説明

車載装置および出力装置

【課題】車両の走行安全性を維持しつつ、車内での多様なコンテンツの利用に関するユーザ利便性を向上させること。
【解決手段】車載装置104は、車両の現在の状態を車両状況208として取得する車両情報取得手段206と、予め、出力装置の種別と車両状況に応じて情報種別ごとに出力可否を規定した出力設定テーブル210を保持する出力設定保持手段202と、要求された情報を出力装置105へ送出するか否かを制御する出力制御手段204とを有する。出力制御手段204は、出力装置から取得した種別情報207と、車両情報取得手段で取得した車両状況208を基に、出力設定保持手段の出力設定テーブル210を参照し、これに従い要求された情報の出力を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両に搭載する車載装置、及び車載装置からの出力情報を表示する出力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車内での情報技術として、地図によるルート表示だけでなく駐車場や観光施設、飲食店などの情報も表示可能になっている。また、動画や音声なども地上波アナログ放送に始まり、DVDによる映画や、衛星によるモバイル放送、地上波デジタル放送の開始など多様なコンテンツの利用が行なわれている。
【0003】
このように車内で利用するコンテンツが多様化する状況では、コンテンツの表示を制御する必要があり、次のような提案がなされている。
【0004】
特許文献1には、移動体の走行速度に応じて、地図情報記憶媒体からの同一地域における地図の表示要素の読み出しの制御を行うことにより、画面に表示される同一地域における地図の詳細度を変化させる現在位置表示装置が開示されている。この制御により、移動体の走行状況に応じた最適なガイダンス情報を与えることができると述べられている。
【0005】
また特許文献2には、車両の走行状態を判定し、かつ表示装置の設置位置が前席か後席かを検出し、再生する映像情報をON/OFFする車載用マルチメディアプレーヤが開示されている。この制御により、運転者の安全を保護しつつ、再生するソフトウェアの娯楽性を損なわないという効果が述べられている。
【0006】
【特許文献1】特開平2−130412号公報
【特許文献2】特開平9−63257号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1の技術は、車内に単一の表示装置(出力装置)を設置する場合を対象としており、車内に複数の出力装置がある場合を想定していない。例えば、後席に設置された出力装置で地図などの情報を表示する場合、地図表示の縮尺の変更に関しては、運転席に設置した出力装置とは異なる基準で表示内容を制御する必要が生じる。すなわち、運転席の出力装置は自車両の速度によって表示する情報を制限するが、後席(2列目3列目など)に設置されたディスプレイでは自車両の速度に関わらず表示および操作できることが望ましい。
【0008】
上記特許文献2の技術においても、車内に複数の出力装置がある場合を想定していない。前席もしくは後席どちらか一方を示すスイッチ切り替えと、車両の速度や位置による制御であったため、車内に複数の出力装置がある場合や、緊急時等の多様な状況に応じた制御を行うことができなかった。例えば、走行中であっても災害等の緊急放送であれば運転席側での動画再生も考慮する必要がある。
【0009】
本発明の目的は、上記背景技術の状況に鑑み、車両の走行安全性を維持しつつ、車内での多様なコンテンツの利用に関するユーザ利便性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の車載装置は、車両の現在の状態を車両状況として取得する車両情報取得手段と、予め、出力装置の種別と車両状況に応じて情報種別ごとに出力可否を規定した出力設定テーブルを保持する出力設定保持手段と、要求された情報を出力装置へ送出するか否かを制御する出力制御手段とを有し、出力制御手段は、出力装置から取得した種別情報と、車両情報取得手段で取得した車両状況を基に、出力設定保持手段の出力設定テーブルを参照し、これに従い要求された情報の出力を制御する。前記出力設定保持手段には、さらに、ユーザにより情報の出力可否条件を変更して設定されたユーザ出力設定テーブルを保持し、前記出力制御手段は、該ユーザ出力設定テーブルの条件を優先し、これに従って情報の出力を制御する。
【0011】
本発明の出力装置は、車両の現在の状態を車両状況として取得する車両情報取得手段と、予め、出力装置の種別と車両状況に応じて情報種別ごとに出力可否を規定した出力設定テーブルを保持する設定保持手段と、要求された情報を出力手段へ出力するか否かを制御する出力制御手段とを有し、出力制御手段は、出力装置から取得した種別情報と、車両情報取得手段で取得した車両状況を基に、設定保持手段の出力設定テーブルを参照し、これに従い要求された情報の出力を制御する。前記設定保持手段には、さらに、ユーザにより情報の出力可否条件を変更して設定されたユーザ出力設定テーブルを保持し、前記出力制御手段は、該ユーザ出力設定テーブルの条件を優先し、これに従って情報の出力を制御する。
【0012】
本発明の出力装置は、当該出力装置へユーザからの操作を入力する操作入力手段と、車両の現在の状態を車両状況として取得する車両情報取得手段と、予め、出力装置の種別と車両状況に応じて情報種別ごとに入力操作の受付可否を規定した入力操作受付設定テーブルを保持する設定保持手段と、要求された情報を出力手段へ出力するか否かを制御する出力制御手段とを有し、出力制御手段は、当該出力装置から取得した出力装置の種別を示す種別情報と、車両情報取得手段で取得した車両状況を基に、設定保持手段の入力操作受付設定テーブルを参照し、これに従い操作入力手段から入力されたユーザ操作の受付を制限する。前記設定保持手段には、さらに、ユーザにより入力操作の受付可否条件を変更して設定されたユーザ入力設定テーブルを保持し、前記出力制御手段は、該ユーザ入力設定テーブルの条件を優先し、これに従ってユーザ操作の受付を制限する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、出力装置ごとの画像や音声の出力に関する設定が可能となり、車両の走行安全性を維持しつつ、ユーザ利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0015】
実施例1は、車内ネットワークに接続されたディスプレイなどの複数の出力装置に情報を表示するシステムにおいて、車載装置は、出力装置の種別と車両状況に応じた各種情報の出力可否条件を予め設定しておき、これに従って出力装置からの情報出力を制御するものである。
【0016】
図1〜図4は、本発明の車載装置に係る実施例1の説明図である。
図1は、本発明による車載装置を適用した車内ネットワークシステムの概念図である。図1において、車両101には、車載装置104および車内ネットワークを搭載し、車内ネットワークには次の装置を接続している。車載カメラ102,103は該ネットワークから制御が可能である。車載装置104は、該ネットワークを経てディスプレイへ情報を送信する。運転席ディスプレイ105は、該ネットワークからの情報を表示する。後席ディスプレイ106は、該ネットワークからの情報を表示する。無線装置107は、車外と通信可能である。車内ネットワークは、リピータHUB108を介して構成される。車外には、無線通信を行う通信基地局109や通信ネットワーク網110を配し、車両101と同様の構成を有する他の車両111や通信端末112と通信可能である。
【0017】
以下、各部の説明を行う。
車載カメラ102,103は、CMOSやCCDの撮像素子を持ち、接続されたネットワークからの制御命令を受け出力するもので、フレームレートや画質、カメラのフォーカス、カメラ方向等の制御が可能なカメラである。また、ネットワークへの接続方式としてはIEEE1394やEthernet(登録商標、IEEE 802.3)、情報系の車載ネットワークであるMOST(Media Oriented Systems Transport)などのデジタル有線接続や、カメラデータを転送するデータ線と制御データを転送する制御線を持つアナログ有線接続、WiFi(802.11a/b/g/n)やBluetooth等の無線接続、などの方式が可能である。以下、各実施例における他の装置と車内ネットワークとの接続方式についても同様である。
【0018】
車載装置104は、地図情報をHDDまたはDVDまたは通信によるダウンロードなどにより保持し、音声入出力を持つナビゲーションシステムである。音声出力としてはスピーカーやイヤホンジャックやBluetooth接続ヘッドフォンが可能である。音声入力としてはマイクやBluetooth接続マイクが可能である。
【0019】
出力装置である運転席ディスプレイ105および後席ディスプレイ106は、搭乗者に映像や地図などを表示する装置である。ネットワーク接続機能に加え装置固有のIDや設置位置、性能などの情報(種別情報)を予め保持し、他のネットワーク機器からの問い合わせに対し回答することが可能である。表示方式は、液晶や有機ELなどのパネル、電源停止後も映像が残る電子ペーパー、投射方式、オーバーヘッドディスプレイなどが可能である。車載装置104との接続方式としては前記車内ネットワーク接続の他に、GVIF(Gigabit Video InterFace)やLVDS(Low Voltage Differential Signaling)などの低電圧差動伝送方式や、家電やAV機器向けのデジタル映像・音声入出力のインタフェース規格であるHDMI(High Definition Multimedia Interface)などでも良い。また、ユーザからの入力インタフェースとして操作キーやタッチパネル機能、非接触ICカードリーダ等を備えても良い。
【0020】
無線装置107は、PHS(Personal Handy−phone System)、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(Global System for Mobile Communications)、CDMA(Code Division Multiple Access)、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、CDMA−2000、DSRC(Dedicated Short Range Communication)、WiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等の通信方式を少なくとも一つを有する通信装置である。
【0021】
リピータHUB108は、前記車内ネットワークと接続され、受信した情報をネットワークへ再送する機能を有し、前記IEEE1394、Ethernet、MOST等のデジタル有線接続で用いられるリピータHUB等で構成する。またアナログ接続では、複数のカメラ画像の入力を受け一つのカメラ画像だけを出力するような画像切り替え機などが可能である。
【0022】
通信基地局109は、前記無線装置107が用いる通信方式で接続可能な通信基地局または中継局であり、通信ネットワーク110へ接続されている。通信ネットワーク110は、インターネット等の無線及び有線のネットワークである。
【0023】
車両111は車両101と同様の機器構成を有し、通信により車両101や通信基地局109と通信可能な車両である。
【0024】
通信端末112は、Ethernetもしくは前記無線装置107が用いる通信方式で前記通信ネットワーク110に接続され、車両からの情報を読み取り可能で、車載装置104に対する操作も送信可能な端末である。家庭から車両の状態を参照するためのPC端末や、コールセンタなどから緊急時に車両のサポートを行うオペレータ端末、複数の車両からの画像を集めたデータベース、携帯電話等が可能である。
【0025】
なお、図1ではリピータHUB108を用いて車内ネットワークを構成しているが、IEEE1394機器のように各機器間が直接接続されネットワークを構成する場合等であれば、リピータHUB108を使用せずに車内ネットワークを実現しても良い。
【0026】
図2は、本発明による車載装置104の一例(実施例1)を示す構成ブロック図である。図1と同様の構成部品については同一符号を付す。
【0027】
ネットワーク接続手段201は、ネットワークへの接続を制御し、出力装置105との間で情報の送受を行う。出力装置105は、出力装置の種別(機能や設置位置)を示す種別情報207を保持する。操作入力手段205は、ユーザによる情報出力要求などの操作を入力する。車両情報取得手段206は、車内センサなどから車両の現在の状況(車両速度ほか)や車両周辺の状況を取得し、車両状況208として保持し、これを出力制御手段204に提供する。
【0028】
出力設定保持手段202は、出力情報のデータ種別209と、出力装置の種別や車両状況に応じた情報ごとの出力設定(出力可否条件)210を予め保持する。出力情報保持手段203は、出力装置105へ出力する情報を種別ごとに分け予め保持する。出力制御手段204は、情報出力要求を受けると、出力設定保持手段202の保持する出力設定に従い情報の出力を制御する。
【0029】
以下、各部の説明を行う。
ネットワーク接続手段201は、上記ネットワークの接続方式で述べた各通信方式におけるネットワークコントロールICである。
【0030】
出力設定保持手段202は、カーメーカやアフターサービスメーカにより設定された出力装置種別および車両状況に応じた出力可否条件210を保持し、記憶媒体にはHDDやDVD、メモリ等を用いる。
【0031】
出力情報保持手段203は、情報の種別ごとに分類された形で地図情報や周辺地域情報、動画、音楽コンテンツを保持するもので、カーナビ内のHDD、DVD、メモリ、あるいはネットワーク接続されたHDDでもよい。
【0032】
出力制御手段204は、CPU等の演算装置やメモリなどの記憶装置を持つユニットに内蔵され、優先度に従った制御処理を実行するプログラムで構成される。出力装置105の種別情報207を読み出すには、車内でネットワークを形成する出力装置から固有IDや設置位置、機能などの種別情報を読み出す。特にIEEE1394では、ネットワーク起動時にコンフィグレーションROMと呼ばれるメモリを読み出すことにより、固有IDや機能を認識することが可能であり、この情報を保持しても良い。また、出力の制御に関しては、出力装置ごとに情報を制御して送出する。送出が規制されている場合は、情報の送出を停止する。もしくは情報を制限した形に加工し、これを出力装置へ送出しても良い。なお、送出する情報は非圧縮形式でも圧縮形式(MPEG2、Motion JPEG、JPEG2000など)でも良い。
【0033】
操作入力手段205は、ディスプレイのタッチパネル機能や操作キーによる入力、音声解析を用いた音声入力、リモコンや携帯電話、PDA(Personal Digital Assistants)などの情報端末からの赤外線入力、非接触ICカードリーダ、RFIDリーダ、Bluetoothなどでも良い。
【0034】
車両情報取得手段206は、ネットワーク接続手段201や本図には記載されないCAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)などのボディ系やパワートレイン系ネットワークを経由して車内センサの情報を取得する。そして、本手段内部で予め保持している閾値などの情報と比較し車両状況の判定を行い随時更新する。例えば、車両速度、エアバック作動状況、緊急放送受信などの情報より、車両状況を分類する。車両速度が20km/h以上なら「走行時」、1km/hから20km/h以下なら「徐行時」、0km/hなら「停車時」、また走行速度にかかわらず地上波デジタル放送などから緊急放送を受信したら「緊急時(周辺)」、自車両のエアバックが作動したら「緊急時(車両)」のように判別する。さらに細かくセンサ情報を分類し組み合わせることにより、「後進時」や「高速走行時」などを車両状況に付加しても良い。電子制御ユニット(ECU)やカーナビゲーションなどには既にこのような機能が搭載されている。車内センサとしては、ステアリングの傾きを検出する陀角センサ、ブレーキ制御で用いるABS(Anti−lock Braking System)センサ、タイヤ圧力を監視するTPMS(Tire Pressure Monitoring System)、車両と障害物の距離を計測するマイクロ波センサなどがある。
【0035】
出力装置の種別情報207はXML(Extensible Markup Language)などの言語で記述され、出力装置の固有IDや設置位置、機能、画面サイズ、音声出力の有無などの情報を用いる。
【0036】
車両状況208はXMLなどの言語で記述され、車両の種別、車両センサから得た情報から判別された車両状況である。例えば、ワイパーが一定時間動作していることより雨天走行中であると判別し、車速パルスから高速走行中と判別する。
【0037】
データ種別209はXMLなどの言語で記述され、ネットワーク上を転送される情報の種別であり、動画や静止画、映像記録時間、車載カメラからの画像、地図等の情報、標識等の情報、音楽や通信装置からの通話情報である。
【0038】
出力設定210はXMLなどの言語で記述され、出力装置の種別と車両状況に応じた情報の出力可否を規定しており、図3に示す出力設定テーブル例のように管理される。
【0039】
図3は、図2の出力設定保持手段202が保持する出力設定210のテーブルの一例である。このテーブルでは、縦軸には車載装置が搭載された車両の「車両状況」と「出力装置種別」を記載し、横軸には「情報種別」を記載し、それらの交差する欄に情報の出力可否条件を「許可=○」、「不可=×」で表記している。
【0040】
この例では「車両状況」の項目として、「走行時」「徐行時」「停車時」「緊急時(周辺)」「緊急時(車両)」に分類しており、出力制御手段204は車両情報取得手段206の取得した車両状況208の情報をこれらと照合する。
【0041】
また、「出力装置種別」の項目として、「運転席」「助手席」「後部座席」「車外」のように車内設置位置で分類しているが、出力装置の機能として画面サイズや音声出力の有無、入力装置の有無などの項目を追加しても良い。これらは、出力装置105の保持する種別情報207と照合する。
【0042】
また、「情報種別」の項目として、[地図][カメラ][コンテンツ]と大項目で分類した。さらに[地図]の小項目として、「地図」「詳細地図」「渋滞」「標識」「周辺施設」「Push広告」、[カメラ]の小項目として、「周辺監視」「車内監視」、[コンテンツ]の小項目として、「動画」「静止画」というように分類した。これらは、出力設定保持手段202の保持するデータ種別209の情報と照合する。
【0043】
ここで「地図」とは現在地周辺の幹線道路や目的地までの経路表示であり、「詳細地図」とは「地図」で表示される道路の脇道などの詳細な道路情報である。「渋滞」とはVICS(Vehicle Information and Communication System)や交通情報サービスから取得した渋滞情報であり、「標識」とは案内標識や注意標識のような道路標識である。「周辺施設」とは車両周辺の商業施設や観光施設であり、「Push広告」とは通信を用いて車両に配信(Push)される周辺商業施設などの広告を想定している。また、「周辺監視」とは車両周囲の撮像を目的としたカメラの映像であり、障害物監視や接近車両監視などでの使用を、「車内監視」は車両内部の撮像を目的としたカメラの映像であり、運転手の居眠り防止や防犯、車内や車外とのテレビ電話での使用を想定している。
【0044】
図4は、実施例1における車載装置の情報出力処理を示すフローチャートである。
出力制御手段204は、操作入力手段205より入力された出力装置への出力要求を取得する(ステップS401)。出力装置105から種別情報207を取得し(ステップS402)、車両情報取得手段206から車両状況208を取得する(ステップS403)。これらの取得した出力装置種別と車両状況をもとに、出力設定保持手段202に保持される出力設定210を参照し、出力要求された情報の該当する情報種別に対する出力可否条件を読み出す(ステップS404)。そして読み出した出力可否条件に基づき、出力情報保持手段203に保持されている該当する情報を、ネットワーク接続手段201を介して出力装置へ送出(または送出停止)する(ステップS405)。
【0045】
図5は、実施例1における出力装置の表示例を示す図であり、走行中に運転席と後席それぞれのディスプレイ105,106に表示される地図情報の一例を示す。地図情報の中で、501はディスプレイに表示された案内標識、502a,502b,502cは周辺施設、503は502cに関するPush広告である。
【0046】
図5は、図3における「車両状況」が「走行中」であり、「出力装置種別」が「運転席」と「後部座席」のそれぞれの場合に、地図表示要求を受けて表示した例である。すなわち、図3のNo1及びNo3の設定に従い、網掛けで示した情報種別が出力されている。運転席ディスプレイ105では、地図情報や渋滞情報に加えて「標識」情報として案内標識501が出力されている。一方後席ディスプレイ106では、地図情報や渋滞情報に加えて「周辺施設」情報として周辺施設502a,502b,502cが出力され、「Push広告」情報としてPush広告503が出力されている。
【0047】
この例では、運転手には基本的な交通情報を出力し、後席の同乗者には交通情報よりも車両の周辺施設や広告などの表示に重点を置いて出力している。
【0048】
また、図1に示す車内ネットワークシステムにおいて、外部の車両111や通信端末112は無線装置107を経由してネットワーク接続されることにより、車両101の車内ネットワークへの接続が可能である。すなわち車両111や通信端末112は、出力装置105などの車内機器と同様に、車載装置104に対し情報出力の要求を行うことが可能である。車両111であれば車両101との車々間通信となり、周辺監視カメラの映像を共有することや、車両101の位置情報を取得し車両111の車載装置の地図上に出力することができる。この場合にも、車載装置104から車両111へ情報を送信する際、車載装置104は出力設定保持手段202に保持する出力設定210の条件に基づいて制御する。ただしこの場合には、車両111の出力装置の種別情報として「地図情報を有する」ことを追加する。このようにすれば、車載装置104は車両101の位置座標のみを車両111に送信すればよく、通信トラフィックの軽減が可能となる。また、通信端末112であれば通信ネットワーク110と通信基地局109を経由して車両101と接続される。通信端末112のような装置の例としては車両保険サービスのコールセンタ等であり、車両101から緊急の通報を受け、車内監視カメラ映像を取得し乗員の安否を確認したり、位置情報から車両位置を割り出し救急車両の派遣するなど迅速な対応が可能となる。
【0049】
本実施例1によれば、車内ネットワークに接続された出力装置に情報を表示するシステムにおいて、出力装置の種別と車両状況に応じた各種情報の出力可否条件を予め設けることにより、詳細な情報出力の制御を行うことが可能となる。その結果、車両の走行安全性を維持しつつ、車内での多様なコンテンツの利用が可能になり、ユーザの利便性が向上する。
【実施例2】
【0050】
実施例2は、車内ネットワークに接続されたディスプレイなどの出力装置に情報を表示するシステムにおいて、車載装置は、出力装置の種別と車両状況に応じた各種情報の出力可否条件を予め保持し、さらにユーザにより出力可否条件を変更して設定できるようにすることで、よりユーザに適した情報出力制御を行うものである。
【0051】
図6、図7は本発明の車載装置に係る実施例2の説明図である。
図6は、本発明による車載装置104の他の例(実施例2)を示す構成ブロック図である。前記図2(実施例1)と同様の構成部品については同一符号を付す。
【0052】
出力設定保持手段202は、出力装置や車両状況に応じた出力設定(出力可否条件)210を予め保持するとともに、ユーザにより設定されたユーザ出力設定211も保持する構成である。すなわち、出力設定210がカーメーカやディーラにより設定されたデフォルト設定であるのに対し、ユーザ出力設定211はユーザにより出力可否条件を変更して設定されたものである。ユーザ出力設定211は、前記図3に示すテーブル例のように記述されるが、出力設定210に対して変更した箇所のみを記述しても良い。
【0053】
ユーザ出力設定211は、XMLなどの言語で記述され、ユーザにより出力制御を規定する。設定方法としては、操作入力手段205や車内ネットワークを経由してユーザ出力設定を書き込む方法や、非接触IDカードやRFID、Bluetoothなどの無線を用いて入力する方法が可能である。非接触IDカードなどの無線方式であれば、ユーザの着座位置が変更になった場合でもリーダに非接触IDカードをかざすなどの操作で、即座にユーザ出力設定が可能となる。
【0054】
ユーザ出力設定によれば、例えば地図情報の表示時に不要と感じるPush広告の出力を禁じたり、DVDビデオ再生時に字幕出力及び言語設定などを標準機能とすることが可能となり、利便性が向上する。なお、車両安全性などの観点より、ユーザが設定を変更できる範囲を制限することが望ましい。例えば走行中に運転席ディスプレイに対する動画の再生などはデフォルト設定で禁止し、ユーザ設定でも変更不可とするのが良い。
【0055】
図7は、実施例2における車載装置の情報出力処理を示すフローチャートである。ステップS701からステップS704までは、前記図4のステップS401からステップS404と同様であり、説明を省略する。
【0056】
ステップS704で、デフォルト設定である出力設定210から出力可否条件を読み出した後、出力設定保持手段202からユーザ出力設定211の有無を調べる(ステップS705)。ユーザ出力設定211が存在する場合はこれを読み出し、ステップS704で読み出したデフォルト出力設定と異なる場合には、ユーザ出力設定211の出力可否条件を優先させて設定する(ステップS706)。設定した出力可否条件に基づき、出力情報保持手段203に保持されている該当する情報を、ネットワーク接続手段201を介して出力装置へ送出(または送出停止)する(ステップS707)。ステップS705においてユーザ出力設定が存在しない場合はステップS707を実施する。
【0057】
本実施例2によれば、車内ネットワークに接続された出力装置に情報を表示するシステムにおいて、出力装置の種別と車両状況に応じた各種情報の出力可否条件をデフォルト設定するとともに、さらにユーザにより出力可否条件を変更して設定できるようにしたので、ユーザ個人を対象とした設定や制限が可能となり利便性が向上する。
【実施例3】
【0058】
実施例3は、車内ネットワークに接続されたディスプレイなどの出力装置に情報を表示するシステムにおいて、出力装置側で、出力装置種別と車両状況に応じた各種情報の出力可否条件を予め設定しておき、これに従って車載装置などから送られた情報の出力を制御するものである。
【0059】
図8〜図10は本発明の出力装置に係る実施例3の説明図である。
図8は、本発明による出力装置105の一例(実施例3)を示す構成ブロック図である。
【0060】
出力装置105は、車内ネットワーク300を介し図示しない車載装置104などと接続される。ネットワーク接続手段301は、車内ネットワーク300の接続を制御し、情報の送受信を行う。操作入力手段304は、ユーザによる情報出力要求などの操作を入力する。車両情報取得手段305は、車内センサなどから車両の現在情報を取得し、車両状況307として保持し、これを出力制御手段303に提供する。出力装置105は、自身の装置の種別を種別情報306として保持する。
【0061】
設定保持手段302は、出力情報のデータ種別308と、出力装置の種別や車両状況に応じた出力設定(出力可否条件)309を予め保持する。出力制御手段303は、情報出力要求を受けると、設定保持手段302の保持する出力設定に従い情報の出力を制御する。
【0062】
出力手段310は、ネットワーク接続手段301から取得した各種情報を出力(表示)する。例えば映像出力を行うディスプレイ装置や、音声出力を行うスピーカー、イヤホンジャックなどである。
なお、その他の各部の詳細な説明は図2と同様であるのでここでは省略する。
【0063】
図9は、図8の設定保持手段302が保持する出力設定309のテーブルの一例である。縦軸には出力装置が搭載された車両の「車両状況」と「出力装置種別」を記載し、横軸には「情報種別」を記載し、それらの交差する欄に情報の出力可否条件を「許可=○」、「不可=×」で表記している。なお、縦軸と横軸の各項目は、図3の例と同様なので説明を省略する。
【0064】
図10は、実施例3及び後述の実施例4における出力装置の情報出力処理を併せて示すフローチャートである。
【0065】
出力制御手段303は、操作入力手段304より入力された出力手段310への出力要求を取得する(ステップS1001)。出力装置の種別情報306を取得し(ステップS1002)、車両情報取得手段305から車両状況307を取得する(ステップS1003)。これらの取得した出力装置種別と車両状況をもとに、設定保持手段302に保持される出力設定309を参照し、出力要求された情報の該当する情報種別に対する出力可否条件を読み出す(ステップS1004)。次にユーザによる出力設定変更の有無を調べる(ステップS1005)。実施例3ではユーザ出力設定がないので、ステップS1004で読み出した出力可否条件に基づき、ネットワーク接続手段301で受信した情報を、出力手段310に出力(または出力停止)する(ステップS1007)。
【0066】
本実施例3は、車内ネットワークに接続された出力装置に情報を表示するシステムにおいて、情報を表示する出力装置自身によって情報の出力を制御するものである。その結果、前記実施例1と同様の効果が得られるだけでなく、ネットワーク上の転送データに制限を施す必要がなくなり、データ転送元の装置(例えば車載装置)を簡易な構成にすることができる。
【実施例4】
【0067】
実施例4は、車内ネットワークに接続されたディスプレイなどの出力装置に情報を表示するシステムにおいて、出力装置側で各種情報の出力可否条件を予め保持し、さらにユーザにより出力可否条件を変更して設定できるようにすることで、よりユーザに適した情報出力制御を行うものである。
【0068】
図11は、本発明による出力装置105の他の例(実施例4)を示す構成ブロック図である。前記図8(実施例3)と同様の構成部品については同一符号を付す。
【0069】
設定保持手段302は、出力装置の種別や車両状況に応じた出力設定(出力可否条件)309を予め保持するとともに、ユーザにより設定されたユーザ出力設定311も保持する構成である。すなわち、出力設定309がカーメーカやディーラにより設定されたデフォルト設定であるのに対し、ユーザ出力設定311はユーザにより出力可否条件を変更して設定されたものである。ユーザ出力設定311は、出力設定309に対して変更した箇所のみの情報で良い。
【0070】
ユーザ出力設定311の設定方法は、前記実施例2のユーザ出力設定211の場合と同様でありその説明は省略する。ユーザ出力設定311は、XMLなどの言語で記述され、出力装置種別や車両状況に応じて出力可否条件を設定したもので、前記図9に示すテーブル例のように記述される。
【0071】
実施例4における出力装置の情報出力処理を、前記図10のフローチャートで説明する。ステップS1001からステップS1004までは、前記実施例3と同様であり、説明を省略する。ステップS1004で、デフォルト設定である出力設定309から出力可否条件を読み出した後、設定保持手段302からユーザ出力設定311の有無を調べる(ステップS1005)。実施例4ではユーザ出力設定311が存在するのでこれを読み出し、ステップS1004で読み出したデフォルト出力設定と異なる場合には、ユーザ出力設定311の出力可否条件を優先させて設定する(ステップS1006)。設定した出力可否条件に基づき、ネットワーク接続手段301で受信した情報を、出力手段310に出力(または出力停止)する(ステップS1007)。
【0072】
本実施例4によれば、車内ネットワークに接続された出力装置に情報を表示するシステムにおいて、出力装置自身によって情報の出力を制御するとともに、さらにユーザにより出力可否条件を変更して設定できるようにしたので、前記実施例3と同様の効果が得られるだけでなくユーザの利便性がより向上する。
【実施例5】
【0073】
実施例5は、車内ネットワークに接続されたディスプレイなどの出力装置に情報を表示するシステムにおいて、出力装置側で、出力装置種別と車両状況に応じた各種情報の入力操作受付条件を予め設定しておき、これに従ってユーザからの入力操作を制限し、情報の出力を制御するものである。
【0074】
図12〜図14は本発明の出力装置に係る実施例5の説明図である。
図12は、本発明による出力装置105の他の例(実施例5)を示す構成ブロック図である。前記図8(実施例3)と同様の構成部品については同一符号を付す。
【0075】
設定保持手段302は、出力装置の種別や車両状況に応じた出力設定(出力可否条件)の代わりに、ユーザからの入力操作を制限する受付可否条件を記述した入力操作受付設定312を予め保持する。出力制御手段303は、操作入力手段304にてユーザからの操作入力を受けると、設定保持手段302の保持する入力操作受付設定312に従いユーザの行った操作入力を有効または無効と判断し、出力手段310への情報の出力を制御する。入力操作受付設定312は、XMLなどの言語で記述され、出力装置の種別や車両状況に応じてユーザ操作入力を制限するものであり、カーメーカやディーラによりデフォルト設定されている。
【0076】
図13は、図12の設定保持手段302が保持する入力操作受付設定312のテーブルの一例である。縦軸には出力装置が搭載された車両の「車両状況」を記載し、横軸には「出力装置種別」を記載し、それらの交差する欄に操作の受付可否条件を「許可=○」、「不可=×」、「制限つき許可=△」で表記している。なお、縦軸と横軸の各項目は、図3の例と同様なので説明を省略する。この例では「情報種別」の項目を設けていないが、制限つき許可の条件としてこれを追加しても良い。
【0077】
例えば走行時は運転席からの操作入力は不可とするため×、徐行時なら地図操作に限り操作を許可するので△、停車時ならば制限なしで許可するので○とする。また、車外の出力装置からの操作入力(例えば車内監視カメラ映像の出力要求)は、緊急時以外は乗員のプライバシーを保護するために制限すべきであり△とする。
【0078】
図14は、実施例5及び後述の実施例6における出力装置の入力操作制限処理を併せて示すフローチャートである。
【0079】
出力制御手段303は、操作入力手段304より入力された出力手段310への出力要求を取得する(ステップS1401)。出力装置の種別情報306を取得し(ステップS1402)、車両情報取得手段305から車両状況307を取得する(ステップS1403)。これらの取得した出力装置種別と車両状況をもとに、設定保持手段302に保持される入力操作受付設定312を参照し、出力要求されたユーザの操作に対する受付可否条件を読み出す(ステップS1404)。次にユーザによる入力設定変更の有無を調べる(ステップS1405)。実施例5ではユーザ入力設定がないので、ステップS1404で読み出した受付可否条件に基づき、ステップS1401で操作入力手段304より入力された入力操作を制限(有効または無効化)する(ステップS1407)。それに従い、ネットワーク接続手段301で受信した情報を、出力手段310に出力(または出力停止)する(ステップS1408)。
【0080】
本実施例5によれば、車内ネットワークに接続された出力装置に情報を表示するシステムにおいて、出力装置種別と車両状況に応じた入力操作受付設定を予め保持し、これによりユーザの入力操作を制限することで走行中の入力操作を制限し安全性を向上させることができる。これにより、例えば、通常時は車外から車室内カメラで覗かれることがなくなり乗員のプライバシーの保護を図るとともに、交通事故などの緊急時は車室内カメラを車外の出力装置から確認し救護活動等の対応が可能となる。
【実施例6】
【0081】
実施例6は、車内ネットワークに接続されたディスプレイなどの出力装置に情報を表示するシステムにおいて、出力装置側で入力操作の受付可否条件を予め設定しておき、さらにユーザにより受付可否条件を変更して設定できるようにすることで、よりユーザに適した情報出力制御を行うものである。
【0082】
図15は、本発明による出力装置105の他の例(実施例6)を示す構成ブロック図である。前記図12(実施例5)と同様の構成部品については同一符号を付す。
【0083】
設定保持手段302は、出力装置の種別や車両状況に応じた入力操作受付設定(入力操作受付可否条件)312を予め保持するとともに、ユーザにより設定されたユーザ入力設定313も保持する構成である。すなわち、入力操作受付設定312がカーメーカやディーラにより設定されたデフォルト設定であるのに対し、ユーザ入力設定313はユーザにより受付可否条件を変更して設定されたものである。ユーザ入力設定313は、入力操作受付設定312に対して変更した箇所のみの情報で良い。
【0084】
ユーザ入力設定313の設定方法は、前記実施例2のユーザ出力設定211の場合と同様でありその説明は省略する。ユーザ入力設定313は、XMLなどの言語で記述され、出力装置種別や車両状況に応じて入力操作を制限するもので、前記図13に示すテーブル例のように記述される。
【0085】
実施例6における出力装置の入力操作制限処理を、前記図14のフローチャートで説明する。ステップS1401からステップS1404までは、前記実施例5と同様であり、説明を省略する。ステップS1404で、デフォルト設定である入力操作受付設定312から受付可否条件を読み出した後、設定保持手段302からユーザによる入力設定変更の有無を調べる(ステップS1405)。実施例6ではユーザ入力設定313が存在するのでこれを読み出し、ステップS1404で読み出したデフォルト入力設定と異なる場合には、ユーザ入力設定313の受付可否条件を優先させて設定する(ステップS1406)。設定した受付可否条件に基づき、ステップS1401で操作入力手段304より入力された入力操作を制限(有効または無効化)する(ステップS1407)。それに従い、ネットワーク接続手段301で受信した情報を、出力手段310に出力(または出力停止)する(ステップS1408)。
【0086】
本実施例6によれば、車内ネットワークに接続された出力装置に情報を表示するシステムにおいて、入力操作受付設定を予め保持し、さらにユーザにより受付可否条件を変更して設定できるようにしたので、前記実施例5と同様の効果が得られるだけでなくユーザの利便性がより向上する。例えば、特定の位置に設置された出力装置への入力操作を禁止することにより、幼児等が不用意に操作することによる誤動作を防止することが可能となる。
【0087】
上記各実施例は、単独で用いるだけでなく適宜組み合わせることで種々の変形が可能である。例えば、情報の出力を実施例3の出力設定と実施例5の入力操作受付設定の両方で制御することもできる。また、実施例1の出力設定を、実施例5の入力操作受付設定で置き換えることもできる。また情報の出力を制限する場合、装置の出力部で制限する代わりに装置の入力部で制限しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明による車載装置を適用した車内ネットワークシステムの概念図。
【図2】本発明による車載装置の一例(実施例1)を示す構成ブロック図。
【図3】図2の出力設定210のテーブルの一例。
【図4】実施例1における車載装置の情報出力処理を示すフローチャート。
【図5】実施例1における出力装置の表示例。
【図6】本発明による車載装置の他の例(実施例2)を示す構成ブロック図。
【図7】実施例2における車載装置の情報出力処理を示すフローチャート。
【図8】本発明による出力装置の一例(実施例3)を示す構成ブロック図。
【図9】図8の出力設定309のテーブルの一例。
【図10】実施例3及び実施例4における出力装置の情報出力処理を示すフローチャート。
【図11】本発明による出力装置の他の例(実施例4)を示す構成ブロック図。
【図12】本発明による出力装置の他の例(実施例5)を示す構成ブロック図。
【図13】図12の入力操作受付設定312のテーブルの一例。
【図14】実施例5及び実施例6における出力装置の入力操作制限処理を示すフローチャート。
【図15】本発明による出力装置105の他の例(実施例6)を示す構成ブロック図。
【符号の説明】
【0089】
101…車両
104…車載装置
105…運転席ディスプレイ(出力装置)
106…後席ディスプレイ(出力装置)
201,301…ネットワーク接続手段
202…出力設定保持手段
203…出力情報保持手段
204,303…出力制御手段
205,304…操作入力手段
206,305…車両情報取得手段
207,306…種別情報
208,307…車両状況
209,308…データ種別
210,309…出力設定(出力可否条件)
211,311…ユーザ出力設定
300…車内ネットワーク
302…設定保持手段
310…出力手段
312…入力操作受付設定
313…ユーザ入力設定。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設置された出力装置とネットワーク接続し、要求された情報を該出力装置へ送出して表示させる車載装置において、
上記車両の現在の状態を車両状況として取得する車両情報取得手段と、
予め、出力装置の種別と車両状況に応じて情報種別ごとに出力可否を規定した出力設定テーブルを保持する出力設定保持手段と、
要求された情報を上記出力装置へ送出するか否かを制御する出力制御手段とを有し、
該出力制御手段は、上記出力装置から取得した出力装置の種別を示す種別情報と、上記車両情報取得手段で取得した車両状況を基に、上記出力設定保持手段の出力設定テーブルを参照し、これに従い要求された情報の出力を制御することを特徴とする車載装置。
【請求項2】
請求項1記載の車載装置において、
前記出力設定保持手段には、さらに、ユーザにより情報の出力可否条件を変更して設定されたユーザ出力設定テーブルを保持し、
前記出力制御手段は、該ユーザ出力設定テーブルの条件を優先し、これに従って情報の出力を制御することを特徴とする車載装置。
【請求項3】
車両に搭載され、ネットワークを介して受信した情報を出力手段にて表示する出力装置において、
上記車両の現在の状態を車両状況として取得する車両情報取得手段と、
予め、出力装置の種別と車両状況に応じて情報種別ごとに出力可否を規定した出力設定テーブルを保持する設定保持手段と、
要求された情報を上記出力手段へ出力するか否かを制御する出力制御手段とを有し、
該出力制御手段は、当該出力装置から取得した出力装置の種別を示す種別情報と、上記車両情報取得手段で取得した車両状況を基に、上記設定保持手段の出力設定テーブルを参照し、これに従い要求された情報の出力を制御することを特徴とする出力装置。
【請求項4】
請求項3記載の出力装置において、
前記設定保持手段には、さらに、ユーザにより情報の出力可否条件を変更して設定されたユーザ出力設定テーブルを保持し、
前記出力制御手段は、該ユーザ出力設定テーブルの条件を優先し、これに従って情報の出力を制御することを特徴とする出力装置。
【請求項5】
車両に搭載され、ネットワークを介して受信した情報を出力手段にて表示する出力装置において、
当該出力装置へユーザからの操作を入力する操作入力手段と、
上記車両の現在の状態を車両状況として取得する車両情報取得手段と、
予め、出力装置の種別と車両状況に応じて情報種別ごとに入力操作の受付可否を規定した入力操作受付設定テーブルを保持する設定保持手段と、
要求された情報を上記出力手段へ出力するか否かを制御する出力制御手段とを有し、
該出力制御手段は、当該出力装置から取得した出力装置の種別を示す種別情報と、上記車両情報取得手段で取得した車両状況を基に、上記設定保持手段の入力操作受付設定テーブルを参照し、これに従い上記操作入力手段から入力されたユーザ操作の受付を制限することを特徴とする出力装置。
【請求項6】
請求項5記載の出力装置において、
前記設定保持手段には、さらに、ユーザにより入力操作の受付可否条件を変更して設定されたユーザ入力設定テーブルを保持し、
前記出力制御手段は、該ユーザ入力設定テーブルの条件を優先し、これに従ってユーザ操作の受付を制限することを特徴とする出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−173996(P2008−173996A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−6669(P2007−6669)
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.VICS
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】