バス画像が含まれている場合に、自車両Aの前方にバスBが存在すると判定する。さらに、バスBが存在すると判定された場合には、そのバスBの画像に方向判定参照情報の画像が含まれているか否かを判定する。方向判定参照情報の画像が含まれているには、その画像から方向判定参照情報を認識し、取得する。
【0072】
なお、方向判定参照情報は、バスBがバス停発進後に方向転換するか否かの判定に参照すべき情報である。本実施形態においては、バス上に表示されるバス系統情報と、バス運営主体情報(バスの模様や窓枠の輪郭等)とである。バス系統情報に代わってバスの行き先情報を使用することもできる。これら方向判定参照情報は、通常、バスの前面・背面・側面の上方位置等に表示されている。
【0073】
また、上記のような画像認識処理によるバスBの検出は、カメラ32の撮影画像の各領域に表示されている輪郭と、データベース21dのテンプレートデータ記憶部に記憶されている、バスに関するテンプレートデータとを比較することで行われる。バスに関するテンプレートデータとマッチングする画像が存在した場合に、バスが検出されたと判定する。同様に、画像認識処理による方向判定参照情報の検出は、バス画像の各領域に表示されている輪郭と、テンプレートデータ記憶部に記憶されている、方向判定参照情報に関するテンプレートデータとを比較することで行われる。方向判定参照情報に関するテンプレートデータとマッチングする画像が存在した場合に、方向判定参照情報が検出されたと判定する。なお、パターンマッチングの度合いは100%である必要はなく、実験などから判定可能なマッチング度を求め、それに基づいてマッチするか否かを判定する。
【0074】
バスに関するテンプレートデータとしては、バスを後方から複数の角度で撮影したバス画像の輪郭や、ナンバープレート画像を用いる。また、方向判定参照情報を検出するためのテンプレートデータとしては、バス上に表示されるものを使用することができ、本実施形態においては、バス系統表示図形(バス系統情報)と、バスの模様や窓枠の輪郭(バス運営主体情報)とを使用する。なお、バスの行き先表示枠内の文字・記号(バスの行き先情報)を用いることも可能である。
【0075】
続いて、S54では、S53においてバスが検出されたか否かを判定する。バスが検出されなければ、この注意喚起出力処理4を終了する。バスが検出されていればS55に進み、方向判定参照情報が認識されているか否かを判定する。認識されていなければS63に進み、S63では、図11に示すようなバスの方向転換の可能性を注意喚起する注意喚起出力Hを音声出力して、この注意喚起出力処理4を終了する。他方、S55にて、方向判定参照情報が認識されていると判定された場合にはS56に進む。
【0076】
S56では、認識した方向判定参照情報に基づいて、バスの具体的な転換方向を特定する転換方向特定情報を取得する。ここでは、データベース21dに、方向判定参照情報と転換方向特定情報とを対応付けて記憶する転換方向特定情報記憶部を予め設けておき、S56では、この転換方向特定情報記憶部から、認識した方向判定参照情報に対応する転換方向特定情報を取得する。取得した転換方向特定情報から、分岐点での直進・道なり、対向車線をまたぐ右折、それら以外の左折等の具体的な分岐点進行方向(交差点進行方向)が特定される。
【0077】
続いて、S57及び59では、S56で取得した転換方向特定情報からバスが、右折する特定される場合には図11の注意喚起出力D(S58)を、左折すると特定される場合には図11の注意喚起出力E(S60)を、バスが直進するあるいは道なりに進むと特定される場合には図11の注意喚起出力F(S61)を音声出力し、この注意喚起出力処理4を終了する。なお、注意喚起出力Aは、レーン変更の可能性がないことを示す内容であるので、出力を省略するように構成することもできる。注意喚起出力処理4の終了後は、図3のS5に戻る。
【0078】
方向判定参照情報と対応付けられた転換方向特定情報とは、該方向判定参照情報が表示されているバスの、分岐点近接バス停に対応する道路分岐点での進入路及び退出路として選択するリンク情報(進入用及び退出用の2つのリンク)とすることができる。具体的な転換方向は、方向判定参照情報に対応するバスの進行方向(即ち自車両の進行方向)に基づいて、進入用リンクと退出用リンクとを特定することで、容易に取得できる。
【0079】
この場合の転換方向の取得について、図2を用いて具体的に説明する。まずは、位置検出器1から現在位置及び進行方向を取得して、自車両が現在接近中の接近対象分岐点P(手前に分岐点近接バス停Sが位置するもの)を特定する。そして、その接近対象分岐点Pにおいて、S53で認識した方向判定参照情報に対応するバスが進行する進入路及び退出路となるリンク情報を取得する。続いて、位置検出手段1により自車両の進行方向を検出するとともに、検出した進行方向を該バスの進行方向とし、そのバスの進行方向とリンク情報とに基づいて、進入用リンク(図2の場合、リンク#1)と退出用リンク(図2の場合、リンク#4)とを特定し、特定された進入用リンクと脱出用リンクとの関係に基づいて、直進・道なり、対向車線をまたぐ右折、それら以外の左折等の転換方向(分岐点進行方向)を取得する。
【0080】
なお、この注意喚起出力処理4に、図6の注意喚起出力処理3(第三実施例)のような車線数判定(S31〜S32)、出力許容時間帯判定処理(S33〜S35)、レーン判定処理(S36、S37,S39)を加えることもできる。
【0081】
図12は、注意喚起出力処理の第五実施例である。この第五実施例では、自車両の現在位置が分岐点近接バス停に対し予め定められた距離範囲内に接近した際に(図3のS4でYesとなった場合)、まず、分岐点近接バス停を特定し、その分岐点近接バス停に停留するバスのうち、対向車線を横切って右折するバスを注意対象バスとして、その注意対象バスの方向判定参照情報を取得する。そして、その注意対象バスに対してバス方向転換注意情報を出力する。その出力は、例えば、「系統Aと系統Bのバスは右折します(又は右折のためレーン変更します)。ご注意ください。」といったように、注意対象バスに表示される方向判定参照情報が分かるような内容でなされる。つまり、どのような方向判定参照情報を表示しているバスに対して注意を払うべきなのかを、ドライバーが認識できるように、バス方向転換注意情報が出力されるのである。
【0082】
図12の注意喚起出力処理4では、まず、S71にて、図3のS2において特定された分岐点近接バス停に停留するバスの方向判定参照情報を、図13に示すテーブルを用いて取得する。このテーブルには、分岐点近接バス停と、該分岐点近接バス停に停留するバスの方向判定参照情報(本実施形態ではバス系統情報及びバス運営主体情報)とが対応付けられ、さらに、該方向判定参照情報と、該方向判定参照情報を表示するバスの、分岐点近接バス停に対応する道路分岐点での進入路及び退出路として選択するリンク情報とが対応付けられた形で、データベース21dに予め記憶されている。
【0083】
次いでS72では、取得した方向判定参照情報を表示するバスの、該分岐点近接バス停に対応する道路分岐点での具体的な転換方向を取得する。これは、まず、図13に示すテーブルから、方向判定参照情報に対応するリンク情報を取得し、さらに、位置検出手段1により自車両の進行方向を検出する。そして、検出された自車両の進行方向をバスの進行方向とする。そのバスの進行方向と、図13のテーブルから取得したリンク情報とに基づいて、バスが進行する進入用リンク(図2の場合、リンク#1)と退出用リンク(図2の場合、リンク#4)とを特定し、特定された進入用リンクと脱出用リンクとの関係に基づいて、直進・道なり、対向車線をまたぐ右折、それら以外の左折等の転換方向(分岐点進行方向)を取得する。
【0084】
続いてS73では、取得した転換方向が対向車線を横切る右折であるバスを注意対象バスと特定する。そして、S74にて、その注意対象バスに対しバス方向転換注意情報を出力する。その出力は、上記のように、どのような方向判定参照情報を表示しているバスに対して注意を払うべきなのかを、ドライバーが認識できるような内容でなされる。例えば、図13のテーブルをデータベース21dに記憶し、かつ、図2のような分岐点近接バス停S(バス停01)及び道路分岐点P(交差点020)に自車両が接近する状況であれば、「基幹2のバスは右折のためレーン変更します。ご注意下さい。」といった内容で、自車両前方にバスが存在する・しないに関らず出力される。出力後には、この注意喚起出力処理5を終了する。終了後は、図3のS5に戻る。
【0085】
なお、この注意喚起出力処理5は、図10の注意喚起出力処理4(第四実施例)のように、カメラ32の撮影画像からバスを特定した場合にのみ、バス方向転換注意情報を出力するものとしてもよい。なお、この場合はバス画像から方向判定参照情報を取得する必要は無い。また、現在時刻を時計IC88より取得するとともに、自車両が接近している分岐点近接バス停付近にバスが存在しているか否かをデータベース21の時刻表データと、取得した現在時刻とに基づいて推定し、存在すると推定される場合にのみ、バス方向転換注意情報を出力するものとしてもよい。
【0086】
図14は、注意喚起出力処理の第六実施例である。この第六実施例では、自車両の現在位置が分岐点近接バス停に対し予め定められた距離範囲内に接近した際に(図3のS4でYesとなった場合)、ドライバーが方向判定参照情報を入力し、入力された方向判定参照情報を表示するバスが注意対象バスであるか否かを、即ちレーン変更や右折する注意対象バスであるか否かを判定し、その判定結果に基づくバス方向転換注意情報をドライバーに対し出力する。なお、この処理が実行されることで、本発明の支援情報入力誘導手段、注意対象バス特定手段が機能する。
【0087】
図14の注意喚起出力処理6では、まず、S81にてカメラ32より自車両の前方視野を撮影し、S82にて撮影された前方視野画像からバスの存在を特定する。そして、S83では、バスが存在するか否かを判定し、存在する場合にはS84に進み、存在しない場合にはこの注意喚起出力処理6を終了する。これらの処理は、図10のS52〜S54(第四実施例)と同様である(なお、方向判定参照情報は不要)。
【0088】
S84では、図15Aに示すような入力受付画面10aを表示器10に表示し、ドライバーに対し、自車両前方に見えるバスの方向判定参照情報の入力を促す。そして、S85では入力の有無を判定し、入力があればS86に進み、入力がなければS94に進む。S94では、予め定められた時間が経過するまではS85に戻るようになっているが、その時間が経過すると、入力受付画面10aを元の表示画面に戻して、この注意喚起出力処理6を終了する。
【0089】
S86では、自車両が接近する分岐点近接バス停に対応する接近対象分岐点を特定し、S87では、特定された接近対象分岐点を、S84で入力された方向判定参照情報に対応するバスが通過するか否かを判定し、その結果に基づいて、入力が正しいか否かを判定する(通過する場合、入力が正しいと判定する)。入力が誤りと判定された場合はS95に進み、方向判定参照情報の再入力の受付を開始してS85に戻る。入力が正しいと判定された場合はS88に進む。
【0090】
S88では、入力された方向判定参照情報に対応するバスの、該接近対象分岐点での具体的な転換方向を取得する。これは、まず、図13に示すテーブルから、方向判定参照情報に対応するリンク情報を取得し、さらに、位置検出手段1により自車両の進行方向を検出する。そして、検出された自車両の進行方向をバスの進行方向とする。そのバスの進行方向と、図13のテーブルから取得したリンク情報とに基づいて、バスが進行する進入用リンク(図2の場合、リンク#1)と退出用リンク(図2の場合、リンク#4)とを特定し、特定された進入用リンクと脱出用リンクとの関係に基づいて、直進・道なり、対向車線をまたぐ右折、それら以外の左折等の転換方向(分岐点進行方向)を取得する。
【0091】
続いて、S89及び91では、S88で取得した転換方向からバスが、右折する特定される場合には図11の注意喚起出力D(S90)を、左折すると特定される場合には図11の注意喚起出力E(S92)を、バスが直進するあるいは道なりに進むと特定される場合には図11の注意喚起出力F(S93)を音声出力し、この注意喚起出力処理6を終了する。これらは、終了後は、図3のS5に戻る。
【0092】
なお、注意喚起出力D〜Fは、図15Bに示すような形で、方向判定参照情報の入力用の入力受付画面を表示した表示器10に、注意喚起出力画面10bとして表示してもよい。
【0093】
図16は、注意喚起出力処理の第七実施例である。この第七実施例では、自車両の現在位置が分岐点近接バス停に対し予め定められた距離範囲内に接近した際に(図3のS4でYesとなった場合)、当該分岐点近接バス停の時刻表データと、現在時刻とを取得し、該分岐点近接バス停付近にバスが存在するか否かを推定して、バスの存在が推定される場合にバス方向転換注意情報を出力する。
【0094】
図16の注意喚起出力処理6では、まず、S101にて、自車両が接近している分岐点近接バス停の時刻表データをデータベース21(時刻表データ記憶部)から取得し、S102にて、現在時刻を時計IC88から取得する。S103にて、取得した現在時刻が、時刻表データから明らかとなるバスの発車時刻に近いか否か、具体的には、現在時刻がバスの発車時刻を含む予め定められた時間範囲内にあるか否かを判定する。該次官範囲内にある場合にはS104に進むとともに、自車両周辺にバスが存在すると推定されるので、分岐点近接バス停を発車したバスがいる場合にはそのバスが方向転換する可能性がある、という内容のバス方向転換注意情報を出力する。例えば、「前方にバスが見える場合には右折の可能性がありますので、ご注意下さい。」といった内容の音声出力を出力する。
【0095】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【0096】
例えば、バス方向転換注意情報の出力は、音声出力に限られず、画面表示出力、あるいは音声出力及び画面表示出力の双方で行ってもよい。
【0097】
また、ナビゲーション装置100が周知の無線送受信機である通信ユニット25を備え、車外に設けられた通信手段から、バス停が通信可能に構成され、それぞれのバス停に関する情報を走行中の車両との間で通信可能に構成されている場合には、バス停と通信する通信手段として機能する。例えば、カメラ等によりバスの存在が検出された場合や、バスの存在が又は推定された場合に、方向判定参照情報をバス停から無線通信取得するように構成することができる。他にも、カメラ等によりバスの存在が検出された場合や、バスの存在が又は推定された場合、自車両の現在位置が分岐点近接バス停に対し予め定められた距離範囲内に接近した場合に、バス停の時刻表データ、方向判定参照情報、転換方向特定情報、注意対象バス等の必要とされる情報を、接近するバス停との通信により取得するように構成することもできる。
【0098】
さらに言えば、自車両の現在位置が分岐点近接バス停に対し予め定められた距離範囲内に接近した際に、その分岐点近接バス停に応じたバス方向転換注意情報を特定する注意喚起出力情報特定情報を受信して、該注意喚起出力情報特定情報に基づいて、ナビゲーション装置100のHDD21に予め記憶されたバス方向転換注意情報の中から出力すべきものを特定し、特定されたバス方向転換注意情報を出力するようにも構成できる。
【0099】
また、これらの場合に無線通信対象はバス停ではなく、運行中のバスに係るバス情報(例えばバス位置情報)を統括管理するバスセンタを無線通信対象として、上記のような必要とされる情報を無線通信取得する構成も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図。
【図2】公差点(道路分岐点)で右折しようとする路線バスの挙動を示す図。
【図3】バス方向転換注意喚起処理を示すフローチャート。
【図4】注意喚起出力処理の第一実施例の処理を示すフローチャート。
【図5】注意喚起出力処理の第二実施例の処理を示すフローチャート。
【図6】注意喚起出力処理の第三実施例の処理を示すフローチャート。
【図7】第三実施例における注意喚起出力の内容を説明する図。
【図8】カメラの車両への搭載例を説明する図。
【図9】カメラが撮影する前方視野の一例を示す図。
【図10】注意喚起出力処理の第四実施例の処理を示すフローチャート。
【図11】第四及び第六実施例における注意喚起出力の内容を説明する図。
【図12】注意喚起出力処理の第五実施例の処理を示すフローチャート。
【図13】第五実施例においてデータベース内に記憶されたテーブルの内容を示す図。
【図14】注意喚起出力処理の第六実施例の処理を示すフローチャート。
【図15A】入力受付画面の表示内容を示す図。
【図15B】注意喚起出力画面の表示内容を示す図。
【図16】注意喚起出力処理の第七実施例の処理を示すフローチャート。
【図17】時刻表データ記憶部の記憶内容を示す図。
【符号の説明】
【0101】
10 表示器
100 ナビゲーション装置
8 制御回路
88 時計IC
21 HDD
32 カメラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路分岐点データとバス停位置データとを含む道路地図データを記憶する道路地図データ記憶部と、
自車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記道路地図データと検出された前記現在位置とに基づいて、前記自車両が進行中の道路を特定し、該道路上に前記現在位置をマッピングする現在位置マッピング手段と、
前記道路上にて前記現在位置よりも進行方向前方に存在する道路分岐点を特定する道路分岐点特定手段と、
前記道路沿いにて、特定された前記道路分岐点の手前にバス停が存在するか否かを特定するバス停特定手段と、
前記バス停に対し予め定められた距離範囲内に前記現在位置が接近した際に、前記自車両のドライバーに対し、該自車両の前方にてバス停を発進後に前記道路分岐点にて方向転換するバスである注意対象バスへの注意を促すためのバス方向転換注意情報を出力するバス方向転換注意情報出力手段と、
を備えることを特徴とする車両用案内装置。
【請求項2】
前記バス方向転換注意情報は、前記注意対象バスとして前記バス停を発進後に前記道路分岐点手前にてレーン変更するバスへの注意を促すものである請求項1記載の車両用案内装置。
【請求項3】
前記バス方向転換注意情報は、前記注意対象バスとして前記バス停を発進後に前記道路分岐点にて対向車線を横切って方向転換するバスへの注意を促すものである請求項1又は請求項2記載の車両用案内装置。
【請求項4】
前記バス方向転換注意情報は、前記注意対象バスとして前記バス停を発進後に前記道路分岐点をなす交差点にて右折するバスへの注意を促すものである請求項3記載の車両用案内装置。
【請求項5】
前記バス停に対し予め定められた距離範囲内に前記現在位置が接近した際に、自車両前方において前記バスの存在を検出又は推定する前方バス検出手段を備え、
前記バス方向転換注意情報出力手段は、前記バスの存在が検出状態又は推定状態にあることを前提として、前記バス方向転換注意情報を出力するものである請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用案内装置。
【請求項6】
前記前方バス検出手段は、前記バス停に対し予め定められた距離範囲内に前記現在位置が接近した際に、前記自車両の前方視野を撮影する前方撮影カメラを備え、該前方撮影カメラが撮影した前方視野画像に含まれるバス画像に基づいて前記バスを検出するものである請求項5記載の車両用案内装置。
【請求項7】
前記バスが前記バス停発進後に方向転換するか否かの判定に参照すべき情報である方向判定参照情報を取得する方向判定参照情報取得手段と、
取得された前記方向判定参照情報に基づいて、該バスが前記注意対象バスであるか否かを特定する注意対象バス特定手段と、を備え、
前記バス方向転換注意情報出力手段は、前記注意対象バスであると特定された場合に前記バス方向転換注意情報を出力するものである請求項6に記載の車両用案内装置。
【請求項8】
請求項6記載の要件を備え、
前記方向判定参照情報取得手段は、前記バス画像から、前記方向判定参照情報を取得するものである請求項7記載の車両用案内装置。
【請求項9】
前記方向判定参照情報は、前記バス上に表示されるバス系統情報、バス運営主体情報及びバスの行き先情報の少なくともいずれかを含むものである請求項8記載の車両用案内装置。
【請求項10】
前記方向判定参照情報をなす前記バス系統情報、バス運営主体情報及びバスの行き先情報の少なくともいずれかと、前記バスの具体的な転換方向を特定する転換方向特定情報とを対応付けて記憶する転換方向特定情報記憶部を備え、
前記バス方向転換注意情報出力手段は、前記方向判定参照情報に対応する転換方向特定情報を前記転換方向特定情報記憶部から取得し、当該転換方向特定情報が反映されたバス方向転換注意情報を出力するものである請求項9記載の車両用案内装置。
【請求項11】
前記バス画像に基づいて前記バスが検出された際に、当該バスが注意対象バスであるか否かを特定するための支援情報を、予め定められた入力部から入力するように前記ドライバーを誘導する支援情報入力誘導手段と、
該ドライバーによる前記入力部からの入力情報に基づいて、前記バスが前記注意対象バスであるか否かを特定する注意対象バス特定手段とを備え、
前記バス方向転換注意情報出力手段は、前記注意対象バスであると特定された場合に前記バス方向転換注意情報を出力するものである請求項6記載の車両用案内装置。
【請求項12】
前記ドライバーが入力する前記支援情報の内容が、バス系統情報、バス運営主体情報及びバスの行き先情報の少なくともいずれかを含む方向判定参照情報の内容特定が可能となるように定められている請求項11記載の車両用案内装置。
【請求項13】
各バス停の時刻表データを記憶する時刻表データ記憶部を備え、
前記前方バス検出手段は、現在時刻を取得する現在時刻取得手段と、前記バス停に対し予め定められた距離範囲内に前記現在位置が接近した際に、前記時刻表データに基づいて該バス停における前記注意対象バスの発車時刻を取得する発車時刻取得手段と、を備え、前記現在時刻が、前記発車時刻を含む予め定められた時間範囲内にある場合に、前記注意対象バスが存在すると推定するものである請求項5記載の車両用案内装置。
【請求項14】
前記バス方向転換注意情報出力手段は、前記自車両が前記バス停に対し予め定められた距離範囲内に前記現在位置が接近した際に、前記自車両の走行レーンを特定する自車両走行レーン特定手段を備え、特定された該走行レーンに応じて前記バス方向転換注意情報の内容を変更して出力する請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の車両用案内装置。
【請求項15】
前記バス方向転換注意情報出力手段は、現在時刻を取得する現在時刻取得手段と、前記自車両が前記バス停に対し予め定められた距離範囲内に前記現在位置が接近した際に、取得した前記現在時刻が予め定められた出力許容時間帯に含まれる場合にのみ、前記バス方向転換注意情報の出力を行う請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の車両用案内装置。
【請求項16】
前記出力許容時間帯は、交通渋滞が見込まれる予め定められた渋滞時間帯を含むように定められる請求項15記載の車両用案内装置。
【請求項17】
前記出力許容時間帯は、前記注意対象バスの運行が終了した時間帯を除いて定められる請求項15又は請求項16記載の車両用案内装置。
【請求項1】
道路分岐点データとバス停位置データとを含む道路地図データを記憶する道路地図データ記憶部と、
自車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記道路地図データと検出された前記現在位置とに基づいて、前記自車両が進行中の道路を特定し、該道路上に前記現在位置をマッピングする現在位置マッピング手段と、
前記道路上にて前記現在位置よりも進行方向前方に存在する道路分岐点を特定する道路分岐点特定手段と、
前記道路沿いにて、特定された前記道路分岐点の手前にバス停が存在するか否かを特定するバス停特定手段と、
前記バス停に対し予め定められた距離範囲内に前記現在位置が接近した際に、前記自車両のドライバーに対し、該自車両の前方にてバス停を発進後に前記道路分岐点にて方向転換するバスである注意対象バスへの注意を促すためのバス方向転換注意情報を出力するバス方向転換注意情報出力手段と、
を備えることを特徴とする車両用案内装置。
【請求項2】
前記バス方向転換注意情報は、前記注意対象バスとして前記バス停を発進後に前記道路分岐点手前にてレーン変更するバスへの注意を促すものである請求項1記載の車両用案内装置。
【請求項3】
前記バス方向転換注意情報は、前記注意対象バスとして前記バス停を発進後に前記道路分岐点にて対向車線を横切って方向転換するバスへの注意を促すものである請求項1又は請求項2記載の車両用案内装置。
【請求項4】
前記バス方向転換注意情報は、前記注意対象バスとして前記バス停を発進後に前記道路分岐点をなす交差点にて右折するバスへの注意を促すものである請求項3記載の車両用案内装置。
【請求項5】
前記バス停に対し予め定められた距離範囲内に前記現在位置が接近した際に、自車両前方において前記バスの存在を検出又は推定する前方バス検出手段を備え、
前記バス方向転換注意情報出力手段は、前記バスの存在が検出状態又は推定状態にあることを前提として、前記バス方向転換注意情報を出力するものである請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用案内装置。
【請求項6】
前記前方バス検出手段は、前記バス停に対し予め定められた距離範囲内に前記現在位置が接近した際に、前記自車両の前方視野を撮影する前方撮影カメラを備え、該前方撮影カメラが撮影した前方視野画像に含まれるバス画像に基づいて前記バスを検出するものである請求項5記載の車両用案内装置。
【請求項7】
前記バスが前記バス停発進後に方向転換するか否かの判定に参照すべき情報である方向判定参照情報を取得する方向判定参照情報取得手段と、
取得された前記方向判定参照情報に基づいて、該バスが前記注意対象バスであるか否かを特定する注意対象バス特定手段と、を備え、
前記バス方向転換注意情報出力手段は、前記注意対象バスであると特定された場合に前記バス方向転換注意情報を出力するものである請求項6に記載の車両用案内装置。
【請求項8】
請求項6記載の要件を備え、
前記方向判定参照情報取得手段は、前記バス画像から、前記方向判定参照情報を取得するものである請求項7記載の車両用案内装置。
【請求項9】
前記方向判定参照情報は、前記バス上に表示されるバス系統情報、バス運営主体情報及びバスの行き先情報の少なくともいずれかを含むものである請求項8記載の車両用案内装置。
【請求項10】
前記方向判定参照情報をなす前記バス系統情報、バス運営主体情報及びバスの行き先情報の少なくともいずれかと、前記バスの具体的な転換方向を特定する転換方向特定情報とを対応付けて記憶する転換方向特定情報記憶部を備え、
前記バス方向転換注意情報出力手段は、前記方向判定参照情報に対応する転換方向特定情報を前記転換方向特定情報記憶部から取得し、当該転換方向特定情報が反映されたバス方向転換注意情報を出力するものである請求項9記載の車両用案内装置。
【請求項11】
前記バス画像に基づいて前記バスが検出された際に、当該バスが注意対象バスであるか否かを特定するための支援情報を、予め定められた入力部から入力するように前記ドライバーを誘導する支援情報入力誘導手段と、
該ドライバーによる前記入力部からの入力情報に基づいて、前記バスが前記注意対象バスであるか否かを特定する注意対象バス特定手段とを備え、
前記バス方向転換注意情報出力手段は、前記注意対象バスであると特定された場合に前記バス方向転換注意情報を出力するものである請求項6記載の車両用案内装置。
【請求項12】
前記ドライバーが入力する前記支援情報の内容が、バス系統情報、バス運営主体情報及びバスの行き先情報の少なくともいずれかを含む方向判定参照情報の内容特定が可能となるように定められている請求項11記載の車両用案内装置。
【請求項13】
各バス停の時刻表データを記憶する時刻表データ記憶部を備え、
前記前方バス検出手段は、現在時刻を取得する現在時刻取得手段と、前記バス停に対し予め定められた距離範囲内に前記現在位置が接近した際に、前記時刻表データに基づいて該バス停における前記注意対象バスの発車時刻を取得する発車時刻取得手段と、を備え、前記現在時刻が、前記発車時刻を含む予め定められた時間範囲内にある場合に、前記注意対象バスが存在すると推定するものである請求項5記載の車両用案内装置。
【請求項14】
前記バス方向転換注意情報出力手段は、前記自車両が前記バス停に対し予め定められた距離範囲内に前記現在位置が接近した際に、前記自車両の走行レーンを特定する自車両走行レーン特定手段を備え、特定された該走行レーンに応じて前記バス方向転換注意情報の内容を変更して出力する請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の車両用案内装置。
【請求項15】
前記バス方向転換注意情報出力手段は、現在時刻を取得する現在時刻取得手段と、前記自車両が前記バス停に対し予め定められた距離範囲内に前記現在位置が接近した際に、取得した前記現在時刻が予め定められた出力許容時間帯に含まれる場合にのみ、前記バス方向転換注意情報の出力を行う請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の車両用案内装置。
【請求項16】
前記出力許容時間帯は、交通渋滞が見込まれる予め定められた渋滞時間帯を含むように定められる請求項15記載の車両用案内装置。
【請求項17】
前記出力許容時間帯は、前記注意対象バスの運行が終了した時間帯を除いて定められる請求項15又は請求項16記載の車両用案内装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−123454(P2008−123454A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−309549(P2006−309549)
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]