説明

車載用電子装置

【課題】前面パネルを開動または着脱分離させてUSBコネクタ等に外部記憶装置を接続しデータ転送をする際に、データ転送の進捗状況やエラー情報などを把握することが可能な車載用電子装置を提供する。
【解決手段】車載用電子装置であるナビゲーション装置10は、前面に外部ディスクメディアが挿入されるディスクドライブ21と、外部記憶機器が接続される外部記憶機器接続部23と、を備えた本体20と、前記本体20前面に開閉或いは着脱可能に取り付けられた前面パネル30とからなり、前記本体20はさらにその前面に補助表示部24を備え、補助表示部24は外部ディスクメディアの操作情報又は外部記憶機器接続部23の情報の読み取り又は書き込みの進捗状況乃至エラー情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体前面に外部ディスクメディアが挿入される挿入孔及び外部記憶機器が接続される接続部と、を備えた本体と、該本体に表示ユニットを含む前面パネルがスライド開閉または着脱可能に取り付けられたナビゲーション装置などの車載用電子装置に関するものである。本発明は特に上記のような車載用電子装置において、前面パネルが本体に対してオープン状態または分離され、外部記憶機器に対する読み書きを行う場合に、その進捗状況等を表示する補助表示部を前記本体に設けた車載用電子装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車に搭載される車載用電子装置が種々提供されている。ナビゲーション装置、オーディオビデオ機器、DVD再生装置、テレビやラジオ受信機などが代表的な車載用電子装置である。また、最近では、これらの機器を複合的に備えた車載用電子装置も提供されている。
【0003】
このような車載用電子装置、特に複合機能を有する車載用電子装置においては、外部の記憶媒体からデータを読み込みあるいは外部の記憶媒体にデータを出力する機能が設けられている。これらの外部の記憶媒体とのデータの入出力部は前面の表示部を開閉して本体に設けられた外部記憶媒体の挿入部や接続部を使用するように構成されている。また、機器の盗難防止のため、前面の表示部を車両に取り付けた本体に対して着脱自在に取り付けるような構成も考慮されている。
【0004】
例えば、車載用のナビゲーション装置は、ナビゲーション機能に必要な道路ネットワークデータや地図データなどを本体のHDD(ハードディスクドライブ)などの内部記憶装置に記憶しており、内部記憶装置からこれらのデータを適宜読み出して経路案内を行なう。地図は前面に取り付けられた表示パネルに表示され、音声による経路案内はスピーカに出力されて運転者に経路を案内する。
【0005】
このようなナビゲーション装置は前述したような複合型の電子機器として用いられるようになっており、CDやDVDなどの外部ディスクメディアを読み取るための挿入孔が設けられている。また前記ナビゲーション装置は道路ネットワークデータのアップデートに伴いそのデータ更新が必要になることから、USBなどの接続インターフェースにフラッシュメモリなどの外部記憶ユニットを接続してデータ更新を行なう必要がある。そのためナビゲーション装置は外部ディスクメディアの挿入孔に加えてUSBなどの外部記憶ユニット接続部を備えている。
【0006】
このような接続手段は一定の領域を確保する必要があるため、本体の前面に設けると前面の表示部面積が制限されてしまう。そこで一般的に採用されている形態が下記の特許文献1(特開2003−72477号公報)に開示されているようなスライド開閉式の電動パネルである。このようなスライド開閉式の電動パネルは、CD、MD等の挿入口の前部に電動パネルを設置し、普段は前記挿入口を隠すように前記電動パネルをクローズし、CDやMD等の入れ替え時に前記電動パネルをオープンさせて前記挿入口を露出させる構成である。電動パネルは電動パネル上のパネル開閉ボタンを押下することによりオープン又はクローズする。
【0007】
本体内部に設けられた内部記憶装置に記憶された情報を更新する場合は、電動パネルに設けられたパネル開閉ボタンを押下してパネルを開動させ、コネクタを露出させる。更新データを記憶させたフラッシュメモリや、ノートパソコン等の外部機器をこのコネクタに接続してデータ転送を行い、転送が完了するとコネクタとの接続を解除してパネル開閉ボタンを押下することでパネルをクローズする。
【0008】
一方前面パネルを可動式に取り付ける構成でなく、前面パネルを取り外せるようにした発明も提案されている。例えば下記特許文献2(特開2005−193792号公報)には表示パネルを着脱可能に結合して、表示パネルを車外などに持ち出しできるようにしながら、その盗難を防止できるようにした車載用電子機器の発明が開示されている。
【0009】
この発明によれば、ユーザはナビゲーション機能を利用する際はナビゲーション装置本体に表示パネルを取り付けて地図などの視覚的経路案内を受け、駐車時など車を離れる際には表示パネルを取り外してテレビモニタとして利用するなどといったことが可能となる。このように表示パネルを着脱可能にすることで、表示パネルなしではカーナビとして使用することが困難であるために盗難に遭う危険を回避することができるという効果を奏するものである。
【特許文献1】特開2003−72477号公報
【特許文献2】特開2005−193792号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたように電動パネルがオープンの状態でデータ転送を行なう構成では、データ転送の進捗状況を把握することができないという問題があった。また上記特許文献1の図3に示すように電動パネルがオープン状態になると表示部はほぼ上向きに配置されるから、もしこの電動パネルにデータ転送の進捗状況を表示したとしても覗き込まなければ表示を確認することができない。
【0011】
また上記特許文献2に開示されたように前面パネルが着脱可能に取り付けられた形態では、表示パネル取り外し後に外部記憶機器を接続してデータ転送を行なおうとしても表示部がなければ進捗状況は全く把握することができない。さらには、前面パネルが取り外された後に外部ディスクメディアを挿入したり、内部に搭載されたHDDから音楽データを読み出して音楽を聴くような場合にも、表示パネルが無ければトラック情報なども一切表示されないのであるから、本体は車載用オーディオとして用いることすらできず、スペースの無駄である。
【0012】
以上の問題点を解決するため本願の発明者が種々検討を重ねた結果、電動パネルを備えたナビゲーション装置の本体前面に補助表示部を備えることで上記課題を解決し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0013】
すなわち、本願発明は上記課題を解決することを目的とし、前面パネルがオープンの状態であってもデータ更新の進捗状況を確認できるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
前面に外部ディスクメディアが挿入されるディスクドライブと、外部記憶機器が接続される外部記憶機器接続部と、を備えた本体と、前記本体前面に開閉或いは着脱可能に取り付けられた前面パネルとからなる車載用電子装置において、
前記本体はさらに該本体の前面に補助表示部を備え、前記補助表示部は外部ディスクメディアの操作情報又は外部記憶機器接続部の情報の読み取り又は書き込みの進捗状況乃至エラー情報を表示することを特徴とする。
【0015】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる車載用電子装置において、前記補助表示部は前記前面パネルが開動或いは取り外されることによって起動することを特徴とする。
【0016】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかる車載用電子装置において、前記本体は更に、外部ディスクメディアまたは外部記憶機器から読み取った地図データを記憶する地図記憶部と、現在位置を検出する現在位置検出部を備えたことを特徴とする。
【0017】
本願の請求項4にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかる車載用電子装置において、前記全面パネルは更に、外部ディスクメディアまたは外部記憶機器から読み取った地図データを記憶する地図記憶部と、現在位置を検出する現在位置検出部と、ナビゲーション制御を行うナビ制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
本願の請求項5にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかる車載用電子装置において、前記本体は更に、外部ディスクメディアまたは外部記憶機器から読み取った音楽または映像を含むコンテンツを記憶する記憶手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1にかかる発明においては、によれば、車載用電子装置は本体前面にディスクメディアの操作情報又は情報の読み取り又は書き込みの進捗状況を表示する補助表示部を備えている。したがって前面パネルが開動或いは取り外されてもデータの読み取り、書き込みなどの進行状況の把握が可能となる。
【0020】
請求項2にかかる発明によれば、請求項1にかかる車載用電子装置において、前記補助表示部は前面パネルが開動或いは取り外されたことによって起動するから、所定の起動ボタンなどを押下することなくスムーズにディスク操作やデータ転送などを行なうことができる。
【0021】
請求項3にかかる発明によれば、請求項1または請求項2にかかる車載用電子装置において、前記本体は更に、外部ディスクメディアまたは外部記憶機器から読み取った地図データを記憶する地図記憶部と、現在位置を検出する現在位置検出部を備えたものであるから、ナビゲーションに用いる地図データを外部ディスクメディアまたは外部記憶機器から更新中に進捗状況の把握が可能となる。
【0022】
請求項4にかかる発明によれば、請求項1または請求項2にかかる車載用電子装置において、前記全面パネルは更に、外部ディスクメディアまたは外部記憶機器から読み取った地図データを記憶する地図記憶部と、現在位置を検出する現在位置検出部と、ナビゲーション制御を行うナビ制御部と、を備えたものであるから、前面パネル部を本体から取り外した状態で携帯してナビゲーションに用いることができるようになる。
【0023】
請求項5にかかる発明によれば、請求項1または請求項2にかかる車載用電子装置において、前記本体は更に、外部ディスクメディアまたは外部記憶機器から読み取った音楽または映像を含むコンテンツを記憶する記憶手段を備えたものであるから、音楽データ等のコンテンツデータを外部ディスクメディアまたは外部記憶機器から読み取りまたは書き込み中に進捗状況の把握が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下図面を参照して本発明における車載用電子装置の発明を詳細に説明する。ただし以下に示す例は最良の実施形態を示すものであって、本発明の技術的思想をこの車載用電子装置の実施携帯に限定することを意図するものでなく、その他種々の変更を伴い得るものである。なお、以下の実施例においては、車載用電子装置としてナビゲーション機能を有する複合型の機器を例にとり本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0025】
本発明の実施例1においては、図1に示すように前面パネルがスライド開閉式に取り付けられている形態を例にとり説明する。図1は実施例1におけるナビゲーション装置の外観を示す斜視図であり、図1(a)は前面パネルがクローズ状態、図1(b)は前面パネルがオープン状態を示している。ナビゲーション装置10は本体20と、本体20にスライド開閉可能に取り付けられた前面パネル30とからなる。
【0026】
図1(a)から明らかなとおり、前面パネル30は液晶パネルからなる表示部31と、操作ボタン32と、パネル開閉ボタン33とを備えている。表示部31は、例えばナビゲーション機能が開始すると道路、地図などが表示されてユーザに対して視覚的に経路を案内し、DVDを本体20に挿入することで映像が表示される。表示部31はタッチパネルを搭載することで操作手段としても機能する。操作ボタン32は表示部31の表示に従い操作を行なうためのものである。パネル開閉ボタン33は前面パネル30の開閉を行なうためのものであり、押下することで前面パネル30がスライド開閉し、図1(b)に示すオープン状態に至る。
【0027】
パネル開閉ボタン33を押下して図1(b)に示すようなオープン状態に至ると、前面パネル30の後方であって本体20の前面に配置されたディスクドライブ21、SDカードスロット22、USBスロット23、補助表示部24が露出する。ディスクドライブ21にはCDやDVDなどの外部ディスクメディアが挿入され、再生操作によって映像や音声が出力される。
【0028】
SDカードスロット22にはSDカードを挿入することができ、SDカードに記憶された動画情報を読み出して表示部31に動画を表示するといったことが可能である。USBスロット23にはフラッシュメモリを接続したり、またはこれを介してノートパソコンを接続することができる。USBスロット23を介してデータ転送を行なうことで、本体20内部に記憶されたナビゲーション用地図データを更新することができる。
【0029】
また音楽データを転送することで本体内部のHDDに記憶し、必要に応じて音楽データを読み出して音楽を聴いたりということも可能である。なおここではUSBを設けた例を説明したが、IEEE1394などの通信インターフェースを採用することも可能である。
【0030】
前述したように、更に本体20はその前面に液晶パネルからなる補助表示部24を備えている。補助表示部24には例えば上記USBスロット23に接続された外部記憶装置からのデータ転送の進捗状況やエラー情報、経過時間などが表示されるほか、SDカードスロット22によって読み出されたSDカード内のデータアイコン、HDDに記憶された音楽データ、さらにはディスクドライブ21に挿入されたディスクメディアのトラック情報などが表示される。また各種メンテナンス情報なども表示される。ユーザは補助表示部24の表示にしたがって本体を操作する。
【0031】
このように前面パネル30が開動されたときに露出する補助表示部24を備えることで以下のような効果を奏する。例えば本体20内部に記憶された地図データを更新する際には、USBスロット23は前面パネル30の後方に配置されているから図1(b)に示すように前面パネル30をオープン状態にしなければならないが、この状態ではデータ更新の進捗状況を把握することができない。
【0032】
この点、本実施例によれば本体20前面に補助表示部24を備え、補助表示部24はデータ転送の進捗状況やエラー情報を表示するから、データ転送の状況把握が容易となる。また前面パネル30をオープン状態にするとメイン表示部31は傾いてしまい、ここに進捗状況等を表示したとしても視認しにくいという問題があるが、本体20前面に補助表示部24を配置することでこのような問題も解決できる。
【0033】
図2はナビゲーション装置10の制御部分の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は制御部11、記憶部12、操作部13、現在位置検出部14、パネル開閉検出部15を備えており、さらに上述のディスクドライブ21、外部記憶機器接続部(SDカードスロット)22、外部機器接続部(USBスロット)23、メイン表示部31、補助表示部24と接続されている。
【0034】
制御部11はRAM、ROM、プロセッサを有する中央制御手段として機能し、ROMに記憶されたプログラムによって各部の動作を制御する。記憶部12はHDDなどの大容量記憶装置からなり、地図記憶部121と音楽データ記憶部122とを具備している。ナビゲーションプログラムが起動されると地図記憶部121から地図データが読み出されてユーザに経路案内を行い、音楽データ記憶部122からはHDDに記憶された音楽データが読み出され、図示しないスピーカなどに出力されて音楽が再生される。
【0035】
なお、本実施例1においては記憶部12には音楽データを記憶する音楽データ記憶部121を備えた構成を示したが、記憶部12に記憶するコンテンツは音楽データに限られるにものではなく、テレビ放送やDVDから映像を含むコンテンツを記憶する構成とすることもできる。この場合、車載用電子装置10にはビデオ再生機能を備えればよい。
【0036】
操作部13は前面パネル30に設けられた操作ボタン32やメイン表示部31に搭載されたタッチパネルなどと接続され、操作情報が入力されることで各部に操作信号を出力する。現在位置検出部14はGPS受信機を備えており、GPS衛星から信号を受信することで現在位置を測位する。測位された現在位置は地図記憶部121から読み出された地図データとのマップマッチング処理がなされ、これに基づいてユーザに対して経路案内が行なわれる。
【0037】
パネル開閉検出部15は前面パネル30に設けられたパネル開閉ボタン33に接続されており、パネル開閉ボタン33が押下されると信号を出力する。制御部11はパネル開閉検出部15からの信号を受けて補助表示部24のON/OFFを制御する。すなわち前面パネル30がクローズ状態でパネル開閉検出部15から信号が出力されると、制御部11は補助表示部24をONする。
【0038】
ここで、例えばユーザがUSBスロット23に外部記憶装置を接続すると、USBスロット23が接続状態にある旨を補助表示部24に表示するとともに、各種操作情報を表示してユーザからの操作があるまで待機状態を維持する。
【0039】
操作部13から地図更新用データを地図記憶部121に書き込み、あるいは音楽データ記憶部122に記憶された音楽データをUSBスロット23からフラッシュメモリ等に書き込む操作またはフラッシュメモリ等から読み出す操作が行なわれると、補助表示部24にはデータの書き込みの進捗状況がパーセンテージで表示され、エラーが発生すればその旨表示する。このときメイン表示部31には電源は供給されるが、制御信号は補助表示部24に出力される。
【0040】
SDカードスロット22にSDカードが差し込まれ、又はUSBスロット23に外部機器が接続された状態ではSDカード又は外部機器はスロットから突出した状態であり、前面パネル30とこれらの衝突を回避するためこれらの接続が検出されるときは前面パネル30のクローズ動作を停止する。例えばSDカードスロット22、USBスロット23の接続が検出されるとフラグが設定され、当該フラグが設定されている状態では前面パネル30のクローズ動作の命令は無効とされるようにする。
【0041】
補助表示部24にはクローズ動作命令は無効である旨表示し、または接続を解除するよう警告する。接続が解除されるとフラグ設定は解除され、前面パネル30のクローズ動作を受け付ける。フラグが解除された状態でパネル開閉検出部15が信号を検出すると、制御部11は補助表示部をOFFにすると同時に前面パネル30がクローズする。
【0042】
以下図3のフローチャートを参照してナビゲーション装置10の動作を説明する。図3は本実施例におけるナビゲーション装置の制御手順を示すフローチャートである。なお図3においては前面パネル30をオープン状態にし、USBスロット23に外部記憶装置を接続する場合の処理を示しているが、SDカードスロット22にSDカードを挿入する場合も同様にして処理が行なわれる。まずステップS1においてパネル開閉ボタン33が押下され、前面パネル30がオープン状態にされると処理が開始される。
【0043】
パネル開閉ボタン33が押下されるとパネル開閉検出部15は制御部11に信号を出力し、前面パネル30が所定の駆動機構によってスライド開動する。ステップS2において制御部11は補助表示部24をONにする。前面パネル30がオープン状態に至るとUSBスロット23は接続待機状態となり、ステップS3においてUSBスロット23の接続が確認されなければ(N)ステップS7の処理に進み、前面パネル30がクローズ状態にされるまでこの処理が繰り返される。
【0044】
ステップS3の処理においてUSBスロット23の接続が確認されると(Y)、ステップS4の処理においてUSBスロット23を介して外部記憶装置からデータの書き込み又は読み込みの操作があったか否かが判別され、操作が検出されなければ(N)ステップS3の処理に戻り、USBスロット23の接続が解除されるまで処理が繰り返される。外部記憶装置からデータの書き込み又は読み込み操作があると(Y)ステップS5の処理に進み、補助表示部24にデータの書き込み又は読み込みの進捗状況及び操作開始からの経過時間等が表示される。
【0045】
その後ステップS6の処理に進み、データの書き込み又は読み込みが完了したか否かが判別される。完了していないと判別されると(N)ステップS9の処理に進み、その時点でデータ処理がエラーとなったか否かが判別される。エラーでないと判別されるとステップS6の処理に戻り、データの書き込み又は読み込みが完了するまでこの処理が繰り返される。一方ステップS9の判別処理においてエラーであると判別されると、ステップS10の処理において補助表示部24にエラーである旨が表示され、処理が終了(END)する。
【0046】
ステップS6の処理においてデータの書き込み又は読み込みが完了したと判別されると(Y)ステップS7の処理に進み、前面パネル30のクローズ操作が検出されたかが判別され、クローズ操作が検出されなければ(N)ステップS3の処理に戻り、USBスロット23の接続が解除されるまでステップS3からステップS7の処理が繰り返される。ステップS7においてクローズ操作が検出されると(Y)ステップS8の処理に進み、補助表示部24がOFFされて、処理が終了(END)する。
【実施例2】
【0047】
上記実施例1においてはナビゲーション装置10に取り付けられる前面パネル30が本体20とスライド開閉可能に取り付けられた例を示したが、前面パネルをナビゲーション装置10と着脱可能に取り付けた構成とすることも可能である。以下、実施例1と同様の構成要素については同一の参照符号を付し、重複を避けるためその詳細な説明は省略する。
【0048】
図4は本実施例2におけるナビゲーション装置の外観を示す分解斜視図であり、図4(a)はナビゲーション装置本体、図4(b)は前面パネルを示している。ナビゲーション装置10は本体20と前面パネル30とから構成されている点は実施例1と同様であるが、図からも明らかなとおり前面パネル30は本体20から取り外せるようになされている点が異なっている。
【0049】
このように前面パネル30が本体と着脱可能に取り付けられていることにより、本体20を車のダッシュボードに備え付けて運転時にはメイン表示部31を通じてナビゲーションを受け、駐車時などには前面パネル30を取り外して持ち歩くということが可能となる。前面パネル30が取り外された状態では外部からはナビゲーション装置であるとは把握されにくくなり、盗難に遭う危険を回避することができるというものである。
【0050】
図5は実施例2におけるナビゲーション装置10の制御部分の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は本体20と前面パネル30とでその制御構成が分かれ、本体20に備えられたパネル接続部16が前面パネル30に備えられた本体接続部34と接続されている。前面パネル30はパネル制御部17、本体接続部34、本体操作部18及びメイン表示部31を備えて構成されており、パネル制御部17は前面パネル30を単独の表示パネルとして機能するよう制御する。
【0051】
本体20はパネル着脱検出部15がパネル接続部16に前面パネル30の本体接続部34が接続されたか否かを検出し、制御部11はパネル着脱検出部15からの検出信号を受けて補助表示部24のON/OFFを制御する。すなわち前面パネル30との接続を検出すると補助表示部24がOFFされ、接続が解除されると補助表示部24がONされる。
【0052】
前面パネル30を本体20と着脱可能に設けた従来のナビゲーション装置においては、前面パネル30を取り外した後に、例えばUSBスロット23を介して外部記憶装置からのデータ転送を行なう場合などには、メイン表示部31が本体とは接続されていないためその進捗状況を把握することができなかった。またディスクドライブ21にディスクメディアを挿入してもトラック情報が表示されないため操作が極めて困難である。
【0053】
この点本実施例2においては本体20の前面に補助表示部24を備え、補助表示部24がデータ転送の進捗状況やエラー情報を表示するようになされるため、前面パネル30を取り外した後データ転送を行なう場合にもその進捗状況やエラー情報を把握することができ、ユーザはデータ管理に必要十分な操作を行なうことができる。また例えばCDをディスクドライブ21に挿入し、補助表示部24の表示に従いトラックの選択・決定することが可能となれば、前面パネル30の取り外し後においても最低限の車載用オーディオ機器として機能させることができるようになる。
【0054】
さらに本発明によればナビゲーション装置10は本体に音楽データ記憶部122を備えており、補助表示部24を介して音楽データ及びその操作情報を表示することが可能となり、車載用オーディオ機器としての機能がさらに高まることが期待される。
【0055】
なお前面パネル30にデジタルテレビチューナを備えることで、前面パネル30を取り外して携帯テレビとして用いるなどといったことも可能である。このようになせば、普段は車載用ナビゲーション装置として用いつつ前面パネルは取り外すことで携帯テレビとして、本体は車載用オーディオとして用いるなど用途に合わせて使い分けることができる。
【実施例3】
【0056】
上記実施例2においては前面パネルをナビゲーション装置と着脱可能に取り付けた構成とした。この構成によれば、図5からも明らかなように地図記憶部121及び現在位置検出部14は本体20に備えられており、前面パネル30は表示部として機能するのみであった。実施例3においては、本体20でなく前面パネル30側に地図記憶部121及び現在位置検出部14を設けることで、前面パネル30を独立のナビゲーション装置として機能するように構成している。以下、実施例3において、実施例2と同様の構成については同一の参照符号を付し、重複を避けるためその詳細な説明は省略する。
【0057】
図6は実施例3にかかるナビゲーション装置の外観を示す分解斜視図であり、図6(a)はナビゲーション装置本体、図6(b)は前面パネルを示している。ナビゲーション装置10は本体20と前面パネル30とから構成されている点は実施例1、実施例2と同様であるが、図からも明らかなとおり前面パネル30は本体20から取り外せるようになされており、全面パネル30に後述するように地図記憶部及び現在位置検出部を備えている点が異なっている。
【0058】
図7は実施例3におけるナビゲーション装置10の制御部分の構成を示すブロック図である。実施例2と同様にナビゲーション装置10は本体20とナビ部30とでその制御構成が分かれ、本体20に備えられたナビ部接続部16がナビ部30に備えられた本体接続部18と接続されている。実施例2と異なる点はナビ部30に地図記憶部121、現在位置検出部14が備えられている点である。
【0059】
ナビ部30が地図記憶部121及び現在位置検出部14を備えていることにより、ナビ部30は独立のナビゲーション端末装置として機能する。すなわちナビ部制御部17は現在位置検出部14が備えるGPS受信機により現在位置を検出し、地図記憶部121から地図データが読み出されてマップマッチング処理が行なわれ、メイン表示部31に案内経路が表示される。本体20に取り付けられてナビゲーション装置として用いられるときも処理は同様であり、ユーザがナビゲーション機能を選択すると経路案内に必要な処理はナビ部30内で行なわれる。
【0060】
実施例1、2と同様に本体20は補助表示部24を備えており、USBスロット23に接続された外部記憶装置からのデータ転送の進捗状況やエラー情報、ディスクドライブ21に挿入されたディスクメディアのトラック情報などが表示される。本体20が補助表示部24を備えることで本体20は単体で車載用オーディオ機器として機能させることができる。
【0061】
なお地図記憶部121はナビ部30に備えられているため、地図データの更新をする際にはデータが一時的に本体20に備えられたROMに記憶される。ナビ部30が本体20に接続されるとメイン表示部31に「地図データ更新」が表示され、操作ボタン又はメイン表示部31に表示されたソフトキーを押下することでナビ部接続部を介してデータが地図記憶部121に送信されてデータの更新が行なわれる。
【0062】
このようにメイン表示部31を有する前面パネル側が単体でナビゲーション装置として機能するとともに本体20が補助表示部24を備えることで、ナビ部30はポータブル・ナビゲーション装置として、本体20は操作・表示手段を備えた車載用ナビゲーション装置として使い分けることができる。
【0063】
従って、普段はナビ部30を本体20に取り付けた状態で車載用ナビゲーション装置として経路案内を受け、必要に応じてナビ部30を本体20から取り外してポータブル・ナビゲーション装置として用いつつ、本体20は補助表示部24の表示にしたがってCDを再生したり音楽データ記憶部122から音楽データを読み出して音楽を聴いたりというように車載用オーディオ機器として用いることができる。
【0064】
以上、詳細に説明したように本発明によれば、ナビゲーション装置は本体前面にディスクメディアの操作情報又は情報の読み取り又は書き込みの進捗状況を表示する補助表示部を備えている。したがって前面パネルが開動或いは取り外されてもデータ更新状況の把握が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施例1におけるナビゲーション装置の外観を示す斜視図であり、図1(a)は前面パネルがクローズ状態、図1(b)は前面パネルがオープン状態を示す図である。
【図2】本発明の実施例1におけるナビゲーション装置の制御部分の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例1におけるナビゲーション装置の制御手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例2におけるナビゲーション装置の外観を示す分解斜視図であり、図4(a)はナビゲーション装置本体、図4(b)は前面パネルを示す図である。
【図5】本発明の実施例2におけるナビゲーション装置の制御部分の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施例3におけるナビゲーション装置の外観を示す分解斜視図であり、図6(a)はナビゲーション装置本体、図6(b)は前面パネルを示す図である。
【図7】本発明の実施例3におけるナビゲーション装置の制御部分の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0066】
10 ナビゲーション装置(車載用電子装置)
11 制御部
12 記憶部
121 地図記憶部
122 音楽データ記憶部
13 操作部
14 現在位置検出部
15 パネル開閉検出部(パネル着脱検出部、ナビ部着脱検出部)
16 パネル接続部(ナビ部接続部)
17 パネル制御部(ナビ部制御部)
18 本体接続部
19 操作部
20 本体
21 ディスクドライブ
22 外部メモリ接続部(SDカードスロット)
23 外部機器接続部(USBスロット)
24 補助表示部
30 前面パネル
31 メイン表示部
32 操作ボタン
33 パネル開閉ボタン




【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に外部ディスクメディアが挿入されるディスクドライブと、外部記憶機器が接続される外部記憶機器接続部と、を備えた本体と、前記本体前面に開閉或いは着脱可能に取り付けられた前面パネルとからなる車載用電子装置において、
前記本体はさらに該本体の前面に補助表示部を備え、前記補助表示部は外部ディスクメディアの操作情報又は外部記憶機器接続部の情報の読み取り又は書き込みの進捗状況乃至エラー情報を表示することを特徴とする車載用電子装置。
【請求項2】
前記補助表示部は前記前面パネルが開動或いは取り外されることによって起動することを特徴とする請求項1に記載の車載用電子装置。
【請求項3】
前記本体は更に、外部ディスクメディアまたは外部記憶機器から読み取った地図データを記憶する地図記憶部と、現在位置を検出する現在位置検出部を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載用電子装置。
【請求項4】
前記全面パネルは更に、外部ディスクメディアまたは外部記憶機器から読み取った地図データを記憶する地図記憶部と、現在位置を検出する現在位置検出部と、ナビゲーション制御を行うナビ制御部と、を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載用電子装置。
【請求項5】
前記本体は更に、外部ディスクメディアまたは外部記憶機器から読み取った音楽または映像を含むコンテンツを記憶する記憶手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載用電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−209200(P2008−209200A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−45428(P2007−45428)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】