説明

透明構造体を形成するための着色マスキング

本発明は、支持体を用意し、前記支持体の一方の側に多色マスクを塗布し、該支持体の他方の側に、可視光によって硬化可能な層を塗布し、そして該光硬化性層を該マスクを通して可視光で露光することにより、露光された部分において、硬化されたパターンを形成するように、光によって硬化可能な層を硬化させることを含んで成る積層透明構造体を形成する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的構成部品を形成するのに有用な着色マスキング技法に関する。
【背景技術】
【0002】
比較的大型の基板に適用される、電気的・光学的に活性の材料から成る、正確にパターン化された連続層に依存する数多くの技法がある。この技法を必要とすることのあるよく知られた用途は、電子構成部品、フラットパネル・ディスプレイ、高周波識別(RFID)タグの製造、及び種々の検知用途を含む。
【0003】
パターン化の正確さが求められる理由は、二点ある。先ず第一に、パターン化された構造は、これらの寸法を正確に制御しながら、基板の広い面積全体にわたって再現されなければならない。第二に、これらの構造を有するように形成された製品は、種々異なるが、相互に作用するいくつかのパターン化層から構成されており、これらの層が特定の見当関係にあることが重要である。現在のところ実際には、見当合わせは、前にパターン化された層を有する支持体を受容し、次いで既存のパターンに対して見当が合った状態で新しいパターンを適用できるように、既存のパターンの位置を光学的に又はその他の形式で検出することができる高性能の装置を使用して達成される。剛性ガラス基板を採用して極めて正確に作業を行う場合、温度及び湿度の変動はたとえ小さなものでも、整列誤差を招くのに十分な、既存のパターン又は新しいパターンの歪みを引き起こす。このことは、整列を保証するために、極めて高性能且つ高価な装置を使用することを必要とする。さらに、非剛性支持体が望まれる場合、材料の寸法変動量は見当合わせを極めて困難にする。米国特許出願公開第2006/0063351号明細書には、基板の表側及び裏側に、各レジスト層内部に明確なパターン画像を与えるために同時に活性化することができる1つ又は2つ以上のレジスト層を塗布することが記載されている。予め塗布された基板は、予め整列された一組のマスク間に挿入されるか、或いは、表側と裏側とを同時に露光するために、二波長マスクレス直接レーザー書き込みリソグラフィ・システムが使用される。可撓性基板上に薄膜半導体、誘電体及び導体を堆積させ、そしてパターン化することに関心が高まっている。具体的にはその理由は、これらの支持体は、機械的により頑丈であり、軽量であり、また、ロールツーロール(roll-to-roll)処理を可能にすることにより、より低廉な製造の可能性をもたらすことにある。したがって、いくつかの用途の場合では、最も望ましく最も低廉な基板を、所望のデバイスを製造するのに必要とされる材料とともに使用することができないという状況が生じる。本発明は単純なやり方で高精度のパターニングを容易にし、そして前記問題点を解決する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明により対処される問題点は、種々異なる層内にあるパターン化構造の構造寸法及び見当合わせ及び整列を正確に制御しながら、広い面積全体にわたってパターン化構造を再現することである。加えて、高価な装置又は高価なプロセスを必要としないやり方で、これらの問題を克服することが強く望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、支持体を用意し、前記支持体の一方の側に多色マスクを塗布し、該支持体の他方の側に、可視光によって硬化可能な層を塗布し、そして該光硬化性層を該マスクを通して可視光で露光することにより、露光された部分において、硬化されたパターンを形成するように、光によって硬化可能な層を硬化させることを含んで成る積層透明構造体を形成する方法によって概ね達成される。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、高価な整列装置及び整列方法を必要とすることなしに、整列された層を形成する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の上記及び他の目的、特徴、及び利点は、下記説明及び図面と関連させるとより明らかになる。図面において、図面に共通の同一又は類似の構造を示すために、可能な場合には同一符号が使用されている。
【0008】
【図1】図1は、透明支持体上の青色吸収体のパターンを示す図である。
【図1A】図1Aは、透明支持体上の青色吸収体のパターンを示す図である。
【図2】図2は、透明支持体上の緑色吸収体のパターンを示す図である。
【図2A】図2Aは、透明支持体上の緑色吸収体のパターンを示す図である。
【図3】図3は、透明支持体上の赤色吸収体のパターンを示す図である。
【図3A】図3Aは、透明支持体上の赤色吸収体のパターンを示す図である。
【図4】図4は、多色マスクを形成する支持体材料上の層状構造における個々の色吸収体層を示す図である。
【図4A】図4Aは、多色マスクを形成する支持体材料上の層状構造における個々の色吸収体層を示す図である。
【図5】図5は、多色マスクの青色吸収体パターンと見当合わせされた材料パターンを選択的に形成するプロセスを示す。
【図5A】図5Aは、多色マスクの青色吸収体パターンと見当合わせされた材料パターンを選択的に形成するプロセスを示す。
【図6】図6は、多色マスクの青色吸収体パターンと見当合わせされた材料パターンを選択的に形成するプロセスを示す。
【図6A】図6Aは、多色マスクの青色吸収体パターンと見当合わせされた材料パターンを選択的に形成するプロセスを示す。
【0009】
【図7】図7は、多色マスクの緑色吸収体パターンと見当合わせされた材料パターンを選択的に形成するプロセスを示す。
【図7A】図7Aは、多色マスクの緑色吸収体パターンと見当合わせされた材料パターンを選択的に形成するプロセスを示す。
【図8】図8は、多色マスクの緑色吸収体パターンと見当合わせされた材料パターンを選択的に形成するプロセスを示す。
【図8A】図8Aは、多色マスクの緑色吸収体パターンと見当合わせされた材料パターンを選択的に形成するプロセスを示す。
【図9】図9は、多色マスクの赤色吸収体パターンと見当合わせされた材料パターンを選択的に形成するプロセスを示す。
【図9A】図9Aは、多色マスクの赤色吸収体パターンと見当合わせされた材料パターンを選択的に形成するプロセスを示す。
【図10】図10は、多色マスクの赤色吸収体パターンと見当合わせされた材料パターンを選択的に形成するプロセスを示す。
【図10A】図10Aは、多色マスクの赤色吸収体パターンと見当合わせされた材料パターンを選択的に形成するプロセスを示す。
【図11】図11は、多色マスクを通る露光用光の色を変化させることにより、3つの異なるパターン化構造が選択的に形成されるプロセスを示す。
【図11A】図11Aは、多色マスクを通る露光用光の色を変化させることにより、3つの異なるパターン化構造が選択的に形成されるプロセスを示す。
【図12】図12は、多色マスクを通る露光用光の色を変化させることにより、3つの異なるパターン化構造が選択的に形成されるプロセスを示す。
【図12A】図12Aは、多色マスクを通る露光用光の色を変化させることにより、3つの異なるパターン化構造が選択的に形成されるプロセスを示す。
【図13】図13は、多色マスクを通る露光用光の色を変化させることにより、3つの異なるパターン化構造が選択的に形成されるプロセスを示す。
【図13A】図13Sは、多色マスクを通る露光用光の色を変化させることにより、3つの異なるパターン化構造が選択的に形成されるプロセスを示す。
【0010】
【図14】図14は、多色マスクを通る露光用光の色を変化させることにより、3つの異なるパターン化構造が選択的に形成されるプロセスを示す。
【図14A】図14Aは、多色マスクを通る露光用光の色を変化させることにより、3つの異なるパターン化構造が選択的に形成されるプロセスを示す。
【図15】図15は、多色マスクを使用したリフトオフ・パターン化法の一例を示す図である。
【図15A】図15Aは、多色マスクを使用したリフトオフ・パターン化法の一例を示す図である。
【図16】図16は、多色マスクを使用したリフトオフ・パターン化法の一例を示す図である。
【図16A】図16Aは、多色マスクを使用したリフトオフ・パターン化法の一例を示す図である。
【図17】図17は、多色マスクを使用したリフトオフ・パターン化法の一例を示す図である。
【図17A】図17Aは、多色マスクを使用したリフトオフ・パターン化法の一例を示す図である。
【図18】図18は、多色マスクを使用した選択的エッチング・パターン化法の一例を示す図である。
【図18A】図18Aは、多色マスクを使用した選択的エッチング・パターン化法の一例を示す図である。
【図19】図19は、多色マスクを使用した選択的エッチング・パターン化法の一例を示す図である。
【図19A】図19Aは、多色マスクを使用した選択的エッチング・パターン化法の一例を示す図である。
【図20】図20は、多色マスクを使用した選択的エッチング・パターン化法の一例を示す図である。
【図20A】図20Aは、多色マスクを使用した選択的エッチング・パターン化法の一例を示す図である。
【0011】
【図21】図21は、多色マスクを使用した選択的堆積パターン化法を示す図である。
【図21A】図21Aは、多色マスクを使用した選択的堆積パターン化法を示す図である。
【図22】図22は、多色マスクを使用した選択的堆積パターン化法を示す図である。
【図22A】図22Aは、多色マスクを使用した選択的堆積パターン化法を示す図である。
【図23】図23は、多色マスクを使用した選択的堆積パターン化法を示す図である。
【図23A】図23Aは、多色マスクを使用した選択的堆積パターン化法を示す図である。
【図24】図24は、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図24A】図24Aは、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図25】図25は、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図25A】図25Aは、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図26】図26は、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図26A】図26Aは、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図27】図27は、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図27A】図27Aは、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【0012】
【図28】図28は、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図28A】図28Aは、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図29】図29は、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図29A】図29Aは、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図30】図30は、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図30A】図30Aは、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図31】図31は、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図31A】図31Aは、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図32】図32は、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図32A】図32Aは、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図33】図33は、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図33A】図33Aは、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【0013】
【図34】図34は、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図34A】図34Aは、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図35】図35は、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図35A】図35Aは、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図36】図36は、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図36A】図36Aは、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図37】図37は、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図37A】図37Aは、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図38】図38は、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【図38A】図38Aは、透明構成部品及び多色マスクを使用して多層電子デバイスを形成するための、露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[定義]
理解しやすさのために、本明細書に使用される下記用語を、以下により詳細に説明する。
本明細書中に使用される、本発明の物品に適用される「裏側」という用語は、支持体の、多色マスクを保持する側であり;本明細書中に使用される「表側」という用語は、支持体の、マスク保持側とは反対の側を意味する。
「鉛直方向」とは、基板表面に対して実質的に垂直であることを意味する。
【0015】
「透明」とは一般に、電磁スペクトルの可視部分(及び/又は所定の変形では赤外部分)内のほとんどの光量を吸収しない材料又は構造を意味する。本発明において、材料の透明性は、特定のプロセス工程において使用される光の色のみに関連する。透明とは、基準光の少なくとも65%がその部材を通過することを意味する。
【0016】
「ポジティブ」とは、フォトマスクの色部分の上方の領域内に材料を有するパターンを意味する。
「ネガティブ」とは、フォトマスクの透明部分の上方の領域内に材料を有するパターンを意味する。
【0017】
「多色マスク」とは、パターン化構造内に、鉛直方向に整列された色吸収層の集合を意味する。
【0018】
薄膜トランジスタ(TFT)は、本発明のパターン化法から利益を得ることができる好適な電子素子である。次の3つの定義は薄膜トランジスタを具体的に表す。
【0019】
薄膜トランジスタ内の層に関連して、本明細書に使用される「上」、「上方」、及び「下」などという用語は、支持体を基準として層の順序を意味するが、しかし、これらの層がすぐに隣接していること、又は中間層が存在しないことを必ずしも示さない。
【0020】
「ゲート」は、トランジスタ回路形態との関連において使用されるときには、三端子FETの絶縁ゲート端子を意味する。
【0021】
前記用語の説明は、読者を補助するためにのみ提供されるものであり、当業者によって理解されるものより狭い範囲を有するものとして、又は添付の特許請求の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0022】
[発明の説明]
本発明の方法は、固定された鉛直方向の見当状態を有するパターン化層を含有する任意の種々の多層構造を生成するために用いることができる。この方法は従って、導体、インダクタ、キャパシタ、トランジスタ、ダイオード、フォトダイオード、発光ダイオード、及びその他の電子又は光電子構成部品として機能するように構成することができるモノリシック集積構造を製造することができる。さらに、パターン化技法は、有用な電子回路を製造するように配列された多数のこれらのデバイスを同時に製造するために用いることもできる。
【0023】
図面及び下記説明は、本発明のマスキング・スキームを示す。この説明の例は、異なる色吸収材料から構成された3つのマスキング層を使用し、そして着色光に対して感光性を有する3種の硬化性材料を、透明機能性層をパターン化するために使用する。
【0024】
露光のために使用される光はパンクロマティック光又は着色光となることができる。パンクロマティック光は、所与の波長範囲全体にわたって均一のスペクトル強度を有する光を意味する。光をパンクロマティック光と考えるためには、所与のスペクトル領域内の最大強度に対する最小強度の比が60%超、好ましくは80%超であるべきである。着色光は一般に、或る特定のスペクトル領域における高い強度と、他のスペクトル領域におけるより低い強度とを有する光を意味する。光を着色光として考えるためには、所与のスペクトル領域全体にわたって最大強度に対する最小強度の比が、20%未満、好ましくは10%未満であるべきである。
【0025】
ここで図面を参照すると、図1、2及び3は、3つのマスク層のパターンを示している。図1及び1Aは、透明支持体(12)上の青色吸収体(14)のパターンとして第1マスク層のパターンを示す。図2及び2Aは、透明支持体(12)上の緑色吸収体(18)のパターンとして第2マスク層のパターンを示す。図3及び3Aは、透明支持体(12)上の赤色吸収体(16)のパターンとして第3マスク層のパターンを示す。図4及び4Aは、多色マスク(10)を形成する、支持体上の層状構造内の個々の色吸収体層(14,16,18)から構成された物品11を示す。本発明の重要な観点は、多色マスクが1つの構造内に、当該システムのためのパターン化情報のうちのほとんど又は全てを色コード化形態で有することである。このことが重要なのは、支持体(12)を含む物品全体が、支持体の寸法の変動(例えば収縮又は熱膨張)を必然的に招く、製作・塗布工程中の変化する温度、圧力、溶剤及び湿度による処理に曝される場合があるからである。ウェブ搬送システムは支持体に応力を加え、寸法不安定性も招く。実際、最低のコスト及び潜在的に最も低廉な支持体材料は、より大きい規模の寸法不安定性を有しやすい。例えば、ポリエステル・フィルムは1℃当たりの熱膨張率が0.0018%であるので、5℃変化すると、1メートルにわたって90μmの寸法変化をもたらすことになる。多色マスク要素(10)が提供される場合、湿潤膨張及び熱膨張の効果は、累積的且つ壊滅的な整列誤差をもたらさないで済む。単に、パターン化情報は、支持体に取り付けられた色吸収層内に含有されているだけであり、従って、支持体が収縮又は膨張する際に、固定された鉛直方向の整列状態にとどまり、支持体寸法変化による影響を受けることはない。
【0026】
図5〜10Aは、多色マスク(10)の特定の色吸収体パターンと見当合わせされた硬化性材料パターンを選択的に形成するためのプロセスを示している。形成されるべき特定のパターンは、光硬化性被膜の感度分布を調節することにより選択される。青、緑、又は赤光に対する感光性を有する光硬化性被膜が、多色マスク上に塗布される。この光硬化性被膜は、多色マスクを通して光線で露光される。多色マスクの色吸収体は、照明光を選択的に透過させ、これにより、硬化性被膜を着色光パターンに露光させる。例えば、シアン・マスクは赤光を吸収するのに対して、青及び緑光を透過させる。同様に、マゼンタ・マスクは緑光を吸収するのに対して、赤及び青光を透過させ、そしてイエロー・マスクは青光を吸収するのに対して、赤及び緑光を透過させる。こうして、このような個々のマスクの特性を組み合わせることにより、選択的に透過される光のパターンを提供するように多色マスクを形成することができる。光硬化性被膜の感度分布は理想的には、多色マスク(10)内に使用される色吸収材料のうちの1材料の吸収スペクトル内部に完全に含まれ、そして多色マスク(10)内の他の色吸収材料の吸収スペクトルから完全に分離されている。本発明の好ましい態様の場合、光硬化性被膜は、重合性化合物と、着色光の特定波長に対してのみ応答する光開始剤とを含有する。被膜がそれに対して感光する着色光を吸収すると、光開始剤によって光重合反応が始まる。光硬化性被膜は、追加の成分を含有してよく、これらの成分の一例としては、高分子バインダー、充填剤、顔料、界面活性剤、付着改質剤、抗酸化剤、共開始剤、及び連鎖移動剤などが挙げられる。光硬化性被膜の感度分布を修正するための1つの好都合な方法は、光開始剤の独自性を用いるものである。照明光のスペクトル分布は、色吸収材料の望ましくない吸収及び/又は光硬化性材料の望ましくない感光性からの影響を最小限にするように具体的に選択することができる。露光後、光硬化性材料の硬化されていない領域が現像工程において除去される。このことは例えば、適合可能な溶剤を用いて達成することができる。
【0027】
図5〜6Aは、多色マスクの青色吸収体パターンと見当合わせされた材料パターンを選択的に形成するためのプロセスを示している。図5及び5Aをここで参照すると、青硬化性被膜(22)を塗布され、そして青光を含有する光源で露光された多色マスク(10)が示されている。この光源は白色光源であってよい。図6及び6Aは、図5の露光された青硬化性被膜が現像された後、多色マスク(10)の青色吸収体パターン(14)と見当合わせされた青硬化された材料パターン(24)を形成する、結果としての構造を示している。
【0028】
図7〜8Aは、多色マスクの緑色吸収体パターンと見当合わせされた材料パターンを選択的に形成するためのプロセスを示している。図7及び7Aは、緑硬化性被膜(30)を塗布され、そして緑光を含有する光源で露光された多色マスク(10)が示されている。この光源は白色光源であってよい。図8及び8Aは、図7の露光された緑硬化性被膜が現像された後、多色マスク(10)の緑色吸収体パターン(18)と見当合わせされた緑硬化された材料パターン(32)を形成する、結果としての構造を示している。
【0029】
図9〜10Aは、多色マスクの赤色吸収体パターンと見当合わせされた材料のパターンを選択的に形成するためのプロセスを示している。図9及び9Aは、赤硬化性被膜(38)を塗布され、そして赤光を含有する光源で露光された多色マスク(10)が示されている。この光源は白色光源であってよい。図10及び10Aは、図9の露光された赤硬化性被膜が現像された後、多色マスク(10)の赤色吸収体パターン(16)と見当合わせされた赤硬化された材料(40)のパターンを形成する、結果としての構造を示している。
【0030】
図11〜14Aは、多色マスクを通る露光用の光の色を変化させ、パンクロマティック光で硬化可能な被膜(49)を採用することにより、3つの異なるパターン化構造が選択的に形成されるプロセスを示す。例えば重合性化合物と、赤、緑、及び青に対して応答する光開始剤の混合物とを含有するパン硬化性被膜を調製することができる。パン硬化性被膜を本発明と使用する場合、形成されるべき特定パターンは、露光用の光のスペクトル・エネルギー分布を調節することによって選択される。従って、意図されたパターンのための色吸収材料の吸収スペクトルは、露光用の光の波長に整合するべきである。図11及び11Aは、パンクロマティック光(44)で硬化可能な被膜を塗布された多色マスク(10)を示す。
【0031】
図12〜12Aは、図11のパンクロマティック光で硬化可能な被膜(44)が青光で露光され現像された後、多色マスク(10)の青色吸収体パターン(14)と見当合わせされた硬化されたパン硬化性材料パターン(46)を形成する、結果としての構造を示している。
【0032】
図13〜13Aは、図11のパンクロマティック光で硬化可能な被膜(44)が緑光で露光され現像された後、多色マスク(10)の緑色吸収体パターン(18)と見当合わせされた硬化されたパン硬化性材料パターン(46)を形成する、結果としての構造を示している。
【0033】
図14〜14Aは、図11のパンクロマティック光で硬化可能な被膜(44)が赤光で露光され現像された後、多色マスク(10)の赤色吸収体パターン(16)と見当合わせされた硬化されたパン硬化性材料パターン(46)を形成する、結果としての構造を示している。図12〜14Aに示されたパターンの組み合わせが、単に露光用光の色を調整するだけで可能であることは容易に理解できる(すなわち、青光+緑光による露光は、図12及び13に示した両方の陰影領域を硬化させることになる)。
【0034】
本発明の重要な観点は、表側に、整列された機能性材料パターンを形成するために、多色マスクの色パターンのうちの1つを使用できることである。この表側パターン化を生じさせるためには数多くの方法を使用することができる。従って、機能性材料及び光硬化性材料の両方が多色マスクに適用され、そして着色光を使用してパターン化される。使用することができる一般的なクラスの機能性材料は、導体、誘電体又は絶縁体、及び半導体を含む。照明光のスペクトル分布は、前に適用されパターン化された全ての層の透過率によって変調される。これを論じる目的で、多色マスク(10)は、光硬化性被膜を除くパターン化構造の全ての色吸収部分を含むものとして定義される。上で説明し図5〜14を用いて例示した着色光硬化プロセスは、硬化された材料の透過度、溶解度、粘着性、機械強度、表面反応性、及び屈折率を変化させるので、これらの特性は、逐次的な製作工程で活用することができる。本発明を用いた機能的・電子的材料をパターン化するための特に有用な方法は、リフトオフ法、選択的エッチング法、及び選択的堆積法と呼ばれる。
【0035】
図15〜17Aは、リフトオフ・パターン化法を用いたこのシステムの作業を示している。図15及び15Aは、緑色吸収体パターン(18)と見当合わせされた硬化された材料パターン(46)とともに、多色マスク(10)を示す。図16及び16Aをここで参照すると、透明機能性材料(48)の均一被膜が、硬化された材料パターン(46)全体にわたって適用されている。図17及び17Aは、硬化された材料(46)及び硬化された材料の上に位置する透明機能性材料部分が除去されるときの、リフトオフ手順の最終工程を示している。これは、例えば機能性材料の下に残された硬化された材料を選択的に攻撃する材料で試料を処理することにより達成される。これにより、もともと光硬化された材料がなかったところに機能性層が残る。
【0036】
図18〜20は、選択的エッチング・パターン化法を用いたこのシステムの作業を示している。図18及び18Aは、緑色吸収体パターン(18)と見当合わせされた硬化された材料パターン(46)の下側の透明機能性材料(48)の均一被膜とともに、多色マスク(10)を示す。図19及び19Aは、透明機能性材料の露光された部分がエッチング・プロセスにおいて除去された後に続く工程を示す。試料は、機能性層を攻撃又は溶解する材料に曝される。硬化された材料パターン(46)によって保護された透明機能性材料領域は、このエッチング工程では除去されない。透明機能性材料(48)のパターンは、硬化された材料パターン(46)と見当合わせされ、そしてまた緑色吸収体パターン(18)とも見当合わせされている。図20及び20Aをここで参照すると、硬化された材料パターン(46)が除去された後の結果としての構造が示されている。このことは、例えば適合可能な溶剤又は酸素プラズマによる処理によって達成することができる。
【0037】
図21〜23Aは、選択的堆積パターン化法を用いたこのシステムの作業を示している。材料が或る特定の領域内にだけ選択的に堆積するように作業するために、液体及び蒸気相双方の化学物質供給を採用する数多くの堆積法を調整することができる。例えば、図21及び21Aは、緑色吸収体パターン(18)と見当合わせされた硬化された材料パターン(46)とともに多色マスク(10)を示す。、図22及び22Aは、硬化された材料パターン(46)によって覆われていない支持体領域(12)上に透明機能性材料(48)が選択的に堆積された後に続く工程を示している。図23及び23Aをここで参照すると、残りの硬化された材料を攻撃するために全体を処理することによって硬化された材料パターン(46)が除去される後続の工程が示されている。透明機能性材料パターン(48)は、緑色吸収体パターン(18)と見当合わせされる。
【0038】
図24〜38Aは、図38及び38Aに示すような多層電子デバイスの構造を可能にする露光、処理、及び堆積工程の可能な順序を示す。
【0039】
図24〜28Aは、青硬化性塗布及び選択的エッチング法を用いた、電子デバイスの第1透明層のための塗布工程及びパターン化工程を示す。図24及び図24Aは、第1透明機能性材料(20)を塗布された多色マスク(10)を示す。例えば、機能性材料(20)は、透明導電性酸化物材料、例えばITO又はアルミニウム・ドープ型ZnOであってよい。図25及び図25Aをここで参照すると、後続の工程が示されている。青硬化性材料(22)が前の構造上に適用され、青光を含有する光源で露光される。この構造内に描かれた硬化性被膜は青光に対してだけ感光性であるので、光源は白色光源、又は青光を含有する着色光源であってよい。図26及び26Aをここで参照すると、露光された青硬化性被膜が現像された後、多色マスク(10)の青色吸収体パターン(14)と見当合わせされた青硬化された材料パターン(24)を形成する、結果としての構造を示している。図27及び27Aはエッチング工程を示しており、このエッチング工程では、透明機能性材料の露光された部分(20)が、例えば酸浴内で除去され、多色マスク(10)の青色吸収体パターン(14)に対して見当合わせされた透明機能性材料パターン(26)を形成する。図28及び28Aは、青硬化された材料パターン(24)が例えば酸素プラズマ処理を用いて除去された後の、図27の構造を示す。
【0040】
図29〜33Aは、選択的エッチング法による緑硬化性塗布を用いた、電子デバイスの第2透明層のための塗布工程及びパターン化工程を示す。或いは、第2透明層は、選択的堆積法、リフトオフ法、又は光硬化法によって堆積させることもできる。図29及び図29Aは、透明機能性材料(28)の均一層を塗布された第1パターン化透明層を含む、多色マスク(10)を示す。例えば、この材料は誘電材料、例えば酸化アルミニウム、或いは半導体層、例えば酸化亜鉛であってもよい。この材料は、電気的機能性材料を形成するためのアニール工程において変換される誘電又は半導体層前駆体であってもよい。複数の透明機能性層を場合によってはこの工程で塗布することもできる。例えば、誘電材料から成る透明被膜が先ず適用され、そして半導体材料から成る第2の透明被膜が続いて適用されてもよい。図30及び30Aをここで参照すると、後続の工程が示されている。緑硬化性材料(30)が、図29に描かれた前の構造上に適用され、緑光を含有する光源で露光される。この構造内に描かれた硬化性被膜は緑光に対してだけ感光性であるので、光源は白色光源、又は緑光を含有する着色光源であってよい。図31及び31Aは、図30の露光された緑硬化性材料(30)が現像された後、多色マスク(10)の緑色吸収体パターン(18)と見当合わせされた緑硬化された材料パターン(32)を形成する、結果としての構造を示している。
【0041】
図32及び32Aをここで参照すると、透明機能性材料(28)の露光された部分がエッチング工程で除去された後、多色マスク(10)の緑色吸収体パターン(18)に対して見当合わせされた透明機能性材料パターン(34)を形成する、図31の構造が示されている。図33及び33Aは、緑硬化された材料パターン(32)が例えば酸素プラズマ処理を用いて除去された後の、図32の構造を示す。
【0042】
図34〜38Aは、選択的エッチング法による赤硬化性塗布を用いた、電子デバイスの第3透明層のための塗布工程及びパターン化工程を示す。或いは、第3透明層は、選択的堆積法、リフトオフ法、又は光硬化法によってパターン化することもできる。図34及び図34Aは、透明機能性材料(36)の均一層を塗布された第1及び第2パターン化透明層を含む、多色マスク(10)を示す。例えば、この材料は、銀ナノ粒子層であってもよい。図35及び35Aをここで参照すると、後続の工程が示されている。赤硬化性材料(38)が、図34及び図34Aに描かれた前の構造上に適用され、赤光を含有する光源で露光される。この構造内に描かれた硬化性被膜は赤光に対してだけ感光性であるので、光源は白色光源、又は赤光を含有する着色光源であってよい。図36及び36Aは、図35の露光された赤硬化性材料(38)が現像された後、多色マスク(10)の赤色吸収体パターン(16)と見当合わせされた赤硬化された材料パターン(40)を形成する、結果としての構造を示している。図37及び37Aをここで参照すると、透明機能性材料(36)の露光された部分がエッチング工程で除去された後、多色マスク(10)の赤色吸収体パターン(16)に対して見当合わせされた透明機能性材料パターン(42)を形成する、図36の構造が示されている。図38及び38Aは、赤硬化された材料パターン(40)が除去された後の図37の構造を示す。この多層構造において、透明機能性材料(26)のパターンは、多色マスク(10)の青色吸収体パターン(14)に対して見当合わせされている。透明機能性材料(34)のパターンは、多色マスク(10)の緑色吸収体パターン(18)に対して見当合わせされている。透明機能性材料(42)のパターンは、多色マスク(10)の赤色吸収体パターン(16)に対して見当合わせされている。
【0043】
マスク生成
本発明の重要な観点は、システムのためのパターン化情報のうちのほとんど又は全てを1つの構造内に含有する多色マスクである。この多色マスクは、予想される用途にとって十分な精度及び見当を有する所期の色を含有する画像を生成する任意の方法によって発生させることができる。
【0044】
多色マスク内の種々異なる色吸収体は、多くの方法によって順次又は同時に堆積させてパターン化することができる。多色マスクを生成する1つの方法は、適当なスペクトル品質を有する色素又は顔料を含有するインクを使用してマスクに印刷を施すことである。印刷に使用されるインクは、典型的にはビヒクル又は溶剤、バインダー、及び界面活性剤とともに着色剤材料を含む任意の一般的な配合物から成ることができる。このような多色印刷システムの例は、インクジェット印刷、グラビア印刷、フレキソグラフィ、オフセット平版印刷、スクリーン又はステンシル印刷、及びレリーフ印刷である。支持体上に種々異なる色吸収層を生成するために、カラー・サーモグラフィ印刷を用いることができる。支持体上に種々異なる色吸収層を生成するために、サーモクロマティック化合物、漂白可能な色素、熱分解可能な化合物、及び化学色形成剤を使用することができる。種々異なる色吸収体は、供与体シートからレーザー又は熱転写法を用いて支持体に適用することができる。或いは、色吸収パターンは、アブレーション記録法によって支持体上に生成することもできる。
【0045】
特に有用な色吸収体は、選択された可視帯部分に最大吸収率を有し、そして残りの部分に最大透過率を有する材料である。いわゆるブロック・タイプの色素及びカットオフ・フィルタ材料が、多色マスクにおける使用にとって理想的である。種々異なる色吸収体は、任意の好都合な順序で適用されるか、又はバインダー中に分散されて単一の層の形で適用されてよい。色吸収材料が適用される前に、支持体の裏側に、色吸収材料のための受容層を任意選択的に塗布することができる。
【0046】
多色マスク内の種々異なる色吸収体は、例えば色素を含有する光硬化性被膜、例えば顔料又は色素を含有するフォトレジストを使用してフォトリソグラフィ法によって形成することができる。
【0047】
主基板上に後続の複製のために再使用可能なマスター画像を生成することが特に好都合であり、しかもコスト効率がよい。このような態様の場合、極めて高い精度及び分解能を有するマスター・マスク画像が生成される。このことは、上記技法のうちのいずれかによって達成することができる。好ましくは、このことは、極めて高品質のマスター画像が生成されるのを可能にするフォトリソグラフィ法で行われることになる。色吸収層間に高精度の鉛直方向の整列を達成するために、剛性の透明基板上にマスター画像を生成することが好ましい場合もある。マスター色画像内の色情報は、カラー複製法又はカラー複写法を用いて主基板上に再現することができる。ネガ型複製法の場合、マスター色画像は、多色マスクのネガティブ複写として提供されることになる。
【0048】
広い面積の電子デバイスを製作するための伝統的なフォトリソグラフィ法の場合、極めて広い面積にわたって優れた整列が行われなければならない。上記マスター複製方法の場合、マスターはこれよりもかなり小さく、ひいてはより製作しやすいが、しかし次いで、より広い面積を覆うように最終基板上に複製パターンを成して複製されることがある。このようなステッピング法は、コンベンショナルなフォトリソグラフィ・プロセスにおいて個々のマスク層のために用いられるものの、そのようなプロセスの場合、このステッピング動作内で優れた整列が依然として必要とされる。本発明の方法の場合、個々の複製の位置にはかなりの許容差が存在することが可能である。それというのも、それぞれが多層パターンのための所要情報全てを含有することになるからである。
【0049】
マスター色画像を再現するために、感光性材料を採用する色画像捕捉法を用いることができる。感光性層は、多色光パターンを捕捉し、続いて色パターンを生成するように処理又は現像されることが可能な任意の材料集合から成っていてよい。このような多色画像捕捉材料の例は、カラーネガティブ写真画像形成層、カラーリバーサル写真画像形成層、カラーフォトサーモグラフィ画像形成層、サイカラー(Cycolor)画像形成層、及び拡散転写カラー写真画像形成層、例えばカラーインスタント・フィルム、及びカラーピクトログラフィ(Pictrography)・フィルムである。或いは、カラー複製又は複写法、例えばカラー・エレクトロフォトグラフィを用いて主基板上にマスター色画像が再現されてもよい。
【0050】
多色マスクは、別個の材料ロール上に生成し、次いで基板の裏側にラミネートすることができる。好ましくはラミネーションは、基板に近いマスクの画像側で、マスク画像がアクティブ・デバイスとなるものの基板の上側にできる限り近接するように薄い接着系を使用して行われる。
【0051】
多色マスクの色吸収層上に主支持層を直接に塗布することが、光学的考慮事項にとって特に有利である場合がある。この態様の場合、色吸収層は、キャリヤ支持ロール上にパターン化することもでき、次いで主支持体を、色吸収層上に直接に流延することもできる。こうして、マスク画像は、アクティブ・デバイスとなるものの基板の上側にできる限り近接する。
【0052】
或いは、色吸収層を別個の材料(供与体)ロール上にパターン化することができ、次いで、色吸収層の全てを供与体ロールから主基板上に単一工程で転写することもできる。
【0053】
[光硬化性ポリマー層]
多くのポリマーは露光を施すことによってそれらの特性を変化させ、ひいては光硬化性層として有用にすることができる。多くの典型的な感光性ポリマーはUV及び遠UV線に対してのみ感光性である。好ましくは、本発明のための硬化性材料は、可視光に対して感光性にされる。
【0054】
可視光によって活性化される種々の光重合系が開発されている。UV硬化性材料及び可視光硬化性材料に関する有用な議論は、“Photoreactive Polymers: The Science and Technology of Resists”、A. Reiser, Wiely-Interscience, John Wiley & Sons, 1989, pp. 102-129に見いだすことができる。Faridの米国特許第4,859,572号明細書には、有機成分を硬化させ、そして画像パターンを生成するために可視光を使用することに依存する写真画像形成系が記載されている。この参考文献には、本発明の硬化性層内に使用するための好適な可視光感光性光開始剤、モノマー、及び被膜調製ガイドラインが記載されている。
【0055】
光重合開始剤と一緒に重合性化合物を使用することによって、可視光に対する感光性を得ることができる。本発明の好ましい態様において、感光性レジストは、少なくとも1つの、好ましくは2つ又は3つ以上のエチレン系不飽和型結合を末端に有する化合物の中から選択された重合性化合物を含有する。このような化合物は当業者によく知られており、そして本発明において特定の制限なしに使用することができる。このような化合物は例えばモノマー、プレポリマー、すなわちダイマー、トリマー、及びオリゴマー、又はこれらの混合物及びコポリマーの化学形態を有する。モノマー及びこれらのコポリマーの例として、不飽和型カルボン酸(例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸;クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)、及びこれらのエステル及びアミドを挙げることができ、そして好ましくは不飽和型カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、及び不飽和型カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドが使用される。加えて、求核置換基、例えばヒドロキシル基、アミノ基及びメルカプト基を有する不飽和型カルボン酸エステル及びアミドと、単官能価又は多官能価イソシアネート及びエポキシとの付加反応生成物、及びこれらの化合物と、単官能価又は多官能価カルボン酸との脱水縮合反応生成物も好ましく使用される。求電子置換基、例えばイソシアナト基及びエポキシ基を有する不飽和型カルボン酸エステル及びアミドと、単官能価又は多官能価アルコール、アミン及びチオールとの付加反応生成物、並びに、放出可能な置換基、例えばハロゲン基及びトシルオキシ基を有する不飽和型カルボン酸エステル及びアミドと、単官能価又は多官能価アルコール、アミン及びチオールとの置換反応生成物も好ましく使用される。別の例としては、上記不飽和型カルボン酸の代わりに、不飽和型ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテルなどと置換された化合物を使用することも可能である。
【0056】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和型カルボン酸とのエステルモノマーの具体例は、アクリレートとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンチリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリトリトールジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールジアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマーなどを含む。メタクリレートの例としては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリトリトールジメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリトリトールジメタクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、及びビス[p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシ−プロポキシ)フェニル]ジメチルメタン、ビス[p−(メタクリルオキシエトキシ)−フェニル]ジメチルメタンが挙げられる。イタコネートの例としては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリトリトールジイタコネート、及びスルボトールテトライタコネートが挙げられる。クロトネートの例としては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリトリトールジクロトネート、及びソルビトールテトラジクロトネートが挙げられる。イソクロトネートの例としては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリトリトールジイソクロトネート、及びソルビトールテトライソクロトネートが挙げられる。マレエートの例としては、エチレングリコールジマレエート、トリエチレングリコールジマレエート、ペンタエリトリトールジマレエート、及びソルビトールテトラマレエートが挙げられる。上記エステルモノマーの混合物を使用することもできる。さらに、脂肪族多価アミン化合物と不飽和型カルボン酸とのアミド・モノマーの具体例は、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリス−アクリルアミド、キシリレンビス−アクリルアミド、及びキシリレンビス−メタクリルアミドを含む。
【0057】
さらに、イソシアネートとヒドロキシル基との付加反応によって得られるウレタン系付加重合性化合物も、本発明において好ましく使用される。具体例は、2つ又は3つ以上の重合可能なビニル基を1分子中に有するビニルウレタン化合物である。この化合物は、2つ又は3つ以上のイソシアネート基を1分子中に有するポリイソシアネート化合物に、下記式(V)によって表されるヒドロキシル基を有するビニルモノマーを付加することにより得られる:
【0058】
CH2=C(R)COOCH2CH(R’)OH
(R及びR’はそれぞれH又はCH3である)。
【0059】
他の例は、多官能価アクリレート及びメタクリレート、例えばポリエステルアクリレート、及び、エポキシ樹脂と(メト)アクリル酸とを反応させることにより得られるエポキシアクリレートを含む。さらに、Sartomer Company, Inc.(1999)によるSartomer Product Catalog中に挙げられた光硬化可能なモノマー及びオリゴマーを使用することもできる。
【0060】
感光性材料の特徴の最終的な設計に応じて、所期構造及び量を有する好適な付加重合性化合物又は負荷重合性化合物の組み合わせを用いることができる。例えば、下記の点から条件が選択される。感光スピードに関しては、1分子当たりに多くの不飽和型基を含有する構造が好ましく、そして多くの場合二官能価又は三官能価以上の基が好ましい。画像部分、すなわち硬化された被膜の強度を高めるためには、三官能価基又は四官能価以上の基が好ましい。感光度及び強度の両方を制御するためには、種々異なる官能価及び種々異なる重合性基(例えばアクリレート、メタクリレート、スチレン化合物、ビニルエーテル化合物)を組み合わせて使用することが効果的である。大きな分子量を有する化合物又は高疎水性を有する化合物が、感光スピード及び被膜強度において優れてはいるものの、現像スピード及び現像溶液中の沈澱の点からは好ましくない場合がある。付加重合性化合物の選択及び使用は、光重合組成物中の他の成分(例えばバインダー・ポリマー、開始剤、着色剤など)との適合性にとって重要なファクターである。例えば、低純度化合物、或いは2種又は3種以上の化合物を組み合わせて使用することにより、適合性を改善できることがある。さらに、支持体、機能性材料、及び上塗り層の付着特性を改善する目的で、特定の構造を有する化合物を選択することも可能である。光重合組成物中の付加重合性化合物の配合比に関しては、量が多ければ多いほど、感光性は高くなる。しかし量があまりにも多いと、不都合な相分離が生じることがある。相分離は、光重合組成物の粘着性(例えば感光性材料成分の転移及び付着から生じる製造の失敗)及び現像溶液からの沈澱に起因する製造プロセスにおける問題である。付加重合性化合物は単独で、又は2種又は3種以上の組み合わせで使用することができる。加えて、酸素、分解能、カブリ特性、屈折率の変化、及び表面付着性による重合妨害度を考慮に入れて、付加重合可能な化合物の好適な構造、配合比及び添加量を適宜選択することができる。さらに、層の構成、並びに下塗り及び上塗りの塗布方法を環境に応じて実施することができる。
【0061】
光硬化性層の被膜形成成分の一部を形成することができる有機高分子バインダーは、(1)テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、及びヘキサヒドロテレフタル酸に基づくものを含むポリエステル;(2)ナイロン又はポリアミド;(3)セルロースエーテル及びエステル;(4)ポリアルデヒド;(5)平均重量平均分子量4000〜4,000,000の高分子量エチレンオキシド・ポリマー、例えばポリ(エチレングリコール);(6)ポリウレタン;(7)ポリカーボネート;(8)合成ゴム、例えばブタジエンのホモポリマー及びコポリマー;及び(9)エチレン系不飽和を含有するモノマーから形成されたホモポリマー及びコポリマー、例えば種々のエチレン系不飽和型モノマーのいずれかの重合形態、例えばポリアルキレン(例えばポリエチレン及びポリプロピレン);ポリ(ビニルアルコール);ポリスチレン;ポリ(アクリル酸及びメタクリル酸及びエステル)、例えばポリ(メチルメタクリレート)及びポリ(エチルアクリレート)、並びにコポリマー変更形を含む。重合性化合物及び高分子バインダーは、被膜形成成分の3〜97重量パーセントの重合性化合物、及び被膜形成成分の97〜3重量パーセントの高分子バインダーを含めて、幅広く変化する比率で一緒に採用することができる。別個の高分子バインダーは好ましくはあるものの、光硬化性被膜の必須部分ではなく、重合性化合物自体がポリマーであるときには、最も一般的には省かれる。
【0062】
上記画像形成システムにおいて使用するために、種々の光開始剤を選択することができる。好ましい光開始剤は有機色素から成る。
【0063】
使用されるべき有機色素の量は好ましくは、光重合組成物の総重量を基準として0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量%である。
【0064】
本発明において光開始剤として使用するための有機色素は、最大吸収波長が300〜1000nmの範囲に含まれる従来より知られている化合物から好適に選択することができる。上記多色マスクの対応色吸収材料の吸収スペクトルとオーバラップする吸収スペクトルを有する所期色素を選択することによって、そして任意選択に、使用されるべき光源に整合するように吸収スペクトルを調節することによって、高い感光性を達成することができる。光源、例えば青、緑又は赤、又は赤外LED(発光ダイオード)、固体レーザー、OLED(有機発光ダイオード)又はレーザー、又は、像様露光におけて使用するための同様のものを好適に選択することも可能である。
【0065】
開始剤有機色素の具体例は、3−ケトクマリン化合物、チオピリリウム塩、ナフトチアゾールメロシアミン化合物、メロシアニン化合物、及びチオバルビツール酸を含有するメロシアニン色素、ヘミオキサノール色素、及びインドレニン核を有するシアニン、ヘミシアニン及びメロシアニン色素を含む。有機色素の他の例は、Chemistry of Functional Dyes (1981, CMC Publishing Co., Ltd., 第393-416頁)、及びColoring Materials (60[4], 212-224, 1987)に記載された色素を含む。これらの有機色素の具体例は、カチオン性メチン色素、カチオン性カルボニウム色素、カチオン性キノイミン色素、カチオン性インドリン色素、及びカチオン性スチリル色素を含む。前述の色素の例は、ケト色素、例えばクマリン色素(ケトクマリン及びスルホノクマリンを含む)、メロスチリル色素、オキソノール色素及びヘミオキソノール色素;非ケト色素、例えば非ケトポリメチン色素、トリアリールメタン色素、キサンテン色素、アントラセン色素、ローダミン色素、アクリジン色素、アニリン色素、及びアゾ色素;非ケトポリメチン色素、例えばアゾメチン色素、シアニン色素、カルボシアニン色素、ジカルボシアニン色素、トリカルボシアニン色素、ヘミシアニン色素、及びスチリル色素;キノンイミン色素、例えばアジン色素、オキサジン色素、チアジン色素、キノリン色素、及びチアゾール色素を含む。
【0066】
好ましくは、開始剤有機色素は、カチオン性色素及びアニオン性有機ホウ酸塩から形成されたカチオン性色素−ホウ酸アニオン錯体である。カチオン性色素は、最大吸収波長が300〜1000nmの範囲に含まれる光を吸収し、そしてアニオン性ホウ酸塩は4つのR基を有し、これらのうち3つのR基はそれぞれ、置換基を有することができるアリール基を表し、そして1つのR基はアルキル基又は置換型アルキル基である。このようなカチオン性色素−ホウ酸アニオン錯体は、米国特許第5,112,752号;同第5,100,755号;同第5,075,393号;同第4,865,942号;同第4,842,980号;同第4,800,149号;同第4,772,530号;及び同第4,772,541号の各明細書に開示されている。
【0067】
カチオン性色素−ホウ酸アニオン錯体が本発明の光重合組成物中の有機色素として使用される場合には、有機ホウ酸塩を使用する必要はない。しかし光重合感受性を高めるためには、カチオン性色素−ホウ酸錯体と組み合わせて有機ホウ酸塩を使用することが好ましい。有機色素は単独で又は組み合わせで使用することができる。
【0068】
上記カチオン性色素−ホウ酸塩の具体例を以下に示す。ただし、いうまでもなく本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0069】
【化1】

【0070】
【化2】

【0071】
【化3】

【0072】
【化4】

【0073】
【化5】

【0074】
【化6】

【0075】
米国特許第5,112,752号;同第5,100,755号;同第5,075,393号;同第4,865,942号;同第4,842,980号;同第4,800,149号;同第4,772,530号;及び同第4,772,541号の各明細書に開示されているような有機ホウ酸塩と組み合わせて光開始剤を使用することが好ましい場合がある。使用する場合、本発明の光重合組成物中に含有されるホウ酸塩化合物の量は、光重合組成物の総量を基準として0重量%〜20重量%であることが好ましい。本発明の感光性組成物にとって有用なホウ酸塩は、下記一般式(I)によって表される。
[BR4]-+
【0076】
式中、Zはカチオンを形成することができる基を表し、そして感光性ではなく、また[BR4]-は、アルキル基、置換型アルキル基、アリール基、置換型アリール基、アラルキル基、置換型アラルキル基、アルカリル基、置換型アルカリル基、アルケニル基、置換型アルケニル基、アルキニル基、置換型アルキニル基、脂環式基、置換型脂環式基、複素環式基、置換型複素環式基、及びこれらの誘導体から選択される4つのR基を有するホウ酸塩化合物である。複数のRは、互いに同じか又は異なるものであってよい。加えて、これらの基のうちの2つ又は3つ以上は直接に結合するか又は置換基を介して結合し、そしてホウ素含有複素環を形成することができる。Z+は、光を吸収せず、そしてアルカリ金属、第四アンモニウム、ピリジニウム、キノリニウム、ジアゾニウム、モルホリニウム、テトラゾリウム、アクリジニウム、ホスホニウム、スルホニウム、オキソスルホニウム、インドニウム、S、P、Cu、Ag、Hg、Pd、Fe、Co、Sn、Mo、Cr、Ni、As又はSeを表す。
【0077】
上記ホウ酸塩の具体例を以下に示す。ただし、いうまでもなく本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0078】
【化7】

【0079】
【化8】

【0080】
【化9】

【0081】
【化10】

【0082】
【化11】

【0083】
【化12】

【0084】
重合速度に影響を与えるために、種々の添加剤を光開始剤系と一緒に使用することができる。例えば還元剤、例えば酸素スカベンジャー又は活性水素供与体の連鎖移動剤、又はその他の化合物を使用することにより、重合を加速することができる。酸素スカベンジャーはまた自動酸化剤としても知られており、フリーラジカル連鎖過程において酸素を消費することができる。有用な自動酸化剤の例は、N,N−ジアルキルアニリンである。好ましいN,N−ジアルキルアニリンの例は、下記群:メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、3,4−テトラメチレン、フェニル、トリフルオロメチル、アセチル、エトキシカルボニル、カルボキシ、カルボキシレート、トリメチルシリルメチル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリメチルゲルマニル、トリエチルゲルマニル、トリメチルスタニル、トリエチルスタニル、n−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、フェノキシ、ヒドロキシ、アセチル−オキシ、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、チオ−(メルカプト−)、アセチルチオ、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨード、によってオルト、メタ又はパラ位置のうちの1つ又は2つ以上の位置で置換されたジアルキルアニリンである。本発明において有用なN,N−ジアルキルアニリンの代表例は4−シアノ−N,N−ジメチルアニリン、4−アセチル−N,N−ジメチルアニリン、4−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、エチル4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエート、3−クロロ−N,N−ジメチルアニリン、4−クロロ−N,N−ジメチルアニリン、3−エトキシ−N,N−ジメチルアニリン、4−フルオロ−N,N−ジメチルアニリン、4−メチル−N,N−ジメチルアニリン、4−エチル−N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルチオアニシジン、4−アミノ−N,N−ジメチルアニリン、3−ヒドロキシ−N,N−ジメチルアニリン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ジアニリン、4−アセトアミド−N,N−ジメチルアニリン、2,6−ジイソプロピル−N,N−ジメチルアニリン(DIDMA)、2,6−ジエチル−N,N−ジメチルアニリン、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリン(PMA)及びp−t−ブチル−N,N−ジメチルアニリンである。
【0085】
ジスルフィド共開始剤と組み合わせて光開始剤を使用することが好ましい場合がある。有用なジスルフィドの例は、米国特許第5,230,982号明細書に記載されている。最も好ましいジスルフィドのうちの2つは、メルカプトベンゾチアゾ−2−イルジスルフィド及び6−エトキシメルカプトベンゾチアゾル−2−イルジスルフィドである。加えて、チオール、チオケトン、トリハロメチル化合物、ロフィン・ダイマー化合物、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、アジニウム塩、有機過酸化物、及びアジドが、重合促進剤として有用な化合物の例である。
【0086】
光硬化性被膜内に内蔵することができる他の添加物は、高分子バインダー、充填剤、顔料、界面活性剤、及び付着改質剤などを含む。支持体及び機能性層上の塗布を容易にするために、光硬化性被膜組成物は、溶液又はスラリーを形成するために溶剤中に分散され、次いで、その液体は塗布後、通常は加熱によって蒸発除去される。被膜形成成分及び光硬化性被膜の添加物に対して不活性のものであるならば、この目的において、いかなる溶剤を採用することもできる。
【0087】
光硬化性層はこれが露光されたら、当業者に知られた任意の手段によって現像することができる。現像は、光硬化性層の可溶性部分を除去するプロセスである。現像方法は典型的には、選択的な溶剤に対する曝露、加熱、又はこれらの組み合わせを含む。液状現像剤は、硬化されていない領域内の光硬化性層を選択的に除去することができる任意の好都合な液体であることが可能である。露光された光硬化性層は、選択的な除去を達成するために、噴霧、フラッシュ、スワブ、浸漬、超音波、又はその他の手段で処理することができる。その最も単純な形態の場合、液状現像剤は、光硬化性被膜を塗布する際に溶剤として採用されたものと同じ液体であってよい。いくつかの事例において、フォトレジストは、これが最終的に除去されるべき場所で可溶性にされず、その代わりに、現像溶液に対する曝露中に発生する特定の反応を受けやすくされ、次いで溶解が可能になる。
【0088】
光硬化された被膜が最終物品の一部であることを意図されないパターン化プロセスの場合、光硬化された被膜は、所定の領域のパターン化を成功させるために使用された後で除去されることが必要である。この除去は、プラズマ処理、特に酸素を含むプラズマ、溶剤系ストリッピング、及び機械的手段又は接着手段を含む、当業者に知られた任意の手段によって達成することができる。
【0089】
多くの態様の場合、硬化性層は、単に、別の機能性層をパターン化するために使用される層に過ぎない。しかしながら、光硬化された層が機能性層でもある環境も存在し得る。その例は、硬化性層をその絶縁挙動により誘導体として使用すること、又はその機械特性に起因して小壁又はマイクロセルのような構造要素として使用することである。機能性層として硬化性層をこのように使用することは、上記例に限定されない。
【0090】
[光及びマスクの色を組み合わせる方法]
本発明の物品のプロセスにおいて、何らかのスペクトルの光を放射する光源、それぞれが何らかのスペクトルの光を吸収することができる少なくとも2つの色記録を含有する裏側多色マスク、及び何らかのスペクトルの光に応答することができる硬化性層が必要である。
【0091】
システムはいくつかの様式で機能することができる:
(1) 極めて広域の可視スペクトルの光として定義される白色光を照明源として使用することができる。この事例において、光硬化性層が、裏側色マスクのターゲット色記録の吸収スペクトルと実質的に整合する感度分布を有することが必要とされる。実質的に整合するスペクトルは、それぞれが面積1、0.5超、好ましくは0.75超、最も好ましくは0.9超に対して正規化された2つのスペクトルの積分結果として定義される。
【0092】
(2) 狭域スペクトルの光によって定義される着色光を照明源として使用することができる。この場合、光硬化性層の吸収スペクトルは、放射光のスペクトルと実質的に整合させることができ、或いはスペクトルは広域であることが可能である。前者の事例は、光硬化性層の感光性の改善及び層間のクロストークの低減のために望ましいことがあり、これに対して後者の事例は、いくつかのプロセス工程が単独光硬化性層配合物を採用するのを可能にするために望ましい場合がある。
【0093】
いくつかの場合、マスクの一部に黒層を適用することが望ましい場合がある。このような黒層は、黒層を有するマスク領域内に光の実質的に全てを吸収する特性を有している。例えば最終製品の広い面積がパターン化部分を有さないことが望まれる場合、このような領域内に黒印刷マスクを使用することができる。
【0094】
前記論議のほとんどにおいて、色マスクは、可視スペクトルの伝統的な観察可能な色に対応する色吸収を有するものと見なされる。しかしながらこのことは、このアプローチを用いて達成することができる個々のマスク・レベル数に制限を与える。原則的には、それぞれの色記録にこのプロセスにおいて独立して対処できることを条件として、多数の個々の色記録を使用することができる。加えて、スペクトルの赤外線部分及び紫外線部分を使用することにより、マスク・レベル数をさらに増大させることができる。6以上の個々のマスク・レベルを本発明によって達成できることが想定される。
【0095】
このプロセスにおいて、光は着色マスクを通過し、次いで、基板の表側に前に適用された機能性層を通過する。結果として、光は、適用された光硬化性層上に形成される結果としての画像に過剰な影響を及ぼさないように十分に弱い変調を伴って、前に適用された層を通過しなければならない。適用される機能性層の透明度に対する要件はこうして、硬化性層の画像形成プロセスに与える影響が許容できるほどに低いことに限られる。従って原則的には、前に適用された層は、この吸収率が低く、好ましくは0.5未満の光学濃度を有する限り、光を均一に吸収することができる。さらに、材料は、画像形成用化学物質が使用されない領域でだけ、又はこれらのスペクトル範囲が物品の前の製造段階に使用されていた領域でだけ、極めて強力に吸収することができる。さらに、このプロセスにおける最終層は、追加のパターン化が上側で必要とされないので、任意の不透明性を有することができる。
【0096】
[パターン化エッチング法]
本発明の観点は、表側に効果をもたらすように裏側を通る指向性の光によって物品の表側にパターンを形成するために、裏側マスクの色のうちの1つを任意に使用することができることである。表側のパターン化を引き起こすために、数多くの方法を用いることができる。
【0097】
(a) 物品の表側に機能性層を均一に塗布し、次いでこの機能性層に、裏側から光に暴露すると硬化するレジスト材料が上塗りされる。硬化された材料はこの時除去するのがより難しくなるので、後続の現像工程において、レジストは、光が衝突していない場所に開口を有するようにパターン化される。次いで物品を、機能性層を攻撃する材料に曝露し、こうして、光が衝突していない場所でこの層を除去することができる。これはネガティブ・エッチング法である。図18〜20Aは、本発明においてはどのように、多色マスクがネガティブ・エッチング・パターン化手順において使用されるかを示している。
【0098】
(b) 物品の表側に機能性層を均一に塗布し、次いでこの機能性層に、裏側から光に暴露すると軟化するレジスト材料が上塗りされる。軟化された材料はこの時除去するのがより難しくなるので、後続の現像工程において、レジストは、光が衝突した場所に開口を有するようにパターン化される。次いで物品を、機能性層を攻撃する材料に曝露し、こうして、光が衝突した場所でこの層を除去することができる。これはポジティブ・エッチング法である。
【0099】
(c) レジスト材料を塗布するのに続いて、(a)又は(b)で概略を述べた露光・現像工程を行うことができる。このことは、孔を有するレジスト・パターンをもたらす。次いでこのレジスト材料に、均一な機能性材料層を上塗りすることができる。次いで物品全体を、機能性材料の下側の残りのフォトレジストを攻撃する材料で処理すると、フォトレジストが残留している場所で材料を除去することができる。これにより、もともとフォトレジストがなかった場所に機能性材料が残される。図15〜17Aは、本発明においてはどのように、多色マスクがリフトオフ・パターン化法において使用されるかを示している。
【0100】
(d) 液体及び蒸気相双方の化学物質供給を採用する数多くの堆積法を、特定の領域にのみ材料が選択的に堆積する形式で作業するように調整することができる。例えば、レジスト材料を塗布するのに続いて、(a)又は(b)で概略を述べた露光・現像工程を行うことができる。これに続いて、レジスト材料が残っていない領域にだけ材料を堆積させる堆積法を施す。次いで、物品全体を、残りのフォトレジストを攻撃する材料で処理する。これが選択的堆積である。図21〜23Aは、本発明においてはどのように、多色マスクを選択的堆積パターン化法において使用できるかを示している。
【0101】
[支持体]
製造中、試験中、及び/又は使用中にデバイスを支持するために支持体を使用することができる。当業者に明らかなように、商業的な態様のために選択される支持体は、種々の態様を試験又はスクリーニングするために選択される支持体とは異なっていてよい。いくつかの態様の場合、支持体は、デバイスのためのいかなる所要の電気的機能も提供しない。このタイプの支持体は、本明細書において「非関与支持体」と称される。有用な材料は、有機又は無機材料を含むことができる。例えば、支持体は無機ガラス、セラミック・フォイル、高分子材料、充填高分子材料、アクリル、エポキシ、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリケトン、ポリ(オキシ−1,4−フェニレンオキシ−1,4−フェニレンカルボニル−1,4−フェニレン)(ポリ(エーテルエーテルケトン)又はPEEKと呼ばれることがある)、ポリノルボルネン、ポリフェニレンオキシド、ポリ(エチレンナフタレンジカルボキシレート)(PEN)、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(エーテルスルホン)(PES)、ポリ(フェニレンスルフィド)(PPS)、及び繊維強化プラスチック(FRP)を含むことができる。
【0102】
いくつかの態様において、可撓性支持体が使用される。これはロールツーロール又はロールツーシート処理を可能にする。この処理は連続的に行われてよく、平ら且つ/又は剛性の支持体を凌ぐ、規模の経済性及び製造の経済性を提供する。選択された可撓性支持体は好ましくは、直径50cm未満、より好ましくは25cm未満、最も好ましくは10cm未満のシリンダーの周面に、素手のような低い力によって、歪み又は破断を生じさせずに巻き付けることができる。好ましい可撓性支持体はそれ自体に巻き付けることができる。
【0103】
可撓性が問題とならない場合には、基板は、ガラスを含む材料、並びに任意の他の透明材料から成るウェハー又はシートであってよい。
【0104】
支持体の厚さは変化してよく、そして特定の例に従って、厚さは10μm〜1mmであってよい。好ましくは基板の厚さは、10μm〜300μmである。露光用光源が、支持層を通る光の角拡散を制限するように十分に視準されていることを条件として、より厚い基板でも許容することができる。多色マスクの色吸収層上に主支持層を直接に塗布又は流延することが、光学的検討事項にとって特に有利である場合がある。いくつかの態様の場合、特に支持層が多色マスクの機能性層又は色吸収層であるときには、支持体は任意である。これらの態様の場合、マスク画像は、アクティブ・デバイスとなるものの基板の上側にできる限り近接している。
【0105】
加えて、多色マスク及び支持体は一時的な支持体と組み合わされてもよい。このような態様の場合、支持体を多色マスクに取り外し可能に付着させるか又は機械的に取り付けることができる。
【0106】
[電子材料]
好適なエッチング及び/又は堆積条件が選ばれる限り、本発明を用いて、基板上の被膜を形成することができる任意の材料をパターン化することができる。使用することができる機能性材料の一般的なクラスは、導体、誘電体、又は絶縁体、及び半導体を含む。
【0107】
導体は任意の有用な導電性材料であってよい。金属、変性ドープ型半導体、導電性ポリマー、及び印刷可能材料、例えばカーボンインク、銀-エポキシ、又は焼結性金属ナノ粒子懸濁液を含む、当業者に知られた種々様々な導体材料も好適である。例えば、導体は、ドープ型シリコン、又は金属、例えばアルミニウム、クロム、金、銀、ニッケル、銅、タングステン、パラジウム、白金、タンタル、及びチタンを含んでよい。導体は、透明導体、例えば酸化インジウム錫(ITO)、ZnO、SnO2、又はIn23を含むこともできる。導電性ポリマーは、例えばポリアニリン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)を使用することもできる。加えて、これらの材料から成る合金、組み合わせ、及び多層が極めて有用である場合がある。
【0108】
導体の厚さは変化してよく、そして特定の例によれば、これは5〜1000nmであることが可能である。導体は、化学蒸着、スパッタリング、蒸発、及び/又はドーピング、又は溶液処理によって、構造内に導入されてよい。
【0109】
誘電体は、パターン化回路の種々の部分を電気的に絶縁する。誘電層は、絶縁体又は絶縁層と呼ぶこともできる。誘電体は、具体的なデバイス及び使用環境に応じて幅広く変化することができる好適な誘電定数を有するべきである。例えば、2〜100又はそれ以上の誘電定数が、ゲート誘電体に関して知られている。誘電体のための有用な材料は、例えば無機電気絶縁材料を含んでよい。ゲート誘電体にとって有用な材料の具体例は、ストロンチア酸塩、タンタル酸塩、チタン酸塩、ジルコン酸塩、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化タンタル、酸化チタン、窒化ケイ素、チタン酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコン酸チタン酸バリウム、セレン化亜鉛、及び硫化亜鉛を含む。加えて、これらの例から成る合金、組み合わせ、及び多層を誘電体として使用することもできる。これらの材料のうち、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、及び窒化ケイ素が有用である。誘電体は、高分子材料、例えばポリビニリデンジフルオリド(PVDF)、シアノセルロース、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ(4−ビニルフェノール)、ポリスチレン、及びこれらの置換型誘導体、ポリ(ビニルナフタレン)、及び置換型誘導体、及びポリ(メチルメタクリレート)、及び好適な誘電定数を有するその他の絶縁体を含んでもよい。ゲート誘電体は、異なる誘電定数を有する種々異なる材料から成る複数の層を含んでもよい。
【0110】
誘電層の厚さは変化してよく、そして特定の例によれば、これは15〜1000nmであることが可能である。誘電層は、化学蒸着、スパッタリング、原子層堆積、蒸発、又は溶液処理のような技法によって、構造内に導入されてよい。
【0111】
このシステム内で使用される半導体は、有機又は無機であってよい。無機半導体は、共有結合格子を呈する材料のクラスを含み、そして格子が短距離秩序だけを呈するような非晶質材料を含んでもよい。有用な半導体材料の例は、単一元素、例えばケイ素又はゲルマニウム、及び化合物半導体、例えばヒ化ガリウム、窒化ガリウム、硫化カドミウム、及び酸化亜鉛である。有用な有機半導体は、線状アセン、例えばペンタセン、ナフタレンジイミド、例えば同時係属中の特許出願明細書に記載されているようなもの、ペリーレンジイミド、ポリチオフェン、ポリフルオレンを含む。
【0112】
薄膜トランジスタの典型的な用途において、デバイスを通る電流フローを制御することができるスイッチが望まれる。このようなものとして、スイッチがオンにされると高い電流がデバイスを貫流できることが望まれる。電流フローの程度は、半導体電荷担体移動度に関連する。デバイスがオフにされると、電流フローが極めて小さいことが望まれる。このことは電荷担体濃度に関連する。さらに、デバイスが可視光によって弱くしか、又は全く影響されないことが望ましい。このことが真になるためには、半導体バンドギャップは、可視光による露光がバンド間遷移を引き起こさないように十分に大きく(>3eV)なければならない。高い移動度、低い担体濃度、及び高いバンドギャップをもたらすことができる材料は、ZnOである。
【0113】
本発明の薄膜トランジスタ又は電子デバイスを形成するプロセス全体、又は少なくとも薄膜半導体の製造は、支持体最大温度200℃未満、より好ましくは150℃未満、最も好ましくは140℃未満、及びさらにより好ましくは100℃未満、又は室温付近の温度(25℃〜70℃)で実施される。本明細書に含まれる本発明に関する知識を得れば、温度は一般に、支持体、及び当業者に知られた処理パラメータに応じて選択される。これらの温度は、伝統的な集積回路及び半導体の処理温度を十分に下回る。このことは、種々の比較的低廉な支持体、例えば可撓性高分子支持体、及び多色マスクのいずれかを使用することを可能にする。こうして、本発明は、有機薄膜トランジスタを含有する比較的低廉な回路の製造を可能にする。
【0114】
電子的又は光学的に活性の層は、溶液法、真空蒸着技法、又は同時継続中の米国特許出願第11/392,006号及び同第11/392,007号(両方とも2006年3月29日付け出願)に記載されているような大気蒸着法を用いて形成し、ドープすることができる。
【0115】
[用途]
本発明のパターン化方法は好ましくは、選択された基板上に集積された電子的及び光学的に活性の構成部品を形成するために用いられる。回路構成部品は、トランジスタ、抵抗器、キャパシタ、導体、インダクタ、ダイオード、及び好適なパターン化及び材料を選択することによって構成することができる任意のその他の電子装置構成部品を含むことができる。光学機能構成部品は、導波路、レンズ、スプリッタ、ディフューザ、輝度向上フィルム、及びその他の光学回路を含むことができる。構造部品は、ウェル、充填材及びシーラントの選択的パターン、パターン化バリヤ層、壁及びスペーサを含むことができる。
【0116】
TFT及びその他のデバイスが有用であるような電子デバイスは、例えば、より複雑な回路、例えばシフト・レジスタ、集積回路、論理回路、スマート・カード、メモリー・デバイス、高周波識別タグ、アクティブ・マトリックス・ディスプレイのためのバックプレーン、アクティブ・マトリックス・ディスプレイ(例えば液晶又はOLED)、太陽電池、リング・オシレータ、及び相補回路、例えばn型トランジスタとp型トランジスタとの組み合わせが用いられるインバータ回路を含む。アクティブ・マトリックス・ディスプレイの場合、ディスプレイの画素の電圧保持回路の一部として、本発明によるトランジスタを使用することができる。このようなデバイスの場合、TFTは、当業者に知られた手段によって、作用接続される。
【0117】
マイクロ電子デバイスの一例は、アクティブ・マトリックス液晶ディスプレイ(AMLCD)である。1つのこのようなデバイスは、電極、及び電極間に配置された電気光学材料を有する素子を含む光電子ディスプレイである。透明なトランジスタの接続電極は、ディスプレイ素子の電極に接続することができ、これに対してスイッチング素子とディスプレイ素子とは、少なくとも部分的に互いにオーバラップする。光電子ディスプレイ素子とはここでは、その光学特性が電気的な量、例えば電流又は電圧の影響下で変化するようなディスプレイ素子、例えば液晶ディスプレイ(LCD)と普通呼ばれる素子であると理解される。今詳細に述べたトランジスタは、液晶ディスプレイ内のスイッチング素子としてのトランジスタの使用が可能になるような高周波数でディスプレイ素子をスイッチするのに十分な通電容量を有する。ディスプレイ素子は、付随するトランジスタによって荷電又は放電されるキャパシタとして電気的な意味で作用する。光電子ディスプレイ・デバイスは、それぞれが例えばマトリックス状に配列されたその固有のトランジスタを有する多くのディスプレイ素子を含んでよい。或る特定のアクティブ・マトリックス画素の構成、特に電流で駆動されるディスプレイ効果を提供する構成は、いくつかのトランジスタ及びその他の電気的構成部品を画素回路内に必要とすることがある。
【実施例】
【0118】
下記非限定的な例によって、本発明の実施をさらに説明する。
例1:直接印刷法によって形成された多色マスク
この例では、それぞれの色が薄膜トランジスタ・デバイス・アレイの個々の機能性層に対応する、3つの色吸収層を含有する多色マスクを調製した。薄膜トランジスタ・デバイス・アレイのゲート層の構成を、黒白ビットマップ・ファイルに変換した。薄膜トランジスタ・デバイス・アレイの半導体層の構成を、別の黒白ビットマップ・ファイルに変換した。薄膜トランジスタ・デバイス・アレイのソース・ドレイン層の構成を、第3の黒白ビットマップ・ファイルに変換した。次いでこれらのビットマップを、Photoshop(商標) 6.0を用いて、単独の色画像ファイルの青チャネル、緑チャネル、及び赤チャネル内に取り込んだ。このフルカラー画像において、青チャネルはゲート層構成をイエロー・パターンとして含有した。緑チャネルは半導体層構成をマゼンタ・パターンとして含有した。赤チャネルはソース・ドレイン層の構成をシアン・パターンとして含有した。この色画像を、Kodak Professional Ektatherm XLS 透明性媒体を装入されたKodak Professional 8670 Thermal Printerを使用して、透明支持体上に印刷した。結果として生じた多色マスクを、Bekaert Specialty filmsから購入した可撓性ITOフィルムの非導電性の側にラミネートした。
【0119】
例2:フォトリソグラフィ法によって形成された多色マスク
この例では、それぞれの色が薄膜トランジスタ・デバイス・アレイの個々の機能性層に対応する、3つの色吸収層を含有する多色マスクを調製した。薄膜トランジスタ・デバイス・アレイのゲート(CG−1)、半導体・誘電層(CG−2)、及びソース・ドレイン層(CG−3)のための、ガラス・マスク上のクロムをApplied Image Incorporatedから得た。ほぼ100℃で維持された70%の硫酸及び30%の過酸化水素30%溶液の溶液で処理することにより、0.7mm厚のホウケイ酸ガラス支持体を10分間にわたって洗浄した。洗浄後、きれいなガラスにColor Mosaic SC3200L(Fujifilm Electronic Material Co., Ltd.から購入)をスピン塗布(1000RPM)した。SC-3200Lは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとエチル−3−エトキシ−プロピオネートとの混合物中に分散された、3〜5%のシアン顔料、7〜9%のメタクリレート誘導体コポリマー、7〜9%の多官能性アクリレート樹脂、及びUV光増感剤を含有するUV硬化性フォトレジストである。塗布されたガラス・スライドを1分間にわたって95℃でベーキングし、そして200Wの水銀−キセノンランプを使用して、マスクCG−3と共に(接触露光)UV光パターンに1分間にわたって暴露した。シアン・フォトレジスト層を1分間にわたって、0.03M水酸化テトラメチルアンモニウム/0.03Mジエタノールアミン水溶液で現像し、水で濯ぎ、そして5分間にわたって200℃でベーキングした。次いで試料にColor Mosaic SM3000L(Fujifilm Electronic Material Co., Ltd.から購入)をスピン塗布(1000RPM)した。SM-3000Lは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとエチル−3−エトキシ−プロピオネートとの混合物中に分散された、4〜6%のマゼンタ顔料、6〜8%のメタクリレート誘導体コポリマー、6〜8%の多官能性アクリレート樹脂、及びUV光増感剤を含有するUV硬化性フォトレジストである。塗布されたガラス・スライドを1分間にわたって95℃でベーキングし、そして200Wの水銀−キセノンランプを使用して、マスクCG−2と共に(接触露光)UV光パターンに1分間にわたって暴露した。マゼンタ・フォトレジスト層を1分間にわたって、0.03M水酸化テトラメチルアンモニウム/0.03Mジエタノールアミン水溶液で現像し、水で濯ぎ、そして5分間にわたって200℃でベーキングした。結果として生じたガラス基板は、見当合わせされたシアン及びマゼンタのパターンのアレイを含有した。次いで試料にColor Mosaic SY3000L(Fujifilm Electronic Material Co., Ltd.から購入)をスピン塗布(1000RPM)した。SY-3000Lは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとエチル−3−エトキシ−プロピオネートとの混合物中に分散された、3〜5%のイエロー顔料、7〜9%のメタクリレート誘導体コポリマー、7〜9%の多官能性アクリレート樹脂、及びUV光増感剤を含有するUV硬化性フォトレジストである。塗布されたガラス・スライドを1分間にわたって95℃でベーキングし、そして200Wの水銀−キセノンランプを使用して、マスクCG−1と共に(接触露光)UV光パターンに1分間にわたって暴露した。イエロー・フォトレジスト層を1分間にわたって、0.03M水酸化テトラメチルアンモニウム/0.03Mジエタノールアミン水溶液で現像し、水で濯ぎ、そして5分間にわたって200℃でベーキングした。結果として生じた多色マスクは、見当合わせされたシアン、マゼンタ、及びイエローのパターンのアレイを含有した。
【0120】
例3:青硬化性被膜の調製
青光硬化性被膜のための塗布用溶液C−1を下記のように調製した。0.03gの光開始剤Aを3グラムのトルエンに添加することにより、青感光性光開始剤の溶液を調製した。
【0121】
【化13】

【0122】
別個のバイアル内で、5グラムのポリメチルメタクリレート(PMMA)(MWほぼ75K)を45gのアニソール中に溶解した。2.9gの結果としてのPMMA溶液に、0.95gのトリメチロールプロパントリアクリレートと、光開始剤Aの0.5gの溶液とを添加した。
【0123】
緑硬化性被膜の調製
緑光硬化性被膜のための塗布用溶液C−2を下記のように調製した。0.03gの光開始剤Bを3グラムのアニソールに添加することにより、緑感光性光開始剤の溶液を調製した。別個のバイアル内で、5グラムのPMMA(MWほぼ75K)を45gのアニソール中に溶解した。2.9gの結果としてのPMMA溶液に、0.95gのトリメチロールプロパントリアクリレートと、光開始剤Bの0.5gの溶液とを添加した。
【0124】
【化14】

【0125】
例4:赤硬化性被膜の調製
赤光硬化性被膜のための塗布用溶液C−3を下記のように調製した。0.025gの光開始剤Cを2.5グラムのアニソールに添加することにより、赤感光性光開始剤の溶液を調製した。別個のバイアル内で、5グラムのPMMA(MWほぼ75K)を45gのアニソール中に溶解した。2.9gの結果としてのPMMA溶液に、0.95gのトリメチロールプロパントリアクリレートと、光開始剤Cの0.5gの溶液とを添加した。
【0126】
【化15】

【0127】
例5:単独の多色マスクを有する可撓性フィルム上の見当合わせされた導電性層パターン
例Aの結果生じた多色マスクを、Bekaert Specialty filmsから購入した可撓性ITOフィルムの非導電性の側にラミネートした。導電性の側に、1000RPMの速度でスピン塗布することにより、青硬化性塗布用溶液C−1を塗布した。試料を1分間にわたって80℃でベーキングし、そして窒素でパージされたガラス・セル内に装入した。照明光が青硬化性被膜に達する前に多色マスクを通過するように、300WのGE Mini Multi-Mirror FHSプロジェクション・ランプを使用して1/8秒間にわたって試料を照らした。メチルイソブチルケトン(MIBK)中で30秒間にわたって現像することにより、硬化していない青硬化性被膜部分を除去した。これらの工程の結果、色コード化マスク上のイエロー・パターンと見当合わせされた状態で、パターン化ポリマー被膜が形成された。青光硬化された被膜によって覆われていないITO部分を除去するために、ITO層をHCl:H2O(1:1)でエッチングした。青光硬化された被膜のパターンによって保護されたITO部分は残り、その結果、多色マスク上のイエロー・パターンと見当合わせされた状態で、パターン化ITO層及びパターン化ポリマー被膜がもたらされた。次いで試料に、銀ナノ粒子の溶液をスピン塗布し、そしてこれを110℃でアニールした。結果として生じた半透明導電性被膜のニュートラル濃度は、0.6であった。銀ナノ粒子層に、1000RPMの速度でスピン塗布することにより、赤硬化性塗布用溶液C−3を塗布した。試料を1分間にわたって80℃でベーキングし、そして前記露光方法を用いて2秒間にわたって露光した。照明光が赤硬化性被膜に達する前に多色マスク、可撓性フィルム、パターン化ITO層、及び銀ナノ粒子層を通過するように、2秒間にわたって試料を照らした。MIBK中で30秒間にわたって現像することにより、露光されていない赤硬化性被膜部分を除去した。これらの工程の結果、色コード化マスク上のシアン・パターンと見当合わせされた状態で、パターン化ポリマー被膜が形成された。パターン化銀導電性被膜及びパターン化赤硬化されたポリマー被膜を多色マスクのシアン・パターンと見当合わせされた状態で生成し、パターン化青硬化されたポリマー被膜及びパターン化ITO導電性フィルムを多色マスクのイエロー・パターンと見当合わせされた状態で生成するために、銀層をKodak Ektacolor RA-4漂白・定着溶液を使用して30秒間にわたってエッチングした。
【0128】
例6:薄膜トランジスタ
この例では、透明電子材料をパターン化するために多色マスクを使用して、薄膜トランジスタを調製した。製作されたデバイスの電気的特徴付けを、Hewlett Packard HP 4156(登録商標)パラメータ分析装置を用いて実施した。デバイス試験は暗い密閉容器内で空気中で行った。
【0129】
いくつかのデバイスから結果を平均した。各デバイスに関して、ゲート電圧(Vg)の種々の値に対するソース−ドレイン電圧(Vd)の関数として、ドレイン電流(Id)を測定した。さらに、各デバイスに関して、ソース−ドレイン電圧の種々の値に対するゲート電圧の関数として、ドレイン電流を測定した。たいていのデバイスの場合、測定されたゲート電圧のそれぞれに対して、Vgをマイナス10V〜40V、典型的には5V、20V、35V及び50Vで掃引した。移動度測定値を35V掃引から求めた。
【0130】
データから抽出されたパラメータは、電界効果移動度(μ)、閾値電圧(Vth)、閾値下勾配(S)、及び測定されたドレイン電流のIon/Ioffの比を含む。電界効果移動度は飽和領域(Vd>Vg−Vth)において抽出した。この領域内では、ドレイン電流は、下記等式:
【0131】
【数1】

【0132】
によって提供される(Sze「Semiconductor Devices--Physics and Technology」John Wiely & Sons (1981)参照)。上記式中、Wはチャネル幅、そしてLはチャネル長であり、Coxは酸化物層のキャパシタンスであり、これは、酸化物厚及び材料の誘電定数の関数である。この等式から、飽和電界効果移動度を、√Id対Vg曲線の線形部分に対する直線適合部分から抽出した。閾値電圧Vthは、この直線フィットのx切片である。
【0133】
トランジスタを製作する第1ステップは、例1に記載されたのと同一のやり方で多色マスクを調製することである。このマスクを、ITOガラス片の非導電性の側にラミネートした。導電性の側に、1000RPMの速度でスピン塗布することにより、青硬化性塗布用溶液C−1を塗布した。試料を1分間にわたって80℃でベーキングし、そして窒素でパージされたガラス・セル内に装入した。照明光が青硬化性被膜に達する前に多色マスクを通過するように、300WのGE Mini Multi-Mirror FHSプロジェクション・ランプを使用して1/8秒間にわたって試料を照らした。メチルイソブチルケトン(MIBK)中で30秒間にわたって現像することにより、硬化していない青硬化性被膜部分を除去した。これらの工程の結果、色コード化マスク上のイエロー・パターンと見当合わせされた状態で、パターン化ポリマー被膜が形成され、一連の縞が形成された。青光硬化された被膜によって覆われていないITO部分を除去するために、ITO層をHCl:H2O(1:1)で7分間にわたってエッチングし、一連の導電ゲートラインを形成した。青光硬化された被膜のパターンによって保護されたITO部分は残り、その結果、多色マスク上のイエロー・パターンと見当合わせされた状態で、パターン化ITO層及びパターン化ポリマー被膜がもたらされた。マスク層を除去し、そして窒素キャリヤガス中に閉じ込められた反応性材料としてトリメチルアルミニウム及び水を使用するCVD法によって、パターン化ITO層上に酸化アルミニウム被膜を堆積させた。続いてCVDプロセスを用いて、そして窒素キャリヤガス中に閉じ込められた反応性材料としてジエチル亜鉛及び水を使用して、酸化亜鉛被膜を堆積させた。ITOゲートラインに対する電気的接触を容易にするために、酸化アルミニウム被膜及び酸化亜鉛被膜は、試料領域の上部5mmを覆わなかった。シャドーマスクを通した真空蒸発によって金属ソース及びドレインのコンタクトを堆積させた。典型的な電極は、480ミクロン幅x約50ミクロン長のチャネルをもたらすサイズを有したが、しかし小さなチャネル長変動により、移動度は個々に測定した長さを用いて計算した。次いで、デバイスのトランジスタ活性を試験した。多色マスクを使用して調製されたトランジスタは、0.8cm2/V−sの移動度をもたらした。
【0134】
上に概要を述べた多色マスクを採用する製作手順は、変動する温度及び溶剤による処理を基板に施しながらでさえ、基板上に任意の数の透明機能性層を正確に配置することを可能にする。さらに、広い面積の基板の場合でさえ、累積的且つ壊滅的な整列誤差をもたらす基板の寸法の狂い、又は機械的な整列に関する問題はない。多色マスク及び可視光硬化性フィルムを使用することにより、高価な整列装置及び整列方法を必要とすることなしに、見当合わせの難題に対する独自の解決手段が提供される。
【符号の説明】
【0135】
10 多色マスク
11 物品
12 支持体
14 青吸収体
16 赤吸収体
18 緑吸収体
20 第1透明機能性材料
22 青硬化性層
24 多色マスク内の青吸収体に対して整列された青硬化性材料のパターン
26 多色マスク内の青吸収体に対して整列された透明機能性材料のパターン
28 第2透明機能性材料
30 緑硬化性層
32 多色マスク内の緑吸収体に対して整列された緑硬化された材料のパターン
34 第2透明機能性材料のパターン
36 第3透明機能性材料
38 赤硬化性層
40 多色マスク内の赤吸収体に対して整列された赤硬化性材料のパターン
42 多色マスク内の赤吸収体に対して整列された第3透明機能性材料のパターン
44 パン硬化性層
46 硬化されたパン硬化性層
48 透明機能性材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体を用意し、前記支持体の一方の側に多色マスクを塗布し、該支持体の他方の側に、可視光によって硬化可能な層を塗布し、そして該光硬化性層を該マスクを通して可視光で露光することにより、露光された部分において、硬化されたパターンを形成するように、光によって硬化可能な層を硬化させることを含んで成る積層透明構造体を形成する方法。
【請求項2】
可視光によって硬化されない領域が除去される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
硬化のために使用される光が、該多色マスクの色のうちの1つと整合する光スペクトルを有している請求項1に記載の方法。
【請求項4】
該露光用の光が白色光であり、そして該可視光によって硬化可能な層が、該多色マスクの1つの色と整合する光スペクトルによってのみ硬化可能である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
硬化のために使用される光が、該多色マスクの色のうちの1つと整合する光スペクトルを有しており、そして該露光のために使用される可視光も同じ色を有している請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記多色マスクが、前記支持体上にマスターカラー画像を写真複製することによって形成された多色層を含んで成る請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記多色マスクが、基板上に予め形成した後で、前記支持体上にラミネートされる請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記多色マスクが、マゼンタ、シアン及びイエローから選択された少なくとも2種の色を含んで成る請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記多色マスクが前記支持体上に直接に印刷される請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記支持体がガラスを含んで成る請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記支持体が可撓性ポリマーシートを含んで成る請求項1に記載の方法。
【請求項12】
該可視光によって硬化可能な層が、単一の色に対して感光性を有する材料を含んで成る請求項1に記載の方法。
【請求項13】
該可視光によって硬化可能な層が、特定の色(波長)範囲内でだけ励起状態を達成するように画像形成輻射線を吸収することができる色素を光開始剤として含有するエチレン付加のための開始剤系を含有する請求項12に記載の方法。
【請求項14】
更なる工程において、該支持体の前記多色マスクとは反対側に、紫外線によって硬化可能な材料が塗布され、そして前記材料が、紫外線マスキング層を通して露光される請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記可視光によって硬化可能な材料が、モノマー、オリゴマー、又は架橋性ポリマー、及びこれらの混合物から成る群から選択され、そして常圧で100℃を上回る沸点を有する少なくとも1種の付加重合性エチレン系不飽和型化合物を含有する請求項1に記載の方法。
【請求項16】
該支持体の前記多色マスクとは反対の側に、機能性透明材料層を適用することをさらに含んで成る請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記機能性層が、該可視光によって硬化可能な材料を適用する前に、前記支持体に適用される請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記機能性層が、該可視光によって硬化される材料の硬化後、そして硬化されていない材料の除去後に適用される請求項16に記載の方法。
【請求項19】
該機能性材料中に開口を残すように、該硬化された材料を除去する工程をさらに含んで成る請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記機能性材料が誘電材料を含んで成る請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記機能性材料が導電性材料を含んで成る請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記機能性材料が半導体材料を含んで成る請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前に硬化されたパターン上に、可視光によって硬化可能な少なくとももう1つの層を塗布し、そして該第1のパターンと見当合わせされた少なくとも1つの更なる硬化されたパターンを形成するように、前記可視光によって硬化可能な少なくとももう1つの層を露光することをさらに含んで成る請求項19に記載の方法。
【請求項24】
透明支持体と、該支持体の裏側の多色マスクと、該多色マスクの少なくとも1つの色と見当合わせされた、該支持体の表側の少なくとも1つのパターン化層とを含んで成る物品。
【請求項25】
少なくとも1つのパターン化層が導電性である請求項24に記載の物品。
【請求項26】
少なくとも1つのパターン化層が誘電性である請求項24に記載の物品。
【請求項27】
少なくとも1つのパターン化層が半導体である請求項24に記載の物品。
【請求項28】
前記少なくとも1つのパターンが、前記多色マスクを通る所定の色の可視光によって硬化可能である材料を含む層を含んで成る請求項24に記載の物品。
【請求項29】
前記物品が表側に、順にパターン化導電性層及びパターン化誘電層を含んで成る請求項24に記載の物品。
【請求項30】
前記物品が表側に、順にパターン化導電性層と、パターン化誘電層と、パターン化半導体層と、パターン化導電性層とを含んで成る請求項24に記載の物品。
【請求項31】
前記物品が表側に、順にパターン化導電性層、パターン化誘電層、パターン化導電性層、及びパターン化半導体層を含んで成る請求項24に記載の物品。
【請求項32】
表側の全ての層が透明である請求項24に記載の物品。
【請求項33】
該支持体から最も遠い表側の層が透明ではない請求項24に記載の物品。
【請求項34】
前記パターン化層が、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、窒化ケイ素、及びこれらの混合物から成る群から選択された誘電材料を含んで成る請求項24に記載の物品。
【請求項35】
前記パターン化層が、酸化インジウム錫(ITO)、ZnO、SnO2、又はIn23、金属、変性ドープ型半導体、導電性ポリマーのような透明導体、並びにカーボンインク、銀エポキシ、又は焼結性金属ナノ粒子懸濁液、及びこれらの混合物のような印刷可能な導電性材料から成る群から選択された導電性材料を含んで成る請求項24に記載の物品。
【請求項36】
前記パターン化層が、酸化亜鉛、酸化錫、及びこれらの混合物から成る群から選択された半導体材料を含んで成る請求項24に記載の物品。
【請求項37】
前記物品がトランジスタを含んで成る請求項24に記載の物品。
【請求項38】
支持体の裏側上に画像形成層、並びに該支持体の表側上に、該支持体から順に、機能透明層及び可視光によって硬化可能な層を有する当該支持体を含んで成る物品。
【請求項39】
前記画像形成層が写真層を含んで成る請求項38に記載の物品。
【請求項40】
前記画像形成層が色素受容層を含んで成る請求項38に記載の物品。
【請求項41】
支持体の裏側に画像形成層、及び表側に、可視光スペクトルの一部だけと整合するスペクトルを有する可視光によって硬化される材料から成る少なくとも1つの層を有する当該支持体を含んで成る物品。
【請求項42】
該画像形成層が写真層を含んで成る請求項38に記載の物品。
【請求項43】
前記画像形成層が色素受容層を含んで成る請求項38に記載の物品。
【請求項44】
該マスクが、前記支持体の、該可視光によって硬化可能な層と同じ側に位置する請求項1に記載の方法。
【請求項45】
該マスクが、前記支持体の、該可視光によって硬化可能な層とは反対側に位置する請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図4A】
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【図5】
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【図5A】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図7A】
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【図8】
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【図8A】
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【図9】
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【図9A】
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【図10】
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【図10A】
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【図11】
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【図11A】
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【図12】
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【図12A】
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【図13】
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【図13A】
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【図14】
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【図14A】
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【図15】
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【図15A】
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【図16】
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【図16A】
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【図17】
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【図17A】
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【図18】
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【図18A】
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【図19】
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【図19A】
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【図20】
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【図20A】
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【図21】
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【図21A】
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【図22】
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【図22A】
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【図23】
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【図23A】
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【図24】
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【図24A】
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【図25】
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【図25A】
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【図26】
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【図26A】
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【図27】
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【図27A】
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【図28】
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【図28A】
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【図29】
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【図29A】
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【図30】
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【図30A】
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【図31】
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【図31A】
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【図32】
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【図32A】
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【図33】
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【図33A】
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【図34】
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【図34A】
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【図35】
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【図35A】
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【図36】
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【図36A】
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【図37】
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【図37A】
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【図38】
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【図38A】
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【公表番号】特表2009−537310(P2009−537310A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−511055(P2009−511055)
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【国際出願番号】PCT/US2007/011734
【国際公開番号】WO2007/136656
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】