説明

転動装置及びその構成部材

【課題】マイクロカプセル化した添加剤が接触面に行きわたると共に、マイクロカプセルが騒音や振動の影響を引き起こすのを防止することができる転動装置及びその構成部材を提供すること。
【解決手段】隣同士が互いに転がり接触又は滑り接触する複数の構成部材1,2,3から成る転がり摺動部を備え、構成部材1,2,3の少なくとも一つの表面に、多数の微細な凹部7が形成されており、この部分に、マイクロカプセルを含有した潤滑剤6を供給している。あるいは、多数の微細な凹部7に、予め、マイクロカプセルを含有した潤滑剤6が塗布されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転がり軸受、リニアガイド装置、ボールねじ、及び直動ベアリング等を含む転動装置及びその構成部材に関し、特に、その潤滑性能の向上を図ったものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電動射出成形機に用いられるボールねじや連続鋳造機に用いられる転がり軸受のような高荷重、低速条件で使用される転動装置においても、高温、高荷重、高速という過酷な条件で使用される場合が多くなっている。また、メンテナンスフリー化の要望も一層強くなっている。このため、上記のような転動装置には、より高性能な潤滑剤が望まれていた。
【0003】
一方、転がり軸受の潤滑においては、接触する金属の二面間の摩擦係数は、用いた潤滑油の絶対粘度、軸受荷重、回転速度に応じて変動する。即ち、摩擦面間に厚い油膜が形成される完全潤滑状態では、金属二面間の接触はほとんど起こらないので、摩擦係数は極めて小さい。
【0004】
しかしながら、部分的に金属接触が生じている混合潤滑状態や油膜が破れて金属接触が生じている境界潤滑状態では、摩擦面に焼け付き等の損傷が生じる恐れがある。そこで、このような損傷を防止するために、潤滑剤には極圧剤、摩擦防止剤等の添加剤が添加されている。そして、このような添加剤は、添加量が多ければ添加効果も高い傾向がある。
【0005】
従来技術として、添加剤を直接、潤滑剤に添加する手法が一般的であるが、添加剤は一般的に化学的活性が強い化合物であるため、潤滑油やグリースに直接添加した場合、転動装置にとって様々な不都合を引き起こす。そこで、特許文献1には、添加剤をマイクロカプセルに内包して潤滑剤に添加する方法が開示されている。
【特許文献1】特開2006−152082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の特許文献1の転動装置においては、添加剤を内包したマイクロカプセルが、構成部材の接触面、つまり負荷圏に十分に入って行かず、添加剤の効果を発揮できない恐れがある。
【0007】
また、潤滑剤にマイクロカプセルが添加されていることにより、ゴミや塵と同様に、音響や振動に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0008】
そこで、本発明は、上述した従来の不具合を解消して、マイクロカプセル化した添加剤が接触面に行きわたると共に、マイクロカプセルが騒音や振動の影響を引き起こすのを防止することができる転動装置及びその構成部材を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するために、本発明は、隣同士が互いに転がり接触又は滑り接触する複数の構成部材から成る転がり摺動部を備えた転動装置において、前記構成部材の少なくとも一つの表面に、多数の微細な凹部が形成されており、この部分に、マイクロカプセルを含有した潤滑剤を供給していることを特徴としている。
【0010】
前記多数の微細な凹部には、予め、マイクロカプセルを含有した潤滑剤が塗布されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によれば、構成部材の表面に形成した多数の微細な凹部に、アンカー効果の作用で、潤滑剤に含有されているマイクロカプセルが保持されるので、構成部材の転がり接触又は滑り接触によってマイクロカプセルが破壊されて添加剤が供給され、十分な潤滑効果を発揮することができる。これに伴って、転動装置の劣化や性能低下、及び焼付きや摩耗が生じるのを抑制することができ、使用寿命を従来より大幅に延長することができる。
【0012】
また、構成部材の多数の微細な凹部に、予め、マイクロカプセルを含有した潤滑剤を塗布して埋設することにより、音響や振動に悪影響が出るのを防止することができると共に、転がり面又は摺動面が摩耗したり、摩擦で高温になった時に、マイクロカプセルが凹部から出て破壊され、添加剤が供給されるので、十分な潤滑効果を発揮することができる。この場合、添加剤は凹部の中でカプセル化されているので、劣化や酸化することなく転がり面又は摺動面に保持されるという効果も奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態を示す深溝玉軸受の軸方向断面図である。
【0015】
本発明の転動装置及びその構成部材について説明するに当たり、図1に示す深溝玉軸受を一実施形態として説明する。
【0016】
同図において、深溝玉軸受は、外周面に軌道面1aを有する内輪1と、軌道面1aに対向する軌道面2aを内周面に有する外輪2と、両軌道面1a,2a間に転動自在に配された複数の転動体である玉3と、内輪1と外輪2との間に複数の玉3を保持する保持器4と、内輪1と外輪2との間の隙間の開口を覆うシール5とを備えている。この実施形態においては、内輪1、外輪2、玉3が構成部材に相当し、これらが転がり摺動部を構成している。なお、保持器4やシール5は、本発明に関しては必ずしも備えていなくても良い。
【0017】
両軌道面1a,2a間に形成され、玉3が配された空間には、添加剤を内包するマイクロカプセルを含有する潤滑剤組成物6が充填されており、両軌道面1a,2aと玉3との間の潤滑が行われるようになっている。
【0018】
構成部材である内輪1、外輪2、玉3の材料としては、軸受に一般的に用いられている高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)やステンレス、セラミックス、樹脂等を用いることができる。金属やセラミックスの場合には、その表面に、レーザ加工、放電加工、エッチング加工、ドリル等を用いた機械加工、等により表面に微細な加工をすることができるので、特に、本発明の転動装置の材料としては好適と言える。
【0019】
上記潤滑剤組成物6は、基油と添加剤とを含有しているが、その添加剤の内の少なくとも一部はマイクロカプセルに内包されて含有されており、マイクロカプセルに内包された添加剤の含有量(マイクロカプセルの壁体の質量は含まない)は潤滑剤組成物6全体の10質量%以上35質量%以下である。
【0020】
なお、潤滑剤組成物6に添加する添加剤の全部をマイクロカプセルに内包させた状態で添加しても良いが、その一部をマイクロカプセルに内包させた状態で添加し、残りを潤滑剤組成物6に直接添加しても良い。また、潤滑剤組成物6は、液体状の潤滑油であっても良いし、半固体状のグリースであっても良い。
【0021】
また、マイクロカプセルを含有した潤滑剤組成物6を充填するのではなく、両軌道面1a,2a表面の凹部に、予め、マイクロカプセルを含有した潤滑剤組成物6を埋設しておいても良い。この場合は、マイクロカプセルが凹部に保持されやすいように、潤滑剤組成物6が半固体状のグリースであることが望ましい。なお、埋設する方法としては、マイクロカプセルを含有するグリースを、構成部材を転がり又は摺動させる前に転がり面又は摺動表面に塗布すれば良い。
【0022】
以下、本実施形態の潤滑剤組成物6について、詳細に説明する。
【0023】
先ず、マイクロカプセルについては、その構成材料は特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の樹脂を含有する樹脂組成物が好ましい。具体例としては、ポリウレタン系樹脂組成物、ポリエステル系樹脂組成物、ポリアミド系樹脂組成物、ポリウレア系樹脂組成物、フェノール系樹脂組成物、ポリビニルアルコール系樹脂組成物、メラミン系樹脂組成物、ポリエチレン系樹脂組成物、セルロース、ゼラチン等が挙げられる。なお、構成材料の種類や粒径等が異なる2種以上のマイクロカプセルを併用しても良い。
【0024】
マイクロカプセルを製造する方法は特に限定されるものではなく、内包物質である添加剤の性質やマイクロカプセルを構成する材料の性質等を考慮して適宜選択される。
【0025】
次に、添加剤について説明する。マイクロカプセルに内包する添加剤の種類は特に限定されるものではなく、一般的に潤滑剤に添加される添加剤を問題なく使用することができる。例えば、極圧剤、摩耗防止剤、酸化防止剤、油性剤、防錆剤、金属腐食防止剤、泡立ち防止剤、着色剤、固体潤滑剤、流動点降下剤、粘度指数向上剤、清浄分散剤が挙げられる。
【0026】
これらの添加剤は、単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。2種以上の添加剤を組み合わせて用いる場合は、1個のマイクロカプセルに複数の添加剤を内包したマイクロカプセルを用いても良い。但し、添加剤同士が化学反応を起こさないことが好ましい。内包する添加剤の種類が異なるマイクロカプセルを複数併用しても良い。
【0027】
また、基油については、その種類は限定されるものではなく、グリースや潤滑油の基油として一般的に使用される基油であれば、使用することができる。但し、基油の40℃における動粘度は、1mm/s以上1500mm/s以下であることが好ましい。1mm/s未満であると蒸発し易いため、潤滑剤組成物の劣化が進行し易く、1500mm/sを越えると基油の剪断抵抗が大きいため、転動装置には適さなくなる。
【0028】
基油の具体例としては、鉱油、合成油及び動植物油等が挙げられる。鉱油としては、減圧蒸留、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精製等を適宜組み合わせて精製した鉱油が好ましい。
【0029】
さらに、増ちょう剤について説明する。潤滑剤組成物がグリースである場合には、増ちょう剤を使用する必要がある。増ちょう剤の種類は特に限定されるものではなく、用途や使用条件に応じて適宜選択することができる。例えば、金属石鹸(金属は、アルミニウム、バリウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム等)や金属複合石鹸(金属はアルミニウム、カルシウム、リチウム等)が挙げられる。また、ウレア化合物(ジウレア、トリウレア、テトラウレア、ポリウレア等)、無機系化合物(シリカゲル、ベントナイト等)、ウレタン化合物、ウレア・ウレタン化合物、ナトリウムテレフタラメート化合物、フッ素樹脂等も使用することができる。
【0030】
また、グリースは、製造過程において、加熱されることが多く、使用時においても連続的に供給されることが少ないので、ある程度の耐熱性が要求される。そのため、基油の40℃における動粘度は、15mm/s以上であることが好ましい。但し、動粘度が1500mm/sを越えると基油の剪断抵抗が大きいため、転動装置には適さなくなる。
【0031】
次に、ショットピーニング処理について説明する。
【0032】
上述したレーザ加工法等の加工法以外に、ショットピーニング処理がある。これは、セラミックスやガラスより成る、略球状をなす2.55〜60.0μm径のショット粉末を、噴射圧力2.0〜10.0kg/cmでエアーと共に噴射し、所望表面に最大粗さRmaxが0.5〜30.0μm未満の多数の微細な凹部を形成するものである。
【0033】
例えば、図2に示すように、上記実施形態の内輪1の軌道面1aにショットピーニング処理を施して、多数の微細な円形(あるいは楕円形)の凹部7を形成することができ、本発明の構成部材においては、これが潤滑剤組成物6の溜り部となる。
【0034】
この時、形成する微細な凹部を任意の形状にするためには、その表面を、任意の形状パターンを設けた金属や樹脂材料で覆うことにより、ショット粉末が表面に衝突しない部分を設けてショットするという方法を用いることができる。例えば、図3に示すように、内輪1等の構成部材を、円形パターン8を形成した樹脂マスク9で覆ってショットすることにより、その表面に、数μm〜数mmの大きさの微小穴10や溝を簡単に形成することができる。
【0035】
このような凹部の形状は、特に限定されないが、微細穴を多数設けることで、接触面での荷重を支えることができ、カプセルが不用意に凹部から出て行くこともないために好ましい。
【0036】
なお、構成部材が樹脂材料の場合には、成形に用いる金型に、予め、レーザ加工、放電加工、エッチング加工、ドリル等を用いた機械加工、等により、微小な凸部を形成しておき、その金型を用いて樹脂を成形することにより、樹脂表面に微小な凹部を形成することができる。
【0037】
本発明の転動装置は、外面に軌道面を有する内方部材と、この内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し、前記内方部材の外方に配置された外方部材と、両軌道面間に転動自在に配置された複数の転動体と、場合によっては、転動体を保持する保持器と、を備えるもので、転がり軸受であることが望ましい。
【0038】
この転がり軸受には、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、円筒ころ軸受、円錐ころ軸受、自動調心ころ軸受等が含まれるが、本発明は、これに限定されず、リニアガイド装置、ボールねじ、直動ベアリング等の直動精機部品等の転動装置にも適用可能である。
【0039】
したがって、前記内方部材とは、転動装置が転がり軸受の場合には内輪、ボールねじの場合には、ねじ軸、リニアガイド装置の場合には案内レール、直動ベアリングの場合には軸である。
【0040】
また、前記外方部材とは、転動装置が転がり軸受の場合には外輪、ボールねじの場合にはナット、リニアガイド装置の場合にはスライダ、直動ベアリングの場合には外筒である。
【0041】
なお、本実施形態は、一例を示したものであって、本発明は、当該実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態のように、一種類の添加剤の組み合わせに限らず、カプセル化された数種の添加剤の内、いくつかを組み合わせたものであっても良い。
【0042】
以下、比較例と実施例から本発明をさらに具体的に説明する。
【0043】
先ず、添加剤を内包したマイクロカプセルを含有したグリースの製造方法の一例について説明する。メラミンをpH8にてメチロール化したものに、内包物である添加剤のジチオリン酸亜鉛(Zn−DTP)と、乳化剤をpH調整剤でpH5に調整したものを加え、ホモジナイザーで攪拌しながら加熱して反応させた。得られた反応生成物をろ過し、水洗及び乾燥してマイクロカプセルを得た。この際、W/OエマルジョンのW分散濃度、攪拌速度、圧力により、マイクロカプセル粒径rを調節した。
【0044】
このようにして得たマイクロカプセルを、基油がポリαオレフィン(40℃における動粘度は47mm/s)であり、増ちょう剤がジウレア化合物であるグリースに分散させて潤滑剤を製造した。本実施例では、グリース含有率は30%とした。
【0045】
任意に選択した転がり軸受(出願人日本精工株式会社の呼び番号6303DD)の外輪軌道面にショットピーニング処理を施した。この際、噴射圧力を変化させてピーニング処理を施し、凹部深さを調整した。そして、上記潤滑剤を調整し、ピーニング処理を施した転がり軸受に、これを1.5g封入した。
【0046】
また、直径0.5mm程の微細な穴を形成した樹脂マスクを用いて、軌道面を覆いショットピーニング処理(マスクショット処理)を施した。これにより、軌道面には、部分的に凹部が作成され、噴射圧力によって深さを調整した。
【0047】
また、マイクロカプセルを含有した上記グリースを、軸受を組み立てる前に予め凹部に塗布する一方、マイクロカプセルを含有していないグリースを封入した転がり軸受も用意した。
【0048】
次に、焼付き寿命試験について説明する。
【0049】
ASDM D1741に規定された軸受寿命試験機に類似した試験機に、上述の転がり軸受を装着し、温度140℃、ラジアル荷重98N、回転速度20000min−1の条件で回転させた。そして、転がり軸受を回転させる駆動モータが過負荷にて停止するか、又は軸受温度が155℃を越えるまでの時間を測定した。1種の転がり軸受につき10個ずつ回転試験を行って、その平均値を焼付き寿命とした。焼付き寿命の数値は、ピーニング処理を施していない軸受の焼付き寿命を1とした場合の相対値で表した。その結果を図4に示している。
【0050】
図4において、比較例2、及び実施例1,2は、マイクロカプセルを含有した潤滑剤を内外輪の周面全域にわたって供給したのに対して、実施例3,4は、マイクロカプセル含有潤滑剤を内外輪の軌道面のみに塗布している。実施例2,4は、上記マスクショット処理を施している。
【0051】
このように、比較例1,2と実施例1〜4を比較することにより、マイクロカプセルを含有したグリースを軸受の潤滑剤として使用するよりは、予めマイクロカプセルを含有したグリースを、ピーニング処理した外輪の軌道面に塗り込んでおいた方が寿命が長くなることが分かる。これは、マイクロカプセルを含有したグリースを、ピーニング処理をしていない軸受の潤滑剤として使用した場合、カプセルが塵やゴミと同様の働きとなり、振動やトルクに悪影響を及ぼすためだと考えられる。
【0052】
本実施形態においては、ショットピーニング処理を施すことにより、軸受の寿命が大幅に延びることが、比較例1,2と実施例1〜4を比較することにより分かる。これは、ショットピーニング処理を施すことにより、軌道面に多数の微細な凹部が形成され、添加剤を内包するマイクロカプセルがその凹部に保持されるようになり、このようにして、マイクロカプセルが転動体と軌道面との間の接触域に存在するので、転動体と軌道面との接触によってマイクロカプセルが割れ、直ちに添加剤が供給されることが原因していると考えられる。
【0053】
また、軌道面全面をショットピーニング処理で凹部を形成するよりは、樹脂マスクを用いたマスクショット処理により、部分的に任意の形状や深さの凹部を形成した方が良い。このように、任意の形状や深さの凹部を部分的に設けることにより、転動体と軌道面は滑らかな面で接触することになり、トルクが低減し安定になる。
【0054】
さらに、形成された凹部内にマイクロカプセルが埋設してあるので、例え、摩耗や損傷が生じても、その際に、転がり接触面又は滑り接触面でマイクロカプセルが割れて添加剤を供給するので、それ以上の摩耗や損傷を防止することができる。この場合、添加剤は凹部の中でカプセル化されているので、劣化や酸化することなく転がり面又は摺動面に保持されるという効果も奏する。
【0055】
本実施形態においては、マスクショット処理を施して表面に部分的に凹部を設けておき、そこに、予めマイクロカプセルを含有したグリースを塗布しておいた実施例4の寿命比は4.1となって、比較例1と比較して略4倍も寿命が長く、最も効果的であることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施形態を示す深溝玉軸受の軸方向断面図である。
【図2】図1の深溝玉軸受の軌道面を示す拡大断面図である。
【図3】図1の深溝玉軸受の軌道面にマスクショット処理を施す状態を示す拡大斜視図である。
【図4】比較例と本発明の実施例の焼付き寿命の比較を示すグラフである。
【符号の説明】
【0057】
1 内輪
1a 内輪軌道面
2 外輪
2a 外輪軌道面
3 玉
4 保持器
5 シール
6 潤滑剤組成物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣同士が互いに転がり接触又は滑り接触する複数の構成部材から成る転がり摺動部を備えた転動装置において、
前記構成部材の少なくとも一つの表面に、多数の微細な凹部が形成されており、この部分に、マイクロカプセルを含有した潤滑剤を供給していることを特徴とする転動装置。
【請求項2】
前記多数の微細な凹部に、予め、マイクロカプセルを含有した潤滑剤が塗布されていることを特徴とする請求項1記載の転動装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の転動装置における前記構成部材であって、その表面に、多数の微細な凹部が形成され、この凹部に、予め、マイクロカプセルを含有した潤滑剤が塗布されていることを特徴とする構成部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−240902(P2008−240902A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−82343(P2007−82343)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】