説明

車載情報提供装置

【課題】地上デジタル放送の12セグメント放送と1セグメント放送との切り替えにより地上デジタル放送の視聴が目障りなる箇所において、高品質の映像が視聴可能な状況であっても低品質の映像を視聴させる車載情報提供装置を提供する。
【解決手段】車両51が、交差点55までの距離が所定距離になる地点59に到達すると、視聴する放送を1セグメント放送に固定する。そして、車両51が交差点55を通過すると、アンテナが受信する放送波の電界強度によって、受信する放送を切り替える。次に車両51が、交差点56までの距離が所定距離になる地点510に到達すると、視聴する放送を1セグメント放送に固定する。そして、車両51が交差点56を通過すると、アンテナが受信する放送波の電界強度によって、受信する放送を切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送を受信する機能を有する車載情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高い品質の映像を伝送できる高階層伝送を受信しているときに降雨などの影響で受信電波の減衰が大きくなり、誤り率が所定の閾値を越えると、低階層の低品質な映像を伝送する低階層伝送の受信に自動的に切り替え、放送受信の持続を図るデジタル放送受信装置が知られている。また、高階層と低階層がめまぐるしく切り替わることによって視聴者が受信映像を不快に感じてしまうのを防止するため、誤り率が閾値を下回っている状態から上昇傾向にあるときは、高階層伝送の受信が可能な状況であっても所定時間固定的に低階層伝送を受信するデジタル放送受信装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−143503号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の発明のデジタル放送受信装置では、受信状況の傾向によって高階層伝送の受信と低階層伝送の受信とがめまぐるしく切り替わるか否かを判断しているので、確実にめまぐるしく切り替わる範囲が判断できないという問題点がある。そのため、切り替えが目障りにならないような受信環境であっても低品質の映像を視聴し続けることになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、車載情報提供装置に適用され、デジタル放送を受信する受信手段と、受信したデジタル放送から、電界強度が高くないと受信不能な高品質デジタル放送と、電界強度が低くても受信可能な低品質デジタル放送とを抽出する抽出手段と、抽出された高品質デジタル放送と低品質デジタル放送のいずれかを出力する切替手段と、車両が方向変換をすることを検出する検出手段と、検出手段が車両が方向変換することを検出すると、切替手段からの出力を低品質デジタル放送に固定するように切替手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の車載情報提供装置において、検出手段は、車両が方向変換する交差点に接近することを検出することにより、車両が方向変換をすることを検出することを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項2に記載の車載情報提供装置において、制御手段は、車両が交差点に接近した時点から交差点を通過するまで、切替手段からの出力を低品質デジタル放送に固定するように切替手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項1に記載の車載情報提供装置において、目的地までの推奨経路を経路探索する経路探索手段と、車両の現在地を検出する現在地検出手段と、推奨経路に基づいて、車両が方向変換する交差点を抽出する交差点抽出手段とをさらに備え、検出手段は、現在地検出手段で検出された車両の現在地が、抽出手段で抽出された交差点の手前の所定距離の地点に接近したことを検出することにより、車両が方向変換をすることを検出し、制御手段は、抽出手段で抽出された交差点の手前の所定距離の地点に車両が接近した時点から車両が交差点を通過するまでの間、切替手段からの出力を低品質デジタル放送に固定するように切替手段を制御することを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項1に記載の車載情報提供装置において、車両に設けられたウインカの点灯を検出するウインカ点灯検出手段をさらに備え、検出手段は、ウインカ点灯検出手段が車両に設けられたウインカの点灯を検出することにより、車両が方向変換をすることを検出し、制御手段は、検出手段が車両が方向変換をすることを検出すると、切替手段からの出力を低品質デジタル放送に固定するように切替手段を制御することを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項4に記載の車載情報提供装置において、車両に設けられたウインカの点灯を検出するウインカ点灯検出手段をさらに備え、検出手段は、現在地検出手段で検出された車両の現在地が抽出手段で抽出された交差点の手前の所定距離の地点に接近したことを検出し、ウインカ点灯検出手段が車両に設けられたウインカの点灯を検出することにより、車両が方向変換をすることを検出し、制御手段は、検出手段が車両が方向変換をすることを検出すると、切替手段からの出力を低品質デジタル放送に固定するように切替手段を制御することを特徴とするものである。
請求項7の発明は、請求項1に記載の車載情報提供装置において、車両の現在地を検出する現在地検出手段と、車両の進行方向にある交差点を抽出する交差点抽出手段と、交差点におけるデジタル放送の放送波の電界強度を記憶する電界強度記憶手段とをさらに備え、検出手段は、現在地検出手段で検出された車両の現在地が、交差点抽出手段で抽出された交差点の手前の所定距離の地点に接近したことを検出することにより、車両が方向変換をすることを検出し、制御手段は、電界強度記憶手段によって記憶されている交差点における電界強度が所定値以下の場合は、当該交差点の手前の所定距離の地点に車両が接近した時点から、車両が交差点を通過するまでの間、切替手段からの出力を低品質デジタル放送に固定するように切替手段を制御することを特徴とするものである。
請求項8の発明は、請求項1から7のいずれかに記載の車載情報提供装置において、地上デジタル放送の放送波の電界強度を検出する電界強度検出手段をさらに備え、切替手段は、切替手段からの出力を低品質デジタル放送に固定されていないとき、電界強度が第1の所定値以上のときは高品質デジタル放送に切り替え、電界強度が第1の所定値より小さい第2の所定値以下のときは低品質デジタル放送に切り替えることを特徴とするものである。
請求項9の発明は、請求項1から7のいずれかに記載の車載情報提供装置において、高品質デジタル放送は地上デジタル放送の12セグメント放送であり、低品質デジタル放送は地上デジタル放送の1セグメント放送であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、車両が交差点などで右左折するような走行状況を予測したときは、受信感度の良い低品質デジタル放送に切換えて固定するようにしたので、高品質デジタル放送と低品質デジタル放送との切り替えによりデジタル放送の視聴が目障りなることを事前に予防することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
−第1の実施の形態−
本発明による車載情報提供装置の第1の実施形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。図1のナビゲーション装置1は、地図表示などの通常のナビゲーション機能のほかに、地上デジタル放送を受信し、視聴することができる。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18、地上デジタル放送受信部19およびディスクドライブ110を有している。ディスクドライブ110には、地図データが記録されたDVD−ROM111が装填される。
【0008】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。この制御回路11がDVD−ROM111に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行うと、その処理結果が推奨経路として表示モニタ16に表示される。
【0009】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置であり、たとえば、車両の進行方向を検出する振動ジャイロ14a、車速を検出する車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ14cなどからなる。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定するとともに、地図上にその現在地を表示する。
【0010】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはディスクドライブ110によって読み込まれるDVD−ROM111に記憶された地図データに基づいて、適宜生成される。ナビゲーション装置1は、このようにして生成された画像データを用いることによって地図表示など行うことができる。
【0011】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の道路地図などの各種情報を画面表示としてナビゲーション装置1の乗員に提供する。また、表示モニタ16は、地上デジタル放送受信部19で受信した地上デジタル放送の映像情報を出力する。スピーカ17は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の地図などの各種情報を音声により乗員に提供する。また、スピーカ17は、地上デジタル放送受信部19で受信した地上デジタル放送の音声情報を出力する。
【0012】
入力装置18は、車両の目的地などを乗員が設定するための入力スイッチを有し、これは操作パネルやリモコンなどによって実現される。乗員は、表示モニタ16の表示画面の指示または、スピーカ17からの音声の指示に従って入力装置18を操作することにより、目的地を選択して目的地を設定する。また、入力装置18によって、地上デジタル放送受信部19によって受信される放送局を選択することができる。
【0013】
目的地が乗員により設定されると、ナビゲーション装置1は、現在地検出手段14により検出された現在地を出発地として目的地までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。以下、この経路演算を経路探索と呼ぶ。このようにして求められたルート(以下、推奨経路という)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、乗員は地図上の推奨経路を画面上で認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、推奨経路に従って車両が走行できるように、乗員に対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を誘導する。
【0014】
経路探索された推奨経路の情報は推奨経路データ21として、RAM13に記憶される。推奨経路データ21について、図2を参照して説明する。 図2(a)は、探索された経路の一部を示す図であり、推奨経路R1は、リンクL1〜L6と、ノードN1〜N6とにより構成されており、各ノードで車両は90度方向変換する。このような推奨経路R1のデータ構造の一例を図2(b)に示す。
【0015】
推奨経路データ21は、推奨ルート番号、ノード数、リンク数、ノード番号、各ノードの位置座標、各ノードに接続される進入リンク番号、各ノードに接続される退出リンク番号、進入リンクと退出リンクとの接続角度の各情報を有している。ノード番号N1については、ノードN1の位置座標X1,Y1と、ノードN1に接続される進入リンクのリンク番号L1と、ノードN1に接続される退出リンクのリンク番号L2、進入リンクL1と退出リンクL2との接続角度−90度とが記録されている。ここで、負の値は左折を示している。
【0016】
地上デジタル放送受信部19は、地上デジタル放送を受信し、その受信した放送の内容を表示モニタ16やスピーカ18に出力する。地上デジタル放送受信部19の詳細については後述する。ディスクドライブ110は、装填されたDVD−ROM111から、表示モニタ16に地図を表示するための地図データを読み出す。地図データは、放送エリア情報、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、乗員の要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。なお、DVD−ROM111以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより地図データを読み出してもよい。
【0017】
図3を参照して、地上デジタル放送受信部19について説明する。地上デジタル放送受信部19は、アンテナ31,32、アンテナ切替部33、チューナ34、復調部35、12セグメント放送デコード部36、1セグメント放送デコード部37、デコード部RAM38,39、切替部315、NTSC(National Television System Committee)エンコード部310、音声信号DA変換部311および通信部312を有している。ここで、破線313の部分をフロントエンド部313と、破線314の部分をバックエンド部314と呼ぶ。
【0018】
アンテナ31,32は、地上デジタル放送を受信する。アンテナ切替部33は、アンテナ31が受信する電波の電界強度とアンテナ32が受信する電波の電界強度とを比較して、電界強度の強いアンテナ31,31に切り替える。チューナ34は、アンテナ31,32が受信する放送のチャンネルを設定する機能、アンテナ31,32で受信した信号の電界強度を検出する機能、そして、アナログ信号からデジタル信号に変換する機能を有する。復調部35は、チューナ34でデジタル信号に変換された信号をデジタル復調する機能を有する。
【0019】
12セグメント放送デコード部36は、地上デジタル波の信号に含まれている13セグメントの信号のうちの据え置きテレビジョン向けの12セグメントの信号に対して解凍処理を施し、これよりMPEG圧縮されているデジタル映像信号とデジタル音声信号を解凍して抽出する。以下、12セグメントの信号による放送を12セグメント放送と呼ぶ。また、地上デジタル波の信号に含まれている13セグメントの信号のうちの携帯端末向けの1セグメントの信号を1セグメント放送デコード部37に送信する。以下、1セグメントの信号による放送を1セグメント放送と呼ぶ。1セグメント放送デコード部37は、携帯端末向けの1セグメントの信号に対して解凍処理を施して、これにより圧縮されているデジタル映像信号とデジタル音声信号を解凍して抽出する。
【0020】
12セグメント放送デコード部36は、受信した地上デジタル放送の信号から12セグメント放送の信号を分離し、1セグメント放送デコード部37は、受信した地上デジタル放送の信号から1セグメント放送の信号を分離する。
【0021】
12セグメント放送では、最大約21Mビット/秒のデジタルデータを伝送することができ、最大1920×1080画素のハイビジョン放送などの高品質の映像を送信することができる。また、音声やデータ放送の情報などを映像とともに送信することができる。12セグメント放送を視聴するためには放送波の電界強度が強いことが必要である。一方、1セグメント放送では、200k〜300kビット/秒のデータしか伝送することができず、低品質の映像しか送信することができない。しかし、ノイズに強く、12セグメント放送を受信することができないような電波の受信状況が悪い場合であっても1セグメント放送は受信することができる。本明細書中、12セグメント放送を高品質デジタル放送と呼び、1セグメント放送を低品質デジタル放送と呼ぶ。
【0022】
デコード部RAM38,39は、12セグメント放送デコード部36と1セグメント放送デコード部37とにおける圧縮解凍処理のワークエリアとしての機能を有する。12セグメント放送デコード部36と1セグメント放送デコード部37の出力は切替部315に入力される。切替部315は、チューナ34からの電界強度の大きさを示す信号と、通信部312を介した制御回路11からの指令信号を入力し、これらの信号に基づき、12セグメント放送デコード部36からの出力と1セグメント放送デコード部37からの出力を適宜切り替える。切替部315で切り替えられた12セグメント放送デコード部36と1セグメント放送デコード部37のいずれかの出力は、NTSCエンコード部310および音声信号DA変換回路311に入力される。
【0023】
NTSCエンコード部310は、12セグメント放送デコード部36または1セグメント放送デコード部37で抽出されたデジタル映像信号をNTSC方式のアナログ出力映像信号に変換し、モニタ16に出力する。音声信号DA変換回路311は、12セグメント放送デコード部36または1セグメント放送デコード部37で抽出されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、スピーカ17に出力する。映像出力については、NTSCを例としたが、PAL((Phase Alternation by Line system)方式やパソコンなどに使用されているRGB、DVI(Digital Video Interface)家電で使用されているHDMI(High Definition Multimedia Interface)などでもよい。
【0024】
通信部312は、制御回路11からの指令信号を入力し、切替部315に出力する。制御回路11から12セグメント放送の視聴の指令信号が出力されると、切替部315は、12セグメント放送デコード部36からの出力に切り替え、12セグメント放送のデジタル映像信号とデジタル音声信号とをNTSCエンコード部310および音声信号DA変換回路311に出力する。また、切替部315は、制御回路11から1セグメント放送の視聴の指令信号を受信すると、1セグメント放送デコード部37からの出力に切り替え、1セグメント放送のデジタル映像信号とデジタル音声信号とをNTSCエンコード部310と音声信号DA変換回路311とに出力する。また、切替部315は、制御回路11から電界強度に基づく切替処理指令を受信すると、チューナ34からの電界強度に応じて、12セグメント放送デコード部36からの出力と1セグメント放送デコード部37からの出力を適宜切り替える処理を行う。この処理については、後述する。
【0025】
本発明の第1の実施形態であるナビゲーション装置1における放送切替処理について、図4〜図5を参照して説明する。
【0026】
切替部315は、制御回路11から電界強度に基づく切替処理指令を受信しているものとして説明する。図4(a)は、車両が推奨経路を走行するときにアンテナ31,32が受信する地上デジタル放送波の電界強度の変化を示した図である。ここで、車両は推奨経路上を走行しており、交差点を右折または左折するものとする。矢印で示す交差点の範囲は、交差点を通過している区間を示すものとする。図4(a)の電界強度軸上の、「1セグ→12セグ切替」とは、視聴する地上デジタル放送を1セグメント放送から12セグメント放送に切り替える基準となる電界強度41である。
【0027】
アンテナ31,32が受信する電界強度が電界強度41に達すると、切替部315は、視聴する地上デジタル放送を1セグメント放送から12セグメント放送に切り替える。「12セグ→1セグ切替」とは、視聴する地上デジタル放送を12セグメント放送から1セグメント放送に切り替える基準となる電界強度42である。アンテナ31,32が受信する電界強度が電界強度42に達すると、切替部315は、視聴する地上デジタル放送を12セグメント放送から1セグメントに切り替える。
【0028】
図4(b)は、車両が推奨経路上を走行して電界強度が図4(a)に示すように変化するとき地上デジタル放送受信部19によって視聴される放送を示したものである。1Gと表示されている区間では、1セグメント放送を視聴し、12Gと表示されている区間では12セグメント放送を視聴する。
【0029】
一般に車両が交差点を通過し、進行方向が変わると(方向変換されると)、アンテナ31,32の向きと地上デジタル放送を送信する電波塔の位置との関係が変化し、受信する地上デジタル放送の電界強度が変化する。また、受信するアンテナ31,32のアンテナ切替部33による切り替えによっても受信する地上デジタル放送の電界強度は変化する。したがって、交差点を通過するときは、図4(b)に示すように、車両が交差点を通過すると1セグメント放送と12セグメント放送との間の切り替えが頻繁に起こり、車両の乗員は受信映像を不快に感じてしまう。
【0030】
そこで、本発明の第1の実施形態では、制御回路11から切替部315への指令信号を適宜変更する。これにより、図4(c)に示すように、交差点に進入する際、事前に視聴する放送を1セグメント放送に切り替え、交差点を通過するまで1セグメント放送に固定する。そして、交差点を通過後は、アンテナ31,32が受信する電波の電界強度によって視聴する放送を切り替える。
【0031】
車両の推奨経路上の移動と放送の切り替えについて、図5を参照して説明する。図5は、車両51と推奨経路52を示した道路地図50を表示した図である。道路地図50には、道路53a,53b,54a〜54cが表示されている。車両51は、交差点55で左折し、交差点56で右折する推奨経路52を走行するものとする。車両51が、交差点55までの距離が所定距離になる地点59に到達すると、視聴する放送を1セグメント放送に固定する。そして、車両51が交差点55を通過すると、アンテナ31,32が受信する放送波の電界強度によって、受信する放送を切り替える。
【0032】
車両51が、交差点56までの距離が所定距離になる地点510に到達すると、視聴する放送を1セグメント放送に固定する。そして、車両51が交差点56を通過すると、アンテナ31,32が受信する放送波の電界強度によって、受信する放送を切り替える。
【0033】
本発明による車載情報提供装置の第1の実施形態によるナビゲーション装置1の放送切替処理を、図7のフローチャートを使用して説明する。図7の処理は、図6の表示モニタ16に表示された地上デジタル放送受信設定のメニュー60のうち、12セグメント放送と1セグメント放送とを切り替えるモード61を選択するとスタートするプログラムにより制御回路11において実行される。なお、推奨経路の経路探索を終え、推奨経路が決定されているものとする。
【0034】
ステップS701では、推奨経路データ21に基づいて、各ノードの進入リンクと退出リンクの接続角度が所定値以上のノードを抽出する。ステップS702では、抽出したノード(誘導交差点)にフラグを設定する。
【0035】
ステップS703では、現在地検出装置14により車両51の現在地を検出する。ステップS704では、車両51の現在地とフラグが設定された交差点との間の距離が所定値以内であるか否かが判定される。所定値以内の場合はステップS704が肯定判定され、ステップS705へ進む。所定値以内でない場合はステップS704が否定判定され、ステップS708へ進む。ステップS705では、1セグメント放送が受信されるように、通信部312を介して切替部315に1セグメント放送視聴指令信号を出力する。切替部315は、1セグメント放送デコード部37からの出力に切り替える。
【0036】
ステップS706では、車両の現在地を検出する。ステップS707では、車両51が交差点を通過したか判定される。交差点を通過した場合はステップS707が肯定判定され、ステップS708へ進む。交差点を通過していない場合はステップS707が否定判定され、ステップS706へ戻る。ステップS708では、アンテナ31,32が受信した地上デジタル放送の電界強度に基づいて放送の切替制御が行われるように、切替部315に放送切替処理指令信号を出力する。切替部315は、電界強度に基づく放送の切替処理に設定され、電界強度に基づき適宜切替が行われる。その後、ステップS703に戻り処理を繰り返す。
【0037】
図8は、切替部315が電界強度に基づく放送切替処理に設定された場合の切替処理のフローチャートを示す図である。切替部315は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路から構成されている。以下、図8のフローチャートを参照して説明する。ステップS801では、切替部315は、12セグメント放送を受信設定しているか判定する。12セグメント放送を受信設定している場合はステップS801が肯定判定され、ステップS802へ進む。1セグメント放送を受信設定している場合はステップS801が否定判定され、ステップS805へ進む。
【0038】
ステップS802では、チューナ34で検出している電界強度を読み込む。ステップS803では、検出した電界強度が12セグメント放送から1セグメント放送へ受信設定を切り替える基準となる電界強度42(図4参照)以下か判定される。検出された電界強度が電界強度42以下の場合はステップS803が肯定判定され、ステップS804へ進む。検出した電界強度が電界強度42を越える場合はステップS803が否定判定され、ステップS802へ戻る。ステップS804では、1セグメント放送に受信設定を切り替える。そして、ステップS801に戻り処理を繰り返す。
【0039】
ステップS805では、チューナ34で検出している電界強度を読み込む。ステップS806では、検出した電界強度が電界強度41(図4参照)以上か判定される。検出した電界強度が電界強度41以上の場合はステップS806が肯定判定され、ステップS807へ進む。検出した電界強度が電界強度41に満たない場合はステップS806が否定判定され、ステップS805へ戻る。ステップS807では、12セグメント放送に受信設定を切り替える。そして、ステップS801に戻り処理を繰り返す。
【0040】
なお、図8の処理は、ナビゲーション装置1の制御回路11に行わせてもよい。この場合は、電界強度のレベルを示す信号を、通信部312を介して制御回路11に送信する。制御回路11は、図8と同様な処理を行い、通信部312を介して切替部315へ切替指令信号を送信することにより、12セグメント放送と1セグメント放送の切替を行う。
【0041】
以上の本発明の第1の実施の形態によるナビゲーション装置は次のような作用効果を奏する。
(1)経路探索した推奨経路に基づいて、右左折など、進行方向が変わる交差点に車両が接近したとき、当該交差点を通過するまでは1セグメント放送に切り替えて固定した。したがって、切り替えによりデジタル放送の視聴が目障りなることが予防される。
【0042】
(2)当該交差点通過後は、地上デジタル放送の放送波の電界強度によって12セグメント放送または1セグメント放送に切換えるようにした。したがって、12セグメント放送が視聴できない受信状況でも、1セグメント放送により番組の視聴が中断されることはなく、電波状態が良好な箇所では、高品質な12セグメント放送により視聴することができ、上記(1)の効果とあいまって、乗員の車載テレビに対する不満は解消される。
【0043】
−第2の実施の形態−
本発明による車載情報提供装置の第2の実施形態によるナビゲーション装置9の構成を図9に示す。第1の実施形態のナビゲーション装置1と共通する部分は同じ符号を付し、相違点を主に説明する。第2の実施形態によるナビゲーション装置9は、ウインカ検出部91で、ウインカ検出部91は、左折用または右折用のウインカ(方向指示器)の点灯を検出する装置であり、制御回路11は、ウインカ検出部91からの信号によりウインカの点灯を検出する。
【0044】
図10を参照して、本発明の第2の実施形態であるナビゲーション装置9による放送の切り替えを説明する。図10は、車両101がウインカ102a〜102dを点灯させながら交差点103を左折する様子を説明するための図である。車両101が交差点103に近づくまでは、地上デジタル放送の放送波の電界強度に基づいて、視聴する放送を12セグメント放送と1セグメント放送との間で切り替える。そして、乗員は交差点103に進入する手前の位置Aにおいて左折表示のウインカ102b,102cを点灯する。なお、右折の場合は、乗員は交差点103に進入する手前の位置Aにおいてウインカ102a,102dを点灯する。
【0045】
ウインカ102b,102cを点灯すると、視聴する放送が1セグメント放送に切り替わる。そして、車両101が交差点103を進行中、交差点ウインカ102b,102cの点灯している間(位置B,C)は、地上デジタル放送の電界強度が電界強度41以上と大きくなっても、視聴する放送を1セグメント放送に固定する。そして、交差点93を通過して位置Dに達し、ウインカ102b,102cの点灯を停止すると、再び、地上デジタル放送の放送波の電界強度に基づいて、視聴する放送を12セグメント放送と1セグメント放送との間で切り替える。
【0046】
図11を参照して、本発明による車載情報提供装置の第2の実施形態によるナビゲーション装置9の放送切替処理を説明する。図11の処理は、ウインカを点灯するとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。本発明の第1の実施形態におけるナビゲーション装置1の放送切替処理と同じステップは同じ符号を付し、相違点を主に説明する。最初は、電界強度に基づく切替処理指令が切替部315に設定されているものとする。
【0047】
ステップS1101では、ウインカ検出部91からの信号によりウインカ102a〜102dの点灯を判定する。ウインカ102a〜102dの点灯を検出した場合はステップS705へ進む。ウインカ102a〜102dの点灯を検出しない場合はステップS708へ進む。ステップS1102では、ウインカ検出部91からの信号によりウインカ102a〜102dの点灯を判定する。ウインカ102a〜102dの点灯を検出した場合はステップS1102が肯定判定され、ステップS1102を繰り返す。ウインカ102a〜102dの点灯を検出しない場合はステップS1102が否定判定され、ステップS708へ進む。
【0048】
以上の本発明の第2の実施の形態によるナビゲーション装置9は次のような作用効果を奏する。
(1)ウインカ102a〜102dが点灯されている間、1セグメント放送に切り替えて固定したので、切り替えによりデジタル放送の視聴が目障りなることが予防される。
【0049】
以上の実施の形態のナビゲーション装置1,9を次のように変形することができる。
(1)推奨経路51上で大きく方向転換する交差点を検出したり、ウインカ102a〜102dの点灯の検出により、12セグメント放送と1セグメント放送との切り替えにより地上デジタル放送の視聴が目障りなる交差点を予め検出していたが、振動ジャイロ14aによって検出してもよい。すなわち、車両が交差点に進入しようとすると車両の進行方向が変わり、これを振動ジャイロ14aで検出することによって車両が交差点に進入することを検出することができる。
【0050】
(2)車線変更に伴うウインカの点灯によって視聴する放送が1セグメントに切り替わるのを防止する必要がある。そのため、車両51の進行方向が所定の角度以上変わる交差点55,56の手前の所定距離まで車両が走行し、かつ、ウインカ102a〜102dを点灯すると視聴する放送を1セグメントに切り替え、ウインカ102a〜102dを点灯中は1セグメント放送に固定する。また、進行方向が所定の角度以上変わる交差点55,56を通過するまで1セグメント放送に固定するようにしてもよい。図16は、その処理を説明する図である。図11のフローチャートに対して、ステップS1103において、所定の条件を満たす交差点から所定距離以内かという処理が追加されている。
【0051】
−第3の実施の形態−
本発明による車載情報提供装置の第3の実施形態によるナビゲーション装置120の構成を図12に示す。第1の実施形態のナビゲーション装置1と共通する部分は同じ符号を付し、相違点を主に説明する。第3の実施形態によるナビゲーション装置120は、データ記憶部121を備える。データ記憶部121はメモリやハードディスク等の書き換え可能な記録媒体によって構成され、ナビゲーション装置120の様々な機能に必要なデータを記憶する。データ記憶部121に記憶された情報は、制御回路11によって適宜読み出されて利用される。また、データ記憶部121には、道路地図上の各交差点の地上デジタル放送の放送波の電界強度を格納した交差点電界強度データが記憶されている。
【0052】
交差点電界強度データについて、図13を参照して説明する。交差点電界強度データ130には、道路地図上の交差点131とその交差点の電界強度132とが格納されている。各交差点131の電界強度132は、予め測定された値が格納される。そして、その電界強度132は、車両がその交差点を通るたびに地上デジタル放送受信部19で検出した電界強度の測定値によって更新される。地上デジタル放送受信部19のチューナ34で検出した電界強度の測定値は、ナビゲーション装置120の制御回路11に送信される。
【0053】
車両の移動と放送の切り替えについて、図14を参照して説明する。図14は、車両141と、車両が通行しようとしている経路142と、道路地図140とを表示した図である。道路地図140には、道路143a,143b,144a〜144cが表示されている。車両141は、交差点145、交差点146および交差点147を通過する経路142を走行しようとしているものとする。車両141が、交差点145までの距離が所定距離になる地点149に到達すると、交差点電界強度データ130より交差点145の電界強度のデータを抽出する。このとき、その電界強度の値が所定値より小さい場合は、視聴する放送を1セグメント放送に固定する。また、所定値より大きい場合は、アンテナ31,32が受信する放送波の電界強度によって、受信する放送を切り替える。そして、車両141が交差点145を通過すると、アンテナ31,32が受信する放送波の電界強度によって、受信する放送を切り替える。
【0054】
ここで所定値とは、車両が交差点を曲がったときに1セグメント放送と12セグメント放送とが切り替わる可能性のある電界強度である。そして、交差点の電界強度が所定値を越える場合は、車両が交差点を曲がってアンテナ31,32が受信する放送波の電界強度が変動しても、図4の電界強度42に達することはなく、12セグメント放送が1セグメント放送に切り替わることはない。一方、交差点の電界強度が所定値以下の場合は、車両が交差点を曲がってアンテナ31,32が受信する放送波の電界強度が変動すると、図4の電界強度42以下になり、12セグメント放送を安定して視聴することができない可能性がある。
【0055】
車両141が、交差点146までの距離が所定距離になる地点1410に到達すると、交差点電界強度データ130より交差点146の電界強度のデータを抽出する。このとき、その電界強度の値が所定値より小さい場合は、視聴する放送を1セグメント放送に固定する。また、所定値より大きい場合は、アンテナ31,32が受信する放送波の電界強度によって、受信する放送を切り替える。そして、車両141が交差点146を通過すると、アンテナ31,32が受信する放送波の電界強度によって、受信する放送を切り替える。
【0056】
さらに、車両141が、交差点147までの距離が所定距離になる地点1411に到達すると、交差点電界強度データ130より交差点147の電界強度のデータを抽出する。このとき、その電界強度の値が所定値より小さい場合は、視聴する放送を1セグメント放送に固定する。また、所定値より大きい場合は、アンテナ31,32が受信する放送波の電界強度によって、受信する放送を切り替える。そして、車両141が交差点147を通過すると、アンテナ31,32が受信する放送波の電界強度によって受信する放送を切り替える。
【0057】
図15を参照して、本発明による車載情報提供装置の第3の実施形態によるナビゲーション装置120の放送切替処理を説明する。図15の処理は、不図示の12セグメント放送と1セグメント放送とを切り替えるモードを選択するとスタートするプログラムにより制御回路11において実行される。本発明の第1の実施形態におけるナビゲーション装置1の放送切替処理と同じステップは同じ符号を付し、相違点を主に説明する。
【0058】
ステップS1501では、現在地検出装置14によって車両の現在地を検出し、DVD−ROM111に記憶されている地図データより車両の進行方向にある交差点を抽出し、車両の進行方向にある交差点までの距離が所定値以内かを判定する。所定値以内の場合はステップS1501が肯定判定され、ステップS1502へ進む。所定値以内ではない場合はステップS1501が否定判定され、ステップS708へ進む。ステップS1502では、データ記憶部121に記憶されている交差点電界強度データ130を参照して、車両の進行方向にある交差点の電界強度132を抽出する。
【0059】
ステップS1503では、その交差点の電界強度132が所定値以下かを判定する。所定値以下の場合はステップS1503が肯定判定され、ステップS705へ進む。所定値以下ではない場合はステップS708へ進む。ステップS1504では、現在地検出装置14によって車両の現在地を検出し、車両が交差点を通過したか判定する。交差点を通過した場合はステップS1504が肯定判定され、ステップS708へ進む。通過していない場合はステップS1504を繰り返す。
【0060】
以上の本発明の第3の実施の形態によるナビゲーション装置120は次のような作用効果を奏する。
(1)交差点電界強度データ130によって、車両の進行方向にある交差点の電界強度を予め知ることができ、その電界強度からその交差点を曲がったときに視聴する放送が1セグメント放送と12セグメント放送との間で切り替わってしまう可能性を検出できる。したがって、そのような場合は1セグメント放送に固定したので、切り替えによりデジタル放送の視聴が目障りなることが予防される。
【0061】
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【0062】
以下、請求項の構成要素と上記実施の形態の構成要素との対応付けについて説明する。本発明の受信手段はフロントエンド部313に対応し、抽出手段は12セグメント放送デコード部36、1セグメント放送デコード部37、デコード部RAM38、39に対応し、切替手段は切替部315に対応し、検出手段は制御回路11に対応し、制御手段は制御回路11に対応し、経路探索手段は制御回路11に対応し、現在地検出手段は現在地検出装置14に対応し、交差点抽出手段は制御回路11に対応し、ウインカ点灯検出手段は制御回路11、ウインカ検出部91に対応し、電界強度記憶手段はデータ記憶部121に対応し、電界強度検出手段はチューナ34に対応する。なお、この対応付けの説明はあくまで一例であり、本発明はこの対応付けに限定して解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明による車載情報提供装置の第1の実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2(a)は、探索された経路の一部を示す図であり、図2(b)は推奨経路データを説明するための図である。
【図3】地上デジタル放送受信部の構成を示すブロック図である。
【図4】図4(a)は車両が推奨経路を走行するときにアンテナが受信する地上デジタル放送の放送波の電界強度の変化を示した図である。図4(b)は電界強度により視聴する放送を切り替える場合の車両が推奨経路を走行するときに視聴する放送を示した図である。図4(c)は交差点に進入する手前で1セグメント放送に固定する場合の車両が推奨経路を走行するときに視聴する放送を示した図である。
【図5】車両の推奨経路上の移動と放送の切り替えについて説明するための図である。
【図6】デジタル放送受信設定のメニュー画面を説明するための図である。
【図7】本発明による車載情報提供装置の第1の実施形態によるナビゲーション装置の放送切替処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明による車載情報提供装置の第1の実施形態によるナビゲーション装置の電界強度に基づく放送の切替処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明による車載情報提供装置の第2の実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図10】車両がウインカを点灯させながら交差点を左折する様子を説明するための図である。
【図11】本発明による車載情報提供装置の第2の実施形態によるナビゲーション装置の放送切替処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明による車載情報提供装置の第3の実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図13】交差点電界強度データを説明するための図である。
【図14】車両の移動と放送の切り替えについて説明するための図である。
【図15】本発明による車載情報提供装置の第3の実施形態によるナビゲーション装置の放送切替処理を説明するためのフローチャートである。
【図16】第2の実施形態によるナビゲーション装置の放送切替処理の変形例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
1,8,120 ナビゲーション装置
11 制御回路
14 現在地検出装置
16 表示モニタ
17 スピーカ
18 入力装置
19 地上デジタル放送受信部
31,32 アンテナ
33 アンテナ切替部
34 チューナ
35 復調部
36 12セグメント放送デコード部
37 1セグメント放送デコード部
38,39 デコード部RAM
51,91,141 車両
52 推奨経路
91 ウインカ検出部
121 データ記憶部
142 経路
310 NTSCエンコード部
311 音声信号DA変換部
312 通信部
313 フロントエンド部
314 バックエンド部
315 切替部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載情報提供装置であって、
デジタル放送を受信する受信手段と、
受信したデジタル放送から、電界強度が高くないと受信不能な高品質デジタル放送と、電界強度が低くても受信可能な低品質デジタル放送とを抽出する抽出手段と、
抽出された前記高品質デジタル放送と前記低品質デジタル放送のいずれかを出力する切替手段と、
車両が方向変換をすることを検出する検出手段と、
前記検出手段が車両が方向変換することを検出すると、前記切替手段からの出力を前記低品質デジタル放送に固定するように前記切替手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする車載情報提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載情報提供装置において、
前記検出手段は、車両が方向変換する交差点に接近することを検出することにより、車両が方向変換をすることを検出することを特徴とする車載情報提供装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車載情報提供装置において、
前記制御手段は、車両が前記交差点に接近した時点から前記交差点を通過するまで、前記切替手段からの出力を前記低品質デジタル放送に固定するように前記切替手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする車載情報提供装置。
【請求項4】
請求項1に記載の車載情報提供装置において、
目的地までの推奨経路を経路探索する経路探索手段と、
車両の現在地を検出する現在地検出手段と、
前記推奨経路に基づいて、前記車両が方向変換する交差点を抽出する交差点抽出手段とをさらに備え、
前記検出手段は、前記現在地検出手段で検出された車両の現在地が、前記抽出手段で抽出された交差点の手前の所定距離の地点に接近したことを検出することにより、車両が方向変換をすることを検出し、
前記制御手段は、前記抽出手段で抽出された交差点の手前の所定距離の地点に車両が接近した時点から前記車両が前記交差点を通過するまでの間、前記切替手段からの出力を前記低品質デジタル放送に固定するように前記切替手段を制御することを特徴とする車載情報提供装置。
【請求項5】
請求項1に記載の車載情報提供装置において、
車両に設けられたウインカの点灯を検出するウインカ点灯検出手段をさらに備え、
前記検出手段は、前記ウインカ点灯検出手段が車両に設けられたウインカの点灯を検出することにより、車両が方向変換をすることを検出し、
前記制御手段は、前記検出手段が車両が方向変換をすることを検出すると、前記切替手段からの出力を前記低品質デジタル放送に固定するように前記切替手段を制御することを特徴とする車載情報提供装置。
【請求項6】
請求項4に記載の車載情報提供装置において、
車両に設けられたウインカの点灯を検出するウインカ点灯検出手段をさらに備え、
前記検出手段は、前記現在地検出手段で検出された車両の現在地が前記抽出手段で抽出された交差点の手前の所定距離の地点に接近したことを検出し、前記ウインカ点灯検出手段が車両に設けられたウインカの点灯を検出することにより、車両が方向変換をすることを検出し、
前記制御手段は、前記検出手段が車両が方向変換をすることを検出すると、前記切替手段からの出力を前記低品質デジタル放送に固定するように前記切替手段を制御することを特徴とする車載情報提供装置。
【請求項7】
請求項1に記載の車載情報提供装置において、
車両の現在地を検出する現在地検出手段と、
前記車両の進行方向にある交差点を抽出する交差点抽出手段と、
前記交差点におけるデジタル放送の放送波の電界強度を記憶する電界強度記憶手段とをさらに備え、
前記検出手段は、前記現在地検出手段で検出された車両の現在地が、前記交差点抽出手段で抽出された交差点の手前の所定距離の地点に接近したことを検出することにより、車両が方向変換をすることを検出し、
前記制御手段は、前記電界強度記憶手段によって記憶されている前記交差点における前記電界強度が所定値以下の場合は、当該交差点の手前の所定距離の地点に前記車両が接近した時点から、前記車両が前記交差点を通過するまでの間、前記切替手段からの出力を前記低品質デジタル放送に固定するように前記切替手段を制御することを特徴とする車載情報提供装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の車載情報提供装置において、
地上デジタル放送の放送波の電界強度を検出する電界強度検出手段をさらに備え、
前記切替手段は、前記切替手段からの出力を前記低品質デジタル放送に固定されていないとき、前記電界強度が第1の所定値以上のときは前記高品質デジタル放送に切り替え、前記電界強度が前記第1の所定値より小さい第2の所定値以下のときは前記低品質デジタル放送に切り替えることを特徴とする車載情報提供装置。
【請求項9】
請求項1から7のいずれかに記載の車載情報提供装置において、
前記高品質デジタル放送は地上デジタル放送の12セグメント放送であり、前記低品質デジタル放送は地上デジタル放送の1セグメント放送であることを特徴とする車載情報提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−28593(P2007−28593A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−162018(P2006−162018)
【出願日】平成18年6月12日(2006.6.12)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】