説明

車載用ナビゲーション装置及び携帯電話機

【課題】通信機能に反映させることのできない不要なデータの消去操作の煩雑さの解消に寄与することができる「車載用ナビゲーション装置及び携帯電話機」を提供する。
【解決手段】車載用ナビゲーション装置は、メモリ手段と、ユーザが指示又は設定する情報を入力する情報入力手段と、外部と通信可能に接続された通信手段と、前記メモリ手段、情報入力手段及び通信手段に動作可能に接続された制御手段とを有する。前記制御手段は、前記通信手段を介して名前と電話番号とが対応付けられた情報を含む電話帳データを取得したときに、該電話帳データを前記メモリ手段に格納すると共に、前記情報入力手段を介して入力されたユーザ指示に基づいて該電話帳データのなかから電話番号が付与されていないすべてのデータを該メモリ手段から一括消去させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関し、特に、携帯電話機と連動して外部との通信を行うように適応された車載用ナビゲーション装置及び携帯電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の典型的な車載用ナビゲーション装置は、ナビゲーションに係る一切の処理を制御するCPU等の制御装置、地図データを予め記憶させたDVD(Digital Versatile Disk)−ROMやICメモリカード等の記憶装置、表示装置、GPS(Global Positioning System)受信機、ジャイロや車速センサ等の車両の現在位置及び現在方位を検出する検出装置等を有している。そして、制御装置により、車両の現在位置を含む地図データを記憶装置から読み出し、該地図データに基づいて車両位置の周囲の地図画像を表示装置の画面に表示すると共に、自車の現在位置を指示する車両位置マークを地図画像に重ね合わせて表示し、車両の移動に応じて地図画像をスクロール表示したり、地図画像を画面に固定し車両位置マークを移動させたりして、車両が現在どこを走行しているのかを一目で判るようにしている。
【0003】
車載用ナビゲーション装置には、携帯電話機等の通信機器と接続可能なものがあり、携帯電話機のメモリに記憶された電話番号等の情報をナビゲーション装置のメモリに転送し、ナビゲーション装置の表示装置に転送した電話番号を表示させたり、所望の目的地として電話番号を設定し、その電話番号に対応する地点までの経路探索を行えるものもある。これに関連する技術として、例えば、特許文献1には、複数の個人情報を管理できるナビゲーション装置が開示されている。
【0004】
また、車載用ナビゲーション装置には、Telematics機器と連動させて通信機能を実現しているものもある。例えば、ナビゲーション装置に接続された通信アダプタ等に装着された携帯電話機のメモリに記憶された電話番号及びそれに関連した氏名や名称等の情報(以下、便宜上「電話帳データ」という。)をナビゲーション装置のメモリに転送して、運転中でも携帯電話機を手に持たずに外部に向けて電話を発信する機能(ハンズフリー通信機能)が実現されている。また、ナビゲーション装置を介して外部からの電話を着信することもでき、着信時に発信者の電話番号や氏名、名称等の情報をナビゲーション装置の表示装置に表示する機能も実現されている。
【特許文献1】特開2001−356023号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように携帯電話機から車載用ナビゲーション装置に電話帳データを転送したときに、電話帳データに含まれる氏名等に電話番号が付与されて登録されていれば、車載用ナビゲーション装置ではその電話番号を基に外部との通話を行うことが可能である。
【0006】
しかし、電話番号が付与されていない氏名等の情報の場合、ナビゲーション装置側では発信先の電話番号がわからないので電話をかけることができない。つまり、車載用ナビゲーション装置のメモリには、携帯電話機から取り込んだデータの中に通信機能に反映させることのできない情報が含まれていることになり、その分、記憶領域を無駄に使用していることになる。このような電話番号が付与されていない不要なデータは、車載メモリの容量及びその効率的利用を考えると、消去するのが望ましい。
【0007】
従来の技術では、かかる不要なデータについては、メモリに格納されたすべてのデータが表示される一覧表示から一件ずつ選択して消去していた。しかし、不要なデータが大量に存在する場合には、データ消去のための手間がかかり非常に煩雑となってしまう。特に、グループ機能を搭載した携帯電話機ではグループ登録をした名称のすべてに電話番号が付与されるとは限らず、携帯電話機からナビゲーション装置に電話帳データを転送したときに、電話番号が付与されていない不要なデータが増大することが予想される。
【0008】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑みなされたものであり、通信機器(携帯電話機)と車載用ナビゲーション装置との連動機能をユーザが利用する際に、通信機能に反映させることのできない不要なデータを一括消去し、その消去操作の煩雑さの解消に寄与することができる車載用ナビゲーション装置及び携帯電話機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した従来技術の課題を解決するため、本発明の基本形態によれば、メモリ手段と、ユーザが指示又は設定する情報を入力する情報入力手段と、外部と通信可能に接続された通信手段と、前記メモリ手段、情報入力手段及び通信手段に動作可能に接続された制御手段とを有し、前記制御手段は、前記通信手段を介して名前と電話番号とが対応付けられた情報を含む電話帳データを取得したときに、該電話帳データを前記メモリ手段に格納すると共に、前記情報入力手段を介して入力されたユーザ指示に基づいて該電話帳データのなかから電話番号が付与されていないすべてのデータを該メモリ手段から一括消去させることを特徴とする車載用ナビゲーション装置が提供される。
【0010】
この形態に係る車載用ナビゲーション装置によれば、携帯電話機から電話番号の付与されていない電話帳データが車載用ナビゲーション装置のメモリに転送された場合、そのような不要なデータを一括して消去することを可能にしている。これにより、従来技術に見られたような、一件ずつ不要なデータを消去するといった煩雑さを解消することができる。
【0011】
また、上記の形態に係る車載用ナビゲーション装置において、更に、一時メモリ手段を有し、前記制御手段は、前記通信手段を介して前記電話帳データを取得したときに、該電話帳データを前記一時メモリ手段に格納し、前記情報入力手段を介して入力されたユーザ指示に基づいて該電話帳データのなかから電話番号が付与されているデータのみを選択して前記メモリ手段に格納するようにしてもよい。
【0012】
この形態においては、電話番号が付与されていない不要なデータも含めてすべてナビゲーション装置のメモリに格納するのではなく、一時メモリに取り込み、必要なデータのみをメモリに格納するようにしている。これにより、メモリの無駄な使用を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0014】
(車載用ナビゲーション装置の構成)
図1は本発明の一実施形態に係る車載用ナビゲーション装置及びこれに通信可能に接続された携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【0015】
ナビゲーション装置10は、マイクロコンピュータにより構成される制御部11と、地図データベースを収録したDVD−ROM12と、DVD−ROM12から読み出した地図データを一時的に記憶するバッファメモリ13と、バッファメモリ13に読み出された地図データに基づいて地図画像等を描画する地図描画部14と、地図画像等を表示する表示部15と、GPS信号を受信するGPS受信機16と、車両の回転角度を検出するジャイロや車両の走行距離を検出する走行距離センサにより構成される自立航法センサ17と、誘導経路記憶部18と、外部機器との通信を制御する通信制御部19と、電話帳データを格納するRAM等により構成されるメモリ部20及び一時メモリ部21と、ナビゲーション装置を操作するための操作ボタン等が設けられた操作部22とにより構成されている。なお、メモリ部20と一時メモリ部21は1つのメモリで構成し、その記憶領域を2つに分けて使用するようにしてもよい。また、DVD−ROM12は、HDD(ハードディスクドライブ)、半導体メモリ等の記憶媒体でもよい。
【0016】
制御部11は、GPS受信機16及び自立航法センサ17の出力により車両の現在位置を検出し、DVD−ROM12から車両の現在位置の周辺の地図データをバッファメモリ13に読み出したり、目的地が設定されると、車両の現在位置を出発地とし、出発地から目的地までの誘導経路を探索して、探索した誘導経路を誘導経路記憶部18に記憶したりする。
【0017】
なお、目的地の設定方法としては、例えば、緯度・経度を直接入力する方法、地図データベースに収録されている施設名やユーザにより登録された案内ポイントから指定する方法など、種々の方法がある。また、誘導経路の探索には、横型探索法やダイクストラ法などの公知の方法が使用される。
【0018】
また、制御部11は、通信制御部19を介して電話帳データ等を外部から取得し、メモリ部20に格納したり、格納した電話帳データに含まれている電話番号を基に電話を発信したりする。
【0019】
一方、携帯電話機50は、マイクロコンピュータにより構成される制御部51と、液晶表示装置などにより構成される表示部52と、ナビゲーション装置10との通信を制御する通信制御部53と、携帯電話機を操作するための各種スイッチ等から構成される操作部54と、電話帳データが格納される電話帳記憶部55と、アンテナを介して外部との通話の発着信を行う通信部56とから構成される。
【0020】
制御部51は、携帯電話機を制御する主体であって、操作部54からの情報に基づき、表示部52に対して各種情報の表示の制御を行うものである。また、操作部54からの指示によって、電話帳記憶部55内の所定の情報に基づき通信部56から発信させる制御を行う。電話帳記憶部55には、個人又は法人の氏名又は名称と、個人又は法人の関連情報、特に電話番号情報とが関連付けて格納されている。
【0021】
携帯電話機50は、ナビゲーション装置10に接続された通信アダプタ30に着脱自在に接続される。図示の例では、ナビゲーション装置10と携帯電話機50は通信アダプタ30を介して接続されているが、この形態に限らず、例えば、赤外線や電波等の無線による通信手段を用いてもよい。
【0022】
以上のように構成された車載用ナビゲーション装置10及びこれに通信可能に接続された携帯電話機50において、制御部11及び制御部51は「制御手段」に、表示部15は「表示手段」に、通信制御部19及び通信アダプタ30は「通信手段」に、メモリ部20及び電話帳記憶部55は「メモリ手段」に、操作部22及び操作部56は「情報入力手段」にそれぞれ対応している。
【0023】
以下、本実施の形態の車載用ナビゲーション装置及びこれに通信可能に接続された携帯電話機の動作について説明する。
【0024】
図2は本実施形態のナビゲーション装置及びこれに通信可能に接続された携帯電話における処理フローを示す図である。
【0025】
まず、ステップS11では、携帯電話機50とナビゲーション装置10とが接続されて通信可能になったか否かを判定する。本実施形態では、携帯電話機50が通信アダプタ30に接続され、制御部11が接続を検出したとき通信可能になったと判定する。通信可能になったと判定された場合はステップS12に移行する。
【0026】
次のステップS12では、ナビゲーション装置10の電話帳表示画面60のメニュー61から「電話帳読込」ボタンが選択されたか否かを判定する。「電話帳読込」ボタンが選択されたと判定された場合はステップS13に移行する。
【0027】
次のステップS13では、携帯電話機50の電話帳記憶部55に格納されている電話帳データを携帯電話機50の通信制御部53、通信アダプタ30及びナビゲーション装置10の通信制御部19を介して読み込み、ナビゲーション装置10のメモリ部20に格納する。メモリ部20に格納される電話帳データは、個人の名前や法人の名称又は個人の名前や法人の名称に関連付けられた電話番号が含まれている。
【0028】
次のステップS14では、ナビゲーション装置10のメモリ部20に格納した電話帳データのリストを表示する。ナビゲーション装置10のメモリ部20に電話帳データを読み込んだ後は、例えば、図3(a)に例示するように電話帳データリスト表示エリア63において電話番号が付与されていない電話帳データも表示されている。
【0029】
次のステップS15では、「番号なし消去」ボタン62が押されたか否かを判定する。「番号なし消去」ボタン62は、図3(a)に示すように電話帳画面で選択できる機能ボタン(メニュー)の一つであり、電話番号が付与されていない電話帳データを消去したい場合にこの「番号なし消去」ボタン62を選択する。「番号なし消去」ボタン62が押されたと判定された場合はステップS16に移行する。一方、「番号なし消去」ボタン62が押されなかった場合は、電話番号が付与されていない不要データを消去されることなく、処理は終了する。
【0030】
次のステップS16では、例えば、図3(b)に示すように、電話番号が付与されていない電話帳データを一括消去するか否かを選択するための一括消去選択画面64を表示する。
【0031】
次のステップS17では、図3(b)において一括消去をすることが選択されたか否かを判定し、一括消去が選択された場合はステップS18に移行する。選択されない場合はステップS14に移行しすべてのデータがリスト表示されている画面表示状態に戻る。
【0032】
次のステップS18において、ナビゲーション装置10のメモリ部20に格納されている電話番号が付与されていない電話帳データをすべて消去する。すなわち、メモリ部20内の電話帳データを検索し電話番号が付与されていないデータか否かを判定し、電話番号が付与されていないデータの場合はメモリ部20からそのデータを削除する。次に、メモリ部20内の電話帳データのすべてが検索されていない場合は検索及び削除処理を継続し、すべての電話帳データが検索されればステップS19に移行する。
【0033】
次のステップS19では、電話番号が付与されていない電話帳データをすべて削除した後の電話帳データのリストを、例えば、図3(c)に示すように、電話帳データリスト表示エリア63に表示し、処理は終了する。
【0034】
以上説明したように、本実施形態に係る車載用ナビゲーション装置及びこれに通信可能に接続された携帯電話機においては、携帯電話機から電話番号の付与されていない電話帳データが車載用ナビゲーション装置のメモリ部に転送され格納された場合、このような不要なデータを一括して消去することを可能にしている。これにより、不要なデータを一件ずつ消去するという煩雑さを解消することができる。
【0035】
(変形例1)
本実施形態では、携帯電話機50の電話帳記憶部55に格納されている電話帳データをすべてナビゲーション装置10のメモリ部20に格納した後、電話番号が付与されていない不要データがある場合に一括して消去している。この場合、大量の不要データが存在するときにも一旦すべてのデータをナビゲーション側のメモリ部20に格納するので、データの転送にも時間がかかり、また、大量のデータによりナビゲーション装置10のメモリ領域を圧迫するおそれがある。
【0036】
そこで、本変形例のように、不要データをメモリ部20に格納する前に一時的にデータを読み込む領域(一時メモリ部21)に電話帳データを読み込み、その後、必要なデータのみをメモリ部20に格納するようにしてもよい。
【0037】
図4は本変形例のナビゲーション装置及びこれに通信可能に接続された携帯電話機における処理フローを示す図である。
【0038】
まず、ステップS21では、携帯電話機50とナビゲーション装置10とが接続されたか否かを判定する。接続されたと判定された場合はステップS22に移行する。
【0039】
次のステップS22では、図5(a)に示すような、ナビゲーション装置10の電話帳表示画面60のメニュー61から「電話帳読込」が選択されたか否かを判定する。「電話帳読込」が選択されたと判定された場合はステップS23に移行する。
【0040】
次のステップS23では、携帯電話機50のメモリ部55に格納されている電話帳データを通信アダプタ30を介して読み込み、ナビゲーション装置10の一時メモリ部21に格納する。
【0041】
次のステップS24では、例えば、図5(b)に例示するように、電話番号が付与されていない電話帳データをナビゲーション装置10のメモリ部20に取り込むか否かを選択するための番号なしデータ取り込み選択画面65を表示する。
【0042】
次のステップS25では、番号なしデータを取り込むか否かを判定し、番号なしデータを取り込まない場合はステップS26に移行し、番号なしデータを取り込む場合はステップS28に移行する。
【0043】
次のステップS26では、電話番号が付与されているデータのみナビゲーション装置10のメモリ部20に格納する。そして、例えば、図5(d)に示すように、ステップS27で不要データのない電話帳データのリストを電話帳データリスト表示エリア63に表示して、処理は終了する。
【0044】
一方、ステップS25で番号なしデータを取り込むことが選択された場合はステップS28で、すべての電話帳データをナビゲーション装置10のメモリ部20に格納する。そして、例えば、図5(c)に示すように、ステップS29で不要データを含むすべての電話帳データのリストを電話帳データリスト表示エリア63に表示して、処理は終了する。
【0045】
なお、図5(c)に示すように、不要データを含むすべての電話帳データがメモリ部20に格納された場合は、本実施形態で説明したように「番号なし消去」ボタン62を選択する一連の操作により不要データを一括して消去することが可能である。
【0046】
以上説明したように、本変形例では携帯電話機50から電話帳データをナビゲーション装置10の一時メモリ部21に取り込み、必要なデータのみをメモリ部20に格納するようにしている。これにより、メモリの無駄な使用を防ぐことが可能となる。
【0047】
(変形例2)
本実施形態及び変形例1では、電話番号が付与されていない不要データを消去するか否か又は不要データを転送するか否かを電話帳データを転送する際に問い合わせている。この場合、ユーザはデータ転送時の問い合わせに応答する必要があるため、ナビゲーション装置から電話をかける等、データ転送後すぐに電話帳データを利用することができないといった不利が想定される。
【0048】
そこで、本変形例のように、不要データをメモリ部20に格納するか否かを予めデータ転送前に設定しておくようにしてもよい。
【0049】
図6は本変形例のナビゲーション装置及びこれに通信可能に接続された携帯電話機における処理フローを示す図である。
【0050】
まず、ステップS31では、ユーザが電話設定項目の「番号なしデータの取り込み」項目の設定をする。図7(a)は電話設定を行う電話設定画面70の一例を示している。電話設定とは、例えば「受話音量」の設定等をするものであり、電話設定の項目の一つとして「番号なしデータの取り込み」がある。この「番号なしデータの取り込み」項目の「する」又は「しない」を選択することにより、電話番号が付与されていないデータをナビゲーション装置10のメモリ20に取り込むか否かを予め設定しておくことができる。
【0051】
次の、ステップS32では、携帯電話機50とナビゲーション装置10とが接続されたか否かを判定する。接続されたと判定された場合はステップS33に移行する。
【0052】
次のステップS33では、図7(b)に示すような、ナビゲーション装置10の電話帳表示画面60のメニュー61から「電話帳読込」が選択されたか否かを判定する。「電話帳読込」が選択されたと判定された場合はステップS34に移行する。
【0053】
次のステップS34では、通信アダプタ30を介して、携帯電話機50の電話帳記憶部55に格納されている電話帳データを読み込み、ナビゲーション装置10の一時メモリ部21に格納する。
【0054】
次のステップS35では、ステップS31で設定した「番号なしデータの取り込み」を「する」か「しない」かのどちらが選択されたかを判定する。「番号なしデータの取り込み」を「しない」と判定された場合は、ステップS36に移行し、「番号なしデータの取り込み」を「する」と判定された場合は、ステップS38に移行する。
【0055】
次のステップS36では、電話番号が付与されているデータのみナビゲーション装置10のメモリ部20に格納する。そして、図7(d)に示すように、ステップS37で不要データのない電話帳データのリストを電話帳データリスト表示エリア63に表示して処理は終了する。
【0056】
一方、ステップS35で「番号なしデータの取り込み」を「する」と判定した場合は、ステップS38で、すべての電話帳データをナビゲーション装置10のメモリ部20に格納する。そして、図7(c)に示すように、ステップS39で不要データを含むすべての電話帳データのリストを電話帳データリスト表示エリア63に表示して処理は終了する。
【0057】
なお、図7(c)に示すように、不要データを含むすべての電話帳データがメモリ部29に格納された場合は、本実施形態で説明したように「番号なし消去」ボタン62を選択する一連の操作により不要データを一括して消去することが可能である。
【0058】
以上説明したように、本変形例においては、不要データをメモリ部に格納するか否かを予め設定するようにしている。これにより、携帯電話機から電話帳データを転送した後すぐにナビゲーション装置から電話帳データを利用することが可能となる。
【0059】
(変形例3)
本実施形態、変形例1及び変形例2では、携帯電話機50の電話帳記憶部55に格納されている電話帳データをすべてナビゲーション装置10のメモリ部20又は一時メモリ部21に格納している。従って、不要なデータがナビゲーション装置10に転送されたときには、ナビゲーション装置10のメモリを一時的に無駄に使用してしまうことになる。
【0060】
そこで、本変形例では、ナビゲーション装置10にデータを転送する前に、携帯電話機50側で不要なデータ(電話番号が付与されていないデータ)を選別しておき、データ転送時にこの不要なデータを転送せずに、携帯電話機50側で一括消去するようにしている。これにより、不要なデータがナビゲーション装置10に転送されることが無くなり、ナビゲーション装置10のメモリを無駄に使用することが無くなる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施形態に係る車載用ナビゲーション装置及びこれに通信可能に接続された携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係るナビゲーション装置及びこれに通信可能に接続された携帯電話機の処理の一例を示す処理フロー図である。
【図3】図3(a)〜(c)は、電話番号が付与されていないデータを一括消去する際の画面表示の一例を示す図である。
【図4】変形例1に係るナビゲーション装置及びこれに通信可能に接続された携帯電話機の処理の一例を示す処理フロー図である。
【図5】図5(a)〜(d)は、電話番号が付与されていないデータを転送するか否かを選択する際の画面表示の一例を示す図である。
【図6】変形例2に係るナビゲーション装置及びこれに通信可能に接続された携帯電話機の処理の一例を示す処理フロー図である。
【図7】図7(a)〜(d)は、電話番号が付与されていないデータを転送するか否かを設定する画面表示の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
10…ナビゲーション装置、
11…(ナビゲーション装置の)制御部、
20…メモリ部、
21…一時メモリ部、
30…通信アダプタ、
50…携帯電話機、
51…(携帯電話機の)制御部、
55…電話帳記憶部、
60…電話帳データ表示画面、
62…番号なし消去ボタン(特定の操作ボタン)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリ手段と、
ユーザが指示又は設定する情報を入力する情報入力手段と、
外部と通信可能に接続された通信手段と、
前記メモリ手段、情報入力手段及び通信手段に動作可能に接続された制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記通信手段を介して名前と電話番号とが対応付けられた情報を含む電話帳データを取得したときに、該電話帳データを前記メモリ手段に格納すると共に、前記情報入力手段を介して入力されたユーザ指示に基づいて該電話帳データのなかから電話番号が付与されていないすべてのデータを該メモリ手段から一括消去させることを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
更に、画面上で電話帳データを表示する表示手段を有し、
前記制御手段は、前記メモリ手段に前記電話帳データを格納したときに前記表示手段の画面上に該電話帳データと共に特定の操作ボタンを表示させ、該特定の操作ボタンが操作されたときに該電話帳データのなかから電話番号が付与されていないすべてのデータを該メモリ手段から一括消去させることを特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
更に、一時メモリ手段を有し、
前記制御手段は、前記通信手段を介して前記電話帳データを取得したときに、該電話帳データを前記一時メモリ手段に格納し、前記情報入力手段を介して入力されたユーザ指示に基づいて該電話帳データのなかから電話番号が付与されているデータのみを選択して前記メモリ手段に格納することを特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項4】
更に、画面上で電話帳データを表示する表示手段を有し、
前記制御手段は、前記一時メモリ手段に前記電話帳データを格納したときに電話番号が付与されていないデータを取り込むか否かを選択させる選択画面を前記表示手段の画面上に表示させ、電話番号が付与されたデータの取り込みが選択されたと判定したときに該電話帳データのなかから電話番号が付与されているデータのみを選択して前記メモリ手段に格納させることを特徴とする請求項3に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項5】
車載用ナビゲーション装置と通信可能に接続される携帯電話機であって、
名前と電話番号とが対応付けられた情報を含む電話帳データを格納したメモリ手段と、
ユーザが指示又は設定する情報を入力する情報入力手段と、
前記メモリ手段及び情報入力手段に動作可能に接続された制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記電話帳データを前記ナビゲーション装置に転送する旨のユーザ指示が前記情報入力手段を介して入力されたときに、前記メモリ手段に格納されている電話帳データのなかから電話番号が付与されていないすべてのデータを一括消去して、電話番号が付与されたデータのみを転送することを特徴とする携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−237739(P2006−237739A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−46038(P2005−46038)
【出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】