通信装置
【課題】 送信したカラー画像データの所定領域を少ないデータ量で通信に関する情報と共に保存すること。
【解決手段】 画像データをファクシミリ通信にて送受信するファクシミリ送受信手段と、ファクシミリ通信にて送信及び受信した画像データがカラー画像データである場合に、そのカラー画像データの所定領域をモノクロ画像データに変換するデータ変換手段と、変換したモノクロ画像データと共に当該画像データの通信に関する情報をメモリに格納する格納手段と、メモリに格納されている前記通信に関する情報及び前記モノクロ画像データを出力する出力手段と、を備える。
【解決手段】 画像データをファクシミリ通信にて送受信するファクシミリ送受信手段と、ファクシミリ通信にて送信及び受信した画像データがカラー画像データである場合に、そのカラー画像データの所定領域をモノクロ画像データに変換するデータ変換手段と、変換したモノクロ画像データと共に当該画像データの通信に関する情報をメモリに格納する格納手段と、メモリに格納されている前記通信に関する情報及び前記モノクロ画像データを出力する出力手段と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置に関し、詳しくは送受信した原稿の画像データを通信に関する情報と共に格納する通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
原稿読取部で読み取った原稿のモノクロ画像データをファクシミリ送信した後、その画像データの最初の1ページを縮小し、これを符号化して通信に関する情報と共に保存することができるファクシミリ装置がある。保存されたモノクロ画像データは、操作部からの所定操作によって伸長され通信に関する情報と共に記録紙に記録されるので、ユーザは送信した原稿の先頭ページと照らし合わせてその原稿についての通信に関する情報を容易に確認することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−69032号公報(第2−4頁、第5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、カラー画像データについても上記と同様にして通信に関する情報と共に保存しようとすると、カラー画像データはモノクロ画像データに比べてデータ量が多いため、大容量のメモリを装備しなければ多くの送信したカラー画像データを保存することができないという問題点がある。
【0004】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、送信又は受信したカラー画像データの所定領域を少ないデータ量で通信に関する情報と共に保存することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1記載の通信装置は、画像データをファクシミリ通信にて送受信するファクシミリ送受信手段と、ファクシミリ通信にて送信及び受信した画像データがカラー画像データである場合に、そのカラー画像データの所定領域をモノクロ画像データに変換するデータ変換手段と、変換したモノクロ画像データと共に当該画像データの通信に関する情報をメモリに格納する格納手段と、メモリに格納されている前記通信に関する情報及び前記モノクロ画像データを出力する出力手段と、を備えることを特徴としている。
【0006】
請求項2記載の通信装置は、画像データを電子メールにて送受信する電子メール送受信手段と、電子メールにて送信及び受信した画像データがカラー画像データである場合に、そのカラー画像データの所定領域をモノクロ画像データに変換するデータ変換手段と、変換したモノクロ画像データと共に当該画像データの通信に関する情報をメモリに格納する格納手段と、メモリに格納されている前記通信に関する情報及び前記モノクロ画像データを出力する出力手段と、を備えることを特徴としている。
【0007】
請求項3記載の通信装置は、請求項2記載の通信装置において、前記データ変換手段は、前記電子メール送受信手段により送信及び受信した電子メールに複数のファイルからなるカラー画像データが添付されている場合に、前記所定領域として、前記複数のファイルからなるカラー画像データの各々の先頭部分、又は先頭ファイルとして添付されたカラー画像データの先頭部分のみをモノクロ画像データに変換することを特徴としている。
【0008】
請求項4記載の通信装置は、請求項1乃至3のいずれか1に記載の通信装置において、前記データ変換手段により変換されたモノクロ画像データを複数の符号化方式により符号化する符号化手段をさらに備え、該符号化手段は、前記モノクロ画像データを符号化した際にそのデータ量がしきい値以下となる符号化方式を選択して符号化し、前記格納手段は、前記符号化手段により符号化されたモノクロ画像データと共に当該画像データの通信に関する情報をメモリに格納することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の通信装置によれば、ファクシミリ通信にて送信及び受信した画像データがカラー画像データである場合に、そのカラー画像データの所定領域のみをモノクロ画像データに変換して通信に関する情報と共に格納することができる。したがって、大容量のメモリを装備することなく送信及び受信したカラー原稿の画像データの所定領域をモノクロ画像データとして格納することができる。また、格納されたモノクロ画像データは、通信に関する情報と共に出力することが可能なので、ユーザは、その出力されたモノクロ画像及び通信に関する情報を見て通信内容を容易に確認することができる。
【0010】
請求項2記載の通信装置によれば、電子メールにて送信及び受信した画像データがカラー画像データである場合に、そのカラー画像データの所定領域をモノクロ画像データに変換して通信に関する情報と共に格納することができる。したがって、大容量のメモリを装備することなく送信及び受信した電子メールに添付されているカラー画像データの所定領域をモノクロ画像データとして格納することができる。また、格納されたモノクロ画像データは、通信に関する情報と共に出力することが可能なので、ユーザは、その出力されたモノクロ画像及び通信に関する情報を見て通信内容を容易に確認することができる。
【0011】
請求項3記載の通信装置によれば、送信及び受信した電子メールに複数のファイルからなるカラー画像データが添付されている場合、添付されている全てのカラー画像データの先頭部分をモノクロ画像データとして格納するか、又は先頭ファイルとして添付されているカラー画像データの先頭部分のみをモノクロ画像データとして格納することができる。したがって、電子メールにて送信及び受信したカラー画像データのうち、必要な領域のみを効率よく保存することができる。
【0012】
請求項4記載の通信装置によれば、送信及び受信したカラー画像データをモノクロ画像データに変換した後、そのモノクロ画像データを符号化した際にそのデータ量がしきい値以下となるような符号化方式で符号化して格納するので、送信及び受信した画像データをより少ないデータ量で通信に関する情報と共に格納することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態に係る通信装置をコピー機能、ファクシミリ機能、インターネットファクシミリ機能等を有する複合機に適用した場合について図面に基づき説明する。図1に示すように、通信装置1は、制御部(MPU:Microprocessing Unit)2、ROM(Read Only Memory)3、RAM(Random Access Memory)4、操作部5、表示部6、コーデック7、原稿読取部8、判別回路9、変換回路10、メモリ管理回路11、画像メモリ12、通信部13、記録部14及びLAN I/F(Local Area Network Interface)15を備えたものであって、各部2乃至15は、バス16によって通信可能に接続されている。
【0014】
制御部2は、所定のプログラムに従ってこの通信装置1を構成する各部を制御するものである。ROM3は、制御部2によりこの通信装置1の各部の動作が制御されるための各種プログラムを格納している。ROM3に格納されているプログラムは、例えば、送受信したカラー画像データの所定領域のみを復号化してモノクロ画像データに変換する処理を行うためのデータ変換処理プログラムや、モノクロ画像データを符号化した際に、そのデータ量がしきい値以下となるような符号化方式を選択してモノクロ画像データを符号化する処理を行うための符号化処理プログラムである。ここで、所定領域とは、送受信したカラー画像データの1ページ目のことである。
【0015】
RAM4は、登録されたファクシミリ番号、メールアドレス、各種設定情報等を予め格納している。また、RAM4には、ファクシミリ機能又はインターネットファクシミリ機能により送受信した画像データの通信に関する情報等を格納するための通信管理テーブルTが設けられている。
【0016】
図2は、ファクシミリ機能により画像データを送受信した際に、その通信に関する情報等が格納される通信管理テーブルT1、T2である。送信した画像データの通信に関する情報が格納される通信管理テーブルT1は、図示するように「番号」フィールド、「相手先名」フィールド、「モード」フィールド、「開始日時」フィールド、「時間」フィールド、「枚数」フィールド、「結果」フィールド、「ファイル番号」フィールド、「方式」フィールド、及び「備考」フィールドからなる。「番号」フィールドには、通信を行った時間順に付けられる番号が格納される。「相手先名」フィールドには、画像データを送信した相手先の名称や相手先装置のファクシミリ番号が格納される。「モード」フィールドには、送信した画像データの画質に関する情報が格納される。「開始日時」フィールドには、画像データの送信を開始した日時が格納される。「時間」フィールドには、相手先装置へ画像データの送信を開始してから終了するまでの所要時間が格納される。「枚数」フィールドには、送信した画像データのページ数が格納される。「結果」フィールドには、通信結果が格納される。「ファイル番号」フィールドには、送信済みカラー画像データの1ページ目がモノクロ画像データに変換され、更に符号化されて格納される際に付けられる番号が格納される。「方式」フィールドには、格納されたモノクロ画像データがどの符号化方式で符号化されたものであるかを示す符号化の方式が格納される。「備考」フィールドには、その他の情報が格納される。なお、ファクシミリ機能により画像データを受信した場合にも、同様にして上記の通信に関する情報が通信管理テーブルT2に格納される。
【0017】
図3は、インターネットファクシミリ機能により画像データを送受信した場合に、その画像データの通信に関する情報等が格納される通信管理テーブルT3、T4を示したものである。ここで、画像データの通信に関する情報とは、その画像データが添付されている電子メールの通信に関する情報である。送信した電子メールの通信に関する情報等が格納される通信管理テーブルT3は、図示するように「番号」フィールド、「宛先」フィールド、「日付」フィールド、「件名」フィールド、「結果」フィールド、「ファイル番号」フィールド、及び「方式」フィールドからなる。「番号」フィールドには、通信を行った時間順に付けられる番号が格納される。「宛先」フィールドには、電子メールを送信した相手先の名称や相手先のメールアドレスが格納される。「日付」フィールドには、電子メールを送信した日付が格納される。「件名」フィールドには、電子メールの件名が格納される。「結果」フィールドには、通信結果が格納される。「ファイル番号」フィールドには、送信済み電子メールに添付されているカラー画像データの先頭部分のみ、具体的にはカラー画像データの1ページ目のみがモノクロ画像データに変換され、更に符号化されて格納される際に付けられる番号が格納される。「方式」フィールドには、格納されたモノクロ画像データがどの符号化方式で符号化されたものであるかを示す符号化の方式が格納される。
【0018】
また、インターネットファクシミリ機能により画像データが添付された電子メールを受信した場合は、通信管理テーブルT4に宛先の代わりに電子メールを送信した送信者のメールアドレスが格納され、他のフィールドには電子メールを送信した場合と同様に受信した電子メールの通信に関する情報等が格納される。
【0019】
操作部5は、ファクシミリ番号、記録部数等を入力するためのテンキー、原稿読取部8に載置された原稿のコピー実行命令及びファクシミリ送信を指示するためのスタートキー、各種設定を行うためのカーソルキー等から構成される操作キーを具備している。また、インターネットファクシミリ機能により送受信した電子メールに、複数のファイルからなるカラー画像データが添付されている場合に、先頭ファイルとして添付されているカラー画像データの1ページ目のみを格納するか、又は添付されている全てのカラー画像データの1ページ目のみを格納するかの設定は、この操作部5から行われる。
【0020】
表示部6は、この通信装置1の状態に関する情報、各種操作指示入力画面、エラー警告、設定状態、動作状態等を表示する液晶表示装置及びLEDランプを具備している。また、表示部6はファクシミリ機能又はインターネットファクシミリ機能により送受信した画像データの1ページ目のモノクロ画像をその通信に関する情報と共に表示する。
【0021】
コーデック7は、図4に示すようにJPEGコーデック7a、スキャナコーデック7b及びプリントコーデック7cから構成されており、画像データを所定のプロトコルに対応して符号化(エンコード)・復号化(デコード)するものである。JPEGコーデック7aは、JPEG(Joint Photographic Experts Group)方式に対応して、多値メモリ12bに格納されている多値画像データを符号化し、符号化メモリ12aに格納されている画像データを復号化する。スキャナコーデック7bは二値メモリ12cに格納されている二値画像データをMH(Modified Huffman)、MR(Modified Read)、MMR(Modified Modified Read)、JBIG(Joint Bi-level Image experts Group)方式等により符号化する。プリントコーデック7cは、符号化メモリ12aに格納されている画像データを、記録部14により記録紙に記録したり、表示部6の備える液晶表示装置に表示させるためにMH、MR、MMR、JBIG方式等により復号化する。
【0022】
原稿読取部8は、自動原稿給送部(ADF:Automatic Document Feeder)及びフラットベッド読取部(FBS:Flat Bed Scanner)を備えており、カラーCCD(Charge Coupled Device)により原稿の画像の読み取りを行う。なお、この原稿読取部8は、制御部2の制御命令に従って原稿の予備走査を行い、この予備走査によって得られた原稿の画像情報は判別回路9へと送出される。そして、判別回路9は、その画像情報から原稿読取部8に載置された原稿がカラー原稿であるのかモノクロ原稿であるのかを判別する。
【0023】
変換回路10は、図1及び図4に示すように、第1変換回路10a及び第2変換回路10bを備えている。第1変換回路10aは、原稿読取部8で読み取られたRGB表色系の画像データに対しシューディング補正、ライン補正及びずれ補正等の入力補正を行い、L*a*b*表色系の画像データへと入力色変換し、拡大縮小、地色補正等の処理を行う。第2変換回路10bは、第1変換回路10aでL*a*b*表色系に変換された画像データや、JPEGコーデック7aによって復号化された画像データをCMYK(C:シアン、M:マゼンダ、Y:イエロー、K:ブラック)の出力表色系へと出力色変換し、誤差拡散処理等を行って二値化する処理を行う。なお、第2変換回路10bはカラー画像データをモノクロ画像データに変換する際には、L*a*b*表色系の画像データのうち、L*成分に対してのみ画像処理を行い、K成分のみの画像信号を生成する処理を行う。また、RGB表色系の画像データが変換される表色系は、L*a*b*表色系に限定されるものではなく、例えばYcc表色系等でもよく、カラー画像データをモノクロ画像データに変換する場合には、第2変換回路10bにおいてY成分に対してのみ画像処理が行われる。
【0024】
メモリ管理回路11は、多値メモリ管理回路11a及び二値メモリ管理回路11bを具備している。多値メモリ管理回路11aは、第1変換回路10aで処理された画像データやJPEGコーデック7aで復号化された画像データを多値メモリ12bに格納し、多値メモリ12bに格納されている画像データをJPEGコーデック7a又は第2変換回路10bに出力する処理を行う。また、カラー画像データをモノクロ画像データに変換する場合は、この多値メモリ管理回路11aは制御部2の制御命令に従って多値メモリ12bに格納されているL*a*b*表色系の画像データのうち、L*成分のみを第2変換回路10bに送出する。二値メモリ管理回路11bは、第2変換回路10bで処理された画像データ又はプリントコーデック7cで復号化された画像データを二値メモリ12cに格納し、二値メモリ12cに格納されている画像データをスキャナコーデック7b又は記録部14へ出力する処理を行う。
【0025】
画像メモリ12は、符号化メモリ12a、多値メモリ12b及び二値メモリ12cから構成されている。符号化メモリ12aは、ファクシミリ通信にて送受信した画像データ、電子メールにて送受信した画像データ等を一時的に格納する。多値メモリ12bは、第1変換回路10aによってL*a*b*表色系に変換された画像データ等の多値画像データを一時的に格納する。二値メモリ12cは、第2変換回路10bによって二値化された画像データやプリントコーデック7cによって復号化された画像データを一時的に格納する。
【0026】
通信部13は、モデム17及びNCU(Network Control Unit)18を備えている。モデム17は、例えばITU−T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)の勧告V.34規格又はこれと同様のものに従った送受信データの変調及び復調を行うものである。NCU18は、電話回線を制御して電話をかけたり、切ったりする回線網制御装置であり、PSTN(Public Switched Telephone Network)19に接続されている。
【0027】
記録部14は、例えば電子写真方式のものからなり、原稿読取部8で読み取られた画像データ、ファクシミリ受信した画像データ、クライアントPC22から受信した画像データ等を記録紙に記録する。また、記録部14は通信管理テーブルTに格納されている通信に関する情報と、送受信したカラー画像データの1ページ目をモノクロ画像として記録紙に記録する。
【0028】
LANI/F15は、LAN(Local Area Network)21とのインターフェイスを備えており、この通信装置1と同じくLAN21に接続されたクライアントPC22、メールサーバ23、ルータ24との通信が可能である。
【0029】
複合機として上記構成を備えた通信装置1によれば、コピー機能によって原稿読取部8で読み取った画像データを記録紙に記録することができるほか、ファクシミリ機能によって他のG3ファクシミリ装置(不図示)とファクシミリ送受信し、インターネットファクシミリ機能によって他のインターネットファクシミリ装置等(不図示)と原稿の画像データが添付された電子メールを送受信することができるようになっている。
【0030】
また、ファクシミリ機能やインターネットファクシミリ機能により送受信したカラー画像データの1ページ目のみをモノクロ画像データとして格納することができる。そして、格納されたモノクロ画像データは、その通信に関する情報と共に、表示部6の備える液晶表示装置に表示させたり、記録部14によって記録紙に記録することができる。
【0031】
以下、ファクシミリ通信にてカラー画像データを送受信した場合に、その画像データの1ページ目のみをモノクロ画像に変換し、更に符号化して通信に関する情報と共に格納するための処理動作について図5及び図6に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、このフローチャートに示す通信装置1の各部の動作は、制御部2の制御命令に基づいて行われる。
【0032】
制御部2は、画像データの送受信が完了したと判断すると(S1:YES)、図2に示した通信管理テーブルTに相手先名、モード、開始日時等の画像データの通信に関する情報を格納する(S2)。そして、符号化メモリ12aに送受信済みのカラー画像データの1ページ目のみを残し、2ページ目以降を消去する(S3)。続いて、そのカラー画像データの1ページ目を復号化し、モノクロ画像データに変換する(S4)。具体的には、図4に示したように、符号化メモリ12aに格納されているカラー画像データの1ページ目を、JPEGコーデック7aにより復号化して多値メモリ12aに一時的に格納した後、多値メモリ管理回路11aによりL*a*b*表色系の画像データのうちL*成分のみを読み出して第2変換回路10bに送出し、該第2変換回路10bにおいてKのみの画像信号を生成する処理等を行って二値メモリ12cに一時的に格納する。
【0033】
続いて、二値メモリ12cに格納されているモノクロ画像データをスキャナコーデック7bにより所定の符号化方式で符号化する(S5)。所定の符号化方式とは、MH、MR、MMR、JBIG方式のいずれかの符号化方式である。そして、制御部2はスキャナコーデック7bによって符号化されたモノクロ画像データのデータ量が予め設定されたしきい値以下であるか否かを判断し(S6)、しきい値以下であると判断した場合には(S6:YES)、S5において符号化されたモノクロ画像データにファイル番号を付けて符号化メモリ12aに格納する(S7)。そして、そのファイル番号と、格納されたモノクロ画像データが符号化されている符号化方式を通信管理テーブルTの「ファイル番号」欄と「方式」欄にそれぞれ格納する(S8)。
【0034】
一方、制御部2がS5において符号化されたモノクロ画像データのデータ量がしきい値以下ではないと判断した場合(S6:NO)、スキャナコーデック7bは二値メモリ12cに格納されているモノクロ画像データを他の符号化方式で符号化する(S9)。そして、制御部2はS9において符号化されたモノクロ画像データのデータ量がしきい値以下であるか否かを判断し(S10)、しきい値以下であると判断した場合には(S10:YES)、S9において符号化されたモノクロ画像データにファイル番号を付けて符号化メモリ12aに格納する(S11)。そして、前記S8と同様にファイル番号と格納されたモノクロ画像データが符号化されている符号化方式を通信管理テーブルTの「ファイル番号」欄と「方式」欄にそれぞれ格納する(S12)。
【0035】
また、制御部2はS9において符号化されたモノクロ画像データのデータ量がしきい値以下ではないと判断した場合(S10:NO)、未試行の符号化方式があるか否かを判断する(S13)。未試行の符号化方式がある場合には(S13:YES)、スキャナコーデック7bはその未試行の符号化方式でモノクロ画像データを符号化し(S14)、制御部2はその符号化方式で符号化されたモノクロ画像データのデータ量がしきい値以下であるか否かを判断する(S10)。そして、そのデータ量がしきい値以下であると判断した場合は、その符号化方式で符号化されたモノクロ画像データに対し、前記S11及びS12の処理を行う。
【0036】
未試行の符号化方式がない場合(S13:NO)、具体的にはMH、MR、MMR、JBIG方式のいずれの符号化方式で符号化しても、そのデータ量がしきい値以下とならない場合、符号化した際にそのデータ量が最も少なくなる符号化方式で符号化したモノクロ画像データにファイル番号を付けて符号化メモリ12aに格納する(S15)。そして、そのファイル番号と格納されたモノクロ画像データが符号化されている符号化方式を通信管理テーブルTの「ファイル番号」欄と「方式」欄にそれぞれ格納する(S16)。
【0037】
以上説明したように、ファクシミリ通信にて送受信したカラー画像データは、その1ページ目のみが復号化され、モノクロ画像データに変換され、更に符号化された際にそのデータ量が所定値以下となるような符号化方式で符号化されて、通信に関する情報と共に格納される。なお、S5、S9、S14で行う符号化の方式は、操作部5から予め設定しておくことが可能である。
【0038】
以下、電子メールにてカラー画像データを送受信した場合に、送受信済み電子メールに添付されているカラー画像データの先頭部分のみをモノクロ画像データとして通信に関する情報と共に格納するための処理動作について図7及び図8に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、このフローチャートに示す通信装置1の各部の動作は、制御部2の制御命令に基づいて行われる。
【0039】
制御部2は、電子メールの送受信が完了したと判断すると(S18:YES)、図3に示した通信管理テーブルTに送受信した電子メールの通信に関する情報を格納する(S19)。そして、送受信した電子メールに複数のファイルからなるカラー画像データが添付されているか否かを判断する(S20)。複数のファイルからなるカラー画像データが添付されていない、すなわち添付ファイルが1つの場合(S20:NO)、図9に示すように添付されているカラー画像データ27のタグ情報から1ページ目を判断し、先頭部分としてその1ページ目28のみを符号化メモリ12aに残して2ページ目以降を消去する(S21)。続いて、そのカラー画像データの1ページ目28を、前記S4と同様に復号化してモノクロ画像データに変換する(S22)。そして、該モノクロ画像データは、二値メモリ12cに一時的に格納される。
【0040】
続いて、二値メモリ12cに格納されている画像データをスキャナコーデック7bにより所定の符号化方式で符号化する(S23)。所定の符号化方式とは、MH、MR、MMR、JBIG方式のいずれかの符号化方式である。そして、制御部2はスキャナコーデック7bによってS23で符号化されたモノクロ画像データのデータ量が予め設定されたしきい値以下であるか否かを判断し(S24)、しきい値以下である場合には(S24:YES)、そのS23で符号化されたモノクロ画像データにファイル番号を付けて符号化メモリ12aに格納する(S25)。そして、そのファイル番号と格納されたモノクロ画像データが符号化されている符号化方式を通信管理テーブルTの「ファイル番号」欄と「方式」欄にそれぞれ格納する(S26)。
【0041】
一方、制御部2がS23において符号化されたモノクロ画像データのデータ量がしきい値以下ではないと判断した場合(S24:NO)、スキャナコーデック7bは二値メモリ12cに格納されているモノクロ画像データを他の符号化方式で符号化する(S28)。そして、制御部2はS28において符号化されたモノクロ画像データのデータ量がしきい値以下であるか否かを判断し(S29)、しきい値以下であると判断した場合には(S29:YES)、S28において符号化されたモノクロ画像データにファイル番号を付けて符号化メモリ12aに格納する(S30)。そして、前記S26と同様にファイル番号と格納されたモノクロ画像データが符号化されている符号化方式を通信管理テーブルTの「ファイル番号」欄と「方式」欄にそれぞれ格納する(S31)。
【0042】
また、制御部2はS28において符号化されたモノクロ画像データのデータ量がしきい値以下ではないと判断した場合(S29:NO)、未試行の符号化方式があるか否かを判断する(S32)。未試行の符号化方式がある場合(S32:YES)、スキャナコーデック7bはその未試行の符号化方式でモノクロ画像データを符号化し(S33)、制御部2はその符号化方式で符号化されたモノクロ画像データのデータ量がしきい値以下であるか否かを判断する(S29)。そして、そのデータ量がしきい値以下であると判断した場合は(S29:YES)、S33において符号化されたモノクロ画像データに対し、前記S30及びS31の処理を行う。
【0043】
一方、未試行の符号化方式がない場合(S32:NO)、具体的にはMH、MR、MMR、JBIG方式のいずれの符号化方式で符号化しても、そのデータ量がしきい値以下とならない場合、これらの符号化方式の中で符号化した際にそのデータ量が最も少なくなる符号化方式で符号化したモノクロ画像データにファイル番号を付けて符号化メモリ12aに格納する(S34)。そして、そのファイル番号と、格納されたモノクロ画像データが符号化されている符号化方式を、通信管理テーブルTの「ファイル番号」欄と「方式」欄にそれぞれ格納する(S35)。
【0044】
前記S20において、制御部2は、例えば図10に示すように、送受信済みの電子メールに複数のファイルからなるカラー画像データ30乃至32が添付されていると判断した場合(S20:YES)、操作部5から予め先頭ファイルとして添付されているカラー画像データ30の先頭部分のみを格納するように設定されているか否かを判断する(S37)。先頭ファイルとして添付されているカラー画像データ30の先頭部分のみを格納するように設定されている場合(S37:YES)、先頭ファイルとして添付されているカラー画像データ30に対してその1ページ目のみを復号化し、モノクロ画像データに変換し、そのデータ量がしきい値以下となる符号化方式で符号化して格納するという前記S21以降の処理を行う。
【0045】
また、先頭ファイルとして添付されているカラー画像データ30の先頭部分のみを格納するように設定されていない場合(S37:NO)、複数のファイルからなるカラー画像データの各々の1ページ目30a、31a、及び32aのみを残し、2ページ目以降を消去する(S38)。そして、それらのカラー画像データの1ページ目30a、31a、及び32aをそれぞれ復号化し、前記S4と同様にしてそれぞれモノクロ画像データに変換する(S39)。そして、モノクロ画像データに変換されたこれら三つの画像データ30a、31a、及び32aのそれぞれに対して前記S23以降の処理動作を行う。なお、この場合、複数の画像データが格納されるため、図3に示す通信管理テーブルTの「ファイル番号」欄、「方式」欄にはそれぞれ複数のファイル番号、方式がそれぞれ格納される。
【0046】
以上説明したように、電子メールにて送受信したカラー画像データは、そのカラー画像データの先頭部分のみ、具体的には、添付されたカラー画像データの1ページ目のみが復号化され、モノクロ画像データに変換され、更に符号化した際にそのデータ量が所定値以下となる符号化方式で符号化されて、通信に関する情報と共に格納される。また、複数のファイルからなるカラー画像データが添付されている場合には、添付されているカラー画像データの各々の1ページ目を同様に格納することが可能である。なお、S23、S28、S33で行う符号化の方式は、操作部5から予め設定しておくことが可能である。
【0047】
また、通信管理テーブルTに格納されている通信に関する情報及び符号化メモリ12aに格納されている1ページ目のモノクロ画像データは、ユーザの操作部5からの所定操作によって、図11に示すように記録紙に記録したり、表示部6の備える液晶表示装置に表示させることができる。すなわち、前記所定の操作によって通信管理テーブルTの番号が指定されると、当該番号と同一レコードに記載されているファイル番号を持つモノクロ画像データが、符号化メモリ12aからプリントコーデック7cへと送られて復号化された後、一旦二値メモリに格納される。そして、通信管理テーブルTの前記同一レコードに記載されている通信に関する情報と共に記録部14へと送られて記録紙に記録される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態に係る通信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ファクシミリ機能により送受信した画像データの通信に関する情報等を格納するための通信管理テーブルを示した図である。
【図3】インターネットファクシミリ機能により送受信した電子メールの通信に関する情報等を格納するための通信管理テーブルを示した図である。
【図4】送受信済みカラー画像データに対して行われる画像処理のデータ転送の流れを示した図である。
【図5】ファクシミリ通信にてカラー画像データを送受信した際に行われる処理動作を示したフローチャートである。
【図6】ファクシミリ通信にてカラー画像データを送受信した際に行われる処理動作を示したフローチャートである。
【図7】電子メールにてカラー画像データを送受信した際に行われる処理動作を示したフローチャートである。
【図8】電子メールにてカラー画像データを送受信した際に行われる処理動作を示したフローチャートである。
【図9】送受信した電子メールに添付されているカラー画像データの先頭部分を説明するための概略図である。
【図10】送受信した電子メールに複数のファイルからなるカラー画像データが添付されている場合に、通信装置に格納される画像データの先頭部分について説明するための概略図である。
【図11】ファクシミリ通信にて送信した画像データの1ページ目のモノクロ画像とその通信に関する情報が記録された記録紙を示した図である。
【符号の説明】
【0049】
1 通信装置
2 制御部
3 ROM
4 RAM
6 表示部
7 コーデック
7a JPEGコーデック
7b スキャナコーデック
7c プリントコーデック
10b 第2変換回路
11a 多値メモリ管理回路
12a 符号化メモリ
14 記録部
27、30、31、32 カラー画像データ
28、30a、31a、32a カラー画像データの1ページ目
T 通信管理テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置に関し、詳しくは送受信した原稿の画像データを通信に関する情報と共に格納する通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
原稿読取部で読み取った原稿のモノクロ画像データをファクシミリ送信した後、その画像データの最初の1ページを縮小し、これを符号化して通信に関する情報と共に保存することができるファクシミリ装置がある。保存されたモノクロ画像データは、操作部からの所定操作によって伸長され通信に関する情報と共に記録紙に記録されるので、ユーザは送信した原稿の先頭ページと照らし合わせてその原稿についての通信に関する情報を容易に確認することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−69032号公報(第2−4頁、第5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、カラー画像データについても上記と同様にして通信に関する情報と共に保存しようとすると、カラー画像データはモノクロ画像データに比べてデータ量が多いため、大容量のメモリを装備しなければ多くの送信したカラー画像データを保存することができないという問題点がある。
【0004】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、送信又は受信したカラー画像データの所定領域を少ないデータ量で通信に関する情報と共に保存することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1記載の通信装置は、画像データをファクシミリ通信にて送受信するファクシミリ送受信手段と、ファクシミリ通信にて送信及び受信した画像データがカラー画像データである場合に、そのカラー画像データの所定領域をモノクロ画像データに変換するデータ変換手段と、変換したモノクロ画像データと共に当該画像データの通信に関する情報をメモリに格納する格納手段と、メモリに格納されている前記通信に関する情報及び前記モノクロ画像データを出力する出力手段と、を備えることを特徴としている。
【0006】
請求項2記載の通信装置は、画像データを電子メールにて送受信する電子メール送受信手段と、電子メールにて送信及び受信した画像データがカラー画像データである場合に、そのカラー画像データの所定領域をモノクロ画像データに変換するデータ変換手段と、変換したモノクロ画像データと共に当該画像データの通信に関する情報をメモリに格納する格納手段と、メモリに格納されている前記通信に関する情報及び前記モノクロ画像データを出力する出力手段と、を備えることを特徴としている。
【0007】
請求項3記載の通信装置は、請求項2記載の通信装置において、前記データ変換手段は、前記電子メール送受信手段により送信及び受信した電子メールに複数のファイルからなるカラー画像データが添付されている場合に、前記所定領域として、前記複数のファイルからなるカラー画像データの各々の先頭部分、又は先頭ファイルとして添付されたカラー画像データの先頭部分のみをモノクロ画像データに変換することを特徴としている。
【0008】
請求項4記載の通信装置は、請求項1乃至3のいずれか1に記載の通信装置において、前記データ変換手段により変換されたモノクロ画像データを複数の符号化方式により符号化する符号化手段をさらに備え、該符号化手段は、前記モノクロ画像データを符号化した際にそのデータ量がしきい値以下となる符号化方式を選択して符号化し、前記格納手段は、前記符号化手段により符号化されたモノクロ画像データと共に当該画像データの通信に関する情報をメモリに格納することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の通信装置によれば、ファクシミリ通信にて送信及び受信した画像データがカラー画像データである場合に、そのカラー画像データの所定領域のみをモノクロ画像データに変換して通信に関する情報と共に格納することができる。したがって、大容量のメモリを装備することなく送信及び受信したカラー原稿の画像データの所定領域をモノクロ画像データとして格納することができる。また、格納されたモノクロ画像データは、通信に関する情報と共に出力することが可能なので、ユーザは、その出力されたモノクロ画像及び通信に関する情報を見て通信内容を容易に確認することができる。
【0010】
請求項2記載の通信装置によれば、電子メールにて送信及び受信した画像データがカラー画像データである場合に、そのカラー画像データの所定領域をモノクロ画像データに変換して通信に関する情報と共に格納することができる。したがって、大容量のメモリを装備することなく送信及び受信した電子メールに添付されているカラー画像データの所定領域をモノクロ画像データとして格納することができる。また、格納されたモノクロ画像データは、通信に関する情報と共に出力することが可能なので、ユーザは、その出力されたモノクロ画像及び通信に関する情報を見て通信内容を容易に確認することができる。
【0011】
請求項3記載の通信装置によれば、送信及び受信した電子メールに複数のファイルからなるカラー画像データが添付されている場合、添付されている全てのカラー画像データの先頭部分をモノクロ画像データとして格納するか、又は先頭ファイルとして添付されているカラー画像データの先頭部分のみをモノクロ画像データとして格納することができる。したがって、電子メールにて送信及び受信したカラー画像データのうち、必要な領域のみを効率よく保存することができる。
【0012】
請求項4記載の通信装置によれば、送信及び受信したカラー画像データをモノクロ画像データに変換した後、そのモノクロ画像データを符号化した際にそのデータ量がしきい値以下となるような符号化方式で符号化して格納するので、送信及び受信した画像データをより少ないデータ量で通信に関する情報と共に格納することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態に係る通信装置をコピー機能、ファクシミリ機能、インターネットファクシミリ機能等を有する複合機に適用した場合について図面に基づき説明する。図1に示すように、通信装置1は、制御部(MPU:Microprocessing Unit)2、ROM(Read Only Memory)3、RAM(Random Access Memory)4、操作部5、表示部6、コーデック7、原稿読取部8、判別回路9、変換回路10、メモリ管理回路11、画像メモリ12、通信部13、記録部14及びLAN I/F(Local Area Network Interface)15を備えたものであって、各部2乃至15は、バス16によって通信可能に接続されている。
【0014】
制御部2は、所定のプログラムに従ってこの通信装置1を構成する各部を制御するものである。ROM3は、制御部2によりこの通信装置1の各部の動作が制御されるための各種プログラムを格納している。ROM3に格納されているプログラムは、例えば、送受信したカラー画像データの所定領域のみを復号化してモノクロ画像データに変換する処理を行うためのデータ変換処理プログラムや、モノクロ画像データを符号化した際に、そのデータ量がしきい値以下となるような符号化方式を選択してモノクロ画像データを符号化する処理を行うための符号化処理プログラムである。ここで、所定領域とは、送受信したカラー画像データの1ページ目のことである。
【0015】
RAM4は、登録されたファクシミリ番号、メールアドレス、各種設定情報等を予め格納している。また、RAM4には、ファクシミリ機能又はインターネットファクシミリ機能により送受信した画像データの通信に関する情報等を格納するための通信管理テーブルTが設けられている。
【0016】
図2は、ファクシミリ機能により画像データを送受信した際に、その通信に関する情報等が格納される通信管理テーブルT1、T2である。送信した画像データの通信に関する情報が格納される通信管理テーブルT1は、図示するように「番号」フィールド、「相手先名」フィールド、「モード」フィールド、「開始日時」フィールド、「時間」フィールド、「枚数」フィールド、「結果」フィールド、「ファイル番号」フィールド、「方式」フィールド、及び「備考」フィールドからなる。「番号」フィールドには、通信を行った時間順に付けられる番号が格納される。「相手先名」フィールドには、画像データを送信した相手先の名称や相手先装置のファクシミリ番号が格納される。「モード」フィールドには、送信した画像データの画質に関する情報が格納される。「開始日時」フィールドには、画像データの送信を開始した日時が格納される。「時間」フィールドには、相手先装置へ画像データの送信を開始してから終了するまでの所要時間が格納される。「枚数」フィールドには、送信した画像データのページ数が格納される。「結果」フィールドには、通信結果が格納される。「ファイル番号」フィールドには、送信済みカラー画像データの1ページ目がモノクロ画像データに変換され、更に符号化されて格納される際に付けられる番号が格納される。「方式」フィールドには、格納されたモノクロ画像データがどの符号化方式で符号化されたものであるかを示す符号化の方式が格納される。「備考」フィールドには、その他の情報が格納される。なお、ファクシミリ機能により画像データを受信した場合にも、同様にして上記の通信に関する情報が通信管理テーブルT2に格納される。
【0017】
図3は、インターネットファクシミリ機能により画像データを送受信した場合に、その画像データの通信に関する情報等が格納される通信管理テーブルT3、T4を示したものである。ここで、画像データの通信に関する情報とは、その画像データが添付されている電子メールの通信に関する情報である。送信した電子メールの通信に関する情報等が格納される通信管理テーブルT3は、図示するように「番号」フィールド、「宛先」フィールド、「日付」フィールド、「件名」フィールド、「結果」フィールド、「ファイル番号」フィールド、及び「方式」フィールドからなる。「番号」フィールドには、通信を行った時間順に付けられる番号が格納される。「宛先」フィールドには、電子メールを送信した相手先の名称や相手先のメールアドレスが格納される。「日付」フィールドには、電子メールを送信した日付が格納される。「件名」フィールドには、電子メールの件名が格納される。「結果」フィールドには、通信結果が格納される。「ファイル番号」フィールドには、送信済み電子メールに添付されているカラー画像データの先頭部分のみ、具体的にはカラー画像データの1ページ目のみがモノクロ画像データに変換され、更に符号化されて格納される際に付けられる番号が格納される。「方式」フィールドには、格納されたモノクロ画像データがどの符号化方式で符号化されたものであるかを示す符号化の方式が格納される。
【0018】
また、インターネットファクシミリ機能により画像データが添付された電子メールを受信した場合は、通信管理テーブルT4に宛先の代わりに電子メールを送信した送信者のメールアドレスが格納され、他のフィールドには電子メールを送信した場合と同様に受信した電子メールの通信に関する情報等が格納される。
【0019】
操作部5は、ファクシミリ番号、記録部数等を入力するためのテンキー、原稿読取部8に載置された原稿のコピー実行命令及びファクシミリ送信を指示するためのスタートキー、各種設定を行うためのカーソルキー等から構成される操作キーを具備している。また、インターネットファクシミリ機能により送受信した電子メールに、複数のファイルからなるカラー画像データが添付されている場合に、先頭ファイルとして添付されているカラー画像データの1ページ目のみを格納するか、又は添付されている全てのカラー画像データの1ページ目のみを格納するかの設定は、この操作部5から行われる。
【0020】
表示部6は、この通信装置1の状態に関する情報、各種操作指示入力画面、エラー警告、設定状態、動作状態等を表示する液晶表示装置及びLEDランプを具備している。また、表示部6はファクシミリ機能又はインターネットファクシミリ機能により送受信した画像データの1ページ目のモノクロ画像をその通信に関する情報と共に表示する。
【0021】
コーデック7は、図4に示すようにJPEGコーデック7a、スキャナコーデック7b及びプリントコーデック7cから構成されており、画像データを所定のプロトコルに対応して符号化(エンコード)・復号化(デコード)するものである。JPEGコーデック7aは、JPEG(Joint Photographic Experts Group)方式に対応して、多値メモリ12bに格納されている多値画像データを符号化し、符号化メモリ12aに格納されている画像データを復号化する。スキャナコーデック7bは二値メモリ12cに格納されている二値画像データをMH(Modified Huffman)、MR(Modified Read)、MMR(Modified Modified Read)、JBIG(Joint Bi-level Image experts Group)方式等により符号化する。プリントコーデック7cは、符号化メモリ12aに格納されている画像データを、記録部14により記録紙に記録したり、表示部6の備える液晶表示装置に表示させるためにMH、MR、MMR、JBIG方式等により復号化する。
【0022】
原稿読取部8は、自動原稿給送部(ADF:Automatic Document Feeder)及びフラットベッド読取部(FBS:Flat Bed Scanner)を備えており、カラーCCD(Charge Coupled Device)により原稿の画像の読み取りを行う。なお、この原稿読取部8は、制御部2の制御命令に従って原稿の予備走査を行い、この予備走査によって得られた原稿の画像情報は判別回路9へと送出される。そして、判別回路9は、その画像情報から原稿読取部8に載置された原稿がカラー原稿であるのかモノクロ原稿であるのかを判別する。
【0023】
変換回路10は、図1及び図4に示すように、第1変換回路10a及び第2変換回路10bを備えている。第1変換回路10aは、原稿読取部8で読み取られたRGB表色系の画像データに対しシューディング補正、ライン補正及びずれ補正等の入力補正を行い、L*a*b*表色系の画像データへと入力色変換し、拡大縮小、地色補正等の処理を行う。第2変換回路10bは、第1変換回路10aでL*a*b*表色系に変換された画像データや、JPEGコーデック7aによって復号化された画像データをCMYK(C:シアン、M:マゼンダ、Y:イエロー、K:ブラック)の出力表色系へと出力色変換し、誤差拡散処理等を行って二値化する処理を行う。なお、第2変換回路10bはカラー画像データをモノクロ画像データに変換する際には、L*a*b*表色系の画像データのうち、L*成分に対してのみ画像処理を行い、K成分のみの画像信号を生成する処理を行う。また、RGB表色系の画像データが変換される表色系は、L*a*b*表色系に限定されるものではなく、例えばYcc表色系等でもよく、カラー画像データをモノクロ画像データに変換する場合には、第2変換回路10bにおいてY成分に対してのみ画像処理が行われる。
【0024】
メモリ管理回路11は、多値メモリ管理回路11a及び二値メモリ管理回路11bを具備している。多値メモリ管理回路11aは、第1変換回路10aで処理された画像データやJPEGコーデック7aで復号化された画像データを多値メモリ12bに格納し、多値メモリ12bに格納されている画像データをJPEGコーデック7a又は第2変換回路10bに出力する処理を行う。また、カラー画像データをモノクロ画像データに変換する場合は、この多値メモリ管理回路11aは制御部2の制御命令に従って多値メモリ12bに格納されているL*a*b*表色系の画像データのうち、L*成分のみを第2変換回路10bに送出する。二値メモリ管理回路11bは、第2変換回路10bで処理された画像データ又はプリントコーデック7cで復号化された画像データを二値メモリ12cに格納し、二値メモリ12cに格納されている画像データをスキャナコーデック7b又は記録部14へ出力する処理を行う。
【0025】
画像メモリ12は、符号化メモリ12a、多値メモリ12b及び二値メモリ12cから構成されている。符号化メモリ12aは、ファクシミリ通信にて送受信した画像データ、電子メールにて送受信した画像データ等を一時的に格納する。多値メモリ12bは、第1変換回路10aによってL*a*b*表色系に変換された画像データ等の多値画像データを一時的に格納する。二値メモリ12cは、第2変換回路10bによって二値化された画像データやプリントコーデック7cによって復号化された画像データを一時的に格納する。
【0026】
通信部13は、モデム17及びNCU(Network Control Unit)18を備えている。モデム17は、例えばITU−T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)の勧告V.34規格又はこれと同様のものに従った送受信データの変調及び復調を行うものである。NCU18は、電話回線を制御して電話をかけたり、切ったりする回線網制御装置であり、PSTN(Public Switched Telephone Network)19に接続されている。
【0027】
記録部14は、例えば電子写真方式のものからなり、原稿読取部8で読み取られた画像データ、ファクシミリ受信した画像データ、クライアントPC22から受信した画像データ等を記録紙に記録する。また、記録部14は通信管理テーブルTに格納されている通信に関する情報と、送受信したカラー画像データの1ページ目をモノクロ画像として記録紙に記録する。
【0028】
LANI/F15は、LAN(Local Area Network)21とのインターフェイスを備えており、この通信装置1と同じくLAN21に接続されたクライアントPC22、メールサーバ23、ルータ24との通信が可能である。
【0029】
複合機として上記構成を備えた通信装置1によれば、コピー機能によって原稿読取部8で読み取った画像データを記録紙に記録することができるほか、ファクシミリ機能によって他のG3ファクシミリ装置(不図示)とファクシミリ送受信し、インターネットファクシミリ機能によって他のインターネットファクシミリ装置等(不図示)と原稿の画像データが添付された電子メールを送受信することができるようになっている。
【0030】
また、ファクシミリ機能やインターネットファクシミリ機能により送受信したカラー画像データの1ページ目のみをモノクロ画像データとして格納することができる。そして、格納されたモノクロ画像データは、その通信に関する情報と共に、表示部6の備える液晶表示装置に表示させたり、記録部14によって記録紙に記録することができる。
【0031】
以下、ファクシミリ通信にてカラー画像データを送受信した場合に、その画像データの1ページ目のみをモノクロ画像に変換し、更に符号化して通信に関する情報と共に格納するための処理動作について図5及び図6に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、このフローチャートに示す通信装置1の各部の動作は、制御部2の制御命令に基づいて行われる。
【0032】
制御部2は、画像データの送受信が完了したと判断すると(S1:YES)、図2に示した通信管理テーブルTに相手先名、モード、開始日時等の画像データの通信に関する情報を格納する(S2)。そして、符号化メモリ12aに送受信済みのカラー画像データの1ページ目のみを残し、2ページ目以降を消去する(S3)。続いて、そのカラー画像データの1ページ目を復号化し、モノクロ画像データに変換する(S4)。具体的には、図4に示したように、符号化メモリ12aに格納されているカラー画像データの1ページ目を、JPEGコーデック7aにより復号化して多値メモリ12aに一時的に格納した後、多値メモリ管理回路11aによりL*a*b*表色系の画像データのうちL*成分のみを読み出して第2変換回路10bに送出し、該第2変換回路10bにおいてKのみの画像信号を生成する処理等を行って二値メモリ12cに一時的に格納する。
【0033】
続いて、二値メモリ12cに格納されているモノクロ画像データをスキャナコーデック7bにより所定の符号化方式で符号化する(S5)。所定の符号化方式とは、MH、MR、MMR、JBIG方式のいずれかの符号化方式である。そして、制御部2はスキャナコーデック7bによって符号化されたモノクロ画像データのデータ量が予め設定されたしきい値以下であるか否かを判断し(S6)、しきい値以下であると判断した場合には(S6:YES)、S5において符号化されたモノクロ画像データにファイル番号を付けて符号化メモリ12aに格納する(S7)。そして、そのファイル番号と、格納されたモノクロ画像データが符号化されている符号化方式を通信管理テーブルTの「ファイル番号」欄と「方式」欄にそれぞれ格納する(S8)。
【0034】
一方、制御部2がS5において符号化されたモノクロ画像データのデータ量がしきい値以下ではないと判断した場合(S6:NO)、スキャナコーデック7bは二値メモリ12cに格納されているモノクロ画像データを他の符号化方式で符号化する(S9)。そして、制御部2はS9において符号化されたモノクロ画像データのデータ量がしきい値以下であるか否かを判断し(S10)、しきい値以下であると判断した場合には(S10:YES)、S9において符号化されたモノクロ画像データにファイル番号を付けて符号化メモリ12aに格納する(S11)。そして、前記S8と同様にファイル番号と格納されたモノクロ画像データが符号化されている符号化方式を通信管理テーブルTの「ファイル番号」欄と「方式」欄にそれぞれ格納する(S12)。
【0035】
また、制御部2はS9において符号化されたモノクロ画像データのデータ量がしきい値以下ではないと判断した場合(S10:NO)、未試行の符号化方式があるか否かを判断する(S13)。未試行の符号化方式がある場合には(S13:YES)、スキャナコーデック7bはその未試行の符号化方式でモノクロ画像データを符号化し(S14)、制御部2はその符号化方式で符号化されたモノクロ画像データのデータ量がしきい値以下であるか否かを判断する(S10)。そして、そのデータ量がしきい値以下であると判断した場合は、その符号化方式で符号化されたモノクロ画像データに対し、前記S11及びS12の処理を行う。
【0036】
未試行の符号化方式がない場合(S13:NO)、具体的にはMH、MR、MMR、JBIG方式のいずれの符号化方式で符号化しても、そのデータ量がしきい値以下とならない場合、符号化した際にそのデータ量が最も少なくなる符号化方式で符号化したモノクロ画像データにファイル番号を付けて符号化メモリ12aに格納する(S15)。そして、そのファイル番号と格納されたモノクロ画像データが符号化されている符号化方式を通信管理テーブルTの「ファイル番号」欄と「方式」欄にそれぞれ格納する(S16)。
【0037】
以上説明したように、ファクシミリ通信にて送受信したカラー画像データは、その1ページ目のみが復号化され、モノクロ画像データに変換され、更に符号化された際にそのデータ量が所定値以下となるような符号化方式で符号化されて、通信に関する情報と共に格納される。なお、S5、S9、S14で行う符号化の方式は、操作部5から予め設定しておくことが可能である。
【0038】
以下、電子メールにてカラー画像データを送受信した場合に、送受信済み電子メールに添付されているカラー画像データの先頭部分のみをモノクロ画像データとして通信に関する情報と共に格納するための処理動作について図7及び図8に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、このフローチャートに示す通信装置1の各部の動作は、制御部2の制御命令に基づいて行われる。
【0039】
制御部2は、電子メールの送受信が完了したと判断すると(S18:YES)、図3に示した通信管理テーブルTに送受信した電子メールの通信に関する情報を格納する(S19)。そして、送受信した電子メールに複数のファイルからなるカラー画像データが添付されているか否かを判断する(S20)。複数のファイルからなるカラー画像データが添付されていない、すなわち添付ファイルが1つの場合(S20:NO)、図9に示すように添付されているカラー画像データ27のタグ情報から1ページ目を判断し、先頭部分としてその1ページ目28のみを符号化メモリ12aに残して2ページ目以降を消去する(S21)。続いて、そのカラー画像データの1ページ目28を、前記S4と同様に復号化してモノクロ画像データに変換する(S22)。そして、該モノクロ画像データは、二値メモリ12cに一時的に格納される。
【0040】
続いて、二値メモリ12cに格納されている画像データをスキャナコーデック7bにより所定の符号化方式で符号化する(S23)。所定の符号化方式とは、MH、MR、MMR、JBIG方式のいずれかの符号化方式である。そして、制御部2はスキャナコーデック7bによってS23で符号化されたモノクロ画像データのデータ量が予め設定されたしきい値以下であるか否かを判断し(S24)、しきい値以下である場合には(S24:YES)、そのS23で符号化されたモノクロ画像データにファイル番号を付けて符号化メモリ12aに格納する(S25)。そして、そのファイル番号と格納されたモノクロ画像データが符号化されている符号化方式を通信管理テーブルTの「ファイル番号」欄と「方式」欄にそれぞれ格納する(S26)。
【0041】
一方、制御部2がS23において符号化されたモノクロ画像データのデータ量がしきい値以下ではないと判断した場合(S24:NO)、スキャナコーデック7bは二値メモリ12cに格納されているモノクロ画像データを他の符号化方式で符号化する(S28)。そして、制御部2はS28において符号化されたモノクロ画像データのデータ量がしきい値以下であるか否かを判断し(S29)、しきい値以下であると判断した場合には(S29:YES)、S28において符号化されたモノクロ画像データにファイル番号を付けて符号化メモリ12aに格納する(S30)。そして、前記S26と同様にファイル番号と格納されたモノクロ画像データが符号化されている符号化方式を通信管理テーブルTの「ファイル番号」欄と「方式」欄にそれぞれ格納する(S31)。
【0042】
また、制御部2はS28において符号化されたモノクロ画像データのデータ量がしきい値以下ではないと判断した場合(S29:NO)、未試行の符号化方式があるか否かを判断する(S32)。未試行の符号化方式がある場合(S32:YES)、スキャナコーデック7bはその未試行の符号化方式でモノクロ画像データを符号化し(S33)、制御部2はその符号化方式で符号化されたモノクロ画像データのデータ量がしきい値以下であるか否かを判断する(S29)。そして、そのデータ量がしきい値以下であると判断した場合は(S29:YES)、S33において符号化されたモノクロ画像データに対し、前記S30及びS31の処理を行う。
【0043】
一方、未試行の符号化方式がない場合(S32:NO)、具体的にはMH、MR、MMR、JBIG方式のいずれの符号化方式で符号化しても、そのデータ量がしきい値以下とならない場合、これらの符号化方式の中で符号化した際にそのデータ量が最も少なくなる符号化方式で符号化したモノクロ画像データにファイル番号を付けて符号化メモリ12aに格納する(S34)。そして、そのファイル番号と、格納されたモノクロ画像データが符号化されている符号化方式を、通信管理テーブルTの「ファイル番号」欄と「方式」欄にそれぞれ格納する(S35)。
【0044】
前記S20において、制御部2は、例えば図10に示すように、送受信済みの電子メールに複数のファイルからなるカラー画像データ30乃至32が添付されていると判断した場合(S20:YES)、操作部5から予め先頭ファイルとして添付されているカラー画像データ30の先頭部分のみを格納するように設定されているか否かを判断する(S37)。先頭ファイルとして添付されているカラー画像データ30の先頭部分のみを格納するように設定されている場合(S37:YES)、先頭ファイルとして添付されているカラー画像データ30に対してその1ページ目のみを復号化し、モノクロ画像データに変換し、そのデータ量がしきい値以下となる符号化方式で符号化して格納するという前記S21以降の処理を行う。
【0045】
また、先頭ファイルとして添付されているカラー画像データ30の先頭部分のみを格納するように設定されていない場合(S37:NO)、複数のファイルからなるカラー画像データの各々の1ページ目30a、31a、及び32aのみを残し、2ページ目以降を消去する(S38)。そして、それらのカラー画像データの1ページ目30a、31a、及び32aをそれぞれ復号化し、前記S4と同様にしてそれぞれモノクロ画像データに変換する(S39)。そして、モノクロ画像データに変換されたこれら三つの画像データ30a、31a、及び32aのそれぞれに対して前記S23以降の処理動作を行う。なお、この場合、複数の画像データが格納されるため、図3に示す通信管理テーブルTの「ファイル番号」欄、「方式」欄にはそれぞれ複数のファイル番号、方式がそれぞれ格納される。
【0046】
以上説明したように、電子メールにて送受信したカラー画像データは、そのカラー画像データの先頭部分のみ、具体的には、添付されたカラー画像データの1ページ目のみが復号化され、モノクロ画像データに変換され、更に符号化した際にそのデータ量が所定値以下となる符号化方式で符号化されて、通信に関する情報と共に格納される。また、複数のファイルからなるカラー画像データが添付されている場合には、添付されているカラー画像データの各々の1ページ目を同様に格納することが可能である。なお、S23、S28、S33で行う符号化の方式は、操作部5から予め設定しておくことが可能である。
【0047】
また、通信管理テーブルTに格納されている通信に関する情報及び符号化メモリ12aに格納されている1ページ目のモノクロ画像データは、ユーザの操作部5からの所定操作によって、図11に示すように記録紙に記録したり、表示部6の備える液晶表示装置に表示させることができる。すなわち、前記所定の操作によって通信管理テーブルTの番号が指定されると、当該番号と同一レコードに記載されているファイル番号を持つモノクロ画像データが、符号化メモリ12aからプリントコーデック7cへと送られて復号化された後、一旦二値メモリに格納される。そして、通信管理テーブルTの前記同一レコードに記載されている通信に関する情報と共に記録部14へと送られて記録紙に記録される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態に係る通信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ファクシミリ機能により送受信した画像データの通信に関する情報等を格納するための通信管理テーブルを示した図である。
【図3】インターネットファクシミリ機能により送受信した電子メールの通信に関する情報等を格納するための通信管理テーブルを示した図である。
【図4】送受信済みカラー画像データに対して行われる画像処理のデータ転送の流れを示した図である。
【図5】ファクシミリ通信にてカラー画像データを送受信した際に行われる処理動作を示したフローチャートである。
【図6】ファクシミリ通信にてカラー画像データを送受信した際に行われる処理動作を示したフローチャートである。
【図7】電子メールにてカラー画像データを送受信した際に行われる処理動作を示したフローチャートである。
【図8】電子メールにてカラー画像データを送受信した際に行われる処理動作を示したフローチャートである。
【図9】送受信した電子メールに添付されているカラー画像データの先頭部分を説明するための概略図である。
【図10】送受信した電子メールに複数のファイルからなるカラー画像データが添付されている場合に、通信装置に格納される画像データの先頭部分について説明するための概略図である。
【図11】ファクシミリ通信にて送信した画像データの1ページ目のモノクロ画像とその通信に関する情報が記録された記録紙を示した図である。
【符号の説明】
【0049】
1 通信装置
2 制御部
3 ROM
4 RAM
6 表示部
7 コーデック
7a JPEGコーデック
7b スキャナコーデック
7c プリントコーデック
10b 第2変換回路
11a 多値メモリ管理回路
12a 符号化メモリ
14 記録部
27、30、31、32 カラー画像データ
28、30a、31a、32a カラー画像データの1ページ目
T 通信管理テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データをファクシミリ通信にて送受信するファクシミリ送受信手段と、ファクシミリ通信にて送信及び受信した画像データがカラー画像データである場合に、そのカラー画像データの所定領域をモノクロ画像データに変換するデータ変換手段と、変換したモノクロ画像データと共に当該画像データの通信に関する情報をメモリに格納する格納手段と、メモリに格納されている前記通信に関する情報及び前記モノクロ画像データを出力する出力手段と、を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
画像データを電子メールにて送受信する電子メール送受信手段と、電子メールにて送信及び受信した画像データがカラー画像データである場合に、そのカラー画像データの所定領域をモノクロ画像データに変換するデータ変換手段と、変換したモノクロ画像データと共に当該画像データの通信に関する情報をメモリに格納する格納手段と、メモリに格納されている前記通信に関する情報及び前記モノクロ画像データを出力する出力手段と、を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項3】
前記データ変換手段は、前記電子メール送受信手段により送信及び受信した電子メールに複数のファイルからなるカラー画像データが添付されている場合に、前記所定領域として、前記複数のファイルからなるカラー画像データの各々の先頭部分、又は先頭ファイルとして添付されたカラー画像データの先頭部分のみをモノクロ画像データに変換することを特徴とする請求項2記載の通信装置。
【請求項4】
前記データ変換手段により変換されたモノクロ画像データを複数の符号化方式により符号化する符号化手段をさらに備え、該符号化手段は、前記モノクロ画像データを符号化した際にそのデータ量がしきい値以下となる符号化方式を選択して符号化し、前記格納手段は、前記符号化手段により符号化されたモノクロ画像データと共に当該画像データの通信に関する情報をメモリに格納することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の通信装置。
【請求項1】
画像データをファクシミリ通信にて送受信するファクシミリ送受信手段と、ファクシミリ通信にて送信及び受信した画像データがカラー画像データである場合に、そのカラー画像データの所定領域をモノクロ画像データに変換するデータ変換手段と、変換したモノクロ画像データと共に当該画像データの通信に関する情報をメモリに格納する格納手段と、メモリに格納されている前記通信に関する情報及び前記モノクロ画像データを出力する出力手段と、を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
画像データを電子メールにて送受信する電子メール送受信手段と、電子メールにて送信及び受信した画像データがカラー画像データである場合に、そのカラー画像データの所定領域をモノクロ画像データに変換するデータ変換手段と、変換したモノクロ画像データと共に当該画像データの通信に関する情報をメモリに格納する格納手段と、メモリに格納されている前記通信に関する情報及び前記モノクロ画像データを出力する出力手段と、を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項3】
前記データ変換手段は、前記電子メール送受信手段により送信及び受信した電子メールに複数のファイルからなるカラー画像データが添付されている場合に、前記所定領域として、前記複数のファイルからなるカラー画像データの各々の先頭部分、又は先頭ファイルとして添付されたカラー画像データの先頭部分のみをモノクロ画像データに変換することを特徴とする請求項2記載の通信装置。
【請求項4】
前記データ変換手段により変換されたモノクロ画像データを複数の符号化方式により符号化する符号化手段をさらに備え、該符号化手段は、前記モノクロ画像データを符号化した際にそのデータ量がしきい値以下となる符号化方式を選択して符号化し、前記格納手段は、前記符号化手段により符号化されたモノクロ画像データと共に当該画像データの通信に関する情報をメモリに格納することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の通信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−312250(P2008−312250A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−210291(P2008−210291)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【分割の表示】特願2003−105048(P2003−105048)の分割
【原出願日】平成15年4月9日(2003.4.9)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【分割の表示】特願2003−105048(P2003−105048)の分割
【原出願日】平成15年4月9日(2003.4.9)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】
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